説明

圧縮画像クロマ情報を改良するための方法およびシステム

【課題】圧縮画像のクロマ情報を改良するための方法、システムおよびコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】カラービデオ画像の青色成分解像度より高い解像度を、カラービデオ画像の赤色成分に対して用いる。別の側面では、1つ以上のクロマチャネルに対して、輝度チャネルに比較して低いか高い量子化パラメータ(QP)値を利用する。別の側面では、ビデオ画像の対数表現を使用して、画像符号化の利益を得る。別の側面では、2より多くのクロマチャネルを使用して、ビデオ画像を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はビデオ圧縮に関し、詳細には、MPEG等のビデオ圧縮システムにおいて圧縮画像のクロマ(chroma)情報を改良するための方法、システム、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MPEGの背景
MPEG−2およびMPEG−4は、画像シーケンスをよりコンパクトな符号化データの形で表わす効率的な方法を提供するビデオシンタックスを定義する国際ビデオ圧縮標準規格である。符号化ビットの言語は、「シンタックス」である。例えば、僅かなトークンでサンプルの全ブロックを表すことができる(例えば、MPEG−2では64サンプル)。両方のMPEG標準規格には、復号化(再構成)処理も記述されており、符号化ビットを、コンパクトな表現から元のフォーマットの近似画像シーケンスへ写像する。例えば、符号化ビットストリーム内のフラグは、後続のビットを、離散コサイン変換(DCT)アルゴリズムで復号化する前に、予測アルゴリズムで先に処理すべきかどうかを知らせる。復号化処理を含むアルゴリズムは、これらのMPEG標準規格により定義されているセマンティックスにより規定されている。このシンタックスは、空間冗長性、時間冗長性、一様な動き、空間マスキング等の共通のビデオ特性を活用するように適用され得る。実際、これらMPEG標準規格は、データフォーマットはもとよりプログラミング言語も定義している。MPEGデコーダは、入力されるデータストリームを解析し、復号化できなければならないが、データストリームが対応するMPEGシンタックスに準拠している限り、広く多様な可能なデータ構造および圧縮技法を用いることができる(セマンティックスが整合性をもたないために、技術的には標準規格から逸脱することはあるが)。代替シンタックス内に必要なセマンティックスを持つことも可能である。
【0003】
これらMPEG標準規格は、イントラフレーム(フレーム内)およびインターフレーム(フレーム間)法を含む多様な圧縮法を用いる。ほとんどの映像シーンでは、動きが前景において生じている間、背景は比較的静止したままである。背景が動くこともあるが、多くのシーンは冗長である。これらMPEG標準規格は、「イントラ」フレームまたは「Iフレーム」と呼ばれる基準フレームを作成することにより圧縮を開始する。Iフレームは、他のフレームを参照せずに圧縮されるので、フレーム全体の映像情報を含んでいる。Iフレームは、ランダムアクセスのためのエントリーポイントをデータビットストリームに提供するが、中程度にしか圧縮できない。Iフレームを表すデータは、12から15フレーム毎にビットストリームに配置されるのが普通である(状況によっては、Iフレーム間にもっと広い間隔を設けることも有用である)。従って、基準Iフレーム間にあるフレームの僅かな部分だけが、両側を挟むIフレームと異なるので、その画像の差分だけが捕捉され、圧縮され、そして格納される。2種類のフレームが、かかる差分のために用いられる。すなわち、予測フレームつまりPフレーム、および双方向補間フレームつまりBフレームである。
【0004】
Pフレームは、一般に過去のフレーム(Iフレームまたは以前のPフレームのいずれか)を参照して符号化され、一般には後続のPフレームに参照されて用いられる。Pフレームはかなり高い圧縮を受ける。Bフレームは、最も高い圧縮量を提供するが、符号化されるために過去と未来の両参照フレームを必要とする。標準圧縮技術で双方向フレームが参照フレームとして用いられることはない。
【0005】
マクロブロックは、画像ピクセルからなる領域である。MPEG−2では、マクロブロックは、8×8のDCTブロック4つを集めた16×16ピクセルであり、Pフレームについては1つの動きベクトル、Bフレームについては1つまたは2つの動きベクトルを伴う。Pフレーム内のマクロブロックは、イントラフレームまたはインターフレーム(予測フレーム)符号化のいずれかを用いて個別に符号化され得る。Bフレーム内のマクロブロックは、イントラフレーム符号化、順方向予測符号化、逆方向予測符号化、または、順方向および逆方向の両方向(すなわち、双方向補間)予測符号化を用いて個別に符号化され得る。僅かに異なってはいるが類似の構造が、MPEG−4ビデオ符号化で用いられている。
【0006】
符号化されると、MPEGデータビットストリームは、一連のI、PおよびBフレームを備える。シーケンスはI、PおよびBフレームのほとんどいかなるパターンを構成してもよい(それらの配置に多少の意味的制限はある。)。しかしながら、産業上の実施においては、一定のパターン(例えば、IBBPBBPBBPBBPBB)を有することが通常である。
【0007】
MPEG色空間解像度
MPEG−1、MPEG−2、MPEG−4の全ては圧縮のためにY、U、V色空間を用いる。輝度方程式の選択はあるが、典型的なRGB(red−green−blue)とYUV表現間の変換は
Y=.59G+.29R+.12B
U=R−Y
V=B−Y
と表される。緑に対する輝度Yの係数は、表色系に依存して0.55から0.75まで及ぶ。赤に対する係数は0.2から0.3、青に対する係数は0.05から0.15に及ぶ。
【0008】
線形信号に対して用いることを意図された線形演算子である行列の変換として、この変換は計算することができる。しかしながら、この簡潔な変換は、非線形ビデオ空間におけるMPEGの1、2、4で実行され、様々な不自然な結果や問題を生じている。
【0009】
より高い圧縮を達成するために、UとVのクロマチャネルの解像度を減少することは、MPEGにおいて標準的である。もっとも一般的な解像度の減少法は、垂直と水平の両方向に半分の解像度を用いることである。MPEG−2は、水平方向の半分の解像度と同様に、全解像度のクロマに対応する。しかしながら、もっとも一般的に用いられるMPEG−2のプロファイルである、メインレベルのメインプロファイル(MP@ML)とハイレベルのメインプロファイル(MP@HL)は水平方向および垂直方向に半分の解像度を用いる。MPEG−4のバージョン1および2は垂直方向および水平方向に半分の解像度を用いる。全クロマ解像度は4:4:4と、水平方向半分のクロマ解像度は4:2:2と、垂直方向および水平方向ともに半分の解像度は4:2:0とよく呼ばれることに留意されたい(なお、4:x:xという命名法は、その意味と導出において欠点があるが、クロマ解像度の輝度に対する関係を表現するために一般的に用いられている。)。
【0010】
様々なMPEG標準規格の下で、水平方向および垂直方向のクロマ解像度を減少させるフィルタは、UとVの色表現へ変換されるように、非線形のビデオ信号に適用される。逆変換を適用してRGBを復元するときは、非線形信号とフィルタは不自然な結果と問題を生じるように相互作用する。これらの問題は、空間的エイリアシングとともに、Y輝度とUおよびVクロマチャネル間の「クロストーク」として一般化することができる。
【0011】
1990年10月のSMPTE会議で、デモス ガリー(Gary Demos)によって発表され、SMPTE誌(1991年10月、100巻、10号)において公表された「ピクセルに対する対数および密度単位の使用」("The Use of Logarithmic and Density Units for Pixels”)において、線形対非線形表現および変換に関するさらなる情報が見つかるだろう。1993年10月のSMPTE会議で、デモス ガリーによって発表され、その論文集および予稿集において公表された「画像の色およびダイナミックレンジに対する、拡大縮小可能で、共同利用でき、拡張可能な表現例」("An Example Representation for Image Color and Dynamic Range which is Scalable, Interoperable, and Extensible”)もまた参照されたい。これらの論文は、画像圧縮行程のパイプラインの様々な段階における、対数および線形空間の利益を記述しており、引用して本明細書に組み込む。
【0012】
クロマのサブサンプリング
UおよびVに対するクロマ解像度を減少する理由は、人間の視覚体系が輝度Yの変化より、UとVの変化に鈍感だからである。Yは主に緑であり、UとVはそれぞれ主に赤と青であるから、人間は、赤と青に対するよりも緑に対してより高い視覚感度を持つと表現することもできる。また一方、UおよびVはMPEG−1、MPEG−2およびMPEG−4において同様に扱われるけれども、人間の視覚体系は(青成分を持つ)Vに対するよりも(赤成分を持つ)Uに対して敏感である。
【0013】
このクロマの感度における違いは、テレビ放送のために用いられる1951年のNTSC−2カラー標準規格において、具現されている。NTSC−2は、IとQとがUとVとに(わずかに異なる重み付けで)類似する、YIQ色空間を用いる。つまり、Iチャネルは主として赤引く輝度を表し、Qチャネルは主として青引く輝度を表す。NTSC−2では、輝度は4.5MHzのアナログバンド幅を与えられ、Iクロマチャネルは1.5MHzのアナログバンド幅を与えられる。青−黄軸を表すQチャネルは0.5MHzのみのアナログバンド幅が与えられる。
【0014】
それゆえに、NTSC−2テレビシステムはQチャネルに対して割り当てる3倍の情報量をIチャネルに対して割り当て、Iチャネルに対する3倍の情報量をY輝度チャネルに対して割り当てる。したがって、Y輝度チャネルとQ(青引く輝度)チャネルの間のバンド幅比は9になる。これらのMPEG YUVとNTSC−2の関係は、以下の表にまとめられる。
【表1】

【0015】
輝度に対するクロマの解像度比
MPEG標準規格下での輝度チャネルとUおよびVチャネル間の取り扱いは、NTSC−2標準規格下での輝度とIおよびQチャネル間の取り扱いと、明らかに大きく異なっている。
【発明の開示】
【0016】
本発明は、圧縮画像のクロマ情報を改良するための方法、システムおよびコンピュータプログラムに向けられている。
【0017】
本発明の一側面において、より詳細には、RGB表現のための赤の解像度(またはYUV表現のためのUの解像度)を青(またはV)に用いられる解像度より高くすることによって、カラービデオ画像は改良され得る。より低い解像度を青色成分に対して用いることは、例えば動き補償カラービデオ画像圧縮システムにおいて、より少ない情報しか圧縮される必要がないことを意味する。本発明のこの側面は、カラービデオ画像の青色成分に対する解像度より高い、カラービデオ画像の赤色成分に対する解像度を選択することによって、ビデオ画像圧縮システムにおいて、カラービデオ画像の画像クロマ情報を圧縮するための方法、システムおよびコンピュータプログラムを含む。
【0018】
本発明の他の側面は、圧縮中に用いられる量子化パラメータ(QP)の任意の値から生じるクロマノイズのレベルを低減し、その結果、画質を改良するための技法である。これは、Yチャネルに対してよりもU(=R−Y)チャネルに対して、より小さなQP値を用いることで達成される。同様に、V(=B−Y)チャネルの質も、Yチャネルに対してよりもVチャネルに対して、より小さなQP値を用いることで改良されるだろう。
【0019】
本発明の他の側面は、より高い圧縮が要求されるときに有用な技法である。この側面においては、UとVのクロマチャネルの一方あるいは両方に使用するために、正のQPバイアスが、Yチャネルに対するQP値に適用される。
【0020】
本発明の他の側面は画像符号化に利益をもたらす対数表現の使用である。実現可能なときには、対数符号化は、もともと線形なRGBピクセル値として表現されていた画像のYUV色空間表現のための符号化効率を改善できる。他の処理手続きステップで、線形表現へのおよび線形表現からの変換は有益となり得る。
【0021】
本発明の他の側面は、ビデオ圧縮システムにおいてカラービデオ画像のビデオ特性を改良するための方法であって、カラービデオ画像を表すために、輝度チャネルと3以上のn個のクロマチャネルを含む1組の画像チャネルを選択するステップと、輝度チャネルとn個の追加的なクロマチャネルを圧縮ビデオ画像へ圧縮するステップとを含む方法である。
【0022】
本発明の1つ以上の実施の形態の詳細を添付図面と以下の説明で述べる。本発明の他の特徴、目的、そして利点は、その説明と図面、および請求の範囲から明らかとなろう。なお、種々の図において同様な要素には同様な参照符号を付する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、YUV色空間表現において、Uに対する解像度をVに対して用いる解像度より高くするための(コンピュータに実装され得る)例示的な方法を示すフロー図である。
【図2】図2は、クロマチャネルに対してQPバイアスを適用するための(コンピュータに実装され得る)例示的な方法を示すフロー図である。
【図3】図3は、輝度およびクロマ情報の対数符号化のための(コンピュータに実装され得る)例示的な方法を示すフロー図である。
【図4】図4は、画像圧縮システムにおいて追加的なクロマチャネルを符号化するための(コンピュータに実装され得る)例示的な方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
改良された色符号化精度
低減されたノイズ、拡張されたダイナミックレンジおよび拡張されたカラーレンジの属性に関連して画像の質が改善するにつれて、人間の色に対する感度もまた増大する。特に、RGB表現における赤(またはYUV表現におけるU)はしばしば、ビデオ圧縮に通常用いられるよりも高い精度と明確さを要求することが観察される。
【0025】
青が加工に用いられない限り(青スクリーン特別効果合成や画像解析のように)、青またはVの一方によって具現されるような青−黄クロマ軸に対する人間の感度は、水平方向および垂直方向の半分の解像度のサンプリングを適切に取り扱う。それゆえに、画像の全ピクセル数の4分の1で、青またはVクロマ軸を表すために十分な質が提供される。しかしながら青およびVと異なり、2分の1の解像度での赤および/またはUの符号化は、大きなワイドダイナミックレンジのディスプレイやプロジェクターについての質において、不十分なことがある。
【0026】
したがって、RGB表現のための赤の解像度(またはYUV表現のためのUの解像度)を、青(またはV)に対して用いられる解像度より高くすることによって、画像は改良され得る。より低い解像度を青色成分に対して用いることは、例えば動き補償カラービデオ画像圧縮システムにおいて、より少ない情報しか圧縮される必要がないことを意味する。
【0027】
本発明に従って、フィルタ処理により減少される青(またはV)の解像度に対して、赤(またはU)の解像度を大きなまま維持する以下の3つの好ましい方法がある。
1)赤および/またはUに対して、全解像度を用いること、
2)赤および/またはUに対して、垂直方向または水平方向のいずれか一方の1つのクロマ軸だけに2分の1の解像度を用いること、または
3)赤および/またはUに対して、1つまたは両方のクロマ軸に、2/3や3/4のような全サイズと2分の1の間の解像度であって、フィルタ処理したものを用いること。
【0028】
図1は、YUV色空間表現において、Vに対して用いる解像度より高い解像度をUに対して用いるための(コンピュータに実装され得る)例示的な方法を示すフロー図である(同様の方法をRGB色空間表現に適用してもよい。)。
【0029】
ステップ101:YUV色空間表現を利用する画像圧縮システムにおいて、入力画像のV(=B−Y)チャネルを水平方向に2分の1の解像度へ、さらに任意で垂直方向に2分の1の解像度へフィルタ処理により縮小する。
【0030】
ステップ102:画像のU(=R−Y)チャネルをV(=B−Y)チャネルより高い解像度であって、好ましくは、
a)全解像度
b)水平方向には2分の1と全解像度の間の解像度で、垂直方向には全解像度
c)水平方向および垂直方向に2分の1と全解像度の間の解像度
d)垂直方向には2分の1と全解像度の間の解像度で、水平方向には全解像度
の1つへフィルタ処理により縮小する。
【0031】
ステップ103:MPEG等の圧縮システムを用いてYUV画像(輝度Yとフィルタ処理により縮小されたUおよびVのクロマ情報を有する)を圧縮する。
【0032】
ステップ104:(通常は別のコンピュータにおいて)画像をY、UおよびVチャネルへ解凍する。
【0033】
ステップ105:適切な解像度の増加(すなわち、Vに対しては上記ステップ101、Uに対しては上記ステップ102で用いた縮小フィルタ係数の逆数)を用いて、UおよびVチャネルを全解像度へ変換する。
【0034】
ステップ106:任意で、鑑賞、解析、あるいはさらなる手続き処理のために、YUVピクチャをRGB画像へ変換する。
【0035】
クロマに対する差分QPバイアス
本発明の譲受人へ譲渡された「ビデオ画像の高精度符号化および復号化」("High Precision Encoding and Decoding of Video Images”)と題する係属中の米国特許第09/798,346号は(引用して本明細書に組み込む。)、圧縮中の量子化パラメータ(QP)の使用の様々な側面を教示する。本発明のもう1つの側面は、圧縮中に用いられる量子化パラメータ(QP)の任意の値から生じるクロマノイズのレベルを低減し、その結果、画質を改良するための技法である。これは、Yチャネルに対してよりもU(=R−Y)チャネルに対して、より小さなQP値を用いることで達成される。同様に、V(=B−Y)チャネルの質も、Yチャネルに対してよりもVチャネルに対して、より小さなQP値を用いることで改良されるだろう。
【0036】
減少されるクロマのQP値を実装するための簡便な方法は、Y(輝度)チャネルに対して用いられるQP値から一定値を引くことである。あるいは、別々の(Yに対するQP値より小さな)一定値を、UとVのそれぞれに対して用いてもよい。例えば、Yに対するQP値から「2」を引いてUに対するQP値とし、Yに対するQP値から「1」を引いてVに対するQP値としてもよい。適用されるQP値の最小値が「1」であることによってのみ制限されるが、引くための量としていかなる実用的な値も使用し得る。
【0037】
この方法は不変のQP値(可変ビットレート)に対して作動する。可変のQP値(例えば、一定および可変両方のビットレートの動き補償圧縮システムにおいて)に対しても、瞬間的なQP値はYに対するQP値から特定の差分値を引くことによってバイアスでき、UとVそれぞれに対するQP値にできるので、同様に作動する。
【0038】
さらに、先に引用した特許出願「ビデオ画像の高精度符号化および復号化」に記述されるような拡張されたQP範囲関数や検索を用いて、これらの差分バイアスされたクロマのQP値の範囲は拡張できる。
【0039】
予め設定された値が使用されない限り、UおよびVのバイアス値は、エンコーダからデコーダに伝える必要がある。これらは例えば、セッション、GOP、フレームまたは画像領域毎に一度、特定できる。
【0040】
図2は、クロマチャネルに対してQPバイアスを適用するための(コンピュータに実装され得る)例示的な方法を示すフロー図である。
【0041】
ステップ201:画像圧縮システムにおいて、UおよびVのクロマチャネルのそれぞれに対するQP値を、選択した値(チャネル毎に異なってもよい)だけ減少する。
【0042】
ステップ202:この減少されたQP値をそれぞれ、UおよびVのクロマチャネル圧縮に用いる。
【0043】
ステップ203:任意で、可変QP値が使用される場合、減少されたUおよびVのQP値が少なくとも「1」であることを保証する。
【0044】
ステップ204:あらかじめ設定したバイアスが使用されない限り、変化するたびに(少なくとも1度)QP値の減少量をデコーダに伝達する。
【0045】
ステップ205:(通常は別のコンピュータにおいて)UおよびVに対する適切なQP値を用いて信号を解凍する(再び、減少されたQP値が少なくとも「1」であることを保証しつつ)。
【0046】
ステップ206:任意で、解凍された画像を見たり、追加的な処理や解析のために画像を使用したりする。
【0047】
本発明の他の側面は、より高い圧縮が要求されるときに有用な技法である。この側面においては、UとVのクロマチャネルの一方あるいは両方に使用するために、正のQPバイアスが、Yチャネルに対するQP値に適用される(好ましくは、圧縮システムのQPの最大値がもしあればチェックする)。UとVのチャネルのそれぞれに対して別のバイアスを使用できる。そのほかの点では、かかる実施形態のステップは、図2で示したものと同様である。
【0048】
輝度とクロマの対数符号化
先に引用した「ピクセルに対する対数および密度単位の使用」と題する論文は、ダイナミックレンジに対する対数表現の利益について説明する。適合するダイナミックレンジ(matching dynamic range)の対数表現は、一般的に使用されるビデオ伝達関数に多少類似している。類似してはいるけれども、拡張性、較正の使用および色チャネルの直交性において、対数表現は一般的に使用される様々なビデオ表現より最適である。
【0049】
本発明の他の側面は画像符号化に利益をもたらす対数表現の使用である。実現可能なときには、対数符号化は、線形なRGBピクセル値としてもともと表現されていた(カメラのセンサーにおけるような)画像のYUV色空間表現のための符号化効率を改善できる。他の処理手続きステップで、線形表現へのおよび線形表現からの変換は有益となり得る。
【0050】
先に引用した特許出願「ビデオ画像の高精度符号化および復号化」に記述されるように、クロマの輝度とのクロストークは
Ylog=Log(Wr*R+Wg*G+Wb*B)
U=Log(R)−Ylog
V=Log(B)−Ylog
のときに最小化され、ここでWr、WgおよびWbは輝度の赤、緑および青成分に対する線形重みであり、R、GおよびBは線形光空間を表している。これらの関係は本発明のこの側面を適用する際に有用である。
【0051】
図3は、輝度およびクロマ情報の対数符号化のための(コンピュータに実装され得る)例示的な方法を示すフロー図である。
【0052】
ステップ301:画像圧縮システムにおいて、入力(例えば、ビデオカメラから直接的に)の線形R、GおよびBピクセル値に関して、以下の変換を実行する。
Ylog=Log(Wr*R+Wg*G+Wb*B)
U=Log(R)−Ylog
V=Log(B)−Ylog
ここでWr、WgおよびWbは輝度の赤、緑および青成分に対する線形重みである。
【0053】
ステップ302:任意で、UおよびVのクロマチャネルの解像度を減少する(上述の通り)。
【0054】
ステップ303:動画のY、UおよびV表現に関して、動き補償圧縮を実行する。
【0055】
ステップ304:(通常は別のコンピュータにおいて)圧縮画像を解凍して動画のY、UおよびV色成分を復元する。
【0056】
ステップ305:もし任意のステップ302が適用されたならば、解像度の減少を逆にして、UおよびVの全解像度を復元する。
【0057】
ステップ306:以下の変換を用いて、線形のR、GおよびBピクセル値を復元する。
R=anti‐log(Y+U)
B=anti‐log(Y+V)
G=(anti‐log(Y)−Wr*R−Wb*B)/Wg
【0058】
ステップ307:任意で、他のビデオRGB表現に変換する(あるいは、ステップ306に加えてというよりはむしろ、ステップ306の代わりに実行されてもよい。)。
【0059】
追加的なクロマ軸
拡張されたダイナミックレンジと拡張されたコントラストレンジ画像において、可視および不可視の両方の画像情報の追加的なチャネルを伴って可視の波長チャネルを拡大させることは有用であろう。
【0060】
赤、緑および青の原色の任意の組み合わせから得られる色の範囲は、全ての存在し得る可視的な色を含むわけではない。黄色、オレンジ、シアンおよび茶色のような他の可視的な色を作るための赤、緑および青の原色の割合からなる結合は、「メタメリズム」として知られる人間の視覚体系の特性である。
【0061】
先に引用した「画像の色およびダイナミックレンジに対する、拡大縮小可能で、共同利用でき、拡張可能な表現例」と題された論文で指摘されるように、赤、緑および青の三原色に追加的な原色を加えることは可能である。特に、シアン、マゼンダおよび黄色の原色は、もっとも一般的な赤、緑および青の原色値から得られる範囲を超えて、色再現域を拡張するのに役立つ。さらに、スミレ色と(燐光色を明るくする)紫外線も伝達することができる。
【0062】
可視的な色を超えて、不可視な赤外線波長は、雲や霞を見通したり、暗闇の中で見たりする際に有用であると分かっている。紫外線波長もまた、指紋や表面コーティングのような、低振幅で可視的な画像の詳細を見るために有用であろう。
【0063】
さらに、可視的な波長においてさえ、様々な物質(例えばスモッグや水中の藻)がある波長のコントラストやダイナミックレンジの量をしばしば減少させる。スモッグが茶色に見える理由は、青のコントラストとダイナミックレンジが減少され、遠くにある全ての物体に茶色がかった色を与えるためである。また、水中写真が緑または青緑あるいは青に見える理由も、赤系統の色域が、コントラストとダイナミックレンジにおいて減少されるためである。
【0064】
上述のような、Y、UおよびV間の対数の関係は、可視光に対する色の関係の符号化を最適化するだろう。
【0065】
本発明のこの側面において、追加的なクロマチャネルは、代表的にはRGBやYUV表現により具現される三原色の波長を符号化するチャネルに加えられる。さらに、YUV色空間を使用するときは、最高振幅の画像信号に好都合なようにY(輝度)チャネルの構成を変えることも可能である。したがって例えば、緑の可視的なチャネルは、輝度を他の波長領域へ移動させて、それ自身のクロマチャネルを用いて符号化してもよい。この概念は、赤、緑および青(そしてことによると、他の可視的なおよび不可視的な原色)のそれぞれにそれ自身のクロマチャネルを持たせて、Y輝度が赤外線である場合へと拡張できる。
【0066】
本発明のこの側面に従って、新しい各クロマチャネルに対して、以下のことを決定する必要がある。
1)1つ以上の他のチャネルから(U=R−Yのように通常は輝度から)差分をとり符号化する必要があるか?
2)チャネルに、輝度に対しての全解像度を与える必要があるか、または、所定の用途に対して画質を損なうことなく解像度を減少できるか?
【0067】
1)の決定は各符号化チャネルの他チャネルとの相関に基づく。例えば、紫外波長や遠赤外波長の画像は、可視的な波長に対してまたは互いに、相対的に無相関となることがある。かかる場合、これらのチャネルは他チャネルを参照せずに符号化してもよい。しかしながら、いかなる可視的な波長も強く相関し、それゆえにほとんどいつでも、互いに関連して符号化することで利益を受け得る。
【0068】
これらの決定に基づいて、通常三原色のチャネル(例えばYUV)を超える(または置換しかつ超える)1組の画像チャネルを選択することができる。例えば、1組の画像チャネルは、Y’輝度チャネルとU’第一のクロマチャネル、V’第二のクロマチャネル、X’第三のクロマチャネルのようなn個のクロマチャネルから構成してもよい。
【0069】
本例を用いて、かつ動き補償圧縮を適用すると、選択したY’の値は全解像度で符号化され、様々な他のクロマチャネル(U’、V’、X’)は差分をとりまたは独立に符号化されるだろう。追加的なチャネルがあることを除き、全てのチャネルは、従来のYUV表現に対して用いられるのと同じ動きベクトルとマクロブロック動き補償構造を利用できる。かかるチャネルはそれぞれ、(先のステップ2で決定されるような)Yに対する適切な解像度を利用する。加えて、所望の圧縮クロマの質が達成されることを保証するために、(上述の)QPバイアスを独立して各クロマチャネルに適用できる。
【0070】
可視的な波長に対してのみ適用するときでさえ、追加的なクロマチャネルは拡張された色範囲やより正確な色を保証するだけでなく、さらなる明確さと細部とノイズ忠実度がマゼンタ、オレンジ、黄色およびアクアシアンのような非常に目立つ色に適用されるようにする。これらの利益は、広ダイナミックレンジおよび広コントラストレンジの画像に対して、特に重要である。
【0071】
図4は、画像圧縮システムにおいて追加的なクロマチャネルを符号化するための(コンピュータに実装され得る)例示的な方法を示すフロー図である。
【0072】
ステップ401:画像圧縮システムにおいて、任意の不可視波長の画像信号を含む画像に対してもっとも広いダイナミックレンジと最高解像度に基づいて選択される最適な輝度表現を決定する。
【0073】
ステップ402:画像を表すための、3以上のn個の追加的なクロマチャネルを決定する。
【0074】
ステップ403:任意で、各クロマチャネルに対して、輝度および/または1つ以上の他のクロマチャネルについて、差分をとり符号化する方が有益かどうかを決定する。
【0075】
ステップ404:各クロマチャネルの画像信号に対して、輝度の画像信号に関する入力から輝度の解像度以下の所望の解像度を決定し、任意で解像度の減少を適用する。
【0076】
ステップ405:動き補償圧縮を用いて、Y+n個のクロマの画像信号を圧縮する。
【0077】
ステップ406:(通常は別のコンピュータにおいて)Y+n個のクロマの画像を解凍する。
【0078】
ステップ407:解像度の減少が適用された場合、クロマチャネルの元の解像度を復元する。
【0079】
ステップ408:各クロマチャネルを、もしあれば、先のステップ403からの差分の対応部分と結合する。
【0080】
ステップ409:任意で、以下のいずれかを実行する。
a)クロマチャネルをRGBのような視空間または3より多い原色を有する空間へ変換し、トルーカラー画像(true-color image)として見る。
b)a)の変換を実行するが、(赤外線を緑にマッピングするような)フォールスカラー画像(false-color image)として見る。
c)手続き処理および/または解析のために変換なしでクロマチャネルを使用する。
【0081】
他の選択肢として、各クロマチャネルに対する質の所望水準を達成するために、各クロマチャネルに、輝度チャネルに対して用いられるQP値と関連のあるバイアスされたQP値(増加か減少の一方)を適用してもよい(すなわち、より高い圧縮率に対するクロマノイズはトレードオフの関係にある。)。
【0082】
実装
本発明は、ハードウエアもしくはソフトウエアまたは両者の組み合わせ(例えば、プログラマブル・ロジック・アレー)で実装してもよい。特に規定のない限り、本発明の一部として含まれるアルゴリズムは、如何なる特定のコンピュータまたは他の装置と本質的に関連しない。特に、本明細書の教示に従って書かれたプログラムを有する各種の汎用マシンを用いることができ、あるいはより特化した装置(例えば、集積回路)を構成して特定の機能を実行すると更に便利になろう。このように、本発明は、1台以上のプログラマブルコンピュータシステム上の1つ以上のコンピュータプログラムに実装でき、各システムは、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのデータ記憶システム(揮発性または不揮発性メモリおよび/または記憶素子を含む)、少なくとも1つの入力装置またはポート、および少なくとも1つの出力装置またはポートを備える。プログラムコードを入力データに適用して本明細書で説明した機能を実行するとともに、出力情報を生成する。出力情報は、既知の方法で1台以上の出力装置に適用される。
【0083】
コンピュータシステムと通信するための、任意の所望するコンピュータ言語(機械語、アセンブリ言語、または高レベル手続き型言語、論理型言語、またはオブジェクト指向プログラム言語を含む)で、かかるプログラムをそれぞれ実装してよい。いずれにしても、言語は、コンパイラ型言語でもインタープリタ型言語でもよい。
【0084】
本明細書で説明した手段を実行するためのコンピュータシステムにより、汎用または特定用途のプログラマブルコンピュータにより可読な記憶媒体または装置(例えば、固体メモリか媒体、または磁気式か光学式媒体)が読み込まれる際に、コンピュータを構成するとともに操作するため、かかるコンピュータプログラムはそれぞれ、その記憶媒体または装置に格納するかダウンロードされるのが好ましい。本発明のシステムは、コンピュータプログラムで構成されたコンピュータ可読の記憶媒体として実施されると考えられてもよく、その場合、そのように構成された記憶媒体は、コンピュータシステムを特定のかつ予め定義された方法で動作させて、本明細書で説明した機能を実行する。
【0085】
本発明の多くの実施の形態を説明してきた。それにもかかわらず、本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、多様な改変がなされるだろうことは言うまでもない。例えば、上記のステップの幾つかは順不同であってもよく、従って、説明したものと異なる順序で実行してもよい。よって、他の実施の形態は、以下の請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ画像圧縮システムにおいて、カラービデオ画像の画像クロマ情報を圧縮するための方法であって、前記カラービデオ画像の赤色成分に対して、前記カラービデオ画像の青色成分に対する解像度よりも高い解像度を選択するステップを含む方法。
【請求項2】
ビデオ画像圧縮システムにおいて、カラービデオ画像の画像クロマ情報を圧縮するための方法であって、
(a)前記カラービデオ画像の青色成分を、前記カラービデオ画像の水平および垂直な画像軸の少なくとも1つに沿って第一の解像度を有する加工された青色成分にフィルタ処理により縮小するステップと、
(b)前記カラービデオ画像の赤色成分を、前記第一の解像度より高い第二の解像度を有する加工された赤色成分にフィルタ処理するステップとを含む方法。
【請求項3】
前記第二の解像度は、前記カラービデオ画像の水平および垂直な画像軸の少なくとも1つに沿って、前記赤色成分の全解像度の0.5から1.0の範囲にある請求項2の方法。
【請求項4】
さらに、少なくとも前記加工された青色成分および赤色成分を、圧縮された出力画像に圧縮するステップを含む請求項2の方法。
【請求項5】
さらに、前記圧縮された出力画像を解凍して、圧縮されていない加工された青および赤色成分を取得するステップを含む請求項4の方法。
【請求項6】
さらに、前記加工された青および赤色成分を、前記カラービデオ画像の前記全解像度にフィルタ処理により拡大するステップを含む請求項5の方法。
【請求項7】
前記ビデオ画像圧縮システムは動き補償ビデオ画像圧縮システムである請求項1または2の方法。
【請求項8】
圧縮の間に量子化パラメータ(QP)を使用するYUVビデオ画像圧縮システムにおいて、カラービデオ画像の圧縮の間にクロマノイズを減少するための方法であって、カラービデオ画像の前記Y色チャネルに対して第一のQP値を、前記カラービデオ画像の前記UおよびV色チャネルの少なくとも1つに対して第二のQP値を使用するステップを含み、前記第二のQP値が前記第一のQP値より小さくされている方法。
【請求項9】
前記第二のQP値は前記第一のQP値にバイアス値を適用することにより決定される請求項8の方法。
【請求項10】
さらに、前記第一および第二のQP値を適用した後に、前記カラービデオ画像を圧縮された出力画像に圧縮するステップを含む請求項8の方法。
【請求項11】
さらに、前記第一および第二のQP値を用いて、前記圧縮された出力画像を解凍して、圧縮されていないビデオ画像を取得するステップを含む請求項10の方法。
【請求項12】
圧縮の間に量子化パラメータ(QP)を使用するYUVビデオ画像圧縮システムにおいて、カラービデオ画像の圧縮の間により高い圧縮を達成するための方法であって、カラービデオ画像の前記Y色チャネルに対して第一のQP値を、前記カラービデオ画像の前記UおよびV色チャネルの少なくとも1つに対して第二のQP値を使用するステップを含み、前記第二のQP値が前記第一のQP値より大きくされている方法。
【請求項13】
前記第二のQP値は前記第一のQP値にバイアス値を適用することにより決定される請求項12の方法。
【請求項14】
さらに、前記第一および第二のQP値を適用した後に、前記カラービデオ画像を圧縮された出力画像に圧縮するステップを含む請求項12の方法。
【請求項15】
さらに、前記第一および第二のQP値を用いて、前記圧縮された出力画像を解凍して、圧縮されていないビデオ画像を取得するステップを含む請求項14の方法。
【請求項16】
ビデオ画像圧縮システムにおいて、もともとは線形なRGBピクセル値として表現されるビデオ画像の色空間表現のための符号化効率を改良するための方法であって、前記ビデオ画像の前記線形なRGBピクセル値を輝度およびクロマチャネル情報の対数表現に変換するステップを含む方法。
【請求項17】
変換するステップは、Wr、WgおよびWbを前記ビデオ画像の輝度の赤、緑および青成分に対する線形重みとし、
Ylog=Log(Wr*R+Wg*G+Wb*B)
U chroma channel=Log(R)−Ylog
V chroma channel=Log(B)−Ylog
なる式を適用して、前記ビデオ画像のYUV対数表現を取得するステップを含む請求項16の方法。
【請求項18】
さらに、前記YUV対数表現の前記UおよびVクロマチャネルの前記解像度を減少するステップを含む請求項17の方法。
【請求項19】
さらに、前記ビデオ画像の前記YUV対数表現を圧縮されたビデオ画像に圧縮するステップを含む請求項17の方法。
【請求項20】
さらに、前記圧縮されたビデオ画像を前記ビデオ画像の復元されたYUV対数表現に解凍するステップを含む請求項19の方法。
【請求項21】
さらに、前記ビデオ画像の復元されたYUV対数表現を線形なRGBピクセル値に変換するステップを含む請求項20の方法。
【請求項22】
変換するステップは、
R=anti‐log(Y+U)
B=anti‐log(Y+V)
G=(anti‐log(Y)−Wr*R−Wb*B)/Wg
なる式を適用して、前記線形なRGBピクセル値を取得するステップを含む請求項21の方法。
【請求項23】
ビデオ圧縮システムにおいて、カラービデオ画像のビデオ特性を改良するための方法であって、
(a)前記カラービデオ画像を表し、輝度チャネルおよび3以上のn個のクロマチャネルを含む1組の画像チャネルを選択するステップと、
(b)前記輝度チャネルおよび前記n個の追加的なクロマチャネルを圧縮されたビデオ画像に圧縮するステップとを含む方法。
【請求項24】
少なくとも1つのクロマチャネルは、不可視的な波長を表す請求項23の方法。
【請求項25】
前記輝度チャネルは、最高のダイナミックレンジおよび解像度を有する前記画像チャネルである請求項23の方法。
【請求項26】
さらに、相互のチャネルから独立して各クロマチャネルを符号化するステップを含む請求項23の方法。
【請求項27】
さらに、ある選択された他のチャネルに関して差分をとり各クロマチャネルを符号化するステップを含む請求項23の方法。
【請求項28】
さらに、少なくとも1つのクロマチャネルの解像度を減少するステップを含む請求項23の方法。
【請求項29】
さらに、前記輝度チャネルに適用される量子化パラメータ(QP)値に対してバイアスされた少なくとも1つのクロマチャネルに量子化パラメータ(QP)値を適用するステップを含む請求項23の方法。
【請求項30】
ビデオ画像圧縮システムにおいて、カラービデオ画像の画像クロマ情報を圧縮するためにコンピュータ可読な媒体上に記憶されたコンピュータプログラムであって、前記カラービデオ画像の赤色成分に対して、前記カラービデオ画像の青色成分に対する解像度よりも高い解像度を選択可能にすることをコンピュータに実行させるための命令を備えるコンピュータプログラム。
【請求項31】
ビデオ画像圧縮システムにおいて、カラービデオ画像の画像クロマ情報を圧縮するためにコンピュータ可読な媒体上に記憶されたコンピュータプログラムであって、
(a)前記カラービデオ画像の青色成分を、前記カラービデオ画像の水平および垂直な画像軸の少なくとも1つに沿って第一の解像度を有する加工された青色成分にフィルタ処理により縮小することと、
(b)前記カラービデオ画像の赤色成分を、前記第一の解像度より高い第二の解像度を有する加工された赤色成分にフィルタ処理することとをコンピュータに実行させるための命令を備えるコンピュータプログラム。
【請求項32】
前記第二の解像度は、前記カラービデオ画像の水平および垂直な画像軸の少なくとも1つに沿って、前記赤色成分の全解像度の0.5から1.0の範囲にある請求項31のコンピュータプログラム。
【請求項33】
さらに、少なくとも前記加工された青色成分および赤色成分を、圧縮された出力画像に圧縮することを前記コンピュータに実行させるための命令を含む請求項31のコンピュータプログラム。
【請求項34】
さらに、前記圧縮された出力画像を解凍して、圧縮されていない加工された青および赤色成分を取得することを解凍用コンピュータに実行させるための命令を含む請求項33のコンピュータプログラム。
【請求項35】
さらに、前記加工された青および赤色成分を、前記カラービデオ画像の前記全解像度にフィルタ処理により拡大することを解凍用コンピュータに実行させるための命令を含む請求項34のコンピュータプログラム。
【請求項36】
前記ビデオ画像圧縮システムは動き補償ビデオ画像圧縮システムである請求項30または31のコンピュータプログラム。
【請求項37】
圧縮の間に量子化パラメータ(QP)を使用するYUVビデオ画像圧縮システムにおいて、カラービデオ画像の圧縮の間にクロマノイズを減少するためにコンピュータ可読な媒体上に記憶されたコンピュータプログラムであって、カラービデオ画像の前記Y色チャネルに対して第一のQP値を、前記カラービデオ画像の前記UおよびV色チャネルの少なくとも1つに対して第二のQP値を使用することをコンピュータに実行させるための命令を含み、前記第二のQP値が前記第一のQP値より小さくされているコンピュータプログラム。
【請求項38】
前記第二のQP値は前記第一のQP値にバイアス値を適用することにより決定される請求項37のコンピュータプログラム。
【請求項39】
さらに、前記第一および第二のQP値を適用した後に、前記カラービデオ画像を圧縮された出力画像に圧縮することを前記コンピュータに実行させるための命令を含む請求項37のコンピュータプログラム。
【請求項40】
さらに、前記第一および第二のQP値を用いて、前記圧縮された出力画像を解凍して、圧縮されていないビデオ画像を取得することを解凍用コンピュータに実行させるための命令を含む請求項39のコンピュータプログラム。
【請求項41】
圧縮の間に量子化パラメータ(QP)を使用するYUVビデオ画像圧縮システムにおいて、カラービデオ画像の圧縮の間により高い圧縮を達成するためにコンピュータ可読な媒体上に記憶されたコンピュータプログラムであって、カラービデオ画像の前記Y色チャネルに対して第一のQP値を、前記カラービデオ画像の前記UおよびV色チャネルの少なくとも1つに対して第二のQP値を使用することをコンピュータに実行させるための命令を含み、前記第二のQP値が前記第一のQP値より大きくされているコンピュータプログラム。
【請求項42】
前記第二のQP値は前記第一のQP値にバイアス値を適用することにより決定される請求項41のコンピュータプログラム。
【請求項43】
さらに、前記第一および第二のQP値を適用した後に、前記カラービデオ画像を圧縮された出力画像に圧縮することを前記コンピュータに実行させるための命令を含む請求項41のコンピュータプログラム。
【請求項44】
さらに、前記第一および第二のQP値を用いて、前記圧縮された出力画像を解凍して、圧縮されていないビデオ画像を取得することを解凍用コンピュータに実行させるための命令を含む請求項14のコンピュータプログラム。
【請求項45】
ビデオ画像圧縮システムにおいて、もともとは線形なRGBピクセル値として表現されるビデオ画像の色空間表現のための符号化効率を改良するためにコンピュータ可読な媒体上に記憶されたコンピュータプログラムであって、前記ビデオ画像の前記線形なRGBピクセル値を輝度およびクロマチャネル情報の対数表現に変換することをコンピュータに実行させるための命令を備えるコンピュータプログラム。
【請求項46】
変換することを前記コンピュータに実行させるための前記命令は、Wr、WgおよびWbを前記ビデオ画像の輝度の赤、緑および青成分に対する線形重みとし、
Ylog=Log(Wr*R+Wg*G+Wb*B)
U chroma channel=Log(R)−Ylog
V chroma channel=Log(B)−Ylog
なる式を適用して、前記ビデオ画像のYUV対数表現を取得することを前記コンピュータに実行させるための命令を含む請求項45のコンピュータプログラム。
【請求項47】
さらに、前記YUV対数表現の前記UおよびVクロマチャネルの前記解像度を減少することを前記コンピュータに実行させるための命令を含む請求項46のコンピュータプログラム。
【請求項48】
さらに、前記ビデオ画像の前記YUV対数表現を圧縮されたビデオ画像に圧縮することを前記コンピュータに実行させるための命令を含む請求項46のコンピュータプログラム。
【請求項49】
さらに、前記圧縮されたビデオ画像を前記ビデオ画像の復元されたYUV対数表現に解凍することを解凍用コンピュータに実行させるための命令を含む請求項48のコンピュータプログラム。
【請求項50】
さらに、前記ビデオ画像の復元されたYUV対数表現を線形なRGBピクセル値に変換することを解凍用コンピュータに実行させるための命令を含む請求項49のコンピュータプログラム。
【請求項51】
変換することを前記コンピュータに実行させるための前記命令は、
R=anti‐log(Y+U)
B=anti‐log(Y+V)
G=(anti‐log(Y)−Wr*R−Wb*B)/Wg
なる式を適用して、前記線形なRGBピクセル値を取得することを前記コンピュータに実行させるための命令を含む請求項50のコンピュータプログラム。
【請求項52】
ビデオ圧縮システムにおいて、カラービデオ画像のビデオ特性を改良するためにコンピュータ可読な媒体上に記憶されたコンピュータプログラムであって、
(a)前記カラービデオ画像を表し、輝度チャネルおよび3以上のn個のクロマチャネルを含む1組の画像チャネルを選択することと、
(b)前記輝度チャネルおよび前記n個の追加的なクロマチャネルを圧縮されたビデオ画像に圧縮することとをコンピュータに実行させるための命令を備えるコンピュータプログラム。
【請求項53】
少なくとも1つのクロマチャネルは、不可視的な波長を表す請求項52のコンピュータプログラム。
【請求項54】
前記輝度チャネルは、最高のダイナミックレンジおよび解像度を有する前記画像チャネルである請求項52のコンピュータプログラム。
【請求項55】
さらに、相互のチャネルから独立して各クロマチャネルを符号化することをコンピュータに実行させるための命令を含む請求項52のコンピュータプログラム。
【請求項56】
さらに、ある選択された他のチャネルに関して差分をとり各クロマチャネルを符号化することをコンピュータに実行させるための命令を含む請求項52のコンピュータプログラム。
【請求項57】
さらに、少なくとも1つのクロマチャネルの解像度を減少することをコンピュータに実行させるための命令を含む請求項52のコンピュータプログラム。
【請求項58】
さらに、前記輝度チャネルに適用される量子化パラメータ(QP)値に対してバイアスされた少なくとも1つのクロマチャネルに量子化パラメータ(QP)値を適用することをコンピュータに実行させるための命令を含む請求項52のコンピュータプログラム。
【請求項59】
ビデオ画像圧縮システムにおいて、カラービデオ画像の画像クロマ情報を圧縮するためのシステムであって、
(a)前記カラービデオ画像の赤色成分に対して、前記カラービデオ画像の青色成分に対する解像度よりも高い解像度を選択する手段と、
(b)前記選択された解像度を適用して、前記カラービデオ画像を圧縮する手段とを含むシステム。
【請求項60】
ビデオ画像圧縮システムにおいて、カラービデオ画像の画像クロマ情報を圧縮するためのシステムであって、
(a)前記カラービデオ画像の青色成分を、前記カラービデオ画像の水平および垂直な画像軸の少なくとも1つに沿って第一の解像度を有する加工された青色成分にフィルタ処理により縮小する手段と、
(b)前記カラービデオ画像の赤色成分を、前記第一の解像度より高い第二の解像度を有する加工された赤色成分にフィルタ処理する手段とを含むシステム。
【請求項61】
前記第二の解像度は、前記カラービデオ画像の水平および垂直な画像軸の少なくとも1つに沿って、前記赤色成分の全解像度の0.5から1.0の範囲にある請求項60のシステム。
【請求項62】
さらに、少なくとも前記加工された青色成分および赤色成分を、圧縮された出力画像に圧縮する手段を含む請求項60のシステム。
【請求項63】
さらに、前記圧縮された出力画像を解凍して、圧縮されていない加工された青および赤色成分を取得する手段を含む請求項62のシステム。
【請求項64】
さらに、前記加工された青および赤色成分を、前記カラービデオ画像の前記全解像度にフィルタ処理により拡大する手段を含む請求項63のシステム。
【請求項65】
前記ビデオ画像圧縮システムは動き補償ビデオ画像圧縮システムである請求項59または60のシステム。
【請求項66】
圧縮の間に量子化パラメータ(QP)を使用するYUVビデオ画像圧縮システムにおいて、カラービデオ画像の圧縮の間にクロマノイズを減少するためのシステムであって、
(a)第二のQP値が第一のQP値より小さくされており、カラービデオ画像の前記Y色チャネルに対して前記第一のQP値を、前記カラービデオ画像の前記UおよびV色チャネルの少なくとも1つに対して前記第二のQP値を使用する手段と、
(b)前期カラービデオ画像の圧縮の間に、前記選択されたQP値を適用する手段とを含むシステム。
【請求項67】
前記第二のQP値は前記第一のQP値にバイアス値を適用することにより決定される請求項66のシステム。
【請求項68】
さらに、前記第一および第二のQP値を適用した後に、前記カラービデオ画像を圧縮された出力画像に圧縮する手段を含む請求項66のシステム。
【請求項69】
さらに、前記第一および第二のQP値を用いて、前記圧縮された出力画像を解凍して、圧縮されていないビデオ画像を取得する手段を含む請求項68のシステム。
【請求項70】
圧縮の間に量子化パラメータ(QP)を使用するYUVビデオ画像圧縮システムにおいて、カラービデオ画像の圧縮の間により高い圧縮を達成するためのシステムであって、
(a)第二のQP値が第一のQP値より大きくされており、カラービデオ画像の前記Y色チャネルに対して前記第一のQP値を、前記カラービデオ画像の前記UおよびV色チャネルの少なくとも1つに対して前記第二のQP値を使用する手段と、
(b)前期カラービデオ画像の圧縮の間に、前記選択されたQP値を適用する手段とを含むシステム。
【請求項71】
前記第二のQP値は前記第一のQP値にバイアス値を適用することにより決定される請求項70のシステム。
【請求項72】
さらに、前記第一および第二のQP値を適用した後に、前記カラービデオ画像を圧縮された出力画像に圧縮する手段を含む請求項70のシステム。
【請求項73】
さらに、前記第一および第二のQP値を用いて、前記圧縮された出力画像を解凍して、圧縮されていないビデオ画像を取得する手段を含む請求項72のシステム。
【請求項74】
ビデオ画像圧縮システムにおいて、もともとは線形なRGBピクセル値として表現されるビデオ画像の色空間表現のための符号化効率を改良するためのシステムであって、
(a)ビデオ画像の線形なRGBピクセル値を入力する手段と、
(b)前記ビデオ画像の前記線形なRGBピクセル値を輝度およびクロマチャネル情報の対数表現に変換する手段を含むシステム。
【請求項75】
変換する手段は、Wr、WgおよびWbを前記ビデオ画像の輝度の赤、緑および青成分に対する線形重みとし、
Ylog=Log(Wr*R+Wg*G+Wb*B)
U chroma channel=Log(R)−Ylog
V chroma channel=Log(B)−Ylog
なる式を適用して、前記ビデオ画像のYUV対数表現を取得する手段を含む請求項74のシステム。
【請求項76】
さらに、前記YUV対数表現の前記UおよびVクロマチャネルの前記解像度を減少する手段を含む請求項75のシステム。
【請求項77】
さらに、前記ビデオ画像の前記YUV対数表現を圧縮されたビデオ画像に圧縮する手段を含む請求項75のシステム。
【請求項78】
さらに、前記圧縮されたビデオ画像を前記ビデオ画像の復元されたYUV対数表現に解凍する手段を含む請求項77のシステム。
【請求項79】
さらに、前記ビデオ画像の復元されたYUV対数表現を線形なRGBピクセル値に変換する手段を含む請求項78のシステム。
【請求項80】
変換する手段は、
R=anti‐log(Y+U)
B=anti‐log(Y+V)
G=(anti‐log(Y)−Wr*R−Wb*B)/Wg
なる式を適用して、前記線形なRGBピクセル値を取得する手段を含む請求項21のシステム。
【請求項81】
ビデオ圧縮システムにおいて、カラービデオ画像のビデオ特性を改良するためのシステムであって、
(a)前記カラービデオ画像を表し、輝度チャネルおよび3以上のn個のクロマチャネルを含む1組の画像チャネルを選択する手段と、
(b)前記輝度チャネルおよび前記n個の追加的なクロマチャネルを圧縮されたビデオ画像に圧縮する手段とを含むシステム。
【請求項82】
少なくとも1つのクロマチャネルは、不可視的な波長を表す請求項81のシステム。
【請求項83】
前記輝度チャネルは、最高のダイナミックレンジおよび解像度を有する前記画像チャネルである請求項81のシステム。
【請求項84】
さらに、相互のチャネルから独立して各クロマチャネルを符号化する手段を含む請求項81のシステム。
【請求項85】
さらに、ある選択された他のチャネルに関して差分をとり各クロマチャネルを符号化する手段を含む請求項81のシステム。
【請求項86】
さらに、少なくとも1つのクロマチャネルの解像度を減少する手段を含む請求項81のシステム。
【請求項87】
さらに、前記輝度チャネルに適用される量子化パラメータ(QP)値に対してバイアスされた少なくとも1つのクロマチャネルに量子化パラメータ(QP)値を適用する手段を含む請求項81のシステム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−93886(P2013−93886A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−286002(P2012−286002)
【出願日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【分割の表示】特願2010−269367(P2010−269367)の分割
【原出願日】平成14年7月12日(2002.7.12)
【出願人】(507236292)ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション (82)
【Fターム(参考)】