説明

固形内容物の加熱方法及び装置並びに容器

【課題】 容器に充填された固形食品を短時間にムラなく均一に効率よく加熱でき、製造ラインの高速化を可能とし、且つ加熱時の固形内容物の飛散を防止し、フランジのシール面やチャンバー体内面への固形物の付着を防止する。
【解決手段】 固形内容物充填済みの容器15の開口部を、個別容器毎にチャンバー体21で覆って密封空間を形成し、チャンバー体の噴射口28から加熱媒体を容器の開口内壁面近傍に向けて噴射し、該加熱媒体が容器内部を通過するように流れを生じさせて内容物を短時間に加熱殺菌する加熱方法において、噴射口28から噴射した加熱媒体をチャンバー体の側壁に設けた邪魔板34に干渉させ、流束が乱された状態で固形内容物18に作用するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性容器入り固形内容物の加熱方法及び装置に関し、特に、成形容器詰米飯等、容器詰固形食品の製造ラインにおいて、容器に固形食品を充填後密閉する前に固形食品を加熱する方法及び装置並びに前記固形食品を加熱する方法を適用するのに適した容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチック容器詰米飯の製造ラインにおいて、炊飯された米飯を個食トレー(プラスチック容器)に充填後、密封直前に米飯に加熱蒸気を噴射して米飯を殺菌してから容器を密封することが行なわれている。該方法において、本出願人は、給気孔と排気孔が形成された第1の蒸気室を有する第1のチャンバーと、第2の蒸気室を有する第2のチャンバーを相対移動させ、該チャンバー間に容器群を供給して第1チャンバーと第2チャンバーで加圧室を構成し、該加圧室内で容器の開口部の上に配置された多孔板の多数の小孔を介して容器の開口部に向けて蒸気を流出させるようにして、バッチ処理で蒸気殺菌するものを提案した(特許文献1参照)。さらに、蒸気置換ライン全体で1つのチャンバーを形成し、連続処理ができ、且つスチームの吹きかけによる利点を確保しながら、スチームを用いることによる周囲環境が高温多湿になることを回避した装置を提案した(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−176959号公報
【特許文献2】特開2004−182320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記提案の各従来技術は、何れも蒸気の供給位置と排出位置が個々の容器に対応してないので、蒸気の容器内への単位時間当りの流入量が少なく、その分処理時間が長くかかり、製造ラインの高速化に未だ満足するものではなかった。特に、容器底壁面には固形物が密着していて殆ど隙間がなく蒸気の流れが阻害されるので、容器底部近傍の内容物まで均一に加熱するにはかなりの時間を要する。また、従来の方法はチャンバー内に供給された複数個の容器に向かって容器開口部上方から一斉に蒸気を噴射するので、蒸気が容器のフランジのシール面にかかり、そこに結露してシール性を阻害してしまう場合もあった。それらの従来技術の問題点を解決するものとして、本出願人は、搬送コンベヤで搬送される固形内容物充填済みの容器開口部を、個別容器毎にチャンバー体で覆って密封空間を形成し、該チャンバー体に加熱媒体の噴射口と排気口を離れて配置し、前記噴射口から加熱媒体を容器の開口部に向けて噴射し、該加熱媒体が容器内部を通過するように流れを制御して、加熱媒体を内容物に接触させて内容物と熱交換させ、前記排気口から加熱媒体を排出することにより内容物を加熱することを特徴とする固形食品の短時間加熱の方法及び装置をさらに提案した(特願2004−363083号)。上記提案した固形内容物の加熱方法及び装置は上記問題点を解決するものであったが、内容物(例えば米飯)の粘着性が低いと、蒸気の噴射によって内容物が飛び散る恐れがある。飛び散った内容物が、容器のフランジ部に付着するとシール不良を起こす恐れがあり、またチャンバー内面などに付着すると、その除去作業のため生産性を落とす等の不具合が生じる恐れがある点で解決すべき課題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上記提案の固形内容物の加熱方法及び装置をさらに改良したものであり、短時間にムラなく均一に効率よく加熱でき、製造ラインを高速化することを可能とすると共に、加熱媒体の噴射によって内容物が飛び散る恐れがなく、上記不具合を解消できる固形内容物の加熱方法及び装置並びに前記固形食品を加熱する方法を適用するのに適した容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するためにさらに研究した結果、固形内容物内を単時間に加熱するためには、加熱媒体はある程度以上の圧力で噴射口から噴射させる必要があるが、上記提案の方法において加熱媒体の少なくとも一部を固形内容物に直接作用させずに、流束を乱した状態で作用させることによって、固形内容物を飛散させずに短時間に加熱できることを見出し、本発明に到達したものである。
【0006】
即ち、本発明の固形内容物の加熱方法は、容器に充填された固形内容物をシール前に加熱媒体で加熱する方法であって、固形内容物充填済みの容器開口部を、個別容器毎にチャンバー体で覆って密封空間を形成し、該チャンバー体に加熱媒体の噴射口と排気口を離れて配置し、前記噴射口から噴射した加熱媒体が容器内部を通過して前記固形内容物を加熱するようにしてなり、前記噴射口から噴射した加熱媒体を緩衝手段と干渉させ、流束が乱された状態で前記固形内容物に作用するようにしてなることを特徴とするものである。前記加熱媒体としては、水蒸気、より好適には飽和蒸気が望ましいが、過熱蒸気、加熱空気(熱風)や加熱不活性ガスも採用できる。噴射口と排気口は、できるだけ離れて配置することにより、加熱媒体の固形食品内を通過する流路が広がり、加熱範囲が広くなり望ましい。
【0007】
前記緩衝手段として、前記チャンバー体に噴射口から内容物に向かう加熱媒体の流路に設けられた障害物が採用でき、該障害物に前記加熱媒体の少なくとも一部が当ることにより、加熱媒体の流束が乱されるようにすることができる。前記障害物としては、チャンバー体の側壁から加熱媒体の仮想流路に突出して設けられた邪魔板が好適に採用できる。邪魔板の形状・個数は特に限定されるものでないが、少なくとも加熱媒体の仮想流路の一部に面するようにする。ここで、仮想流路とは、チャンバー体の噴射口から該噴射口の口径を有して噴射方向に伸びる仮想空間をいう。(あるいは、噴射口から噴射された加熱媒体が一定の拡がりを持つ流束となって噴射方向に進む仮想空間をいう。)
【0008】
また、前記緩衝手段の他の形態として、前記チャンバー体の側壁が採用できる。その場合、前記加熱媒体の噴射口を加熱媒体の仮想流路の少なくとも一部が前記チャンバー体の側壁内面に当るように傾斜して設けて、前記加熱媒体の少なくとも一部が側壁内面に当ることにより、加熱媒体の流束が乱されるようにすることができる。さらに、前記緩衝手段の他の形態として、前記加熱媒体の噴射口に設けられた障害物が採用でき、加熱媒体が噴射口から噴出時に前記障害物により加熱媒体の流束が乱されるようにすることができる。また、前記緩衝手段を、チャンバー体に設けずに、容器に設けられた障害物であるとすることができる。さらに、前記緩衝手段として、容器のフランジを利用することができる。その場合、前記チャンバー体の開口部を前記チャンバー体の開口端部が容器との間で密封空間を形成できる範囲で容器開口部より大きく形成し、前記加熱媒体噴射口から加熱媒体を前記フランジに向けて噴射することにより、加熱媒体の流束を乱した状態で固形内容物に作用させることができる。
【0009】
本発明の固形内容物の加熱装置は、搬送コンベヤにより搬送される容器に充填された固形内容物をシール前に加熱媒体で加熱する装置であって、内容物充填済み容器の開口部に向けて相対的に接離可能に設けられ、個別容器毎に容器開口部を覆って密封空間を形成するチャンバー体を有し、該チャンバー体に加熱媒体の噴射口を容器の開口内壁面寄り上方に位置するように設けると共に、排気口を前記噴射口と離れた位置に設けてなり、前記チャンバー体に、前記噴射口から噴射した加熱媒体と干渉して流束を乱す緩衝手段を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
前記緩衝手段は、前記チャンバー体に噴射口から内容物に向かう加熱媒体の仮想流路の一部に位置するように設けられた障害物とすることができる。また、前記障害物は、チャンバー体の側壁の途中又は底部からチャンバー内に突出して設けられた邪魔板とすることができる。さらに、前記緩衝手段の他の形態として、前記加熱媒体の噴射口に設けられた障害物とすることもできる。また、緩衝手段として、チャンバー体の側壁を利用する場合は、前記噴射口から噴射した加熱媒体の流束の少なくとも一部がチャンバー体の側壁内面に当るように、前記噴射口がチャンバー体の側壁に向けて傾斜しているようにする。また、本発明に係る容器は、開口外周部に蓋材シール用のフランジ又はカール部を有する容器であって、充填された内容物の上面に突出するように障害物を前記開口部近傍に形成してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明の固形内容物の加熱方法及び装置によれば、個々の容器の開口部を覆った状態で容器の開口部内の上方に位置する噴射口から加熱媒体を噴射するので、確実に容器内を加熱媒体が通過することができ、短時間に固形内容物をムラなく加熱することができ、製造ラインを高速化することを可能とし、固形内容物が米飯等の固形食品である場合、効率的に固形食品の殺菌ができるとともに、固形食品の風味を損なうことがない。そして、加熱媒体が緩衝手段と干渉して、流束が乱れた状態で固形内容物に作用するので、内容物の飛散も少なく、容器のフランジに内容物が付着することがなくシール性を向上させると共に、チャンバー内面に内容品が付着することが少なくなり、チャンバー体を清潔に保つことができ、付着物の除去作業が低減でき、生産性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面を基に詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る米飯等の固形内容物の加熱殺菌装置を適用した容器詰固形食品の製造ラインを示す模式図である。
図中、1はポリプロピレン等の熱溶着性又はその処理を施した合成樹脂製トレイ状容器(以下、単に「容器」と称す)が嵌合する孔を有し、容器15のフランジ裏面を受ける受け台2が等ピッチに配置された搬送コンベヤである。該搬送コンベヤ1の搬送路に沿って、上流側から順に空容器移載ステーション5、内容物充填ステーション6、加熱殺菌ステーション7、蓋シールステーション8、密封済み容器の排出ステーション9が順に配置されている。加熱殺菌ステーション7以外の各ステーションは、例えば前記特許文献2に示すような従来公知のステーションと同様の構成を採用することができ、空容器移載ステーション5には空容器を搬送コンベヤ1の受け台2にフランジが載るように供給する供給装置(図示してない)が設けられ、内容物充填ステーション6には容器一個を収容できる大きさに計量された固形物からなる内容物18を容器に順次供給する内容物充填装置(図示せず)が配置されている。そして、蓋シールステーション8には、容器の開口部を覆うようにフイルム状の蓋材11を順次供給し、且つ蓋材が打ち抜かれたスケルトンフイルムを排出する蓋材送り装置(図示せず)と、該蓋材を容器のフランジ部にヒートシールし、且つシール後に蓋材を打ち抜く蓋材シール装置12が配置されている。また、排出ステーション9には密封済み容器を搬送コンベヤ1の受け台2から押出して排出する排出装置13が配置されている。これらは、従来の技術と同様な手段を適宜採用できるので、詳細な説明は省略する。
【0013】
次に本発明の特徴である加熱殺菌ステーションに配置された本発明の固形内容物の加熱装置について、詳細に説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る固形内容物の加熱装置20の基本形態を示し、該装置の要部を概略的に図示した説明図である。
本発明の実施形態に係る固形内容物の加熱装置20の主な構成として、搬送コンベヤ受け台2に嵌合しフランジ17が支持されて間欠的又は連続的に搬送される内容物充填済みの容器15の開口部を個別容器毎に覆って容器との間に密封空間を形成するチャンバー体21と、該チャンバー体に対向して、容器の底部を突き上げて弾性変形させる容器底部突き上げ手段22を有している。チャンバー体21は、搬送コンベヤで搬送される容器開口部に向けて図示しない適宜の上下動駆動手段で上下動可能に支持され、その下方部に一端が開口して設けられた開口チャンバー23が形成されている。該開口チャンバー23は、その開口端の内周縁24が容器開口部内周縁と略同形同大に形成され、開口端部が容器のフランジ17を押圧するように形成され、容器開口部との間に密封空間を形成する。即ち、チャンバー体21は、加熱時には容器密閉蓋として機能する。なお、開口端部には、図示のように容器フランジ面を押圧してシールする適宜の無端状のシール材25を取り付けてもよい。
【0014】
本実施形態の開口チャンバー23は、天面壁は段差面を有するように形成され、外周縁近傍は低段差面26となっておりその内側部が高段差面27となっている。低段差面26の外周縁に近い位置に加熱媒体の噴射口28が形成され、該噴射口は連通管29を介して加熱媒体・置換流体供給切替ユニット30に連通している。噴射口28は、チャンバー体が容器開口部を覆った状態で、容器の一方の内壁面近傍に加熱媒体を噴出できるように、容器内周面寄りに設けるのが望ましい。加熱媒体・置換流体供給切替ユニット30の上流側には、加熱媒体供給源に連通する加熱媒体供給管31と、置換流体供給源に連通する置換流体供給管32が取付けられている。加熱媒体・置換流体供給切替ユニット30は、開口チャンバーに供給する流体を加熱媒体38又は置換流体39に切替制御でき、且つそれらの供給量及び圧力等を制御できるようになっている。一方、高段差面27には、前記噴射口28と反対側でなるべく噴射口28から遠い位置に位置するように排気口33が設けられている。排気口33は図示のように噴射口28よりも径大に形成されている。それにより、小口径の噴射口28が大口径の排気口33より圧力が高くなり、噴射口から排気口側に加熱媒体の積極的な流れが生じるようにする。
【0015】
そして、本実施形態では、噴射口28の下方に面するように、チャンバー体の側壁からチャンバー内に緩衝手段として邪魔板34を突出させて設けてある。該邪魔板34はチャンバー体の側壁の途中、或は下端に設けることができ、噴射口から噴射された加熱媒体が適度の圧力に緩和され、且つ固形内容物内を通過する所定の圧力を維持できる条件を満たすように、適宜取付け位置を決定すればよい。該邪魔板は、噴射口28から噴射される加熱媒体が直接固形内容物に作用しないように、噴射流に干渉して噴射流の流束を乱して固形内容物への作用圧力を緩和するために設けるものであり、図2に示す実施形態では、邪魔板34は、その端縁35が前記噴射口28の垂直下方部内に達するように設けられているが、噴射口から噴射されて広がりを持って流れる加熱媒体流束の少なくとも一部が当るように設ける。該邪魔板34は、図2に示すようにチャンバー体21と別部材で形成して取り付けてもよく、チャンバー体と同じ部材で一体に形成しても良い。そして、その形状は後述するように種々の形態が採用できる。邪魔板34の突出量、即ち、流束への干渉量が多いと内容物への作用圧力が低下し過ぎて急速加熱ができなくなり、逆に干渉量が少ないと飛散防止効果が少なくなるので、急速加熱ができ、且つ飛散防止ができる最適干渉量を選定する。
【0016】
また、本実施形態では、前記低段差壁面に高段差壁面の下方の開口部を覆うように多孔板からなる排気流速緩和プレート37を設けてある。該排気流速緩和プレート37は、排気口33の入口部を覆うように対向して設けられ、チャンバー内からの排気流の流速を緩和して、加熱媒体が内容物に作用しないで排気されるのを防止している。前記容器底部突き上げ手段22は、図示のように先端が鈍頭になっているロッド40を有するシリンダ装置、或は先端が鈍頭になっているロッド又は所定幅を有する板をシリンダ機構や適宜のアクチュエータで上下動させて押し込むようにする等任意の押し込み機構が採用できる。
【0017】
なお、本実施形態では、噴射口28は1個の場合を示しているが、例えば容器がほぼ矩形状の容器である場合は、図において、紙面に垂直な方向に所定間隔で複数個設置して、容器の一側の側壁内面に沿って複数の噴射口から容器内面に向けて噴射されるようにしてもよい。その場合、連通管29は、下流側が各噴射口に連通するようにマニホルド管として形成する。また、容器が断面円形や楕円形等の容器である場合は、図示の噴射口を中心にして所定角度範囲(120°以下が望ましい)に容器の側壁上方に沿って弧状に所定間隔で複数個配置してもよい。または、複数個の丸孔を形成するのに代えて、所定範囲にわたってスリット状に噴射口形成することも可能である。
【0018】
本実施形態の固形内容物の加熱装置は、以上のように構成され、内容物充填ステーション6で米飯等の内容物18が充填された容器15が搬送コンベヤの受け台2に支持されて加熱殺菌ステーション7に達すると、チャンバー体21が図示しない上下動機構で下降して、その下端に設けられたシール材25が容器のフランジ面に当り、開口チャンバーの下端内周縁がほぼ一致し、その位置で保持することによって、容器とチャンバー体21の開口チャンバー23との間に密封空間を形成する。その状態では、図1及び図2に示すように、噴射口28がほぼ容器の内周面近傍に加熱媒体を噴射するように位置している。
【0019】
次いで、容器突き上げ手段22を作動させ、容器の底部を容器の弾性変形範囲以下で突き上げて底部を変形させる。それにより、図示のように、ロッド40の作用点41を中心に変形するので、内容物が保形性を有するものである場合、容器底面と内容品下面との間に隙間ができ、加熱媒体の通過抵抗を少なくする。その状態で、加熱媒体・置換流体供給切替ユニット30を介して加熱媒体供給管31から供給される加熱媒体を噴射口28から所定の圧力で噴射させる。噴射された加熱媒体は、その流束の少なくとも一部が邪魔板34に当って干渉されることによって、図2に模式的に矢印で示すように、その流束が乱された状態で固形内容物に作用するので、内容物に作用する圧力が適度に緩和され、固形内容物の米粒等の粒子が飛び散るのが防止される。
【0020】
邪魔板34により流束が乱された加熱媒体は、一部は内容物表面に沿って流れるが、多くは下方側に吹き込まれて容器側壁内周面と固形内容品との隙間に向けて流下して固形食品内を通過して内容物を加熱し、排気口からチャンバー外に排気される。その際、容器底部が変形させられて内容物との間に隙間ができているので、加熱媒体は容器の底面に沿っても流れ、図2に矢印で示すような流れになり、内容物を底部側からも加熱することになり、底部近傍まで短時間に加熱することができる。しかも、噴射口と比べて排気口の断面積を大きく形成してあるので、噴射側と排出口に圧力差を生じさせ加熱媒体の流れが促進され、内容物への接触効率が高く、加熱効率が高くなり、内容物を略均一に加熱殺菌することができる。また、排気口に面して多孔板からなる排気流速緩和プレート37を設けてあるので、それが邪魔板となって排気口への加熱媒体の急激な流れが緩和され、加熱媒体が内容物に作用しないまま排出されるのが阻止され、加熱効率を高めている。なお、本実施形態では、容器の底部を容器底部突き上げ手段により変形させているが、容器底面に予め固形内容物が埋まらない程度の大きさの溝等の加熱媒体流通路を形成してある容器を使用すると、容器底部を突き上げ手段により変形させる必要はない。
【0021】
以上のような加熱装置を本実施形態では、図示のようにコンベヤ流れ方向に沿って3台配置し、以上のような加熱を間欠的に3回繰り返すようにして内容物をより効果的に殺菌できるようにしてある。1個所で長時間行なうより、このように複数回に分けて行なうことによって、ラインの高速化を図ることができる。また、3台の加熱殺菌装置20、20、20の加熱媒体の噴射口と排気口の位置を、図示のように交互に変えて各回毎に加熱媒体の流れ方向を交互に逆方向にすることによって、内容物をより均一に加熱殺菌できる利点がある。
【0022】
以上のように所定時間或は所定流量の加熱媒体を噴射して、内容品の加熱殺菌が終了すると、加熱媒体・置換流体供給切替ユニット30により、連通管29が置換流体供給管32に連結され、噴射口28から不活性ガス等の置換流体39が噴射される。それにより、前記加熱流体の場合と同様な作用で、置換流体が容器内及び上部を通って排気口から排出されることにより、密閉空間内のガスが置換流体に効率的に置換される。その際、容器内に残留している残留加熱媒体(例えば蒸気)も置換ガスによって排出されるので、容器内への残留蒸気を従来と比べて特段に減少させることができる。
【0023】
加熱殺菌され且つヘッドスペースのガスが置換流体に置換された内容物充填容器は、すぐ次の蓋シールステーション8に進み蓋材11で密封シールされる。このようにして得られる容器詰固形食品は、容器内で短時間での加熱殺菌であるため、品質の劣化がなく且つ蓋材への水蒸気の結露も少なく、しかも加熱殺菌・置換工程後直ぐに密封されるので、内容物が高温状態でシールされることになり、冷えた後に容器が負圧状態となり蓋材が張って、容器の外観が向上する。
【0024】
以上は、本発明の基本的な実施形態であるが、本発明は上記実施形態に限らず種々の設計変更が可能である。以下、種々の変更例を示す。以下に示す変更例の実施形態においては、上記実施形態と同様な部材は同一符号を付し、相違点のみ説明する。
図3は、本発明の他の実施形態を示す模式図である。本実施形態の固形内容物の加熱装置では、チャンバー体に設けられる邪魔板45をチャンバー体46の側壁下端からチャンバー内に突出するように側壁と一体に設けてある。従って、その下面は容器のフランジ抑え面47と同一面にある。図において、寸法aが邪魔板45のチャンバー内への突出幅であり、寸法bが容器フランジ押え幅であり、cが加熱媒体の仮想流路48への干渉幅である。邪魔板45の干渉幅cの相違によって、噴射口下方の仮想流路48との干渉量が相違し、加熱媒体の内容物への作用圧力を制御することができるので、実験的に最適突出量を求めて設定する。このように、邪魔板45を一体に形成することによって、チャンバー体構成をより単純化することができる利点がある。なお、図3において寸法dは開口チャンバーの側壁面から噴射口28の中心軸線までの距離、hは開口チャンバーの低段差面26から邪魔板45上面までの高さである。
【0025】
上記各実施形態において、邪魔板の先端縁を直線状にして、加熱媒体の噴出口が複数個ある場合、各噴出口に対して均一な干渉量となるように形成してもよいが、例えば図4に模式的に示すように、邪魔板50の先端縁51を円弧状に形成して、該先端縁が図において縦方向に1列に設けられた複数個の噴出口52の下方端を横切るように、その干渉量を設定することによって、噴射口毎の邪魔板の干渉量を異なるものにすることが出来る。なお、図4に示す実施形態では、先端縁を円弧状に形成した場合であるが、円弧状のほか必要に応じ例えばクシ状、鋸刃状等の非直線状に形成することも可能であり、加熱媒体の流束を乱すのに効果的な形状を採用すればよい。また、邪魔板は必ずしも水平に設ける場合に限らず、先端部が下方または上方に傾斜した状態で設けることも可能である。さらに、邪魔板は完全な板に限らず、多孔板或は網状物を採用することも可能である。
【0026】
以上の実施形態は、緩衝手段としてチャンバー体に邪魔板を設けた場合であるが、緩衝手段は邪魔板に限るものではない。図5は緩衝手段に邪魔板を設けない場合の本発明の加熱装置の他の実施形態の要部を示す模式図である。図5ではチャンバー体の要部のみを模式的に図示してあるが、その基本的構造は図2に示すものと同様であるので、異なる部分のみを説明する。本実施形態のチャンバー体60は、加熱媒体の噴出口61がその片方の側壁62の内面に向けて加熱媒体を噴射するように傾斜して設けられていることを特徴としている。なお、排気口63は上記実施形態と同様に垂直に設けられている。
【0027】
以上のように構成されたチャンバー体60では、噴出口61から噴射された加熱媒体の流束は側壁62に当って緩衝されるので、この場合は側壁が緩衝手段を構成する。従って、その場合は、図に示すように側壁内面に当って反射することにより流束が乱され、圧力が適度に緩和した状態で内容物に作用するので、内容物を飛散させることなく、固形内容物を加熱することができる。なお、本実施形態では、加熱媒体が垂直な側壁に直接当るようにしたが、側壁に傾斜した邪魔板を設けるようにしても良い。
【0028】
図6は、本発明の固形内容物の加熱装置のさらに他の実施形態の要部である置換流体噴射口部近傍の概略断面を示している。本実施形態では、チャンバー体70の天壁に設けられた加熱流体の噴出口71の出口近傍内部に邪魔板72を設けてある。従って、その場合は噴出口から噴出するに際して噴流の一部が邪魔板72と干渉して、破線矢印で示すように流束が乱された状態で噴出して噴出圧力が緩和される。本実施形態において、邪魔板72の形状は、例えば半円板状、両側又は複数箇所から突出した突起等任意形状のもの或は網目状のものも採用可能である。
【0029】
図7は、本発明の固形内容物の加熱方法のさらに他の実施形態を示している。本実施形態では、加熱装置自体は基本的には先に提案したような加熱装置を使用し、緩衝手段を容器に設けて、噴射口28から噴射した加熱媒体を緩衝手段に干渉させ、流束が乱された状態で固形内容物に作用するようにしてなるものである。本実施形態で使用される容器90は、開口部の内側にチャンバー体75の噴出口28より噴出される置換流体の一部が当って干渉するための障害物91を設けてあることを特徴する。障害物は、容器が噴射口の下方位置に到達して加熱工程を開始したときに、噴射口28の下方に望むように、少なくとも容器開口部の一辺から噴射口下方の仮想流路内に突出するように設けられている。本実施形態では、開口外周部に設けられた蓋材シール用のフランジ92の一部が容器開口内に突出して障害物91を形成しているが、該障害物の形状は、それに限るものでなく、噴射流束が内容物に作用する以前に当って流束を緩和させる形状であれば、その形状は問わない。
【0030】
図8(a)、(b)は、容器に加熱媒体の流束を乱す緩衝手段として障害物を設けた場合の容器の他の実施形態の概略断面形状を示している。図7に示す容器と相違点のみについて説明する。図8(a)に示す実施形態の容器95では、側壁96の上端部を一旦内側に屈曲してから外側に曲げることによって、内容物の上面に突出した障害物97を形成し、且つ該障害物の端部をそのまま外側に延長することによって、蓋材シール用のフランジ98を形成している。また、図8(b)に示す実施形態の容器100では、同様に側壁101の上端部を内側に斜め上方に屈曲し且つ外側方向に水平に屈曲することによって障害物102を形成し、さらにその端部を段差状に外側に水平に屈曲することによってフランジ103を形成している。これらの障害物は、スライド型や割り型を用いて成形することができる。また別部材を融着するなどの方法で成形しても良い。
【0031】
以上のように形成された障害物は、必ずしも容器開口部の全周に設ける必要はなく、少なくとも加熱媒体噴射口と対応する位置に設ければ良い。図9は図8(a)に示す形状の障害物を全周に設けた場合、図10は加熱媒体噴射口と対応する位置に設けた場合の実施形態の平面図であり、開口部の構成については図8(a)と同一符号を用いて詳細な説明は省略する。例えば、図9に示すように全周に障害物97を設けることによって、見栄が良く加熱時に位置決めの必要がないなどの利点がある。この場合は、特に開口部が円形状の容器105の場合に有利である。また、図10に示すように、例えばトレー状の容器110において、加熱媒体噴射口と対応する位置のみ又は対称的に排気口に対応する位置にも障害物97を設けることによって、障害物のないところから内容物を取り出しやすいので、内容物の取り出し性を阻害することなく、加熱媒体の緩衝機能を持たせることができる。
【0032】
以上のように、容器の開口部近傍に、充填された内容物の上面に突出した障害物を設けることによって、該容器の開口部をチャンバー体で覆って、蒸気等の加熱媒体を容器内に噴射する場合、チャンバー体の噴射口28から噴射した加熱媒体の一部が容器の開口部近傍に設けられた障害物に当り、流束が乱された状態で固形内容物に作用することによって、加熱媒体による内容物の飛び散りを効果的に防止することができる。
【0033】
また、図11は、容器115のフランジ117を加熱媒体の流束に干渉する障害物として利用する場合の実施形態を示している。その場合、図示のようにチャンバー体80の開口部を容器開口部より大きく形成し、チャンバー体80の開口端部がフランジ117の外周付近を押圧して密閉し、前記加熱媒体噴射口28から加熱媒体を前記フランジ117に向けて噴射することにより、加熱媒体の流束を乱した状態で固形内容物に作用させることができる。従って、この場合はチャンバー体の構成をより単純化することができる。なお、以上の各実施形態において、図示されていないが、図2に示すと同様に、加熱殺菌中底部を変形させて、加熱媒体が容器底部付近を通りやすくするのが好適である。
また、これらの図(図5,7,11)は模式図のため、噴射口と排出口がほぼ同じ径に描かれているが、既に記したように、排出口は噴射口より大きくするのが望ましい。
【実施例】
【0034】
図2に示す加熱装置において、邪魔板34の噴射口口径φと同径のチャンバー体側壁からの突き出し量a(図3参照)を2mm、4mm、6mmにそれぞれ設定した場合における、噴射口口径3mm、5mmにおける内容物の加熱状態と飛散状態を、蒸気圧0.07MPa、及び0.10MPaで噴射した場合について調べる実験を次の条件で行なった。
容器:
材質:中間層に酸素バリヤー層を持つ多層構造のポリプロピレン製
形状:矩形状成形容器
外形寸法:150mm×100mm×30mm
平均肉厚:約1mm
内容物及び充填量;
炊飯直後自然放冷で米飯表面が50℃に降温された米飯を1容器当り200g計量
充填
加熱媒体:飽和蒸気 圧力:0.07MPa、0.1MPa
チャンバー体温度: 110℃
加熱方法:加熱時間1.0秒、2.0秒間放置を3回繰り返して行った。その際、蒸気
噴射口−排気口の方向を図1に示すように1回毎に変えた。加熱時間中は、
容器底面を厚み3mmの板状容器突き上げ具で底部より5mm突き上げた。
以上のように加熱後、直ちに容器毎切断して、その断面を赤外線カメラで観察して断面の温度分布を測定して、全体の温度を測定した。また、それぞれの場合における米粒の飛散状況を観測した。その結果を蒸気圧0.07MPaの場合を表1に、0.1MPaの場合を表2に示す。
【0035】
【表1】

【表2】

【0036】
表1及び表2の結果から明らかなように、噴射流束に対する邪魔板の干渉量によって、内容物の加熱状態および飛散状態が影響を受けることが明らかであり、蒸気噴射口径に対する邪魔板の干渉量を適正に設定することによって、内容物を飛散させることなく迅速に全体を加熱できることができ、本発明の有用性が確認できた。蒸気圧が何れの場合も、邪魔板の干渉量が少なければ全体加熱は良好に行なわれるが、反面内容物の飛散量が増える傾向にあり、逆に干渉量が多ければ飛散量は少なくなるが、加熱に時間がかかり、上記実験例では、邪魔板の突き出し量が4mmの場合が内容物の飛散がなく、且つ良好に短時間に加熱できた。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は 内容物を短時間にムラなく均一に効率よく加熱でき、且つ内容物の飛散量も少なく、容器のフランジに内容物が付着することがなくシール性を向上させると共に、チャンバー内面を清潔に保つことができ、製造ラインを高速化することを可能とし、米飯、寒天、豆類等の固形食品を成形容器等に充填後加熱殺菌する固形食品の充填包装ラインにおける加熱装置として好適に適用できる。また、調理食品の製造ラインに適用することができ、その場合、容器に内容物を未調理又は半調理状態で充填し、その後本発明の加熱方法を適用することによって、内容物の調理を兼ねて殺菌することができる。あるいは、容器に充填された具材等の固形物を前記のように加熱して調理兼殺菌し、その後殺菌済みスープを充填することによって、具入り液状内容物容器詰食品を得ることができる。
このようにすることによって、炊飯から密封までの工程において、たとえトラブルでラインが停止して米飯が冷えて外気の菌が付着しても密封直前に再び加熱されて殺菌された状態で密封でき、しかも加熱直後に密封することによって、むらし効果もあり良好な容器詰米飯が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る固形内容物の加熱装置を適用した固形食品の成形容器への充填密封ラインの模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る固形内容物の加熱装置の断面概略図である。
【図3】他の実施形態に係る固形内容物の加熱装置のチャンバー体の要部断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る固形内容物の加熱装置の邪魔板の形態を表す平面模式図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態に係る固形内容物の加熱装置のチャンバー体断面模式図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態に係る固形内容物の加熱装置のチャンバー体の要部断面模式図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態に係る固形内容物の加熱装置のチャンバー体の要部断面模式図である。
【図8】(a)、(b)は本発明に係る容器の実施形態を示す要部断面模式図である。
【図9】本発明の実施形態に係る容器の平面模式図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る容器の平面模式図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態に係る固形内容物の加熱装置のチャンバー体の要部断面模式図である。
【符号の説明】
【0039】
1 搬送コンベヤ 2 受け台
5 空容器移載ステーション 6 内容物充填ステーション
7 加熱殺菌ステーション 8 蓋シールステーション
9 密封済み容器の排出ステーション 11 蓋材
12 蓋材シール装置 13 排出装置
15、90、95、100、105、110、115 容器
17、92、98、103、117 フランジ
18 内容物 20 食品の加熱装置
21、46、60、70、75 80 チャンバー体
22 容器底部突き上げ手段 23 開口チャンバー
28、52、61、71 噴射口 29 連通管
30 加熱媒体・置換流体供給切替ユニット 31 加熱媒体供給管
33、63 排気口 34、45、50、72 邪魔板
37 排気流速緩和プレート 38 加熱媒体
39 置換流体 40 突き上げロッド
47 フランジ押え面 51 先端縁
91、97、102 障害物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に充填された固形内容物をシール前に加熱媒体で加熱する方法であって、固形内容物充填済みの容器開口部を、個別容器毎にチャンバー体で覆って密封空間を形成し、該チャンバー体に加熱媒体の噴射口と排気口を離れて配置し、前記噴射口から噴射した加熱媒体が容器内部を通過して前記固形内容物を加熱するようにしてなり、前記噴射口から噴射した加熱媒体を緩衝手段と干渉させ、流束が乱された状態で前記固形内容物に作用するようにしてなることを特徴とする固形内容物の加熱方法。
【請求項2】
前記緩衝手段が、前記チャンバー体に噴射口から内容物に向かう加熱媒体の流路に設けられた障害物であり、該障害物に前記加熱媒体の少なくとも一部が当ることにより、加熱媒体の流束が乱される請求項1に記載の固形内容物の加熱方法。
【請求項3】
前記障害物がチャンバー体の側壁から加熱媒体の仮想流路に突出して設けられた邪魔板である請求項2に記載の固形内容物の加熱方法。
【請求項4】
前記緩衝手段が、前記チャンバー体の側壁であり、前記加熱媒体の噴射口を加熱媒体の仮想流路の少なくとも一部が前記チャンバー体の側壁内面に当るように傾斜して設けてなり、前記加熱媒体の少なくとも一部が側壁内面に当ることにより、加熱媒体の流束が乱される請求項1に記載の固形内容物の加熱方法。
【請求項5】
前記緩衝手段が、前記加熱媒体の噴射口に設けられた障害物であり、加熱媒体が噴射口から噴出時に前記障害物により加熱媒体の流束が乱される請求項1に記載の固形内容物の加熱方法。
【請求項6】
前記緩衝手段が、容器に設けられた障害物である請求項1に記載の固形内容物の加熱方法。
【請求項7】
前記緩衝手段が、容器のフランジであり、前記チャンバー体の開口部を、前記チャンバー体の開口端部が容器との間で密封空間を形成できる範囲で容器開口部より大きく形成し、前記加熱媒体噴射口から加熱媒体を前記フランジに向けて噴射することにより、加熱媒体の流束が乱される請求項1に記載の加熱方法。
【請求項8】
搬送コンベヤにより搬送される容器に充填された固形内容物をシール前に加熱媒体で加熱する装置であって、内容物充填済み容器の開口部に向けて相対的に接離可能に設けられ、個別容器毎に容器開口部を覆って密封空間を形成するチャンバー体を有し、該チャンバー体に加熱媒体の噴射口を容器の開口内壁面寄り上方に位置するように設けると共に、排気口を前記噴射口と離れた位置に設けてなり、前記チャンバー体に、前記噴射口から噴射した加熱媒体と干渉して流束を乱す緩衝手段を設けたことを特徴とする固形内容物の加熱装置。
【請求項9】
前記緩衝手段が、前記チャンバー体に噴射口から内容物に向かう加熱媒体の仮想流路の一部に位置するように設けられた障害物である請求項8に記載の固形内容物の加熱装置。
【請求項10】
前記障害物が、チャンバー体の側壁の途中又は底部からチャンバー内に突出して設けられた邪魔板である請求項9に記載の固形内容物の加熱装置。
【請求項11】
前記緩衝手段が、前記加熱媒体の噴射口に設けられた障害物である請求項8に記載の固形内容物の加熱装置。
【請求項12】
前記噴射口から噴射した加熱媒体の流束の少なくとも一部がチャンバー体の側壁内面に当るように、前記噴射口がチャンバー体の側壁に向けて傾斜している請求項8に記載の固形内容物の加熱装置。
【請求項13】
開口外周部に蓋材シール用のフランジ又はカール部を有する容器であって、充填された内容物の上面に突出するように障害物を前記開口部近傍に形成してなることを特徴とする容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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