説明

外出支援装置

【構成】 外出支援装置(10)は、トイレタイミングを含む外出スケジュールに従って外出する外出者を支援するための外出支援装置であって、CPU(38)を含み、CPUは、外出者が外出したとき、一定時間毎に取得する温度センサ(34)、湿度センサ(36)のセンサデータに基づいて、必要な場合、トイレタイミングを修正または変更する(S37、S41、S55)。そして、その修正したトイレタイミングに基づいて外出者をトイレに誘導する(S51、S57、S61)。
【効果】外出者を的確にトイレに誘導できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外出支援装置に関し、特に、高齢者、高次脳機能障害者あるいは車いすなどを使う身体障害者が外出する際に、外出者をトイレへ誘導したり、外出者に適宜休憩を取らせるなどの支援を行なう、新規な外出支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、高齢者等が安心して外出できる外出支援システムが開示されている。
【特許文献1】特開2002-267463号公報[G01C 21/00 A61G 5/04 G08G 1/005]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記背景技術は、バッテリを用いる移動体によって高齢者等が外出する際のバッテリ残量管理を目的とするものであり、外出者のトイレ管理については考慮されていない。
【0004】
一方で、高齢者、高次脳機能障害者あるいは車いすなどを使う身体障害者にとって、外出時のトイレ間隔やトイレ場所管理は大きな問題である。
【0005】
したがって、適切な間隔(インターバル)で適切にトイレに外出者を導くことができる、そのような外出支援装置が望まれている。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、外出支援装置を提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、適切な間隔で適切にトイレに外出者を導くことができる、外出支援装置を提供することである。
【0008】
この発明のその他の目的は、外出者に適切に休憩を取らせることができる、外出支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0010】
第1の発明は、トイレタイミングを含む外出スケジュールに従って外出する外出者を支援するための外出支援装置であって、外出者の体内水分量に関係するイベントに応じて、外出スケジュールに含まれるトイレタイミングを修正する第1修正手段、および第1修正手段によって修正したトイレタイミングに基づいて外出者に対するトイレ誘導を行なうトイレ誘導手段を備える、外出支援装置である。
【0011】
第1の発明では、外出者を適切にトイレに誘導できる。外出者の体内水分量を適切に制御できる。
【0012】
第1の発明によれば、外出者を適切にトイレに誘導できるので、外出者の体内水分量を適切に制御できるとともに、快適な外出支援ができる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明に従属し、温度センサおよび湿度センサの少なくとも一方が付属され、イベントは、温度センサのセンサデータおよび湿度センサのセンサデータを取得するイベントである、外出支援装置である。
【0014】
第2の発明では、温度センサおよび/または湿度センサのセンサデータが取得されたとき、その温度および/または湿度に応じてトイレタイミングを修正できる。
【0015】
第3の発明は、第1または第2の発明に従属し、イベントは外出者の飲食の摂取である、外出支援装置である。
【0016】
第3の発明では、外出者が飲食したときにトイレタイミングを修正できる。
【0017】
第4の発明は、第1ないし第3の発明のいずれかに従属し、イベントは外出者の排泄である、外出支援装置である。
【0018】
第4の発明では、外出者が排泄したときにトイレタイミングを修正できる。
【0019】
第5の発明は、第1ないし第4の発明のいずれかに従属し、トイレ誘導手段は、次のトイレタイミングに対して時間的に段階的にトイレ誘導を行なう、外出支援装置である。
【0020】
第5の発明では、たとえば、次のトイレタイミングに対して時間的に余裕がある段階、次のトイレタイミングが接近してきた段階、次のトイレタイミングが切迫している段階のように、段階的に外出者をトイレに誘導する。
【0021】
第5の発明によれば、段階的にトイレ誘導を行なうので、外出者を確実にトイレへ誘導することができる。
【0022】
第6の発明は、第1ないし第5の発明のいずれかに従属し、外出スケジュールはさらにレストタイミングを含み、外出者の疲労の程度に関係するイベントに応じて、外出スケジュールに含まれるレストタイミングを修正する第2修正手段、および第2修正手段によって修正したレストタイミングに基づいて外出者に対する休憩誘導を行なう休憩誘導手段をさらに備える、外出支援装置である。
【0023】
第5の発明では、外出者の疲労の程度に応じてレストタイミングを修正し、その修正したレストタイミングに基づいて休憩誘導を行なうので、外出者に適切に休憩を取らせることができる。
【0024】
第7の発明は、レストタイミングを含む外出スケジュールに従って外出する外出者を支援するための外出支援装置であって、外出者の疲労量に関係するイベントに応じて、外出スケジュールに含まれるレストタイミングを修正する修正手段、および修正手段によって修正したレストタイミングに基づいて外出者に対する休憩誘導を行なう休憩誘導手段を備える、外出支援装置である。
【0025】
第7の発明では、外出者の疲労の程度に応じてレストタイミングを修正するので、外出者に適切に休憩を取らせることができる。
【0026】
第8の発明は、トイレタイミングを含む外出スケジュールに従って外出する外出者を支援するための外出支援装置のコンピュータによって実行される外出支援プログラムであって、コンピュータを、外出者の体内水分量に関係するイベントに応じて、外出スケジュールに含まれるトイレタイミングを修正する修正手段、および修正手段によって修正したトイレタイミングに基づいて外出者に対するトイレ誘導を行なうトイレ誘導手段として機能させる、外出支援プログラムである。
【0027】
第8の発明では、第1の発明と同様の効果が期待できる。
【0028】
第9の発明は、レストタイミングを含む外出スケジュールに従って外出する外出者を支援するための外出支援装置のコンピュータによって実行される外出支援プログラムであって、コンピュータを外出者の疲労量に関係するイベントに応じて、外出スケジュールに含まれるレストタイミングを修正する修正手段、および修正手段によって修正したレストタイミングに基づいて外出者に対する休憩誘導を行なう休憩誘導手段として機能させる、外出支援プログラムである。
【0029】
第9の発明では、第7の発明と同様の効果が期待できる。
【発明の効果】
【0030】
この発明によれば、外出者に対して、快適な外出支援ができる。
【0031】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1はこの発明の一実施例の外出支援装置の外観を示す図解図である。
【図2】図2は実施例の外出支援装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は実施例の外出支援装置のRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【図4】図4は実施例において外出スケジュールを作成する動作の一例を示すフロー図である。
【図5】図5は図4実施例においてトイレタイミング生成の動作の一例を示すフロー図である。
【図6】図6は外出スケジュールの一例を示す図解図である。
【図7】図7は実施例における外出支援動作の一例を示すフロー図である。
【図8】図8は図7実施例におけるトイレタイミング修正1の動作を示すフロー図である。
【図9】図9は図7実施例におけるトイレタイミング修正2の動作を示すフロー図である。
【図10】図10は実施例において外出スケジュールを作成する動作の一例を示すフロー図である。
【図11】図11は実施例における外出支援動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1を参照して、一実施例の外出支援装置10は、典型的には、いわゆるスマートフォンのように、携帯電話機の機能とPDA(Personal Digital Assistant)の機能とを併有する携帯情報端末である。実施例では、一例として、アップル社製の携帯電話機iphone(商品名)を想定しているが、勿論、他社の同等の機能を有する携帯電話機、PDAなど任意の携帯情報端末が利用可能である。
【0034】
実施例の外出支援装置10はほぼ矩形の扁平なハウジング12を含み、ハウジング12の前面には、たとえばLCD(液晶表示器)のような表示器14が設けられ、表示器14の上にはタッチパネル16が配置される。タッチパネル16は、抵抗膜式または静電容量式のいずれでもよく、あるいは別の方式のタッチパネルであってよい。
【0035】
表示器14の右側のハウジング前面には、「ホームボタン」と呼ばれる押しボタンスイッチ18が設けられ、このスイッチ18は、メニューを選択したり、カメラのシャッタとして用いられたり、様々に利用されるハードスイッチである。このスイッチ18の上の右側面には、図1において点線で示すマイク20が設けられる。
【0036】
表示器14の左側のハウジングの後面には、図1において点線で示すカメラ22が設けられる。このカメラ22は、映像または画像の入力手段またはそれの一部を構成する。カメラ22の下方のハウジング12の前面には、スピーカ24が配置される。
【0037】
図2を参照して、外出支援装置10は、上で説明した表示器14、タッチパネル16、スイッチ18、マイク20、カメラ22およびスピーカ24の他、ジャイロセンサ(3軸地磁気センサ)26および3軸加速度センサ26を含み、これらのジャイロセンサ26および加速度センサ28からのセンサデータは、センサI/F30を通して、入力される。
【0038】
センサI/F30にはさらに、温度(気温)センサ32、第1湿度センサ34および第2湿度センサ36が結合される。温度センサ32は、たとえばサーミスタの抵抗変化を計測することによって、外気温を測定するセンサである。第1湿度センサ34は、高分子フィルムやセラミックなどの電気伝導を計測することによって、大気中の湿度を計測するセンサである。第2湿度センサ36は、第1湿度センサ34と同様のものであるが、たとえば外出者の背中や胸などの適宜の場所の皮膚に直接接触するように、たとえばペンダント式で吊り下げられたり貼付され、外出者の発汗量を計測するセンサである。生理学の分野において発汗量は失水分量として定義されているので、第2湿度センサ36を用いて失水分量(蒸散水分量)を測定することによって、便宜的に発汗量を計測することができる。厳密には、測定部位に接触する空気がすべて第2湿度センサ36に誘導される必要があるが、そう厳密でなくても、第2湿度センサ36で外出者の発汗量を或る程度の信頼度で定量できると考える。なお、発汗量の単位は、「mg/cm2 ・min」である。
【0039】
実施例の外出支援装置10はさらに、CPU38、ROM40、RAM42、フラッシュメモリ44、無線通信回路46、GPS回路48および時計回路50を含む。無線通信回路46は、この装置10によって音声通話(電話)をし、あるいはネットに接続してデータや電子メールの送受信を行なうことができる。GPS(Global Positioning System:地球測位システム)回路48は、この装置10の現在位置を特定するために用いられる。時計回路50によって現在時刻を知ることができる。
【0040】
上述のジャイロセンサ26は、直交3軸方向の地磁気の強さを検知するもので、この実施例では、CPU38とともに電子コンパスまたはディジタルコンパスを構成するために利用される。電子コンパスは、よく知られているように、2つの地磁気センサを直角に組み合わせて、前後方向と左右方向の地磁気を検出し、その強さからどちらが北の方向なのかを計算する。3軸加速度センサ28は、この実施例では、単独で、またはジャイロセンサ26と組み合わされて、この装置10を携帯している人間、つまり外出者の歩数を計測するために用いられる。ただし、ジャイロセンサ26および/または加速度センサ28の出力によって歩数を計数する方法はよく知られたところであり、ここでは詳細説明は省略する。
【0041】
外出支援装置10に含まれるRAM42には、図3に示すように、プログラム領域52およびデータ領域54が設けられる。プログラム領域52にはROM40に予め設定されている種々のプログラムが使用に際して展開される。たとえばOS領域521にはOS(Operating System)が記憶される。外出支援プログラム領域522には、後述の図7や図11などに示すように、高齢者、高次脳機能障害者あるいは車いすなどを使う身体障害者が外出する際にその外出者のトイレや休憩を効果的に支援するための外出支援プログラムが設定されている。トイレタイミング生成プログラム領域523には、外出する前に、その外出の際の特にトイレや休憩(レスト)のタイミングを生成するためのトイレタイミング生成プログラムが記憶されている。
【0042】
上述のように外出支援装置10には、または、外出支援装置10に付属して、センサI/F30を介して、ジャイロセンサなどの各種センサ26‐36が設けられるが、これらのセンサ26‐36からのセンサデータを取り込むためのセンサデータ取得プログラムがセンサデータ取得プログラム領域424に設定される。そして、GPS回路48を用いて外出支援装置10の現在位置のデータを取得するためのGPSデータ取得プログラムがGPSデータ取得プログラム領域525設定され、さらに、無線通信回路44を用いてweb(ウェブ)から地図データを取得するための地図データ取得プログラムが地図データ取得プログラム領域526に設定されている。この地図データ取得プログラムは、外出前に経路を探索するときや、外出先で付近にトイレや公園などがあるかどうかなどを検索するときなど、必要に応じて、たとえばグーグル(商標)などのサイトに接続して地図データを取得する。気象データ取得プログラム領域527に設定されている気象データ取得プログラムもまた、webから、たとえば外出目的地や外出経路などの、地域の気象データ(たとえば、気温、湿度、天気など)を取得するためのプログラムである。
【0043】
RAM42のデータ記憶領域54には、たとえば図6で示すような、外出スケジュールを記述した外出スケジュールデータが記憶される。外出スケジュールには、目的地や経路の他、移動手段(電車、バス、徒歩など)および各予定時間などが設定されていて、特に外出者をトイレおよび/または休憩に誘導するタイミングを示すトイレ(レスト)タイミングが重要事項として設定されている。
【0044】
センサデータ記憶領域542には、上述のセンサデータ取得プログラム524で取得したセンサデータ(たとえば、歩数、発汗量、気温、湿度、現在位置など)のデータが一時的に記憶される。
【0045】
なお、図2の実施例では、各センサ26‐36は有線でセンサインタフェース30に接続され、したがって、センサデータは有線でCPU38に取り込まれるものとして図示した。しかしながら、これらのセンサ26‐36のセンサデータは、たとえばBluetooth(商品名)やZigbee(商品名)の近距離無線を用いて、無線で入力することも考えられる。この場合には、センサデータ取得プログラムは、無線通信回路46からセンサデータを取り込むように変更される。
【0046】
また、先の地図データ取得プログラム426で取得した地図データに含まれるトイレの情報(どこにあるかなど)がトイレ情報としてトイレ情報記憶領域543にまとめて記憶されていてもよい。ただし、必要に応じて、公園など外出者が休憩できる場所を示す位置情報などがこのトイレ情報記憶領域543に蓄積される。
【0047】
図4は、外出前に外出スケジュールを作成するための動作を説明する。この動作は必ずしも自動的に実行されるものではないが、便宜上、フロー図の形式に表現してある。
【0048】
まず、最初のステップS1として、ユーザ(外出者)や家族が予定、たとえば、目的地、外出目的、目的地到着時間などを入力する。その後、ステップS3として、必要ならたとえば電車の接続時間や乗り換え案内などを含むwebサイトにアクセスして、移動手段を含めた経路を検索する。このとき、地図データ取得プログラム525を利用して取得した地図データなどを参照して、特に、トイレに外出者を誘導できない時間帯を検索する。
【0049】
次のステップS5として、センサデータ取得プログラム524を利用して、外出支援装置10に付属の気温センサ32や第1湿度センサ34によって、外出支援装置10の周囲の気温、湿度を検出するとともに、気象データ取得プログラム527を利用して、webから、外出目的地や外出経路などの、地域の気象データ、気温、湿度、天気などを取得する。
【0050】
そして、ステップS7で、外出支援装置10のCPU38で、あるいは他の計算手段で、数1を用いて、トイレインターバルTIを計算する。
[数1]
TI=120+T+0.5*(70-H)
ただし、TはステップS5で取得した気温(℃)であり、HはステップS5で取得した湿度(%)である。
【0051】
数1に示すように、トイレインターバルTIは、120分を基本にし、外気温や湿度に応じて、適宜修正する。数1では、外気温Tが上がれば上がるほどトイレインターバルTIは長くなるし、湿度Hが低ければ低いほど、トイレインターバルTIが長くなる。外気温が高ければ、または、湿度が低ければ、発汗によって体内水分量が減少する傾向にあり、したがって、トイレへ行かなければならない時間間隔も必然的に長くなる、という計算である。
【0052】
その後、外出支援装置10のCPU38によって、ステップS9において、図5に詳細に示すトイレタイミング生成プログラム523を実行して、トイレタイミングを生成する。
【0053】
最初のステップS11で、CPU38は、出発の10分前を第1回目として、先のステップS7で計算したトイレインターバルTI毎にトイレタイミングを決定する。つまり、外出10分前を第1回目として、それからTI時間後に第2回目のトイレタイミングが計算され、さらにTI後、第3回目のトイレタイミングが計算される。
【0054】
次のステップS13で、CPU38は、ステップS3で探索した経路とトイレタイミングとを比較して、ステップS15において、たとえば電車など、トイレに行けない時間帯とステップS11で決定したトイレタイミングとが重なっていないか、つまり、計算したトイレタイミングがトイレ不可時間帯に入っていないかどうか、判断する。ステップS15において“NO”なら、ステップS11で計算したトイレタイミングはそのまま利用可能であることを意味し、したがって、この場合には、このルーチンをそのまま抜ける。
【0055】
ステップS15で“YES”が判断されたとき、つまり、いずれかのトイレタイミングがトイレ不可時間に含まれてしまうとき、続くステップS17において、CPU38は、該当するトイレタイミングをそれが含まれるトイレ不可時間帯の前に移動し、移動後のトイレタイミングを起点として、先に計算したトイレインターバルTIによって、トイレタイミングを再計算する。
【0056】
そして、ステップS19で、CPU38は、再計算した結果のトイレタイミングの全ての間隔がたとえば15分のような閾値より長いかどうか判断する。“NO”のときはステップS13に戻って、再び各トイレタイミングの有効性を検証する。
【0057】
ステップS19で“YES”が判断されたとき、つまり、トイレタイミングの間隔が15分(閾値)以下になったと判断したときには、15分以内の間隔で連続する2回のトイレタイミングを中間の時刻での1回のトイレタイミングにまとめ、その後ステップS13から検証をやり直す。
【0058】
このようにして、図5のトイレタイミング生成プログラムによって、先に探索した経路に従って外出する場合の、当日の気温や湿度を勘案した、外出者をトイレへ誘導するタイミングが決まる。
【0059】
図6にこのようにして決定したトイレタイミングを含む外出スケジュールの一例が図解される。この外出スケジュールでは、自宅か施設か、場所AAを出発する出発時間は10時30分で、目的地は、EEデパートであることがわかる。そして、場所AAを出てから、徒歩で、X1通り、X2通り、X3通りの順に移動し、11時に電車のBB駅に着く予定である。ただし、道路の名称(X1通り、X2通り、X3通りなど)を記入しておくのは、地図データに基づいて近くのトイレや休憩場所を探すのに便利だからである。
【0060】
BB駅を出発するCC行き急行の出発時間が11時20分であり、電車の所要時間は35分であるので、もし、CC駅に到着後にトイレに行くとすれば、出発の10分前である10時20分から120分以上経過することになり、上述の数1の原理からすると不都合である。そこで、この外出スケジュールでは、BB駅で電車に乗る10分前の11時10分を外出1回目のトイレタイミングとして設定している。
【0061】
11時55分にCC駅に到着し、13時にDD行きバスに乗る予定なので、その間に昼食を摂ることが予定されている。そして、バスに乗っている時間が25分で、DDバス停に到着後にトイレに行くとした場合、第1回目のトイレタイミング(11時10分)から2時間以上間隔があくことになってしまうので、食事後、バスに乗る10分前の12時50分に外出2回目のトイレタイミングを設定している。
【0062】
13時25分にDDバス停に到着した後、徒歩で、X4通りおよびX5通りを通って、目的地であるEEデパートに到着するように設定されている。
【0063】
EEデパートを出発して帰途に着く時間を16時30分に設定しているので、その10分前にトイレタイミングを設定する。ただし、2回目のトイレタイミングが12時50分だったので、次のトイレタイミングを16時20分とすると、2時間以上間隔があくので、その間にもう1回トイレタイミングを設定した。つまり、EEデパートにいる間に3回目、4回目のトイレタイミングを設定した。
【0064】
その後逆のコースをたどって、出発地AAに帰ることが予定されている。
【0065】
外出者、およびその付添いまたは介護者が一例として、図6の外出スケジュールに従ってAAからEEまでを往復する。
【0066】
この外出中には、外出支援装置10は、図7に示すフロー図で表される外出支援プログラム(図3)を実行する。この外出支援プログラムは、一定時間(たとえば0.5秒)毎に実行されるセンサデータ取得プログラムによってセンサデータを取得したというイベントをトリガとして実行される。このとき取得されるセンサデータとしては、気温、湿度、発汗量、運動量(歩数)などであり、気温や湿度については、ユーザがセンサに触れるなどの原因で容易に変化するため、時間平均値を用いるものとする。そこで、最初のステップS31で、CPU38は、気温および湿度の、過去n分間(たとえば、5分間)の時間平均を計算する。過去の気温や湿度のデータはデータ記憶領域54のセンサデータ領域542に保存されている。
【0067】
続くステップS33でCPUは、気温、湿度の変化が大きいかどうか判断する。変化が大きいかどうかの判断基準は、一例とて、気温なら2℃以上、湿度なら5%以上とする。そして、このステップS33で“YES”が判断されたときは、ステップS37での「トイレタイミングの修正1」のサブルーチンに進む。
【0068】
ステップS33で“NO”が判断されたときは、CPU38は次のステップS35で、飲食があったかどうか判断する。飲食をしたかどうかは、表示器14(図1)に「飲食をしましたか」という問合せメッセージを表示し、それに応えて「はい」というボタン(図示せず)の位置のタッチパネル16がタッチされたかどうかで、判断する。これは、次のステップS37で排泄があったかを判断する場合も同様である。
【0069】
ステップS35で飲食があったと判断した場合、ステップS37に進み、ステップS37で排泄があったと判断した場合には、ステップS41での「トイレタイミングの修正2」のサブルーチンに進む。
【0070】
「トイレタイミングの修正1」のサブルーチン(ステップS37)の詳細が図8に示される。この図8のトイレタイミング修正1のプログラムでは、ステップS71で、数1に従って、トイレインターバルTIを計算し、前回のトイレタイミングを起点として、その計算したトイレインターバルTIでトイレタイミングを決定する。ただし、飲食があった場合は数2で計算し、飲食がなかった場合には数1で計算する。これは直前に飲食があったということは、水分を摂取したことを意味し、次のトイレタイミングを早める必要があるからである。
[数2]
TI=90+T+0.5*(70-H)
その後のステップS73‐S81は、図5のステップS13‐S21と同じであり、ここでは説明の繰り返しは省略する。
【0071】
ステップS39で“YES”を判断したとき、つまり、直前に排泄があった場合のステップS41での「トイレタイミングの修正2」のサブルーチンは、図9に示される。この図9のトイレタイミング修正2のプログラムでは、ステップS91で、現在時刻(これは図2の時計回路50からの時計データで分かる)を起点として、数1に従って計算したトイレインターバルTIでトイレタイミングを決定する。現在時刻において排泄があったので、次のトイレタイミングを現在時刻に設定するということである。その後のステップS93‐S101は、図5のステップS13‐S21と同じであり、ここでは説明の繰り返しは省略する。
【0072】
図7に戻って、ステップS43でCPU38は、第2湿度センサ36からの湿度データに基づいて、外出者の発汗量が大きいかどうか判断する。そして、発汗量「mg/cm2・min」が一定以上の場合、発汗量が大きいと判断し、その場合、ステップS45において、CPU38は、たとえば表示器14に、「お茶(水)を飲みましょう」のような、水分補給を促すメッセージを表示する。発汗量が想定以上大きいということは体内水分量が減少していることが考えられるので、水分補給をさせるのである。それによって、熱中症などの予防になる。
【0073】
なお、この実施例では、ステップS43では発汗量の評価をしたが、たとえば、夏の薄着のときには衣服内の空気はすぐに外へでてしまい、第2湿度センサ36に基づく発汗量の計測に正確性を欠くことが考えられる。このような場合には、第2湿度センサ36の湿度データに基づく発汗量を評価の基準にしないで、気温、湿度、歩数などに基づいて間接的に発汗量を評価するようにすればよい。
【0074】
たとえば、歩数が400歩以上の場合、気温が30℃以上の場所で10分以上居た場合など、発汗量が大きいと擬制して、ステップS45に進むようにすればよい。
【0075】
ステップS43で“NO”が判断される場合、または、ステップS37、S41もしくはS45の後、ステップS47において、CPU38は、次のトイレタイミングまでの時間がどのくらいかを判断する。ここで、Tiは、次のトイレタイミングまでの時間であり、Icはトイレタイミングが近いことを知らせる(Notify)のための閾値時間、Imは、トイレに行くことを勧める(Recommend)のための閾値時間である。ここでの次のトイレタイミングTiは、もし先に実行したこの図7の動作において修正されていたのであれば、その修正されているトイレタイミングである。つまり、トイレタイミングが修正された後のトイレ誘導は、修正したトイレタイミングに基づいて行なうのである。トイレに行くことを勧める(Recommend)は次のトイレタイミングに対して余裕を持った閾値時間であり、次のトイレタイミングまで一定時間(Ic)になると、トイレにいく時間が近いことを知らせる(Notify)ようにしている。そして、外出者がトイレ誘導に従わないときは警告する(Alert)。つまり、この実施例でのトイレ誘導は、以下詳細に説明するように、勧め、通知、警告の3段階で、段階的に行なう。
【0076】
そこで、ステップS47では、次のトイレタイミングまでの時間Tiが、Im(トイレ勧めのための閾値時間)より短くて、Ic(トイレ通知のための閾値時間)より長いかどうか(つまり、Im>Ti>Icかどうか)判断している。
【0077】
ステップS47で“YES”ということは、次のトイレタイミングTiまでに時間の余裕があることを意味し、この場合には、次のステップS49で、トイレが近くにあるかどうか判断する。
【0078】
ステップS49での判断は、GPSで取得した現在位置の情報と、データ記憶領域54のトイレ情報領域543(図3)に記憶されているトイレ情報またはwebで取得した地図データに含まれるトイレの位置情報とを比較することによって、判断することができる。外出者の元気な程度にもよるが、近いかどうかは、現在位置からトイレの位置までがたとえば200メートル以内かどうかなどで判断することができる。
【0079】
トイレが近くにある場合、ステップS49で“YES”が判断され、次のステップS51において、CPU38は、たとえば表示器14に、「トイレが近くにあるようです。トイレに行きませんか」のような、トイレを勧めるメッセージを表示する。そして、次のステップS53において、CPU38は、外出者がそのメッセージに従って近くのトイレに行ったかどうか判断する。トイレに行ったかどうかは、表示器14(図1)に「トイレに行ってきましたか」という問合せメッセージを表示し、それに応えてタッチパネル16の「はい」というボタンがタッチされたかどうかで、判断する。
【0080】
トイレに行ったことが確認できた場合、CPU38は、ステップS55で、先のステップS41と同様の「トイレタイミングの修正2」というサブルーチンを実行する。
【0081】
ステップS49で“NO”またはステップS53で“NO”の場合、そのまま、リターンする。
【0082】
ステップS47で“NO”が判断されたということは、次のトイレタイミングTiが近いこと(Ti<Ic)を意味し、この場合には、次のステップS57において、CPU38は、たとえば表示器14に、「トイレの時間が近いです。トイレに行きませんか」のような、トイレタイミングが近いことを示すメッセージを表示する。そして、次のステップS59において、CPU38は、外出者がそのメッセージに従ってトイレに行ったかどうか判断する。ここでの判断の方法は、先のステップS51の方法と同様の方法でよい。
【0083】
ステップS59で“NO”の場合、外出者はトイレ通知(Notification)に対して反応しなかったことを意味し、そのときCPU38は、次のステップS61において、CPU38は、たとえば表示器14に、「トイレの時間です。トイレに行ってください」のような、トイレに行かなかったことに対して警告する(Alert)メッセージを表示する。このステップS61は、ステップS59において外出者がそのメッセージに従ってトイレに行ったことを確認できるまで、繰り返される。
【0084】
このように、図7の実施例では、外出者の体内水分量と関係するイベント、たとえば気温、湿度、発汗量などの検知に基づいて、トイレタイミングを修正するようにしているので、体内水分量に大きな変化を生じない、快適な外出支援が行なわれ得る。
【0085】
しかも、飲食をした、あるいは排泄があったというイベントによってもトイレタイミングを修正するので、体内水分量の管理だけでなく、外出者に対する的確なトイレ誘導が可能である。
【0086】
図7の実施例では、外出者の体内水分量に相関するイベント、たとえば温度や湿度、飲食、排泄によってトイレへの誘導タイミングを制御した。
【0087】
これに対して、外出者の疲労の程度に応じて外出者に適切な休憩を取らせるように外出支援することも考えられる。この実施例を以下、図10および図11を参照して説明する。
【0088】
図10は、外出スケジュールの作成動作を示すもので、図5と同様に、一部に自動化されていない処理を含むが、便宜上、フロー図の形式に表現してある。
【0089】
まず、ステップS111は図5のステップS1と同じように、ユーザ(外出者)や家族が予定、たとえば、目的地、外出目的、目的地到着時間などを入力する。その後、ステップS113として、移動手段を含めた経路を検索する。このとき、地図データ取得プログラム525を利用して取得した地図データなどを参照して、特に、休憩できる場所、たとえば公園など外出者を誘導できない時間帯を検索する。
【0090】
次のステップS115として、センサデータ取得プログラム524を利用して、気温、湿度を検出するとともに、地域の気象データ、気温、湿度、天気などを取得する。
【0091】
そして、ステップS117で、外出支援装置10のCPU38で、あるいは他の計算手段で、数3を用いて、レストインターバルRIを計算する。
[数3]
RI=30-0.5*T(70-H)
ただし、TおよびHは、それぞれステップS115で取得した気温(℃)および湿度(%)である。
【0092】
数3に示すように、レストインターバルRIは、30分を基本にし、外気温や湿度に応じて、適宜修正する。数3では、気温Tが上がれば上がるほどレストインターバルRIは短くなるし、湿度Hが高ければ高いほど、レストインターバルRIが短くなる。外気温が高ければ疲労が大きくなるので頻繁に休憩を取る必要があり、または、湿度が高いときにも、疲労が大きくなるので、休憩する時間間隔も必然的に短くなる、という計算である。
【0093】
その後、外出支援装置10のCPU38によって、ステップS119において、レストタイミング生成プログラム(図示せず)を実行して、レスト(休憩)タイミングを生成する。ただし、このレストタイミング生成プログラムは、基本的には、図5のトイレタイミング生成プログラムにほぼ類似するが、ここでは、図5のステップS11に相当する処理ステップで、出発時間を起点として、ステップS117で計算したレストインターバルRI毎にレストタイミングを設定することになる。図5のステップS13以降は、トイレタイミングをレストタイミングに置き換えることによって、ほぼ同様に適用できる。
【0094】
このようなレストタイミングを含む外出スケジュールが作成されるのであるが、図6の外出スケジュールに比べてレストタイミングの回数が多くなる他は、よく似ているので、ここでは重複する説明は省略する。
【0095】
この外出中には、外出支援装置10は、図11に示すフロー図で表される外出支援プログラムを実行する。この外出支援プログラムは、一定時間(たとえば0.5秒)毎のセンサデータ取得イベントをトリガとして実行される。このとき取得されるセンサデータとしては、気温、湿度、発汗量、運動量(歩数)などであり、気温や湿度については、ユーザがセンサに触れるなどの原因で容易に変化するため、時間平均値を用いるものとする。そこで、最初のステップS121で、CPU38は、気温および湿度の、過去n分間(たとえば、5分間)の時間平均を計算する。
【0096】
続くステップS123でCPU38は、外出者の疲労が大きいかどうか判断する。このステップS123では、センサデータから疲労量を計算し、その疲労量が閾値を超えたかどうか判断する方法または、各センサデータをそのまま用い、いずれかの値が閾値を超えたかどうか判断する方法がある。
【0097】
前者の方法、疲労量を計算する方法では、気温tにおける歩数をn(t)とし、数4に従った値が閾値を超えるかどうか判断する。
【0098】
【数4】

【0099】
数4に従えば、ts=25と設定した場合、気温が25℃以上での歩数が疲労量に大きく影響する。
【0100】
後者の方法は、たとえば、歩数が400歩以上の場合、気温が30℃以上の場所で10分以上居た場合など、疲労量が大きいと擬制する。
【0101】
どちらの方法によらず、ステップS123で“YES”が判断された場合には、外出者には強く休憩を促す必要があり、ステップS125に進む。ステップS125では、CPU38は、たとえば表示器14に、「疲れています。休憩してください」のような、休憩を強制的に摂らせるための警告(Alert)メッセージを表示する。このステップS125は、ステップS127において外出者がそのメッセージに従って休憩したことを確認できるまで、繰り返される。
【0102】
休憩したかどうかは、表示器14(図1)に「休憩しましたか」という問合せメッセージを表示し、それに応えてタッチパネル16の「はい」というボタンがタッチされたかどうかで、判断すればよい。
【0103】
ステップS127で休憩が確認できた場合、次のステップS129において、CPU38は、レストタイミングを修正するためのサブルーチンを実行する。このサブルーチンは図示しないが、たとえば図9の「トイレタイミングの修正2」のサブルーチンに類似していて、たとえば図9のステップS91に相当するステップで、現在時刻を起点としてレストインターバルRI毎にレストタイミングを再計算する。その後は、図9のステップS93‐S101における「トイレタイミング」を「レストタイミング」と読み替えることによって、同じようにして、レストタイミングを修正することができる。
【0104】
ステップS125で“NO”と判断されたときには、CPU38は次のステップS131に進む。ステップS131において、CPU38は、次のレストタイミングまでの時間がどのくらいかを判断する。ここで、Tiは、次のレストタイミングまでの時間であり、Icはレストタイミングが近いことを知らせる(Notify)のための閾値時間、Imは、休憩することを勧める(Recommend)のための閾値時間である。休憩を勧める(Recommend)は、次のレストタイミングに対して余裕を持った閾値時間であり、次のレストタイミングまで一定時間(Ic)になると、休憩スいく時間が近いことを知らせる(Notify)ようにしている。
【0105】
そこで、ステップS131では、次のレストタイミングまでの時間Tiが、Im(休憩勧めのための閾値時間)より短くて、Ic(休憩通知のための閾値時間)より長いかどうか(つまり、Im>Ti>Icかどうか)判断している。
【0106】
ステップS131で“YES”ということは、次のレストタイミングTiまでに時間の余裕があることを意味し、この場合には、次のステップS133で、休憩できる場所が近くにあるかどうか判断する。
【0107】
ステップS133での判断は、GPSで取得した現在位置の情報と、データ記憶領域54(図3)に記憶されている休憩場所情報またはwebで取得した地図データに含まれる休憩場所の位置情報とを比較することによって、判断することができる。近いかどうかは、現在位置から休憩場所、たとえばベンチの位置までがたとえば50メートル以内かどうかなどで判断することができる。
【0108】
ベンチが近くにある場合、ステップS133で“YES”が判断され、次のステップS135において、CPU38は、たとえば表示器14に、「ベンチが近くにあるようです。休憩しませんか」のような、休憩を勧めるメッセージを表示する。そして、次のステップS137において、CPU38は、外出者がそのメッセージに従って近くのベンチで休憩したかどうか判断する。休憩したかどうかは、ステップS127のときと同様でよい。
【0109】
そして、外出者が休憩したことを確認したときは、CPU38は、ステップS129において、レストタイミングの再計算(修正)を行なう。
【0110】
ステップS133で“NO”またはステップS137で“NO”の場合、そのまま、リターンする。
【0111】
ステップS131で“NO”が判断されたということは、次のレストタイミングTiが近いこと(Ti<Ic)を意味し、この場合には、次のステップS139において、CPU38は、たとえば表示器14に、「休憩の時間が近いです。休憩しましょう」のような、レストタイミングが近いことを示すメッセージを表示する。そして、次のステップS127において、CPU38は、外出者がそのメッセージに従って休憩したかどうか判断する。
【0112】
ステップS127で“NO”の場合、外出者は休憩通知(Notification)に対して反応しなかったことを意味し、そのときCPU38は、次のステップS125において、CPU38は、外出者に強く休憩を指示する(Alert)メッセージを表示する。このステップS125は、ステップS127において外出者がそのメッセージに従って休憩を取ったことを確認できるまで、繰り返されるのは上述のとおりである。
【0113】
このように、図11の実施例では、外出者の疲労量と関係するイベント、たとえば気温、湿度、発汗量などの検知に基づいて、レストタイミングを修正するようにしているので、疲労が蓄積しない、快適な外出支援が行なわれ得る。
【0114】
なお、上述の実施例ではいずれも、温度および湿度のセンサデータを用いたが、温度データおよび湿度データの一方だけを用いても、トイレタイミングやレストタイミングを修正することができる。
【0115】
さらに、トイレタイミングの変更に係る図7の実施例と、レストタイミングの変更に係る図11の実施例とはそれぞれ独立したものとして説明した。しかしながら、図7と図11とを統合して、体内水分量に関係するイベントに応じて、トイレタイミングだけでなくレストタイミングを制御するようにすることもできる。ただし、統合した実施例において、体内水分量に応じてトイレタイミングを制御し、疲労量に応じてレストタイミングをそれぞれ制御することも可能である。
【0116】
また、上述の実施例では、タッチパネルを用いて「飲食をしたか」、「トイレに行ったかどうか」、「休憩したかどうか」などの確認入力をするように説明した。しかしながら、タッチパネルがなくとも、たとえば、スピーカを通じて音声により情報を提示し、ユーザもマイクを用いて、音声で入力する、という入出力手段も可能である。
【0117】
また、上述の実施例では発汗量は第2湿度センサ36の湿度変化として便宜的に計測するようにしたが、発汗量を温度、湿度および運動量から推定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0118】
10 …外出支援装置
14 …表示器
16 …タッチパネル
38 …CPU(コンピュータ)
42 …RAM
52 …プログラム領域
54 …データ記憶領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレタイミングを含む外出スケジュールに従って外出する外出者を支援するための外出支援装置であって、
外出者の体内水分量に関係するイベントに応じて、前記外出スケジュールに含まれるトイレタイミングを修正する第1修正手段、および
前記第1修正手段によって修正したトイレタイミングに基づいて外出者に対するトイレ誘導を行なうトイレ誘導手段を備える、外出支援装置。
【請求項2】
温度センサおよび湿度センサの少なくとも一方が付属され、
前記イベントは、温度センサのセンサデータおよび湿度センサのセンサデータを取得するイベントである、請求項1記載の外出支援装置。
【請求項3】
イベントは外出者の飲食の摂取である、請求項1または2記載の外出支援装置。
【請求項4】
イベントは外出者の排泄である、請求項1ないし3のいずれかに記載の外出支援装置。
【請求項5】
前記トイレ誘導手段は、次のトイレタイミングに対して時間的に段階的にトイレ誘導を行なう、請求項1ないし4のいずれかに記載の外出支援装置。
【請求項6】
外出スケジュールはさらにレストタイミングを含み
外出者の疲労の程度に関係するイベントに応じて、前記外出スケジュールに含まれるレストタイミングを修正する第2修正手段、および
前記第2修正手段によって修正したレストタイミングに基づいて外出者に対する休憩誘導を行なう休憩誘導手段をさらに備える、請求項1ないし5のいずれかに記載の外出支援装置。
【請求項7】
レストタイミングを含む外出スケジュールに従って外出する外出者を支援するための外出支援装置であって、
外出者の疲労量に関係するイベントに応じて、前記外出スケジュールに含まれるレストタイミングを修正する修正手段、および
前記修正手段によって修正したレストタイミングに基づいて外出者に対する休憩誘導を行なう休憩誘導手段を備える、外出支援装置。
【請求項8】
トイレタイミングを含む外出スケジュールに従って外出する外出者を支援するための外出支援装置のコンピュータによって実行される外出支援プログラムであって、
前記コンピュータを、外出者の体内水分量に関係するイベントに応じて、前記外出スケジュールに含まれるトイレタイミングを修正する修正手段、および
前記修正手段によって修正したトイレタイミングに基づいて外出者に対するトイレ誘導を行なうトイレ誘導手段として機能させる、外出支援プログラム。
【請求項9】
レストタイミングを含む外出スケジュールに従って外出する外出者を支援するための外出支援装置のコンピュータによって実行される外出支援プログラムであって、
前記コンピュータを外出者の疲労量に関係するイベントに応じて、前記外出スケジュールに含まれるレストタイミングを修正する修正手段、および
前記修正手段によって修正したレストタイミングに基づいて外出者に対する休憩誘導を行なう休憩誘導手段として機能させる、外出支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−78913(P2012−78913A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221239(P2010−221239)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年6月19日付け、支出負担行為担当官 総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「高齢者・障がい者(チャレンジド)のためのユビキタスネットワークロボット技術の研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】