説明

圧電センサ

【課題】基材の貼合せ時の空気の混入を防止し、浮遊容量の影響を抑えた高感度な圧電センサを実現する。
【解決手段】加圧されることにより電位を生じる、第1の面a1と第1の面a1に対して表裏の関係にある第2の面a2を有する圧電体1と、圧電体1の第1の面a1と対向するシグナル電極4をその一方の面g1に有し、シグナル電極4を有する面g1が圧電体1の第1の面a1に貼接されるように配設された第1の基材5と、圧電体1の第2の面a2と対向する第1のグランド電極7をその一方の面d1に有し、第1のグランド電極7を有する面d1が圧電体1の第2の面a2に貼接されるように配設された第2の基材8と、一方の面b1が第1の基材5のシグナル電極4を有する面g1に貼接し、他方の面b2が第2の基材8の第1のグランド電極7を有する面d1に貼接され、圧電体1が配設された部分以外(例えば、h)に配設されたスペーサ部材6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電センサに関する。特に、圧電体として高分子圧電フィルムを用い、圧電体の一辺が数センチメートル程度の比較的大きな形状のものや、複数の圧電体を実装したものに好適で、高信頼、高効率な特性を実現できる圧電センサに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高分子圧電材料は、セラミック材料を用いた圧電体より、電圧出力係数が大きく、フィルム状にでき柔軟性に富み加工しやすいので、近年、音響センサや圧力センサをはじめとして広く用いられるようになっている(例えば、特許文献1)。また、最近では、車両等の大型物に装着される用途を中心に、従来のセンサに比べて大型のものや、圧力センサを多数実装して一体化し、圧力分布を計測できるようにしたものが要求されるようになっている。
【特許文献1】特開平7−160265号公報(図1、図2、段落0012及び0013)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図9に、このような圧電体センサの従来の例を図示する。図9(a)は、圧電体センサの断面図である。図9(b)は図9(a)のA−A’破断面を上から見た図である。尚、図9(a)は、図9(b)のb−b’破断面を示している。図9(b)のように、複数の高分子圧電体51〜51が実装され、各々の部分に加えられる応力を各々検出するようになっている。図9(a)のように、フィルム状の高分子圧電体51がシグナル電極52とグランド電極53によってサンドイッチ状に挟まれた構造であり、高分子圧電体51とシグナル電極52、グランド電極53は、各々接着層56,57を用いて貼り合わされている。外力Tにより高分子圧電体51で発生した電圧は電極配線ライン59を介して外部に出力されるように構成されている。
【0004】
従来、接着層56,57としては、製作の容易性より両面接着テープが用いられることが多かった。この時、図9(a)のように、圧電体と基材54,55の接着部分と、圧電体装着部分以外の基材54と基材55の接着部分の接着層の厚さはほぼ同一のものが用いられ、圧電体の縁端部分で空気層を含む未接着部分58が残る。このような未接着部分58は製造後、経時変化により拡大することがあった。特に、現在の高分子圧電体素子51はフッ素系の高分子が多く、接着剤の種類も限定され、接着強度も比較的得られにくかったため、未接着部分58が残ることが多く問題となっていた。また、圧電センサの用途によっては圧電センサを曲げて使用することもあり、未接着部分58が圧電体部分の剥離の原因となり信頼性低下の一因となっていた。更に、両面テープなどに用いられる粘着剤は経年変化により弾性率が変化するため圧電センサの圧力感度の経年変化にも影響がある。このことも圧電センサの信頼性低下の要因の一つでもあった。
【0005】
更に、図9(c)に示すように、高分子圧電体51の出力電圧Vpzは外部負荷Rに対して、接着層56,57で形成される静電容量Cs1,Cs2が直列に接続され、更に、高分子圧電体51が挿入された以外の部分(例えば、図の60の部分)は電極配線ライン等とグランド電極が近づき、電気的には、外部負荷Rに静電容量Cが並列に接続された形になる。このような場合、浮遊静電容量Cs1,Cs2、及びCのため圧電体で発生した電圧は分圧されるので接着層の厚さが出力効率に影響する。図9(a)の従来の接着層を用いた場合では、Cs1,Cs2、及びCを形成する誘電体としての接着層の厚さが同程度となる。この場合、接着層の厚さを薄くするとCs1,Cs2の値が大きくなり、その部分の電圧低下への影響は小さくできるが、同時にCの値も大きくなる。又、接着層の厚さを厚くすると、Cの値は小さくできるがCs1,Cs2の値が小さくなる。即ち、CとCs1,Cs2は出力電圧低下に関しては互いに相反する関係にあり検知出力を効率よく外部に出力できないという問題があった。
【0006】
従って、本発明は、上記従来の圧電センサの問題点を解決するもので、基材の貼り合わせ時の空気の混入を防止して高信頼な特性を実現し、配線ライン等の浮遊静電容量の影響を抑えて高感度な特性を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様としての圧電センサ、例えば、図1、図2、図10、及び図11に示すように、
加圧されることにより電位を生じる、第1の面a1と第1の面a1に対して表裏の関係にある第2の面a2を有する圧電体1と;
圧電体1の第1の面a1と対向するシグナル電極4をその一方の面g1に有し、シグナル電極4を有する面g1が圧電体1の第1の面a1に貼接されるように配設された第1の基材5と、圧電体1の第2の面a2と対向する第1のグランド電極7をその一方の面d1に有し、第1のグランド電極7を有する面d1が圧電体1の第2の面a2に貼接されるように配設された第2の基材8と、一方の面b1が第1の基材5のシグナル電極4を有する面g1に貼接し、他方の面b2が第2の基材8の第1のグランド電極7を有する面d1に貼接され、圧電体1が配設された部分以外(例えば、h)に配設されたスペーサ部材6(6’)とを備える。
【0008】
ここで、「電極を有する面」とは、図2(a)のd1のように、グランド電極7が第2の基材8に対して部分的に設けられている場合は、グランド電極7の部分及びグランド電極7が設けられていない面であって電極側の第2の基材8の面の双方を言う。
「貼接」とは、二つの部材が互いに貼り合わされていることをいい、その基材間に接着用の部材(接着材、接着剤)が挟まれている場合、二つの前記基材の何れかがそれ自身で接着性を有する場合、その面を接して当該部材が固定されている場合、も互いの関係は貼接されていると言う。
「対向する」とは、二つの面が略平行に置かれ、その面と垂直の方向から見たとき、これら二つの面(又は面上)の二つの形状が重なり合う状態を言う。尚、ここで、「重なり合う」とは、二つの形状のうち、一つの形状が他の形状より大きい場合を含む。また、一方が複数の形状からなる場合に他方の形状の一つが複数の形状をカバーする場合を含む。
【0009】
このように構成すると、スペーサ部材6を別個に設けているので、その厚みを各々最適なものに選ぶことができ、例えば、図2のように、圧電体1と第1及び第2の基材5,8を貼接する接着材2,3の厚さを薄く、スペーサ部材6の厚さを厚くすることができるので、図9(c)のCs1、Cs2を大きく、Cを小さくすることができ、圧電体1で発生した電圧を効率良く外部に出力することができる。また、図2(a)、(b)に示すように、図9(b)のような未接着部分58が生じないので高信頼な圧電センサを実現できる。
【0010】
更に、前記目的を達成するため、本発明の第2の態様としての圧電センサは、本発明の第1の態様において、例えば、図10及び図11に示すように、圧電体1の第1の面1aと第1の基材5のシグナル電極4を有する面g1を貼接し、更に、スペーサ部材6’の一方の面b1と第1の基材5のシグナル電極4を有する面g1を貼接する、第1の接着材2’’と、圧電体1の第2の面a2と第2の基材8のグランド電極7を有する面d1を貼接し、更に、スペーサ部材6’の他方の面b2と第2の基材8のグランド電極7を有する面d1を貼接する第2の接着材3とを備え、スペーサ部材6’には、圧電体1を収納する収納窓hが形成されている。
【0011】
ここで、「接着材」は、その接着性により二つの部材を固定する定形な部材を言う。尚、本明細書では、「接着剤」は複数の部材を固定するための不定形の物質を言う。接着剤を一定の形状に成形したものは「接着材」である。尚、接着性の無い部材であっても表面に接着剤が塗布され他の部材と貼接されるものも本明細書では接着材である。
【0012】
このように構成すると、圧電体1及びスペーサ部材6’が第1及び第2の接着材2,3で第1及び第2の基材5,8と貼接されるため、スペーサ部材6’として接着材以外の任意の絶縁体を使用することが出来る上、第1の接着材2’’、第2の接着材3’’の材質を、圧電体1、スペーサ部材6’、基材5,8に適した材質を使用することができるため材質の選択の余地が広がる。
【0013】
また、前記第2の態様において、本発明の第3の態様としての圧電センサは、例えば、図10及び図11に示すように、スペーサ部材6’の一方の面b1、及び圧電体1の第1の面a1の全体が、前記第1の接着材2’’を介して、第1の基材5のシグナル電極4を有する面g1と貼接し、スペーサ部材6’の他方の面b2、及び圧電体1の第2の面a2の全体が、第2の接着材3’’を介して、第2の基材8のグランド電極を有する面d1と貼接されている。
【0014】
このように構成すると、スペーサ部材6’及び圧電体1がその全面に渡って、一体の接着材2’’、3’’で固定されるため、圧電体1の温度等による収縮の影響を減少することが出来、高信頼な圧電センサを実現することができる。
【0015】
前記目的を達成するため、本発明の第4の態様としての圧電センサは、本発明の第3の態様において、例えば、図13(図12)に示すように、第1の接着材2’’(図10参照)が、圧電体1の第1の面a1と第1の基材5のシグナル電極4を有する面g1を貼接する第1Aの接着材2’と、スペーサ部材6’の収納窓(h、h、h)に重なる収納窓(h1a、h2a、hna)を有する第1Aの接着材2’とは別体の第1Bの接着材2’’’を含んで構成される。尚、図13(図12)には、第2の接着材3’’(図10参照)として、第2の接着材3’’が第2Aの接着材3’と第2Bの接着材3’’’を含む形態が示されているが、本態様ではこれに限定されない。
【0016】
このように構成すると、スペーサ部材6’として接着材以外の任意の絶縁体を使用することが出来る上、接着材2’’’も任意の材質を使用することが出来るため材質の選択の余地が広がる。また、圧電体1の上下面a1に貼接される接着材2’を上記接着材2’’’と別個に選択することが出来るため、設計の自由度が向上する。
【0017】
前記目的を達成するため、本発明の第5の態様としての圧電センサは、例えば、図10、図11に示すように、本発明の第2の態様において第2の接着材3’’を導電性としたものである。又、図12、図13に示すように、本発明の第3の態様において第2の接着材3’を導電性としたものである。
【0018】
このように構成すると、図9(c)で説明したCs2が無限大になったことと等価となり、Cs2(更には、Cに起因する)圧電体1の出力の損失を低下することができる。尚、ここではグランド電極7側に貼接される接着材3’、3’’について説明したがシグナル電極4側の接着材2’を導電性とすると、Cs1を無限大とすることができ、同様の効果が得られる。但し、図10のようにシグナル電極4側の接着材2’’が複数のシグナル電極4をカバーする場合は各電極を電気的に短絡することがあるので、このような構成は除外されることは明らかである。
【0019】
前記目的を達成するため、本発明の第6の態様としての圧電センサは、本発明の第1の態様において、例えば、図1に示すように、圧電体1の第1の面a1と第1の基材5のシグナル電極4を有する面g1を貼接する第1の接着材2とを備え、圧電体1の第2の面a2と第2の基材8のグランド電極7を有する面d1を貼接する第2の接着材3と、スペーサ部材6は、それ自身が接着性を有すると共に、圧電体1を収納する収納窓hが形成されている。
【0020】
このように構成すると、圧電体1が実装される部分以外の部分に大きな隙間が無いようにすることが出来、図9(a)のような未接着部分58が生じないので、高信頼な圧電センサ100を実現することができる。また、スペーサ部材6自身が接着材なので、スペーサ部材6と第1及び第2の基材5,8の貼接用に接着部材又は接着剤を必要とせず構造が簡単になる。
【0021】
前記目的を達成するため、本発明の第7の態様としての圧電センサは、本発明の第6の態様において、例えば、図2(a)に示すように、第1の接着材2が圧電体1の第1の面a1と同一の形状及び同一の面積であり、又は、第2の接着材3が圧電体1の第2の面a2と同一の形状及び同一の面積であり、圧電体1と共に、第1の接着材2、又は、第2の接着材3が収納窓hに収納されるように構成されるものである。
【0022】
ここで、「同一の形状」、「同一の面積」とは、2つの形状が合同であることを言うが、厳密に合同でなく、互いに重なった関係である場合を含む。ここで、圧電体1の形状・大きさは、第1の接着材2又は第2の接着材3と略同じであり、各々の面の全部が互いに重なるようになっており、それらが合わされてスペーサ部材6の収納窓hの中に収納される。尚、収納されるのは第1又は第2の接着材2,3のいずれかであってもよいし、その両方であってもよい。従って、収納窓hの形状、面積、及び位置は、圧電体の形状、面積、位置に合わせて設ける。
【0023】
このように構成すると、図2(a)に示すように、図2(b)のc1とc2の間の境界部分のような第1の接着材2と第2の接着材3によって生じる段差がなくなるので、未接着部分の形成を防止でき、高信頼な圧電センサを実現することができる。
【0024】
上記目的を達成するため、本発明の第8の態様としての圧電センサは、本発明の第6又は第7の態様において、例えば、図5に示すように、第1の接着材2、又は第2の接着材3が導電性であるものである。
【0025】
このように構成すると、図9(c)で説明したCs1、又はCs2の値が無限大になったことと等価となり、Cs1、Cs2(更には、C)に起因する圧電体1の出力の損失を低下することができる。
【0026】
上記目的を達成するため、本発明の第9の態様としての圧電センサは、例えば、図10に示すように、本発明の第2乃至第5の態様において、第1の接着材2’’、第2の接着材3’’、又はスペーサ部材6’が、組み立て環境において非タック性を有する。又、本発明の第6乃至第8の態様において、例えば、図5に示すように、第1の接着材2’、第2の接着材3’、又はスペース部材6が、組み立て環境において非タック性を有する。
【0027】
ここで、「非タック性」とは、全く接着性が無いか、他の部材に貼り付かない程度にその接着度が低いことを言う。
【0028】
このように構成すると、位置決め時に前記接着材が他の部材に貼り付くことがないので、圧電体1や接着材2(2’,2’’),3(3’,3’’),スペース部材6(6’)、基材5,8等の部材の位置決めを容易に実行することができる。
【0029】
上記目的を達成するため、本発明の第10の態様としての圧電センサは、本発明の第2乃至第9の態様において、例えば、図6に示すように、スペース部材6の収納窓hに収納される部材(圧電体1,第1の接着材2,第2の接着材3等)の厚さの合計が、スペース部材6の厚さより厚い。
ここで、厚さとは、各部材の貼り合わせ後の厚さであり、例えば、接着剤の硬化等による体積変化後の厚さである。
【0030】
このように構成すると、図6のように、部材が収納された部分hの上方iに高さjの凸部を形成することができる。このようなものに図のような外力Tを加えた場合、応力が凸部iに集中して感度の高い圧電センサを実現できる。また、図1の1〜1のように圧電センサを多素子化した場合に各圧電体1〜1素子部分に加わる力を分離して計測することができ場所的な応力分布を計測するのに好適となる。
【0031】
上記目的を達成するため、本発明の第11の態様としての圧電センサは、本発明の第1乃至第10の態様において、例えば、図3又は図4に示すように、更に、第1の基材5’が、圧電体1の第1の面a1と対向する面g1の裏面g2に第2のグランド電極10を有する。
【0032】
このように構成すると、圧電体1、シグナル電極4が二つのグランド電極7、10で挟まれた構造となるので、電磁遮蔽効果が生じ外部雑音の影響を受けにくい特性を得ることができる。
【0033】
上記目的を達成するため、本発明の第12の態様としての圧電センサは、本発明の第1乃至第11の態様において、例えば、図7、及び図8に示すように、シグナル電極4、グランド電極7、又は、それらの配線ライン13に保護膜11を設けたものである。
ここで保護膜11は、第1の基材5’、及び第2の基材8の全面に設けてもよいし、部分的に設けてもよい。
【0034】
圧電体1の出力インピーダンスは非常に高いので、その電極間に湿気が入ると電極間の絶縁抵抗が低下し、圧電体1に抵抗が並列に接続された形となり圧電体の出力が低下する。従って、第12の態様のように構成すると、圧電センサ500の側面k’(図8参照)から侵入する湿気を防ぐことができ、絶縁抵抗の低下による感度低下を軽減出来る。又、シグナル電極4の配線ライン13〜13間の絶縁抵抗の低下を防止することができ、各圧電体1〜1の出力の他の配線ライン13〜13への漏洩を防ぐことができる。更に、シグナル配線ライン13などの微細な配線が圧電体の高温環境での長期使用により伸縮変形し、配線ラインが断線することを防止することができ、高信頼な圧電センサを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において、互いに同一又は相当する部分には同一符号を付し,重複した説明は省略する。また、「5’」のように「ダッシュ」を付したものは、5の構成と大部分の構成は共通するが一部相違するものを含む意である。また、下付き数字は、同一の構成のものが複数ある場合個々を区別するものであるが、特に区別する必要が無いときは下付き文字を付けない場合がある。
【0036】
[第1の実施の形態]
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施の形態としての圧電センサ100について説明する。図1は圧電センサ100の組み立て構造図。図2は圧電センサ100の長手方向に直交する面での断面図である。圧電センサ100は、第1の面a1と第2の面a2を有する高分子圧電体としての板状の圧電体1と、圧電体1の第1の面a1に接して配置される板状の接着材2、第2の面a2に接して配置される板状の接着材3、シグナル電極4が圧電体1の第1の面a1に対向するようにその一方の面g1に配設された第1の基材5、グランド電極7がその一方の面d1に配設された第2の基材8、圧電体1(又は、更に第1及び第2の接着材2,3も含む)の配置される部分を除いて第1の基材5と第2の基材8の間の空間を充填するスペーサ部材6から成る。スペーサ部材6は熱可塑性を有することが望ましい。このようにして、圧電体1、第1の基材5、及び第2の基材8は、上下から適当な圧力をかけられ、第1の接着材2、第2の接着材3、及びスペーサ部材6により貼り合わされる。尚、圧電体1の検知電圧はシグナル電極4とグランド電極7の両端から出力される。
【0037】
図1の圧電体1〜1のように圧電体を複数個実装して多素子化する場合は、検出したい外力の位置に対応した位置に応じて圧電体1〜1を配置する。シグナル電極4〜4は圧電体1の配置に対応して設けられる。各々のシグナル電極4〜4に配線ラインとして13〜13を設け、グランド電極7に電極引き出し用の配線ライン14を設ける。
【0038】
図2(a)は、圧電センサ100が貼り合わされた後の図1の長手方向に直交する面を断面とする断面図である。図のように圧電体1の第1の面a1側にシグナル電極4が配置され、圧電体1とシグナル電極4の間に接着材2が挟み込まれている。シグナル電極4と第1の接着材2の形状・大きさは好ましくは第1の面a1と略同じであり、第1の面a1の直下に配置されている。圧電体1の第2の面a2側には、グランド電極7が配置され、それらの間には第2の接着材3が挟み込まれている。第2の接着材の形状・大きさは第2の面a2と略同じであり、第2の面の直上に配置される。グランド電極7はグランド電位を一定に保つために出来るだけ大きな面積である方がよい。従って、典型的には、グランド電極7は第2の面を出来るだけ広くカバーするようにした方がよく、第2の基材8の面の殆ど全部を占めるようにしてもよい。スペーサ部材6は第1の基材5と第2の基材8(圧電体1の直上以外の部分ではグランドの電極7を含む)の間に充填するように配置される。第1の接着材2、第2の接着材3、スペーサ部材6は可塑性を有し、加圧・加熱等の貼りあわせ工程により、それぞれ変形するので、図2(a)に示すように互いに多少の段差や隙間に入りこみ空気層や未接着部分が無くなるようになる。
尚、本実施の形態では、シグナル電極4と第1の接着材2の形状が略同じ場合について説明したが、その大きさは互いに異なっていてもよい。
【0039】
図2(b)は、第1の接着材2及び第2の接着材3の面積が圧電体1の第1の面a1又は第2の面a2より大きい場合の圧電センサ100’の例について図示したものである。第1、第2の接着材2,3の面積を圧電体1の第1及び第2の面a1,a2の面積より大きくし、複数の圧電体1の固定を一つの接着材で行えば、部品点数の低減につながる。また、この時、第1又は第2接着材2,3を第1又は第2の基材5,8の全面に配置しても良い。この場合、図2(a)の場合と異なり、スペーサ部材6の収納窓hには第1及び第2の接着材2,3は収納されない。スペーサ部材6が第1の基材5と固定される部分は、図2(b)のc1のように、直接貼接される部分と、c2のように第1の接着材を介する部分がある。この場合、c1とc2の間に段差が生じるが、スペーサ部材6の可塑性により空隙は生じない。尚、スペーサ部材6には、第1の接着材2及び/又は第2の接着材3を収納できる窪みを設けてもよい。このようにすれば、上記空隙を減らすことが出来る。
【0040】
圧電体1は、フッ化ビニリデン系高分子、シアン化ビニリデン系共重合体等、特に限定されず、既知の高分子圧電体を用いることができる。高分子圧電体は、セラミック材料を用いた圧電体より、電圧出力係数が大きいので与えられた応力に対して生じる電位が大きく、また、柔軟性に富み加工し易い。更に軽量であり、薄く成形することが出来る。中でも、フッ化ビニリデン系高分子の一種であるポリフッ化ビニリデンPVDF一軸延伸フィルムやフッ化ビニリデン−3フッ化エチレン共重合体は好適に用いられる。圧電体の厚さは用途により異なるが典型的には40μm〜250μm、好ましくは80〜120μmであり、その一辺の長さは数mmから数十cmの間で選択できる。尚、圧電体1として高分子圧電体以外の例えばセラミック圧電体を同様に使用できることは勿論である。
【0041】
第1の基材5及び第2の基材8に各々形成されている、シグナル電極4及びグランド電極7は、導電ペースト印刷、エッチング等の公知の方法を用いて形成する。第1の基材5、第2の基材8は絶縁性のフィルムが用いられ、その材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、銅箔付きポリイミド(PI)等を用いることが出来る。対環境性などの面から防湿PETなども用いることが出来る。銅箔付きポリイミドでは、主にエッチングにより電極を形成する。基材5、基材8に用いるフィルムの厚さは、5μm〜500μm、好ましくは10μm〜300μm、さらに好ましくは30μm〜200μmである。
【0042】
第1及び第2の接着材2,3は、第1の基材5、第2の基材8の圧電体実装位置にスクリーン印刷により基材表面に選択的に塗布する方法や、熱可塑性接着剤を圧電体に塗布して形成することもできる。また、熱可塑性熱接着フィルムなどを予め圧電体の面に合う寸法に型抜きしておき、第1及び第2の接着材として使用することもできる。典型的には第1及び第2の接着材の厚さは、数十μmである。尚、第1の接着材2と第2の接着材3の厚さを異ならせる実施の形態もある。
【0043】
スペーサ部材6として、それ自体が接着材である部材、又は絶縁体を用いる。接着材の場合、絶縁性の熱可塑性熱接着フィルムや熱硬化性熱接着フィルムを用いる。また、熱可塑性接着剤をスクリーン印刷等の方法を用いて、圧電体が装着される部分を除いて選択的に塗布することにより接着性のあるスペーサ部材6を形成することもできる。また、接着材としてフィルム状のものを用いる場合は、上記圧電体装着部分について型抜き等の加工をし、型抜き後熱圧着することが出来る。スペーサ部材としてそれ自体に接着性のない材料を用いるときは基材5,8との接着のため別途接着剤が必要となる場合がある。
【0044】
上記部材の位置合わせを行い、熱プレスや熱ラミネータ等で同時に熱圧着することにより、従来の両面接着テープを使って何層かの積層を一層ずつ貼り合わせする作業に比べて組み立て工程を簡素化することができる。この場合、第1〜第2の接着材、更に、接着性のあるスペーサ部材として、最終熱プレス等の前の位置合わせ時の環境(例えば、温度)で他の部材に粘着性を有さない非タック性接着材を用いると、意図しない貼り合わせを防止でき、部材の位置あわせが容易に実行でき、組み立ての工程を短時間に確実に行うことができる。その結果、組立・製造過程での電極のずれや気泡の混入、空隙の形成によるはがれなどの不具合を軽減することができる。このような接着材として、第1,第2の接着材2,3用としてポリエステル系ホットメルト樹脂接着剤、熱可塑性熱接着フィルム(ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、EVA系、ポリエステル系)、熱硬化性熱接着フィルム(エポキシ系)等が、接着性のあるスペーサ部材6用として上記と同材料の熱接着フィルムが使用できる。
【0045】
以上、非タック性接着材を用いる実施の形態について説明してきたが、勿論これに限定されるものではなく通常の接着材(或いは、接着剤)を用いてもよい。
【0046】
次に、本実施の形態における具体的な圧電センサの製造方法の一例を図1を参照して説明する。まず、第1の基材5のシグナル電極4側の面を上にして固定し、シグナル電極4〜4の上に第1の接着材2〜2を置く。更にその上に圧電体1〜1、更にその上に第2の接着材3〜3を置く。次に、スペーサ部材6の収納窓hが圧電体1及び第1、第2の接着材2、3を収納するように第3の接着材6を第1の基材5の上に置く。次に、第2の基材8をそのグランド電極7を下にして第3の接着材6及び第2の接着材3の上に置く。最後に、第2の基材8の上面から適当な圧力を加えると共に、全体に熱を加え、所定の時間この状態に置いて各部材を貼り合わせ固定する。尚、スペーサ部材6として接着性のない部材を用いる場合は、必要に応じて、その表面に接着剤を塗布する。
【0047】
尚、第1又は第2の接着材2、3として図2(b)のようにその一辺の長さが圧電体1の第1又は第2の面a1、a2の対応する一辺の長さより大きい場合は、上記収納窓hには第1、第2の接着材2、3は収納されない。また、接着材としてスクリーン印刷による場合は、前述した接着材を置く代わりに接着剤を印刷により所定に範囲に塗布する。
【0048】
また、第1及び第2の接着材2,3は、予め圧電体1の第1及び第2の面a1,a2に貼付固定して置き、その後、第1の基材5上のシグナル電極4上に置いても良い。
【0049】
[第2の実施の形態]
図3、及び図4に、第2の実施の形態における圧電センサ200を示す。図3は、組み立て構造図であり、図4は、圧電センサ200の断面図である。図3、図4は第1の基材5’がその裏面にグランド面10を有する構成である点、保護膜材9が設けられている点を除いて図1と同じである。
【0050】
図4に示すように、第1の基材5’には、シグナル電極4が配設された面g1の裏面g2に第2のグランド電極10が更に配設されている。本実施の形態は圧電体を比較的大きな面積のグランド電極7,10で挟むことにより外部からの雑音が混入しないようにしたものである。即ち、図1、図2で説明した第1の実施の形態の圧電センサでは、圧電体1がグランド電極で囲まれておらず、電気的には開放型回路になっている。この場合、外部から雑音が混入し、シグナル電極4とグランド電極7の間に雑音が誘起されることがある。本実施の形態は圧電体1、及びシグナル電極4を二つのグランド電極7,10で挟んだ構造となっている。尚、第1及び第2のグランド電極の電位は圧電センサ200内で、又は外部で電気的に短絡して同電位とする。ここで、第1の基材5’と第2の基材8の間の側面kが導電体で完全に覆われていないが、第1と第2のグランド電極間の距離tが狭ければ外部からの雑音は圧電体付近には殆ど侵入しない。実験的には、両方のグランド電極の外縁と圧電体1の外縁の距離sがtの5倍以上あれば実用上雑音は問題とならない。
【0051】
本実施の形態では、第1の実施の形態の図1、図2と異なり、保護膜材9が基材5’の面g2に貼接されている。保護膜材9は、グランド電極10の外的環境要因(傷、湿気など)からの保護を目的とするもので、接着層15を介して基材5’に貼り合わされる。保護膜材9の材料として、具体的には、ポリエステル基材又はポリプロピレン基材付き粘着フィルム、ポリエステル基材付き熱接着フィルムなどが好適である。尚、保護膜材9は、必要に応じて配設されるもので本実施の形態に限定されず、後述するものを含む圧電センサ100,200,300,400,500,600,700に適用可能である。
【0052】
本実施の形態の製造方法は図1に説明したものと保護膜材9の貼接工程を除いて略同じである。保護膜材9の接着工程については、はじめに第2の基材5’と保護膜材9を貼り合わせてから、更に、最初に固定した保護膜材9の上の第2の基材5の上にのせ、更にその上に全部の部材をのせて各部材の位置決めが終わった後に同時に熱プレス等の工程を加えてもよいし、保護膜材9をその他の部材の組立て終了後に貼り合わせてもよい。
【0053】
[第3の実施の形態]
図5は、第3の実施の形態の圧電センサ300の組み立て構造図を示したものである。本実施の形態は、第1及び第2の接着材2’3’が導電性の接着材を用いている点を除いて図1と同じである。第1及び第2の接着材2’3’として、例えば、スクリーン印刷で形成する異方性導電接着剤や 異方導電性接着フィルム、等方性導電接着剤や 等方導電性接着フィルム接着材を用いることができる。尚、導電性接着材の適用は第1の接着材と第2の接着材の一方であっても双方でもよい。
【0054】
このように導電性接着材を用いることで、電極と圧電体との間は電気的に静電容量を介せずに接続されるので、図9(c)で説明したような静電容量Cがない(Cが短絡された状態、又は、静電容量が無限大となったのと等価)ので、圧電体で発生した電圧が損失なく外部に出力される。また、このようにCが問題とならないと、Cの値を大きくすることが出来、圧電センサの厚さを薄くすることができる。また、図3、図4のような二つのグランド電極を用いる構造でグランド電極の面積を大きくすることが出来、外部雑音の影響を抑圧することができる。
【0055】
[第4の実施の形態]
図6は、第4の実施の形態の圧電センサ400の断面図を示したものである。本実施の形態は、図1、図3、図5のスペーサ部材6の厚さが、スペーサ部材6の収納窓hに収納されるもの(図6では、シグナル電極4、第1の接着材2、圧電体1、及び第2の接着材3)の厚さの合計より薄くなるように設定したものである。このような寸法関係から、図6に示すように熱圧着組み立て後、第2の基材8の圧電体1収納側と反対の面に圧電体の厚さに対応して高さjの凸部iが生じる。
【0056】
このような凸部iがあると、例えば、図6のように上からTなる外力が加えられた時、圧電センサ400の全体に分散される圧力を圧電体1が実装された部分の直上の凸部iに集中させることが出来、高い検知出力を得る事が出来る。また、例えば図1の圧電体1〜1のように、複数の圧電体が実装されて圧力分布を計測するようにした場合、圧電体が実装された各々の位置での応力が他の部分と明確に分離され正確な計測が出来る。
【0057】
尚、図6に示すような凸部iを圧電センサの片面のみ(図6では上部のみ)に形成するには、第1の基材5側に平坦な平面を持つものにセットし上から全面に等圧の力を加えて熱圧着作業を行えばよい。
【0058】
[第5の実施の形態]
図7、図8は、第5の実施の形態の圧電センサ500の組み立て構造図、及び断面図である。本実施の形態は、図8に示すようにシグナル電極の配線ライン13上に保護膜11を設けたものである。尚、図8では、保護膜11は、シグナル電極4の部分を除いて設けられているが、電極上に設けることも出来る。この保護膜11は、圧電センサ500が高温多湿下での長期使用などの使用環境下で圧電センサ500の側面k’(図8参照)から湿気が侵入してシグナル電極4とグランド電極7間の絶縁抵抗が低下すること軽減し、絶縁抵抗の低下による感度低下や短絡等の不具合を防止するものである。これにより、圧電センサ500の耐環境性を向上することができる。尚、ここでは、シグナル電極4側の一部の面に保護膜11を設ける構成を示したが、第1の基材5’のシグナル電極4が配設された面の全面に形成することも可能であり、また、必要に応じてグランド電極7側にも設けることが出来ることは当然である。
【0059】
図7は、本実施の形態の圧電センサの組立て構造及び製造方法を示したもので、第1の基材5’に絶縁性が高く、第1の基材5’および第3の接着材6と親和性の高い材料をスクリーン印刷やラミネートなどで形成して第1の基材5’上に貼付する工程を加えればよい。保護膜11の材料としては、例えば、ポリエステル系防湿塗料、ポリウレタン系防湿塗料など、使用する基材と接着性の良い材料を選択する。
【0060】
以上説明した複数の実施の形態は、個々で説明した構成の範囲に限定されるわけではなく、各々の実施の形態を適宜組み合わせてもよい。
【0061】
[第6の実施の形態]
図10、図11は、第6の実施の形態の圧電センサ600の組み立て構造図、及び断面図である。本実施の形態は、図10に示すようにスペーサ部材6’として接着性のない絶縁体を用い、第1の接着材2’’、及び第2の接着材3’’をスペーサ部材6’の両面に貼接すると共に、各々、第1の基材5、第2の基材8の全面に貼付するようにしたものである。尚、スペーサ部材6’には圧電体1が収納される収納窓hを有している。図11に示すように、圧電体1、スペーサ部材6、及び基材5,8が、第1の接着材2’’、第2の接着材3’’で貼り合わされている。尚、本実施の形態では第2に接着材3’’に導電性の材質を使用することができるが、第1の接着材2’’については複数の圧電体1〜1が短絡するため導電性材質のものを使用しない。
【0062】
このように、スペーサ部材6として適当な絶縁体を用いることが出来るので、機械的、電気的な特性を考慮して適切な材質の選択ができるようになる。更に、第1及び第2の接着材2’’,3’’の材質の選択の幅を広げることが出来る。また、圧電体1は温度による変形が大きく熱接着を行った場合に大きく収縮することがあり、このような場合、例えば図5のように圧電体1を導電性接着材着2’,3’で挟んだ場合、二つの接着材2’,3’の間の圧電体1の収縮によって生じた空隙部分で短絡が生じることが考えられるが、本実施の形態の圧電センサ600ではこのような問題がない。更に、圧電体1の収縮によって電極13を損傷させることも無い。
【0063】
[第7の実施の形態]
図12、図13は、第7の実施の形態の圧電センサ700の組み立て構造図、及び断面図である。本実施の形態は、図13に示すように圧電体1と第1の基材5を第1Aの接着材2’で貼接し、圧電体1と第2の基材8を第2Aの接着材3’で貼接し、スペーサ部材6’と第1の基材5を第1Bの接着材2’’’で貼接し、スペーサ部材6’と第2の基材8を第2Bの接着材3’’’で貼接したものである。図12に示すように、第1B及び第2Bの接着材2’’’,3’’’は、スペーサ6’の収納窓hに重なるように窓(h1a〜hna)、(h1b〜hnb)が設けられている。本実施の形態は図10で示した第6の実施の形態の第1の接着材2’’、第2の接着材3’’が、各々、2つの接着材2’、2’’’、及び、接着材3’、3’’’で構成されていると見なすことが出来る。また、図12に示すようにスペーサ部材6’として、接着性の無い材質である絶縁体の一方の面b1及び他方の面b2に接着材2’’’及び接着材3’’’が貼接された三層構造体であり、その三層構造体のスペーサ部材6を貫通する収納窓h(例えば、h1b、h、h1a)を有するともみなせる。収納窓hには圧電体1及び第1及び第2の接着材2’,3’が収納される。
【0064】
このように構成すると、スペーサ部材6として接着材以外の任意の絶縁体を使用することが出来る上、接着材2’’’、接着材3’’’も任意の材質を使用することがことが出来、その材質の選択の余地が広がる。また、圧電体1の上下面a1,a2に貼接される接着材2’,3’を上記接着材2’’’,3’’’と別個に選択することが出来るため、設計の自由度が広がり、例えば、導電性の接着材を用いることも可能となる。尚、異方性導電接着剤などを印刷方法などで電極を形成するときは、短絡を回避する為、あらかじめ圧電体1の端面から縁面を設けた形で電極形成することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる圧電センサの組立て構造図
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる圧電センサの断面図
【図3】本発明の第2の実施の形態にかかる圧電センサの組立て構造図
【図4】本発明の第2の実施の形態にかかる圧電センサの断面図
【図5】本発明の第3の実施の形態にかかる圧電センサの組立て構造図
【図6】本発明の第4の実施の形態にかかる圧電センサの断面図
【図7】本発明の第5の実施の形態にかかる圧電センサの組立て構造図
【図8】本発明の第5の実施の形態にかかる圧電センサの断面図
【図9】従来の高分子圧電体を用いた圧電センサの構造図
【図10】本発明の第6の実施の形態にかかる圧電センサの組立て構造図
【図11】本発明の第6の実施の形態にかかる圧電センサの断面図
【図12】本発明の第7の実施の形態にかかる圧電センサの組立て構造図
【図13】本発明の第7の実施の形態にかかる圧電センサの断面図
【符号の説明】
【0066】
1 圧電体
2 2’2’’2’’’ 第1の接着材
3 3’3’’3’’’ 第2の接着材
4 シグナル電極
5 5’ 第1の基材
6 6’スペーサ部材
7 第1のグランド電極
8 第2の基材
9 保護膜材
10 第2のグランド電極
11 保護膜
13 配線ライン(シグナル)
14 配線ライン(グランド)
15 接着層
51 高分子圧電体(従来技術)
52 シグナル電極(従来技術)
53 グランド電極(従来技術)
54,55 基材(従来技術)
56,57 接着層(従来技術)
58 未接着部分(従来技術)
59 電極配線ライン(従来技術)
100,100’,200,300,400,500,600,700 圧電センサ
h 収納窓
i 凸部(第2の基材)
k,k’ 側面(圧電センサ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧されることにより電位を生じる、第1の面と前記第1の面に対して表裏の関係にある第2の面を有する圧電体と;
前記圧電体の前記第1の面と対向するシグナル電極をその一方の面に有し、前記シグナル電極を有する面が前記圧電体の第1の面に貼接されるように配設された第1の基材と;
前記圧電体の前記第2の面と対向する第1のグランド電極をその一方の面に有し、前記第1のグランド電極を有する面が前記圧電体の第2の面に貼接されるように配設された第2の基材と;
一方の面が前記第1の基材のシグナル電極を有する面に貼接し、他方の面が前記第2の基材の前記第1のグランド電極を有する面に貼接され、前記圧電体が配設された部分以外に配設されたスペーサ部材と;を備える、
圧電センサ。
【請求項2】
前記圧電体の前記第1の面と前記第1の基材の前記シグナル電極を有する面を貼接し、更に、前記スペーサ部材の前記一方の面と前記第1の基材の前記シグナル電極を有する面を貼接する第1の接着材と;
前記圧電体の前記第2の面と前記第2の基材の前記グランド電極を有する面を貼接し、更に、前記スペーサ部材の前記他方の面と前記第2の基材の前記グランド電極を有する面を貼接する第2の接着材と;を備え、
前記スペーサ部材には、前記圧電体を収納する収納窓が形成されている、
請求項1に記載の圧電センサ。
【請求項3】
前記スペーサ部材の前記一方の面、及び前記圧電体の前記第1の面の全体が、前記第1の接着材を介して、前記第1の基材の前記シグナル電極を有する面と貼接し、
前記スペーサ部材の前記他方の面、及び前記圧電体の前記第2の面の全体が、前記第2の接着材を介して、前記第2の基材の前記グランド電極を有する面と貼接する、
請求項2に記載の圧電センサ。
【請求項4】
前記第1の接着材は、前記圧電体の前記第1の面と前記第1の基材の前記シグナル電極を有する面を貼接する第1Aの接着材と、前記スペーサ部材の前記収納窓に重なる収納窓を有する前記第1Aの接着材とは別体の第1Bの接着材を含んで構成される、
請求項3に記載の圧電センサ。
【請求項5】
前記第2の接着材が導電性である、
請求項2又は請求項3に記載の圧電センサ。
【請求項6】
前記第1Aの接着材が導電性である、
請求項4に記載の圧電センサ。
【請求項7】
前記第1の接着材、前記第2の接着材、又は、前記スペーサ部材が、組み立て環境において非タック性を有する、
請求項2乃至請求項6に記載の圧電センサ。
【請求項8】
前記スペーサ部材の前記収納窓に収納される部材の厚さの合計が、前記スペーサ部材の厚さより厚い、
請求項2乃至請求項7に記載の圧電センサ。
【請求項9】
前記第1の基材は、前記圧電体の前記第1の面と対向する面の裏面に第2のグランド電極を有する、
請求項1乃至請求項8に記載の圧電センサ。
【請求項10】
前記シグナル電極、前記グランド電極、又は、それらの配線ラインに保護膜を設けた、
請求項1乃至請求項9に記載の圧電センサ。
【請求項11】
前記圧電体の前記第1の面と前記第1の基材の前記シグナル電極を有する面を貼接する第1の接着材とを備え;
前記圧電体の前記第2の面と前記第2の基材の前記グランド電極を有する面を貼接する第2の接着材と;
前記スペーサ部材は、それ自身が接着性を有すると共に、前記圧電体を収納する収納窓が形成されている、
請求項1に記載の圧電センサ。
【請求項12】
前記第1の接着材が前記圧電体の前記第1の面と同一の形状及び同一の面積であり、
又は、前記第2の接着材が前記圧電体の前記第2の面と同一の形状及び同一の面積であり、
前記圧電体と共に、前記第1の接着材、又は、第2の接着材が前記収納窓に収納される、
請求項11に記載の圧電センサ。
【請求項13】
前記第1の接着材、又は前記第2の接着材が導電性である、
請求項11又は請求項12に記載の圧電センサ。
【請求項14】
前記第1の接着材、前記第2の接着材、又は、前記スペーサ部材が、組み立て環境において非タック性を有する、
請求項11乃至請求項13に記載の圧電センサ。
【請求項15】
前記収納窓に収納される部材の厚さの合計が、前記スペーサ部材の厚さより厚い、
請求項11乃至請求項14に記載の圧電センサ。
【請求項16】
前記第1の基材は、前記圧電体の前記第1の面と対向する面の裏面に第2のグランド電極を有する、
請求項11乃至請求項15に記載の圧電センサ。
【請求項17】
前記シグナル電極、前記グランド電極、又は、それらの配線ラインに保護膜を設けた、
請求項11乃至請求項16に記載の圧電センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−80090(P2009−80090A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301400(P2007−301400)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(598085261)エルメック電子工業株式会社 (7)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)