説明

坐剤用コンテナ、コンテナ入り坐剤、坐剤の製造方法

【課題】患者が坐剤を投与する時、違和感や恐怖感を持つことのない坐剤を提供する。
【解決手段】二枚の包装材を貼り合わせることによって構成され坐剤用コンテナ4において、坐剤形成空間6の途中にくびれ部4cを設け、くびれ部4cの近傍から充填口4a側は、包装材5が高強度で接着されるようにし、くびれ部4cの近傍から充填口側と反対側は、包装材5が低強度で接着されるようにし、坐剤形成空間6内で成型された坐剤3を取り出す際に、包装材5の低強度で接着された領域のみを手指で剥離することで、坐剤余剰部2aを坐剤形成空間内6に残留させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、末端部に陥没が無い形状の坐剤を提供可能な坐剤用コンテナ、及びこの坐剤用コンテナを利用した坐剤の製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、医薬品を基剤に均等に混和して一定形状に成型し、肛門または膣等に挿入する坐剤が広く利用されている。この坐剤は、体温により溶けるか、軟化するか、又は分泌液で徐々に溶けるようになっている。この基剤としては、油脂性基剤、水溶性基剤またはそのほかの適当な物質を用いるが、必要ならば乳化剤、懸濁化剤などを加える。この基剤に対して医薬品を均等に混和した後、液状(坐剤溶融液)のまま坐剤用コンテナに充填して適当な形状に成型する。この坐剤用コンテナは、そのまま坐剤のパッケージとなって流通する。
【0003】
図2(a)に従来の坐剤用コンテナ4の状態を示す。この坐剤用コンテナ4は、ポリ塩化ビニルやアルミニウム等の二枚の包装材を接着して構成される。この接着強度は、内部の密封状態が保持され、かつ、手指で包装材を剥離することで、内部の坐剤を取り出すことができる強度に設定される。この坐剤用コンテナ4に坐剤溶融液を充填して固化させた後、坐剤用コンテナ4の充填口4aを密封接着する。この結果、図2の(b)に示されるように、坐剤用コンテナ4の内部に坐剤1が梱包された製品形態となる。
【0004】
この従来の坐剤用コンテナ4及び坐剤1は、坐剤溶融液が固化する際に体積の減少が発生する。従って、坐剤用コンテナ4を開封すると、図2(c)に示されるように、坐剤1の末端部に陥没部1aが形成される。陥没部1aの周囲は鋭い角度のエッジとなる。さらにこのエッジは、流通過程や坐剤用コンテナ4から取り出すときに欠けが生じるので、陥没部1aの周囲が鋸歯のようになることもある。従って、痛み等に極めて敏感な肛門等に坐剤1を挿入する際、この陥没部1aは、患者に対して違和感と、視覚的な恐怖感を与える。また欠けた際に生じる微細片は、坐剤1を坐剤用コンテナ4から取り出す際に周囲に飛散するので、掃除等の手間が生じる。
【0005】
そこで特許文献1には、図3(a)に示されるように、坐剤用コンテナ4の途中にくびれ部4cを設ける技術が開示されている。図3(b)に示されるように、くびれ部4cよりも上端にある充填口4aに至るまで坐剤溶融液を注入して固化する。坐剤用コンテナ4における充填口4a側と反対側の端縁4eから、包装材を剥離すると、図3(c)に示されるように、くびれを介して坐剤余剰部2aが付いている坐剤準備体2を取りだすことができる。勿論、この坐剤余剰部2aには陥没部1aが形成されるている。その後、図3(d)に示されるように、坐剤準備体2から坐剤余剰部2aを折り取ることにより、陥没部のない坐剤(本体)3を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭60−55950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の製法では、坐剤準備体2の坐剤余剰部2aを取り除いて投与しなければならないという点で、利用者にとって煩雑さが残る。また、この坐剤余剰部2aは、周囲に捨てられやすいため、その坐剤余剰部2aを赤子等が拾って食べてしまったりする危険性もある。
【0008】
なお、特許文献1には、この坐剤余剰部2aをゼロに近づけるように充填量を調製すれば、この坐剤余剰部2a自体も無くすことができるという提案も記載されている。しかし、充填量の微調製は、製造時の温度や湿度等によって様々な制約を受けるため、調製ミスによって必然的に大きな陥没が発生することから、実現するのが難しいという問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、坐剤の末端部の陥没を実質的に防止することができ、且つ、生産コストを上げることなく坐剤を製造するための坐剤用コンテナ、この坐剤用コンテナを用いた坐剤の製造方法、及びこの製造方法によって製造されるコンテナ入り坐剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、発想の転換により、坐剤をコンテナから取り出すときに、陥没している末端部のみをコンテナに留置させる構造を採用することで、坐剤の末端部の陥没がない坐剤を確実に得られることを見出した。即ち、上記目的は以下の手段によって達成される。
【0011】
即ち上記目的を達成する本発明は、凹部が形成される二枚の包装材を貼り合わせることによって構成され、前記凹部によって、坐剤溶融液の充填口を備えた坐剤形成空間が形成される坐剤用コンテナであって、前記坐剤形成空間の途中には、くびれ部が設けられ、前記くびれ部の近傍から前記充填口側は、前記二枚の包装材が高強度で接着されており、前記くびれ部の近傍から前記充填口側と反対側は、前記二枚の包装材が低強度で接着されており、前記坐剤形成空間内で成型された坐剤を取り出す際に、前記二枚の包装材における前記低強度で接着された領域のみを手指で剥離することで、前記くびれ部から前記充填口側に形成される坐剤余剰部を前記坐剤形成空間内に残留させることを可能とする坐剤用コンテナである。
【0012】
更に、上記目的を達成する本発明のコンテナ入り坐剤は、上記坐剤用コンテナと、前記坐剤用コンテナの前記坐剤形成空間内に、前記くびれ部よりも前記充填口側に液面が到達するまで坐剤溶融液を充填して形成される坐剤準備体とを備え、前記坐剤準備体を前記くびれ部に相当する位置で折ることで、前記坐剤余剰部を前記坐剤形成空間に残留させた状態で、前記坐剤を取り出すことができることを特徴とするものである。
【0013】
また、上記目的を達成する本発明は、凹部が形成される二枚の包装材を貼り合わせて、充填口を備えた坐剤形成空間が形成される坐剤用コンテナを構成する際に、前記坐剤形成空間の途中にくびれ部を設けておき、前記くびれ部近傍から坐剤充填口側は、前記二枚の包装材を高強度で接着し、更に、前記くびれ部近傍から坐剤充填口側と反対側は、前記二枚の包装材を低強度で接着しておき、前記充填口を上方に開口させた状態の前記坐剤用コンテナに対して、液面が前記くびれ部よりも上方側となるまで坐剤溶融液を前記坐剤形成空間に充填し、冷却固化させることを特徴とする坐剤の製造方法である。
【0014】
更に、上記目的を達成する本発明のコンテナ入り坐剤は、上記坐剤の製造方法によって製造され、前記坐剤用コンテナ、及び前記坐剤形成空間で冷却固化される坐剤準備体を備え、前記二枚の包装材における前記低強度の領域のみを手指で剥離することで、前記坐剤準備体における前記くびれ部から前記充填口側に形成される坐剤余剰部を前記坐剤形成空間に残留させ、坐剤本体のみを取り出すことができることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来に比べて生産能力において遜色がなく、また、得られる坐剤は実質的に陥没部が無い状態とすることができる。その結果、患者が違和感や恐怖感を持つことなく、坐剤を肛門・直腸に安心して投与できるという効果を有する。また、坐剤用コンテナにくびれ部があるため、坐剤の保管・流通の時、横転や天地逆転した状態で坐剤が溶融した場合に発生する、坐剤本体側への空気の移動を阻止できる。その結果、保管時の溶融による坐剤の変形を防止できるという付随的な効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】陥没のない坐剤を調製するための本実施形態の概略手順を示す平面図と縦断面図
【図2】陥没が発生する従来の坐剤の製造方法の概略を示す縦断面図
【図3】陥没のない坐剤を調製するための従来の製造方法を示す平面図と縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る坐剤用コンテナ、坐剤の製法等について詳細に説明する。
【0018】
図1(a)〜(c)には、本実施形態の坐剤用コンテナ4が示されている。この坐剤用コンテナ4は、2枚の包装材5を貼り合わせて構成されている。包装材5には、図1(c)に示されるように、坐剤を縦に半割した形状に近い凹部5aが形成されており、この凹部5aを互いに対向させることによって坐剤形成空間6が形成される。図1(a)に示されるように、この坐剤形成空間6は、上方端に充填口4aが用意される。この充填口4aは、坐剤溶融液を充填した後にシールされる。なお、この充填口4aは、坐剤溶融液が澱みなく充填できる機能があれば、どのような形状でも良い。
【0019】
坐剤形成空間6の途中には、他の部分と比較して直径が小さくなるくびれ部4cが形成される。このくびれ部4cを境にして充填口4a側は、坐剤余剰部が形成される空間となる。一方、充填口4aと反対側は坐剤(本体)3が形成される空間となる。従って、くびれ部4cは、坐剤(本体)3の末端部に位置することになる。また、坐剤3の先端は、末端部よりも太くなるように構成されており、肛門等に坐剤を先端側から挿入することで、直腸側に自然に進入するようになっている。なお、本実施形態では、坐剤余剰部と坐剤本体の双方を含む形態を坐剤準備体と定義している。
【0020】
2枚の包装材5は、凹部5aの周囲において互いに接着されるようになっている。図3(a)に示されるように、くびれ部4cを基準とした水平方向のZ−Z線の位置から、充填口4a側の端縁4dまでは、2枚の包装材5が高強度で接着され、手指の力で互いの包装材5を剥離できない程度にしている。即ち、高い剥離強度となっている。一方、くびれ部4cを基準とした同Z−Z線の位置から、充填口4aと反対側の端縁4eまでは、2枚の包装材5が低強度で接着され、手指の力で互いの包装材5を剥離できる程度にしている。即ち低い剥離強度となっている。
【0021】
なお、高低の2種の接着強度(剥離強度)を設ける手段として、Z−Z線から端縁4dまでの接着剤と、Z−Z線から端縁4eまでの接着剤の種類を変えたり、接着剤の塗布量を変えたりする方法がある。また、接着剤の量や質は同じにして、加熱面積や加圧面積を変える方法がある。さらに、加熱により接着力が発生する包装材を用いて加熱面積や加圧面積を変える方法によって2種類の接着強度を確保する方法がある。
【0022】
包装材5の材質は特に限定されるものではなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル等の汎用の合成樹脂材料等を使用することが可能である。また、ヒートシールが可能な点では、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系の合成樹脂材料が好ましい。また、複数の異なる材質からなるシートの積層体を包装材5に採用してもよい。
【0023】
坐剤用コンテナ4に充填される坐剤溶融液は、基剤及びそこに配合される薬剤を含んで構成されるが、これらの種類は特に限定されない。また、この坐剤溶融液には、他の補助成分を添加することもできる。補助成分としては水、油性成分、界面活性剤、安定化剤、保存剤、着色剤、芳香剤、分散剤、増粘剤、pH調節剤、湿潤剤、抗酸化剤、防腐剤、賦形剤等が挙げられる。
【0024】
次に、この坐剤用コンテナ4を利用したコンテナ入り坐剤10の製造手順について説明する。
【0025】
まず、図1(a)に示されるように、充填口4aを鉛直上方に開口させた状態で坐剤用コンテナ4を保持し、この充填口4aから坐剤溶融液を充填する。充填量は、液面がくびれ部4cから上方に位置する程度、好ましくは液面が充填口4aに達するまでとする。その後、坐剤溶融液を冷却固化し、充填口4aを互いに接着する。この結果、図1(b)に示されるように充填口4aは無くなり接着部4bとなる。この結果、坐剤形成空間6が完全に密封され、この坐剤形成空間6の内部には、坐剤(本体)3と坐剤余剰部2aが一体化された坐剤準備体2が形成される。この坐剤用コンテナ4及び坐剤準備体2によって、コンテナ入り坐剤10が完成する。なお、既に説明したように、坐剤溶融液が固化する際に体積減少が生じるため、坐剤余剰部2aには陥没部1aが形成される。
【0026】
次に、図1(c)を参照して、このコンテナ入り坐剤10から坐剤3を取り出す手順について説明する。
【0027】
坐剤用コンテナ4から陥没のない坐剤3を取り出すときは、坐剤用コンテナ4の充填口4aと反対の端縁4e側から、2枚の包装材5のぞれぞれを手指で把持して、両者を剥離していく。端縁4eからZ−Z線までは、2枚の包装材5が低強度で接着されていることから、包装材5はZ−Z線の位置まで剥離して自ずと停止する。この結果、坐剤形成空間6におけるくびれ部4cよりも下方側(本体側)が開放され、坐剤準備体2における坐剤(本体)3のみが露出する。
【0028】
次に、坐剤(本体)3を持って坐剤準備体2を折る。坐剤準備体2は、くびれ部4cに相当する部分から正確に折り取られ、坐剤3のみを容易に取り出すことが出来る。坐剤形成空間6のくびれ部4cよりも上方側に位置する坐剤余剰部2aは、この坐剤形成空間6内に残留する。この結果、坐剤(本体)3の末端部3aは、くびれ部4cの断面形状をそのまま反映した微細平坦面となる。また、坐剤形成空間6における本体側からくびれ部4cに至までの絞り領域4fの形状は、坐剤3における後部領域3bの形状にそのまま反映される。従って、挿入に対する安心感を提供する為には、絞り領域4fを滑らかに湾曲させて、全体を半球形状にしておくことが好ましい。またくびれ部4cの断面積を小さくすればするほど、坐剤(本体)3の末端部3aの平面が少なくなり、坐剤3の後部領域3bをより滑らかに仕上げることが出来る。
【0029】
なお、コンテナ入り坐剤10の保管・流通過程において、横転や天地逆転した状態で、温度上昇が生じて、坐剤準備体2が溶融する場合がある。この際、坐剤形成空間6内の坐剤溶融液で空気の移動が生じるが、このくびれ部4cを細くしておけば、その空気の移動を阻止できる。その結果、溶融による坐剤3の変形を防止できるという付随的な効果も得られる。一方、くびれ部4cを細くしすぎると、ノズルを充填口4aに挿入して、坐剤溶融液を坐剤形成空間6内に充填する作業に、より多くの時間を費やすことになり、量産性が悪化する。このことから、調製する坐剤にふさわしいくびれ部4cの大きさを適宜選択することが好ましい。
【実施例1】
【0030】
実施例として、上記コンテナ入り坐剤10を試作した。試験用の坐剤(1,500mg/個)の調製には、代表的なものとして、水性基剤(試験坐剤A)と油性基剤(試験坐剤B)を選定した。まずその組成を表1に示す。
【表1】

【0031】
坐剤用コンテナ4は、ポリエチレンを内側に貼り合わせたポリプロピレン製の包装材5を互いに貼り合わせて形成した。なお、くびれ部4cの内径は3mmの設定し、くびれ部4cに連続する絞り領域4fは、直径7mmの湾曲を有する略半球形状とした。
【0032】
包装材5において、くびれ部4cのあるZ−Z線の位置から充填口4a側の端縁4dまでは、坐剤形成空間6を除くすべて領域を加熱・加圧して高強度に接着した。一方、Z−Z線の位置から充填口4aと反対側の端縁4eまでは、坐剤形成空間6の周囲に沿って1mmの幅で加熱・加圧して部分的に接着した。
【0033】
次に、充填口4aを鉛直上方に開口させた状態で坐剤用コンテナ4を保持し、この充填口4aから1,600mgの坐剤溶融液を充填した。坐剤溶融液が固化した後、充填口4aをヒートシーラーで密封接着し、更に3時間の空冷後、室温に1日放置した。このようにして、コンテナ入り坐剤10を、試験坐剤A、Bそれぞれ10個作成した。
【0034】
このコンテナ入り坐剤10の端縁4e側から、二枚の包装材5を手指で把持してZ−Z線の位置まで剥離した。次に、坐剤準備体2のくびれ部に相当する位置を折ることで、坐剤(本体)3のみを取り出した。この結果、坐剤形成空間6に、陥没のある坐剤余剰部2aが残留し、末端側に陥没のない坐剤3を簡単に得ることが出来た。いずれの坐剤3においても、その後部領域3bは、くびれ部4c及び絞り領域4fの形状がそのまま反映された形状、即ち実質的に直径7mmの半球形状となった。坐剤余剰部2aは、坐剤形成空間6におけるくびれ部4cよりも充填口4a側に残留し、くびれ部4cから落下することも無かった。
【0035】
更に、取り出した坐剤3の重量のバラツキを調べた。その結果を表2に示す。
【表2】

【0036】
表2から分かるように、2種の試験坐剤A、Bともに、すべてにおいて後部領域3bに陥没は観察されず、また、重量の変動係数はいずれも1%以下となることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明によれば、患者が坐剤を投与する時、違和感や恐怖感を持つことのない坐剤を提供することができる。
【符号の説明】
【0038】
1a 陥没部
2 坐剤準備体
2a 坐剤余剰部
3 坐剤(本体)
3a 末端部
3b 後部領域
4 坐剤用コンテナ
4a 充填口
4b 接着部
4c くびれ部
4d 充填口側の端縁
4e 充填用口側と反対の端縁
4f 絞り領域
5 包装材
5a 凹部
6 坐剤形成空間
10 コンテナ入り坐剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部が形成される二枚の包装材を貼り合わせることによって構成され、前記凹部によって、坐剤溶融液の充填口を備えた坐剤形成空間が形成される坐剤用コンテナであって、
前記坐剤形成空間の途中には、くびれ部が設けられ、
前記くびれ部の近傍から前記充填口側は、前記二枚の包装材が高強度で接着されており、
前記くびれ部の近傍から前記充填口側と反対側は、前記二枚の包装材が低強度で接着されており、
前記坐剤形成空間内で成型された坐剤を取り出す際に、前記二枚の包装材における前記低強度で接着された領域のみを手指で剥離することで、前記くびれ部から前記充填口側に形成される坐剤余剰部を前記坐剤形成空間内に残留させることを可能とする坐剤用コンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載の坐剤用コンテナと、
前記坐剤用コンテナの前記坐剤形成空間内に、前記くびれ部よりも前記充填口側に液面が到達するまで坐剤溶融液を充填して形成される坐剤準備体とを備え、
前記坐剤準備体を前記くびれ部に相当する位置で折ることで、前記坐剤余剰部を前記坐剤形成空間に残留させた状態で、前記坐剤を取り出すことができることを特徴とするコンテナ入り坐剤。
【請求項3】
凹部が形成される二枚の包装材を貼り合わせて、充填口を備えた坐剤形成空間が形成される坐剤用コンテナを構成する際に、
前記坐剤形成空間の途中にくびれ部を設けておき、
前記くびれ部近傍から坐剤充填口側は、前記二枚の包装材を高強度で接着し、更に、前記くびれ部近傍から坐剤充填口側と反対側は、前記二枚の包装材を低強度で接着しておき、
前記充填口を上方に開口させた状態の前記坐剤用コンテナに対して、液面が前記くびれ部よりも上方側となるまで坐剤溶融液を前記坐剤形成空間に充填し、冷却固化させることを特徴とする坐剤の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の坐剤の製造方法によって製造され、
前記坐剤用コンテナ、及び前記坐剤形成空間で冷却固化される坐剤準備体を備え、
前記二枚の包装材における前記低強度の領域のみを手指で剥離することで、前記坐剤準備体における前記くびれ部から前記充填口側に形成される坐剤余剰部を前記坐剤形成空間に残留させ、坐剤本体のみを取り出すことができることを特徴とするコンテナ入り坐剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−83442(P2011−83442A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−238807(P2009−238807)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【出願人】(509288356)
【Fターム(参考)】