説明

圧縮ガス供給設備及び方法

【課題】ガス供給弁のシール材が劣化したり、損傷したりしたことを確実に捉えることができ、シール材から発生するガス成分が外部に漏洩したり、圧縮ガスに混入して圧縮ガスを汚染することを防止し、安全性の向上、製品汚染の防止、シール材交換時期の適正化等を図ることができる圧縮ガス供給設備及び方法を提供する。
【解決手段】圧縮ガス供給源11から小型ガス容器12へのガス供給を制御するガス供給弁14の二次側の経路に分析計18を備えた分岐経路19を設け、分析計18がガス供給弁14のシール材から発生するガス成分を検知したときに圧縮ガス供給源11からのガス供給を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮ガス供給設備及び方法に関し、詳しくは、圧縮ガス供給源からのガス供給を制御するガス供給弁の状態を監視する手段を備えた圧縮ガス供給設備及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮ガス供給源から圧縮ガスを供給する圧縮ガス供給設備、例えば、高圧ガスをガス容器に充填する装置・設備は、高圧ガス(圧縮ガス)の供給源と複数のガス容器との間をガス充填用の配管で接続し、該配管に設けたガス供給弁を開閉することにより、各ガス容器内に所定圧力のガスを充填するように形成されている。例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
前記ガス供給弁には、閉弁時のガスの漏洩を防止するためのシール材が用いられており、シール材の材質としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等のフッ素樹脂系の有機材料が広く用いられている。
【0004】
このようなシール材は、例えば、頻繁なバルブ開閉によって、過酷な変形及び熱変動の条件下でガスを封入する役割を担っている。シール材に劣化や損傷が生じると、ガスが漏洩したり、発火事故を起こす可能性がある。また、シール材の損傷によって、ガス中にシール材の一部が混入し、気付かぬうちに製品が汚染される可能性もある。
【0005】
配管外部へのガス漏洩に関しては、従来から各種検出器による検知手段があるが、シール材の損傷に起因する配管内部でのガス漏洩や製品ガス汚染の兆候を発見するのは、人間の五感に頼る部分が大きく、確実で効果的な方法がなかった。
【0006】
そのため、シール材の劣化や損傷に起因する事故を未然防止するには、ガス供給弁の定期的な分解点検や気密試験を行うことで、シール材の劣化及び損傷を確認する必要があった。
【特許文献1】特開2002−106792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
シール材の耐久性は、化学反応速度論による実験式で評価する方法が知られているが、実際のほとんどのシール材は、大きな繰返し変形、熱勾配・熱変動、流体による摩擦等が混在する環境で用いられており、総合的な耐久性の評価は難しい。したがって、事故を未然に防止するためには、頻繁に点検したり、気密試験等で確認することが必要である。
【0008】
しかし、分解点検時に、点検者が目視でシール材の損傷の有無を確認し、交換の判断をする場合、確実性に欠けるという問題がある。また、ガス供給弁を急速に開閉する操作を繰返すことによるシール材の安全性確認試験においても、シール材の損傷を即座に捉えることは困難である。
【0009】
一方、点検時に必ず交換するという方法は確実ではあるが、安全性と経済性とを兼ね備えた交換周期を決定することは難しい。したがって、シール材の不具合によるガス漏洩や製品ガス汚染の兆候を検知したり、シール材の適切な交換時期を知る方法が望まれていた。
【0010】
そこで本発明は、ガス供給弁のシール材が劣化したり、損傷したりしたことを確実に捉えることができ、シール材から発生するガス成分が外部に漏洩したり、圧縮ガスに混入して圧縮ガスを汚染することを防止し、安全性の向上、製品汚染の防止、シール材交換時期の適正化等を図ることができる圧縮ガス供給設備及び方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の圧縮ガス供給設備は、圧縮ガス供給源から圧縮ガスを供給する圧縮ガス供給設備において、前記圧縮ガス供給源からのガス供給を制御するガス供給弁の二次側の経路から該経路内を流れるガスの一部を取り出す分岐経路を設けるとともに、該分岐経路に、前記ガス供給弁のシール材から発生するガス成分を検知する検知手段を設けたことを特徴としている。
【0012】
また、本発明の圧縮ガス供給設備において、前記シール材がハロゲン成分を含む材料により形成されているときは、検知対象となるガス成分をハロゲン系ガスとすることが好ましい。例えば、前記圧縮ガスが酸素ガスであり、かつ、前記シール材がポリテトラフルオロエチレン製である場合は、前記ガス成分が、四フッ化メタン、フッ化カルボニル又は二酸化炭素であることが好ましく、前記シール材がポリクロロトリフルオロエチレン製である場合は、前記ガス成分を、四フッ化メタン、四フッ化エチレン、フッ化カルボニル、ホスゲン、フロロカルボニルクロライド又は二酸化炭素とすればよい。前記圧縮ガスが窒素等の不活性ガスであり、かつ、前記シール材がポリテトラフルオロエチレン製である場合は、前記ガス成分が四フッ化メタン又は四フッ化エチレンであることが好ましく、前記シール材がポリクロロトリフルオロエチレン製である場合は、前記ガス成分を四フッ化メタン、四フッ化エチレン、又はクロロトリフルオロエチレンとするとよい。
【0013】
そして、本発明の圧縮ガス供給設備は、前記検知手段が前記ガス成分を検知したときに、前記圧縮ガス供給源からのガス供給を停止する遮断弁を備えるとともに、前記ガス成分を含むガスを経路内から排出して除害手段に導入する排気弁を備えていることを特徴としている。
【0014】
また、前記シール材の使用開始から前記検知手段が前記ガス成分を検知するまでの間の弁開閉操作回数と、検知したガス成分濃度及び日時を記録する記録手段を備えていることを特徴としている。
【0015】
本発明の圧縮ガス供給方法は、圧縮ガス供給源から圧縮ガスを供給する方法であって、前記圧縮ガス供給源からのガス供給を制御するガス供給弁の二次側の経路を流れるガスの成分を監視し、前記ガス供給弁のシール材から発生するガス成分を検知したときに、前記圧縮ガス供給源からのガス供給を停止することを特徴とし、さらに、前記ガス成分を検知したときに、前記ガス供給弁のシール材が劣化又は損傷したと判定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の圧縮ガス供給設備によれば、シール材の材質に応じた特定のガス成分を検知することにより、シール材に劣化や損傷が発生したことを確実に捉えることができる。また、ガス供給弁を分解することなくシール材の状態を判定できるので、ガス供給弁の分解点検作業の回数を少なくすることができ、設備の稼働率の向上やメンテナンスコストの削減を図れる。
【0017】
さらに、前記ガス成分を検知したときに、遮断弁を閉じて圧縮ガスの供給を停止することにより、圧縮ガスの漏洩等を防止できるとともに、前記ガス成分が混入することによる供給ガスの汚染も防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明の圧縮ガス供給設備の一形態例を示す系統図、図2はガス供給弁の一例を示す要部の断面図、図3はシール材としてポリテトラフルオロエチレンを使用したときに発生したガス成分をFT−IRで分析したデータを示す図、図4はシール材としてポリクロロトリフルオロエチレンを使用したときに発生したガス成分をFT−IRで分析したデータを示す図である。
【0019】
本形態例に示す圧縮ガス供給設備は、高圧に圧縮した酸素ガスを充填設備に供給する設備あって、内容積が数十リットルの中型高圧ガス容器(ボンベ)に20MPa程度で酸素ガスを充填した圧縮ガス供給源11から酸素ガスを取り出し、内容積が数リットル程度の小型ガス容器(小型ボンベ)12に酸素ガスを小分け充填する設備を例示している。
【0020】
前記圧縮ガス供給源11から充填経路13に取り出された高圧の酸素ガスは、ガス供給弁14を通って複数の小型ボンベ12に接続した複数の充填管15に分岐し、各小型ボンベ12内にそれぞれ充填される。
【0021】
前記ガス供給弁14は、弁駆動機構14aにより弁体14bを作動させて開閉弁するものであって、弁座14cに当接する弁体14bの先端面には、フッ素樹脂系の有機材料からなるシール材14dが装着され、ガス漏れ等を防止している。
【0022】
充填経路13におけるガス供給弁14の一次側経路13aには、異常発生時に圧縮ガス供給源11からの酸素ガスの取り出しを緊急的に遮断するための一次側遮断弁16が設けられており、二次側経路13bには、充填経路13から充填管15への酸素ガスの流れを緊急的に遮断するための二次側遮断弁17が設けられている。さらに、二次側経路13bにおけるガス供給弁14と二次側遮断弁17との間には、ガス供給弁14から流出した酸素ガスを分析計18に導くための分岐経路19と、緊急時に一次側遮断弁16と二次側遮断弁17との間に残留するガスを充填経路13内から除害装置20に導くための排気経路21とが分岐している。
【0023】
前記分析計18は、ガス供給弁14のシール材14dから発生するガス成分、すなわち、シール材の成分が高圧、高温下で分解あるいは酸素とが反応して生成したガス成分を検知する検知手段であって、連続的にガス成分を分析可能な分析計、例えばフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)が使用されている。また、前記除害装置20は、前記ガス成分が有害成分を含むときに、該有害成分の除害処理を行って外部への漏洩を防止するために設けられている。また、分岐経路19には分析弁22が設けられており、分析計18の排気側経路18aは、排気方向の流れのみを許容する逆止弁23を介して、前記排気経路21に設けられた排気弁24と除害装置20との間に接続している。
【0024】
前記ガス供給弁14は、ガス充填制御装置(図示せず)からの指令により開閉するものであって、通常時は閉(N/C)、充填時には開となる。また、前記一次側遮断弁16、二次側遮断弁17、分析弁22及び排気弁24は、制御器25によって開閉が制御されており、一次側遮断弁16、二次側遮断弁17及び分析弁22は、それぞれ通常時は開(N/O)となっており、前記排気弁24は通常時は閉(N/C)となっている。
【0025】
制御器25は、前記分析計18からのガス成分検知信号18sを受信したときに、前記一次側遮断弁16、二次側遮断弁17及び分析弁22に閉弁信号Vsをそれぞれ送信してこれらの弁16,17,22を閉じるとともに、前記排気弁24に開弁信号Voを送信して排気弁24を開く動作を行う。さらに、制御器25には、警報を発生する警報器26と各種データを記憶するデータロガ27とが接続されている。
【0026】
このように形成した圧縮ガス供給設備を使用して、例えば、圧縮ガス供給源11である中型酸素ガスボンベから小型ボンベ12である医療用小型酸素ボンベに酸素ガスを移充填する手順を説明する。まず、全ての弁を閉じた状態で充填経路13の供給側に中型酸素ガスボンベを接続し、各充填管15に医療用小型酸素ボンベをそれぞれ接続する。そして、図示しないガス充填制御装置からの指令によって充填経路13のパージ操作等の所定の前処理操作を行った後、各弁を所定の開閉状態とし、中型酸素ガスボンベから各医療用小型酸素ボンベへの酸素ガスの充填を開始する。
【0027】
充填操作中、ガス供給弁14を経て二次側経路13bを流れる酸素ガスの一部は、分岐経路19に分岐して分析計18に導入され、酸素ガス中の不純物成分の分析を行う。分析計18から排出されたガスは、逆止弁23を経て排気経路21を通り、除害装置20を通って系外に排出される。
【0028】
このとき、ガス供給弁14では、開弁時に高圧の酸素ガスが狭い流路を抜けて一次側から二次側に急速に流れるため、断熱圧縮によりガス温度が上昇することによってシール材14dが加熱される。また、酸素ガスの流れによる流体摩擦、さらに、酸素ガス中の極微量のパーティクルが前記シール材14dに衝突して流れるときの衝撃や摩擦によってもシール材14dが昇温したり、摩耗したりする。
【0029】
このような充填操作中の昇温に伴う熱変動や、開閉時の弁座14cとの圧接・離間による繰り返し変形により、シール材14dが劣化あるいは損傷し、シール材14dに凹凸や突起等が発生すると、これらが着火源となって酸素ガスと反応し易い状態となり、シール材14dが酸素と反応して燃焼し、シール材14dの材質に応じた特定のガス成分が発生する。特に近年は、充填圧力が高くなる傾向にあり、また、充填時間の短縮も求められており、従来に比べて断熱圧縮によるガス温度の上昇が起きやすくなってきているため、上述のようなシール材14dと酸素ガスとの反応が生じやすい状況となっている。
【0030】
例えば、シール材14dとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のシール材を使用した場合、このシール材が高温に加熱されたり、酸素と反応したりすると、図3に示すように、四フッ化メタン(CF)、フッ化カルボニル(COF)といったハロゲン系ガスや二酸化炭素(CO)が発生するので、これらのガスの少なくとも一種を分析計18で分析することにより、シール材14dの材料が分解したり、酸素と反応したりしたことを知ることができる。また、シール材14dとしてポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)製のシール材を使用した場合にも、高温に加熱されたり、酸素と反応したりすると、図4に示すように、分析計18で四フッ化メタン(CF)、フッ化カルボニル(COF)、二酸化炭素(CO)が検知され、さらに、条件によっては、四フッ化エチレン(C)やホスゲン(COCl)、フロロカルボニルクロライド(COFCl)等が検知される。このときの検知濃度は、検知対象となるガス成分によっても異なるが、有害ガスの場合を想定すると、その許容濃度を考慮して検知濃度を設定することが好ましい。例えばフッ化カルボニルの場合は、時間加重平均許容濃度(TLV−TWA)が2ppmであるから、これ以下の検知濃度に設定すべきである。
【0031】
上述のような反応により、充填操作中にシール材14dの材質に応じた特定のガス成分が発生すると、前記分析計18が前記ガス成分を検知し、検知信号18sを制御器25に発信する。この検知信号18sを受信した制御器25は、閉弁信号Vsを発信して一次側遮断弁16、二次側遮断弁17及び分析弁22を閉じるとともに、排気弁24に開弁信号Voを送信して排気弁24を開く。
【0032】
これにより、圧縮ガス供給源11から充填経路13へのガス供給及び充填経路13から小型ボンベ12へのガス充填がそれぞれ停止し、小型ボンベ12内への前記ガス成分の流入が防止されて製品酸素ガスが前記ガス成分によって汚染されることがなくなる。また、一次側遮断弁16と二次側遮断弁17との間に存在するガスは、排気弁24が開弁することで排気経路21に抜き出されて除害装置20に導入され、酸素ガス中の前記ガス成分が除害あるいは除去されて系外に排出される。
【0033】
さらに、前記ガス成分が検知されたことは、シール材14dが劣化あるいは損傷したことを意味するので、制御器25から警報器26に信号が送られて警報を発生させ、シール材14dの交換が必要であることを通知する。また、同時にデータロガ27にも異常事態発生の信号や、各ガス成分の検出濃度信号等を発信する。
【0034】
そして、データロガ27のデータやガス充填制御装置のデータから、シール材14dを交換してから異常発生までのガス供給弁14の開閉回数や、検出したガス濃度、検出日時を記録することにより、この圧縮ガス供給設備における弁動作回数と異常発生との関係を把握することができ、各圧縮ガス供給設備におけるシール材14dの交換時期を、それぞれの装置の使用状況に応じて的確に設定することができ、効率的に安全性が確保できるとともに、メンテナンスの効率向上も図れる。
【0035】
また、圧縮ガスが塩素や三フッ化窒素等の支燃性ガスの場合も、これらのガスと有機材料系シール材の材質成分とが反応して特定のガス成分が発生し、他の各種圧縮ガスの場合であっても、高圧、高温下での有機材料系シール材の材質成分の分解等によって特定のガス成分が発生する。したがって、これらのガス成分の少なくとも一つを分析計18で検知するように設定しておくことにより、圧縮ガスの供給先、例えば充填側のガス容器内に前記ガス成分が不純物として混入することがなくなり、製品の汚染を防止することができるとともに、有害なガス成分が外部に排出されることも防止できる。
【0036】
なお、圧縮ガス供給設備における供給源は、ガス容器に限るものではなく、圧縮機や蒸発器であってもよい。同様に、圧縮ガス供給設備から圧縮ガスを供給する設備や装置、機器は任意であり、圧縮ガスやシール材の種類も任意である。分析計には、発生するガス成分に応じて適宜な検知手段を採用することができるが、シール材がハロゲン元素を含んでいる場合は、有害ガスの排出を確実に防止するため、分析計ではハロゲン系ガス、例えば有害なハロゲン系ガスの一種であるフッ化カルボニル(COF)を分析することが好ましい。また、除害装置は、発生する有害成分に対応した適宜な除害手段を使用することができ、圧縮ガスや前記ガス成分が無害である場合は、除害手段を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の圧縮ガス供給設備の一形態例を示す系統図である。
【図2】ガス供給弁の一例を示す断面正面図である。
【図3】圧縮ガスが酸素で、シール材としてポリテトラフルオロエチレンを使用したときに発生したガス成分をFT−IRで分析したデータを示す図である。
【図4】圧縮ガスが酸素で、シール材としてポリクロロトリフルオロエチレンを使用したときに発生したガス成分をFT−IRで分析したデータを示す図である。
【符号の説明】
【0038】
11…圧縮ガス供給源、12…小型ガス容器(小型ボンベ)、13…充填経路、13a…一次側経路、13b…二次側経路、14…ガス供給弁、14a…弁駆動機構、14b…弁体、14c…弁座、14d…シール材、15…充填管、16…一次側遮断弁、17…二次側遮断弁、18…分析計、18a…排気側経路、18s…ガス成分検知信号、19…分岐経路、20…除害装置、21…排気経路、22…分析弁、23…逆止弁、24…排気弁、25…制御器、26…警報器、27…データロガ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガス供給源から圧縮ガスを供給する圧縮ガス供給設備において、前記圧縮ガス供給源からのガス供給を制御するガス供給弁の二次側の経路から該経路内を流れるガスの一部を取り出す分岐経路を設けるとともに、該分岐経路に、前記ガス供給弁のシール材から発生するガス成分を検知する検知手段を設けたことを特徴とする圧縮ガス供給設備。
【請求項2】
前記シール材がハロゲン成分を含む材料により形成され、前記ガス成分がハロゲン系ガスであることを特徴とする請求項1記載の圧縮ガス供給設備。
【請求項3】
前記圧縮ガスが酸素ガスであり、前記シール材がポリテトラフルオロエチレン製で前記ガス成分が四フッ化メタン、フッ化カルボニル又は二酸化炭素、あるいは、前記シール材がポリクロロトリフルオロエチレン製で前記ガス成分が四フッ化メタン、四フッ化エチレン、フッ化カルボニル、ホスゲン、フロロカルボニルクロライド又は二酸化炭素であることを特徴とする請求項1記載の圧縮ガス供給設備。
【請求項4】
前記検知手段が前記ガス成分を検知したときに、前記圧縮ガス供給源からのガス供給を停止する遮断弁を備えるとともに、前記ガス成分を含むガスを経路内から排出して除害手段に導入する排気弁を備えていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の圧縮ガス供給設備。
【請求項5】
前記シール材の使用開始から前記検知手段が前記ガス成分を検知するまでの間の弁開閉操作回数と、検知したガス成分濃度及び日時を記録する記録手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の圧縮ガス供給設備。
【請求項6】
圧縮ガス供給源から圧縮ガスを供給する方法であって、前記圧縮ガス供給源からのガス供給を制御するガス供給弁の二次側の経路を流れるガスの成分を監視し、前記ガス供給弁のシール材から発生するガス成分を検知したときに、前記圧縮ガス供給源からのガス供給を停止することを特徴とする圧縮ガス供給方法。
【請求項7】
前記ガス成分を検知したときに、前記ガス供給弁のシール材が劣化又は損傷したと判定することを特徴とする請求項6記載の圧縮ガス供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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