地下構造物の施工法
【課題】近接施工で周辺地盤の変状が気がかりでない、施工占有面積が少ない場合も対応できる、自重沈下力が不足している場合も施工可能である、鉛直・水平精度を要求されるのに答えられる、軟弱地盤にも対応できる、という、従来から有する圧入ケーソン工法の利点に加えて、大型構造物の場合でも、地盤の性状を安定させ、沈下を制御し難い軟弱地盤の場合や、硬質地盤で沈下させ難い場合に沈下させ易い状態を作り出し、沈下力と支持力をバランスさせて精度の高い制御が可能で、工事の安全性が確保できる。
【解決手段】構造物設置地盤10を、構造物重量と沈設時の側壁摩擦抵抗を考慮して、構造物の圧入沈設に都合のよい埋戻地盤強度を付与するため、掘削土等にセメント等の改良材を適宜に配合して構造物着底深度まで地盤改良し、この改良された地盤上に、ケーソン躯体3を構築し、ケーソン躯体3の近傍に設置したグランドアンカー1を反力として、圧入ジャッキ6でケーソン躯体3を圧入沈設する。
【解決手段】構造物設置地盤10を、構造物重量と沈設時の側壁摩擦抵抗を考慮して、構造物の圧入沈設に都合のよい埋戻地盤強度を付与するため、掘削土等にセメント等の改良材を適宜に配合して構造物着底深度まで地盤改良し、この改良された地盤上に、ケーソン躯体3を構築し、ケーソン躯体3の近傍に設置したグランドアンカー1を反力として、圧入ジャッキ6でケーソン躯体3を圧入沈設する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーソンでシールド縦坑や塔や橋脚等の構造物の基礎を形成する地下構造物の施工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プレキャストコンクリート部材からなる中空筒状のケーソンを水底や地盤中に沈設して橋脚や大型の塔の基礎を形成する技術としてケーソン工法がある。
【0003】
中空筒状のケーソンを地盤中に沈下させ、設置するのに、通常は施工性の点からケーソンの内空部まで掘削して作業が行われる。このケーソン内の地盤の掘削の方法はさまざまであり、ハンマーグラブバケットやクラムシェルバケット等により掘削し、ケーソンを自重および圧入によって地中に沈下させる。
【0004】
陸上工事におけるケーソン工法には、地上で構築して設置したケーソン本体の中空内部を人力あるいは機械で掘削しながら徐々にケーソンを沈下させ、支持層まで到達した後にケーソン本体を基礎構造物とするオープンケーソン工法(opened caisson method)と、オープンケーソン工法の場合、軟弱地盤や地下水の多い地盤を施工すると、水や泥が作業箇所に流入し掘削作業が非常に困難になる。よって、あらかじめ本体下部に作業室を設け、その中に圧縮空気を送り込んで気圧の高い状態にし、この圧気によって水や泥の流入を防止して掘削作業を行うニューマチックケーソン工法(pneumatic caisson method)とに大きく2つに分けられる。
【0005】
これに対してグランドアンカーを反力とする油圧ジャッキを使用し、躯体を地中に圧入沈設する圧入ケーソン工法が、下記特許文献1、2等に記載されている。
【特許文献1】特開2000−204563号公報
【特許文献2】特開平8−177055号公報
【0006】
前記特許文献1にあるように、圧入ケーソン工法は図18に示すように、地中に打ち込んだグランドアンカー1に節のあるロッドであるグリッパロッド2を連結し、刃口を有する筒状のケーソン躯体3を構築し、そのケーソン躯体3の上面に支圧盤4を介して反力桁5を載置し、ケーソン躯体3の内部地盤を掘削しながら反力桁5に取付けた油圧ジャッキによる圧入ジャッキ6でグリッパロッド2を引張り、前述のグランドアンカー1で反力を取って刃先抵抗と周面摩擦力に打ち勝ってケーソン躯体3を地中に圧入(沈設)する。
【0007】
ケーソン躯体3を所定長さ圧入した後に圧入したケーソン躯体3の上部に次のケーソン躯体3を構築して前述と同様にしてケーソン躯体3を地中に圧入する。この作業を複数回繰り返して所定の深さまでケーソン躯体3を圧入する。
【0008】
ケーソン躯体3の圧入と同時に掘削機械、例えばクラムシェルのバケットでケーソン躯体3内部の地盤を掘削する。
【0009】
また、圧入ケーソン工法ではない一般のケーソン工法として、下記特許文献3〜6には、中空筒状のケーソンの壁体下端部分の地盤を掘削することにより、ケーソンの内空部まで掘削を省略できることが記載されている。
【特許文献3】特開昭61−172924号公報
【特許文献4】特開2004−316118号公報
【特許文献5】特開昭55−36583号公報
【特許文献6】特開2001−20294号公報
【0010】
前記特許文献3は、中空筒状のケーソンの壁体下端部分の地盤を掘削するのに、筒型ケーソンの壁体の内部に長手方向に複数のスリット状開口部を貫通して形成し、スリット状開口部に掘削機を挿入してケーソンの壁体下端部分の地盤を掘削するものである。
【0011】
特許文献2は、ケーソンの側壁を複数のセグメントに分割すると共に、分割したセグメントの肉厚内に上下に貫通する軸方向中空部を形成しておき、側壁下端に刃先を設け、前記セグメントを沈設位置で組立、前記中空部にオーガドリルを挿通して刃先下方の地盤を掘削し、ケーソンを順次積み重ねしながら地中に沈下させるものである。
【0012】
特許文献3は、壁体に孔が複数設けてあり、この孔内に作業員が入って掘削作業を行うか、または機械掘削を行うものである。
【0013】
特許文献4は、複数の沈設リングを順次積み重ねて圧入することにより、沈設体を地中に沈設するものであり、各沈設リングに貫かれた複数の鉄筋孔を通じてウォータジェットを沈設体の下端まで伸ばして硬質層を掘削するものである。その後、沈設体1の上に、更に別の沈設リングを順次積み重ねて圧入する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
圧入ケーソン工法は、自重又は載置方式によって沈設するオープンケーソン工法に頻発する様々なトラブルを解消するものであり、オープンケーソン工法では沈設することができず、やむを得ずニューマッチクで施工するニューマチックケーソン工法と比べて、圧気等の設備が不要、仮設少なく土搬出容易、地下水位に変化なしという利点があるが、地盤の性状に対応した圧入・沈設の制御がなかなか困難であり、特に大型になるほどむずかしいという問題があった。
【0015】
また、圧入ケーソン工法でないケーソン工法で、前記中空筒状のケーソンの壁体下端部分の地盤を掘削することにより、ケーソンの内空部まで掘削を省略できるものでは、全てケーソンの壁体部分を中空にして、ここに掘削機を挿入して掘削を行うものであり、近時、このようなプレキャストコンクリート部材からなるケーソンは大口径化しているが、ケーソンの刃先下の掘削が難しくなり、バランス制御や摩擦抵抗の対処などでケーソンの沈下が困難になる。
【0016】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、近接施工で周辺地盤の変状が気がかりでない、施工占有面積が少ない場合も対応できる、自重沈下力が不足している場合も施工可能である、鉛直・水平精度を要求されるのに答えられる、軟弱地盤にも対応できる、という、従来から有する圧入ケーソン工法の利点に加えて、大型構造物の場合でも、地盤の性状を安定させ、軟弱地盤のみならず、沈下させ難い硬質地盤の場合でも、沈下力と支持力をバランスさせて精度の高い制御が可能で、工事の安全性が確保できる地下構造物の施工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、構造物設置地盤を、構造物重量と沈設時の側壁摩擦抵抗を考慮して、構造物の圧入沈設に都合のよい埋戻地盤強度を付与するため、掘削土等にセメント等の改良材を適宜に配合して構造物着底深度まで地盤改良し、この改良された地盤上に、ケーソン躯体を構築し、ケーソン躯体の近傍に設置したグランドアンカーを反力として、圧入ジャッキでケーソン躯体を圧入沈設することを要旨とするものである。
【0018】
請求項1記載の本発明によれば、ケーソン躯体の圧入・沈設は、構造物重量と沈設時の側壁摩擦抵抗を考慮して、構造物の圧入沈設に都合のよい埋戻地盤強度を付与した改良地盤において行うので、大型構造物の場合でも、地盤の性状を安定させ、沈下を制御し難い軟弱地盤の場合や、硬質地盤で沈下させ難い場合に沈下させ易い状態を作り出し、沈下力と支持力をバランスさせて精度の高い制御が可能で、工事の安全性が確保できる。
【0019】
請求項2記載の本発明は、地盤改良は、構造物内空部を含めた範囲を行うこと、請求項3記載の本発明は、地盤改良は、構造物壁厚相当分だけ溝状に掘削して行うことを要旨とするものである。
【0020】
前記請求項3記載の本発明によれば、地盤改良を行うのに、構造物設置地盤を構造物壁厚相当分だけ着底深度まで溝状に掘削すればよいので、ケーソン内部の土砂を排除しないで構築することで工期・コスト面から有利となる。
【0021】
請求項4記載の本発明は、ケーソン躯体を構築時に、ケーソン刃口から地上に土砂を排出する排出パイプを設けておき、ケーソン躯体を圧入時に、リバース工法等により地上に土砂を排出することを要旨とするものである。
【0022】
請求項4記載の本発明によれば、リバース工法等により地上に土砂を排出することにより、圧入をさらに容易にすることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上述べたように本発明の地下構造物の施工法は、近接施工で周辺地盤の変状が気がかりでない、施工占有面積が少ない場合も対応できる、自重沈下力が不足している場合も施工可能である、鉛直・水平精度を要求されるのに答えられる、軟弱地盤にも対応できる、という、従来から有する圧入ケーソン工法の利点に加えて、大型構造物の場合でも、地盤の性状を安定させ、沈下を制御し難い軟弱地盤の場合や、硬質地盤で沈下させ難い場合に沈下させ易い状態を作り出し、沈下力と支持力をバランスさせて精度の高い制御が可能で、工事の安全性が確保できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1〜図7は本発明の地下構造物の施工法の1実施形態を示す各工程の側面図で、図中10は構造物設置地盤である。
【0025】
図2に示すように、構造物設置地盤10を構造物相当分だけ着底深度までボーリング等により掘削し、掘削土にセメント(モルタルもしくはセメントミルク)等の固化材を加えて攪拌し、構造物着底深度まで地盤改良11を施す。地盤改良11は構造物内空部を含めた範囲である。
【0026】
この地盤改良11を施すには、掘削土はこれを排出しないで改良地盤を構築するのが望ましく、ボーリングマシンによって目標深度まで削孔したのち、ロッド下端から改良材を超高圧で噴射し、地盤を切削すると同時に土粒子と改良材を混合する高圧ジェット噴射混合処理工法や、機械的な攪拌混合を行って柱状に深層部を固化処理する深層混合処理工法などが採用し得る。
【0027】
なお、軟質地盤の場合には、遅延材を付加したモルタルを注入して掘削土を攪拌し、適当な強度を持つ溝地盤を構築する。また、地盤が固い場合は、あらかじめ岩盤掘削機で掘削し、その後に、ベントナイトなどを加えた材料で埋め戻して、適当な強度を持つ溝地盤を構築する。
【0028】
また、地盤改良11の形成は、発生した掘削土が低品質の建設残土である場合には、この掘削土に、水とセメント等を混合してスラリー状の混合物であるソイルモルタルを作製し、これを工事現場に埋め戻して再利用する方法で形成してもよい。
【0029】
具体的には、掘削土砂をダンプトラックにより仮置き場に運搬し、運搬された土砂を仮置き場に設置された泥水製造装置に投入して泥水を作製し、この泥水をミキサー車に転載して打設現場に運搬し、この運搬した泥水を打設現場に設置されたミキサーに転載し、そのミキサーにて前記泥水とセメントとを混合してソイルモルタルを作製し、これを埋め戻して打設する。
【0030】
このように地盤改良11の形成した後、図3に示すように、地盤改良11部分の脇にボーリングマシン13等を用いて圧入反力用のグランドアンカー1を設置する。このグランドアンカー1の設置を行うのは、地盤改良11の形成前でもよい。
【0031】
施工する基礎構造物7としては塔や橋脚等種々のものが対象となるが、図8、図9に示すものは、タワー(大型塔状構造物)の基礎の場合であり、平面四角やその他の多角形の中空筒状体で、壁体9は間隔を存して並列する仕切り壁8を有する2重壁構造である。図9はロッド割を示すもので、7ロッドに分割している。
【0032】
前記地盤改良11の形成は、このような施工すべき基礎構造物7の重量と沈設時の側壁摩擦抵抗を考慮して行う。
【0033】
図5、図6に示すように地盤改良11の上に、ケーソンのケーソン躯体3を構築する。この場合、図10に示すように、ケーソン躯体3の刃口3aからリバース工法等により地上に土砂を排出する排出パイプ19を設けておくようにしてもよい。
【0034】
ケーソン躯体の近傍に設置したグランドアンカー1を反力として、圧入ジャッキ6で躯体を圧入する。
【0035】
かかるケーソン躯体の圧入は、グランドアンカー1にグリッパロッド2を連結し、刃口を有する筒状のケーソン躯体3を構築し、そのケーソン躯体3の上面に支圧盤4を介して反力桁5を載置し、反力桁5に取付けた油圧ジャッキによる圧入ジャッキ6(商標名ハイアックジャッキ)でグリッパロッド2を引張り、前述のグランドアンカー1で反力を取って刃先抵抗と周面摩擦力に打ち勝ってケーソン躯体3を地中に圧入(沈設)する。
【0036】
この圧入の際の沈下力と支持力をバランスさせるには、地盤改良11のソイルモルタル強度設計による。
【0037】
さらに、支持力が不足する場合には、図示は省略するが、躯体周囲に櫓を設け、躯体を吊ること等により支える。
【0038】
1ロッドの圧入沈設完了後は、図示は省略するが、グリッパロッド2、圧入ジャッキ6、反力桁5等は撤去し、ブラケット・ステージ設置、内外足場組立などでケーソン躯体3の第2ロッドを構築する準備を行い、鉄筋組立、型枠組立、コンクリート打設、型枠・足場解体を行い、再度、圧入機材を設置して圧入を行う。
【0039】
このようにして順位各ロッドの構築とケーソン躯体の圧入・沈設を繰り返して刃口を予定深度まで推し進める。
【0040】
なお、前記排出パイプ19を設けてリバースサーキュレーションドリル工法等により地上に土砂を排出することを併用する場合には、排出パイプ19内にドリルビット14を配設し、泥水を通常のボーリング掘削の方向と逆に循環することにより掘削する。すなわち、ドリルビット14を回転させ地盤を切削し、その土砂を孔内水と共にサクションポンプまたはエアリフト方式などにより地上に吸上げ排出する。
【0041】
図中15はサンクションホース、16はパワーユニット、17は水槽、18は水中ポンプである。
【0042】
図11〜図17は本発明の第2実施形態を示すもので、地盤改良11は前記第1実施形態のように構造物内空部を含めた範囲ではなく、構造物壁厚相当分だけ溝状に掘削して行うものとした。
【0043】
図12に示すように、構造物設置地盤10を構造物壁厚相当分だけ着底深度までボーリング等により溝状に掘削し、掘削した掘削溝の一部または全部を埋め戻すことにより地盤改良11を形成する。
【0044】
図13に示すように、地盤改良11の脇にボーリングマシン13等を用いて圧入反力用のグランドアンカー1を設置する。図中12は埋戻土である。
【0045】
この埋戻土12としては、掘削土等にセメント等の改良材を適宜に配合したソイルモルタル等とし、前記第1実施形態と同じく、掘削土はこれを排出しないで改良地盤を構築するのが望ましい。
【0046】
前記地盤改良11の形成は、前記第1実施形態での地盤改良工法のほかに、SMW工法(登録商標名)により施工することもできる。
【0047】
SMW工法(登録商標名)は、セメントスラリーを原位置で混合・攪拌(Mixing)し、地中に造成する壁体(Wall)を造成するものであり、多軸混練オーガー機で原地盤を削孔し、その先端よりセメントスラリーを吐出して1エレメントの削孔混練を行い、ソイルセメント壁体を造る。
【0048】
図14、図15に示すように前記地盤改良11の上に、ケーソン躯体3のケーソン躯体を構築する。
【0049】
ケーソン躯体の近傍に設置したグランドアンカー1を反力として、圧入ジャッキ6で躯体を圧入する。
【0050】
かかるケーソン躯体の圧入は、グランドアンカー1にグリッパロッド2を連結し、刃口を有する筒状のケーソン躯体3を構築し、そのケーソン躯体3の上面に支圧盤4を介して反力桁5を載置し、反力桁5に取付けた油圧ジャッキによる圧入ジャッキ6でグリッパロッド2を引張り、前述のグランドアンカー1で反力を取って刃先抵抗と周面摩擦力に打ち勝ってケーソン躯体3を地中に圧入(沈設)する。
【0051】
この圧入の際の沈下力と支持力をバランスさせるには、掘削溝の溝幅、埋戻土12のソイルモルタル強度、埋戻土12の埋戻率の設計による。
【0052】
さらに、支持力が不足する場合には、図示は省略するが、躯体周囲に櫓を設け、躯体を吊ること等により支える。
【0053】
1ロッドの圧入沈設完了後は、図示は省略するが、グリッパロッド2、圧入ジャッキ6、反力桁5等は撤去し、ブラケット・ステージ設置、内外足場組立などでケーソン躯体3の第2ロッドを構築する準備を行い、鉄筋組立、型枠組立、コンクリート打設、型枠・足場解体を行い、再度、圧入機材を設置して圧入を行う。
【0054】
このようにして順位各ロッドの構築とケーソン躯体の圧入・沈設を繰り返して刃口を予定深度まで推し進める。
【0055】
なお、前記第1実施形態と同様に、排出パイプ19を設けてリバースサーキュレーションドリル工法等により地上に土砂を排出することを併用する場合には、排出パイプ19内にドリルビット14を配設し、泥水を通常のボーリング掘削の方向と逆に循環することにより掘削する。すなわち、ドリルビット14を回転させ地盤を切削し、その土砂を孔内水と共にサクションポンプまたはエアリフト方式などにより地上に吸上げ排出する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態を示す施工前の状態を示す側面図である。
【図2】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第1工程を示す側面図である。
【図3】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第2工程を示す側面図である。
【図4】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第3工程を示す側面図である。
【図5】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第4工程を示す側面図である。
【図6】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第5工程を示す側面図である。
【図7】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第6工程を示す側面図である。
【図8】施工しようとする基礎構造物の平面図である。
【図9】施工しようとする基礎構造物の要部の縦断面図である。
【図10】リバース工法併用の説明図である。
【図11】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態を示す施工前の状態を示す側面図である。
【図12】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第1工程を示す側面図である。
【図13】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第2工程を示す側面図である。
【図14】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第3工程を示す側面図である。
【図15】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第4工程を示す側面図である。
【図16】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第5工程を示す側面図である。
【図17】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第6工程を示す側面図である。
【図18】圧入ケーソンの施工を示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
1…グランドアンカー 2…グリッパロッド
3…ケーソン躯体 3a…刃口
4…支圧盤
5…反力桁 6…圧入ジャッキ
7…基礎構造物 8…仕切り壁
9…壁体 10…構造物設置地盤
11…地盤改良 12…埋戻土
13…ボーリングマシン 14…ドリルビット
15…サンクションホース 16…パワーユニット
17…水槽 18…水中ポンプ
19…排出パイプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーソンでシールド縦坑や塔や橋脚等の構造物の基礎を形成する地下構造物の施工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プレキャストコンクリート部材からなる中空筒状のケーソンを水底や地盤中に沈設して橋脚や大型の塔の基礎を形成する技術としてケーソン工法がある。
【0003】
中空筒状のケーソンを地盤中に沈下させ、設置するのに、通常は施工性の点からケーソンの内空部まで掘削して作業が行われる。このケーソン内の地盤の掘削の方法はさまざまであり、ハンマーグラブバケットやクラムシェルバケット等により掘削し、ケーソンを自重および圧入によって地中に沈下させる。
【0004】
陸上工事におけるケーソン工法には、地上で構築して設置したケーソン本体の中空内部を人力あるいは機械で掘削しながら徐々にケーソンを沈下させ、支持層まで到達した後にケーソン本体を基礎構造物とするオープンケーソン工法(opened caisson method)と、オープンケーソン工法の場合、軟弱地盤や地下水の多い地盤を施工すると、水や泥が作業箇所に流入し掘削作業が非常に困難になる。よって、あらかじめ本体下部に作業室を設け、その中に圧縮空気を送り込んで気圧の高い状態にし、この圧気によって水や泥の流入を防止して掘削作業を行うニューマチックケーソン工法(pneumatic caisson method)とに大きく2つに分けられる。
【0005】
これに対してグランドアンカーを反力とする油圧ジャッキを使用し、躯体を地中に圧入沈設する圧入ケーソン工法が、下記特許文献1、2等に記載されている。
【特許文献1】特開2000−204563号公報
【特許文献2】特開平8−177055号公報
【0006】
前記特許文献1にあるように、圧入ケーソン工法は図18に示すように、地中に打ち込んだグランドアンカー1に節のあるロッドであるグリッパロッド2を連結し、刃口を有する筒状のケーソン躯体3を構築し、そのケーソン躯体3の上面に支圧盤4を介して反力桁5を載置し、ケーソン躯体3の内部地盤を掘削しながら反力桁5に取付けた油圧ジャッキによる圧入ジャッキ6でグリッパロッド2を引張り、前述のグランドアンカー1で反力を取って刃先抵抗と周面摩擦力に打ち勝ってケーソン躯体3を地中に圧入(沈設)する。
【0007】
ケーソン躯体3を所定長さ圧入した後に圧入したケーソン躯体3の上部に次のケーソン躯体3を構築して前述と同様にしてケーソン躯体3を地中に圧入する。この作業を複数回繰り返して所定の深さまでケーソン躯体3を圧入する。
【0008】
ケーソン躯体3の圧入と同時に掘削機械、例えばクラムシェルのバケットでケーソン躯体3内部の地盤を掘削する。
【0009】
また、圧入ケーソン工法ではない一般のケーソン工法として、下記特許文献3〜6には、中空筒状のケーソンの壁体下端部分の地盤を掘削することにより、ケーソンの内空部まで掘削を省略できることが記載されている。
【特許文献3】特開昭61−172924号公報
【特許文献4】特開2004−316118号公報
【特許文献5】特開昭55−36583号公報
【特許文献6】特開2001−20294号公報
【0010】
前記特許文献3は、中空筒状のケーソンの壁体下端部分の地盤を掘削するのに、筒型ケーソンの壁体の内部に長手方向に複数のスリット状開口部を貫通して形成し、スリット状開口部に掘削機を挿入してケーソンの壁体下端部分の地盤を掘削するものである。
【0011】
特許文献2は、ケーソンの側壁を複数のセグメントに分割すると共に、分割したセグメントの肉厚内に上下に貫通する軸方向中空部を形成しておき、側壁下端に刃先を設け、前記セグメントを沈設位置で組立、前記中空部にオーガドリルを挿通して刃先下方の地盤を掘削し、ケーソンを順次積み重ねしながら地中に沈下させるものである。
【0012】
特許文献3は、壁体に孔が複数設けてあり、この孔内に作業員が入って掘削作業を行うか、または機械掘削を行うものである。
【0013】
特許文献4は、複数の沈設リングを順次積み重ねて圧入することにより、沈設体を地中に沈設するものであり、各沈設リングに貫かれた複数の鉄筋孔を通じてウォータジェットを沈設体の下端まで伸ばして硬質層を掘削するものである。その後、沈設体1の上に、更に別の沈設リングを順次積み重ねて圧入する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
圧入ケーソン工法は、自重又は載置方式によって沈設するオープンケーソン工法に頻発する様々なトラブルを解消するものであり、オープンケーソン工法では沈設することができず、やむを得ずニューマッチクで施工するニューマチックケーソン工法と比べて、圧気等の設備が不要、仮設少なく土搬出容易、地下水位に変化なしという利点があるが、地盤の性状に対応した圧入・沈設の制御がなかなか困難であり、特に大型になるほどむずかしいという問題があった。
【0015】
また、圧入ケーソン工法でないケーソン工法で、前記中空筒状のケーソンの壁体下端部分の地盤を掘削することにより、ケーソンの内空部まで掘削を省略できるものでは、全てケーソンの壁体部分を中空にして、ここに掘削機を挿入して掘削を行うものであり、近時、このようなプレキャストコンクリート部材からなるケーソンは大口径化しているが、ケーソンの刃先下の掘削が難しくなり、バランス制御や摩擦抵抗の対処などでケーソンの沈下が困難になる。
【0016】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、近接施工で周辺地盤の変状が気がかりでない、施工占有面積が少ない場合も対応できる、自重沈下力が不足している場合も施工可能である、鉛直・水平精度を要求されるのに答えられる、軟弱地盤にも対応できる、という、従来から有する圧入ケーソン工法の利点に加えて、大型構造物の場合でも、地盤の性状を安定させ、軟弱地盤のみならず、沈下させ難い硬質地盤の場合でも、沈下力と支持力をバランスさせて精度の高い制御が可能で、工事の安全性が確保できる地下構造物の施工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、構造物設置地盤を、構造物重量と沈設時の側壁摩擦抵抗を考慮して、構造物の圧入沈設に都合のよい埋戻地盤強度を付与するため、掘削土等にセメント等の改良材を適宜に配合して構造物着底深度まで地盤改良し、この改良された地盤上に、ケーソン躯体を構築し、ケーソン躯体の近傍に設置したグランドアンカーを反力として、圧入ジャッキでケーソン躯体を圧入沈設することを要旨とするものである。
【0018】
請求項1記載の本発明によれば、ケーソン躯体の圧入・沈設は、構造物重量と沈設時の側壁摩擦抵抗を考慮して、構造物の圧入沈設に都合のよい埋戻地盤強度を付与した改良地盤において行うので、大型構造物の場合でも、地盤の性状を安定させ、沈下を制御し難い軟弱地盤の場合や、硬質地盤で沈下させ難い場合に沈下させ易い状態を作り出し、沈下力と支持力をバランスさせて精度の高い制御が可能で、工事の安全性が確保できる。
【0019】
請求項2記載の本発明は、地盤改良は、構造物内空部を含めた範囲を行うこと、請求項3記載の本発明は、地盤改良は、構造物壁厚相当分だけ溝状に掘削して行うことを要旨とするものである。
【0020】
前記請求項3記載の本発明によれば、地盤改良を行うのに、構造物設置地盤を構造物壁厚相当分だけ着底深度まで溝状に掘削すればよいので、ケーソン内部の土砂を排除しないで構築することで工期・コスト面から有利となる。
【0021】
請求項4記載の本発明は、ケーソン躯体を構築時に、ケーソン刃口から地上に土砂を排出する排出パイプを設けておき、ケーソン躯体を圧入時に、リバース工法等により地上に土砂を排出することを要旨とするものである。
【0022】
請求項4記載の本発明によれば、リバース工法等により地上に土砂を排出することにより、圧入をさらに容易にすることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上述べたように本発明の地下構造物の施工法は、近接施工で周辺地盤の変状が気がかりでない、施工占有面積が少ない場合も対応できる、自重沈下力が不足している場合も施工可能である、鉛直・水平精度を要求されるのに答えられる、軟弱地盤にも対応できる、という、従来から有する圧入ケーソン工法の利点に加えて、大型構造物の場合でも、地盤の性状を安定させ、沈下を制御し難い軟弱地盤の場合や、硬質地盤で沈下させ難い場合に沈下させ易い状態を作り出し、沈下力と支持力をバランスさせて精度の高い制御が可能で、工事の安全性が確保できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1〜図7は本発明の地下構造物の施工法の1実施形態を示す各工程の側面図で、図中10は構造物設置地盤である。
【0025】
図2に示すように、構造物設置地盤10を構造物相当分だけ着底深度までボーリング等により掘削し、掘削土にセメント(モルタルもしくはセメントミルク)等の固化材を加えて攪拌し、構造物着底深度まで地盤改良11を施す。地盤改良11は構造物内空部を含めた範囲である。
【0026】
この地盤改良11を施すには、掘削土はこれを排出しないで改良地盤を構築するのが望ましく、ボーリングマシンによって目標深度まで削孔したのち、ロッド下端から改良材を超高圧で噴射し、地盤を切削すると同時に土粒子と改良材を混合する高圧ジェット噴射混合処理工法や、機械的な攪拌混合を行って柱状に深層部を固化処理する深層混合処理工法などが採用し得る。
【0027】
なお、軟質地盤の場合には、遅延材を付加したモルタルを注入して掘削土を攪拌し、適当な強度を持つ溝地盤を構築する。また、地盤が固い場合は、あらかじめ岩盤掘削機で掘削し、その後に、ベントナイトなどを加えた材料で埋め戻して、適当な強度を持つ溝地盤を構築する。
【0028】
また、地盤改良11の形成は、発生した掘削土が低品質の建設残土である場合には、この掘削土に、水とセメント等を混合してスラリー状の混合物であるソイルモルタルを作製し、これを工事現場に埋め戻して再利用する方法で形成してもよい。
【0029】
具体的には、掘削土砂をダンプトラックにより仮置き場に運搬し、運搬された土砂を仮置き場に設置された泥水製造装置に投入して泥水を作製し、この泥水をミキサー車に転載して打設現場に運搬し、この運搬した泥水を打設現場に設置されたミキサーに転載し、そのミキサーにて前記泥水とセメントとを混合してソイルモルタルを作製し、これを埋め戻して打設する。
【0030】
このように地盤改良11の形成した後、図3に示すように、地盤改良11部分の脇にボーリングマシン13等を用いて圧入反力用のグランドアンカー1を設置する。このグランドアンカー1の設置を行うのは、地盤改良11の形成前でもよい。
【0031】
施工する基礎構造物7としては塔や橋脚等種々のものが対象となるが、図8、図9に示すものは、タワー(大型塔状構造物)の基礎の場合であり、平面四角やその他の多角形の中空筒状体で、壁体9は間隔を存して並列する仕切り壁8を有する2重壁構造である。図9はロッド割を示すもので、7ロッドに分割している。
【0032】
前記地盤改良11の形成は、このような施工すべき基礎構造物7の重量と沈設時の側壁摩擦抵抗を考慮して行う。
【0033】
図5、図6に示すように地盤改良11の上に、ケーソンのケーソン躯体3を構築する。この場合、図10に示すように、ケーソン躯体3の刃口3aからリバース工法等により地上に土砂を排出する排出パイプ19を設けておくようにしてもよい。
【0034】
ケーソン躯体の近傍に設置したグランドアンカー1を反力として、圧入ジャッキ6で躯体を圧入する。
【0035】
かかるケーソン躯体の圧入は、グランドアンカー1にグリッパロッド2を連結し、刃口を有する筒状のケーソン躯体3を構築し、そのケーソン躯体3の上面に支圧盤4を介して反力桁5を載置し、反力桁5に取付けた油圧ジャッキによる圧入ジャッキ6(商標名ハイアックジャッキ)でグリッパロッド2を引張り、前述のグランドアンカー1で反力を取って刃先抵抗と周面摩擦力に打ち勝ってケーソン躯体3を地中に圧入(沈設)する。
【0036】
この圧入の際の沈下力と支持力をバランスさせるには、地盤改良11のソイルモルタル強度設計による。
【0037】
さらに、支持力が不足する場合には、図示は省略するが、躯体周囲に櫓を設け、躯体を吊ること等により支える。
【0038】
1ロッドの圧入沈設完了後は、図示は省略するが、グリッパロッド2、圧入ジャッキ6、反力桁5等は撤去し、ブラケット・ステージ設置、内外足場組立などでケーソン躯体3の第2ロッドを構築する準備を行い、鉄筋組立、型枠組立、コンクリート打設、型枠・足場解体を行い、再度、圧入機材を設置して圧入を行う。
【0039】
このようにして順位各ロッドの構築とケーソン躯体の圧入・沈設を繰り返して刃口を予定深度まで推し進める。
【0040】
なお、前記排出パイプ19を設けてリバースサーキュレーションドリル工法等により地上に土砂を排出することを併用する場合には、排出パイプ19内にドリルビット14を配設し、泥水を通常のボーリング掘削の方向と逆に循環することにより掘削する。すなわち、ドリルビット14を回転させ地盤を切削し、その土砂を孔内水と共にサクションポンプまたはエアリフト方式などにより地上に吸上げ排出する。
【0041】
図中15はサンクションホース、16はパワーユニット、17は水槽、18は水中ポンプである。
【0042】
図11〜図17は本発明の第2実施形態を示すもので、地盤改良11は前記第1実施形態のように構造物内空部を含めた範囲ではなく、構造物壁厚相当分だけ溝状に掘削して行うものとした。
【0043】
図12に示すように、構造物設置地盤10を構造物壁厚相当分だけ着底深度までボーリング等により溝状に掘削し、掘削した掘削溝の一部または全部を埋め戻すことにより地盤改良11を形成する。
【0044】
図13に示すように、地盤改良11の脇にボーリングマシン13等を用いて圧入反力用のグランドアンカー1を設置する。図中12は埋戻土である。
【0045】
この埋戻土12としては、掘削土等にセメント等の改良材を適宜に配合したソイルモルタル等とし、前記第1実施形態と同じく、掘削土はこれを排出しないで改良地盤を構築するのが望ましい。
【0046】
前記地盤改良11の形成は、前記第1実施形態での地盤改良工法のほかに、SMW工法(登録商標名)により施工することもできる。
【0047】
SMW工法(登録商標名)は、セメントスラリーを原位置で混合・攪拌(Mixing)し、地中に造成する壁体(Wall)を造成するものであり、多軸混練オーガー機で原地盤を削孔し、その先端よりセメントスラリーを吐出して1エレメントの削孔混練を行い、ソイルセメント壁体を造る。
【0048】
図14、図15に示すように前記地盤改良11の上に、ケーソン躯体3のケーソン躯体を構築する。
【0049】
ケーソン躯体の近傍に設置したグランドアンカー1を反力として、圧入ジャッキ6で躯体を圧入する。
【0050】
かかるケーソン躯体の圧入は、グランドアンカー1にグリッパロッド2を連結し、刃口を有する筒状のケーソン躯体3を構築し、そのケーソン躯体3の上面に支圧盤4を介して反力桁5を載置し、反力桁5に取付けた油圧ジャッキによる圧入ジャッキ6でグリッパロッド2を引張り、前述のグランドアンカー1で反力を取って刃先抵抗と周面摩擦力に打ち勝ってケーソン躯体3を地中に圧入(沈設)する。
【0051】
この圧入の際の沈下力と支持力をバランスさせるには、掘削溝の溝幅、埋戻土12のソイルモルタル強度、埋戻土12の埋戻率の設計による。
【0052】
さらに、支持力が不足する場合には、図示は省略するが、躯体周囲に櫓を設け、躯体を吊ること等により支える。
【0053】
1ロッドの圧入沈設完了後は、図示は省略するが、グリッパロッド2、圧入ジャッキ6、反力桁5等は撤去し、ブラケット・ステージ設置、内外足場組立などでケーソン躯体3の第2ロッドを構築する準備を行い、鉄筋組立、型枠組立、コンクリート打設、型枠・足場解体を行い、再度、圧入機材を設置して圧入を行う。
【0054】
このようにして順位各ロッドの構築とケーソン躯体の圧入・沈設を繰り返して刃口を予定深度まで推し進める。
【0055】
なお、前記第1実施形態と同様に、排出パイプ19を設けてリバースサーキュレーションドリル工法等により地上に土砂を排出することを併用する場合には、排出パイプ19内にドリルビット14を配設し、泥水を通常のボーリング掘削の方向と逆に循環することにより掘削する。すなわち、ドリルビット14を回転させ地盤を切削し、その土砂を孔内水と共にサクションポンプまたはエアリフト方式などにより地上に吸上げ排出する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態を示す施工前の状態を示す側面図である。
【図2】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第1工程を示す側面図である。
【図3】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第2工程を示す側面図である。
【図4】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第3工程を示す側面図である。
【図5】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第4工程を示す側面図である。
【図6】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第5工程を示す側面図である。
【図7】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第6工程を示す側面図である。
【図8】施工しようとする基礎構造物の平面図である。
【図9】施工しようとする基礎構造物の要部の縦断面図である。
【図10】リバース工法併用の説明図である。
【図11】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態を示す施工前の状態を示す側面図である。
【図12】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第1工程を示す側面図である。
【図13】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第2工程を示す側面図である。
【図14】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第3工程を示す側面図である。
【図15】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第4工程を示す側面図である。
【図16】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第5工程を示す側面図である。
【図17】本発明の地下構造物の施工法の第1実施形態の第6工程を示す側面図である。
【図18】圧入ケーソンの施工を示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
1…グランドアンカー 2…グリッパロッド
3…ケーソン躯体 3a…刃口
4…支圧盤
5…反力桁 6…圧入ジャッキ
7…基礎構造物 8…仕切り壁
9…壁体 10…構造物設置地盤
11…地盤改良 12…埋戻土
13…ボーリングマシン 14…ドリルビット
15…サンクションホース 16…パワーユニット
17…水槽 18…水中ポンプ
19…排出パイプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物設置地盤を、構造物重量と沈設時の側壁摩擦抵抗を考慮して、構造物の圧入沈設に都合のよい埋戻地盤強度を付与するため、掘削土等にセメント等の改良材を適宜に配合して構造物着底深度まで地盤改良し、この改良された地盤上に、ケーソン躯体を構築し、ケーソン躯体の近傍に設置したグランドアンカーを反力として、圧入ジャッキでケーソン躯体を圧入沈設することを特徴とした地下構造物の施工法。
【請求項2】
地盤改良は、構造物内空部を含めた範囲を行う請求項1記載の地下構造物の施工法。
【請求項3】
地盤改良は、構造物壁厚相当分だけ溝状に掘削して行う請求項1記載の地下構造物の施工法。
【請求項4】
ケーソン躯体を構築時に、ケーソン刃口から地上に土砂を排出する排出パイプを設けておき、ケーソン躯体を圧入時に、リバース工法等により地上に土砂を排出する請求項1ないしは請求項3のいずれかに記載の地下構造物の施工法。
【請求項1】
構造物設置地盤を、構造物重量と沈設時の側壁摩擦抵抗を考慮して、構造物の圧入沈設に都合のよい埋戻地盤強度を付与するため、掘削土等にセメント等の改良材を適宜に配合して構造物着底深度まで地盤改良し、この改良された地盤上に、ケーソン躯体を構築し、ケーソン躯体の近傍に設置したグランドアンカーを反力として、圧入ジャッキでケーソン躯体を圧入沈設することを特徴とした地下構造物の施工法。
【請求項2】
地盤改良は、構造物内空部を含めた範囲を行う請求項1記載の地下構造物の施工法。
【請求項3】
地盤改良は、構造物壁厚相当分だけ溝状に掘削して行う請求項1記載の地下構造物の施工法。
【請求項4】
ケーソン躯体を構築時に、ケーソン刃口から地上に土砂を排出する排出パイプを設けておき、ケーソン躯体を圧入時に、リバース工法等により地上に土砂を排出する請求項1ないしは請求項3のいずれかに記載の地下構造物の施工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−231810(P2008−231810A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−74006(P2007−74006)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000112196)株式会社ピーエス三菱 (181)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000112196)株式会社ピーエス三菱 (181)
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