説明

変性された再生タバコシート

紙巻きタバコに使用される再生タバコシートであって、約80重量%以下の木材パルプと、約30重量%以下のバインダーと、約80重量%以下のタバコとを含む。湿潤剤および香味料を加えてもよい。この再生タバコシートは、タバコロッドとシガレットペーパーからなる外方ラッパーの内面との間にタバコロッドの外面に沿って長尺のストリップとして配される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生タバコシートの製造方法に関し、具体的には再生タバコシート内のゲルマトリックスに含まれた香味化合物を含む再生タバコシートの製造方法に関し、より具体的にはアルギナート系化合物を含む再生タバコシートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
喫煙品、特に紙巻きタバコの製造において、一定の割合のストリップ状の再生タバコをタバコブレンドに使用するのが一般的である。この再生タバコは、通常、タバコ微粉、葉脈、葉柄およびその他のタバコ廃棄物から調製され、これらはさらに処理され、シート状に形成され、ストリップ状に切断され、新鮮な刻みタバコとブレンドされる。喫煙品用のタバコブレンドに使用される再生タバコの量は、喫煙品によって変わるが、通常20%未満である。また製紙工程を経て製せられる再生タバコシートは、アルギナート、グアールガム、キサンタンガム、アカシアガム、ペクチンガム、その他のガムおよび変性セルロース化合物などの追加のバインダーを含んでいない。
【0003】
現在、燃えたタバコが可燃性または引火性の物と接触することに起因する火災がかなりの数に登っていることから、喫煙品の着火性を減少させることに多くの関心が寄せられている。従って、低着火性の喫煙品を供するために業界ではかなりの努力がなされてきている。その多くは、喫煙品のラッパーを変性することによって行われている。特に喫煙品用のラッパーにコーティングを施したり、添加剤を加えたりしてラッパーの透気度を減少させたり、化学的特性を変えたりしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、再生タバコシート用の新規な配合およびその製造方法を提供することである。
【0005】
さらに本発明は、喫煙品用ラッパーの1つの層に新規な再生タバコシートを含む喫煙品を提供することも目的としている。
【0006】
また本発明は、アルギナート系コーティングを有する再生タバコシート用の新規な配合およびその再生タバコシートの製造方法を提供することも目的としている。
【0007】
またさらに本発明は、アルギナート系コーティングを有する新規な再生タバコシートをラッパーの1つの層に含む紙巻きタバコを提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、約80重量%以下のタバコと、約80重量%以下、好ましくは約60重量%以下の木材パルプと、約30重量%以下、好ましくは約20重量パーセント以下のバインダー(例えば、アルギナート、グアールガム、キサンタンガム、アカシアガム、ペクチンガム、その他のガムおよび変性セルロース化合物)と、約30重量%以下、好ましくは約3乃至5重量%の香味化合物とを含む再生タバコシートを提供する。
【0009】
再生タバコシートの製造方法は、当業界では知られている。本発明は、透気度を減少させるためにバインダーが塗付された再生タバコシートの製造方法を提供し、紙巻きタバコの着火性および燃焼速度を減少させる。バインダーは、アルギナート、グアールガム、キサンタンガム、アカシアガム、ペクチンガム、その他のガムおよび変性セルロース化合物であってもよい。バインダーが塗付された再生タバコシートは、喫煙品に使用するために所定の幅を有する種々の長さに切断される。1つの態様では、その所定幅のストリップは、タバコロッドと外方シガレットラッパーとの間でタバコロッドの長手方向に配置される。
【0010】
本発明のさらなる目的および利点は、本発明の再生タバコシートの調製例を含む以下の詳細な説明を考慮すれば当業者に明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の特徴および利点は、添付の図面を参照した好ましい態様の詳細な説明で理解されるはずである。
【0012】
燃焼速度が変性された紙巻きタバコを図1に示し、これは以下、部分二重ラップ紙巻きタバコ10として説明される場合がある。図から判るように、この本発明の二重ラップ紙巻きタバコ10は、露出端部からフィルター15に延びた標準的なタバコカラム13を含む。タバコカラム13を包んでいるのは、シガレットペーパー12からなる外方ラッパーである。シガレットペーパー12の内面には別個の部分的にカラムを囲む内方ラッパー層またはストリップ14aおよび14bが配されている。この別個の部分的に囲む内方ラッパー層14aおよび14bは、紙巻きタバコ10の燃焼特性を変えることによってタバコカラム13の燃焼速度変性材として作用する。図1に示す態様から明らかなように、内方ラッパー層は、タバコカラム13と同軸に配されてもよく、露出端部からフィルター15へとタバコカラムのほぼ全長を延びてもよい。この態様ではタバコカラム13に同軸に配されている別個の部分的に囲む内方ラッパー層14aおよび14bを挿入することによって、タバコの充填密度、外方ラッパー12の透気度、外方ラッパーへの添加剤、内方ラッパー層14aおよび14bの幅および透気度および内方ラッパー層14aおよび14bへの添加剤などに応じて燃焼速度を調節できるように紙巻きタバコの燃焼速度を変えることができる。これとは別に内方ラッパー層をタバコカラム13の全長に亘って延びないように短くしてもよく、また異なる方向に延びるようにしてもよい。従って、特にここに記載した要素の組み合わせに基づいて本発明の部分二重ラップ紙巻きタバコ10の燃焼速度を種々変えることが可能になる。
【0013】
また図1から明らかなように、変性された燃焼速度特性を有する本発明の部分二重ラップ紙巻きタバコ10は、第1および第2の部分的に囲む内方ラッパーストリップ14aおよび14bを有する外方シガレットペーパーラッパー12を含む。外方シガレットペーパー12は、典型的には15乃至80CORESTA単位の透気度を示す通常の透気度の紙であってもよい。外方シガレットペーパー12と組み合わせて、紙巻きタバコ10の燃焼速度特性を変性することができる少なくとも1つの部分的にカラムを囲む内方ラッパー層が位置する。図に示すように、第1および第2の部分的に囲む内方ラッパー層14aおよび14bは、タバコカラム13の対向する側部に供される。タバコカラム13の全体に亘って実質的に均等の燃焼速度特性を供するために、部分的に囲む内方ラッパーストリップ14aおよび14bは、実質的にタバコカラム13と同軸にフィルター15まで延びるように配される。
【0014】
図2の態様に示すように部分的に囲む内方ラッパーストリップ14aおよび14bは、タバコカラム13の端から端まで延び、互いに等間隔になるように配されるか、または所望の燃焼速度特性に応じて別の位置に配置されてもよい。
【0015】
図3を参照すると、本発明の部分二重ラップ紙巻きタバコ10は、内方ラッパー層またはストリップ14aおよび14bの配置によって交互に配された高拡散領域21と低拡散領域22を有することが明らかである。図から判るように少なくとも1つの高拡散領域21によって通常の煙の送出量(deliveries)を維持しながら、外方ラッパー12によって形成されたバリアーを介してCOおよび酸素の透気度が増加する。これとの組み合わせにおいて、内方ラッパー層14aおよび14bそれぞれの周辺領域によって形成された低拡散領域22は、外方ラッパー12との組み合わせで内方ラッパー層14aおよび14bの透気度に直接関係して、それを介して流入および流出する気体のかなりの部分または全てを潜在的に遮断する。高拡散領域21および低拡散領域22の同一線形領域(co-linear zones)は、高拡散同一線形領域の場合、14CORESTA単位超の透気度を示し、低拡散同一線形領域の場合、8CORESTA単位未満の透気度を示す。
【0016】
図に示したように燃焼速度が変性された紙巻きタバコの構造は、部分二重ラップ紙巻きタバコ10であり、典型的な27mm幅の標準的な外巻きシガレットペーパー12を使用している。図2および4に示す別の態様では、この外巻きペーパー12の内部に沿って別個の部分的にタバコカラムを囲む内方ラッパー層14aおよび14bが配されており、これらはシガレットペーパー12の実質的に全長に沿って延びていてもよい。外巻きペーパーは、標準的な透気度と構造を有しているが、この態様の部分的に囲む内方ラッパーは、第1および第2ストリップ14aおよび14bから構成され、それぞれ4mmの幅を有し、8CORESTA単位未満の透気度を有する。従って、これら2つの内方ラッパー層14aおよび14bで本発明の部分二重ラップ紙巻きタバコ10の円周の約8mmを囲むが、標準的な紙巻きタバコのタバコカラムの円周の最大で15mmまで囲むようにしてもよい。部分的に囲む内方ラッパーと外巻きペーパーのあらゆる組み合わせが各紙の透気度などの上述の要素に応じて機能するが、良好な燃焼速度特性が得られ、かつ、煙特性及び香味への影響が制限されるということで外巻きペーパーの円周の約75%未満、好ましくは60%未満、より好ましくは35%未満を覆う内方ラッパーを使用するのが望ましい。これは紙巻きタバコの全体の関数であり、外巻きペーパーの円周に応じて変えてもよい。しかしながら、本設計の発明的概念を利用して同じような良好な結果を達成するために種々の変化が可能であり、それに関する説明は、例示的なもので本発明を限定するものではない。
【0017】
またここに示す燃焼速度変性された紙巻きタバコを供するために多くの異なる構造を利用してもよい。単独の内方ラッパー層または複数の内方ラッパー層を所望の特性および燃焼速度に応じて供してもよい。従って上述したように、望ましい種々の線燃焼速度を供するために低透気度内方ラッパー領域および高透気度外方ラッパー領域を組み合わせて利用してもよい。従って、6.0mm/分の典型的な線燃焼速度を他の要素の中で外方ラッパーと部分的に囲む内方ラッパーストリップの透気度の組み合わせによって所望の燃焼速度に減少させてもよく、必要であれば4mm/分未満に容易に減少させることが可能である。これは、低透気度の単独の内方ラッパーストリップの処方例または内方ラッパーストリップを種々の構造の材料、例えば再生タバコ、低透気度紙、ポリマー系材料、その他の紙または材料に代えることも含む。内方ラッパーストリップは、アルギナート(例えばアルギン酸ナトリウム)、グアール、キサンタン、アカシア、ペクチン、その他のガム、変性セルロース化合物または親水コロイド系化合物などのバインダーがコートされ、これらは燃焼変性剤または抑制剤として機能し、タバコカラムに沿って少なくとも1つの低拡散領域を形成する。これらのバインダーは、内方ラッパーストリップとして使用される再生タバコシートの透気度を減少させ、外方ラッパー透気度、タバコ充填密度、内方ラッパーストリップ燃焼特性、内方ラッパー透気度およびその他の要素全体の組み合わせによって紙巻きタバコが所望の燃焼速度を供するように適当な特性を供する。
【0018】
図4乃至7に示すように、低透気度領域を得るために種々の態様が利用可能である。図4に示すように開いた状態の標準的な外方ラッパー12には複数の内方ラッパーまたは内方ストリップ16a、16b、16cおよび16dが配列されている。これらのストリップは、外方ラッパー12の内部に沿って等間隔に配されてもよく、または紙巻きタバコ製造機のガーニチャー(garniture)内で外方ラッパーが巻かれて接着する継ぎ目から離れて配されてもよい。ストリップ16a−16dは、全てガーニチャー内に供給してもよく、タバコカラムに隣接する外方ラッパーの内部に組み込まれる。部分的にタバコカラムを囲むアルギナート系化合物がコートされた内方ラッパーストリップを配置することによって、静的燃焼速度を著しく減少させたり、または所望の間隔で自己消火させるために燃焼速度を充分に減少させるように所望のレベルに燃焼速度を変性することができる。
【0019】
図5に示すように外方ラッパー12の縁部と比較して非直線状の側面を有する内方ラッパー17を低透気度領域を形成するために、部分的に囲む内方ラッパーとして使用することも可能である。図示したように内方ラッパー17は波形形状を有しており、これにより低透気度領域の位置がタバコカラム軸に沿った位置で変化する。このように低透気度領域を非直線状に配置することによって静的燃焼の間、紙巻きタバコが異なる配置を取ることを可能にし、紙巻タバコの配置に関係なく所望の静的燃焼速度を確実に生じさせる。
【0020】
図6に本発明の燃焼速度が変性された紙巻きタバコの別の態様を示す。図から判るように高拡散領域21と低拡散領域22は、外方ラッパー12の内部でタバコカラム13の一部を囲む部分二重内方ラッパー18によって形成されている。図6に示すようにこの二重内方ラッパー18は、タバコカラム13の周囲のほぼ半分に亘って延びている。しかしながら、好適な線燃焼速度を達成するために多くの異なる構造を利用することが可能である。またこの二重内方ラッパー18は、7CORESTA単位未満の低透気度を有する標準的なシガレットペーパーまたは燃焼速度変性剤がコートされたシガレットペーパーで構成してもよく、あるいは通常5未満、好ましくは3未満の低CORESTA単位値を有する、添加剤が加えられたまたは加えられていない再生タバコシートなどで構成してもよい。二重内方ラッパー18として再生タバコシートを利用することによる二次的な利点は、内方ラッパーの色がタバコカラム13と似たような色になり、カラムの色と対照的な白色化した領域が低拡散領域22に沿って形成されないということである。またポリマーフィルムまたはその他の材料を二重内方ラッパー18として使用することができる。線燃焼速度が充分に低いレベル、好ましくは4.0mm/分となる所望の好適な燃焼速度変性を得るために図6に示した二重内方ラッパーは、2−14mmの幅を有するか、または外方ラッパーの75%未満となるようにするのが好ましい。
【0021】
図7に別の態様を示しているが、この態様では複数の内方ラッパーストリップ19が使用されており、外方ラッパー12の内部でタバコカラム13を実質的に囲んでいる。これら複数の内方ラッパーストリップ19は、外方ラッパー12に隣接するガーニチャー内に供給され、紙巻きタバコ製造機内でタバコカラム13が形成される際にカラムを取り囲む。複数のストリップ19は、紙巻きタバコ製造機内に個々に供給される低透気度シガレットペーパーで構成されてもよく、あるいはガーニチャーに隣接する紙巻きタバコ製造機内に供給され、適当なストリップ幅に切断された単独または複数のストリップで構成されてもよい。図7に示すように複数の内方ラッパーストリップ19が使用され、タバコカラム13の長さに沿って実質的に同軸に延びている。複数のストリップ19は、例えば紙巻タバコの配置に関係なくタバコカラム全体に沿って燃焼速度を変性するためにタバコカラムの全長に亘って延びているのが好ましい。図7に示すような複数のストリップ19を供することによって紙巻きタバコの燃焼速度の変性度が高くなる。
【0022】
同軸に実質的にタバコカラム13の長さに沿って延びた内方ラッパーは、タバコカラム13の軸に対して垂直に交互に配されるリングより顕著な利点を供するタバコカラムの長さに沿って交互に位置するこのような垂直リングは、タバコカラム13を非線状燃焼させる。タバコカラムの周囲を囲むリングが配されているこのような設計においては、リング間の調整されていない紙の透気度と対照的に線燃焼速度がリングが配されているポイントの紙の透気度によって低線燃焼速度から高線燃焼速度の間で変化する。リングとリングとの間でかなりの時間のタバコの連続した自由燃焼によって、タバコカラムの全体の長さに亘って好適な燃焼速度変性が得られないという点でこのような非線状燃焼速度は、望ましくない。さらに低透気度リングが存在するポイントで、タバコカラムの火が低透気度リングを通過する際に喫煙者が吸引する場合もある。そのようなポイントでは、タバコの火がいくつかのリングの内の1つを通過する際に発生する一酸化炭素および他の化合物が著しく増加するなどして紙巻きタバコの煙の送出量が変化する。従って、本発明の部分的に二重に囲む内方ラッパー層は、タバコカラムの全長に亘って公知の標準的な送出量を供しつつ、同軸長全体に沿って燃焼速度を変性することによってこれらの問題点を解決している。
【0023】
本発明の燃焼速度が変性された紙巻きタバコ10では、内方ラッパー層を複数または単独で用いるかに関係なく、外方ラッパー12に継ぎ目から離れて組み込むのが好ましい。紙巻きタバコの製造において知られているように、図1に示したように継ぎ目23は、外方ラッパー12の側縁部24を重ね合わせることによって紙巻きタバコ製造機によって形成される。通常の紙巻きタバコの製造においては、外方ラッパーを折り、タバコカラム13を形成する前に糊が縁部24のどちらかに沿って塗付される。本発明の燃焼速度が変性された紙巻きタバコ10の製造中、外方ラッパー12が適切に形成され、内方ラッパー層がタバコカラムの形成または外方ラッパーの接着の邪魔にならないように継ぎ目から内方ラッパー層を離して維持するのが望ましい。従って全ての態様で示したように、内方ラッパー層が外方ラッパー12の継ぎ目に当たったり、通常の紙巻きタバコ製造機のガーニチャー内でのタバコカラムの形成を邪魔しないように内方ラッパー層は、側縁部24から離れて配置されている。従って本発明の燃焼速度が変性された紙巻きタバコは、紙供給装置に僅かに変更を加えた標準的な紙巻きタバコ製造機で製することができ、従ってガーニチャー内では変更を全く必要としない。またここに示したいずれの態様において、内方ラッパーストリップを紙巻きタバコの外側に配置してもよく、低および高透気度の同一線形領域が形成されるように糊またはその他の手段で外方ラッパーに保持されるようにしてもよい。
【0024】
本発明の燃焼速度が変性された紙巻きタバコは、外方ラッパーおよび内方ラッパーの特性を変えて設計することが可能である。上述したように標準的な外方ラッパーは、広げたときの幅が27mmで通常15乃至80CORESTA単位の透気度を有するように設計される。通常理解されているように外方ラッパーの透気度を著しく減少させると紙巻きタバコの煙送出量および線燃焼速度が変わってしまう。通常または典型的な紙巻きタバコの標準的な燃焼速度は、紙巻きタバコに部分的に内方ラッパーを加えることによって変性することができる。この内方ラッパーは、単独で使用してもよく、あるいはいくつかの図面で示したように複数の内方ラッパーを使用してもよい。この内方ラッパーは、8CORESTA単位未満の透気度を示すように透気度が著しく減少した特性を有する紙である。内方ラッパーストリップを単独で使用する場合、その内方ラッパーとしては、2乃至15mmの幅を有するものを使用する。内方ラッパーの透気度は、0乃至8CORESTA単位の範囲で調整してもよい。
【0025】
以下の実施例を考慮することによって本発明をより具体的に理解することできるはずである。しかしながらこれらの実施例は、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【実施例1】
【0026】
ここで説明した本発明の技術および構造を使用して部分的に内方ラッパーストリップを有する紙巻きタバコの構造を有するいくつかの製品サンプルを製造した。このような内方ラッパーストリップを有さない、4.3乃至4.7mm/分の線燃焼速度を示す対照の紙巻きタバコも使用した。内方ラッパーストリップには以下の表に具体的に示したような標準的に処理された紙やバンドキャストタバコ材料などの異なる材料を使用した。
【0027】
5CORESTA単位未満の透気度を有する2つのバンドキャストラッパーストリップを有する紙巻きタバコの例
【表1】

【0028】
5CORESTA単位未満の内方ラッパー透気度を有するアルギン酸ナトリウムで処理された、または被覆された2つのシガレットペーパーストリップを有する紙巻きタバコの例
【表2】

【0029】
バンドキャストストリップを有する2つのサンプルの煙り送出量の詳細
【表3】

【0030】
ここに示した実施例において明らかなように紙巻きタバコに部分的に内方ラッパーを加えることによって、対照紙巻きタバコと比較して線燃焼速度および自己消火に顕著な効果が見られた。本発明の紙巻きタバコの線燃焼速度は、直接的に影響を受け、最大で40%線燃焼速度が減少したことを確認した。少なくとも4mm幅の内方ラッパーを使用した場合、テストサンプル全てが自己消火した。より狭い幅のラッパーでは別の添加剤を使用したり、またはラッパーの数を増やしたりすることによって得られるような異なる結果が得られる。10層紙巻きタバコ自己消化は、紙巻きタバコの着火性を評価するNIST試験と関連する。
【0031】
再生タバコストリップを含む喫煙品
【0032】
部分的にタバコカラムを囲む別の内方ラッパーストリップ14は、特定の処方および後述する方法に従って製せられた再生タバコストリップであってもよい。外方シガレットペーパー12は、15乃至80CORESTA単位の通常の透気度を示す通常の透気度の紙であればよい。再生タバコシートからなる2枚のストリップ14をタバコカラム13の対向する側に設け、部分的に囲む内方ラッパー層とした。再生タバコストリップを含む部分的に囲む内方ラッパー層14は、実質的にタバコカラム13の長さに沿って、タバコカラムと同軸に延びてもよい。1つの態様では、ストリップは、得られる紙巻きタバコが均一に燃焼するように互いに間隔をおいて配される。
【0033】
バインダーを有する再生タバコシートの調製
【0034】
図8は、裁断された内方ラッパーを製するための再生タバコ変性工程を例示するフローチャートである。紙巻きタバコに使用する再生タバコの調製において、タバコ微粉、葉柄、くず、切断された葉身、刻み茎またはこれらを組み合わせたものなどのタバコ粒子をタバコ1部に対して水性溶媒11−20部に調整された水性溶液中でスラリー状にする。溶液を30分間、160°Fの温度で抽出する。溶液を遠心分離またはろ過などの公知の分離技術を用いて水溶性化合物を含む抽出液と固形/繊維部分とに分離する。固形/繊維部分を精製し、パルプに精製された木部繊維から製せられた10%木材パルプと、アルギナート(例えばアルギン酸ナトリウム)、グアール、キサンタン、アカシア、ペクチン、その他のガム、変性セルロース化合物および親水コロイド系化合物などの任意の第2のバインダーと混合する、この固形/繊維タバコ、木材パルプおよび任意の第2バインダーの混合物を公知の製紙工程によって再生タバコシートに形成する。
【0035】
その間抽出液は、望ましくない成分を選択的に除去するために特定の吸着剤で任意に処理することができる。それから抽出液は、遠心分離され、望ましくない成分を含む吸着剤を廃棄する。その後抽出液は、濃縮される。アルギナート(例えばアルギン酸ナトリウム)、グアール、キサンタン、アカシア、ペクチン、その他のガム、変性セルロース化合物および親水コロイド系化合物などの第1のバインダーを抽出液に加える。またグリセリンなどの湿潤剤をシートの積層性向上のために加えることができ、これは通常バインダーおよびあらゆる追加の香味料の前に加えられる。所望の香味料も抽出液に加えることができる。
【0036】
この新しい抽出液混合物は、予め形成されたタバコシートに塗布される。またアルギナート(例えばアルギン酸ナトリウム)、グアール、キサンタン、アカシア、ペクチン、その他のガム、変性セルロース化合物および親水コロイド系化合物などの第3のバインダー混合溶液を再生タバコシートにサイズプレスおよび/またはスプレーすることができる。この再生タバコシートを乾燥させ、所望の幅の長尺のストリップに裁断し、ボビンに巻き取る。この長尺ストリップをタバコロッドの外周および外方ラッパーの内面に沿って長手方向に延びたストリップとして使用することができる。
【0037】
好ましい混合物は、タバコを約80重量%以下、木材パルプを約80重量%以下、好ましくは約60重量%以下、バインダーを約30重量%以下、好ましくは約20重量%以下、そして香味料を加える場合、約30重量%、好ましくは約3乃至5重量%含む。
【0038】
次の例は、喫煙品に使用するためにバインダーを有する再生タバコシート調製後の工程を例示するものである。
【実施例2】
【0039】
再生タバコシートの製造工程において、タバコと木材パルプ(1:3乃至3:1の比で)を組み合わせたもの500ポンドを混合容器中で750ガロンの水で140℃乃至190℃で30乃至45分間抽出した。抽出後、混合物を遠心分離、ろ過またはプレスなどによって固形物(繊維)と液体(抽出液)流とに分離した。
【0040】
液体抽出物を真空蒸発によって濃縮し、60ポンドのグリセリンと完全に混合した。別個の容器にアルギナート溶液を135ガロンの水に40ポンドのアルギン酸ナトリウムを完全に分散させて調整した。グリセリンで濃縮された抽出液をアルギナート溶液と完全に混合した。任意ではあるが選択的に窒素および他の望ましくない化合物を除去するために、ベントナイト(珪藻土)、カーボン、シクロデキストリン、セルロースアセテート、またはこれらを組み合わせたものなどの粉末状の固形吸着剤75ポンドと20乃至45分間、ゆっくりと撹拌した。撹拌後、吸着剤を抽出液から遠心分離によって分離し、廃棄した。それから抽出液を濃縮し、上述のようにグリセリンおよびアルギナートで処理した。
【0041】
その間、固形物流を精製機に通過させ、繊維をタバコ−木材パルプにフィブリル化させた。その後パルプを長網抄紙機上でベースシートに製するために使用し、乾燥させた。上記で調製した2つの濃縮抽出液のいずれかをサイズプレスまたはスプレーによってベースシートに再度加えた。得られたシートを最終的に乾燥させ、ストリップに裁断し、内方ラッパーとして使用するためにボビンに巻きつけた。
【実施例3】
【0042】
濃縮された抽出液と混合する代わりにアルギナート溶液を直接ベースシートに添加した以外、実施例2のようにシートを調製し、裁断した。また25ポンドの沈降チョークまたはキトサン(無機または有機不活性充填剤)を長網抄紙機上でベースシートに製する前に精製されたパルプ混合物に添加した。他の充填剤は、リポサンおよびチョーク、キトサンおよびリポサンを組み合わせたものを含む。
【0043】
上記実施例で示したパラメーターは、これら実施例で使用した再生タバコシート混合物内の成分を変更することによって変えることが可能であるので、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の再生タバコシートを使用した本発明の紙巻タバコの一部の斜視図である。
【図2】本発明の再生タバコシートを含むシガレットペーパーの巻かれていない状態の斜視図である。
【図3】図1の紙巻きタバコの端面図である。
【図4】再生タバコシートを含む本発明の別の態様のシガレットペーパーの斜視図である。
【図5】再生タバコシートを含む本発明の別の態様のシガレットペーパーの斜視図である。
【図6】図5の端面図である。
【図7】再生タバコシートを含む本発明の別の態様のシガレットペーパーを含む紙巻きタバコの部分切り欠き図である。
【図8】分割された内方ラッパーを製造するための変性された紙再生工程を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
80重量%以下のタバコと30重量%以下のバインダーとを含むスラリーを調製する工程と、
80重量%以下の木材パルプを含む予め形成された再生タバコシートに前記スラリーとコートする工程とを含む、バインダーを含む再生タバコシートの製造方法。
【請求項2】
前記再生タバコシートが60重量%以下の木材パルプを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記スラリーが20重量%以下の前記バインダーを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
固体混合物に30重量%以下含まれる香味料をさらに加えることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記固体混合物は3乃至5重量%の前記香味料を含むことを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
最初に前記タバコを水性溶媒に加えてスラリーを形成し、次に前記バインダーを前記スラリーに加え、前記タバコと前記バインダーがそれぞれ前記予め形成された再生タバコシートに加えられる前に分散されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記バインダーがアルギナート、グアールガム、キサンタンガム、アカシアガム、ペクチンガム、その他のガム、変性セルロース化合物および親水コロイド系化合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記アルギナートがアルギン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
さらに湿潤剤を加える工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記湿潤剤がグリセリンおよびプロピレングリコールからなる群から選択されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記グリセリンが前記混合物の30%以下を構成することを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記再生タバコシートを長尺のストリップに切断する工程と、
複数の前記長尺再生タバコシートストリップを紙巻きタバコ内にタバコカラムに隣接して挿入する工程とをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
80重量%以下の前記タバコを水性溶媒中でスラリー状にし、次いで30重量%以下のバインダーをスラリー中で分散させ、30重量%以下の湿潤剤を前記スラリー中で分散させ、最後に30重量%以下の香味料を前記スラリー中にぶんさせたバインダーと、湿潤剤と、タバコと、香味料とを含むスラリーを調製する工程と、
予め形成された再生タバコシートに前記スラリーをコートする工程と、
複数の前記長尺再生タバコシートストリップを紙巻きタバコ内にタバコカラムに隣接して挿入する工程とを含みむ再生タバコシートの製造方法。
【請求項14】
前記バインダーがアルギナート、グアールガム、キサンタンガム、アカシアガム、ペクチンガム、その他のガム、変性セルロース化合物および親水コロイド系化合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記アルギナートがアルギン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記湿潤剤がグリセリンおよびプロピレングリコールからなる群から選択されることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項17】
外方ラッパーに囲まれたタバコカラムと、
前記タバコカラムの長手方向に延び、前記タバコカラムと前記外方ラッパーとの間に配された前記タバコカラムを部分的に囲む内方ラッパーとを含み、この内方ラッパーは、80重量%以下の木材パルプと、30重量%以下のバインダーと、80重量%以下のタバコとから構成された1つ以上の再生タバコシートストリップであり、前記内方ラッパーは、80重量%以下のタバコと、30重量%以下のバインダーとを含むコーティングでコートされている紙巻きタバコ。
【請求項18】
前記内方ラッパーに30重量%以下の香味料を含むことを特徴とする請求項17記載の紙巻きタバコ。
【請求項19】
前記香味料が前記ラッパーの3乃至5重量%含まれることを特徴とする請求項18記載の紙巻きタバコ
【請求項20】
内方ラッパーに30重量%以下の湿潤剤を含むことを特徴とする請求項17記載の紙巻きタバコ。
【請求項21】
前記湿潤剤がグリセリンおよびプロピレングリコールからなる群から選択されることを特徴とする請求項20記載の紙巻きタバコ。
【請求項22】
前記バインダーがアルギナート、グアールガム、キサンタンガム、アカシアガム、ペクチンガム、その他のガム、変性セルロース化合物および親水コロイド系化合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項17記載の紙巻きタバコ。
【請求項23】
前記アルギナートがアルギン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項22記載の紙巻きタバコ。
【請求項24】
前記木材パルプが前記再生タバコシートの60重量%以下を構成することを特徴とする請求項17記載の紙巻きタバコ。
【請求項25】
前記バインダーが前記再生タバコシートの20重量%以下を構成することを特徴とする請求項17記載の紙巻きタバコ。
【請求項26】
80重量%以下の木材パルプと、30重量%以下のバインダーと、80重量%以下のタバコとを含む再生タバコシート。
【請求項27】
前記木材パルプが60重量%以下含まれることを特徴とする請求項26記載の再生タバコシート。
【請求項28】
前記バインダーが20重量%以下含まれることを特徴とする請求項26記載の再生タバコシート。
【請求項29】
30重量%以下の香味料を含むことを特徴とする請求項26記載の再生タバコシート。
【請求項30】
前記香味料が3乃至5重量%含まれることを特徴とする請求項29記載の再生タバコシート。
【請求項31】
30重量%以下の湿潤剤を含むことを特徴とする請求項26記載の再生タバコシート。
【請求項32】
前記湿潤剤がグリセリンおよびプロピレングリコールからなる群から選択されることを特徴とする請求項26記載の紙巻きタバコ。
【請求項33】
前記バインダーがアルギナート、グアールガム、キサンタンガム、アカシアガム、ペクチンガム、その他のガム、変性セルロース化合物および親水コロイド系化合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項26記載の再生タバコシート。
【請求項34】
前記アルギナートがアルギン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項33記載の再生タバコシート。
【請求項35】
複数の長尺のストリップに形成され、紙巻きタバコ内にタバコカラムに隣接した挿入されることを特徴とする請求項26記載の再生タバコシート。
【請求項36】
前記複数の長尺のストリップが互いに等間隔に配された第1および第2ストリップであることを特徴とする請求項35記載の再生タバコシート。
【請求項37】
タバコ粒子と水性溶媒とを含むスラリーを調製する工程と、
前記スラリーを160°Fの温度で30分間抽出する工程と、
前記スラリーを水溶性化合物を含む抽出液と固形分とに分離する工程と、
80重量%以下の木材パルプと前記固形分を混合する工程と、
長網抄紙機上で再生タバコシートに前記固形分を形成する工程と、
前記抽出液を遠心分離し、濃縮する工程と、
30重量%以下の第1バインダーを前記抽出液に添加する工程と、
30重量%以下の湿潤剤を前記抽出液に添加する工程と、
前記抽出液を前記再生タバコシートに塗付し、乾燥させる工程と、
前記再生タバコシートを長尺のストリップに裁断する工程と、
複数の前記長尺のストリップを紙巻きタバコ内にタバコカラムに隣接して挿入する工程とを含む変性再生タバコシートの製造方法。
【請求項38】
前記タバコと前記水性溶媒が1:11乃至1:20の比であることを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記固形分と前記木材パルプがさらに30重量%以下の第2のバインダーと混合されることを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項40】
前記第2バインダーがアルギナート、グアールガム、キサンタンガム、アカシアガム、ペクチンガム、その他のガム、変性セルロース化合物および親水コロイド系化合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記アルギナートがアルギン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記抽出液が吸着材で処理されることを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項43】
前記第1バインダーがアルギナート、グアールガム、キサンタンガム、アカシアガム、ペクチンガム、その他のガム、変性セルロース化合物および親水コロイド系化合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項44】
前記アルギナートがアルギン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記湿潤剤がグリセリンおよびプロピレングリコールからなる群から選択されることを特徴とする請求項37記載の紙巻きタバコ。
【請求項46】
前記抽出液に30重量%以下の香味料を加えることを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項47】
前記抽出液が3乃至5重量%の前記香味料を含むことを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項48】
長網抄紙機上で前記再生タバコシートを形成する前に前記固形分に不活性充填材を加える工程を含むことを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項49】
前記不活性充填材がチョーク、キトサン、リポサンおよびこれらを組み合わせたものから選択されることを特徴とする請求項48記載の方法。
【請求項50】
第3のバインダーを前記再生タバコシートに塗付する工程をさらに含み、前記第3のバインダーがアルギナート、グアールガム、キサンタンガム、アカシアガム、ペクチンガム、その他のガム、変性セルロース化合物および親水コロイド系化合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項37記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−507975(P2008−507975A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523743(P2007−523743)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/026557
【国際公開番号】WO2006/014995
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(593153668)ブラウン アンド ウィリアムソン ホールディングス インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】