説明

圧力開放装置及びこれを備えた開閉弁ユニット

【課題】製造コストの低減、コンパクト化並びに信頼性の向上を図る。
【解決手段】本発明の圧力開放装置100は、第1の管体101と第2の管体102とを具備し、流路100Lが途中で屈曲して第1の接続端101cとは反対側の流れの向きと第2の接続端102cとは反対側の流れの向きとが互いに異なり、第1の流路部分に連通する第1の圧力室150Aと第2の流路部分に連通する第2の圧力室150Bと両室間の弁体151と大気開放口103aとを有する大気開放弁150が構成され、第1の管体の表面部101fには第1の流路部分に開口する第1の開口部101dとその周囲を取り巻くように突出した第1の枠状部101eとが一体に設けられ、第2の管体の外側部102fには第2の枠状部102eと該第2の枠状部の内側に形成され第2の流路部分に開口する第2の開口部102dと大気開放口とが一体に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧力開放装置及びこれを備えた開閉弁ユニットに係り、特に、給湯機から浴槽に湯水を供給する給湯経路を含む給湯システムにおいて、当該給湯経路中に配置され、浴槽側から給湯機側に湯水が逆流することを防止する場合に好適な圧力開放装置若しくは開閉弁ユニットの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、給湯機から浴槽に湯水を供給する給湯システムには、浴槽側から給湯機側への湯水の逆流を防止するために、電磁弁や逆止弁を備えた逆流防止機構が取り付けられる。特に、給湯システムでは、給湯機側の水圧が断水等によって低下する場合や浴槽が給湯機の階上にあることで二次側の水圧が一次側の水圧を上回る場合が考えられるので、給湯経路の途中で一次側と二次側を縁切りする機能を有する逆流防止機構として、例えば、逆止弁の弁体と連動する逃がし弁1cで大気開放口を開閉させる構成(例えば、以下の特許文献1)と、逆止弁がごみ詰まり等で機能しない場合に備えて、一次側の圧力が低下したときに二次側の圧力を大気に開放したり、二次側の湯水を排出したりするための大気開放弁が設けられる構成(例えば、以下の特許文献2乃至4参照)等を有する圧力開放装置が用いられる。
【特許文献1】特開平7−225057号公報
【特許文献2】特開2000−304144号公報
【特許文献3】特開2003−336906号公報
【特許文献4】特開2004−150662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述の特許文献1の構成では、逆止弁の弁体と逃がし弁とが連動するため、給湯開始時及び停止時に逃がし弁から湯水が漏出する虞があり、また、逆止弁の弁体と逃がし弁との連動構造を改良する方法も開示されているが、それでも一次側の圧力の変動による誤作動で漏水や大気の流入などを完全に防止することができない(特許文献3、図14及び図15参照)という問題点がある。
【0004】
一方、前述の特許文献2乃至4の構成では、大気圧開放弁自体は比較的簡易に構成されているものの、図6(a)に示すように、圧力差を検出するために大気開放弁の両側を一次側と二次側に別々に接続しなければならないので、圧力を検出するための配管及び配管接続部を余分に設ける必要があり、これらの配管や配管接続部を設けることによって構造が複雑となるため、製造コストが増加するとともに大型化し、しかもレイアウトの自由度が低くなり、さらに配管接続部が多い分だけ漏水の危険性も高くなるという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、一次側と二次側の圧力関係に応じて大気開放口の開閉を行う圧力開放装置において、配管や接続構造を簡易に構成できる新規の構成を採用することにより、製造コストの低減とコンパクト化、並びに、信頼性の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
斯かる実情に鑑み、本発明の圧力開放装置(100)は、第1の流路部分(101L)が内部に構成され、該第1の流路部分の端部に第1の接続端(101c)を備えた第1の管体(101)と、前記第1の流路部分に連通する第2の流路部分(102L)が内部に構成され、該第2の流路部分の端部に前記第1の接続端に接続された第2の接続端(102c)を備えた第2の管体(102)と、を具備し、前記第1の流路部分と前記第2の流路部分で構成される流路(100L)が途中で屈曲して前記第1の流路部分のうち少なくとも前記第1の接続端とは反対側部分の流れの向きと前記第2の流路部分のうち少なくとも前記第2の接続端とは反対側部分の流れの向きとが互いに異なる向きとされ、前記第1の流路部分に連通する第1の圧力室(150A)と、前記第2の流路部分に連通する第2の圧力室(150B)と、前記第1の圧力室と前記第2の圧力室との間の移動可能な隔壁となる弁体(151)と、該弁体によって開閉される大気開放口(103a)とを有する大気開放弁(150)が構成され、前記第1の管体における前記第2の管体の側の表面部(101f)には、前記第1の流路部分に開口する第1の開口部(101d)と、該第1の開口部の周囲を取り巻くように突出した第1の枠状部(101e)とが一体に設けられ、前記第2の管体における前記第1の管体の側の外側部(102f)には、前記第1の枠状部に接続される第2の枠状部(102e)と、該第2の枠状部の内側に形成され前記第2の流路部分に開口する第2の開口部(102d)と、前記第2の枠状部の内側に形成される前記大気開放口とが一体に設けられることを特徴とする。
【0007】
これによれば、第1の流路部分の流体圧と第2の流路部分の流体圧の差圧に応じて、第1の圧力室と第2の圧力室の間に移動可能な隔壁として構成される弁体がいずれか一方の圧力室の側に移動して大気開放口を閉鎖する状態と、上記弁体が他方の圧力室の側に移動して大気開放口を開放する状態とを切り換えることができる。したがって、一次側の流体圧が低下したり二次側の流体圧が上昇したりした非常時において大気開放路を通じて流体を排出したり、流路内に大気を導入して縁切りを行ったりすることが可能になる。
【0008】
本発明では、第1の管体に一体に設けられた第1の枠状部と、第2の管体に一体に設けられた第2の枠状部が弁体を介して接続されることで、弁体を移動可能な隔壁としてその両側に第1の圧力室と第2の圧力室が構成されるため、第1の管体と第2の管体の二部品のみで流路と大気開放弁を構成できるとともに、第1の管体と第2の管体を接続することにより、第1の流路部分と第2の流路部分が接続されて流路が構成されると同時に両管体の間に大気開放弁が構成される。したがって、部品点数が削減され、また組立時の手間が軽減されることから、組立コストが低減されるとともに、全体をコンパクトに構成でき、しかも接続部が2箇所のみとなることで漏水等の危険を低減できるため、信頼性の向上を図ることが可能になる。
【0009】
本発明の一の態様においては、前記流路は全体としてU字状若しくはコ字状に構成され、前記第1の流路部分のうち少なくとも前記第1の接続端とは反対側部分の流れの向きと前記第2の流路部分のうち少なくとも前記第2の接続端とは反対側部分の流れの向きとが逆向きとされ、前記第1の管体の前記表面部は、前記少なくとも第1の接続端とは反対側部分を構成する管壁の外面である。この場合には、流路が全体としてU字状若しくはコ字状に構成されることで第1の管体の少なくとも第1の接続端とは反対側部分の管壁と、第2の管体の少なくとも第2の接続端とは反対側部分の管壁とが並行して配置され、その間に大気開放弁が構成されるため、圧力開放装置をさらにコンパクトに構成できるとともに、第1の接続端と第2の接続端の対向部分と、第1の枠状部と第2の枠状部の対向部分とが近接した位置に構成されるため、組立作業がさらに容易になる。特に、第1の開口部及び第1の枠状部が形成される第1の管体の表面が、上記少なくとも第1の接続端とは反対側部分を構成する管壁の外面で構成されることで、大気開放弁の弁体を当該管壁の近傍に配置できるため、全体をさらにコンパクトに構成できる。
【0010】
この場合、通常は、前記少なくとも第1の接続端とは反対側部分を構成する前記第1の管体の管壁と前記弁体との間隔は、前記少なくとも第2の接続端とは反対側部分を構成する前記第2の管体の管壁と前記弁体との間隔より小さくなる。これによって、装置のコンパクト性を損なわずに第2の管体の外側部に大気開放口を構成する余裕を容易に確保することができる。
【0011】
本発明の他の態様においては、前記流路は全体としてL字状に構成され、前記第1の管体には前記第2の管体の少なくとも第2の接続端とは反対側部分に沿って外側に張り出した張出壁(201T)が設けられ、前記第1の管体の前記表面部は前記張出壁の前記第2の管体側の面である。これによれば、第1の管体から外側へ張り出してなる張出壁と、第2の管体の外側部の間に大気開放弁が構成されるので、装置のコンパクト性を損なわずに第1の管体と第2の管体のより自由なレイアウトが可能になるとともに、第1の接続端と第2の接続端の対向部分と、第1の枠状部と第2の枠状部の対向部分とが近接した位置に構成されるため、組立作業がさらに容易になる。
【0012】
この場合に、通常は、前記張出壁と前記弁体との間隔は、前記少なくとも第2の接続端とは反対側部分を構成する前記第2の管体の管壁と前記弁体との間隔より小さくなる。これによれば、装置のコンパクト性を損なわずに第2の管体の外側部に大気開放口を構成する余裕を容易に確保することができる。
【0013】
本発明の異なる態様においては、前記流路のうち、前記第1の流路部分の前記第1の開口部が開口する部位と、前記第2の流路部分の前記第2の開口部が開口する部位との間に、逆止弁(110)、開閉弁(120)若しくは流量計(130)が配置されることが好ましい。逆止弁、開閉弁若しくは流量計が配置されることで流路中の圧力損失がさらに確実に発生して第1の圧力室と第2の圧力室の圧力差を高めることができるので、流体供給時において大気開放弁を確実かつ安定的に閉鎖することが可能になる。この場合に、さらに下流側に二次側の逆止弁(140)を設けることが好ましい。
【0014】
なお、本発明の開閉弁ユニットは、上記のいずれかに記載の圧力開放装置と、前記流路を開閉する開閉弁(120)とをさらに具備するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上述のように部品点数を低減するとともに組立作業の手間を軽減でき、接続箇所も削減できるので、全体を簡易な構造で実現でき、したがって、製造コストの低減、装置のコンパクト化、及び、信頼性の向上を図ることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図1は本発明に係る第1実施形態の圧力開放装置若しくは開閉弁ユニットの通常時における動作状態(大気開放弁閉状態)を流路方向に沿った断面で示す縦断面図、図2は同実施形態の非常時における動作状態(大気開放弁開状態)を流路方向に沿った断面で示す縦断面図である。
【0017】
本実施形態の開閉弁ユニット(圧力開放装置)100は、一次側から二次側へ流体を供給する流体供給経路中において用いられるもので、例えば、給湯機などを含む供給系から浴槽等の供給場所へ湯水等の流体を供給する配管系に組み込まれて用いられる。この開閉弁ユニット100は、一次側管体101と、この一次側管体101に接続される二次側管体102とを有する。一次側管体101は、内部に一次側流路部分101Lを構成し、この一次側流路部分101Lは、上流側の端部に流入口101a、下流側の端部に流出口101bをそれぞれ備えている。また、一次側管体101は、流出口101bの周囲には二次側管体102に接続される一次側接続端101cを備えている。
【0018】
一方、二次側管体102は、上流側の端部に流入口102a、下流側の端部に流出口102bを有し、また、流入口102aの周囲には一次側管体101に接続される二次側接続端102cを備えている。一次側接続端101cと二次側接続端102cは相互に接続され、一体の流路100Lを構成する。両接続端101c、102cは必要に応じて図示しない圧入構造、締付構造、その他の適宜の固定手段により固定される。
【0019】
図示例では、上記流路100L内に、逆止弁110、電磁弁(開閉弁)120、流量計130、及び逆止弁140が設けられる。流路100Lは途中で屈曲(屈折若しくは湾曲)し、これによって全体としてU字状若しくはコ字状に構成される。そして、一次側流路部分101Lのうち少なくとも上流側の流れの向き(図示左向き)と、二次側流路部分102Lのうち少なくとも下流側の流れの向き(図示右向き)とが平行で逆向きとされている。
【0020】
一次側管体101の上流側の管壁(一次側管体101のうち、二次側管体102と並行して伸びる流路部分を構成する管壁)の外面部(当該一次側管体101の外面のうち二次側管体102の下流部の側にある表面部)101fには、一次側流路部分101Lに開口する一次側開口部101dと、この一次側開口部101dを取り巻くように閉じた線に沿って形成されたリブ形状を有する一次側枠状部101eとが一体に設けられている。一方、二次側管体102の下流側の管壁(二次側管体102のうち、一次側管体101と並行して伸びる流路部分を構成する管壁)の外面部(当該二次側管体102の外面のうち一次側管体101の上流部の側にある表面部)上には、二次側流路部分102Lに開口する二次側開口部102dと、大気開放口103aを備えた大気開放路103bと、二次側開口部102d及び大気開放口103aを取り巻くように閉じた線に沿って形成されたリブ形状を有する二次側枠状部102eと、を有する外側部102fが一体に設けられる。
【0021】
上記一次側枠状部101eと二次側枠状部102eは先端部同士が当接し相互に密着した状態とされる。一次側枠状部101eと二次側枠状部102eの間には弁体151が挟持され、この弁体151によって一次側圧力室150Aと二次側圧力室150Bが仕切られる。弁体151は一次側圧力室150Aと二次側圧力室150Bを隔絶させ、両圧力室の圧力差に応じて移動可能に構成された隔壁とされている。図示例の場合、弁体151は中央に配置された閉鎖板152と、この閉鎖板152の外縁に接続されるとともに一次側枠状部101eと二次側枠状部102eに挟持される外縁部を備えた可撓性のダイヤフラム153とを有する。なお、閉鎖部152とダイヤフラム153は図示例のように一体の合成ゴム等よりなる可撓性部材(弾性部材)で構成できる。この弁体151は一次側管体101の上記管壁の外面部101fと平行な姿勢で取り付けられている。
【0022】
弁体151の閉鎖板152は二次側圧力室150Bに対し上記大気開放口103aを開閉可能に構成する。弁体151の動作は一次側圧力室150Aと二次側圧力室150Bの圧力差に応じたものであるが、実際には上記圧力差に基づく力に加えて、必要に応じて設けられるコイルバネ等の弾性部材154の弾性力、ダイヤフラム153自体の復元力、さらには、大気開放口103aを閉鎖する閉鎖部152の表裏両側に加わる一次側の流体圧と大気圧との差圧に基づく力によって定められる。本実施形態では、二次側圧力室150Bの圧力が一次側圧力室150Aの圧力に接近し、その差圧が所定値以下の場合、又は、二次側圧力室150Bの圧力が一次側圧力室150Aよりも高い場合には、大気開放口103aが開放される。
【0023】
図示例の場合、二次側圧力室150Bは一次側圧力室150Aの外周部と対向配置されて環状に構成され、大気開放口103aは二次側圧力室150Bの内側に設けられ、一次側圧力室150Aの中央部に対向配置される。大気開放路103bは、一次側流路部分101Lの上流側及び二次側流路部分102Lの下流側の間においてそれらと平行に延在し、外部に開口している。
【0024】
また、一次側開口部101dは、一次側流路部分101Lを構成する管壁のうち、弁体151の閉鎖板152(の図示上面)が当接する範囲から外れた位置に開口している。これによって、何らかの理由で閉鎖板152が上記管壁に密着して一次側圧力室150A内に一次側流路部分101Lの圧力が導入されなくなるといったことが防止される。
【0025】
以上説明した本実施形態の開閉弁ユニット100において、大気開放弁150は以下のように動作する。すなわち、流体供給経路において一次側から二次側へ流体が供給可能とされる状態では、電磁弁120が開くと流体は一次側より流路部分101L、102Lを順次に通過して二次側へ流れる。ここで、流体は流路100L内の逆止弁110、140を開弁させ、その内部を通過する。このとき、一次側の流体圧が二次側の流体圧より高いために弁体151(閉鎖板152及びダイヤフラム153)は弾性部材154の弾性力に逆らって二次側に移動する。このときの弁体151が一次側より受ける力の元となる一次側の流体圧と二次側の流体圧の差は、逆止弁110、電磁弁120及びその他の圧損を生じさせる構造に基づく、流路100L内を流体が通過することによる圧力損失によって生ずる。いずれにしても、ダイヤフラム153によって可動に構成される閉鎖板152は二次側に移動し、大気開放口103aを二次側圧力室150Bに対して閉鎖する。
【0026】
また、上記の状態において電磁弁130を閉じると流体の供給は停止するが、弁体151を介して一次側圧力室150Aと大気開放路103b及び二次側圧力室150Bとの間に生ずる流体圧と大気圧の差圧やダイヤフラム153の復元力、弾性部材154の弾性力等の合力により、閉鎖板152は大気開放口を閉鎖したままとされる。このように大気開放口103aが弁体151によって閉鎖された状態では、流路100Lは外部に対して密閉されている。
【0027】
一方、断水や給湯機の故障等によって一次側の流体圧が失われたり、浴槽側の圧力が増大すること等によって二次側の圧力が増加した場合には、二次側の流体圧が一次側の流体圧を上回り、逆流を生じる場合がある。このような場合には、二次側の逆止弁140が閉弁して逆流を防止するが、この二次側の逆止弁140においてゴミの噛み込み等が生じるなどの動作不良が発生して逆流を防止できない場合もある。この場合には、本実施形態の大気開放弁150が動作する。すなわち、二次側の流体圧が一次側の流体圧を上回ると、図2に示すように、二次側の流体圧を受けてダイヤフラム153が変形して閉鎖板152が一次側に移動し、弁体151が大気開放口103aから離間するので、二次側流路部分102L内の流体は二次側圧力室150Bを介して大気開放路103bを通って排出される。また、大気開放路103bから大気が流路部分102L内に流入して二次側流路部分102L中の流体を分断し、それ以上の流体の逆流現象が継続しないように構成する。
【0028】
以上説明した本実施形態では、二つの部材である一次側管体101と二次側管体102が接続されるだけで、互いに連結された一次側流路部分101Lと二次側流路部分102Lより流路100Lが構成されるとともに、外面部101fと外側部102fにより大気開放弁150が構成される。したがって、配管構造や接続構造を簡易に構成することができ、しかも部品点数が低減されるとともに組立作業の手間も軽減されるため、製造コストを低減できる。また、本実施形態における接続部分は、一次側接続端101cと二次側接続端102cの接続箇所と、一次側枠状部101eと二次側枠状部102eの接続箇所の二箇所のみであるから、漏水などのリスクも低減されるため、信頼性の向上を図ることができる。
【0029】
さらに、一次側管体101の管壁の外面部101fに一次側開口部101d及び一次側枠状部101eが設けられ、また、上記管壁に対向する二次側管体102の外側部102fには二次側開口部102d及び二次側枠状部102eが設けられ、一次側枠状部101eと二次側枠状部102eが接続されることで大気開放弁150が構成されるので、圧力開放装置全体をコンパクトに構成できる。
【0030】
特に、大気開放弁150では、一次側管体101の管壁に沿って弁体151が延在する姿勢で配置されるので当該管壁と弁体151の間隔を低減でき、一方、当該間隔よりも二次側管体101の管壁と弁体151の間隔を大きく確保できるため、大気開放弁150をコンパクトに構成しつつ大気開放路103bの形成余裕を得ることができる。
【0031】
また、本実施形態では、一次側開口部101dは管壁に設けられることで短い管路状に構成され、二次側開口部102dは管壁から離れた弁体151の近傍まで長い管路状に構成される。これによって、大気開放路103bを弁体151より二次側管体102の側に配置する余裕が生まれる。
【0032】
本実施形態の場合、一次側流路部分101Lの上流側の流れの向きと二次側流路部分102Lの下流側の流れの向きとが平行で逆向きとされ、当該上流側の一次側管体101の管壁部分と、上記下流側の二次側管体102の管壁部分との間に大気開放弁150が構成される。したがって、全体をまとまりのよいユニットとして構成できるため、流体供給経路内への組み込み前において搬送や保管が容易になるだけでなく、組み込み時には狭隘な箇所にも容易に取り付けできる。
【0033】
[第2実施形態]
次に、図3を参照して本発明に係る第2実施形態について説明する。本実施形態において、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。図3は第2実施形態の大気開放弁閉状態における流路方向に沿った断面を示す縦断面図である。
【0034】
本実施形態の開閉弁ユニット(圧力開放装置)100′では、流路100L′が全体としてU字状若しくはコ字状に構成されている点では上記第1実施形態と実質的に同様であるが、大気圧開放弁150′において、二次側開口部102d′が弁体151の中央部の閉鎖板152によって開閉され、この二次側開口部102d′の周囲に環状に大気開放口103a′が設けられている点で異なる。ここでは、二次側圧力室150B′は二次側開口部102d′の内部空間で構成され、大気開放路103b′は環状の大気開放口103a′に臨む環状部分を備えているが、基本的な動作は第1実施形態と何ら変わらない。
【0035】
また、本実施形態に示すように、一次側流路部分101L′と二次側流路部分102L′とを接続するための一次側接続端101c′と二次側接続端102c′の接続箇所と、大気開放弁150′を構成するための一次側枠状部101e′と二次側枠状部102e′の接続箇所とを一体に構成することもできる。なお、上記第1実施形態においてもこのように構成できる。このようにすると、組立作業を容易に行うことが可能になる。また、両接続箇所の接続面は相互に同一の平面上に形成されるので、一次側管体101′と二次側管体102′を接続する組立作業をさらに容易に行うことができる。
【0036】
本実施形態では、流路100L′の屈曲部分に逆止弁110が配置される。また、二次側の逆止弁140は開閉弁ユニット100′内に設けられておらず、図示しない流体供給経路に開閉弁ユニット100′を組み込む際に二次側管体102′の下流側に連結される別の管体104内に配置される。このように、本発明の圧力開放装置若しくは開閉弁ユニットでは、流路内に配置される電磁弁(開閉弁)、逆止弁、流量計等の有無や配置箇所は特に限定されず、種々の構成を採ることができる。ただし、前述のように一次側開口部と二次側開口部の間の流路内に開閉弁、逆止弁、流量計等の圧損を生じさせる部材その他の圧損構造が配置される点は同様である。
【0037】
[第3実施形態]
次に、図4を参照して本発明に係る第3実施形態について説明する。本実施形態において、第1実施形態若しくは第2実施形態と同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。図4は第3実施形態の大気開放弁閉状態における流路方向に沿った断面を示す縦断面図である。
【0038】
本実施形態の開閉弁ユニット(圧力開放装置)100″では、大気開放弁150″の構造、一次側接続端101c″及び二次側接続端102c″の接続箇所と一次側枠状部101e″及び二次側枠状部102e″の接続箇所の関係、並びに、二次側の逆止弁140の配置については上記第2実施形態と同様である。
【0039】
本実施形態では、逆止弁110がU字状若しくはコ字状の流路100L″の屈曲部ではなく、二次側流路部分102L″の下流側に配置されている点で第2実施形態とは異なる。ただし、この逆止弁110は、上記各実施形態と同様に一次側開口部101d″と二次側開口部102d″の間の流路内に配置されている。
【0040】
[第4実施形態]
次に、図5を参照して本発明に係る第4実施形態について説明する。本実施形態においても、第1実施形態乃至第3実施形態と同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。図5は第4実施形態の大気開放弁閉状態における流路方向に沿った断面を示す縦断面図である。
【0041】
本実施形態の開閉弁ユニット(圧力開放装置)200では、一次側管体201が直管状に構成され、この下流側の端部に一次側接続端201cが設けられるとともに、この一次側接続端201cより二次側管体201の下流部に沿って外側へ張り出した張出壁201Tが設けられる。この張出壁201Tの二次側管体202側の表面には、一次側流路部分201Lに開口する一次側開口部201dが設けられるとともにこの一次側開口部201dを取り巻くように閉じた線に沿ってリブ状に形成された一次側枠状部201eが一体に設けられる。
【0042】
一方、二次側管体202には、上記一次側接続端201cと接続された二次側接続端202cが設けられるとともに、この二次側接続端202cに隣接した位置には、二次側流路部分202Lを構成する管壁の上記張出壁201Tの側に外側部202fが一体に形成される。この外側部202fには、二次側流路部分202Lに開口した二次側開口部202dと、この二次側開口部202dの周囲を取り巻くように閉じた線に沿ってリブ状に形成された二次側枠状部202eと、大気開放口203aを備えた大気開放路203bとが一体に設けられる。二次側管体202内に構成された二次側流路部分202Lは、上流側において屈曲し、これによって、一次側流路部分201Lの上流側の流れの向きと二次側流路部分202Lの下流側の流れの向きとが異なる向き(相互角が90度となる向き)とされ、一次側流路部分201Lと二次側流路部分202Lよりなる流路200Lが全体としてL字状に構成される。
【0043】
本実施形態では、一次側枠状部201eと二次側枠状部202eが弁体251の外縁部(ダイヤフラム253の外縁部を挟持して接続されることにより、第1実施形態と同様の大気開放弁250が形成される。弁体251は上記張出壁201Tの張出方向と同じ方向に延在した姿勢とされ、張出壁201Tと弁体251の間隔は、二次側流路部分202Lを構成する二次側管体202の管壁と弁体251との間隔より小さくなっている。なお、この大気開放弁250として、第2若しくは第3実施形態と同様に、弁体251の中央部に二次側開口部202dが開口し、周縁部に大気開放口203aが開口する弁構造を採用してもよい。
【0044】
なお、本実施形態では、流量計130が一次側流路部分201L内に配置され、逆止弁110が二次側流路部分202Lの上流側に配置され、電磁弁(開閉弁)120が二次側流路部分202Lの中間部に配置され、二次側の逆止弁140が二次側流路部分202Lの下流側に配置されるが、この態様に特に限定されるものではなく、また、一次側開口部201dが開口する一次側流路部分201L内の位置と二次側開口部202dが開口する二次側流路部分202L内の位置との間に上記の各種の圧損構造が存在する点も上記と同様である。
【0045】
本実施形態でも上記各実施形態と同様の作用効果を奏することができるが、特に、一次側管体201の管壁から外側へ張り出した張出壁201Tを設けることで、二次側管体202との姿勢や位置に関する自由度が高められるので、よりフレキシブルな設計を行うことができる。具体的には、流路200Lの屈曲部の内側角部に大気開放弁250を構成できるため、コンパクトに構成でき、狭隘な場所にも容易に組み込むことができる。
【0046】
また、一次側接続端201cと二次側接続端202cの接続箇所と一次側枠状部201eと二次側枠状部202eの接続箇所とが隣接することでよりコンパクト性を高めることができ、しかも、両接続箇所の接続面が同一面上にあることにより、組立作業も更に容易に行うことができる。
【0047】
次に、開閉弁ユニット及び圧力開放装置の上記とは別の発明に係る実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、上記の特許文献1乃至4で例示される従来構造を改良した構成に係るものである。上述のように、特許文献2乃至4に開示された従来構造では、図6(a)に示すように、上流側(一次側)の流体圧と下流側(二次側)の流体圧の差で常時は弁体51を加圧して大気開放口13aを閉鎖するが、一次側の流体圧が低下したり二次側の流体圧が上昇すると、弁体51が移動して二次側流路部分を大気開放口13aに開放する構造を有している。ところが、通常は大気開放弁が閉鎖されているために、大気開放弁の弁体51が弁座に常時圧接され、ここが流路中の高温の湯に晒されることによって圧接部分(パッキン)が劣化したり、圧接部分が固着して大気開放弁が開かなくなるなどの問題があった。
【0048】
上記の問題を解決するための提案としては、特開2004−324666号公報や特開2005−61639号公報などがあるが、いずれも何らかの反力を用いて圧接力を低減するもので、上記問題を抜本的に解決するものではなかった。すなわち、上記の問題は、常時は大気開放口13aを閉鎖する弁体51に差圧がそのまま加わるために差圧や弁体51の受圧面積が大きくなるほど弁体51の大気開放口13aの開口縁に対する圧接力が増大することが主原因である。
【0049】
そこで本発明では、以下の実施形態に示されるように、差圧を受ける受圧部とは別に大気開放口を開閉させる弁体を設け、差圧の変化による受圧部の移動と連動して弁体を動作させることで、弁体と大気開放口の間に生ずる圧接力の上記差圧や受圧面積に対する依存性を低減し、その結果、差圧や受圧面積が大きくても圧接力を軽減することで、上記問題を解決した。
【0050】
図6(b)は本発明の実施形態の基本構成を示す概略構成図、図7は上記実施形態の一実施例の大気開放弁閉状態を示す縦断面図、図8は同実施例の大気開放弁開状態を示す縦断面図である。
【0051】
本実施例の開閉弁ユニット(圧力開放装置)300では、一次側管体301と二次側管体302とが一次側接続端301cと二次側接続端302cで接続され、一次側流路部分301Lと二次側流路部分302Lとが連結されて流路300Lを構成する。一次側管体301の管壁には一次側流路部分301Lに開口する一次側開口部301dが設けられ、その近傍の管壁から二次側流路部分302Lの下流部に沿って外側へ張り出すように設けられた張出壁301Tには、上記一次側開口部301dの周囲を取り巻くように一次側枠状部301eが形成される。また、二次側管体302の外側部302fには、二次側流路部分302Lに開口する二次側開口部302dが形成され、この二次側開口部302dを取り巻くように枠状部302eが設けられる。
【0052】
そして、一次側管体301と二次側管体302を接続するときに、一次側枠状部301eと二次側枠状部302eとを、受圧部351の外縁部(移動部材352を支持するダイヤフラム353の外縁部)を挟持した状態で接続することにより、一次側圧力室350Aと二次側圧力室350Bとが形成される。
【0053】
本実施例では、一次側圧力室350Aと二次側圧力室350Bを仕切る移動可能な隔壁である受圧部351として、移動部材352とこの移動部材352を支持するダイヤフラム353を設ける。ここで、弾性部材154はコイルバネ等よりなり、受圧部351を常時一次側圧力室350Aの側に付勢している。これらの点は基本的に従来構造と同様である。ただし、本実施形態では、常時は受圧部351(移動部材352)の移動動作に連動するリンク部355と、このリンク部355に接続された閉鎖部356とを有する弁体354を設けている。なお、リンク部355には受圧部351に当接する突起部が設けられる。この弁体354は、一次側圧力室350A内において回動可能に軸支され、その回動角度に応じて閉鎖部356が大気開放路303bの大気開放口303aを開閉するように構成される。
【0054】
すなわち、図6(b)の上段の図に示すように、常時は一次側の流体圧が二次側の流体圧より大きいので、受圧部351が二次側圧力室350Bの側に移動しており、その結果、受圧部351(移動部材352)はリンク部355を押圧せず、閉鎖部356は大気開放口303aを閉鎖している。このとき、一次側の流体圧は閉鎖部356にのみ加わるので、差圧や受圧部351の受圧面積が大きくても、閉鎖部356と大気開放口303aの開口縁との間に生ずる圧接力を小さくすることができる。
【0055】
一方、一次側の流体圧が低下したり、二次側の流体圧が上昇したりして受圧部351が一次側圧力室350Aの側に移動すると、図8に示すように、リンク部355が受圧部351に押されて閉鎖部356を動作(図示例では回動)させるので、大気開放口303aが一次側圧力室350Aに対し開放される。そして、大気開放口303aから大気が流入し、流路中の流体の縁切りが行われる。
【0056】
図9は上記実施形態の他の実施例の大気開放弁閉状態を示す縦断面図、図10は同実施例の大気開放弁開状態を示す縦断面図である。この実施例では、図7及び図8に示す実施例と同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0057】
この実施例の開閉弁ユニット(圧力開放装置)300′では、移動部材352′に一次側圧力室350A側に突出する突起部352aを設け、この突起部352aに対し、可撓性部材で構成される弁体354′のリンク部355′を当接可能な位置に配置する。また、このリンク部355′と一体に構成された閉鎖部356′は、常時は大気開放路303bに連通する大気開放口303aを閉鎖している。
【0058】
ここで、一次側の流体圧の低下や二次側の流体圧の上昇が生じることにより、図10に示すように受圧部351′が一次側圧力室350Aの側に移動すると、受圧部351′の突起部352aが弁体354′のリンク部355′に当接して弁体354′を撓ませるので、閉鎖部356′が大気開放口303aから離間するため、大気開放口303aは一次側圧力室350Aに対し開放される。これによって大気開放路303bを通して大気開放口303aから大気が流入すると、一次側流路部分301L内の流体が縁切りされる。
【0059】
本実施形態では、上記のいずれの実施例でも、一次側圧力室350Aと二次側圧力室350Bの間に設けられた移動可能な隔壁とされた受圧部351、351′が弁体354、354′を駆動し、この弁体が一次側圧力室350A内に開口する大気開放口303aを開閉する構成としているが、例えば、受圧部が弁体を駆動し、この弁体が二次側圧力室350B内に開口する大気開放口を開閉する構成としてもよい。すなわち、第1の圧力室と第2の圧力室の間に移動可能な隔壁として受圧部が設けられ、この受圧部に連動する弁体が第1の圧力室内に開口する大気開放口を開閉する構成とし、受圧部が第1の圧力室の側に移動したときに大気開放口が開放され、受圧部が第2の圧力室の側に移動したときに大気開放口が閉鎖されるように構成することができる。この場合、第1の圧力室を一次側の流体圧を受ける圧力室、第2の圧力室を二次側の流体圧を受ける圧力室とすれば、上記実施例の構成となるが、第1の圧力室を二次側の流体圧を受ける圧力室、第2の圧力室を一次側の流体圧を受ける圧力室としてもよい。
【0060】
この場合には、弁体354、354′が二次側圧力室350B内に配置されるとともに大気開放口303aが二次側圧力室350Bに開放可能な位置に設けられる。そして、弁体354、354′が受圧部351、351′に連結され、非常時には一次側圧力室350A側に移動する受圧部351、351′に上記実施例とは異なり弁体354、354′が引き上げられる形で大気開放口303aを開放するように構成されていればよい。
【0061】
また、上記各実施例では、第2の開口部である二次側開口部302dが長い管路状に構成され、その結果、受圧部351が二次側管体302の管壁から離間した構成とされるが、二次側管体302の管壁の外面部に二次側開口部302d及び二次側枠状部302eを一体に設けることにより、受圧部351を二次側管体302の管壁に近接させて構成してもよい。このようにすれば、図1乃至図5を参照して先に説明した発明と同様にコンパクト化を図ることができる。
【0062】
尚、本発明の圧力開放装置及び開閉弁ユニットは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記第1乃至第4実施形態では、第1の管体が一次側管体であり、第2の管体が二次側管体である場合について示したが、大気開放弁の構造を例えば図6(b)及び図7乃至図10に示す別発明に係る実施例と同様の構成とすることで、第1の管体を二次側管体とし、第2の管体を一次側管体とするように構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第1実施形態の流路方向に沿った断面を示す通常時の縦断面図。
【図2】第1実施形態の流路方向に沿った断面を示す非常時の縦断面図。
【図3】第2実施形態の流路方向に沿った断面を示す通常時の縦断面図。
【図4】第3実施形態の流路方向に沿った断面を示す通常時の縦断面図。
【図5】第4実施形態の流路方向に沿った断面を示す通常時の縦断面図。
【図6】従来の圧力開放装置の基本構成図(a)、及び、別の発明に係る圧力開放装置の構成を対比して示す基本構成図(b)。
【図7】別の発明の実施例の断面を示す通常時の縦断面図。
【図8】別の発明の実施例の断面を示す非常時の縦断面図。
【図9】別の発明の他の実施例の断面を示す通常時の縦断面図。
【図10】別の発明の他の実施例の断面を示す非常時の縦断面図。
【符号の説明】
【0064】
100…開閉弁ユニット(圧力開放装置)、100L…流路、101…一次側管体、101L…一次側流路部分、101c…一次側接続端、101d…一次側開口部、101e…一次側枠状部、102…二次側管体、102L…二次側流路部分、102c…二次側接続端、102d…二次側開口部、102e…二次側枠状部、103a…大気開放口、103b…大気開放路、150…大気圧開放弁、150A…一次側圧力室、150B…二次側圧力室、151…弁体、152…閉鎖板、153…ダイヤフラム、154…弾性部材、110…逆止弁、120…電磁弁(開閉弁)130…流量計、140…二次側逆止弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の流路部分が内部に構成され、該第1の流路部分の端部に第1の接続端を備えた第1の管体と、前記第1の流路部分に連通する第2の流路部分が内部に構成され、該第2の流路部分の端部に前記第1の接続端に接続された第2の接続端を備えた第2の管体と、を具備し、
前記第1の流路部分と前記第2の流路部分で構成される流路が途中で屈曲して前記第1の流路部分のうち少なくとも前記第1の接続端とは反対側部分の流れの向きと前記第2の流路部分のうち少なくとも前記第2の接続端とは反対側部分の流れの向きとが互いに異なる向きとされ、
前記第1の流路部分に連通する第1の圧力室と、前記第2の流路部分に連通する第2の圧力室と、前記第1の圧力室と前記第2の圧力室との間の移動可能な隔壁となる弁体と、該弁体によって開閉される大気開放口とを有する大気開放弁が構成され、
前記第1の管体における前記第2の管体の側の表面部には、前記第1の流路部分に開口する第1の開口部と、該第1の開口部の周囲を取り巻くように突出した第1の枠状部とが一体に設けられ、
前記第2の管体における前記第1の管体の側の外側部には、前記第1の枠状部に接続される第2の枠状部と、該第2の枠状部の内側に形成され前記第2の流路部分に開口する第2の開口部と、前記第2の枠状部の内側に形成される前記大気開放口とが一体に設けられることを特徴とする圧力開放装置。
【請求項2】
前記流路は全体としてU字状若しくはコ字状に構成され、前記第1の流路部分のうち少なくとも前記第1の接続端とは反対側部分の流れの向きと前記第2の流路部分のうち少なくとも前記第2の接続端とは反対側部分の流れの向きとが逆向きとされ、前記第1の管体の前記表面部は、前記少なくとも第1の接続端とは反対側部分を構成する管壁の外面であることを特徴とする請求項1に記載の圧力開放装置。
【請求項3】
前記少なくとも第1の接続端とは反対側部分を構成する前記第1の管体の管壁と前記弁体との間隔は、前記少なくとも第2の接続端とは反対側部分を構成する前記第2の管体の管壁と前記弁体との間隔より小さいことを特徴とする請求項2に記載の圧力開放装置。
【請求項4】
前記流路は全体としてL字状に構成され、前記第1の管体には前記第2の管体の少なくとも第2の接続端とは反対側部分に沿って外側に張り出した張出壁が設けられ、前記第1の管体の前記表面部は前記張出壁の前記第2の管体側の面であることを特徴とする請求項1に記載の圧力開放装置。
【請求項5】
前記張出壁と前記弁体との間隔は、前記少なくとも第2の接続端とは反対側部分を構成する前記第2の管体の管壁と前記弁体との間隔より小さいことを特徴とする請求項4に記載の圧力開放装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の圧力開放装置と、前記流路を開閉する開閉弁とをさらに具備することを特徴とする開閉弁ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−25362(P2010−25362A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183657(P2008−183657)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(591021671)日本電産ニッシン株式会社 (13)
【Fターム(参考)】