説明

基本駆動操作及び車輪交換が可能なロードバイク(ロード専用スポーツ自転車)専用スタンド

【課題】特殊な構造を有することで安定して駆動操作・ブレーキ調整・車輪交換を可能とし、更に自転車観賞或いは展示にも適したスタンドを提供する。
【解決手段】A、B、C、D、F、Gからなるスタンドにより車体を空中に固定し、特にFにより車体を同一平面に固定することで上記の操作を安定且つスムースに行うことを可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は自転車、特にロードバイクの非固定型スタンド器具に関するものである。
【背景技術】
従来の非固定型自転車用スタンドは後輪或いは前輪を単に固定し、文字通り立てかけるものであり材質は鉄・アルミなどの金属である。
またメンテナンス用スタンドは同様に金属製であるが空中で自転車を支え、駆動や車輪交換は可能であるがハンドルが固定できず全体の振れもあり安定した駆動や車輪交換がスムースに行うことができない。
またいわゆるハイクラス自転車を展示する場合、前述のスタンドに立てかけたりワイヤーなどで吊るなどの方法によっているが展示品のアッピール力に乏しい。
【発明が解決しようとする課題】
いわゆる後輪軸にかけるスポーツ用自転車の非固定型スタンドは、その状態のままでは車輪の交換が出来ず、ブレーキ調整、ギヤシフト調整等もスムースに行えない。
またその目的にはメンテナンススタンドが存在するが、それもハンドルの固定ができず操作者がハンドルを固定して操作するなど思うように安定して操作することができず、まして自転車観賞用或いは展示用のスタンドとしては全く適していない。
本発明は上記のような従来技術の問題に鑑み、特殊な構造を有することで安定して駆動操作・ブレーキ調整・車輪交換を可能とし、更に自転車観賞或いは展示にも適したスタンドを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
スタンドに架けた状態で前後輪を脱着可能とするために車体を空中に固定、また特殊な形状を有する車体固定装置により安定して駆動操作・ブレーキ調整を可能にし、さらに観賞用スタンドとするために材料を木材とし、搬送の容易化のため分解組み立て方式とした。
ここで車体固定装置は限られた形には限定されず車体固定機能を満足するものであればよい。また材料は木材に限定するものではなくデザインの観点から他の材料も可能である。
【発明の効果】
特殊な形状を有する車体固定装置により自転車を空中に固定し車体の前後・左右の振れを排除し、後輪の駆動・ギヤシフト、前後輪ブレーキ調整、前後輪脱着をスムースに行うことを可能にする。
また材料を木材とすることで金属車体との融合を図った自然の雰囲気をだす効果をもたせ、ロードバイク自体を観賞するためのスタンドとして適したものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
底板(図1,2,3のA;BASE BOARD)に支柱(図1,2,3のC;STANDING BOARD)をはめ込み、脚(図1,2、3のB;FOOT)と共にボルト・ナットで固定する。その支柱に穴を貫通させ、吊り板(図1,2,3のD;HANGING BAR)を差込み、楔(図2,3のE;WEDGE)により支柱に対し直角に固定する。
その吊り板に内面皮革張りの車体固定装置(図1,2,3,4のF;WING)をボルトナットにて固定する。
底板は車体を宙吊りにした場合安定性を保つように一定の重量と面積を有する。
底板に立てる支柱は底板に直角に固定し且つ自転車の駆動操作に耐えることが出来る厚みと幅を有する。楔で固定する吊り板は支柱に正確な穴加工を施し直角が維持できるようにする。
吊り板の先端に固定する車体固定装置の中心部(図1のb)で車体全体を受け、先端部(図1のa)によりハンドル部を固定し、後部(図1のc)で車体での左右振れを固定する。底板、支柱、脚、吊り板、車体固定装置の5部品は分解可能とし、搬送等を容易にする。
【実施例】
使用木材は重量確保及び加工の精度面から比重0.7を超える木材アサダとした。安定度確保のためスタンド自体の重量を12KG以上とする(ロードバイクの重量を10KG以内での設計)。底板(図1,2,3のA;BASE BOARD)は45×50×3.5cmとし底面に3mmのゴムシートを張り床との密着をあげる。支柱(図1,2,3のC;STANDING BOARD)は長さ約100cm、厚み4cm、幅12cmとし下端を底板にはめ込み、脚(図1,2,3のB)と共にボルト・ナットで固定する。底面から約90cmの位置に厚さ3.5cm、幅10cm、長さ36.5cmの吊り板を支柱に直角に挿入し楔(図2,3のE;WEDGE)により固定する。(挿入部の支柱の厚さは角度安定のため8cmとし、更に角度が90.5度程度に若干上向くように貫通穴−図2,3のJ;HANGING BAR HOLEを工夫する)この支柱及び吊り板の寸法により自転車タイヤ下端を床から約20cm吊り上げ、クランクの回転及び前後輪の脱着が可能となる。
吊り板の先端に車体を同一平面として固定できる車体固定装置(図1,2,3、4のF;WING)をボルト、ナットにて取り付ける。この車体固定装置が最も重要な部品であり、車体を設置したときにハンドルも含め車体全体がいかなる方向にも振れないような構造をとっている。つまり車体固定装置の中央部(図1のb)が自転車車体の中央部(トップチューブ)を、前部(図1のa)がハンドル部分(ハンドルバー)を、後部(図1のc)が車体後部(シートチューブ)をそれぞれ保持することで車体を同一平面で固定し、全方向に対する固定を実現している。また皮革の内張りによって木材と金属の密着性をあげ、更に木ゴマ(図1,2,3のG;TIGHTNER)により両端を締め付けることで固定性を向上させる。本車体固定装置を個々のロードバイクにあわせて作成することにより個々の自転車専用のスタンドを実現する。
【産業上の利用可能性】
欧米ではすでにスポーツとしての自転車は確固たる地位を占めており、日本においても自転車の人気は急上昇中である。この状況下本件のような機能を持つスタンドは多くの自転車愛好家に受け入れられるとみられ一定の需要が存在すると思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本木製スタンドの全体見取り図をしめす。
【図2】本木製スタンドの分解組み立て図を示す。
【図3】本木製スタンドの3角法図面を示す(正面図、側面図、立面図)。
【図4】車体固定装置(WING)の詳細図を示す。
【図5】本木製スタンドにロードバイクを設置した状態の見取り図を示す。
【符号の説明】
A:BASE BOARD スタンドを支える接地部分の底板
B;FOOT 支柱固定用の脚
C;STANDING BOARD 支柱
D;HANGING BAR 支柱から水平に出した吊り板
E;WEDGE 吊り板を支柱に締め付け固定するための楔
F;WING 車体固定装置
G;TIGHTNER車体フレームをWINGに固定するための締め付け用木ゴマ
H;leather sheet 車体固定装置の内側に張った皮革
I;HAMMER 楔打ち込み用専用ハンマー
J;HANGING BAR HOLE HANGING BAR挿入用貫通穴
ROADBIKE FRAME WINGに装着した場合の車体のフレーム部分
TOP TUBE CENTER 車体フレーム水平部分のチューブ径中心
図中の寸方を示す数字の単位:mm

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車を特定の形状を持つ装置により空中に操作可能状態で設置固定する方法。
底板、支柱、吊り板及び特定の形状をした車体固定装置からなる構造物により自転車を空中に固定し、車輪の駆動・ブレーキ調整・ギヤシフト・前後車輪の脱着を容易に且つ安定して行う方法。
【請求項2】
ロードバイクを空中で固定し操作が可能で且つ観賞にも適した木製スタンド。
ロードバイクを空中で固定した状態で車輪の駆動・ブレーキ調整・ギヤシフト・前後車輪の脱着が容易にでき且つロードバイクの美しさを観賞する、或いは商品展示としてアッピールすることに適した木製のスタンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−241402(P2010−241402A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106999(P2009−106999)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(509118433)