説明

圧延材蛇行制御装置

【目的】 高精度の蛇行制御を行うことが可能な圧延材蛇行制御装置を得る。
【構成】 圧延機(1) の両サイド位置に配設した各圧下駆動装置(5,6) をそれぞれ制御する圧下位置制御装置(17,18) の圧下位置基準を、圧下位置レベリング量によって補正して蛇行制御を行うに当たり、蛇行量検出手段(101,102) が圧延機(1) の出側における圧延材の蛇行量を検出すると、レベリング量演算手段(106)は検出された蛇行量を入力し、比例、積分及び微分の各演算のうちの少なくとも一つの演算を実行して圧下位置レベリング量を演算する一方、張力検出手段(7,8) が圧延機(1) の入側における圧延材の両サイドの張力をそれぞれ検出すると、偏差演算手段(9) が張力偏差を演算し、ゲイン演算手段(104) は検出された蛇行量と、演算された張力偏差とをファジィ変数としてレベリング量演算手段(106)の適切なゲインをファジィ演算によって求め、乗算手段(105) は演算されたゲインによってレベリング量演算手段(106) のゲイン調整をする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧延機の出側における圧延材の蛇行を修正するための圧延材蛇行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、タンデム圧延機に用いられている従来の圧延材蛇行制御装置の構成を示すブロック図である。同図において、圧延機1は、一対のワークロール2及び一対のバックアップロール3により構成されている。圧延材4はこの圧延機1に対し前方(図3の左方)から送り込まれ、圧延された後に後方(図3の右方)に送り出されるようになっている。また、下側バックアップロール3の下方のオペレータ側に圧下駆動装置5が、ドライブ側に圧下駆動装置6がそれぞれ配設されており、これらの圧下駆動装置5,6を制御することにより、圧延材4の圧下量が調節されるようになっている。なお、「オペレータ側」とはオペレータが位置する側であり、「ドライブ側」とは圧延機1の駆動軸(図示せず)が取付けられている側のことを意味している。
【0003】そして、圧延機1の後方には、圧延機1から送り出された圧延材4の両サイドの張力を検出するため、オペレータ側に張力検出器7が、ドライブ側に張力検出器8が設けられている。これらの張力検出手段7,8からの検出信号7A,8Aは減算器9に送られ、この減算器9によりオペレータ側張力とドライブ側張力との間の偏差すなわち張力偏差が演算される。演算された張力偏差の信号は張力偏差リミット装置10に送られ、入力レベルが一定以上でなければ出力が行われないようにデッドバンド処理が行われる。
【0004】ここで、張力偏差リミット装置10に入力される張力偏差をΔTi 、デッドバンド上限値をTUL、デッドバンド下限値をTLLとすれば、デッドバンド処理後の張力偏差ΔTは次式にしたがって与えられる。
もし、TUL<ΔTi ならば、 ΔT=ΔTi −TUL もし、TLL≦ΔTi ≦TUL ならば、 ΔT=0 もし、ΔTi <TLL ならば、 ΔT=ΔTi −TLL このように、張力偏差リミット装置10でデッドバンド処理された張力偏差ΔTの信号はPI制御器11に送られ、ここで比例、積分処理される。このPI制御器11の出力は、圧延材4の蛇行を修正するための圧延機1の圧下位置レベリング量(圧延機1のオペレータ側圧下位置基準値とドライブ側圧下位置基準値との偏差量)11A となるものである。しかし、この圧下位置レベリング量11A には機械的な制限により上限値及び下限値が存在するため、PI制御器11の出力は上下限リミット装置12により上下限リミットされるようになっている。
【0005】この上下限リミット装置12で上下限リミットされた圧下位置レベリング量12A は、減算器13及び加算器14に送られる。減算器13及び加算器14には、それぞれオペレータ側の圧下位置基準値設定器15及びドライブ側の圧下位置基準値設定器16からの基準値設定信号15A ,16A も入力されるようになっている。なお、この減算器13及び加算器14は、圧延機1のオペレータ側圧下位置基準値の極性と、ドライブ側圧下位置基準値の極性とを互いに逆にするものである。従って、図3ではオペレータ側に減算器13が設けられ、ドライブ側に加算器14が設けられているが、圧下位置レベリング量の符号を逆にすると共に、オペレータ側に加算器14を設け、ドライブ側に減算器13を設けるようにしてもよい。
【0006】そして、減算器13はオペレータ側の圧下位置基準値設定器15で設定された基準値15A から圧下位置レベリング量12A を減算してオペレータ側補正基準値13A を出力する。同様に、加算器14はドライブ側の圧下位置基準値設定器16で設定された基準値16A に圧下位置レベリング量12A を加算してドライブ側補正基準値14A を出力する。オペレータ側の圧下位置制御装置17は、この補正基準値13A に基いてオペレータ側の圧下駆動装置5を制御し、ドライブ側の圧下位置制御装置18は、補正基準値14A に基いてドライブ側の圧下駆動装置6を制御する。このオペレータ側の圧下駆動装置5及びドライブ側の圧下駆動装置6の制御によって、圧延材4の圧下量が調整され、圧延機1の後方における圧延材4の蛇行が修正される。
【0007】因みに、圧延材4のオペレータ側張力がドライブ側張力よりも大きい場合(7A>8A)には、圧延材4のオペレータ側の伸びはドライブ側の伸びよりも小さいものと見做し、圧延材4はオペレータ側に蛇行しているものと判断される。そして、オペレータ側圧下駆動装置5及びドライブ側圧下駆動装置6の制御により、圧延機1のオペレータ側の締め込みが大きくされると共に、ドライブ側の締め込みが緩められる。
【0008】このような制御が、圧延材4のオペレータ側張力とドライブ側張力とが等しくなる(7A>8A)まで行われる。これによって、圧延機1の後方における圧延材4の蛇行量はゼロとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来の装置は、圧延材のオペレータ側とドライブ側との間の張力偏差に基いて、圧延機の圧下位置レベリング量を調整するものである。つまり、張力偏差を入力とし、圧下位置レベリング量を出力する、いわば一入力一出力の比例、積分制御によって蛇行制御を行なおうとするものであった。
【0010】しかしながら、この張力偏差の値は必ずしも圧延材の蛇行量をそのまま忠実に反映したものではない。圧延材の蛇行原因としては、オペレータ側とドライブ側との張力偏差の他に、圧延材の材質あるいは圧延機の特性、圧延材入側張力及び蛇行量など種々の要素が影響していると考えられるからである。そのため、従来のような、張力偏差のみを入力として圧下位置レベリング量を出力する一入力一出力の方式では、精度の高い蛇行制御を行うことが困難であった。
【0011】本発明は上記の問題点を解決するためになざたもので、高精度の蛇行制御を行うことが可能な圧延材蛇行制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧延機の圧延材幅方向の両サイド位置に配設した各圧下駆動装置をそれぞれ制御する圧下位置制御装置のうち、圧延材が蛇行する内側の圧下位置制御装置の圧下位置基準を圧下位置レベリング量によって減少補正し、外側の圧下位置制御装置の圧下位置基準を前記圧下位置レベリング量によって増大補正して圧延機出側の圧延材に対する蛇行制御を行う圧延材蛇行制御装置において、前記圧延機の出側における圧延材の蛇行量を検出する蛇行量検出手段と、検出された前記蛇行量を入力し、比例、積分及び微分の各演算のうちの少なくとも一つの演算を実行して前記圧下位置レベリング量を演算するレベリング量演算手段と、前記圧延機の入側における圧延材の両サイドの張力をそれぞれ検出する張力検出手段と、検出された前記両サイドの張力から張力偏差を演算する偏差演算手段と、検出された前記蛇行量と、演算された前記張力偏差とをファジィ変数として入力し、これらの入力に基いて前記レベリング量演算手段の適切なゲインをファジィ演算によって求めるゲイン演算手段と、演算された前記ゲインによって前記レベリング量演算手段のゲイン調整をする乗算手段とを備えたものである。
【0013】
【作用】この発明においては、圧延機の出側における圧延材の蛇行量を検出し、この蛇行量に対して比例、積分及び微分の各演算のうちの少なくとも一つの演算を実行して圧下位置レベリング量を演算すると共に、圧延機の入側における圧延材の両サイドの張力偏差と検出された蛇行量とを変数とするファジィ演算によって得られた値でレベリング量演算時のゲイン調整をするようにしたので圧延材の材質、圧延機の特性も加味されることとなり、従来のような張力偏差のみの制御と比較して精度の高い蛇行制御ができる。
【0014】また、張力偏差と圧延機出側の蛇行量との組合わせに基いてレベリング量制御系の適切なゲインを求めようとすると一般の手法では数式が複雑になるが、この発明ではファジィ理論を用いているので、容易に最適値を演算することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1及び図2に基いて説明する。ただし、図1では、図3と同様の構成要素には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0016】図1において、圧延機1の後方にはCCDカメラなどを用いた蛇行量検出装置101 が設けられ、圧延機1の後方での圧延材4の幅方向位置が検出されるようになっている。蛇行量検出装置101 からの検出信号(画像信号)101Aは蛇行量演算装置102 に送られ、ここで画像処理が行われた後、圧延材4の蛇行量が演算される。因みに、この蛇行量検出装置101 及び蛇行量演算装置102 を併せたものが本発明の蛇行量検出手段に対応している。そして、蛇行量演算装置102 からの出力信号102Aは、蛇行量リミット装置103 に送られ、ここでデッドバンド処理が行われる。
【0017】蛇行量リミット装置103 でデッドバンド処理された信号、すなわち、圧延機1の後方での出側蛇行量Δyは、乗算器105 の一方入力として加えられる。この乗算器105 の出力はPID制御器106 により、比例、微分、積分の各演算が実行され、圧下レベリング量ΔLが求められる。
【0018】一方、ゲイン演算装置104 は、圧延機1の後方での出側蛇行量Δyと、張力偏差リミット装置10からの信号、すなわち、張力偏差ΔTとを入力し、これらを変数としてファジィ推論の手法により蛇行を矯正するのに適切とされるPID制御器106 のゲインΔGを演算し、前述の乗算器105 の他方入力として加える。しかして、乗算器105 では出側蛇行量ΔyとゲインΔGとを乗算して得られた値をPID制御器106 の入力としている。
【0019】圧下位置レベリング量上下限リミット装置12は、この圧下レベリング量ΔLを上下限リミットする。この後の動作は図3を用いて説明したと同様であるのでその説明を省略する。
【0020】次に、図2に基いて、ゲイン演算装置104 が行う演算の手法について説明する。図2は本実施例におけるファジィ演算に用いられるファジィ制御規則R1 ,R2 ,R3 ,R4 の各メンバシップ関数A11,A12,B1 .A21,A22,B2 ,A31,A32,B3 ,A41,A42,B4 を示したものである。
【0021】なお、このファジィ演算では、一例としてmin演算法による推論方法を適用することとしている。この推論のための入力(前提)は張力偏差ΔTと出側蛇行量Δyであり、出力(結論)はPID制御器106 のゲインΔGである。そして、入力(前提)と出力(結論)を結びつけるものがファジィ制御規則である。すなわち、(前提)
ΔT=ΔT1 かつΔy=Δy1 (ファジィ制御規則)
1 :もしΔT=A11でΔy=A12ならばΔG=B1 2 :もしΔT=A21でΔy=A22ならばΔG=B2 3 :もしΔT=A31でΔy=A32ならばΔG=B3 4 :もしΔT=A41でΔy=A42ならばΔG=B4 (結論)
ΔG=ΔGa のようになる。
【0022】上記のファジィ制御規則R1 ,R2 ,R3 ,R4 のそれぞれの内容は次の通りとなる。
【0023】規則R1 本規則は、圧延材4の入側におけるオペレータ側張力がドライブ側の張力より大きく、かつ、出側圧延材4がドライブ側に蛇行している場合に、圧延機1のドライブ側の圧下位置を少しだけ締め込むような圧下位置レベリング量を出力するPID制御器106 のゲインΔGを出力するための規則である。
【0024】メンバシップ関数A11の座標の横軸は、オペレータ側張力7Aからドライブ側張力8Aを減算して得られる張力偏差ΔTを表し、縦軸はオペレータ側張力7Aとドライブ側張力8Aとの偏差の大きさの程度を表している。メンバシップ関数A12の座標の横軸は、圧延材4の出側蛇行量Δy(オペレータ側への蛇行量を正、ドライブ側への蛇行量を負とする。以下、A22、A32,A42においても同様とする)を表し、縦軸は蛇行の程度を示す適合度を表している。メンバシップ関数B1 の座標の横軸は、圧下位置レベリング量を出力するPID制御器106 のゲインΔG(オペレータ側の圧下位置レベリング方向を正、ドライブ側の圧下位置レベリング方向を負とする。以下、B2 ,B3 ,B4 においても同様とする)を表し、縦軸は締め込む大きさの程度を示す適合度を表している。
【0025】いま、ΔT=ΔT1 かつΔy=Δy1 とすると、メンバシップ関数は図示のように、ω1 ,ω2 となる。この場合、ω2 <ω1 であるからω2 の方を採り、メンバシップ関数B1 の形状をω2 の高さでカットする。そして、カット後に残った斜線部の重心G1 の横軸の位置ΔG1 が、規則R1 で推論されるPID制御器106 のゲインとなる。
【0026】規則R2 本規則は、圧延材4の入側におけるオペレータ側張力がドライブ側張力より大きく、かつ、出側の圧延材4がオペレータ側に蛇行している場合に、圧延機1のオペレータ側の圧下位置を大きく締め込むような圧下位置レベリング量を出力するPID制御器106 のゲインΔGを設定するための規則である。
【0027】メンバシップ関数A21の形状はA11と同じであり、メンバシップ関数A22の形状は、A12とΔy=0の点に関して互いに対称となっている。そして、ΔT=ΔT1 かつΔy=Δy1 のときのメンバシップ関数A21, A22のそれぞれの適合度はω3 ,ω4 であり、これらの間にω4 <ω3 の関係があるから、メンバシップ関数B2 の形状はω4 の高さでカットされる。
【0028】したがって、カット後に残った斜線部の重心G2 の横軸の位置ΔG2 が、規則R2 で推論されるPID制御器106 のゲインとなる。
【0029】規則R3 本規則は、圧延材4の入側におけるドライブ側張力がオペレータ側張力より大きく、かつ、出側の圧延材4がドライブ側に蛇行している場合に、圧延機1のドライブ側の圧下位置を大きく締め込むような圧下位置レベリング量を出力するPID制御器106 のゲインΔGを設定するための規則である。
【0030】メンバシップ関数A31の形状は、A11(A21)とΔT=0の点に関して互いに対称であり、メンバシップ関数A32の形状はA12と同じである。そして、Δy=Δy1 のときのメンバシップ関数A32の適合度はω5 となっているが、ΔT=ΔT1 のときのメンバシップ関数A31の適合度はゼロとなっている。
【0031】したがって、メンバシップ関数B3 の形状は全てカットされることになり、規則R3 で推論されるPID制御器106 のゲインは存在しないことになる。
【0032】規則R4 本規則は、圧延材4の入側におけるドライブ側張力がオペレータ側より大きく、かつ、出側の圧延材4がオペレータ側に蛇行している場合に、圧延機1のオペレータ側の圧下位置を少しだけ締め込むような圧下位置レベリング量を出力するPID制御器106 のゲインΔGを設定するための規則である。
【0033】メンバシップ関数A41の形状はA31と同じであり、メンバシップ関数A42の形状はA22と同じである。そして、Δy=Δy1 のときのメンバシップ関数A42の適合度はω6 となっているが、ΔT=ΔT1 のときのメンバシップ関数A41の適合度はゼロとなっている。
【0034】したがって、規則R3 の場合と同様に、メンバシップ関数B4 の形状は全てカットされることになり、規則R4 で推測されるPID制御器106 のゲインは存在しないことになる。
【0035】上述した規則R1 ,R2 ,R3 ,R4 の結果より、ΔT=ΔT1 かつΔy=Δy1 のときの、求めるべきPID制御器106 のゲインΔGは次のようにして決定される。
【0036】つまり、メンバシップ関数B1 の斜線部の形状と、メンバシップ関数B2 の斜線部の形状とを合成して、合成メンバシップ関数Ba を作成し、その重心Ga を求める。すると、この重心Ga の横軸の位置ΔG=ΔGa が求めるべきPID制御器106 のゲインとなる。
【0037】なお、図2の各メンバシップ関数の形状、及び数等について可変できることは言うまでもない。
【0038】また、蛇行量検出装置101 としてはCCDカメラ等の他、光センサ、磁気センサ等を用いることも可能でなる。
【0039】なおまた、上記実施例では圧下位置レベリング量を演算するためにPID制御器106 を用いて比例、積分及び微分の各演算を実行したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのうちの少なくとも一つの演算を実行して圧下位置レベリング量を演算する圧下位置レベリング量演算手段であっても、かなり精度の高い制御が可能となる。
【0040】また、上記実施例のブロックで表した要素を、それぞれ単独に構成した場合について説明したが、これらの要素の持つ機能のいくつかを1台の制御用計算機に持たせても上述したと同様な制御がでることは言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、圧延機の出側における圧延材の蛇行量に対して比例、積分及び微分の各演算のうちの少なくとも一つの演算を実行して圧下位置レベリング量を演算すると共に、圧延機の入側における圧延材の両サイドの張力偏差と検出された蛇行量とを変数とするファジィ演算によって得られた値でレベリング量演算時のゲイン調整をするようにしたので圧延材の材質、圧延機の特性も加味されることとなり、従来のような張力偏差のみの制御と比較して精度の高い蛇行制御を行うことが可能となる。
【0042】また、張力偏差と圧延機出側の蛇行量との組合わせに基いてファジィ理論の手法を用いて圧下位置レベリング量制御系の適切なゲインを決定しているので、数式を用いる一般的手法と比較して容易に最適値を演算することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例のゲイン演算装置が用いるファジィ制御規則のメンバシップ関数を示す特性図。
【図3】従来の圧延材蛇行制御装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 圧延機
5,6 圧下駆動装置
7,8 張力検出器
9,13 減算器
14 加算器
101 蛇行量検出装置
102 蛇行量演算装置
104 ゲイン演算装置
105 乗算器
106 PID制御器

【特許請求の範囲】
【請求項1】圧延機の圧延材幅方向の両サイド位置に配設した各圧下駆動装置をそれぞれ制御する圧下位置制御装置のうち、圧延材が蛇行する内側の圧下位置制御装置の圧下位置基準を圧下位置レベリング量によって減少補正し、外側の圧下位置制御装置の圧下位置基準を前記圧下位置レベリング量によって増大補正して圧延機出側の圧延材に対する蛇行制御を行う圧延材蛇行制御装置において、前記圧延機の出側における圧延材の蛇行量を検出する蛇行量検出手段と、検出された前記蛇行量を入力し、比例、積分及び微分の各演算のうちの少なくとも一つの演算を実行して前記圧下位置レベリング量を演算するレベリング量演算手段と、前記圧延機の入側における圧延材の両サイドの張力をそれぞれ検出する張力検出手段と、検出された前記両サイドの張力から張力偏差を演算する偏差演算手段と、検出された前記蛇行量と、演算された前記張力偏差とをファジィ変数として入力し、これらの入力に基いて前記レベリング量演算手段の適切なゲインをファジィ演算によって求めるゲイン演算手段と、演算された前記ゲインによって前記レベリング量演算手段のゲイン調整をする乗算手段と、を備えたことを特徴とする圧延材蛇行制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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