説明

基材コーティング装置及び方法

【課題】
粘性の高いスラリーを被覆に使用する必要量だけ過不足なく供給したときでも、基材に形成されたどの流路に対しても均一に無駄なく被覆できるようにする。
【解決手段】
多数の流路(2…)が並列形成された基材(M)の片端側に供給されたスラリー(S)を空気圧により流路(2…)内に伸展させて流路内壁(2w)を被覆する際に、流路(2…)の両端が上面及び底面に開口するように配された基材(M)に対し、その上面に形成されたスラリー貯留部(5)にスラリー供給装置(6)からスラリー(S)を所要量供給した後、スラリー(S)を流路(2…)内に伸展させる前に、液面均一化機構(7)によりスラリー(S)に遠心力や振動を作用させてスラリー液面を均一にするようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材に並列形成された多数の流路内にスラリーを伸展させてその流路内壁を被覆する基材コーティング装置及び方法に関し、特に、排ガス浄化用触媒の触媒基材となるモノリスに形成されたハニカム流路内壁に触媒用スラリーを被覆して触媒を形成するのに好適である。
【背景技術】
【0002】
触媒基材となるモノリスに形成されたハニカム流路内壁に触媒用スラリーを被覆する方法としてウォッシュコート法が知られている。
【特許文献1】特開昭63−51949号公報
【特許文献2】特表2002−506720号公報
【0003】
図5はこのような従来のウォッシュコート法によるコーティング装置を示すもので、ハニカム流路51…が上下に開口するように配されたモノリスMの上端側に形成された貯留部52にスラリー供給装置53からスラリーSを供給し、上端側から加圧空気を供給したり、下端側から空気を吸引することにより、スラリーを流路51内に流入/伸展させて流路51の内壁を被覆するようにしている。
そして、最近ではスラリーSに白金などの貴金属が含有することもあり、モノリスMの被覆に使用する必要量だけのスラリーSを貯留部52に供給するようにしている。
【0004】
ところで、スラリーSは粘性が高いものもあるため、スラリー供給ノズル54はある程度の太さが必要であるが、供給量を厳密にコントロールためにはできるだけ細い方が望ましい。そして、このような供給ノズル54から貯留部52に高粘性のスラリーが供給されると、スラリーSは供給ノズル54の真下が盛り上がった状態で貯留されてしまう(図6(a)参照)。
【0005】
この状態で、上端側から加圧空気を供給したり、下端側から空気を吸引すると、当初は各流路51…に均一にスラリーSが流入していく(図6(b)参照)。
スラリーSの量は、中央部分が多く、周縁部分が少ないので、周縁部分のスラリーSが周縁部分のハニカム流路51Aに流入し終っても、中央部分のハニカム流路51Bにはまだスラリーが流入していく。
【0006】
そして、下端側から空気を吸引することにより、最終的にスラリーをハニカム流路51内に伸展させて被覆させたときに、その被覆長さが、周縁部分のハニカム流路51Aより中央部分のハニカム流路51Bの被覆長さが長くなってしまう(図6(c)参照)。
【0007】
したがって、例えば、ハニカム流路51の半分の長さまでスラリーSを被覆しようとして必要量のスラリーを供給した場合、周縁部分のハニカム流路51Aは半分以下の長さしか被覆されず、中央部分のハニカム流路51Bには半分以上の長さが被覆されてしまい、被覆長さが不均一になる。
同様に、モノリスMの被覆に使用する必要量だけのスラリーSを供給した場合、周縁部分のハニカム流路51Aには十分な量のスラリーSが流入されないため、ハニカム流路51Aは下端部まで被覆されず、中央部分のハニカム流路51Bからは余剰スラリーSが流出するという問題がある(図6(d)参照)。
【0008】
このため、各ハニカム流路51の全長にわたって均一にスラリーSを被覆させるためには、モノリスMの被覆に使用する必要量よりかなり多量のスラリーSを貯留部52に供給し、全てのハニカム流路51内にスラリーSを過剰に充填して余剰スラリーSを払拭するという方法をとらざるをせざるを得ず、払拭された余剰スラリーSは、これを回収し、成分を調整し直してリサイクルしなければならず、その分、手間がかかっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、スラリーを被覆に使用する必要量だけ過不足なく供給したときに、基材に形成されたどの流路に対しても均一に無駄なく被覆できるようにすることを技術的課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、多数の流路が並列形成された基材の片端側に供給されたスラリーを空気圧により流路内に伸展させて該流路内壁を被覆する基材コーティング装置において、前記流路の両端が上面及び底面に開口するように配された基材に対し、その上面に形成されたスラリー貯留部にスラリーを所要量供給する前記スラリー供給装置と、前記スラリーを流路内に伸展させる前にスラリー液面を均一にする液面均一化機構とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る基材コーティング装置によれば、流路の両端が上面及び底面に開口するように配された基材に対し、その上面に形成されたスラリー貯留部に対しスラリー供給装置からスラリーが所要量供給され、液面均一化機構によりスラリー液面が均一にされた後、スラリーが流路内に伸展される。
すなわち、スラリー供給装置から供給されたスラリーは、その時点では、スラリー貯留部で山型に盛り上がっているが、スラリーを流路内に伸展させる前に、液面均一化機構により、例えば、基材をその貫通鉛直軸回りに回転させたり、貯留されたスラリーを振動させたりして、スラリー液面が均一化される。
【0012】
このようにして、貯留部において液面が均一化された後に、上端側から加圧空気を作用させたり、下端側から空気を吸引させたり、場合によっては加圧と吸引を同時に行うことにより、それぞれの流路にスラリーを流入させれば、その時点で、それぞれの流路に対する液面位置は等しいので、各流路には同量のスラリーが流入する。
したがって、例えば、各流路の全長にわたってスラリーをコーティングしようとする場合に、貯留部へスラリーを被覆に使用する必要量だけ過不足なく供給したときでも、それぞれの流路に適正量のスラリーが流入伸展されるので、どの流路もその全長にわたってスラリーを被覆することができる。
【0013】
また、スラリーは一般的にはそのままでは流路内に流入しない程度の粘性を有するが、中には、重力のみで流路内に流入する程度に粘性の低いものもある。
このようなスラリーを使用する場合は、請求項4に記載されているように、液面を均一にする前にスラリーが各流路に流入しないように、スラリー貯留部から各流路内に流入しようとするスラリーの重力と流路内の気圧を調整してスラリーの流路内への流入阻止と伸展を切り換える気圧調整機構を備えておけばよい。
【0014】
この気圧調整機構としては、請求項5に記載されているように、基材底面側から空気を供給/吸引して各流路内に正圧/負圧を作用させるエアハンドリング装置が用いられていたり、基材底面側の流路開口部を密封する係脱可能なパッキンと、該パッキンを開放した状態で流路内の空気を吸引し、及び/又は、スラリー貯留部の液面側から加圧空気を供給するエアハンドリング装置が用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本例では、粘性の高いスラリーをどの流路に対しても均一に無駄なく流入させてコーティングすることができるようにするという課題を、簡単な構成で実現した。
【0016】
図1は本発明に係る基材コーティング装置の一例を示す説明図、図2は本発明にかかる基材コーティング方法の一例を示す工程図、図3及び図4は他の実施形態を示す説明図である。
【0017】
図1に示す基材コーティング装置1は、モノリス(触媒基材)Mに並列形成された多数のハニカム流路2…内に、空気圧により触媒用スラリーSを流入伸展させてハニカム流路内壁2wを被覆し、排ガス浄化用触媒を製造するためのものである。
【0018】
この基材コーティング装置1は、ハニカム流路2…の両端が上面及び底面に開口するようにモノリスMを固定する装置本体3と、モノリスMの上端にアタッチメント4を装着してなるスラリー貯留部5に対しスラリーSを所要量供給するスラリー供給装置6と、そのスラリー液面を均一にする液面均一化機構7と、スラリー貯留部5から各流路2…内に流入しようとするスラリーSの重力と流路2…内の気圧を調整してスラリーSの流路2…内への流入阻止と伸展を切り換える気圧調整機構8を備えている。
【0019】
装置本体3は、気圧調整機構8により内圧がコントロールされるエアチャンバ9の天井面が、モノリスMを回転可能に支持する回転テーブル(基材回転機構)10で形成されている。
回転テーブル10は、その外周面に形成されたギア歯10aが、モータ11で駆動されるドライブギア12のギア歯12aに咬合されて、モノリスMをその貫通鉛直軸回りに回転可能に装着できるようになっており、スラリーSをスラリー貯留部5に貯留した状態で回転させることにより、その遠心力を利用してスラリー液面を均一にする液面均一化機構7となっている。
なお、モノリスMは、ハニカム流路2…の上端がエアチャンバ9外に開口され、下端がエアチャンバ9内に開口するように、回転テーブル10に形成された透孔10bに嵌挿された状態で固定される。
【0020】
スラリー貯留部5となるアタッチメント4は、その下端部がモノリスMの上端面と同形同大に形成されて嵌合され、その上端側に向って徐々に広がる截頭円錐面で形成されている。
スラリー供給装置6は、予め設定された量のスラリーSを正確に計量して供給するように設定されている。
【0021】
気圧調整機構8は、空気を供給/吸引して各流路2…内に正圧/負圧を作用させるエアハンドリング装置13が用いられて成り、より具体的には、エアの吸引吐出を行うエアポンプ14と、エアチャンバ9への空気の供給/吸引を切り換える切換バルブCVを備えている。
【0022】
そして、切換バルブCVは、エアポンプ14の吸込側14in及び吐出側14outを、大気開放口15及び給排気管16に切換接続する3位置バルブでなり、第一ポジションPで大気開放口15から吸込んだエアをエアチャンバ9に送給して流路2…に正圧を作用させ、第二ポジションPで給排気管16を遮断してエアチャンバ9の内圧を維持し、第三ポジションPでエアチャンバ9内のエアを強制排出させて流路2…に負圧を作用させるようになっている。
また、給排気管16から分岐された配管17にはリリーフ弁18が介装され、エアチャンバ9の内圧が設定圧を超えたときに開放されて内部空気を逃がし、その内圧を設定圧に維持するように成されている。
【0023】
以上が本発明の一構成例であって、次に、本発明にかかる基材コーティング方法により触媒基材にスラリーを被覆する場合について説明する。
まず、触媒基材となるモノリスMにアッタチメント4を装着した状態で、これを回転テーブル10に固定しておく。
スラリー供給工程では、図2(a)に示すように、スラリー供給装置6からスラリー貯留部5に対し、全てのハニカム流路2…の全長にわたってスラリーSを被覆する際に使用する最低必要量のスラリーSが供給されるが、スラリーSはある程度の粘性を有するためスラリー貯留部5に盛り上がった状態となる。
なお、これと同時に、気圧調整機構8の切換バルブCVを第一ポジションPにセットし、エアチャンバ9内にエアを供給して、スラリーSがハニカム流路2…に流入しない程度に各流路2…に正圧を作用させ、その後、切換バルブCVを第二ポジションPにセットすれば、エアポンプ14を停止しても各流路2…の正圧が維持される。
【0024】
次いで、液面均一化工程では、図2(b)に示すように、液面均一化機構7の回転テーブル10を適当な回転数で回転させると、モノリスM及びその上端部に装着されたアタッチメント4が回転し、スラリー貯留部5に貯留されたスラリーSに遠心力が作用して、中央部分が盛り上がっていたスラリーSが周囲に広がっていく。
そして、略均一な液面となった時点で、回転テーブル10の回転を停止する。
この間、ハニカム流路2…内は正圧に維持されているので、スラリーSが流入することはない。
【0025】
次いで、スラリー伸展工程では、気圧調整機構8の切換バルブCVを第三ポジションPにセットすることによりエアチャンバ9内のエアを吸引して、図2(c)に示すように、スラリーSをハニカム流路2…に流入させる。
このとき、液面は均一(水平)であるので、各流路2…に同じようにスラリーSが流入していき、貯留部5に貯留されていた全てのスラリーSがそれぞれの流路に流入した時点で、図2(d)に示すように、各流路2…にはスラリーSが同じ長さずつ詰まることになる。
【0026】
さらに、エアチャンバ9内のエアを吸引すると、各流路2に詰まったスラリーSが流路内壁2wに沿って伸展されていき、スラリーSはもともと全てのハニカム流路2…の全長を被覆できる最低必要量が供給されているので、図2(e)に示すように、モノリスMの周縁部のハニカム流路2Aも、中央部のハニカム流路2Bも同様に全長が被覆される。
なお、全長を被覆する場合に限らず、例えば、全長の1/2、2/3というように所定の長さだけ被覆する場合は、その被覆長さに応じてスラリー貯留部5への供給量を調整すればよい。
【0027】
図3は本発明の他の実施形態を示し、本例では、スラリー液面を均一化する際に、遠心力を作用させるのではなく、振動を作用させるようにしている。なお、図1と重複する部分については同一符号を付して詳細説明は省略する。
本例の基材コーティング装置21は、気圧調整機構8により内圧がコントロールされるエアチャンバ9が形成された装置本体22の天井面に、ハニカム流路2…の両端が上面及び底面に開口するようにモノリスMを固定するテーブル23が設けられている。
液面均一化機構7は、モノリスMの上端に装着されるアタッチメント4の外周面に取り付けられる振動子(発振機構)24からなり、盛り上がった状態に貯留されたスラリーSを低周波振動、高周波振動、超音波振動などにより振動させることにより、その液面を均一にするようになっている。
なお、振動子24は装置本体22に取り付ける場合であっても良く、要するに、スラリー貯留部5に貯留されているスラリーSに対して振動が伝わるようになっていればよい。
【0028】
図4はさらに他の実施形態を示し、本例では、ハニカム流路2…にエアを供給することなく気圧調整を行うことができるようになっている。なお、図1と共通する部分は同一符号を付して詳細説明は省略する。
本例の基材コーティング装置31は、気圧調整機構8として、ハニカム流路2…の底面側開口部を密封する係脱可能なパッキン32と、該パッキン32を開放した状態でエアチャンバ9を介してハニカム流路2…内の空気を吸引するエアポンプ33を備えたエアハンドリング装置34が用いられている。
パッキン32は、エアチャンバ9内を昇降可能に配された昇降ベース35が昇降軸36に回転自在に取り付けられてなり、ベース35の表面側にスポンジ状の弾性体37を介して軟性ゴム38が設けられており、この軟性ゴム38でハニカム流路2…の開口部を密封するようになっている。
【0029】
これによれば、スラリー供給工程及び液面均一化工程において、パッキン32をモノリスMに密着させて流路2の底面開口部を塞いでおけば、スラリー貯留部5に供給されたスラリーSがハニカム流路2…に流入しようとしても、各流路2内に閉じ込められた空気の圧力によりスラリーSの流入が確実に阻止される。
【0030】
そして、スラリー伸展工程では、パッキン32を降下させた後、エアハンドリング装置34のエアポンプ33を起動させれば、エアチャンバ9を介してハニカム流路2内の空気が吸引されて、スラリーSが夫々のハニカム流路2…に均一に流入する。
【0031】
なお、上述の説明では、いずれのスラリー伸展工程においても、エアハンドリング装置13及び34を用いてエアチャンバ9を介してハニカム流路2…内の空気を吸引する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、スラリー貯留部5の液面側から加圧空気を供給する場合であっても、これら双方を行う場合であってもよい。
また、触媒基材であるモノリスMに触媒用スラリーを被覆する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、基材に並列形成された多数の流路内壁にスラリーを被覆するものであれば様々な用途に適用できる。
【0032】
以上述べたように、本発明によれば、スラリー貯留部に供給されたスラリー液面が均一化された後に、それぞれの流路にスラリーを流入させるようにしているので、各流路には同量のスラリーが流入し、どの流路も同じ長さだけ均一にスラリーを被覆することができるという大変優れた効果を奏すると同時に、流路の全長にわたってスラリーを被覆する場合でもスラリーの無駄を生じないという大変優れた効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、基材に並列形成された多数の流路内にスラリーを伸展させてその流路内壁を被覆する用途に適用でき、特に、排ガス浄化用触媒の触媒基材となるモノリスに形成されたハニカム流路内壁に触媒用スラリーを被覆して触媒を形成する用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る基材コーティング装置の一例を示す説明図。
【図2】本発明にかかる基材コーティング方法の一例を示す説明図。
【図3】他の実施形態を示す説明図。
【図4】他の実施形態を示す説明図。
【図5】従来装置を示す説明図。
【図6】従来方法を示す説明図。
【符号の説明】
【0035】
1 基材コーティング装置
M モノリス(触媒基材)
S 触媒用スラリー
2 ハニカム流路
2w 流路内壁
3 装置本体
4 アタッチメント
5 スラリー貯留部
6 スラリー供給装置
7 液面均一化機構
8 気圧調整機構
9 エアチャンバ
10 回転テーブル(基材回転機構)
13 エアハンドリング装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の流路が並列形成された基材の片端側に供給されたスラリーを空気圧により流路内に伸展させて該流路内壁を被覆する基材コーティング装置において、
前記流路の両端が上面及び底面に開口するように配された基材に対し、その上面に形成されたスラリー貯留部にスラリーを所要量供給するスラリー供給装置と、前記スラリーを流路内に伸展させる前にスラリー液面を均一にする液面均一化機構とを備えたことを特徴とする基材コーティング装置。
【請求項2】
前記液面均一化機構が、前記基材をその貫通鉛直軸回りに回転させる基材回転機構である請求項1記載の基材コーティング装置。
【請求項3】
前記液面均一化機構が、スラリー貯留部に貯留されたスラリーを振動させる発振機構である請求項1記載の基材コーティング装置。
【請求項4】
前記スラリー貯留部から各流路内に流入しようとするスラリーの重力と流路内の気圧を調整してスラリーの流路内への流入阻止と伸展を切り換える気圧調整機構を備えた請求項1記載の基材コーティング装置。
【請求項5】
前記気圧調整機構として、基材底面側から空気を供給/吸引して各流路内に正圧/負圧を作用させるエアハンドリング装置が用いられて成る請求項4記載の基材コーティング装置。
【請求項6】
前記気圧調整機構として、基材底面側の流路開口部を密封する係脱可能なパッキンと、該パッキンを開放した状態で流路内の空気を吸引し、及び/又は、スラリー貯留部の液面側から加圧空気を供給するエアハンドリング装置が用いられて成る請求項4記載の基材コーティング装置。
【請求項7】
多数の流路が並列形成された基材の片端側に供給されたスラリーを空気圧により流路内に伸展させて該流路内壁を被覆する基材コーティング方法において、
前記流路の両端が上面及び底面に開口するように配された基材に対し、その上面に形成されたスラリー貯留部にスラリーを所要量供給するスラリー供給工程と、前記スラリーを流路内に伸展させる前にスラリー液面を均一にする液面均一化工程とを備えたことを特徴とする基材コーティング方法。
【請求項8】
前記スラリー供給工程及び液面均一化工程において、スラリー貯留部から各流路内に流入しようとするスラリーの重力と流路内の気圧をバランスさせた状態に維持する請求項7記載の基材コーティング方法。
【請求項9】
前記基材として多数の流路が並列形成された触媒基材を用い、前記スラリーとして触媒用スラリーを用いることにより、触媒基材の流路内壁に触媒用スラリーをコーティングして触媒を形成する請求項7記載の基材コーティング方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−15205(P2006−15205A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−193988(P2004−193988)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000104607)株式会社キャタラー (161)
【Fターム(参考)】