説明

地図データの属性情報統合装置、地図データの属性情報統合方法、及び地図データの属性情報統合プログラム

【課題】低コストかつ高精度で地図データの属性情報を統合することができる地図データの属性情報統合装置、地図データの属性情報統合方法、及び地図データの属性情報統合プログラムを提供する。
【解決手段】第2数値按分部26は、第1の地図データを第1地図データ格納部28から、第2の地図データを第2地図データ格納部30からそれぞれ読み出し、第1の種類の領域と重なる第2の種類の領域の面積割合により、第2項目の数値を按分する。第1数値按分部24は、上記按分した第2項目の数値を第1の種類の領域毎に合計した値を算出し、この合計値に対する上記按分された各第2項目の数値の割合により、第2の種類の各領域に対して第1項目の数値を按分する。第1数値合計部32は、第1数値按分部24により按分された第1項目の数値を第2の種類の領域毎に合計し、第2の種類の各領域に対する第1項目の数値として反映させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の地図データの属性情報を統合するための地図データの属性情報統合装置、地図データの属性情報統合方法、及び地図データの属性情報統合プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、地図画像データに国勢調査結果等の各種統計データ(属性情報)を結合させた地図データが使用されている。これらの地図データは、データの集計単位が大字(例えば、東京都目黒区東山等の範囲で集計)であるもの、町丁目等(例えば、東京都目黒区東山一丁目等の範囲で集計)であるもの等各種存在する。また、所定範囲(例えば500m×500m)の範囲毎にデータを集計したメッシュデータもある。また、異なる大きさの集計単位が重なる領域の面積が集計単位の面積に占める割合を求め、これに応じて自動車保有台数等の統計量を按分する方法もあった。
【0003】
これらの地図データは、その使用目的に応じて集計単位が選択されるが、異なる大きさの集計単位(例えば大字単位と町丁目単位等)の属性情報を統合した地図データが必要となる場合もある。そこで、下記特許文献1には、電話番号に対応する地図データ上の座標を電話番号ポイントとして取得し、大きい集計単位の地図データ上の統計データから小さい集計単位の統計データを作成する詳細統計データの作成方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−118853号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の技術においては、取得コストの高い電話番号ポイントを使用するので、広域の地図データの属性情報の統合に使用すると、地図データの作成コストが高くなるという問題があった。また、面積で按分する方法では、統計量が海域部や山間部といった居住が不可能あるいは人口が僅少な領域にも過大に按分されてしまい、分析精度が下がるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、低コストかつ高精度で地図データの属性情報を統合することができる地図データの属性情報統合装置、地図データの属性情報統合方法、及び地図データの属性情報統合プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の地図データの属性情報統合装置の発明は、地図中に定義される第1の種類の複数領域の各々に結合された第1項目の数値を、前記第1の種類の領域とともに第1の地図データとして格納する第1地図データ格納手段と、地図中に定義される第2の種類の複数領域の各々に結合された第2項目の数値を、前記第2の種類の領域とともに第2の地図データとして格納する第2地図データ格納手段と、前記第1の種類の領域と重なる前記第2の種類の領域の面積割合により、前記第2項目の数値を按分する第2数値按分手段と、前記按分された第2項目の数値を前記第1の種類の領域毎に合計した値に対する前記按分された各第2項目の数値の割合により、前記第2の種類の各領域に対して前記第1項目の数値を按分する第1数値按分手段と、前記第1数値按分手段により按分された第1項目の数値を前記第2の種類の領域毎に合計し、前記第2の種類の各領域に対する前記第1項目の数値とする第1数値合計手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の地図データの属性情報統合装置において、前記第1の種類または第2の種類の領域に含まれる特殊領域に重なる前記第2の種類または第1の種類の領域の部分を、前記第1項目または第2項目の数値の按分対象から除外することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の地図データの属性情報統合装置において、前記特殊領域が、海域部その他の人の居住が不可能な領域であることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の地図データの属性情報統合装置において、前記特殊領域が、山間部その他の人口僅少領域であることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の地図データの属性情報統合方法の発明は、地図中に定義される第1の種類の複数領域の各々に結合された第1項目の数値を、前記第1の種類の領域とともに第1の地図データとして格納し、地図中に定義される第2の種類の複数領域の各々に結合された第2項目の数値を、前記第2の種類の領域とともに第2の地図データとして格納し、前記第1の種類の領域と重なる前記第2の種類の領域の面積割合により、前記第2項目の数値を按分し、前記按分された第2項目の数値を前記第1の種類の領域毎に合計した値に対する前記按分された各第2項目の数値の割合により、前記第2の種類の各領域に対して前記第1項目の数値を按分し、前記按分された第1項目の数値を前記第2の種類の領域毎に合計し、前記第2の種類の各領域に対する前記第1項目の数値とすることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の地図データの属性情報統合プログラムの発明は、コンピュータを、地図中に定義される第1の種類の複数領域の各々に結合された第1項目の数値を、前記第1の種類の領域とともに第1の地図データとして格納する第1地図データ格納手段、地図中に定義される第2の種類の複数領域の各々に結合された第2項目の数値を、前記第2の種類の領域とともに第2の地図データとして格納する第2地図データ格納手段、前記第1の種類の領域と重なる前記第2の種類の領域の面積割合により、前記第2項目の数値を按分する第2数値按分手段、前記按分された第2項目の数値を前記第1の種類の領域毎に合計した値に対する前記按分された各第2項目の数値の割合により、前記第2の種類の各領域に対して前記第1項目の数値を按分する第1数値按分手段、前記第1数値按分手段により按分された第1項目の数値を前記第2の種類の領域毎に合計し、前記第2の種類の各領域に対する前記第1項目の数値とする第1数値合計手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、第2項目の数値を面積割合で按分し、その按分結果に基づいて第1項目の数値を按分するので、面積割合により第1項目の数値を直接按分する場合に比べて、低コストかつ高精度で地図データの属性情報を統合することができる。
【0014】
請求項2から請求項4の発明によれば、特殊領域を除外することにより、地図データの属性情報を統合する際の精度を向上することができる。
【0015】
請求項5の発明によれば、第2項目の数値を面積割合で按分し、その按分結果に基づいて第1項目の数値を按分するので、面積割合により第1項目の数値を直接按分する場合に比べて、低コストかつ高精度で地図データを統合することができる地図データの属性情報統合方法を提供できる。
【0016】
請求項6の発明によれば、第2項目の数値を面積割合で按分し、その按分結果に基づいて第1項目の数値を按分するので、面積割合により第1項目の数値を直接按分する場合に比べて、低コストかつ高精度で地図データの属性情報を統合することができる地図データの属性情報統合プログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0018】
図1には、本発明にかかる地図データの属性情報統合装置を構成するコンピュータのハードウェア構成の例が示される。図1において、地図データの属性情報統合装置は、処理手段10、入力手段12、表示手段14、通信手段16及び記憶手段18を含んで構成されている。
【0019】
処理手段10は、CPU(中央処理装置)20及びメモリ22等を含んで構成され、CPU20の処理動作を制御するプログラムを実行して後述する各機能を実現する。
【0020】
入力手段12は、キーボード、ポインティングデバイス等を含んで構成され、利用者が動作指示等を入力するために使用する。また、入力手段12は、画像取得装置を含んでもよく、この画像取得装置から地図データを取得する構成とする。ここで、画像取得装置は、例えばスキャナ等の画像読み取り装置により構成することができる。
【0021】
表示手段14は、液晶ディスプレイ(LCD)あるいはCRT(Cathode Ray Tube)等により構成され、後述する処理により生成された地図データ等を表示する。
【0022】
通信手段16は、ネットワークポート等の適宜な通信インターフェースにより実現され、他のコンピュータ等との間でデータの授受を行う。また、上記地図データは、通信手段16を介して取得する構成としてもよい。
【0023】
記憶手段18は、ハードディスク装置(HDD)等により構成され、上記CPU20の処理動作を制御するプログラムその他の地図データの属性情報統合装置の制御に必要な情報等を格納する。
【0024】
図2には、本発明にかかる地図データの属性情報統合装置の一実施形態の機能ブロック図が示される。図2において、地図データの属性情報統合装置は、第1数値按分部24、第2数値按分部26、第1地図データ格納部28、第2地図データ格納部30及び第1数値合計部32の各機能を含んで構成されており、これらの機能はCPU20、CPU20の処理動作を制御するプログラム及び記憶手段18により実現される。
【0025】
ここで、本実施形態では、地図画像データに国勢調査結果等のデータを結合させた地図データの属性情報を統合する処理を実行する。この場合、地図中に定義される第1の種類の複数領域の各々に結合された第1項目の数値と、第2の種類の複数領域の各々に結合された第2項目の数値とを按分することにより第1項目の数値を第2の種類の領域中に反映させ、第2項目の数値を第1の種類の領域中に反映させる。上記第1の種類の領域及び第2の種類の領域は、例えば大字界、町丁目等、メッシュその他の通常使用される地図上の領域である。また、第1項目の数値及び第2項目の数値は、例えば人口、世帯数、自動車保有台数等の各種調査結果等を反映した数値であり、地図画像データに結合されている数値である。
【0026】
第1数値按分部24は、後述する第2数値按分部26が第1の種類の領域と重なる第2の種類の領域の面積割合により按分した第2項目の数値を第1の種類の領域毎に合計し、この合計値に対する上記按分された各第2項目の数値の割合により、第2の種類の各領域に対して第1項目の数値を按分する。この処理の具体例については後述する。
【0027】
第2数値按分部26は、上述したように、第1の種類の領域と重なる第2の種類の領域の面積割合により第2項目の数値を按分する。ここで、重なる領域とは、第1の種類の領域と第2の種類の領域とで空間的位置(住所または座標等)が共通する地図上の領域をいう。例えば、第1の種類の領域が大字界である東京都目黒区東山を表す地図上の図形(ポリゴン)であり、第2の種類の領域が東京都目黒区東山の一部を含むメッシュである場合に、第2の種類の領域としてのメッシュに含まれる東京都目黒区東山の一部が上記重なる領域となる。
【0028】
第1地図データ格納部28は、地図中に定義される第1の種類の複数領域の各々に結合された第1項目の数値を、上記第1の種類の領域とともに第1の地図データとして格納する。この第1地図データ格納部28は、記憶手段18の記憶領域中に形成される。また、上記第1の種類の領域に結合された第1項目の数値は、第1の種類の領域に対応する地図画像データとともに入力手段12から入力してもよいし、通信手段16を介して他のコンピュータ等から取得してもよい。
【0029】
第2地図データ格納部30は、地図中に定義される第2の種類の複数領域の各々に結合された第2項目の数値を、上記第2の種類の領域とともに第2の地図データとして格納する。この第2地図データ格納部30も、記憶手段18の記憶領域中に形成される。また、上記第2の種類の領域に結合された第2項目の数値も、第2の種類の領域に対応する地図画像データとともに入力手段12から入力してもよいし、通信手段16を介して他のコンピュータ等から取得してもよい。
【0030】
なお、地図データは、上記第1の地図データ及び第2の地図データに限られず、3つ以上の地図データから構成してもよい。この場合には、まず任意に選択した2つの地図データの属性情報を統合し、得られた情報に対して更に第3の地図データの属性情報を統合する。
【0031】
第1数値合計部32は、第1数値按分部24により按分された第1項目の数値を上記第2の種類の領域毎に合計し、第2の種類の各領域に対して割り当てる。これにより、第2の種類の各領域に、上記第1項目の数値が反映される。
【0032】
図3には、本発明にかかる地図データの属性情報統合装置の動作例のフローが示される。また、図4(a)〜(e)には、本発明にかかる地図データの属性情報統合装置の動作結果の一例が示される。図4(a)〜(e)では、第1の地図データとして、第1の種類の領域が大字界である「東京都目黒区東山」及び「東京都目黒区中目黒」を用い、この領域に第1項目の数値である自動車保有台数が結合されたデータが例示されている。また、第2の地図データとして、第2の種類の領域がメッシュであり、この領域に第2項目の数値である世帯数が結合されたデータが例示されている。なお、上記メッシュは、「東京都目黒区東山」及び「東京都目黒区中目黒」を含む領域を矩形状に分割したものとなっている。本例では、上記第1項目の数値である自動車保有台数を第2の種類の領域であるメッシュ上に按分して反映させることにより地図データの属性情報の統合処理を行っている。
【0033】
図3において、第2数値按分部26が、第1の地図データを第1地図データ格納部28から、第2の地図データを第2地図データ格納部30からそれぞれ読み出す(S1)。
【0034】
ここで、図4(a)に示されるように、第2の種類の領域であるメッシュが4つ(メッシュW,メッシュX,メッシュY,メッシュZ)設定されており、それぞれのメッシュにおける第2項目の数値である世帯数が、メッシュWに150世帯、メッシュXに0世帯、メッシュYに200世帯、メッシュZに150世帯となっている。メッシュXは、その領域の特性(例えば公園等)により、世帯数が0の領域となっている。
【0035】
第2数値按分部26は、図4(b)に示されるように、第2の種類の領域であるメッシュを、第1の種類の領域である「東京都目黒区東山」及び「東京都目黒区中目黒」に、相互の位置が対応するように重ねる(S2)。次に、第2数値按分部26は、第1の種類の領域と重なる第2の種類の領域の面積割合により、第2項目の数値を按分する(S3)。
【0036】
ここで、面積割合とは、第2の種類の領域の面積に対する第1の種類の領域の占める面積の割合を言う。例えば、図4(b)において、第2の種類の領域としてのメッシュYには第1の種類の領域として「東京都目黒区東山」及び「東京都目黒区中目黒」の一部が重なっている。従って、メッシュYの面積に対する「東京都目黒区東山」の占める面積が「東京都目黒区東山」に対する面積割合であり、「東京都目黒区中目黒」の占める面積が「東京都目黒区中目黒」に対する面積割合である。また、第2項目の数値の按分は、上記面積割合に従って、第1の種類の各領域に対して行う。図4(b)のメッシュYでは、メッシュYの面積のうち「東京都目黒区中目黒」が50%を占めている(面積割合50%)。従って、メッシュYに結合された第2項目の数値である200世帯を按分し、50%である100世帯を「東京都目黒区中目黒」に配分する。また、メッシュYの面積のうち「東京都目黒区東山」が5%を占めており、200世帯の5%である10世帯を「東京都目黒区東山」に配分する。メッシュW(60世帯と30世帯),メッシュX(0世帯と0世帯),メッシュZ(50世帯と70世帯)についても同様にして世帯数を面積割合で按分し、「東京都目黒区東山」及び「東京都目黒区中目黒」に配分する。
【0037】
第1数値按分部24は、S3において第1の種類の各領域に配分した第2項目の数値を第1の種類の領域毎に合計した値を算出する(S4)。
【0038】
図4(c)の例では、「東京都目黒区中目黒」の合計値は、メッシュW、メッシュX、メッシュY及びメッシュZにおいて按分されたそれぞれ60世帯、0世帯、100世帯及び50世帯を合計した210世帯となる。また、「東京都目黒区東山」の合計値は、メッシュW、メッシュX、メッシュY及びメッシュZにおいて按分されたそれぞれ30世帯、0世帯、10世帯及び70世帯を合計した110世帯となる。
【0039】
次に、第1数値按分部24は、上記合計値に対する上記按分された各第2項目の数値の割合により、第2の種類の各領域に対して第1項目の数値を按分する(S5)。
【0040】
図4(d)の例では、例えばメッシュYについて、「東京都目黒区中目黒」に配分された世帯数が100世帯であり、「東京都目黒区中目黒」の合計値210世帯に対する割合で第1項目の数値である自動車保有台数150台を按分し、端数を切り捨てると、
150×100÷210≒71台
となる。また、「東京都目黒区東山」に配分された世帯数が10世帯であり、「東京都目黒区東山」の合計値110世帯に対する割合で第1項目の数値である自動車保有台数50台を同様に按分すると、
50×10÷110≒4台
となる。なお、メッシュW、メッシュX及びメッシュZについても同様に自動車保有台数を按分する。
【0041】
第1数値合計部32は、第1数値按分部24により按分された第1項目の数値を第2の種類の領域毎に合計し、第2の種類の各領域に対する第1項目の数値として反映させる(S6)。
【0042】
図4(d)の例では、例えばメッシュYについて、上記S5において自動車保有台数を按分して得た「東京都目黒区中目黒」についての71台、及び「東京都目黒区東山」についての4台を合計した75台をメッシュYの数値として割り当てる。また、メッシュW、メッシュX及びメッシュZについても同様にして、それぞれ55台、0台、66台を割り当てる。
【0043】
以上のように、まず第1の種類の領域と重なる第2の種類の領域の面積割合により第2項目の数値を按分し、これを第1の種類の領域毎に合計した値に対する上記按分後の第2項目の数値の割合を算出し、この割合によって第1項目の数値を按分して第2の種類の領域毎に割り当てるので、異なる種類の領域の属性情報を統合する際にコストの高いデータを使用する必要がない。このため、データ統合のコストを低く抑えることができる。
【0044】
また、第2項目の数値を按分し、按分後の第2項目の数値に基づいて第1項目の数値を按分するので、単に面積割合のみで第1項目の数値を按分する場合に比べて、第2項目の数値を考慮することができ、妥当な結果を得ることができる。
【0045】
なお、以上の実施形態では、第1の種類の領域が大字界であり、第2の種類の領域がメッシュである例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば第1の種類の領域が大字界であり、第2の種類の領域が町丁目等である等、共通の住所または座標を含むなど、空間的な重なりを持つ領域の組合せであればよい。
【0046】
図5には、第1の種類の領域または第2の種類の領域としてのメッシュの他の例が示される。図5におけるメッシュ領域には、4つの大字界(例えば東京都○○区××)A,B,C,Dとともに特殊領域Sが含まれている。この特殊領域Sは、例えば海域部、河川湖沼部その他の人の居住が不可能な領域、あるいは山間部、森林部、公園その他の人口僅少領域である。このような特殊領域Sは、人口が0であるか、極めて僅少な人口となっており、このような領域を含めて人口を按分すると、この人口の按分結果に基づいて複数の地図データの属性情報を統合する際の精度が低下する。例えば、図4(a)〜(e)の例では、各メッシュに配分される自動車保有台数の精度が低下する。従って、本実施形態にかかる地図データの属性情報統合装置では、このような特殊領域Sを除外した上で地図データの属性情報の統合を行うように構成する。なお、ここでは特殊領域Sがメッシュ領域に含まれる場合を示したが、例えば大字界に含まれる場合であっても同様の処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明にかかる地図データの属性情報統合装置を構成するコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
【図2】本発明にかかる地図データの属性情報統合装置の一実施形態の機能ブロック図である。
【図3】本発明にかかる地図データの属性情報統合装置の動作例のフローを示す図である。
【図4】本発明にかかる地図データの属性情報統合装置の動作結果の一例を示す図である。
【図5】メッシュの他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10 処理手段、12 入力手段、14 表示手段、16 通信手段、18 記憶手段、24 第1数値按分部、26 第2数値按分部、28 第1地図データ格納部、30 第2地図データ格納部、32 第1数値合計部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図中に定義される第1の種類の複数領域の各々に結合された第1項目の数値を、前記第1の種類の領域とともに第1の地図データとして格納する第1地図データ格納手段と、
地図中に定義される第2の種類の複数領域の各々に結合された第2項目の数値を、前記第2の種類の領域とともに第2の地図データとして格納する第2地図データ格納手段と、
前記第1の種類の領域と重なる前記第2の種類の領域の面積割合により、前記第2項目の数値を按分する第2数値按分手段と、
前記按分された第2項目の数値を前記第1の種類の領域毎に合計した値に対する前記按分された各第2項目の数値の割合により、前記第2の種類の各領域に対して前記第1項目の数値を按分する第1数値按分手段と、
前記第1数値按分手段により按分された第1項目の数値を前記第2の種類の領域毎に合計し、前記第2の種類の各領域に対する前記第1項目の数値とする第1数値合計手段と、
を備えることを特徴とする地図データの属性情報統合装置。
【請求項2】
請求項1記載の地図データの属性情報統合装置において、前記第1の種類または第2の種類の領域に含まれる特殊領域に重なる前記第2の種類または第1の種類の領域の部分を、前記第1項目または第2項目の数値の按分対象から除外することを特徴とする地図データの属性情報統合装置。
【請求項3】
請求項2記載の地図データの属性情報統合装置において、前記特殊領域は、海域部その他の人の居住が不可能な領域であることを特徴とする地図データの属性情報統合装置。
【請求項4】
請求項2記載の地図データの属性情報統合装置において、前記特殊領域は、山間部その他の人口僅少領域であることを特徴とする地図データの属性情報統合装置。
【請求項5】
地図中に定義される第1の種類の複数領域の各々に結合された第1項目の数値を、前記第1の種類の領域とともに第1の地図データとして格納し、
地図中に定義される第2の種類の複数領域の各々に結合された第2項目の数値を、前記第2の種類の領域とともに第2の地図データとして格納し、
前記第1の種類の領域と重なる前記第2の種類の領域の面積割合により、前記第2項目の数値を按分し、
前記按分された第2項目の数値を前記第1の種類の領域毎に合計した値に対する前記按分された各第2項目の数値の割合により、前記第2の種類の各領域に対して前記第1項目の数値を按分し、
前記按分された第1項目の数値を前記第2の種類の領域毎に合計し、前記第2の種類の各領域に対する前記第1項目の数値とすることを特徴とする地図データの属性情報統合方法。
【請求項6】
コンピュータを、
地図中に定義される第1の種類の複数領域の各々に結合された第1項目の数値を、前記第1の種類の領域とともに第1の地図データとして格納する第1地図データ格納手段、
地図中に定義される第2の種類の複数領域の各々に結合された第2項目の数値を、前記第2の種類の領域とともに第2の地図データとして格納する第2地図データ格納手段、
前記第1の種類の領域と重なる前記第2の種類の領域の面積割合により、前記第2項目の数値を按分する第2数値按分手段、
前記按分された第2項目の数値を前記第1の種類の領域毎に合計した値に対する前記按分された各第2項目の数値の割合により、前記第2の種類の各領域に対して前記第1項目の数値を按分する第1数値按分手段、
前記第1数値按分手段により按分された第1項目の数値を前記第2の種類の領域毎に合計し、前記第2の種類の各領域に対する前記第1項目の数値とする第1数値合計手段、として機能させることを特徴とする地図データの属性情報統合プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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