説明

報告書作成プログラム、記録媒体および報告書作成方法

【課題】診断医が主治医へ提出する報告書について、統一的な作成基準に基づき質に差が生じず、他のデータとの関連性まで考慮され、根拠となる論文等の関連情報を引用できる報告書を作成する報告書作成プログラム等を提供する。
【解決手段】報告書は定型文といずれか1以上のDBから得られるデータを埋め込む埋込み部分とから構成され、報告書作成部9は各DBに記録された内容を検索し埋込み部分に埋め込むことにより文を作成する。報告書作成部9は、責任冠動脈とセグメントとの対応を定めた対応表から取得したセグメント中で、血流側SPECT検査分類部10により虚血又は梗塞と分類された各セグメントの数を求め、その数に応じて虚血又は梗塞の範囲を決める範囲決定部16と、SPECT負荷スコアリングデータ中の最大値とSPECT安静スコアリングデータ中の最大値との組合せに応じて血流欠損の程度を決定する程度決定部17とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療分野における報告書の作成をコンピュータに実行させるための報告書作成プログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野において、診断医は種々の薬品を使用して患者の診断を行い、その結果の報告書を主治医へ提出している(非特許文献1参照)。この報告書は病院、診断医等により様々な形式、内容となっており、内容および分量共に充実した報告書を作成する診断医もいれば、メモ程度の報告書を作成する診断医もいる。
【0003】
診断医は、診断を行った結果、あるデータが得られた場合であっても、他のデータとの関連性を考慮した上で報告書を作成している。
【0004】
診断医は、さらに、必要に応じて報告書の根拠となる論文等を報告書に引用することもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、診断医が主治医へ提出する報告書は、病院、診断医等により様々な形式、内容となっており、統一的な作成基準がなかったため、報告書の質にかなり差が生じてしまうという問題があった。経験を積んだ診断医であれば、診断を行った結果、あるデータが得られた場合であっても、他のデータとの関連性を考慮した上で報告書を作成することができる。しかし、経験の浅い新人の診断医の場合、他のデータとの関連性まで考慮することなく単純な報告書を作成してしまうことが多いという問題があった。報告書の根拠となる論文等を報告書に引用することは、経験の浅い新人の診断医には事実上困難であり、多忙な経験を積んだ診断医にとっても時間的に困難な場合が多いという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、診断医が主治医へ提出する報告書について、統一的な作成基準に基づき質に差が生じない報告書を作成することができる報告書作成プログラム等を提供することにある。
【0007】
本発明の第2の目的は、経験の浅い新人の診断医であっても、他のデータとの関連性まで考慮したレベルの高い報告書を作成することができる報告書作成プログラム等を提供することにある。
【0008】
本発明の第3の目的は、報告書の根拠となる論文等の関連情報を報告書に引用することができる報告書作成プログラム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の報告書作成プログラムは、医療分野における報告書の作成をコンピュータに実行させるための報告書作成プログラムであって、コンピュータを、患者を識別し得る固有情報を患者情報データベースに記録する患者情報記録手段、患者の背景的検査情報を検査情報データベースに記録する検査情報記録手段、患者に関する前記医療分野固有の検査情報を固有検査情報データベースに記録する固有検査情報記録手段、患者に関する前記医療分野固有の部位の血流に関する所定の検査の検査条件及び検査結果を血流検査データベースに記録する血流検査記録手段、患者に関する前記医療分野固有の部位の機能に関する所定の検査の検査結果を機能検査データベースに記録する機能検査記録手段、前記患者情報記録手段により記録された患者情報データベース、前記検査情報記録手段により記録された検査情報データベース、前記固有検査情報記録手段により記録された固有検査情報データベース、前記血流検査記録手段により記録された血流検査データベース、前記機能検査記録手段により記録された機能検査データベースのいずれか1以上のデータベースを用いて所定の形式の報告書を作成し出力する報告書作成手段として機能させるための報告書作成プログラムである。
【0010】
ここで、この発明の報告書作成プログラムにおいて、前記報告書は前記医療分野において診断医が主治医へ提出する報告書とすることができる。
【0011】
ここで、この発明の報告書作成プログラムにおいて、前記医療分野は心臓核医学であり、前記医療分野固有の部位は心臓とすることができる。
【0012】
ここで、この発明の報告書作成プログラムにおいて、前記医療分野固有の検査情報は心電図情報であり、前記血流に関する所定の検査はSPECT検査であり、前記機能に関する所定の検査は心電図同期SPECT検査とすることができる。
【0013】
ここで、この発明の報告書作成プログラムにおいて、前記血流検査データベースは所定数のセグメントモデルによるSPECT負荷スコアリングデータとSPECT安静スコアリングデータとを含み、前記報告書作成手段は、前記SPECT負荷スコアリングデータ及びSPECT安静スコアリングデータと所定の血流側判断基準とに基づき、前記所定数のセグメントモデルにおける各セグメントを正常、虚血又は梗塞のいずれかのタイプに分類する血流側SPECT検査分類手段と、前記血流側SPECT検査分類手段により分類された結果を前記所定数のセグメントモデルに基づく所定の血流側出力形式で出力する血流側SPECT検査結果出力手段とを備えることができる。
【0014】
ここで、この発明の報告書作成プログラムにおいて、前記報告書作成手段は、責任冠動脈とセグメントとの対応を定めた対応表から責任冠動脈に対応するセグメントを取得し、取得したセグメント中で、前記血流側SPECT検査分類手段により虚血のタイプ又は梗塞のタイプと分類された虚血又は梗塞セグメントの数を各々求め、求められた虚血又梗塞セグメントの数に応じて虚血又は梗塞の範囲を決める範囲決定手段と、責任冠動脈とセグメントとの対応を定めた対応表から責任冠動脈に対応するセグメントを取得し、取得したセグメントについて、前記SPECT負荷スコアリングデータ中の最も大きい値と前記SPECT安静スコアリングデータ中の最も大きい値との組合せに応じて血流欠損の程度を決定する程度決定手段と、前記血流側SPECT検査分類手段により分類されたタイプ、該タイプについて前記範囲決定手段により決定された虚血又は梗塞の範囲、該タイプについて前記程度決定手段により決定された血流欠損の程度を含む血流欠損情報を所定の血流欠損情報形式で出力する血流欠損情報出力手段とをさらに備えることができる。
【0015】
ここで、この発明の報告書作成プログラムにおいて、前記報告書作成手段は、前記SPECT負荷スコアリングデータ及びSPECT安静スコアリングデータを前記所定数のセグメントモデルに基づく所定のSPECTスコア出力形式で出力するPSECTスコアリングデータ出力手段をさらに備えることができる。
【0016】
ここで、この発明の報告書作成プログラムにおいて、前記機能検査データベースは所定数のセグメントモデルによる心電図同期SPECT負荷スコアリングデータと心電図同期SPECT安静スコアリングデータとを含み、前記報告書作成手段は、負荷側では前記心電図同期SPECT負荷スコアリングデータと所定の機能側判断基準とに基づき前記所定数のセグメントモデルにおける各セグメントを所定のレベルに分類し、安静側では前記心電図同期SPECT安静スコアリングデータと所定の機能側判断基準とに基づき前記所定数のセグメントモデルにおける各セグメントを所定のレベルに分類する機能側SPECT検査分類手段と、前記機能側SPECT検査分類手段により負荷側及び/または安静側で分類された結果を所定の機能側出力形式で出力する機能側SPECT検査結果出力手段とを備えることができる。
【0017】
ここで、この発明の報告書作成プログラムにおいて、前記報告書作成手段は、前記心電図同期SPECT負荷スコアリングデータ及び心電図同期SPECT安静スコアリングデータを前記所定数のセグメントモデルに基づく所定の心電図同期スコア出力形式で出力する心電図同期スコアリングデータ出力手段をさらに備えることができる。
【0018】
ここで、この発明の報告書作成プログラムにおいて、報告書の記載内容に関連した情報を有する関連情報データベースをさらに備え、前記報告書作成手段は、報告書の記載内容と関連する情報を該関連情報データベースから検索して出力する関連情報出力手段をさらに備えることができる。
【0019】
この発明の記録媒体は、本発明のいずれかの報告書作成プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0020】
この発明の報告書作成方法は、医療分野における報告書をコンピュータを用いて作成させる報告書作成方法であって、患者を識別し得る固有情報を患者情報データベースに記録する患者情報記録ステップと、患者の背景的検査情報を検査情報データベースに記録する検査情報記録ステップと、患者に関する前記医療分野固有の検査情報を固有検査情報データベースに記録する固有検査情報記録ステップと、患者に関する前記医療分野固有の部位の血流に関する所定の検査の検査条件及び検査結果を血流検査データベースに記録する血流検査記録ステップと、患者に関する前記医療分野固有の部位の機能に関する所定の検査の検査結果を機能検査データベースに記録する機能検査記録ステップと、前記患者情報記録ステップで記録された患者情報データベース、前記検査情報記録ステップで記録された検査情報データベース、前記固有検査情報記録ステップで記録された固有検査情報データベース、前記血流検査記録ステップで記録された血流検査データベース、前記機能検査記録ステップで記録された機能検査データベースのいずれか1以上のデータベースを用いて所定の形式の報告書を作成し出力する報告書作成ステップとを備えたことを特徴とする。
【0021】
ここで、この発明の報告書作成方法において、前記報告書は前記医療分野において診断医が主治医へ提出する報告書とすることができる。
【0022】
ここで、この発明の報告書作成方法において、前記医療分野は心臓核医学であり、前記医療分野固有の部位は心臓とすることができる。
【0023】
ここで、この発明の報告書作成方法において、前記医療分野固有の検査情報は心電図情報であり、前記血流に関する所定の検査はSPECT検査であり、前記機能に関する所定の検査は心電図同期SPECT検査とすることができる。
【0024】
ここで、この発明の報告書作成方法において、前記血流検査データベースは所定数のセグメントモデルによるSPECT負荷スコアリングデータとSPECT安静スコアリングデータとを含み、前記報告書作成ステップは、前記SPECT負荷スコアリングデータ及びSPECT安静スコアリングデータと所定の血流側判断基準とに基づき、前記所定数のセグメントモデルにおける各セグメントを正常、虚血又は梗塞のいずれかのタイプに分類する血流側SPECT検査分類ステップと、前記血流側SPECT検査分類ステップで分類された結果を前記所定数のセグメントモデルに基づく所定の血流側出力形式で出力する血流側SPECT検査結果出力ステップとを備えることができる。
【0025】
ここで、この発明の報告書作成方法において、前記報告書作成ステップは、責任冠動脈とセグメントとの対応を定めた対応表から責任冠動脈に対応するセグメントを取得し、取得したセグメント中で、前記血流側SPECT検査分類ステップにより虚血のタイプ又は梗塞のタイプと分類された虚血又は梗塞セグメントの数を各々求め、求められた虚血又梗塞セグメントの数に応じて虚血又は梗塞の範囲を決める範囲決定ステップと、責任冠動脈とセグメントとの対応を定めた対応表から責任冠動脈に対応するセグメントを取得し、取得したセグメントについて、前記SPECT負荷スコアリングデータ中の最も大きい値と前記SPECT安静スコアリングデータ中の最も大きい値との組合せに応じて血流欠損の程度を決定する程度決定ステップと、前記血流側SPECT検査分類ステップで分類されたタイプ、該タイプについて前記範囲決定ステップで決定された虚血又は梗塞の範囲、該タイプについて前記程度決定ステップで決定された血流欠損の程度を含む血流欠損情報を所定の血流欠損情報形式で出力する血流欠損情報出力ステップとをさらに備えることができる。
【0026】
ここで、この発明の報告書作成方法において、前記報告書作成ステップは、前記SPECT負荷スコアリングデータ及び前記SPECT安静スコアリングデータを前記所定数のセグメントモデルに基づく所定のSPECTスコア出力形式で出力するPSECTスコアリングデータ出力ステップをさらに備えることができる。
【0027】
ここで、この発明の報告書作成方法において、前記機能検査データベースは所定数のセグメントモデルによる心電図同期SPECT負荷スコアリングデータと心電図同期SPECT安静スコアリングデータとを含み、前記報告書作成ステップは、負荷側では前記心電図同期SPECT負荷スコアリングデータと所定の機能側判断基準とに基づき前記所定数のセグメントモデルにおける各セグメントを所定のレベルに分類し、安静側では前記心電図同期SPECT安静スコアリングデータと所定の機能側判断基準とに基づき前記所定数のセグメントモデルにおける各セグメントを所定のレベルに分類する機能側SPECT検査分類ステップと、前記機能側SPECT検査分類ステップで負荷側及び/または安静側で分類された結果を所定の機能側出力形式で出力する機能側SPECT検査結果出力ステップとを備えることができる。
【0028】
ここで、この発明の報告書作成方法において、前記報告書作成ステップは、前記心電図同期SPECT負荷スコアリングデータ及び前記心電図同期SPECT安静スコアリングデータを前記所定数のセグメントモデルに基づく所定の心電図同期スコア出力形式で出力する心電図同期スコアリングデータ出力ステップをさらに備えることができる。
【0029】
ここで、この発明の報告書作成方法において、報告書の記載内容に関連した情報を有する関連情報データベースをさらに備え、前記報告書作成手段は、報告書の記載内容と関連する情報を該関連情報データベースから検索して出力する関連情報出力ステップをさらに備えることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の報告書作成プログラム等において、報告書は定型文と、患者を識別し得る固有情報を記録した患者情報DB、患者の背景的検査情報を記録した検査情報DBと、患者に関する心臓核医学分野に固有の部位である心臓の血流に関する所定の検査の検査条件および検査結果を記録した血流検査DB、患者に関する心臓核医学分野固有の部位である心臓の機能に関する所定の検査の検査結果を記録した機能検査DBのいずれか1以上のDBから得られるデータを埋め込む埋込み部分とから構成されており、定型文および埋込み部分は記録装置の報告書フォーマットDBに記録されている。報告書作成部は、患者情報DBに記録された患者の氏名、ID番号に対応させて各DBに記録された内容を検索し、埋込み部分に埋め込むことにより文を作成することができる。以上のように、本発明の報告書作成プログラム等によれば、報告書フォーマットDBに記録されている定型文と埋め込み部という統一的な作成基準を用いて報告書を作成することができるという効果がある。報告書作成部は単に検査結果を記載する文だけではなく、他のデータとの関連性まで考慮したレベルの高い文を作成することができる。報告書作成部は、血流検査DBから得られたSPECT負荷スコアリングデータおよびSPECT安静スコアリングデータと所定の血流側判断基準とに基づき、17セグメントモデルにおける各セグメントを正常、虚血または梗塞のいずれかのタイプに分類する血流側SPECT検査分類部と、血流側SPECT検査分類部により分類された結果を17セグメントモデルに基づく所定の血流側出力形式で出力する血流側SPECT検査結果出力部とを備えている。報告書作成部は、負荷側では機能検査DBから得られた心電図同期SPECT負荷スコアリングデータと所定の機能側判断基準とに基づき17セグメントモデルにおける各セグメントを所定のレベルに分類し、安静側では心電図同期SPECT安静スコアリングデータと所定の機能側判断基準とに基づき17セグメントモデルにおける各セグメントを所定のレベルに分類する機能側SPECT検査分類部と、機能側SPECT検査分類部により負荷側および/または安静側で分類された結果を所定の機能側出力形式で出力する機能側SPECT検査結果出力部とを備えている。報告書作成部は、SPECT負荷スコアリングデータおよびSPECT安静スコアリングデータを17セグメントモデルに基づく所定のSPECTスコア出力形式で出力するSPECTスコアリングデータ出力部を備えている。所定のSPECTスコア出力形式としては、17セグメントモデルと同じ表現形式で、各セグメント内にSPECT負荷スコアリングデータまたはSPECT安静スコアリングデータを記入する形式が好適である。報告書作成部は、心電図同期SPECT負荷スコアリングデータおよび心電図同期SPECT安静スコアリングデータを17セグメントモデルに基づく所定の心電図同期SPECTスコア出力形式で出力する心電図同期SPECTスコアリングデータ出力部を備えている。所定の心電図同期SPECTスコア出力形式としては、17セグメントモデルと同じ表現形式で、各セグメント内に心電図同期SPECT負荷スコアリングデータまたは心電図同期SPECT安静スコアリングデータを記入する形式が好適である。報告書作成部は、責任冠動脈とセグメントとの対応を定めた対応表から責任冠動脈に対応するセグメントを取得し、取得したセグメント中で、血流側SPECT検査分類部により虚血のタイプまたは梗塞のタイプと分類された虚血または梗塞セグメントの数を各々求め、求められた虚血または梗塞セグメントの数に応じて虚血または梗塞の範囲を決める範囲決定部と、責任冠動脈とセグメントとの対応を定めた対応表から責任冠動脈に対応するセグメントを取得し、取得したセグメントについて、SPECT負荷スコアリングデータ中の最も大きい値とSPECT安静スコアリングデータ中の最も大きい値との組合せに応じて血流欠損の程度を決定する程度決定部と、血流側SPECT検査分類部により分類されたタイプ、当該タイプについて範囲決定部により決定された虚血または梗塞の範囲、当該タイプについて程度決定部により決定された血流欠損の程度を含む血流欠損情報を所定の血流欠損情報形式で出力する血流欠損情報出力部とを備えている。記録装置は報告書の記載内容に関連した情報を有する関連情報DBを備えている。報告書作成部は、報告書の記載内容と関連する情報、例えば論文等を関連情報DBから検索して出力する関連情報出力部を備えている。このため、経験の浅い診断医であっても報告書の根拠となる論文等の関連情報を報告書に引用することができるという効果がある。以上より、本発明の報告書作成プログラム等によれば、診断医が主治医へ提出する報告書について、統一的な作成基準に基づき質に差が生じない報告書を作成することができ、経験の浅い新人の診断医であっても、他のデータとの関連性まで考慮したレベルの高い報告書を作成することができ、さらに、報告書の根拠となる論文等の関連情報を報告書に引用することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施例1における医療分野における報告書の作成をコンピュータに実行させるための報告書作成プログラムの機能および当該プログラムを実行する環境を示す図である。
【図2】患者を識別し得る固有情報を記録した患者情報DB21の内容を表示する画像30を示す図である。
【図3】図2の画像30に示される新規患者登録ボタン37をクリックすることにより呼び出された患者情報記録部4が、新規患者について患者を識別し得る固有情報を入力させる際に表示する画像40を示す図である。
【図4】患者の背景的検査情報を記録した検査情報DB22の内容を表示する画像50を示す図である。
【図5】固有検査情報記録部6が、患者に関する心臓核医学分野に固有の検査情報、即ち心電図情報を入力させる際に表示する画像60を示す図である。
【図6】血流検査記録部7が、患者の心臓の血流に関する所定の検査の検査条件を入力させる際に表示する画像70を示す図である。
【図7】血流検査記録部7が、患者の心臓の血流に関するSPECT検査条件を入力させる際に表示する他の画像75を示す図である。
【図8】17セグメントモデルを説明するための図である。
【図9】血流検査記録部7が、患者の心臓の血流に関するSPECT検査結果を入力させる際に表示する画像90を示す図である。
【図10】機能検査記録部8が、患者の心臓の機能に関するSPECT検査結果を入力させる際に表示する画像100を示す図である。
【図11】報告書作成部9により作成された報告書の一部110を示す図である。
【図12】所定の血流側判断基準を示す図である。
【図13】血流側SPECT検査結果出力部11が17セグメントモデルに基づく所定の血流側出力形式で出力する例を示す図である。
【図14】機能側SPECT検査結果出力部11が17セグメントモデルに基づく所定の機能側出力形式で出力する例を示す図である。
【図15】SPECTスコアリングデータ出力部14が17セグメントモデルに基づく所定のSPECTスコア出力形式でSPECT負荷スコアリングデータを出力する例を示す図である。
【図16】SPECTスコアリングデータ出力部14が17セグメントモデルに基づく所定のSPECTスコア出力形式でSPECT安静スコアリングデータを出力する例を示す図である。
【図17】心電図同期SPECTスコアリングデータ出力部15が17セグメントモデルに基づく所定の心電図同期SPECTスコア出力形式で心電図同期SPECT負荷スコアリングデータを出力する例を示す図である。
【図18】心電図同期SPECTスコアリングデータ出力部15が17セグメントモデルに基づく所定の心電図同期SPECTスコア出力形式で心電図同期SPECT安静スコアリングデータを出力する例を示す図である。
【図19】梗塞セグメントの数と範囲(欠損の大きさ)との関係を示す図である。
【図20】虚血または梗塞に応じて、SPECT負荷スコアリングデータ中の最も大きい値とSPECT安静スコアリングデータ中の最も大きい値との組合せ(「>」で示す。)と、決定される血流欠損の程度(欠損の重症度)との関係を示す図である。
【図21】血流欠損情報出力部18により所定の血流欠損情報形式で出力された例を示す図である。
【図22】報告書作成部9が出力する負荷検査の結果の例を示す図である。
【図23】本発明の報告書作成プログラムの機能の流れおよび本発明の医療分野における報告書をコンピュータを用いて作成させる報告書作成方法の流れを示すフローチャートである。
【図24】本発明の報告書作成プログラムを実行するコンピュータ1の内部回路140を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、各実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0033】
図1は、本発明の実施例1における医療分野における報告書の作成をコンピュータに実行させるための報告書作成プログラムの機能および当該プログラムを実行する環境を示す。図1において、符号1は本発明の報告書作成プログラムを実行するパーソナルコンピュータ等のコンピュータ、2はコンピュータ1のディスプレイ等の表示装置、3は報告書作成プログラムの機能を示す機能ブロック、20は報告書作成プログラムを実行する際に使用する種々のデータベースDBを記録したディスク等の記録装置である。本明細書では、報告書は医療分野において診断医が主治医へ提出する報告書であるものとし、当該医療分野は心臓核医学であり、当該医療分野固有の部位は心臓であるものとして説明する。しかし、本発明の報告書作成プログラム等が適用される医療分野は心臓核医学に限定されるものではない。以下、報告書作成プログラムの機能について、図1および図2以降の表示装置2に表示された画像を用いて説明していく。
図1の機能ブロック3に示されるように、符号4は、患者を識別し得る固有情報を患者情報DB(患者情報データベース)21に記録する患者情報記録部(患者情報記録手段)である。
【0034】
図2は、患者を識別し得る固有情報を記録した患者情報DB21の内容を表示する画像30を示す。図2の画像30に示されるように、患者情報DB21には患者のID番号31、氏名32、性別33等の患者を識別し得る固有情報に加え、さらに検査種類34、検査日35、紹介医36等の情報を含めて記録しておくことができる。図2の画像30に示される新規患者登録ボタン37がクリックされると、患者情報記録部4が呼出され、患者情報記録部4により図3に示される画像40が表示装置2に表示される。
【0035】
図3は、図2の画像30に示される新規患者登録ボタン37をクリックすることにより呼び出された患者情報記録部4が、新規患者について患者を識別し得る固有情報を入力させる際に表示する画像40を示す。図3で図2と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図3の画像40に示されるように、患者を識別し得る固有情報とは上述した患者の氏名32、ID番号31、性別33に加え、誕生日34等の情報も含まれる。新規に登録するボタン41がクリックされると、患者情報記録部4は入力させた上記患者を識別し得る固有情報を患者情報DB21に記録する。
【0036】
本発明の報告書作成プログラムは、患者情報DB21等のDBの内容を図2に示されるように画像30として表示装置2に表示する機能、画像30において新規患者登録ボタン37がクリックされと患者情報記録部4を呼出す機能、その他、患者情報DB21に記録された情報を修正する機能等を備えている。しかし、これらの機能はデータベースを取り扱うプログラムであれば通常備えている基本的な機能であるため説明は省略する。本明細書では、本発明の報告書作成プログラムに特有の機能について説明する。
【0037】
図1の機能ブロック3に示されるように、符号5は、患者の背景的検査情報を検査情報DB(検査情報データベース)22に記録する検査情報記録部(検査情報記録手段)である。
【0038】
図4は、検査情報記録部5が、患者の背景的検査情報を入力させる際に表示する画像50を示す。図4で図2と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図4の画像50に示されるように、検査情報記録部5は患者情報DB21に記録された患者の氏名32、ID番号31に対応させ、当該患者の背景的検査情報の内の基本情報として検査日時51、患者の年齢52、身長53、体重54等を入力させ、これらの情報を検査情報DB22に記録する。さらに当該患者の背景的検査情報の内の患者背景情報として患者の冠危険因子55、既往歴56等もチェックボックスにチェックをすることにより入力させ、検査情報DB22に記録しておくことができる。
【0039】
図1の機能ブロック3に示されるように、符号6は、患者に関する医療分野固有の検査情報を固有検査情報DB(固有検査情報データベース)23に記録する固有検査情報記録部(固有検査情報記録手段)である。当該医療分野、即ち心臓核医学分野に固有の検査情報として心電図情報を採り上げるが、他の情報を用いても良い。
【0040】
図5は、固有検査情報記録部6が、患者に関する心臓核医学分野に固有の検査情報、即ち心電図情報を入力させる際に表示する画像60を示す。図5の画像60に示されるように、1度房室ブロックのチェックボックス61および非特異的ST異常のチェックボックス62にチェックが入力されており、これらの情報が固有検査情報DB23に記録される。
【0041】
図1の機能ブロック3に示されるように、符号7は、患者に関する心臓核医学分野に固有の部位、即ち心臓の血流に関する所定の検査の検査条件および検査結果を血流検査DB(血流検査データベース)24に記録する血流検査記録部(血流検査記録手段)である。
【0042】
図6は、血流検査記録部7が、患者の心臓の血流に関する所定の検査の検査条件を入力させる際に表示する画像70を示す。図2の画像30に示される新規検査結果ボタン38がクリックされると、血流検査記録部7が呼出され、血流検査記録部7により図6(およびそれ以降の対応する図)に示される画像90等が表示装置2に表示される。心臓の血流に関する所定の検査としてSPECT検査を採り上げるが、他の検査であっても良い。図6では、SPECT検査の検査条件の一つとして検査種類71を入力させる際の状況を示している。図6に示されるように、血流検査記録部7は、予め示された1日Dual、2日法安静−負荷等の検査種類リスト72の中から適宜選択させることにより検査種類を入力させ、当該検査種類を血流検査DB24に記録する。図6の検査種類リスト72に示されるように、安静時および負荷時の局所脳血流を1日に行なうという種類を選択させることも、別日に分けて行うという種類を選択させることもできる。報告書作成プログラムの上記基本的機能を用いて、検査種類リスト72に検査種類の追加を行うことも可能である。
【0043】
図7は、血流検査記録部7が、患者の心臓の血流に関するSPECT検査条件を入力させる際に表示する他の画像80を示す。図7では、SPECT検査の検査条件の一つとして負荷のプロトコール81を入力させる際の状況を示している。図7に示されるように、血流検査記録部7は、トレッドミル、エルゴメーター等の負荷のプロトコールリスト82の中から適宜選択させることにより負荷のプロトコールを入力させ、当該負荷のプロトコールを血流検査DB24に記録する。図7の負荷のプロトコールリスト82に示されるように、薬剤負荷法、運動負荷法および両者の組合せを選択させることができる。図7には示されていないが、薬剤の投与量(負荷時、安静時)を入力させることもできる。
【0044】
血流検査記録部7は、患者の心臓の血流に関するSPECT検査の検査結果を入力させ、当該検査結果を血流検査DB24に記録することも実行する。SPECT検査の検査結果は、17セグメントモデル(所定数のセグメントモデル)を用いて行う。図8は、17セグメントモデルを説明するための図である。心筋SPECTにおいて重症度を規定する因子は「病変の広がり」と「異常の程度」であり、両者を客観的に診断するために種々のセグメントモデルが提唱されている(参照:玉木長良編、「心臓核医学の基礎と臨床」改訂版、2003年9月15日、メジカルセンス発行)。本明細書では17セグメントモデルを用いるが、他の20セグメントモデルを用いても本発明の報告書作成プログラムの適用は容易に行うことができる。図8に示されるように、17セグメントモデルでは、冠動脈領域について左側3つの円で短軸を表し、最右の図形で垂直長軸を表す。最左の円は心尖部、左から2つ目の円は中央部、左から3つ目の円は心基部である。以上4つの円および1つの図形を17個のセグメント(部位)に分けて各セングメントに番号を割当てる。図8に示されるように、例えば、前壁はセグメント1、5および11に該当し、前側壁はセグメント10および16に該当する。以下同様であるため、他の部位についての説明は省略する。トレーサー集積は、セグメント毎に5ポイントスケールを表記することにより表される。具体的には、正常は0ポイント、軽度集積低下(軽度の血流低下)は1ポイント、中等度集積低下(中等度の血流低下)は2ポイント、高度集積低下(高度の血流低下)は3ポイント、集積なしは4ポイントと表記される。
【0045】
図9は、血流検査記録部7が、患者の心臓の血流に関するSPECT検査結果を入力させる際に表示する画像90を示す。図9の画像90において、血流検査記録部7は上述した17セグメントモデルを用いて、セグメント毎にSPECT検査結果を上述したポイントにより入力させる。図9の画像90に示されるように、例えば、負荷時のSPECT検査結果91について、心尖部92のセグメント1にはポイント2が入力されている。入力はポイントを示す欄の右にある箇所をクリックさせることにより0から4のポイントを表示させ、その中から選択させることによりポイントを入力させる。中央部93、心基部94、垂直長軸95の各セグメントについても同様にポイントを入力させる。安静時のSPECT検査結果96についても負荷時のSPECT検査結果91における場合と同様に、心尖部92、中央部93、心基部94、垂直長軸95の各セグメントについてポイントを入力させる。血流検査記録部7は以上のようにして入力させた負荷時のSPECT検査結果(各セグメントのポイント)をSPECT負荷スコアリングデータとして、安静時のSPECT検査結果(各セグメントのポイント)をSPECT安静スコアリングデータとして、血流検査DB24に記録する。
【0046】
図1の機能ブロック3に示されるように、符号8は、患者に関する心臓核医学分野固有の部位である心臓の機能に関する所定の検査の検査結果を機能検査DB(機能検査データベース)25に記録する機能検査記録部(機能検査記録手段)である。心臓の機能に関する所定の検査として心電図同期SPECT検査を採り上げるが、他の検査であっても良い。
【0047】
図10は、機能検査記録部8が、患者の心臓の機能に関する心電図同期SPECT検査結果を入力させる際に表示する画像100を示す。図10で図9と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図10に示されるように、機能検査記録部8は上述した血流検査記録部7と同様に、17セグメントモデルを用いて、セグメント毎に心電図同期SPECT検査結果をポイントにより入力させる。図10の画像100に示されるように、例えば、負荷時の心電図同期SPECT検査結果101について、心尖部92のセグメント1にはポイント0が入力されている。ポイントの入力のさせ方は血流検査記録部7と同様である。その他、負荷時EF(ejection fraction : 駆出率)102には55(%)が入力され、負荷時EDV(end diastole volume : 拡張末期容積)103には100(ml)が入力されている。安静時の心電図同期SPECT検査結果104についても負荷時の心電図同期SPECT検査結果101における場合と同様に、ポイントを入力させる。安静時EF105、安静時EDV106についても同様に、各々60(%)、95(ml)が入力されている。機能検査記録部8は以上のようにして入力させた負荷時の心電図同期SPECT検査結果(各セグメントのポイント)を心電図同期SPECT負荷スコアリングデータとして、安静時の心電図同期SPECT検査結果(各セグメントのポイント)を心電図同期SPECT安静スコアリングデータとして、機能検査DB25に記録する。
【0048】
以上説明した各DB中の情報は、図4で説明した患者情報DB21に記録された患者の氏名32、ID番号31に対応させて検索できるように構成されている。図1の機能ブロック3に示されるように、符号9は、患者情報記録部4により記録された患者情報DB21、検査情報記録部5により記録された検査情報DB22、固有検査情報記録部6により記録された固有検査情報DB23、血流検査記録部7により記録された血流検査DB24、機能検査記録部8により記録された機能検査DB25のいずれか1以上のDBを用いて所定の形式の報告書を作成し出力する報告書作成部(報告書作成手段)である。図2の画像30に示される作成ボタン39がクリックされると、報告書作成部9が呼出される。
【0049】
図11は、報告書作成部9により作成された報告書の一部110を示す。報告書の一部110は報告書の前段部分を構成している。報告書の一部110は定型文と上記DBから得られるデータを埋め込む埋込み部分とから構成されており、定型文および埋込み部分は図1に示される記録装置20の報告書フォーマットDB26に記録されている。例えば、図11の報告書の一部110の第1パラグラフ第1文に該当する部分は、「このレポートは、負荷心電図、年齢、性別、症状、冠リスクファクターを含んだ<a>心筋血流SPECTに対する報告書です。」のような定型文とその中の埋込み部分<a>とにより構成されている。報告書作成部9は、患者情報DB21に記録された患者の氏名32、ID番号31に対応させて血流検査DB24に記録された負荷のプロトコールを検索し、埋込み部分<a>に埋め込む。例えば、検索された負荷のプロトコールが「ATP+低容量運動負荷」であると、図11の報告書の一部110の第1文に示されるように、「このレポートは、負荷心電図、年齢、性別、症状、冠リスクファクターを含んだATP+低容量運動負荷心筋血流SPECTに対する報告書です。」という文を作成することができる。以下同様に、第1パラグラフ第2文に該当する部分は、「本検査は<b>に、<c>才、<d>性、胸痛を示した<e>様に対して行われました。」のような定型文とその中の埋込み部分<b>〜<e>とにより構成されている。報告書作成部9は、患者情報DB21に記録された患者の氏名32、ID番号31に対応させて検査情報DB22に記録された検査日時51を検索し、埋込み部分<b>に埋め込む。同様にして、検査情報DB22に記録された年齢52を検索して埋込み部分<c>に埋め込み、患者情報DB21に記録された性別33を検索して埋込み部分<d>に埋め込み、患者情報DB21に記録された氏名32を検索して埋込み部分<e>に埋め込む。この結果、第1パラグラフ第2文に示されるように、「本検査は2007/05/23に、49才、男性、胸痛を示した山本太郎様に対して行われました。」という文を作成することができる。第2パラグラフ第2文はトレーサの投与量部分f、gが埋め込み部となっている。当該埋め込み部分f、gについても上述と同様に、血流検査DB24に記録された薬剤の投与量(負荷時、安静時)を検索して埋め込むことにより当該文を作成することができる。第3パラグラフ第1文は、EDV値h等が埋め込み部となっている。当該埋め込み部分h等についても上述と同様に、機能検査DB25に記録されたEDV103等を検索して埋め込むことにより当該文を作成することができる。以上のように、報告書フォーマットDB26に記録されている定型文と埋め込み部という統一的な作成基準を用いて報告書を作成することができる。
【0050】
図11の報告書の一部110の第3パラグラフ第2文は、全体が埋め込み部iであり、「左室肥大のため、EF、EDVが不正確です。」となっている。これは、固有検査情報DB23に左室肥大疑いの情報が記録されていた場合に作成される文である。このように、第3パラグラフ第1文のような単に検査結果を記載する文だけではなく、他のデータ(左室肥大疑いの情報)との関連性まで考慮したレベルの高い第3パラグラフ第2文を作成することができる。
【0051】
上述のように、図1に示される血流検査DB24は17セグメントモデルによるSPECT負荷スコアリングデータとSPECT安静スコアリングデータとを記録している。図1の機能ブロック3に示されるように、報告書作成部9は、上記SPECT負荷スコアリングデータおよびSPECT安静スコアリングデータと所定の血流側判断基準とに基づき、17セグメントモデルにおける各セグメントを正常、虚血または梗塞のいずれかのタイプに分類する血流側SPECT検査分類部(血流側SPECT検査分類手段)10と、血流側SPECT検査分類部10により分類された結果を17セグメントモデルに基づく所定の血流側出力形式で出力する血流側SPECT検査結果出力部(血流側SPECT検査結果出力手段)11とを備えている。血流側SPECT検査結果出力部11による出力は報告書に含まれる。
【0052】
図12は、所定の血流側判断基準120を示す。図12において、符号121はSPECT負荷スコアリングデータ、122はSPECT安静スコアリングデータ、123はセグメントが分類されるタイプである。図12に示されるように、例えば、あるセグメントのSPECT負荷スコアリングデータ121が0(正常)であり、SPECT安静スコアリングデータが0(正常)である場合、当該セグメントが分類されるタイプは正常となる。あるセグメントのSPECT負荷スコアリングデータ121が0(正常)であっても、SPECT安静スコアリングデータが2(中等度集積低下)である場合、当該セグメントが分類されるタイプは中等度虚血となる。あるセグメントのSPECT負荷スコアリングデータ121が4(集積なし)である場合、SPECT安静スコアリングデータが0(正常)であっても、当該セグメントが分類されるタイプは梗塞となる。図12に示される所定の血流側判断基準は、経験を積んだ医師の指導に基づき作成された。血流側SPECT検査分類部10は、上述したように所定の血流側判断基準を用いることにより、各セグメントを正常、虚血または梗塞のいずれかのタイプ(さらに詳細なタイプ)に分類することができる。
【0053】
図13は、血流側SPECT検査結果出力部11が17セグメントモデルに基づく所定の血流側出力形式で出力する例を示す。図13に示される17セグメントモデルは図8で説明した17セグメントモデルと同じ表現形式であるため、各位置の円等の説明は省略する。所定の血流側出力形式としては、血流側SPECT検査分類部10により正常と分類されたセグメントを白色で表示し、虚血と分類されたセグメントを斜線で表示し、梗塞と分類されたセグメントを網掛けで表示する形式が好適である。図13に示されるように、例えばセグメント5(中央部前壁)は梗塞と分類されており、セグメント12(心基部前中隔)は虚血と分類されている。報告書フォーマットDB26にはこのような17セグメントモデルも記録されており、セグメント中の白色、斜線、網掛け等の表示部分が上述した埋め込み部に対応している。血流側SPECT検査結果出力部11による出力は報告書に含まれる。
【0054】
検査結果、検査種類に応じたより詳細な分類方法について説明する。
1)検査結果に安静と負荷の両方がある場合
「2日法、安静─負荷」、「2日法、負荷─安静」、「1日法、安静─負荷」「1日法、負荷─安静」の場合は、「梗塞、虚血、」による定義づけを行う。分類は正常、虚血、梗塞の3段階表示とする。
2)検査結果が「安静のみ」「負荷のみ」の場合
正常(スコア0、1)か、異常(スコア2、3、4、)のみの分類とする。
3) 検査結果が「Early-Delay」、「Early-Delay-6H」、「Early-Delay-24H」」の場合、「Early」を「負荷」、「Delay」を「安静」と見なして、上記1)安静と負荷がある場合と同様の方法で、正常、虚血、梗塞の3段階分類とする。
4)検査種類が「1日Dual」の場合
a) 安静TL-負荷MIBIのみの場合
上記1)安静と負荷がある場合と同様の方法で、正常、虚血、梗塞の3段階とする。
b)安静TL -負荷MIBI - 24時間後Viability Scan(Tl) の場合
「24時間後Viability Scan(Tl)」を「安静」、負荷MIBIを「負荷」と見なして、上記1)安静と負荷がある場合と同様の方法で、正常、虚血、梗塞の3段階の分類とする。
【0055】
所定の血流側出力形式として以下のような形式を用いることもできる。
1)「正常、虚血、梗塞」の3段階の場合の表示分け
正常を「白」、虚血を「ドット」、梗塞を「格子」で表示する。または、正常を「白」、虚血を「薄いグレー」、梗塞を「濃いグレー、黒」等で表示する。
2)「正常、異常」の2段階の場合の表示分け
正常を「白」、異常を「格子」で表示する。または、正常を「白」、異常を「濃いグレー、黒」などで表示する。
3)スコア(数字)の表記は行わない。
【0056】
上述のように、図1に示される機能検査DB25は17セグメントモデルによる心電図同期SPECT負荷スコアリングデータと心電図同期SPECT安静スコアリングデータとを記録している。図1の機能ブロック3に示されるように、報告書作成部9は、負荷側では心電図同期SPECT負荷スコアリングデータと所定の機能側判断基準とに基づき17セグメントモデルにおける各セグメントを所定のレベルに分類し、安静側では心電図同期SPECT安静スコアリングデータと所定の機能側判断基準とに基づき17セグメントモデルにおける各セグメントを所定のレベルに分類する機能側SPECT検査分類部(機能側SPECT検査分類手段)12と、機能側SPECT検査分類部12により負荷側および/または安静側で分類された結果を所定の機能側出力形式で出力する機能側SPECT検査結果出力部(機能側SPECT検査結果出力手段)13とを備えている。機能側SPECT検査結果出力部13による出力は報告書に含まれる。
【0057】
次に、上記所定の機能側判断基準について説明する。
1)検査結果に「安静と負荷がある」場合
セグメント毎に、「心電図同期SPECT負荷スコアリングデータ(以下、「負荷スコア」と略す。)−心電図同期SPECT安静スコアリングデータ安静スコア(以下、「安静スコア」と略す。)」を計算しない。負荷スコア、安静スコアが「0」を「正常」、負荷スコア、安静スコアが「1」を「mild reduced」、負荷スコア、安静スコアが「2」を「moderate」、負荷スコア、安静スコアが「3」を「severe」、負荷スコア、安静スコアが「4」を「akinesis」、負荷スコア、安静スコアが「5」を「dyskinesis」とする。但し、表示の時の分類は、「0」、「1、2、3」、「4、5」の3段階とする。上述の17セグメントモデルの説明ではポイント(スコア)は4までであったが、5の場合も含めるものとする。安静と負荷の2つを表示する必要があるが、負荷後を表示するだけとし、安静は表示しない。
2)検査結果が「安静のみ」「負荷のみ」の場合
負荷スコア、安静スコアが「0」を「正常」、負荷スコア、安静スコアが「1」を「mild reduced」、負荷スコア、安静スコアが「2」を「moderate」、負荷スコア、安静スコアが「3」を「severe」、負荷スコア、安静スコアが「4」を「akinesis」、負荷スコア、安静スコアが「5」を「dyskinesis」とする。但し、表示の時の分類は、「0」、「1、2、3」、「4、5」の3段階とする。
【0058】
次に、上記所定の機能側出力形式について説明する。
1)「正常、異常」の2段階の場合の表示分け
正常を「白」、異常を「格子」で表示する。または、正常を「白」、異常を「濃いグレー、黒」等で表示する。
2)「正常、mild reduced、moderate、severe、akinesis、dyskinesis」の場合の表示分け(表示の分類は、「0」、「1、2、3」、「4、5」の3段階)
正常(0)を白で表示し、「mild reduced(1)、moderate(2)、severe(3)」をグレーで表示し、「akinesis(4)、dyskinesis(5)」を黒で表示する。
3)スコア(数字)の表記行わない。
【0059】
図14は、機能側SPECT検査結果出力部13が17セグメントモデルに基づく所定の機能側出力形式で出力する例を示す。図14に示される17セグメントモデルは図8で説明した17セグメントモデルと同じ表現形式であるため、各位置の円等の説明は省略する。図14に示されるように、例えばセグメント1(心尖部前壁)はmild reduced、moderate、severeに分類されており、セグメント2(心尖部中隔)はakinesis、dyskinesisに分類されている。
【0060】
以上、血流側SPECT検査結果出力部11、機能側SPECT検査結果出力部13の各出力形式について説明した。
【0061】
図1の機能ブロック3に示されるように、報告書作成部9は、SPECT負荷スコアリングデータおよびSPECT安静スコアリングデータを17セグメントモデルに基づく所定のSPECTスコア出力形式で出力するSPECTスコアリングデータ出力部(SPECTスコアリングデータ出力手段)14を備えている。所定のSPECTスコア出力形式としては、図8で説明した17セグメントモデルと同じ表現形式で、各セグメント内にSPECT負荷スコアリングデータまたはSPECT安静スコアリングデータを記入する形式が好適である。報告書フォーマットDB26にはこのような17セグメントモデルも記録されており、セグメント中のスコアリングデータ表示部分が上述した埋め込み部に対応している。SPECTスコアリングデータ出力部14による出力は報告書に含まれる。
【0062】
図15は、SPECTスコアリングデータ出力部14が17セグメントモデルに基づく所定のSPECTスコア出力形式でSPECT負荷スコアリングデータを出力する例を示す。図15に示される17セグメントモデルは図8で説明した17セグメントモデルと同じ表現形式であるため、各位置の円等の説明は省略する。図15に示されるように、セグメント1(心尖部前壁)のスコアリングデータは1であり、セグメント5(中央部前壁)のスコアリングデータは4である。
【0063】
図16は、SPECTスコアリングデータ出力部14が17セグメントモデルに基づく所定のSPECTスコア出力形式でSPECT安静スコアリングデータを出力する例を示す。図16に示される17セグメントモデルは図8で説明した17セグメントモデルと同じ表現形式であるため、各位置の円等の説明は省略する。図16に示されるように、セグメント7(中央部下中隔)のスコアリングデータは1であり、セグメント11(心基部前壁)のスコアリングデータは0である。
【0064】
図1の機能ブロック3に示されるように、報告書作成部9は、心電図同期SPECT負荷スコアリングデータおよび心電図同期SPECT安静スコアリングデータを17セグメントモデルに基づく所定の心電図同期SPECTスコア出力形式で出力する心電図同期SPECTスコアリングデータ出力部(心電図同期SPECTスコアリングデータ出力手段)15を備えている。所定の心電図同期SPECTスコア出力形式としては、図8で説明した17セグメントモデルと同じ表現形式で、各セグメント内に心電図同期SPECT負荷スコアリングデータまたは心電図同期SPECT安静スコアリングデータを記入する形式が好適である。心電図同期SPECTスコアリングデータ出力部15による出力は報告書に含まれる。
【0065】
図17は、心電図同期SPECTスコアリングデータ出力部15が17セグメントモデルに基づく所定の心電図同期SPECTスコア出力形式で心電図同期SPECT負荷スコアリングデータを出力する例を示す。図17に示される17セグメントモデルは図8で説明した17セグメントモデルと同じ表現形式であるため、各位置の円等の説明は省略する。図17に示されるように、セグメント2(心尖部中隔)のスコアリングデータは5であり、セグメント5(中央部前壁)のスコアリングデータは2である。
【0066】
図18は、心電図同期SPECTスコアリングデータ出力部15が17セグメントモデルに基づく所定の心電図同期SPECTスコア出力形式で心電図同期SPECT安静スコアリングデータを出力する例を示す。図18に示される17セグメントモデルは図8で説明した17セグメントモデルと同じ表現形式であるため、各位置の円等の説明は省略する。図18に示されるように、すべてのセグメントのスコアリングデータは0となっている。
【0067】
図1の機能ブロック3に示されるように、報告書作成部9は、責任冠動脈とセグメントとの対応を定めた対応表から責任冠動脈に対応するセグメントを取得し、取得したセグメント中で、血流側SPECT検査分類部10により虚血のタイプまたは梗塞のタイプと分類された虚血または梗塞セグメントの数を各々求め、求められた虚血または梗塞セグメントの数に応じて虚血または梗塞の範囲を決める範囲決定部(範囲決定手段)16と、責任冠動脈とセグメントとの対応を定めた対応表から責任冠動脈に対応するセグメントを取得し、取得したセグメントについて、SPECT負荷スコアリングデータ中の最も大きい値とSPECT安静スコアリングデータ中の最も大きい値との組合せに応じて血流欠損の程度を決定する程度決定部(程度決定手段)17と、血流側SPECT検査分類部10により分類されたタイプ、当該タイプについて範囲決定部16により決定された虚血または梗塞の範囲、当該タイプについて程度決定部17により決定された血流欠損の程度を含む血流欠損情報を所定の血流欠損情報形式で出力する血流欠損情報出力部(血流欠損情報出力手段)18とを備えている。血流欠損情報出力部18による出力は報告書に含まれる。
【0068】
以下、範囲決定部16の機能について具体的に説明する。責任冠動脈とセグメントとの対応を定めた対応表は以下のように3種類(基準)選択できるようにしておく。説明の便宜上、対応表は文章で表示する。以下で、「:」の左側が責任冠動脈であり、右側が責任冠動脈に対応するセグメントである。
【0069】
A基準 (default、 セグメント7は右冠動脈RCAに対応させる。)
左前下行枝:1、2、5、6、11、12、17
左回旋枝:4、9、10、15、16
右冠動脈:3、7、8、13、14
後下行枝:必要に応じて入力させる。
【0070】
B基準(セグメント 7は左前下行枝LADに対応させる。)
左前下行枝:1、2、5、6、7、11、12、17
左回旋枝:4、9、10、15、16
右冠動脈:3、8、13、14
後下行枝:必要に応じて入力させる。
【0071】
C基準(セグメント7は左前下行枝LADまたは右冠動脈RCAに混在させる。)
左前下行枝:1、2、5、6、11、12、17
左回旋枝:4、9、10、15、16
右冠動脈:3、8、13、14
後下行枝:必要に応じて入力させる。
C基準におけるセグメント7の扱い:
(1)セグメント6のみ(セグメント8は正常)が虚血または梗塞の時、セグメント7は左前下行枝LADとする。範囲の計算としては、セグメント7は左前下行枝LADに1セグメントアップする。
(2)セグメント8のみ(セグメント6は正常)が虚血または梗塞の時、セグメント7は右冠動脈RCAとする。範囲の計算としては、セグメント7は右冠動脈RCAに1セグメントアップする。
(3)セグメント6およびセグメント8が虚血または梗塞の時、セグメント7は、左前下行枝LADおよび右冠動脈RCA混在型とする。すなわち、セグメント7は左前下行枝LADの行にも、右冠動脈RCAの行にもセグメント7の部位「下中隔」を反映させる。範囲の計算としては、左前下行枝LADに0.5、右冠動脈RCAに0.5セグメントアップする。
(4)セグメント6およびセグメント8が正常の時、セグメント7は右冠動脈RCAとする。範囲の計算としては、セグメント7は右冠動脈RCAに1セグメントアップする。
【0072】
例えば、梗塞に関し、対応表としてA基準を用い、責任冠動脈として左前下行枝LADを用いるとすると、範囲決定部16は、A基準から左前下行枝LADに対応するセグメントとして1、2、5、6、11、12、17を取得する。次に、この取得したセグメント中で、血流側SPECT検査分類部10により梗塞のタイプと分類された梗塞セグメントの数を求める。例えば、図13に示される17セグメントモデルを用いると、セグメント1、2、5、6、11、12、17中で梗塞セグメントはセグメント5だけである。従って、梗塞セグメントの数は1となる。最後に、範囲決定部16は、求められた梗塞セグメントの数に応じて梗塞の範囲(欠損の大きさ)を決める。
【0073】
図19は、梗塞セグメントの数と範囲(欠損の大きさ)との関係を示す。上述の例では梗塞セグメントの数は1であるため、図19中の0.5−2.5セグメントの範囲に該当し、範囲は小範囲となる。
【0074】
次に、虚血に関し、対応表としてA基準を用い、責任冠動脈として左前下行枝LADを用いるとすると、範囲決定部16は、A基準から左前下行枝LADに対応するセグメントとして1、2、5、6、11、12、17を取得する。次に、この取得したセグメント中で、血流側SPECT検査分類部10により虚血のタイプと分類された虚血セグメントの数を求める。例えば、図13に示される17セグメントモデルを用いると、セグメント1、2、5、6、11、12、17中で虚血塞セグメントはセグメント11、12および17である。従って、虚血セグメントの数は3となる。最後に、範囲決定部16は、求められた虚血セグメントの数に応じて梗塞の範囲(欠損の大きさ)を決める。図19に示される梗塞セグメントの数と範囲(欠損の大きさ)との関係によれば、虚血セグメントの数は3であるため、図19中の3−3.5セグメントの範囲に該当し、範囲は中範囲となる。
【0075】
次に、程度決定部17の機能について具体的に説明する。例えば、梗塞に関し、対応表としてA基準を用い、責任冠動脈として左前下行枝LADを用いるとすると、程度決定部17は、A基準から左前下行枝LADに対応するセグメントとして1、2、5、6、11、12、17を取得する。程度決定部17は取得したセグメントについて、SPECT負荷スコアリングデータ中の最も大きい値を求める。例えば、図13に示される17セグメントモデルを用いると、セグメント1、2、5、6、11、12、17で梗塞はセグメント5だけであり、図15に示される17セグメントモデルを用いると、セグメント5のSPECT負荷スコアリングデータは4である。従って、SPECT負荷スコアリングデータ中の最も大きい値は4となる。同様にして、程度決定部17は取得したセグメントについて、SPECT安静スコアリングデータ中の最も大きい値を求める。例えば、図13に示される17セグメントモデルを用いると、セグメント1、2、5、6、11、12、17で梗塞はセグメント5だけであり、図16に示される17セグメントモデルを用いると、セグメント5のSPECT安静スコアリングデータは4である。従って、SPECT安静スコアリングデータ中の最も大きい値は4となる。最後に、程度決定部17はSPECT負荷スコアリングデータ中の最も大きい値とSPECT安静スコアリングデータ中の最も大きい値との組合せに応じて血流欠損の程度を決定する。
【0076】
図20は、虚血または梗塞に応じて、SPECT負荷スコアリングデータ中の最も大きい値とSPECT安静スコアリングデータ中の最も大きい値との組合せ(「>」で示す。)と、血流欠損の程度(欠損の重症度)との関係を示す。上述の例では、SPECT負荷スコアリングデータ中の最も大きい値とSPECT安静スコアリングデータ中の最も大きい値との組合せは4>4となるため、図20中の梗塞(タイプ)の場合のスコア4>4に該当し、血流欠損の程度重度梗塞となる。
【0077】
次に、虚血に関し、対応表としてA基準を用い、責任冠動脈として左前下行枝LADを用いるとすると、程度決定部17は、A基準から左前下行枝LADに対応するセグメントとして1、2、5、6、11、12、17を取得する。程度決定部17は取得したセグメントについて、SPECT負荷スコアリングデータ中の最も大きい値を求める。例えば、図13に示される17セグメントモデルを用いると、セグメント1、2、5、6、11、12、17で虚血はセグメント11、12および17であり、図15に示される17セグメントモデルを用いると、セグメント11、12および17のSPECT負荷スコアリングデータは、順に2、1、1である。従って、SPECT負荷スコアリングデータ中の最も大きい値は2となる。同様にして、程度決定部17は取得したセグメントについて、SPECT安静スコアリングデータ中の最も大きい値を求める。例えば、図13に示される17セグメントモデルを用いると、セグメント1、2、5、6、11、12、17で虚血はセグメント11、12および17であり、図16に示される17セグメントモデルを用いると、セグメント11、12および17のSPECT安静スコアリングデータは、順に0、0、0である。従って、SPECT安静スコアリングデータ中の最も大きい値は0となる。最後に、程度決定部17はSPECT負荷スコアリングデータ中の最も大きい値とSPECT安静スコアリングデータ中の最も大きい値との組合せに応じて血流欠損の程度を決定する。図20に示される関係を用いると、SPECT負荷スコアリングデータ中の最も大きい値とSPECT安静スコアリングデータ中の最も大きい値との組合せは2>0となるため、図20中の虚血(タイプ)の場合のスコア2>0に該当し、欠損の重症度は中等度虚血となる。
【0078】
図21は、血流欠損情報出力部18により所定の血流欠損情報形式で出力された例を示す。図21に示されるように、所定の血流欠損情報形式は表形式をとり、符号131は血流異常部位欄、132は血流側SPECT検査分類部10により分類されたタイプを示すタイプ欄、133は範囲決定部16により決定された虚血または梗塞の範囲を示す範囲欄、134は程度決定部17により決定された血流欠損の程度を示す程度欄、135は範囲決定部16および程度決定部17により用いられた責任冠動脈を示す冠動脈領域欄である。報告書フォーマットDB26にはこのような表も記録されており、表中の各欄が上述した埋め込み部に対応している。血流欠損情報出力部18は表中の各欄に得られた結果を埋め込む。上述した例、即ち、タイプを梗塞とし、責任冠動脈を左前下行枝LADとし、A基準を用いた例によれば、セグメント5(前壁)の範囲は小範囲であり程度は重度梗塞であったので、図21に示される表の第1行の結果を得ることができる。
【0079】
図1に示されるように、記録装置20は報告書の記載内容に関連した情報を有する関連情報DB(関連情報データベース)27を備えている。報告書作成部9は、報告書の記載内容と関連する情報、例えば論文等を関連情報DB27から検索して出力する関連情報出力部(関連情報出力手段)19を備えている。関連情報DB27には論文等がキーワードにより検索可能に記録されており、関連情報出力部19は血流欠損情報出力部18により出力された内容等から抽出したキーワードを用いて、関連情報DB27から論文等の関連情報を検索し、当該論文等のタイトル等を報告書に含めることができる。このため、経験の浅い診断医であっても報告書の根拠となる論文等の関連情報を報告書に引用することができる。
【0080】
図22は、報告書作成部9の結果出力部(不図示)が出力する負荷検査の結果の例を示す。結果出力部は、検査情報DB22、固有検査情報DB23、血流検査DB24等に基づいて、負荷検査の結果を表形式で出力する。報告書フォーマットDB26にはこのような表も記録されており、表中の各欄が上述した埋め込み部に対応する。結果出力部は総合診断として、有意狭窄冠動脈の存在する確率を出力することもできる。結果出力部の出力も報告書に含まれる。
【0081】
図23は、本発明の報告書作成プログラムの機能の流れおよび本発明の医療分野における報告書をコンピュータを用いて作成させる報告書作成方法の流れをフローチャートで示す。図23に示されるように、患者を識別し得る固有情報を患者情報DB21に記録する(患者情報記録ステップ。ステップS10)。患者の背景的検査情報を検査情報DB22に記録する(検査情報記録ステップ。ステップS12)。患者に関する医療分野固有の検査情報を固有検査情報DB23に記録する(固有検査情報記録ステップ。ステップS14)。患者に関する医療分野固有の部位の血流に関する所定の検査の検査条件および検査結果を血流検査DB24に記録する(血流検査記録ステップ。ステップS16)。患者に関する医療分野固有の部位の機能に関する所定の検査の検査結果を機能検査DB25に記録する(機能検査記録ステップ。ステップS18)。患者情報記録ステップ(ステップS10)で記録された患者情報DB21、検査情報記録ステップ(ステップS12)で記録された検査情報DB22、固有検査情報記録ステップ(ステップS14)で記録された固有検査情報DB23、血流検査記録ステップ(ステップS16)で記録された血流検査DB24、機能検査記録ステップ(ステップS18)で記録された機能検査DB25のいずれか1以上のDBを用いて所定の形式の報告書を作成し出力する(報告書作成ステップ。ステップS20)。
【0082】
以上より、本発明の実施例1によれば、患者情報記録部4は患者を識別し得る固有情報を患者情報DB21に記録する。患者を識別し得る固有情報としては患者の氏名32、ID番号31等が挙げられる。検査情報記録部5は患者の背景的検査情報を検査情報DB22に記録する。患者の背景的検査情報としては基本情報としての検査日時51、患者の年齢52、身長53、体重54等と、患者背景情報としての患者の冠危険因子55、既往歴56等がある。固有検査情報記録部6は、患者に関する医療分野固有の検査情報を固有検査情報DB23に記録する。当該医療分野、即ち心臓核医学分野に固有の検査情報として心電図情報が挙げられる。心電図情報には1度房室ブロック、非特異的ST異常等がある。血流検査記録部7は、患者に関する心臓核医学分野に固有の部位、即ち心臓の血流に関する所定の検査の検査条件および検査結果を血流検査DB24に記録する。心臓の血流に関する所定の検査としてはSPECT検査が挙げられる。SPECT検査の検査条件には、検査種類71、負荷のプロトコール81等を用いる。血流検査記録部7は、患者の心臓の血流に関するSPECT検査の検査結果を入力させ、当該検査結果を血流検査DB24に記録することも実行する。SPECT検査の検査結果は、17セグメントモデルを用いて行う。血流検査記録部7は17セグメントモデルを用いて、セグメント毎にSPECT検査結果をポイントにより入力させる。血流検査記録部7は以上のようにして入力させた負荷時のSPECT検査結果(各セグメントのポイント)をSPECT負荷スコアリングデータとして、安静時のSPECT検査結果(各セグメントのポイント)をSPECT安静スコアリングデータとして、血流検査DB24に記録する。機能検査記録部8は、患者に関する心臓核医学分野固有の部位である心臓の機能に関する所定の検査の検査結果を機能検査DB25に記録する。心臓の機能に関する所定の検査として心電図同期SPECT検査を採り上げる。能検査記録部8は上述した血流検査記録部7と同様に、17セグメントモデルを用いて、セグメント毎に心電図同期SPECT検査結果をポイントにより入力させる。機能検査記録部8は以上のようにして入力させた負荷時の心電図同期SPECT検査結果(各セグメントのポイント)を心電図同期SPECT負荷スコアリングデータとして、安静時の心電図同期SPECT検査結果(各セグメントのポイント)を心電図同期SPECT安静スコアリングデータとして、機能検査DB25に記録する。各DB中の情報は、患者情報DB21に記録された患者の氏名32、ID番号31に対応させて検索できるように構成されている。報告書作成部9は、患者情報記録部4により記録された患者情報DB21、検査情報記録部5により記録された検査情報DB22、固有検査情報記録部6により記録された固有検査情報DB23、血流検査記録部7により記録された血流検査DB24、機能検査記録部8により記録された機能検査DB25のいずれか1以上のDBを用いて所定の形式の報告書を作成し出力する。
【0083】
報告書は定型文と上記DBから得られるデータを埋め込む埋込み部分とから構成されており、記録装置20の報告書フォーマットDB26に記録されている。報告書作成部9は、患者情報DB21に記録された患者の氏名32、ID番号31に対応させて各DBに記録された内容を検索し、埋込み部分に埋め込むことにより文を作成することができる。以上のように、報告書フォーマットDB26に記録されている定型文と埋め込み部という統一的な作成基準を用いて報告書を作成することができる。報告書作成部9は単に検査結果を記載する文だけではなく、他のデータとの関連性まで考慮したレベルの高い文を作成することができる。報告書作成部9は、SPECT負荷スコアリングデータおよびSPECT安静スコアリングデータと所定の血流側判断基準とに基づき、17セグメントモデルにおける各セグメントを正常、虚血または梗塞のいずれかのタイプに分類する血流側SPECT検査分類部10と、血流側SPECT検査分類部10により分類された結果を17セグメントモデルに基づく所定の血流側出力形式で出力する血流側SPECT検査結果出力部11とを備えている。報告書作成部9は、負荷側では心電図同期SPECT負荷スコアリングデータと所定の機能側判断基準とに基づき17セグメントモデルにおける各セグメントを所定のレベルに分類し、安静側では心電図同期SPECT安静スコアリングデータと所定の機能側判断基準とに基づき17セグメントモデルにおける各セグメントを所定のレベルに分類する機能側SPECT検査分類部12と、機能側SPECT検査分類部12により負荷側および/または安静側で分類された結果を所定の機能側出力形式で出力する機能側SPECT検査結果出力部13とを備えている。報告書作成部9は、SPECT負荷スコアリングデータおよびSPECT安静スコアリングデータを17セグメントモデルに基づく所定のSPECTスコア出力形式で出力するSPECTスコアリングデータ出力部14を備えている。所定のSPECTスコア出力形式としては、17セグメントモデルと同じ表現形式で、各セグメント内にSPECT負荷スコアリングデータまたはSPECT安静スコアリングデータを記入する形式が好適である。報告書作成部9は、心電図同期SPECT負荷スコアリングデータおよび心電図同期SPECT安静スコアリングデータを17セグメントモデルに基づく所定の心電図同期SPECTスコア出力形式で出力する心電図同期SPECTスコアリングデータ出力部15を備えている。所定の心電図同期SPECTスコア出力形式としては、図8で説明した17セグメントモデルと同じ表現形式で、各セグメント内に心電図同期SPECT負荷スコアリングデータまたは心電図同期SPECT安静スコアリングデータを記入する形式が好適である。報告書作成部9は、責任冠動脈とセグメントとの対応を定めた対応表から責任冠動脈に対応するセグメントを取得し、取得したセグメント中で、血流側SPECT検査分類部10により虚血のタイプまたは梗塞のタイプと分類された虚血または梗塞セグメントの数を各々求め、求められた虚血または梗塞セグメントの数に応じて虚血または梗塞の範囲を決める範囲決定部16と、責任冠動脈とセグメントとの対応を定めた対応表から責任冠動脈に対応するセグメントを取得し、取得したセグメントについて、SPECT負荷スコアリングデータ中の最も大きい値とSPECT安静スコアリングデータ中の最も大きい値との組合せに応じて血流欠損の程度を決定する程度決定部17と、血流側SPECT検査分類部10により分類されたタイプ、当該タイプについて範囲決定部16により決定された虚血または梗塞の範囲、当該タイプについて程度決定部17により決定された血流欠損の程度を含む血流欠損情報を所定の血流欠損情報形式で出力する血流欠損情報出力部18とを備えている。記録装置20は報告書の記載内容に関連した情報を有する関連情報DB27を備えている。報告書作成部9は、報告書の記載内容と関連する情報、例えば論文等を関連情報DB27から検索して出力する関連情報出力部19を備えている。このため、経験の浅い診断医であっても報告書の根拠となる論文等の関連情報を報告書に引用することができる。以上より、本発明の報告書作成プログラム等によれば、診断医が主治医へ提出する報告書について、統一的な作成基準に基づき質に差が生じない報告書を作成することができ、経験の浅い新人の診断医であっても、他のデータとの関連性まで考慮したレベルの高い報告書を作成することができ、さらに、報告書の根拠となる論文等の関連情報を報告書に引用することができる。
【実施例2】
【0084】
図24は、本発明の報告書作成プログラムを実行するコンピュータ1の内部回路140を示すブロック図である。図24に示されるように、CPU141、ROM142、RAM143、画像制御部145、コントローラ146、入力制御部148および外部I/F部150はバス151に接続されている。図24において、上述の本発明の報告書作成プログラムは、ROM142、ディスク20またはDVD若しくはCD−ROM147等の記録媒体(脱着可能な記録媒体を含む)に記録されている。ディスク20には、患者情報DB21、検査情報DB22、固有検査情報DB23、血流検査DB24、機能検査DB25、報告書作成フォーマットDB26、関連情報DB27等を記録しておくことができる。報告書作成プログラムは、ROM142からバス151を介し、あるいはディスク20またはDVD若しくはCD−ROM147等の記録媒体からコントローラ146を経由してバス151を介しRAM143へロードされる。画像制御部145は、患者情報記録部4等により入力が行われる際の画像データまたは報告書作成部9により作成された報告書等表示するためのデータをVRAM144へ送出する。表示装置2はVRAM144から送出された上記データ等を表示する。VRAM144は表示装置2の一画面分のデータ容量に相当する容量を有している画像メモリである。入力操作部149はコンピュータに入力を行うためのマウス、テンキー等の入力装置であり、入力制御部148は入力操作部149と接続され入力制御等を行う。外部I/F部150はコンピュータ1の外部と接続する際のインタフェース機能を有している。
【0085】
上述のようにCPU141が本発明の報告書作成プログラムを実行することにより、本発明の目的を達成することができる。報告書作成プログラムは上述のようにDVD若しくはCD−ROM147等の記録媒体の形態でコンピュータCPU141に供給することができ、報告書作成プログラムを記録したDVD若しくはCD−ROM177等の記録媒体も同様に本発明を構成することになる。報告書作成プログラムを記録した記録媒体としては上述された記録媒体の他に、例えばメモリ・カード、メモリ・スティック、光ディスク、FD等を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明の活用例として、心臓核医学、脳核医学等に適用することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 コンピュータ、 2 表示装置、 3 機能ブロック、 4 患者情報記録部、 5 検査情報記録部、 6 固有検査情報記録部、 7 血流検査記録部、 8 機能検査記録部、 9 報告書作成部、 10 血流側SPECT検査分類部、 11 血流側SPECT検査結果出力部、 12 機能側SPECT検査分類部、 13 機能側SPECT検査結果出力部、 14 SPECTスコアリングデータ出力部、 15 心電図同期SPECTスコアリングデータ出力部、 16 範囲決定部、 17 程度決定部、 18 血流欠損情報出力部、 19 関連情報出力部、 20 記録装置、 21 患者情報DB、 22 検査情報DB、 23 固有検査情報DB、 24 血流検査DB、 25 機能検査DB、 26 報告書フォーマットDB、 27 関連情報DB、 30、40、50、60、70、80、90、100 画像、 31 ID番号、 32 氏名、 33 性別、 34 検査種類、 35 検査日、 36 紹介医、 37 新規患者登録ボタン、 38 新規検査結果ボタン、 39 作成ボタン、 41 新規に登録するボタン、 51 検査日時、 52 年齢、 53 身長、 54 体重、 55 冠危険因子、 56 既往歴、 61、62 チェックボックス、 71 検査種類、 72 検査種類リスト、 81 負荷のプロトコール、 82 負荷のプロトコールリスト、 91 負荷時のSPECT検査結果、 92 心尖部、 93 中央部、 94 心基部、 95 垂直長軸、 96 安静時のSPECT検査結果、 101 負荷時の心電図同期SPECT検査結果、 102 負荷時EF、 103 負荷時EDV、 104 安静時の心電図同期SPECT検査結果、 105 安静時EF、 106 安静時EDV、 110 報告書の一部、 120 所定の血流側判断基準、 121 SPECT負荷スコアリングデータ、 122 SPECT安静スコアリングデータ、 123 タイプ、 131 血流異常部位欄、 132 タイプ欄、 133 範囲欄、 134 程度欄、 135 冠動脈領域欄、 140 内部回路、 141 CPU、 142 ROM、 143 RAM、 144 VRAM、 145 画像制御部、 146 コントローラ、 147 DVD、CD−ROM、 148 入力制御部、 149 入力操作部、 150 外部I/F部、 151 バス。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0088】
【非特許文献1】“放射線科”、[online]、富山県立中央病院、[平成19年9月10日検索]、インターネット、<URL:http://www.tch.pref.toyama.jp/service/service29/index2.html>

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓核医学の医療分野における報告書の作成をコンピュータに実行させるための報告書作成プログラムであって、コンピュータを、
患者を識別し得る固有情報を患者情報データベースに記録する患者情報記録手段、
患者の背景的検査情報を検査情報データベースに記録する検査情報記録手段、
患者に関する心臓の血流に関する所定の検査である核医学検査の検査条件及び検査結果を血流検査データベースに記録する血流検査記録手段、
前記患者情報記録手段により記録された患者情報データベース、前記検査情報記録手段により記録された検査情報データベース、前記血流検査記録手段により記録された血流検査データベース及び定型文と埋め込み部分とを記録した報告書フォーマットデータべースを用いて所定の形式の報告書を作成し出力する報告書作成手段として機能させるための報告書作成プログラムであって、
前記報告書作成手段は、
前記患者情報データベースに記録された固有情報、該固有情報に対応させて検索した前記検査情報データベースに記録された患者の背景的検査情報、該固有情報に対応させて検索した前記血流検査データベースに記録された核医学検査の検査条件及び検査結果に基づいて得られた内容を、前記報告書フォーマットデータべースに記録された埋め込み部分に埋め込んで所定の形式の報告書を作成することを特徴とする報告書作成プログラム。
【請求項2】
請求項1記載の報告書作成プログラムにおいて、
患者に関する心臓の機能に関する所定の検査の検査結果を機能検査データベースに記録する機能検査記録手段と、
患者に関する心臓核医学の医療分野固有の検査情報である心電図情報を固有検査情報データベースに記録する固有検査情報記録手段とをさらに備え、
前記報告書作成手段は、前記固有情報に対応させて検索した前記機能検査データベースに記録された所定の検査の検査結果に基づいて得られた内容を前記報告書フォーマットデータべースに記録された埋め込み部分に埋め込む際に、該固有情報に対応する前記固有検査情報データベースに記録された心電図情報との関連性に基づく内容も埋め込むことを特徴とする報告書作成プログラム。
【請求項3】
請求項2記載の報告書作成プログラムにおいて、
前記報告書フォーマットデータべースは欄を埋め込み部分とする表をさらに記録しており、
前記報告書作成手段は、
前記固有情報に対応させて検索した前記検査情報データベースに記録された患者の背景的検査情報、前記固有検査情報データベースに記録された心電図情報、前記血流検査データベースに記録された核医学検査の検査条件及び検査結果に基づいて得られた内容を前記報告書フォーマットデータべースに記録された表の欄に埋め込む際に、総合診断として有意狭窄冠動脈の存在する確率を出力する結果出力部をさらに備えたことを特徴とする報告書作成プログラム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の報告書作成プログラムにおいて、報告書の記載内容に関連した情報を有する関連情報データベースをさらに備え、前記報告書作成手段は、報告書の記載内容と関連する情報を該関連情報データベースから検索して出力する関連情報出力手段をさらに備えたことを特徴とする報告書作成プログラム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の報告書作成プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【請求項6】
心臓核医学の医療分野における報告書をコンピュータを用いて作成させる報告書作成方法であって、
患者を識別し得る固有情報を患者情報データベースに記録する患者情報記録ステップと、
患者の背景的検査情報を検査情報データベースに記録する検査情報記録ステップと、
患者に関する心臓の血流に関する所定の検査である核医学検査の検査条件及び検査結果を血流検査データベースに記録する血流検査記録ステップと、
前記患者情報記録ステップで記録された患者情報データベース、前記検査情報記録ステップで記録された検査情報データベース、前記血流検査記録ステップで記録された血流検査データベース及び定型文と埋め込み部分とを記録した報告書フォーマットデータべースを用いて所定の形式の報告書を作成し出力する報告書作成ステップとを備え、
前記報告書作成ステップは、
前記患者情報データベースに記録された固有情報、該固有情報に対応させて検索した前記検査情報データベースに記録された患者の背景的検査情報、該固有情報に対応させて検索した前記血流検査データベースに記録された核医学検査の検査条件及び検査結果に基づいて得られた内容を、前記報告書フォーマットデータべースに記録された埋め込み部分に埋め込んで所定の形式の報告書を作成することを特徴とする報告書作成方法。
【請求項7】
請求項6記載の報告書作成方法において、
患者に関する心臓の機能に関する所定の検査の検査結果を機能検査データベースに記録する機能検査記録ステップと、
患者に関する心臓核医学の医療分野固有の検査情報である心電図情報を固有検査情報データベースに記録する固有検査情報記録ステップとをさらに備え、
前記報告書作成ステップは、前記固有情報に対応させて検索した前記機能検査データベースに記録された所定の検査の検査結果に基づいて得られた内容を前記報告書フォーマットデータべースに記録された埋め込み部分に埋め込む際に、該固有情報に対応する前記固有検査情報データベースに記録された心電図情報との関連性に基づく内容も埋め込むことを特徴とする報告書作成方法。
【請求項8】
請求項7記載の報告書作成方法において、
前記報告書フォーマットデータべースは欄を埋め込み部分とする表をさらに記録しており、
前記報告書作成ステップは、
前記固有情報に対応させて検索した前記検査情報データベースに記録された患者の背景的検査情報、前記固有検査情報データベースに記録された心電図情報、前記血流検査データベースに記録された核医学検査の検査条件及び検査結果に基づいて得られた内容を前記報告書フォーマットデータべースに記録された表の欄に埋め込む際に、総合診断として有意狭窄冠動脈の存在する確率を出力するステップをさらに備えたことを特徴とする報告書作成方法。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかに記載の報告書作成方法において、報告書の記載内容に関連した情報を有する関連情報データベースをさらに備え、前記報告書作成ステップは、報告書の記載内容と関連する情報を該関連情報データベースから検索して出力するステップをさらに備えたことを特徴とする報告書作成方法。

【図1】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−43475(P2012−43475A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259314(P2011−259314)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【分割の表示】特願2007−239819(P2007−239819)の分割
【原出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年3月15日〜17日 社団法人日本循環器学会主催の「第71回日本循環器学会総会・学術集会」において文書をもって発表
【出願人】(000149837)富士フイルムRIファーマ株式会社 (54)
【Fターム(参考)】