説明

基礎・土間一体打ち工法

【課題】 特殊な型枠を使用することなく、布基礎とこれに隣接する土間のコンクリート打設を同じ日に行うことができる基礎・土間一体打ち工法、およびこの工法に使用される堰板固定治具を提供する。
【解決手段】 布基礎、およびこの布基礎に隣接するコンクリート製の土間を打設する施工方法であって、布基礎の型枠1,2を設置する過程と、前記型枠1に沿って配置されて土間コンクリートをせき止める堰板5を堰板固定治具6により前記型枠1に固定する過程と、前記型枠1,2内および前記堰板5で仕切られた土間領域へのコンクリートの打設を行う過程とを含む。堰板5は、布基礎長さ方向に延びて短辺方向が立ち姿勢とされる矩形状である。堰板固定治具6は、下部金物7と上部金物8とでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、布基礎、およびこの布基礎に隣接するコンクリート製の土間を打設する基礎・土間一体打ち工法、およびこの工法に用いる堰板固定治具に関する。
【背景技術】
【0002】
布基礎に隣接してコンクリート製の土間を打設する従来の施工方法としては、図10に示す方法が一般的である。先ず図10(A)のように布基礎の型枠41,42内にコンクリート43を打設し、同図(B)のように脱型・埋め戻しを行う。この後、同図(C)のように土間コンクリート44を打設する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−206244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来方法の場合、布基礎のコンクリート43の硬化を待って、土間コンクリート44を打設することが必要であり、両コンクリート43,44の打設を同じ日に行うことができない。そのため、コンクリートの打設を、布基礎と土間とに分けて、施工日を変え、2回行うことになる。このため、コンクリートポンプ車の費用が2回分必要でコスト増を招くという問題がある。
【0005】
他の施工方法として、図11のように、布基礎の立ち上がり部を成形する型枠41のうち、土間側に配置する型枠41Aとして特殊な形状のものを使用することで、布基礎と土間のコンクリート打設を1回で行う方法もある。この場合、1回のコンクリート打設で布基礎と土間を成形できるのでコンクリートポンプ車の費用は節約できるが、型枠の種類が増加するためコストを低減することはできない。
【0006】
このほか、布基礎の成形に通常の型枠を使用して、布基礎と土間のコンクリート打設を1回で行う施工方法も提案されているが、この場合、土間のコンクリートをせき止める機構が複雑で、脱型に時間がかかるという問題がある。
【0007】
この発明の目的は、特殊な型枠を使用することなく、布基礎とこれに隣接する土間のコンクリート打設を同じ日に行うことができる基礎・土間一体打ち工法、およびこの工法に使用される堰板固定治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の基礎・土間一体打ち工法は、布基礎、およびこの布基礎に隣接するコンクリート製の土間を打設する施工方法であって、布基礎の型枠を設置する過程と、前記型枠に沿って配置されて土間コンクリートをせき止める堰板を堰板固定治具により前記型枠に固定する過程と、前記型枠内および前記堰板で仕切られた土間領域へのコンクリートの打設を行う過程とを含み、前記堰板は、布基礎長さ方向に延びて短辺方向が立ち姿勢とされる矩形状であり、前記堰板固定治具は、下部金物と上部金物とでなり、前記下部金物は、前記型枠の外面側に沿って立ち上がる立片と、この立片の背面から突出し前記型枠に係止される型枠係止片と、前記立片の下端から土間側へ延びて前記堰板の下端を受ける受け片と、この受け片の突出方向の中間から上方へ突出して前記堰板の前記型枠側を向く面の下端を当接させる下端位置決め突起と、前記立片の上端に設けられて前記上部金物を係止する上部金物係止部とを有し、前記上部金物は、前記上部金物係止部に係止される被係止部を有し土間側へ延びる上部金物本体片と、この上部金物本体片の下面に互いに堰板の厚さ分だけ離れて突出し互いの間に前記堰板の上端を挟み込む一対の上端位置決め突起とを有することを特徴とする。
【0009】
この工法によると、土間コンクリートをせき止める堰板を布基礎の型枠に沿って配置し、その堰板を堰板固定治具により前記型枠に固定する。そのため、布基礎の型枠として特殊な型枠を用いることなく、布基礎とこれに隣接する土間のコンクリート打設を同じ日に行うことができて工期短縮が可能になる。堰板は必要となるが、この堰板は矩形状であれば良くて、特殊な形状のものは不要であり、建築現場で足場に使用されている足場板等を利用することができる。また、コンクリートポンプ車の使用回数を1回で済ませることができ、型枠の種類も増やさずに対応できるため、コスト低減が可能となる。さらに、堰板の型枠への固定を、ボルト等の締結具を用いず上記構成の堰板固定治具で行うので、脱型時における堰板の脱型も容易に行うことができる。
【0010】
前記堰板として、建築現場で足場として使用する足場板を用いる場合は、特別な堰板を用意する必要がなく、この点でも型枠の種類を増やさずに済ませることができる。堰板として用いる上記足場板は、施工前や脱型後に足場に使用されるものであっても、足場板として市販や準備されているものと同じものを、堰板に専用に用いるようにしても良い。
【0011】
この発明において、前記下部金物の前記上部金物係止部が、前記立片の上端付近から突出して前記上部金物を受ける上部金物受け片と、前記立片の前記上部金物受け片よりも上方に突出した部分とでなり、前記上部金物の前記被係止部が、前記上部金物本体片に設けられて前記下部金物の上端を貫通させ開口周縁が前記上部金物受け片で受けられる貫通孔からなるものであっても良い。
この構成の場合、上部金物を上方に持ち上げるだけで、上部金物を下部金物から引き抜くことができる。そのため、堰板の脱型時の堰板固定治具の取り外しを容易に行うことができる。
【0012】
この発明の基礎・土間一体打ち用堰板固定治具は、布基礎、およびこの布基礎に隣接するコンクリート製の土間を打設するときに、基礎の型枠に沿って配置されて土間コンクリートをせき止める堰板を前記型枠に固定する治具であって、下部金物と上部金物とでなり、前記下部金物は、前記型枠の外側面に沿って立ち上がる立片と、この立片の背面から突出し前記型枠に係止される型枠係止片と、前記立片の下端から土間側へ延びて前記堰板の下端を受ける受け片と、この受け片の突出方向の中間から上方へ突出して前記堰板の前記型枠側を向く面の下端を当接させる下端位置決め突起と、前記立片の上端に設けられて前記上部金物を係止する上部金物係止部とを有し、前記上部金物は、前記上部金物係止部に係止される被係止部を有し土間側へ延びる上部金物本体片と、この上部金物本体片の下面に互いに堰板の厚さ分だけ離れて突出し互いの間に前記堰板の上端を挟み込む一対の上端位置決め突起とを有することを特徴とする。
この構成によると、下部金物をその型枠係止片で布基礎の型枠に係止させ、下部金物の上部金物係止部に上部金物を係止させる。また、下部金物の下端位置決め突起に堰板の型枠側を向く面を当接させ、上部金物の一対の上端位置決め突起で堰板の上端を挟み込むようにしている。このため型枠への堰板の固定と堰板の脱型を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明の基礎・土間一体打ち工法は、布基礎、およびこの布基礎に隣接するコンクリート製の土間を打設する施工方法であって、布基礎の型枠を設置する過程と、前記型枠に沿って配置されて土間コンクリートをせき止める堰板を堰板固定治具により前記型枠に固定する過程と、前記型枠内および前記堰板で仕切られた土間領域へのコンクリートの打設を行う過程とを含み、前記堰板は、布基礎長さ方向に延びて短辺方向が立ち姿勢とされる矩形状であり、前記堰板固定治具は、下部金物と上部金物とでなり、前記下部金物は、前記型枠の外面側に沿って立ち上がる立片と、この立片の背面から突出し前記型枠に係止される型枠係止片と、前記立片の下端から土間側へ延びて前記堰板の下端を受ける受け片と、この受け片の突出方向の中間から上方へ突出して前記堰板の前記型枠側を向く面の下端を当接させる下端位置決め突起と、前記立片の上端に設けられて前記上部金物を係止する上部金物係止部とを有し、前記上部金物は、前記上部金物係止部に係止される被係止部を有し土間側へ延びる上部金物本体片と、この上部金物本体片の下面に互いに堰板の厚さ分だけ離れて突出し互いの間に前記堰板の上端を挟み込む一対の上端位置決め突起とを有するものとしたため、特殊な型枠を使用することなく、布基礎とこれに隣接する土間のコンクリート打設を同じ日に行うことができ、工期の短縮とコスト低減が可能となる。
【0014】
この発明の基礎・土間一体打ち用堰板固定治具は、布基礎、およびこの布基礎に隣接するコンクリート製の土間を打設するときに、基礎の型枠に沿って配置されて土間コンクリートをせき止める堰板を前記型枠に固定する治具であって、下部金物と上部金物とでなり、前記下部金物は、前記型枠の外側面に沿って立ち上がる立片と、この立片の背面から突出し前記型枠に係止される型枠係止片と、前記立片の下端から土間側へ延びて前記堰板の下端を受ける受け片と、この受け片の突出方向の中間から上方へ突出して前記堰板の前記型枠側を向く面の下端を当接させる下端位置決め突起と、前記立片の上端に設けられて前記上部金物を係止する上負金物係止部とを有し、前記上部金物は、前記上部金物係止部に係止される被係止部を有し土間側へ延びる上部金物本体片と、この上部金物本体片の下面に互いに堰板の厚さ分だけ離れて突出し互いの間に前記堰板の上端を挟み込む一対の上端位置決め突起とを有するものとしたため、この発明の基礎・土間一体打ち工法に使用して、型枠への堰板の固定と堰板の脱型を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の基礎・土間一体打ち工法の一実施形態の前半工程を示す説明図である。
【図2】同基礎・土間一体打ち工法の後半工程を示す説明図である。
【図3】(A)は同基礎・土間一体打ち工法に使用される堰板固定治具の分解斜視図、(B)は同堰板固定治具の組立状態を示す斜視図である。
【図4】同基礎・土間一体打ち工法における堰板の固定過程を示す説明図である。
【図5】同基礎・土間一体打ち工法における堰板固定治具の型枠への取り付け状態を示す説明図である。
【図6】同基礎・土間一体打ち工法による土間コンクリートの完成形状の一例を示す説明図である。
【図7】同基礎・土間一体打ち工法による土間コンクリートの完成形状の他の例を示す説明図である。
【図8】同基礎・土間一体打ち工法の他の実施形態の説明図である。
【図9】同基礎・土間一体打ち工法における堰板の固定過程を示す説明図である。
【図10】従来例の説明図である。
【図11】他の従来例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の一実施形態を図1ないし図7と共に説明する。この基礎・土間一体打ち工法は、布基礎、およびこの布基礎に隣接するコンクリート製の土間を打設する施工方法である。対応する建物は、事務所ビル、店舗建物、集合住宅、一般住宅等である。この施工方法では、先ず図1(A)のように、布基礎の型枠1,2を、地盤上面レベルGL下に掘削された根切り溝の底面上に設置する。布基礎の立ち上がり部を成形する型枠1は、鋼製型枠等のメタル型枠からなる通常の形状のものを使用する。布基礎のベース部を成形する型枠2は、土間とは反対側で通常の形状のものを使用し、土間側にはこの段階で設置しない。布基礎の型枠1,2内には、鉄筋3およびアンカーボルト4を配置する。
【0017】
次に、図1(B)のように、布基礎の立ち上がり部を成形する型枠1の土間側に、この型枠1に沿って土間コンクリートをせき止める堰板5を配置し、この堰板5を堰板固定治具6で前記型枠1に固定する。堰板5は、布基礎長さ方向に延びて短辺方向が立ち姿勢とされる矩形状である。堰板5として、ここでは建築現場で使用される足場板を用いる。この堰板5とすなる足場板は、施工前や脱型後に足場に使用されるものであっても、また、足場板として市販や準備されているものと同じものを、堰板に専用に用いるようにしても良い。
【0018】
図3(A)は前記堰板固定治具6の分解斜視図を示し、図3(B)はその組付状態の斜視図を示す。この堰板固定治具6は、いずれも鋼製とした下部金物7と上部金物8とでなる。下部金物7は、前記型枠1の外側面に沿って立ち上がる立片9と、この立片9の中央高さ部よりも上方で背面から突出し前記型枠1に係止される型枠係止片10と、前記立片9の下端から土間側へ延びて前記堰板5の下端を受ける受け片11とを有する。この受け片11の突出方向の中間から上方へ突出して、前記堰板5の前記型枠1側を向く面の下端を当接させる下端位置決め突起12と、前記立片7の上端に設けられて前記上部金物8を係止する上部金物係止部13とが設けられている。前記型枠係止片10は、断面L字状に形成されている。前記上部金物係止部13は、立片9の上端付近から前記型枠1側に向けて突出した上部金物受け片13aと、立片9の前記上部金物受け片13aが突出する位置よりも上方に突出した突出部分13bとでなる。この突出部分13bは、立片9の本体部よりも狭幅に形成されている。
【0019】
前記上部金物8は、下部金物7の上部金物係止部13に係止される被係止部15を有し土間側へ延びる上部金物本体片14と、この上部金物本体片14の下面に互いに堰板5の厚さ分だけ離れて突出し互いの間に前記堰板5の上端を挟み込む一対の上端位置決め突起16,17とを有する。前記被係止部15は、上部金物本体片14に設けられた貫通孔からなり、これに図3(B)のように下部金物7の上端を貫通させることで、その開口周縁が下部金物7における上部金物係止部13の上部金物受け片13aで受けられる。上部金物本体片14の先端に位置する上端位置決め突起17は、上部金物本体片14の上面側にも突出している。また、上部金物本体片14の前記型枠1側に向く先端には、型枠1に当接させる位置決め突起18が設けられている。このような堰板固定治具6の構成により、型枠1への堰板5の固定を容易に行うことができる。
【0020】
図4は、堰板固定治具6により堰板5を型枠1に固定した状態を拡大断面図で示している。堰板固定治具6における下部金物7の型枠係止片10は、図5のように隣接して配置される2枚の型枠1,1を連結する接続金具19の連結ピン20に係止される。この場合の接続金具19は、隣接して配置される型枠1,1の端部の各リブ1aに形成された横向きのピン挿通孔22に挿通される前記連結ピン20と、この連結ピン20の中間部から径方向に伸びたU字状で前記両リブ1aが重なり合う部分を挟む挟持部材21とを有する。
【0021】
上記したように堰板5を設置した後、図1(B)のように、布基礎のベース部を成形する土間側の型枠として、基礎底から立ち上がり前記堰板5の土間側の側面に当接するように断面L字状の型枠プレート23を配置する。型枠プレート23は、鋼板等の薄板からなる。
【0022】
次に、図1(C)のように、前記堰板5と前記型枠プレート23とでせき止められた土間側の空間に土を埋め戻しその表面を転圧してから、図2(A)のように布基礎の型枠1,2内と、堰板5で仕切られた土間領域とにコンクリートの打設を行う。これにより、布基礎31と土間32のコンクリート打設を同じ日に行うことができ、コンクリートポンプ車の使用を1回で済ませることができる。
【0023】
この後、コンクリートの養生後に、図2(B)のように、布基礎成形用の型枠1,2、および土間成形用の堰板5を脱型する。土間側のベース部成形型枠となる型枠プレート23は、そのまま残す。堰板5の脱型においては、先ず堰板固定治具6の上部金物8を下部金物7から上方に引き抜いて取り外し、次に堰板5を上方に引き抜いて下部金物7から取り外し、最後に下部金物7を上方に引き抜くことで、容易に堰板5を脱型することができる。この場合、上部金物8を上方に持ち上げるだけで、上部金物8を下部金物7から引き抜くことができるので、堰板5の脱型時の堰板固定治具6の取り外しを容易に行うことができる。
【0024】
最後に、図2(C)のように、成形された布基礎31の土間32とは反対側の空間に土を埋め戻して布基礎31と土間32の施工が完了する。土間32の最終形状として、例えば図6のように、先の工程で成形された土間32の先端と布基礎31との間に残る空間にコンクリートを打設して、土間32の先端に布基礎31の立ち上がり部31aからベース部31bにわたって接触する追加部32Aを成形しても良い。また、図7のように、先の工程で成形された土間32の先端と布基礎31との間に残る空間に地盤上面レベルGLまで土を埋め戻して、その上に土間32の先端から布基礎31の立ち上がり部31aに当接する延長部32Bを追加形成しても良い。追加部32Aや延長部32Bは、使用コンクリート量が少ないので、コンクリートポンプ車を用いずに、手作業で簡単に行うことができる。
【0025】
以上のように、この基礎・土間一体打ち工法によると、特殊な型枠を使用することなく、布基礎31とこれに隣接する土間32のコンクリート打設を同じ日に行うことができ、工期の短縮とコスト低減が可能となる。
また、この工法に上記構成の堰板固定治具5を用いることによって、布基礎の型枠1への堰板5の固定と堰板5の脱型を容易に行うことができる。
【0026】
図8および図9は、この発明の基礎・土間一体打ち工法の他の実施形態を示す。この実施形態では、堰板固定治具6として図9に断面図で示す構成のものを使用している。この場合の堰板固定治具6では、その下部金物7において、上部金物係止部13が突出部分13bのみからなり、図3における上部金物受け片13aは省略されている。しかし、突出部分13bは立片9の本体部分よりの狭幅に形成されているので、立片9の本体部分から前記突出部分13bへ至る肩部が前記上部金物受け片13aの役割を担うため、上部金物8における被係止部15となる貫通孔の周縁部分を安定良く支持できる。また、上部金物8において、図3における位置決め突起18や、上端位置決め突起17の上方への突出部分を省略しているが、上部金物8の位置決めに支障をきたすことはない。その他の構成は、図3に示した堰板固定治具6の場合と同様であり、施工方法も先の実施形態の場合と同様である。
【符号の説明】
【0027】
1,2…型枠
5…堰板
6…堰板固定治具
7…下部金物
8…上部金物
9…立片
10…型枠係止片
11…受け片
12…下端位置決め突起
13…上部金物係止部
13a…上部金物受け片
13b…突出部分
14…上部金物本体片
15…被係止部
16,17…上端位置決め突起
19…接続金具
20…連結ピン
23…型枠プレート
31…布基礎
32…土間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
布基礎、およびこの布基礎に隣接するコンクリート製の土間を打設する施工方法であって、
布基礎の型枠を設置する過程と、
前記型枠に沿って配置されて土間コンクリートをせき止める堰板を堰板固定治具により前記型枠に固定する過程と、
前記型枠内および前記堰板で仕切られた土間領域へのコンクリートの打設を行う過程とを含み、
前記堰板は、布基礎長さ方向に延びて短辺方向が立ち姿勢とされる矩形状であり、
前記堰板固定治具は、下部金物と上部金物とでなり、
前記下部金物は、前記型枠の外面側に沿って立ち上がる立片と、この立片の背面から突出し前記型枠に係止される型枠係止片と、前記立片の下端から土間側へ延びて前記堰板の下端を受ける受け片と、この受け片の突出方向の中間から上方へ突出して前記堰板の前記型枠側を向く面の下端を当接させる下端位置決め突起と、前記立片の上端に設けられて前記上部金物を係止する上部金物係止部とを有し、
前記上部金物は、前記上部金物係止部に係止される被係止部を有し土間側へ延びる上部金物本体片と、この上部金物本体片の下面に互いに堰板の厚さ分だけ離れて突出し互いの間に前記堰板の上端を挟み込む一対の上端位置決め突起とを有する、
ことを特徴とする基礎・土間一体打ち工法。
【請求項2】
請求項1において、前記堰板が足場板である基礎・土間一体打ち工法。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記下部金物の前記上部金物係止部が、前記立片の上端付近から突出して前記上部金物を受ける上部金物受け片と、前記立片の前記上部金物受け片よりも上方に突出した部分とでなり、前記上部金物の前記被係止部が、前記上部金物本体片に設けられて前記下部金物の上端を貫通させ開口周縁が前記上部金物受け片で受けられる貫通孔からなる基礎・土間一体打ち工法。
【請求項4】
布基礎、およびこの布基礎に隣接するコンクリート製の土間を打設するときに、基礎の型枠に沿って配置されて土間コンクリートをせき止める堰板を前記型枠に固定する治具であって、
下部金物と上部金物とでなり、
前記下部金物は、前記型枠の外側面に沿って立ち上がる立片と、この立片の背面から突出し前記型枠に係止される型枠係止片と、前記立片の下端から土間側へ延びて前記堰板の下端を受ける受け片と、この受け片の突出方向の中間から上方へ突出して前記堰板の前記型枠側を向く面の下端を当接させる下端位置決め突起と、前記立片の上端に設けられて前記上部金物を係止する上部金物係止部とを有し、
前記上部金物は、前記上部金物係止部に係止される被係止部を有し土間側へ延びる上部金物本体片と、この上部金物本体片の下面に互いに堰板の厚さ分だけ離れて突出し互いの間に前記堰板の上端を挟み込む一対の上端位置決め突起とを有する、
ことを特徴とする基礎・土間一体打ち用堰板固定治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−38301(P2011−38301A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186245(P2009−186245)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【Fターム(参考)】