説明

地山の補強方法及び地山の補強構造

【課題】山の状態に応じて、径の異なるボルトを用意する必要がなく、経済的な地山の補強方法などを提供する。
【解決手段】トンネル空洞部20からトンネル空洞部20の周辺の地山4に延長するボルト孔1を形成した後、液状ボルト材2がボルト孔1内に充填されて硬化したボルト5を形成する。例えば、ロッドの先端に設けられたビットによりボルト孔1を穿孔した後に、ロッドをボルト孔1より引抜いてから、充填機に一端が接続された液状ボルト材2充填用の連結管の他端をトンネル空洞部20からボルト孔1に挿入した後、充填機から連結管を通してボルト孔1内に液状ボルト材2を充填しながら連結管をボルト孔1から引抜いていくことにより、ボルト孔1内に液状ボルト材2を充填した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経済的に地山を補強可能な地山の補強方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のトンネルをトンネルの掘進方向に沿って切断した断面図(縦断面図)である図3に示すように、ロックボルト11、先受けボルト13、鏡ボルト16などのボルトをトンネル空洞部20から地山4に設けて地山4の崩壊を防止する地山の補強方法が知られている。
ロックボルト11は、トンネル空洞部20の内壁面21に吹付けコンクリートによる覆工部3を形成した後、覆工部3から地山4に向けて延長するロックボルト孔1を形成し、棒状または筒状のロックボルト11がロックボルト孔1にモルタルなどの付着材12で結合されることによって形成される。複数のロックボルト11は、トンネル空洞部20をトンネルの掘進方向Xと直交する直交面で切断したトンネル空洞部20の断面の中心を中心として放射状に設けられる。
先受けボルト13は、トンネル空洞部20の切羽面15からトンネルの掘進方向Xに向けて上方に傾斜するように先受けボルト孔14を形成した後、棒状または筒状の先受けボルト13が先受けボルト孔14に付着材12で結合されることによって形成される。
鏡ボルト16は、切羽面15からトンネルの掘進方向Xに沿って真っ直ぐに鏡ボルト孔17を形成した後、棒状または筒状の鏡ボルト16が鏡ボルト孔17に付着材12で結合されることによって形成される。
図4または図5を参照し、ロックボルト11を形成する場合を例にして地山の補強方法を説明する。
図4に示す地山の補強方法は、ステップ401におけるロックボルト孔1の穿孔工程、ステップ402における付着材12の充填工程、ステップ403におけるロックボルト11の設置工程から構成される。具体的には、ステップ401では、図外の削岩機に取付けられたロッドの先端に設けられた穿孔用のビットによってロックボルト孔1が覆工部3から地山4に穿孔される。ステップ402では、ロッドがロックボルト孔1から撤去され、図外の充填機に連結されたホースのような連結管がロックボルト孔1にロックボルト孔1の奥まで挿入された後、連結管を介してモルタルなどの付着材12がロックボルト孔1の奥からロックボルト孔1に充填されるのに伴い、連結管が徐々にロックボルト孔1から抜き取られることによって、付着材12がロックボルト孔1に充填される。ステップ403では、鉄またはグラスファイバからなる棒状のロックボルト11がロックボルト孔1内の付着材12に挿入されてロックボルト孔1内に設置される。そして、付着材12が硬化して地山4とロックボルト11と覆工部3とを相互に結合する。
図5に示す地山の補強方法は、ステップ501におけるロックボルト孔1の穿孔工程、ステップ502におけるロックボルト11の設置工程、ステップ503における付着材12の充填工程から構成される。具体的には、ステップ501では、図外の削岩機に取付けられた筒状のロッドの先端に設けられた穿孔用のビットによってロックボルト孔1が覆工部3から地山4に穿孔される。尚、ステップ502において、ビットをロックボルト孔1内に残したままとする場合は、筒状のロッドの筒の周面に筒の内外に貫通する複数の孔を備えた周面孔付きロッドを用いる。ステップ502において、ロッドの先端から取り外したビットをロッドの筒の内側を通してロックボルト孔1内から撤去する場合は、周面孔無しロッド又は周面孔付きロッドを用いる。従って、ステップ502においては、ロックボルト11となる周面孔付きロッド及びビットをロックボルト孔1内に残したままステップ503の付着材12の充填を行うか、又は、ビットをロックボルト孔1内から撤去するとともにロックボルト11となる周面孔無しロッド又は周面孔付きロッドをロックボルト孔1内に残したままステップ503の付着材12の充填を行う。ステップ503では、図外の充填機に一端が接続された付着材充填用のホースのような図外の連結管の他端をロッドのトンネル空洞部20側の端部22に接続することによって、モルタルなどの付着材12が、充填機から連結管を経由してロックボルト11の筒の内部に送り込まれ、ロックボルト11の筒の周面孔や筒の先端開口を経由してロックボルト孔1に充填される。そして、付着材12が硬化してロックボルト11と地山4と覆工部3とを相互に結合する。
【特許文献1】特開2007−40057号公報
【特許文献2】特開2004−204522号公報
【特許文献3】特開2002−294687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、図4および図5のいずれの方法にあっても、付着材と棒状のボルトの少なくとも二部材を使用しなければならず、材料費や、その形成のための工期がかかり、又、工場で生産されたボルトを使用することから、地山の状態に応じて、径の異なるボルトとビットとを用意しなければならないという問題点があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、地山の状態に応じて、径の異なるボルトを用意する必要がなく、経済的な地山の補強方法などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る地山の補強方法は、トンネル空洞部からトンネル空洞部の周辺の地山に延長するボルト孔を形成した後、液状ボルト材がボルト孔内に充填されて硬化したボルトを形成したことを特徴とする。ボルトは、ロックボルト又は先受けボルト又は鏡ボルトである。
液状ボルト材が生分解性樹脂であることも特徴とする。
液状ボルト材が合成樹脂であることも特徴とする。
ロッドの先端に設けられたビットによりボルト孔を穿孔した後に、ロッドをボルト孔より引抜いてから、充填機に一端が接続された液状ボルト材充填用の連結管の他端をトンネル空洞部からボルト孔に挿入した後、充填機から連結管を通してボルト孔内に液状ボルト材を充填しながら連結管をボルト孔から引抜いていくことにより、ボルト孔内に液状ボルト材を充填したことも特徴とする。
筒状のロッドの先端に設けられたビットによりボルト孔を穿孔した後に、ロッドをボルト孔内に残して、充填機に一端が接続された液状ボルト材充填用の連結管の他端をロッドのトンネル空洞部側の端部に接続し、充填機から連結管を通してロッドの筒内に液状ボルト材を送り込んでボルト孔内に液状ボルト材を充填しながらロッドをボルト孔から引抜いていくことにより、ボルト孔内に液状ボルト材を充填したことも特徴とする。
本発明に係る地山の補強構造は、トンネル空洞部からトンネル空洞部の周辺の地山に延長するよう形成されたボルト孔内に充填された液状ボルト材が硬化したボルトを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る地山の補強方法によれば、トンネル空洞部からトンネル空洞部の周辺の地山に延長するボルト孔を形成した後、液状ボルト材がボルト孔内に充填されて硬化したボルトを形成したので、ロックボルトの材料が不用となり、地山の状態に応じて、径の異なるボルトを用意する必要がなく、径の異なるビットを用いて様々な径のボルト孔を形成して液状ボルト材をボルト孔に充填するだけで様々な径のボルトを形成できるので、地山の状態に応じた径の異なるボルトを経済的に形成できる。
液状ボルト材が生分解性樹脂からなれば、ボルトが生分解性樹脂の分解で地山に残存しなくなるという利点がある。
液状ボルト材が合成樹脂からなれば、長期間性能を維持できるという利点がある。
ロッドの先端に設けられたビットによりボルト孔を穿孔した後に、ロッドをボルト孔より引抜いてから、充填機に一端が接続された液状ボルト材充填用の連結管の他端をトンネル空洞部からボルト孔に挿入した後、充填機から連結管を通してボルト孔内に液状ボルト材を充填しながら連結管をボルト孔から引抜いていくことにより、ボルト孔内に液状ボルト材を充填したので、棒状のロックボルトの挿入作業がなくなり、作業効率が上がる。また、ボルト孔と充填された液状ボルト材との間に空隙が形成されることを防止でき、液状ボルト材がボルト孔を囲む地山に付着して地山を適切に支えることができるという利点がある。
筒状のロッドの先端に設けられたビットによりボルト孔を穿孔した後に、ロッドをボルト孔内に残して、充填機に一端が接続された液状ボルト材充填用の連結管の他端をロッドのトンネル空洞部側の端部に接続し、充填機から連結管を通してロッドの筒内に液状ボルト材を送り込んでボルト孔内に液状ボルト材を充填しながらロッドをボルト孔から引抜いていくことにより、ボルト孔内に液状ボルト材を充填したので、ボルト孔内への液状ボルト材充填用の連結管の挿入作業がなくなるので、作業効率が上がるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
最良の形態1
図1は、ロックボルトを用いた地山の補強方法を示す。図2(a)はトンネルの縦断面図を示し、図2(b)はトンネルの横断面図を示す。尚、図3乃至図5の従来例と同一部分は同一符号を付してその詳説を省略する。
【0007】
図1を参照し、ボルトによる地山の補強方法について説明する。地山の補強方法は、ステップ101におけるロックボルト孔1の穿孔工程、ステップ102における液状ボルト材2の充填工程から構成される。
ステップ101では、ロックボルト孔1が覆工部3から地山4に穿孔される。ステップ102では、液状ボルト材2がロックボルト孔1にロックボルト孔1の奥から充填される。そして、液状ボルト材2が硬化してロックボルト5(図2(a),(b)参照)になり、ロックボルト5が覆工部3と地山4とを相互に結合する。
即ち、トンネル空洞部20からトンネル空洞部20の周辺の地山4に延長するロックボルト孔1が形成された後、液状ボルト材2がボルト孔1内に充填されて硬化してロックボルト5になり、当該ロックボルト5が覆工部3と地山4とを相互に結合することによって、地山4が補強される。つまり、トンネル空洞部20からトンネル空洞部20の周辺の地山4に延長するよう形成されたロックボルト孔1内に充填された液状ボルト材2が硬化したロックボルト5を備えた地山の補強構造を得ることができる。
【0008】
ステップ102におけるロックボルト孔1の穿孔工程では、図外の削岩機に取付けられたロッドの先端に設けられた穿孔用のビットによってロックボルト孔1が覆工部3から地山4に穿孔される。
ステップ102における液状ボルト材2の充填工程では、ロッドの先端に設けられたビットによりボルト孔1を穿孔した後に、ロッドをビットとともにボルト孔1より引抜いてから、図外の充填機に一端が接続された図外の液状ボルト材充填用のホースのような連結管の他端をトンネル空洞部20からボルト孔1にボルト孔1の奥まで挿入した後、充填機から連結管を通してボルト孔1内に液状ボルト材2を充填しながら連結管をボルト孔1から引抜いていくことにより、ボルト孔1内にボルト孔1の奥から液状ボルト材2が充填される。そして、ボルト孔1内に充填された液状ボルト材2が硬化してロックボルト5になり、当該ロックボルト5が覆工部3と地山4とを相互に結合することによって、地山4が補強される。
【0009】
液状ボルト材2には、液状の合成樹脂または液状の生分解性樹脂が用いられる。液状の合成樹脂または液状の生分解性樹脂としては、例えば、揮発して硬化するもの、時間経過により硬化するもの、温度が下がって硬化するもの、化学反応により硬化するものなどを使用できる。
【0010】
液状ボルト材2としての合成樹脂としては、例えば、温度が下がって固化により硬化するものとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂等や、化学反応により硬化するものとしては、シリコーン樹脂や変成シリコーン樹脂などの1液反応形、エポシキ系樹脂などの2液反応形を使用する。1液反応形または2液反応形の液状ボルト材2を図2のロックボルト孔1または先受けボルト孔14または鏡ボルト孔17に相当する直径7.6cmの孔を有するパイプ材に充填して硬化させて図2のロックボルト5または先受けボルト6または鏡ボルト7に見立てて引張強度がどの程度あるかを検証した。その結果として、例えば、1液反応形の高密度ポリエチレン引張強度は、28N/mmであり、2液反応形のエポキシ系樹脂引張強度は、20N/mmであった。よって、1液反応形または2液反応形の合成樹脂は、ロックボルト5または先受けボルト6または鏡ボルト7として所定の強度を有することが確認できた。
【0011】
液状ボルト材2としての生分解性樹脂には、例えば、三菱化学株式会社製の商品名「GSPla」(登録商標)なる生分解性樹脂からなる液剤に、コンニャク残渣を増量材として混入させたものを使用する。コンニャク残渣は、コンニャクを生産した後に残る繊維質が乾燥された「飛び粉」と呼ばれるものである。よって、ロックボルト5が生分解性樹脂の分解で地山4に残存しなくなるという利点がある。三菱化学株式会社製の商品名「GSPla」(登録商標)なる生分解性樹脂からなる液剤に対する増量材としてのコンニャク残渣の配合量が異なる供試品A;Bを用いた。供試品Aとしての液状ボルト材2を図2のロックボルト孔1または先受けボルト孔14または鏡ボルト孔17に相当する直径7.6cmの孔を有するパイプ材に充填して硬化させて図2のロックボルト5または先受けボルト6または鏡ボルト7に見立てて引張強度がどの程度あるかを検証した。この実験結果として、供試品Aの引張強度は、22N/mmであり、供試品Bの引張強度は、18N/mmであった。よって、供試品A;Bは、ロックボルト5または先受けボルト6または鏡ボルト7として使用できることが確認できた。
【0012】
最良の形態1によれば、液状ボルト材2がロックボルト孔1内に充填されて硬化したロックボルト5を形成したので、従来のように、棒状のボルト材が不要となり、又、地山4の状態に応じて、径の異なるロックボルトを用意する必要がなく、径の異なるビットを用いて様々な径のロックボルト孔1を形成して液状ボルト材2をロックボルト孔1内に充填するだけで様々な径のロックボルト5を形成できるので、地山4の状態に応じた径の異なるロックボルト5を経済的に形成できる。
即ち、最良の形態1によれば、ロックボルト孔1の径の大きさを変化させることによって、ロックボルト5の強度を変化させることができるようになる。つまり、従来では、必要な強度に応じて、ビットの径及びビットの径より小さい径のロックボルトを用意しなければならず、強度変更に際して、ビットとロックボルトとを変更しなければならない。しかしながら、最良の形態1では、必要な強度に応じて、ビットの径を変更すればよいだけとなり、経済的となる。
最良の形態1によれば、ロックボルト孔1全体に充填された液状ボルト材2の全体がロックボルト5となる。即ち、ロックボルト孔1の径の大きさとロックボルト5の径の大きさとが同じとなるため、従来のロックボルトと比較して、引張強度の小さい材料で補強効果を得ることができる。
最良の形態1によれば、ロックボルト孔1内にロックボルト孔1の奥から液状ボルト材2を充填したので、ロックボルト孔1とロックボルト孔1内に充填された液状ボルト材2との間に空隙が形成されることを防止でき、液状ボルト材2がロックボルト孔1を囲む地山4に付着して地山4を適切に支えることができるという利点がある。
最良の形態1によれば、ボルト孔1に対する棒状のロックボルトの挿入作業をなくせるので、作業効率が上がるという利点がある。
最良の形態1によれば、現場で液状ボルト材2がロックボルト孔1内に充填されることから、工期が短くなるうえ、トンネル空洞部20の周囲の地山4を1部品であるロックボルト5で支えることができ、地山の補強構造を安価に提供できるという利点がある。
【0013】
最良の形態2
図1のステップ102におけるロックボルト孔1の穿孔工程において、図外の削岩機に取付けられた筒状のロッドの先端に設けられたビットによりロックボルト孔1を穿孔した後に、図1のステップ102における液状ボルト材2の充填工程において、筒状のロッドをロックボルト孔1内に残したままビットをロックボルト孔1内より撤去するとともに、充填機に一端が接続された液状ボルト材充填用のホースのような連結管の他端を筒状のロッドのトンネル空洞部20側の端部に接続し、充填機から連結管を通して筒状のロッドの筒内に液状ボルト材2を送り込んで筒状のロッドの筒の先端開口を介してロックボルト孔1内に液状ボルト材2を充填しながら筒状のロッドをロックボルト孔1から引抜いていくことにより、ロックボルト孔1内にロックボルト孔1の奥から液状ボルト材2が充填される。そして、ボルト孔1内に充填された液状ボルト材2が硬化してロックボルト5になり、当該ロックボルト5が覆工部3と地山4とを相互に結合することによって、地山4が補強される。
最良の形態2によれば、ボルト孔1内への液状ボルト材充填用の連結管の挿入作業をなくせるので、作業効率が上がるという利点がある。また、ビットの使い回しが可能となり、経済的である。
尚、最良の形態2において、先端側の周面に筒の内外に貫通する貫通孔を備えた筒状のロッドを用いてもよい。
【0014】
図2において、ロックボルト孔1を先受けボルト孔14や鏡ボルト孔17と読み替え、先受けボルト孔14に奥から充填された液状ボルト材2が硬化して先受けボルト6になり、鏡ボルト孔17に奥から充填された液状ボルト材2が硬化して鏡ボルト7になることは、容易に理解できるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0015】
図2において、ロックボルト5または先受けボルト6または鏡ボルト7の少なくとも1つを生分解性樹脂の液剤からなる液状ボルト材2のロックボルト孔1または先受けボルト孔14または鏡ボルト孔17に充填して硬化してロックボルト5または先受けボルト6または鏡ボルト7として形成し、それ以外を従来の施工法による付着材12を使用するロックボルト11または先受けボルト13または鏡ボルト16で形成してもよい。
先端にビットを備えたロッドとロッドとともに追従する筒とを備え、ロッドを筒の筒内に通してビットが筒の先端より突出する状態のものを用い、先端のビットでボルト孔を穿孔した後にロッド及びビットをボルト孔から取り出すとともに筒をボルト孔内に残すことによってボルト孔内に液状ボルト材を充填するようにしてもよい。
ロッド又は筒状のロッドの引抜時にビットを回収しても良いし、ビットとロッドとを着脱可能に構成しておいてビットをボルト孔内に残しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】地山の補強方法を示す工程図(最良の形態1)。
【図2】トンネルの縦断面図及び横断面図(最良の形態1)。
【図3】地山の補強構造をトンネルの掘進方向に沿って切断した断面図(従来)。
【図4】地山の補強方法を示す工程図(従来)。
【図5】地山の補強方法を示す工程図(従来)。
【符号の説明】
【0017】
1 ロックボルト孔(ボルト孔)、2 液状ボルト材、4 地山、
5 ロックボルト(ボルト)、6 先受けボルト(ボルト)、7 鏡ボルト(ボルト)、20 トンネル空洞部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル空洞部からトンネル空洞部の周辺の地山に延長するボルト孔を形成した後、液状ボルト材がボルト孔内に充填されて硬化したボルトを形成したことを特徴とする地山の補強方法。
【請求項2】
液状ボルト材が生分解性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の地山の補強方法。
【請求項3】
液状ボルト材が合成樹脂であることを特徴とする請求項1記載の地山の補強方法。
【請求項4】
ロッドの先端に設けられたビットによりボルト孔を穿孔した後に、ロッドをボルト孔より引抜いてから、充填機に一端が接続された液状ボルト材充填用の連結管の他端をトンネル空洞部からボルト孔に挿入した後、充填機から連結管を通してボルト孔内に液状ボルト材を充填しながら連結管をボルト孔から引抜いていくことにより、ボルト孔内に液状ボルト材を充填したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の地山の補強方法。
【請求項5】
筒状のロッドの先端に設けられたビットによりボルト孔を穿孔した後に、ロッドをボルト孔内に残して、充填機に一端が接続された液状ボルト材充填用の連結管の他端をロッドのトンネル空洞部側の端部に接続し、充填機から連結管を通してロッドの筒内に液状ボルト材を送り込んでボルト孔内に液状ボルト材を充填しながらロッドをボルト孔から引抜いていくことにより、ボルト孔内に液状ボルト材を充填したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の地山の補強方法。
【請求項6】
トンネル空洞部からトンネル空洞部の周辺の地山に延長するよう形成されたボルト孔内に充填された液状ボルト材が硬化したボルトを備えたことを特徴とする地山の補強構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−235832(P2009−235832A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−85227(P2008−85227)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(598131225)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【Fターム(参考)】