説明

固液分離装置

【課題】被処理物を対向空間内で無理なく送ることができ、且つ対向空間の両側から水切りし固液分離を効率よく行うことができる縦向きの固液分離装置を提供する。
【解決手段】多数の回転板16を所定間隔毎に軸装した回転軸11を、本体フレーム2に対し被処理物の搬送方向に複数並べて軸支し、隣接する回転板16の間に搬送方向に送り面を形成する案内部材19を配置し、各回転軸11を同一方向に回転させることにより、送り面の上流側に供給される固液混在状の被処理物を固液分離し、分離された固体捕集物を回転板16の回転方向に順次搬送する固液分離部3を、縦向きの対向空間4を有して対設し、対向空間4の上流側に供給した被処理物を下流側から排出する間に対向空間4の両側から脱水し固液分離を行う構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば生ごみの水切り,下水道汚泥,屎尿処理汚泥,畜糞尿,屠畜場廃水,各種洗滌廃液,食品工場廃水,食品加工工程等における固形分と液体分の分離等のように、固体(固形分)と液体(液状物)が混在する被処理物の固体と液体の分離を行う固液分離装置に関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固液分離部の原理的構造を回転円板型脱液方式とし、この固液分離部(回転濾過素子群)に被処理物を供給し脱水処理する対向空間を介して対設した固液分離装置は特許文献1に示されるように既に公知である。
上記固液分離装置は横向きの対向空間の上下に固液分離部を対設し、対向空間に供給される被処理物を上下の固液分離部に列設される回転板によって強制送りをしながら、上下方向の「うねり」を付与して脱水効率を上げる構造にしている。
【特許文献1】特開昭54−15358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1で示される固液分離装置は、対向空間内の被処理物を上下に列設される回転板によって強制的に送り込むと共に、上下方向の「うねり」によって脱水効率を上げることができる利点がある。然し、上記固液分離装置は横向きの対向空間の上下に対をなす固液分離部を重ねた構造にするので、上方の固液分離部によって圧搾され水切りされた液体が、下方の固液分離部側に移動し複数の固液分離部を設置した割には、脱水性を伴わない欠点がある。
また横向に固液分離部を重ねた固液分離装置は、装置使用中途及び使用後に洗浄を行う際に、上方の固液分離部を洗浄すると、付着物や汚水が下方の固液分離部に降り掛かるので、洗浄作業が極めて煩雑になると共に、メンテナンス作業も行い難い等の問題がある。
この発明は、これらの課題を解決又は改善しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための固液分離装置は、第1に、多数の回転板16を所定間隔毎に軸装した回転軸11を、本体フレーム2に対し被処理物の搬送方向に複数並べて軸支し、隣接する回転板16の間に搬送方向に送り面を形成する案内部材19を配置し、各回転軸11を同一方向に回転させることにより、送り面の上流側に供給される固液混在状の被処理物を固液分離し、分離された固体捕集物を回転板16の回転方向に順次搬送する固液分離部3を、縦向きの対向空間4を有して対設し、対向空間4の上流側に供給した被処理物を下流側から排出する間に対向空間4の両側から脱水し固液分離を行うことを特徴としている。
【0005】
第2に、対向空間4を介して対向する回転軸11の回転板16を、回転中に互いの頂部を近接させて被処理物を受け止めた状態で、当該被処理物を隣接する上流側の回転板16で圧搾しながら搬送し固液分離させることを特徴としている。
【0006】
第3に、搬送上流側の回転軸11に設ける回転板16に対し、下流側の回転軸11に設ける回転板16の径を順次小さくして設けることを特徴としている。
【0007】
第4に、対向する固液分離部3,3の案内部材19で形成される対向空間4を、上方の供給部5側を大きく開口させると共に下方の固体排出口6側に向け順次狭窄状に形成することを特徴としている。
【0008】
第5に、対向空間4の固体排出口6に、固体の排出量を調節する排出調節部材15を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以上のように構成したことにより次のような効果を奏する。縦向きの対向空間に一対の固液分離部を対設したことにより、搬送上流側から供給した被処理物を回転板の送り回転と共に重力を利用して下流側にスムーズに移動させるので、回転板が被処理物を小動力で無理なく送り、且つ対向空間の両側から水切りし固液分離を効率よく行うことができる。また縦向きの固液分離部を備えた固液分離装置は、洗浄及びメンテナンス作業を簡単に行うことができる。
【0010】
対向する回転板の回転中に互いの頂部を近接させることにより、当該回転板によって被処理物を一時的に受けて保持した状態で隣接する上流側の回転板が下向きに圧搾し、且つ対向して同期回転する回転板は被処理物を強制的に送るので、脱水効率を上げスムーズな固液分離を行うことができる。
【0011】
径大な回転板は供給初期の被処理物を下流側に向けて確実に送り込み対向空間の両側からの水切りを促進し、順次径小となる回転板が減容した被処理物の送り量を順次少なくして圧搾をするため固液分離を確実に行うことができる。
【0012】
対向する案内部材で形成される対向空間を、供給部側を大きく開口させると共に固体排出口側にむけて順次狭窄状に狭い空間となるように形成することにより、供給部側から多量の被処理物の受け入れを容易にすると共に、各回転板の回転によって水切りされて嵩を減少しながら下流側に移動する被処理物を、両側の案内部材で受け圧搾を行い易くすることができる。
また搬送上流側の回転軸に設ける回転板から下流側の回転軸に順次径を小さくして設ける回転板を、狭窄状の対向空間内で互いに対向する回転板の長径部の頂部を近接させて付き合わせることができるので、圧搾を無理なく確実に行うことができる。
【0013】
対向空間の固体排出口から排出される固体の排出量を排出調節部材によって簡単に調節することができる。また対向空間から落下しようとする固体を支持して個体の排出量を調節し被処理物に対する圧搾を継続させることができ、固体と液体が多様な条件で混在する被処理物に対しても固液分離を適切に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明の実施形態を図面に基づき説明する。図1は本発明に係る固液分離装置の原理的構造を示す全体正面図で、縦長な箱状に形成された本体フレーム2内に、後述する構成による一対の固液分離部3,3を縦向きに対向させて設置し、両者間に形成される対向空間(処理室)4の上部側に被処理物の供給部(供給口)5を設け、下部側に被処理物を圧搾処理した固形分(以下固体と言う)を排出する固体排出部(排出口)6を設け、且つ本体フレーム2の底部で水切り処理された液体を液受部7受け、該液体を排液口8から機外に排出する構成としている。
【0015】
そして、上記装置本体1は本体フレーム2の上面側に供給口5に被処理物の供給を案内するホッパ9と、固液分離部3,3の回転軸11を駆動するモータ12を設置し、底部側には固体排出口6から排出される処理済みの固体を回収する回収高さを形成する複数のキャスタ13を設けている。
また固液分離部3,3の固体排出部6には、固体の排出を調節する排出調節部材15を設けている。尚、上記モータ12は回転変速及び正逆回転自在型としている。
【0016】
先ず上記固液分離部3,3について図1〜図4を参照し説明する。図示例の固液分離部3の原理的構造は回転円板型脱液方式としている。即ち、上側から下側に水平方向に回転自在に並べて軸支した複数の回転軸11に、図6に示すように多数の回転板16をリング状のスペーサ17を嵌挿して所定間隔S毎に軸装している。
そして、隣接する回転板16の間には、濃縮汚泥等の被処理物を受けて下方に案内する平坦なガイド面を有する棒状又は板状断面の案内部材19を配置している。
【0017】
この実施形態においては、回転板16は例えば10mm程度の板厚で、長径176mmと短径92mm程度からなる楕円形状に形成している。そして、各回転軸11に軸装される回転板16は、搬送上流側の回転軸11に設ける回転板16の長径と短径を、下流側に至る回転軸11に設ける回転板16の長径と短径を順次小さくし、且つ上下に隣接する回転板16は互いの楕円の位相を略90度ずらして設けている。回転板16は必ずしも楕円形である必要はなく、長円形、卵形、むすび形等でも良い。
【0018】
これにより隣接する回転板16の送り面(周面)は回転中に全体として順次波形の搬送軌跡を上下方向に形成し、この波形の搬送軌跡によって被処理物を変動させながら下流側に向けて送ることができる。そして、固液分離部3,3は後述するように狭窄状に形成した対向空間4内において、図4で示すように相対向する回転板16を互いの長径を略水平姿勢にするので、互いの頂部を近接させて付き合わせた堰き止め状態にすることができ、この状態で上方から送り込まれる被処理物を一時的に受け止めることができる。
【0019】
このとき上下に隣接する回転軸11の回転板16は、互いの短径を対向させて離間した状態になるので、堰き止め状態で拡大された当該空間部(受け止め空間)内に被処理物を十分に貯留して団塊状にすることができる。次いで上方から回転する回転板16は団塊状に貯まった被処理物に対し圧搾(以下受け止め圧搾と言う)を確実にすることができるので、被処理物の脱水を効率よく行うことができる。
【0020】
また回転板16は搬送上流側の回転軸11に設けるものを最大とし、下流側に至るものほど順次径を小さくしているので、各段の対向空間の容積は段階的に順次小容量となり、対向空間4内に供給される被処理物を、供給初期に径大な回転板16が速やかに掻き込んで下流側に移動させ、次いで順次径小となる回転板16が送り量を順次少なくし、且つ対向空間4内での被処理物の収容体積も順次小さくなる。従って、縦向きの対向空間4内において被処理物は、下流側に至るほど圧搾作用を大きく受け被処理物中の固形分の圧縮も十分に行われ、対向空間4の両側で水切り作用が促進され固体の排出をスムーズにする。
【0021】
また固液分離部3の各回転軸11は、図1〜図4で示すように両軸端を本体フレーム2の両外側に取付支持されて前後で対をなす軸支フレーム21に回転自在に軸支している。そして、回転軸11は軸端一側にスプロケット22を設け、各スプロケット22,22・・と後述する駆動軸25の駆動スプロケット25aにチェン23を巻き掛け、スプロケット噛合側の外側にチェンガイド24を設けてチェン外れ防止をしている。
またチェン23の緩み側(非駆動側)はテンションスプロケット24を押接することによりチェン張りを行うようにしている。この際にチェン23の緩み側は他方の固液分離部3側に設けたスプロケット24aに巻き掛けることができる。
【0022】
また図示例の固液分離装置は、各固液分離部3の最上位の回転軸11の上方に駆動軸を軸支フレーム21に軸支しており、図3で示すように駆動軸25,25はそれぞれ駆動スプロケット25aを有し互いのギヤ25bを噛合させ、一方の駆動軸25をモータ12からチェン伝動機構12aを介して駆動することにより、前記チェン23を介して全回転軸11を、図4の矢印で示すように同方向に同時回転駆動をさせることができる。
【0023】
一方前記案内部材19は、巾(厚さ)4mm程度,高さ40mm程度の方形状断面のステンレス材からなる棒状体となして隣接する回転板16の間で、各上下端を図1で示すように軸支フレーム21と接続する棒状の取付部材26に取付支持し、平坦面状に形成される送り面側を前記対向空間4側に対面させている。
尚、この案内部材19は図5に示すように構成すると、下端部の取付構造を簡単にすることができると共に、下端部での被処理物の引っ掛かりを防止することができる。
【0024】
即ち、案内部材19は下部端に鉤状に屈曲したフック部27を一体的に形成し、該フック部27を対応する回転軸11に係止させて取付支持する構成としている。
これにより案内部材19は回転軸11へセットするに当たり、両者を連結する際の継ぎ目を送り面下流側に露出させないので、この部で生じ易い固体の引っ掛かりや停滞等を防止することができる。またフック部27は回転軸11の下側を覆うように屈曲させるので、回転板16の側面に付着する固体のスクレーパとしてスムーズな排出を行う。
【0025】
また図6で示すように案内部材19は、断面両側に回転板16に平行状に近接する平行面19aと、回転板16の側面から徐々に離間する逃がし面19bとを一連に形成すると、この逃がし面19bを介して圧搾時の水切り作用を促進すると共に、回転板16の回転抵抗を低減することができる。尚、図示例の対向する回転板16は互いの先端を突合せ状にしているが、点線で示すようにラップさせた構成にしてもよい。
【0026】
さらに、上記のように各別に伝動構成される固液分離部3,3は、例えば各軸支フレーム21を本体フレーム2に対し左右方向の取付け位置を調節ネジ等の位置調節手段によって変更自在に設けることができる。この場合には図1,図4で示すように、縦向きの外向き傾斜させて立設された固液分離部3,3によって、両者の間に形成される上下方向の対向空間4を上方側を広くし下方側を徐々に狭くした狭窄状の空間形状にすることができる。
【0027】
このように搬送下流側に向けて狭窄状となる対向空間4は容積を徐々に小さくするので、上方の供給部5は大きく開口させ多量の被処理物の受け入れを容易にしながら、各回転板16の回転によって水切りされて嵩を減少しながら下流側に移動する被処理物の処理を、圧搾性能を弱めることなく連続的に行うことができる。
【0028】
また上記対向空間4の幅を変更自在にする位置調節手段を備えた固液分離装置は、固液分離部3,3の一方又は両方を開動方向に移動させて対向空間4を拡大することができるので、処理物の量や性質により調節ができるほか、対向空間4に異物が侵入したり固液分離部3,3に詰まりを生じた場合に、或いは回転板16及び案内部材19等の点検や修理,清掃等のメンテナンス作業を行いたい場合に、対向空間4を拡開して異物の除去作業やメンテナンス作業を簡単に行うことができる。
【0029】
また上記構成からなる固液分離部3は、軸支フレーム21の上部を駆動軸25を支点に回動自在に支持した状態で、例えば図1に点線で示すように、下方をスプリング又は流体シリンダ等の押動手段31によって対向空間4側に向けて押動付勢する構成にすることもできる。この場合には固液分離部3は、対向空間4内に供給される被処理物の供給量の多寡に対し、押動手段31の付勢力に抗し駆動軸25を支点に揺動するので、被処理物の供給量並びに送り圧力や異物の侵入抵抗等に対する応動性を向上させ、無理のない固液分離作業を簡単に行うことができる。
【0030】
次に図1,図4を参照し固液分離部3,3の固体排出部6について説明する。この固体排出部6は左右の案内部材19,19の下部に形成される固体排出部6の中央部に、板状の排出調節部材15を設置して該排出調節部材15によって対向空間4の下部を左右に仕切っている。そして、排出調節部材15は断面楔型で上端を先鋭形状に形成し、本体フレーム2の外部から上下方向に移動調節自在に取付支持している。
【0031】
これにより固液分離装置は、排出調節部材15を上方に操作すると対向空間4内に侵入するので、対向空間4から落下しようとする固体を支持して個体の排出量を規制し、固体状の被処理物に対する圧搾を繰り返し継続させることができる。
また排出調節部材15を下方に操作すると、対向空間4内への侵入を控え固体の排出を促すことができる。また断面楔型に形成した排出調節部材15は両側の斜面によって固体を左右に板状に形成しながら排出することができる。
【0032】
従って、排出調節部材15を備えた固液分離装置は、固液分離作用を加減調節することができ、固体と液体が多様な条件で混在する被処理物に対しても、固体と液体の分離を適切に行うことができる。
この際に排出調節部材15は、例えばスプリング又はシリンダ等の図示しない押動手段によって対向空間4側に向けて付勢支持すると、設定された排出調節位置において、排出調節部材15は対向空間4から排出される固体の排出量の調節をすることができると共に、排出圧力や異物の侵入抵抗等に対する応動性を向上させ、無理のない固体排出を行うことができる。
【0033】
そして、固体排出部6は左右の案内部材19,19の下端から外側寄りに排出ガイド33を設け、これにより底部側に排出路32を拡開形成している。この左右の排出ガイド33は対向空間4の下方に広い排出路32を形成し、排出調節部材15の両側に形成される隙間から排出される固体を機外にスムーズに排出する。そして、案内部材19の隙間を通過し水切りされた液体(濾液)は排出ガイド33によって、固体排出部6内の固体に接触することなく底部に誘導して排液口8から確実に排出させることができる。
【0034】
以上のように構成される固液分離装置は、多数の回転板16を所定間隔毎に軸装した複数の回転軸11を、本体フレーム2に対し被処理物の搬送方向に並べて軸支し、隣接する回転板16の間に搬送方向のガイド面を有する案内部材19を配置し、各回転軸11を同一方向に回転させることにより、送り面側に供給した固液混在状の被処理物の固液分離をし、分離された固体捕集物を回転板16の回転方向に従って順次搬送する固液分離部3を、縦向きの対向空間4を有して左右に対設しているので、搬送上流側から供給される被処理物を下流側から排出する間に対向空間4の両側から固液分離を確実に行うことができる。
【0035】
即ち、縦向きの対向空間4の左右に固液分離部3を対設したことにより、供給された被処理物を回転板16の回転と共に重力を利用して下流側に無理なく送るので、回転板16を小動力で駆動することができ、また固体排出口6から排出する間に対向空間4の両側から水切りし固液分離を効率よく行うことができる。さらに対向する回転軸11の回転板16を長径方向の頂部を互いに近接させて被処理物を受け止めた状態で、当該被処理物を隣接する上流側の回転板16で圧搾させる配置にすると、対向空間4内の被処理物を重力を利用し上方から下方によって、脈動を繰り返して搬送し固液分離させる。
【0036】
また縦向きの固液分離部3を備えた固液分離装置は、使用後に水道水等をかけて洗う洗浄作業において、特に固液分離部3の背後から回転板16の洗浄を容易にすることができると共に、点検修理等のメンテナンス作業を簡単に行うことができる。
また固液分離作業中途において例えば休憩等で一時的に運転休止する場合に、従来の横向の固液分離装置のように、案内部材19や回転板16の上に溜まった捕集物の除去の必要がなく、再運転も簡単に行うことができる。
【0037】
また固液分離部3を縦向きにした固液分離装置は、処理能力を増大させながら小型化を図ることができるので、設置スペースを占めない利点があると共に、ユニット化したものを上下段に重ねて被処理物を連続的に処理する装置にすることができる。
尚、図示する上記装置は固液分離装置の移動を簡単にするため小型化されているが、その処理容量の増大は、案内部材19と回転板16等からなる送り機構を横方向又は縦方向に増設することによって可能である。
【0038】
その他装置本体の構造や寸法は図示する例に限らず、処理物の性状やその他の条件に応じて任意に変更可能であり、案内部材19その他のものの材質も処理物や処理の種類(例えば、食品加工か廃棄物処理か等)によってステンレススチール製か、合成樹脂材か等のように材質を変更することができる。
また上記構成において回転板16は必ずしも楕円形にする必要はなく、例えば各片が円弧状の山形をなし、角コーナ部をアールに形成した正三角形,正方形,正五角形等の多角形状のものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る固液分離装置の全体構成を示す正面図である。
【図2】図1の左側面図である。
【図3】図1の固液分離部の構成を示す平断面図である。
【図4】固液分離部及び対向空間並びに排出調節部材等の作用を示す要部の正面図である。
【図5】案内部材の取付構造例を示す側面図である。
【図6】案内部材の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 装置本体
2 本体フレーム
3 固液分離部
4 対向空間
5 供給部
6 固体排出口
11 回転軸
16 回転板
19 案内部材
15 排出調節部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の回転板(16)を所定間隔毎に軸装した回転軸(11)を、本体フレーム(2)に対し被処理物の搬送方向に複数並べて軸支し、隣接する回転板(16)の間に搬送方向に送り面を形成する案内部材(19)を配置し、各回転軸(11)を同一方向に回転させることにより、送り面の上流側に供給される固液混在状の被処理物を固液分離し、分離された固体捕集物を回転板(16)の回転方向に順次搬送する固液分離部(3)を、縦向きの対向空間(4)を有して対設し、対向空間(4)の上流側に供給した被処理物を下流側から排出する間に対向空間(4)の両側から脱水し固液分離を行う固液分離装置。
【請求項2】
対向空間(4)を介して対向する回転軸(11)の回転板(16)を、回転中に互いの頂部を近接させて被処理物を受け止めた状態で、当該被処理物を隣接する上流側の回転板(16)で圧搾しながら搬送し固液分離させる請求項1の固液分離装置。
【請求項3】
搬送上流側の回転軸(11)に設ける回転板(16)に対し、下流側の回転軸(11)に設ける回転板(16)の径を順次小さくして設ける請求項1又は2の固液分離装置。
【請求項4】
対向する固液分離部(3),(3)の案内部材(19)で形成される対向空間(4)を、上方の供給部(5)側を大きく開口させると共に下方の固体排出口(6)側に向け順次狭窄状に形成する請求項1又は2又は3の固液分離装置。
【請求項5】
対向空間(4)の固体排出口(6)に、固体の排出量を調節する排出調節部材(15)を設けた請求項1又は2又は3又は4の固液分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−264635(P2008−264635A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−108554(P2007−108554)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【出願人】(399122985)株式会社研電社 (7)
【Fターム(参考)】