説明

塗装用刷毛保持具

【課題】毛束が湾曲して塗装作業に支障を来すことがなく、次第に毛束に湾曲した癖がつき使用不能になることもなく、塗装用刷毛を最適な状態で保管することができる塗装用刷毛保持具を提供する。
【解決手段】本発明の塗装用刷毛保持具1は、塗装用容器20の上端開口21に架橋される架橋部2と、架橋部2に設けられ塗装用容器20の上端開口21を構成する端縁部22に架橋部2を装着するための装着部3と、架橋部2に設けられ塗装用刷毛30の柄31を挟持して毛束32側を下方にして起立状態で保持するための挟持手段4とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装用刷毛の保管に使用して好適な塗装用刷毛保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、塗装作業終了後の塗装用刷毛は、付着した塗料をシンナーなどの溶剤を用いて洗浄した後、塗装用容器の上端開口より毛束側から挿して保管していた。
【0003】
しかし、この保管方法によると、毛束が塗装用容器の内底面に押し付けられるため、毛束が湾曲して次の塗装作業に支障を来し、それを繰り返すと次第に毛束に湾曲した癖がにつき使用不能になることもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】引用無し
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、毛束が湾曲して塗装作業に支障を来すことがなく、次第に毛束に湾曲した癖がつき使用不能になることもなく、塗装用刷毛を最適な状態で保管することができる塗装用刷毛保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するものは、塗装用容器の上端開口に架橋される架橋部と、該架橋部に設けられ前記塗装用容器の上端開口を構成する端縁部に前記架橋部を装着するための装着部と、前記架橋部に設けられ塗装用刷毛の柄を挟持して毛束側を下方にして起立状態で保持するための挟持手段とを有していることを特徴とする塗装用刷毛保持具である。
【0007】
前記挟持手段は前記架橋部に複数設けられていることが好ましい。前記挟持手段は、前記架橋部に回動可能に取り付けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載した塗装用刷毛保持具によれば、毛束が湾曲して次の塗装作業に支障を来すことがなく、次第に毛束に湾曲した癖がつき使用不能になることもなく、塗装用刷毛を最適な状態で保管することができる。
請求項2に記載した塗装用刷毛保持具によれば、請求項1の効果に加え、複数の塗装用刷毛を一つの塗装用容器で纏めて効率的に保管できる。
請求項3に記載した塗装用刷毛保持具によれば、請求項1または2の効果に加え、挟持手段で塗装用刷毛をより容易に保持させることができ、多数の塗装用刷毛を保持させる場合にはさらに容易かつ効率的に塗装用刷毛を保持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の塗装用刷毛保持具の一実施例の斜視図である。
【図2】図1に示した塗装用刷毛保持具の平面図である。
【図3】本発明の塗装用刷毛保持具の使用例を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明では、塗装用刷毛30の柄31を挟持可能な挟持手段4を架橋部2に設けたことで、塗装用容器20内で毛束32が内底面に当接しない起立状態で塗装用刷毛30を保持でき、毛束が湾曲してその後の塗装作業に支障を来すことがなく、次第に毛束に湾曲した癖がつき使用不能になることもなく、塗装用刷毛を最適な状態で保管可能な塗装用刷毛保持具1を実現した。
【実施例1】
【0011】
本発明の塗装用刷毛保持具を図1ないし図3に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の塗装用刷毛保持具1は、塗装用容器20の上端開口21に架橋される架橋部2と、架橋部2に設けられ塗装用容器20の上端開口21を構成する端縁部22に架橋部2を装着するための装着部3(3a,3b)と、架橋部2に設けられ塗装用刷毛30の柄31を挟持して毛束32側を下方にして起立状態で保持するための挟持手段4とを有している。以下、各構成について順次詳述する。
【0012】
架橋部2は、塗装用容器20の上端開口21に架橋される部位であり、図2に示すように本体部として長尺状帯状体を有している。架橋部2は塗装用容器20の上端開口21の直径と略同一の長さに形成されており、上端開口21の中央部を横断するように架橋される。これにより、架橋部2の短手方向の両側に向かってそれぞれ後述する挟持手段4を突設させ、より多数の塗装用刷毛30を保持させることができる。
【0013】
なお、本願でいう「塗装用容器」とは、上端が開口し内部に塗料を収納可能な有底容器であればよく、図3に示したような塗装時に使用され把手部23を備えた専用容器の他、塗料販売時に使用される塗料容器なども含まれる。
【0014】
また、この実施例の架橋部2は長尺状帯状体にて形成されているが、これに限定されるものではなく、後述する装着部3および挟持手段4を設けることができるものであればどのような形態のものでもよく、例えば棒状体などであってもよい。
【0015】
さらに、この実施例の架橋部2は、塗装用容器20の上端開口21の中央部を横断するものとして構成されているが、これに限定されるものではなく、塗装用容器20の上端開口21の中央部以外に架橋される形態のものも本発明の範疇に包含される。
【0016】
装着部3は、塗装用容器20の上端開口21を構成する端縁部22に架橋部2を装着するための部位であり、この実施例の装着部3は、図1に示すように、架橋部2の長手方向の両側にそれぞれ固着された装着部3a,3bから構成されている。
【0017】
具体的には、装着部3a,3bは、架橋部2の長手方向の両側に設けられた屈曲部2a,2bの外側面にそれぞれ固着されており、塗装用容器20の上端開口21を構成する環状端縁部22を挿嵌可能な下向きの弧状溝部5a,5bをそれぞれ備えている。そして、塗装用刷毛保持具1を塗装用容器20の上端開口21に装着する場合は、装着部3a,3bの弧状溝部5内に塗装用容器20の環状端縁部22を挿嵌することにより装着可能に構成されている。
【0018】
ただし、装着部3の構造はこれに限定されるものではなく、塗装用容器20の上端開口21に架橋部2が架橋できるものであればどのようなものでもよく、例えば、架橋部の長手方向の両側がそれぞれ下方に向かって屈曲され、装着時には、上端開口21を構成する環状端縁部22を越えて塗装用容器20の外側面と係合する弧状片部が一体成形されたものなどであってもよい。
【0019】
挟持手段4は、塗装用刷毛30の柄31を挟持して毛束32側を下方にして起立状態で保持するためのものであり、この実施例の挟持手段4は、いわゆる洗濯バサミの擬態形状に形成されている。
【0020】
具体的には、挟持手段4は、図2に示すように、垂直方向に延在する軸部材4aと、軸部材4aを支点として連結された一対の挟持部材4bと、弾性部材4cとから構成されており、挟持部材4bは、弾性部材4cにより付勢されて通常時では閉じている挟持片部4dと、挟持片部4dの反対側に設けられ挟持片部4dを開くための把持片部4eを有している。
【0021】
塗装用刷毛保持具1には、この挟持手段4が、架橋部2の短手方向に向かって挟持片部4dが突出するように複数(この実施例では計6個)取り付けられており、塗装用刷毛30の柄31を挟持する場合は、把持片部4eを両側から押圧して挟持片部4dを開いて柄31を挟持できるように構成されている。
【0022】
このように、塗装用刷毛保持具1には挟持手段4が複数設けられている。このため、複数の塗装用刷毛を一つの塗装用容器で纏めて効率的に保管することができる。
【0023】
また、本発明の塗装用刷毛保持具1は塗装用刷毛30の柄31を挟持することができる挟持手段で構成されている。このため、長さの異なる塗装用刷毛でも、挟持する柄の位置を調節することで、毛束が塗装用容器の内底面に接触しない状態で保持することができる。
【0024】
さらに、挟持手段4は、架橋部2の挟持手段取付板2cに、軸部材4aを支点として図2中矢印hのように回動可能に取り付けられている。これにより、適宜、挟持手段4を回動させて塗装用刷毛30を容易に保持させることができ、多数の塗装用刷毛30を保持させる際、例えば隣接する装用刷毛30の刷毛部が大きい場合でも、適宜、挟持手段4を回動させ挟持片部4dを他方側に移動させてより容易かつ効率的に保持させることができる。
【0025】
なお、挟持手段の形態はこの実施例の形態に限定されるものではなく、塗装用刷毛の柄を挟持して毛束側を下方にして起立状態で保持可能なものであればどのようなものでもよい。また、この実施例の挟持手段は計6個設けられているが、これに限定されるものではなく1以上であれば何個のものでも本発明の範疇に包含される。さらに、この実施例の挟持手段4は挟持手段取付板2cに固定されているが、長尺状帯状体自体に固定されていてもよい。
【0026】
架橋部、装着部および挟持手段を形成する材料としては、この実施例のように、剛性および強度に優れた金属材料が好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば樹脂材料などでもよい。
【0027】
つぎに、本発明の塗装用刷毛保持具1の使用方法について説明する。
この塗装用刷毛保持具1を使用するに際しては、図3に示すように、装着部3の弧状溝部5内に、塗装用容器20の上端開口21を構成する端縁部22を挿嵌して架橋部2を上端開口21の上方に横断させ装着する。つぎに、溶剤にて毛束32を洗浄した塗装用刷毛30の柄31を挟持手段4にて保持させる。この時、塗装用刷毛30の毛束32が塗装用容器20の内底面に接触しないように、挟持手段4にて保持する柄31の位置を調節して保持させる。隣接する塗装用刷毛30同士で刷毛部が接触する場合は、挟持手段4を軸部材4aを支点として回動させ挟持片部4dを移動させて保持させる。
【0028】
このように、本発明の塗装用刷毛保持具1は、塗装用容器20内で毛束32が内底面に当接しない起立状態で塗装用刷毛30を保持できるため、毛束が湾曲してその後の塗装作業に支障を来すことがなく、次第に毛束に湾曲した癖がつき使用不能になることもなく、塗装用刷毛を最適な状態で保管することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 塗装用刷毛保持具
2 架橋部
3 装着部
4 挟持手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗装用容器の上端開口に架橋される架橋部と、該架橋部に設けられ前記塗装用容器の上端開口を構成する端縁部に前記架橋部を装着するための装着部と、前記架橋部に設けられ塗装用刷毛の柄を挟持して毛束側を下方にして起立状態で保持するための挟持手段とを有していることを特徴とする塗装用刷毛保持具である。
【請求項2】
前記挟持手段は前記架橋部に複数設けられている請求項1に記載の塗装用刷毛保持具。
【請求項3】
前記挟持手段は、前記架橋部に回動可能に取り付けられている請求項1または2に記載の塗装用刷毛保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−218314(P2011−218314A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91917(P2010−91917)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(510103174)
【Fターム(参考)】