土木用土嚢
【課題】 本発明は、縫着部分の縫い糸の紫外線劣化を極力防止し布同士の分離による破れ現象の起きにくい土木用土嚢を提供すること。
【解決手段】 基布袋体1に吊りベルト2が縫着された土木用土嚢Aであって、基布袋体1の重ね合わせ部の縫着部分が、吊りベルト2によって覆われている土木用土嚢Aである。
具体的には、基布袋体1は、一枚の矩形の基布の端部同士を一定幅重ね合わせて縫い付け円筒状としたものであって、吊りベルト2が基布袋体の周囲に底部から立ち上がり状に4本縫着されており、その一つの吊りベルト2によって重ね合わせ部の縫着部分が覆われている。
【解決手段】 基布袋体1に吊りベルト2が縫着された土木用土嚢Aであって、基布袋体1の重ね合わせ部の縫着部分が、吊りベルト2によって覆われている土木用土嚢Aである。
具体的には、基布袋体1は、一枚の矩形の基布の端部同士を一定幅重ね合わせて縫い付け円筒状としたものであって、吊りベルト2が基布袋体の周囲に底部から立ち上がり状に4本縫着されており、その一つの吊りベルト2によって重ね合わせ部の縫着部分が覆われている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海岸、河川、湖、池、道路等での土木工事に用いられる土木用土嚢に関し、より詳しくは、紫外線による強度劣化を防いで施工後の破損(破れ)を極力防止できる土木用土嚢に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、海岸、河川、湖、池、道路等での土木工事に土砂等を充填させた架設のための土木用土嚢が各所で用いられている。
このような土木用土嚢は、例えば、繊維糸を使って形成した編地、織地、及び網地等よりなるもので、これらの布帛が縫着されて立体状の袋本体を形成する。
土木用土嚢の材料としては、水分に強い合成繊維、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン又はポリ塩化ビニルが主として用いられる(例えば、特許文献1参照)。
そして、合成繊維の中でも特に、ポリプロピレン繊維を平織に粗く織った布をミシン縫製した袋が多用されている。
【0003】
【特許文献1】実開平6−34026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、これらの土木用土嚢のある種のものは、施工現場に積み上げ施工された後、縫い目が破けてしまい、その結果、袋内に詰めた土砂や石材等の中詰め材が外部へ排出されてしまう問題があった。
【0005】
一枚の矩形の基布を円筒状にして両端の重ね合わされた部分(縫い糸によって縫合されているため基布の地組織床と異なって結合強度が一般的に弱い)を縫着することによって作られる土木用土嚢は、この縫着部分から破れることが多い。
その原因は、重ね合わされた部分の縫い目の縫い糸(ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維よりなる)が、紫外線に晒されると劣化現象を生じるからである。
【0006】
紫外線等を受けることにより、経時的劣化を起こした縫い糸は、当初の強度を維持できなくなり、その結果、施工後、土木用土嚢に内外圧が加わった場合、縫い糸が切れて破れる。
更に具体的に言うなら、重ね合わせた部分は縫い糸によって縫着されているため基布袋体の地の組織部よりも結合強度が一般的に弱い。
そして円筒状の基布袋体は、内部に土砂等が充填された状態では、側壁面に大きな力が加わることとなる。
【0007】
そのため重ね合わせの部分の縫着部において縫い糸が紫外線による劣化を起こして切断すると重ね合わせの部分の布同士が離れて開口し土木用土嚢自体が破れるのである(破れ現象)。
仮設等に用いられる土木用土嚢だとしても、極力このような破れ現象が生じないようにしなければならない。
【0008】
本発明は、このような背景をもとになされたものである。
すなわち、本発明は、縫着部分の縫い糸の紫外線劣化を極力防止し布同士の分離による破れ現象の起きにくい土木用土嚢を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かくして、本発明者は、このような課題背景に対して鋭意研究を重ねた結果、重ね合わせ部の縫着部分を覆うことにより紫外線による劣化が低下することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
【0010】
すなわち、本発明は、(1)基布袋体に吊りベルトが縫着された土木用土嚢であって、基布袋体の重ね合わせ部の縫着部分が、吊りベルトによって覆われている土木用土嚢に存する。
【0011】
また、本発明は、(2)基布袋体は、一枚の矩形の基布の端部同士を一定幅重ね合わせて縫い付け円筒状としたものであって、吊りベルトが基布袋体の周囲に底部から立ち上がり状に複数本縫着されており、その一つの吊りベルトによって重ね合わせ部の縫着部分が覆われている上記(1)記載の土木用土嚢に存する。
【0012】
また、本発明は、(3)前記吊りベルトが連結ロープを取り付ける連結部を有する上記(1)記載の特徴とする土木用土嚢に存する。
【0013】
また、本発明は、(4)前記連結部がループであり、該ループに連結ロープが挿通されるものである上記(1)記載の土木用土嚢に存する。
【0014】
また、本発明は、(5)前記連結部が基布袋体と吊りベルトとの間に、空間を形成したものであり、該空間に連結ロープが挿通されるものである上記(1)記載の土木用土嚢に存する。
【0015】
また、本発明は、(6)前記連結部が基布袋体と吊りベルトとの間に、空間を形成し更に吊りベルトに連結ロープを挿通する切り欠きを形成したものである上記(1)記載の土木用土嚢に存する。
【0016】
また、本発明は、(7)前記連結部が吊りベルトに別体として取り付けられた輪体であり該輪体に連結ロープを挿通する上記(1)記載の土木用土嚢に存する。
【0017】
また、本発明は、(8)前記連結部が重ね合わせ部の縫着部を覆う吊りベルト以外の少なくとも一つに備わっている上記(1)記載の土木用土嚢に存する。
【0018】
なお、本発明の目的に添ったものであれば、上記(1)から(8)を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の土木用土嚢は、重ね合わせ部分の縫着部分が、吊りベルトによって覆われているので、縫い目が紫外線から守られて遮蔽され、強度の劣化が防止される。
土木用土嚢吊りベルトが連結ロープを取り付ける連結部を有するので多数の土木用土嚢を群として一体化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いて説明する。
図1は本発明の土木用土嚢Aの一実施形態を示す概略図である。
図1(A)は、中詰め材を投入する前の土木用土嚢Aを示し、図1(B)は中詰め材を投入した後の土木用土嚢Aを示している。
【0021】
この土木用土嚢Aは、基布袋体1、吊りベルト2、及び口絞りロープ3を備えている。
本実施形態に係る土木用土嚢Aの作り方は、図2に示すように、先ず基布袋体1を、一枚の矩形の基布を円筒状にし、その端部同士一定幅重ね合わせ(図2(A)参照)、その重ね合わせた部分を縫い付けて作る。
次に、基布袋体1の底に底布を縫い付けて底付きにする(図2(B)参照)。
【0022】
一方、吊りベルト2は、基布袋体1の底部で直交するように縫着されており、周囲(側壁面)には底部から立ち上がり状に複数本(図では4本)添着されている。
そしてこの4本の吊りベルトのうち、2本同士が一体に連結されて、土木用土嚢A全体を持ち上げるための取手22を形成している。
図では、吊りベルト2が、全体としてエンドレス状の1本を使った例を示した。
なお、底部での取り付けは吊りベルト2を基布袋体1に全部を縫着してもよいし、数カ所縫着してもよい。
【0023】
吊りベルト2が基布袋体1の側壁面に添着される部分は、基布袋体1の底面から一定の高さ位置までであり、それから上の高さの部分は、石材や土砂等の中詰め材を投入した後の蓋となる口絞り部1Aとなる。
中詰め材を充填した後、口絞り部1Aを絞り込むために口絞りロープ3が基布袋体1の口絞り部1Aに取り付けられている。
【0024】
本実施形態において、吊りベルト2をエンドレス状に形成し基布袋体1の底面で直交させて取り付けるようにしたのは、口絞りロープ3で基布袋体1の口絞り部1Aを絞り(図1参照)中詰め材が投入された土木用土嚢Aを吊り上げた場合に、基布袋体1は周囲から内方へ向けて吊りベルト2により押圧作用が働くからである。
吊りベルト2による押圧作用が保形効果を発揮し、中詰め材の投入された基布袋体1の変形が抑止される。
その結果、土木用土嚢Aを吊り上げた時の安定性が増し、そのため土木用土嚢Aを安全且つ確実に搬送することができる。
【0025】
さて、基布袋体1の重ね合わせ部分Wにおいては、吊りベルト2がその縫着部Tを覆うようにして取り付けられている。
この点が本発明の大きな特徴である。
ここで基布袋体1と吊りベルト2との関係を述べる。
基布袋体1は、前述したように、矩形の布材の両端を一定幅重ね合わされた重ね合わせ部分Wが、縫い糸によって縫着されることで形成される。
【0026】
この縫い糸が紫外線に晒されることにより、その強度が低下すると、重ね合わせ部分Wが外れて開口する。
そのため本発明では、重ね合わせ部分Wの縫着部Tを吊りベルト2で覆うようにした。
すなわち吊りベルト2は、重ね合わせ部分Wの縫着部T(縫い目)に対応するように位置決めされて取り付けられる。
【0027】
この場合、吊りベルト2は重ね合わせ部分Wの縫着部Tを十分覆うだけの大きさを有しており、吊りベルト2が移動しないように縫い付けにより取り付けられている。
因みに吊りベルト2の少なくとも1本は必ず重ね合わせ部分Wの縫着部Tに位置させ、ここを基準として他の3カ所の吊りベルト2の添着位置を決める。
【0028】
吊りベルト2は、側面に垂直に4本取り付けられた状態となっているが、この4本のうち1本が前述の重ね合わせ部分Wに当接するようにすれば良い。
残りの3本の側壁面に対しての取り付けは、側壁面に一定部分、縫着する方法が採用される。
【0029】
さて本発明の他の特徴としては、別の土木用土嚢との連結を容易にしたことである。
すなわち土木用土嚢Aには吊りベルト2を利用して連結部21が形成されている。
前述したように吊りベルト2は基布袋体1の側壁面に取り付けられるが、同時に連結部21が形成される。
【0030】
この連結部21は、連結ロープ4を介して土木用土嚢Aを多数連結することができることから極めて有用である。
図3は、連結部21が基布袋体1と吊りベルト2との間に、空間Sを形成することによってなるものを示す。
図3(A)は連結前の状態を示し、図3(B)は連結後の状態を示す。
空間Sは吊りベルト2を一定間隔で上下2カ所を縫着することにより形成されており、この空間Sに連結ロープ4が挿通されるものである。
【0031】
図4は、連結部21が基布袋体1と吊りベルト2との間に、空間Sを有し更に吊りベルト2に連結ロープ4を挿通する切り欠きKを形成することによってなるものを示す。
図4(A)は連結前の状態を示し、図4(B)連結後の状態を示す。
この場合、図3と異なって空間Sは吊りベルト2の上側のみが縫着されて形成されており、連結ロープ4は、空間Sと切り欠きKに挿通される。
【0032】
図5は、連結部21がループ有することによってなるものを示す。
図5(A)は連結前の状態を示し、図5(B)連結後の状態を示す。
ループは吊りベルト2に製造時に付与されているものでも、好ましい。
連結ロープ4は、このループ内に挿通されるものである。
【0033】
図6は、連結部21が吊りベルト2に取り付けられた別体の輪体Rによってなるものを示す。
図5(A)は連結前の状態を示し、図5(B)連結後の状態を示す。
連結ロープ4が挿入される輪体Rとしては、金属リング、繊維紐リング、プラスチックリング等が採用される。
【0034】
また、上記図3〜図6の吊りベルト2と基布袋体1との縫着においては、吊りベルト2を基布袋体1の一部に当て布を介して縫着することも補強の意味で有効である。
【0035】
以上述べたこれらの連結部21は、先述した重ね合わせ部分Wに位置する吊りベルト2以外の吊りベルト2に設けることが必要である。
そして3本のベルトの内、少なくとも1本の吊りベルト2に適応する。
図7は、吊りベルト2に連結部21(ここでは図3に示す連結部21)を備えた一実施形態を示す概略図である。
図7(A)は、中詰め材を入れる前、また図7(B)は、他の土木用土嚢(一点鎖線)との連結状態を示す。
【0036】
図8は、その連結部21の適用位置を説明する図である。
図8(A)は、1本の吊りベルトに連結部を有するもの、図8(B)は、2本の吊りベルトに連結部を有するもの、図8(C)は、3本の吊りベルトに連結部を有するものをそれぞれ示す。
なお、連結部21を有しない吊りベルト2において、基布袋体1の重ね合わせ部分Wの縫着部Tを吊りベルト2によって覆うものである。
【0037】
図9は、土木用土嚢を連結して群とした施工例を示す説明図である。
このように連結部21を設けることで土木用土嚢を多数連結することができ、この例では、1本の吊りベルト2に連結部21を設けた場合を示した。
【0038】
この場合は、土木用土嚢の向きが一定である場合に適用するのが好ましい。
図10は、土木用土嚢を連結して群とした他の施工例を示す。
この例では、重ね合わせ部分Wに位置する吊りベルト2以外の吊りベルト2の全部に(すなわち3本)連結部21を設けた場合を示した。
【0039】
連結部21が多いので連結ロープ4を繋ぐ箇所に自由度があり、図のように個々の土木用土嚢の向きがランダムであっても、近接する位置の連結部21を使って連結でき有用である。
尚、参考までに図11に、土木用土嚢Aを段積みにして上下方向、水平方向に連結した施工例を概略的に示す。
図11(A)は、斜視図、図11(B)は、側面図である。
以上の例では土木用土嚢を群として施工しているため全体を一体保持でき、一つの土木用土嚢だけがずれたりするようなことが排除される。
【0040】
ところで、上述した基布袋体1や吊りベルト2、口絞りロープ3または連結ロープ4の材質には、好ましくは合成繊維が用いられる。
合成繊維としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド等が用いられる。
これらをマルチフィラメント、モノフィラメント、フィルムヤーン等の糸の形態として使用し、織りや編成により袋体、紐、ベルト、ロープ等を作る。
【0041】
本発明の土木用土嚢は更に紫外線に強くするために、基布袋体1を構成する合成繊維に紫外線遮蔽剤を含ませるとよい。
紫外線遮蔽剤としては、反射剤または吸収剤が採用される。
反射剤としては、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロム、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、等があり、吸収剤としては、フェニルサリシレート系、ヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、の吸収剤がある。
【0042】
合成繊維に紫外線遮蔽剤を含有させると、合成繊維自体の紫外線吸収量が減少し、基布袋体1の布の強度の劣化を抑止することができる。
この合成繊維に紫外線遮蔽剤を含有させるには、例えば原糸の紡糸時に紫外線遮蔽剤を練り込むことにより容易に行うことができる。
【0043】
以上、本発明を説明してきたが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質を逸脱しない範囲で、他の種々の変形が可能であることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、基布袋体1が円筒状である例について説明したが、重ね合わせの部分があれば角筒状その他の筒状であっても良くい。
【0044】
また、例えば、上述した実施形態では、吊りベルト2をエンドレス状に形成し、基布袋体1の底面で直交させて取り付けた例について説明したが、複数本のベルトを適宜基布袋体1に取り付け、それらの端部を連結して取手22を形成することも可能である。
また、連結ロープは繊維以外の材質(例えば、金属ロープ、プラスチックロープ等)も当然採用可能である。
また、立ち上がり状の吊りベルトは、4本以上の偶数本でも当然採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明の土木用土嚢の一実施形態を示す説明図であり、図1(A)は、中詰め材を投入する前の土木用土嚢を示し、図1(B)は、中詰め材を投入した後の土木用土嚢を示す。
【図2】図2は、土木用土嚢の作り方を説明する図である。
【図3】図3は、連結部が基布袋体と吊りベルトとの間に、空間を形成することによってなるものを示し、図3(A)は連結前の状態を示し、図3(B)連結後の状態を示す。
【図4】図4は、連結部が基布袋体1と吊りベルトとの間に、空間を有し更に吊りベルトに連結ロープを挿通する切り欠きを形成することによってなるものを示し、図4(A)は連結前の状態を示し、図4(B)連結後の状態を示す。
【図5】図5は、連結部がループ有することによってなるものを示し、図5(A)は連結前の状態を示し、図5(B)連結後の状態を示す。
【図6】図6は、連結部が吊りベルトに取り付けられた別体の輪体によってなるものを示し、図6(A)は連結前の状態を示し、図6(B)連結後の状態を示す。
【図7】図7は、吊りベルトに連結部を備えた一実施形態を示す概略図であり、図7(A)は、中詰め材を入れる前、また図7(B)は、他の土木用土嚢との連結状態を示す。
【図8】図8は、それぞれ連結部の適用位置を説明する図である。
【図9】図9は土木用土嚢を連結して群とした施工例を示す説明図である。
【図10】図10は、土木用土嚢を連結して群とした他の施工例を示す図である。
【図11】図11は、土木用土嚢Aを段積みにして上下方向、水平方向に連結した施工例を概略的に示し、(A)は斜視図、(B)は側面図である。
【符号の説明】
【0046】
1…基布袋体
1A…口絞り部
2…吊りベルト
21…連結部
22…取手
3…口絞りロープ
4…連結ロープ
A…土木用土嚢
K…切り欠き
S…空間
R…輪体
T…縫着部
W…重ね合わせ部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、海岸、河川、湖、池、道路等での土木工事に用いられる土木用土嚢に関し、より詳しくは、紫外線による強度劣化を防いで施工後の破損(破れ)を極力防止できる土木用土嚢に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、海岸、河川、湖、池、道路等での土木工事に土砂等を充填させた架設のための土木用土嚢が各所で用いられている。
このような土木用土嚢は、例えば、繊維糸を使って形成した編地、織地、及び網地等よりなるもので、これらの布帛が縫着されて立体状の袋本体を形成する。
土木用土嚢の材料としては、水分に強い合成繊維、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン又はポリ塩化ビニルが主として用いられる(例えば、特許文献1参照)。
そして、合成繊維の中でも特に、ポリプロピレン繊維を平織に粗く織った布をミシン縫製した袋が多用されている。
【0003】
【特許文献1】実開平6−34026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、これらの土木用土嚢のある種のものは、施工現場に積み上げ施工された後、縫い目が破けてしまい、その結果、袋内に詰めた土砂や石材等の中詰め材が外部へ排出されてしまう問題があった。
【0005】
一枚の矩形の基布を円筒状にして両端の重ね合わされた部分(縫い糸によって縫合されているため基布の地組織床と異なって結合強度が一般的に弱い)を縫着することによって作られる土木用土嚢は、この縫着部分から破れることが多い。
その原因は、重ね合わされた部分の縫い目の縫い糸(ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維よりなる)が、紫外線に晒されると劣化現象を生じるからである。
【0006】
紫外線等を受けることにより、経時的劣化を起こした縫い糸は、当初の強度を維持できなくなり、その結果、施工後、土木用土嚢に内外圧が加わった場合、縫い糸が切れて破れる。
更に具体的に言うなら、重ね合わせた部分は縫い糸によって縫着されているため基布袋体の地の組織部よりも結合強度が一般的に弱い。
そして円筒状の基布袋体は、内部に土砂等が充填された状態では、側壁面に大きな力が加わることとなる。
【0007】
そのため重ね合わせの部分の縫着部において縫い糸が紫外線による劣化を起こして切断すると重ね合わせの部分の布同士が離れて開口し土木用土嚢自体が破れるのである(破れ現象)。
仮設等に用いられる土木用土嚢だとしても、極力このような破れ現象が生じないようにしなければならない。
【0008】
本発明は、このような背景をもとになされたものである。
すなわち、本発明は、縫着部分の縫い糸の紫外線劣化を極力防止し布同士の分離による破れ現象の起きにくい土木用土嚢を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かくして、本発明者は、このような課題背景に対して鋭意研究を重ねた結果、重ね合わせ部の縫着部分を覆うことにより紫外線による劣化が低下することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
【0010】
すなわち、本発明は、(1)基布袋体に吊りベルトが縫着された土木用土嚢であって、基布袋体の重ね合わせ部の縫着部分が、吊りベルトによって覆われている土木用土嚢に存する。
【0011】
また、本発明は、(2)基布袋体は、一枚の矩形の基布の端部同士を一定幅重ね合わせて縫い付け円筒状としたものであって、吊りベルトが基布袋体の周囲に底部から立ち上がり状に複数本縫着されており、その一つの吊りベルトによって重ね合わせ部の縫着部分が覆われている上記(1)記載の土木用土嚢に存する。
【0012】
また、本発明は、(3)前記吊りベルトが連結ロープを取り付ける連結部を有する上記(1)記載の特徴とする土木用土嚢に存する。
【0013】
また、本発明は、(4)前記連結部がループであり、該ループに連結ロープが挿通されるものである上記(1)記載の土木用土嚢に存する。
【0014】
また、本発明は、(5)前記連結部が基布袋体と吊りベルトとの間に、空間を形成したものであり、該空間に連結ロープが挿通されるものである上記(1)記載の土木用土嚢に存する。
【0015】
また、本発明は、(6)前記連結部が基布袋体と吊りベルトとの間に、空間を形成し更に吊りベルトに連結ロープを挿通する切り欠きを形成したものである上記(1)記載の土木用土嚢に存する。
【0016】
また、本発明は、(7)前記連結部が吊りベルトに別体として取り付けられた輪体であり該輪体に連結ロープを挿通する上記(1)記載の土木用土嚢に存する。
【0017】
また、本発明は、(8)前記連結部が重ね合わせ部の縫着部を覆う吊りベルト以外の少なくとも一つに備わっている上記(1)記載の土木用土嚢に存する。
【0018】
なお、本発明の目的に添ったものであれば、上記(1)から(8)を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の土木用土嚢は、重ね合わせ部分の縫着部分が、吊りベルトによって覆われているので、縫い目が紫外線から守られて遮蔽され、強度の劣化が防止される。
土木用土嚢吊りベルトが連結ロープを取り付ける連結部を有するので多数の土木用土嚢を群として一体化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いて説明する。
図1は本発明の土木用土嚢Aの一実施形態を示す概略図である。
図1(A)は、中詰め材を投入する前の土木用土嚢Aを示し、図1(B)は中詰め材を投入した後の土木用土嚢Aを示している。
【0021】
この土木用土嚢Aは、基布袋体1、吊りベルト2、及び口絞りロープ3を備えている。
本実施形態に係る土木用土嚢Aの作り方は、図2に示すように、先ず基布袋体1を、一枚の矩形の基布を円筒状にし、その端部同士一定幅重ね合わせ(図2(A)参照)、その重ね合わせた部分を縫い付けて作る。
次に、基布袋体1の底に底布を縫い付けて底付きにする(図2(B)参照)。
【0022】
一方、吊りベルト2は、基布袋体1の底部で直交するように縫着されており、周囲(側壁面)には底部から立ち上がり状に複数本(図では4本)添着されている。
そしてこの4本の吊りベルトのうち、2本同士が一体に連結されて、土木用土嚢A全体を持ち上げるための取手22を形成している。
図では、吊りベルト2が、全体としてエンドレス状の1本を使った例を示した。
なお、底部での取り付けは吊りベルト2を基布袋体1に全部を縫着してもよいし、数カ所縫着してもよい。
【0023】
吊りベルト2が基布袋体1の側壁面に添着される部分は、基布袋体1の底面から一定の高さ位置までであり、それから上の高さの部分は、石材や土砂等の中詰め材を投入した後の蓋となる口絞り部1Aとなる。
中詰め材を充填した後、口絞り部1Aを絞り込むために口絞りロープ3が基布袋体1の口絞り部1Aに取り付けられている。
【0024】
本実施形態において、吊りベルト2をエンドレス状に形成し基布袋体1の底面で直交させて取り付けるようにしたのは、口絞りロープ3で基布袋体1の口絞り部1Aを絞り(図1参照)中詰め材が投入された土木用土嚢Aを吊り上げた場合に、基布袋体1は周囲から内方へ向けて吊りベルト2により押圧作用が働くからである。
吊りベルト2による押圧作用が保形効果を発揮し、中詰め材の投入された基布袋体1の変形が抑止される。
その結果、土木用土嚢Aを吊り上げた時の安定性が増し、そのため土木用土嚢Aを安全且つ確実に搬送することができる。
【0025】
さて、基布袋体1の重ね合わせ部分Wにおいては、吊りベルト2がその縫着部Tを覆うようにして取り付けられている。
この点が本発明の大きな特徴である。
ここで基布袋体1と吊りベルト2との関係を述べる。
基布袋体1は、前述したように、矩形の布材の両端を一定幅重ね合わされた重ね合わせ部分Wが、縫い糸によって縫着されることで形成される。
【0026】
この縫い糸が紫外線に晒されることにより、その強度が低下すると、重ね合わせ部分Wが外れて開口する。
そのため本発明では、重ね合わせ部分Wの縫着部Tを吊りベルト2で覆うようにした。
すなわち吊りベルト2は、重ね合わせ部分Wの縫着部T(縫い目)に対応するように位置決めされて取り付けられる。
【0027】
この場合、吊りベルト2は重ね合わせ部分Wの縫着部Tを十分覆うだけの大きさを有しており、吊りベルト2が移動しないように縫い付けにより取り付けられている。
因みに吊りベルト2の少なくとも1本は必ず重ね合わせ部分Wの縫着部Tに位置させ、ここを基準として他の3カ所の吊りベルト2の添着位置を決める。
【0028】
吊りベルト2は、側面に垂直に4本取り付けられた状態となっているが、この4本のうち1本が前述の重ね合わせ部分Wに当接するようにすれば良い。
残りの3本の側壁面に対しての取り付けは、側壁面に一定部分、縫着する方法が採用される。
【0029】
さて本発明の他の特徴としては、別の土木用土嚢との連結を容易にしたことである。
すなわち土木用土嚢Aには吊りベルト2を利用して連結部21が形成されている。
前述したように吊りベルト2は基布袋体1の側壁面に取り付けられるが、同時に連結部21が形成される。
【0030】
この連結部21は、連結ロープ4を介して土木用土嚢Aを多数連結することができることから極めて有用である。
図3は、連結部21が基布袋体1と吊りベルト2との間に、空間Sを形成することによってなるものを示す。
図3(A)は連結前の状態を示し、図3(B)は連結後の状態を示す。
空間Sは吊りベルト2を一定間隔で上下2カ所を縫着することにより形成されており、この空間Sに連結ロープ4が挿通されるものである。
【0031】
図4は、連結部21が基布袋体1と吊りベルト2との間に、空間Sを有し更に吊りベルト2に連結ロープ4を挿通する切り欠きKを形成することによってなるものを示す。
図4(A)は連結前の状態を示し、図4(B)連結後の状態を示す。
この場合、図3と異なって空間Sは吊りベルト2の上側のみが縫着されて形成されており、連結ロープ4は、空間Sと切り欠きKに挿通される。
【0032】
図5は、連結部21がループ有することによってなるものを示す。
図5(A)は連結前の状態を示し、図5(B)連結後の状態を示す。
ループは吊りベルト2に製造時に付与されているものでも、好ましい。
連結ロープ4は、このループ内に挿通されるものである。
【0033】
図6は、連結部21が吊りベルト2に取り付けられた別体の輪体Rによってなるものを示す。
図5(A)は連結前の状態を示し、図5(B)連結後の状態を示す。
連結ロープ4が挿入される輪体Rとしては、金属リング、繊維紐リング、プラスチックリング等が採用される。
【0034】
また、上記図3〜図6の吊りベルト2と基布袋体1との縫着においては、吊りベルト2を基布袋体1の一部に当て布を介して縫着することも補強の意味で有効である。
【0035】
以上述べたこれらの連結部21は、先述した重ね合わせ部分Wに位置する吊りベルト2以外の吊りベルト2に設けることが必要である。
そして3本のベルトの内、少なくとも1本の吊りベルト2に適応する。
図7は、吊りベルト2に連結部21(ここでは図3に示す連結部21)を備えた一実施形態を示す概略図である。
図7(A)は、中詰め材を入れる前、また図7(B)は、他の土木用土嚢(一点鎖線)との連結状態を示す。
【0036】
図8は、その連結部21の適用位置を説明する図である。
図8(A)は、1本の吊りベルトに連結部を有するもの、図8(B)は、2本の吊りベルトに連結部を有するもの、図8(C)は、3本の吊りベルトに連結部を有するものをそれぞれ示す。
なお、連結部21を有しない吊りベルト2において、基布袋体1の重ね合わせ部分Wの縫着部Tを吊りベルト2によって覆うものである。
【0037】
図9は、土木用土嚢を連結して群とした施工例を示す説明図である。
このように連結部21を設けることで土木用土嚢を多数連結することができ、この例では、1本の吊りベルト2に連結部21を設けた場合を示した。
【0038】
この場合は、土木用土嚢の向きが一定である場合に適用するのが好ましい。
図10は、土木用土嚢を連結して群とした他の施工例を示す。
この例では、重ね合わせ部分Wに位置する吊りベルト2以外の吊りベルト2の全部に(すなわち3本)連結部21を設けた場合を示した。
【0039】
連結部21が多いので連結ロープ4を繋ぐ箇所に自由度があり、図のように個々の土木用土嚢の向きがランダムであっても、近接する位置の連結部21を使って連結でき有用である。
尚、参考までに図11に、土木用土嚢Aを段積みにして上下方向、水平方向に連結した施工例を概略的に示す。
図11(A)は、斜視図、図11(B)は、側面図である。
以上の例では土木用土嚢を群として施工しているため全体を一体保持でき、一つの土木用土嚢だけがずれたりするようなことが排除される。
【0040】
ところで、上述した基布袋体1や吊りベルト2、口絞りロープ3または連結ロープ4の材質には、好ましくは合成繊維が用いられる。
合成繊維としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド等が用いられる。
これらをマルチフィラメント、モノフィラメント、フィルムヤーン等の糸の形態として使用し、織りや編成により袋体、紐、ベルト、ロープ等を作る。
【0041】
本発明の土木用土嚢は更に紫外線に強くするために、基布袋体1を構成する合成繊維に紫外線遮蔽剤を含ませるとよい。
紫外線遮蔽剤としては、反射剤または吸収剤が採用される。
反射剤としては、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロム、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、等があり、吸収剤としては、フェニルサリシレート系、ヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、の吸収剤がある。
【0042】
合成繊維に紫外線遮蔽剤を含有させると、合成繊維自体の紫外線吸収量が減少し、基布袋体1の布の強度の劣化を抑止することができる。
この合成繊維に紫外線遮蔽剤を含有させるには、例えば原糸の紡糸時に紫外線遮蔽剤を練り込むことにより容易に行うことができる。
【0043】
以上、本発明を説明してきたが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質を逸脱しない範囲で、他の種々の変形が可能であることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、基布袋体1が円筒状である例について説明したが、重ね合わせの部分があれば角筒状その他の筒状であっても良くい。
【0044】
また、例えば、上述した実施形態では、吊りベルト2をエンドレス状に形成し、基布袋体1の底面で直交させて取り付けた例について説明したが、複数本のベルトを適宜基布袋体1に取り付け、それらの端部を連結して取手22を形成することも可能である。
また、連結ロープは繊維以外の材質(例えば、金属ロープ、プラスチックロープ等)も当然採用可能である。
また、立ち上がり状の吊りベルトは、4本以上の偶数本でも当然採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明の土木用土嚢の一実施形態を示す説明図であり、図1(A)は、中詰め材を投入する前の土木用土嚢を示し、図1(B)は、中詰め材を投入した後の土木用土嚢を示す。
【図2】図2は、土木用土嚢の作り方を説明する図である。
【図3】図3は、連結部が基布袋体と吊りベルトとの間に、空間を形成することによってなるものを示し、図3(A)は連結前の状態を示し、図3(B)連結後の状態を示す。
【図4】図4は、連結部が基布袋体1と吊りベルトとの間に、空間を有し更に吊りベルトに連結ロープを挿通する切り欠きを形成することによってなるものを示し、図4(A)は連結前の状態を示し、図4(B)連結後の状態を示す。
【図5】図5は、連結部がループ有することによってなるものを示し、図5(A)は連結前の状態を示し、図5(B)連結後の状態を示す。
【図6】図6は、連結部が吊りベルトに取り付けられた別体の輪体によってなるものを示し、図6(A)は連結前の状態を示し、図6(B)連結後の状態を示す。
【図7】図7は、吊りベルトに連結部を備えた一実施形態を示す概略図であり、図7(A)は、中詰め材を入れる前、また図7(B)は、他の土木用土嚢との連結状態を示す。
【図8】図8は、それぞれ連結部の適用位置を説明する図である。
【図9】図9は土木用土嚢を連結して群とした施工例を示す説明図である。
【図10】図10は、土木用土嚢を連結して群とした他の施工例を示す図である。
【図11】図11は、土木用土嚢Aを段積みにして上下方向、水平方向に連結した施工例を概略的に示し、(A)は斜視図、(B)は側面図である。
【符号の説明】
【0046】
1…基布袋体
1A…口絞り部
2…吊りベルト
21…連結部
22…取手
3…口絞りロープ
4…連結ロープ
A…土木用土嚢
K…切り欠き
S…空間
R…輪体
T…縫着部
W…重ね合わせ部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基布袋体に吊りベルトが縫着された土木用土嚢であって、基布袋体の重ね合わせ部の縫着部分が、吊りベルトによって覆われていることを特徴とする土木用土嚢。
【請求項2】
基布袋体は、一枚の矩形の基布の端部同士を一定幅重ね合わせて縫い付け円筒状としたものであって、吊りベルトが基布袋体の周囲に底部から立ち上がり状に複数本縫着されており、その一つの吊りベルトによって重ね合わせ部の縫着部分が覆われていることを特徴とする請求項1記載の土木用土嚢。
【請求項3】
前記吊りベルトが連結ロープを取り付ける連結部を有することを特徴とする請求項1記載の土木用土嚢。
【請求項4】
前記連結部がループであり、該ループに連結ロープが挿通されるものであることを特徴とする請求項1記載の土木用土嚢。
【請求項5】
前記連結部が基布袋体と吊りベルトとの間に、空間を形成したものであり、該空間に連結ロープが挿通されるものであることを特徴とする請求項1記載の土木用土嚢。
【請求項6】
前記連結部が基布袋体と吊りベルトとの間に、空間を形成し更に吊りベルトに連結ロープを挿通する切り欠きを形成したものであることを特徴とする請求項1記載の土木用土嚢。
【請求項7】
前記連結部が吊りベルトに別体として取り付けられた輪体であり該輪体に連結ロープを挿通することを特徴とする請求項1記載の土木用土嚢。
【請求項8】
前記連結部が重ね合わせ部の縫着部を覆う吊りベルト以外の少なくとも一つに備わっていることを特徴とする請求項1記載の土木用土嚢。
【請求項1】
基布袋体に吊りベルトが縫着された土木用土嚢であって、基布袋体の重ね合わせ部の縫着部分が、吊りベルトによって覆われていることを特徴とする土木用土嚢。
【請求項2】
基布袋体は、一枚の矩形の基布の端部同士を一定幅重ね合わせて縫い付け円筒状としたものであって、吊りベルトが基布袋体の周囲に底部から立ち上がり状に複数本縫着されており、その一つの吊りベルトによって重ね合わせ部の縫着部分が覆われていることを特徴とする請求項1記載の土木用土嚢。
【請求項3】
前記吊りベルトが連結ロープを取り付ける連結部を有することを特徴とする請求項1記載の土木用土嚢。
【請求項4】
前記連結部がループであり、該ループに連結ロープが挿通されるものであることを特徴とする請求項1記載の土木用土嚢。
【請求項5】
前記連結部が基布袋体と吊りベルトとの間に、空間を形成したものであり、該空間に連結ロープが挿通されるものであることを特徴とする請求項1記載の土木用土嚢。
【請求項6】
前記連結部が基布袋体と吊りベルトとの間に、空間を形成し更に吊りベルトに連結ロープを挿通する切り欠きを形成したものであることを特徴とする請求項1記載の土木用土嚢。
【請求項7】
前記連結部が吊りベルトに別体として取り付けられた輪体であり該輪体に連結ロープを挿通することを特徴とする請求項1記載の土木用土嚢。
【請求項8】
前記連結部が重ね合わせ部の縫着部を覆う吊りベルト以外の少なくとも一つに備わっていることを特徴とする請求項1記載の土木用土嚢。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−63767(P2008−63767A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−240862(P2006−240862)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(000201490)前田工繊株式会社 (118)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(000201490)前田工繊株式会社 (118)
【Fターム(参考)】
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