地盤の深さ方向における水分量測定方法
【課題】地盤の深さ方向の水分量(飽和率)の分布を測定することができ、深い範囲で地盤の水分の状態を把握することができる地盤の深さ方向における水分量測定方法を提供する。
【解決手段】電熱線4により地盤1に熱を与えて深さ方向の複数個所で深度に応じた温度上昇量を光ファイバケーブル3でそれぞれ計測し、計測された温度上昇量に基づいて深度に応じた飽和率を求めることで、地盤1の深さ方向の飽和率の分布を導出する。
【解決手段】電熱線4により地盤1に熱を与えて深さ方向の複数個所で深度に応じた温度上昇量を光ファイバケーブル3でそれぞれ計測し、計測された温度上昇量に基づいて深度に応じた飽和率を求めることで、地盤1の深さ方向の飽和率の分布を導出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤の深さ方向の水分量の分布を求める水分量測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種プラントや工場、倉庫、航空施設、鉄道施設、道路施設、公共施設等の大規模設備や大規模施設を建設する場合、地盤の状態を知ることは重要であり、現在の状態のみならず気象状況の変化で将来的に予想される状態変化の可能性等を含めて地盤の状態を把握することが必要である。地盤は大きく分けて土、水、空気で構成され、土の種類(成分や粒子の大きさ等)や状態等によって地盤全体の状態は様々である。
【0003】
土壌の水分の状態を熱伝導率の変化により把握する技術が従来から知られている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1の技術では、試料に熱を与えて熱電対により温度を計測し、熱に対する温度の経時変化を見て熱伝導率を求め、水分が上昇することにより熱伝導率が増大することを確認し、試料の水分の状態を把握している。
【0004】
熱伝導率に基づいて試料と同じ土壌の水分の状態を把握することで、地表の熱収支や凍結対策に対する指標を得ることができ、農業、土木の分野で有用である。この技術を用いて、大規模設備や大規模施設が構築される地盤の水分を把握することに適用することが考えられる。
【0005】
しかし、従来から知られている技術は、試料に熱を与えて熱電対により温度を計測しているので、試料のサンプルを増やしても、土壌の表面近くの水分を把握していることになり、極めて浅い範囲の土壌の水分の状態を把握することしかできない。大規模設備や大規模施設等が構築される地盤は、深い範囲で安定した状態が長期に亘り求められているので、単に、表面近くの土壌を用いた試料の熱伝導率を評価して水分の状態を把握することだけでは、深い範囲における地盤全体の水分の状態を把握したことにはならない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】土木試験所月報、1981年2月、No.333、1ページから10ページ、北野雅治、仁平勝行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、地盤の深さ方向の水分量の分布を測定することができ、深い範囲で地盤の水分の状態を把握することができる地盤の深さ方向における水分量測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の地盤の深さ方向における水分量測定方法は、地盤の深さ方向の複数個所で深度に応じた温度上昇量をそれぞれ計測し、計測された温度上昇量に基づいて深度に応じた水分量を求めることで前記地盤の深さ方向の水分量の分布を導出することを特徴とする。
【0009】
請求項1に係る本発明では、地盤の深さ方向の複数個所で計測した深度に応じた温度上昇量により深度に応じた水分量を求めることで、深さ方向の水分量の分布を導出しているので、深さ方向における水分の状態を把握して地盤の水分量を求めることができる。
【0010】
この結果、地盤の深さ方向の水分量の分布を測定することができ、深い範囲の地盤の水分の状態を把握することが可能になる。
【0011】
そして、請求項2に係る本発明の地盤の深さ方向における水分量測定方法は、請求項1に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、温度上昇量に基づいて深度に応じた水分量を求める際に、予めデータ化された温度上昇量と水分量との関係を用いることを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る本発明では、地盤の深さ方向の複数個所で温度の上昇量を計測することで、地盤の深さ方向の水分量の分布を求めることができる。
【0013】
また、請求項3に係る本発明の地盤の深さ方向における水分量測定方法は、請求項2に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、予めデータ化された温度上昇量と水分量との関係は、地盤に応じた試料に対し、水を含ませた状態で温度上昇量の平均値を求め、水を含ませることを繰り返すことで水分量を徐々に増加させ、水分量を増加させた毎に温度上昇量の平均値を求め、平均値を温度上昇量とすることで温度上昇量と水分量の関係がデータ化されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る本発明では、地盤に応じた試料に対し、温度上昇量と水分量との関係を的確にデータ化することができる。
【0015】
また、請求項4に係る本発明の地盤の深さ方向における水分量測定方法は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、長尺の温度検出手段により深度に応じた温度を複数個所で検出し、前記長尺の温度検出手段と一体的に備えられた長尺状の温度上昇手段により地盤の温度を上昇させることで温度上昇量を計測することを特徴とする。
【0016】
請求項4に係る本発明では、長尺の温度検出手段及び長尺状の温度上昇手段により地盤の深さ方向の温度上昇量を容易に計測することができる。
【0017】
また、請求項5に係る本発明の地盤の深さ方向における水分量測定方法は、請求項4に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、長尺の温度検出手段として光ファイバケーブルを用い、光の反射波長に基づいて所定位置の温度を検出し、長尺状の温度上昇手段として電線に通電することにより地盤の温度を上昇させることを特徴とする。
【0018】
請求項5に係る本発明では、電線に通電し光ファイバケーブルを用いて温度計測を行うことで、温度上昇量及び計測位置を簡単に求めることができ、深さ方向の正確な複数位置の温度上昇量を容易に求めることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の地盤の深さ方向における水分量測定方法は、地盤の深さ方向の水分量の分布を測定することができ、深い範囲の地盤の水分の状態を把握することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例に係る地盤の深さ方向における水分量測定方法を実施するための水分量測定装置の概略構成図である。
【図2】地盤に設置した状態の水分量測定装置の要部外観図である。
【図3】測定ケーブルの外観図である。
【図4】測定ケーブルの断面図である。
【図5】他の例の測定ケーブルの断面図である。
【図6】深さと温度上昇量の関係を表すグラフである。
【図7】深さと温度上昇量の関係を表すグラフである。
【図8】飽和率と温度上昇量の関係を表すデータグラフである。
【図9】深さ方向の水分量の分布を表すグラフである。
【図10】深さ方向の水分量の分布を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
不飽和地盤には、土粒子、水、空気が存在し、それぞれ熱の伝導率が異なる。このため、地盤に熱を与えて温度変化(温度上昇量)を測定することで、地盤内の水分量の割合(水分量)である飽和率が推定できると考えられる。本発明はこのような知見に基づいてなされたもので、加熱が可能で地盤の深さ方向の複数個所の温度測定が可能な測定ケーブルを用い、地盤の深さ方向における温度上昇を測定して深さ方向の飽和率の分布を導出(推定)するものである。
【0022】
図1から図4に基づいて本発明の一実施例に係る地盤の深さ方向における水分量測定方法を実施するための水分量測定装置を説明する。以下の説明では、地盤の空隙中の水分量の割合(水分量)を飽和率と称してある。
【0023】
図1には水分量測定装置を説明するための概略構成、図2には測定ケーブルが地盤に埋め込まれた状態における水分量測定装置の要部外観、図3には測定ケーブルの外観状態、図4には測定ケーブルの断面視状態を示してある。また、図5には他の実施例に係る測定ケーブルの断面視状態を示してある。
【0024】
図1に示すように、地盤1には深さ方向に沿って、所定の深さ(例えば、数十m)にわたり測定ケーブル2が設置(埋設)されている。測定ケーブル2には、長尺の温度検出手段としての光ファイバケーブル3が備えられると共に、光ファイバケーブル3に沿って長尺の昇温手段としての電線としての電熱線4が備えられている。
【0025】
光ファイバケーブル3の地上側の端部は温度上昇量計測制御手段としての温度測定装置5が備えられ、温度測定装置5は、光ファイバケーブル3に対する光の反射波に基づいて、複数の所定計測位置での温度がそれぞれ計測される。電熱線4の地上側の端部は温度上昇量計測制御手段としての電流発生装置6が備えられ、電流発生装置6により電熱線4が通電される。電熱線4が通電されることにより電熱線4が発熱し、光ファイバケーブル3に沿った方向の地盤1の温度を上昇させる。
【0026】
つまり、電流発生装置6により電熱線4が通電されて(作動信号を出力)発熱し、電熱線4の発熱により地盤1の温度が深さ方向にわたり昇温される。昇温された地盤1の温度情報が光ファイバケーブル3を通して温度測定装置5に入力され、温度測定装置5では、深さ方向の複数個所での温度上昇量が計測される。
【0027】
そして、温度測定装置5の情報は水分量導出制御手段である飽和率導出制御手段7に送られる。飽和率導出制御手段7には温度上昇量に応じた水分量のデータ(飽和率のデータ)が記憶され、飽和率導出制御手段7では、地盤1の深さ方向の複数個所で深度に応じて計測された温度上昇量に基づいて飽和率が求められる。これにより、深度に応じた飽和率の情報が得られ、地盤1の深さ方向の飽和率の分布が導出される。
【0028】
飽和率のデータは、地盤1に応じた試料に対し、水を含ませた状態で温度上昇量の平均値を求め、水を含ませることを繰り返すことで人工的に飽和率を徐々に増加させ、飽和率を人工的に増加させた毎の温度上昇量の平均値を求め、平均値を各飽和率での温度上昇量とすることで温度上昇量と飽和率の関係としている。このため、地盤1に応じた試料に対し、温度上昇量と飽和率との関係を的確にデータ化することができる。
【0029】
図2に示すように、地盤1にはガイド棒11が深さ方向に延びて埋められ、測定ケーブル2はガイド棒11に支えられた状態で螺旋状に巻かれて地盤1の深さ方向に埋設される。
【0030】
図3、図4に示すように、測定ケーブル2は、光ファイバケーブル3及び電熱線4が一緒に外被材12に覆われた長尺状のケーブルとされ、長尺状のケーブルが螺旋状に巻かれることで光ファイバケーブル3及び電熱線4が外被材12と共に螺旋状に巻かれている。このため、測定ケーブル2が地盤1に埋められた時に光ファイバケーブル3による温度検出の分解能を高くすることができる。
【0031】
また、電熱線4が光ファイバケーブル3と共に外被材12に覆われているので、電熱線4と光ファイバケーブル3が一体化され、最小限の電流の供給で地盤に熱を与えた場合であっても、温度上昇量を確実に計測することができる。また、電熱線4を用いたことにより、地盤1の深い場所まで的確に温度を上昇させることができる。
【0032】
測定ケーブルとしては、図5に示すように、光ファイバケーブル3と電熱線4を個別の外被材13、14で覆う構成とすることも可能である。光ファイバケーブル3と電熱線4を個別に覆うことで、一方に断線等が生じた場合、外被材13もしくは外被材14を剥がすことで、断線した光ファイバケーブル3もしくは電熱線4を交換することができる。
【0033】
測定ケーブルとしては、螺旋状に巻かれた光ファイバケーブル3の中心部に直線状に電熱線4を通し、光ファイバケーブル3及び電熱線4を一つの外被材で覆う構成にしたり、螺旋状に巻かれた光ファイバケーブル3と直線状の電熱線4を個別の外被材で覆う構成にすることも可能である。また、昇温手段としては、電熱線4に代えて熱媒(例えば、湯)を循環させる循環チューブを用いることも可能である。熱媒を循環させることにより、地盤1を安定して一定の温度に維持することができる。また、測定ケーブル2を螺旋状に巻回して埋設した例を挙げて説明したが、必要箇所だけを巻回して埋設したり、直線状態にして埋設する等、螺旋状以外の状態で埋設することも可能である。
【0034】
上述した水分量測定装置では、地盤1に熱を与えて地盤1の深さ方向の複数個所で深度に応じた温度上昇量をそれぞれ計測し、計測された温度上昇量に基づいて深度に応じた飽和率を求めることで、地盤1の深さ方向の飽和率の分布を導出するので、深さ方向における水分の状態を把握して地盤1の飽和率を求めることができる。
【0035】
地盤1の深さ方向の飽和率の分布を把握することで、地域における地盤の深い範囲の水分の状態を把握することが可能になる。このため、例えば、深い箇所まで飽和率は低いが、天候等により飽和率の変化が起きやすい地盤である、飽和率は比較的高いが、天候等により飽和率の変化が生じにくい地盤である、等地盤の特性(例えば、地滑りの可能性の高低)を把握することができる。地盤の特性が把握できることにより、大規模設備や大規模施設等を構築する際の検討・評価を的確に行うことができる。
【0036】
図6から図10に基づいて、上述した水分量測定装置により、深さ方向の飽和率の分布を求めた際の検証結果を説明する。図6から図10に示した結果は、地盤試料としてRC-10砂(RC砂)及び洗砂を用い、地盤試料の深さと温度上昇量、温度上昇量と飽和率、深さ方向の飽和率の分布を検証したものである。
【0037】
図6にはRC砂の深さと温度上昇量の関係を表すグラフ、図7には洗砂の深さと温度上昇量の関係を表すグラフ、図8には飽和率と温度上昇量の関係を表すデータグラフを示してある。そして、図9にはRC砂の温度上昇量に応じて飽和率のデータを当てはめて得られる深さ方向の飽和率の分布を表すグラフ、図10には洗砂の温度上昇量に応じて飽和率のデータを当てはめて得られる深さ方向の飽和率の分布を表すグラフを示してある。
【0038】
図6、図7で求めた関係は、上述した水分量測定装置を、深さ2m程度の地盤試料(RC砂、洗砂)に設置し、地盤試料に熱を与えて深さ毎の温度上昇量を求めたもので、図中点線は自然状態での関係、図中実線は人工的に降雨状態を作り地盤試料の飽和率が高くなる状態での関係である。
【0039】
図6に示すように、RC砂は、浅い領域で自然状態の時に温度上昇量が多く、降雨状態の時に温度上昇量が少ない。0.5mよりも深くなると、自然状態の時と降雨状態の時の温度上昇量は、10℃前後の温度上昇量で略同様な傾向を示している。図7に示すように、洗砂は、浅い領域で自然状態の時に温度上昇量が多く、降雨状態の時に温度上昇量が少ない。0.5mよりも深くなると、10℃よりも低い温度上昇量で、自然状態の時の温度上昇量が高い状態で変化している。
【0040】
一方、図8は、地盤試料(RC砂、洗砂)に応じて求められた、温度上昇量に対する飽和率のデータを示してある。データは、前述したように、水を撒いて人工的に所定の飽和率の状態を作り、人工的な飽和率を変化させた時の温度上昇量の平均値をプロットして較正したものである。
【0041】
図8中△印はRC砂の状況であり、○印は洗砂の状況である。図に示すように、洗砂に比べてRC砂の温度上昇量が高い状態を維持し、洗砂及びRC砂の両方の地盤試料で、飽和率が高くなるに従って温度上昇量が低くなる関係になっている。
【0042】
図6、図7及び図8の結果を用い、水分量測定装置により、深さに応じた温度上昇量を求め(図6、図7)、得られた温度変化量を飽和率として置き換えることにより(図8)、地盤試料(RC砂、洗砂)毎に深さに応じた飽和率を導出することができる。
【0043】
図6、図7及び図8の結果に基づいて得られた地盤試料(RC砂、洗砂)毎の飽和率の深さ方向の分布の結果を図9、図10に示してある。
【0044】
図9にはRC砂の飽和率の分布、図10には洗砂の飽和率の分布を示してある。図中○印は自然状態での50cm毎の飽和率を示し、図中△印は人工的に作った降雨状態での50cm毎の飽和率を示してある。また、図中実線は自然状態での2.7cm毎の飽和率の状況であり、図中点線は人工的に作った降雨状態での2.7cm毎の飽和率の状況である。図9、図10に示した状態が、地盤試料に応じた深さ方向の飽和率の分布となる。
【0045】
上述したように、地盤試料としてRC砂及び洗砂を用い、水分量測定装置により地盤試料に熱を与えて深さ毎の温度上昇量を求め、図8に示したデータを適用することで、図9、図10に示したように、地盤試料の深さ方向における飽和率の分布を得ることが確認できた。
【0046】
上述したように、本実施例の地盤の深さ方向における水分量測定方法を用いることにより、地盤に熱を与えて深さ毎に温度上昇を求めることで、深さ方向の飽和率(水分量)の分布を導出することができ、深い範囲の地盤の水分の状態を把握することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、地盤の深さ方向の水分量を把握する地盤の深さ方向における水分量測定方法の産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 地盤
2 測定ケーブル
3 光ファイバケーブル
4 電熱線
5 温度測定装置
6 電流発生装置
7 飽和率導出制御手段
11 ガイド棒
12、13、14 外被材
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤の深さ方向の水分量の分布を求める水分量測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種プラントや工場、倉庫、航空施設、鉄道施設、道路施設、公共施設等の大規模設備や大規模施設を建設する場合、地盤の状態を知ることは重要であり、現在の状態のみならず気象状況の変化で将来的に予想される状態変化の可能性等を含めて地盤の状態を把握することが必要である。地盤は大きく分けて土、水、空気で構成され、土の種類(成分や粒子の大きさ等)や状態等によって地盤全体の状態は様々である。
【0003】
土壌の水分の状態を熱伝導率の変化により把握する技術が従来から知られている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1の技術では、試料に熱を与えて熱電対により温度を計測し、熱に対する温度の経時変化を見て熱伝導率を求め、水分が上昇することにより熱伝導率が増大することを確認し、試料の水分の状態を把握している。
【0004】
熱伝導率に基づいて試料と同じ土壌の水分の状態を把握することで、地表の熱収支や凍結対策に対する指標を得ることができ、農業、土木の分野で有用である。この技術を用いて、大規模設備や大規模施設が構築される地盤の水分を把握することに適用することが考えられる。
【0005】
しかし、従来から知られている技術は、試料に熱を与えて熱電対により温度を計測しているので、試料のサンプルを増やしても、土壌の表面近くの水分を把握していることになり、極めて浅い範囲の土壌の水分の状態を把握することしかできない。大規模設備や大規模施設等が構築される地盤は、深い範囲で安定した状態が長期に亘り求められているので、単に、表面近くの土壌を用いた試料の熱伝導率を評価して水分の状態を把握することだけでは、深い範囲における地盤全体の水分の状態を把握したことにはならない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】土木試験所月報、1981年2月、No.333、1ページから10ページ、北野雅治、仁平勝行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、地盤の深さ方向の水分量の分布を測定することができ、深い範囲で地盤の水分の状態を把握することができる地盤の深さ方向における水分量測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の地盤の深さ方向における水分量測定方法は、地盤の深さ方向の複数個所で深度に応じた温度上昇量をそれぞれ計測し、計測された温度上昇量に基づいて深度に応じた水分量を求めることで前記地盤の深さ方向の水分量の分布を導出することを特徴とする。
【0009】
請求項1に係る本発明では、地盤の深さ方向の複数個所で計測した深度に応じた温度上昇量により深度に応じた水分量を求めることで、深さ方向の水分量の分布を導出しているので、深さ方向における水分の状態を把握して地盤の水分量を求めることができる。
【0010】
この結果、地盤の深さ方向の水分量の分布を測定することができ、深い範囲の地盤の水分の状態を把握することが可能になる。
【0011】
そして、請求項2に係る本発明の地盤の深さ方向における水分量測定方法は、請求項1に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、温度上昇量に基づいて深度に応じた水分量を求める際に、予めデータ化された温度上昇量と水分量との関係を用いることを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る本発明では、地盤の深さ方向の複数個所で温度の上昇量を計測することで、地盤の深さ方向の水分量の分布を求めることができる。
【0013】
また、請求項3に係る本発明の地盤の深さ方向における水分量測定方法は、請求項2に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、予めデータ化された温度上昇量と水分量との関係は、地盤に応じた試料に対し、水を含ませた状態で温度上昇量の平均値を求め、水を含ませることを繰り返すことで水分量を徐々に増加させ、水分量を増加させた毎に温度上昇量の平均値を求め、平均値を温度上昇量とすることで温度上昇量と水分量の関係がデータ化されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る本発明では、地盤に応じた試料に対し、温度上昇量と水分量との関係を的確にデータ化することができる。
【0015】
また、請求項4に係る本発明の地盤の深さ方向における水分量測定方法は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、長尺の温度検出手段により深度に応じた温度を複数個所で検出し、前記長尺の温度検出手段と一体的に備えられた長尺状の温度上昇手段により地盤の温度を上昇させることで温度上昇量を計測することを特徴とする。
【0016】
請求項4に係る本発明では、長尺の温度検出手段及び長尺状の温度上昇手段により地盤の深さ方向の温度上昇量を容易に計測することができる。
【0017】
また、請求項5に係る本発明の地盤の深さ方向における水分量測定方法は、請求項4に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、長尺の温度検出手段として光ファイバケーブルを用い、光の反射波長に基づいて所定位置の温度を検出し、長尺状の温度上昇手段として電線に通電することにより地盤の温度を上昇させることを特徴とする。
【0018】
請求項5に係る本発明では、電線に通電し光ファイバケーブルを用いて温度計測を行うことで、温度上昇量及び計測位置を簡単に求めることができ、深さ方向の正確な複数位置の温度上昇量を容易に求めることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の地盤の深さ方向における水分量測定方法は、地盤の深さ方向の水分量の分布を測定することができ、深い範囲の地盤の水分の状態を把握することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例に係る地盤の深さ方向における水分量測定方法を実施するための水分量測定装置の概略構成図である。
【図2】地盤に設置した状態の水分量測定装置の要部外観図である。
【図3】測定ケーブルの外観図である。
【図4】測定ケーブルの断面図である。
【図5】他の例の測定ケーブルの断面図である。
【図6】深さと温度上昇量の関係を表すグラフである。
【図7】深さと温度上昇量の関係を表すグラフである。
【図8】飽和率と温度上昇量の関係を表すデータグラフである。
【図9】深さ方向の水分量の分布を表すグラフである。
【図10】深さ方向の水分量の分布を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
不飽和地盤には、土粒子、水、空気が存在し、それぞれ熱の伝導率が異なる。このため、地盤に熱を与えて温度変化(温度上昇量)を測定することで、地盤内の水分量の割合(水分量)である飽和率が推定できると考えられる。本発明はこのような知見に基づいてなされたもので、加熱が可能で地盤の深さ方向の複数個所の温度測定が可能な測定ケーブルを用い、地盤の深さ方向における温度上昇を測定して深さ方向の飽和率の分布を導出(推定)するものである。
【0022】
図1から図4に基づいて本発明の一実施例に係る地盤の深さ方向における水分量測定方法を実施するための水分量測定装置を説明する。以下の説明では、地盤の空隙中の水分量の割合(水分量)を飽和率と称してある。
【0023】
図1には水分量測定装置を説明するための概略構成、図2には測定ケーブルが地盤に埋め込まれた状態における水分量測定装置の要部外観、図3には測定ケーブルの外観状態、図4には測定ケーブルの断面視状態を示してある。また、図5には他の実施例に係る測定ケーブルの断面視状態を示してある。
【0024】
図1に示すように、地盤1には深さ方向に沿って、所定の深さ(例えば、数十m)にわたり測定ケーブル2が設置(埋設)されている。測定ケーブル2には、長尺の温度検出手段としての光ファイバケーブル3が備えられると共に、光ファイバケーブル3に沿って長尺の昇温手段としての電線としての電熱線4が備えられている。
【0025】
光ファイバケーブル3の地上側の端部は温度上昇量計測制御手段としての温度測定装置5が備えられ、温度測定装置5は、光ファイバケーブル3に対する光の反射波に基づいて、複数の所定計測位置での温度がそれぞれ計測される。電熱線4の地上側の端部は温度上昇量計測制御手段としての電流発生装置6が備えられ、電流発生装置6により電熱線4が通電される。電熱線4が通電されることにより電熱線4が発熱し、光ファイバケーブル3に沿った方向の地盤1の温度を上昇させる。
【0026】
つまり、電流発生装置6により電熱線4が通電されて(作動信号を出力)発熱し、電熱線4の発熱により地盤1の温度が深さ方向にわたり昇温される。昇温された地盤1の温度情報が光ファイバケーブル3を通して温度測定装置5に入力され、温度測定装置5では、深さ方向の複数個所での温度上昇量が計測される。
【0027】
そして、温度測定装置5の情報は水分量導出制御手段である飽和率導出制御手段7に送られる。飽和率導出制御手段7には温度上昇量に応じた水分量のデータ(飽和率のデータ)が記憶され、飽和率導出制御手段7では、地盤1の深さ方向の複数個所で深度に応じて計測された温度上昇量に基づいて飽和率が求められる。これにより、深度に応じた飽和率の情報が得られ、地盤1の深さ方向の飽和率の分布が導出される。
【0028】
飽和率のデータは、地盤1に応じた試料に対し、水を含ませた状態で温度上昇量の平均値を求め、水を含ませることを繰り返すことで人工的に飽和率を徐々に増加させ、飽和率を人工的に増加させた毎の温度上昇量の平均値を求め、平均値を各飽和率での温度上昇量とすることで温度上昇量と飽和率の関係としている。このため、地盤1に応じた試料に対し、温度上昇量と飽和率との関係を的確にデータ化することができる。
【0029】
図2に示すように、地盤1にはガイド棒11が深さ方向に延びて埋められ、測定ケーブル2はガイド棒11に支えられた状態で螺旋状に巻かれて地盤1の深さ方向に埋設される。
【0030】
図3、図4に示すように、測定ケーブル2は、光ファイバケーブル3及び電熱線4が一緒に外被材12に覆われた長尺状のケーブルとされ、長尺状のケーブルが螺旋状に巻かれることで光ファイバケーブル3及び電熱線4が外被材12と共に螺旋状に巻かれている。このため、測定ケーブル2が地盤1に埋められた時に光ファイバケーブル3による温度検出の分解能を高くすることができる。
【0031】
また、電熱線4が光ファイバケーブル3と共に外被材12に覆われているので、電熱線4と光ファイバケーブル3が一体化され、最小限の電流の供給で地盤に熱を与えた場合であっても、温度上昇量を確実に計測することができる。また、電熱線4を用いたことにより、地盤1の深い場所まで的確に温度を上昇させることができる。
【0032】
測定ケーブルとしては、図5に示すように、光ファイバケーブル3と電熱線4を個別の外被材13、14で覆う構成とすることも可能である。光ファイバケーブル3と電熱線4を個別に覆うことで、一方に断線等が生じた場合、外被材13もしくは外被材14を剥がすことで、断線した光ファイバケーブル3もしくは電熱線4を交換することができる。
【0033】
測定ケーブルとしては、螺旋状に巻かれた光ファイバケーブル3の中心部に直線状に電熱線4を通し、光ファイバケーブル3及び電熱線4を一つの外被材で覆う構成にしたり、螺旋状に巻かれた光ファイバケーブル3と直線状の電熱線4を個別の外被材で覆う構成にすることも可能である。また、昇温手段としては、電熱線4に代えて熱媒(例えば、湯)を循環させる循環チューブを用いることも可能である。熱媒を循環させることにより、地盤1を安定して一定の温度に維持することができる。また、測定ケーブル2を螺旋状に巻回して埋設した例を挙げて説明したが、必要箇所だけを巻回して埋設したり、直線状態にして埋設する等、螺旋状以外の状態で埋設することも可能である。
【0034】
上述した水分量測定装置では、地盤1に熱を与えて地盤1の深さ方向の複数個所で深度に応じた温度上昇量をそれぞれ計測し、計測された温度上昇量に基づいて深度に応じた飽和率を求めることで、地盤1の深さ方向の飽和率の分布を導出するので、深さ方向における水分の状態を把握して地盤1の飽和率を求めることができる。
【0035】
地盤1の深さ方向の飽和率の分布を把握することで、地域における地盤の深い範囲の水分の状態を把握することが可能になる。このため、例えば、深い箇所まで飽和率は低いが、天候等により飽和率の変化が起きやすい地盤である、飽和率は比較的高いが、天候等により飽和率の変化が生じにくい地盤である、等地盤の特性(例えば、地滑りの可能性の高低)を把握することができる。地盤の特性が把握できることにより、大規模設備や大規模施設等を構築する際の検討・評価を的確に行うことができる。
【0036】
図6から図10に基づいて、上述した水分量測定装置により、深さ方向の飽和率の分布を求めた際の検証結果を説明する。図6から図10に示した結果は、地盤試料としてRC-10砂(RC砂)及び洗砂を用い、地盤試料の深さと温度上昇量、温度上昇量と飽和率、深さ方向の飽和率の分布を検証したものである。
【0037】
図6にはRC砂の深さと温度上昇量の関係を表すグラフ、図7には洗砂の深さと温度上昇量の関係を表すグラフ、図8には飽和率と温度上昇量の関係を表すデータグラフを示してある。そして、図9にはRC砂の温度上昇量に応じて飽和率のデータを当てはめて得られる深さ方向の飽和率の分布を表すグラフ、図10には洗砂の温度上昇量に応じて飽和率のデータを当てはめて得られる深さ方向の飽和率の分布を表すグラフを示してある。
【0038】
図6、図7で求めた関係は、上述した水分量測定装置を、深さ2m程度の地盤試料(RC砂、洗砂)に設置し、地盤試料に熱を与えて深さ毎の温度上昇量を求めたもので、図中点線は自然状態での関係、図中実線は人工的に降雨状態を作り地盤試料の飽和率が高くなる状態での関係である。
【0039】
図6に示すように、RC砂は、浅い領域で自然状態の時に温度上昇量が多く、降雨状態の時に温度上昇量が少ない。0.5mよりも深くなると、自然状態の時と降雨状態の時の温度上昇量は、10℃前後の温度上昇量で略同様な傾向を示している。図7に示すように、洗砂は、浅い領域で自然状態の時に温度上昇量が多く、降雨状態の時に温度上昇量が少ない。0.5mよりも深くなると、10℃よりも低い温度上昇量で、自然状態の時の温度上昇量が高い状態で変化している。
【0040】
一方、図8は、地盤試料(RC砂、洗砂)に応じて求められた、温度上昇量に対する飽和率のデータを示してある。データは、前述したように、水を撒いて人工的に所定の飽和率の状態を作り、人工的な飽和率を変化させた時の温度上昇量の平均値をプロットして較正したものである。
【0041】
図8中△印はRC砂の状況であり、○印は洗砂の状況である。図に示すように、洗砂に比べてRC砂の温度上昇量が高い状態を維持し、洗砂及びRC砂の両方の地盤試料で、飽和率が高くなるに従って温度上昇量が低くなる関係になっている。
【0042】
図6、図7及び図8の結果を用い、水分量測定装置により、深さに応じた温度上昇量を求め(図6、図7)、得られた温度変化量を飽和率として置き換えることにより(図8)、地盤試料(RC砂、洗砂)毎に深さに応じた飽和率を導出することができる。
【0043】
図6、図7及び図8の結果に基づいて得られた地盤試料(RC砂、洗砂)毎の飽和率の深さ方向の分布の結果を図9、図10に示してある。
【0044】
図9にはRC砂の飽和率の分布、図10には洗砂の飽和率の分布を示してある。図中○印は自然状態での50cm毎の飽和率を示し、図中△印は人工的に作った降雨状態での50cm毎の飽和率を示してある。また、図中実線は自然状態での2.7cm毎の飽和率の状況であり、図中点線は人工的に作った降雨状態での2.7cm毎の飽和率の状況である。図9、図10に示した状態が、地盤試料に応じた深さ方向の飽和率の分布となる。
【0045】
上述したように、地盤試料としてRC砂及び洗砂を用い、水分量測定装置により地盤試料に熱を与えて深さ毎の温度上昇量を求め、図8に示したデータを適用することで、図9、図10に示したように、地盤試料の深さ方向における飽和率の分布を得ることが確認できた。
【0046】
上述したように、本実施例の地盤の深さ方向における水分量測定方法を用いることにより、地盤に熱を与えて深さ毎に温度上昇を求めることで、深さ方向の飽和率(水分量)の分布を導出することができ、深い範囲の地盤の水分の状態を把握することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、地盤の深さ方向の水分量を把握する地盤の深さ方向における水分量測定方法の産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 地盤
2 測定ケーブル
3 光ファイバケーブル
4 電熱線
5 温度測定装置
6 電流発生装置
7 飽和率導出制御手段
11 ガイド棒
12、13、14 外被材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤の深さ方向の複数個所で深度に応じた温度上昇量をそれぞれ計測し、計測された温度上昇量に基づいて深度に応じた水分量を求めることで前記地盤の深さ方向の水分量の分布を導出することを特徴とする地盤の深さ方向における水分量測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、
温度上昇量に基づいて深度に応じた水分量を求める際に、予めデータ化された温度上昇量と水分量との関係を用いる
ことを特徴とする地盤の深さ方向における水分量測定方法。
【請求項3】
請求項2に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、
予めデータ化された温度上昇量と水分量との関係は、地盤に応じた試料に対し、水を含ませた状態で温度上昇量の平均値を求め、水を含ませることを繰り返すことで水分量を徐々に増加させ、水分量を増加させた毎に温度上昇量の平均値を求め、平均値を温度上昇量とすることで温度上昇量と水分量の関係がデータ化されている
ことを特徴とする地盤の深さ方向における水分量測定方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、
長尺の温度検出手段により深度に応じた温度を複数個所で検出し、前記長尺の温度検出手段と一体的に備えられた長尺状の温度上昇手段により地盤の温度を上昇させることで温度上昇量を計測する
ことを特徴とする深さ方向における水分量測定方法。
【請求項5】
請求項4に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、
長尺の温度検出手段として光ファイバケーブルを用い、光の反射波長に基づいて所定位置の温度を検出し、長尺状の温度上昇手段として電線に通電することにより地盤の温度を上昇させる
ことを特徴とする地盤の深さ方向における水分量測定方法。
【請求項1】
地盤の深さ方向の複数個所で深度に応じた温度上昇量をそれぞれ計測し、計測された温度上昇量に基づいて深度に応じた水分量を求めることで前記地盤の深さ方向の水分量の分布を導出することを特徴とする地盤の深さ方向における水分量測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、
温度上昇量に基づいて深度に応じた水分量を求める際に、予めデータ化された温度上昇量と水分量との関係を用いる
ことを特徴とする地盤の深さ方向における水分量測定方法。
【請求項3】
請求項2に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、
予めデータ化された温度上昇量と水分量との関係は、地盤に応じた試料に対し、水を含ませた状態で温度上昇量の平均値を求め、水を含ませることを繰り返すことで水分量を徐々に増加させ、水分量を増加させた毎に温度上昇量の平均値を求め、平均値を温度上昇量とすることで温度上昇量と水分量の関係がデータ化されている
ことを特徴とする地盤の深さ方向における水分量測定方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、
長尺の温度検出手段により深度に応じた温度を複数個所で検出し、前記長尺の温度検出手段と一体的に備えられた長尺状の温度上昇手段により地盤の温度を上昇させることで温度上昇量を計測する
ことを特徴とする深さ方向における水分量測定方法。
【請求項5】
請求項4に記載の地盤の深さ方向における水分量測定方法において、
長尺の温度検出手段として光ファイバケーブルを用い、光の反射波長に基づいて所定位置の温度を検出し、長尺状の温度上昇手段として電線に通電することにより地盤の温度を上昇させる
ことを特徴とする地盤の深さ方向における水分量測定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−174767(P2011−174767A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37962(P2010−37962)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
【Fターム(参考)】
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