説明

在庫管理プログラムおよび在庫管理装置

【課題】 組合せ材料を導入する際の在庫管理に係る手続きを簡素化することができる在庫管理プログラムおよび在庫管理装置を提供すること。
【解決手段】 2つ以上の原材料の組合せからなる組合せ材料を構成するそれぞれの原材料の在庫を表す在庫量と在庫が不足したことを表すそれぞれの閾値との対応を管理する材料情報データベース11Bと、組合せ材料を作成したときの作成量が入力されたとき、材料情報データベース11Bを用い、この作成量に基づいてそれぞれの原材料の新たな在庫量を算出する算出部11Dと、算出部11Dが算出したそれぞれの原材料の在庫量が閾値以下になるものがある場合、閾値以下となった原材料の在庫が不足した旨を通知する通知部11Eとを備えて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POS(Point Of Sales)システムに関わり、特に商品に関わる在庫の管理を行う在庫管理プログラムおよび在庫管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のPOSシステムとしては、レストランなどの店舗にあるコンピュータと食材の発注を受付ける食材業者の受注端末とを管理する管理サーバを有し、管理サーバが、レストランの店舗で生じた品切れ製品の情報をコンピュータから収集し、収集した品切れ製品を構成する各食材とその数量とを発注食材データとして食材業者の受注端末に送信して発注するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、在庫管理に係る手続きの一例としては、従来のPOSシステムを利用する店舗の料理人が、ある食材の品切れを確認したとき調理場に設置されたコンピュータを操作して、その食材を品切れ状態となるようにコンピュータに登録する。
【特許文献1】特開2004−310679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、店舗で特定の食材を組み合わせて調理された組合せ材料をオリジナルの食材として使用することがあるため、従来のPOSシステムを用いてこのようなオリジナルの食材を管理するには、調理人等が、オリジナルの食材を構成する食材を覚えておく必要があり、覚えた食材を適宜思い起こし、思い起こした食材が品切れか否かを確認し、食材の品切れを確認したときコンピュータを操作して、その食材を品切れ状態となるようにコンピュータに登録しなければならないなど、在庫管理に係る人為的な手続きが煩雑になってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、オリジナルの食材等の組合せ材料を導入する際の在庫管理に係る手続きを簡素化することができる在庫管理プログラムおよび在庫管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の在庫管理プログラムは、2つ以上の原材料の組合せからなる組合せ材料を作成したときの作成量が入力されたとき、前記組合せ材料を構成するそれぞれの原材料の在庫を表す在庫量と前記在庫が不足したことを表すそれぞれの閾値との対応を管理する材料情報データベースを用い、前記作成量に基づいてそれぞれの前記原材料の新たな在庫量を算出する算出ステップと、前記算出ステップで算出したそれぞれの前記原材料の在庫量が、前記閾値以下になるものがある場合、前記閾値以下となった原材料の在庫が不足した旨を通知するステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0007】
このプログラムにより、組合せ材料を構成するそれぞれの原材料の在庫量が閾値以下になるものがある場合、閾値以下となった原材料の在庫が不足した旨を通知するため、組合せ材料を導入する際の在庫管理に係る手続きを簡素化することができる。
【0008】
また、本発明の在庫管理プログラムは、前記材料情報データベースが、さらに、前記組合せ材料の在庫量と前記組合せ材料の在庫が不足したことを表す閾値との対応を管理し、該材料情報データベースを用い、前記作成量に基づいて前記組合せ材料の新たな在庫量を算出するステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0009】
このプログラムにより、作成量に基づいて組合せ材料の新たな在庫量を算出するため、組合せ材料の在庫管理を確実に行うことができる。
【0010】
本発明の在庫管理プログラムは、売上げた商品と前記商品の数量を表す情報が入力されたとき、前記商品と2つ以上の原材料の組合せからなる組合せ材料および所定の材料との対応を管理する商品情報データベースを用い、前記商品を構成する材料を特定する材料特定ステップと、前記材料特定ステップで特定した材料に前記組合せ材料が含まれていた場合、前記組合せ材料を構成するそれぞれの原材料の在庫を表す在庫量と前記在庫が不足したことを表すそれぞれの閾値との対応を管理する材料情報データベースを用い、前記商品の数量に基づいてそれぞれの前記原材料の新たな在庫量を算出する原材料算出ステップと、前記原材料算出ステップで算出したそれぞれの前記原材料の在庫量が、前記閾値以下になるものがある場合、前記閾値以下となった原材料の在庫が不足した旨を通知するステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0011】
このプログラムにより、商品を売上げた時に応じて、閾値以下となった原材料の在庫が不足した旨を通知するため、組合せ材料を導入する際の在庫管理に係る手続きを簡素化することができる。
【0012】
また、本発明の在庫管理プログラムは、前記材料情報データベースが、さらに、前記組合せ材料の在庫量と前記組合せ材料の在庫が不足したことを表す閾値との対応を管理し、
該材料情報データベースを用い、前記商品の数量に基づいて前記組合せ材料の新たな在庫量を算出する算出ステップを含み、前記材料特定ステップで特定した材料に前記組合せ材料が含まれていた場合、かつ、前記算出ステップで算出した前記組合せ材料の在庫量が該閾値以下になった場合、前記原材料算出ステップで、該材料情報データベースを用い、前記組合せ材料の在庫の不足を解消するための増加量に基づいてそれぞれの前記原材料の新たな在庫量を算出する。
【0013】
このプログラムにより、組合せ材料の在庫量が閾値以下になった場合、組合せ材料の在庫の不足を解消するための増加量に基づいて、それぞれの原材料の新たな在庫量を算出するため、組合せ材料を構成するそれぞれの原材料の在庫管理を確実に行うことができる。
【0014】
さらに、本発明の在庫管理プログラムは、前記材料情報データベースが、さらに、前記所定の材料の在庫量と前記所定の材料の在庫が不足したことを表す閾値との対応を管理し、
前記材料特定ステップで特定した材料に所定の材料が含まれていた場合、該材料情報データベースを用い、前記商品の数量に基づいてそれぞれの前記所定の材料の新たな在庫量を算出する算出ステップと、前記算出ステップで算出したそれぞれの前記所定の材料の在庫量が、該閾値以下になった場合、前記閾値以下となった所定の材料の在庫が不足した旨を通知するステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0015】
このプログラムにより、所定の材料の在庫量が、閾値以下になった場合、閾値以下となった所定の材料の在庫が不足した旨を通知するため、所定の材料の在庫管理を確実に行うことができる。
【0016】
本発明の在庫管理装置は、2つ以上の原材料の組合せからなる組合せ材料を構成するそれぞれの原材料の在庫を表す在庫量と前記在庫が不足したことを表すそれぞれの閾値との対応を管理する材料情報データベースと、前記組合せ材料を作成したときの作成量が入力されたとき、前記材料情報データベースを用い、前記作成量に基づいてそれぞれの前記原材料の新たな在庫量を算出する算出部と、前記算出部が算出したそれぞれの前記原材料の在庫量が前記閾値以下になるものがある場合、前記閾値以下となった原材料の在庫が不足した旨を通知する通知部とを備えた構成を有している。
【0017】
この構成により、組合せ材料を構成するそれぞれの原材料の在庫量が閾値以下になるものがある場合、閾値以下となった原材料の在庫が不足した旨を通知するため、組合せ材料を導入する際の在庫管理に係る手続きを簡素化することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、組合せ材料を導入する際の在庫管理に係る手続きを簡素化することができる在庫管理プログラムおよび在庫管理装置を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係るPOSシステムについて、図面を用いて説明する。
【0020】
本発明の実施の形態に係るPOSシステムのブロック図を図1に示す。図1に示したPOSシステムは、商品に関わる在庫の管理を行う在庫管理装置10と、商品の売上げに関わる売上データを処理する商品売上端末20とがネットワーク9を介して接続されている。
【0021】
なお、在庫管理装置10は、コンピュータで構成され、商品売上端末20は、レジスタいわゆるレジなどによって構成される。また、在庫管理装置10は、在庫管理に限定されず売上データの集計なども行うようになっている。
【0022】
また、具体例として、在庫管理装置10や商品売上端末20は、レストランやファーストフード店などの飲食店に設定される。図1に示したPOSシステムには、種々の周辺機器がネットワーク9を介して接続されていてもよい。例えば、周辺機器は、店舗内を撮像するためのカメラや、カメラから得られた映像を表示する表示機器などである。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態に係る在庫管理装置のブロック図である。図2(A)は、在庫管理装置10におけるハードウエア構成を表す図である。図2(B)は、在庫管理装置10におけるソフトウエア構成を表す図である。以降の説明では、インタフェースをIF、データベースをDBと記載して説明する。
【0024】
在庫管理装置10は、図2(A)に示すように、プログラムを実行するCPU11、キーボードやマウスなどの入力機器からの指示を受付ける入力機器IF12、プログラムやデータを記憶するROMやRAM等のメモリ13、ハードディスクなどの記憶装置にデータを入出力する記憶装置IF14、ディスプレイなどの表示装置にデータを出力する表示回路15、および、ネットワーク9にデータを入出力するネットワークIF16などを有する。
【0025】
在庫管理装置10は、図2(B)に示すように、商品と組合せ材料および所定の材料との対応を管理する商品情報DB11A、所定の材料や原材料の在庫を表す在庫量と在庫に対応する閾値(以下、最低安全在庫量という。)との対応を管理する材料情報DB11B、材料に関するデータを入力して商品情報DB11Aや材料情報DB11Bに管理させる入力部11C、商品情報DB11Aや材料情報DB11Bを用いて新たな在庫量を算出する算出部11D、および、POSシステムの管理者などに在庫が不足した旨を通知する通知部11Eを有する。
【0026】
なお、商品情報DB11A、材料情報DB11B、入力部11C、算出部11D、および通知部11Eは、CPU11によって実行されるプログラムのモジュールである。
【0027】
組合せ材料とは、2つ以上の原材料の組合せからなるものであって、例えば、各店舗で異なるようなオリジナルの食材であり、独自に作成や管理がなされていてもよい。最低安全在庫量とは、所定の材料や原材料の在庫が不足したことを表す数量である。
【0028】
また、商品情報DB11Aが管理している、所定の材料および組合せ材料と商品との対応を表す商品テーブルを図3に示す。図3に示した商品テーブルには、商品に必要となる材料や組合せ材料が存在する。例えば、ハンバーガーという商品に必要となる所定の材料としては、パンズ(パン)、パテイ(ハンバーグ)があり、組合せ材料としては、オリジナルソースがある。
【0029】
材料情報DB11Bが管理している、所定の材料および組合せ材料の在庫を表す在庫量とそれぞれに対応した最低安全在庫量との対応を表す材料テーブルを図4に示す。図4に示した材料テーブルには、材料名に対応した、現存の在庫量、最低安全在庫量、最大在庫量、組合せ材料の有無を示す組合せ有無データ、および組合せ材料を構成する原材料と1つの組合せ材料当たりに原材料の必要な数量とが含まれる。なお、組合せ材料を構成する原材料と1つの組合せ材料当たりに原材料の必要な数量とが、他のデータベースで管理するようにしてもよい。
【0030】
図4に示したバンズを例にとって詳細に説明すれば、現存在庫量は100であり、在庫が不足したことを表す最低安全在庫量は20であり、最大在庫量は200であり、組合せ有無データは、バンズが組合せ材料でないことを示している。
【0031】
また、オリジナルソースを例にとって詳細に説明すれば、現存在庫量は15であり、最低安全在庫量は10であり、最大在庫量は30であり、組合せ有無データは、オリジナルソースが組合せ材料であることを示している。さらに、オリジナルソースを構成する原材料は、ケチャップ、マスタード、チリソースであり、1つのオリジナルソース当たりに必要な数量は、それぞれ10、2、2である。
【0032】
以上のように構成された在庫管理装置を制御するプログラムについて図面を参照して説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る在庫管理装置が、組合せ材料を作成した作成量を入力したときのプログラムの流れを示すフローチャートである。
【0033】
まず、料理人や管理者などが、組合せ材料を作成した作成量を在庫管理装置10に入力することにより、入力部11Cは、組合せ材料の作成量を受付ける(S1)。ここで、算出部11Dは、入力部11Cが入力した組合せ材料の作成量と、材料情報DB11Bが管理する材料テーブルにある組合せ材料の現存在庫量とを加算し、加算した数量を組合せ材料の新たな現存在庫量として材料情報DB11Bに管理させる(S2)。
【0034】
例えば、図6に示すように、組合せ材料であるオリジナルソースの作成量が10であった場合、算出部11Dは、オリジナルソースの作成量10と、材料情報DB11Bが管理する材料テーブルにある組合せ材料の現存在庫量15とを加算し、加算した数量25を組合せ材料の新たな現存在庫量として材料情報DB11Bに管理させる。
【0035】
次に、算出部11Dは、材料情報DB11Bが管理する材料テーブルにおいて、組合せ材料を構成するそれぞれの原材料の現存在庫量から、組合せ材料の作成量に対応するそれぞれの原材料の必要数量を減算し、減算した数量を新たな現存在庫量として材料情報DB11Bに管理させる(S3)。
【0036】
例えば、図6に示すように、組合せ材料であるオリジナルソースの作成量が10であった場合、オリジナルソースの作成量10に対応するケチャップの必要数量は、100(=10×10)であり、マスタードの必要数量は、20(=10×2)であり、チリソースの必要数量は、20(=10×2)である。ここで、オリジナルソースを構成するケチャップ、マスタード、チリソースの現存在庫量から、それぞれの必要数量を減算し、減算した数量となる400、380、280を新たな現存在庫量として材料情報DB11Bに管理させる。
【0037】
次に、算出部11Dは、算出部11Dが算出したそれぞれの新たな現存在庫量が、それぞれ最低安全在庫量以下になるものがあるか否かを判定し(S4)、最低安全在庫量以下になるものがあった場合、通知部11Eは、最低安全在庫量以下となった原材料の在庫が不足した旨を通知する(S5)。なお、本発明の実施の形態において、通知するとは、POSシステムの管理者などに在庫が不足した旨をアラームやディスプレイの表示などで通知することや、メールまたはFAXなどで食材業者に発注することを含む。
【0038】
なお、食材業者に発注するときには、通知部11Eは、最低安全在庫量以下となった原材料が最大在庫量になるような数量の材料を発注する。
【0039】
次に、図7は、本発明の実施の形態に係る在庫管理装置が、商品売上端末から売上データを受信したときのプログラムの流れを示すフローチャートである。
【0040】
まず、入力部11Cは、売上データを商品売上端末20から受信する(S11)。次に、入力部11Cは、売上データから商品の識別情報を抽出し、抽出した識別情報に対応する商品を構成する材料およびその材料の数量を特定する(S12)。
【0041】
算出部11Dは、入力部11Cによって特定された材料から、未だ選択していない材料を選択し、選択された材料と材料テーブルにおける同じ材料の現存在庫量から、選択された材料の数量を減算し、減算した数量を新たな現存在庫量として材料情報DB11Bに管理させる(S13)。
【0042】
より詳細に説明すれば、例えば、売上データは、商品がハンバーガーであることを示していた場合、ハンバーガーの材料は、図3に示した商品テーブルから、パンズ、パテイ、オリジナルソースであることが特定される。ここで、1個のハンバーガーには、パンズ、パテイ、オリジナルソースがそれぞれ1つずつ使用されるものとする。さらに、売上データは、ハンバーガーを10個売上げたことを示していた場合、10個のハンバーガーには、パンズ、パテイ、オリジナルソースがそれぞれ10ずつ使用される。
【0043】
次に、特定されたパンズ、パテイ、オリジナルソースが順次選択され、図8に示すように、算出部11Dは、材料テーブルの各現存在庫量から10ずつを減算し、減算した数量となる90、190、5を新たな現存在庫量として材料情報DB11Bに管理させる。
【0044】
次に、選択された材料が組合せ材料であるか否かが算出部11Dによって判定され(S14)、組合せ材料でない場合、算出部11Dは、新たな現存在庫量が、最低安全在庫量以下になるか否かを判定する(S15)。最低安全在庫量以下になっていた場合、通知部11Eは、最低安全在庫量以下となった材料の在庫が不足した旨を通知する(S16)。
【0045】
入力部11Cによって特定された材料が、全て選択されたか否か判定され(S17)、材料が全て選択された場合、処理は終了する。
【0046】
また、S14において、選択された材料が組合せ材料である場合、算出部11Dは、組合せ材料の新たな現存在庫量が、組合せ材料の最低安全在庫量以下になるか否かを判定する(S18)。
【0047】
組合せ材料の現存在庫量が最低安全在庫量以下になっていた場合、組合せ材料の在庫の不足を解消するための組合せ材料増加量に基づいて、組合せ材料が自動で作成される。例えば、組合せ材料増加量は、組合せ材料を最大在庫量にするような数量である。また、算出部11Dは、組合せ材料の現存在庫量と組合せ材料増加量とを加算し、加算した数量を新たな現存在庫量として材料情報DB11Bに管理させる。
【0048】
ここで、算出部11Dは、材料テーブルから組合せ材料を構成する原材料を特定し(S19)すると共に、組合せ材料を構成するそれぞれの原材料から、未だ選択していない原材料を選択し、組合せ材料増加量に基づいて選択された原材料の必要数量を算出する。ここで、算出部11Dは、選択された原材料と材料テーブルにおける同じ材料の現存在庫量から、選択された原材料の必要数量を減算し、減算した数量を新たな現存在庫量として材料情報DB11Bに管理させる(S20)。
【0049】
より詳細に説明すれば、例えば、図8に示した組合せ材料であるオリジナルソースの現存在庫量が5であって、オリジナルソースの最低安全在庫量が10であることから、現存在庫量が最低安全在庫量以下であることが判り、オリジナルソースが最大在庫量30になるまで作成される。すなわち、図9に示すように、オリジナルソースの組合せ材料増加量は25(=30−5)となって、オリジナルソースの作成量25に対応するケチャップの必要数量は、250(=25×10)であり、マスタードの必要数量は、50(=25×2)であり、チリソースの必要数量は、50(=25×2)である。
【0050】
算出部11Dは、ケチャップ、マスタード、チリソースに対し、材料テーブルのそれぞれ現存在庫量から、それぞれの必要数量250、50、50を減算し、減算した数量となる250、350、250を新たな現存在庫量として材料情報DB11Bに管理させる。また、組合せ材料の現存在庫量5と組合せ材料増加量25とを加算し、加算した数量となる30を新たな現存在庫量として材料情報DB11Bに管理させる。
【0051】
ここで、算出部11Dは、新たな現存在庫量が、選択された材料の最低安全在庫量以下になるか否かを判定する(S21)。最低安全在庫量以下になっていた場合、通知部11Eは、最低安全在庫量以下となった材料の在庫が不足した旨を通知する(S22)。
【0052】
組合せ材料を構成する原材料が、全て選択されたか否か判定され(S23)、原材料が全て選択された場合、処理はS17へ進む。
【0053】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る在庫管理装置および在庫管理プログラムは、組合せ材料を構成するそれぞれの原材料の在庫量が最低安全在庫量以下になるものがある場合、最低安全在庫量以下となった原材料の在庫が不足した旨を通知するため、組合せ材料を導入する際の在庫管理に係る手続きを簡素化することができる。
【0054】
また、組合せ材料の在庫量が最低安全在庫量以下になった場合、組合せ材料の在庫の不足を解消するための増加量に基づいて、それぞれの原材料の新たな在庫量を算出するため、組合せ材料を構成するそれぞれの原材料の在庫管理を確実に行うことができる。
【0055】
また、所定の材料の在庫量が、最低安全在庫量以下になった場合、最低安全在庫量以下となった所定の材料の在庫が不足した旨を通知するため、所定の材料の在庫管理を確実に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上のように、本発明に係る在庫管理装置および在庫管理プログラムは、組合せ材料を導入する際の在庫管理に係る手続きを簡素化することができるという効果を有し、POSシステムや商品に関わる在庫管理システム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態に係るPOSシステムのブロック図
【図2】本発明の実施の形態に係るPOSシステムのブロック図
【図3】所定の材料および組合せ材料と商品との対応を表す商品テーブルを示す図
【図4】所定の材料および組合せ材料の在庫を表す在庫量とそれぞれに対応した最低安全在庫量との対応を表す材料テーブルを示す図
【図5】本発明の実施の形態に係る在庫管理装置が、組合せ材料を作成した作成量を入力したときのプログラムの流れを示すフローチャート
【図6】演算した各数量を新たな現存在庫量とした材料テーブルを示す図
【図7】本発明の実施の形態に係る在庫管理装置が、商品売上端末から売上データを受信したときのプログラムの流れを示すフローチャート
【図8】所定の材料および組合せ材料の在庫量を減算した各数量を新たな現存在庫量とした材料テーブルを示す図
【図9】組合せ材料を構成する原材料の在庫量を減算した各数量を新たな現存在庫量とした材料テーブルを示す図
【符号の説明】
【0058】
9 ネットワーク
10 在庫管理装置
11 CPU
11A 商品情報DB
11B 材料情報DB
11C 入力部
11D 算出部
11E 通知部
12 入力機器IF
13 メモリ
14 記憶装置IF
15 表示回路
16 ネットワークIF
20 商品売上端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の原材料の組合せからなる組合せ材料を作成したときの作成量が入力されたとき、
前記組合せ材料を構成するそれぞれの原材料の在庫を表す在庫量と前記在庫が不足したことを表すそれぞれの閾値との対応を管理する材料情報データベースを用い、前記作成量に基づいてそれぞれの前記原材料の新たな在庫量を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出したそれぞれの前記原材料の在庫量が、前記閾値以下になるものがある場合、前記閾値以下となった原材料の在庫が不足した旨を通知するステップとを含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とする在庫管理プログラム。
【請求項2】
前記材料情報データベースが、さらに、前記組合せ材料の在庫量と前記組合せ材料の在庫が不足したことを表す閾値との対応を管理し、
該材料情報データベースを用い、前記作成量に基づいて前記組合せ材料の新たな在庫量を算出するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の在庫管理プログラム。
【請求項3】
売上げた商品と前記商品の数量を表す情報が入力されたとき、
前記商品と2つ以上の原材料の組合せからなる組合せ材料および所定の材料との対応を管理する商品情報データベースを用い、前記商品を構成する材料を特定する材料特定ステップと、
前記材料特定ステップで特定した材料に前記組合せ材料が含まれていた場合、前記組合せ材料を構成するそれぞれの原材料の在庫を表す在庫量と前記在庫が不足したことを表すそれぞれの閾値との対応を管理する材料情報データベースを用い、前記商品の数量に基づいてそれぞれの前記原材料の新たな在庫量を算出する原材料算出ステップと、
前記原材料算出ステップで算出したそれぞれの前記原材料の在庫量が、前記閾値以下になるものがある場合、前記閾値以下となった原材料の在庫が不足した旨を通知するステップと、
を含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とする在庫管理プログラム。
【請求項4】
前記材料情報データベースが、さらに、前記組合せ材料の在庫量と前記組合せ材料の在庫が不足したことを表す閾値との対応を管理し、
該材料情報データベースを用い、前記商品の数量に基づいて前記組合せ材料の新たな在庫量を算出する算出ステップを含み、
前記材料特定ステップで特定した材料に前記組合せ材料が含まれていた場合、かつ、前記算出ステップで算出した前記組合せ材料の在庫量が該閾値以下になった場合、前記原材料算出ステップで、該材料情報データベースを用い、前記組合せ材料の在庫の不足を解消するための増加量に基づいてそれぞれの前記原材料の新たな在庫量を算出することを特徴とする請求項3に記載の在庫管理プログラム。
【請求項5】
前記材料情報データベースが、さらに、前記所定の材料の在庫量と前記所定の材料の在庫が不足したことを表す閾値との対応を管理し、
前記材料特定ステップで特定した材料に所定の材料が含まれていた場合、該材料情報データベースを用い、前記商品の数量に基づいてそれぞれの前記所定の材料の新たな在庫量を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出したそれぞれの前記所定の材料の在庫量が、該閾値以下になった場合、前記閾値以下となった所定の材料の在庫が不足した旨を通知するステップとを含むことを特徴とする請求項4に記載の在庫管理プログラム。
【請求項6】
2つ以上の原材料の組合せからなる組合せ材料を構成するそれぞれの原材料の在庫を表す在庫量と前記在庫が不足したことを表すそれぞれの閾値との対応を管理する材料情報データベースと、
前記組合せ材料を作成したときの作成量が入力されたとき、前記材料情報データベースを用い、前記作成量に基づいてそれぞれの前記原材料の新たな在庫量を算出する算出部と、
前記算出部が算出したそれぞれの前記原材料の在庫量が前記閾値以下になるものがある場合、前記閾値以下となった原材料の在庫が不足した旨を通知する通知部とを備えたことを特徴とする在庫管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−11561(P2007−11561A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−189786(P2005−189786)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】