説明

外傷治療用装置及び方法

【課題】様々な種類の慢性的でかつ痛みを伴う外傷を治療することが可能な外傷治療用装置及び方法を提供する。
【解決手段】外傷治療用装置は、外傷の少なくとも一部を覆う外傷カバーと、前記外傷カバーと流体連通した真空源と、前記外傷カバーの下に配置された液体保持構造であって当該液体保持構造に入る実質上すべての液状の外傷浸出液を捕集および保持するとともに同時に前記真空源によって発生させられた陰圧を外傷に伝達する液体保持構造と、前記液体保持構造からの液体の流れを実質的に遮断する液体バリアと、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、感染による外傷、静脈性潰瘍、動脈性潰瘍、糖尿病性潰瘍、火傷、切開による外傷、外科的外傷等の様々な種類の慢性的でかつ痛みを伴う外傷を治療することが可能な外傷治療用装置及び方法に関する。特に、本発明は、陰圧治療法を利用する外傷治療用装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
陰圧治療は、様々な外傷を治療するための一手法として利用されている。従来の装置は、サイズが大きく、吸引ポンプ、真空ポンプ等の複雑な機器を基本的に必要とし、また、複雑な電気制御装置を必要としていた。上述した機器以外の関連機器としては、例えば、液体/浸出液捕集キャ二スタ、液体搬送用導管、及び圧力レギュレータ/トランスデューサ/センサが挙げられる。その結果、かかる装置は大がかりで、大きな電力が必要で、比較的コストが高く、そして実質的に使い捨てすることができなかった。さらに、既存の装置の複雑さのため、患者を静止した状態で監視することが必要で、装置の初期配置及び変更は、医師や看護婦によって行わなければならなかった。現在では、かかる装置の使用に必要な典型的なコストは、一日に患者一人に対しておよそ百ドル程度である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ヘルスケア及び医療用装置のコストの増加は、患者にとっては負担であり、治療提供者としては、医療行為を行う者による監視の負担がより少なく、患者が家庭でも使用できるといったような解決策を望んでいる。さらに、患者としても、旅行に行ったり、移動したりすることを可能とする携帯可能な種類の装置を望んでいる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、外傷に陰圧治療を施す自己統合型(self−integrated)の外傷治療用装置を提供する。一の実施形態においては、装置は、少なくとも外傷の一部を覆うハウジングを有する。また、装置は、液体保持チャンバ内に液体捕集部を備えるとともに、真空源に接続されるアダプタまたは接続部を備える。真空接続部は、気体が流れることができるように液体保持チャンバと連通している。真空接続部は、液体バリアにより、液体捕集部から分離されている。さらに、外傷治療用装置は、ハウジングによって患者の体の表面を気密にするため、シールを備える。
【0005】
ある実施形態では、真空接続部は、ハウジング内またはその近傍に配置された真空源に接続される。他の実施形態では、真空接続部は、ハウジングの外部に配置された真空源に接続されるアダプタから構成される。本明細書中では、アダプタ、カプラ、接続部という語は、同じ意味で用いられる。
【0006】
他の実施形態においては、外傷治療用装置は、モジュラー式で、外傷接触モジュール、液体保持モジュール、及び、真空ポンプモジュールから構成される。この場合、外傷治療用装置の各モジュールは、別個にまたは複数組み合わせて交換可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、様々な種類の慢性的でかつ痛みを伴う外傷を治療することが可能な外傷治療用装置及び方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一の実施形態に係る外傷治療用装置の斜視図である。
【図2】図1に示す外傷治療用装置の側断面図である。
【図3】他の実施形態に係る、液体バリアとして液滴ギャップを含む外傷治療用装置の側断面図である。
【図4】図3に示す装置の液滴ギャップの拡大図である。
【図5】図3に示す装置の液滴ギャップの上断面図である。
【図6】他の実施形態に係る、真空源として内部真空ポンプを含む外傷治療用装置の側断面図である。
【図7】他の代替的な実施形態に係る、真空源として内部真空ポンプを含む外傷治療用装置の側断面図である。
【図8】他の実施形態に係る、横長なハウジングを備えた外傷治療用装置の側断面図である。
【図9】図9(a)及び図9(b)は、装置構成としてモジュールの態様を採用した外傷治療用装置の概略図である。
【図10】外傷治療用装置の液体保持チャンバ内に配置される吸収部材の斜視図である。
【図11】他の実施形態に係る、外傷治療用装置の側断面図である。
【図12】他の実施形態に係る外傷治療用装置の側断面図である。
【図13】他の実施形態に係る外傷治療用装置の側断面図である。
【図14】他の実施形態に係る外傷治療用装置の側断面図である。
【図15】他の実施形態に係る外傷治療の側断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図面において示されるとともに以下に説明する本発明の実施形態に係る発明特定事項は、異なる様々な構成に応じて配置、設計することが可能である。従って、図示して詳細に説明する以下の実施形態は、本発明を限定するものではなく、あくまでも本発明の実施形態を例示するためのものである。本発明の様々な態様を図面によって示すことが可能であるが、特に説明しない限り図示を省略することがある。
【0010】
本発明は、その技術的範囲から逸脱しない範囲で、他の特定の態様において具現可能である。以下に説明する本発明の実施形態は、あくまでも例示のためのものであり、限定のためのものではない。従って、本発明の技術的範囲は、以下の説明ではなく添付の特許請求の範囲に基づいて定められるべきである。均等物に置換することも、本発明の技術的範囲に含まれるものとする。
【0011】
本明細書を通じた特徴、利点または同義語の説明は、本発明により達成される全ての特徴及び利点が本発明の単一の実施形態のみによるものであることを示唆するものではない。本発明の特徴及び利点の説明に関しては、一の実施形態において説明される特定の特徴、利点、特性が、本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを示唆するものである。従って、特徴、利点及び同義語の説明については、本明細書を通じて、同一の実施形態を参照するものであるが、これに限定される訳ではない。
【0012】
さらに、以下に説明する本発明の特徴、利点、特性は、一以上の実施形態において組み合わされてもよい。当業者にとっては、特定の実施形態の一以上の特徴または利点を除いても本発明を実施することが可能であることは明らかである。また、本発明の実施の形態で説明されない追加的な特徴及び利点が特定の実施形態によって得られることがある。
【0013】
本明細書を通じて、「一の実施形態」、「実施形態」、あるいはそれらと同義語については、実施形態で説明する特定の特徴、構成、または特性が本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを示唆するものである。従って、「一の実施形態において」、「実施形態において」というフレーズあるいはそれと同義語は、本明細書を通じて、同一の実施形態を参照するものであるが、これに限定されるものではない。
【0014】
以下の説明では、多数の具体的な発明特定事項、例えば、ハウジング、バリア、チャンバ等を本発明の実施形態の理解を可能にするために説明する。しかしながら、当業者にとっては、一以上の具体的な発明特定事項なしで、または、他の方法、発明特定事項、材料等とともに本発明を実施することが可能であることは明らかである。また、発明の要旨を不明確にしないようにするため、真空源等の公知の構造、材料、または動作については詳細に説明しないこととする。
【0015】
図1及び図2に外傷治療用装置10を示す。図1は、患者の体の表面に取り付けられて外傷の少なくとも一部を覆う外傷治療用装置の斜視図である。図2は、図1の矢線2−2に沿った側断面図である。装置10は、外傷の少なくとも一部を覆うハウジング20を備える。ハウジング20は、内部空間22を画定する。一の実施形態においては、内部空間22には、真空チャンバ24と、液体バリア36によって分離された液体保持チャンバ40とが含まれる。液体保持チャンバ40は、外傷の浸出液またはその他の液体を捕集する液体捕集部(図示せず)を備える。ハウジングは、真空源(図示せず)と流体連通している。液体捕集部は、外傷の浸出液を保持するとともに、同時に真空源によって発生させられた陰圧を外傷に供給する。本明細書を通じて、陰圧という語と真空という語は、相互に互換性があるという意味で用いられる。
【0016】
一の実施形態においては、ハウジング20は、剛体または半剛体である。装置10のハウジング20は、陰圧が加わっている間、実質的にそのサイズ及び構造を維持し、従って、ハウジング20内で真空状態が維持される。ハウジング20は、当業者にとって知られている適切な材料、例えば、これらに限定されるものではないが、ポリウレタンを含むゴム、ポリプロピレン、塩化ポリビニール、ポリエチレン、バレックス(登録商標)ブランドの下で販売されているアクリロニトリル系共重合体、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエーテル、ナイロン、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ素重合体、テフロン(登録商標)ブランドの下で販売されているポリテトラフルオロエチレン、シリコン、ネオプレン等の高密度プラスチック、あるいはそれらの組み合わせ及びそれらに類似の材料から形成される。
【0017】
他の実施形態においては、ハウジング20は、ハウジングの内部空間22内に配置された少なくとも一つのカスタマイズ可能な剛体または半剛体の構造支持体(図示せず)によって支持されたフレキシブルなバリアまたは表面ラップから形成され、装置が大気圧以下の圧力状態となったときに装置の形状を維持する。ある実施形態では、構造支持体は、ハウジングの外部に配置されたり、あるいは、ハウジング20と一体である。フレキシブルなバリアまたは表面ラップは、ハウジング20の内部空間22内に配置された構造発泡体によって支持され、皮膚に対応可能な接着性を有する薄いポリウレタンフィルムから構成される。構造支持体または構造発泡体は、剛体または半剛体のプラスチック及び発泡体、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエチレン、シリコン、ネオプレン、あるいはそれらの組み合わせから形成される。あるいは、液体保持チャンバ40またはその内部に配置された液体捕集部自体が、ハウジング20内で真空の供給に応じて開く真空路を維持するために必要な構造を支持する機能を有してもよい。
【0018】
一の実施形態においては、ハウジング20は、半透過性である。例えば、半透過性のハウジング20は、液体に対して不浸透性だが、水蒸気やその他の気体に対しては透過性があり、真空の供給によってハウジング20内を陰圧状態に保つ。例えば、ハウジング20の材料は、ポリウレタン、または、テガダーム(登録商標)ブランドの下で販売されている半透過性の材料である。一の実施形態において、ハウジング20は、836グラム/m/日の水蒸気透過速度(WVTR)を有する。しかしながら、他の実施形態では、WVTRは、836グラム/m/日以下であってもよい。さらに他の実施形態では、ハウジング20の材料は、液体及び気体(水蒸気を含む)の両方に対して不浸透性である。その他のハウジングの材料の例としては、オプサイト(登録商標)、シュアサイト(登録商標)、メドフィックス(登録商標)及びメフィルム(登録商標)ブランドの下で販売されている材料が挙げられる。
【0019】
装置は、様々な位置にある外傷に用いても快適な材料から形成される。例えば、外傷がひじやその他の関節にあり、この場合装置は外傷部分を確実に気密にする必要がある。
【0020】
真空源(図示せず)は、ハウジング20と流体連通している。真空接続部30により、ハウジング20と真空源とが接続される。真空接続部は、当業者に知られたフレキシブルまたは半剛体の医療用チューブ、プレナム、導管、その他真空を真空源からハウジング20に伝達できる管から構成されるが、これらに限定されるものではない。一の実施形態においては、ハウジングには、ハウジング20を真空接続部30または外部の真空源に接続するためのアダプタ32またはカプラ32が取り付けられる。真空源は、ハウジング20の内部または外部に配置され、あるいは、ハウジングから離間した位置または近傍の位置に配置される。真空源がハウジング20の外部でかつその近傍に配置されている場合、真空接続部30は不要で、アダプタ32またはカプラ32を介して直接的に真空源から真空がハウジング20内に供給される。真空源がハウジング20内に配置されている実施形態では、アダプタ32またはカプラ32は不要である。真空源は、マイクロ真空ポンプまたは通常の真空ポンプから構成される。ポンプの種類は、当業者にとって公知のものであれば、どのような種類であってもよい。真空源は、浸透性または電気浸透性のポンプであってもよい。
【0021】
真空源は、動作のためにバッテリ等の電源に接続されている。電源の例としては、電源コンセント、バッテリ、及び/または充電可能なバッテリが挙げられる。バッテリは、一体式(交換不可)であったり、交換可能であったり、及び/または充電可能なものである。電源は、真空源の近傍に配置されたり、あるいは、離間して配置されて、これにより、大容量の電源が治療の間持続する。
【0022】
アダプタ32またはカプラ32は、真空源の吸気口を接続するための真空ポートから構成されてもよい。アダプタ32またはカプラ32は、ハウジング20と真空源との間をより複雑に連通するような構成を採用してもよい。アダプタ32またはカプラ32は、真空源の制御モジュールまたは真空源モジュールと、ハウジング20内に配置されたセンサとの間に、連通路及び/または経路を形成するように取り付けられる。
【0023】
一の実施形態では、アダプタ32またはカプラ32は、気体が流れることができるように真空チャンバ24、すなわち液体保持チャンバ40と液体バリア36を介して連通する。代替的な実施形態では、真空接続部30は、液体バリア36を介して直接的に液体保持チャンバ40と連通している。さらに他の代替的な実施形態では、真空源の吸気口が直接的に液体バリアと接続されている。真空源、真空接続部30、真空チャンバ24及び液体バリア36は、全て、ハウジングの内部に配置されていてもよいし、外部に配置されていてもよい。
【0024】
アダプタ32またはカプラ32は、ハウジング20または真空源に関連付けされたデザイン上の特徴を有しており、ハウジング20及び真空源が互いに接続されるのを許容する。かかる接続は、インターフェアレンス(interference)なフィッティング、スナップフィッティング、圧入(compression fit)等によって達成される。アダプタ32またはカプラ32は、接着、または、真空源とハウジングとの連通を維持する公知の装置により達成される。アダプタ32またはカプラ32は、真空源によって発生させられた陰圧をハウジング20に伝達する。
【0025】
図1に示す、本実施形態に係る装置10の真空チャンバ24は、ハウジング20の内部空間によって画定されている。真空チャンバ24は、空の空間、または、真空源との連通を可能にする多孔性部材によって充てんされた空間である。真空チャンバ24は、真空力または真空圧に対してポジティブ接続(positive connection)を達成し、液体捕集部に真空圧を分散または伝達する。真空チャンバ24は、液体捕集部に真空圧を均等に分散するよう機能する。真空チャンバは、ハウジング20によって画定されている必要はなく、ハウジングの外部に配置されていてもよいことは当業者にとって明らかである。例えば、真空チャンバ40は、真空接続部30内の導管であってもよい。真空チャンバ40は、アダプタ32によって画定された空間内に配置される。
【0026】
液体捕集部は、液体捕集部を介した真空源と外傷との間の流体連通を許容する複数の流路を含む少なくとも一つの多孔性部材から構成される。液体捕集部は、外傷からの液体を保持するための構造体及び/または部材を備える。かかる構造体及び/または部材としては、スポンジ、発泡体、繊維、ウィッキング(wicking)繊維、中空繊維、気泡、布、ガーゼ、超吸収性重合体を含む超吸収性部材、吸収性発泡体、カルボキシルメチルセルロースナトリウム(sodium carboxy methyl cellulose)等のゲル剤、充てん材料、あるいは、それらの組み合わせが挙げられる。かかる構造体または部材は、気体が流れることを許容するとともに、外傷に真空または陰圧を供給する流路を備える。かかる構造体または部材は、外傷から液体を吸収して保持する。外傷からの浸出液としての液体は、細胞残屑や、その他外傷からの浸出液に典型的に含まれる固体を含んでいることは、当業者にとって明らかである。
【0027】
液体捕集部を形成する部材または構造体は、陰圧の通路として機能する間質性の空間を形成し、または含む。かかる空間により、真空源は液体捕集部を介して外傷と流体連通する。一の実施形態では、液体捕集部は、繊維マトリクスを形成する構造中に分散されたもののうち、ポリアクリル酸ナトリウムから形成された超吸収性繊維を備える繊維またはレーヨンによる複合構造を有する。超吸収性繊維または物質は、繊維マトリクス内に離散的に分散され、気体(真空)流路が、液体が超吸収性繊維または物質に吸収された後に開くようになっている。超吸収性繊維は、液体捕集部内のノード(node)として機能するか、またはそれらを含む。液体補修部によって液体が吸収されると、液体捕集部内で気体(真空)流路を塞ぐことなく液体が超吸収性ノードに集められる。他の実施形態では、液体捕集部内に流れ込んだ外傷の浸出液は、超吸収性物質によって吸収され、繊維マトリクスまたはその他の液体捕集部材料内の離間した位置で動きを止められる。従って、液体捕集部は、真空状態の間及び真空状態が維持されていない間液体を保持する。
【0028】
他の実施形態では、液体捕集部は、飽和状態または超飽和状態にならないように設計された領域または区域を有する。かかる実施形態では、不飽和区域または領域が、液体捕集部を介して真空源から外傷までの真空または陰圧の流路を形成する。従って、装置10は、外傷部分において治療に適した圧力を維持する手段を有するとともに、液体捕集部が、液体を吸収する。
【0029】
一の実施形態では、液体捕集部、ハウジング30、及び/または液体保持チャンバ40は、装置が大気圧以下の圧力状態になったときに、液体捕集部を介した真空源と外傷との間の流体連通を許容するのに十分な剛性を有する。装置10は、液体捕集部の流路が真空圧下でも開いたままで外傷に陰圧が供給されるようにするのに十分な剛性を有する。
【0030】
液体捕集部は、この液体捕集部に加えられた所定の大きさの機械力の下で液体を保持する。例えば、装置10がユーザによって強く握られたとしても液体を保持し続ける。この特徴により、真空源が停止状態あるいは保持チャンバまたは液体捕集部を交換する必要があるときに自由液体が液体捕集部からにじみ出ることを防止する。
【0031】
一の実施形態においては、液体捕集部は、超吸収性繊維を分散させた構造的繊維マトリクスの複合構造を有する。かかる構造は、真空下で十分な構造的完全性を維持し、真空路を開いたままに維持する。そのため、さらに別の追加的な構造体は、不要である。
【0032】
当業者にとって知られている、液体を保持する同様の特徴を有する他の手段を用いてもよい。ある実施形態では、液体捕集部または液体保持チャンバ40は、抗菌性を有し、あるいは、抗菌剤を含む。
【0033】
液体捕集部は、液体保持チャンバ40内に配置されたり、あるいは、液体保持チャンバ40を構成する構造体の一部であってもよい。ここで、「液体を保持する」または「液体を保持」という語については、実質的に液体を保持することを意味する。ある実施形態では、液体保持チャンバ自体が、真空状態でハウジング内またはハウジングを通る真空路を開いたままにする、必要とされる構造的支持体を構成する。従って、装置は、真空状態でこの装置の機能を維持するための十分な構造体を有する。以下で詳細に説明するように、充てんインジケータが、ユーザに対し、所定の液体捕集部飽和点を報知する。
【0034】
液体バリア36は、一の実施形態においては、真空源と液体捕集部(図示せず)との間に配置される。液体バリア36は、液体が液体保持チャンバ40から真空チャンバ24に流れこむのを防止する機能を有する。液体バリア36は、気体が浸透可能な膜から構成される。そこで、液体バリアは、液体が液体保持チャンバ40から真空チャンバ24内に流れ込むのを防止する一方で、気体が流れることを許容し、真空接続部30を介して供給された陰圧を伝達する好適な技術から構成される。当業者にとっては、液体バリア36が、フィルム、マット、膜、その他液体に対して不浸透性な構造体のいずれかの態様を採用することができることは、明らかである。例えば、液体バリア36は、多孔性かつ疎水性のフィルム、多孔性かつ疎水性の膜、疎水性の構造体、その他水分の移動を許容しないものから構成される。
【0035】
多孔性かつ疎水性のフィルムの例としては、例えば、これらに限定されるものではないが、多孔性及び微小孔性のポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、二フッ化ポリ塩化ビニリデン、アクリル重合体、ポリエチレン、または、それらもしくはそれらの組み合わせの繊維層が挙げられる。例えば、ゴアテックス(登録商標)またはミリポア(登録商標)ブランドの下で販売されている多孔性かつ疎水性のフィルムが好適である。これら疎水性のフィルムは、また、抗菌性のフィルタとして機能し、バクテリアが液体保持チャンバから真空源に入り込むのを防止したり、あるいはその真空源から液体保持チャンバに入り込むのを防止する。本明細書の開示内容に基づいて、当業者にとって自明な、気体が流れるのを許容する一方で液体が流れることを防止するその他の技術を液体バリア36として用いてもよい。
【0036】
図2の装置10では、液体バリア36は、気体が流れることを許容する一方で少なくとも液体の流れを実質的に遮断する多孔性かつ疎水性のフィルムから構成される。従って、真空源(図示せず)が、この真空源と連通した手段、すなわち、図示する例ではアダプタ32または真空接続部30に接続されたとき、陰圧が真空チャンバ24を介して液体保持チャンバ40に供給/伝達され、液体が外傷部分から液体保持チャンバ40内に吸引される。
【0037】
一の実施形態では、外傷治療用装置10は、この装置の配置向きに関わらず装置の動作を維持するための手段を備える。例えば、装置は患者の体の様々な位置に取り付けられ、装置がひっくり返った状態を含む様々な角度で動作しなければならない。一の実施形態においては、装置の配置向きに関わらず装置の動作を維持するための手段には、装置の配置向きに関わらず真空源を水分から守る液体バリア36が含まれる。かかる手段には、また、装置の配置向きと無関係に設計された、装置の個別の構成要素が含まれる。装置の配置向きに関わらず装置の動作を維持するための手段は、液体の浸出液をゲル化して不動にし、これによって真空路が自由液体によってふさがれてしまうのを防止する材料から形成された液体捕集部を含む。例えば、液体捕集部が超吸収性のノード(node)が分散された繊維マトリクスから構成される場合、浸出液は、ノードでゲル化されて液体が取り除かれ、真空路が開いたまま維持される。
【0038】
装置10は、さらに、外傷と直接接触する外傷接触部41を有し、この外傷接触部は、単一または厚さが異なる複数の層から構成され、外傷の深さに対応する。外傷接触部41は、外傷の内部に直接配置されてもよいし、外傷上に配置されてもよい。外傷接触部41は、液体保持チャンバと流体連通しており、外傷の液体を創傷床から液体保持チャンバ40に伝達させる。一の実施形態では、外傷接触部41は、液体をウィッキング現象(wicking action)によって伝達する。他の実施形態では、外傷接触部41は、液体を毛管現象によって伝達する。外傷接触部41は、多孔性を有し、外傷の液体を通過させて外傷接触部上の液体捕集部によって吸収させる。代替的に、外傷接触部41は、部分的または全体的に外傷液を吸収する。外傷接触部41は、布、発泡体、ゲル、ガーゼ、多孔性母材、蜂の巣、モップ、紙ふぶき、またはそれらの組み合わせから構成される。
【0039】
外傷接触部41は、外傷の内部に直接配置されてもよいし、外傷の上に配置されてもよい。外傷接触部41は、様々な機能を有しており、例えば、外傷に真空を供給するとともに、液体保持チャンバ40が所定の吸収レベルに達した際に、液体保持チャンバを外傷部分から簡易にかつ痛みを伴わないように取り外すことを可能にする層として機能する。外傷接触部41は、トプキン(登録商標)ブランドの下で販売されている分解性共重合体膜、または、特殊な外傷用医薬材料の形態で有用なバイオエージェント(bioagent)を供給する層、例えば、皮膚再生テンプレート(インテグラ(登録商標)ブランドの下で販売されているもの)、生体吸収性ゲル、発泡体、組織の接着を防止するバリア(インサート(登録商標)ブランドの下で販売されているもの)、皮膚代替物(バイオフォイル(登録商標)ブランドの下で販売されているもの)、外傷部分の水分を選択的に維持する層(アレヴィン(登録商標)ブランドの下で販売されているアルギン酸塩または外傷用医薬材料)、血管由来の層(例えば、セラマー(登録商標)ブランドの下で販売されているもの)、抗菌性を有するか抗菌剤を含む層、から構成される。
【0040】
外傷接触部41は、様々な態様を採用することができ、例えば、これらに限定されるものではないが、シート、発泡体、ゲル、ガーゼ、その他充てん多孔性構造体、例えば、気泡(bead)の袋、毛足の長いモップ、ほぐれたコンフェティ(confetti)、蜂の巣の態様を採用することができる。代替的に、外傷接触部41は、外傷の中空に充てんされ、真空状態で多孔性構造体に変化するゲルであってもよい。一の実施形態においては、外傷治療用装置は、およそ100ミクロンの直径を有する少なくとも一つの開口を含む外傷に接触する面を有する。
【0041】
当業者にとっては、外傷接触部41と液体捕集部とは、本発明の目的とする効果を奏することができるように、様々な態様で組み合わされてもよいことは明らかである。例えば、外傷接触部41と液体捕集部とは、一体なボディの別々の層であってもよい。一の実施形態においては、複数の液体捕集部のそれぞれが、外傷接触部として機能する袋に収容されている。袋のカバーは、真空圧と体液とに対して浸透性のある多孔性物質から形成された外傷接触部から形成される。液体捕集部の材料は、この多孔性の袋に収容される。一の実施形態においては、外傷接触部は、液体捕集部材料と外傷との間の直接的な接触を防止する。しかしながら、ある実施形態においては、多少接触してもよい。この外傷接触部/液体捕集部の組み合わせは、さまざまな形態を採用することができ、例えば、クッション、管、内蔵式のチューブ状の構造体、液体捕集部が外傷接触部に収容されるその他の構造体を採用することができる。かかる構造体は、フレキシブルで、あらゆる種類の外傷の中空にフィットするように好適な形状に変形することができる。あるいは、それらの袋のうちのいくつかは、互いに連結され、あるいは、深い外傷のトンネルまたは深い外傷の中空に挿入することができる構造体を形成するように組み合わされる。例えば、連結されたチューブ状のチェーンが形成され、外傷のトンネルに挿入され、外傷の中空の全体がこのチェーン状の構造体によって充てんされる。フレキシブルなバリア状のハウジングの材料、例えば、テガダームを外傷部分を覆うことに用いることができ、外傷部分の皮膚を気密にする。真空源を含むモジュールが、フレキシブルなバリア状のハウジングに取り付けられ、外傷部分を真空状態にする。外傷の浸出液が、外部の浸透性のある外傷接触部カバーを介して袋の内部に流れ込み、液体捕集部内に吸収される。液体捕集部は、外傷に真空の供給を許容し、外傷から液体を吸収して保持する。
【0042】
以下で詳細に説明するように、装置10は、皮膚保護層を備える。皮膚保護層は、外傷の周囲の健康な皮膚を、外傷治療の間に健康な皮膚を真空及び水分にさらすことによるあざの形成や浸軟から保護する。かかる皮膚保護層は、健康な皮膚が「呼吸」することを許容し、外傷部分から容易にかつ痛みを伴わず装置を取り外すことを可能にする。皮膚保護層が、最初に皮膚を別途に気密にし、次にハウジングが皮膚保護層を気密にする。あるいは、皮膚保護層は、ハウジングまたは外傷接触部と一体に形成される。皮膚保護層は、ハウジングと同じ材料か、ゲルから形成される。
【0043】
装置10が患者に取り付けられて駆動されると、あるいは、真空接続部30またはアダプタ32を介して外部真空源に接続されると、装置10は、外傷に陰圧を供給する。装置10は、公知の様々なシールのうちの一つ、例えば、一の実施形態では、ハウジングシール28を用いて徐々に患者の体の表面に取り付けられる。装置10のハウジング20は、患者の体の表面を気密にするように取り付けられる。ある実施形態では、かかる気密効果は、単にハウジング20を体の表面に配置して装置10内を真空引きすることによって達成される。装置10は、この装置を表面に取り付けるためのシール28を有する。当業者に知られている、接着剤が裏に塗布された薄いポリウレタンフィルムを含む、接着層、ガスケット、その他のシールまたは気密に技術をシール28として利用してもよい。当業者に知られているその他の好適なシールを用いることも、本実施形態に含むものとする。一の実施形態では、装置は、シールと連通して、装置10のシール28から真空または陰圧が漏れていないか否かを判別するためのリーク検出部を備えていてもよい。
【0044】
一の実施形態では、シール28は、ハウジング20の一部であり、あるいは、皮膚保護層と一体である。シール28、ハウジング20及び皮膚保護層は、本発明の目的とする効果を奏するように、様々な態様で組み合わせることが可能であることは、当業者にとって明らかである。
【0045】
従って、動作の際に、装置10は患者の外傷部分にパッチのようにして取り付けられ、真空源が真空接続部30に接続されて外傷に陰圧を供給する。使用の前に、装置10は、汚れないようにするため、梱包されていてもよい。かかる梱包は、袋、封筒、またはプルタブ18を備えていて患者に装置を取り付ける際に取り外される任意の保護カバー16によって達成される。外傷部分に陰圧を供給する間、液体が液体保持チャンバ40に吸引され、この液体保持チャンバ40内に保持され、さらに液体バリア36によって移動が制限される。
【0046】
図3に、図2に対応するように本発明の別の実施形態に係る外傷治療用装置110の側断面を示す。図3の外傷治療用装置110は、ハウジング120と真空路130とを備える。図3の装置110では、真空路130が真空接続部134を介して外部の真空源に気密に接続されるポート132を備え、真空源から陰圧が装置110に供給される。代替的な実施形態では、真空源はハウジング120の近傍、内部または外部に配置される。例示する装置110では、図示しない真空源が単一の患者に対して複数の装置110によって共有され、あるいは、それぞれの装置110によって液体がそれぞれの真空接続部134に流れこむことがないので、複数の患者間で共有される。図1及び図2の装置10と同様に、図3の外傷治療用装置110は、液体保持チャンバ140と真空チャンバ124とを備える。この実施形態では、真空チャンバ124自体が、液体バリア136として機能し、液体が液体保持チャンバ140から流れることができない「液滴ギャップ」として作用する。「液滴ギャップ」とは、液体保持チャンバ140と真空路130との間のギャップをいう。液体保持チャンバ内の液体の表面張力により、液滴が「液滴ギャップ」を越えて真空路に入り込むことが防止される。従って、「液滴ギャップ」は、液体バリアとして機能し、液体が液体保持チャンバ140から移動することを防止する。
【0047】
より詳細に説明すると、真空チャンバ124は、ハウジング120の内部空間122内にある円筒形の空間であり、その大きさにより、液体が液体保持チャンバ140から真空路130に流れこむことを防止する。真空路130は、真空チャンバ124内に延伸し、少なくとも一つの開口138を備える。ハウジング120は、真空路130と液体保持チャンバ140の周辺部分との間で延伸し、真空路130と液体保持チャンバ140との間の距離を適正に保つ内部支持体126を備える。
【0048】
液体バリアは、液体が液体保持チャンバ140から移動することを防止する迷路であってもよい。この迷路には、合一(coalescence)の原理を利用し、化学の技術者によく知られるとともに商業上利用可能なミストエリミネーター中で用いられる構成を採用する。液体またはミストは、迷路に入り込み、合体して真空チャンバ130に入りこむことなく液体保持チャンバに戻される。
【0049】
図1及び図2の外傷治療用装置は、図3に示す液滴ギャップ原理を得るために、単に液体バリア36を省略するようにして変更されてもよい。液体ギャップまたは迷路手段は、疎水性の液体バリアの代わりに用いても、装置の配置向きに関わらず、効果的に装置内を真空状態に維持することができる。
【0050】
再度図3を参照して、装置110は、任意であるが、液体保持チャンバ140と真空チャンバ124との間に配置された多孔性かつ疎水性の膜として液体バリア136を備えていてもよい。
【0051】
図4は、図3中の円4で囲った、図3の装置110の真空チャンバ124及び液体バリア136を詳細に示す。図示するように、内部支持体126により、真空チャンバ124内に真空路130が配置されている。
【0052】
図5に、装置110の真空チャンバ124の構成、形状、及び構造の例を示し、図3の矢線5−5に沿った外傷治療用装置110の断面を示す。内部支持体126は、真空路130と周辺部分142との間で延伸し、真空路130と液体保持チャンバ140との間の距離を適切に保つ。図5では、真空チャンバ124が円筒形の形状を有する場合を図示している。真空チャンバ124のサイズ、体積、形状は、当業者にとって自明な範囲内で変更可能である。従って、楕円形、四角形、その他の形状が、本発明の開示範囲内に含まれるものとする。
【0053】
上述した構成の液体バリア及び/または真空チャンバは、真空源と外傷との間で陰圧を外傷に供給する流路の少なくとも一部を形成する。従って、かかる構成は、真空源と外傷との間で、真空下で連通する手段の一部を構成する。
【0054】
次に、図6を参照して、別の実施形態に係る外傷治療用装置210を、図2と同様に側断面で示す。図6の装置210は、上述した実施形態と同様に、内部空間を画定するハウジング220を備える。しかしながら、この実施形態の外傷治療用装置210は、真空源234と、陰圧を真空チャンバ224に供給するアダプタ232とを含む陰圧源230を内蔵している。真空源234は、電源238に接続されて駆動され、図示するようにともに装置210の内部に配置されている。さらに、図6では、真空源234及び電源238がハウジング220の内で補助チャンバ226内に配置されるように図示しているが、かかる装置はハウジング220の外部に配置されていてもよく、必要に応じて取り外されて交換される装置210のモジュール部分内に配置されていてもよい。
【0055】
ある実施形態では、陰圧は、チューブまたは真空ポンプ234に接続されたその他のカプラ232若しくはアダプタ232を介して液体保持チャンバ240及び/または液体捕集部に加えられる。真空源230が内部に配置された真空ポンプ234である場合、カプラ232は、ポンプ234から真空チャンバ224まで延伸し、気体が流れることができるように液体保持チャンバ240と連通する。真空源230が内部に配置された真空ポンプ234である場合、真空ポンプまたはその他のポンプが脱気できるように排気口235が設けられる。排気口は、フィルタ237を備えていてもよく、これによって外部から細菌が内部に入り込んだり、内部から外部に漏洩することを防止する。真空チャンバ224内のカプラ232の開口は、フィルタ261(例えば、ある実施形態では、抗菌性のフィルタ)を備えていてもよく、または、液体バリア236と同様の特性を有していてもよく、これにより、外傷の液体が真空源230に流れ込むのを防止し、外部の細菌が外傷部分に入り込むことを防止する。さらに、ある実施形態では、装置210は、吸気及び排気の両方のフィルタを備えていてもよく、これによりハウジング220の外部の微生物が吸気されることを防止する。
【0056】
動作の際、外傷治療用装置210は、最初に、患者の体の表面上に配置され、少なくとも部分的に外傷領域を覆う。上述したように、装置210は、この装置210単体の吸引により、または、当業者にとって知られた技術のうちから選択されたシール228により、体の表面を気密にする。図6に示すシール228は、保管の際には、任意でプルタブ218を備えるカバー216によって覆われている接着性のあるシールである。装置210は、さらに、上述したとおり外傷接触部241を備える。
【0057】
患者に装置210を取り付けることに続き、真空源234を駆動し、装置210の内部の圧力を減少させる。陰圧が生成されると、液体が外傷から装置210の液体保持チャンバ240内に吸引され、液体バリア236により、真空チャンバ224または陰圧源230へと流れこむことが防止される。上述した実施形態と同様に、液体バリア236は、当業者にとって知られた技術のうちから選択されたものであり、これらに限定されるものではないが、例えば、多孔性かつ疎水性のフィルム、膜、及び多孔性かつ疎水性の構造体、例えばスポンジや発泡体から構成される。
【0058】
図6に例示する装置210は、さらに、圧力安全弁260と、充てんインジケータ270と、非気密インジケータ(図示せず)とを備えてもよい。ある特定の実施形態では、ハウジング220は、さらに、ハウジング内の圧力を調整するための手段を備える。圧力を調整するための手段は、これらに限定されるものではないが、圧力安全弁または圧力調整弁、またはその他圧力コントローラから構成される。圧力安全弁260は、ハウジング220の内部空間(及び液体保持チャンバ240及び外傷面)の陰圧を治療に適した値に維持するために用いられる。圧力安全弁は、商業上利用可能なもののうちのいずれか一つであってよい。一の実施形態においては、陰圧は、およそ75mmHgからおよそ125mmHgの間で維持される。圧力安全弁は、装置において真空状態となるいずれかの位置に配置される。一の実施形態においては、圧力安全弁260は、ハウジング220上に配置され、液体保持チャンバ240の変化に反応する。圧力安全弁260は、真空源自体またはハウジングと真空源230との間に配置されてもよい。圧力安全弁260は、さらに、吸気フィルタ(図示せず)を備えていてもよく、これにより、装置210内に汚染物質が混入することを防止し、従って外傷部分をさらに保護する。圧力安全弁は、様々な方法に応じて動作することができ、例えば、予め設定された圧力点で開いて外気がハウジング220内に入り込むことを許容し、ハウジング220内が予め設定された圧力点に達したら閉じたり、装置210を開放して真空源を非アクティブにしたり、または単に真空源を非アクティブにしたりする。装置10の内外での圧力の制御は、真空源をオン・オフしたりすることを含むことは、当業者にとって明らかである。
【0059】
代替的には、外傷治療用装置210は、ハウジング220内の真空または圧力を制御する圧力コントローラを備える。圧力コントローラは、真空(圧力)センサとともに動作し、液体保持チャンバ240内の外傷の中空及び/または外傷上の圧力を検出する。真空センサは、回路基板/リレーの組み合わせを介して真空源234に接続され、真空源を制御する。あるいは、真空センサは、圧力安全(調整)弁260に接続され、外傷部分を治療に適した真空圧に維持する。真空(圧力)センサまたは差圧センサは、電圧を出力し、または、電流を出力し、その信号を、回路基板/リレーの組み合わせが利用して真空源をオン・オフする。かかる電機真空センサの例としては、商標名センソテックセンサの下でハニーウェル社から販売されているものが挙げられる。
【0060】
あるいは、所望の圧力に達したときに真空源30を停止させる真空スイッチまたは差圧スイッチを、圧力安全弁なしで用いてもよい。かかる機械式真空(圧力)スイッチは、当業者にとって公知であり、MPL(Micro Pneumatic Logic)社、Air Troll社、その他Air Logic社から購入することができる。
【0061】
さらに他の実施形態においては、装置210は、液体保持チャンバ240が所定の吸収レベルに達したことを示す充てんインジケータを備える。充てんインジケータ270は、当業者に知られた様々な方法に応じて動作することができる。かかるインジケータは、視認できるもの(例えば、色を変化させたりするもの、またはLED)または音を出すものを含む。充てんインジケータ270は、ハウジング220の外壁上または真空源234の近傍に配置されると有益である。充てんインジケータ270は、ハウジングの内部に配置されて電気的または機械的に充てんインジケータと接続されたセンサを備える。かかるセンサは、液体保持チャンバ240と液体バリア236との間、または、外傷接触部241と反対側の液体保持チャンバの壁に取り付けられる。あるセンサは、液体保持チャンバ240内に自由水分があることを検出することにより動作し、これは、液体保持チャンバが所定の吸収レベルに達したことを示唆する。あるいは、充てんインジケータのセンサは、液体保持チャンバ240の一部の電気導電性を利用して、その領域に水分が到達したことを検出し、真空源230を停止させるための信号を出力する。その他当業者に知られたセンサ、例えば、物質の水分量に応じて色を変化させる技術、物理的特性または特徴を変化させる技術、真空の変化を検出する真空センサ、ガルバニ式、電位差式、容量式のもの、を装置とともに用いても好適である。装置210は、さらに、真空接続部用のフロートバルブ等から構成されるオーバーフロー弁を備えていてもよく、これにより、液体が真空源に流れ込むことを防止する。
【0062】
代替的に、外傷治療用装置210は、非真空状態またはハウジング非気密状態インジケータまたは漏洩インジケータ(図示せず)を備える。かかるインジケータは、ポンプのランタイム、真空センサからの低真空信号、ハウジング上の視認できるインジケータ(例えば、内部の圧力が好適なレベルにある場合に、現われる、ハウジング上で平らになるくぼみまたはエンボス(embossed)パターン)、低フローレートセンサ、圧力を検出して色を変化させる技術、等に基づくものである。漏洩インジケータは、シールと連通しており、シールとともに動作する。外傷治療用装置210は、さらに、酸素レベルまたはその他の気体を検出するセンサや、外傷部分の温度を測るセンサを備えていてもよい。装置210は、血液検出器を備えていてもよい。一の実施形態においては、血液検出器は、当業者に知られた光学技術を利用して、ハウジング220内に血液が存在することを検出する。
【0063】
センサ、その他のインジケータ、弁、スイッチを利用する場合の実施形態において、アダプタは、流路、ポート、吸気口、排気口を形成する。例えば、アダプタ232は、ハウジング220の内部に配置された真空センサ、充てんインジケータセンサ、シールセンサ、その他のセンサやインジケータからの電気配線を含む。さらに、ハウジング20上の圧力安全弁またはオーバーフロー弁と真空源との間の通信は、かかるアダプタを介してチャンネル(channel)される。ある実施形態では、アダプタは、真空源がアダプタを介してハウジング20に接続されたときに、真空源及びその他の装置内の機器を機能させるオン・オフスイッチとして機能する。
【0064】
図7は、さらに別の実施形態に係る外傷治療用装置410を示す。外傷治療用装置410は、真空源434及びその電源438を外傷部分から離間させて配置し、この真空源および電源は、ともに装置の内部に配置されていてもよいし、外部に配置されていてもよい。ある条件の下では、オフセット配置は、外傷にとって有益である。上述した実施形態と同様に、装置410は、内部空間422を画定するハウジング420を備える。この空間422は、真空チャンバ424と、液体保持チャンバ440と、補助チャンバ426とに分割される。しかしながら、上述した実施形態と同様に、補助チャンバ426は任意のものであり、または、その内部に真空源434と電源438を配置することも任意である。真空源が内部に配置された真空ポンプ434である場合、真空ポンプが脱気できるように排気口435が設けられる。この排気口は、フィルタ437を備えていてもよく、これにより、細菌が外部から内部に入り込むことを防止するとともに、内部から外部に漏洩することを防止する。
【0065】
この実施形態では、陰圧源430は、ハウジング420を越えて、真空チャンバ424の内部の排気口432まで延伸する。排気口432は、フィルタ(ある実施形態では、抗菌性フィルタ)461を備えていてもよく、これにより、外傷からの浸出液が真空源434に流れこむことを防止する。他の実施形態と同様に、装置410は、液体バリア436、例えば液体が真空チャンバ424に流れこむことを防止するとともに、陰圧を液体保持チャンバ440に供給し、外傷からの液体を液体保持チャンバ440内に吸収させる疎水性の膜を備える。ある実施形態では、真空チャンバ424は、多孔性かつ疎水性の発泡体から構成される。他の実施形態では、真空チャンバ424は、空洞である。
【0066】
上述したように、装置410は、この装置410単体の吸引により、または、当業者にとって知られた技術から選択されたシール428を用いることにより、患者の体の表面を気密にする。図7に示すシール428は、保管の際に、任意でプルタブ418を備えるカバー416に覆われる接着性のあるシールである。装置410は、さらに、上述したとおり、外傷接触部441を備える。
【0067】
図8は、患者が立っているとき、座っているとき、横になっているときに足のかかとやお尻等の患者の体の一部に位置する外傷を治療することに利用できる代替的な実施形態に係る外傷治療用装置510を示す。このような場合、外傷用医薬材料や装置の構成要素が、配置された位置において、体の周辺部分の形状に実質的に適合して、治療に有害で場合によっては外傷を悪化させる圧力荷重を防止することが望ましい。さらに、外傷から離間した位置でかつその近傍の位置で外傷からの液体や浸出液を捕集することが望ましい。
【0068】
かかる要望に応えるため、図8に示す装置510は、横長なハウジング520を有し、このハウジングは、近位端527が、少なくとも部分的に外傷を覆うように構成され、遠位端529が、外傷の周辺の外側に配置されるように構成されている。外傷接触部541は、近位端527側に配置されている。一の実施形態では、真空源530は、遠位端529の近傍でハウジング520に取り付けられる。他の実施形態では、真空源530は、近位端527の近傍でハウジング520に取り付けられる。液体保持チャンバ540は、外傷接触部541から陰圧源530まで延伸する。この実施形態では、液体保持チャンバ540の主要部分が、陰圧源530近傍のハウジング520の一端に配置される。装置510は、また、液体保持チャンバ540と真空または陰圧源530との間に配置された液体バリア536を備える。一の実施形態では、液体保持チャンバ540は、外傷の周辺部分から外傷の周辺部分の外側に延伸する。他の実施形態では、ハウジング520は、少なくとも部分的に外傷を覆う近位端527を有し、また、外傷の周辺部分の外側に配置される遠位端529を有する。
【0069】
外傷部分に配置された外傷接触部541は、外傷を気密にし、外傷部分に陰圧を加える。外傷接触部541は、真空供給チャンバ540まで延伸した液体保持チャンバ540と接していてもよい。延伸した液体保持チャンバ540により、外傷に対して異なる位置に陰圧源を配置することが可能となる。
【0070】
あるいは、装置510は、二つの別体のハウジングを備えていてもよい。一方のハウジング520aは、外傷部分の周囲にシール面512を有し、他方のハウジング520bは、外傷部分から離間した位置に配置されている。後者のハウジング520bは、皮膚を気密にしてもしなくてもよい。図8に示すハウジング520a、520bは、両方とも、剛体または半剛体の支持構造体によって支持される、液体に対して不浸透性なフレキシブルなバリアから構成されてもよい。真空チャンバ524を含むハウジング520bは、患者が座ったり、立ったり、横になったりする際に負荷が加わるのを防止できるようなより快適な位置に配置することができる。低い縦横比により、装置は外傷部分上で実質的に平面的である。かかる構成においては、装置に加えられる圧力は、より広範囲に分散され、外傷に直接加わることがない。
【0071】
陰圧源530は、バッテリ等の電源538に接続されて駆動されるマイクロ真空ポンプ534を含む。陰圧源530は、図示するように、ハウジング520の外部に配置される。しかしながら、代替的な実施形態に係る外傷治療用装置510は、マイクロ真空ポンプからなるポンプ534及び/または電源538は、ハウジングの内部に配置される。陰圧源530は、ハウジングの近傍または内部に配置された浸透性または電気浸透性のポンプから構成される。
【0072】
図9A及び図9Bは、モジュラー式の外傷治療用装置610、610’を示す。この実施形態では、装置610、610’は、3つのモジュールに分割される。しかしながら、3つ以下または3つ以上のモジュールを用いてもよいことは、当業者にとって明らかである。この実施形態では、装置610、610’は、外傷接触部モジュール641、641’と、液体保持モジュール640、640’と、真空ポンプモジュール630、630’とを備える。モジュール式の態様を採用することにより、必要に応じて装置610、610’の一のモジュールを交換することが可能である。
【0073】
例えば、液体保持モジュール640、640’が浸出液で所定のレベルに満たされた場合、真空ポンプモジュール630、630’を機能させながら新たな液体保持モジュール640、640’に交換することができる。あるいは、液体保持モジュール640、640’を、適宜交換して、液体があふれたりすることを防止するとともに、適切な液体保持容量を保つことができる。同様に、外傷接触部モジュール641、641’もまた、他のモジュールから独立して交換することができる。
【0074】
図9Aの実施形態においては、液体保持モジュール640は、図2及び図6に示すものと同様の構成を有する。その一方、図9Bに示す液体保持モジュール640’は、図3及び図4に示した実施形態のものと同様の構成を有する。両方の実施形態に係る装置610、610’は、液体バリア636、636’を備え、浸出液が真空チャンバ624、624’内に入り込むのを防止する。真空ポンプモジュール630、630’は、真空源634、634’を含み、さらに電源638、638’を備えていてもよい。真空源634、634’が内部に配置されている場合、排気口635、635’が、真空源634、634’が脱気できるように設けられている。排気口635、635’は、フィルタ637、637’を備えていてもよく、これによって細菌が外部から内部に入り込むのを防止するとともに、内部から外部に漏洩することを防止する。
【0075】
両方の実施形態に係る外傷接触層モジュール641、641’は、外傷を真空状態にするとともに、外傷用医薬材料を取り替える際に容易にかつ痛みを伴わないように取り外すことができる層またはその他の構造体等の上述した様々な機能を有する。あるいは、外傷接触層は、有益なバイオエージェントを皮膚再生テンプレート、生物吸収性ゲル、発泡体組織の接着を防止するバリア等の特別な外傷用医薬材料の形で提供する層またはその他の構造体であってもよい。外傷接触層は、皮膚の代替物であったり、外傷部分の水分を選択的に維持する層であったり、血管由来の層であったり、抗菌性の層であってもよい。外傷接触層は、様々な態様を採用することができ、例えば、これらに限定されるものではないが、シート、発泡体、ゲル、ガーゼ、多孔質母材の態様であってもよい。
【0076】
図10は、外傷治療用装置の液体保持チャンバ内に配置される支持構造体772を示す。支持構造体772は、外傷治療用装置にフィットするように形状付けされ、かつ/または、カスタマイズされる。支持構造体772は、外傷治療用装置のハウジングを陰圧下で支持する構造支持部材774を備える。構造支持部材772は、剛体または半剛体のプラスチック等から形成される。構造支持部材774の間には、液体保持チャンバ内で外傷の浸出液を吸収して保持する吸収部材776が配置されている。上述したとおり、吸収部材776は、スポンジ、繊維、布またはガーゼ、超吸収性重合体を含む超吸収性物質、吸収発泡体、ゲル剤、充てん剤等を含む。いくつかの実施形態においては、吸収部材776は、外傷治療用装置が陰圧状態でハウジングに対して構造支持体として機能する。
【0077】
図11は、さらに別の実施形態に係る外傷治療用装置810を示す。この実施形態は、図2を参照して説明した実施形態に類似する。外傷治療用装置810は、ハウジング820内に支持構造体872を備える。図10を参照して説明したように、支持構造体872は、液体保持チャンバ840内に、構造支持部材874と吸収部材876とを備える。
【0078】
図12は、本発明の外傷治療用装置の代替的な構成を示す断面図である。装置910は、真空源モジュール911と、覆いモジュール913と、真空源モジュール911を覆いモジュール913に連通させるカプラ948とを備える。カプラ948は、真空源モジュールによって発生させられた陰圧を覆いモジュール913に伝達する。カプラ948は、接着性のあるパッドから構成される。上述したとおり、カプラは、覆いモジュール913または真空源モジュール911の一構成要素であり、あるいは、覆いモジュール913をハウジングモジュール911と連通させるための別個の構成要素である。カプラの接続は、螺合、スナップフィット、圧着、接着、溶接等によって達成される。覆いモジュール913は、内部空間922を画定するフレキシブルなバリアまたは表面ラップからなるハウジング920を備える。内部空間922は、真空チャンバ924と、液体バリア936によって分離された液体捕集部940とを含む。真空チャンバ924は、この場合、空隙を有するプラスチック等の構造体、または、液体バリアを介して液体保持チャンバに真空を供給する流路から構成される。なお、図1から図11に示す装置もまた、図12から図15に示す覆いモジュール913、1013、1113、1213を用いる形態を採用することが可能である点は、当業者にとって明らかである。
【0079】
真空源モジュール911は、真空源934と、真空スイッチ944と、電源938とを含むハウジング933を備える。真空源排気口930と、真空スイッチ944用の真空供給吸気口952とは、フレキシブルなバリアからなるハウジング920に設けられた開口925を介して真空チャンバ924に接続されている。真空スイッチ944は、真空センサ/回路基板/リレーの組み合わせに置換することも可能である。管を着脱自在に真空チャンバに接続し、これによってモジュール911及び913を互いに分離させてもよい。
【0080】
図13は、本発明の外傷治療用装置のさらに他の構成を示す断面図である。装置1010は、真空源モジュール1011と、覆いモジュール1013と、真空源モジュール1011を覆いモジュール1013に連通させるカプラ1048とを備える。覆いモジュール1013は、内部空間1022を画定するフレキシブルなバリア/表面ラップからなるハウジング1020を備える。この場合、内部空間は、液体保持チャンバ1040によって充てんされている。ハウジング1020には、2つの開口1025が設けられ、一方の開口は、真空源を接続するためのもので、他方の開口は、真空スイッチを接続するためのものである。
【0081】
カプラ1048は、真空源モジュール1011によって発生させられた陰圧を覆いモジュール1013に伝達する。カプラ1048は、真空源モジュール1011または覆いモジュール1013のリップ(lip)その他の構造体を備える。カプラ1048は、また、別個の構成部材である。カプラは、真空源モジュール1011を取り付けることを可能とし、覆いモジュール1013と連通させる。一の実施形態においては、真空源モジュール1011は、覆いモジュールに圧着により取り付けられる。他の実施形態においては、覆いモジュール1013が、真空源モジュール1011に圧着される。モジュール1011と1013とは、互いに螺合によって取り付けられてもよい。モジュール1011と1013とは、また、スナップフィット、または他の係合手法に加えて接着によって取り付けられてもよい。モジュール1011と1013とは、本明細書の開示に基づき、様々な手法によって互いに取り付けることができる点は、当業者にとって明らかである。
【0082】
真空源モジュール1011は、真空源1034、真空スイッチ1044及び電源1038を含むハウジング1033を備える。ハウジング1033は、2つの開口1025を備え、一方の開口は、真空源1034の真空排気口1030用であり、他方の開口は、真空スイッチ1044の真空供給吸気口1052用である。2つの液体バリアフィルム1036が、開口1025に配置されている。一の実施形態においては、真空源モジュールハウジング1033が、水バリア接着部材1048を用いて、第一のハウジングの開口と第二のハウジングの開口とが液体バリアフィルムを介して一直線に配置されるように包帯ハウジング1020に取り付けられる。この実施形態は、第一のハウジング内に真空チャンバが無い点、すなわち、真空接続部1030が直接的に液体バリア1036を介して液体保持チャンバ1040に連通している点において、上述した実施形態と異なっている。真空スイッチは、真空センサ/回路基板/リレーの組み合わせと置換してもよい。充てんインジケータ1070が、センサ1066とともに配置されている。
【0083】
図14は、本発明の外傷治療用装置のさらに別の構成を示す断面図である。図示する装置1110は、覆いモジュール1113に連通する真空源モジュール1111を備える。覆いモジュール1113は、内部空間1122を画定するフレキシブルなバリア/表面ラップからなるハウジング1120を備える。この場合、内部空間は、液体保持チャンバ1140によって充てんされている。真空源モジュール1111は、カプラ1132またはアダプタ1132を介して覆いモジュール1113に取り付けられている。真空源モジュール1111は、真空源1134、真空センサ1164及び電源1138を含む。アダプタ1132は、真空源1134からの真空排気口1130を液体保持チャンバ1140内に配置された液体バリアフィルム1136に連通させる流路を備える。アダプタ1132は、また、液体保持チャンバ1140内の真空センサと真空源モジュール1111の制御モジュール1178との間の流路を形成する。制御モジュール1178は、公知の回路基板及びリレーを備える。ハウジング1120内に配置された充てんインジケータセンサ1166、シールセンサ(図示せず)からの導線もまた、アダプタ1132またはカプラ1032の一部である。さらに、ハウジング1120及び真空源1134に設けられた圧力安全弁とオーバーフロー弁との間もまた、アダプタ1132またはカプラ1132によって連通させることができる。ある実施形態では、アダプタ1132またはカプラ1132は、このアダプタ1132を介してモジュール1133がハウジング1120に接続されたときに、装置内の真空源1134及びその他の構成要素を自動的に起動するオン・オフスイッチとしての機能を有する。真空センサ/回路基板/リレーの組み合わせは、真空スイッチに置換してもよい。充てんインジケータ1170が、センサ1166とともに配置される。
【0084】
図15は、本発明の外傷治療用装置のさらに別の構成を示す断面図である。装置1210は、図12から14で示した上述の実施形態と類似するモジュール型であり、真空源モジュール1211と覆いモジュール1213とを備える。覆いモジュール1213は、内部空間1222を画定するフレキシブルなバリア/表面ラップからなる横長なハウジング1220を備える。この場合、内部空間は、上述した液体捕集部を備えた液体保持チャンバ1240によって充てんされている。覆いモジュール1213は、ハウジング1220の近位端に配置された外傷接触部1241を備える。陰圧源1234は、ハウジング1220の他端または外部の遠位端に配置されている。液体保持チャンバ1240は、外傷接触部1241から陰圧源1234まで延伸する。アダプタ1232またはカプラ1232が、真空源モジュール1213のハウジング1233と覆いモジュール1213のハウジング1220との間に設けられている。真空源モジュール1231は、真空源1234、圧力コントローラ1260及び電源1238を含む。圧力コントローラは、圧力安全弁の形態で用いられ、または、ハウジング1220内の内部空間1222(従って保持チャンバ1240及び外傷表面1241)の陰圧を治療に適した値に維持するために用いられる。圧力安全弁は、真空状態が形成される装置のどの部分に配置してもよいことは、当業者にとって明らかである。圧力安全弁は、また、真空源1234自体、真空接続部1230(図示)またはハウジング1220に配置してもよい。
【0085】
装置1210は、水分分散部1280及び真空分散部1282をさらに備えていてもよい。水分分散部1280は、液体保持チャンバ1240及び/または液体捕集部による外傷液の吸収を容易にする。真空分散部1282は、液体保持チャンバ1240及び/または液体捕集部内での真空の分散を容易にする。かかる真空分散部および水分分散部1282、1280の一例は、ゲーリングテクスタイル(Gehring Textiles)
社によって製造されている、3次元ニットスペーサー繊維が挙げられる。かかる繊維は、単一の編みによって組み合わされた2つの別々の表面繊維を含み、内部スペーサ糸が表面繊維に対して垂直に配列されている。表面繊維は、これらに限定されるものではないが、綿、ナイロン、ポリエステル、ネオプレン、モノフィラメントスパンデックス、PBI、ノメックス、ケブラー及びファイバーグラスから形成することができる。
【0086】
一の実施形態においては、真空分散部は、液体捕集部に塗布された界面活性剤からなる。真空分散部は、また、陰圧のハウジング1220内への吸気口に配置された疎水性の構造体からなる。真空分散部は、液体捕集部の材料によって、吸気口を閉塞させるものを除いたものである。
【0087】
保持チャンバ1240及び/または液体捕集部1242は、単一または複数の層から構成される。例えば、液体捕集部1242と、真空分散部1282と、水分分散部1280とから構成される。これらの層は、液体捕集部1242と液体バリア1236(または真空チャンバ1224)との間、または、吸収層1242と外傷床との間に配置される。
【0088】
本明細書で開示した装置及び方法は、患者の外傷の治療に有益である。かかる外傷には、これらに限定されるものではないが、感染性外傷、火傷、静脈及び動脈潰瘍、糖尿病性潰瘍、切開による外傷、床擦れによる外傷等を含む。さらに、かかる装置は、様々な分野において用いることができるが、これは、当業者にとって明らかである。
【0089】
上述した装置を用いた外傷治療方法によれば、液体保持チャンバを備えたハウジングを有する装置が、外傷の少なくとも一部分上に配置される。真空源を用いて外傷が陰圧状態にされる。外傷からの液体や浸出液は、液体保持チャンバ内に捕集される。さらに、液体でいっぱいになったとき、装置は交換される。モジュール式の実施形態においては、液体保持チャンバまたは真空源が必要に応じて他のモジュールと別個にまたは組み合わせて交換される。
【0090】
外傷治療用装置を組み立てる方法は、陰圧を生じさせる真空源と陰圧の量を制御するための圧力コントローラとからなる真空源モジュールを用意するステップを含む。かかる方法は、また、外傷部分を少なくとも部分的に覆うハウジングを備えた覆いモジュールを用意するステップを含む。覆いモジュールは、また、ハウジング内に配置されて外傷と連通した多孔性の液体捕集部を備える。液体捕集部は、外傷の浸出液を保持するとともに、同時に真空源によって発生させられた陰圧を外傷部分に供給する。覆いモジュールは、また、液体捕集部と真空源モジュールとの間に配置された液体バリアを備える。覆いモジュールは、さらに、外傷の周囲の表面に対して覆いモジュールを気密にするためのシールを備える。かかる方法は、さらに、覆いモジュールに対して真空源モジュールを固定し、真空源モジュールから陰圧が覆いモジュールに伝達されるようにし、装置を外傷部分の近傍に取り付けることを含む。本発明の目的を達成するため、上述した方法を構成するステップは、異なる順序で実行してもよいことは、当業者にとって明らかである。
【0091】
上述した実施形態のうちのいくつかにおいては、装置は、安価で、軽量で、部分的または全体的に使い捨て可能である。さらに、装置は、操作が簡単で、低い医療的な監視の程度で患者が装置を使用することができる。加えて、装置はその配置に注意を払わなくてもしようできるように構成されている。
【0092】
装置は、全体的に使い捨て可能であったり、あるいは、真空源や液体保持チャンバ等の一部が使い捨て可能な様々な態様を採用することができる。図1及び図2に示す実施形態の装置10においては、液体で一杯となったときには全体的に使い捨てして交換することができる。これは、小さな外傷、すでに治癒しかけている段階にある外傷、及び家庭で治療している外傷に対しては便利である。かかる方法及び装置は、人から人に感染したり、または、有害な体液が他人に接することを防止したり、その可能性を低減することができる。
【0093】
なお、ハウジングを特定の形状、例えば曲線的な形状で示したが、ハウジングの形状は特定の形状に限定されるものではなく、有益な形状を採用することが可能である。ある実施形態では、装置は、真空チャンバまたは液体保持チャンバを患者の外傷の少なくとも一部を気密に配置できるような大きさ、形状を有する。上述したハウジング及びシールは、装置が配置されて患者の体の表面の外傷の少なくとも一部を気密にした際に、真空状態を維持する。かかる気密化は、実質的に空気を漏らさず、細菌の混入を防止するが、完全に不浸透性である必要はない。真空圧は、継続してまたは定期的に供給され、陰圧を治療に適した範囲に維持する。
【0094】
患者の外傷上に装置を配置して真空ポンプの電源を投入すると、外傷の周りの空気が脱気され、ハウジングの中空内が真空状態となる。同時に、外傷の液体を吸収する部材が、外傷中の液体/浸出液の吸収を始める。外傷を陰圧状態に維持することにより、組織の移動が促進され、傷口がくっつくようになる。いくつかの実施形態においては、本発明の装置は、複数日で取り替えられるパッチや包帯の態様で用いられる。なお、装置または真空源が停止されても、装置は液体を吸収して保持し続けることは当業者にとって明らかである。
【0095】
さらに、本発明の装置は、液体保持チャンバ内に自由水分があることを検出するとともに、任意の多孔性パッドが所定の充てんレベルに達した旨の信号を出力する充てんインジケータを備えていてもよい。充てんインジケータは、オーバーフロー弁に接続されていて、外傷の液体が真空ポンプに流れ込むのを防止するものであってもよく、あるいは、ポンプの動作を停止させるための信号を出力するものであってもよい。
【0096】
上述したすべての実施形態において、装置が使い捨て可能なように構成されている場合、使用した後に部分的または全体的に廃棄することが可能である。一の治療プランに複数の使い捨て可能な装置を提供し、所定の期間個別の治療に装置を使用してもよい。
【0097】
特に詳細に説明しないが、当業者であれば、本発明を最大限拡張した技術的範囲内で用いることが可能である。本明細書で開示した例及び実施形態は、あくまでも説明のためのものであり、本発明の技術的範囲を限定するためのものではない。当業者であれば、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲で、上述した実施形態を様々に変更することが可能であることは明らかである。換言すると、本明細書で特に説明した実施形態の変形、応用例が、本発明の技術的範囲に含まれている。ミーンズプラスファンクション形式で説明した発明特定事項は、米国特許法112条6項の規定に従って構成されているものである。従って、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲に基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0098】
10 外傷治療用装置
20 ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外傷の少なくとも一部を覆う外傷カバーと、
前記外傷カバーと流体連通した真空源と、
前記外傷カバーの下に配置された液体保持構造であって、当該液体保持構造に入る実質上すべての液状の外傷浸出液を捕集および保持するとともに、同時に前記真空源によって発生させられた陰圧を外傷に伝達する液体保持構造と、
前記液体保持構造からの液体の流れを実質的に遮断する液体バリアと、
を備えたことを特徴とする外傷治療用装置。
【請求項2】
前記液体保持構造は、多孔性部材から構成され、当該多孔性部材は、前記液体保持構造を介して前記真空源と外傷との間の流体連通を許容する複数の流路を形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の外傷治療用装置。
【請求項3】
前記液体保持構造は、装置が大気圧以下の圧力状態となったときに前記液体保持構造を介して前記真空源と外傷との間の流体連通を許容するのに十分な剛性を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の外傷治療用装置。
【請求項4】
前記外傷カバーは、装置が大気圧以下の圧力状態となったときに前記液体保持構造を介して前記真空源と外傷との間の流体連通を許容するのに十分な剛性を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の外傷治療用装置。
【請求項5】
前記外傷カバーは、前記液体保持構造とともに、装置が大気圧以下の圧力状態となったときに前記液体保持構造を介して前記真空源と外傷との間の流体連通を許容するのに十分な剛性を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の外傷治療用装置。
【請求項6】
前記液体保持構造は、当該液体保持構造に加えられる所定の大きさの機械力の下で液体を保持する、
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項7】
前記真空源は、前記外傷カバーの内側に配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項8】
前記真空源は、前記外傷カバーの外側に配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項9】
前記真空源と流体連通した真空チャンバをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項10】
液体保持チャンバをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項11】
前記液体保持構造は、前記液体保持チャンバ内に配置される、
ことを特徴とする請求項10に記載の外傷治療用装置。
【請求項12】
前記液体保持チャンバは、装置が大気圧以下の圧力状態となったとき、当該液体保持構造を介して前記真空源と外傷との間の流体連通を許容するのに十分な剛性を有する、
ことを特徴とする請求項11に記載の外傷治療用装置。
【請求項13】
前記液体保持チャンバは、外傷の周辺部の内側から外傷の周辺部の外側まで延伸する、
ことを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項14】
前記外傷カバーは、外傷の少なくとも一部を覆う第一の部分と、外傷の周辺部の外側に配置される第二の部分とを備える、
ことを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項15】
前記真空源は、前記外傷カバーの第二の部分で当該外傷カバーに取り付けられる、
ことを特徴とする請求項14に記載の外傷治療用装置。
【請求項16】
前記真空源は、前記外傷カバーの第一の部分で当該外傷カバーに取り付けられる、
ことを特徴とする請求項14に記載の外傷治療用装置。
【請求項17】
装置の配置向きに関わらず装置の動作を維持するための手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項18】
前記真空源は、電源を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項19】
前記外傷カバーは、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレン、シリコン、ネオプレン、及び、それらの組み合わせのうちの一つから形成されたものである、
ことを特徴とする請求項1ないし18のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項20】
前記外傷カバーは、フレキシブルなバリアから構成される、
ことを特徴とする請求項1ないし19のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項21】
前記フレキシブルなバリアは、ポリウレタンから形成される、
ことを特徴とする請求項20に記載の外傷治療用装置。
【請求項22】
装置を体の表面に取り付けるためのシールをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし21のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項23】
ユーザの皮膚を保護するための皮膚保護層をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし22のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項24】
前記液体保持構造と連通した真空分散部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし23のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項25】
前記液体保持構造と連通した水分分散部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし24のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項26】
前記液体保持構造は、スポンジ、繊維、布、ガーゼ、吸収材、吸収材、ポリマー、ゲル、ゲル剤、発泡体、充てん材料、及びそれらの組み合わせのうちの一つから構成される、
ことを特徴とする請求項1ないし25のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項27】
前記液体保持構造は、さらに、抗菌剤を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし26のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項28】
前記液体バリアは、気体が浸透可能な膜から構成される、
ことを特徴とする請求項1ないし27のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項29】
前記液体バリアは、疎水性の構造体から構成される、
ことを特徴とする請求項1ないし28のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項30】
外傷接触部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし29のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項31】
前記外傷接触部は、シート、発泡体、ゲル、ガーゼ、多孔性母材、蜂の巣、モップ、紙ふぶき、内蔵式のチューブ状構造体、及びそれらの組み合わせのうちの一つから構成される、
ことを特徴とする請求項30に記載の外傷治療用装置。
【請求項32】
前記外傷接触層は、抗菌剤を含む、
ことを特徴とする請求項30又は31に記載の外傷治療用装置。
【請求項33】
前記外傷接触層は、外傷と接触する面から構成され、当該面は、直径が約100マイクロン以上の孔を少なくとも一つ備える、
ことを特徴とする請求項30ないし32のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項34】
前記真空源が脱気できるようにするための排気口をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし33のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項35】
前記排気口は、フィルタを備える、
ことを特徴とする請求項34に記載の外傷治療用装置。
【請求項36】
オーバーフロー弁をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし35のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項37】
前記外傷カバー内の圧力を調整するための手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし36のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項38】
前記外傷カバー内の圧力を調整するための手段は、圧力センサから構成される、
ことを特徴とする請求項37に記載の外傷治療用装置。
【請求項39】
気体センサをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし38のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項40】
酸素センサをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし39のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項41】
温度センサをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし40のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項42】
充てんインジケータをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし41のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項43】
前記充てんインジケータは、水分検出器を備える、
ことを特徴とする請求項42に記載の外傷治療用装置。
【請求項44】
前記充てんインジケータは、電気導電性検出器を備える、
ことを特徴とする請求項42に記載の外傷治療用装置。
【請求項45】
前記シールと連通した漏れ検出器をさらに備える、
ことを特徴とする請求項22に記載の外傷治療用装置。
【請求項46】
血液検出器をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし45のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項47】
様々な位置にある外傷に対応して使用可能である、
ことを特徴とする請求項1ないし46のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項48】
前記液体バリアは、前記外傷カバーの下に配置される、
ことを特徴とする請求項1ないし47のいずれかに記載の外傷治療用装置。
【請求項49】
前記真空の分散および外傷液の吸収を容易にする三次元繊維をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし48のいずれかに記載の外傷治療用装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−31786(P2013−31786A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−256689(P2012−256689)
【出願日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【分割の表示】特願2009−509851(P2009−509851)の分割
【原出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(508335071)カリプト メディカル インコーポレーション (6)
【氏名又は名称原語表記】KALYPTO MEDICAL, INC.
【Fターム(参考)】