説明

圧縮梱包装置

【課題】 供給口10から溢れ出た廃材を切断する際の切断に要するパワーが小さくて済み、しかも圧縮効率が良好で、且つ密度の異なる廃材に対しては圧縮室11への供給量を柔軟に調整することが可能な圧縮梱包装置を提供する。
【解決手段】 圧縮梱包される廃材を供給する供給口10が上面に開口する圧縮室11と、この圧縮室11内を前後方向に往復移動可能であり、供給口10から供給された廃材を、当該圧縮室11内で圧縮しながら前方へ移送する移動圧縮ブロック20と、供給口10の開口面における前端から後方に向かう一部の領域を開閉するとともに、閉塞動作に伴い供給口10から溢れている廃材を圧縮室11内に押し込む機能を備えた開閉圧縮蓋30と、移動圧縮ブロック20の前部上端縁に設けた移動切断刃21と、開閉圧縮蓋30が供給口10の一部領域を閉塞した状態において、開口する供給口10の前端縁に相当する開閉圧縮蓋30の縁部に設けた固定切断刃31とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、段ボールや新聞、雑誌等の故紙や、ペットボトルなどのリサイクル可能な廃材を圧縮してブロック状の塊に梱包するための圧縮梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮梱包装置として、従来から図8に示すようなラム切断式の構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の圧縮梱包装置は、ラムと称する移動圧縮ブロック20が圧縮室11内を往復直線移動する構成となっている。裁断された故紙等の廃材Bは、圧縮室11の上面に開けられた供給口10(入口部分)から圧縮室11内に供給される。続いて、移動圧縮ブロック20が前進して圧縮室11内で廃材Bを圧縮しながら前方へと移送する。供給口10には蓋が設けられてなく、供給口10から上方に溢れ出た廃材Bは、供給口10の前端縁に設けた固定切断刃101と、移動圧縮ブロック20の前部上端縁に設けた移動切断刃102とによる剪断作用をもって切断される。
【0003】
圧縮室11内の前方には、圧縮済みの廃材が単位圧縮塊Aとなって並べられる。そして、次の廃材Bが圧縮移送されてくる毎に、順次前方へ押し出されていく。このように圧縮梱包装置の前方に並べられた廃材の単位圧縮塊Aは、複数個をまとめて番線と称するワイヤWで結束されて集積圧縮塊Cを形成し、その後に圧縮梱包装置から排出される。
【0004】
ここで、集積圧縮塊Cの長さは、供給される廃材Bの種類にかかわらず、ほぼ一定にしたほうが、その後の運搬作業に都合がよい。そこで、上記従来の圧縮梱包装置にあっては、供給される廃材Bの種類に応じて、適宜、集積圧縮塊Cにまとめる単位圧縮塊Aの個数を変えたり、移動圧縮ブロック20の始動位置を供給口10の中間位置に配置することで、供給口10を任意の面積だけ移動圧縮ブロック20の上面で閉塞するようにして、供給口10からの廃材Bの供給量を調整できるようにしてある。これにより、段ボールと新聞など密度の異なる廃材Bが供給されても、廃材の単位圧縮塊Aをほぼ一定の長さ単位でまとめて結束することがきる。
【0005】
しかし、かかる構成の圧縮梱包装置は、供給口10から溢れ出た廃材Bを切断しながら、圧縮室11内の廃材Bを圧縮していくので、移動圧縮ブロック20の駆動に大きなパワーが必要となる。また、圧縮室11内に供給された廃材Bの下部と上部で密度が違ってくる(下部は積み重なる廃材Bの重量で圧縮される)。このため、移動圧縮ブロック20によって圧縮された廃材の単位圧縮塊Aは、部分的に密度差が生じて崩れやすくなる欠点があった。
【0006】
これらの欠点を解消するために、図9に示すように、供給口10に圧縮開閉用の蓋(圧縮蓋100)を設け、供給口10から溢れ出た廃材Bを圧縮蓋100で上方から押圧して圧縮室11内に押し込むことで、圧縮室11内での廃材Bの密度を上げ、その後に移動圧縮ブロック20を前進動作させて圧縮する構成の圧縮梱包装置も提案されている。この種の圧縮梱包装置よれば、供給口10から溢れ出た廃材Bの切断動作が不要となるため移動圧縮ブロックの駆動に大きなパワーが必要なく、しかも段ボールなどの密度が低い廃材Bをも充分に均等圧縮して高密度な塊とすることができる。
【0007】
しかしながら、かかる圧縮蓋が設けられた圧縮梱包装置にあっては、供給口10の中間部に移動圧縮ブロック20の始動位置を配置して圧縮室11内への廃材Bの供給量を調整することはできない。すなわち、供給口10の中間位置に移動圧縮ブロック20を配置すると、移動圧縮ブロック20の上面に廃材Bが堆積するため、その後に圧縮蓋100を閉めると、移動圧縮ブロック20の上面と圧縮蓋100との間に廃材Bが挟まり、動作不良を引き起こしてしまう。このため、この種の圧縮梱包装置では、密度の異なる各種の廃材に対して、それら廃材の供給量を調整することができず、特に新聞や雑誌などの密度の高い廃材Bは、単位圧縮塊Aの長さが長くなってしまうため、廃材の結束長さをほぼ一定にすることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−74343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、供給口から溢れ出た廃材を切断する際の切断に要するパワーが小さくて済み、しかも圧縮効率が良好で、且つ密度の異なる廃材に対しては圧縮室への供給量を柔軟に調整することが可能な圧縮梱包装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、圧縮梱包される廃材を供給する供給口が上面に開口する圧縮室と、
この圧縮室内を前後方向に往復移動可能であり、供給口から供給された廃材を、当該圧縮室内で圧縮しながら前方へ移送する移動圧縮ブロックと、
供給口の開口面における前端から後方に向かう一部の領域を開閉するとともに、閉塞動作に伴い供給口から溢れている廃材を圧縮室内に押し込む機能を備えた開閉圧縮蓋と、
移動圧縮ブロックの前部上端縁に設けた移動切断刃と、
開閉圧縮蓋が供給口の一部領域を閉塞した状態において、開口する供給口の前端縁に相当する開閉圧縮蓋の縁部に設けた固定切断刃と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
かかる構成の本発明によれば、供給口から溢れ出た廃材の一部は、開閉圧縮蓋によって適度に圧縮された状態で圧縮室内に押し込まれる。その後、移動圧縮ブロックの前進動作に伴い、移動切断刃と固定切断刃の剪断作用によって供給口から溢れ出た残りの廃材を切断し、且つ移動圧縮ブロックの押圧力をもって圧縮室内の廃材を圧縮しながら前方へ移送していく。
【0012】
このように供給口から溢れ出た廃材のうち、開閉圧縮蓋で圧縮室内に押し込んだ分だけ、移動切断刃と固定切断刃による廃材の切断距離が短くなるため、当該切断に要するパワーが小さくて済む。しかも、開閉圧縮蓋で圧縮室内に押し込まれた廃材は、圧縮室内での密度が高くなるため、圧縮室内での圧縮効率が向上する。
【0013】
また、本発明によれば、開閉圧縮蓋によって閉塞されない供給口の開口領域に対して、その中間部に移動圧縮ブロックを始動位置に配置することで、供給口からの廃材の供給量を任意に調整することができる。この調整をもって圧縮後の塊となった廃材の長さを適宜調整することが可能となる。
【0014】
ここで、開閉圧縮蓋は、供給口の斜め上方から直線移動して当該供給口の一部を閉塞する構成とすることが好ましい。このように構成すれば、ヒンジを中心とした回転式の開閉蓋に比べ、簡単な構成で、かつ直線的な駆動力をすべて廃材の圧縮力に変えることができるので、小さなパワーで大きな圧縮率を得ることが可能となる。
【0015】
また、本発明は次の構成を付加することもできる。
すなわち、移動圧縮ブロックによって圧縮室内を順次前方へと圧縮移送されてきた複数の廃材の塊に対し、その周囲にワイヤを水平面上で巻回して当該廃材を結束する結束機を備え、
移動圧縮ブロックの前面近傍に、一方の側面から他方の側面に貫通し、ワイヤを当該一方の側面から他方の側面へと挿通するワイヤ通し溝を形成する。このワイヤ通し溝は、移動圧縮ブロックの前面に開口している。そして、ワイヤ通し溝の前面開口部には、当該前面開口部を常時閉塞するとともに、当該ワイヤ通し溝内から前方に向かってのワイヤの抜け出しを許容する一方向開閉蓋が設けてある。
【0016】
圧縮された後の廃材の塊を複数個まとめて結束する際には、移動圧縮ブロックの前面がいちばん後ろにある廃材の塊を後方から押圧している。この状態にあって、ワイヤ通し溝は一方向開閉蓋により閉塞されているので、当該溝の前面開口から廃材が当該溝内に入り込むおそれがない。
続いて、複数の廃材の塊にワイヤを巻回して結束する。このとき、移送圧縮ブロックに形成したワイヤ通し溝にワイヤを挿通させることで、移送圧縮ブロックによる廃材の塊に対する後方からの押圧状態を保持することができる。
結束作業が終了した後、移送圧縮ブロックは後退していくが、そのときワイヤ通し溝に挿通されたワイヤは、一方向開閉蓋を押し開いて前面開口部から抜け出すことができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、供給口から溢れ出た廃材を切断する際の切断に要するパワーが小さくて済み、しかも圧縮効率が良好で、且つ密度の異なる廃材に対しては圧縮室への供給量を柔軟に調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る圧縮梱包装置の構成を模式的に示す正面断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る圧縮梱包装置の動作を説明するための正面断面図である。
【図3】図2に続く、本発明の実施形態に係る圧縮梱包装置の動作を説明するための正面断面図である。
【図4】図3に続く、本発明の実施形態に係る圧縮梱包装置の動作を説明するための正面断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る圧縮梱包装置により実施可能なさらに他の動作を説明するための正面断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る圧縮梱包装置の作用を説明するための図である。
【図7】移動圧縮ブロックの前面近傍に設けられたワイヤ通し溝と、一方向開閉蓋を示す正面断面図である。
【図8】従来の圧縮梱包装置の構成を示す正面断面図である。
【図9】従来の他の圧縮梱包装置の構成を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る圧縮梱包装置の構成を模式的に示す正面断面図である。
同図に示すように、本実施形態の圧縮梱包装置は、前後方向に延びるとともに、上面の一部に廃材の供給口10が開口した圧縮室11と、この圧縮室11内を前後方向に往復移動可能な移動圧縮ブロック20と、供給口10の一部領域を開閉する開閉圧縮蓋30と、圧縮された廃材の塊を複数個まとめてワイヤにて結束する結束機40とを備えている。
【0020】
圧縮室11は、横断面が四角形状の中空部が前後方向に延びた空間を形成している。供給口10は、圧縮室11を形成する天井壁の後端部付近を四角形状に切り欠いて形成されている。この供給口10は、その上方に設けられたホッパ50に連通している。ホッパ50内では廃材が撹拌される。そして、ホッパ50内で十分に撹拌された廃材は、自然落下にて供給口10を通して圧縮室11内に供給される。
なお、梱包対象となる廃材は、新聞、雑誌、段ボールなどの故紙や、ペットボトルなど、リサイクル可能な廃棄物である。
【0021】
移動圧縮ブロック20は、図示しない駆動シリンダの駆動力を受けて圧縮室11内を前後方向に往復移動する。この移動圧縮ブロック20の前面は、圧縮室11の横断面と同じ四角形状の平坦面で、当該横断面よりも僅かに小さな面積としてあり、圧縮室11の内壁との間に摩擦が生じない程度の隙間が形成されている。この移動圧縮ブロック20は、圧縮室11内に供給された廃材を圧縮して塊とするだけの圧力に十分耐えることのできる強度を有している。
移動圧縮ブロック20は、圧縮室11内の供給口10の後端縁よりも後方から、供給口10の形成部位を抜け、さらに前方に至る範囲を移動可能となっている。
【0022】
開閉圧縮蓋30は、供給口10の上方に設けたホッパ50の側壁50aを突き抜けて供給口10へと、斜め上方から直線移動して、供給口10の一部を閉塞する構成となってる。この開閉圧縮蓋30は、図示しない駆動シリンダからの駆動力を受けて往復直線移動する。開閉圧縮蓋30の底面30aは、供給口10と同一平面上に配置されるように角度設定されており、この底面30aが供給口10の開口面における前端10aから後方に向かう一部の領域(以下、開閉領域10bという)を開閉する。当該開閉領域10bの広さは任意に設定することができるが、その形状は四角形状の供給口10に対して同一の幅で前端10aから任意長さの四角形状に設定してある。
図1に示すように、開閉圧縮蓋30は、待機位置をホッパ50の側壁50aの外側に設定して、廃材が落下してくるホッパ50の中空部から退避させることが好ましい。開閉圧縮蓋30は、当該待機位置からホッパ50の中空部を抜け、供給口10の開閉領域10bを閉塞する。このとき同時に、開閉圧縮蓋30は、当該開閉領域10bから上方に溢れ出している廃材を押圧して、圧縮室11内に押し込む。
【0023】
移動圧縮ブロック20の前部上端縁には、移動切断刃21が設けてある。また、開閉圧縮蓋30には、供給口10の開閉領域10bを閉塞した状態において、開口する供給口10の前端縁に相当する開閉圧縮蓋30の縁部に、固定切断刃31が設けてある。移動圧縮ブロック20の前進移動に伴い、これら移動切断刃21と固定切断刃31が協働して、供給口10から上方に溢れ出している廃材を切断する。
【0024】
結束機40は、移動圧縮ブロック20によって圧縮室11内を順次前方へと圧縮移送されてきた複数の廃材の単位圧縮塊Aに対し、その周囲に番線と称する金属製のワイヤWを水平面上で巻回して結束する機能を有している。すなわち、図1に示すように、圧縮室11の前方領域には、圧縮されて単位圧縮塊Aとなった複数の廃材が並んで接触しており、これら複数個の廃材の単位圧縮塊Aに対して、ワイヤWを一方の側面から前面に回し、さらに他方の側面と背面を経由して一周させて結束する。ワイヤWによる結束は、縦方向に一定の間隔をおいた複数箇所に対して同時に行われる。
【0025】
次に、図2〜図6を参照して、本実施形態に係る圧縮梱包装置の動作および作用を説明する。
まず、基本動作について図2〜図4を参照して説明する。図2に示すように、開閉圧縮蓋30が待機位置に置かれ、かつ移動圧縮ブロック20が供給口10よりも後方の位置で待機している状態で、ホッパ50から落下してくる廃材Bが供給口10を通して圧縮室11内に供給(充填)される。
【0026】
そして、供給口10から上方に廃材Bが溢れ出す状態になった後、図3に示すように、開閉圧縮蓋30が作動して供給口10の開閉領域10b(図1参照)に向かって直線移動し、当該開閉領域10bを閉塞する。このとき、供給口10の開閉領域10bから上方に溢れ出していた廃材Bが、開閉圧縮蓋30によって圧縮室11内に押し込まれる。このため、廃材Bが自然落下して供給される場合に比較して、高密度に廃材Bを圧縮室11内に供給充填することができる。
【0027】
次いで、図4に示すように、移動圧縮ブロック20が前方へ移動する。この移動動作に伴い、供給口10から溢れ出している廃材Bを移動切断刃21と固定切断刃31が協働して切断するとともに、圧縮室11内に供給された廃材Bを圧縮しながら前方へと移送していく。ここで、供給口10から溢れ出している廃材Bを切断する範囲は、供給口10が全開していた従来の圧縮梱包装置(図8参照)と比較して、開閉領域10bの広さ分だけ狭く、したがって切断に要するパワーが少なくて済む。
【0028】
このようにして、圧縮室11内で圧縮され前方に移送されてきた廃材Bは、前のサイクルで圧縮移送済みの廃材の単位圧縮塊Aを後方から押圧して、それら廃材の単位圧縮塊Aを一体に前方へ移動させるとともに、自らも十分に圧縮されて単位圧縮塊Aとなる。
廃材の単位圧縮塊Aの束があらかじめ設定してある一定個数に達すると、結束機40が作動してそれら廃材の単位圧縮塊Aの束をワイヤWで結束して、集積圧縮塊Cを形成する。結束された廃材の集積圧縮塊Cは、移動圧縮ブロック20により逐次前方へ移送されていき、外部へ排出される。
【0029】
さて、廃材の集積圧縮塊Cの長さを、一定の長さ範囲(結束長さの許容範囲)に収まるようにすれば、その後の運搬作業などにおいて扱いやすくなり都合がよい。しかし、供給される廃材によっては密度が異なり、圧縮量が変わってくるため、単位圧縮塊Aの長さが区々となる。例えば、図6(a)に示すように、新聞などの高密度で圧縮室11内へ供給される廃材(高密度廃材)にあっては、移動圧縮ブロック20による圧縮量は小さくなり、したがって圧縮後の廃材の単位圧縮塊A1は長めに形成される。一方、図6(b)に示すように、段ボールなどの低い密度で圧縮室11内へ供給される廃材(低密度廃材)にあっては、移動圧縮ブロック20による圧縮量は大きくなり、したがって圧縮後の廃材の単位圧縮塊A2は短めに形成される。
このため廃材の種類によっては、集積圧縮塊Cが、あらかじめ設定した長さの許容範囲L1〜L2に収まらないものもある(図6の(a))。
【0030】
そこで、本実施形態の圧縮梱包装置は、次のような動作をもって、圧縮室11内への廃材の供給量を調整することで、圧縮後の塊となった廃材の長さを適宜調整できるようにしてある。
例えば、図5に示すように、全開状態の供給口10に対して、その中間部に移動圧縮ブロック20を始動位置に配置することで、供給口10からの廃材Bの供給量を任意に調整することができる。
このような動作をもって、供給口10からの廃材Bの供給量を任意に調整することで、単位圧縮塊Aの長さを適宜調整して、集積圧縮塊Cの長さを、許容範囲L1〜L2内に納めることが可能となる。
【0031】
次に、結束動作に関連する新規な構成について、図7を参照して説明する。
結束機40は、移動圧縮ブロック20によって廃材を圧縮した状態で、ワイヤWの巻回動作を行っている。そこで、図7(a)に示すように、従来の圧縮梱包装置にも、移動圧縮ブロック20の前面20a近傍には、一方の側面から他方の側面に貫通し、ワイヤWを当該一方の側面から他方の側面へと挿通するワイヤ通し溝22が形成してある。このワイヤ通し溝22にワイヤWを挿通することで、移動圧縮ブロック20が障害になることなく、ワイヤWの巻回動作を実行可能となる。
ワイヤ通し溝22に挿通されたワイヤWは、結束後の移動圧縮ブロック20の後退動作に伴い、前面に形成した開口(前面開口部22a)を透してワイヤ通し溝22から抜け出る。
しかし、この前面開口部22aを広く開けておくと、当該前面開口部22aに廃材が入り込んで目詰まりを起こすおそれがある。そのため、従来の圧縮梱包装置では、この前面開口部22aを廃材が入り込まない程度に狭く形成してあった。ところが、前面開口部22aが狭いと、ワイヤ通し溝22からワイヤWが抜け出るときに、前面開口部22aエッジ部分にワイヤWが接触して破断するおそれがあり、安定した動作の妨げとなっていた。
【0032】
そこで、本実施形態の圧縮梱包装置では、図7(b)に示すように、移動圧縮ブロック20の前面に一方向開閉蓋23が設けてある。この一方向開閉蓋23は、ヒンジを中心に回動自在に支持され、図示しない付勢ばねにより常時、前面開口部22aを閉塞しており、ワイヤ通し溝22内から前方に向かってワイヤWが抜け出す際には、ワイヤWからの押圧力によって回動して前面開口部22aを開く構成となっている。これにより、前面開口部22aを広く形成しても、移動圧縮ブロック20が前方の廃材を押圧しているときは、一方向開閉蓋23が前面開口部22aを閉塞して廃材の詰まりを防止することができる。
この一方向開閉蓋23は、短冊状に形成した弾力性のある板ばねや樹脂フィルムの一端を移動圧縮ブロック20の前面に固定するなど、種々の構成で製作が可能である。また、既述した開閉圧縮蓋30など供給口10周辺の構造とは独立し、この一方向開閉蓋23のみを単独で従来の圧縮梱包装置に適用することも可能である。
【0033】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施、応用実施が可能であることは、勿論である。例えば、開閉圧縮蓋30は、ヒンジを中心に回動自在な構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0034】
10:供給口、10b:開閉領域、11:圧縮室、20:移動圧縮ブロック、21:移動切断刃、22:ワイヤ通し溝、22a:前面開口部、23:一方向開閉蓋、30:開閉圧縮蓋、31:固定切断刃、40:結束機、50:ホッパ、
A:単位圧縮塊、B:廃材、C:集積圧縮塊、W:ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮梱包される廃材を供給する供給口が上面に開口する圧縮室と、
この圧縮室内を前後方向に往復移動可能であり、前記供給口から供給された廃材を、当該圧縮室内で圧縮しながら前方へ移送する移動圧縮ブロックと、
前記供給口の開口面における前端から後方に向かう一部の領域を開閉するとともに、閉塞動作に伴い前記供給口から溢れている廃材を前記圧縮室内に押し込む機能を備えた開閉圧縮蓋と、
前記移動圧縮ブロックの前部上端縁に設けた移動切断刃と、
前記開閉圧縮蓋が前記供給口の一部領域を閉塞した状態において、開口する供給口の前端縁に相当する前記開閉圧縮蓋の縁部に設けた固定切断刃と、
を備えたことを特徴とする圧縮梱包装置。
【請求項2】
前記開閉圧縮蓋は、前記供給口の斜め上方から直線移動して当該供給口の一部を閉塞する構成であることを特徴とする請求項1の圧縮梱包装置。
【請求項3】
前記移動圧縮ブロックによって前記圧縮室内を順次前方へと圧縮移送されてきた複数の廃材の塊に対し、その周囲にワイヤを水平面上で巻回して当該廃材を結束する結束機を備えるとともに、
前記移動圧縮ブロックの前面近傍には、一方の側面から他方の側面に貫通し、前記ワイヤを当該一方の側面から他方の側面へと挿通するワイヤ通し溝が形成されており、
且つ、前記ワイヤ通し溝は、前記移動圧縮ブロックの前面に開口しており、
前記ワイヤ通し溝の前面開口部には、当該前面開口部を常時閉塞するとともに、当該ワイヤ通し溝内から前方に向かってのワイヤの抜け出しを許容する一方向開閉蓋が設けてあることを特徴とする請求項1又は2の圧縮梱包装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate