説明

地図サーバ装置

【課題】地理情報が掲載されたウェブページをクリックするだけで、お店の紹介記事と地図を出力するシステムを提供する。
【解決手段】クライアントから地図表示要求のトリガーを受付けるトリガー受付部0201と、ウェブページのトリガーURLを取得するプログラムと地図表示に必要なタグをクライアントに出力する出力部0202と、地図表示要求とURLを受信する受信部0203と、前記URLと地図表示要求にて要求された地図を識別する地図識別情報とを関連づけて蓄積する蓄積部0204と、受信した地図表示要求に応じて地図表示のための情報を出力する地図出力部0205とを有する地図サーバ装置0200を設け、コードなどが埋込まれたウェブページを対象に、コードに従った地図へのアクセス情報を収集することで、表示要求のあった地図と、要求元のウェブページのURLとを関連づけて蓄積する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば地図付で店舗を紹介するブログなどのウェブページに関して、そのウェブページのURLと、地図を示す座標情報などとを関連付けて取得するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上のウェブページには、例えば美味しいお店や景勝地を紹介するといった具合に、地理上の情報が掲載されているものがある。また、上記のような地理情報が掲載されているウェブページについて、例えば特許文献1には、テキスト解析などでページ内に記載されている座標文字列や住所文字列を取得し、それら文字列で示される位置情報と関連付けて当該ウェブページのURLなどを収集しデータベース化する技術が開示されている。
【0003】
そして上記データベースを利用して、例えば地図画像上に、当該位置と関連付けられているウェブページへのリンクアイコンなどを表示するサービスも提供されている。このサービスによって、地図画像をポータル(入口)画面として、ユーザはその位置にある例えばレストランについて紹介しているブログなどを簡単に閲覧することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−015807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし上記従来の技術には、例えば地理情報が緯度経度情報で示される場合、単なる数字列と緯度経度情報の区別をする必要があるなど、そのテキスト解析の精度に関する問題がある。あるいは本文内の地理情報のみならず例えば執筆者のプロフィール内の出身地など関係の無い地理情報をもウェブページ内から抽出してしまうなどの問題もある。そのためデータベースの正確性を確保することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明は、以下のような機能を備える地図サーバ装置を提供する。すなわち上記地理情報が掲載されたウェブページには、例えば紹介しているお店の所在地を示す地図画像の表示要求用のコードなどが埋め込まれていることがある。そしてユーザは当該コードなどにしたがってウェブページ上に表示された地図画像を参照することで、レストランの紹介記事と共にそのお店の場所も容易に知ることができる。
【0007】
そこで本発明では上記コードなどが埋め込まれたウェブページを対象に、当該コードなどにしたがった地図へのアクセス情報を収集することで、表示要求のあった地図と、その要求元のウェブページのURLとを関連付けて蓄積する機能を備える地図サーバ装置を提供する。
【0008】
具体的に、クライアントから所定の地図表示の要求のトリガーを受付けるトリガー受付部と、トリガーの受付に応じて、そのトリガーを生成するに際して参照したウェブページのURLをクライアントから取得するためのクライアント用のプログラムと、地図表示に必要なタグと、をクライアントに出力するための出力部と、出力部から出力されたタグを用いて生成された地図表示要求と、出力部から出力されたプログラムによって送信された前記URLを受信する受信部と、前記URLと、地図表示要求にて要求された地図を識別する地図識別情報とを関連付けて蓄積する蓄積部と、受信した地図表示要求に応じてクライアントに対して地図表示のための情報を出力する地図出力部と、を有する地図サーバ装置である。
【0009】
また、前記プログラムによるURLの取得を、ビーコン画像へのアクセスを利用して行う地図サーバ装置も提供する。具体的には、上記構成を有し、その出力部が、前記URLの取得をビーコン画像へのアクセスを利用して行うプログラムである画像アクセスプログラムを出力する画像アクセスプログラム出力手段を有し、かつその受信部が、前記URLの受信としてビーコン画像へのアクセスを受信する画像アクセス受信手段を有することを特徴とする地図サーバ装置である。
【0010】
また、その蓄積部が、さらに前記参照したウェブページのURLと、出力した地図の中心座標とを関連付けて蓄積する座標蓄積手段を有する地図サーバ装置も提供する。
【0011】
また、上記構成を備える地図サーバ装置と、前記トリガーをクライアントから出力させるためのGUIを含む前記参照されるウェブページを出力するウェブページ出力部を有するウェブサーバ装置と、からなる地図システムも提供する。またこれら地図サーバ装置や地図システムの動作方法も合わせて提供する。
【発明の効果】
【0012】
以上のような構成をとる本発明によって、地理情報を記載しているウェブページに関して、当該ウェブページと記載されている地理情報とを正確に関連付けて蓄積したデータベースを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1の地図サーバ装置によるデータベース構築の一例を説明するための図
【図2】実施例1の地図サーバ装置における機能ブロックの一例を表す図
【図3】実施例1の地図サーバ装置のトリガー受付部で受け付けるトリガーの一例について説明するための図
【図4】実施例1の地図サーバ装置の出力部から出力されるプログラムの一例について説明するための図
【図5】実施例1の地図サーバ装置の蓄積部にて蓄積されるURLと地図を示す座標の一例を表す概念図
【図6】実施例1の地図サーバ装置におけるハードウェア構成の一例を表す図
【図7】実施例1の地図サーバ装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図8】実施例2の地図システムの概要を説明するための図
【図9】実施例2の地図システムにおける機能ブロックの一例を表す図
【図10】実施例2の地図システムにおける処理の流れ一例を表すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施例1は、主に請求項1、2、3、5、6、7について説明する。また、実施例2は、主に請求項4、8について説明する。
【0015】
≪実施例1≫
<概要>
図1は、本実施例の地図サーバ装置によるデータベース構築の一例を説明するための図である。ここで、ユーザAがクライアント端末から美味しいレストランを紹介しているブログにアクセスした。すると、このブログには、ブログ記事内で紹介しているレストランの所在地を示す地図画像を表示するためのコードが埋め込まれており、そのコードに応じた処理によってレストラン所在地を示す地図画像が本実施例の地図サーバ装置から返信されることになる。このようにして図1(a)に示すようにユーザAのクライアント端末上で当該ブログページが表示される際には、地図画像もあわせて表示されるよう構成されている。
【0016】
そして本実施例の地図サーバ装置は、上記ブログページなどに埋め込まれたコードに応じた処理によって地図画像をクライアント端末に返信する処理と合わせて、そのコードが埋め込まれているブログページのURLを取得し、図1(b)に示すように返信した地図画像の座標情報などと関連付けてデータベースに記録する、という具合である。
【0017】
このようにして、レストラン紹介ブログのような地理情報を記載しているウェブページに関して、当該ウェブページと記載されている地理情報とを正確に関連付けて蓄積したデータベースを構築することができる。そしてそのようなデータベースを利用して、例えば地図からウェブページを検索するサービスなどを提供することができる。
【0018】
<機能的構成>
図2は、本実施例の地図サーバ装置における機能ブロックの一例を表す図である。なお、以下に記載する本地図サーバ装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザ・インターフェース用アプリケーションなどが挙げられる。
【0019】
そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力され、メモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。また、この発明は地図サーバ装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を記録媒体に固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0020】
そして、この図2にあるように、本実施例の「地図サーバ装置」(0200)は、「トリガー受付部」(0201)と、「出力部」(0202)と、「受信部」(0203)と、「蓄積部」(0204)と、「地図出力部」(0205)と、を有する。
【0021】
「トリガー受付部」(0201)は、クライアントから所定の地図表示の要求のトリガーを受付ける機能を有し、例えば通信IF(インターフェース)やCPU(中央演算装置)、主メモリ、トリガー受付プログラムなどによって実現することができる。なお「トリガー」とは、所定の地図表示要求を行う際のトリガーとなる情報をいい、例えば、スクリプトタグなどで記述された地図表示用のコードが埋め込まれたウェブページをユーザのクライアント端末装置にて表示する際に、当該スクリプトタグに応じて自動的に生成されるHTTPリクエストなどが挙げられる。あるいは、埋め込まれたコードに応じてウェブページ上に配置された地図表示用ボタンをクリックすることで生成されるHTTPリクエストなども挙げられる。
【0022】
図3は、このトリガー受付部で受け付けるトリガーの一例について説明するための図である。この図にあるように、ウェブページのHTML文書内に、例えば「script〜src="http://japanmap〜」といった具合のスクリプトタグで記述されたアクセスコードαが埋め込まれている。そして、ユーザがクライアント端末にて当該コードが埋め込まれたウェブページを表示させると、コードで示されるアドレスにアクセスするHTTPリクエストがクライアント端末にて生成、送信される。そして本実施例の地図サーバ装置では、このトリガー受信部にてその送信されたHTTPリクエストをトリガーとして受信する、という具合である。
【0023】
なお、上記ウェブページに埋め込まれた地図表示用のコードは、例えば以下のようにして生成されると良い。すなわち、当該ウェブページの作成者などが地図サーバ装置にアクセスし、自身のウェブページに表示させたい地図や地図上アイコンの住所やランドマーク名、あるいは緯度経度情報をGUIにしたがって入力する。すると、その入力情報で特定される地図画像をウェブページ上で表示するためのコードが地図サーバ装置によって生成される、という具合である。そして、このようにして生成されたコードがウェブページ作成者などに通知されると、当該作成者は自身のウェブページのソース内にそのコードを埋め込み、地図画像をウェブページ上に表示することが可能になる。
【0024】
「出力部」(0202)は、トリガーの受付に応じて、クライアント用のプログラムと、地図表示に必要なタグと、をクライアントに出力するための機能を有し、例えばCPUや主メモリ、出力プログラムによって実現できる。なお、「地図表示に必要なタグ」とは、前記のコードに含まれる表示地図の特定情報(緯度経度情報など)に基づいて生成されるタグで、例えばその緯度経度情報などを含み生成出力される。そして、クライアント端末では、当該タグを利用して所望の地図画像にアクセスするためのHTTPリクエストなどが生成される。
【0025】
また、「トリガーの受付に応じて出力されるクライアント用のプログラム」とは、トリガーの受付に応じて、そのトリガーを生成するに際して参照したウェブページのURLをクライアントから取得するためのプログラムをいい、例えばScriptなどのアプレットタイプのプログラムなどが挙げられる。
【0026】
具体的には図4に示すように、当該プログラムは例えばアプレットタイプのプログラムであって、クライアント端末にて実行されることで、前記トリガーが埋め込まれているウェブページのURLを取得する。そして、さらにこのプログラムは、サーバ装置に対して取得したURLを含むアクセス(HTTPリクエスト)を実行するという具合である。このように、本実施例のサーバ装置は、上記機能を有するプログラムをクライアント端末に出力しクライアント上で実行させることで、地図表示の際に参照されたウェブページのURLを含むアクセスログを容易に収集することができる。
【0027】
なお、図4に示すように、上記プログラムにおいては、<img>タグによるビーコン画像へのアクセスによってそのアクセス情報を収集する、いわゆる「ビーコン方式」を利用しても良い。その場合、本実施例の地図サーバ装置の出力部は、そのURLの取得をビーコン画像へのアクセスを利用して行うプログラムである画像アクセスプログラムを出力する画像アクセスプログラム出力手段を有すると良い。このようにアプレット型などのプログラムをクライアント端末上で実行させURLを取得する構成とすることで、ブラウザによるウェブページや地図画像の表示処理のバックグラウンドでURL取得の処理を実行することができる。したがって、ユーザに対して当該処理を非可視化することができ、長々とした不恰好なURLがユーザの目に入ることや、その取得したURLをアクセス用のアドレスからユーザが任意に削除することなどを防ぐことができる。
【0028】
また、さらに、例えば参照元URLを取得できるリファラ設定をブラウザ側で無効にされている場合でも、このようにアプレット型のプログラムなどによるビーコン画像へのアクセスを実行することでURLを取得することができる、という効果も奏する。
【0029】
「受信部」(0203)は、出力部から出力されたタグを用いて生成された地図表示要求と、出力部から出力されたプログラムによって送信された前記URLを受信する機能を有し、例えば通信IFやCPU、主メモリ、受信プログラムなどによって実現できる。具体的には、第一にクライアント端末にて、出力部から出力されたタグで示される例えば地図の緯度経度情報などを利用して、地図サーバ装置に当該緯度経度を中心とする所定範囲の地図画像の配信リクエストが生成される。そして、その地図画像の配信リクエストをこの受信部にて受信する、という具合である。
【0030】
また、さらに上記説明したように、第二にクライアント端末にて例えばアプレットタイプのプログラムが実行されることで、参照されたウェブページのURLが当該プログラムに取得される。そして、さらに当該プログラムが実行され、取得されたURLを含むアクセスがサーバ装置に対して実行されることで、本実施例の地図サーバ装置は、地図表示を行うウェブページのURLをこの受信部にて受信する、という具合である。またURLの受信が前述のビーコン画像へのアクセスとして受信するのであれば、この受信部はビーコン画像へのアクセスを受信する画像アクセス受信手段を有すると良い。
【0031】
「蓄積部」(0204)は、前記URLと、地図表示要求にて要求された地図を識別する地図識別情報とを関連付けて蓄積する機能を有し、例えばHDDなどの記録媒体、CPU、主メモリ、蓄積プログラムなどによって実現できる。また、URLと関連付けて蓄積される地図を示す情報はさまざまであって良く、例えば地図画像ごとに識別用のIDなどが付されていれば、それを蓄積すると良い。なお、このURLと地図識別情報とを関連付ける方法は様々であって良い。例えば、前記プログラム自身が地図表示機能を備え、同時に出力されたタグを用いた地図表示要求を、URLの取得およびサーバへの送信と合わせて実行する。そしてサーバ装置では、その同一のプログラムで送信された地図表示要求の地図とURLとを関連付ける、という具合である。あるいは前記プログラムにおいて、自身と同時に出力されたタグで示される地図識別情報をサーバ装置からの出力時などに取得するよう構成する。そしてクライアント端末からURLを送信する際に、その地図識別情報を関連付けて送信することで、受信したサーバ装置にて両者の関連付けを把握する、という具合である。
【0032】
また、この蓄積部は図示しない「座標蓄積手段」を有していても良い。「座標蓄積手段」は、さらに前記参照したウェブページのURLと、要求された地図の中心座標とを関連付けて蓄積する機能を有することで、地図の中心座標をURLと関連付けて蓄積する。図5は、この座標蓄積手段によってHDDなどに記録されたデータによって構築されたデータベースの一例を表す概念図である。もちろん、中心座標以外にも地図を示す情報として蓄積されるデータは地図の左端の座標などであっても良い。そして、このようなデータベースを使って、例えば地図画像上の所定位置に、当該位置と関連付けられているウェブページへのリンクアイコンなどを表示するサービスなどを提供することができる。
【0033】
「地図出力部」(0205)は、受信した地図表示要求に応じてクライアントに対して地図表示のための情報を出力する機能を有し、通信IFやCPU、主メモリ、地図出力プログラムによって実現することができる。具体的に、地図表示要求に含まれる例えば緯度経度情報や、画像サイズ情報などにしたがって、地図画像データベースからクライアントでの表示用の地図画像を生成し、返信する、という具合である。
【0034】
このようにして、本実施例の地図サーバ装置では、ウェブページに埋め込まれるなどしたコードにしたがって地図表示及びアクセスログを収集するための地図表示用タグとプログラムをクライアント端末に出力する。そして、当該プログラムが実行され送信されたURLと、タグに基づく地図表示要求を受信することで、地図の中心座標などとURLとを関連付けて蓄積しデータベースを構築するとともに、クライアントに対して地図画像を返信し表示させることができる。
【0035】
<ハードウェア構成>
図6は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、地図サーバ装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用して地図とURLの関連付け蓄積処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0036】
この図にあるように、地図サーバ装置は、上記各構成要件に関する各種演算処理を実行するための「CPU」(0601)と、「主メモリ」(0602)と、を備えている。また蓄積部である「HDD」(0603)や、トリガー受付部、受信部、地図出力部である「通信IF」(0604)なども備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0037】
また、「主メモリ」にはプログラムが読み出され、「CPU」は読み出された当該プログラムを参照し、プログラムで示される手順に従い各種演算処理を実行する。また、この「主メモリ」や「HDD」などにはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」の演算処理においては、そのアドレスを特定し格納されているデータにアクセスすることで、データを用いた演算処理を行うことが可能になっている。
【0038】
ここで、クライアント端末にて、レストランを紹介しているブログページBへのアクセスが実行される。そして、そのブログページB内には、記事内で紹介しているレストランの所在地を示す地図を表示するための緯度経度情報や地図サーバ装置のアドレス情報などを示す例えばスクリプトタグなどで記述されたコードが埋め込まれている。したがってユーザのクライアント端末装置では、ブログページBを読み込んだ際に、埋め込まれている当該コードに応じてHTTPリクエストを生成し、地図表示のためのトリガーとして地図サーバ装置に送信する。
【0039】
すると、本実施例の地図サーバ装置では、当該HTTPリクエストの受信をトリガーとして出力プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがってURL取得のためのアプレットプログラムなどを、地図表示に必要なタグと合わせてクライアント端末に対して返信する。そしてこのアプレットプログラムには、地図表示機能と、地図表示のためのトリガーを送信する元となったウェブページ(上記例ではブログページB)のURLをブラウザから取得し、地図サーバ装置に送信する機能とを備えている。
【0040】
したがって、このアプレットプログラムは、クライアント端末にて前記タグを用いて緯度経度情報などを含む地図表示要求であるHTTPリクエストを生成する。また、それとともにアプレットプログラムは、自身が送信される元となったブログページBのURLをブラウザから取得する。そして、それぞれを地図サーバ装置に送信する。
【0041】
地図サーバ装置では、「通信IF」にて地図表示要求のHTTPリクエストを受信すると、「主メモリ」のアドレス3に格納する。それに応じて「CPU」が地図出力プログラムを解釈する。そしてその解釈結果にしたがって地図表示要求のHTTPリクエストに含まれるタグで示される地図画像を「主メモリ」のアドレス4に読み出し、クライアント端末に返信する。また本実施例の地図サーバ装置では、前記プログラムによってクライアント端末から送信されたブログページBのURLも「通信IF」にて受信し、「主メモリ」のアドレス5に格納する。すると「CPU」は蓄積プログラムを解釈し、その解釈結果に従って、アドレス4に格納されている地図の中心座標と、当該地図の表示要求と同じプログラムによって送信されたアドレス5に格納されているURLとを関連付けて「HDD」などに記録する。そして、それによって本実施例の地図サーバ装置は図5に示すようなデータベースを構築することができる、という具合である。
【0042】
<処理の流れ>
図7は、本実施例の地図サーバ装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0043】
この図にあるように、まず、地図表示用のコードが埋め込まれたウェブページにアクセスし表示しているクライアントから、所定の地図表示の要求のトリガーを受付ける(ステップS0701)。すると、そのトリガーの受付に応じて、地図表示に必要なタグと、そのトリガーを生成するに際して参照したウェブページのURLをクライアントから取得して、例えば地図サーバ装置のビーコン画像にアクセスするなどの処理を実行するクライアント用のプログラムと、をクライアントに出力する(ステップS0702)。
【0044】
その後、クライアントから前記ステップS0702にて出力された前記プログラムによりタグを用い生成された地図表示要求と、URLを含み生成されたビーコン画像の取得要求を受信する(ステップS0703)と、受信したビーコン画像の取得要求から前記参照したウェブページのURLを取り出し、地図表示要求にて要求された地図と関連付けてHDDなどの蓄積部に記録する(ステップS0704)。またそれとともに、受信した地図表示要求に応じてクライアントに対して地図表示のための情報を出力する(ステップS0705)。
【0045】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の地図サーバ装置によって、地理情報を記載しているウェブページに関して、当該ウェブページと記載されている地理情報とを正確に関連付けて蓄積したデータベースを構築することができる。
【0046】
≪実施例2≫
<概要>
本実施例は、上記実施例の地図サーバ装置と、前述のレストラン紹介ブログなど地図を表示するウェブページを提供するウェブサーバ装置と、からなる地図システムである。
【0047】
図8は、本実施例の地図システムの概要を説明するための図である。ここでウェブページの作成者は、まず地図サーバ装置にアクセスし、ウェブページに表示したい地図の中心緯度経度情報などを入力する。すると、地図サーバ装置によって、地図表示用のコードが生成される。そして、この図に示すようにウェブページの管理者などはその生成されたコードをウェブページに埋め込み(1)、本実施例のウェブサーバ装置に格納することでネットワークを介して当該ウェブページを公開する。
【0048】
つづいてネットワーク接続されたクライアント端末からそのウェブページへのアクセスがなされる(2)と、ウェブサーバ装置はアクセスのあったクライアントに当該ウェブページを返信する。すると、クライアント端末ではブラウザにてそのウェブページを表示する(3)とともに、埋め込まれているコードにしたがい、クライアントから地図表示の要求のトリガーが地図サーバ装置に送信される(4)。すると、上記実施例1で記載したように地図サーバ装置からタグとプログラムがクライアント端末に出力(5)され、当該プログラムがクライアント端末上で実行される。それによりクライアント端末から上記ウェブページのURLの送信処理(6)と、地図表示要求の送信処理(7)が実行される。そして地図サーバ装置では当該要求に応じた地図のクライアント端末への返信処理(8)、および上記ウェブページのURLとそこで表示される地図の中心緯度経度の関連付け蓄積処理(9)が実行される、という具合である。
【0049】
<機能的構成>
図9は、本実施例の地図システムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の地図システムは、「地図サーバ装置」(0900)と、「ウェブサーバ装置」(0910)と、からなる。なお、地図サーバ装置は、上記実施例を基本として、図示しない「トリガー受付部」と「出力部」と「受信部」と「蓄積部」と「地図出力部」とを備えている。またその他に、「画像アクセスプログラム出力手段」や「画像アクセス受信手段」、「座標蓄積手段」などを備えていても良い。ただし、これら構成要件については上記実施例にて記載しているので、その説明は省略する。
【0050】
そして、本実施例の地図システムを構成するもう一方の装置である「ウェブサーバ装置」(0910)は、「ウェブページ出力部」(0911)を有する。
【0051】
「ウェブページ出力部」(0911)は、トリガーをクライアントから出力させるためのGUIを含む前記参照されるウェブページを出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、ウェブページ出力プログラムなどによって実現できる。具体的に、前述のように地図サーバ装置を利用したサービスなどで提供される地図表示用のコードなどが埋め込まれたウェブページをHDDなどに蓄積しておく。そして、クライアントからのアクセスに応じて当該ウェブページを送信すると、前記コードを指定しトリガーを出力するためのGUIはクライアントのブラウザ上で表示される。
【0052】
そして、このクライアントのブラウザ上で表示されたGUIを操作することで、クライアントからトリガーが地図サーバ装置に送信され、上記実施例で記載された処理によって地図サーバ装置にて上記ウェブページのURLとそこで表示される地図の中心座標情報などが関連付けて蓄積される、という具合である。
【0053】
<処理の流れ>
図10は本実施例の地図システムにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0054】
この図にあるように、クライアントからのアクセス(ステップS1001)に応じて、ウェブサーバ装置では地図表示用のコードなどが埋め込まれたウェブページをクライアントに出力する(ステップS1002)。すると、クライアントでは当該コードなどにしたがって地図サーバ装置へトリガーが出力される(ステップS1003)。
【0055】
そして、地図サーバ装置では、トリガーを受付ける(ステップS1004)と、そのトリガーの受付に応じて、地図表示に必要なタグと、そのトリガーを生成するに際して参照したウェブページのURLをクライアントから取得して地図サーバ装置のビーコン画像にアクセスするためのクライアント用のプログラムと、をクライアントに出力する(ステップS1005)。
【0056】
そして、クライアントでは、出力されたプログラムを受信し(ステップS1006)、当該プログラムを実行することで地図表示要求と、URLを含み生成されたビーコン画像の取得要求を生成し地図サーバ装置へ送信する(ステップS1007)。
【0057】
地図サーバ装置ではその地図表示要求とビーコン画像の取得要求を受信する(ステップS1008)と、受信したビーコン画像の取得要求から前記参照したウェブページのURLを取り出し、地図表示要求にて要求された地図と関連付けてHDDなどの蓄積部に記録する(ステップS1009)。またそれとともに、受信した地図表示要求に応じてクライアントに対して地図表示のための情報を出力する(ステップS1010)。そしてクライアントでは地図表示のための情報を受信し(ステップS1011)、ウェブページと合わせてその地図が表示される(ステップS1012)。
【0058】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の地図システムによって、クライアントにウェブページと合わせて地図を表示させると共に、当該ウェブページと記載されている地図とを正確に関連付けて蓄積したデータベースを構築することができる。
【符号の説明】
【0059】
0200 地図サーバ装置
0201 トリガー受付部
0202 出力部
0203 受信部
0204 蓄積部
0205 地図出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントから所定の地図表示の要求のトリガーを受付けるトリガー受付部と、
トリガーの受付に応じて、そのトリガーを生成するに際して参照したウェブページのURLをクライアントから取得するためのクライアント用のプログラムと、地図表示に必要なタグと、をクライアントに出力するための出力部と、
出力部から出力されたタグを用いて生成された地図表示要求と、出力部から出力されたプログラムによって送信された前記URLを受信する受信部と、
前記URLと、地図表示要求にて要求された地図を識別する地図識別情報とを関連付けて蓄積する蓄積部と、
受信した地図表示要求に応じてクライアントに対して地図表示のための情報を出力する地図出力部と、
を有する地図サーバ装置。
【請求項2】
前記出力部は、
前記URLの取得をビーコン画像へのアクセスを利用して行うプログラムである画像アクセスプログラムを出力する画像アクセスプログラム出力手段を有し、
前記受信部は、
前記URLの受信としてビーコン画像へのアクセスを受信する画像アクセス受信手段を有する
請求項1に記載の地図サーバ装置。
【請求項3】
蓄積部は、さらに前記参照したウェブページのURLと、出力した地図の中心座標とを関連付けて蓄積する座標蓄積手段を有する請求項1または2に記載の地図サーバ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一に記載の地図サーバ装置と、
前記トリガーをクライアントから出力させるためのGUIを含む前記参照されるウェブページを出力するウェブページ出力部を有するウェブサーバ装置と、からなる地図システム。
【請求項5】
クライアントから所定の地図表示の要求のトリガーを受付けるトリガー受付ステップと、
トリガーの受付に応じて、そのトリガーを生成するに際して参照したウェブページのURLをクライアントから取得するためのクライアント用のプログラムと、地図表示に必要なタグと、をクライアントに出力するための出力ステップと、
出力部から出力されたタグを用いて生成された地図表示要求と、出力部から出力されたプログラムによって送信された前記URLを受信する受信ステップと、
前記URLと、地図表示要求にて要求された地図を識別する地図識別情報とを関連付けて蓄積部に記録する記録ステップと、
受信した地図表示要求に応じてクライアントに対して地図表示のための情報を出力する地図出力ステップと、
を計算機に実行させるサーバ装置の動作方法。
【請求項6】
前記出力ステップは、
前記URLの取得をビーコン画像へのアクセスを利用して行うプログラムである画像アクセスプログラムを出力する画像アクセスプログラム出力ステップを含み、
前記受信ステップは、
前記URLの受信としてビーコン画像へのアクセスを受信する画像アクセス受信ステップを含む
請求項5に記載の地図サーバ装置の動作方法。
【請求項7】
蓄積ステップは、さらに前記参照したウェブページのURLと、出力した地図の中心座標とを関連付けて蓄積部に記録する座標蓄積ステップを含む請求項5または6に記載の地図サーバ装置の動作方法。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか一に記載の地図サーバ装置の動作方法と、
前記トリガーをクライアントから出力させるためのGUIを含む前記参照されるウェブページを出力するウェブページ出力ステップを計算機に実行させるウェブサーバ装置の動作方法と、からなる地図システムの動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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