説明

変換弁を用いる方法及び装置

変換弁は、製品ディスペンサの操作者に、流体を交差混合させることなく、第一流体供給源から第二流体供給源への変更を可能にさせる。変換弁は、分与コンセントに流体連通した第一ポートと、第一流体を有する第一流体供給源に流体連通した第二ポートと、第二流体を有する第二流体供給源に流体連通した第三ポートとを含む。変換弁は、第一ポートと第二ポートの間の通路、及び第三ポートに流体連通したプラグを含む。変換弁の第二ポート及び第三ポートは、第一ポートの周囲に対称的に配置され、これに応じて、変換弁は第一ポートの周りに回転可能である。このようなものとして、変換弁は、第一流体を分与コンセントに送給し、変換弁が回転すると、通路を介して第二流体を分与コンセントに送給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスペンサ(dispenser:分与装置)に関し、より詳細には、限定を目的とするものではないが、ディスペンサにおいて流体と原料が交差混合(crossover)するのを防止する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスペンサの分野では、限られた再構成能力を有するディスペンサが、変わりつつある市場に利用されている。新たな傾向の風味及び清涼飲料類が絶え間なく市場に押し込まれ、小売店舗立地所有者達は、旧式のディスペンサを介して新製品を分与しようと試みている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最も新しい飲料製品は、旧来の製品と似たような濃度及び粘度からなり、それ故に、既存の又は使われていない飲料装置に容易に適合可能である。しかし、飲料ディスペンサにおける濃縮物ライン(導管)が、特に一方の製品が“辛味”として分類され得るならば、2種の可変型製品を互換可能に分与するために利用されると、問題が生じる。“辛味”製品は、濃縮物ラインでの洗浄では容易に除去されない残留物又は匂いがそのまま残る。そのようなものとして、その時点で辛味濃縮物ラインを利用している製品が残留臭気又は味を隠せないならば、味の問題を発生させる可能性がある。
【0004】
炭酸入り希釈剤、単なる水希釈剤、及び製品濃縮物に関連して変化する圧力のため、明確に異なる2本の製品ラインに連通する切替可能な弁を設けようとする以前の試みは、様々な結果に遭遇してきた。一例として、より高い圧力をかけると、最終的にO-リング・シール等を介して流体を交差混合させ、これにより他の形態の不快感を引き起こす。
【0005】
従って、飲料製品ラインと希釈剤ラインの交差混合が防止された弁を含む装置及び製品ディスペンサが、ディスペンサ製造業者、小売業者、及び消費者にとって有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、変換弁及び受入ブロック(receiver block)の配列により、対応するポート・プラグに連結した入口通路を介して、異なる流体が分与コンセント(dispense point)に導入されることを可能にするものであり、前記ポート・プラグは受入ブロック中の別流体の流れを阻止する。
【0007】
変換弁は、ディスペンサの操作者に、流体を交差混合させることなく、第一流体供給源から第二流体供給源への変更を可能にさせる。変換弁は、分与コンセントに流体連通した第一ポートと、第一流体を有する第一流体供給源に流体連通した第二ポートと、第二流体を有する第二流体供給源に流体連通した第三ポートとを含む。変換弁は、第一ポートと第二ポートの間の通路、及び第三ポートに流体連通したプラグを含む。変換弁の第二及び第三ポートは、第一ポートの周囲に対称的に配置され、これに応じて、変換弁は第一ポートの周りに回転可能である。このようなものとして、変換弁は、第一流体を分与コンセントに送給し、変換弁が回転すると、通路を介して第二流体を分与コンセントに送給する。
【0008】
変換弁を利用して、流体交差混合の問題を生じることなく、希釈剤、単一強度の風味、又は濃縮物を送給することができる。変換弁は、更に、製品ラインを“辛味”製品に専ら使用させる能力を用意し、これにより残留臭気又は風味を消去する。
【0009】
従って、本発明の目的は、第一流体供給源及び第二流体供給源に適合した、通路及びプラグを有する変換弁を提供することにある。本発明の更なる目的は、第一流体と第二流体とに互換性を与えて、選択されない流体通路からの流れを遮断する、変換弁を利用した流体ディスペンサを提供することにある。更に、本発明の目的は、切替装置内での流体の交差混合を解消した装置を提供することにある。更に、本発明の目的は、製品を分与コンセントに送給する製品ラインの変更方法を提供することにある。更に、本発明の目的は、いずれの入口ポートが出口通路に接続されているかをユーザが検出できる、標準方法又は確認方法を提供することにある。
【0010】
本発明の更なるその他の目的、特徴、及び利点は、当業者ならば、以下の明細書に照らし合わせると明らかになるであろう。また、当然のことながら、本発明の範囲が広いことを目指すものであり、本明細書に記載された特徴、要素、又は工程の一部分のいかなる組合せも、意図する本発明の範囲の一部である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】好ましい実施例のディスペンサの斜視図を示す。
【図2】好ましい実施例のディスペンサの分解図を示す。
【図3】図3aは、好ましい実施例の受入ブロックの正面図を示す。 図3bは、好ましい実施例の受入ブロックの断面図を示す。 図3cは、好ましい実施例の受入ブロックの斜視図を示す。
【図4】図4aは、好ましい実施例の変換弁の斜視図を示す。 図4bは、好ましい実施例の変換弁の正面図を示す。 図4cは、好ましい実施例の変換弁の断面図を示す。
【図5】図5aは、好ましい実施例の断熱材ブロックの斜視図を示す。 図5bは、好ましい実施例の断熱材ブロックの側面図を示す。 図5cは、好ましい実施例の断熱材ブロックの背面図を示す。
【図6】第一製品ラインから第二製品ラインに切り換える好ましい実施例の方法工程を説明するフローチャートを示す。
【図7】別の実施例のディスペンサの分解図を示す。
【図8a】第二実施例のディスペンサの分解図を示す。
【図8b】第二実施例の2つの受入ブロックの分解図を示す。
【図9】図9aは、第二実施例の延長線上にある多重変換弁の通路を含む受入ブロックの斜視図を示す。 図9bは、第二実施例の延長線上にある多重変換弁の通路を含む受入ブロックの斜視図を示す。 図9cは、第二実施例の第二の延長線上にある別の配列における通路を含む受入ブロックの正面図を示す。 図9dは、第一ポートの周囲に角度配置されたポートを含む第三実施例の変換弁の正面図を示す。 図9eは、第三実施例の受入ブロック及び変換弁の分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
必要に応じて、本発明の詳細な実施例を本明細書に開示する。しかし、当然のことながら、開示された実施例は、本発明の典型的な例にすぎず、様々な形態で具体化され得る。更に当然のことながら、図面は必ずしも縮尺通りではなく、ある特徴を誇張して、特定の構成部材又は工程の詳細を図示することもある。
【0013】
図1,2に示すように、ディスペンサ100は、希釈剤回路102、調和装置108、及び炭酸化装置107を有するハウジング101を含む。ディスペンサ100は、少なくとも1つの濃縮物回路103を更に含むことができる。更に、ハウジング101はその上に配置された塔部123を含むことができ、分与コンセント105が、塔部123に固定され、調和又は未調和の形態で、製品、希釈剤、又はこれらの混合物を送給することができる。本具体例では、調和装置108は、氷冷式冷却板からなるが、当業者であれば、他の形態の調和が利用可能であり、本発明と組み合わせて利用され得ることを認識するであろう。ハウジング101は、また更に、製品すなわち氷を貯蔵する貯蔵室106を含む。当業者であれば、貯蔵室106を冷却板の上方に配置して、冷却板の上面と接触する氷が冷却板を冷却できることを認識するであろう。
【0014】
本発明において、ディスペンサなる用語は、少なくとも1つの製品を送給する装置と定義される。製品又は複数の製品は、使用すなわち消費に供するために、単一強度の製品、濃縮された製品、希釈剤など、様々な形態をとることができる。あるいは、機器の再構成や分与コンセントからの送給のために、製品を希釈剤と混合することができる。一例として、第一実施例の本特定例では、ディスペンサ100は、飲料製品を送給する飲料ディスペンサであり、飲料製品としては濃縮物と混合する希釈剤等を含む。本実施例では飲料ディスペンサが示されているが、当業者であれば、本発明は他のディスペンサに適用可能であることを認識するであろう。本明細書の開示では、ハウジングなる用語は、冷凍ディスペンサ、氷冷ディスペンサ、常温ディスペンサ等の製品分与の技術において公知のあらゆる種類のハウジングと定義される。
【0015】
希釈剤回路102は、希釈剤供給源に接続された入口110から、典型的には塔部123に配置された分与コンセント105にまで伸びる、少なくとも1つの希釈剤ライン109を含む。当業者であれば、希釈剤回路102が分かれて、“無味の(plain:何も加えていない)”希釈剤と“炭酸入り”希釈剤とを分与コンセントに送給する能力を与え得ることが認識されるであろう。本発明において、希釈剤ライン109は分かれて、第一分岐管115及び第二分岐管116を作り出している。本具体例では、第一分岐管115は無味の希釈剤を送給し、第二分岐管116は炭酸入り希釈剤を送給する。両方の分岐管115,116は冷却用調和装置108を通る。当業者であれば、希釈剤ライン109の分岐管は調和装置108をバイパスして、常温の希釈剤を分与コンセント105に送給でき、従って、本発明は調和装置108を通らない分岐管を利用できることが、更に認識されるであろう。
【0016】
第一分岐管115は、調和装置108を複数回通過し、調和装置108を抜け出て、塔部123に向かって上向きに伸びている。第二分岐管116は、調和装置108を複数回通過し、炭酸化装置107に挿入し、調和装置108及び炭酸化装置107を抜け出て、上向きに塔部123に伸びている。従って、第一分岐管115の出口117及び第二分岐管116の出口118は、取付けに好適な所定の間隔で配置されている。
【0017】
ディスペンサ100は、本機器構成において、希釈剤と混合する濃縮物回路103を更に含む。図1,2に示すように、濃縮物回路103は、入口120及び出口121を有する濃縮物ライン119を含む。本具体例では、濃縮物ライン119は、第一分岐管115と同様に冷却用調和装置108を通り、従って冷却された濃縮物を送給する。入口120は、製品ディスペンサ100の下部前面に配置され、濃縮物供給源に連通している。濃縮物ライン119は、調和装置108を通り、希釈剤回路102の第一及び第二分岐管115,116と同様に上向きに伸びている。濃縮物ライン119は、塔部123内で方向を変えて栓板(faucet plate)127と結合する。
【0018】
塔部123は、ハウジング101上部の後部に配置され、塔外郭124、少なくとも1つの受入ブロック112、及び塔外郭124と製品ラインと受入ブロック112との間に配置された断熱材125を含む。本具体例では、塔外郭124は、実質的に矩形状であり、ハウジング101に固着可能である。特に、塔外郭124は中空の金属又はプラスチック構造体からなり、塔構成部材が保護・断熱される。
【0019】
受入ブロック112は多面体形状をなしている。本特定例では、受入ブロック112は、矩形状であり、互いに約90°に配置された第一係合面134及び第二係合面135を含む。受入ブロック112は、第一係合面134から第二係合面135に伸びる、第一通路137及び第二通路138を更に含む。これに応じて、第一通路137は第一入口141及び第一出口142を含み、第二通路138は第二入口143及び第二出口144を含む。入口141,143は、希釈剤回路102における第一分岐管115及び第二分岐管116の出口117,118の配列を補完する位置に配置される。出口142,144は、同様に整列されるが、嵌合する変換弁113のポートを補完する間隔で配置される。
【0020】
受入ブロック112は、第二係合面135に配置された少なくとも1つの拘束穴146を更に含む。拘束穴146は出口142,144と一直線上に配置される。第一及び第二分岐管115,116の出口117,118と整合した入口141,143が示されているが、当業者であれば、必ずしも第二係合面135の出口142,144と同じパターンで入口141,143の位置を設置する必要がない、ことを認識するであろう。本具体例では、受入ブロック112は、機械加工されたステンレス鋼からなり、接触する流体の汚染を防止する。しかし、当業者であれば、食品との接触に好適なその他の材料も可能であることが認識されるであろう。
【0021】
変換弁113は、本体148、第一端部152、及び第二端部153を含む。変換弁113の第一端部152は第一ポート149を有する第一突出部177を含み、第二端部153は、第二ポート150を有する第二突出部178及び第三ポート151を有する第三突出部179を含む。第一乃至第三ポート149〜151は流体接続に適合可能である。本特定例では、第一乃至第三ポート149〜151には少なくとも1つのO-リング溝が装着されて、O-リングを受け止めて収容し、これにより、ドール接続金具組立部品の一部を作り出している。変換弁113は、第一ポート149から第二ポート150に伸びる通路155を更に含み、プラグ156と通路155の間に配置された壁体157によりプラグ156が作り出される。これに応じて、流体が第一ポート149から第二ポート150へ、またその逆に移動でき、そして第三ポート151に流入する流体は、壁体157で流れが止められる。
【0022】
変換弁113は、第一マーカ196及び第二マーカ197を更に含む。第一及び第二マーカ196,197は本体148に配置される。本具体例では、第一及び第二マーカ196,197は突起である。第一マーカ196は第一ポート149に近接して配置され、第二マーカ197は第二ポート150に近接して配置される。第一及び第二マーカ196,197は、変換弁113の通路155に流体連通するポートの目視による境界を画定し、これにより、変換弁113が設置される時の通路155の位置を決める際に、ユーザのために目視基準の機能を提供する。
【0023】
断熱材ブロック114は、多面体であって、本実施例では形状が矩形状であり、第一端部158及び第二端部159を含む。第一端部158は空洞部160を含み、第二端部159は空洞部160と整列した開口部161を含む。本具体例では、空洞部160は幅が開口部161の直径と同じであり、開口部161を通過する物体は空洞部160も通過することができ、空洞部160の高さは開口部161の直径よりも大きく、空洞部160は開口部161の断面よりも大きい断面を有する。断熱材ブロック114は、気泡が閉塞した発泡構造体、又は適切な熱伝導特性を有するその他の好適な材料から構成される。一例として、本具体例における断熱材ブロック114は、ポリエチレンから形成されている。
【0024】
当業界では周知の栓板127が、塔部123の上縁に沿って水平方向に配置され、塔外郭124に固着される。栓板127は、少なくとも1つの断熱材ブロック・レリーフ128を含む。断熱材ブロック・レリーフ128は、断熱材ブロック114の高さ及び幅を補完する大きさからなり、適切に方向合わせされると、断熱材ブロック114が断熱材ブロック・レリーフ128を通ることができる。栓板127は少なくとも1つの製品ライン口129を更に含み、製品ライン口は、濃縮物ライン119を受け入れる整合(registration)ブロック・レリーフ128と整列して配置される。
【0025】
少なくとも1つの後部ブロック104は、当業界において普通に知られており、入口171と、出口172と、第一及び第二取付穴181,182とを含む。後部ブロック104は遮断弁を更に含むことができ、遮断弁を作動させて後部ブロック104を通過する希釈剤の流れを停止することができる。これにより、ディスペンサ100全体を降圧させることなく、分与コンセント(dispense point)105を取り外すことが可能になる。本発明において、後部ブロック104の入口171は変換弁113の第一ポート149に適合可能であり、出口172は分与コンセント105の入口173を補完する大きさの突出部からなる。取付穴181,182は、これらの穴を通る締め金具168,169が栓板127又はその他の好適な構造体に接続できるように、後部ブロック104を貫通している。
【0026】
第二後部ブロック184は、濃縮物ライン119の出口121及び分与コンセント105と結合する必要がある。第二後部ブロック184は、第一後部ブロック104と同様の構造体からなり、入口185、出口186、及び取付穴187,188を含む。第二後部ブロック184は、出口121から分与コンセント105に濃縮物を送給する。
【0027】
当業者であれば、結合部材間の流体接続は、O-リング又はその他の好適な種類の流体接続を介装したシールを必要とすることが、認識されるであろう。
【0028】
少なくとも1つの分与コンセント105は、お茶、水、炭酸飲料、ジュース等を分与する、当業界において公知のあらゆる形態の分与弁であってもよい。当業者であれば、製品の変更と共に分与コンセント105が必要に応じて変更され得る、ことを認識するであろう。最も簡単な本実施例では、少なくとも1つの分与コンセント105が、希釈剤入口173、濃縮物入口174、及び出口175を含み、これにより、分与コンセント105は入口173,入口174から出口175に製品及び希釈剤を送給する。当業者であれば、複数の送給通路を含む分与コンセントもあり得ることが認識されるであろう。
【0029】
組立時には、希釈剤入口110がハウジング101の前面に配置され、出口117,118が塔部123内に配置されるように、希釈剤ライン109及び炭酸化装置107を含む調和装置108がハウジング101に収納される。当業者であれば、氷を調和装置の上面と接触させ、これにより、調和装置108の冷却を可能にする貯蔵室106の床面を調和装置108の上面に形成してもよい、ことが認識されるであろう。次に、受入ブロック112が、希釈剤回路102における第一及び第二分岐管115,116の出口117,118に固定される。
【0030】
更に組立時に、第一分岐管115の出口117が受入ブロック112の第一入口141に接続され、第二分岐管116の出口118が受入ブロック112の第二入口143に接続される。本具体例では、出口117,118は受入ブロック112に溶接されている。しかし、当業者であれば、その他の形態の接続が可能であることを認識するであろう。
【0031】
設置する際には、受入ブロック112の出口142,144が、栓板127の受入ブロック・レリーフ128と整列して配置される。適切に整列されると、塔部123には、空隙を充填する発泡体が充填され、取外しできないように受入ブロック112が所定の位置に位置付けされる。当業者であれば、塔部123における断熱材料内に通路を作り出すコアを利用してもよい、ことが認識されるであろう。本特定例では、コアを利用して、登録ブロック・レリーフ128から受入ブロック112の第二係合面135までに隙間を設け、これにより、第二係合面135及び出口142,144に障害物のない通路を設けている。
【0032】
更なる設置の際に、変換弁113のポート149〜151にシールのためのO-リングが装着され、次いで、変換弁113の第二端部153が受入ブロック・レリーフ128から挿入されて、第二突出部178が第一出口142に入り、第三突出部179が受入ブロック112の第二出口144に挿入される。本具体例では、機器の再構成のためにドール接続金具が突出部177〜179に装着されている。しかし、当業者であれば、その他の形態の接続が可能であることを認識するであろう。
【0033】
受入ブロック112の第一出口142への第二突出部178の差込みにより、ハウジング101の第一分岐管115に連通する第二ポート150を位置付けし、第二出口144への第三突出部179の差込みにより、第二分岐管116に連通する第三ポート151を位置付けして、希釈剤回路102の第二分岐管116を閉塞する。この時点で、第一突出部177が、実質的に登録ブロック・レリーフ128内の中心に配置され、登録ブロック・レリーフ128から所定量ほど突出して、後部ブロック104の入口171に係合する。
【0034】
次いで、断熱材ブロック114が、設置された位置にある変換弁113周囲の空隙に挿入されて、変換弁113を断熱する。第一突出部177が開口部(161)を通り、且つ、断熱材ブロック114が変換弁113の周囲に配置された空隙を充填するように、断熱材ブロック114の第一端部158が第一突出部177を覆いながら挿入され、これにより、変換弁113に断熱特性を与える。
【0035】
その後、第一突出部177を覆う後部ブロック104の入口171を位置付けて、後部ブロック104を所定の位置に固定することにより、後部ブロック104が栓板127及び変換弁113に取り付けられる。本特定例では、取付締め金具168が、取付穴181に挿入され、栓板127の開口を通って、受入ブロック112の第二係合面135に配置された拘束穴146に固着している。取付締め金具169が、取付穴182を貫通して、栓板127内に配置された拘束穴193に固着している。締め付けると、後部ブロック104が受入ブロック112及び栓板127に固定され、これにより、変換弁113を受入ブロック112と後部ブロック104の間に閉じ込める。
【0036】
出口121を覆いながら後部ブロック184の入口185を位置付け、そして、取付穴187,188を貫通する締め金具189,190を取り付けて、栓板127内に配置された拘束穴192に係合させることにより、第二後部ブロック184が栓板127及び濃縮物出口121に設置される。締め付けると、第二後部ブロック184が栓板127及び濃縮物出口121に固定される。
【0037】
次に、分与コンセント105の入口173,174が、後部ブロック104,184の出口172,186に流体接続されるように、分与コンセント105が、当業界において周知であるが、一般的に知られている手段を利用して後部ブロック104,184に固定される。
【0038】
使用に際しては、希釈剤回路102が加圧され、これにより、希釈剤が強制的に希釈剤ライン109並びに第一及び第二分岐管115,116を通過する。本特定例では、第一分岐管115が冷却用調和装置108に挿入し、第二分岐管116が炭酸化装置107に通じる調和装置108に挿入している。
【0039】
炭酸化装置107から流出すると、第二分岐管116内に配置された希釈剤が、第一分岐管115よりも高い圧力で炭酸化される。本特定例では、第一分岐管115が調和装置108から抜け出て受入ブロック112の第一入口141にまで伸び、これにより、第一分岐管115を受入ブロック112の第一通路137まで延長している。変換弁113の第二突出部178が第一通路137の第一出口142に接続されているので、第一分岐管115は、変換弁113の通路155を介して、分与コンセント105に送給する後部ブロック104の入口171にまで更に延長されている。
【0040】
同様に、希釈剤回路102の第二分岐管116が、炭酸化装置107及び調和装置108から抜け出て、上方に伸び、受入ブロック112の第二入口143と結合し、これにより、第二分岐管116を第二通路138に延長している。変換弁113の第三突出部179が受入ブロック112の第二出口144に接続されているので、第二分岐管116は、変換弁113のプラグ156にまで延長されて壁体157で終結する。これに応じて、第二分岐管116はプラグ156で終端する。
【0041】
このような特定の配置において、第一分岐管115は希釈剤供給源から分与コンセント105に伸び、第二分岐管116は希釈剤供給源から変換弁113のプラグ156に伸びている。無味の希釈剤は、希釈剤供給源から、調和装置108、第一分岐管115、受入ブロック112の第一通路137、及び変換弁113の通路155をそれぞれ通って移動する。炭酸入り希釈剤は、希釈剤供給源から、調和装置108内に配置された炭酸化装置107、受入ブロック112の第二通路138、及び変換弁113の第三ポート151をそれぞれ通って移動する。
【0042】
当業者であれば、第二及び第三突出部178,179が第一突出部177から対称的に配置されていることを認識するであろう。変換弁113の第二端部153における突出部の対称性は、回転した位置にある変換弁113を取り外して再び据え付けることにより、変換弁113に第一位置から第二位置に移動させる能力を与える。一例として、本具体例では、変換弁113は、第一突出部177の軸線周りに100°及び80°回転し、プラグ156及び通路155が希釈剤回路102の相反する分岐管に配置されるように、受入ブロック112に再挿入される。これに応じて、変換弁113が完全に設置されて好適に拘束されると、第一分岐管115又は第二分岐管116のいずれかは常に閉塞される。
【0043】
本具体例は、100°及び80°回転させて、受入ブロック112の異なる出口と整列するように示されているが、当業者であれば、実際には、受入ブロック112内に配置された出口位置に応じて、回転の程度を任意に利用できることが認識されるであろう。当業者であれば、本発明の目的の1つは、単一流体の流通を可能にし出口パターンの残りの全ての出口を閉塞することにある、ことが認識されるであろう。本特定例では、変換弁113を取り外し、変換弁113を回転させ、そして変換弁113を再挿入することが好ましい。しかし、本発明は変換弁113の回転に限定されるものではなく、従って、取り外され、所望の位置(point)へ回転させ、そして変換弁のポートに再び設置される受入ブロックが、本発明の範囲内にある。
【0044】
図6は、希釈剤回路102の第一分岐管115から第二分岐管116に切り換える方法のステップを説明するフローチャートを示す。その方法は、ステップ10で開始され、操作者は、両方の分岐管を降圧して、変換弁113の取出し中に流体の推進力を阻止しなければならない。ステップ15では、後部ブロック104にアクセスするために、操作者は分与コンセント105を取り外す。ステップ20では、操作者は締め金具168,169を取り外して後部ブロック104を取り外し、ステップ25では、操作者は断熱材ブロック114を取り外す必要があり、これにより変換弁113にアクセスする。ステップ30において、操作者は第一位置にある変換弁113を取り外し、ステップ35では、操作者は変換弁113を第一位置から第二位置に回転させる。
【0045】
ステップ40では、操作者は第二位置に変換弁113を再び取り付ける。ステップ45において、操作者は断熱材ブロック114を再び取り付けた後、ステップ50で操作者は後部ブロック104を再び取り付ける。ステップ55では、分与コンセント105の再取付けを行う。ステップ60では、操作者は、再び加圧し、場合により、分与コンセント105に繋がる分岐管からガスを除去する。この時点で、操作者は、分与コンセント105を起動させることにより、飲料を分与することができる。
【0046】
当業者であれば、様々な種類の希釈剤を送給する第一及び第二分岐管を濃縮物回路103と組み合わせて利用できることが認識されるであろう。当業者であれば、濃縮物ライン119内に配置された濃縮物が、希釈剤回路102と同様に調和装置108を通過するなどの様々な方法により調和され得るか、あるいは、調和装置108を通過させることにより常温の濃縮物の送給に利用され得る、ことを更に認識するであろう。当業者であれば、このような機器構成において、単一の希釈剤が分与コンセント105に送給されて濃縮物と混合する、ことを更にまた認識するであろう。
【0047】
本発明では、希釈剤回路102の第一分岐管115及び第二分岐管116が示されているが、当業者であれば、図7に示すように、操作者が、第一濃縮物供給源からの濃縮物の送給から、第二濃縮物供給源からの第二濃縮物の送給に切換えできるように、第一分岐管115及び第二分岐管116が別々の濃縮物回路を代表してもよい、ことを認識するであろう。
【0048】
当業者であれば、製品ディスペンサ内の分与コンセントに製品の流れを交換する能力を与えるために、濃縮物回路又はその任意の組合せとは無関係に、受入ブロック112及び変換弁113は希釈剤回路102の分岐管を利用できる、ことが容易に認識されるであろう。
【0049】
第二実施例において、ディスペンサ200は、分与塔の複数の位置に受入ブロック及び変換弁を含む。図8a,8bに示すように、ディスペンサ200は、第一実施例と同様に、ハウジング201と、ハウジング201上に配置された塔部210とを含む。ディスペンサ200は塔部210に固着された栓板227を更に含む。ディスペンサ200は、少なくとも1つの希釈剤回路202及び少なくとも2つの製品回路を更に含む。第一実施例において説明したように、少なくとも1つの希釈剤回路202は、第一分岐管220及び第二分岐管221に分かれている。
【0050】
第一分岐管220は冷却用調和装置208を通り、第二分岐管221は冷却用調和装置208及び炭酸化する炭酸化装置207を通る。第一分岐管220は第一受入ブロック212の第一通路237に接続し、第二分岐管221は第一受入ブロック212の第二通路238に接続する。第一通路237は第一入口231及び第一出口233を含み、第二通路238は第二入口232及び第二出口234を含む。第一実施例と同様に、第一受入ブロック212は、取外しできないように第一及び第二分岐管220,221に固着されている。
【0051】
第二受入ブロック213は第一受入ブロック212と同様の構造体から構成されるが、しかし、供給分岐管は、濃縮物回路であり、従って、異なる経路から構成され、様々な製品状態だけでなく様々な製品の風味を提供することができる。本特定例では、製品ディスペンサ200は、希釈剤回路202の第一分岐管220と同様に、調和装置208を通る第一製品回路222及び第二製品回路223を含む。第一及び第二製品回路222,223は、別々の製品供給源に接続され、従って、同一の製品又は異なった製品を送給することができる。本特定例では、第一濃縮物回路222は第二受入ブロック213の第一通路239に接続され、第二濃縮物回路223は第二受入ブロック213の第二通路240に接続されている。第一通路239は第一入口241及び第一出口243を含み、第二通路240は第二入口242及び第二出口244を含む。
【0052】
第一及び第二受入ブロック212,213は、第一実施例と同様に、塔部210内にそれぞれ断熱材ブロック・レリーフ228,229と整列して配置される。その際、受入ブロック212,213は所定の位置に取り付けられる。本具体例では、受入ブロック212,213は所定の位置で発泡されている。発泡体の硬化時に、受入ブロック212,213は適切な位置に拘束・支持される。本特定例では発泡支持体が示されているが、当業者であれば、機械的締め具を利用できることも認識されるであろう。製品ディスペンサ200は、第一実施例において説明したように、断熱材を介して障害物のない通路を更に含み、受入ブロック212,213の第二係合面にアクセスできる。
【0053】
本第二実施例において、栓板227は、少なくとも第一断熱ブロック・レリーフ228及び第二断熱ブロック・レリーフ229を含む。第一実施例と同じく、レリーフ228,229の大きさ及び位置は、栓板227上で離間する断熱ブロックと分与コンセントが結合するように補完する。
【0054】
ディスペンサ200は、各受入ブロック212,213に相応しい少なくとも1つの変換弁を更に含む。変換弁214,215は、第一実施例に開示したものと同じであり、第一乃至第三ポート149〜151と、第一ポート149と第二ポート150の間に配置された通路155と、第三ポート151に連通したプラグ156とを含む。
【0055】
一例として、本特定例では、第一変換弁214の第二ポート150は第一受入ブロック212の第一出口233に接続され、これにより、第一分岐管220を変換弁214の通路155まで延長している。第一変換弁214の第三ポート151は第二出口234に接続され、これにより、変換弁214のプラグ156で第二分岐管221を閉塞している。同様に、第二変換弁215の第二ポート150は第二受入ブロック213の第一出口243に接続され、これにより、第一濃縮物回路222を第二変換弁215の通路155まで延長している。第二変換弁215の第三ポート151は第二受入ブロック213の第二出口244に接続され、これにより、第二変換弁215のプラグ156で第二濃縮物回路223を閉塞している。
【0056】
ディスペンサ200は、第一変換弁214を覆うように配置された断熱材ブロック216と、第二変換弁215を覆うように配置された第二断熱材ブロック217とを更に含む。第一実施例と同じく、断熱材ブロック216,217は栓板227のレリーフ228,229内に嵌入し、これにより変換弁214,215に断熱特性を与える。第一ポート149が後部ブロック204の入口に接続するように、変換弁214,215の第一ポート149は、第一実施例と同様に、栓板227を介して伸びている。
【0057】
本第二実施例において、後部ブロック204は、二重通路を含み、これに応じて、第一出口263に連通する第一入口261と、第二出口264に連通する第二入口262とを含む。後部ブロック204は、第一実施例において説明したように、好適な拘束締め金具を受け入れる穴266,267を更に含み、締め金具が、各受入ブロック212,213のいずれか、栓板227、又はその他の任意の好適な構造体に固着する。本特定例では、少なくとも一対の締め金具が、取付穴267及び栓板227を通って、受入ブロック212,213の第二係止面に配置された拘束穴246に固着する。第二締め金具の対が、取付穴266を貫通して、栓板227に配置された拘束穴292に固着する。締め金具を締め付けると、後部ブロック204が受入ブロック212,213に固定され、これにより、第一及び第二変換弁214,215を所定の位置に拘束する。
【0058】
ディスペンサ200は、後部ブロック204に取り付けられる分与コンセント205をまた更に含む。本特定例では、分与コンセント205は、濃縮物を希釈剤と混合する製品弁であり、最終製品又は分与コンセント205の外部で混合する未完成品を問わず、いずれでも分与することができる。
【0059】
使用に際しては、ユーザは、分与コンセント205を作動させて、分与コンセント205を介して製品を割り当てなければならない。作動すると、調和された希釈剤が、調和装置208から流出して、第一受入ブロック212の第一通路に送給され、第一変換弁214の通路155を通って後部ブロック204の第一入口261に流入する。同様に、調和装置を通って移動する第一濃縮物が、第二受入ブロック213の第一通路に送給され、第二変換弁215の通路155を通って後部ブロック204の第二入口262に流入する。
【0060】
分与コンセントの作動時には、調和された希釈剤及び第一濃縮物は、送給、混合、又は任意に送給と混合を行う分与コンセントに移動する。第一変換弁214が、第二位置に回転して、第二分岐管221を延長し、そして第一分岐管220を閉塞し、これにより、無味の希釈剤を後部ブロック204に送給して、分与コンセント205に送給される濃縮物と混合することができる。これに応じて、ディスペンサ200は、希釈剤回路202の第一分岐管220を介して無味の希釈剤を送給すると共に、第一濃縮物回路222を介して希釈剤と混合する第一濃縮物を送給するように、構成されている。
【0061】
これに代わる方法として、ディスペンサ200は、第二ポート150が第一受入ブロック212の第二出口234に接続され、これにより、第二分岐管221に連通する第一変換弁214の通路155を位置付けるように、第一実施例で説明した通り、第一変換弁214を回転させて、第二分岐管221から希釈剤を送給するように、構成されてもよい。実質上同時に、第一変換弁214が適切に拘束されていると、第一変換弁214の第三ポート151が、第一受入ブロック212の第一出口233に接続され、これにより第一分岐管220を閉塞する。これに応じて、製品ディスペンサ200は、操作者が望む通り、第一分岐管220又は第二分岐管221のいずれからでも流体を送給することができる。
【0062】
第一変換弁214の取外し及び再設置のプロセスについては、第一実施例で説明したプロセスと実質的に同じであり、従って、本第二実施例では説明しないことにする。
【0063】
もう1つの方法として、第二変換弁215を回転させて、第二変換弁215の第二ポート150を第二受入ブロック213の第二出口244に、及び第三ポート151を第二受入ブロック213の第一出口243に移動させ、これにより、第二濃縮物回路223を分与コンセント205に延長して、選択された希釈剤と混合してもよい。第一変換弁214と同様に、第三ポート151が、第二受入ブロック213の第二出口244に接続し、適切に拘束されると第二濃縮物回路223を閉塞する。
【0064】
別の第二機器構成において、両方の変換弁214,215を回転させて、希釈剤回路202の第二分岐管221及び第二濃縮物回路223を延長し、これにより、炭酸入り希釈剤を第二濃縮物回路223内に配置された濃縮物と共に送給することができる。
【0065】
第二実施例では、各変換弁214,215に相応しい個々の受入ブロック212,213を示してきたが、当業者であれば、多重変換弁214,215を受け入れる単一の受入ブロック312に、受入ブロックを一体化できることが認識されるであろう。図9aに示すように、受入ブロック312は、第一乃至第四流体供給源から第一乃至第四流体をそれぞれ送給する第一乃至第四通路341〜344を含む。受入ブロック312は、増加した数の変換弁を収容すべく、増加した数の通路を更に含むことができる。図9bに示すように、受入ブロック312は、8つの流体供給源に接続され得る第一乃至第八通路341〜348を含む。当業者であれば、このような設計は標準寸法で行われ、増加した数の通路が同様に増加した数の流体供給源に適合可能であってもよく、あるいは、製品ディスペンサの設置よりも遅い時点で通路を追加の流体供給源に接続してもよい、ことが認識されるであろう。
【0066】
第一及び第二実施例では、第一乃至第三ポートを有する変換弁113;214及び215を示してきたが、当業者であれば、出口の配列は円形パターン等の別の配置であってもよいことを認識するであろう。図9cに示すように、実用上有効な任意の形状をなす受入ブロック352は、第一係合面334及び第二係合面335と、円形配列に配置された出口327〜329を有する第一乃至第三通路321〜323とを含む。第一及び第二実施例と同様に、第一乃至第三通路321〜323は第一乃至第三流体供給源に接続可能である。
【0067】
かかる第一実施例の延長線上において、図9d,9eに示すように、変換弁314は、第一ポート315、第二ポート316、第三ポート317、及び第四ポート318を含む。第一実施例において説明したように、第一ポート315と第二ポート316は通路319を介して流体接続され、第三及び第四ポート317,318は流体を閉塞する。このようなものとして、本機器構成では、第一及び第二ポート315,316に接続された流体のみが変換弁314を通って流れる。第二乃至第四ポート316〜318は、第一ポート315の軸線の周囲に角度324で配置されて、変換弁314が、第一ポート315の軸線周りに回転して、第一位置(第一通路321に第二ポート316)から第二位置(第二通路322に第二ポート316)に移動し、これにより、変換弁314の通路319を移動させて受入ブロック352の第二通路322と整列させることができる。
【0068】
前記変換弁314として、第二乃至第四ポート316〜318が角度324で配置されたものを示したが、当業者であれば、ポートの数を補完する配列で補完する数の通路が配置される限り、実際上、第一ポートの周囲に均等に分布される任意の数のポートが可能である、ことを認識するであろう。別の機器構成において、第一及び第二ポート315,316が通路319を介して流体接続され、残りの通路は閉塞される。当業者であれば、代替の受入ブロックに代替の変換弁を差し込む際に残りの全ての通路が閉塞されるならば、実際上任意の半径及び間隔を活用できることを更に認識するであろう。当業者であれば、追加の円形出口をその他の半径で第一ポートの周囲に配置することができ、これにより追加の出口リングを提供する、ことが更に認識されるであろう。
【0069】
当業者であれば、ディスペンサが単一の受入ブロック及び変換弁によって提供され、これに従ってディスペンサが2つの製品回路の一方から送給する、単一の分与コンセントを含め、多数の組合せが可能であり、そして、本発明の一部として解釈されるべきである、ことを認識するであろう。当業者であれば、ディスペンサ200には、数量が増加した変換弁、受入ブロックの組合せ、栓板に配置された製品出口などが装着されてもよい、ことを更に認識するであろう。
【0070】
以上の好ましい実施例について本発明を説明してきたけれど、かかる説明は典型的な例のために行われたにすぎず、当業者ならば明らかであろうが、多くの代替案、均等物、及び様々な程度の変更が、本発明の範囲内に入るであろう。従って、そのような範囲は、前述の詳細な説明によっていかなる点においても限定されるものではない;むしろ、別紙の特許請求の範囲によってのみ定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体を含む変換弁であって、
前記本体は、該本体から流体を送給するように構成された第一ポート、第一流体供給源に連結するように構成された第二ポート、及び、第二流体供給源に連結するように構成された第三ポートを有し、
前記本体は、第一ポートと第二ポートの間に配置され第一流体供給源から第一流体を送給する通路を画定し、
前記本体は、第二流体供給源からの第二流体の送給を遮断する第三ポートに流体連通したプラグを更に画定し、
前記本体は、第二ポートと第三ポートとの位置を変更すべく、第一ポートの周りに回転可能であり、これにより、第二流体供給源に流体連通する通路を位置付けて、第二流体を第一ポートに送給すると共に、第一流体供給源からの第一流体の流れを遮断する、変換弁。
【請求項2】
前記変換弁の第一ポートが、変換弁の通路内に配置された流体を送給するために分与コンセントに流体連通する、請求項1に記載の変換弁。
【請求項3】
前記プラグが第一ポート及び第二ポートから第三ポートを隔てる壁体である、請求項1に記載の変換弁。
【請求項4】
前記第一ポートが本体の第一端部に配置され、第二ポート及び第三ポートが本体の第二端部に配置される、請求項1に記載の変換弁。
【請求項5】
前記第二及び第三ポートが第一ポートから対称的に配置され、これにより第一ポートの周りの回転を可能する、請求項4に記載の変換弁。
【請求項6】
前記本体の第二端部に配置され、且つ第三流体供給源に連結するように構成された第四ポートと、
前記第三流体供給源からの第三流体の送給を遮断する第四ポートに流体連通したプラグと、を更に含む、請求項4に記載の変換弁。
【請求項7】
前記本体に配置された少なくとも1つの追加のポートを更に含み、該少なくとも1つの追加のポートがプラグに流体連通する、請求項1に記載の変換弁。
【請求項8】
前記第二乃至第四ポートが、第一ポートの周囲に均等な半径方向距離で配置され、これにより、本体の回転と次に所望するポートへの再接続とを可能にする、請求項6に記載の変換弁。
【請求項9】
前記第一ポートに近接して配置された第一マーカと、
変換弁が設置位置にあるとき、その時点での通路の位置を操作者に視覚で知らせるように、前記第二ポートに近接して配置された第二マーカと
を更に含む、請求項1に記載の変換弁。
【請求項10】
第一流体供給源から第一流体を受け入れる第一通路、及び第二流体供給源から第二流体を受け入れる第二通路を有する受入ブロック、及び本体を含む装置であって、
前記本体は、該本体から流体を送給するように構成された第一ポート、受入ブロックの第一通路に連結するように構成された第二ポート、及び受入ブロックの第二通路に連結するように構成された第三ポートを有し、
前記本体は、第一ポートと第二ポートとの間に配置されて第一流体供給源から第一ポートに流体連通した分与コンセントに第一流体を送給する通路を画定し、
前記本体は、第二流体供給源からの第二流体の送給を遮断する第三ポートに流体連通したプラグを更に画定し、
前記本体は、第二ポートと第三ポートとの位置を変更すべく、第一ポートの周りに回転可能であり、これにより、受入ブロックの第二通路に流体連通する本体の通路を位置付けて、第二流体を第一ポート及び分与コンセントに送給すると共に、受入ブロックの第一通路からの第一流体の流れを遮断する、装置。
【請求項11】
前記第一ポートが本体の第一端部に配置され、第二ポート及び第三ポートが本体の第二端部に配置される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第二ポート及び第三ポートが第一ポートから対称的に配置され、これにより第一ポートの周りの回転を可能する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記受入ブロックが、第三流体供給源から第三流体を受け入れる第三通路と、第四流体供給源から第四流体を受け入れる第四通路とを有する、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記第二本体から流体を送給するように構成された第一ポート、受入ブロックの第三通路に連結するように構成された第二ポート、及び、受入ブロックの第四通路に連結するように構成された第三ポートを有する第二本体を更に含み、
第二本体は、第一ポートと第二ポートとの間に配置されて、第三流体供給源から第一ポートに流体連通した第二分与コンセントに第三流体を送給する通路を画定し、
第二本体は、第四流体供給源からの第四流体の送給を遮断する第三ポートに流体連通したプラグを更に画定し、
第二本体は、第二ポートと第三ポートとの位置を変更すべく、第一ポートの周りに回転可能であり、これにより、受入ブロックの第四通路に流体連通する第二本体の通路を位置付けて、第四流体を第一ポート及び第二分与コンセントに送給すると共に、受入ブロックの第三通路からの第三流体の流れを遮断する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記本体の第二端部に配置された第四ポートを更に含み、第二乃至第四ポートが第一ポートの周囲に半径方向に配置され、これにより、第一ポートの周りに本体の回転を可能にする、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記受入ブロックが入口及び出口を有する第三通路を含み、更に、第一乃至第三通路の出口が、本体の第二乃至第四ポートの配列を補完する円形パターンの形状で配置される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記受入ブロック内に配置された少なくとも1つの追加の通路を更に含み、該少なくとも1つの追加の通路の出口が、予め決められた第一及び第二通路の出口配列に配置される、請求項10に記載の装置。
【請求項18】
前記本体の第二端部に配置された少なくとも1つの追加のポートを更に含み、該少なくとも1つの追加のポートがプラグに流体連通し、更に、少なくとも1つの追加のポートが予め決められた配列に配置され、これにより、本体の回転と本体を挿入する際に所定の位置への全ての出口の係合とを可能にする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
第一流体を収容する第一流体回路、第二流体を収容する第二流体回路、及びハウジングから流体を送給する分与コンセントを有するハウジング、並びにハウジング内に配置された変換弁を含むディスペンサであって、
変換弁は、第一流体回路に連通して第一流体回路から第一流体を分与コンセントに送給する通路と、第二流体回路に連通して第二流体回路からの第二流体の送給を遮断するプラグとを含み、更に、変換弁は、第二流体回路に流体連通した通路と第一流体回路に流体連通したプラグとを整列させるように、回転可能であり、これにより、第二流体を分与コンセントに送給すると共に、第一流体の流れをプラグで遮断する、ディスペンサ。
【請求項20】
前記第一流体が無味の希釈剤である、請求項19に記載のディスペンサ。
【請求項21】
前記第二流体が炭酸入り希釈剤である、請求項20に記載のディスペンサ。
【請求項22】
前記ハウジング内に配置され、第一濃縮物供給源から第一濃縮物を送給する第一濃縮物回路と、
前記ハウジング内に配置され、第二濃縮物供給源から第二濃縮物を送給する第二濃縮物回路と、
前記ハウジング内に配置された第二変換弁とを更に含み、
第二変換弁は、第一濃縮物回路に連通して第一濃縮物供給源から第一濃縮物を分与コンセントに送給する通路と、第二濃縮物回路に連通して第二濃縮物供給源からの第二濃縮物の送給を遮断するプラグとを含み、更に、変換弁は、第二濃縮物回路に流体連通した通路と第一濃縮物回路に流体連通したプラグとを整列させるように、回転可能であり、これにより、第一濃縮物の流れをプラグで遮断すると共に、第二濃縮物を分与コンセントに送給して第一又は第二流体回路からの流体と混合する、請求項21に記載のディスペンサ。
【請求項23】
前記第一及び第二流体回路と第一及び第二濃縮物回路とを受け入れる第一乃至第四通路を有する、受入ブロックを更に含む、請求項22に記載のディスペンサ。
【請求項24】
前記受入ブロックが第一及び第二変換弁も受け入れる、請求項23に記載のディスペンサ。
【請求項25】
ハウジング、ハウジング内に配置された受入ブロック、ハウジング内に配置された変換弁、及び第一ポートに流体連通した後部ブロックを含むディスペンサであって、
前記受入ブロックは、第一流体供給源に連通した第一通路、及び第二流体供給源に流体連通した第二通路を有し、
前記変換弁は、流体を送給する第一ポート、受入ブロックの第一通路に流体連通した第二ポート、及び、受入ブロックの第二通路に流体連通した第三ポートを有し、更に、変換弁は、第一ポートと第二ポートの間に配置されて第一流体を第一ポートに送給する通路と、第三ポートに流体連通して第二流体供給源からの第二流体の流れを遮断するプラグとを含み、
前記後部ブロックは、受入ブロックに固定され、これにより後部ブロックと受入ブロックの間に変換弁を拘束し、更に、変換弁が、受入ブロックの第二通路に流体連通して第二流体を後部ブロックに送給する第二ポートと、第一通路に流体連通して第一流体供給源からの第一流体の流れを遮断する第三ポートとを整列させるように、回転可能である、ディスペンサ。
【請求項26】
前記ハウジング内に配置された分与コンセントを更に含み、変換弁の通路からの流体を受け入れて使用する流体を分与すべく、分与コンセントの入口が後部ブロックの出口に流体連通している、請求項25に記載のディスペンサ。
【請求項27】
前記後部ブロックが栓板に更に固定される、請求項25に記載のディスペンサ。
【請求項28】
前記変換弁の第一ポートが、栓板を通って突出して後部ブロックに連結する、請求項27に記載のディスペンサ。
【請求項29】
第一受入ブロックに隣接して配置された第二受入ブロックを更に含み、該第二受入ブロックは、第一濃縮物供給源に連通した第一通路及び第二濃縮物供給源に流体連通した第二通路を有する、請求項25に記載のディスペンサ。
【請求項30】
前記ハウジング内に配置された第二変換弁を更に含み、該第二変換弁は、流体を送給する第一ポート、第二受入ブロックの第一通路に流体連通した第二ポート、及び、第二受入ブロックの第二通路に流体連通した第三ポートを有し、更に、第二変換弁は、第一ポートと第二ポートの間に配置されて第一濃縮物を第一ポートに送給する通路と、第三ポートに流体連通して第二濃縮物供給源からの第二濃縮物の流れを遮断するプラグとを含む、請求項29に記載のディスペンサ。
【請求項31】
前記第二変換弁の第一ポートに流体連通した第二後部ブロックを更に含み、該第二後部ブロックは、第二受入ブロックに固定され、これにより第二変換弁を第二後部ブロックと第二受入ブロックの間に拘束し、更に、第二変換弁は、第二受入ブロックの第二通路に流体連通して、第二濃縮物を第二後部ブロックに送給する第二ポートと、第二受入ブロックの第一通路に流体連通して、第一濃縮物供給源からの第一濃縮物の流れを遮断する第三ポートとを整列させるように、回転可能である、請求項30に記載のディスペンサ。
【請求項32】
分与コンセントが、前記第二変換弁の第一ポートに流体連通した第二入口を含み、第二変換弁の通路から濃縮物を受け入れて第一変換弁の通路からの流体と混合する、請求項31に記載のディスペンサ。
【請求項33】
前記受入ブロック内に配置された少なくとも1つの追加の通路を更に含み、該少なくとも1つの追加の通路の出口が、予め決められた第一及び第二通路の出口配列に配置される、請求項25に記載のディスペンサ。
【請求項34】
前記変換弁に配置された少なくとも1つの追加のポートを更に含み、該少なくとも1つの追加のポートがプラグに流体連通し、更に、少なくとも1つの追加のポートが第二ポート及び第三ポートと予め決められた配列に配置され、これにより、本体の回転と、第二ポート、第三ポート、及び少なくとも1つの追加のポートの受入ブロック出口への再差込みとを可能にする、請求項33に記載のディスペンサ。
【請求項35】
分与コンセントに製品を送給する製品ラインを変更する方法であって、
a.第一流体回路及び第二流体回路を有するディスペンサを用意する工程、
b.変換弁の第一ポートと第二ポートの間に配置された通路と、第三ポートに流体連通したプラグとを有する変換弁を用意する工程、
c.通路が第一流体回路に流体連通し、第三ポートが第二流体回路に流体連通し、これにより、第一流体回路から第一ポートに流体連通する分与コンセントに第一流体を送給すると共に、第二流体回路からの第二流体の流れを遮断するように、変換弁を分与コンセントに位置付ける工程、
d.ディスペンサから変換弁を取り外す工程、
e.第一ポートの軸線周りに変換弁を回転させる工程、及び、
f.第二ポートが第二流体回路に流体連通して第二流体回路から第二流体を送給し、第三ポートが第一流体回路に流体連通し、これにより、第二流体を第二流体回路から分与コンセントに送給すると共に、第一流体回路からの第一流体の流れを遮断するように、回転させた位置で変換弁を再設置する工程
を含む、方法。
【請求項36】
分与コンセントに送給される製品を変更する方法であって、
a.第一流体回路に流体連通する第一通路と、第二流体回路に流体連通する第二通路とを有する受入ブロックを用意する工程、
b.分与コンセントに流体連通する変換弁の第一ポートと該変換弁の第二ポートの間に配置された通路と、第三ポートに流体連通したプラグとを有する変換弁を用意する工程、
c.受入ブロックの第一通路に流体連通して、第一流体回路を変換弁の通路を介して分与コンセントまで延長するように、変換弁の第二ポートを位置付けると共に、受入ブロックの第二通路に流体連通して、第二流体回路をプラグで遮断するように、変換弁の第三ポートを位置付ける工程、
d.受入ブロックから変換弁を取り外す工程、及び、
e.第二ポートが受入ブロックの第二通路に流体連通し、且つ、第三ポートが受入ブロックの第一通路に流体連通するように、変換弁を再設置する工程を含み、
前記工程eにより、第二流体回路を分与コンセントまで延長すると共に、第一流体回路を遮断する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図9e】
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【公表番号】特表2011−502080(P2011−502080A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531061(P2010−531061)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/012157
【国際公開番号】WO2009/058230
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(501011048)ランサー・パートナーシップ・リミテッド (25)
【出願人】(391026058)ザ・コカ−コーラ・カンパニー (238)
【氏名又は名称原語表記】THE COCA−COLA COMPANY
【Fターム(参考)】