説明

培養藻類選択装置およびコンピュータプログラム

【課題】 エネルギ生産としての藻類培養において、低コストな生産と環境変動リスクを抑えた継続的な生産とを両立させることに寄与する技術を提供する技術を提供する。
【解決手段】 培養対象となる複数種類の藻類の育成条件に関するデータを予め蓄積している藻類育成データベースと、 培養予定の育成条件データを入力する育成条件データ入力手段と、 入力された育成条件データに適した藻類を選択する種別選択手段と、 その選択手段によって選択された藻類特定データを出力する種別出力手段とを備える。 前記の種別選択手段は、最適な藻類と、その最適な藻類よりも低温にて最適となる藻類との二種類を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、藻類を培養する際に、培養する場所の自然環境に最適な藻類を選択する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素の排出を抑えるのみならず二酸化炭素を消費し、しかもクリーンなエネルギを製造するという技術として、藻類から燃料を生産する技術が注目されている。藻類を培養し、その藻類を乾燥、圧搾、発酵などの手法によって、固体、液体あるいは気体といった携帯の燃料へ転換する、というエネルギ生産技術である。
たとえば、二酸化炭素を固定化する方法や二酸化炭素を固定化するための藻類の培養装置という技術が、特許文献2に開示されている。
【0003】
さて、藻類を継続的に培養するための技術としては、特許文献2に開示がある。
この技術は、藻類の継続的な培養を目的とした技術であり、藻類が死滅しないように設備を設計することに寄与する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−57485号公報
【特許文献2】特開2010−22331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
短期的な気温変動といった培養環境の変動も見込むなら、藻類の死滅が発生してもシステム全体のエネルギ生産が切れ目無く継続する培養方法を実現しなければならない。
また、培養において栄養源といった資源供給量を必要最低限度まで低下させるといったコストダウンを行うと、短期的な気温変動等による死滅といった培養リスクが高まる。したがって、継続的なエネルギ生産と低コスト化を両立する培養方法と装置を実現することが課題だった。
特許文献2に開示された技術は、藻類が死滅しないように安全な状態を確保することが目的となっており、藻類の培養に関する設備設計が大規模なものとなっている。
しかし、藻類の培養を実行する空間を制限無く確保し、自由に設計することは現実的に困難である。また、設備に要するコストが大きくなるという欠点もある。
【0006】
また、エネルギ生産技術としては、最低コストによる最大限の生産量を目指しつつも、気温の変動などによる培養環境の変動というリスクを抑えつつ継続的に生産することが望ましい。
しかし、低コストな生産と環境変動リスクを抑えた継続的な生産とを両立させることを目的とした技術は、提供されていなかった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、エネルギ生産としての藻類培養において、低コストな生産と環境変動リスクを抑えた継続的な生産とを両立させることに寄与する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(第一の発明)
第一の発明は、 培養対象となる複数種類の藻類の育成条件に関するデータを予め蓄積している藻類育成データベースと、 培養予定の育成条件データを入力する育成条件データ入力手段(たとえば、温度計7)と、 入力された育成条件データに適した藻類を選択する種別選択手段(たとえば、制御装置5)と、 その種別選択手段によって選択された藻類特定データを出力する種別出力手段とを備えた培養藻類選択装置に係る。
前記の種別選択手段は、最適な藻類と、その最適な藻類よりも低温にて最適となる藻類との二種類を含んで選択することとする。
【0009】
(用語説明)
「育成条件データ」としては、最も簡単に入手できるデータとしては、「気温」である。週間天気予報などによって得られる予想気温を用いる場合もあるし、同じ季節の過去のデータから得られる平均気温を用いる場合もある。
他の請求項にて限定するように、培養する池に用いられる水温データを入手可能であれば、水温でもよい。
気温が育成条件データである場合には、その気温から水温を予測算出し、その予測算出された水温に基づいて選択する。
【0010】
「種別選択手段」が選択する二種類の藻類について、最適な藻類よりも低温にて最適となる藻類を含むこととしたのは、以下の理由である。
すなわち、いったん培養を開始した藻類は、一週間程度の培養期間が必要であり、気温(それに伴っての水温)が変化しても藻類を変更することはできない。培養を開始した後の気温(水温)が藻類選択の根拠となった気温(水温)よりも高くなった場合には、培養に用いる水を足すなどして水温を下げることは可能である。
しかし、培養を開始した後の気温(水温)が藻類選択の根拠となった気温(水温)よりも低くなった場合には、水温を上げることは困難であり、その藻類の成長速度は鈍り、最終的なエネルギ収量が予測よりも低くなる。
最適な藻類よりも低温にて最適となる藻類を、二つ目の藻類として選択し、培養していれば、培養を開始した後の気温(水温)が藻類選択の根拠となった気温(水温)よりも低くなった場合に、この藻類の最適条件に近くなる。これによって、最終的なエネルギ収量の低下を抑制することができるのである。
【0011】
「種別選択手段」は、「二種類を含んで選択」するとしているのは、三種類以上を選択することを排除しない趣旨である。
【0012】
(作用)
藻類育成データベースには、培養対象となる複数種類の藻類の育成条件に関するデータを予め蓄積している。 まず、育成条件データ入力手段(たとえば、温度計7)から培養予定の育成条件データを入力する。 入力された育成条件データに基づき、種別選択手段(たとえば、制御装置5)が適した藻類を選択する。このとき、種別選択手段は、最適な藻類と、その最適な藻類よりも低温にて最適となる藻類との二種類を含んで選択する。 その種別選択手段によって選択された藻類特定データを種別出力手段が出力する。
【0013】
入力された育成条件データと、その後の育成期間のデータとに大きなズレがなければ、選択された最適な藻類によって最も多くのエネルギ収量を得られる。 入力された育成条件データがその後の育成期間のデータよりも低かった場合には、二つ目の藻類によって最も多くのエネルギ収量を得られる。 入力された育成条件データがその後の育成期間のデータよりも高かった場合には、培養池に水を足すなどして水温を下げることにより、選択された最適な藻類によって最も多くのエネルギ収量を得られる。
【0014】
(第一の発明のバリエーション1)
前記の育成条件データ入力手段に入力する培養予定の育成条件データには、前記の種別選択手段によって選択された藻類を培養する主培養池の水温を含むこととしてもよい。
主培養池の水温は、藻類の培養に最も影響する条件の一つだからである。
【0015】
(第一の発明のバリエーション2)
前記の育成条件データ入力手段に入力する培養予定の育成条件データには、前記の種別選択手段によって選択された藻類を培養する主培養池のPH値を含むこととしてもよい。
主培養池のPH値は、水温と並んで、藻類の培養に最も影響する条件の一つだからである。
【0016】
(補足説明)
主培養池は、屋外である場合がほとんどである。そのため、雨水を直接受ける場合の他、近くの土壌を介して流れ込む場合もある。 そのように培養水の供給源が雨水の影響を受けやすい場合には、気象データ(近日中の雨量や一週間先までの予想雨量など)をPHデータの間接的なデータとして入力する。
そうした間接的なデータが入力された場合、その間接的なデータからPH予測値を演算するPH予測演算手段を備えている必要がある。
【0017】
(第一の発明のバリエーション3)
第一の発明は、以下のような構成を備えることとしても良い。
すなわち、培養対象となる藻類を種類毎に育成している複数の種株培養池(1,2,3)と、 前記の種別選択手段によって選択された藻類を培養する主培養池(4)と、 前記の種株培養池(1,2,3)から主培養池(4)に培養のための藻類を移動させる培地ポンプと、を備える。
前記の種別出力手段は、それによって選択された藻類に係る培地ポンプを作動させる作動信号を出力することとする。
【0018】
(作用)
たとえば、種別出力手段が選択した藻類が、種株培養池(2,3)であったとすると、その種株培養池(2,3)に係る培地ポンプを作動させる作動信号を、種別出力手段が出力する。すると、主培養池(4)が種株培養池(2,3)に確保されていた種類の藻類で満たされ、培養が開始できる。
【0019】
(第一の発明のバリエーション4)
第一の発明に係る前記バリエーション3は、以下のような構成を備えることとしても良い。
すなわち、前記の主培養池(4)には、主培養池(4)の水中の二酸化炭素濃度を上昇させるための炭素源と、主培養池(4)のPH値を調整するためのPH値調整剤の供給するPH調整装置とを備え、 前記の育成条件データには、主培養池(4)の水中の二酸化炭素濃度およびPH値を含み、 前記の種別出力手段は、前記の種別選択手段によって選択された藻類に応じた前記炭素源およびPH値調整剤の供給のための信号を出力することとする。
【0020】
(作用)
前記の育成条件データには、主培養池(4)の水中の二酸化炭素濃度およびPH値を含んでいる。したがって、他の育成条件データに基づいて選択された藻類に適さない二酸化炭素濃度および/またはPH値である場合には、炭素源および/またはPH調整装置を作動させ、主培養池(4)の水中の二酸化炭素濃度およびPH値を調整する。
【0021】
(第二の発明)
第二の発明は、 培養対象となる複数種類の藻類の育成条件に関するデータを藻類育成データベースに予め蓄積している藻類育成データ蓄積手順と、 培養予定の育成条件データを入力する育成条件データ入力手順と、 入力された育成条件データに適した藻類を選択する種別選択手順と、 その選択手順によって選択された藻類特定データを出力する種別出力手順とを、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムに係る。
前記の種別選択手順は、最適な藻類と、その最適な藻類よりも低温にて最適となる藻類との二種類を含んで選択することとする。
【0022】
(第二の発明のバリエーション1)
第二の発明において、前記の育成条件データ入力手順によって入力する培養予定の育成条件データには、前記の種別選択手段によって選択された藻類を培養する主培養池の水温を含むこととしてもよい。
【0023】
(第二の発明のバリエーション2)
第二の発明において、前記の育成条件データ入力手順によって入力する培養予定の育成条件データには、前記の種別選択手段によって選択された藻類を培養する主培養池のPH値を含むこととしてもよい。
【0024】
(第二の発明のバリエーション3)
前述のバリエーションを含む第二の発明は、ハードディスクやDVD−Rなどの記録媒体に保持させて提供することもできる。また、通信回線を介してパーソナルコンピュータのハードディスクなどへ送信して提供することもできる。
【発明の効果】
【0025】
本願発明によれば、エネルギ生産としての藻類培養において、低コスト生産と環境変動リスクを抑えた継続的な生産とを両立させることに寄与する技術を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の全体構成を示すブロック図である。
【図2】第一の実施形態を示すハードウェア構成図である。
【図3】第二の実施形態を示すハードウェア構成図である。
【図4】データベースに蓄積されている藻類のデータの一部である。
【図5】第一の実施形態における制御装置の働きを示すフローチャートである。
【図6】第二の実施形態における制御装置の働きを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施形態に基づいて更に詳しく説明する。ただし、本発明は、実施形態の態様に限られるものではない。
以下の説明に使用する図面は、図1から図6である。
【0028】
(図1)
図1では、本願発明の主要な構成を概念的にブロック図で示したものである。
すなわち、培養対象となる複数種類の藻類の育成条件に関するデータを予め蓄積している藻類育成データベースと、 培養予定の育成条件データを入力する育成条件データ入力手段と、 入力された育成条件データに適した藻類を選択する種別選択手段と、 その種別選択手段によって選択された藻類特定データを出力する種別出力手段とを備えた培養藻類選択装置である。 より具体的には、CPU、ハードディスク、外部機器とのデータ通信が可能な送受信装置を備えたコンピュータである。
【0029】
育成条件データ入力手段は、後述する主培養池に設置された水温計の水温データを、通信手段を介して受信するものである。 また、水温データに加えて、主培養池付近に設置されて測定された気温を受信しても良いし、水温データが取得できない場合には、気温データのみでも良い。
また更に、主培養池が位置する地方の天気予報などから得られる予想気温を、インターネット上の所定サイトから入力することとしても良い。
【0030】
(図4)
藻類育成データベースには、複数種類の藻類に関して、藻類毎に最適な育成条件などが記録されている。 図4を用いて説明する。
図4には、藻A,B,C,Dの四種類について、最適培養温度、二酸化炭素の最低添加量、栄養源の最低濃度を示している。 なお、種株培養池の番号について藻Dが空欄となっているのは、本実施形態においては種株培養池を備えていないからである。
【0031】
前記の種別選択手段は、入力された育成条件データに基づいて藻類育成データベースにアクセスし、最適な藻類と、その最適な藻類よりも低温にて最適となる藻類との二種類を選択する。
最適な藻類よりも低温にて最適となる藻類を、二つ目の藻類として選択し、培養していれば、培養を開始した後の気温(水温)が藻類選択の根拠となった気温(水温)よりも低くなった場合に、この藻類の最適条件に近くなる。これによって、最終的なエネルギ収量の低下を抑制することができるからである。
【0032】
種別出力手段は、藻類選択手段によって選択された藻類の種株培養池のポンプ、CO2ポンプ、栄養源ポンプ等への作動信号を出力する。 詳しくは図2、図3に基づいて説明する。
【0033】
(図2、図5)
図2は、主培養池4において培養する藻類をいずれにするのか、という選択から、培養後の藻類を回収して燃料化するまでを図示している。
まず、種株培養池1,2,3には、培地温度等の培養環境によって生育する特性が異なる藻A、藻B、藻Cを、それぞれ事前に培養しておく。 また、藻A・藻B・藻Cそれぞれの属性値と事前培養する種株培養池番号については、図1に示した藻類育成データベースとして記録されている。
【0034】
図2に示す制御装置5は、図1に示した藻類育成データベース、育成条件データ入力手段、種別選択手段、および種別出力手段を含む。
その制御装置5は、図5に示すように、主培養池4に設置された温度計7から測定温度データを受信し、最適培養温度が当該の測定温度データと近い2種の藻を選択する。 そして、当該2つの藻が培養されている種株培養池の培地ポンプを作動させる信号を出力し、当該2つの藻類を主培養池4に導く。
【0035】
主培養池4において、数日間の光合成培養を行った後、回収ポンプにて燃料化装置に導き、燃料に加工する。
なお、図示を省略した培地供給装置から培地(栄養源を含んだ水)を主培養池4に導き、数日間程度の光合成培養を行うこととしても良い。
【0036】
(図3、図6)
図3には、図2に示した実施形態の構成に加え、制御装置5が制御可能な二酸化炭素ポンプにて、炭素源から二酸化炭素を主培養池4に導くとともに、制御可能な栄養源ポンプにて栄養源から栄養源を主培養池4に導く構成とする。
制御装置5は、図6に示すように、温度計7から温度データを受信し、例えば最適培養温度が当該の測定温度データと近い2種の藻を選択し、当該2つの藻が培養されている種株培養池の培地ポンプを作動させる信号を出力するのは、同じである。
【0037】
例えば、藻Aと藻Bのみを種株培養池1、2に事前培養し、制御装置5が藻Aと藻Bを選択した場合、選択した藻Aと藻Bについての育成条件として、二酸化炭素濃度が高いほど早生である藻がA,Bのいずれであるかをデータベースから読み出す。そして、その大きい値の一方を選択し、二酸化炭素ポンプを自動操作し、主培養池4における濃度を変更してよい。
【0038】
この場合、主培養池4での二酸化炭素フローは、7%・単位流量に設定される。
また、二酸化炭素濃度だけではなく、最低栄養源濃度を記憶装置に記録しておく。そして、栄養源ポンプを制御装置5が自動操作し、例えば最低限濃度まで栄養源濃度を制御してもよい。
【0039】
なお、前述した実施形態においては、選択する藻を二種類としたが、藻を三種類以上選ぶ構成として良い。 また、藻を選択するアルゴリズムや培養環境調整方法は、前記に限られない。
【0040】
例えば、温度計7の代わりに、気象予報配信サービス等から気象予報情報を受信する構成としてもよい。 すなわち、週間天気予報といった気象予報情報を制御装置5がネットワーク経由にて受信し、7日間といった1回の培養予定期間における気温予報値の平均値を算定し前記同様に藻を選択する構成としてよい。
【0041】
前述してきた実施形態においては、藻類の燃料化のための培養技術として説明したが、本発明に示すアイディアのコンセプトは、藻類に限らず、浮草、水耕栽培植物といった類似するバイオ燃料向け耕作にも応用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、藻類を用いたバイオ燃料の製造業、バイオ燃料製造業のためのプラント設計建設業、プラントに用いる計測器の製造業、プラントにおいて計測サービスや計測に伴うメンテナンス業、計測データを処理するデータサービス業、データの送受信を司る情報通信業などにおいて利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0043】
1,2,3 種株培養池 4 主培養池
5 制御装置 7 温度計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養対象となる複数種類の藻類の育成条件に関するデータを予め蓄積している藻類育成データベースと、
培養予定の育成条件データを入力する育成条件データ入力手段と、
入力された育成条件データに適した藻類を選択する種別選択手段と、
その選択手段によって選択された藻類特定データを出力する種別出力手段とを備え、
前記の種別選択手段は、最適な藻類と、その最適な藻類よりも低温にて最適となる藻類との二種類を含んで選択することとした培養藻類選択装置。
【請求項2】
前記の育成条件データ入力手段に入力する培養予定の育成条件データには、前記の種別選択手段によって選択された藻類を培養する主培養池の水温を含むこととした請求項1に記載の培養藻類選択装置。
【請求項3】
前記の育成条件データ入力手段に入力する培養予定の育成条件データには、前記の種別選択手段によって選択された藻類を培養する主培養池のPH値を含むこととした請求項1または請求項2のいずれかに記載の培養藻類選択装置。
【請求項4】
培養対象となる藻類を種類毎に育成している複数の種株培養池と、
前記の種別選択手段によって選択された藻類を培養する主培養池と、
前記の種株培養池から主培養池に培養のための藻類を移動させる培地ポンプと、を備え、
前記の種別出力手段は、その種別選択手段によって選択された藻類に係る培地ポンプを作動させる作動信号を出力することとした請求項1から請求項3のいずれかに記載の培養藻類選択装置。
【請求項5】
前記の主培養池には、主培養池の水中の二酸化炭素濃度を上昇させるための炭素源と、主培養池のPH値を調整するためのPH値調整剤の供給するPH調整装置とを備え、
前記の育成条件データには、主培養池の水中の二酸化炭素濃度およびPH値を含み、
前記の種別出力手段は、前記の種別選択手段によって選択された藻類に応じた前記炭素源およびPH値調整剤の供給のための信号を出力することとした請求項4に記載の培養藻類選択装置。
【請求項6】
培養対象となる複数種類の藻類の育成条件に関するデータを藻類育成データベースに予め蓄積している藻類育成データ蓄積手順と、
培養予定の育成条件データを入力する育成条件データ入力手順と、
入力された育成条件データに適した藻類を選択する種別選択手順と、
その選択手順によって選択された藻類特定データを出力する種別出力手順とを、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記の種別選択手順は、最適な藻類と、その最適な藻類よりも低温にて最適となる藻類との二種類を含んで選択することとしたコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記の育成条件データ入力手順によって入力する培養予定の育成条件データには、前記の種別選択手段によって選択された藻類を培養する主培養池の水温を含むこととした請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記の育成条件データ入力手順によって入力する培養予定の育成条件データには、前記の種別選択手段によって選択された藻類を培養する主培養池のPH値を含むこととした請求項6または請求項7のいずれかに記載のコンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−200248(P2012−200248A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71003(P2011−71003)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】