説明

地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置及び使用方法

【課題】車両用タイヤに対する地下構造物用蓋体表面の摩擦係数を正確に測定する。
【解決手段】車両用タイヤに対する地下構造物用蓋体表面の摩擦係数を測定するための装置として、実際に地下構造物用蓋体として使用可能かつほぼ水平に配置する測定蓋体11と、実際に車両用タイヤとして使用可能かつ走行の可能な測定タイヤ15とを具備し、測定蓋体の表面に測定タイヤが接触して回転するように、測定蓋体と測定タイヤを昇降機構14により相対的に接触、離間可能に配置し、測定蓋体表面の中心に対してほぼ直交する配置を取る主軸16の回転により、測定タイヤが測定蓋体の表面に設定された径路を周回することにより実際の走行に近い条件を作り出し、上記測定タイヤを回転状態から制動機構21によりロックさせたときに、ロードセル類により測定された測定タイヤに発生した接地荷重、及び摩擦力に基づいて摩擦係数を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用タイヤに対する地下構造物用蓋体表面の摩擦係数を測定するための装置及び使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
降雨等により濡れたマンホール鉄蓋上において2輪車の転倒事故が後を絶たないことから、その対応が様々模索されている。自動2輪車を使用するものにとって濡れた鉄蓋に注意することは常識であるが、このことは原付自転車クラスの使用者には必ずしも周知されていない。雨天時のアスファルト舗装路の摩擦係数は0.45〜0.6前後であるのに対して、マンホール鉄蓋などの濡れた金属製品における摩擦係数は0.2前後になり、道路上において摩擦係数が急変することになる。このため、特に走行安定性の低い原付自転車クラスでは僅かなスリップでも転倒し易く、滑走した場合には思わぬ大事故になる可能性がある。
【0003】
鉄蓋メーカーでは、鉄蓋表面に凹凸柄のスリップ防止パターンを形成したり、さらに防滑塗料を充填したりしてスリップ防止に努め、或いは着色により注意を喚起するなどの対策を講じているが、凹凸柄のデザインは都市ごとに異なるため、スリップ防止性能も同一とはいえず、鉄蓋の採用に当たり摩擦係数の確認が必要である。滑り抵抗を測定する技術は様々であるが、ASTM:E−1911−98に規定された、日邦産業株式会社のDFテスター(同社商標)に関する特許第1129813号、同1641983号、同1671471号の発明は、路面摩擦測定用ゴム体を回転させて路面に接触させたときの諸条件から摩擦係数と速度の関係を自動的に記録できるものである。これは規格化されていることからも理解されるように一つの標準的な指標ともなっているけれども、ゴム体又はそれに類似の測定部材を使用するもので、自動2輪車のタイヤとマンホール鉄蓋表面との間の摩擦係数の測定に好適であるとはいえない。
【0004】
また、ASTM:E−303−93には「英国式振り子滑り抵抗試験機を用いる表面摩擦特性の測定方法」いわゆるBPN試験機と呼ばれる測定機があり、国内にも小野式携帯型滑り試験機(昭和59年度に東北工業大学小野英哲研究室で開発されたO−Y・PSM(原機)の携帯版)が知られている。しかし、これらはどちらも歩行者(の靴)と舗道或いは床材に対する滑りを評価するものであり、速度領域が異なり、自動2輪車のタイヤとマンホール鉄蓋の間の摩擦係数の測定に適するともいえない。
【0005】
また、特開平10−38791号は地下構造物容蓋の蓋表面の静摩擦係数及び動摩擦係数を高い精度で検出できることをねらった発明であるが、静止状態に近い条件の試験であり、タイヤの溝と鉄蓋表面の凹凸柄との組み合わせにより、測定値に極端な差が出るとの指摘がある。特開2003−232721号の発明は凹凸の激しい被測定面であっても正確に測定できる動摩擦係数測定装置であるとされている。しかしながら、時速30kmで3秒間測定するためには十数メートルの距離が必要であり、直径0.6メートル程度の鉄蓋では測定することができない。このように、従来の測定方法や装置では測定部が実際とは異なっており、近似値を測定することになる。JH試験研究所(日本道路公団)が使用している大型すべり試験車は走行しながら測定タイヤを道路に接触させて測定を実施するため、正しい測定結果を得ることができると考えられるが、地下構造物用鉄蓋の表面を通過する時間は極短秒時となり、正確な測定を望むことができない。
【0006】
【特許文献1】特開昭53−57082号
【特許文献2】特開昭60−6847号
【特許文献3】特開昭60−149946号
【特許文献4】特開平10−38791号
【特許文献5】特開2003−232721号
【非特許文献1】ASTM:E−1911−98
【非特許文献2】ASTM:E−303−93
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記の点に着目してなされたものであり、その課題は、車両用タイヤに対する地下構造物用蓋体表面の摩擦係数を正確に測定することである。また、本発明の他の課題は、実際の走行に近い状態において地下構造物用蓋体の表面を走行する、例えば2輪車のタイヤの蓋体表面に対する動摩擦係数を測定可能とすることである。また本発明の他の課題は、マンホール鉄蓋程度の非常に小型のしかも実用性のある地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置を提供することである。また本発明の他の課題は、摩擦係数の測定時間を自由に制御できる方法を具体化することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するため、本発明は、車両用タイヤに対する地下構造物用蓋体表面の摩擦係数を測定するための装置として、
実際に地下構造物用蓋体として使用可能であり、かつほぼ水平に配置する測定蓋体と、実際に車両用タイヤとして使用可能であり、かつ走行の可能な測定タイヤとを具備し、
測定蓋体の表面に測定タイヤが接触して回転するように、測定蓋体と測定タイヤを昇降機構により相対的に接触、離間可能に配置するとともに、
測定蓋体表面の中心に対してほぼ直交する配置を取る主軸の回転により、測定タイヤが測定蓋体の表面に設定された径路を周回することにより実際の走行に近い状態を作り出し、
上記測定タイヤを回転状態から制動機構によりロックさせたときにおいて、ロードセル類により測定された測定タイヤに発生した接地荷重、及び摩擦力に基づいて摩擦係数を算出する構成を有するものとするという手段を講じたものである(請求項1記載の発明)。
【0009】
本発明に係る摩擦係数測定装置は、2輪車のタイヤに対する地下構造物用蓋体表面の摩擦係数を可能な限り正確に測定することを、一つの目的とするものである。φ600mmの標準的な直径を有するマンホール鉄蓋の表面を通る、例えば原付自転車の10インチホイール用タイヤなどは本発明を実施する際の典型的なサイズと考えて良い。本発明では実際の走行に近い状態における測定を実施するために、実際に地下構造物用蓋体として使用可能な表面の凹凸柄を有するものを測定蓋体とし、実際に2輪車用タイヤとして走行可能であるものを測定タイヤとして使用する。言い換えれば測定蓋体も測定タイヤも実物が測定に用いられ、測定タイヤには所定圧力の空気を注入して行うということである。なお、軽自動車用の小径タイヤ、或いは地下構造物用蓋体表面において回転させることが可能なサイズのタイヤなども測定タイヤとなり得ることは当然である。
【0010】
本発明においては、測定蓋体の表面に測定タイヤが接触して回転するように、測定蓋体と測定タイヤを昇降機構により相対的に接触、離間可能に配置する構成を取る。相対的であるということから、昇降機構は測定蓋体を支えているテーブルを測定タイヤに対して上下させるか、或いは主軸の軸方向移動により測定タイヤを測定蓋体に対して上下させるかの何れか一方又は両方の構成を取ることが可能である(請求項2記載の発明)。即ち、測定蓋体を支えているテーブルを測定タイヤに対して上下可能とし、かつまた主軸の軸方向移動により測定タイヤを測定蓋体に対して上下可能として、昇降機構を二重に備えることも許容される。
【0011】
本発明では、測定蓋体表面の中心に対してほぼ直交する配置を取る主軸の回転により、測定タイヤが測定蓋体の表面に設定された径路を周回することにより実際の走行に近い条件を作り出す。主軸は、測定蓋体が円形鉄蓋の場合には円の中心と一致する位置に配置する。また方形鉄蓋の場合には対角線の交点と一致するように主軸を配置する。さらに主軸はそれを中心として半径方向に設けられた固定軸と、固定軸に対して回転可能な回転軸とから成るスリーブ継手を有するものとし、測定タイヤは上記スリーブ継手を構成する回転軸に取り付け、上記固定軸の側に制動機構及びロードセル類を配置することは好ましい構成である(請求項3記載の発明)。このスリーブ継手は、筒軸と筒軸に対して軸周りに回転可能、かつ軸方向(半径方向)へスライド可能配置な関係を有する構造を持つこともできる。測定タイヤは、その回転半径を調節可能とするために、測定蓋体のサイズに応じてスリーブ継手の回転軸を交換して回転半径を変更可能にするか、或いは測定中に伸縮機構により回転軸を軸方向へ移動させて回転半径を変更可能にすることができ、それによって測定蓋体のサイズに応じて選択的に変更可能にするか、或いは蓋体表面において広い範囲を対象とした測定が可能になる(請求項4記載の発明)。
【0012】
スリーブ継手は主軸を中心として半径方向2方向(直径方向)にも設けることができ、その内の一方のスリーブ継手に測定タイヤを設け、他の一方に荷重のバランスを取るカウンタータイヤを設けることができる(請求項5記載の発明)。マンホール鉄蓋には蓋体の外周面と受け枠の内周面がテーパー面で食い込みを生じるテーパー嵌合蓋が一般的であるが、テーパー嵌合の不十分な鉄蓋もあり、その他に、食い込みを生じない平受けと称する鉄蓋がある。嵌合の不十分な鉄蓋を使用した場合、タイヤ接地部の反対側が持ち上がって試験を行なえなくなる事態を想定することができるが、上記のカウンタータイヤを装備して蓋体表面に加える荷重のバランスを取ることにより支障なく試験を行なうことができるようになる。
【0013】
上記の測定タイヤを回転状態から制動機構によりロックさせたときにおいて、ロードセル類により測定された測定タイヤに発生した接地荷重、及び摩擦力に基づいて摩擦係数を算出する。接地荷重及び摩擦力を制動後ロックに到る間も測定できないわけではないが、速度などとの対応関係を取り難い場合には、制動開始からロックまでの摩擦力変化の傾向を定性的に知ることに利用できる。ロードセル類としては、圧力ゲージ、歪みゲージ(ストレインゲージ)などを使用することができる。上記の測定はドライ状態でもウエット状態でも実施することができ、後者の場合に対応するために、測定蓋体の表面をウエット状態にする給水装置を備えるものとする(請求項6記載の発明)。
【0014】
主軸はその下端部にほぼ水平に配置した基盤を有し、基盤は主軸を中心とする所定半径の位置にタイヤセットの取り付け部を有しており、タイヤセットはフォークにタイヤを装着したものから成り、フォークごと基盤の取り付け部に着脱するという構成を有することができる(請求項7記載の発明)。基盤はタイヤセットを取り付けるために設けられるもので、円盤状の形態のほか直線状などの形態も取り得る。円盤状の形態の場合、重量はややかさむが慣性モーメントが大きいので、ブレーキング時における主軸回転数の低下傾向が緩和になり、また、円盤という形状から回転バランスの乱れが少なくなり、摩擦係数測定装置全体の振動防止の面においても有利である。これに対して直線状の形態の場合には回転部分の軽量化が可能である反面、慣性モーメントが相対的に小さいなど一長一短がある。
【0015】
タイヤをフォークに装着してタイヤセットを構成するとともに、タイヤセットとして扱えるようにすることは有意の構成である。即ちフォークの取り付けに必要なボルト個数は最小限1個、多くても2個を使用すれば十分であるから、ハブボルトの個数よりも少なくなり、タイヤセットごと基盤に取り付けることで、数個のハブボルトを1個ずつ緩めたり締めたりしなくてもタイヤを容易に交換することができる。また、取り付け箇所を半径方向に数箇所設けておくことで、測定蓋体表面を周回するタイヤの回転半径も容易に変更することができる。
【0016】
主軸とその下端部に取り付ける基盤との間にトルク検出用ロードセル類を配置し、かつまた、測定蓋体を支えるテーブルを上下2枚から成るものとし、上下のテーブル間に荷重検出用ロードセル類を配置した構成を取ることは、望ましい構成である(請求項8記載の発明)。ロードセル類をタイヤ近辺に設ける場合、測定蓋体の表面をウエット状態にする給水のために水を被る恐れがあるので、ロードセル類の耐久性を損なう原因となり、ロードセル類として多軸荷重検出ロードセルを使用した場合には構造も複雑で高価格なこともあり、損害は小さくない。これに対して、ロードセル類を荷重検出用とトルク検出用に分け、タイヤセットが取り付けられる基盤と主軸との間にトルク検出用ロードセル類を配置し、測定蓋体を支えるテーブルの下に荷重検出用ロードセル類を配置することにより、水を被る恐れがなくなる。また、トルク検出用ロードセル類と、荷重検出用ロードセル類の2種を必要とするが、比較的単純かつ低価格なものであり、取り扱いが容易であるなど利点も多い。
【0017】
測定蓋体を支えるテーブルを上下2枚から成る構成とすることは、測定精度の向上に寄与する。即ち、テーブルはタイヤ引きずりトルクにより回転力を受けるので、テーブルに直接ロードセル類を配置すると、接地荷重以外の横力がロードセル類に加わり、測定精度を低下させる原因となる。このため、上記回転力を受けて微回転する上テーブルについては、例えば装置を構成する四本の支柱に係合させて回転力を受け止め、回転力を受けない下テーブルにロードセル類を設置するとともに、ロードセル類と上テーブルとを球面座金等によって相対移動可能に繋がった構成とすることにより、測定精度に影響を与える横力をロードセル類に加えずに済ませることができる。従って接地荷重を検出するロードセル類は下テーブルに3箇所(平面を決定する安定点)配置するものとし、下テーブルは例えば4個の昇降装置によって支えるものとし、荷重の分散を図ることができる。
【0018】
さらに本発明によれば、実際に地下構造物用蓋体として使用可能であり、かつほぼ水平に配置する測定蓋体と、実際に車両用タイヤとして使用可能であり、かつ走行の可能な測定タイヤとを具備し、測定蓋体の表面に測定タイヤが接触して回転するように、測定蓋体と測定タイヤを昇降機構により相対的に接触、離間可能に配置するとともに、測定蓋体表面の中心に対してほぼ直交する配置を取る主軸の回転により、測定タイヤが測定蓋体の表面に設定された径路を周回することにより実際の走行に近い条件を作り出し、
上記測定タイヤを回転状態から制動機構によりロックさせたときにおいて、ロードセル類により測定された測定タイヤに発生した接地荷重、及び摩擦力に基づいて摩擦係数を算出する構成を有する地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置を使用するに当たり、
測定タイヤをロックさせたまま主軸を回転させることで、測定時間を自由に制御できるように構成するという方法を取ることができる(請求項9記載の発明)。
【0019】
請求項1記載の装置を使用して、測定タイヤをロックさせたまま主軸を回転させることで、測定時間を自由に制御できるように構成することができるが、これは本発明に係る装置を使用することによって初めて実現できることであり、ここに本発明の特質を見ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は以上のように構成されかつ作用するものであるから、車両用タイヤに対する地下構造物用蓋体表面の摩擦係数を、実物の測定蓋体と実物の測定タイヤを使用して測定蓋体の表面に設定された径路を周回させることにより正確に測定することができるという効果を奏する。また本発明によれば、実際の走行に近い条件において地下構造物用蓋体の表面を走行する車両用タイヤの特に動摩擦係数を測定することができる。また本発明によれば、マンホール鉄蓋程度の非常に小型のしかも実用性のある地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置を提供することができる。また本発明によれば、タイヤをフォークに装着したタイヤセットとして扱えるようになるので、タイヤ交換が非常に容易化され、さらに測定蓋体を支えるテーブルを上下2枚から成るものとし、かつトルク検出用ロードセル類と、荷重検出用ロードセル類を分けて配置することができるので、装置構成の自由度が高まり、かつ精度も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下図示の実施形態を参照しながら本発明に係る地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置10をより詳細に説明する。図1ないし図3は本発明による例1の装置を示しており、実際に地下構造物用蓋体として使用されるφ600mmの標準的な直径を有するマンホール鉄蓋を測定蓋体11として使用する。例1のマンホール鉄蓋は、その外周のテーパー面にて受け枠12の内周のテーパー面とテーパー嵌合を生じるテーパー嵌合蓋であり、上記受け枠12はテーブル13に据え付けられ、テーブル13は昇降機構14によって上下に移動可能に設けられている。測定蓋体11の表面には約6mmの高低差を有する凹凸柄11aが滑り止めとして形成されており、この滑り止めによる摩擦係数は、アスファルト舗装路面における摩擦係数と適合する。なお、昇降機構14は測定タイヤ15に加える荷重設定の他、タイヤ交換、タイヤサイズの変換にも対応可能とする。
【0022】
測定タイヤ15として本実施形態では実物の2輪車用タイヤを所定の空気圧で使用するものとし、例1における供試タイヤは原付自転車の10インチホイール用タイヤである。測定タイヤ15は、測定蓋体表面の中心に対してほぼ直交する配置を取る主軸16の下端に配置される。例1の主軸16の下端にはそれを中心として半径方向に固定取り付けされた固定軸17と回転軸18から成るスリーブ継手19が設けられており、測定タイヤ15はスリーブ継手19を構成する上記回転軸18に着脱交換が容易に取り付けられている。主軸16はモーター20によって駆動されており、測定タイヤ15を測定蓋体に接触させることにより、従回転させることになる。かくして測定タイヤ15と測定蓋体11の間には、蓋体表面に設定された径路を周回する、実際の走行に近い条件が作り出される。なお測定タイヤ15の回転は主軸16の主回転に基づく従回転であるが、実際の車輪と同様に駆動することも可能である。
【0023】
昇降機構14は測定蓋体11を支えているテーブル13に対して測定タイヤ15を主軸の軸方向移動により上下させる構成を取っても良い。図4はその例2を示しており、装置フレームの上部に昇降機構14によって上下移動する上部テーブル13aを設けてこのテーブル13aにモーター20とそれによって駆動される主軸16を設置している。他の構成については例1に関する前記の説明と同様で良いので、符号を援用し、詳細な説明は繰り返さない。
【0024】
上記スリーブ継手19を構成する固定軸17と回転軸18との間に測定タイヤ15を回転状態からロックさせる制動機構21を設置し、かつ、ロックさせたときにおいて蓋体表面と測定タイヤ15との間に発生した摩擦力を測定するために歪みゲージから成るロードセル類22を設置する。例示の場合、ロードセル類22にはタイヤ接地荷重(f1)と摩擦力(f2)を同時に測定できる2軸用歪みゲージを使用し、その出力を、測定装置演算部を構成するPC(パーソナルコンピューター)に入力し、測定装置演算部では測定された摩擦力に関するデータを測定タイヤ15に発生した接地荷重のデータとともに所定のソフトウエアにより演算処理する。これに対して、1軸用のひずみゲージを2枚使用して、接地荷重、摩擦力を夫々別に測定することも勿論容易になし得る(図7参照)。
【0025】
本発明の装置10は、測定蓋体11の表面をウエット状態にするための給水装置23を備えている。例示の給水装置23は、測定蓋体11とほぼ同形のリング状に形成された散水パイプ24の内周に測定蓋体11の表面に散水を行なうために多数のノズル25を設けたもので、24aは給水部を示す。多数のノズル25は蓋体表面の全面が均等に早く濡れるように、向きを変えて多数形成されている。給水装置23により測定タイヤ15の接地面にウエット状態を作り出すことができる(図5参照)。なお、給水部24aの接続部を気液切り換え式とすることにより、ドライ状態とウエット状態の切り換えを迅速に行えるようになる。
【0026】
測定タイヤ15の回転半径を調節可能とすることによって、周回径路の半径を測定蓋体11のサイズに応じて変更可能にした構成とすることができる。図6は本発明の例3を示しており、スリーブ継手19の回転軸18の先端に設けられている接続フランジ18aに、同様の接続フランジ26aを有する延長軸26を介在させる方式であり、この方式によれば長さの異なる延長軸26を複数個用意するだけで、機構的変更を必要とせずに測定タイヤ15の周回径路半径の大小を調節することができる。図7は周回径路半径を動的に調節可能にする本発明の例4を示しており、回転軸18を油圧機構により軸方向へ移動させ(図8参照)、それによって周回径路半径を外部操作で変更可能とした例である。図8のものは、スリーブ継手19にピストン18′とシリンダー17′とから成る伸縮機構を追加し、ポンプにより加圧された油圧をポート17aより加えたときに、ピストン18′が押し出され測定タイヤ15が外方へ移動して回転半径を増し、或いは油圧をポート17aから抜いてシリンダー17′内を負圧にすることにより、大気圧にて測定タイヤ15が押し戻され回転半径を減じる構成を有している。このようにして周回径路半径を調節することにより、図7A、Bの下段にそれぞれ示すように測定範囲の幅を拡大することができる。
【0027】
マンホール鉄蓋は、蓋体の外周面と受け枠の内周面がテーパー面で食い込みを生じるテーパー嵌合蓋が一般的であるが、前記のようにテーパー嵌合の不十分な鉄蓋や、食い込みを生じない平受けと称する鉄蓋もあり、嵌合の不十分な鉄蓋を使用した場合には図9に示すように、タイヤ接地部の反対側が持ち上がって試験を行なえない事態となることが想定されるので、予めカウンタータイヤを装備して蓋体表面に加える荷重のバランスを取ることができる。図10は本発明の装置の例5を示しており、主軸16を中心として半径方向2方向すなわち直径方向にスリーブ継手19、19′を設け、その内の一方のスリーブ継手19に測定タイヤ15を設け、他方のスリーブ継手19′には荷重のバランスを取るカウンタータイヤ15′を設けており、上記測定タイヤ15とカウンタータイヤ15′の回転半径は同一とする。上記例5についても、これまでに示した本発明の実施形態の例2(上下に設置可能な昇降装置)、例3及び例4(周回径路半径の大小を調節)を適用することができる。
【0028】
このような本発明の装置10を使用するには、図外の制御部の操作により昇降機構14を作動させることにより、まず測定蓋体11と測定タイヤ15とを適切な圧力で接触させる。図3は上記の状態を示している。この状態においてさらに制御部を操作すると、モーター20が始動し、主軸16が回転することにより、測定蓋体11の表面に圧接している測定タイヤ15が回転軸周りに回転を開始すると同時に、測定蓋体11の表面を予め設定された径路で周回を行うようになる。従って、測定タイヤ15の回転は、主軸16の回転に伴い、蓋体表面との摩擦によって生じる。
【0029】
測定タイヤ15の回転が規定速度に達したことを確認し、制御部の操作により制動機構21を作動させ、測定タイヤ15にロックを生じさせると測定蓋体表面の凹凸柄11aによる摩擦係数に応じた接線力が発生する。このときモーター20の回転を継続することにより、摩擦係数測定時間を自由に制御することができるが、これは本発明の装置10を使用することによって始めて可能になる新規な測定方法である。また、測定タイヤ15が測定蓋体11の表面に設定された径路を周回し続けるという本発明特有の効果は、正確な測定には不可欠の条件である。しかも、実際の走行に近い条件が作り出されているので理想的な測定結果が得られる。このような実際に近い条件において、接地荷重と摩擦力がロードセル類22により検出され、演算部において次式、
摩擦係数=摩擦力(f2)/接地荷重(f1)
により算出されるものである。
【0030】
さらに、図11以下の各図を参照して本発明による例6の装置30について説明する。例6の装置30も、実際に地下構造物用蓋体として使用されるφ600mmの標準的な直径を有するマンホール鉄蓋を測定蓋体11として使用し、かつまた、原付自転車の10インチホイール用タイヤを供試タイヤとするもので、テーパー嵌合蓋であることや、表面に約6mmの高低差を有する凹凸柄11aが形成されていることなどについては、例1の場合と同様である。例6の装置30は、タイヤをフォーク41と一体のタイヤセット40とし、かつまたロードセル類としてトルク検出用ロードセル類と荷重検出用ロードセル類を用いることを特徴とする。なお、例1などと共通する構造部分については符号を援用し、説明は繰り返さない。
【0031】
例6においてモーター軸に接続されている主軸31は短軸であり、主軸31の下端部にスリップリング32を介在させてトルク検出用ロードセル類33を設置し、引きずりトルクを計測するものとし、さらにその下端部に主軸軸方向に対して直交するほぼ水平な配置をもって基盤34を取り付けている。基盤34は、図14に示したように、慣性モーメントが大きい円盤状の形態を有しており、円盤の直径方向の線上の任意の位置にタイヤセット取り付け部35を測定タイヤ用とカウンタータイヤ用の2箇所設けている。タイヤセット取り付け部35は3個の軸孔36a、36b、36cとこれらの孔列に沿って基盤下面に形成された係合溝38を有しており、タイヤセット40をその取り付け基部39にて着脱可能に取り付けるように構成されている。またカウンタータイヤ取り付け部35′も、3個の軸孔36a′、36b′、36c′とこれらの孔列に沿って基盤下面に形成された係合溝38′を有している。タイヤセット40はフォーク41とフォーク41に装着済みのタイヤ42を1組とし、係合溝38に取り付け基部39にて係合させ軸孔36a〜36cにボルト37を嵌め合わせて取り付けられる。これはカウンタータイヤについても同様である。
【0032】
タイヤセット取り付け部35は円盤の直径方向の線上の任意の位置(36a〜36c)に設けることができるので、図16A(軸穴36cに組み付け)、図16B(軸穴36aに組み付け)の例7に示すように、異なった測定蓋体11のサイズに合わせて複数箇所用意する。また、測定タイヤ42のみを使用したときには、その接地荷重の反作用として測定蓋体11の浮上が生じ得る(図18)。そこで、タイヤセット取り付け部35を円盤の直径方向の線上の対称の位置に設けるとともに、一方のタイヤセット取り付け部35に測定タイヤ42を装着し、他方のタイヤセット取り付け部35′にはカウンタータイヤ42′を装着することができる(図19)。なお、タイヤセット40には、フォーク41に装着した測定タイヤ42の回転軸44に作用して、測定タイヤ42を回転状態からロックさせる制動機構45が設けられている。しかし、カウンタータイヤ42′に制動は必ずしも要しない。
【0033】
例6の装置において、受け枠12は上下2枚から成るテーブル46、47の上テーブル46に据え付けられている。上記上下2枚のテーブル46、47は、4箇所に設置した昇降機構48によって全体が上下方向へ移動可能に支持されている。ここで上テーブル46については、タイヤ引きずりトルクにより回転力を受けて微回転するので、その四隅にて装置フレームを構成する4本の支柱49に係合させて回転力を受け止め、回転力を受けない下テーブル47に荷重検出用ロードセル類50を3箇所等間隔に設置するとともに、上記ロードセル類50と上テーブル46とを、球面座金51によって相対移動可能に繋がった構成としている(図20)。これにより、テーブルに直接ロードセル類を配置した場合に、接地荷重以外の横力(横方向荷重)がロードセル類に加わり、測定精度を低下させる原因となることを防止している。
【0034】
例6の装置においても、装置フレームの上部に昇降機構52によって上下移動する上部テーブル52aを設け、基板34に取り付けられているタイヤセット全体を昇降させる構成を取ることができる(図17の例8参照)。従って図17の例8においては、下テーブル47を昇降させる昇降機構48は不要である。53は支持台を示すが、これも必要に応じて設ければ良い。図21は給水装置23により測定タイヤ15の接地面にウエット状態を作り出す状態を示すものであるが、同図から明らかであるように給水装置23からタイヤ接地面に散水された水は、上テーブル46の下面に配置されている荷重検出用ロードセル類50に及ばず、ましてトルク検出用ロードセル類33に及ぶことはないので、それらの機能を損ずることもなく、耐久性の向上を図ることができる。
【0035】
上記の例6及びその関連構成に係る発明においては、測定タイヤ42の取り扱いがタイヤセット40というものを単位として行われるので、実際に2輪車用タイヤとして走行可能であるものを測定タイヤとして使用する本発明において、通常は3、4個又はそれ以上の個数のハブボルトを締め付け或いは緩めて行うタイヤ着脱作業が、フォーク41を基盤34に着脱する構成を取ることにより1、2個程度の個数のボルトの着脱で済み、時間の短縮及び測定効率の向上という効果が得られ、また、タイヤセット取り付け部35を回転半径の異なる位置に複数箇所設けて置くことにより、測定タイヤ42の周回半径の変更にも容易に対応することができるという長所もある。例6以下の各例においては、タイヤセット40を吊り下げている基盤34の取り付け部分に関連して、トルク検出用ロードセル類33を配置し、測定蓋体11を支えるテーブルを上下2枚から成るものとし、上下のテーブル間に荷重検出用ロードセル類50を配置しているので、多軸荷重検出ロードセル類を使用することなく実施が可能であり、実験上不可避の散水の及ばない位置に各ロードセル類を配置可能であるから、水濡れによる耐久性の低下を心配する必要がない。また、上下2枚から成るテーブル46、47の上位のものを微回転可能とし、測定タイヤ42の引きずりトルクによる接地荷重以外の横力を吸収処理することが可能であるので、荷重検出用ロードセル類50による測定精度の向上を図ることができる。測定精度に関連しては、円盤状基盤34の慣性モーメント及び良好な回転バランスによる寄与も期待することができる。
【0036】
このように本発明においては、例えばφ600mmの標準的な直径を有するマンホール鉄蓋表面において、例えばスクーター型原付自転車程度の小径タイヤを使用して、10km/h〜30km/h或いはそれ以上の実用速度領域で実験を繰り返すことができ、しかも測定時間については全く自由に設定することができる。さらに、給水装置23を併用することにより、ドライ状態か、或いはウエット状態かの何れの条件でも実験を行なうことができる。
【0037】
なお、測定蓋体11の表面に測定タイヤが接触して回転する本発明の方式に対し、タイヤ側を固定して鉄蓋の側を水平回転させる方式も考えられる。しかしその場合には、給水装置による給水が遠心力により周囲に飛散して現実と異なる状態になり、水膜が切れてしまう問題を生じる。また、水平回転させる鉄蓋の側をしっかりと回転装置側に強固に締結しておく必要があるが、測定蓋体11を固定する本発明の方式では全体に小型化が可能であり、従って弱い締結で済むので有利である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置の例1を示す平面図。
【図2】同上の装置を示すもので、側面断面説明図。
【図3】同上の装置におけるテーブルの昇降を示す側面断面説明図。
【図4】同じく本発明に係る装置の例2を示す側面断面説明図。
【図5】本発明装置における給水状態を示す側面断面説明図。
【図6】同じく本発明に係る装置の例3を示すもので、Aは標準回転半径における側面断面説明図、Bは延長後の回転半径における側面断面説明図。
【図7】同じく本発明に係る装置の例4を示すもので、Aは延長前の回転半径における側面断面説明図、Bは延長後の回転半径における側面断面説明図。
【図8】回転軸を軸方向へ移動させる機構の一例を示す説明図。
【図9】想定される問題の説明図。
【図10】同じく本発明に係る装置の例5を示す側面断面説明図。
【図11】同じく本発明に係る装置の例6を示す平面図。
【図12】同上の装置における側面断面説明図。
【図13】同上の装置におけるテーブルの昇降を示す側面断面説明図。
【図14】同じく本発明に係る装置における基盤を示す平面図。
【図15】同じく基盤とタイヤセット及び地下構造物との関係を示す側面図。
【図16】同じく本発明に係る装置の例7を示すもので、Aは標準回転半径における側面断面説明図、Bは調節後の回転半径における側面断面説明図。
【図17】同じく本発明に係る装置の例8を示す側面断面説明図。
【図18】同じく本発明に係る装置の運転において発生し得る状態を示す説明図。
【図19】図18に示す状態の対応策の例に関する説明図。
【図20】本発明に係る装置の例6のものの要部拡大説明図。
【図21】同上における給水状態を示す側面断面説明図。
【符号の説明】
【0039】
10 摩擦係数測定装置
11 測定蓋体
12 受け枠
13 テーブル
14 昇降機構
15 測定タイヤ
15′ カウンタータイヤ
16 主軸
17 固定軸
18 回転軸
19、19′ スリーブ継手
20 モーター
21 制動機構
22 ロードセル類
23 給水装置
24 散水パイプ
25 ノズル
26 延長軸
30 摩擦係数測定装置
31 主軸
32 スリップリング
33 トルク検出用ロードセル類
34 基盤
35 タイヤセット取り付け部
35′ カウンタータイヤセット取り付け部
36 軸孔
37 ボルト
38 係合溝
39 取り付け基部
40 タイヤセット
41 フォーク
42 測定タイヤ
44 回転軸
45 制動機構
46、47 テーブル
48 昇降機構
49 支柱
50 荷重検出用ロードセル類
51 球面座金
52 昇降機構
53 支持台


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用タイヤに対する地下構造物用蓋体表面の摩擦係数を測定するための装置であって、
実際に地下構造物用蓋体として使用可能であり、かつほぼ水平に配置する測定蓋体と、実際に車両用タイヤとして使用可能であり、かつ走行の可能な測定タイヤとを具備し、
測定蓋体の表面に測定タイヤが接触して回転するように、測定蓋体と測定タイヤを昇降機構により相対的に接触、離間可能に配置するとともに、
測定蓋体表面の中心に対してほぼ直交する配置を取る主軸の回転により、測定タイヤが測定蓋体の表面に設定された径路を周回することにより実際の走行に近い条件を作り出し、
上記測定タイヤを回転状態から制動機構によりロックさせたときにおいて、ロードセル類により測定された測定タイヤに発生した接地荷重、及び摩擦力に基づいて摩擦係数を算出する構成を有する
地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置。
【請求項2】
昇降機構は測定蓋体を支えているテーブルを測定タイヤに対して上下させるか、或いは主軸の軸方向移動により測定タイヤを測定蓋体に対して上下させるかの何れか一方又は両方の構成を有している請求項1記載の地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置。
【請求項3】
主軸はそれを中心として半径方向に設けられた固定軸と、固定軸に対して回転可能に設けられた回転軸とから成るスリーブ継手を有しており、測定タイヤは上記スリーブ継手を構成する回転軸に取り付け、上記固定軸の側に制動機構及びロードセル類を配置した構成を有している請求項1記載の地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置。
【請求項4】
測定タイヤは、その回転半径を調節可能とするために、測定蓋体のサイズに応じてスリーブ継手の回転軸を交換し回転半径を変更可能にするか、或いは測定中に伸縮機構により回転軸を軸方向へ移動させて回転半径を変更可能にした構成を有する請求項3記載の地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置。
【請求項5】
スリーブ継手は主軸を中心として半径方向2方向に設けるものとし、その一方のスリーブ継手に測定タイヤを設け、他の一方に荷重のバランスを取るカウンタータイヤを設けている請求項3又は4記載の地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置。
【請求項6】
測定蓋体の表面をウエット状態にするための給水装置を備えている請求項1記載の地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置。
【請求項7】
主軸はその下端部にほぼ水平に配置した基盤を有し、基盤は主軸を中心とする所定半径の位置にタイヤセットの取り付け部を有しており、タイヤセットはフォークにタイヤを装着したものから成り、フォークごと基盤の取り付け部に着脱する構成を有している請求項1記載の地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置。
【請求項8】
主軸とその下端部に取り付ける基盤との間にトルク検出用ロードセル類を配置し、かつまた、測定蓋体を支えるテーブルを上下2枚から成るものとし、上下のテーブル間に荷重検出用ロードセル類を配置した構成を有している請求項1又は7記載の地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置。
【請求項9】
実際に地下構造物用蓋体として使用可能であり、かつほぼ水平に配置する測定蓋体と、実際に車両用タイヤとして使用可能であり、かつ走行の可能な測定タイヤとを具備し、
測定蓋体の表面に測定タイヤが接触して回転するように、測定蓋体と測定タイヤを昇降機構により相対的に接触、離間可能に配置するとともに、
測定蓋体表面の中心に対してほぼ直交する配置を取る主軸の回転により、測定タイヤが測定蓋体の表面に設定された径路を周回することにより実際の走行に近い条件を作り出し、
上記測定タイヤを回転状態から制動機構によりロックさせたときにおいて、ロードセル類により測定された測定タイヤに発生した接地荷重、及び摩擦力に基づいて摩擦係数を算出する構成を有する摩擦係数測定装置を使用する方法であって、
測定タイヤをロックさせたまま主軸を回転させることで、測定時間を自由に制御できるようにしたことを特徴とする地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−75074(P2009−75074A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−171140(P2008−171140)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000214696)長島鋳物株式会社 (38)
【出願人】(504145364)国立大学法人群馬大学 (352)