説明

基板処理装置

【課題】レシピ編集時に制御用バルブと連動動作する自動開閉バルブの連動動作を表示することで、レシピを実行することなくバルブの連動動作を確認できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板を処理する処理室へガスを供給するガス配管路に設けられたバルブの状態を表示する表示部5と、該表示部より送信される開閉信号からどのバルブの情報かを判別する判別手段とレシピ等の編集データを格納する第1の格納手段と各バルブのバルブ開閉状態に応じた点灯状態を規定したデータを格納する第2の格納手段とを有する操作部34とを具備し、前記判別手段は前記開閉信号を前記第1の格納手段に格納すると共に、前記開閉信号から取得したバルブの開閉状態に応じた点灯状態を前記第2の格納手段より取得し、前記点灯状態を前記制御部に送信し、該制御部は前記点灯状態からバルブ点灯パターンを表示データに設定し、該表示データを前記表示部に送信して表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ等の基板に酸化処理、拡散処理、薄膜の生成等の処理を行う基板処理装置、特に制御用バルブと連動して開閉する自動開閉バルブの開閉状態を表示する機能を有する基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置に於けるコントローラは、ガス流量、温度、圧力制御等のプロセス制御を行うコントローラ(PMC)と、ポッド、ウェーハ、ボート等の搬送制御を行うコントローラと、2つのコントローラを統括制御するメインコントローラとで構成されている。
【0003】
メインコントローラは表示部(GPP)と操作部(OU)を有し、表示部はバルブ、ガス、ヒータの状態及び、ポッド、シリンダや駆動軸といった可動部と、これらの動作を検出するセンサの状態をモニタ表示し、操作部は表示部を介してプロセス制御や搬送制御を行う為に必要なパラメータを編集するヒューマンインターフェースを司る機能を有している。
【0004】
表示部のモニタ表示機能の中に、レシピ実行時に変化するバルブの状態をモニタするバルブ表示機能があり、バルブ表示機能はレシピの実行により制御用バルブを切替えた際に、制御用バルブと連動してON/OFFする自動開閉バルブの状態を表示することができる。
【0005】
制御用バルブはレシピでON/OFF設定が可能であり、レシピ実行時には設定に従い、PMCがバルブのON/OFFを制御するシーケンサに指示を送ることで、バルブのON/OFFが制御される様になっている。又、自動開閉バルブはレシピでバルブのON/OFF設定ができず、シーケンサがセンサや制御用バルブと連動してON/OFFするバルブであり、制御用バルブと自動開閉バルブを合わせて連動バルブと称している。
【0006】
図10に於いて、従来のバルブ表示機能の概略の構成及びバルブ表示機能について説明する。
【0007】
先ず、PMC1からの指示により、シーケンサ2が制御用バルブと自動開閉バルブの連動動作を行い、制御用バルブと自動開閉バルブの状態をバルブモニタ3として前記PMC1に送信する。該PMC1は前記バルブモニタ3からLED表示要求データ4を作製し、該LED表示要求データ4をバルブの状態を表示するガスパターンパネル(GPP)5に送信し、該GPP5は前記LED表示要求データ4に従ってLED表示を行っている。
【0008】
然し乍ら、レシピ編集時に制御用バルブのON/OFF設定を変更しても、実際にバルブの状態が変更されることはなく、前記シーケンサ2に変更指示が送信されることがない為、レシピ編集では制御用バルブと自動開閉バルブとの連動を表示することができない。
【0009】
従って、レシピ編集時の設定内容と、実際にレシピを実行した際の自動開閉バルブの状態が食違うことから、レシピ編集時に設定した制御用バルブのON/OFFにより連動する自動開閉バルブの実際の連動動作は、レシピを実行しなければ確認できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−93494号公報
【特許文献2】特開2009−94425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は斯かる実情に鑑み、レシピ編集時に制御用バルブと連動動作する自動開閉バルブの連動動作を表示することで、レシピを実行することなくバルブの連動動作を確認できる基板処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、基板を処理する為のレシピに従いバルブの開閉等を行ってプロセス制御を行う制御部と、基板を処理する処理室へガスを供給するガス配管路に設けられたバルブの状態を表示する表示部と、該表示部より送信される開閉信号からどのバルブの情報かを判別する判別手段とレシピ等の編集データを格納する第1の格納手段と各バルブのバルブ開閉状態に応じた点灯状態を規定したデータを格納する第2の格納手段とを有する操作部とを具備し、前記判別手段は前記開閉信号を前記第1の格納手段に格納すると共に、前記開閉信号から取得したバルブの開閉状態に応じた点灯状態を前記第2の格納手段より取得し、前記点灯状態を前記制御部に送信し、該制御部は前記点灯状態からバルブ点灯パターンを表示データに設定し、該表示データを前記表示部に送信して表示させる基板処理装置に係るものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基板を処理する為のレシピに従いバルブの開閉等を行ってプロセス制御を行う制御部と、基板を処理する処理室へガスを供給するガス配管路に設けられたバルブの状態を表示する表示部と、該表示部より送信される開閉信号からどのバルブの情報かを判別する判別手段とレシピ等の編集データを格納する第1の格納手段と各バルブのバルブ開閉状態に応じた点灯状態を規定したデータを格納する第2の格納手段とを有する操作部とを具備し、前記判別手段は前記開閉信号を前記第1の格納手段に格納すると共に、前記開閉信号から取得したバルブの開閉状態に応じた点灯状態を前記第2の格納手段より取得し、前記点灯状態を前記制御部に送信し、該制御部は前記点灯状態からバルブ点灯パターンを表示データに設定し、該表示データを前記表示部に送信して表示させるので、実際にレシピを実行することなく開閉信号送信後のバルブの状態を確認でき、誤ったレシピを実行することによる処理の失敗や、レシピ作成に要する時間や労力を軽減することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に於ける基板処理装置の概略縦断面図である。
【図2】本発明の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】レシピ編集時に於けるバルブ表示機能の手順を示す説明図である。
【図5】レシピ編集バッファを示す構成図である。
【図6】LED表示要求データを示す構成図である。
【図7】連動バルブ表示情報を示す構成図である。
【図8】レシピ編集時に於けるバルブ表示機能のイメージ図であり、(A)は同期して点灯する自動開閉バルブを示し、(B)は同期して消灯する自動開閉バルブを示し、(C)は反転して消灯する自動開閉バルブを示し、(D)は反転して点灯する自動開閉バルブを示している。
【図9】自動開閉バルブのON/OFF状態を設定する処理のフローチャートである。
【図10】従来のバルブ表示機能を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0016】
先ず、図1、図2に於いて、本発明が実施される基板処理装置について概略を説明する。尚、図2中、図10と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0017】
図1中、6は基板処理装置、7は筐体を示している。前記基板処理装置6へのウェーハ8の搬入搬出は、ウェーハ8が基板搬送容器に収納された状態で行われる。基板搬送容器として、例えばポッド9が用いられ、該ポッド9にはウェーハ8が所定枚数、例えば25枚が収納される。前記ポッド9は、開閉可能な蓋を具備する密閉容器であり、該ポッド9へのウェーハ8の装填、払出しは、前記蓋を開いて実行される。
【0018】
前記基板処理装置6の前面(紙面では左)には基板授受装置11が設けられ、前記ポッド9は外部搬送装置(図示せず)により前記基板授受装置11に対して搬入搬出が行われる。
【0019】
前記筐体7の前記基板授受装置11に対峙する部分にはポッド搬入出口12が設けられ、該ポッド搬入出口12を開閉するフロントシャッタ13が設けられており、前記ポッド9は前記フロントシャッタ13を通して前記筐体7内部に搬入搬出される様になっている。
【0020】
前記筐体7内の前部には、ポッド搬送装置14が設けられ、該ポッド搬送装置14は前記ポッド9を保持可能なポッド移載アーム15を具備している。又、該ポッド移載アーム15は昇降、横行(紙面に対して垂直な方向)、進退(紙面の左右方向)可能であり、昇降、横行、進退の協働により前記ポッド9を任意な位置に搬送可能となっている。
【0021】
前記ポッド搬送装置14に対向し、前記筐体7内の上部にはポッド格納部16が設けられている。該ポッド格納部16には間欠回転可能な複数のポッド収納棚17を有し、各ポッド収納棚17毎に複数の前記ポッド9を格納可能となっている。
【0022】
前記筐体7内の後方下部には、サブ筐体18が設けられ、該サブ筐体18は移載室19を画成する。
【0023】
前記サブ筐体18の前壁21には上下2段にポッドオープナ22,22が設けられる。該ポッドオープナ22はそれぞれ載置台23、蓋着脱機構24を具備し、前記載置台23上に前記ポッド9が載置され、前記前壁21に密着され、前記蓋着脱機構24によって蓋が開閉される様になっている。前記ポッド9の蓋が開放された状態では、該ポッド9の内部と前記移載室19が連通状態となる。
【0024】
前記筐体7内の後部、前記サブ筐体18の上側には処理炉25が立設される。該処理炉25は処理室を気密に画成する反応管、該反応管の周囲に設けられたヒータを具備し、又、前記反応管にはガス供給ライン、排気ラインが連通されており、処理室を加熱すると共に所定の処理圧に維持して、処理ガスの給排を行う様になっている。
【0025】
前記処理室は、下端に前記移載室19に連通する炉口部を有し、該炉口部は炉口シャッタ26によって開閉される。
【0026】
前記移載室19には、前記処理炉25の下方にボートエレベータ27が設けられ、該ボートエレベータ27は前記炉口部を気密に閉塞可能なシールキャップ28を有し、該シールキャップ28にボート29が載置可能であり、前記ボートエレベータ27は前記シールキャップ28を昇降させることで、前記ボート29を前記処理室に装脱可能となっている。又、前記ボート29を前記処理室に装入した状態では、前記シールキャップ28が前記炉口部を気密に閉塞する。
【0027】
前記移載室19には前記ポッドオープナ22と前記ボートエレベータ27との間に基板移載機31が設けられ、該基板移載機31にはウェーハ8を保持する複数の基板保持プレート(ツイーザ)32を具備している。該ツイーザ32は、例えば上下に等間隔で5枚配置され、上下の間隔(ピッチ)は前記ポッド9のウェーハ収納ピッチ、ボート29のウェーハ保持ピッチと同一となっている。
【0028】
前記基板移載機31は、前記ツイーザ32を水平方向に進退可能であり、又昇降可能、垂直軸心中心に回転可能とする構成を具備し、進退、回転、昇降の協働によって前記ツイーザ32にウェーハ8を保持し、所定の位置に移載可能となっている。
【0029】
前記基板処理装置6は、例えば前記基板処理装置6の前面に配置される制御装置33を具備し、該制御装置33はプロセス制御部であるPMC1、図示しない機構制御部、及び前記PMC1と機構制御部を統括する統括制御コントローラ30を具備し、又該統括制御コントローラ30は表示部であるGPP5及び操作部であるOU34(後述)を具備している。
【0030】
機構制御部は前記ポッド搬送装置14、前記ポッド格納部16、前記蓋着脱機構24、前記ボートエレベータ27、前記基板移載機31等の駆動機構を制御し、又前記PMC1は前記処理炉25の加熱状態を制御し、更に該処理炉25内に供給されるガスの流量及び該処理炉25内の圧力を制御する機能を有している。
【0031】
基板処理装置6が具備する1つの処理室35に対してN2 ガス及びプロセスガス(薄膜の生成、或はエッチング等の基板処理に使用されるガス)を供給する複数系統のガス配管36A〜36C、及び排気系37が接続され、前記ガス配管36A〜36Cにはそれぞれ供給ガス遮断用のハンドバルブ38A〜38C、圧力調整用のレギュレータ39A〜39C、圧力計(PT)41A〜41C、ガス供給用電磁バルブ42A〜42C、流量制御器(MFC)44A〜44C、インターロック用電磁バルブ45A〜45Cが設けられ、前記排気系には真空ポンプ48が設けられている。
【0032】
又、プロセスガスを供給する前記ガス配管36B、前記ガス配管36Cはそれぞれ前記ガス供給用電磁バルブ42B,42Cの下流側で2股に分れ、一方は前記流量制御器44B,44Cに接続され、他方には置換用電磁バルブ43A,43B及び逆止弁46A,46Bが設けられると共に前記ガス配管36Aに接続されている。更に前記ガス配管36B、前記ガス配管36Cは、前記流量制御器44B,44Cの下流側で2股に分れ、一方は前記処理室に接続され、他方にはインターロック用電磁バルブ45D,45E及び逆止弁47A,47Bが設けられると共に前記排気系48に接続されている。
【0033】
図3は前記制御装置33の概略構成を表すブロック図であり、前記PMC1はCPU49、入出力部51、記憶部52を具備し、該記憶部52には判断プログラム53、制御プログラム54、設定プログラム55及びデータ格納領域56が格納されている。又、前記OU34はCPU57、入出力部58、記憶部59を具備し、該記憶部59には判別プログラム61、設定プログラム62、データ格納領域63が格納されている。又、前記CPU57と前記判別プログラム61等は判別手段を構成している。更に、前記データ格納領域63は第1の格納手段であるレシピ編集バッファ保存部64、第2の格納手段であるLED表示要求データ保存部65及び第3の格納手段である連動バルブ表示情報データ保存部66を有し、前記レシピ編集バッファ保存部64、前記LED表示要求データ保存部65及び前記連動バルブ表示情報データ保存部66には、それぞれレシピ編集バッファ67(図5参照)、LED表示要求データ68(図6参照)、連動バルブ表示情報データ69(図7参照)が格納されている。
【0034】
前記レシピ編集バッファ67はレシピの編集中の編集データが格納されるものであり、温度情報、流量情報、圧力情報、バルブの開閉状態を示すバルブ情報71等のデータを有し、更に該バルブ情報71はレシピにて制御可能な制御用バルブ(図示ではNo.1〜No.128)のそれぞれに対して、ON/OFF状態(OFF:0、ON:1)が設定されている。
【0035】
又、前記LED表示要求データ68はバルブの点灯状態を示すデータであり、制御用バルブの点灯状態を示す制御用バルブLED点灯要求データ72と、自動開閉バルブのLED点灯状態を示す自動開閉バルブLED点灯要求データ73から構成されている。前記制御用バルブLED点灯要求データ72には、レシピにて制御可能な全制御用バルブ(図示ではNo.1〜No.128)に対するON/OFF状態が設定され、前記自動開閉バルブLED点灯要求データ73には、制御用バルブと連動して開閉する全自動開閉バルブ(図示ではNo.1〜No.64)に対するON/OFF状態が設定されている。
【0036】
又、前記連動バルブ表示情報データ69は、自動開閉バルブのそれぞれに対して、どの番号の制御用バルブと連動動作するのか、及び連動動作する制御用バルブに対して同期して動作するのか、或は反転して動作するのかという2つの連動動作種別(同期:0、反転:1)が設定されている。
【0037】
前記PMC1及び前記OU34は電気的に接続され、該OU34と前記GPP5も電気的に接続されており、前記PMC1には前記圧力計41、前記ガス供給用電磁バルブ42、前記置換用電磁バルブ43、前記流量制御器44、前記インターロック用電磁バルブ45、前記真空ポンプ48等の全ての機器が入出力ポートを介して接続されている。
【0038】
前記PMC1から前記OU34を介して前記GPP5に、ウェーハ処理の状態、前記圧力計41、前記流量制御器44の流量検出状態に関する情報が送られる。又、前記PMC1から前記GPP5に対して、前記ガス供給用電磁バルブ42、前記置換用電磁バルブ43、前記インターロック用電磁バルブ45等の作動状態に関する情報が信号(ビットデータ)として送られ、前記GPP5はバルブの状態検出手段として作用する。前記ガス供給用電磁バルブ42の開閉や前記流量制御器44による流量制御は、前記制御プログラム54により前記PMC1又は前記GPP5から前記PMC1を介して行われる。
【0039】
尚、上記では、各バルブの状態を、前記GPP5に対してそれぞれのバルブから送られてきた信号によって検出しているが、各バルブにバルブの開閉を検出するセンサを直接取付け、該センサをバルブの状態検出手段としてもよい。
【0040】
又、前記GPP5は各バルブの状態を表示するバルブ表示機能を有し、該バルブ表示機能が、開状態ではバルブのLEDを点灯させ、閉状態ではバルブのLEDを消灯させることで、各バルブの開閉状態が分る様になっている。
【0041】
次に、図4〜図7に於いて、レシピ編集時に於ける制御用バルブと、該制御用バルブと連動動作する自動開閉バルブの表示について説明する。尚、以下では制御用バルブが128個、自動開閉バルブが64個であるものとする。
【0042】
図4は連動バルブ表示に於けるシステム構成を示しており、レシピ編集時に制御用バルブの設定を行う際には、先ず設定を変更したい制御用バルブを前記GPP5上にて押下する。該GPP5上で制御用バルブが押下されると、全制御用バルブのLED点灯状態を示すビットデータ(バルブ押下データ)が前記PMC1に送信される。
【0043】
該PMC1では、前記GPP5から受信したビットデータが前記データ格納領域56に格納され、前記判断プログラム53によって制御用バルブの押下前と押下後の変化が判断され、変化したバルブの番号及びキーコードと認識する為のコードである電文コードを併せたものがキーコード50として前記OU34に送信される。
【0044】
前記PMC1からのキーコード50が前記OU34に受信されると、前記判別プログラム61によりキーコードがNo.1〜No.128のどの制御用バルブの情報であるかが判別される。制御用バルブの判別後、前記設定プログラム62により判別された番号の制御用バルブのON/OFF状態は、OFFであればONに、ONであればOFFに変更される。
【0045】
ON/OFF状態の変更は、前記レシピ編集バッファ67のバルブ情報71に設定され、設定された前記レシピ編集バッファ67が前記レシピ編集バッファ保存部64に保存されると共に、前記制御用バルブLED点灯要求データ72に対しても、前記判別プログラム61により判別された番号の制御用バルブのON/OFF状態が設定され、設定された前記LED表示要求データ68が前記LED表示要求データ保存部65に保存される。
【0046】
この時、自動開閉バルブには、前記連動バルブ表示情報データ69により、No.1〜No.64のそれぞれについて制御用バルブと同じ動作をする場合と反転動作をする場合の2つの連動動作が定義されており、該定義によりどの自動開閉バルブが判別された番号の制御用バルブと連動動作するかが設定され、設定された前記連動バルブ表示情報データ69が前記連動バルブ表示情報データ保存部66に保存されている。
【0047】
該連動バルブ表示情報データ保存部66に保存された前記連動バルブ表示情報データ69に基づき、前記自動開閉バルブLED点灯要求データ73に対しても自動開閉バルブそれぞれのON/OFF状態が設定され、設定された前記LED表示要求データ68が前記LED表示要求データ保存部65に保存される。
【0048】
該設定がLED表示要求データ保存部65に保存された後、前記制御用バルブLED点灯要求データ72と前記自動開閉バルブLED点灯要求データ73を併せた前記LED表示要求データ68が前記PMC1に送信される。尚、前記連動バルブ表示情報データ69は、前記OU34で設定内容を変更することができ、変更内容をパラメータファイルとして前記データ格納領域63に格納し、保存することができる。
【0049】
前記OU34からの前記LED表示要求データ68が前記PMC1に受信されると、前記設定プログラム55によりLED点灯パターンがLED表示データ74に設定され、該LED表示データ74が前記GPP5に送信される。
【0050】
前記GPP5が、前記LED表示データ74のLED点灯パターンに従ってLEDを点灯させることで、レシピを実行することなくレシピ編集時に制御用バルブと自動開閉バルブの連動動作表示が可能となる。
【0051】
図8(A)〜(D)は、前記GPP5上に於ける制御用バルブと自動開閉バルブの連動表示を示すイメージ図である。
【0052】
図8(A)は、制御用バルブ75の点灯と同期して連動し、自動開閉バルブ76A〜76DもLEDの点灯表示される場合を示し、図8(B)は、前記制御用バルブ75の消灯と同期して連動し、前記自動開閉バルブ76A〜76DのLEDが消灯表示される場合を示し、図8(C)は、前記制御用バルブ75の点灯と反転して連動し、前記自動開閉バルブ76A〜76DのLEDが消灯表示される場合を示し、図8(D)は、前記制御用バルブ75の消灯と反転して連動し、前記自動開閉バルブ76A〜76DのLEDが点灯表示される場合を示しており、前記制御用バルブ75と前記自動開閉バルブ76A〜76Dの連動表示は上記の4パターンの何れかとなる。
【0053】
次に、図9のフローチャートを用いて、前記自動開閉バルブLED点灯要求データ73に対する、制御用バルブと連動表示する自動開閉バルブのON/OFF状態の設定について説明する。尚、自動開閉バルブの番号はNo.1〜No.64の64個であるが、処理上では0〜63として扱うものとする。
【0054】
STEP:01 判別プログラムにより判別された制御用バルブのON/OFF設定が変更された後、先ず自動開閉バルブのバルブ番号を0に初期化する。
【0055】
STEP:02 次に、自動開閉バルブの番号が64よりも小さいかどうかが判断される。
【0056】
STEP:03 自動開閉バルブの番号が64よりも小さいと判断された場合、例えば自動開閉バルブの番号が0であれば、前記連動バルブ表示情報データ保存部66よりバルブ番号が0、即ちNo.1の箇所から連動動作する制御用バルブ番号を取得する。
【0057】
STEP:04 次に、取得した制御用バルブ番号が0よりも大きいかどうか、即ち連動動作する制御用バルブが存在するかどうかが判断される。
【0058】
STEP:05 制御用バルブ番号が0よりも大きいと判断された場合には、前記レシピ編集バッファ67より取得した番号の制御用バルブの設定値、即ちOFFであれば0、ONであれば1が取得される。
【0059】
STEP:06 制御用バルブの設定値取得後、前記連動バルブ表示情報データ69より、自動開閉バルブ番号No.1の箇所から連動動作種別、即ち同期であれば0、反転であれば1が取得される。
【0060】
STEP:07 次に取得した連動動作種別が同期か反転かが判断される。
【0061】
STEP:08 STEP:06で取得された連動動作種別が同期であれば、前記LED表示要求データ68の前記自動開閉バルブLED点灯要求データ73に制御用バルブと同じ値、即ち制御用バルブがOFFであれば0、ONであれば1が設定される。
【0062】
STEP:09 STEP:06で取得された連動動作種別が反転であれば、前記LED表示要求データ68の前記自動開閉バルブLED点灯要求データ73に制御用バルブとは異なった値、即ち制御用バルブがOFFであれば1、ONであれば0が設定される。
【0063】
STEP:10 自動開閉バルブのON/OFF状態設定後、若しくはSTEP:04で制御用バルブの番号が0であった場合には、自動開閉バルブのバルブ番号に1を加え、再びSTEP:01から処理が行われる。
【0064】
STEP:11 上記STEP:01〜STEP:10迄の処理を、全ての自動開閉バルブに対して、即ち自動開閉バルブ番号0〜63迄行った後、自動開閉バルブ番号が64となった時にSTEP:02で自動開閉バルブ番号が64よりも小さくないと判断され、自動開閉バルブ番号0〜63迄のON/OFF状態が設定された前記自動開閉バルブLED点灯要求データ73が前記LED表示要求データ保存部65に保存され、前記制御用バルブLED点灯要求データ72と併せて前記LED表示要求データ68として前記PMC1に送信され、処理が完了する。
【0065】
上述の様に、前記制御用バルブ75と連動表示する前記自動開閉バルブ76のON/OFF状態を設定し、前記GPP5上への前記制御用バルブ75及び該制御用バルブ75と連動動作する前記自動開閉バルブ76を表示可能としたことで、実際にレシピを実行して基板処理を行うことなく連動動作が確認でき、レシピ編集時に実際のバルブの状態変化を予想しつつレシピを作成することができるので、誤ったレシピによる基板処理の失敗を防止することができ、又レシピ作成に掛る時間や労力を軽減することができる。
【0066】
尚、本発明の基板処理装置は、半導体製造装置だけではなく、LCD装置の様なガラス基板を処理する装置にも適用でき、縦型基板処理装置だけではなく、枚葉式の基板処理装置や横型の処理炉を有する基板処理装置にも適用できる。更に、露光装置やリソグラフィ装置、塗布装置等の他の基板処理装置に対しても同様に適用できるのは言う迄もない。
【0067】
又、本発明は処理炉内の処理には何等関係なく、CVD処理の他にも、例えば酸化、拡散、アニール等の処理に対しても適用可能である。
【0068】
(付記)
又、本発明は以下の実施の態様を含む。
【0069】
(付記1)基板を処理する為のレシピに従いバルブの開閉等を行ってプロセス制御を行う制御部と、基板を処理する処理室へガスを供給するガス配管路に設けられたバルブの状態を表示する表示部と、該表示部より送信される開閉信号からどのバルブの情報かを判別する判別手段とレシピ等の編集データを格納する第1の格納手段と各バルブのバルブ開閉状態に応じた点灯状態を規定したデータを格納する第2の格納手段とを有する操作部とを具備し、前記判別手段は前記開閉信号を前記第1の格納手段に格納すると共に、前記開閉信号から取得したバルブの開閉状態に応じた点灯状態を前記第2の格納手段より取得し、前記点灯状態を前記制御部に送信し、該制御部は前記点灯状態からバルブ点灯パターンを表示データに設定し、該表示データを前記表示部に送信して表示させることを特徴とする基板処理装置。
【0070】
(付記2)前記第1の格納手段には制御用バルブに関するデータが格納され、前記第2の格納手段には前記制御用バルブ及び該制御用バルブと連動して開閉する自動開閉バルブに関するデータが格納される付記1の基板処理装置。
【0071】
(付記3)前記自動開閉バルブの動作を定義するバルブ連動表示情報を格納する第3の格納手段を更に具備し、前記バルブ連動表示情報によって前記自動開閉バルブが前記制御用バルブと同じ動作をするか反対の動作をするかが設定される付記2の基板処理装置。
【0072】
(付記4)バルブの開閉を表示する表示部から開閉信号を送信する工程と、該開閉信号からどのバルブの情報かを判別手段により判別する工程と、予めバルブの点灯状態を示すデータが格納された格納手段より前記開閉信号から取得したバルブの開閉状態を示すデータに応じて変更されたバルブの点灯状態を示すデータを取得して制御部に送信する工程と、該制御部が前記点灯状態を示すデータからバルブ点灯パターンを示すデータを設定して前記表示部に送信する工程と、該表示部が前記バルブ点灯パターンを示すデータに従ってバルブの開閉を表示する工程とを具備することを特徴とする基板処理装置の表示方法。
【符号の説明】
【0073】
1 PMC
5 GPP
6 基板処理装置
33 制御装置
34 OU
50 キーコード
61 判別プログラム
64 レシピ編集バッファ保存部
65 LED表示要求データ保存部
66 連動バルブ表示情報データ保存部
67 レシピ編集バッファ
68 LED表示要求データ
69 連動バルブ表示情報データ
72 制御用バルブLED点灯要求データ
73 自動開閉バルブLED点灯要求データ
74 LED表示データ
75 制御用バルブ
76 自動開閉バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する為のレシピに従いバルブの開閉等を行ってプロセス制御を行う制御部と、基板を処理する処理室へガスを供給するガス配管路に設けられたバルブの状態を表示する表示部と、該表示部より送信される開閉信号からどのバルブの情報かを判別する判別手段とレシピ等の編集データを格納する第1の格納手段と各バルブのバルブ開閉状態に応じた点灯状態を規定したデータを格納する第2の格納手段とを有する操作部とを具備し、前記判別手段は前記開閉信号を前記第1の格納手段に格納すると共に、前記開閉信号から取得したバルブの開閉状態に応じた点灯状態を前記第2の格納手段より取得し、前記点灯状態を前記制御部に送信し、該制御部は前記点灯状態からバルブ点灯パターンを表示データに設定し、該表示データを前記表示部に送信して表示させることを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−165959(P2011−165959A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27895(P2010−27895)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)