基板間に位置オフセットのないエレクトロクロミック装置
【課題】電気光学装置、特に、建築用窓又は車両用バックミラーで使用されるエレクトロクロミック装置を提供する。
【解決手段】エレクトロクロミック装置がその前部及び後部要素間でオフセットが殆どないか又は全くないことを可能にするために、前部要素の後部表面上に設けられた第1の導電層の一部分を後部要素の前部表面上に設けられた第2の導電層の一部分に電気的に結合するように導電体を設けることができる。導電体は、シールの導電部分の形態にすることができる。エレクトロクロミック媒体に亘る短絡を防止するために、第1及び第2の導電層の少なくとも一方は、第1の部分と第1の部分から電気的に分離された第2の部分とに分離され、かつエレクトロクロミック材料と電気接続している。エラストマー性ベゼルを利用することもできる。また、ベゼルの必要性又はその幅を低減するために、任意的に縁部シールを使用することもできる。
【解決手段】エレクトロクロミック装置がその前部及び後部要素間でオフセットが殆どないか又は全くないことを可能にするために、前部要素の後部表面上に設けられた第1の導電層の一部分を後部要素の前部表面上に設けられた第2の導電層の一部分に電気的に結合するように導電体を設けることができる。導電体は、シールの導電部分の形態にすることができる。エレクトロクロミック媒体に亘る短絡を防止するために、第1及び第2の導電層の少なくとも一方は、第1の部分と第1の部分から電気的に分離された第2の部分とに分離され、かつエレクトロクロミック材料と電気接続している。エラストマー性ベゼルを利用することもできる。また、ベゼルの必要性又はその幅を低減するために、任意的に縁部シールを使用することもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に電気光学装置に関するものであり、より具体的には、建築用窓又は車両用バックミラーで使用されるエレクトロクロミック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロクロミック要素は、光シャッタ、可変減衰光フィルタ、建築及び車両用窓を含む様々な用途で使用されている。エレクトロクロミック要素の最も一般的な用途は、車両で使用されるバックミラーアセンブリにおけるものである。このようなエレクトロクロミックバックミラーは、運転者の目に反射される像における前照灯のグレアを低減するために、後方及び前方目標光センサに応答してミラーの反射率を変えるように制御される。
【0003】
図1Aは、一般的な外部バックミラーサブアセンブリで使用されるバックミラーサブアセンブリ5の一部分の分解組立図である。サブアセンブリ5は、エレクトロクロミックミラー要素10、ベゼル50、及びキャリアプレート70を含む(図1B)。サブアセンブリは、更に、ガスケット60及び62を含むことができ、ガスケットは、エレクトロクロミックミラー要素10の両側に置かれ、これらは、ミラー要素10の周囲回りの二次的シールを形成するために設けられる。図1Bで最も良く分るように、エレクトロクロミック要素10は、一般的にガラスで形成されて前部表面12bと後部表面12bを有する前部透明要素12を含む。エレクトロクロミック要素10は、更に、要素12から僅かに間隔が空いている後部要素14を含む。シール16が、要素12及び14間でその周囲回りに形成され、エレクトロクロミック媒体が設けられる密封チャンバをその間に形成する。要素12及び14は、エレクトロクロミック媒体全体に亘って電位を印加することができるように、チャンバに面する表面上に導電層を有することが好ましい。これらの電極は、互いに電気的に分離され、第1及び第2のバスコネクタ34a及び34bによって電源に別々に結合されるであろう。バスコネクタ34a及び34bの接続を容易にするために、要素12及び14は、一般的に、1つのバスコネクタが要素の1つの下縁部に沿って固定され、別のバスコネクタが他の要素の上縁部に固定されるように垂直方向にオフセットしている。バスコネクタ34a及び34bは、一般的に、それらが要素12及び14の内方に向く表面上の電極層に物理的及び電気的に結合されたままであることを保証するために、本出願人に譲渡された米国特許第6,064,509号に開示されているものと類似のバネクリップである。エレクトロクロミック要素10が製造されてバネクリップ34a及び34bが取り付けられた状態で、次に、ミラーサブアセンブリ5を組み立てることができる。図1A及び図1Bに示すように、ベゼル50は、前部要素12の前部表面12aの一部を覆うように延びる前部リップ部51を含む。一般的に、前部リップ部51は、人の目に映るシール16を目立たなくするために前部表面12aの十分な部分を覆うように延び、紫外線による劣化の可能性からシール16を保護する。図1Bから明らかであるように、ベゼル50の前部リップ部51の幅D1は、要素12及び14のオフセットの距離D2を含むいくつかの要素に依存する。また、バスコネクタクリップ34a及び34bが要素12及び14周縁部を超えてどのくらい延びるかにより、ベゼル50の拡幅が必要であろう。一般的な従来技術のベゼルは、5mm又はそれ以上の幅D1を有する前部リップ部を有する。
【0004】
エレクトロクロミックミラー要素10をベゼル50に挿入する前に、前部要素12の前部表面12aとベゼル50の前部リップ部51の内面との間で圧縮されるように、前部リップ部51の背後に任意的な前部ガスケット60を設置することができる。その後、ミラー要素10をベゼル50内に置き、任意的な後部ガスケット62を要素14の裏面の周囲に沿って設置することができ、又はベゼル/ミラーインタフェース区域をウレタン、シリコーン、又はエポキシのような密封材料で充填するか又は注封することができる。一般的に工学グレードの剛性プラスチック又はベゼル用に使用されるのと類似の材料で形成されたキャリアプレート70は、次に、要素14の後部表面に対して、ガスケット62をその間に圧縮した状態で強く押される。ミラー要素10をベゼル内に固定するためにキャリアプレート70が所定の位置にスナップ式に固定されるように、複数のタブ52をベゼルの内側に形成することができる。キャリアプレート70は、一般的に、ミラーサブアセンブリを外部ミラーハウジング内に取り付けるために使用される。より具体的には、任意的なモータ(図示せず)をミラーハウジング内に取り付けて、ハウジング内のミラーサブアセンブリ位置の遠隔操作による調整を可能にするために、キャリアプレート70に機械的に結合することもできる。
【0005】
上述の構造体は容易に製造可能であるが、エレクトロクロミックミラーサブアセンブリのベゼルの前部リップ部の幅に関して、スタイリングの問題が生じている。具体的には、バスクリップ、すなわち要素12及び14の位置的オフセットに適合させる必要性のため及びシールの姿が目立たなくするために、ベゼルの前部リップ部の幅は、一般的に非防眩式(非エレクトロクロミック)ミラーに使用されるいずれのベゼルの幅よりも広い。実際に、ベゼルは、非防眩式ミラーには使用されないことが多い。一部の車両においては、運転者側の外部ミラーのみがエレクトロクロミックであり、一方、助手席側ミラーは非防眩式である。従って、ベゼル前部幅が低減されるか又は前部ベゼルを全く含まない改良型エレクトロクロミック外部ミラーサブアセンブリに対する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,064,509号
【特許文献2】カナダ特許第1,300,945号
【特許文献3】米国特許第5,204,778号
【特許文献4】米国特許第5,434,407号
【特許文献5】米国特許第5,451,822号
【特許文献6】米国特許第6,402,328号
【特許文献7】米国特許第6,386,713号
【特許文献8】米国特許第4,297,401号
【特許文献9】米国特許第4,418,102号
【特許文献10】米国特許第4,695,490号
【特許文献11】米国特許第5,596,023号
【特許文献12】米国特許第5,596,024号
【特許文献13】米国特許第5,790,298号
【特許文献14】米国特許第6,157,480号
【特許文献15】米国特許第5,202,787号
【特許文献16】米国特許出願第10/115,860号
【特許文献17】米国特許第5,940,201号
【特許文献18】米国特許第5,928,572号
【特許文献19】米国特許第5,448,397号
【特許文献20】米国特許第6,657,767号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】J.Stollenwerk、B.Ocker、及びK.H.Kretschmer著「FPD用途向け透明導電多層システム」、「LEYBOLD AG」、ドイツ
【非特許文献2】機械ハンドブック25
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つ又はそれ以上であるが全てではない実施形態によれば、前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、間隔の空いた関係で要素を互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシール、チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料、及び第1の導電層の一部分を第2の導電層の一部分と電気的に結合するために設けられた導電体を含むエレクトロクロミック装置が提供され、この導電体は、上述の前部及び後部要素の少なくとも一方の外周縁部上に設けられる。
【0009】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、間隔の空いた関係で要素を互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシール、チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料、及び少なくとも前部要素の周囲回りに配置され、前部要素の前部表面の一部を覆うように延びて約4mm又はそれ以下の幅を有する前部リップ部を備えたベゼルを含む車両用エレクトロクロミック可変反射率ミラーが提供される。
【0010】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、間隔の空いた関係で要素を互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシール、チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料、及び要素の少なくとも1つの周囲回りに配置されたエラストマー性ベゼルを含む車両用エレクトロクロミック可変反射率ミラーが提供される。
【0011】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、間隔の空いた関係で要素を互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシール、及びチャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料を含むエレクトロクロミック装置が提供され、導電コーティングが、周縁部の少なくとも1つの少なくとも一部分に付加される。
【0012】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、間隔の空いた関係で要素を互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシール、チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料、及び、第1及び第2の導電層の間に導電層の少なくとも一方と電気的に接触して配置された導電ワイヤ又はストリップを含むエレクトロクロミック装置が提供される。
【0013】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、及び間隔の空いた関係で要素を互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシールを含むエレクトロクロミック装置が提供され、シールは、少なくとも2つの導電領域を有し、エレクトロクロミック材料は、チャンバ内に配置される。
【0014】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、及び間隔の空いた関係で要素を互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシールを含むエレクトロクロミック装置が提供され、シールは、シールの全高よりも少なく延びた少なくとも1つの導電領域を有し、エレクトロクロミック材料は、チャンバ内に配置される。
【0015】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、前部及び後部要素の両方に設けられて密封チャンバを前部及び後部要素間に形成するためのシール、及びチャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料を含むエレクトロクロミック装置が提供され、シールは、主として前部及び後部要素の周縁部上に設けられる。シールは、主として要素の周縁部に付加されたエポキシ樹脂のような接着剤の成形ビードとすることができ、又は、金属、薄型ガラス、プラスチック、多層プラスチック、多層金属、及びSiO2、Al2O3、Ta2O5、Al、クロムのような無機物層又はコーティングを有するプラスチックのような、ガラス要素の周縁部に接着剤又はガラスフリットで結合することができる好ましくは低ガス浸透率を有するフィルム又はホイルとすることができると考えられる。
【0016】
本発明の上記及び他の特徴、利点、及び目的は、以下の明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を参照すると、当業者により更に理解されて正しく評価されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】従来の外部エレクトロクロミックミラーサブアセンブリの一部分の分解斜視図である。
【図1B】図1Aに示す従来の外部エレクトロクロミックミラーアセンブリの拡大断面図である。
【図2】外側ミラーが本発明の外部ミラーアセンブリを組み込んだ自動車用内側/外側エレクトロクロミックバックミラーシステムを概略的に示す正面図である。
【図3】図2の線III−IIIで切り取られた時の本発明の第1の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図4】図3に示すエレクトロクロミックミラー要素で使用することができるような電極が形成された後部基板の上面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図7A】図6に示すエレクトロクロミックミラー要素で使用することができるような電極が形成された後部基板の上面図である。
【図7B】図6に示すエレクトロクロミックミラー要素で使用することができるような更にシールが形成された図7Aに示す後部基板の上面図である。
【図8A】図6に示すエレクトロクロミックミラー要素で使用することができるような電極が形成された後部基板の上面図である。
【図8B】図6に示すエレクトロクロミックミラー要素で使用することができるような更にシールが形成された図8Aに示す後部基板の上面図である。
【図8C】本発明のエレクトロクロミックミラー要素で使用することができるような電極が形成された前部及び後部基板を示す分解組立図である。
【図8D】更にシールが形成された図8Aに示す後部基板の上面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図11】本発明の第5の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図12】本発明の第6の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図13】本発明の第7の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図14】本発明の第8の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図15】本発明の第9の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図16】本発明の第10の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図17A】本発明の第11の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図17B】本発明の第12の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図18】本発明の第13の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図19】本発明の第14の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図20】本発明の第14の実施形態によるベゼルを作るために使用することができる様々な材料のベゼル力と撓みのプロットを示す図である。
【図21A】本発明の第15の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図21B】本発明の第16の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図21C】図21Bに示すエレクトロクロミックミラー要素で使用することができるような電極が形成された後部基板の上面図である。
【図21D】本発明の第17の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図21E】本発明の第18の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図22】本発明の第19の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図23】本発明の第20の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図24】本発明の第21の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図25】本発明の様々な実施形態で利用されるような縁部シールの設置を示すエレクトロクロミックミラー要素の上面図である。
【図26】本発明の第22の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図27】本発明の第23の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図28】本発明の第24の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図29A】本発明の第25の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の第1の拡大断面図である。
【図29B】本発明の第25の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の第2の拡大断面図である。
【図30】本発明の第26の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図31】本発明の第27の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図32】本発明の第28の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図33】本発明の第29の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、添付図面に例を示す本発明の好ましい実施形態を詳細に参照する。同一又は類似の部品を示すために、できるだけ図面を通じて同一参照番号を使用することとする。図において、描かれた構造的要素は、縮尺通りではなく、特定の構成要素は、強調及び理解を目的として他の構成要素に対して拡大されている。
【0019】
上述のように、エレクトロクロミックミラーサブアセンブリは、好ましくは4mm又はそれ以下、最も好ましくは約3.6mmというベゼル前部リップ部幅の低減という利点があり、一方、それでもシールを十分に目立たなくするためにシール幅の全体に亘って延び、好ましくはシールの最も内側の縁部を約0.5mm超えて延びる。本発明のいくつかの態様によれば、ベゼルは、第1の透明要素によってシールの姿を目立たなくする他の本発明の技術のために、使用されない場合さえある。本発明の他の態様によれば、ベゼルを作るために以前に使用されなかった材料で作られた本発明のベゼルが設けられる。
【0020】
以下で説明する実施形態の大半に共通する本発明の技術の1つは、エレクトロクロミック要素の透明要素の位置オフセットを低減又は排除してベゼル幅を相応に低減することができることである。従って、エレクトロクロミック装置の電極への電気的結合の異なる新しい手段を通じてこの点を達成する様々な実施形態を以下で説明する。実施形態の各々に共通する可能性がある構造的要素の全体的概要に続いて、様々な実施形態を以下に詳細に説明する。
【0021】
図2は、内部ミラーアセンブリ110及び運転者側及び助手席側に対する2つの外部バックミラーアセンブリ111a及び111bをそれぞれ概略的に示す正面図であり、その全てが、ミラーが車両の後部に向いて後方の視界が得られるように車両の運転者が見ることができる場所に従来の方法で自動車に設けられるようになっている。内部ミラーアセンブリ110及び外部バックミラーアセンブリ111a及び111bは、先に言及したカナダ特許第1,300,945号、米国特許第5,204,778号、米国特許第5,451,822号、米国特許第6,402,328号、又は米国特許第6,386,713号で図示及び説明されている形式の光感知電子回路及びグレア及び周辺光を感知して駆動電圧をエレクトロクロミック要素に供給することができる他の回路を組み込むことができる。
【0022】
ミラーアセンブリ110、111a、及び111bは、同じ番号が内側及び外側ミラーの構成要素を特定するという点で本質的には同一である。これらの構成要素は、構成が若干異なるが、実質的には同じ方法で機能し、同じ番号を有する構成要素と実質的に同じ結果を得ることができる。例えば、内部ミラー110の前部ガラス要素の形状は、一般的に、外側ミラー111a及び111bよりも長くて狭い。また、外側ミラー111a及び111bと比較すると、内側ミラー110には、いくつかの異なる性能基準が設けられている。例えば、内側ミラー110は、一般的に、完全に障害物がない時、約70%から約85%又はそれ以上の反射率を有するべきであり、一方、外側ミラーは、約50%から約65%の反射率を有することが多い。また、米国では(自動車製造業者によって供給される時)、助手席側ミラー111bは、一般的に、球面上に湾曲したつまり凸面形状を有し、一方、運転者側ミラー111a及び内側ミラー110は、現在は平坦なものでなければならない。ヨーロッパでは、運転者側ミラー111aは、一般的に平坦又は非球面形であり、一方、助手席側ミラー111bは凸面形状である。日本では、両方の外側ミラーは、凸面形状を有する。本発明は、一般的に外部ミラーに焦点を当てるものであるが、以下の説明は、一般的に内部ミラーアセンブリを含む本発明の全てのミラーアセンブリに適用可能である。更に、本発明の特定の態様は、建築用窓のような他の用途で使用されるエレクトロクロミック要素又は他の形態の電気光学装置においてさえも実施することができる。
【0023】
図3は、前部表面112a及び後部表面112bを有する前部透明要素112と、前部表面114a及び後部表面114bを有する後部要素114とを含む、本発明の第1の実施形態に従って作られた外部ミラーアセンブリ111の断面図を示す。このような構造体の説明の明瞭さを図るために、これより以降では以下の名称を使用することとする。前部ガラス要素の前部表面112aは、第1表面と呼び、前部ガラス要素の後部表面112bを第2表面ということとする。後部ガラス要素の前部表面114aは、第3表面と呼び、後部ガラス要素の後部表面114bを第4表面ということとする。チャンバ125は、透明導体128の層(第2表面112bに担持)と、電極(第3表面114a上に配置)と、密封部材116の内周壁132とによって構成される。エレクトロクロミック媒体126は、チャンバ125内に含まれている。
【0024】
本明細書で広義に使用して説明する時、電極又は層が要素の表面上に「担持された」という言及は、要素の表面上に直接配置されるか、又は要素の表面に直接配置された別のコーティング又は1つ又は複数の層上に配置されることをいう。
【0025】
前部透明要素112は、透明であって自動車環境において一般的に見られる様々な状態、例えば変動する温度及び圧力で作動するのに十分な強度を有する任意の材料とすることができる。前部要素112は、任意の形式のホウ珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、フロートガラス、又は、電磁スペクトルの可視領域において透明である例えばポリマー又はプラスチックのような任意の他の材料を含むことができる。前部要素112は、板ガラスであることが好ましい。後部要素は、全ての用途において透明である必要はなく、従って、ポリマー、金属、ガラス、セラミック、及び好ましくは板ガラスを含むことができるという点を除き、先に概説した運転状態を満足すべきである。
【0026】
第3表面114a上の電極120は、第2表面112b及び第3表面114aの両方の外周部近くに配置された密封部材116により、離間されかつ平行な関係で第2表面112b上の電極128に密封可能に結合される。密封部材116は、エレクトロクロミック材料126がチャンバ125から漏れないように外周部を密封するために、第2表面112b上のコーティングを第3表面114a上のコーティングに接着剤で結合することができる任意の材料とすることができる。以下で説明するように、透明導電性コーティング128の層及び/又は電極120の層は、密封部材が配置される部分に亘って除去することができる。このような場合、密封部材116は、ガラスと良好に結合すべきである。
【0027】
エレクトロクロミック装置で使用される周囲密封部材116の性能要件は、当業技術で公知である液晶装置(LCD)で使用される周囲シールの要件と類似のものである。シールは、ガラス、金属、及び金属酸化物に対する良好な接着性を有するべきであり、酸素、湿気、及び他の有害な蒸気及びガスについては低浸透率を有するべきであり、それが含有して保護することになっているエレクトロクロミック又は液晶材料と相互作用したり又は毒したりしてはならない。周囲シールは、シルクスクリーン又は分配法などによりLCD業界で一般的に使用される手段によって付加することができる。処理温度が低いために、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は紫外線硬化有機シール樹脂が好ましい。LCD用のこのような有機樹脂システムは、米国特許第4,297,401号、米国特許第4,418,102号、米国特許第4,695,490号、米国特許第5,596,023号、米国特許第5,596,024号で説明されている。エポキシベースの有機シール樹脂は、ガラスに対する接着性が優れ、酸素浸透率が低く、溶剤耐性が良好なために好ましい。これらのエポキシ樹脂シールは、米国特許第4,297,401号で説明されているような紫外線硬化性か、又は液体ポリアミド樹脂又はジシアンジアミドとの液体エポキシ樹脂の混合体のような熱硬化性とすることができ、又は、ホモポリマー化することができる。エポキシ樹脂は、ヒュームドシリカ、シリカ、雲母、粘土、炭酸カルシウム、アルミナ及び/又は色を加えるための顔料のような流れ及び収縮を小さくするための充填剤又は増粘剤を含むことができる。疎水性又はシラン表面処理で予処理された充填剤が好ましい。単官能性、二官能性、及び多官能性エポキシ樹脂及び硬化剤の混合体を使用して硬化樹脂の架橋密度を制御することができる。シールの加水分解安定性及び接着性を向上させるために,シラン、チタン酸塩、又は硫黄又は燐含有複合物のような添加剤を使用することができ、又は、最終的なシール厚み及び基板間隔を制御するためにガラス又はプラスチック製ビード又はロッドのようなスペーサを使用することができる。周囲密封部材116での使用に適切なエポキシ樹脂には、以下に限定はしないが、「Shell Chemical Co.」(テキサス州ヒューストンに所在)から販売されている「EPON RESIN」813、825、826、828、830、834、862、1101F、1002F、2012、DPS−155、164、1031、1074、58005、58006、58034、58901、871、872、及びDPL−862、「Ciba Greigy」(ニューヨーク州ホーソンに所在)から販売されている「ARALITE」GY6010、GY6020、CY9579、GT7071、XU248、EPN1139、EPN1138、PY307、ECN1235、ECN1273、ECN1280、MT0163、MY720、MY0500、MY0510、及びPT810、及び「Dow Chemical Co.」(ミシガン州ミッドランドに所在)から販売されている「D.E.R.」331、317、361、383、661、662、667、732、736、「D.E.N.」354、354LV、431、438、439、及び444が含まれる。適切なエポキシ硬化剤には、「Shell Chemical Co.」から販売されているV−15、V−25、及びV−40ポリアミド、味の素株式会社(日本東京に所在)から販売されている「AJICURE」PN−23、PN−34、及びVDH、「シコク・ファイン・ケミカルズ」(日本東京に所在)から販売されている「CUREZOL」AMZ、2MZ、2E4MZ、C11ZC17Z、2PZ、2IZ、及び2P4MZ、「CVC Specialty Chemicals」(ニュージャージー州メープルシェードに所在)から販売されている「ERISYS」DDA又はU−405、24EMI、U−410、及びU−415で促進されたDDA、及び「Air Products」(ペンシルバニア州アレンタウンに所在)から販売されている「AMICURE」PACM、2049、352、CG、CG−325、及びCG−1200が含まれる。適切な充填材には、「Cabot Corporation」(イリノイ州タスコラ所在)から販売されている「C AB−O−SIL」L−90、LM−130、LM−5、PTG、M−5、MS−7、MS−55、TS−720、HS−5、及びEH−5、及び「Degussa」(オハイオ州アクロンに所在)から販売されている「AEROSIL」R972、R974、R805、R812、R812S、R202、US204、及びUS206のようなヒュームドシリカが含まれる。適切な粘土充填剤には、「Engelhard Corporation」(ニュージャージー州エジソンに所在)から販売されているBUCA、CATALPO、「ASP NC」、SATINTONE5、「SATINTONE SP−33」、TRANSLINK37、TRANSLINK77、TRANSLINK445、及びTRANSLINK555が含まれる。適切なシリカ充填剤は、「SCM Chemicals」(メリーランド州ボルチモアに所在)から販売されている「SILCRON」G−130、G−300、G−100−T、及びG−100である。シール加水分解安定性を向上させるために適切なシラン結合剤は、「Dow Corning Corporation」(ミシガン州ミッドランドに所在)から販売されているZ−6020、Z−6030、Z−6032、Z−6040、Z−6075、及びZ−6076である。適切な精密ガラスマイクロビードスペーサは、「Duke Scientific」(カリフォルニア州パロアルトに所在)から様々なサイズの組合せで販売されている。シールは、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれている米国特許第5,790,298号及び米国特許第6,157,480号の教示内容に従って作ることができる。
【0028】
2つのガラス製ピース間の精密な間隔を維持するための別の適切な方法は、プラスチックファイバを密封部材に添加することによるものである。これらのファイバは、約2.5から3:1(長さ:直径)の縦横比による単一フィラメントから切断された場合、2つの基板がシール硬化工程中に摺るのを防止するのに特に有効である。ガラス球は、シール硬化中に基板間の移動を可能にすることができる玉軸受として作用する。高温ポリエステル(PEN)又はポリエーテルイミド(Ultem)製のプラスチックファイバは、約1%(重量比)負荷でシール材料に添加された時、不規則に配向され、かつ一部は転動するように位置決めされないために基板の移動を防止するのに有効である。これらのプラスチックスペーサには、硬化有機シール材の熱膨張により密接に適合し、結果的に熱サイクル中に発生するシール応力が少なくなるという別の利点がある。
【0029】
透明導電材料128の層は、電極として作用するように第2表面112b上に堆積される。透明導電材料128は、前部要素112と良好に結合し、エレクトロクロミック装置内の任意の材料に対しても耐食性があり、雰囲気又は道路塩分による腐食に対する耐性があり、最小の拡散又は正反射率、高い光透過率、中立に近い着色、及び良好な導電性を有する任意の材料とすることができる。透明導電材料128は、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛(Zn3In2O6)、インジウム酸化錫(ITO)、「Libbey Owens−Ford Co.」(オハイオ州トリードに所在)から販売されているTEC20又はTEC15のような先に言及した米国特許第5,202,787号で説明されている材料で、ドイツAlzenau所在の「LEYBOLD AG」のJ.Stollenwerk、B.Ocker、及びK.H.Kretschmer著「FPD用途向け透明導電多層システム」に開示されているようなITO/金属/ITO(IMI)、他の透明導体金属酸化物、又は他の透明導体とすることができる。一般的に、透明導電材料128の導電性は、厚み及び組成に依存する。IMIは、一般的に他の材料と比較すると優れた導電率を有する。しかし、IMIは、環境による劣化が急激であり、層間剥離が生じることが公知である。IMI構造体内の様々な層の厚みは、変えることができるが、一般的に第1のITO層の厚みは、約10Åから約200Åの範囲であり、金属は、約10Åから200Åの範囲であり、ITOの第2の層は、約10Åから約200Åの範囲である。必要に応じて、電磁スペクトルの一切の不要な部分の反射を抑えるために、色抑止材料(図示せず)の1つ又は複数の任意的な層を透明導電材料128と第2表面122bの間に堆積させることができる。
【0030】
組み合わされた反射体/電極120は、第3表面114a上に配置されることが好ましい。反射体/電極120は、ミラー反射層の役目をし、エレクトロクロミック媒体と接触し、その中の全ての成分と化学的かつ電気化学的に安定した関係にある一体化電極を形成する反射材の少なくとも1つの層を含む。反射体/電極は、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれている、2002年4月3日出願で本出願人に譲渡された米国特許出願第10/115,860号で開示するように大部分反射性とすることができ、又は、部分的に透過性/部分的に反射性(又は「透過反射性」)とすることができる。代案として、エレクトロクロミック装置は、電極として作用する透明導電材料を第3表面上に組込み、第4表面上に反射体を組み込むことができるであろう。しかし、「反射体」と「電極」を結合させて両方を第3表面に配置することが好ましい。これは、そうすることによって装置の製造の複雑さが低減され、装置がより高い性能を発揮して作動することができるからである。第3表面上の組み合わされた反射体/電極120は、一般的に、第3表面上で使用されるような従来の透明要素よりも高い伝導性を有する。同時に、エレクトロクロミック装置を製造するための実質的に全体的な経費及び時間を低減しながら、第4表面反射装置で得られる着色速度を維持し、同時により低い導電性を有する電極に、第2表面上の透明導電電極の組成を変えることができる(経費軽減かつ製造しやさが向上)。しかし、特定の設計性能が非常に重要である場合は、例えばITOやIMIのような導電性が中から高の電極を第2表面で使用することができる。第3表面上の導電性が高い(すなわち、250Ω/Y未満、好ましくは15Ω/Y未満)反射体/電極と、第2表面上の導電性の高い透明電極とを組み合わせると、より均一な全体的な着色を伴うエレクトロクロミック装置が製造されるばかりでなく、着色及び取り外し速度の向上も可能にするものとなる。更に、第4表面の反射ミラーアセンブリにおいては、伝導性が相対的に低い2つの透明電極があり、これまで使用されている第3表面の反射ミラーにおいては、透明電極及び相対的に低い導電性を有する反射体/電極があり、例えば、電流を出し入れするために前部及び後部要素上の長いバスバーが適切な着色速度を保証するために必要である。本発明の第3表面の電極は金属製であり、より高い導電性を有することができ、従って、接触面積が小さかったり又は不規則である場合でさえも、電圧又は電位分布が導電面全体に亘って非常に均一なものである。従って、本発明は、第3表面の電極の電気的接触が非常に小さく(必要に応じて)、同時に依然として適切な着色速度を維持することを可能にすることにより、設計上の柔軟性の向上をもたらす。
【0031】
外側バックミラーの製作においては、ミラーの配向を操作するために使用される機構が過負荷とならないようにミラーを全体として軽量化するためにより薄いガラスを組み込むことが望ましい。また、装置を軽量化すると、振動を受けた時のミラーアセンブリの動的安定性が向上する。代替的に、ミラー要素を軽量化すると、ミラーハウジングの重量化なしにミラーハウジング内に設けられる回路の電子化を可能にすることができる。薄いガラスは、特に極端な環境に露出された時に、反ったり又は破断しやすい可能性がある。この問題は、改良形ゲル材を有する2つの薄いガラスを組み込んだ改良形エレクトロクロミック装置を使用することによって実質的に改善される。この改良形装置は、1997年4月2日出願の「2つの薄いガラス要素及びゲル状エレクトロクロミック媒体を有するエレクトロクロミックミラー」という名称の本出願人に譲渡された米国特許第5,940,201号に開示されている。この特許の全開示内容は、本明細書において引用により組み込まれている。更に、組み合わせた反射体/電極の装置の第3表面上への増設は、平行ではない2つのガラス要素から生じる残留二重撮像があればそれを除去する一助となる。従って、チャンバ125は、密封部材のみによって互いに保持された2つの薄いガラス要素ではなく、1つの厚い単一部材として作用するミラーを製造するために、薄いガラス要素112及び114と協動的に相互作用する独立したゲルを含むことが好ましい。溶液及び架橋ポリマーマトリックスを含む独立したゲルにおいては、溶液は、ポリマーマトリックス内に撒き散らされて溶液として作用し続ける。また、少なくとも1つの溶液段階のエレクトロクロミック材料は、溶剤において溶液状であり、従って、溶液の一部としてポリマーマトリックス内に撒き散らされる(これを一般的に「ゲル状エレクトロクロミック材料」126という)。これによって、ミラーが自動車環境に共通する極限状態に耐えるように十分な構造上の一体性を維持しながら、ミラーを全体として軽量化するためにより薄いガラスでバックミラーを製造することができる。これはまた、薄いガラス要素間で均一な間隔を維持する一助となり、これによって、ミラーの外見における均一性が向上する(例えば、着色)。この構造的一体性は、エレクトロクロミックミラーにおいて有効に機能するためには強度特性がそれぞれ不十分である独立ゲル、第1のガラス要素112、第2のガラス要素114がもはや独立して動くのではなく1つの厚い単体部材として作用する方法で結合するためにもたらされる。この安定性には、以下に限定はしないが、屈曲、反り、内反り及び破断に対する耐性、並びに、反射画像の画質の向上、例えば、歪みの低減、二重像、色均一性、及び各ガラス要素の独立した振動が含まれる。しかし、前部及び後部のガラス要素を結合することが重要であるが、確実にエレクトロクロミックミラーが適正に機能するようにすることも同等に重要である(重要度が優ることがないにしても)。独立ゲルは、このような装置の壁部の電極層(ミラーに第3表面の反射体がある場合は、反射体/電極を含む)と結合すべきであるが、電極層とチャンバ116内に配置されたエレクトロクロミック材料との間の電子移動を妨げてはならない。更に、ゲルは、経時的な収縮、亀裂、又は垂れが生じてゲル自体が画質不良の原因となってはならない。独立ゲルが前部及び後部のガラス要素を結合するのに十分に良好に電極層と結合し、エレクトロクロミック反応が溶液内であるかのように起こることを可能にしながら経時的に劣化しないようにすることは、本発明の重要な態様である。
【0032】
適度な性能を発揮するためには、ミラーは、正確に反射像を表現しなければならず、これは、運転者が反射像を見ている時に、ガラス要素(反射体に取り付けられる)が座屈又は内反りする傾向があると達成することができない。座屈又は内反りは、主としてミラー取り付け及び調整機構、及び、外部ミラー要素を収納するために使用される様々な構成要素の熱膨張係数の差によってもたらされる圧力点によって生じる。これらの構成要素には、ミラーを操作及びその位置を調整するために使用される機構(接着剤によってミラーに結合)にミラー要素を取り付けるために使用されるキャリアプレート、ベゼル、及びハウジングが含まれる。また、多くのミラーは、一般的に二次シールとして注封材を有する。これらの構成要素、材料、及び接着剤の各々は、暖房及び冷房中に温度変化に応じて膨張縮小してガラス要素112及び114に応力を印加する異なる熱膨張率を有する。非常に大きなミラーでは、静水圧が懸念事項となり、前部及び後部のガラス要素は、ミラーの底部が外反りし、上部が内反りした時に二重像の問題に至る可能性がある。前部及び後部のガラス要素を結合することにより、薄いガラス/独立ゲル/薄いガラスの組合せは、1つの厚い単一部材として作用する(同時に、尚も外部ミラーの適切な作動を可能にする)ことによって曲げ、内反り、屈曲、二重像、及び歪みの問題及びエレクトロクロミック媒体の不均一な着色を排除又は低減する。
【0033】
また、本発明の独立ゲルと薄いガラス要素の間の協働する相互作用により、薄いガラス要素を有するエレクトロクロミックミラー110の安全面が向上する。薄いガラスは、撓み性が大きいことに加えて、厚いガラスよりも破断する可能性が高い。独立ゲルを薄いガラスと結合することにより、全体的な強度が改善され(上述のように)、更に、破砕及び散乱が抑制され、装置破断の場合の清掃がしやすくなる。
【0034】
本発明で使用される改良形架橋ポリマーマトリックスは、1996年5月15日出願の「エレクトロクロミック層及びそれを含む装置」という名称の本出願人に譲渡された米国特許第5,928,572号に開示されている。その特許の全開示内容は、本明細書において引用により組み込まれている。
【0035】
一般的に、エレクトロクロミックミラーは、約2.3mmの厚みを有するガラス要素を伴って作られる。本発明による好ましい薄いガラス要素は、約1.0mmの厚みを有し、その結果、50%を超える重量節減となる。このような軽量化により、一般的にキャリアプレートと呼ばれるミラーの作動を操作するために使用される機構が確実に過負荷とならず、更にミラーの振動に対する安定性が大幅に向上する。
【0036】
従って、前部透明要素112は、厚みが0.5mmから約1.8mmまで、好ましくは約0.5mmから1.6mmまで、更に好ましくは、約0.5mmから1.5mmまで、尚も好ましくは約0.8mmから約1.2mmまでの範囲か、又は、最も好ましくは約1.0mmである板ガラスであることが好ましい。後部要素114は、要素112と同じ範囲の厚みを有する板ガラスであることが好ましい。
【0037】
両方のガラス要素を薄く作った時は、内部又は外部ミラーの振動特性は向上するが、その効果は外部ミラーの場合の方が大きい。エンジン稼動及び/又は車両移動から生じるこれらの振動は、バックミラーに影響を与えるものであり、その結果、ミラーは、本質的には振動する片持梁の端部の錘として作用する。このミラーの振動は、安全上の懸念事項であり、運転者に対して不快な現象である反射像のぼけを引き起こす。片持梁端部の錘(すなわち、外部ミラーのキャリアプレートに取り付けられたミラー要素又は内側ミラーのミラーマウント)を軽量化すると、ミラーが振動する周波数が大きくなる。ミラー周波数が約60Hzになった場合、反射像のぼけは、車両乗員に対して視界的に不快なものではない。更に、ミラーが振動する周波数が大きくなると、振動中にミラーが移動する距離は、大幅に短くなる。従って、ミラー要素を軽量化することにより、ミラー完成品は、振動安定性が増し、車両背後を見る運転者の能力が高まる。例えば、1.1mmの厚みを有する2つのガラス要素を伴う内側ミラーは、約55Hzの第1のモードの水平方向の周波数を有し、2.3mmの2つのガラス要素を伴うミラーは、約45Hzの第1のモードの水平方向の周波数を有する。この10Hzの差異により、運転者の目に映る反射像の画質が大幅に向上する。
【0038】
ミラーを昇温することによってミラーから氷、雪、霧、又は霜を取り除くために、第4のガラス表面114b上に抵抗式ヒータ(図示せず)を配置することができる。抵抗式ヒータは、任意的に、ITO、つまり第4表面に付加されたフッ素ドープ酸化錫の層とすることができ、又は当業技術で公知の他のヒータ層又は構造体としてもよい。
【0039】
再び図2を参照すると、本発明の態様を実施するバックミラーとして、個々の各アセンブリ110、111a、及び/又は111bの周囲全体の回りに延びるハウジング又はベゼル144を含むことができる。ベゼル144は、バネクリップ(存在する場合)及びシールを隠して保護する。例えば、先に言及した米国特許第5,448,397号で教示かつ主張されているベゼルのような様々なベゼルデザインが当業技術で公知である。
【0040】
先に言及したカナダ特許第1,300,945号、米国特許第5,204,778号、米国特許第5,434,407号、米国特許第5,451,822号、米国特許第6,402,328号、又は米国特許第6,386,713号で教示されているもののような電気回路が電極120及び透明電極128に接続されると、エレクトロクロミック媒体126が暗色化することによってエレクトロクロミック媒体を通過する光の様々な量を減衰し、従って、エレクトロクロミック媒体126を含むミラーの反射率を変えるように、電極120及び透明電極128に亘って印加される電位の制御が可能になる。エレクトロクロミックミラーの反射率を制御するのに使用される電気回路は、周辺光センサ(図示せず)及び眩光センサを組み込むことが好ましい。眩光センサは、ミラーガラスの後に位置決めして反射材が完全又は部分的に除去された状態でもミラーの一部を見通し、又は、眩光センサは、反射面の外側、例えばベゼル144内に位置決めすることができ、又は、以下で説明するように、均一に堆積された透過反射コーティングの後に位置決めすることができる。更に、146のような電極及び反射体の区域は、コンパス、時計、又は他の表示部のような真空蛍光ディスプレイが車両運転者に見えるように以下で説明するように完全に除去するか又は部分的に除去することができ、又は、以下で説明するように、均一に堆積された透過反射コーティングを通じてこの発光ディスプレイアセンブリが見えるようにすることができる。また、本発明は、グレア及び周辺光の両方を測定するためにビデオチップ1つだけを使用して、更に、グレアの方向を判断することができるミラーに付加可能である。また、本発明により製作される車両内側の電動ミラーは、電動ミラーシステム内のスレーブ側として一方又は両方の外側ミラーを制御することができる。
【0041】
本発明の第1の実施形態の特徴について、図3及び図4に関して以下に説明する。図4は、図3に示す構造体と共に使用することができるような、電極120が配置された第2の透明電極114の上面図を示す。図4に示すように、電極120は、2つの異なる電極区域、つまり、電極材料又はいかなる他の導電材料もない区域によって電気的及び物理的に分離された第1の部分120aと第2の部分120bに分離されている。電極材は、電流が直接に第1の部分210aから第2の部分120bに流れることがないように、区域120に存在すべきではない。電極材210を区域210cから除去するには、例えば、化学エッチング、レーザ融除、掻き落しによる物理的除去のような多くの方法がある。また、区域210cでの堆積は、電極堆積中にマスクを使用することによって回避することができる。
【0042】
図3に示すように、電極120の第2の部分120bは、エレクトロクロミック装置の第3表面114aでエレクトロクロミック媒体126と電気的接触しており、一方、第1の部分120aは、区域120c、シール116、又はその両方によってエレクトロクロミック媒体126から物理的に隔離されている。しかし、第1の部分210aは、シール周囲の一部又は大部分の回りに延びることができる導体により、エレクトロクロミック装置の第2表面112b上の透明電極128の一部と電気的に結合されている。従って、電極層の部分120及び128の間に有効に短絡回路が設けられる。この短絡回路により、通常は第1の透明電極112の周囲に取り付けられるバスクリップを、代わりに第2の要素114に取り付けることができる。より具体的には、電源と第2表面上の透明電極128の間の電気接続は、バスバー(又は、クリップ119a)を電極層120の第1の部分120aに接続することによって行うことができる。第2の部分120bへの電気接続は、要素114の周縁部まで延びる部分120bの延長部120dに取り付けられているクリップ119bを利用することによって行うことができる。この構成は、円周の回りのほぼ全周で透明導電材料128への接続を可能にし、従って、エレクトロクロミック媒体126の減光及び除去速度を向上させるという点で有利である。他の実施形態に関連して更に以下で説明するように、クリップ119a及び119bの代わりに他の形態の電気的コネクタを使用することができる。
【0043】
図3は、電極120の第1の部分120aを電極128の一部に結合するための2つの異なる形式の電気的コネクタを示す。装置の左側に示すように、導電粒子116bは、シール116の一部が導電性となるように密封部材116の一部の中に分配することができる。シール116は、全幅に亘って導電性というわけではないが、むしろ、シールの導電部をエレクトロクロミック媒体126から絶縁して電極128と電極120の第2の部分120bとの間で短絡回路とならないことが好ましい。このようにして、電源からの駆動電位は、電極120の第1の部分120a及びシール116の導電粒子116bを通った後に透明導体128に到達する。
【0044】
このような構成においては、シール116は、導電粒子116bが含まれた一般的な密封部材、例えば、エポキシ116aを含む。導電粒子は、直径約5ミクロンから約80ミクロンの範囲である、例えば、金、銀、銅などがコーティングされた小さなプラスチックとすることができ、この場合、電極120の第1の部分120aと透明電極128の間に十分な導電率を保証するのに十分な数の粒子がなければならない。代替的に、導電粒子は、例えば、金、銀、銅などがコーティングされたガラス又はプラスチックビードのようなスペーサとして作用するのに十分な大きさとすることができる。更に、導電粒子は、薄片の形態であるか又は他の適切な形状又は異なる形状の組合せとすることができる。
【0045】
導電粒子116bが確実に区域120bに入らないようにするには、例えば、導電材料のない電極120の区域120cに非導電材料を堆積するなどの様々な方法を用いることができる。二重ディスペンサを使用すると、導電粒子116bを有するシール116を第1の部分120a上に堆積させ、同時に非導電材料を電極区域120cに堆積させることができるであろう。電極区域120bに到達する導電粒子が確実にないようにする一般的な方法は、密封剤が組み付け中に圧搾された時に導電粒子116bが後に残る傾向があって116の非導電部分のみが区域120bに入るように、シール116が確実に適切な流量特性を有するようにすることである。別の方法は、基板間に非導電密封部材を供給し、供給された非導電シールを別々に硬化させ、その後、2つの基板に間に導電性エポキシを注入することであろう。
【0046】
図3の装置の右側に示す代替的な実施例においては、スペーサとしての役目ができるより大きな導電体116bが設けられている。このようなより大きな導体は、単一のワイヤ、組み線、導電ストリップ、又は全体を通じて導電性であるか又は導電材料でコーティングされている単に大きな粒子又はビードとすることができる。
【0047】
シール116は、導電粒子又は他の導体116bを含まなくてもよく、代替的に、透明導電材料128が電極120の第1の部分120aと相互接続するように、シール116の外縁部上又はその内部に導電部材又は導電材料116cを設置することができる。このような導電部材116cは、シール内で又は他の場合は要素112及び114の間に導体と組み合わせて使用することができる。
【0048】
改良形の電気的相互接続技術の更に別の実施形態を図5に示すが、ここでは、密封部材116の第1の部分は、直接に第3表面114a上に付加され、電極120が付加される前に硬化される。密封部材116の第1の部分を覆うように電極120を第3表面114a上に堆積した後に、所定の厚み(第2表面112bと第3表面114aの間の望ましいセル間隔によって変わる)で示すような116iを残すように、硬化した密封部材116の一部分を機械加工して取り除く。セル間隔は、約20ミクロンから約1500ミクロンの範囲であり、好ましくは、約90ミクロンから約750ミクロンの範囲である。密封部材の第1の部分を硬化させて望ましい厚み(116i)に機械加工することにより、ガラスビードが一定のセル間隔を保証する必要性が排除される。ガラスビードは、セル間隔をもたらすために有用であるが、ガラスビードが電極120及び透明導体128に接触する応力点をもたらす。ガラスビードを除去することにより、これらの応力点も除去される。機械加工中、電極120がない区域を残すために、密封部材116の第1の部分上にコーティングされている電極を除去する。その後、密封部材116iの第1の部分の機械加工済み区域上か又は116iに対応する区域内の第2表面112bのコーティング上に密封部材116iの第2の部分を堆積し、従来の方法による組み付け後に密封部材116iを硬化させる。最後に、電極120の外縁部と透明導電材料128の層の外周縁部との間に電気的接触を作るために、外側導電性密封部材117を任意的に密封部材116の外周部分上に堆積させることができる。この構成は、円周の回りのほぼ全周で透明導電材料128への接続を可能にし、従って、エレクトロクロミック媒体126の減光及び除去速度を向上させるという点で有利である。
【0049】
本発明の第3の実施形態を図6に示す。第3の実施形態は、電極120の第1の部分120aを透明電極128の一部分と接触させる導電体がワイヤ150又はストリップであり、このワイヤ又はストリップは、電極層との接触を向上させるために、また、それによって接触安定性を保証するために導電材料152をコーティングすることができるという点で先の2つの実施形態とは異なる。導電材料152は、導電性感圧接着剤(PSA)、導電性インキ、又は、銀、金、銅、ニッケル又は炭素のような材料で作られた導電粒子、薄片、又はファイバで充填されたエポキシとすることができる。導電材料152が十分な導電率を有する場合、ワイヤ150は不要となる。先の2つの実施形態と同様に、電極120は、導電材料がない区域120cによって第1の部分120a及び第2の部分120bに分離されている。図7Aは、電極コーティング120が堆積された後部要素114の上面図を示す。第1及び第2の部分を作るために、レーザ融除、化学エッチング、掻き落しによる物理的除去又は類似の方法を使用して、細線形成区域120cを形成するためにエレクトロクロミック材料の一部を除去することができる。図7Aに示すように、これは、要素114の片側に沿って第1の部分120aを構成することになる。図7Bに示すように、エレクトロクロミック媒体126が堆積されるチャンバ125の外側境界を形成するために、非導電シール116を周辺全体の回りに形成する。その後、電極120の第1の部分120aが形成される周縁部に沿って、ワイヤ150の有無を問わずシールとしても機能することができる導電材料152を配置する。導電材料152は、基板112及び114を互いに組み込む前又は後で堆積することができる。
【0050】
2つの第1の部分120aが要素114の反対側に構成されかつ対応する非導電ライン120cによって分離された他の構造を図8Aに示す。このような配置は、要素114の反対側での電極128との電気接続を可能にすることになる。シール116及び152は、類似の方法で配置することになるが、導電シール152は、両方の部分120の全て又は一部を覆うように配置される。ワイヤは、導電シール材料152から延びるので、電気的クリップ又は電力がエレクトロクロミックミラーに供給される回路基板に直接半田付けすることができる。ワイヤをコーティングして基板112及び114間に堆積させるために、コーティングされた要素114の所要の部分上に直接にシール材料152を分配するのに使用される分配ノズルの中央にワイヤ150を通すことができる。
【0051】
図8C及び図8Dは、本発明の第1の実施形態の別の実施例を示す。詳しくは、図8Cは、両方の電極120及び128の電極エッチングを示し、一方、図8Dは、その幅の外側部分が導電性であり、内側部分が図3に示すシールと同様に非導電性であるシールが設けられた姿を示す。シール全体116は、導電性とすることができ、エレクトロクロミック装置は機能するが、この構成は、エレクトロクロミック媒体の着色が導電シールの内縁部と電極128a及び120aの露出部とに発生した時にエレクトロクロミック種の分離が助長されるために、ソリューション段階の装置については好ましいものではない。図8Dに示すように、エレクトロクロミック装置の両端には、2つの充填ポート195及び196が設けられており、充填ポートは、シール116の導電部116bの絶縁をもたらすものである。充填ポート195及び196に栓をするのに使用されるプラグ材料197はまた、必要な絶縁をもたらすために非導電材料製になると考えられる。
【0052】
図9は、図6に示す実施形態の2つの変形を示す。図9に示す装置の左側を参照すると、要素114の前部表面114aの周縁部の少なくとも1つの部分は、要素112及び114の間に太い継ぎ目145を付加するように斜角を付加することができることが分るであろう。このより大きな継ぎ目154を付加することにより、特にチャンバ125内で要素112及び114間の間隔を大きくする必要がなく、より大きな径のワイヤ150を要素112及び114間に挿入することができる。このような継ぎ目154は、要素114の前部表面114a又は前部要素112の後部表面112bに斜角を付加することによってもたらすことができる。代案として、単一の大径ワイヤ150を設置するのではなく、複数のワイヤ150又は組み線のワイヤストランドを電極120及び128の一部分の間に導電体として設置することができる。互いに捻られたワイヤを設置することにより、接着剤152を付加しやすくなり、ワイヤは、同じ材料で作られたものである必要がない。例えば、銅線は、強度又は他の望ましい特性を与えるために、ステンレス鋼製、ナイロン製、「KEVLAR」又は炭素の繊維、又はワイヤと共に捻ることができる。継ぎ目154は、例えば、要素112及び114の側縁部から0.020インチ延びることができる。継ぎ目は、非導電シール116が要素120bの斜角が付けられた部分を覆うように装置内まで延びることができるが、それでも、確実に短絡がないようにすることはレーザエッチング領域120cに有用であろう。導電性接着剤152が十分な導電率を有するものであれば、ワイヤ150は必要ではないことに注意すべきである。この場合、継ぎ目又はベゼル154により、接触区域の全体的な導電率を向上させるような導電材料152をより多く使用することができる。
【0053】
図10は、本発明の更に別の実施形態を示す。また、この実施形態は、個別の領域を形成するために電極120の一部をエッチングするのではなく、非導電コーティング又は材料156を電極120とコーティング処理ワイヤ150の間に設置する点を除き、図6に示すものと類似のものである。コーティング又は材料156は、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリアミド又はアクリルのような有機樹脂、又は、SiO2又はTa2O5のような無機材料の薄い層で形成することができる。また、このような非導電材料は、ワイヤを所定の位置に保持するのに有効であろう。
【0054】
図11は、本発明の別の実施形態を示す。図示のように、後部電極120が1つの側縁部に沿ってエッチングされるだけではなく、導電材料のない区域128cによって分離された第1の部分128a及び第2の部分128bを形成するために、透明前部電極もエッチングされる(例えば、図8Cを参照)。前部透明電極128は、電極120がエッチングされる側面以外の任意の側面に沿ってエッチングすることができる。従って、2つの電極のエッチング処理部分128c及び120cの周囲回り及びその上に非導電シール120が形成されるであろう。要素112及び114の縁部は、互いに面一になるであろう。エポキシシール116は、好ましくは、要素112及び114の縁部から約0.010インチから0.015インチのその上部及び底部に側面のガラス縁部と面一に分配される。その後、装置の上部及び底部で0.010〜0.015インチのチャンネル内に導電材料152を分配することができる。その後、電極120及び128との電気的接触をもたらすために、上部領域及び底部領域に対して、ホイル、銅ウェブ材料、又は他の導電性の高い材料160を導電エポキシ/接着剤に接着させることができる。表面積が大きなウェブ又は穴があるか又は外部が粗いホイル又は薄い導電材料は、導電材料152及び装置の縁部に対するこのような材料の接着を高める。
【0055】
図12は、本発明の別の実施形態を示す。エレクトロクロミック媒体及び窓用途に付加されることになるこの実施形態は、電極120及び128の各々に堆積して硬化する導電シール材料152を含む。その後、非導電シール116を導電シール152の間に分配し、必要に応じて、エレクトロクロミック媒体126からの絶縁をもたらすために内方に分配されることになる。代替的に、導電密封部材と非導電シールを同時に分配することによって二重分配を行うことができる。従って、シール高さの一部は、シールとして、また導電体バスとして使用される。この構造の利点は、シール/導電バス152が、2つの電極120及び128の各々についてエレクトロクロミック装置の周囲全周に延びることができるということである。導電シール材料152は、銀で充填したエポキシで形成されることが好ましい。
【0056】
図13は、図12に示す実施形態に対していくらかの変形を施したものである。具体的にいえば、エポキシシール部分152に追加された導電材料が銀ほど環境に優しくない場合、導電材料は、2段階か又は2つの別々の非導電材料を用いて形成することができる。例えば、非導電エポキシシール116は、エレクトロクロミック媒体126と導電シール152の間に従来の方法で付加することができる。その結果、導電材料162は、導電シール部152の間の間隙を埋めるのに用いることができ、ガラス要素112及び114の縁部に沿って延びることができる。この工程を用いる利点は、密封部材116をエレクトロクロミック媒体による劣化を受けやすくない材料から選択することができ、一方、密封部材162を湿気及び酸素を通さない材料から選択することができるということである。
【0057】
図14は、本発明の別の実施形態を示す。ミラー又は窓に同等に適切なものとなるこの実施形態は、エレクトロクロミック媒体126が配置されたチャンバ125の外方の境界部を形成すると同時に、電極128及び120間の非導電シール116をもたらすものである。シール116と要素112及び114との間には、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)、ポリエステル、ポリアミド、又は他の絶縁材料で作られ、ホイル又は銅ウェブ又は他の導電性の高い材料などの導電材料166が両側に取り付けられた絶縁材料164が設けられている。PSAを用いて、導体166を絶縁体164の両側に固定することができる。導体166と電極128及び120との間の接触安定性を高めるために、導電インキ又はエポキシ152を用いることができる。シール116は、材料152、166、及び164が適切な環境保護を行い、かつエレクトロクロミック媒体と干渉しない場合は不要である。
【0058】
図15は、図11に関して上述した実施形態の改良例を示す。しかし、この改良は、上述又は以下に説明する任意の他の実施形態と共に使用することができることが認められるであろう。具体的にいえば、この構造体は、シール116/152の姿を目立たなくするのに十分な幅を有する斜角付き周縁面170をもたらすために、前部要素112の前部表面112aが周辺面の回りに斜角が付されるように修正されている。このような設計の場合、ベゼル全体を排除することが可能であろう。当業者によって理解されるように、導電ホイル又はウェブ160は、後方に延びて、プリント回路基板又はミラー要素の反射率を選択的に変えるために電力を分配することができるヒータ回路との電気的接触が得られるように巻き付くことができる。更に、シールの姿を目立たなくするために、反射コーティングを斜角面170に付加することができる。
【0059】
図16は、シール116の姿を目立たなくするための若干異なる方法を示すものである。具体的にいえば、前部要素112の前部表面112aの周囲部分175は、処理しなければシールが分る可能性がある装置の部分の姿を目立たなくするために、サンドブラスト処理、荒削り、又は修正される。更に別の技術を図17Aに示すが、ここでは、前部要素112の前部表面112aの周囲領域175に反射性又は半透明の塗装/コーティング176が設けられている。図17Bに示すように、このような反射性又は半透明のコーティング、塗装、又はフィルムは、前部要素112の後部表面112b上に設けることができるであろう。
【0060】
シールを隠す更に別の方法は、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれている、本出願人に譲渡された米国特許第5,790,298号で開示するような透明のシール材料を用いることである。
【0061】
図15から図17Bに関連して上述したシールの姿を目立たなくするための異なる方法の各々は、組み合わせるか又は別々に用いることができ、本明細書で説明する他の任意の実施形態と共に使用することができる。例えば、図15に示す斜角面170は、サンドブラスト処理することができる。同様に、表面112aのサンドブラスト処理部175を反射性又は屈折率の高い材料で塗装又はコーティングすることができる。シルクスクリーニング又は他の適切な方法で塗装又は他の材料を付加することができる。反射材を荒削り面に組み合わせると、拡散反射体となる。
【0062】
上述のように、ベゼルのスタイリング及び外見を改善するために他の技術を用いることができる。例えば、図18は、クロム、クロムメッキプラスチック、又は他の材料のような少なくとも金属で作られた表面を有するベゼル144の使用を示すものである。従って、ベゼル144の前部表面の少なくとも一部は、黒色ではないが、ミラー自体の外見と同様に反射性のものとなり、従って、ミラーサブアセンブリの残りの部分と区別し難いものとなる。ベゼル144は、任意の従来の方法でキャリアプレート145と係合することができる。
【0063】
ベゼルが典型的にかなり広いものである別の理由は、エレクトロクロミック要素を形成するために使用される材料に対するベゼルが作られる材料の熱膨張率の差に適合させるためである。従来のベゼルは、ポリプロプレン、ABS/PC、ASAのような丈夫でかなり剛性の工学用プラスチック製であり、ガラスミラーよりも遥かに大きな熱膨張率を有する。丈夫で剛性のあるベゼルが低温でミラー回りで収縮した時に、この熱膨張率によって大きな周方向応力が発生する可能性がある。その結果、従来のベゼルは、要素と剛性のあるベゼルとの間の熱膨張差に適合するためにリブ又は形成された空隙を有することができる。この点に関する解決法を図19に示しており、ベゼル144aは、エレクトロクロミック要素の熱膨張/収縮と共に拡張及び収縮するエラストマー材料で形成される。
【0064】
エラストマー材料は、射出成形PVC又はポリウレタン「反応射出成形(RIM)」のようにミラー要素回りに直接に射出成形又は樹脂トランスファー成形することができると考えられる。エラストマー性ベゼルは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO,TPV)、スチレン熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリエステル熱可塑性エラストマー(TPC)、ナイロン又はポリアミド可塑性エラストマー(TPA)、又は、加硫又は重合ゴム、ポリウレタン、シリコーン又はフッ素エラストマーなどの熱可塑性エラストマー(TPE)として公知であるエラストマー材料から別々に射出成形し、その後、ミラー要素に付加することができる。1つの技術は、ミラーの形状及びサイズであるか又は好ましくはミラーの形状及びサイズよりも若干小さく、その後、ベゼルを拡張させてミラーに「スナップ式」に収まる「C」又は「U」字形にエラストマー性ベゼルを射出成形することである。このような方法で作られたベゼルは、ミラーに具合良く収まり、熱衝撃及び熱サイクルに非常に良好に耐える。「C」又「U」字形ベゼルの1つの利点は、それが前部から後部にかけて左右対称形に作られた場合は、車両の運転者側用に作られたベゼルは、180°回転した場合に一般的に車両の助手席側に適合するということであり、これは、2つのミラーが通常は互いに鏡像であるためである。ベゼルは撓み性があることから、別の利点は、平面鏡用に作られたベゼルは凸型又は非球形のミラー形状にも適合するということである。右側及び左側の平坦、凸面、及び非球形ミラーに合うように作る必要があるベゼルは1つだけであり、その結果、経費、時間、及び在庫の大きな節約となる。アイススクレーパでミラーが擦られた場合にベゼルの脱落を回避するために、ベゼルは、接着剤で又は機械的にミラー又はミラー裏面に固定するか又は留めることが望ましいであろう。接着剤は、ガラス上又は「C」又は「U」字形ベゼル又はその両方の内側の縁部回りに付加される水分硬化式シリコーン又はウレタンのような単一成分システムとすることができる。その後、ベゼルを付加することができ、接着剤が経時的に硬化するであろう。2成分又は溶剤ベースの接着剤もこのようにして使用することができると考えられる。また、ミラー周囲又は「C」又は「U」字形ベゼル又はその両方の内側に高温融解接着剤を付加することができる。その後、接着剤がまだ高温であるうちにベゼルをミラーに付加することができ、又は、ベゼル/ミラーアセンブリを再度加熱し、高温溶融接着剤を溶かしてベゼルをミラーに結合することができる。また、エラストマー性ベゼルを所定の位置に捕捉又は係合するための機械式手段を使用することもできる。ベゼルは、より剛性の高い背部部材と係合するように背部又は側部に穴又は溝を設けて作ることができる。また、エラストマー性ベゼルは、エラストマー部分を定位置に保持するためにミラーの周囲回りにエラストマー部分、及び裏面回りにより剛性のある部分を形成するより大きな剛性のある材料を同時注入することができる。この剛性のある部分は、ミラー裏面の大部分を覆い、ミラーハウジング隔壁においてミラーを所定の位置に保持する電源部又は調整可能なミラー支持部と係合することができる。この配置におけるミラーは、接着剤又は両面接着テープで剛性のある裏面部に取り付けることができる。また、この剛性のある部分は、ミラー裏面の周囲を覆うばかりでなく、電源部又は調整可能なミラー支持部と係合する搬送台に取り付けることもできる。いずれの場合も、ミラー裏面の剛性のある部分は、機械式にミラー裏面及びベゼルのエラストマー部分を所定の位置に保持する。また、ベゼル又はミラー裏面を所定の位置に保持するために、そのエラストマー部分をミラー裏面のより剛性のある部分に結合するための接着剤を使用することができる。少なくとも一実施形態では、関連の電気光学装置を保持するために協働するキャリアプレート及びベゼルが設けられる。このような実施形態では、キャリアプレート及びベゼルは、実質的に類似の材料で同時成形することができる。いずれの場合も、ベゼルは、後部電極の周縁部に平行に延びるように構成することができるが、前部要素の前部表面のいずれの部分に沿っても延びない。キャリアプレート及びベゼルは、その間に挿入された接着剤又は更に別の機械式留め具がなくても複数の装置を保持するように構成することができる。
【0065】
図20に示す力と変位のプロットは、異なる材料で作られた様々な一般的なベゼルから切取られた短い部分に対するものである。短い部分は、「Chatillon」(ノースカロライナ州グリーンズボラ所在)製の装置内に固定されて引っ張られた。力と変位のプロットを見ると、一般的に従来技術のベゼル(Geloy、ASA/PC)を作るのに使用する剛性のある材料に関しては、エラストマー又はゴム製ベゼル(「950 U」、「DP7 1050」、RPT)と比較すると、力は、小さな変位の変化で急激に大きくなることが分る。このために、室温でガラスミラーにちょうど収まるこれらのエラストマー材料で作られたベゼルでは、ベゼルが低温でガラス回りに収縮した時に、高い値の周方向応力は発生しない。これとは対照的に、室温でちょうど収まるASA/PCのような剛性のある材料で作られたベゼルでは、ベゼルが低温でガラス回りに収縮した時に、高い値の周方向応力が発生する。エラストマー性ベゼル144aは、少なくとも前部要素112の周囲回りに配置されることが好ましい。その弾力性のために、エラストマー性ベゼルは、エラストマー性ベゼルがミラー要素回りにちょうど収まるように少なくとも前部要素の周囲よりも小さい周囲を有する。
【0066】
剛性のあるエラストマー性ベゼル材料の物理特性の一部を表1で以下に示す。いくつかの従来技術の剛性プラスチック材料の引張係数は、低値の72,000psiから高値のちょうど350,000psiを超えるまでの範囲に及ぶ。これとは対照的に、好ましいエラストマー性ベゼルの材料は、約100psiから3,000psiの引張係数を有する。従って、本発明のエラストマー性ベゼル材料は、約72,000psi未満の引張係数を有し、約3,000psi未満の引張係数を有する場合がある。ベゼル材料の引張係数が低いほど、プラスチックベゼルによって取り囲まれたガラスミラーの熱係数不一致システムにおいて、周方向応力が低くなることになる。
【0067】
(表1)
【0068】
図21Aは、第1の実施形態のエレクトロクロミック装置のようなエレクトロクロミック装置との電気的結合をもたらすための1つの技術を示すものである。図示のように、第1の導電クリップ180は、電極120の第2の部分120bと電気的に接触するように要素114にクリップ留めされている。装置全体の回りにクリップ留めされ、従って、前部要素112の前部表面112a及び後部要素114の後部表面114bに接触する第2の導電クリップが設けられている。電極120の第1の部分120aを通じて及び導電材料152を通じて、電極128との電気的接触が為されている。クリップ180及び182のいずれか又は両方は、第1及び/又は第2の基板の周囲に平行に延びる部分と、後部基板の後部表面に平行に延びる第2の部分とでL字形を形成するように構成することができることを理解すべきである。L字形クリップは、第1の導電層又は第2の導電層に接触するように形成することができる。L字形クリップは、前部又は後部要素のいずれかの周縁部に沿って所定の導電層の一部分を延ばすことにより第1又は第2の導電層と接触するように構成することができ、又は、関連の導電層からの接触を容易にするために、導電エポキシを使用することができる。この構成の変形が図21Bに示されており、182は、後部要素114のみにクリップ留めされるようにクリップ180と同一の構成で作られている。ここでもまた、クリップ182と電極128の間の電気的結合は、導電シール152及びその中に配置することができる任意のワイヤ150を通じたものである。図21Cに示すように、各電極120又は128との電気接続が得られるように1つ又は複数のこのようなクリップを設置することができる。クリップ180及び182は、直接に半田付けにより又は他の方法により回路基板に接続することができ、又は、その間に延びるワイヤをクリップ180及び182に半田付けすることができる。図21D及び図21Eは、上述のクリップ180及び180の2つの更に別の変形を示すものである。図21Dにおいては、クリップ180a及び182aは、後部要素114の後部表面114bの回りに延びないように修正されている。図21Eにおいては、クリップ180b及び182bは、前部要素112の前部表面112aを覆うように、かつその回りに延びると同時に後部要素114の後部表面14bの回りにも延びるように修正されている。当業者には明らかとなるように、本発明の範囲から逸脱することなく開示したクリップデザインに対して様々な修正を行うことができる。
【0069】
図22は、図14に示して上述した実施形態の変形である。図22に示す構造は、導電ホイル又はウェブ166の層の1つが外方に要素112及び114の縁部を超えて延び、プリント回路基板又はヒータ回路との接続が得られるように要素114の回りに巻かれている点において異なっている。更に、後部要素114の後部表面114bは、ホイル166に電力を供給するために導電電極でパターン化することができる。絶縁体164の反対側のホイル166は、同様に電極128及び120の他方との接続が得られるように外方に延びることができる。ホイル166は、裁ちばさみを使用して切断し、1つ又はそれ以上のコネクタクリップを形成するために実質的に曲げることができる。ホイル166は、タブがシール内に延びる電気的バスとして構成することができる。
【0070】
図23は、導電コーティング190が後部要素114の周縁部上に配置された更に別の実施形態を示すものである。このようなコーティングは、金属で作りかつ半田で付加することができる。代替的に、材料を要素114の縁部上に巻くことができる。このような構造は、電極120及び128の一方又は両方との電気的結合をもたらすために、単に要素114の縁部への接触を可能にする。
【0071】
更に別の実施形態を図24に示す。この実施形態では、密封部材の大部分又は全ては、前部要素112及び後部要素114の間から前部要素及び後部要素の縁部に移動されている。従って、シールは、単に又は主として前部要素及び後部要素の周縁部上に設けられている。図24に示すように、シール200は、前部要素の周縁部及び後部表面の両方で前部要素と接触する。同様に、シール200は、後部要素の周縁部及び前部表面の両方で後部要素と接触する。シール200が前部要素112の周縁部と接触する第1の接触区域は、シール200が前部要素112の後部表面に接触する第2の接触区域よりも大きい。同様に、シール200が後部要素114の周縁部と接触する第3の接触区域は、シール200が後部要素114の前部表面と接触する第4の接触区域よりも大きい。その結果、シール200と前部要素112の間のインタフェースは、酸素がチャンバ126ために通らなければならない酸素及び/又は湿気浸透経路長を形成し、前部要素112の周縁部に沿って延びる経路長の部分は、前部要素112の後部表面に沿って延びる経路長の部分よりも長い。同様に、シール200と後部要素114の間のインタフェースは、酸素がチャンバ126に入るために通らなければならない別の酸素浸透経路長を形成し、後部要素114の周縁部に沿って延びるこの経路長の部分は、後部要素114の前部表面に沿って延びる経路長の部分よりも長い。2.0cm3・mm/m2・day・atm未満の酸素浸透率を有する第1の材料の薄い部材202のシール200を形成することにより及び/又は他のエレクトロクロミックセルと比較して酸素浸透経路長を長くすることにより、チャンバ126に浸透する酸素量を大幅に低減することができる。典型的な従来技術のシールは、2.0〜3.9cm3・mm/m2・day・atmの酸素浸透率及び0.7〜0.94gm・mm/m2・dayの水浸透率を有するエポキシ樹脂で作られ、主として前部及び後部要素間に位置決めされ、それによって酸素浸透経路長が短くなる。
【0072】
薄い部材202を形成する第1の材料は、金属、金属合金、プラスチック、ガラス、及びその組合せの群から選択された材料で作ることができる。第1の材料202は、第2の材料204で前部及び後部要素の周縁部に接着される。第2の材料は、第1の材料よりも高い酸素浸透率を有することができ、また、第1及び第2の導電層120及び128の少なくとも一方との電気的接触をもたらす導電接着剤又は導電エポキシとすることができる。
【0073】
本発明の好ましい実施形態では、密封部材200は、前部及び後部要素の縁部に接着された低いガス浸透率を有する薄い部材202を含む。エポキシ接着剤、PSA、又はホットメルトのような接着剤204は、金属ホイル又はプラスチックフィルムのような低いガス浸透率を有する薄い部材202にフィルム状に付加することができる。薄い部材202として使用することができる材料の例としては、ポリカーボネート(90.6〜124cm3・mm/m2・day・atmの酸素浸透率及び3.82〜4.33gm・mm/m2・dayの水浸透率)、塩化ビニリデン(0.0152〜0.2533cm3・mm/m2・day・atmの酸素浸透率及び0.01〜0.08gm・mm/m2・dayの水浸透率)、及びプラスチック及び/又は金属の多層フィルムなどがある。このようなフィルムは、前部及び後部のガラス要素の縁部に接着剤又はガラスフリットで結合されるSiO2、Al2O3、Ta2O5、Al、クロムなどのような無機層又はコーティングを含むことができる。適切な多層フィルムの例は、0.2〜0.79cm3・mm/m2・day・atmの酸素浸透率及び0.06〜0.16gm・mm/m2・dayの水浸透率を有する「SARANEX」銘柄のPE/PVC−PVDCフィルムである。
【0074】
その後、このホイル又はフィルム202は、適切に間隔の空いた関係で保持された前部及び後部の基板の回りに巻かれる。接着剤204は、エレクトロクロミック装置の周囲の回りに気密及び液密シールを形成するために、ホイル又はフィルム202を主として又は単独に基板縁部に結合する。充填ポート206(図25)は、ホイル又はフィルム縁部密封部材の間隙を残すか又はそれを貫通する穴を開けることによって追加することができる。充填孔は、金属ホイルが縁部密封部材に使用される場合は半田で密封することができる。代替的に、充填孔には、紫外線又は可視光線硬化接着剤又はホットメルトを詰めることができ、又はホイル又はフィルムのような更に別の薄い密封部材を充填孔を覆うように接着することができる。光透過性フィルムが使用される場合、紫外線又は可視光線硬化接着剤を使用してフィルムを接着することができる。不透明金属ホイルが使用される場合、ホットメルト、PSA、又は他の自己硬化接着剤を使用することができる。このようにして、主として基板間にあるシールに必要とされる区域が排除されるので、その区域を覆うように設計されたベゼルを狭くするか又は排除することができる。密封部材208は、有効な密封をもたらすために基板112及び114の間に延びる必要がない、つまり、密封手段全体が基板周縁部の全て又は一部上にあるとすることができることを理解すべきである。ミラーの有効反射区域を大きくするために基板間のシール幅を小さくすることが望ましい実施形態では、主として又は単独に、少なくとも一方の基板周縁部上にあるようにシールが構成されることが好ましい。
【0075】
基板の側面に接着された低ガス浸透率部材が導電区域を有する場合、この部材は、エレクトロクロミック装置の導電電極と接触するための電気的バスとしての役目を果たす。電極の電気的隔離は、縁部密封部材の電気的連続性に対して間隙を作ることによって維持することができる。例えば、金属ホイルが使用された場合、上部及び底部電極バスを絶縁するために、充填孔として使用されるもののような小さなスリット又は間隙206(図25)をホイルに作り、別の孔を充填孔の反対側に作ることができるであろう。導電縁部密封部材と電極の間の電気的連続性は、任意の数の方法で確立することができる。導電電極コーティング120及び/又は128は、基板の側面の回りに巻くことができ(図26及び27)、又は縁部バスとの電気接続が望ましい区域に導電コーティング又は接着剤208(図29Aから図32)を付加することができる。導電密封部材202は、電極コーティング又は縁部コーティング120及び128と接触するために、窪み又は折り目210(図26)を有するか又は密封部材の接着結合を通じて基板の側面と接触するように内方に突出した延長部214(図28を)を含むことができる。導電縁部密封部材と電極コーティング又は縁部コーティングとの間で電気的接触を行うために、接着剤内の導電粒子又は導電性接着剤208を使用することができるであろう。その後、導電縁部シール202とエレクトロクロミック装置駆動電子機器との間で接触を行うために、ワイヤ(図27の212)、金属クリップ(図33の216)、又は他の導体を使用することができる。このようにして作られたエレクトロクロミック装置であれば、シール及び接触区域を覆うためのベゼルはほとんど必要ではない。図29Aから図33のより詳細な内容を以下に説明する。
【0076】
図29A及び図29Bに示すように、薄い密封部材202は、導電材料208及び非導電材料204の両方を使用して要素112及び114の周縁部に固定することができる。図29Aに示すように、導電材料208は、導電層128から密封部材202の第1の部分202a(図25を参照)までの電気接続を行う。図29Bに示すように、導電材料208は、導電層120から密封部材202の第2の部分202bまでの電気接続を行う。上述のように、薄い密封部材及び導電材料208の充填孔、間隙、又はスリットは、薄い密封部材202の部分202a及び202bを絶縁するために使用することができる。
【0077】
図30に示す実施形態では、導電層128及び120は、導電材料208が導電層128から密封部材202の第1の部分202a(図25を参照)までの電気接続を行い、導電材料208もまた導電層120から導電材料202の第2の部分202bまでの電気接続を行うように、図8Cに示すように構成及び配向される。上述のように、薄い密封部材及び導電材料208の充填ポート、間隙、又はスリットは、薄い密封部材202の部分202a及び202bを絶縁するために使用することができる。
【0078】
図31は、導電層120及び128の領域128a及び120aが排除される点を除き、図30と類似の実施形態を示すものである。
【0079】
図32は、層120及び128の間に配置された接着剤の中心部分のみが導電性であり、一方、要素112及び114の周縁部に密封部材202を接着するために非導電接着剤が使用されている実施形態を示すものである。これは、導電材料208が薄い部材202に関して接着剤ほど有効である必要がないという利点を提供する。
【0080】
図33は、クリップ216(図21B及び図21Cのクリップ182と類似)が、金属ホイルなどとすることができる薄い密封部材202と組み合わせて使用される実施形態を示すものである。図示のように、薄いホイル202をクリップ216に半田付けするための半田突起部を設置することができる。
【0081】
エレクトロクロミック媒体の電極をヒータ回路又は可撓性回路基板に接続する方法は、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれている、2003年12月2日出願で本出願人に譲渡された米国特許第6,657,767号に開示されている。具体的にいえば、ヒータ回路が設けられた可撓性回路基板の一部は、エレクトロクロミック装置の縁部上の導電材料と接触するために、要素114の縁部を超えて延び、上方に巻くことができる。
【0082】
電気接続をもたらすための別の任意選択肢は、ベゼル144の内面上に導電層又は他の材料を設置することであり、ベゼルによって及ぼされる圧力が、コネクタと電極層自体又はシールの導電部分152のいずれかとの間に接触力を生じると考えられる。
【0083】
上述の実施形態から明らかなように、シールの一部分は、電気的バスとして機能するように構成することができる。シールは、幅の一部、高さの一部、又は長さの一部に沿って導電性とすることができる。シールは、上述のように、導電性インキ又はエポキシで形成することができ、金属薄片、ファイバ、粒子、又は他の導電材料で充填することができる。
【0084】
シールの大部分が基板の間か又は基板の縁部上にあるオフセットがゼロのミラーは、一般的なオフセットのあるエレクトロクロミックミラーと比較すると、非常に滑らかな外形形状であり、実質的なベゼルは全く不要とすることができることに注意すべきである。例えば、黒色又は着色シールが基板の間にある状態で、ミラーの縁部に亘って黒色又は着色塗装を付加するだけで美的に好ましいミラーを作ることができる。こうして、ベゼルは、ミラーの周囲上の塗装又は他の材料の単にベゼルのように見える薄い層状のコーティングから成るであろう。同様に、この薄いコーティングは、縁部を覆うように巻いて基板シール間の領域の一部又は全てを覆うように付加することができる。この工程はまた、シールの大部分がガラスの縁部上にあるミラーにも適用されるであろう。外見的に美的で好ましくかつ均一な縁部を表すために、ミラーの縁部に塗装又は他の材料の薄いコーティングを付加することができると考えられる。更に、より広くより均一なシールを設置することにより、シールを覆い隠す必要性を排除することができる。
【0085】
当業者に明らかなように、以上の実施形態の各々は、前部及び後部要素112及び114間の垂直方向の位置オフセットを小さくするか又は排除することにより、ベゼル(設けられている場合)の幅のいかなる対応する部分も小さくすることができるという利点を提供する。本発明の他の態様は、それ以外にもシールの姿を目立たなくするか又は独特なベゼルをもたらすために使用することができる。しかし、様々な態様は、他の態様のいずれの実施にも関わらず別々に使用することができ、又は様々な組合せで使用することができることが認められるであろう。
【0086】
本発明は、ミラー及び建築用窓のようなエレクトロクロミック装置に関連して使用されるものとして一般的に説明したが、当業者は、本発明の様々な態様は、他の電気光学装置の製造に使用することができることを理解するであろう。
【0087】
本発明は、そのいくつかの好ましい実施形態に従って本明細書で詳細に説明したが、当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、そこに多くの修正及び変更を達成することができる。従って、本発明は、特許請求の範囲によってのみ限定され、本明細書で示した実施形態を説明する詳細及び手段によって限定されないことは本発明人の意図するところである。
【符号の説明】
【0088】
111 外部ミラーアセンブリ
112 前部要素
112a 前部表面
112b 後部表面
114 後部要素
114a 前部表面
114b 後部表面
116 シール
120 電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に電気光学装置に関するものであり、より具体的には、建築用窓又は車両用バックミラーで使用されるエレクトロクロミック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロクロミック要素は、光シャッタ、可変減衰光フィルタ、建築及び車両用窓を含む様々な用途で使用されている。エレクトロクロミック要素の最も一般的な用途は、車両で使用されるバックミラーアセンブリにおけるものである。このようなエレクトロクロミックバックミラーは、運転者の目に反射される像における前照灯のグレアを低減するために、後方及び前方目標光センサに応答してミラーの反射率を変えるように制御される。
【0003】
図1Aは、一般的な外部バックミラーサブアセンブリで使用されるバックミラーサブアセンブリ5の一部分の分解組立図である。サブアセンブリ5は、エレクトロクロミックミラー要素10、ベゼル50、及びキャリアプレート70を含む(図1B)。サブアセンブリは、更に、ガスケット60及び62を含むことができ、ガスケットは、エレクトロクロミックミラー要素10の両側に置かれ、これらは、ミラー要素10の周囲回りの二次的シールを形成するために設けられる。図1Bで最も良く分るように、エレクトロクロミック要素10は、一般的にガラスで形成されて前部表面12bと後部表面12bを有する前部透明要素12を含む。エレクトロクロミック要素10は、更に、要素12から僅かに間隔が空いている後部要素14を含む。シール16が、要素12及び14間でその周囲回りに形成され、エレクトロクロミック媒体が設けられる密封チャンバをその間に形成する。要素12及び14は、エレクトロクロミック媒体全体に亘って電位を印加することができるように、チャンバに面する表面上に導電層を有することが好ましい。これらの電極は、互いに電気的に分離され、第1及び第2のバスコネクタ34a及び34bによって電源に別々に結合されるであろう。バスコネクタ34a及び34bの接続を容易にするために、要素12及び14は、一般的に、1つのバスコネクタが要素の1つの下縁部に沿って固定され、別のバスコネクタが他の要素の上縁部に固定されるように垂直方向にオフセットしている。バスコネクタ34a及び34bは、一般的に、それらが要素12及び14の内方に向く表面上の電極層に物理的及び電気的に結合されたままであることを保証するために、本出願人に譲渡された米国特許第6,064,509号に開示されているものと類似のバネクリップである。エレクトロクロミック要素10が製造されてバネクリップ34a及び34bが取り付けられた状態で、次に、ミラーサブアセンブリ5を組み立てることができる。図1A及び図1Bに示すように、ベゼル50は、前部要素12の前部表面12aの一部を覆うように延びる前部リップ部51を含む。一般的に、前部リップ部51は、人の目に映るシール16を目立たなくするために前部表面12aの十分な部分を覆うように延び、紫外線による劣化の可能性からシール16を保護する。図1Bから明らかであるように、ベゼル50の前部リップ部51の幅D1は、要素12及び14のオフセットの距離D2を含むいくつかの要素に依存する。また、バスコネクタクリップ34a及び34bが要素12及び14周縁部を超えてどのくらい延びるかにより、ベゼル50の拡幅が必要であろう。一般的な従来技術のベゼルは、5mm又はそれ以上の幅D1を有する前部リップ部を有する。
【0004】
エレクトロクロミックミラー要素10をベゼル50に挿入する前に、前部要素12の前部表面12aとベゼル50の前部リップ部51の内面との間で圧縮されるように、前部リップ部51の背後に任意的な前部ガスケット60を設置することができる。その後、ミラー要素10をベゼル50内に置き、任意的な後部ガスケット62を要素14の裏面の周囲に沿って設置することができ、又はベゼル/ミラーインタフェース区域をウレタン、シリコーン、又はエポキシのような密封材料で充填するか又は注封することができる。一般的に工学グレードの剛性プラスチック又はベゼル用に使用されるのと類似の材料で形成されたキャリアプレート70は、次に、要素14の後部表面に対して、ガスケット62をその間に圧縮した状態で強く押される。ミラー要素10をベゼル内に固定するためにキャリアプレート70が所定の位置にスナップ式に固定されるように、複数のタブ52をベゼルの内側に形成することができる。キャリアプレート70は、一般的に、ミラーサブアセンブリを外部ミラーハウジング内に取り付けるために使用される。より具体的には、任意的なモータ(図示せず)をミラーハウジング内に取り付けて、ハウジング内のミラーサブアセンブリ位置の遠隔操作による調整を可能にするために、キャリアプレート70に機械的に結合することもできる。
【0005】
上述の構造体は容易に製造可能であるが、エレクトロクロミックミラーサブアセンブリのベゼルの前部リップ部の幅に関して、スタイリングの問題が生じている。具体的には、バスクリップ、すなわち要素12及び14の位置的オフセットに適合させる必要性のため及びシールの姿が目立たなくするために、ベゼルの前部リップ部の幅は、一般的に非防眩式(非エレクトロクロミック)ミラーに使用されるいずれのベゼルの幅よりも広い。実際に、ベゼルは、非防眩式ミラーには使用されないことが多い。一部の車両においては、運転者側の外部ミラーのみがエレクトロクロミックであり、一方、助手席側ミラーは非防眩式である。従って、ベゼル前部幅が低減されるか又は前部ベゼルを全く含まない改良型エレクトロクロミック外部ミラーサブアセンブリに対する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,064,509号
【特許文献2】カナダ特許第1,300,945号
【特許文献3】米国特許第5,204,778号
【特許文献4】米国特許第5,434,407号
【特許文献5】米国特許第5,451,822号
【特許文献6】米国特許第6,402,328号
【特許文献7】米国特許第6,386,713号
【特許文献8】米国特許第4,297,401号
【特許文献9】米国特許第4,418,102号
【特許文献10】米国特許第4,695,490号
【特許文献11】米国特許第5,596,023号
【特許文献12】米国特許第5,596,024号
【特許文献13】米国特許第5,790,298号
【特許文献14】米国特許第6,157,480号
【特許文献15】米国特許第5,202,787号
【特許文献16】米国特許出願第10/115,860号
【特許文献17】米国特許第5,940,201号
【特許文献18】米国特許第5,928,572号
【特許文献19】米国特許第5,448,397号
【特許文献20】米国特許第6,657,767号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】J.Stollenwerk、B.Ocker、及びK.H.Kretschmer著「FPD用途向け透明導電多層システム」、「LEYBOLD AG」、ドイツ
【非特許文献2】機械ハンドブック25
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つ又はそれ以上であるが全てではない実施形態によれば、前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、間隔の空いた関係で要素を互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシール、チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料、及び第1の導電層の一部分を第2の導電層の一部分と電気的に結合するために設けられた導電体を含むエレクトロクロミック装置が提供され、この導電体は、上述の前部及び後部要素の少なくとも一方の外周縁部上に設けられる。
【0009】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、間隔の空いた関係で要素を互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシール、チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料、及び少なくとも前部要素の周囲回りに配置され、前部要素の前部表面の一部を覆うように延びて約4mm又はそれ以下の幅を有する前部リップ部を備えたベゼルを含む車両用エレクトロクロミック可変反射率ミラーが提供される。
【0010】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、間隔の空いた関係で要素を互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシール、チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料、及び要素の少なくとも1つの周囲回りに配置されたエラストマー性ベゼルを含む車両用エレクトロクロミック可変反射率ミラーが提供される。
【0011】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、間隔の空いた関係で要素を互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシール、及びチャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料を含むエレクトロクロミック装置が提供され、導電コーティングが、周縁部の少なくとも1つの少なくとも一部分に付加される。
【0012】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、間隔の空いた関係で要素を互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシール、チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料、及び、第1及び第2の導電層の間に導電層の少なくとも一方と電気的に接触して配置された導電ワイヤ又はストリップを含むエレクトロクロミック装置が提供される。
【0013】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、及び間隔の空いた関係で要素を互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシールを含むエレクトロクロミック装置が提供され、シールは、少なくとも2つの導電領域を有し、エレクトロクロミック材料は、チャンバ内に配置される。
【0014】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、及び間隔の空いた関係で要素を互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシールを含むエレクトロクロミック装置が提供され、シールは、シールの全高よりも少なく延びた少なくとも1つの導電領域を有し、エレクトロクロミック材料は、チャンバ内に配置される。
【0015】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素、周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素、前部及び後部要素の両方に設けられて密封チャンバを前部及び後部要素間に形成するためのシール、及びチャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料を含むエレクトロクロミック装置が提供され、シールは、主として前部及び後部要素の周縁部上に設けられる。シールは、主として要素の周縁部に付加されたエポキシ樹脂のような接着剤の成形ビードとすることができ、又は、金属、薄型ガラス、プラスチック、多層プラスチック、多層金属、及びSiO2、Al2O3、Ta2O5、Al、クロムのような無機物層又はコーティングを有するプラスチックのような、ガラス要素の周縁部に接着剤又はガラスフリットで結合することができる好ましくは低ガス浸透率を有するフィルム又はホイルとすることができると考えられる。
【0016】
本発明の上記及び他の特徴、利点、及び目的は、以下の明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を参照すると、当業者により更に理解されて正しく評価されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】従来の外部エレクトロクロミックミラーサブアセンブリの一部分の分解斜視図である。
【図1B】図1Aに示す従来の外部エレクトロクロミックミラーアセンブリの拡大断面図である。
【図2】外側ミラーが本発明の外部ミラーアセンブリを組み込んだ自動車用内側/外側エレクトロクロミックバックミラーシステムを概略的に示す正面図である。
【図3】図2の線III−IIIで切り取られた時の本発明の第1の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図4】図3に示すエレクトロクロミックミラー要素で使用することができるような電極が形成された後部基板の上面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図7A】図6に示すエレクトロクロミックミラー要素で使用することができるような電極が形成された後部基板の上面図である。
【図7B】図6に示すエレクトロクロミックミラー要素で使用することができるような更にシールが形成された図7Aに示す後部基板の上面図である。
【図8A】図6に示すエレクトロクロミックミラー要素で使用することができるような電極が形成された後部基板の上面図である。
【図8B】図6に示すエレクトロクロミックミラー要素で使用することができるような更にシールが形成された図8Aに示す後部基板の上面図である。
【図8C】本発明のエレクトロクロミックミラー要素で使用することができるような電極が形成された前部及び後部基板を示す分解組立図である。
【図8D】更にシールが形成された図8Aに示す後部基板の上面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図11】本発明の第5の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図12】本発明の第6の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図13】本発明の第7の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図14】本発明の第8の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図15】本発明の第9の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図16】本発明の第10の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図17A】本発明の第11の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図17B】本発明の第12の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図18】本発明の第13の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図19】本発明の第14の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図20】本発明の第14の実施形態によるベゼルを作るために使用することができる様々な材料のベゼル力と撓みのプロットを示す図である。
【図21A】本発明の第15の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図21B】本発明の第16の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図21C】図21Bに示すエレクトロクロミックミラー要素で使用することができるような電極が形成された後部基板の上面図である。
【図21D】本発明の第17の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図21E】本発明の第18の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図22】本発明の第19の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図23】本発明の第20の実施形態の態様を組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図24】本発明の第21の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図25】本発明の様々な実施形態で利用されるような縁部シールの設置を示すエレクトロクロミックミラー要素の上面図である。
【図26】本発明の第22の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図27】本発明の第23の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図28】本発明の第24の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図29A】本発明の第25の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の第1の拡大断面図である。
【図29B】本発明の第25の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の第2の拡大断面図である。
【図30】本発明の第26の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図31】本発明の第27の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図32】本発明の第28の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【図33】本発明の第29の実施形態による縁部シールを組み込むエレクトロクロミックミラー要素の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、添付図面に例を示す本発明の好ましい実施形態を詳細に参照する。同一又は類似の部品を示すために、できるだけ図面を通じて同一参照番号を使用することとする。図において、描かれた構造的要素は、縮尺通りではなく、特定の構成要素は、強調及び理解を目的として他の構成要素に対して拡大されている。
【0019】
上述のように、エレクトロクロミックミラーサブアセンブリは、好ましくは4mm又はそれ以下、最も好ましくは約3.6mmというベゼル前部リップ部幅の低減という利点があり、一方、それでもシールを十分に目立たなくするためにシール幅の全体に亘って延び、好ましくはシールの最も内側の縁部を約0.5mm超えて延びる。本発明のいくつかの態様によれば、ベゼルは、第1の透明要素によってシールの姿を目立たなくする他の本発明の技術のために、使用されない場合さえある。本発明の他の態様によれば、ベゼルを作るために以前に使用されなかった材料で作られた本発明のベゼルが設けられる。
【0020】
以下で説明する実施形態の大半に共通する本発明の技術の1つは、エレクトロクロミック要素の透明要素の位置オフセットを低減又は排除してベゼル幅を相応に低減することができることである。従って、エレクトロクロミック装置の電極への電気的結合の異なる新しい手段を通じてこの点を達成する様々な実施形態を以下で説明する。実施形態の各々に共通する可能性がある構造的要素の全体的概要に続いて、様々な実施形態を以下に詳細に説明する。
【0021】
図2は、内部ミラーアセンブリ110及び運転者側及び助手席側に対する2つの外部バックミラーアセンブリ111a及び111bをそれぞれ概略的に示す正面図であり、その全てが、ミラーが車両の後部に向いて後方の視界が得られるように車両の運転者が見ることができる場所に従来の方法で自動車に設けられるようになっている。内部ミラーアセンブリ110及び外部バックミラーアセンブリ111a及び111bは、先に言及したカナダ特許第1,300,945号、米国特許第5,204,778号、米国特許第5,451,822号、米国特許第6,402,328号、又は米国特許第6,386,713号で図示及び説明されている形式の光感知電子回路及びグレア及び周辺光を感知して駆動電圧をエレクトロクロミック要素に供給することができる他の回路を組み込むことができる。
【0022】
ミラーアセンブリ110、111a、及び111bは、同じ番号が内側及び外側ミラーの構成要素を特定するという点で本質的には同一である。これらの構成要素は、構成が若干異なるが、実質的には同じ方法で機能し、同じ番号を有する構成要素と実質的に同じ結果を得ることができる。例えば、内部ミラー110の前部ガラス要素の形状は、一般的に、外側ミラー111a及び111bよりも長くて狭い。また、外側ミラー111a及び111bと比較すると、内側ミラー110には、いくつかの異なる性能基準が設けられている。例えば、内側ミラー110は、一般的に、完全に障害物がない時、約70%から約85%又はそれ以上の反射率を有するべきであり、一方、外側ミラーは、約50%から約65%の反射率を有することが多い。また、米国では(自動車製造業者によって供給される時)、助手席側ミラー111bは、一般的に、球面上に湾曲したつまり凸面形状を有し、一方、運転者側ミラー111a及び内側ミラー110は、現在は平坦なものでなければならない。ヨーロッパでは、運転者側ミラー111aは、一般的に平坦又は非球面形であり、一方、助手席側ミラー111bは凸面形状である。日本では、両方の外側ミラーは、凸面形状を有する。本発明は、一般的に外部ミラーに焦点を当てるものであるが、以下の説明は、一般的に内部ミラーアセンブリを含む本発明の全てのミラーアセンブリに適用可能である。更に、本発明の特定の態様は、建築用窓のような他の用途で使用されるエレクトロクロミック要素又は他の形態の電気光学装置においてさえも実施することができる。
【0023】
図3は、前部表面112a及び後部表面112bを有する前部透明要素112と、前部表面114a及び後部表面114bを有する後部要素114とを含む、本発明の第1の実施形態に従って作られた外部ミラーアセンブリ111の断面図を示す。このような構造体の説明の明瞭さを図るために、これより以降では以下の名称を使用することとする。前部ガラス要素の前部表面112aは、第1表面と呼び、前部ガラス要素の後部表面112bを第2表面ということとする。後部ガラス要素の前部表面114aは、第3表面と呼び、後部ガラス要素の後部表面114bを第4表面ということとする。チャンバ125は、透明導体128の層(第2表面112bに担持)と、電極(第3表面114a上に配置)と、密封部材116の内周壁132とによって構成される。エレクトロクロミック媒体126は、チャンバ125内に含まれている。
【0024】
本明細書で広義に使用して説明する時、電極又は層が要素の表面上に「担持された」という言及は、要素の表面上に直接配置されるか、又は要素の表面に直接配置された別のコーティング又は1つ又は複数の層上に配置されることをいう。
【0025】
前部透明要素112は、透明であって自動車環境において一般的に見られる様々な状態、例えば変動する温度及び圧力で作動するのに十分な強度を有する任意の材料とすることができる。前部要素112は、任意の形式のホウ珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、フロートガラス、又は、電磁スペクトルの可視領域において透明である例えばポリマー又はプラスチックのような任意の他の材料を含むことができる。前部要素112は、板ガラスであることが好ましい。後部要素は、全ての用途において透明である必要はなく、従って、ポリマー、金属、ガラス、セラミック、及び好ましくは板ガラスを含むことができるという点を除き、先に概説した運転状態を満足すべきである。
【0026】
第3表面114a上の電極120は、第2表面112b及び第3表面114aの両方の外周部近くに配置された密封部材116により、離間されかつ平行な関係で第2表面112b上の電極128に密封可能に結合される。密封部材116は、エレクトロクロミック材料126がチャンバ125から漏れないように外周部を密封するために、第2表面112b上のコーティングを第3表面114a上のコーティングに接着剤で結合することができる任意の材料とすることができる。以下で説明するように、透明導電性コーティング128の層及び/又は電極120の層は、密封部材が配置される部分に亘って除去することができる。このような場合、密封部材116は、ガラスと良好に結合すべきである。
【0027】
エレクトロクロミック装置で使用される周囲密封部材116の性能要件は、当業技術で公知である液晶装置(LCD)で使用される周囲シールの要件と類似のものである。シールは、ガラス、金属、及び金属酸化物に対する良好な接着性を有するべきであり、酸素、湿気、及び他の有害な蒸気及びガスについては低浸透率を有するべきであり、それが含有して保護することになっているエレクトロクロミック又は液晶材料と相互作用したり又は毒したりしてはならない。周囲シールは、シルクスクリーン又は分配法などによりLCD業界で一般的に使用される手段によって付加することができる。処理温度が低いために、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は紫外線硬化有機シール樹脂が好ましい。LCD用のこのような有機樹脂システムは、米国特許第4,297,401号、米国特許第4,418,102号、米国特許第4,695,490号、米国特許第5,596,023号、米国特許第5,596,024号で説明されている。エポキシベースの有機シール樹脂は、ガラスに対する接着性が優れ、酸素浸透率が低く、溶剤耐性が良好なために好ましい。これらのエポキシ樹脂シールは、米国特許第4,297,401号で説明されているような紫外線硬化性か、又は液体ポリアミド樹脂又はジシアンジアミドとの液体エポキシ樹脂の混合体のような熱硬化性とすることができ、又は、ホモポリマー化することができる。エポキシ樹脂は、ヒュームドシリカ、シリカ、雲母、粘土、炭酸カルシウム、アルミナ及び/又は色を加えるための顔料のような流れ及び収縮を小さくするための充填剤又は増粘剤を含むことができる。疎水性又はシラン表面処理で予処理された充填剤が好ましい。単官能性、二官能性、及び多官能性エポキシ樹脂及び硬化剤の混合体を使用して硬化樹脂の架橋密度を制御することができる。シールの加水分解安定性及び接着性を向上させるために,シラン、チタン酸塩、又は硫黄又は燐含有複合物のような添加剤を使用することができ、又は、最終的なシール厚み及び基板間隔を制御するためにガラス又はプラスチック製ビード又はロッドのようなスペーサを使用することができる。周囲密封部材116での使用に適切なエポキシ樹脂には、以下に限定はしないが、「Shell Chemical Co.」(テキサス州ヒューストンに所在)から販売されている「EPON RESIN」813、825、826、828、830、834、862、1101F、1002F、2012、DPS−155、164、1031、1074、58005、58006、58034、58901、871、872、及びDPL−862、「Ciba Greigy」(ニューヨーク州ホーソンに所在)から販売されている「ARALITE」GY6010、GY6020、CY9579、GT7071、XU248、EPN1139、EPN1138、PY307、ECN1235、ECN1273、ECN1280、MT0163、MY720、MY0500、MY0510、及びPT810、及び「Dow Chemical Co.」(ミシガン州ミッドランドに所在)から販売されている「D.E.R.」331、317、361、383、661、662、667、732、736、「D.E.N.」354、354LV、431、438、439、及び444が含まれる。適切なエポキシ硬化剤には、「Shell Chemical Co.」から販売されているV−15、V−25、及びV−40ポリアミド、味の素株式会社(日本東京に所在)から販売されている「AJICURE」PN−23、PN−34、及びVDH、「シコク・ファイン・ケミカルズ」(日本東京に所在)から販売されている「CUREZOL」AMZ、2MZ、2E4MZ、C11ZC17Z、2PZ、2IZ、及び2P4MZ、「CVC Specialty Chemicals」(ニュージャージー州メープルシェードに所在)から販売されている「ERISYS」DDA又はU−405、24EMI、U−410、及びU−415で促進されたDDA、及び「Air Products」(ペンシルバニア州アレンタウンに所在)から販売されている「AMICURE」PACM、2049、352、CG、CG−325、及びCG−1200が含まれる。適切な充填材には、「Cabot Corporation」(イリノイ州タスコラ所在)から販売されている「C AB−O−SIL」L−90、LM−130、LM−5、PTG、M−5、MS−7、MS−55、TS−720、HS−5、及びEH−5、及び「Degussa」(オハイオ州アクロンに所在)から販売されている「AEROSIL」R972、R974、R805、R812、R812S、R202、US204、及びUS206のようなヒュームドシリカが含まれる。適切な粘土充填剤には、「Engelhard Corporation」(ニュージャージー州エジソンに所在)から販売されているBUCA、CATALPO、「ASP NC」、SATINTONE5、「SATINTONE SP−33」、TRANSLINK37、TRANSLINK77、TRANSLINK445、及びTRANSLINK555が含まれる。適切なシリカ充填剤は、「SCM Chemicals」(メリーランド州ボルチモアに所在)から販売されている「SILCRON」G−130、G−300、G−100−T、及びG−100である。シール加水分解安定性を向上させるために適切なシラン結合剤は、「Dow Corning Corporation」(ミシガン州ミッドランドに所在)から販売されているZ−6020、Z−6030、Z−6032、Z−6040、Z−6075、及びZ−6076である。適切な精密ガラスマイクロビードスペーサは、「Duke Scientific」(カリフォルニア州パロアルトに所在)から様々なサイズの組合せで販売されている。シールは、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれている米国特許第5,790,298号及び米国特許第6,157,480号の教示内容に従って作ることができる。
【0028】
2つのガラス製ピース間の精密な間隔を維持するための別の適切な方法は、プラスチックファイバを密封部材に添加することによるものである。これらのファイバは、約2.5から3:1(長さ:直径)の縦横比による単一フィラメントから切断された場合、2つの基板がシール硬化工程中に摺るのを防止するのに特に有効である。ガラス球は、シール硬化中に基板間の移動を可能にすることができる玉軸受として作用する。高温ポリエステル(PEN)又はポリエーテルイミド(Ultem)製のプラスチックファイバは、約1%(重量比)負荷でシール材料に添加された時、不規則に配向され、かつ一部は転動するように位置決めされないために基板の移動を防止するのに有効である。これらのプラスチックスペーサには、硬化有機シール材の熱膨張により密接に適合し、結果的に熱サイクル中に発生するシール応力が少なくなるという別の利点がある。
【0029】
透明導電材料128の層は、電極として作用するように第2表面112b上に堆積される。透明導電材料128は、前部要素112と良好に結合し、エレクトロクロミック装置内の任意の材料に対しても耐食性があり、雰囲気又は道路塩分による腐食に対する耐性があり、最小の拡散又は正反射率、高い光透過率、中立に近い着色、及び良好な導電性を有する任意の材料とすることができる。透明導電材料128は、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛(Zn3In2O6)、インジウム酸化錫(ITO)、「Libbey Owens−Ford Co.」(オハイオ州トリードに所在)から販売されているTEC20又はTEC15のような先に言及した米国特許第5,202,787号で説明されている材料で、ドイツAlzenau所在の「LEYBOLD AG」のJ.Stollenwerk、B.Ocker、及びK.H.Kretschmer著「FPD用途向け透明導電多層システム」に開示されているようなITO/金属/ITO(IMI)、他の透明導体金属酸化物、又は他の透明導体とすることができる。一般的に、透明導電材料128の導電性は、厚み及び組成に依存する。IMIは、一般的に他の材料と比較すると優れた導電率を有する。しかし、IMIは、環境による劣化が急激であり、層間剥離が生じることが公知である。IMI構造体内の様々な層の厚みは、変えることができるが、一般的に第1のITO層の厚みは、約10Åから約200Åの範囲であり、金属は、約10Åから200Åの範囲であり、ITOの第2の層は、約10Åから約200Åの範囲である。必要に応じて、電磁スペクトルの一切の不要な部分の反射を抑えるために、色抑止材料(図示せず)の1つ又は複数の任意的な層を透明導電材料128と第2表面122bの間に堆積させることができる。
【0030】
組み合わされた反射体/電極120は、第3表面114a上に配置されることが好ましい。反射体/電極120は、ミラー反射層の役目をし、エレクトロクロミック媒体と接触し、その中の全ての成分と化学的かつ電気化学的に安定した関係にある一体化電極を形成する反射材の少なくとも1つの層を含む。反射体/電極は、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれている、2002年4月3日出願で本出願人に譲渡された米国特許出願第10/115,860号で開示するように大部分反射性とすることができ、又は、部分的に透過性/部分的に反射性(又は「透過反射性」)とすることができる。代案として、エレクトロクロミック装置は、電極として作用する透明導電材料を第3表面上に組込み、第4表面上に反射体を組み込むことができるであろう。しかし、「反射体」と「電極」を結合させて両方を第3表面に配置することが好ましい。これは、そうすることによって装置の製造の複雑さが低減され、装置がより高い性能を発揮して作動することができるからである。第3表面上の組み合わされた反射体/電極120は、一般的に、第3表面上で使用されるような従来の透明要素よりも高い伝導性を有する。同時に、エレクトロクロミック装置を製造するための実質的に全体的な経費及び時間を低減しながら、第4表面反射装置で得られる着色速度を維持し、同時により低い導電性を有する電極に、第2表面上の透明導電電極の組成を変えることができる(経費軽減かつ製造しやさが向上)。しかし、特定の設計性能が非常に重要である場合は、例えばITOやIMIのような導電性が中から高の電極を第2表面で使用することができる。第3表面上の導電性が高い(すなわち、250Ω/Y未満、好ましくは15Ω/Y未満)反射体/電極と、第2表面上の導電性の高い透明電極とを組み合わせると、より均一な全体的な着色を伴うエレクトロクロミック装置が製造されるばかりでなく、着色及び取り外し速度の向上も可能にするものとなる。更に、第4表面の反射ミラーアセンブリにおいては、伝導性が相対的に低い2つの透明電極があり、これまで使用されている第3表面の反射ミラーにおいては、透明電極及び相対的に低い導電性を有する反射体/電極があり、例えば、電流を出し入れするために前部及び後部要素上の長いバスバーが適切な着色速度を保証するために必要である。本発明の第3表面の電極は金属製であり、より高い導電性を有することができ、従って、接触面積が小さかったり又は不規則である場合でさえも、電圧又は電位分布が導電面全体に亘って非常に均一なものである。従って、本発明は、第3表面の電極の電気的接触が非常に小さく(必要に応じて)、同時に依然として適切な着色速度を維持することを可能にすることにより、設計上の柔軟性の向上をもたらす。
【0031】
外側バックミラーの製作においては、ミラーの配向を操作するために使用される機構が過負荷とならないようにミラーを全体として軽量化するためにより薄いガラスを組み込むことが望ましい。また、装置を軽量化すると、振動を受けた時のミラーアセンブリの動的安定性が向上する。代替的に、ミラー要素を軽量化すると、ミラーハウジングの重量化なしにミラーハウジング内に設けられる回路の電子化を可能にすることができる。薄いガラスは、特に極端な環境に露出された時に、反ったり又は破断しやすい可能性がある。この問題は、改良形ゲル材を有する2つの薄いガラスを組み込んだ改良形エレクトロクロミック装置を使用することによって実質的に改善される。この改良形装置は、1997年4月2日出願の「2つの薄いガラス要素及びゲル状エレクトロクロミック媒体を有するエレクトロクロミックミラー」という名称の本出願人に譲渡された米国特許第5,940,201号に開示されている。この特許の全開示内容は、本明細書において引用により組み込まれている。更に、組み合わせた反射体/電極の装置の第3表面上への増設は、平行ではない2つのガラス要素から生じる残留二重撮像があればそれを除去する一助となる。従って、チャンバ125は、密封部材のみによって互いに保持された2つの薄いガラス要素ではなく、1つの厚い単一部材として作用するミラーを製造するために、薄いガラス要素112及び114と協動的に相互作用する独立したゲルを含むことが好ましい。溶液及び架橋ポリマーマトリックスを含む独立したゲルにおいては、溶液は、ポリマーマトリックス内に撒き散らされて溶液として作用し続ける。また、少なくとも1つの溶液段階のエレクトロクロミック材料は、溶剤において溶液状であり、従って、溶液の一部としてポリマーマトリックス内に撒き散らされる(これを一般的に「ゲル状エレクトロクロミック材料」126という)。これによって、ミラーが自動車環境に共通する極限状態に耐えるように十分な構造上の一体性を維持しながら、ミラーを全体として軽量化するためにより薄いガラスでバックミラーを製造することができる。これはまた、薄いガラス要素間で均一な間隔を維持する一助となり、これによって、ミラーの外見における均一性が向上する(例えば、着色)。この構造的一体性は、エレクトロクロミックミラーにおいて有効に機能するためには強度特性がそれぞれ不十分である独立ゲル、第1のガラス要素112、第2のガラス要素114がもはや独立して動くのではなく1つの厚い単体部材として作用する方法で結合するためにもたらされる。この安定性には、以下に限定はしないが、屈曲、反り、内反り及び破断に対する耐性、並びに、反射画像の画質の向上、例えば、歪みの低減、二重像、色均一性、及び各ガラス要素の独立した振動が含まれる。しかし、前部及び後部のガラス要素を結合することが重要であるが、確実にエレクトロクロミックミラーが適正に機能するようにすることも同等に重要である(重要度が優ることがないにしても)。独立ゲルは、このような装置の壁部の電極層(ミラーに第3表面の反射体がある場合は、反射体/電極を含む)と結合すべきであるが、電極層とチャンバ116内に配置されたエレクトロクロミック材料との間の電子移動を妨げてはならない。更に、ゲルは、経時的な収縮、亀裂、又は垂れが生じてゲル自体が画質不良の原因となってはならない。独立ゲルが前部及び後部のガラス要素を結合するのに十分に良好に電極層と結合し、エレクトロクロミック反応が溶液内であるかのように起こることを可能にしながら経時的に劣化しないようにすることは、本発明の重要な態様である。
【0032】
適度な性能を発揮するためには、ミラーは、正確に反射像を表現しなければならず、これは、運転者が反射像を見ている時に、ガラス要素(反射体に取り付けられる)が座屈又は内反りする傾向があると達成することができない。座屈又は内反りは、主としてミラー取り付け及び調整機構、及び、外部ミラー要素を収納するために使用される様々な構成要素の熱膨張係数の差によってもたらされる圧力点によって生じる。これらの構成要素には、ミラーを操作及びその位置を調整するために使用される機構(接着剤によってミラーに結合)にミラー要素を取り付けるために使用されるキャリアプレート、ベゼル、及びハウジングが含まれる。また、多くのミラーは、一般的に二次シールとして注封材を有する。これらの構成要素、材料、及び接着剤の各々は、暖房及び冷房中に温度変化に応じて膨張縮小してガラス要素112及び114に応力を印加する異なる熱膨張率を有する。非常に大きなミラーでは、静水圧が懸念事項となり、前部及び後部のガラス要素は、ミラーの底部が外反りし、上部が内反りした時に二重像の問題に至る可能性がある。前部及び後部のガラス要素を結合することにより、薄いガラス/独立ゲル/薄いガラスの組合せは、1つの厚い単一部材として作用する(同時に、尚も外部ミラーの適切な作動を可能にする)ことによって曲げ、内反り、屈曲、二重像、及び歪みの問題及びエレクトロクロミック媒体の不均一な着色を排除又は低減する。
【0033】
また、本発明の独立ゲルと薄いガラス要素の間の協働する相互作用により、薄いガラス要素を有するエレクトロクロミックミラー110の安全面が向上する。薄いガラスは、撓み性が大きいことに加えて、厚いガラスよりも破断する可能性が高い。独立ゲルを薄いガラスと結合することにより、全体的な強度が改善され(上述のように)、更に、破砕及び散乱が抑制され、装置破断の場合の清掃がしやすくなる。
【0034】
本発明で使用される改良形架橋ポリマーマトリックスは、1996年5月15日出願の「エレクトロクロミック層及びそれを含む装置」という名称の本出願人に譲渡された米国特許第5,928,572号に開示されている。その特許の全開示内容は、本明細書において引用により組み込まれている。
【0035】
一般的に、エレクトロクロミックミラーは、約2.3mmの厚みを有するガラス要素を伴って作られる。本発明による好ましい薄いガラス要素は、約1.0mmの厚みを有し、その結果、50%を超える重量節減となる。このような軽量化により、一般的にキャリアプレートと呼ばれるミラーの作動を操作するために使用される機構が確実に過負荷とならず、更にミラーの振動に対する安定性が大幅に向上する。
【0036】
従って、前部透明要素112は、厚みが0.5mmから約1.8mmまで、好ましくは約0.5mmから1.6mmまで、更に好ましくは、約0.5mmから1.5mmまで、尚も好ましくは約0.8mmから約1.2mmまでの範囲か、又は、最も好ましくは約1.0mmである板ガラスであることが好ましい。後部要素114は、要素112と同じ範囲の厚みを有する板ガラスであることが好ましい。
【0037】
両方のガラス要素を薄く作った時は、内部又は外部ミラーの振動特性は向上するが、その効果は外部ミラーの場合の方が大きい。エンジン稼動及び/又は車両移動から生じるこれらの振動は、バックミラーに影響を与えるものであり、その結果、ミラーは、本質的には振動する片持梁の端部の錘として作用する。このミラーの振動は、安全上の懸念事項であり、運転者に対して不快な現象である反射像のぼけを引き起こす。片持梁端部の錘(すなわち、外部ミラーのキャリアプレートに取り付けられたミラー要素又は内側ミラーのミラーマウント)を軽量化すると、ミラーが振動する周波数が大きくなる。ミラー周波数が約60Hzになった場合、反射像のぼけは、車両乗員に対して視界的に不快なものではない。更に、ミラーが振動する周波数が大きくなると、振動中にミラーが移動する距離は、大幅に短くなる。従って、ミラー要素を軽量化することにより、ミラー完成品は、振動安定性が増し、車両背後を見る運転者の能力が高まる。例えば、1.1mmの厚みを有する2つのガラス要素を伴う内側ミラーは、約55Hzの第1のモードの水平方向の周波数を有し、2.3mmの2つのガラス要素を伴うミラーは、約45Hzの第1のモードの水平方向の周波数を有する。この10Hzの差異により、運転者の目に映る反射像の画質が大幅に向上する。
【0038】
ミラーを昇温することによってミラーから氷、雪、霧、又は霜を取り除くために、第4のガラス表面114b上に抵抗式ヒータ(図示せず)を配置することができる。抵抗式ヒータは、任意的に、ITO、つまり第4表面に付加されたフッ素ドープ酸化錫の層とすることができ、又は当業技術で公知の他のヒータ層又は構造体としてもよい。
【0039】
再び図2を参照すると、本発明の態様を実施するバックミラーとして、個々の各アセンブリ110、111a、及び/又は111bの周囲全体の回りに延びるハウジング又はベゼル144を含むことができる。ベゼル144は、バネクリップ(存在する場合)及びシールを隠して保護する。例えば、先に言及した米国特許第5,448,397号で教示かつ主張されているベゼルのような様々なベゼルデザインが当業技術で公知である。
【0040】
先に言及したカナダ特許第1,300,945号、米国特許第5,204,778号、米国特許第5,434,407号、米国特許第5,451,822号、米国特許第6,402,328号、又は米国特許第6,386,713号で教示されているもののような電気回路が電極120及び透明電極128に接続されると、エレクトロクロミック媒体126が暗色化することによってエレクトロクロミック媒体を通過する光の様々な量を減衰し、従って、エレクトロクロミック媒体126を含むミラーの反射率を変えるように、電極120及び透明電極128に亘って印加される電位の制御が可能になる。エレクトロクロミックミラーの反射率を制御するのに使用される電気回路は、周辺光センサ(図示せず)及び眩光センサを組み込むことが好ましい。眩光センサは、ミラーガラスの後に位置決めして反射材が完全又は部分的に除去された状態でもミラーの一部を見通し、又は、眩光センサは、反射面の外側、例えばベゼル144内に位置決めすることができ、又は、以下で説明するように、均一に堆積された透過反射コーティングの後に位置決めすることができる。更に、146のような電極及び反射体の区域は、コンパス、時計、又は他の表示部のような真空蛍光ディスプレイが車両運転者に見えるように以下で説明するように完全に除去するか又は部分的に除去することができ、又は、以下で説明するように、均一に堆積された透過反射コーティングを通じてこの発光ディスプレイアセンブリが見えるようにすることができる。また、本発明は、グレア及び周辺光の両方を測定するためにビデオチップ1つだけを使用して、更に、グレアの方向を判断することができるミラーに付加可能である。また、本発明により製作される車両内側の電動ミラーは、電動ミラーシステム内のスレーブ側として一方又は両方の外側ミラーを制御することができる。
【0041】
本発明の第1の実施形態の特徴について、図3及び図4に関して以下に説明する。図4は、図3に示す構造体と共に使用することができるような、電極120が配置された第2の透明電極114の上面図を示す。図4に示すように、電極120は、2つの異なる電極区域、つまり、電極材料又はいかなる他の導電材料もない区域によって電気的及び物理的に分離された第1の部分120aと第2の部分120bに分離されている。電極材は、電流が直接に第1の部分210aから第2の部分120bに流れることがないように、区域120に存在すべきではない。電極材210を区域210cから除去するには、例えば、化学エッチング、レーザ融除、掻き落しによる物理的除去のような多くの方法がある。また、区域210cでの堆積は、電極堆積中にマスクを使用することによって回避することができる。
【0042】
図3に示すように、電極120の第2の部分120bは、エレクトロクロミック装置の第3表面114aでエレクトロクロミック媒体126と電気的接触しており、一方、第1の部分120aは、区域120c、シール116、又はその両方によってエレクトロクロミック媒体126から物理的に隔離されている。しかし、第1の部分210aは、シール周囲の一部又は大部分の回りに延びることができる導体により、エレクトロクロミック装置の第2表面112b上の透明電極128の一部と電気的に結合されている。従って、電極層の部分120及び128の間に有効に短絡回路が設けられる。この短絡回路により、通常は第1の透明電極112の周囲に取り付けられるバスクリップを、代わりに第2の要素114に取り付けることができる。より具体的には、電源と第2表面上の透明電極128の間の電気接続は、バスバー(又は、クリップ119a)を電極層120の第1の部分120aに接続することによって行うことができる。第2の部分120bへの電気接続は、要素114の周縁部まで延びる部分120bの延長部120dに取り付けられているクリップ119bを利用することによって行うことができる。この構成は、円周の回りのほぼ全周で透明導電材料128への接続を可能にし、従って、エレクトロクロミック媒体126の減光及び除去速度を向上させるという点で有利である。他の実施形態に関連して更に以下で説明するように、クリップ119a及び119bの代わりに他の形態の電気的コネクタを使用することができる。
【0043】
図3は、電極120の第1の部分120aを電極128の一部に結合するための2つの異なる形式の電気的コネクタを示す。装置の左側に示すように、導電粒子116bは、シール116の一部が導電性となるように密封部材116の一部の中に分配することができる。シール116は、全幅に亘って導電性というわけではないが、むしろ、シールの導電部をエレクトロクロミック媒体126から絶縁して電極128と電極120の第2の部分120bとの間で短絡回路とならないことが好ましい。このようにして、電源からの駆動電位は、電極120の第1の部分120a及びシール116の導電粒子116bを通った後に透明導体128に到達する。
【0044】
このような構成においては、シール116は、導電粒子116bが含まれた一般的な密封部材、例えば、エポキシ116aを含む。導電粒子は、直径約5ミクロンから約80ミクロンの範囲である、例えば、金、銀、銅などがコーティングされた小さなプラスチックとすることができ、この場合、電極120の第1の部分120aと透明電極128の間に十分な導電率を保証するのに十分な数の粒子がなければならない。代替的に、導電粒子は、例えば、金、銀、銅などがコーティングされたガラス又はプラスチックビードのようなスペーサとして作用するのに十分な大きさとすることができる。更に、導電粒子は、薄片の形態であるか又は他の適切な形状又は異なる形状の組合せとすることができる。
【0045】
導電粒子116bが確実に区域120bに入らないようにするには、例えば、導電材料のない電極120の区域120cに非導電材料を堆積するなどの様々な方法を用いることができる。二重ディスペンサを使用すると、導電粒子116bを有するシール116を第1の部分120a上に堆積させ、同時に非導電材料を電極区域120cに堆積させることができるであろう。電極区域120bに到達する導電粒子が確実にないようにする一般的な方法は、密封剤が組み付け中に圧搾された時に導電粒子116bが後に残る傾向があって116の非導電部分のみが区域120bに入るように、シール116が確実に適切な流量特性を有するようにすることである。別の方法は、基板間に非導電密封部材を供給し、供給された非導電シールを別々に硬化させ、その後、2つの基板に間に導電性エポキシを注入することであろう。
【0046】
図3の装置の右側に示す代替的な実施例においては、スペーサとしての役目ができるより大きな導電体116bが設けられている。このようなより大きな導体は、単一のワイヤ、組み線、導電ストリップ、又は全体を通じて導電性であるか又は導電材料でコーティングされている単に大きな粒子又はビードとすることができる。
【0047】
シール116は、導電粒子又は他の導体116bを含まなくてもよく、代替的に、透明導電材料128が電極120の第1の部分120aと相互接続するように、シール116の外縁部上又はその内部に導電部材又は導電材料116cを設置することができる。このような導電部材116cは、シール内で又は他の場合は要素112及び114の間に導体と組み合わせて使用することができる。
【0048】
改良形の電気的相互接続技術の更に別の実施形態を図5に示すが、ここでは、密封部材116の第1の部分は、直接に第3表面114a上に付加され、電極120が付加される前に硬化される。密封部材116の第1の部分を覆うように電極120を第3表面114a上に堆積した後に、所定の厚み(第2表面112bと第3表面114aの間の望ましいセル間隔によって変わる)で示すような116iを残すように、硬化した密封部材116の一部分を機械加工して取り除く。セル間隔は、約20ミクロンから約1500ミクロンの範囲であり、好ましくは、約90ミクロンから約750ミクロンの範囲である。密封部材の第1の部分を硬化させて望ましい厚み(116i)に機械加工することにより、ガラスビードが一定のセル間隔を保証する必要性が排除される。ガラスビードは、セル間隔をもたらすために有用であるが、ガラスビードが電極120及び透明導体128に接触する応力点をもたらす。ガラスビードを除去することにより、これらの応力点も除去される。機械加工中、電極120がない区域を残すために、密封部材116の第1の部分上にコーティングされている電極を除去する。その後、密封部材116iの第1の部分の機械加工済み区域上か又は116iに対応する区域内の第2表面112bのコーティング上に密封部材116iの第2の部分を堆積し、従来の方法による組み付け後に密封部材116iを硬化させる。最後に、電極120の外縁部と透明導電材料128の層の外周縁部との間に電気的接触を作るために、外側導電性密封部材117を任意的に密封部材116の外周部分上に堆積させることができる。この構成は、円周の回りのほぼ全周で透明導電材料128への接続を可能にし、従って、エレクトロクロミック媒体126の減光及び除去速度を向上させるという点で有利である。
【0049】
本発明の第3の実施形態を図6に示す。第3の実施形態は、電極120の第1の部分120aを透明電極128の一部分と接触させる導電体がワイヤ150又はストリップであり、このワイヤ又はストリップは、電極層との接触を向上させるために、また、それによって接触安定性を保証するために導電材料152をコーティングすることができるという点で先の2つの実施形態とは異なる。導電材料152は、導電性感圧接着剤(PSA)、導電性インキ、又は、銀、金、銅、ニッケル又は炭素のような材料で作られた導電粒子、薄片、又はファイバで充填されたエポキシとすることができる。導電材料152が十分な導電率を有する場合、ワイヤ150は不要となる。先の2つの実施形態と同様に、電極120は、導電材料がない区域120cによって第1の部分120a及び第2の部分120bに分離されている。図7Aは、電極コーティング120が堆積された後部要素114の上面図を示す。第1及び第2の部分を作るために、レーザ融除、化学エッチング、掻き落しによる物理的除去又は類似の方法を使用して、細線形成区域120cを形成するためにエレクトロクロミック材料の一部を除去することができる。図7Aに示すように、これは、要素114の片側に沿って第1の部分120aを構成することになる。図7Bに示すように、エレクトロクロミック媒体126が堆積されるチャンバ125の外側境界を形成するために、非導電シール116を周辺全体の回りに形成する。その後、電極120の第1の部分120aが形成される周縁部に沿って、ワイヤ150の有無を問わずシールとしても機能することができる導電材料152を配置する。導電材料152は、基板112及び114を互いに組み込む前又は後で堆積することができる。
【0050】
2つの第1の部分120aが要素114の反対側に構成されかつ対応する非導電ライン120cによって分離された他の構造を図8Aに示す。このような配置は、要素114の反対側での電極128との電気接続を可能にすることになる。シール116及び152は、類似の方法で配置することになるが、導電シール152は、両方の部分120の全て又は一部を覆うように配置される。ワイヤは、導電シール材料152から延びるので、電気的クリップ又は電力がエレクトロクロミックミラーに供給される回路基板に直接半田付けすることができる。ワイヤをコーティングして基板112及び114間に堆積させるために、コーティングされた要素114の所要の部分上に直接にシール材料152を分配するのに使用される分配ノズルの中央にワイヤ150を通すことができる。
【0051】
図8C及び図8Dは、本発明の第1の実施形態の別の実施例を示す。詳しくは、図8Cは、両方の電極120及び128の電極エッチングを示し、一方、図8Dは、その幅の外側部分が導電性であり、内側部分が図3に示すシールと同様に非導電性であるシールが設けられた姿を示す。シール全体116は、導電性とすることができ、エレクトロクロミック装置は機能するが、この構成は、エレクトロクロミック媒体の着色が導電シールの内縁部と電極128a及び120aの露出部とに発生した時にエレクトロクロミック種の分離が助長されるために、ソリューション段階の装置については好ましいものではない。図8Dに示すように、エレクトロクロミック装置の両端には、2つの充填ポート195及び196が設けられており、充填ポートは、シール116の導電部116bの絶縁をもたらすものである。充填ポート195及び196に栓をするのに使用されるプラグ材料197はまた、必要な絶縁をもたらすために非導電材料製になると考えられる。
【0052】
図9は、図6に示す実施形態の2つの変形を示す。図9に示す装置の左側を参照すると、要素114の前部表面114aの周縁部の少なくとも1つの部分は、要素112及び114の間に太い継ぎ目145を付加するように斜角を付加することができることが分るであろう。このより大きな継ぎ目154を付加することにより、特にチャンバ125内で要素112及び114間の間隔を大きくする必要がなく、より大きな径のワイヤ150を要素112及び114間に挿入することができる。このような継ぎ目154は、要素114の前部表面114a又は前部要素112の後部表面112bに斜角を付加することによってもたらすことができる。代案として、単一の大径ワイヤ150を設置するのではなく、複数のワイヤ150又は組み線のワイヤストランドを電極120及び128の一部分の間に導電体として設置することができる。互いに捻られたワイヤを設置することにより、接着剤152を付加しやすくなり、ワイヤは、同じ材料で作られたものである必要がない。例えば、銅線は、強度又は他の望ましい特性を与えるために、ステンレス鋼製、ナイロン製、「KEVLAR」又は炭素の繊維、又はワイヤと共に捻ることができる。継ぎ目154は、例えば、要素112及び114の側縁部から0.020インチ延びることができる。継ぎ目は、非導電シール116が要素120bの斜角が付けられた部分を覆うように装置内まで延びることができるが、それでも、確実に短絡がないようにすることはレーザエッチング領域120cに有用であろう。導電性接着剤152が十分な導電率を有するものであれば、ワイヤ150は必要ではないことに注意すべきである。この場合、継ぎ目又はベゼル154により、接触区域の全体的な導電率を向上させるような導電材料152をより多く使用することができる。
【0053】
図10は、本発明の更に別の実施形態を示す。また、この実施形態は、個別の領域を形成するために電極120の一部をエッチングするのではなく、非導電コーティング又は材料156を電極120とコーティング処理ワイヤ150の間に設置する点を除き、図6に示すものと類似のものである。コーティング又は材料156は、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリアミド又はアクリルのような有機樹脂、又は、SiO2又はTa2O5のような無機材料の薄い層で形成することができる。また、このような非導電材料は、ワイヤを所定の位置に保持するのに有効であろう。
【0054】
図11は、本発明の別の実施形態を示す。図示のように、後部電極120が1つの側縁部に沿ってエッチングされるだけではなく、導電材料のない区域128cによって分離された第1の部分128a及び第2の部分128bを形成するために、透明前部電極もエッチングされる(例えば、図8Cを参照)。前部透明電極128は、電極120がエッチングされる側面以外の任意の側面に沿ってエッチングすることができる。従って、2つの電極のエッチング処理部分128c及び120cの周囲回り及びその上に非導電シール120が形成されるであろう。要素112及び114の縁部は、互いに面一になるであろう。エポキシシール116は、好ましくは、要素112及び114の縁部から約0.010インチから0.015インチのその上部及び底部に側面のガラス縁部と面一に分配される。その後、装置の上部及び底部で0.010〜0.015インチのチャンネル内に導電材料152を分配することができる。その後、電極120及び128との電気的接触をもたらすために、上部領域及び底部領域に対して、ホイル、銅ウェブ材料、又は他の導電性の高い材料160を導電エポキシ/接着剤に接着させることができる。表面積が大きなウェブ又は穴があるか又は外部が粗いホイル又は薄い導電材料は、導電材料152及び装置の縁部に対するこのような材料の接着を高める。
【0055】
図12は、本発明の別の実施形態を示す。エレクトロクロミック媒体及び窓用途に付加されることになるこの実施形態は、電極120及び128の各々に堆積して硬化する導電シール材料152を含む。その後、非導電シール116を導電シール152の間に分配し、必要に応じて、エレクトロクロミック媒体126からの絶縁をもたらすために内方に分配されることになる。代替的に、導電密封部材と非導電シールを同時に分配することによって二重分配を行うことができる。従って、シール高さの一部は、シールとして、また導電体バスとして使用される。この構造の利点は、シール/導電バス152が、2つの電極120及び128の各々についてエレクトロクロミック装置の周囲全周に延びることができるということである。導電シール材料152は、銀で充填したエポキシで形成されることが好ましい。
【0056】
図13は、図12に示す実施形態に対していくらかの変形を施したものである。具体的にいえば、エポキシシール部分152に追加された導電材料が銀ほど環境に優しくない場合、導電材料は、2段階か又は2つの別々の非導電材料を用いて形成することができる。例えば、非導電エポキシシール116は、エレクトロクロミック媒体126と導電シール152の間に従来の方法で付加することができる。その結果、導電材料162は、導電シール部152の間の間隙を埋めるのに用いることができ、ガラス要素112及び114の縁部に沿って延びることができる。この工程を用いる利点は、密封部材116をエレクトロクロミック媒体による劣化を受けやすくない材料から選択することができ、一方、密封部材162を湿気及び酸素を通さない材料から選択することができるということである。
【0057】
図14は、本発明の別の実施形態を示す。ミラー又は窓に同等に適切なものとなるこの実施形態は、エレクトロクロミック媒体126が配置されたチャンバ125の外方の境界部を形成すると同時に、電極128及び120間の非導電シール116をもたらすものである。シール116と要素112及び114との間には、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)、ポリエステル、ポリアミド、又は他の絶縁材料で作られ、ホイル又は銅ウェブ又は他の導電性の高い材料などの導電材料166が両側に取り付けられた絶縁材料164が設けられている。PSAを用いて、導体166を絶縁体164の両側に固定することができる。導体166と電極128及び120との間の接触安定性を高めるために、導電インキ又はエポキシ152を用いることができる。シール116は、材料152、166、及び164が適切な環境保護を行い、かつエレクトロクロミック媒体と干渉しない場合は不要である。
【0058】
図15は、図11に関して上述した実施形態の改良例を示す。しかし、この改良は、上述又は以下に説明する任意の他の実施形態と共に使用することができることが認められるであろう。具体的にいえば、この構造体は、シール116/152の姿を目立たなくするのに十分な幅を有する斜角付き周縁面170をもたらすために、前部要素112の前部表面112aが周辺面の回りに斜角が付されるように修正されている。このような設計の場合、ベゼル全体を排除することが可能であろう。当業者によって理解されるように、導電ホイル又はウェブ160は、後方に延びて、プリント回路基板又はミラー要素の反射率を選択的に変えるために電力を分配することができるヒータ回路との電気的接触が得られるように巻き付くことができる。更に、シールの姿を目立たなくするために、反射コーティングを斜角面170に付加することができる。
【0059】
図16は、シール116の姿を目立たなくするための若干異なる方法を示すものである。具体的にいえば、前部要素112の前部表面112aの周囲部分175は、処理しなければシールが分る可能性がある装置の部分の姿を目立たなくするために、サンドブラスト処理、荒削り、又は修正される。更に別の技術を図17Aに示すが、ここでは、前部要素112の前部表面112aの周囲領域175に反射性又は半透明の塗装/コーティング176が設けられている。図17Bに示すように、このような反射性又は半透明のコーティング、塗装、又はフィルムは、前部要素112の後部表面112b上に設けることができるであろう。
【0060】
シールを隠す更に別の方法は、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれている、本出願人に譲渡された米国特許第5,790,298号で開示するような透明のシール材料を用いることである。
【0061】
図15から図17Bに関連して上述したシールの姿を目立たなくするための異なる方法の各々は、組み合わせるか又は別々に用いることができ、本明細書で説明する他の任意の実施形態と共に使用することができる。例えば、図15に示す斜角面170は、サンドブラスト処理することができる。同様に、表面112aのサンドブラスト処理部175を反射性又は屈折率の高い材料で塗装又はコーティングすることができる。シルクスクリーニング又は他の適切な方法で塗装又は他の材料を付加することができる。反射材を荒削り面に組み合わせると、拡散反射体となる。
【0062】
上述のように、ベゼルのスタイリング及び外見を改善するために他の技術を用いることができる。例えば、図18は、クロム、クロムメッキプラスチック、又は他の材料のような少なくとも金属で作られた表面を有するベゼル144の使用を示すものである。従って、ベゼル144の前部表面の少なくとも一部は、黒色ではないが、ミラー自体の外見と同様に反射性のものとなり、従って、ミラーサブアセンブリの残りの部分と区別し難いものとなる。ベゼル144は、任意の従来の方法でキャリアプレート145と係合することができる。
【0063】
ベゼルが典型的にかなり広いものである別の理由は、エレクトロクロミック要素を形成するために使用される材料に対するベゼルが作られる材料の熱膨張率の差に適合させるためである。従来のベゼルは、ポリプロプレン、ABS/PC、ASAのような丈夫でかなり剛性の工学用プラスチック製であり、ガラスミラーよりも遥かに大きな熱膨張率を有する。丈夫で剛性のあるベゼルが低温でミラー回りで収縮した時に、この熱膨張率によって大きな周方向応力が発生する可能性がある。その結果、従来のベゼルは、要素と剛性のあるベゼルとの間の熱膨張差に適合するためにリブ又は形成された空隙を有することができる。この点に関する解決法を図19に示しており、ベゼル144aは、エレクトロクロミック要素の熱膨張/収縮と共に拡張及び収縮するエラストマー材料で形成される。
【0064】
エラストマー材料は、射出成形PVC又はポリウレタン「反応射出成形(RIM)」のようにミラー要素回りに直接に射出成形又は樹脂トランスファー成形することができると考えられる。エラストマー性ベゼルは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO,TPV)、スチレン熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリエステル熱可塑性エラストマー(TPC)、ナイロン又はポリアミド可塑性エラストマー(TPA)、又は、加硫又は重合ゴム、ポリウレタン、シリコーン又はフッ素エラストマーなどの熱可塑性エラストマー(TPE)として公知であるエラストマー材料から別々に射出成形し、その後、ミラー要素に付加することができる。1つの技術は、ミラーの形状及びサイズであるか又は好ましくはミラーの形状及びサイズよりも若干小さく、その後、ベゼルを拡張させてミラーに「スナップ式」に収まる「C」又は「U」字形にエラストマー性ベゼルを射出成形することである。このような方法で作られたベゼルは、ミラーに具合良く収まり、熱衝撃及び熱サイクルに非常に良好に耐える。「C」又「U」字形ベゼルの1つの利点は、それが前部から後部にかけて左右対称形に作られた場合は、車両の運転者側用に作られたベゼルは、180°回転した場合に一般的に車両の助手席側に適合するということであり、これは、2つのミラーが通常は互いに鏡像であるためである。ベゼルは撓み性があることから、別の利点は、平面鏡用に作られたベゼルは凸型又は非球形のミラー形状にも適合するということである。右側及び左側の平坦、凸面、及び非球形ミラーに合うように作る必要があるベゼルは1つだけであり、その結果、経費、時間、及び在庫の大きな節約となる。アイススクレーパでミラーが擦られた場合にベゼルの脱落を回避するために、ベゼルは、接着剤で又は機械的にミラー又はミラー裏面に固定するか又は留めることが望ましいであろう。接着剤は、ガラス上又は「C」又は「U」字形ベゼル又はその両方の内側の縁部回りに付加される水分硬化式シリコーン又はウレタンのような単一成分システムとすることができる。その後、ベゼルを付加することができ、接着剤が経時的に硬化するであろう。2成分又は溶剤ベースの接着剤もこのようにして使用することができると考えられる。また、ミラー周囲又は「C」又は「U」字形ベゼル又はその両方の内側に高温融解接着剤を付加することができる。その後、接着剤がまだ高温であるうちにベゼルをミラーに付加することができ、又は、ベゼル/ミラーアセンブリを再度加熱し、高温溶融接着剤を溶かしてベゼルをミラーに結合することができる。また、エラストマー性ベゼルを所定の位置に捕捉又は係合するための機械式手段を使用することもできる。ベゼルは、より剛性の高い背部部材と係合するように背部又は側部に穴又は溝を設けて作ることができる。また、エラストマー性ベゼルは、エラストマー部分を定位置に保持するためにミラーの周囲回りにエラストマー部分、及び裏面回りにより剛性のある部分を形成するより大きな剛性のある材料を同時注入することができる。この剛性のある部分は、ミラー裏面の大部分を覆い、ミラーハウジング隔壁においてミラーを所定の位置に保持する電源部又は調整可能なミラー支持部と係合することができる。この配置におけるミラーは、接着剤又は両面接着テープで剛性のある裏面部に取り付けることができる。また、この剛性のある部分は、ミラー裏面の周囲を覆うばかりでなく、電源部又は調整可能なミラー支持部と係合する搬送台に取り付けることもできる。いずれの場合も、ミラー裏面の剛性のある部分は、機械式にミラー裏面及びベゼルのエラストマー部分を所定の位置に保持する。また、ベゼル又はミラー裏面を所定の位置に保持するために、そのエラストマー部分をミラー裏面のより剛性のある部分に結合するための接着剤を使用することができる。少なくとも一実施形態では、関連の電気光学装置を保持するために協働するキャリアプレート及びベゼルが設けられる。このような実施形態では、キャリアプレート及びベゼルは、実質的に類似の材料で同時成形することができる。いずれの場合も、ベゼルは、後部電極の周縁部に平行に延びるように構成することができるが、前部要素の前部表面のいずれの部分に沿っても延びない。キャリアプレート及びベゼルは、その間に挿入された接着剤又は更に別の機械式留め具がなくても複数の装置を保持するように構成することができる。
【0065】
図20に示す力と変位のプロットは、異なる材料で作られた様々な一般的なベゼルから切取られた短い部分に対するものである。短い部分は、「Chatillon」(ノースカロライナ州グリーンズボラ所在)製の装置内に固定されて引っ張られた。力と変位のプロットを見ると、一般的に従来技術のベゼル(Geloy、ASA/PC)を作るのに使用する剛性のある材料に関しては、エラストマー又はゴム製ベゼル(「950 U」、「DP7 1050」、RPT)と比較すると、力は、小さな変位の変化で急激に大きくなることが分る。このために、室温でガラスミラーにちょうど収まるこれらのエラストマー材料で作られたベゼルでは、ベゼルが低温でガラス回りに収縮した時に、高い値の周方向応力は発生しない。これとは対照的に、室温でちょうど収まるASA/PCのような剛性のある材料で作られたベゼルでは、ベゼルが低温でガラス回りに収縮した時に、高い値の周方向応力が発生する。エラストマー性ベゼル144aは、少なくとも前部要素112の周囲回りに配置されることが好ましい。その弾力性のために、エラストマー性ベゼルは、エラストマー性ベゼルがミラー要素回りにちょうど収まるように少なくとも前部要素の周囲よりも小さい周囲を有する。
【0066】
剛性のあるエラストマー性ベゼル材料の物理特性の一部を表1で以下に示す。いくつかの従来技術の剛性プラスチック材料の引張係数は、低値の72,000psiから高値のちょうど350,000psiを超えるまでの範囲に及ぶ。これとは対照的に、好ましいエラストマー性ベゼルの材料は、約100psiから3,000psiの引張係数を有する。従って、本発明のエラストマー性ベゼル材料は、約72,000psi未満の引張係数を有し、約3,000psi未満の引張係数を有する場合がある。ベゼル材料の引張係数が低いほど、プラスチックベゼルによって取り囲まれたガラスミラーの熱係数不一致システムにおいて、周方向応力が低くなることになる。
【0067】
(表1)
【0068】
図21Aは、第1の実施形態のエレクトロクロミック装置のようなエレクトロクロミック装置との電気的結合をもたらすための1つの技術を示すものである。図示のように、第1の導電クリップ180は、電極120の第2の部分120bと電気的に接触するように要素114にクリップ留めされている。装置全体の回りにクリップ留めされ、従って、前部要素112の前部表面112a及び後部要素114の後部表面114bに接触する第2の導電クリップが設けられている。電極120の第1の部分120aを通じて及び導電材料152を通じて、電極128との電気的接触が為されている。クリップ180及び182のいずれか又は両方は、第1及び/又は第2の基板の周囲に平行に延びる部分と、後部基板の後部表面に平行に延びる第2の部分とでL字形を形成するように構成することができることを理解すべきである。L字形クリップは、第1の導電層又は第2の導電層に接触するように形成することができる。L字形クリップは、前部又は後部要素のいずれかの周縁部に沿って所定の導電層の一部分を延ばすことにより第1又は第2の導電層と接触するように構成することができ、又は、関連の導電層からの接触を容易にするために、導電エポキシを使用することができる。この構成の変形が図21Bに示されており、182は、後部要素114のみにクリップ留めされるようにクリップ180と同一の構成で作られている。ここでもまた、クリップ182と電極128の間の電気的結合は、導電シール152及びその中に配置することができる任意のワイヤ150を通じたものである。図21Cに示すように、各電極120又は128との電気接続が得られるように1つ又は複数のこのようなクリップを設置することができる。クリップ180及び182は、直接に半田付けにより又は他の方法により回路基板に接続することができ、又は、その間に延びるワイヤをクリップ180及び182に半田付けすることができる。図21D及び図21Eは、上述のクリップ180及び180の2つの更に別の変形を示すものである。図21Dにおいては、クリップ180a及び182aは、後部要素114の後部表面114bの回りに延びないように修正されている。図21Eにおいては、クリップ180b及び182bは、前部要素112の前部表面112aを覆うように、かつその回りに延びると同時に後部要素114の後部表面14bの回りにも延びるように修正されている。当業者には明らかとなるように、本発明の範囲から逸脱することなく開示したクリップデザインに対して様々な修正を行うことができる。
【0069】
図22は、図14に示して上述した実施形態の変形である。図22に示す構造は、導電ホイル又はウェブ166の層の1つが外方に要素112及び114の縁部を超えて延び、プリント回路基板又はヒータ回路との接続が得られるように要素114の回りに巻かれている点において異なっている。更に、後部要素114の後部表面114bは、ホイル166に電力を供給するために導電電極でパターン化することができる。絶縁体164の反対側のホイル166は、同様に電極128及び120の他方との接続が得られるように外方に延びることができる。ホイル166は、裁ちばさみを使用して切断し、1つ又はそれ以上のコネクタクリップを形成するために実質的に曲げることができる。ホイル166は、タブがシール内に延びる電気的バスとして構成することができる。
【0070】
図23は、導電コーティング190が後部要素114の周縁部上に配置された更に別の実施形態を示すものである。このようなコーティングは、金属で作りかつ半田で付加することができる。代替的に、材料を要素114の縁部上に巻くことができる。このような構造は、電極120及び128の一方又は両方との電気的結合をもたらすために、単に要素114の縁部への接触を可能にする。
【0071】
更に別の実施形態を図24に示す。この実施形態では、密封部材の大部分又は全ては、前部要素112及び後部要素114の間から前部要素及び後部要素の縁部に移動されている。従って、シールは、単に又は主として前部要素及び後部要素の周縁部上に設けられている。図24に示すように、シール200は、前部要素の周縁部及び後部表面の両方で前部要素と接触する。同様に、シール200は、後部要素の周縁部及び前部表面の両方で後部要素と接触する。シール200が前部要素112の周縁部と接触する第1の接触区域は、シール200が前部要素112の後部表面に接触する第2の接触区域よりも大きい。同様に、シール200が後部要素114の周縁部と接触する第3の接触区域は、シール200が後部要素114の前部表面と接触する第4の接触区域よりも大きい。その結果、シール200と前部要素112の間のインタフェースは、酸素がチャンバ126ために通らなければならない酸素及び/又は湿気浸透経路長を形成し、前部要素112の周縁部に沿って延びる経路長の部分は、前部要素112の後部表面に沿って延びる経路長の部分よりも長い。同様に、シール200と後部要素114の間のインタフェースは、酸素がチャンバ126に入るために通らなければならない別の酸素浸透経路長を形成し、後部要素114の周縁部に沿って延びるこの経路長の部分は、後部要素114の前部表面に沿って延びる経路長の部分よりも長い。2.0cm3・mm/m2・day・atm未満の酸素浸透率を有する第1の材料の薄い部材202のシール200を形成することにより及び/又は他のエレクトロクロミックセルと比較して酸素浸透経路長を長くすることにより、チャンバ126に浸透する酸素量を大幅に低減することができる。典型的な従来技術のシールは、2.0〜3.9cm3・mm/m2・day・atmの酸素浸透率及び0.7〜0.94gm・mm/m2・dayの水浸透率を有するエポキシ樹脂で作られ、主として前部及び後部要素間に位置決めされ、それによって酸素浸透経路長が短くなる。
【0072】
薄い部材202を形成する第1の材料は、金属、金属合金、プラスチック、ガラス、及びその組合せの群から選択された材料で作ることができる。第1の材料202は、第2の材料204で前部及び後部要素の周縁部に接着される。第2の材料は、第1の材料よりも高い酸素浸透率を有することができ、また、第1及び第2の導電層120及び128の少なくとも一方との電気的接触をもたらす導電接着剤又は導電エポキシとすることができる。
【0073】
本発明の好ましい実施形態では、密封部材200は、前部及び後部要素の縁部に接着された低いガス浸透率を有する薄い部材202を含む。エポキシ接着剤、PSA、又はホットメルトのような接着剤204は、金属ホイル又はプラスチックフィルムのような低いガス浸透率を有する薄い部材202にフィルム状に付加することができる。薄い部材202として使用することができる材料の例としては、ポリカーボネート(90.6〜124cm3・mm/m2・day・atmの酸素浸透率及び3.82〜4.33gm・mm/m2・dayの水浸透率)、塩化ビニリデン(0.0152〜0.2533cm3・mm/m2・day・atmの酸素浸透率及び0.01〜0.08gm・mm/m2・dayの水浸透率)、及びプラスチック及び/又は金属の多層フィルムなどがある。このようなフィルムは、前部及び後部のガラス要素の縁部に接着剤又はガラスフリットで結合されるSiO2、Al2O3、Ta2O5、Al、クロムなどのような無機層又はコーティングを含むことができる。適切な多層フィルムの例は、0.2〜0.79cm3・mm/m2・day・atmの酸素浸透率及び0.06〜0.16gm・mm/m2・dayの水浸透率を有する「SARANEX」銘柄のPE/PVC−PVDCフィルムである。
【0074】
その後、このホイル又はフィルム202は、適切に間隔の空いた関係で保持された前部及び後部の基板の回りに巻かれる。接着剤204は、エレクトロクロミック装置の周囲の回りに気密及び液密シールを形成するために、ホイル又はフィルム202を主として又は単独に基板縁部に結合する。充填ポート206(図25)は、ホイル又はフィルム縁部密封部材の間隙を残すか又はそれを貫通する穴を開けることによって追加することができる。充填孔は、金属ホイルが縁部密封部材に使用される場合は半田で密封することができる。代替的に、充填孔には、紫外線又は可視光線硬化接着剤又はホットメルトを詰めることができ、又はホイル又はフィルムのような更に別の薄い密封部材を充填孔を覆うように接着することができる。光透過性フィルムが使用される場合、紫外線又は可視光線硬化接着剤を使用してフィルムを接着することができる。不透明金属ホイルが使用される場合、ホットメルト、PSA、又は他の自己硬化接着剤を使用することができる。このようにして、主として基板間にあるシールに必要とされる区域が排除されるので、その区域を覆うように設計されたベゼルを狭くするか又は排除することができる。密封部材208は、有効な密封をもたらすために基板112及び114の間に延びる必要がない、つまり、密封手段全体が基板周縁部の全て又は一部上にあるとすることができることを理解すべきである。ミラーの有効反射区域を大きくするために基板間のシール幅を小さくすることが望ましい実施形態では、主として又は単独に、少なくとも一方の基板周縁部上にあるようにシールが構成されることが好ましい。
【0075】
基板の側面に接着された低ガス浸透率部材が導電区域を有する場合、この部材は、エレクトロクロミック装置の導電電極と接触するための電気的バスとしての役目を果たす。電極の電気的隔離は、縁部密封部材の電気的連続性に対して間隙を作ることによって維持することができる。例えば、金属ホイルが使用された場合、上部及び底部電極バスを絶縁するために、充填孔として使用されるもののような小さなスリット又は間隙206(図25)をホイルに作り、別の孔を充填孔の反対側に作ることができるであろう。導電縁部密封部材と電極の間の電気的連続性は、任意の数の方法で確立することができる。導電電極コーティング120及び/又は128は、基板の側面の回りに巻くことができ(図26及び27)、又は縁部バスとの電気接続が望ましい区域に導電コーティング又は接着剤208(図29Aから図32)を付加することができる。導電密封部材202は、電極コーティング又は縁部コーティング120及び128と接触するために、窪み又は折り目210(図26)を有するか又は密封部材の接着結合を通じて基板の側面と接触するように内方に突出した延長部214(図28を)を含むことができる。導電縁部密封部材と電極コーティング又は縁部コーティングとの間で電気的接触を行うために、接着剤内の導電粒子又は導電性接着剤208を使用することができるであろう。その後、導電縁部シール202とエレクトロクロミック装置駆動電子機器との間で接触を行うために、ワイヤ(図27の212)、金属クリップ(図33の216)、又は他の導体を使用することができる。このようにして作られたエレクトロクロミック装置であれば、シール及び接触区域を覆うためのベゼルはほとんど必要ではない。図29Aから図33のより詳細な内容を以下に説明する。
【0076】
図29A及び図29Bに示すように、薄い密封部材202は、導電材料208及び非導電材料204の両方を使用して要素112及び114の周縁部に固定することができる。図29Aに示すように、導電材料208は、導電層128から密封部材202の第1の部分202a(図25を参照)までの電気接続を行う。図29Bに示すように、導電材料208は、導電層120から密封部材202の第2の部分202bまでの電気接続を行う。上述のように、薄い密封部材及び導電材料208の充填孔、間隙、又はスリットは、薄い密封部材202の部分202a及び202bを絶縁するために使用することができる。
【0077】
図30に示す実施形態では、導電層128及び120は、導電材料208が導電層128から密封部材202の第1の部分202a(図25を参照)までの電気接続を行い、導電材料208もまた導電層120から導電材料202の第2の部分202bまでの電気接続を行うように、図8Cに示すように構成及び配向される。上述のように、薄い密封部材及び導電材料208の充填ポート、間隙、又はスリットは、薄い密封部材202の部分202a及び202bを絶縁するために使用することができる。
【0078】
図31は、導電層120及び128の領域128a及び120aが排除される点を除き、図30と類似の実施形態を示すものである。
【0079】
図32は、層120及び128の間に配置された接着剤の中心部分のみが導電性であり、一方、要素112及び114の周縁部に密封部材202を接着するために非導電接着剤が使用されている実施形態を示すものである。これは、導電材料208が薄い部材202に関して接着剤ほど有効である必要がないという利点を提供する。
【0080】
図33は、クリップ216(図21B及び図21Cのクリップ182と類似)が、金属ホイルなどとすることができる薄い密封部材202と組み合わせて使用される実施形態を示すものである。図示のように、薄いホイル202をクリップ216に半田付けするための半田突起部を設置することができる。
【0081】
エレクトロクロミック媒体の電極をヒータ回路又は可撓性回路基板に接続する方法は、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれている、2003年12月2日出願で本出願人に譲渡された米国特許第6,657,767号に開示されている。具体的にいえば、ヒータ回路が設けられた可撓性回路基板の一部は、エレクトロクロミック装置の縁部上の導電材料と接触するために、要素114の縁部を超えて延び、上方に巻くことができる。
【0082】
電気接続をもたらすための別の任意選択肢は、ベゼル144の内面上に導電層又は他の材料を設置することであり、ベゼルによって及ぼされる圧力が、コネクタと電極層自体又はシールの導電部分152のいずれかとの間に接触力を生じると考えられる。
【0083】
上述の実施形態から明らかなように、シールの一部分は、電気的バスとして機能するように構成することができる。シールは、幅の一部、高さの一部、又は長さの一部に沿って導電性とすることができる。シールは、上述のように、導電性インキ又はエポキシで形成することができ、金属薄片、ファイバ、粒子、又は他の導電材料で充填することができる。
【0084】
シールの大部分が基板の間か又は基板の縁部上にあるオフセットがゼロのミラーは、一般的なオフセットのあるエレクトロクロミックミラーと比較すると、非常に滑らかな外形形状であり、実質的なベゼルは全く不要とすることができることに注意すべきである。例えば、黒色又は着色シールが基板の間にある状態で、ミラーの縁部に亘って黒色又は着色塗装を付加するだけで美的に好ましいミラーを作ることができる。こうして、ベゼルは、ミラーの周囲上の塗装又は他の材料の単にベゼルのように見える薄い層状のコーティングから成るであろう。同様に、この薄いコーティングは、縁部を覆うように巻いて基板シール間の領域の一部又は全てを覆うように付加することができる。この工程はまた、シールの大部分がガラスの縁部上にあるミラーにも適用されるであろう。外見的に美的で好ましくかつ均一な縁部を表すために、ミラーの縁部に塗装又は他の材料の薄いコーティングを付加することができると考えられる。更に、より広くより均一なシールを設置することにより、シールを覆い隠す必要性を排除することができる。
【0085】
当業者に明らかなように、以上の実施形態の各々は、前部及び後部要素112及び114間の垂直方向の位置オフセットを小さくするか又は排除することにより、ベゼル(設けられている場合)の幅のいかなる対応する部分も小さくすることができるという利点を提供する。本発明の他の態様は、それ以外にもシールの姿を目立たなくするか又は独特なベゼルをもたらすために使用することができる。しかし、様々な態様は、他の態様のいずれの実施にも関わらず別々に使用することができ、又は様々な組合せで使用することができることが認められるであろう。
【0086】
本発明は、ミラー及び建築用窓のようなエレクトロクロミック装置に関連して使用されるものとして一般的に説明したが、当業者は、本発明の様々な態様は、他の電気光学装置の製造に使用することができることを理解するであろう。
【0087】
本発明は、そのいくつかの好ましい実施形態に従って本明細書で詳細に説明したが、当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、そこに多くの修正及び変更を達成することができる。従って、本発明は、特許請求の範囲によってのみ限定され、本明細書で示した実施形態を説明する詳細及び手段によって限定されないことは本発明人の意図するところである。
【符号の説明】
【0088】
111 外部ミラーアセンブリ
112 前部要素
112a 前部表面
112b 後部表面
114 後部要素
114a 前部表面
114b 後部表面
116 シール
120 電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、
導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、
前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
前記第1の導電層の一部分を前記第2の導電層の一部分に電気的に結合するために設けられ、かつ前記前部及び後部要素の少なくとも一方の外周縁部上に設けられた導電体と、 を含むことを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項2】
前記導電体は、前記シールの少なくとも一部分内に分散された導電粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項3】
前記導電体は、前記シールの幅の少なくとも一部分内に分散された導電粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項4】
前記導電体は、前記シールの長さの少なくとも一部分内に分散された導電粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項5】
前記第2の導電層は、反射性であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項6】
前記導電体は、前記前部及び後部要素の両方の外周縁部の間に延び、かつその外周縁部上に設けられることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項7】
前記導電体は、電気的接触の目的で前記後部要素の前記後部表面上に連続経路を形成することを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項8】
前記導電体は、前記後部要素の前記後部表面上で第2の導電体と接触するように構成されることを特徴とする請求項7に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項9】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項10】
車両のためのエレクトロクロミック可変反射率ミラーであって、
前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、
導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、
前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
少なくとも前記前部要素の周囲の回りに配置され、該前部要素の前記前部表面の一部の上に延びて約4mm又はそれ以下の幅を備えた前部リップ部を有するベゼルと、
を含むことを特徴とするミラー。
【請求項11】
前記ベゼルは、約3.6mm又はそれ以下の幅を有することを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミックミラー。
【請求項12】
前記前部要素の前記後部表面及び前記後部要素の前記前部表面の一方は、ぼってりした継ぎ目を形成するためにその周縁部の近くにテーパが付けられ、
前記シールの少なくとも一部分は、前記ぼってりした継ぎ目に設けられる、
ことを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミックミラー。
【請求項13】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミックミラー。
【請求項14】
前記第1の導電層の一部分を前記第2の導電層の一部分に電気的に結合するために設けられた導電体を更に含むことを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミックミラー。
【請求項15】
前記ベゼルの前記前部リップ部は、前記シールの全てに亘って延びるのに十分な幅を有することを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミックミラー。
【請求項16】
前記ベゼルの前記前部リップ部は、前記シールの最も内側の縁部を約0.5mm超えて延びるのに十分な幅を有することを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミックミラー。
【請求項17】
車両のためのエレクトロクロミック可変反射率ミラーであって、
前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、
導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、
前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
前記要素の少なくとも1つの周囲の回りに配置されたエラストマー性ベゼルと、
を含むことを特徴とするミラー。
【請求項18】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項17に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項19】
前記第1の導電層の一部分を前記第2の導電層の一部分と電気的に結合するために設けられた導電体を更に含むことを特徴とする請求項17に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項20】
前記ベゼルは、約72,000psiよりも小さい引張係数を有する材料で作られることを特徴とする請求項17に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項21】
前記エラストマー性ベゼルは、少なくとも前記前部要素の周囲の回りに配置されることを特徴とする請求項17に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項22】
前記エラストマー性ベゼルの周囲は、前記第1の要素の周囲よりも小さいことを特徴とする請求項21に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項23】
エレクトロクロミック装置を製造する方法であって、
周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素を設ける段階と、
周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素を設ける段階と、
導電材料を前記周縁部の少なくとも1つの少なくとも一部分にコーティングする段階と、
チャンバを形成するために前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合するように準備されたシールを設ける段階と、
エレクトロクロミック材料を前記チャンバ内に分配する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記第1及び第2の導電層の間に該導電層の少なくとも一方と電気的に接触して導電ワイヤを置く段階を更に含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記前部要素の前記前部表面の周囲区域は、前記シールの姿を目立たなくするように修正されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の導電層の一部分を前記第2の導電層の一部分と電気的に結合するための導電体を設ける段階を更に含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項28】
周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、 周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、 チャンバを形成するために前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合するように準備されたシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
前記第1及び第2の導電層の間に該導電層の少なくとも一方と電気的に接触して配置された導電ワイヤ又はストリップと、
を含むことを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項29】
前記導電ワイヤは、複数の撚線ストランドを含むことを特徴とする請求項28に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項30】
前記撚線ストランドは、少なくとも2つの異なる材料で作られることを特徴とする請求項29に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項31】
前記ワイヤは、前記第1の導電層に電気的に結合され、
前記第2の導電層に電気的に結合された第2のワイヤ、
を更に含むことを特徴とする請求項28に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項32】
前記ワイヤは,前記シールによって互いに隔離されることを特徴とする請求項31に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項33】
前記ワイヤは,導電材料でコーティングされることを特徴とする請求項31に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項34】
前記前部要素の前記後部表面及び前記後部要素の前記前部表面の一方は、ぼってりした継ぎ目を形成するためにその周縁部の近くにテーパが付けられ、
前記シールの少なくとも一部分及び前記導電ワイヤは、前記ぼってりした継ぎ目に設けられる、
ことを特徴とする請求項31に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項35】
前記前部要素の前記前部表面の周囲区域は、前記シールの姿を目立たなくするように修正されることを特徴とする請求項31に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項36】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項31に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項37】
周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、 周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、 チャンバを形成するために前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合するように準備された、少なくとも2つの導電領域を有するシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
を含むことを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項38】
前記導電領域は、前記シールの非導電領域によって分離されることを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項39】
前記導電領域は、充填ポートによって分離されることを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項40】
前記シールは、前記導電領域と前記エレクトロクロミック媒体の間に配置された非導電性内側部分を有することを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項41】
前記シールの前記導電領域は、導電エポキシで作られることを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項42】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項43】
前記シールの前記導電領域は、前記シールの長さの全てよりも少なく延びていることを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項44】
前記シールの前記導電領域は、前記シールの幅の全てよりも少なく延びていることを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項45】
前記前部要素の前記後部表面及び前記後部要素の前記前部表面の一方は、ぼってりした継ぎ目を形成するためにその周縁部の近くにテーパが付けられ、
前記シールは、前記ぼってりした継ぎ目に設けられる、
ことを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項46】
前記第1及び第2の導電層の間に該導電層の少なくとも一方と電気的に接触して設けられた導電ワイヤを更に含むことを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項47】
周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、 周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、 チャンバを形成するために前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合するように準備された、少なくとも1つの導電領域を有するシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
を含み、
前記シールの前記導電領域は、前記シールの高さの全てよりも少なく延びている、
ことを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項48】
前記前部要素の前記前部表面の周囲区域は、前記シールの姿を目立たなくするように修正されることを特徴とする請求項47に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項49】
前記シールは、前記導電領域と前記エレクトロクロミック媒体の間に配置された非導電性内側部分を有することを特徴とする請求項47に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項50】
前記シールの前記導電領域は、導電エポキシで作られることを特徴とする請求項47に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項51】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項47に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項52】
前記シールは、非導電領域によって分離された2つの導電領域を含むことを特徴とする請求項47に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項53】
前記非導電領域は、絶縁ストリップを含み、
前記導電領域は、前記絶縁ストリップの一方の側に付加された第1の導電ストリップと、該絶縁ストリップの反対側に付加された第2の導電ストリップとを含む、
ことを特徴とする請求項52に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項54】
前記導電領域の各々は、導電エポキシのコーティングを更に含むことを特徴とする請求項53に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項55】
周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、 周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、 密封チャンバを前記前部及び後部要素の間に形成するために、該前部及び後部要素の両方に設けられたシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
を含み、
前記シールは、前記前部及び後部要素の少なくとも一方の周縁部に結合された薄い部材を含む、
ことを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項56】
前記薄い部材は、フィルム、薄いガラス、及びホイルのストリップの1つを含むことを特徴とする請求項55に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項57】
前記薄い部材は、導電性であり、前記導電材料の第1及び第2の層に電流を通過させるための電気的バスとして機能することを特徴とする請求項55に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項58】
前記薄い部材は、導電性接着剤によって前記周縁部に結合されることを特徴とする請求項55に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項59】
前記薄い部材は、前記前部及び後部要素の両方の周縁部に結合されることを特徴とする請求項55に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項60】
周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、 周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、 密封チャンバを前記前部及び後部要素の間に形成するために、該前部及び後部要素の両方に設けられたシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
を含み、
前記シールは、主として前記前部及び後部要素の周縁部上に設けられる、
ことを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項61】
前記シールは、2.0cm3・mm/m2・day・atmよりも小さい酸素浸透率を有する第1の材料を含むことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項62】
前記シールは、第2の材料を用いて前記前部及び後部要素の周縁部に接着されることを特徴とする請求項61に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項63】
前記第2の材料は、前記第1の材料よりも高い酸素浸透率を有することを特徴とする請求項62に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項64】
前記第1の材料は、金属、金属合金、プラスチック、ガラス、及びその組合せの群から選択されることを特徴とする請求項61に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項65】
前記シールは、金属、金属合金、プラスチック、ガラス、及びその組合せを含むことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項66】
前記シールは、導電性接着剤を含むことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項67】
前記シールは、導電エポキシを含むことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項68】
前記シールは、前記第1及び第2の層の少なくとも一方との電気的接触を行う導電材料を含むことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項69】
前記シールは、前記前部要素と、該前部要素の前記周縁部及び前記後部表面上の両方で接触し、
前記シールが前記前部要素の前記周縁部に接触する第1の接触区域は、該シールが該前部要素の前記後部表面に接触する第2の接触区域よりも大きい、
ことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項70】
前記シールは、前記後部要素と、該後部要素の前記周縁部及び前記前部表面上の両方で接触し、
前記シールが前記後部要素の前記周縁部に接触する第1の接触区域は、該シールが該後部要素の前記前部表面に接触する第2の接触区域よりも大きい、
ことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項71】
前記シールと前記前部要素の間のインタフェースは、酸素が前記チャンバに入るために通過して移動すべきである酸素浸透経路長を形成し、
前記前部要素の前記周縁部に沿って延びる前記経路長の部分は、該前部要素の前記後部表面に沿って延びる前記経路長の部分よりも長い、
ことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項72】
前記シールと前記後部要素の間のインタフェースは、酸素が前記チャンバに入るために通過して移動すべきである酸素浸透経路長を形成し、
前記後部要素の前記周縁部に沿って延びる前記経路長の部分は、該後部要素の前記前部表面に沿って延びる前記経路長の部分よりも長い、
ことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項73】
前記シールは、前記前部及び後部要素の周縁部に結合された薄い部材を含むことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項74】
前記薄い部材は、フィルム、薄いガラス、及びホイルのストリップの1つを含むことを特徴とする請求項73に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項75】
前記薄い部材は、導電性であり、前記導電材料の第1及び第2の層に電流を通過させるための電気的バスとして機能することを特徴とする請求項73に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項76】
周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、 周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、 密封チャンバを前記前部及び後部要素の間に形成するために該前部及び後部要素の両方の周縁部上に設けられ、約2.0cm3・mm/m2・day・atmよりも小さい酸素浸透率を有する第1の材料を含むシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
を含むことを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項77】
前記シールは、第2の材料を用いて前記前部及び後部要素の前記周縁部に接着されることを特徴とする請求項75に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項78】
前記第2の材料は、前記第1の材料よりも高い酸素浸透率を有することを特徴とする請求項76に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項79】
前記第1の材料は、金属、金属合金、プラスチック、ガラス、及びその組合せの群から選択されることを特徴とする請求項76に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項80】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項76に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項81】
前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面と周縁部とを含む前部要素と、
前部表面と導電材料の第2の層が配置された後部表面と周縁部とを含む第2の要素と、 主として前記前部及び後部要素の前記周縁部上にあり、チャンバを形成するために該要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合するために設けられたシールと、
を含むことを特徴とする電気光学要素。
【請求項82】
前記シールは、全体的に前記前部及び後部要素の前記周縁部上にあることを特徴とする請求項81に記載の電気光学要素。
【請求項83】
前記シールは、前記第1の導電層の一部分と接触することを特徴とする請求項81に記載の電気光学要素。
【請求項84】
前記シールは、前記第2の導電層の一部分と接触することを特徴とする請求項82に記載の電気光学要素。
【請求項85】
前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面と周縁部とを含む前部要素と、
前部表面と導電材料の第2の層が配置された後部表面と周縁部とを含む第2の要素と、 チャンバを形成するために前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合するために設けられたシールと、
ベゼルが、前記後部要素の前記周縁部と平行に延び、かつ前記前部要素の前記前部表面のどの部分も覆わないように構成されたキャリアプレート及びベゼルと、
を含むことを特徴とする電気光学アセンブリ。
【請求項86】
前記キャリアプレート及び前記ベゼルは、実質的に同じ材料で同時成形されることを特徴とする請求項84に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項87】
第1の材料を含む前記ベゼルは、第2の材料のキャリアプレートと同時成形されることを特徴とする請求項85に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項88】
前記キャリアプレートは、感圧接着剤により前記後部要素の前記後部表面に取り付けられることを特徴とする請求項85に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項89】
前記キャリアプレートは、前記後部及び/又は前部要素に付随する周囲の少なくとも一部分との前記ベゼルの協働を通じて、該後部要素に対して望ましい位置に保持されることを特徴とする請求項85に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項90】
前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面と周縁部とを含む前部要素と、
前部表面と導電材料の第2の層が配置された後部表面と周縁部とを含む第2の要素と、 前記後部要素の前記周縁部と平行に延びる第1の部分と、該後部要素の前記後部表面と平行に延びる第2の部分とを含む少なくとも1つのL字形クリップと、
を含むことを特徴とする電気光学アセンブリ。
【請求項91】
前記少なくとも1つのL字形クリップは、前記第1の導電層と電気的に接触していることを特徴とする請求項89に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項92】
前記第1の導電層は、前記前部要素の前記周縁部上に延びる部分を含むことを特徴とする請求項90に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項93】
前記第1の導電層と前記L字形クリップの前記第1の部分とに電気的に接触している導電エポキシを更に含むことを特徴とする請求項91に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項94】
前記少なくとも1つのL字形クリップは、前記第2の導電層と電気的に接触していることを特徴とする請求項89に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項95】
前記第1の導電層は、前記後部要素の前記周縁部上に延びる部分を含むことを特徴とする請求項93に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項96】
前記第2の導電層と前記L字形クリップの前記第1の部分とに電気的に接触している導電エポキシを更に含むことを特徴とする請求項94に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項1】
前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、
導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、
前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
前記第1の導電層の一部分を前記第2の導電層の一部分に電気的に結合するために設けられ、かつ前記前部及び後部要素の少なくとも一方の外周縁部上に設けられた導電体と、 を含むことを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項2】
前記導電体は、前記シールの少なくとも一部分内に分散された導電粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項3】
前記導電体は、前記シールの幅の少なくとも一部分内に分散された導電粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項4】
前記導電体は、前記シールの長さの少なくとも一部分内に分散された導電粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項5】
前記第2の導電層は、反射性であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項6】
前記導電体は、前記前部及び後部要素の両方の外周縁部の間に延び、かつその外周縁部上に設けられることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項7】
前記導電体は、電気的接触の目的で前記後部要素の前記後部表面上に連続経路を形成することを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項8】
前記導電体は、前記後部要素の前記後部表面上で第2の導電体と接触するように構成されることを特徴とする請求項7に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項9】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項10】
車両のためのエレクトロクロミック可変反射率ミラーであって、
前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、
導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、
前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
少なくとも前記前部要素の周囲の回りに配置され、該前部要素の前記前部表面の一部の上に延びて約4mm又はそれ以下の幅を備えた前部リップ部を有するベゼルと、
を含むことを特徴とするミラー。
【請求項11】
前記ベゼルは、約3.6mm又はそれ以下の幅を有することを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミックミラー。
【請求項12】
前記前部要素の前記後部表面及び前記後部要素の前記前部表面の一方は、ぼってりした継ぎ目を形成するためにその周縁部の近くにテーパが付けられ、
前記シールの少なくとも一部分は、前記ぼってりした継ぎ目に設けられる、
ことを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミックミラー。
【請求項13】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミックミラー。
【請求項14】
前記第1の導電層の一部分を前記第2の導電層の一部分に電気的に結合するために設けられた導電体を更に含むことを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミックミラー。
【請求項15】
前記ベゼルの前記前部リップ部は、前記シールの全てに亘って延びるのに十分な幅を有することを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミックミラー。
【請求項16】
前記ベゼルの前記前部リップ部は、前記シールの最も内側の縁部を約0.5mm超えて延びるのに十分な幅を有することを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミックミラー。
【請求項17】
車両のためのエレクトロクロミック可変反射率ミラーであって、
前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、
導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、
前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合してチャンバを形成するために設けられたシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
前記要素の少なくとも1つの周囲の回りに配置されたエラストマー性ベゼルと、
を含むことを特徴とするミラー。
【請求項18】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項17に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項19】
前記第1の導電層の一部分を前記第2の導電層の一部分と電気的に結合するために設けられた導電体を更に含むことを特徴とする請求項17に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項20】
前記ベゼルは、約72,000psiよりも小さい引張係数を有する材料で作られることを特徴とする請求項17に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項21】
前記エラストマー性ベゼルは、少なくとも前記前部要素の周囲の回りに配置されることを特徴とする請求項17に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項22】
前記エラストマー性ベゼルの周囲は、前記第1の要素の周囲よりも小さいことを特徴とする請求項21に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項23】
エレクトロクロミック装置を製造する方法であって、
周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素を設ける段階と、
周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素を設ける段階と、
導電材料を前記周縁部の少なくとも1つの少なくとも一部分にコーティングする段階と、
チャンバを形成するために前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合するように準備されたシールを設ける段階と、
エレクトロクロミック材料を前記チャンバ内に分配する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記第1及び第2の導電層の間に該導電層の少なくとも一方と電気的に接触して導電ワイヤを置く段階を更に含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記前部要素の前記前部表面の周囲区域は、前記シールの姿を目立たなくするように修正されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の導電層の一部分を前記第2の導電層の一部分と電気的に結合するための導電体を設ける段階を更に含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項28】
周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、 周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、 チャンバを形成するために前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合するように準備されたシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
前記第1及び第2の導電層の間に該導電層の少なくとも一方と電気的に接触して配置された導電ワイヤ又はストリップと、
を含むことを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項29】
前記導電ワイヤは、複数の撚線ストランドを含むことを特徴とする請求項28に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項30】
前記撚線ストランドは、少なくとも2つの異なる材料で作られることを特徴とする請求項29に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項31】
前記ワイヤは、前記第1の導電層に電気的に結合され、
前記第2の導電層に電気的に結合された第2のワイヤ、
を更に含むことを特徴とする請求項28に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項32】
前記ワイヤは,前記シールによって互いに隔離されることを特徴とする請求項31に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項33】
前記ワイヤは,導電材料でコーティングされることを特徴とする請求項31に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項34】
前記前部要素の前記後部表面及び前記後部要素の前記前部表面の一方は、ぼってりした継ぎ目を形成するためにその周縁部の近くにテーパが付けられ、
前記シールの少なくとも一部分及び前記導電ワイヤは、前記ぼってりした継ぎ目に設けられる、
ことを特徴とする請求項31に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項35】
前記前部要素の前記前部表面の周囲区域は、前記シールの姿を目立たなくするように修正されることを特徴とする請求項31に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項36】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項31に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項37】
周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、 周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、 チャンバを形成するために前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合するように準備された、少なくとも2つの導電領域を有するシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
を含むことを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項38】
前記導電領域は、前記シールの非導電領域によって分離されることを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項39】
前記導電領域は、充填ポートによって分離されることを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項40】
前記シールは、前記導電領域と前記エレクトロクロミック媒体の間に配置された非導電性内側部分を有することを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項41】
前記シールの前記導電領域は、導電エポキシで作られることを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項42】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項43】
前記シールの前記導電領域は、前記シールの長さの全てよりも少なく延びていることを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項44】
前記シールの前記導電領域は、前記シールの幅の全てよりも少なく延びていることを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項45】
前記前部要素の前記後部表面及び前記後部要素の前記前部表面の一方は、ぼってりした継ぎ目を形成するためにその周縁部の近くにテーパが付けられ、
前記シールは、前記ぼってりした継ぎ目に設けられる、
ことを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項46】
前記第1及び第2の導電層の間に該導電層の少なくとも一方と電気的に接触して設けられた導電ワイヤを更に含むことを特徴とする請求項37に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項47】
周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、 周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、 チャンバを形成するために前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合するように準備された、少なくとも1つの導電領域を有するシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
を含み、
前記シールの前記導電領域は、前記シールの高さの全てよりも少なく延びている、
ことを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項48】
前記前部要素の前記前部表面の周囲区域は、前記シールの姿を目立たなくするように修正されることを特徴とする請求項47に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項49】
前記シールは、前記導電領域と前記エレクトロクロミック媒体の間に配置された非導電性内側部分を有することを特徴とする請求項47に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項50】
前記シールの前記導電領域は、導電エポキシで作られることを特徴とする請求項47に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項51】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項47に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項52】
前記シールは、非導電領域によって分離された2つの導電領域を含むことを特徴とする請求項47に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項53】
前記非導電領域は、絶縁ストリップを含み、
前記導電領域は、前記絶縁ストリップの一方の側に付加された第1の導電ストリップと、該絶縁ストリップの反対側に付加された第2の導電ストリップとを含む、
ことを特徴とする請求項52に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項54】
前記導電領域の各々は、導電エポキシのコーティングを更に含むことを特徴とする請求項53に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項55】
周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、 周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、 密封チャンバを前記前部及び後部要素の間に形成するために、該前部及び後部要素の両方に設けられたシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
を含み、
前記シールは、前記前部及び後部要素の少なくとも一方の周縁部に結合された薄い部材を含む、
ことを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項56】
前記薄い部材は、フィルム、薄いガラス、及びホイルのストリップの1つを含むことを特徴とする請求項55に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項57】
前記薄い部材は、導電性であり、前記導電材料の第1及び第2の層に電流を通過させるための電気的バスとして機能することを特徴とする請求項55に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項58】
前記薄い部材は、導電性接着剤によって前記周縁部に結合されることを特徴とする請求項55に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項59】
前記薄い部材は、前記前部及び後部要素の両方の周縁部に結合されることを特徴とする請求項55に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項60】
周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、 周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、 密封チャンバを前記前部及び後部要素の間に形成するために、該前部及び後部要素の両方に設けられたシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
を含み、
前記シールは、主として前記前部及び後部要素の周縁部上に設けられる、
ことを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項61】
前記シールは、2.0cm3・mm/m2・day・atmよりも小さい酸素浸透率を有する第1の材料を含むことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項62】
前記シールは、第2の材料を用いて前記前部及び後部要素の周縁部に接着されることを特徴とする請求項61に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項63】
前記第2の材料は、前記第1の材料よりも高い酸素浸透率を有することを特徴とする請求項62に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項64】
前記第1の材料は、金属、金属合金、プラスチック、ガラス、及びその組合せの群から選択されることを特徴とする請求項61に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項65】
前記シールは、金属、金属合金、プラスチック、ガラス、及びその組合せを含むことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項66】
前記シールは、導電性接着剤を含むことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項67】
前記シールは、導電エポキシを含むことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項68】
前記シールは、前記第1及び第2の層の少なくとも一方との電気的接触を行う導電材料を含むことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項69】
前記シールは、前記前部要素と、該前部要素の前記周縁部及び前記後部表面上の両方で接触し、
前記シールが前記前部要素の前記周縁部に接触する第1の接触区域は、該シールが該前部要素の前記後部表面に接触する第2の接触区域よりも大きい、
ことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項70】
前記シールは、前記後部要素と、該後部要素の前記周縁部及び前記前部表面上の両方で接触し、
前記シールが前記後部要素の前記周縁部に接触する第1の接触区域は、該シールが該後部要素の前記前部表面に接触する第2の接触区域よりも大きい、
ことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項71】
前記シールと前記前部要素の間のインタフェースは、酸素が前記チャンバに入るために通過して移動すべきである酸素浸透経路長を形成し、
前記前部要素の前記周縁部に沿って延びる前記経路長の部分は、該前部要素の前記後部表面に沿って延びる前記経路長の部分よりも長い、
ことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項72】
前記シールと前記後部要素の間のインタフェースは、酸素が前記チャンバに入るために通過して移動すべきである酸素浸透経路長を形成し、
前記後部要素の前記周縁部に沿って延びる前記経路長の部分は、該後部要素の前記前部表面に沿って延びる前記経路長の部分よりも長い、
ことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項73】
前記シールは、前記前部及び後部要素の周縁部に結合された薄い部材を含むことを特徴とする請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項74】
前記薄い部材は、フィルム、薄いガラス、及びホイルのストリップの1つを含むことを特徴とする請求項73に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項75】
前記薄い部材は、導電性であり、前記導電材料の第1及び第2の層に電流を通過させるための電気的バスとして機能することを特徴とする請求項73に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項76】
周縁部と前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面とを有する前部要素と、 周縁部と導電材料の第2の層が配置された前部表面と後部表面とを有する後部要素と、 密封チャンバを前記前部及び後部要素の間に形成するために該前部及び後部要素の両方の周縁部上に設けられ、約2.0cm3・mm/m2・day・atmよりも小さい酸素浸透率を有する第1の材料を含むシールと、
前記チャンバ内に配置されたエレクトロクロミック材料と、
を含むことを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項77】
前記シールは、第2の材料を用いて前記前部及び後部要素の前記周縁部に接着されることを特徴とする請求項75に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項78】
前記第2の材料は、前記第1の材料よりも高い酸素浸透率を有することを特徴とする請求項76に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項79】
前記第1の材料は、金属、金属合金、プラスチック、ガラス、及びその組合せの群から選択されることを特徴とする請求項76に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項80】
前記前部及び後部要素は、どの横方向にも0.5mmよりも小さいオフセットで実質的に整列していることを特徴とする請求項76に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項81】
前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面と周縁部とを含む前部要素と、
前部表面と導電材料の第2の層が配置された後部表面と周縁部とを含む第2の要素と、 主として前記前部及び後部要素の前記周縁部上にあり、チャンバを形成するために該要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合するために設けられたシールと、
を含むことを特徴とする電気光学要素。
【請求項82】
前記シールは、全体的に前記前部及び後部要素の前記周縁部上にあることを特徴とする請求項81に記載の電気光学要素。
【請求項83】
前記シールは、前記第1の導電層の一部分と接触することを特徴とする請求項81に記載の電気光学要素。
【請求項84】
前記シールは、前記第2の導電層の一部分と接触することを特徴とする請求項82に記載の電気光学要素。
【請求項85】
前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面と周縁部とを含む前部要素と、
前部表面と導電材料の第2の層が配置された後部表面と周縁部とを含む第2の要素と、 チャンバを形成するために前記要素を間隔の空いた関係で互いに密封可能に結合するために設けられたシールと、
ベゼルが、前記後部要素の前記周縁部と平行に延び、かつ前記前部要素の前記前部表面のどの部分も覆わないように構成されたキャリアプレート及びベゼルと、
を含むことを特徴とする電気光学アセンブリ。
【請求項86】
前記キャリアプレート及び前記ベゼルは、実質的に同じ材料で同時成形されることを特徴とする請求項84に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項87】
第1の材料を含む前記ベゼルは、第2の材料のキャリアプレートと同時成形されることを特徴とする請求項85に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項88】
前記キャリアプレートは、感圧接着剤により前記後部要素の前記後部表面に取り付けられることを特徴とする請求項85に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項89】
前記キャリアプレートは、前記後部及び/又は前部要素に付随する周囲の少なくとも一部分との前記ベゼルの協働を通じて、該後部要素に対して望ましい位置に保持されることを特徴とする請求項85に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項90】
前部表面と導電材料の第1の層が配置された後部表面と周縁部とを含む前部要素と、
前部表面と導電材料の第2の層が配置された後部表面と周縁部とを含む第2の要素と、 前記後部要素の前記周縁部と平行に延びる第1の部分と、該後部要素の前記後部表面と平行に延びる第2の部分とを含む少なくとも1つのL字形クリップと、
を含むことを特徴とする電気光学アセンブリ。
【請求項91】
前記少なくとも1つのL字形クリップは、前記第1の導電層と電気的に接触していることを特徴とする請求項89に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項92】
前記第1の導電層は、前記前部要素の前記周縁部上に延びる部分を含むことを特徴とする請求項90に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項93】
前記第1の導電層と前記L字形クリップの前記第1の部分とに電気的に接触している導電エポキシを更に含むことを特徴とする請求項91に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項94】
前記少なくとも1つのL字形クリップは、前記第2の導電層と電気的に接触していることを特徴とする請求項89に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項95】
前記第1の導電層は、前記後部要素の前記周縁部上に延びる部分を含むことを特徴とする請求項93に記載の電気光学アセンブリ。
【請求項96】
前記第2の導電層と前記L字形クリップの前記第1の部分とに電気的に接触している導電エポキシを更に含むことを特徴とする請求項94に記載の電気光学アセンブリ。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図21D】
【図21E】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29A】
【図29B】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図21D】
【図21E】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29A】
【図29B】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2011−103005(P2011−103005A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4544(P2011−4544)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【分割の表示】特願2004−541882(P2004−541882)の分割
【原出願日】平成15年9月29日(2003.9.29)
【出願人】(500115826)ジェンテックス コーポレイション (46)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【分割の表示】特願2004−541882(P2004−541882)の分割
【原出願日】平成15年9月29日(2003.9.29)
【出願人】(500115826)ジェンテックス コーポレイション (46)
【Fターム(参考)】
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