説明

埋め込み可能な調節可能弁

【課題】水頭症治療のために、体液の通過を調節するための圧力設定及び/又は流量制御を有する弁ユニットの提供。
【解決手段】ケース103は体液のためのポートを画定し、ポートに位置付けられた弁機構140は可動弁部材144を含む。弁ユニット100は、ケース103の第1位置に配置され、回転軸Rを中心に回転するアクスル138を有するローター120を更に含む。ローター120は複数の弓状の半径方向に平坦なカム表面を画定する。各カム表面は、回転軸Rの周囲の孤を占める。ローター120のカム表面と摺動可能に接触するカム従動アームを有し、弁ユニット100の性能設定を形成するために可動弁部材144と共に閉鎖効果を適用する弾力的ばね要素を有する、ばねアームユニット130がケースの103第2位置に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋め込み可能な医療装置のための弁、及びより具体的には意図しない性能設定の変更に抵抗する、調節可能な弁機構に関連する。
【背景技術】
【0002】
患者の器官又は組織から流体を取り除くことを必要とする医学的症状のための、多くの治療が存在する。1つのこのような症状は水頭症であり、脳脊髄液が頭蓋骨内に、これが身体により排出されるよりも速く異常に蓄積する。脳脊髄液の過剰な蓄積が脳組織を圧迫し、最終的にこれは脳の損傷に繋がる。
【0003】
水頭症は、一般的に、脳室と流体連通するシャントを埋め込むこみ、所望の速度で脳脊髄液を排出することによって治療される。典型的に、脳脊髄液の排出速度は、臨床医が手術前に調節する異なる圧力設定を有する弁によって制御される。Raynham,MassachusettsのCodman & Shurtleff,Inc.から現在市販されるCodman(登録商標)Hakim(登録商標)プログラム可能弁などの、多くのシャント弁が、埋め込み後に非侵襲的に変更され得る。他の調節可能な弁には、Medtronic NeurosurgeryからのStrata(商標)弁、Christoph Meithke GMBHにより製造され、Aesculap AGにより入手可能なProGAV(商標)、並びにSophysa USA Incから入手可能なSophy(商標)及びPolaris(商標)弁が挙げられる。これらの弁は全て、弁圧力設定を調節するために磁気を使用する。様々な度合いにおいて、意図しない設定変更への抵抗、所望の弁設定の達成における使いやすさ、及び実際の弁設定の検出に関し、これらの弁は最適ではない。
【0004】
MRIとも称される磁気共鳴映像法は、患者の1つ以上の区域を調べるために、ますます一般的な医療手当となっている。MRIは、コンピュータ断層撮影よりも良好な組織種類間の対照を提供し、有害である可能性のあるx線の代わりに、強力な磁場を使用する。第1世代MRIシステムの磁気曝露レベルが典型的に最大1.5テスラである一方で、より新しいMRI機器は通常3.0テスラを使用する。例えば、米国特許第7,390,310号において、McCuskerらによって認識されるように、これらの強力な磁場は、シャント弁を含む、埋め込まれた装置と干渉する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、少なくとも3.0テスラの強力な磁場に耐えることができ、意図しない弁設定の変更に抵抗する、使いやすい埋め込み可能な弁を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、ユニットが振動、衝撃又は意図しない磁場に供された際の意図しない性能設定変更に抵抗する、改善された埋め込み可能である、調節可能な弁ユニットを提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、弁ユニットの圧力又は流量制御設定の望ましい非侵襲性の変更を容易に可能にする、このような弁ユニットを提供することである。
【0008】
実際の弁の開放圧力設定又は流量制御設定の検出を促進することもまた、本発明の更に別の目的である。
【0009】
本発明は、患者内に埋め込むことができ、体液の通過を調節するための調節可能な性能設定を有する弁ユニットを特徴とする。弁ユニットは、体液のための入口又は出口などのポートを画定するケースと、ポートに位置付けられる弁機構を含む。弁機構は可動弁部材を含む。弁ユニットは、ケースの第1位置に配置され、回転軸を中心に回転するアクスルを有するローターを更に含む。ローターは、複数の半径方向に平坦なカム表面を画定し、各カム表面は回転軸周囲の孤を占める。ケースの第2位置に配置されるばねアームユニットは、ローターのカム表面と摺動可能に接触するカム従動アームを有し、弁ユニットの性能設定を形成するためにポートで弁部材と共に閉鎖効果を適用する弾力的ばね要素を有する。カム従動部と接触するカム表面を変更するローターの十分な回転は、弁部材をポートに対して動かす閉鎖効果を変更し、それによって弁ユニットの性能設定を変更する。
【0010】
いくつかの実施形態において、可動弁部材は、弁ユニットを通じた流量を制御するために、複数の位置にあるポートと位置合わせ可能な少なくとも1つのポート制限要素を画定する。一実施形態において、弁部材は弾力的ばね要素と一体であり、複数の流量制御設定を形成するために、ポートを漸進的に制限するように摺動可能である。いくつかの実施形態において、半径方向に平坦なカム表面は、最も内側のカム表面から最も外側のカム表面まで連続的な配置でローターの周囲に位置付けられ、それによって各連続的カム表面の回転軸からの半径方向距離は、最も大きな半径方向距離が最も外側のカム表面において画定されるまで、各前のカム表面の半径方向距離よりも大きくなっている。
【0011】
いくつかの実施形態において、ローターはまた、ローターがカム従動部と接触するカム表面の孤を超えない孤の中で回転するように拘束された拘束状態から、非拘束状態へと回転軸に沿って可動である。ローターは、少なくとも2つの磁石などの磁気的に引きつけ可能な要素を含み、各磁石は回転軸に対して横方向の磁化軸を有する。いくつかの実施形態において、磁石は、ローターの相対する側部上で離間し、各磁石は回転軸に対して45°〜90°、好ましくは75°〜85°で配置される磁化軸を有する。ケースは複数のロック停止部を画定し、ローターは、ローターが拘束状態にあるときに、少なくとも1つのロック停止部と係合可能であり、ローターが非拘束状態にあるときに、ロック停止部と係合しない、少なくとも1つの歯を画定する。
【0012】
多くの実施形態において、弁ユニットは、患者の外側で、弁ユニットの近位に位置付け可能であり、ローターを実際の設定から別の設定に調節することを可能にするために、拘束状態から非拘束状態へとローターを上げるために、磁気的に引きつけ可能な要素との十分な引きつけ強度を有する磁石を有する、設定アジャスタツールと組み合わされる。好ましくは、アジャスタ磁石は、ローターの回転軸と実質的に平行に位置合わせ可能な少なくとも1つの磁化軸を有する。
【0013】
いくつかの実施形態において、弁ユニットは、患者の外側で、弁ユニットの近位に位置付け可能であり、弁ユニットの実際の設定を変更することなく実際の設定を検出することができる、設定インジケータツールと組み合わされる。インジケータツールは、歯車と、ホイールとを含み、ホイールは、これが歯車に対して係合離脱している場合は検出状態で実質的に自由に回転する。固定状態において、ホイールは、好ましくは冠歯車などのかさ歯車である、歯車による個別の設定値に駆動される。
【0014】
本発明はまた、複数の性能設定を有する埋め込まれた弁ユニットと共に使用するためのインジケータツールを特徴とする。インジケータツールは、計測値ウィンドーを有するハウジング、ハウジングによって回転可能に支持されるスピンドル上で、ハウジング内で回転することができる、インジケータホイールアセンブリを含む。ホイールアセンブリは、計測値ウィンドーを通じて順次見ることができる性能設定の表示を保持する。少なくとも1つの磁石が、埋め込まれた弁ユニットの実際の性能を検出するためにインジケータホイールアセンブリによって保持される。解放機構は、第1位置から第2位置へと動くようにユーザーによって作動され得、これは、磁石が埋め込まれた弁ユニットの実際の設定の方に引かれる、すなわち引きつけられる際にインジケータホイールが回転することを可能にする。第1歯車は、解放機構及びインジケータホイールアセンブリの一方によって保持される。少なくとも1つの留め具が、解放機構及びインジケータホイールアセンブリの他方によって保持され、これは、解放機構が第1位置に戻るときに、第1歯車と係合してインジケータホイールを駆動して計測値ウィンドーを通じて単一の性能設定値を表示する。いくつかの実施形態において、解放機構は解放機構を第1位置から第2位置に動かすために、ユーザーによって押圧可能なボタン、及びボタンを第1位置へと付勢するバネを含む。一実施形態において、留め具は第1歯車と噛合い可能な第2歯車を含む。
【0015】
本発明は更に、患者内に埋め込むことができ、体液の経路を調節するための調節可能な圧力設定を有し、体液のためのポートを画定するケースと、ボールなどの可動弁部材を含む、ポートに位置付けられる弁機構を含む、弁ユニットを特徴とする。弁ユニットは、ケースの第1位置に配置され、回転軸を中心に回転するアクスルを有するローターを更に含む。ローターは、複数の半径方向に平坦なカム表面を画定し、各カム表面は回転軸周囲の孤を占める。ケース内の第2位置に配置されるばねアームユニットは、ローターのカム表面と摺動可能に接触するカム従動アームを有し、弁ユニットの圧力設定を形成するためにポートの可動弁部材に閉鎖力を適用する弾力的ばね要素を有する。カム従動部と接触するカム表面を変更するためのローターの十分な回転は、閉鎖力を変更して、弁部材がポートから動いて離れる圧力を変更し、それによって弁ユニットの圧力設定を変更する。
【0016】
いくつかの実施形態において、半径方向に平坦なカム表面それぞれは、他のカム表面それぞれの半径方向距離とは異なる、回転軸からの半径方向距離を有する。一実施形態において、半径方向に平坦なカム表面は、最も内側のカム表面から最も外側のカム表面への連続的な配置において、ローターの周囲に位置付けられ、それによって各連続的なカム表面の回転軸からの半径方向距離は、最も大きな半径距離が最も外側の表面で画定されるまで、各前のカム表面の半径距離よりも大きくなっている。ローターはまた、ローターがカム従動部と接触するカム表面の孤を超えない孤の中で回転するように拘束された拘束状態から、非拘束状態へと回転軸に沿って可動であり、実際の設定から別の設定へとローターの調節を可能にする。
【0017】
他の実施形態において、ローターは少なくとも2つの磁石などの磁気的に引きつけ可能な要素を含み、各磁石は回転軸に対して横方向の磁化軸を有する。好ましくは、磁石は、ローターの相対する側部上で離間し、各磁石は回転軸に対して45°〜90°、より好ましくは75°〜85°で配置される磁化軸を有する。ローターは、磁気的に引きつけ可能な要素を収容するハウジング部分を有する。ハウジング部分は、ローターと一体に形成されるか又は別個に製造されて、その後ローターのカム部分に取り付けられるかのいずれかである。ケースは、好ましくはケースの下方部分に複数のロック停止部を画定し、ローターは、好ましくはそのハウジング部分上に少なくとも1つの歯を画定し、これはローターが拘束状態にあるときに、少なくとも1つのロック停止部と係合可能であり、ローターが非拘束状態にあるときに、複数のロック停止部のいずれとも係合しない。ケースは、非拘束状態のローターと係合可能な回転停止部を画定し、少なくとも一方向において、カム従動部を超える最も外側のカム表面の回転を防ぐ。
【0018】
更に他の実施形態において、ローター保持ばねはローターを拘束状態へと付勢する。可動弁部材はボールであり、弁機構は、圧力設定を較正するために弁ユニットの組立中にポート内で調節可能なボールの座部を含む。ばねアームユニットは剛化アームを更に含み、少なくとも最も外側のカム表面は、剛化アームがばね要素に対して推進されて、その実効長さを短くし、それによってその可動弁部材に対する閉鎖力を増加させることを可能にする。
【0019】
本発明はまた、患者内に埋め込むことができ、調節可能な開放圧力設定を有し、体液のための入り口を画定するケースと、ボール及びボールための座部を含む、入口に位置付けられるボール弁機構と、ケースの第1位置に配置されたローターであって、実質的に固定した回転軸を中心に回転するアクスルを有する、ローターと、有する、弁ユニットとして表現され得る。ローターはまた、複数の半径方向に平坦なカム表面を画定する下方カム部分を有し、各カム表面は回転軸の周囲の孤を占める。ケース内の第2位置に配置されるばねアームユニットは、ローターのカム表面と摺動可能に接触する実質的に剛性のカム従動アームを有し、弁ユニットの開放圧力設定を形成するためにボールに対して閉鎖力を適用する弾力的ばね要素を有する。半径方向に平坦なカム表面は連続的な配置でローターの周囲に位置付けられ、それによって各連続的カム表面の回転軸からの半径方向距離は、最も大きな半径方向距離が最も外側のカム表面において画定されるまで、各前のカム表面の半径方向距離よりも大きくなっている。カム従動部と接触するカム表面を変更するためのローターの十分な回転が、ボールが座部から動いて離れる圧力を連続的に変更し、それによって弁ユニットの開放圧力設定を変更する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下に、図面を参照して本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。
【図1】本発明により改善された調節可能な弁ユニットを有する、プログラム可能なシャント弁装置の概略透視分解図。
【図1A】本発明による別の調節可能な弁を有する、別のプログラム可能なシャント弁装置の側断面図。
【図2】図1の調節可能な弁ユニットの分解斜視図。
【図3】図2の調節可能な弁ユニットの平面図。
【図4】線4−4に沿った、図3の調節可能な弁ユニットの側断面図。
【図5】線5−5に沿った、図3の調節可能な弁ユニットの断面図。
【図6】第1圧力設定において、およそ線6−6に沿った、図4の調節可能な弁ユニットの部分断面図。
【図6A】第1圧力設定において、およそ線6A−6Aに沿った、図4の調節可能な弁のより深い断面図。
【図6B】異なる、連続的な圧力設定における、図4の調節可能な弁ユニットの部分断面図。
【図6C】異なる、連続的な圧力設定における、図4の調節可能な弁ユニットの部分断面図。
【図6D】異なる、連続的な圧力設定における、図4の調節可能な弁ユニットの部分断面図。
【図6E】異なる、連続的な圧力設定における、図4の調節可能な弁ユニットの部分断面図。
【図6F】異なる、連続的な圧力設定における、図4の調節可能な弁ユニットの部分断面図。
【図6G】異なる、連続的な圧力設定における、図4の調節可能な弁ユニットの部分断面図。
【図6H】異なる、連続的な圧力設定における、図4の調節可能な弁ユニットの部分断面図。
【図7】およそ線7−7に沿った、図4の調節可能な弁ユニットの、より深い断面図。
【図8】異なる圧力設定への遷移を示す、図7の調節可能な弁ユニットの断面図。
【図9】任意のねじりばねを有するばねアームユニットの斜視図。
【図9A】図9の要素の平面図。
【図10】回転可能な構成物の軸方向の上昇を示す、線10−10に沿った、図8の調節可能な弁ユニットの側断面図。
【図11】非拘束状態における「実質的にオフ」の位置を示す、図6Hの調節可能な弁ユニットの、より浅い部分の上方断面図。
【図12】図11の線12−12に沿った側面図。
【図13】図11の線13−13に沿った側断面図。
【図13A】図13の線13A−13Aに沿った部分断面図。
【図14】インジケータツール、ロケータツール及び設定アジャスタツールを含む、本発明によるツールセットの斜視図。
【図15】は、図14のインジケータツールの分解斜視図。
【図16】埋め込まれた弁の上に位置付けられた図14のロケータツールの平面図。
【図17】患者の皮膚の下に埋め込まれたシャント弁を仮想線で示す、図16の線17−17に沿った側断面図。
【図18】ロケータツールとネスト化されたインジケータツールの平面図。
【図18A】図18の線18A−18Aに沿った側断面図。
【図19】垂直に係合した位置にある解放ボタンを有する図18の線19−19に沿った側断面図。
【図19A】押圧された、係合離脱した位置にある解放ボタンを示す、図18の線19−19に沿った部分側断面図。
【図20】図18の線20−20に沿った部分断面図。
【図21】図14の設定アジャスタツールの分解図。
【図22】ロケータツールとネスト化されたアジャスタツールの平面図。
【図22A】図22の線22A−22Aに沿った部分断面図。
【図23】図22の線23−23に沿った部分断面図。
【図24】本発明による別のインジケータツールの分解図。
【図25】図24の線25−25に沿った側断面図。
【図26】ロケータツール内に位置付けられた、本発明による別の代替的インジケータツールの断面図。
【図27A】ロケータツールが省略された、患者の上に位置付けられたアジャスタツールの平面図。
【図27B】10倍の倍率で示される、アジャスタツール及び弁ユニットを有するシャント弁の一部をのみを示す、図27Aの線27B−27Bに沿った概略断面図。
【図28】体液の流量を制御するための、ポート制限要素を有する別の可動弁部材の遠位部分の概略側面図。
【図29】図28の線29−29に沿った部分上方断面図。
【図30】更に別の可動弁部材の概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明による、調節可能な弁ユニットの一構成は、ケース内の第1位置に配置されるローターを有する。ローターは複数の弓状の半径方向に平坦なカム表面を画定する。各カム表面は、ローターの回転軸周囲の孤を占める。ケース内の第2位置に配置されるばねアームユニットは、ローターの弓状カム表面と摺動可能に接触する実質的に剛性のカム従動アームを有し、弁ユニットの圧力設定を形成するために座部に対してボールなどの可動弁部材に、閉鎖力などの閉鎖効果を適用する弾力的ばね要素を有する。流量制御などの他の性能設定が、以下で図28及び図29に関連して記載されるような他の構成において達成される。好ましくは、半径方向に平坦なカム表面は連続的な配置でローターの周囲に位置付けられ、それによって各連続的カム表面における回転軸からの半径方向距離が、最も大きな半径方向距離が最も外側のカム表面において画定されるまで、各前のカム表面の半径方向距離よりも大きくなっている。カム従動部と接触するカム表面を変更するためのローターの十分な回転が、ボールが座部から動いて離れる圧力を連続的に変更し、それによって弁ユニットの圧力設定を変える。
【0022】
発明者らは例えば、カムと接触する剛性カム従動部及び弁ボールと接触する可撓性要素を有することにより、圧力制御における改善された精度を達成した。向上した結果として、弾力的ばね要素が屈曲する(これはボールに一定のばね力を提供する)ことだけを必要とすることにより、座部からの、ボールの制御された開放を生じる。開放圧力及び全体的な弁性能は、所望の圧力設定が選択された後の、ばねアームユニットの軸方向の枢動に依存しない。
【0023】
本発明による調節可能な弁ユニットの好ましい用途は、水頭症を治療するために、脳脊髄液を分流するためのシステムの一部としての、単回使用の埋め込み可能弁装置内におけるものである。弁ユニットが、一定の制御された脳室内圧力及び脳脊髄液の排出のための、多くの異なる圧力設定を有することが望ましい。好ましい開放圧力設定は、好ましくは、294Pa(30mm)7段階でおよそ294Pa〜2,059Pa(30mm〜210mm水柱)、最終的な設定はおよそ少なくとも3,920Pa(400mm水柱)であり、「実質的にオフ」、すなわち実質的に閉じたものとして流量を最小限にする。臨床医は、手術前に弁の初期開放圧力を選択及び設定することができる。埋め込み後、圧力設定は、本発明によるツールセットを使用して非侵襲的に変更することができる。
【0024】
図1は、近位コネクタ14及び遠位コネクタ16を有し、好ましくはシリコーンなどの半透明材料で形成される、シャントハウジング12を有するプログラム可能シャント弁装置10を例示する。流体をシャントハウジング12に運ぶために、脳室カテーテル又は他の近位カテーテルがコネクタ14に接続可能である。流体は、サンプリング又はポンピングチャンバ18に入り、次に入口102の弁機構を通じて、図2〜13Aに関して以下でより詳細に示され、記載される、本発明による調節可能な弁ユニット100に入る。弁ユニット100(図1)は、音波溶接によってこの構成で接合される、上方ケース104及び下方ケース106として形成されるケース103を含む。好ましくは剛性ポリマー材料で形成される針ガード20及び下方ケース106は、好ましくはポリマーメッシュで補強されたシリコーンで形成された支持プレート22によって、ハウジング12内に固定され、支持プレート22は、医療用等級エポキシによってハウジング12に結合される。
【0025】
入口102における流体圧力が、弁ユニット100内の選択された圧力設定を超える場合、流体は弁機構を通され、次に弁ユニット出口110を通ってハウジング12の経路30に流れ込む。好ましくは、現在Codman & Shurtleff,Inc.(Raynham,Massachusetts)から市販されているSiphonguard(登録商標)が経路30内に配置される。Siphonguard(登録商標)装置(図示されない)は、シャントシステムによる脳脊髄液の過剰な排出を防ぐように設計されている。過剰な排出の1つの原因は、仰向けから直立位置への患者の位置の変化である。最終的に、流体はハウジング12から遠位コネクタ16を通じて腹膜カテーテル又は他の遠位カテーテルへと出る。
【0026】
シャントハウジング12a、エポキシ封止部13及び15を有する近位コネクタ14a並びにエポキシ封止部17及び19を有する遠位コネクタ16aを有する別のシャント弁装置10aが図1Aに断面図で示される。針ガード20a及び支持プレート22aがチャンバ18aの床部を形成する。流体は、下方ケース106aによって画定される入口102aを通じて本発明による弁ユニット100aに流れ込み、この構成において上方ケース104aによって画定される出口110aを通じて小さなチャンバ40に、次に遠位コネクタ16aに直接出る。弁ユニット110及び110a内の構成要素の更なる詳細が以下に提供される。
【0027】
弁ユニット100(図2)は、ローター120、ばねアームユニット130、弁機構140及びローター保持ばね150を含む。この構成において、回転構成体とも称されるローター120は、以下でより詳細に示され、記載される、複数の半径方向に平坦なカム表面を有する下方カム構成体122、並びに磁気要素123及び125を保持する上方磁気ハウジング124から形成される。ハウジング124はまた、以下に記載されるようにローター120が非拘束状態に動いた際に、上方ケース104の停止部と係合する指状部127を画定する。ローター120は、ケース103の第1位置の、の実質的に固定された回転軸Rを画定するアクスル126を中心に回転する。
【0028】
好ましくは、ローター120はまた、以下でより詳細に記載されるように、アジャスタツールがこれに適用される際に、非拘束状態へと並進運動により回転軸に沿って動くことができる。保持ばね150は、ローター120を、下方の垂直に拘束された状態へと付勢する。好ましくは、ばね150は、弁ユニットの位置にかかわらず、重力の影響に抵抗し、かつ以下でより詳細に記載されるインジケータツール内の磁気などの、磁気又は第一鉄物体に抵抗するために十分な付勢を有するコイルばねである。しかしながら、ばね150は、やはり以下に記載される調節ツールの影響に抵抗するには十分でない。下方カム区分122は、カム従動部132が、拘束及び非拘束状態両方においてカム表面と接触したままであることを確実にするため、十分な高さを有する。
【0029】
ばねアームユニット130は、カム従動部132、弾力的ばね要素134、並びに上方アクスル136及び下方アクスル138をケース103の第2位置に含み得る。アクスル138は、合成ルビーなどの低摩擦の硬質材料から形成されるベアリング139を中心に回転する。ケース103に関し、ローター120及びばねアームユニット130はポリエーテルスルホンから形成される一方で、全てのばね構成要素は、医療等級の非強磁性ステンレス鋼から形成されることが望ましい。
【0030】
弁機構140は、座部142及び可動弁部材144を含む。好ましくは、座部142及びボールなどの弁部材144は、合成ルビーなどの同じ非強磁性材料で形成される。他の構成において、可動弁部材は、ディスク、円錐又は他の種類のプラグであり得る。球形ボールが現在では好ましいが、これは、この形が座部に対して緊密で正確な許容度、組立及び制御を可能にするためである。また、ポート内の座部の位置は、力−変位関係を使用して、各設定において達成される実際の性能値を変えるために、弁ユニットの組立中に調節することができる。最初に、マンドレルがボールの位置を確認し、座部がポート内の推定される望ましい位置に挿入される。所望の性能が達成されることを確認するために、1つ以上の設定においてボール変位が試験される。
【0031】
弁ユニット100a(図1A)は、それぞれ北N及び南S磁気配向を有する、磁気要素125a及び123aを保持するポケットを有する、モノリシックローター120aを含む。図1及び図2に示される組み合せたローター構成体を形成するために個別成形され、その後下方ローターユニットに取り付けられる別個のハウジング要素に対し、ローター120aは、下方カム部分122aと共に、ローター120aの上方ハウジング部分124a内にポケットと共にマイクロ成形された異なる種類の回転構成体である。磁気要素123a、125a及びタンタル基準ボール129aは次にポケット内に配置される。その後、ローター120aを完成させるためにポケット内の残りの空隙を埋めるため、Loctite(登録商標)M−31CL(商標)エポキシなどのエポキシが追加される。アクスル126aは、それがマイクロ成形から取り出された後に、ローター120aに追加される別個の構成要素として示され、別の構成では、アクスル126aは、主要ローター120aと一体成形される。ローター歯160a及び162a、可動弁要素制限器180a、並びにボール144aを弁座部142aに対して圧迫するばね要素134aの一部がまた図1Aに示される。別の構成において、ローター歯160a、162aは、例示されるように、ハウジング部分124aの下に突出する代わりに、カム部分122aの下に位置付けられる。
【0032】
弁ユニット100が、図3〜5において組み合わされた状態で示され、以下でより詳細に記載されるように、第2圧力設定において位置付けられている。この構成において、ローターハウジング124は、下方に突出する歯160及び162を保持し、下方ケース106から上方に突出する4つのロック停止部と協働する。ロック停止部172は図4において部分断面図で示され、ロック停止部170及び176は図5において可視である。好ましくは、ローター歯160及び162の下方表面は丸く、ケースロック停止部170、172、174及び176の上方表面はそれぞれ、チゼル様、導入トポグラフィーを生じるように複数の小平面を有し、これはローター歯が拘束位置へと戻るように促進する。しかしながら、歯160、162及び停止部170〜176の水平面は、係合した際に当接し、「導出」されず、すなわち、相対的な並進運動が阻害される。歯−停止部の当接を克服して性能設定を変更するために、以下でより詳細に記載されるように、純粋な垂直方向の上昇が調節ツールによって提供されなくてはならない。
【0033】
図4の制限器180は、ボール144が座部142に対してずれる又は外れることがないように、ばね134が座部142から離れて移動するのを制限する。図4及び図5のエポキシのガスケット182が、この構成における上方ケース104と下方ケース106との間の任意の重複封止部として示される。
【0034】
弁ユニット100及び100aの動作は同様であり、図6〜8において弁ユニット100と関連して例示され、同一の参照番号は、同一の構成要素及び機構を指定する。視覚的明確さのため、各図面において全てのこのような要素及び機構が標識されているわけではない。図6及び図6Aは、第1圧力設定における弁ユニット100の異なる高さの上方部分断面図を示す。カム従動部132は、第1カム表面191とのみ摺動可能に接触し、これは点190及び192によって境界される孤長を有するが、これはローターハウジング歯162が、通常の拘束状態においてケースロック停止部170とケースロック停止部172との間に捕捉されるためである。第1カム表面191は、ローター120の回転軸に対して、第1の好ましくは最短の半径方向距離210を有する。これに対し、最も外側のカム表面205は、以下でより詳細に記載されるように、最も長い半径方向距離218を有する。任意のねじりばね220は、図9でより詳細に示される。
【0035】
ローター120が、以下で記載されるように、調節ツール内の磁石によって上方に並進運動する際、ローター歯162が上昇し、それによって続く調節ツールの時計方向又は反時計方向の回転が、歯162を上げケース固定停止部172を超えて回転させる。調節ツールが取り除かれた後に第2圧力設定が図6Bに示されるように選択されたとき、ローター120はばね150によって下方に付勢される(図2、4及び5)。
【0036】
ローター歯160は、例えば、図4及び図6Bのいずれの停止部とも接触しないものとして例示されるがこれは、非拘束状態においてローター歯162がここでロック停止部の対172と174との間に捕捉され(図6B)、これがローター120のカム従動部132に対するローター120のカム構成体上の点192及び194を超える回転を防ぐために十分であるためである。点192及び194は、第2カム表面193の第2孤長を表す。表面193は、距離210よりも大きく、距離218よりも小さい(図6A及び6H)第2半径方向距離212にある。第2カム表面193の孤長(図6B)は、第1カム表面191の孤長と同じであっても異なっていてもよいが、好ましくは実質的に同じ長さである。
【0037】
カム従動部132の外側半径方向の動きは、これが第1カム表面191(図6A)から第2カム表面193(図6B)まで摺動可能に移動する際に、カム従動部132によってばねアームユニット130の残部に増加したトルクが適用されるために、ボール144上の弁ばね134による付勢力を増加させる。圧力制御における精度の改善は、選択されるカム表面と接触する剛性カム従動部132及び弁ボール144と接触する可撓性要素ばね134を有することによって達成される。向上した結果として、ボール144に一定のばね力を提供するように、弾力的ばね要素134が曲がることのみを必要とすることによってボール144が弁座部142から開く。開放圧力及び全体的な弁機能は、ばねアームユニット130の軸方向の枢動に依存しない。
【0038】
第3開放圧力設定は図6Cに示され、ローター歯162がケース停止部174とケース停止部176との間に位置付けられ、それによってカム従動部132は、第3半径方向距離214において、点194と点196との間の第3カム表面195のみを経る。第4圧力設定(図6D)を達成するために、ローター歯160及びローター162両方が、ケース停止部170及び176に対してそれぞれ使用される。カム従動部132はしたがって、点196と点198との間の第4カム表面197に制限される。
【0039】
第5〜第7圧力設定が、図6E〜6Gに例示され、ローター歯160がケースロック停止対170〜172、172〜174及び174〜176の間でそれぞれ連続的に捕捉される。カム従動部132がそれによって点198と点200との間の第5カム表面199(図6E)、点200と点202との間の第6カム表面201(図6F)及び点202と点204との間の第7カム表面203(図6G)に制限される。
【0040】
好ましい開放圧力設定は現在、294Pa(30mm)7段階でおよそ294Pa〜2059Pa(30mm〜210mm水柱)の範囲であり、最終的な「実質的にオフ」の設定は以下でより詳細に記載される。好ましくは、各弁ユニットは、1つ以上の流量において、製造時に較正及び試験される。各設定の実際の開放圧力は、流量によって異なる傾向があり、典型的にはミリメートル/時として測定される。また、1mmの内径を有する、長さ120cmの遠位カテーテルで試験した場合、5mL/h以上の流量において、平均開放圧力は典型的には、88Pa(9mm水柱)以上増加する。
【0041】
少なくとも約3,920Pa(400mm水柱)の最終設定は(図6H)、「実質的にオフ」の設定、すなわち実質的に閉じたものとして流量を最小化する。この最終設定は、カム従動部132を、最も大きな半径距離218を有する点204及び点206によって画定される最も外側のカム表面205に曝露することによって達成される。この最大カム設定は、ばねアームユニット130の、より剛性な要素133を弁バネ134に対して推進し、その活性の有効長さを短くし、それによってボール144に対して適用される付勢力を劇的に増加させる。最終開放圧力は、前の設定よりも50%超増加する。他の構成において、より剛性の要素が、望ましい圧力増分において、2つ以上の最終カム設定の間に弁ばねに対して推進される。
【0042】
カム従動部132、より剛性の要素133及び弁ばね134を有するばねアームユニット130が、図9及び9Aにおいてより詳細に示される。カム従動部132は、丸い又は面取りした縁部を有する三角形のヘッド233で終わり、縁部の一方がベアリング表面235として機能する。好ましい構成において、ばね要素134は0.0508cm(0.020インチ)の厚さを有するステンレス鋼から形成され、弁ボール又は他の可動弁部材と接触するための、大きいパッド230で終わる。1つの構成において、ばね要素134は支柱232及びリベット234によってばねアームユニット130の残部に取り付けられ、これらは音波溶接によって固定される。ねじりばね220は第1脚部221を有し、これは突起部238の凹部236内に保持される。第2ばね脚部223は、ケースの内部表面に対して位置する。
【0043】
ねじりばね220の使用は任意であり、これはばね要素134のみが可動弁部材に接触するために可能である。結果として、カム従動部132のベアリング表面235をローターのカム表面に対して推進するために、ねじりばね220からの追加的なばね力が使用され得る。ねじりばね220によって提供される付勢力は、ボール又は他の可動弁部材に適用される力に特に影響を与えることなく、意図されるカム変位を反映するばねアームの回転位置を増大させる。これは、例えば、弁ばね要素がカム表面上のカム従動部を維持するために必要な力を単独で提供する場合に、最小の摩擦を維持する必要を低減するため、より正確で反復可能な開放圧力及びより製造可能で堅牢な設計を提供する。
【0044】
図6Aに示される第1圧力設定における弁ユニット100内の構成要素及び機構の位置は、図7でより深い部分断面図において例示される。ローター120の下方カム部分内への開口部222は、ローター120の下から負圧が生じるのを防ぎ、すなわち開口部222は、脊髄液が弁ユニット100を通過する際に圧力の平衡化を確実にする。
【0045】
ローター歯162がケースロック停止部172を解除できるように、例えば図23に示されるように調節ツールで磁力によりローター120が上方に並進運動する際の、第1圧力設定から第2圧力設定への遷移が図8及び図10に例示される。点192において第1カム表面191から第2カム表面193まで通る、カム従動部132が図8に示される。下方カム区分122は、カム従動部ベアリング表面235に対して十分な高さを有し、カム従動部132がカム部分122のカム表面と拘束及び非拘束状態の両方において接触したままであることを確実にする。ローター保持ばね150(図10)は圧縮されており、それが図23に示されるように弁ユニット100の上に位置付けられる間、ローター120と調節ツールとの間の磁力によってその付勢力は克服されている。ばねアームユニット130のそれぞれ上方アクスル136及び下方アクスル138の上方合成ルビーベアリング242及び下方合成ルビーベアリング139もまた図10に例示される。合成ルビーベアリング240は、ローターアクスル126を回転可能に支持する。
【0046】
図6Hに示される最終的な「実質的にオフ」、すなわち実質的に閉じた設定における弁ユニット100内の構成要素及び特徴の位置は、非拘束状態において、図11のより浅い断面図に表される。ローター120の更なる時計方向の回転は、上方ケース104から指状部127に接触するように下方に突出する回転停止部又は制限器250によって防がれる。回転停止部250は、ローター120が非拘束状態において反時計方向に完全に回転する際に、指状部127の反対側の表面と接触する。回転停止部250の実際の位置は、図11に示される位置の右にシフトする場合があり、それによってカム従動部132は、カム表面205のほぼ全部分を追跡することができる。好ましくは、停止部250の一方の側は、最も低い設定から最も高い設定までローターが直接移動するのを防ぎ、また、カム従動部が、ローターがその最も低い設定にある際に最も高い設定のためのカム突起部に触れるのを防ぐ。停止部250の他方の側は、最も高い設定が最も低い設定に直接移動するのを防ぐ。ローターハウジング124を抑止する回転停止部250加えてローター120と上方ケース104との間で圧縮されるばね150の部分側断面図が、この非拘束状態に関して図12に示される。
【0047】
1つの構成におけるローター120の選択された機構及び構成要素の更なる詳細な図が、図13及び図13Aに例示される。特に、図1Aのモノリシックローター120aと同様に、ハウジング部分124がカム部分122と一体であるものとして示される。ポケット空洞260(図13)は磁石123及びタンタル基準ボール129を含み、これは実際の圧力設定を確認するために、患者内への挿入後に、弁ユニット100の画像化中に容易に可視である。ポケット空洞262は磁石125を保持する。磁石125、ポケット262及びローター歯160を通じたハウジング部分124の部分端面図が図13Aに提供される。
【0048】
好ましい構成において、意図しない設定の変更が、(a)実質的に固定した、厳密な公差の、揺れないローターアクスル、(b)上記の当接するローター歯−ケース停止部垂直表面、(c)上記のようにローターを拘束状態の方へと付勢するばね、及び(d)磁場が弁ユニットに適用される際にアクスルを拘束する傾向があるローター内の軸外磁石、の組み合わせによって最小化される。換言すると、ローターの運動の許容平面を制限し、並進移動を制限するために、弁ユニット構成要素を構成することが好ましい。ローター磁石の磁化軸は、好ましくはローターの回転軸に対して45°〜90°で、より好ましくは75°〜85°で位置するように配置される。以下でより詳細に記載されるように、各磁石のn極及びs極を配置することが好ましい。
【0049】
ローター120の磁石123及び125が厚さを通じて磁化されたブロック型又はスロット型磁石であることが望ましく、すなわち磁石123、123a及び125、125aそれぞれは好ましくは、その長さ及び幅と垂直な磁化軸を有し、図26A及び26Bに関連して以下でより詳細に記載されるように、n−s極性の配向を有するものとして配置される。図1Aに示される構成において、磁石123a及び125aは、およそ278.5kJ/m(35MGOe)のBHmaxを有し、長さが2.45mm、幅が1.45mmかつ厚さが1mmである。用語BHmaxは、磁気材料の最大エネルギー積を指し、これは磁気材料の完全飽和点における、メガガウスエルステッドにおいて測定される磁場強度である。対応する調節ツール306(図21)における磁石450及び452は、334.2〜413.8kJ/m(42〜52MGOe)のBHmaxを有し、15.9mmの直径及び15.9mmの高さを有する軸方向に磁化されたディスク型磁石である。弁ユニット磁石のための、3テスラまでの磁場における減磁に抵抗する好適な材料としてはNdFeBが挙げられ、調節ツール磁石のための好適な材料としてはNdFeB等級42〜52が挙げられる。インジケータツール302(図15)のための、好適な軸方向に磁化されたディスク磁石360及び362は、334.2kJ/m(42MGOe)BHmaxを有し、直径が3.18mm、高さが3.18mm及びNdFeB等級42材料である。
【0050】
本発明による弁ユニットの圧力設定は好ましくは、ツールセットと称されるいくつかの付属品を使用して非侵襲的に調べられ、調節される。このような付属品の1つの構成が、本発明によるツールセット300に関し図14〜23に例示される。本発明によるインジケータツールの別の構成が図24〜25において以下に示される。
【0051】
本発明によるツールセット300は、インジケータツール302(図14、15及び18〜20)、ロケータツール304(図14、16、17〜20及び22〜23)及び調節ツール306(アジャスタツールとも称される)(図14及び21〜23)を含む。インジケータツール302及びアジャスタツール306はそれぞれ、以下でより詳細に示され、記載されるように、ロケータツール304の上で互いにネスト化し得る。図14に例示されるように、この構成におけるツールセット300はアジャスタ306を保持するための小さい方の陥没部310、及びロケータ304とネスト化するインジケータ302を保持するための大きい方の陥没部312を有する保存及び移送ケース308を含む。好ましくは、インジケータ302のインジケータ解放ボタン322は、ケース308がツールセット300の保存又は移送のために閉ざされた際に、上方陥没部314内に受容される。
【0052】
インジケータツール302の構成要素の分解図が、図15に提供される。圧力ホイールアセンブリ359は、ヨーク336によって支持される数値ホイール350を含み、これは、計測値ダイアルとも称されるホイール350の経路337内に固定される。スピンドル334は、ホイールアセンブリ359が解放又は非固定位置にあるときに、インジケータハウジング340及び基部370によって保持される合成ルビーベアリング332及び338上で容易にかつ確実に回転する。ホイール350は、圧力値の表示356及び358をそれぞれ有するパドル352及び354などの、複数のパドル又は区域を保持する。表示区域を備える円形ディスクを有する別の構成が、図24に関連して以下に示され、記載される。磁石360及び362(図15)は、ホイール350の陥没部351及び353に保持され、好ましくは保持化合物によって金属ヨーク336に固定される。一構成において、ヨーク336はTi6Al−4Vなどの合金で形成される。磁石360及び362は、数値ホイール350上の様々な値の表示に対して配置される既知のn−s極性を有し、それによってインジケータツールが埋め込まれた弁ユニット上に配置される際に、適切な計測値が提供される。
【0053】
解放ボタン322が第1位置から第2位置まで押圧さるとき(図19A)、ホイールアセンブリ359は開放状態に入り、圧力値ホイール350はスピンドル334(図15)上で自由に回転することができる。ばね324はボタン322を上方に付勢し、それによって歯車330がそれぞれ、ボタン322の下方部分において、下方ボタン延長部326及び328上に形成される内側に面する突起部327及び329などの少なくとも1つの留め具によって第1位置に垂直に係合する。歯車330は好ましくはかさ歯車、より好ましくは歯又はコッグの間に、各圧力の表示をホイール350上で読むための、少なくとも1つの陥没部、好ましくは対向する一対の陥没部を有する、図15に例示されるような冠歯車である。図18〜20に示されるように、インジケータツール302が弁ユニットの上にロケータツール304で位置付けられる際、ホイールアセンブリ359(図15)は、ボタン322が押圧された後に、地球の磁場よりも強いn−s極性が生じるまで、コンパスの様に自由に回転する。コンパスとは異なり、ホイールアセンブリ359は、好ましくは、インジケータツール302が垂直又は直立方向に保持された場合であっても、インジケータツールの位置又は向きにかかわらず、回転し、弁ユニットの実際の設定を適切に指示することができる。
【0054】
インジケータツール302の磁石360及び362は、例えば図13に示される弁ユニット100の磁石123及び125など、読まれる弁ユニット内の磁石に引きつけられる。ボタン322が解放されると、ばね324がこれを第1位置に付勢し、突起部327及び329(図15)が上方に移動してこれらに最も近い一対の陥没部と係合し、ホイールアセンブリ359を最も近い設定に駆動し、それによって圧力値ホイール350を固定し、それによって上方ハウジング340内に画定されるウィンドー又は開口部342に保持されるレンズ344を通じて1つの圧力値が明確に可視である。ボタン322は、インジケータ回転軸IRに沿って並進運動又は往復運動することができるが、インジケータハウジング340に対して回転することはできない。ばね324によって付勢され、ボタン322はそれによってホイールアセンブリ359を別個の圧力値位置に駆動する。
【0055】
インジケータツール302は、臨床医により、隆起した指把持区分348を把持することによって保存ケース308から容易に持ち上げることができる。マーカー346(図15及び図18)がロケータツール304のフレア形状の表面400上に画定されるマーカー380(図16)と位置合わせされるように、インジケータ302はロケータ304と位置合わせされる。いくつかの構成において、ロケータ304に対するインジケータ302の実際の回転は、1つのツール上のキー、戻り止め又は他のロック機構及び他方のツール上の対応する陥没部又は適合するインターロックによって防がれる。例えば、図16及び図18Aに示されるように、ロケータ304の壁部383の内部が突起部384、好ましくは金属停止部を保持し、これはインジケータ302の壁部347の外部の陥没部349と噛合い、2つのツールを固定関係に位置合わせする。
【0056】
ロケータツール304は、図17、19及び20の仮想線に示されるように、本発明による弁ユニットVUを保持する埋め込まれたシャント弁SVに対する固定基準を提供する。ロケータツール304の床部381は、特別な形状の上方開口部382(図16)を画定し、これは、埋め込まれたシャント弁SV(図17及び図19)に適合する。更に、ロケータ304の下方スカート386は開口部387及び388を画定し、これは遠位カテーテルDC及び脳室カテーテルVCをそれぞれ受容する。埋め込まれた構成要素が図17及び図19に仮想線(患者の皮膚SK及び頭蓋骨SL)で示される。
【0057】
ロケータツール304の追加的な機構が、アジャスタツール306と使用される。壁部383の内部は、陥没部392及び394(図16)などの一連の基準点を画定し、これらはそれぞれ、アジャスタ306のリム428によって保持される、収容部422(図21及び図22A)内のばね424によって付勢されるボール426などの戻り止めを受容し得る。ボール426が陥没部392又は394の一方と係合する際に、クリック音及び触覚など、触覚的指標及び可聴指標の少なくとも一方を有することが望ましい。また、フレア形状表面400は、最低圧力設定402及び最高圧力設定404(図16)などの圧力値の表示を保持し、これは、以下に記載されるようにアジャスタ306の開始点として機能する。
【0058】
典型的に、本発明による弁ユニットを有するシャント弁は、埋め込み前、これがまだ滅菌パッケージ内にある間に最初に調節される。好ましくは、パッケージは、矢印などの基準表示を有する。ロケータツール304は、マーク380(図16)又は床部381の下面上のマーク(図示されない)がパッケージの矢印と位置合わせされるように、シャント弁上に配置される。インジケータツール302はその後、インジケータマーク346(図15及び図18)がロケータマーク380と位置合わせされるように、ロケータツール304内に完全に位置する。例えば図19Aに示されるように、ボタン322が、計測値ダイアルとも称されるホイール350が動きを止めるまで、押圧及び保持される。ボタン322がその後解放される。現在の弁設定が、レンズ344を通じ、インジケータツールウィンドー又は開口部342内で(図15)可視となる。上記のように、現在の弁設定がボタン突起部327及び329と歯車330との係合によって適所に固定された状態で、インジケータツール302が取り除かれる。
【0059】
シャント弁がまだその滅菌パッケージ内にある間に、調節ツール306がロケータツール304内に挿入され、それによって調節矢印438が、実際の現在の弁設定に対応するロケータツール304上の弁設定数字を指す。臨床医がロケータツール304を片手で保持し、調節ツール306をもう一方の手で、これが所望の弁設定を指すまで回転させる。一度所望の設定が達成されると、弁ユニットの起こり得る再設定を避けるため、いずれかの水平方向の運動がこれに付与される前に、調節ツール306が最低3cm(1.25インチ)真上に持ち上げられる。読み取り値への起こり得る影響を避けるため、実際の弁設定を読む間、インジケータツール302から少なくとも18cm(7インチ)離間した調節ツール306を有することが望ましい。
【0060】
調節ツール306は好ましくは、これが各設定に回転される際に、可聴クリック音及び触覚的反応を提供する。ロケータツール304は、突起部384(図16)などの回転停止部を画定し、これは調節306が最も低い設定402から最も高い設定404(図16)、又はその逆に直接回転することを防ぎ、例えば、回転停止部250(図11)によって付与される弁ローターへの回転制限を模倣する。調節ツール306は縁部432から縁部434まで延びる半径方向に突出する弓状停止部433によって拘束されたチャネル430(図21)を画定し、これは調節ツール306が、弓状停止部433の縁部432又は434がロケータツール304の突出部380と接触するまで、いずれかの方向に回転することを可能にする。
【0061】
埋め込み後に本発明による弁ユニットを経皮的に指示し、調節するために、同様の手順が使用される。シャント弁が触感によって位置付けられる。一構成において、ロケータ304の床部381(図16)の下面は矢印を保持し、この矢印は埋め込まれた弁を通じた流量の方向と位置合わせされる。ロケータツール304の開口部382は、図17に示される弁ユニットの周囲で中央に合わせられる。インジケータツール302はその後、図19及び図20に示されるロケータツール304内へと完全に配置され、それによってマーク346及び380が位置合わせされる。ボタン322は、計測値ディスク350が動きを止めるまで、下方に押圧及び保持される(図19A)。ボタン322が解放されて現在の弁設定値が、ボタン322が次の読み取り値のために再び押圧されるまで捕捉される。インジケータツール302がその後取り除かれる。
【0062】
次に、図22及び図23に示されるように、調節ツール306がロケータツール304内へと挿入され、それによって図22に示されるロケータマーク380と必ずしも位置合わせされていない矢印438が現在の弁設定と位置合わせされる。片手でロケータツール304を保持し、臨床医はもう一方の手で矢印438が所望の弁設定を指すまで、調節ツール306を回転させる。好ましくは調節ツール306は、これが各設定に回転されると、上記のように可聴クリック音及び触覚的反応を提供する。
【0063】
所望の設定に達した後、調節ツール306は、更に回転させられることなく、ロケータツール304から真上に上げられる。好ましくは、インジケータツール302はその後ロケータツール304内に再配置され、正しい弁圧力設定を確認するために別の読み取り値が取られる。あるいは、又はインジケータツールの再使用に加えて、現在の設定を確認するために埋め込まれた弁がx線で画像化され得る。
【0064】
図21に戻り、調節ツール306の構成要素は、ハウジング460内の磁石450及び452を支持するための416SSステンレス鋼のバーなどの金属ヨーク454を含む。好ましくは磁石の支柱は、一方の磁石がその基部に「n」極を有し、同時に他方がその基部に反対の「s」極を有するように位置合わせされる。カバー462は開口部464を画定し、これは、この構成においては図21〜23に示されるように矢印マーカー438を受容し、他の構成においては、マーカー438はカバー462と一体であるか又は成形後にその表面に適用される。
【0065】
294Pa(30mm水柱)を表す「30」又は「1」である第1の低い設定470、及び「実質的にオフ」の設定として3920Pa(400mm水柱)を表す「400」又は「8」の第8の高い設定472などの多くの圧力値表示を有する、円形計測値ダイアル350aを含む、ホイールアセンブリ359aを有する別のインジケータツール302aが図24〜25に例示される。歯車330aが金属ヨーク336aによって保持され、磁石360a及び362a、並びにスピンドル334aがこれに取り付けられ、スピンドル334aは、第1の固定位置から第2の解放位置へと動くために、ばね324aの付勢力に対してボタン322aが押圧される際に、シム474及び476によってそれぞれ支持されるルビーベアリング332a及び338a上で自由に回転する。
【0066】
ボタン322aの停止部480及び482は、インジケータツール302aの通常状態において、歯車330aの水平方向の歯と係合するものとして図24及び図25に示される、留め具である。上方ハウジング340aに保持されるハウジング底部370a及びレンズ344aがまた示される。
【0067】
本発明によるインジケータツールの更に別の構成が図26に示され、ロケータツール500とネスト化されて、床部504内に開口部502を画定する。インジケータツール510はホイールアセンブリ512を有し、これは性能設定表示を有する計測値ダイアル514、金属ヨーク516、ヨーク516の上方表面に固定される第1冠歯車522、ヨーク516の下方表面に取り付けられた磁石518及び520を含み、インジケータハウジング下方部分534のプラットフォーム524に取り付けられたベアリング517上で全て回転可能である。解放ボタン530は下方端部に大きなヘッド531を有し、かつボタン530の中央アクスル区分において圧力嵌めにより取り付けられた、ボタン530が第1位置にあるときに、留め具として機能する第2冠歯車532を有する。ボタン530の上方端部は、細いキー要素533を有し、これはインジケータハウジング上方部分538によって画定されるスロット537内で垂直方向に可動である。ボタン530の回転は、キー要素533とスロット537の側壁との相互作用によって防がれる。軸受517はボタン530の並進推進移動を可能にし、加えてホイールアセンブリ512の回転を可能にする。
【0068】
この構成において、ネスト化インジケータツール510のロケータ500内への動作により、解放ボタン530のヘッド531の一部が、開口部502付近のロケータ床部504の一部と接触し、これはコイルばね540によって提供される下方向の付勢力を克服し、ボタン530を第1の垂直固定位置から、図26に例示される第2の回転可能位置へと動かす。ロケータツール500からインジケータツール510を取り出す動作は、ばね540が留め具歯車532を下方に自動的に推進してホイールアセンブリ512の第1歯車522と噛合わせることを可能にする。弁ユニットの実際の設定を記録するため、ダイアル514上の性能設定表示の1つが、次に拡大レンズ528を通じて可読となる。
【0069】
別のアジャスタツール600が、患者Pの皮膚SK上に位置付けられるものとして図27A及び図27Bに示され、埋め込まれたシャント弁10bが本発明による弁ユニット100bを有し、これは図1Aに関連して先に示され、記載された弁ユニット100aを有するシャント弁10aと同じ構成である。上記のロケータツールはこれらの図面から省略され、磁気極性及び磁化軸の向きを明確に説明するために、シャント弁10bの一部を除く全てが図27Bから省略されている(アジャスタツール600に関しておよそ10倍の尺度)。
【0070】
アジャスタツール600は上方ハウジング602及び下方ハウジング604を有し、磁気610及び612を適所に固定するのを補助するための大きな床部606を有する。上方ケース602は、ロケータツールと適切に位置合わせするための一体型方向矢印620を有し、かつ組立中の上方ケース602と下方ケース604の方向的な位置合わせを確認するマーカー622を有する。
【0071】
アジャスタ磁石610及び612は金属ヨーク608によって接続され、それぞれ磁化軸614及び616を有し、これらは破線で指示されるように、この構成において実質的に平行である。弁ユニット100bなど、本発明による弁ユニットの調節中、磁化軸614及び616は、ローター120bのアクスル126bを通じて回転軸618と実質的に平行であるように配置される。この構成において、アジャスタ磁石610はローター磁石123b及び画像化基準ボール129bと面するように配置されたs極Sを有し、一方で磁石612のn極Nは、ローター磁石125bと面するように配置される。ローター120bは図27Bで拘束状態において示され、アジャスタツール600の下方表面が皮膚SK上に位置付けられたロケータツール(図27A)の床部の3cm未満(1.25インチ未満)に近付くと、非拘束状態へと上げられる。
【0072】
ローター磁石123bの磁化軸630は、回転軸618の軸に対して角度632を有するものとして示され、n極Nが回転軸618に対して半径方向外側に向いている。ローター磁石125bは同様の磁化軸を有するが、s極Sは回転軸618から半径方向外側を向いている。角度632は、この構成においておよそ80°である。ローター磁石123b及び125bの磁化軸において、回転軸618から90°の角度が、本発明によるインジケータツールによる実際の設定の検出のために最も効果的であり得るが、75°〜85°のオフセット角度が、最も好ましくはおよそ80°のオフセット角度がアジャスタツール600との相互作用のために好適であることが見出された。更に、0°及び90°以外の磁化軸を有すると、3テスラ超の磁場又は他の大きな電磁場に曝露された際の、両方のローター磁石の同時的減磁の可能性を低減する。換言すると、ローター磁石の磁化軸が互いに平行である代わりに互いにオフセットされ、意図されない磁場に曝露された際に減磁に抵抗し、加えてアクスル126bの拘束を促進することが好ましい。
【0073】
上記の開放圧力を制御する代わりに、調節可能な性能設定を使用して体液の流量が制御され、体液の通過を調節する。ケース702における体液の入口又は出口など、ポート700(図28及び図29)は、ポートに位置付けられたばねアームユニットの弁機構を有する。弁機構は、部材710などの可動弁部材を含む。弁部材710の遠位部分のみが示され、遠位端720で終わっている。その他の点において上記の構成と実質的に同様のばねアームユニットは、ローターのカム表面と摺動可能に接触するカム従動部アームを有し、かつポート700において弁部材710と共に閉鎖効果を適用する弾力的ばね要素を有し、弁ユニットの性能設定として流量設定を形成する。カム従動部と接触するカム表面を変更するためのローターの十分な回転は、弁部材をポートに対して動かす閉鎖効果を変更する(例えば、ばねアームユニットの枢動に伴って矢印722(図29)によって指示される摺動動作を付与し、それによって所望により線形又は非線形の方法で弁ユニットの性能設定を変更することによる)。
【0074】
この構成において、可動弁部材710は、弾力的ばね要素と一体であり、広い縁部714及び狭い縁部716を有する非線形開口部712を画定する。閉じた区域718は、実質的に閉じた、最少の流量の設定を提供する。固定案内部730及び732(図29)は、弁部材710をケース702の内部表面734の近位に維持する。
【0075】
流量制御のための、可動弁部材710aの別の構成の遠位端が、図30の側面図に例示される。最初の区分740は線形である。部材710aはこのとき、点742から開始して、点744で最大高さに達するまで高さが増加し、部材710aが矢印748の方向に動くにつれて、ポートの漸進的制限を提供する。閉じた区域746は好ましくは、ハウジングの入口又は出口などの閉ざされるポートの直径よりも、高さが大きい。
【0076】
したがって、本発明の基礎となる新規な特徴を、本発明の好ましい実施形態に適用されるように図示し、説明し、指摘したが、当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、例示された装置の形と詳細並びにその操作の様々な省略、代用及び変更を行うことができることを理解するであろう。例えば、本発明の範囲内と同様の結果を得るために、実質的に同じ方法で、実質的に同じ機能を行う要素及び/又は工程の全ての組み合わせが明確に意図される。ある記載された実施形態の要素を別の実施形態の要素に置換することも十分意図され、想到される。また、図面は必ずしも縮尺通りではないが、実際には単に概念的なものである。よって、添付の「請求項の範囲」によって示されている通りに限り限定されることが意図される。
【0077】
本明細書に引用される全ての発行済み特許、係属中の特許出願、刊行物、論文、書籍、又は任意の他の参照文献は、その全文が参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0078】
〔実施の態様〕
(1) 患者内に埋め込むことができ、体液の通過を調節するための調節可能な性能設定を有する弁ユニットであって、
前記体液のためのポートを画定するケースと、
前記ポートに位置付けられ、可動弁部材を含む弁機構と、
前記ケースの第1位置に配置され、回転軸を中心に回転するアクスルを有するローターであって、前記ローターは複数の半径方向に平坦なカム表面を画定し、前記各カム表面は前記回転軸の周囲の孤を占める、ローターと、
前記ローターの前記カム表面と摺動可能に接触するカム従動アームを有し、前記弁ユニットの性能設定を形成するために前記ポートで前記可動弁部材と共に閉鎖効果を適用する弾力的ばね要素を有する、前記ケースの第2位置に配置されるばねアームユニットと、を含み、
前記カム従動部と接触する前記カム表面を変更する前記ローターの十分な回転は、前記弁部材を前記ポートに対して動かす前記閉鎖効果を変更し、それによって前記弁ユニットの前記性能設定を変更する、弁ユニット。
(2) 前記弁部材が、前記弁ユニットを通じた流量を制御するために、複数の位置にある前記ポートと位置合わせ可能な少なくとも1つのポート制限要素を画定する、実施態様1に記載の弁ユニット。
(3) 前記弁部材が前記弾力的ばね要素と一体であり、複数の流量制御設定を形成するために、前記ポートを漸進的に制限するように摺動可能である、実施態様1に記載の弁ユニット。
(4) 前記半径方向に平坦なカム表面が、最も内側のカム表面から最も外側のカム表面まで連続的な配置で前記ローターの周囲に位置付けられ、それによって各連続的なカム表面の前記回転軸からの半径方向距離が、最も大きな半径方向距離が前記最も外側のカム表面において画定されるまで、各前のカム表面の前記半径方向距離よりも大きくなっている、実施態様1に記載の弁ユニット。
(5) 前記ローターはまた、前記ローターが前記カム従動部と接触する前記カム表面の前記孤を超えない孤の中で回転するように拘束された拘束状態から、非拘束状態へと前記回転軸に沿って可動である、実施態様1に記載の弁ユニット。
(6) 前記ローターが磁気的に引きつけ可能な要素を含む、実施態様5に記載の弁ユニット。
(7) 前記ローターが、前記磁気的に引きつけ可能な要素として少なくとも2つの磁石を含み、前記各磁石は前記回転軸に対して横方向の磁化軸を有する、実施態様6に記載の弁ユニット。
(8) 前記磁石は、前記ローターの相対する側部上で離間し、前記各磁石が前記回転軸に対して45°〜90°で位置するように配置される磁化軸を有する、実施態様7に記載の弁ユニット。
(9) 前記ケースは複数のロック停止部を画定し、前記ローターは、前記ローターが前記拘束状態にあるときに、少なくとも1つのロック停止部と係合可能であり、前記ローターが前記非拘束状態にあるときに、前記ロック停止部と係合しない、少なくとも1つの歯を画定する、実施態様6に記載の弁ユニット。
(10) 前記患者の外側で、前記弁ユニットの近位に位置付け可能であり、前記ローターを実際の設定から別の設定に調節することを可能にするために、前記拘束状態から前記非拘束状態へと前記ローターを上げるために、前記磁気的に引きつけ可能な要素との十分な引きつけ強度を有する磁石を有する、設定アジャスタツールと組み合わされた、実施態様6に記載の弁ユニット。
【0079】
(11) 前記アジャスタ磁石は、前記ローターの前記回転軸と実質的に平行に位置合わせ可能な少なくとも1つの磁化軸を有する、実施態様10に記載の弁ユニット。
(12) 前記患者の外側で、前記弁ユニットの近位に位置付け可能であり、前記弁ユニットの実際の設定を変更することなく前記実際の設定を検出することができる、設定インジケータツールと組み合わされた、実施態様6に記載の弁ユニット。
(13) 前記インジケータツールが、歯車と、ホイールとを含み、前記ホイールは、これが前記歯車に対して係合離脱している場合は検出状態で実質的に自由に回転し、固定状態において前記歯車によって個別の設定値へと駆動される、実施態様12に記載の弁ユニット。
(14) 患者内に埋め込むことができ、体液の通過を調節するための調節可能な圧力設定を有する弁ユニットであって、
前記体液のためのポートを画定するケースと、
可動弁部材を含む、前記ポートに位置付けられた弁機構と、
前記ケースの第1位置に配置され、回転軸を中心に回転するアクスルを有するローターであって、前記ローターは複数の半径方向に平坦なカム表面を画定し、前記各カム表面は前記回転軸の周囲の孤を占める、ローターと、
前記ローターの前記カム表面と摺動可能に接触するカム従動アームを有し、前記弁ユニットの圧力設定を形成するために前記可動弁部材に閉鎖力を適用する弾力的ばね要素を有する、前記ケース内の第2位置に配置されるばねアームユニットと、を含み、
前記カム従動部と接触する前記カム表面を変更するための前記ローターの十分な回転は、前記閉鎖力を変更して、前記弁部材が前記ポートから動いて離れる圧力を変更し、それによって前記弁ユニットの前記圧力設定を変更する、弁ユニット。
(15) 前記半径方向に平坦なカム表面それぞれは、他の前記カム表面それぞれの半径方向距離とは異なる、前記回転軸からの半径方向距離を有する、実施態様14に記載の弁ユニット。
(16) 前記半径方向に平坦なカム表面が、最も内側のカム表面から最も外側のカム表面まで連続的な配置で前記ローターの周囲に位置付けられ、それによって各連続的なカム表面の前記回転軸からの半径方向距離が、最も大きな半径方向距離が前記最も外側のカム表面において画定されるまで、各前のカム表面の前記半径方向距離よりも大きくなっている、実施態様14に記載の弁ユニット。
(17) 前記ローターはまた、前記ローターが前記カム従動部と接触する前記カム表面の前記孤を超えない孤の中で回転するように拘束された拘束状態から、非拘束状態へと前記回転軸に沿って可動である、実施態様14に記載の弁ユニット。
(18) 前記ローターが磁気的に引きつけ可能な要素を含む、実施態様17に記載の弁ユニット。
(19) 前記ローターが、前記磁気的に引きつけ可能な要素として少なくとも2つの磁石を含み、前記各磁石は前記回転軸に対して横方向の磁化軸を有する、実施態様18に記載の弁ユニット。
(20) 前記磁石は、前記ローターの相対する側部上で離間し、各磁石が前記回転軸に対して45°〜90°で位置するように配置される磁化軸を有する、実施態様19に記載の弁ユニット。
【0080】
(21) 前記ケースは複数のロック停止部を画定し、前記ローターは、前記ローターが前記拘束状態にあるときに、少なくとも1つのロック停止部と係合可能であり、前記ローターが前記非拘束状態にあるときに、前記ロック停止部と係合しない、少なくとも1つの歯を画定する、実施態様18に記載の弁ユニット。
(22) 前記ケースが、少なくとも前記非拘束状態の前記ローターと係合可能な回転停止部を更に画定し、少なくとも一方向において、前記カム従動部を超える最も外側のカム表面の回転を防ぐ、実施態様21に記載の弁ユニット。
(23) 前記ローターを前記拘束状態へと付勢するローター保持ばねを更に含む、実施態様18に記載の弁ユニット。
(24) 前記ばねアームユニットが剛化アームを更に含み、少なくとも前記最も外側のカム表面は、前記剛化アームが前記ばね要素に対して推進されて、その実効長さを短くし、それによって前記可動弁部材に対するその閉鎖力を増加させることを可能にする、実施態様16に記載の弁ユニット。
(25) 前記可動弁部材はボールであり、前記弁機構は前記ボールのための座部を更に含む、実施態様14に記載の弁ユニット。
(26) 前記可動弁部材及び前記座部は両方とも、非強磁性材料から形成され、前記座部の位置は、前記圧力設定を較正するために前記弁ユニットの組立中に前記ポート内で調節可能である、実施態様25に記載の弁ユニット。
(27) 前記患者の外側で、前記弁ユニットの近位に位置付け可能であり、前記ローターを実際の設定から別の設定に調節することを可能にするために、前記拘束状態から前記非拘束状態へと前記ローターを上げるために、前記磁気的に引きつけ可能な要素との十分な引きつけ強度を有する少なくとも2つの磁石を有する、設定アジャスタツールと組み合わされた、実施態様18に記載の弁ユニット。
(28) 前記アジャスタ磁石は、前記ローターの前記回転軸と実質的に平行に位置合わせ可能な磁化軸をそれぞれ有する、実施態様27に記載の弁ユニット。
(29) 前記患者の外側で、前記弁ユニットの近位に位置付け可能であり、前記弁ユニットの実際の設定を変更することなく前記実際の設定を検出することができる、設定インジケータツールと組み合わされた、実施態様18に記載の弁ユニット。
(30) 前記インジケータツールが、歯車と、ホイールとを含み、前記ホイールは、これが前記歯車に対して係合離脱している場合は検出状態で実質的に自由に回転し、固定状態において前記歯車によって個別の設定値へと駆動される、実施態様29に記載の弁ユニット。
【0081】
(31) 患者内に埋め込むことができ、体液の通過を調節するための調節可能な開放圧力設定を有する弁ユニットであって、
前記体液のための入口を画定するケースと、
ボール及び前記ボールのための座部を含む、前記入口に位置付けられるボール弁機構と、
前記ケースの第1位置に配置されたローターであって、実質的に固定した回転軸を中心に回転するアクスルを有し、かつ複数の半径方向に平坦なカム表面を画定する下方カム部分を有し、前記各カム表面は前記回転軸の周囲の孤を占める、ローターと、
前記ローターの前記カム表面と摺動可能に接触する実質的に剛性のカム従動アームを有し、前記弁ユニットの開放圧力設定を形成するために前記ボールに対して閉鎖力を適用する弾力的ばね要素を有する、前記ケース内の第2位置に配置されるばねアームユニットと、を含み、
前記半径方向に平坦なカム表面が連続的な配置で前記ローターの周囲に位置付けられ、それによって各連続的なカム表面の前記回転軸からの半径方向距離が、最も大きな半径方向距離が最も外側のカム表面において画定されるまで、各前のカム表面の前記半径方向距離よりも大きくなっており、前記カム従動部と接触する前記カム表面を変更する前記ローターの十分な回転は、前記ボールが前記座部から動いて離れる圧力を連続的に変更し、それによって前記弁ユニットの前記開放圧力設定を変更する、弁ユニット。
(32) 前記ローターはまた、前記ローターが前記カム従動部と接触する前記カム表面の前記孤を超えない孤の中で回転するように拘束された拘束状態から、非拘束状態へと前記回転軸に沿って可動であり、前記ローターは、磁気要素を収容し、前記カム表面上に位置付けられる磁石ハウジング部分を更に含む、実施態様31に記載の弁ユニット。
(33) 前記ローターが、少なくとも2つの磁石を含み、前記各磁石は前記回転軸に対して横方向の磁化軸を有する、実施態様32に記載の弁ユニット。
(34) 前記磁石は、前記ローターの相対する側部上で離間し、前記各磁石が前記回転軸に対して45°〜90°の磁化軸を有する、実施態様33に記載の弁ユニット。
(35) 前記ばねアームユニットが剛化アームを更に含み、前記最も外側のカム表面は、前記剛化アームが前記ばね要素に対して推進されて、その実効長さを短くし、それによってその閉鎖力を増加させることを可能にする、実施態様34に記載の弁ユニット。
(36) 前記ケースは複数のロック停止部を画定し、前記ハウジング部分は、前記ローターが前記拘束状態にあるときに、少なくとも1つのロック停止部と係合可能であり、前記ローターが前記非拘束状態にあるときに、前記ロック停止部と係合しない、少なくとも1つの歯を画定する、実施態様35に記載の弁ユニット。
(37) 前記ローターを前記拘束状態へと付勢するローター保持ばねを更に含む、実施態様36に記載の弁ユニット。
(38) 前記ケースが、前記非拘束状態の前記ハウジングと係合可能な回転停止部を更に画定し、少なくとも一方向において、前記カム従動部を超える最も外側のカム表面の回転を防ぐ、実施態様37に記載の弁ユニット。
(39) 前記患者の外側で、前記弁ユニットの近位に位置付け可能であり、前記ローターを実際の設定から別の設定に調節することを可能にするために、前記拘束状態から前記非拘束状態へと前記ローターを上げるために、前記磁気的に引きつけ可能な要素との十分な引きつけ強度を有する少なくとも2つの磁石を有する、設定アジャスタツールと組み合わされた、実施態様32に記載の弁ユニット。
(40) 前記アジャスタ磁石は、前記ローターの前記回転軸と実質的に平行に位置合わせ可能な磁化軸をそれぞれ有する、実施態様39に記載の弁ユニット。
【0082】
(41) 前記患者の外側で、前記弁ユニットの近位に位置付け可能であり、前記弁ユニットの実際の設定を変更することなく前記実際の設定を検出することができる、設定インジケータツールと組み合わされた、実施態様32に記載の弁ユニット。
(42) 前記インジケータツールが、歯車と、ホイールとを含み、前記ホイールは、これが前記歯車に対して係合離脱している場合は検出状態で実質的に自由に回転し、固定状態において前記歯車によって個別の設定値へと駆動される、実施態様41に記載の弁ユニット。
(43) 前記弁ユニットの前記圧力設定が、3.0テスラまでの静磁場への曝露によって変更されない、実施態様32に記載の弁ユニット。
(44) 前記弁ユニットの前記圧力設定が、0.072テスラ/cm(720ガウス/センチメートル)までの空間的磁場勾配への曝露によって変更されない、実施態様32に記載の弁ユニット。
(45) 前記ボール及び前記座部は、同じ非強磁性材料から形成され、前記座部の位置は、前記圧力設定を較正するために前記弁ユニットの組立中に前記ポート内で調節可能である、実施態様32に記載の弁ユニット。
(46) 複数の性能設定を有する埋め込まれた弁ユニットと共に使用するためのインジケータツールであって、
計測値ウィンドーを有するハウジングと、
前記ハウジングによって回転可能に支持されるスピンドル上で、前記ハウジング内で回転することができ、前記計測値ウィンドーを通じて順次見ることができる性能設定の表示を保持することができる、インジケータホイールアセンブリと、
前記埋め込まれた弁ユニットの実際の設定を検出するために前記インジケータホイールアセンブリによって保持される少なくとも1つの磁石と、
ユーザーによって第1位置から第2位置へと作動されるときに、前記磁石が前記埋め込まれた弁ユニットの前記実際の設定の方に引かれるに伴って前記インジケータホイールが回転することを可能にする、解放機構と、
前記解放機構及び前記インジケータホイールアセンブリの一方によって保持される第1歯車、並びに前記解放機構及び前記インジケータホイールアセンブリの他方によって保持される少なくとも1つの留め具であって、前記解放機構が前記第1位置に戻るときに、前記インジケータホイールを駆動して前記計測値ウィンドーを通じて単一の性能設定値を表示させる、留め具とを含む、インジケータツール。
(47) 前記解放機構が、前記解放機構を前記第1位置から前記第2位置へと動かすために、前記ユーザーによって押圧可能なボタンを含む、実施態様46に記載のインジケータツール。
(48) 前記留め具が前記第1歯車と噛合い可能な第2歯車を含む、実施態様46に記載のインジケータツール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者内に埋め込むことができ、体液の通過を調節するための調節可能な性能設定を有する弁ユニットであって、
前記体液のためのポートを画定するケースと、
前記ポートに位置付けられ、可動弁部材を含む弁機構と、
前記ケースの第1位置に配置され、回転軸を中心に回転するアクスルを有するローターであって、前記ローターは複数の半径方向に平坦なカム表面を画定し、前記各カム表面は前記回転軸の周囲の孤を占める、ローターと、
前記ローターの前記カム表面と摺動可能に接触するカム従動アームを有し、前記弁ユニットの性能設定を形成するために前記ポートで前記可動弁部材と共に閉鎖効果を適用する弾力的ばね要素を有する、前記ケースの第2位置に配置されるばねアームユニットと、を含み、
前記カム従動部と接触する前記カム表面を変更する前記ローターの十分な回転は、前記弁部材を前記ポートに対して動かす前記閉鎖効果を変更し、それによって前記弁ユニットの前記性能設定を変更する、弁ユニット。
【請求項2】
前記弁部材が、前記弁ユニットを通じた流量を制御するために、複数の位置にある前記ポートと位置合わせ可能な少なくとも1つのポート制限要素を画定する、請求項1に記載の弁ユニット。
【請求項3】
前記弁部材が前記弾力的ばね要素と一体であり、複数の流量制御設定を形成するために、前記ポートを漸進的に制限するように摺動可能である、請求項1に記載の弁ユニット。
【請求項4】
前記半径方向に平坦なカム表面が、最も内側のカム表面から最も外側のカム表面まで連続的な配置で前記ローターの周囲に位置付けられ、それによって各連続的なカム表面の前記回転軸からの半径方向距離が、最も大きな半径方向距離が前記最も外側のカム表面において画定されるまで、各前のカム表面の前記半径方向距離よりも大きくなっている、請求項1に記載の弁ユニット。
【請求項5】
前記ローターはまた、前記ローターが前記カム従動部と接触する前記カム表面の前記孤を超えない孤の中で回転するように拘束された拘束状態から、非拘束状態へと前記回転軸に沿って可動である、請求項1に記載の弁ユニット。
【請求項6】
前記ローターが磁気的に引きつけ可能な要素を含む、請求項5に記載の弁ユニット。
【請求項7】
前記ローターが、前記磁気的に引きつけ可能な要素として少なくとも2つの磁石を含み、前記各磁石は前記回転軸に対して横方向の磁化軸を有する、請求項6に記載の弁ユニット。
【請求項8】
前記磁石は、前記ローターの相対する側部上で離間し、前記各磁石が前記回転軸に対して45°〜90°で位置するように配置される磁化軸を有する、請求項7に記載の弁ユニット。
【請求項9】
前記ケースは複数のロック停止部を画定し、前記ローターは、前記ローターが前記拘束状態にあるときに、少なくとも1つのロック停止部と係合可能であり、前記ローターが前記非拘束状態にあるときに、前記ロック停止部と係合しない、少なくとも1つの歯を画定する、請求項6に記載の弁ユニット。
【請求項10】
前記患者の外側で、前記弁ユニットの近位に位置付け可能であり、前記ローターを実際の設定から別の設定に調節することを可能にするために、前記拘束状態から前記非拘束状態へと前記ローターを上げるために、前記磁気的に引きつけ可能な要素との十分な引きつけ強度を有する磁石を有する、設定アジャスタツールと組み合わされた、請求項6に記載の弁ユニット。
【請求項11】
前記アジャスタ磁石は、前記ローターの前記回転軸と実質的に平行に位置合わせ可能な少なくとも1つの磁化軸を有する、請求項10に記載の弁ユニット。
【請求項12】
前記患者の外側で、前記弁ユニットの近位に位置付け可能であり、前記弁ユニットの実際の設定を変更することなく前記実際の設定を検出することができる、設定インジケータツールと組み合わされた、請求項6に記載の弁ユニット。
【請求項13】
前記インジケータツールが、歯車と、ホイールとを含み、前記ホイールは、これが前記歯車に対して係合離脱している場合は検出状態で実質的に自由に回転し、固定状態において前記歯車によって個別の設定値へと駆動される、請求項12に記載の弁ユニット。
【請求項14】
患者内に埋め込むことができ、体液の通過を調節するための調節可能な圧力設定を有する弁ユニットであって、
前記体液のためのポートを画定するケースと、
可動弁部材を含む、前記ポートに位置付けられた弁機構と、
前記ケースの第1位置に配置され、回転軸を中心に回転するアクスルを有するローターであって、前記ローターは複数の半径方向に平坦なカム表面を画定し、前記各カム表面は前記回転軸の周囲の孤を占める、ローターと、
前記ローターの前記カム表面と摺動可能に接触するカム従動アームを有し、前記弁ユニットの圧力設定を形成するために前記可動弁部材に閉鎖力を適用する弾力的ばね要素を有する、前記ケース内の第2位置に配置されるばねアームユニットと、を含み、
前記カム従動部と接触する前記カム表面を変更するための前記ローターの十分な回転は、前記閉鎖力を変更して、前記弁部材が前記ポートから動いて離れる圧力を変更し、それによって前記弁ユニットの前記圧力設定を変更する、弁ユニット。
【請求項15】
患者内に埋め込むことができ、体液の通過を調節するための調節可能な開放圧力設定を有する弁ユニットであって、
前記体液のための入口を画定するケースと、
ボール及び前記ボールのための座部を含む、前記入口に位置付けられるボール弁機構と、
前記ケースの第1位置に配置されたローターであって、実質的に固定した回転軸を中心に回転するアクスルを有し、かつ複数の半径方向に平坦なカム表面を画定する下方カム部分を有し、前記各カム表面は前記回転軸の周囲の孤を占める、ローターと、
前記ローターの前記カム表面と摺動可能に接触する実質的に剛性のカム従動アームを有し、前記弁ユニットの開放圧力設定を形成するために前記ボールに対して閉鎖力を適用する弾力的ばね要素を有する、前記ケース内の第2位置に配置されるばねアームユニットと、を含み、
前記半径方向に平坦なカム表面が連続的な配置で前記ローターの周囲に位置付けられ、それによって各連続的なカム表面の前記回転軸からの半径方向距離が、最も大きな半径方向距離が最も外側のカム表面において画定されるまで、各前のカム表面の前記半径方向距離よりも大きくなっており、前記カム従動部と接触する前記カム表面を変更する前記ローターの十分な回転は、前記ボールが前記座部から動いて離れる圧力を連続的に変更し、それによって前記弁ユニットの前記開放圧力設定を変更する、弁ユニット。
【請求項16】
複数の性能設定を有する埋め込まれた弁ユニットと共に使用するためのインジケータツールであって、
計測値ウィンドーを有するハウジングと、
前記ハウジングによって回転可能に支持されるスピンドル上で、前記ハウジング内で回転することができ、前記計測値ウィンドーを通じて順次見ることができる性能設定の表示を保持することができる、インジケータホイールアセンブリと、
前記埋め込まれた弁ユニットの実際の設定を検出するために前記インジケータホイールアセンブリによって保持される少なくとも1つの磁石と、
ユーザーによって第1位置から第2位置へと作動されるときに、前記磁石が前記埋め込まれた弁ユニットの前記実際の設定の方に引かれるに伴って前記インジケータホイールが回転することを可能にする、解放機構と、
前記解放機構及び前記インジケータホイールアセンブリの一方によって保持される第1歯車、並びに前記解放機構及び前記インジケータホイールアセンブリの他方によって保持される少なくとも1つの留め具であって、前記解放機構が前記第1位置に戻るときに、前記インジケータホイールを駆動して前記計測値ウィンドーを通じて単一の性能設定値を表示させる、留め具とを含む、インジケータツール。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図9A】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図13A】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図18A】
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【図19】
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【図19A】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図22A】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−40388(P2012−40388A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−177871(P2011−177871)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(509266479)コドマン・アンド・シャートレフ・インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】Codman & Shurtleff, Inc.
【Fターム(参考)】