説明

塗料剥離用洗浄剤

【課題】 アクリルウレタン塗料やアクリルラッカー塗料等を塗装した後のスプレーガン及びカップに付着している塗料を比較的短時間で簡単に且つ綺麗に剥離することが可能であり、しかも様々な種類の塗料に対して優れた洗浄効果を発揮することができる汎用性の高い塗料剥離用洗浄剤を提供すること。
【解決手段】 トルエン、キシレン、メタノールの少なくともいずれかを40重量%以上含有する塗料溶剤100重量部に対して、5〜40重量部のアセトンを配合してなる塗料剥離用洗浄剤とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として自動車の修理に用いられているアクリルウレタン塗料やアクリルラッカー塗料等を塗装した後のスプレーガン及びカップを洗浄するために用いられる塗料剥離用洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アクリルウレタン塗料やアクリルラッカー塗料等を用いた塗装作業後にスプレーガン及びカップを洗浄する場合、以下のような方法が採られている。
カップについては、トルエンを主成分とするシンナー(ラッカーシンナー)を、塗料が付着しているカップに入れて上下に揺することにより、カップの内側に付着した塗料を溶解、洗浄し、この作業をシンナーが濁らなくなるまで繰り返している。
スプレーガンについては、カップからスプレーガン先端のノズルに通じる通路にシンナーを流通させることにより、ガン内部に付着した塗料を溶解、洗浄し、この作業をシンナーが濁らなくなるまで繰り返している。
【0003】
しかしながら、このような従来の洗浄方法では、シンナーが濁らなくなるまで相当回数同じ手順の作業を繰り返す必要がある。そのため、作業に時間がかかる上に非常に面倒であり、しかも多量のシンナーを必要とするという大きな問題がある。
【0004】
塗装作業後における塗装具の洗浄作業の手間を軽減するために創出された技術としては、例えば下記特許文献1の開示技術が存在している。
特許文献1の開示技術は、2液型塗料における架橋硬化反応を阻害する化学物質を含有する洗浄用溶剤組成物を用いて塗料の剥離洗浄を行うものであって、前記化学物質が一官能エポキシ化合物、一官能脂肪族2級アミノ化合物、アルコール性モノヒドロキシ化合物のいずれかからなるものである。
【0005】
しかしながら、この特許文献1の開示技術は、2液型塗料における架橋硬化反応を阻害する化学物質を含有する洗浄用溶剤組成物によって塗料を除去するものであるから、その用途が2液型塗料に限定され、1液型塗料に対しては適用することができず、汎用性に乏しかった。
【0006】
他方、塗料の剥離のために、アセトンを使用することは良く知られている。
しかしながら、アセトンは塗料を溶解する性質が殆どないため、塗装直後のスプレーガンの洗浄作業には全く適していない。
また、塗装直後のスプレーガンのカップにアセトンを入れると、溶解した少量の塗料がカップの内壁に付着するため、かえって逆効果になってしまう。
【0007】
【特許文献1】特開平6−145694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、アクリルウレタン塗料やアクリルラッカー塗料等を塗装した後のスプレーガン及びカップに付着している塗料を比較的短時間で簡単に且つ綺麗に剥離することが可能であり、しかも色々な種類の塗料に対して優れた洗浄効果を発揮することができる汎用性の高い塗料剥離用洗浄剤を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、トルエン、キシレン、メタノールの少なくともいずれかを40重量%以上含有する塗料溶剤100重量部に対して、5〜40重量部のアセトンを配合してなることを特徴とする塗料剥離用洗浄剤に関する。
請求項2に係る発明は、前記アセトンの配合量が10〜20重量部であることを特徴とする請求項1記載の塗料剥離用洗浄剤に関する。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記塗料溶剤がトルエンのみからなることを特徴とする請求項1又は2記載の塗料剥離用洗浄剤に関する。
請求項4に係る発明は、前記塗料溶剤がキシレンのみからなることを特徴とする請求項1又は2記載の塗料剥離用洗浄剤に関する。
請求項5に係る発明は、前記塗料溶剤がメタノールのみからなることを特徴とする請求項1又は2記載の塗料剥離用洗浄剤に関する。
【0011】
請求項6に係る発明は、トルエン、メタノール、アセトンを含有し、各成分の洗浄剤全体に占める配合比率が、トルエン30〜45重量%、メタノール30〜45重量%、アセトン11〜12重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の塗料剥離用洗浄剤に関する。
請求項7に係る発明は、トルエンの比率がメタノールよりも多いことを特徴とする請求項6記載の塗料剥離用洗浄剤に関する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、塗装後のスプレーガン及びカップに付着している塗料を、一般的に洗浄剤として用いられているシンナーに比べて、非常に短時間で簡単に且つ綺麗に剥離することが可能である。また、2液型塗料だけでなく、1液型塗料に対しても適用することができるため、汎用性が高く、様々な塗装作業の場面で使用することができる。また、塗料溶剤として、通常のシンナーを用いることができるので、製造が容易であり、製造コストも低く抑えることができる。
請求項2に係る発明によれば、アセトンの配合量が10〜20重量部であることにより、非常に短時間で塗料を剥離することが可能となり、洗浄の作業効率を大幅に向上させることができる。
【0013】
請求項3及び4に係る発明によれば、洗浄剤としてシンナーを用いた場合と同等もしくはそれ以上の効果を得ることができ、しかも製造コストを低減することができる。
請求項5に係る発明によれば、洗浄剤としてシンナーを用いた場合と同等の効果を得ることができ、しかも毒性を低減して作業者の健康上の被害を減らすことができる。
【0014】
請求項6に係る発明によれば、トルエン、メタノール、アセトンの配合比率が適当な範囲に設定されていることにより、非常に高い洗浄効果を発揮することができる。
請求項7に係る発明によれば、請求項6に係る発明の洗浄剤において、配合比率がより最適化されることで、更に洗浄効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る塗料剥離用洗浄剤の好適な実施形態について説明する。
本発明に係る塗料剥離用洗浄剤は、主として自動車補修用塗料を使用した後に、スプレーガン及びカップに付着した塗料を洗浄するために好適に用いられるものである。
適用対象となる自動車補修用塗料としては、例えば、アクリルウレタン塗料、アクリルラッカー塗料、アクリルエナメル塗料、メラミン塗料等が例示できるが、特にこれらに限定されない。
【0016】
本発明に係る塗料剥離用洗浄剤は、トルエン、キシレン、メタノールの少なくともいずれかを40重量%以上含有する塗料溶剤100重量部に対して、5〜40重量部のアセトン、より好ましくは10〜20重量部のアセトンを配合することにより得られるものである。
【0017】
本発明における、トルエン、キシレン、メタノールの少なくともいずれかを40重量%以上含有する塗料溶剤(以下、単に塗料溶剤と称す)は、これら3成分のいずれか1つの成分(トルエンのみ、キシレンのみ、メタノールのみ)が40重量%以上であればよいが、2つの成分(トルエンとキシレン、トルエンとメタノール、キシレンとメタノール)が夫々40重量%以上であるものでもよい。
また、トルエン100%のもの、キシレン100%のもの、メタノール100%のものも本発明における塗料溶剤に含まれる。
【0018】
本発明で用いられる塗料溶剤の範疇に含まれる代表的なものは、いわゆるシンナー(特にラッカーシンナー)である。
シンナーの種類としては、市販の公知のものを用いることができる。
市販のシンナーは、トルエン・キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール・イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤、酢酸イソブチル・メチルイソブチルケトン等のケトンエステル系溶剤を適当な配合比率で組み合わせたものである。
これらの中で、本発明では、自動車用の塗料溶剤として多く用いられている、芳香族炭化水素系溶剤(例えば、トルエン又はキシレン)を50重量%以上含むものが好適に用いられる。
【0019】
トルエン・キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤を50重量%以上含むシンナーとしては、以下のような成分を含むものが挙げられる。尚、本明細書において、%は全て重量%を示している。
(A)トルエン50〜60%、メタノール10〜20%、酢酸イソブチル10〜20%
(B)トルエン60〜70%、メタノール10〜20%、酢酸イソブチル5〜10%
【0020】
また、本発明においては、人体への影響を考慮して、上記(A)(B)のシンナーに比べて、毒性の強いトルエンの配合量を減らしてメタノールの配合量を増やしたものを塗料溶剤として使用することもできる。
具体的には、以下のような成分を含むものが挙げられる。
(C)トルエン40〜50%、メタノール40〜50%
(D)トルエン40〜49%、メタノール40〜49%、その他(酢酸エチル、Nブタノール、酢酸ブチル、PGM−AC)2〜20%
【0021】
尚、上記(A)〜(C)の例においては、各成分の組み合わせによっては合計が100%にならない場合があることから明らかなように、その他の成分が0〜10%の割合で含まれる。
その他の成分としては、例えば、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等が挙げられる。
【0022】
本発明に係る塗料剥離用洗浄剤は、上記したような塗料溶剤(例えば(A)〜(D)のもの)に対して、一定の比率でアセトンを配合することにより得られる。
アセトンの配合比率は、塗料溶剤100重量部に対して5〜40重量部、好ましくは10〜20重量部、更に好ましくは11〜13重量部とされる。
上記したような塗料溶剤は、それら単独でも塗料に対する剥離洗浄効果があるが、本願発明者はアセトンを上記特定の比率で配合することによって、剥離洗浄効果を格段に高めることができることを見出した。
【0023】
本発明に係る洗浄剤としては、トルエン、メタノール、アセトンを含有し、各成分の洗浄剤全体に占める配合比率が、トルエン30〜45重量%、メタノール30〜45重量%、アセトン11〜12重量%であるものが好ましい。
また、この配合比率において、トルエンの比率がメタノールよりも多いことが好ましい。
尚、この場合において、トルエン、メタノール、アセトン以外に配合される成分としては、例えば酢酸エチル、Nブタノール、酢酸ブチル、PGM−ACが挙げられる。
【0024】
本発明に係る洗浄剤の配合比率の一例を以下に示す。
メタノール 38.5%
アセトン 11.4%
トルエン 40.6%
酢酸エチル 2.4%
Nブタノール 2.4%
酢酸ブチル 2.2%
PGM−AC 2.5%
【実施例】
【0025】
以下、本発明に係る塗料剥離用洗浄剤についての実施例及び比較例を示すことにより、本発明の効果をより明確なものとする。但し、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【0026】
一、洗浄剤の成分による洗浄効果試験
先ず、洗浄剤の成分の違いによる洗浄効果の差を確認するための実験(実験1〜6)を行った。
<実験1>
1.洗浄剤
塗料剥離用洗浄剤として、下記3種類のものを用意した。
(a)市販のラッカーシンナー(商品名:ラッカーシンナーNO.3000、和信化学工業社製)
成分表示には、「トルエン50〜60%、メタノール10〜20%、酢酸イソブチル10〜20%」と記載されている。
(b)アセトン
(c)(a)のラッカーシンナー100重量部に対しアセトン12重量部を配合したもの
2.塗料の調製
塗料として、二液性アクリルウレタン塗料(黒色)10に対し、硬化剤1(重量比)を添加し、これに対して30%のウレタン塗料用シンナーを配合して希釈したものを使用した。
3.テストピースの作成
上記調製された塗料を、3枚の同一寸法の鉄板(縦120mm×横30mm×厚さ1mm)の全面にそれぞれ同一条件で塗装し、これらを約7時間自然乾燥させたものをテストピース(図1参照)とした。
4.洗浄剥離実験
3つの調色カップ(容量800cc)(1)を用意し、各カップのそれぞれに上記(a)〜(c)の洗浄剤400ccを入れ、各洗浄剤(3)に上記作成された3枚のテストピース(2)の略下半分をそれぞれ浸漬し(図2参照)、2時間放置した。
5.実験結果
30分経過時、1時間経過時、2時間経過時に、上記(a)〜(c)の洗浄剤に浸漬された各テストピースの状態を目視で観察した。結果は以下の通りである。
(30分経過時)
(a)変化なし
(b)変化なし
(c)洗浄剤の表面(空気との境目)付近が剥離し、その部分は塗料が鉄板から完全に剥がれ、横から見ると剥離箇所の塗料がくの字状に持ち上がっている。
(1時間経過時)
(a)変化なし
(b)洗浄剤の表面(空気との境目)付近に少し亀裂が入り、僅かに剥離している。
(c)剥離した面積が大きく広がり、調色カップの底付近まで剥離している。
(2時間経過時)
(a)洗浄剤の表面(空気との境目)付近の両端に、水平方向に5mm程度、垂直方向に3mm程度の剥離が見られる。
(b)洗浄剤の表面(空気との境目)付近に5mm程度の幅で剥離が見られる。
(c)洗浄剤に浸漬されている部分の殆どが剥離している。
【0027】
<実験2>
1.洗浄剤
実験1と同じものを使用した。
2.塗料の調製
塗料として、二液性ウレタン・プライマーサフェイサー10に対し、硬化剤1(重量比)を添加し、これに対して30%のウレタン塗料用シンナーを配合して希釈したものを使用した。
3.テストピースの作成
使用した塗料が異なる以外は、実験1と同じ方法で3つのテストピースを作成した。
4.洗浄剥離実験
実験1と同じ方法で3つのテストピースを上記(a)〜(c)の洗浄剤に浸漬した。
5.実験結果
30分経過時、1時間経過時、2時間経過時に、上記(a)〜(c)の洗浄剤に浸漬された各テストピースの状態を目視で観察し、2時間経過時の観察後に各テストピースの表面を刷毛で擦ってみた。結果は以下の通りである。
(30分経過時)
(a)変化なし
(b)変化なし
(c)洗浄剤の表面(空気との境目)付近に亀裂が入っている。
(1時間経過時)
(a)変化なし
(b)洗浄剤の表面(空気との境目)付近に少し亀裂が入っているが、殆ど変化なし。
(c)調色カップの底付近まで網の目状の亀裂が入り、部分的に剥離している。
(2時間経過時)
(a)変化なし
(b)洗浄剤の表面(空気との境目)付近から15mm位にかけて亀裂が見られる。
(c)洗浄剤に浸漬されている部分の殆どが剥離し、網の目状の亀裂から剥離が進行し、鉄板がむき出しになってきている。
(2時間経過後に刷毛で擦る)
(a)洗浄剤の表面(空気との境目)付近の両端が僅かに(1mm×2mm程度)剥がれて鉄板の表面が見える。
(b)亀裂があった箇所の塗料は剥離できるが、残りの部分は剥離できない。
(c)洗浄剤に漬かっている箇所の塗料は完全に剥離し、鉄板の表面が完全に現れた。
【0028】
<実験3〜6>
実験1,2と同様の実験を、塗料を以下の4種類に変えた以外は同じ方法で行い、夫々の塗料に関する実験を実験3〜6とした。
(1)二液性メタリックベース
(2)一液性メタリックベース
(3)一液性アクリルラッカー塗料
(4)二液性エナメル塗料
その結果、実験3〜6のいずれの場合についても、実験1とほぼ同様の結果が得られた。
【0029】
以上の実験1〜6の結果から明らかなように、(c)の洗浄剤(本発明に係る洗浄剤)は、様々な種類の塗料に対して、(a)の洗浄剤(市販の洗浄剤)や(b)の洗浄剤(アセトン単体)に比べて際立った洗浄効果を示しており、スプレーガンの洗浄に適していることが分かった。
【0030】
二、アセトン配合比率による洗浄効果試験
次に、アセトン配合比率による洗浄効果の違いを調べるための実験(実験7〜8)を行った。
<実験7>
実験1〜6の洗浄剤(a)として使用した市販のラッカーシンナー100重量部に対し、アセトンを3,5,10,20,30,40,50重量部の比率で配合した7種類の洗浄剤を作成し、実験2と同様の方法で塗料の洗浄剥離試験を行った。
剥離試験では、各洗浄剤について、テストピースの塗装が洗浄剤と空気との界面付近から剥離するまでの時間を比較した。
結果を表1に示す。
【0031】
【表1】

【0032】
表1に示す結果から明らかなように、アセトンの配合比率が5〜40の範囲で優れた効果が得られ、特に10〜20の範囲で顕著な効果が得られた。
【0033】
<実験8>
実験7より、アセトンの配合比率が10〜20の範囲で顕著な効果が得られることが分かったため、この範囲で配合比率を1刻みに変化させて洗浄剤を作成し、実験7と同様の方法で洗浄剥離試験を行った。
結果を表2に示す。
【0034】
【表2】

【0035】
表2に示す結果から明らかなように、アセトンの配合比率が11〜13の範囲でより顕著な効果が得られ、12の場合に最も顕著な効果が得られた。
【0036】
三、アセトン以外の配合比率による洗浄効果試験
最後に、アセトン以外の配合比率による洗浄効果の違いを調べるための実験(実験9〜13)を行った。
<実験9〜13>
実験2と同様の実験を、洗浄剤を以下の5種類に変えた以外は同じ方法で行い、夫々の実験を実験9〜13とした。
(d)トルエン51%、メタノール49%からなる塗料溶剤100重量部に対し、アセトン12重量部を配合したもの
(e)トルエン100%からなる塗料溶剤100重量部に対し、アセトン12重量部を配合したもの
(f)キシレン100%からなる塗料溶剤100重量部に対し、アセトン12重量部を配合したもの
(g)メタノール100%からなる塗料溶剤100重量部に対し、アセトン12重量部を配合したもの
(h)トルエン40%、メタノール40%、その他(酢酸エチル、Nブタノール、酢酸ブチル、PGM−AC)20%からなる塗料溶剤100重量部に対し、アセトン12重量部を配合したもの
【0037】
結果は以下の通りであった。
洗浄剤(d)(f)については、実験2の洗浄剤(c)とほぼ同等の効果が得られた。
洗浄剤(e)(h)については、実験2の洗浄剤(c)と同等以上の効果が得られた。
洗浄剤(g)については、実験2の洗浄剤(c)よりはやや劣るものの洗浄剤(a)(b)に比べると優れた効果が得られた。
【0038】
実験9〜13の結果より、本発明に係る洗浄剤はアセトン以外のものの配合比率を変化させても、優れた洗浄効果が得られることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、主として自動車の修理に用いられているアクリルウレタン塗料やアクリルラッカー塗料等を塗装した後のスプレーガン及びカップの洗浄作業に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の効果を確認するための実験に用いたテストピースの概略図である。
【図2】本発明の効果を確認するための実験方法を示す概略図である。
【符号の説明】
【0041】
1 調色カップ
2 テストピース
3 塗料剥離用洗浄剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルエン、キシレン、メタノールの少なくともいずれかを40重量%以上含有する塗料溶剤100重量部に対して、5〜40重量部のアセトンを配合してなることを特徴とする塗料剥離用洗浄剤。
【請求項2】
前記アセトンの配合量が10〜20重量部であることを特徴とする請求項1記載の塗料剥離用洗浄剤。
【請求項3】
前記塗料溶剤が、トルエンのみからなることを特徴とする請求項1又は2記載の塗料剥離用洗浄剤。
【請求項4】
前記塗料溶剤が、キシレンのみからなることを特徴とする請求項1又は2記載の塗料剥離用洗浄剤。
【請求項5】
前記塗料溶剤が、メタノールのみからなることを特徴とする請求項1又は2記載の塗料剥離用洗浄剤。
【請求項6】
トルエン、メタノール、アセトンを含有し、各成分の洗浄剤全体に占める配合比率が、トルエン30〜45重量%、メタノール30〜45重量%、アセトン11〜12重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の塗料剥離用洗浄剤。
【請求項7】
トルエンの比率がメタノールよりも多いことを特徴とする請求項6記載の塗料剥離用洗浄剤。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−56171(P2007−56171A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−244919(P2005−244919)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(591128305)株式会社ビック.ツール (13)
【Fターム(参考)】