説明

外科手術ステープル留め装置

【課題】バットレス材料を含む外科手術装置を提供すること。
【解決手段】外科手術ステープル留め装置と共に用いるローディングユニットが提供され、ローディングユニットは、互いに対して可動であるカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリを有するツールアセンブリと、アンビルアセンブリおよび/またはカートリッジアセンブリの組織接触表面に解放可能に固定される外科手術バットレスであって、アンビルアセンブリに固定される外科手術バットレスは、少なくとも1つのアンカによって固定される、外科手術バットレスと、近位位置と遠位位置との間でツールアセンブリを通ってスライド可能に並進可能な駆動アセンブリとを含む。アンビルアセンブリは、複数の対の側面凹部を有し、それらのうちの少なくとも1つは、キーホール形状であるか、または拡大ヘッド部分を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2009年3月31日に出願された米国出願第12/414,943号の利益および優先権を主張する一部継続出願であり、その米国出願の内容全体が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本開示は、外科手術装置であって、そこにバットレス材料が組み込まれている外科手術装置に関する。より詳細には、本開示は、分離可能外科手術バットレスを含む外科手術ステープル留め装置および/または分離可能外科手術バットレスを含む内視鏡外科手術ステープル留め装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
向かい合うジョー構造間に組織を把持するかまたはクランプ締めし、次いで外科手術ファスナによって組織を結合する外科手術デバイスは、当技術分野において周知である。いくつかの実施形態において、ファスナによって結合された組織を切断するためにナイフが備え付けられる。ファスナは、典型的には外科手術ステープルの形式であるが、2部品ポリマーファスナもまた利用され得る。
【0004】
この目的のための器具は、2つの細長いジョー部材を含み得、その2つの細長いジョー部材は、それぞれ組織を捕獲するかまたはクランプ締めするために用いられる。特定の外科手術ステープラにおいて、ジョー部材のうちの一方は、少なくとも2つの横列に配置された複数のステープルを収納するステープルカートリッジを備え、もう一方のジョー部材は、ステープルがステープルカートリッジから駆動されると、ステープル脚を形成する表面を規定するアンビルを有する。ステープル留め動作は、ステープルカートリッジを通って長手方向に走行するカム部材によって達成され、カム部材は、ステープルプッシャに作用して、ステープルカートリッジからステープルを順次排出する。ナイフは、ステープル列間を走行して、ステープル列間のステープル留めされた組織を長手方向に切断しかつ/または開き得る。そのような器具は、例えば特許文献1および特許文献2に開示される。
【0005】
特許文献3に開示される別のステープラはまた、切開部の各側にステープルの二重の列を適用する。この特許は、2式の千鳥形ステープル運搬溝間の細長い誘導路を通ってカム部材が動く使い捨てローディングユニットを有する外科手術ステープラを開示する。ステープル駆動部材は、溝内に位置を定められ、長手方向に動くカム部材によって接触されて、使い捨てローディングユニットのステープルカートリッジからステープルの排出を達成するような方法で位置を決められる。そのようなステープラの他の実施例は、特許文献4および特許文献5に開示される。
【0006】
上記に説明された器具の各々は、外科医が手術部位に直接手でアクセスする外科手術処置において用いられるように設計される。しかしながら、内視鏡処置または腹腔鏡処置において、外科手術は、小さい切開部を通ってかまたは皮膚における小さい入口創傷を通って挿入される細いカニューレを通って行われる。内視鏡外科手術処置および/または腹腔鏡外科手術処置の特定のニーズに対処するために、内視鏡外科手術ステープル留めデバイスが開発され、それらの内視鏡外科手術ステープル留めデバイスは、例えば、特許文献6(Greenら)、特許文献7(Olsonら)、特許文献8(Greenら)、特許文献9(Greenら)、特許文献10(Greenら)、特許文献11(Robinsonら)、および特許文献12(Millimanら)に開示され、それらの特許文献の各々の内容全体が参照によって本明細書により本明細書に援用される。
【0007】
本出願の譲受人であるTyco Healthcare Group,LPは、長年、Multifire ENDO GIATM.30およびMultifire ENDO GIATM.60などの内視鏡ステープル留め器具を製造し、販売してきた。これらの器具は、外科手術ステープル留め装置と、ローディングユニットとを含む。典型的には、ローディングユニットは、外科手術の直前に装置に取り付けられる。使用後、ローディングユニットは、装置から取り外され、新しいローディングユニットが装置に固定されて、さらなるステープル留め手術および/または切断手術を行い得る。これらの器具は、実質的な臨床上の利益を提供した。それでも、これらの器具に対する改良がなおも望ましい。
【0008】
比較的薄いかまたは弱い組織をステープル留めする場合、空気漏れまたは流体漏れのないようにステープルラインを効果的に密閉することが重要である。さらに、組織に対してステープルラインを補強して、組織の引き裂きまたは組織を通るステープルの引き抜きを防ぐことがしばしば必要である。引き裂きまたは引き抜きを防ぐ一つの方法は、ステープルと下にある組織との間に生体適合性の布補強材料または「バットレス」材料を配置することを伴う。この方法において、バットレス材料の層は組織に対して配置され、組織は従来の方法でステープル留めされる。別の方法において、バットレス材料は、組織をステープル留めする前にステープル留め器具自体に位置を決められる。この例示の実施例は、McKeanらへの特許文献13に開示され、この特許文献の内容全体は、参照によって本明細書に援用される。McKeanらにおいて、バットレス材料の管が、ステープラのジョーの上を滑らされる。ステープラは、次いで作動させられて、対象の組織をステープル留めし、組織とステープルラインとの間にバットレスを固定して、組織およびステープルラインを補強する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第3,079,606号明細書
【特許文献2】米国特許第3,490,675号明細書
【特許文献3】米国特許第3,499,591号明細書
【特許文献4】米国特許第4,429,695号明細書
【特許文献5】米国特許第5,065,929号明細書
【特許文献6】米国特許第5,040,715号明細書
【特許文献7】米国特許第5,307,976号明細書
【特許文献8】米国特許第5,312,023号明細書
【特許文献9】米国特許第5,318,221号明細書
【特許文献10】米国特許第5,326,013号明細書
【特許文献11】米国特許第5,332,142号明細書
【特許文献12】米国特許第6,241,139号明細書
【特許文献13】米国特許第5,542,594号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(概要)
本開示に従って、外科手術ステープル留め装置が提供され、外科手術ステープル留め装置は、ハウジングと、ハウジングによって支持されるハンドルと、ハウジングから遠位に延びる細長い本体と、細長い本体の遠位端にあるツールアセンブリとを含む。ツールアセンブリは、カートリッジを含むカートリッジアセンブリであって、複数の外科手術ファスナを有する、カートリッジアセンブリと、アンビルアセンブリとを有し、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも一方は、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの他方に対して可動であり、アンビルアセンブリは、アンビルプレートを含み、アンビルプレートおよびステープルカートリッジの各々は、細長い長手方向スロットを規定する。外科手術ステープル留め装置は、アンビルプレートおよびステープルカートリッジのうちの少なくとも1つの組織接触表面に解放可能に固定される外科手術バットレスをさらに含み、各外科手術バットレスは、少なくとも1つのアンカによってアンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリのうちの少なくとも1つに固定され、解放アセンブリは、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリのうちの少なくとも1つに関連付けられ、駆動アセンブリは、近位位置から遠位位置にツールアセンブリを通ってスライド可能に並進可能であり、駆動アセンブリは、解放アセンブリを作動させて、それによって、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリのうちの少なくとも1つからアンカを解放し、外科手術バットレスを自由にする。
【0011】
解放アセンブリは、駆動アセンブリの作動前に少なくとも1つのアンカを把持し得る。
【0012】
アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリのうちの少なくとも1つは、側面スロットであって、そこに少なくとも1つのアンカの端部を受け取る、側面スロットを規定し得る。
【0013】
解放アセンブリは、第1のバーであって、駆動アセンブリの作動前に長手方向スロットを横切って延びる、第1のバーと、第2のバーであって、第1のバーに接続され、第1のバーによって作動可能であり、駆動アセンブリの作動前に少なくとも部分的に側面スロットの中に延びる端部を有する、第2のバーとを含み得る。
【0014】
使用時、駆動アセンブリが遠位位置に前進させられると、駆動アセンブリは、解放アセンブリの第1のバーを作動し得、解放アセンブリの第1のバーは、次いで解放アセンブリの第2のバーを作動させて、側面スロット内に配置されるアンカを解放し得る。
【0015】
アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリの各々は、解放アセンブリを含み得る。アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリの各々は、各外科手術バットレスのアンカを受け取る側面スロットを規定し得る。
【0016】
各解放アセンブリは、第1のバーであって、駆動アセンブリの作動前に長手方向スロットを横切って延びる第1のバーと、第2のバーであって、第1のバーに接続され、第1のバーによって作動可能であり、駆動アセンブリの作動前に少なくとも部分的に側面スロットの中に延びる端部を有する第2のバーとを含み得る。使用時、駆動アセンブリが遠位位置に前進させられると、駆動アセンブリは、各解放アセンブリの第1のバーを作動させ得、各解放アセンブリの第1のバーは、次いで各解放アセンブリの第2のバーを作動させて、各側面スロット内に配置されるアンカを解放し得る。
【0017】
アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリのうちの少なくとも1つは、アンカの端部を把持するように構成されるくびれ開放端の側面スロットを含み得、解放アセンブリは、駆動アセンブリが遠位に前進すると、アンカの端部を側面スロットから押し出し得る。
【0018】
解放アセンブリは、アンカの端部を保持する側面スロットと動作可能に関連付けられるプッシャを含み得る。プッシャは、駆動部材を遠位に前進させることによってアンカの端部を側面スロットから押し出すように作動可能であり得る。
【0019】
解放アセンブリのプッシャは、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリのうちの少なくとも1つに旋回可能に接続されるものおよびアンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリのうちの少なくとも1つにおいてスライド可能に支持されるもののうちの1つであり得る。
【0020】
アンカは、外科手術バットレスならびにカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンのうちの少なくとも1つを係合する縫合糸であり得る。アンカは、外科手術バットレスの延長部であり得、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも1つを係合する。
【0021】
本出願の別の局面に従って、外科手術ステープル留め装置と共に用いるローディングユニットが提供され、ローディングユニットは、そこに複数の外科手術ファスナを有するカートリッジを含むカートリッジアセンブリと、アンビルアセンブリとを有するツールアセンブリであって、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも一方は、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちのもう一方に対して可動であり、アンビルアセンブリは、アンビルプレートを含み、アンビルプレートおよびステープルカートリッジの各々は、細長い長手方向スロットを規定する、ツールアセンブリと、アンビルプレートおよびステープルカートリッジのうちの少なくとも1つの組織接触表面に解放可能に固定される外科手術バットレスであって、各外科手術バットレスは、少なくとも1つのアンカによってアンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリのうちの少なくとも1つに固定される、外科手術バットレスと、解放アセンブリであって、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリのうちの少なくとも1つに関連付けられる解放アセンブリと、近位位置から遠位位置にツールアセンブリを通ってスライド可能に並進可能である駆動アセンブリであって、駆動アセンブリは、解放アセンブリを作動させて、それによって、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリのうちの少なくとも1つからアンカを解放し外科手術バットレスを自由にする、駆動アセンブリとを含む。
【0022】
解放アセンブリは、駆動アセンブリの作動前に少なくとも1つのアンカを把持し得る。
【0023】
アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリのうちの少なくとも1つは、側面スロットであって、その中に少なくとも1つのアンカの端部を受け取る、側面スロットを規定し得る。
【0024】
解放アセンブリは、第1のバーであって、駆動アセンブリの作動前に長手方向スロットを横切って延びる第1のバーと、第2のバーであって、第1のバーに接続され、第1のバーによって作動可能であり、駆動アセンブリの作動前に少なくとも部分的に側面スロットの中に延びる端部を有する、第2のバーとを含み得る。
【0025】
使用時、駆動アセンブリが遠位位置に前進させられると、駆動アセンブリは、解放アセンブリの第1のバーを作動させ、解放アセンブリの第1のバーは、次いで解放アセンブリの第2のバーを作動させて、側面スロット内に配置される少なくとも1つのアンカの端部において把持を解放し得る。
【0026】
アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリの各々は、解放アセンブリを含み得る。
【0027】
アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリのうちの少なくとも1つは、くびれ開放端の側面スロットであって、そこに配置されるアンカの端部を把持するように構成されるくびれ開放端の側面スロットを含み得、解放アセンブリは、駆動アセンブリが遠位に前進すると、アンカの端部を側面スロットから押し出し得る。
【0028】
本開示のさらなる局面に従って、外科手術ステープル留め装置は、ハウジングと、ハウジングによって支持されるハンドルと、ハウジングから遠位に延びる細長い本体と、細長い本体の遠位端にあるツールアセンブリとを有する。ツールアセンブリは、そこに複数の外科手術ファスナを有するカートリッジを含むカートリッジアセンブリと、カートリッジアセンブリと並列の関係にあるアンビルアセンブリとを有する。カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも一方は、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちのもう一方に対して可動である。アンビルアセンブリは組織接触表面を有し、カートリッジアセンブリは組織接触表面を有する。アンビルアセンブリは、アンビルプレートを含み、アンビルプレートは、第1のアンカを受け取る一対の向かい合う遠位側面スロットと、第2のアンカを受け取る一対の向かい合う近位側面スロットとを規定する。一対の遠位側面スロットおよび一対の近位側面スロットのうちの少なくとも1つは、中央部分と、アンビルプレートの側面縁において開いている拡幅口部分と、拡大ヘッド部分とを有する。バットレスは、第1のアンカおよび第2のアンカによってアンビルアセンブリの組織接触表面のうちの1つに解放可能に固定される。駆動アセンブリは、近位位置から遠位位置にツールアセンブリを通ってスライド可能に並進可能である。
【0029】
装置は、アンビルアセンブリに関連付けられる解放アセンブリをさらに備え得る。駆動アセンブリは、解放アセンブリを作動させて、それによって、第1のアンカおよび第2のアンカのうちの少なくとも1つをアンビルアセンブリから解放し得る。アンビルプレートおよびカートリッジアセンブリの各々は、細長い長手方向スロットを規定し得る。
【0030】
特定の実施形態において、別のバットレスが、カートリッジアセンブリの組織接触表面に解放可能に固定される。別のバットレスは、少なくとも1つの第3のアンカによって解放可能に固定され得る。アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリの各々は、解放アセンブリを含み得る。
【0031】
特定の実施形態において、第1のアンカおよび第2のアンカは、各々1本の縫合糸である。ツールアセンブリは、交換可能ローディングユニットの一部を形成し得る。
【0032】
本開示の別の局面において、外科手術ステープル留め装置は、ハウジングと、ハウジングによって支持されるハンドルと、ハウジングから遠位に延びる細長い本体と、細長い本体の遠位端にあるツールアセンブリとを有する。ツールアセンブリは、そこに複数の外科手術ファスナを有するカートリッジを含むカートリッジアセンブリと、カートリッジアセンブリと並列の関係にあるアンビルアセンブリとを有する。カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも一方は、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちのもう一方に対して可動である。カートリッジアセンブリは組織接触表面を有し、アンビルアセンブリは組織接触表面を有する。アンビルアセンブリは、アンビルプレートを含み、アンビルプレートは、第1のアンカを受け取る一対の向かい合う遠位側面スロットと、第2のアンカを受け取る一対の向かい合う近位側面スロットとを規定
する。一対の遠位側面スロットおよび一対の近位側面スロットのうちの少なくとも1つは、中央部分と、アンビルプレートの側面縁において開いている拡幅口部分と、拡大ヘッド部分とを有する。バットレスは、第1のアンカおよび第2のアンカによってアンビルアセンブリの組織接触表面のうちの少なくとも1つに解放可能に固定される。駆動アセンブリは、近位位置から遠位位置にツールアセンブリを通ってスライド可能に並進可能である。
【0033】
特定の実施形態において、アセンブリは、アンビルアセンブリに関連付けられる解放アセンブリをさらに備えている。駆動アセンブリは、解放アセンブリを作動させて、それによって、アンビルアセンブリからアンカを解放し、外科手術バットレスを自由にし得る。アンビルプレートおよびカートリッジアセンブリの各々は、細長い長手方向スロットを規定し得る。
【0034】
特定の実施形態において、装置は、カートリッジアセンブリの組織接触表面に解放可能に固定される別のバットレスをさらに備えている。別のバットレスは、少なくとも1つの第3のアンカによって解放可能に固定される。アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリの各々は、解放アセンブリを含み得る。
【0035】
第1のアンカおよび第2のアンカは、各々1本の縫合糸であり得る。
【0036】
特定の実施形態において、一対の遠位側面スロットおよび一対の近位スロットのうちの少なくとも1つは、拡大ヘッド部分の周りにリリーフ領域を含む。
【0037】
さらなる利点は、添付の図面に関連して理解されると、以下の説明から明らかとなる。
【0038】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
ハウジングと、
該ハウジングによって支持されているハンドルと、
該ハウジングから遠位に延びている細長い本体と、
該細長い本体の遠位端におけるツールアセンブリであって、該ツールアセンブリは、カートリッジを含むカートリッジアセンブリであって、該カートリッジは、該カートリッジの中に複数の外科手術ファスナを有する、カートリッジアセンブリと、該カートリッジアセンブリと並列の関係にあるアンビルアセンブリとを有し、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの少なくとも一方は、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの他方に対して可動であり、該カートリッジアセンブリは組織接触表面を有し、該アンビルアセンブリは組織接触表面を有し、該アンビルアセンブリは、
アンビルプレートであって、該アンビルプレートは、第1のアンカを受け取るための一対の向かい合う遠位側面凹部と、第2のアンカを受け取るための一対の向かい合う近位側面凹部とを規定し、該一対の遠位側面凹部および該一対の近位側面凹部のうちの少なくとも1つは、キーホール形状である、アンビルプレートを含む、ツールアセンブリと、
該第1のアンカおよび該第2のアンカによって該アンビルアセンブリの組織接触表面に解放可能に固定されている、バットレスと、
近位位置から遠位位置に該ツールアセンブリを通ってスライド可能に並進可能である駆動アセンブリと
を備えている、外科手術ステープル留め装置。
(項目2)
上記アンビルアセンブリに関連付けられる解放アセンブリをさらに備えている、上記項目に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目3)
上記駆動アセンブリは、上記解放アセンブリを作動させて、それによって、上記第1のアンカおよび上記第2のアンカのうちの少なくとも1つを上記アンビルアセンブリから解放する、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目4)
上記アンビルプレートおよび上記カートリッジアセンブリの各々は、細長い長手方向スロットを規定する、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目5)
上記カートリッジアセンブリの組織接触表面に解放可能に固定されている別のバットレスをさらに備えている、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目6)
上記別のバットレスは、少なくとも1つの第3のアンカによって解放可能に固定されている、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目7)
上記アンビルアセンブリおよび上記カートリッジアセンブリの各々は、解放アセンブリを含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目8)
上記第1のアンカおよび上記第2のアンカは、各々1本の縫合糸である、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目9)
上記ツールアセンブリは、交換可能ローディングユニットの一部を形成している、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目10)
ハウジングと、
該ハウジングによって支持されているハンドルと、
該ハウジングから遠位に延びている細長い本体と、
該細長い本体の遠位端におけるツールアセンブリであって、該ツールアセンブリは、カートリッジを含むカートリッジアセンブリであって、該カートリッジは、該カートリッジの中に複数の外科手術ファスナを有する、カートリッジアセンブリと、該カートリッジアセンブリと並列の関係にあるアンビルアセンブリとを有し、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの少なくとも一方は、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの他方に対して可動であり、該アンビルアセンブリは組織接触表面を有し、該カートリッジアセンブリは組織接触表面を有し、該アンビルアセンブリは、
アンビルプレートであって、該アンビルプレートは、第1のアンカを受け取る一対の向かい合う遠位側面凹部と、第2のアンカを受け取る一対の向かい合う近位側面凹部とを規定し、該一対の遠位側面凹部および該一対の近位側面凹部のうちの少なくとも1つは、中央部分と、該アンビルプレートの側面縁において開いている拡幅口部分と、拡大ヘッド部分とを有する、アンビルプレートを含む、ツールアセンブリと、
該第1のアンカおよび該第2のアンカによって該アンビルアセンブリの組織接触表面のうちの少なくとも1つに解放可能に固定されている、外科手術バットレスと、
近位位置から遠位位置に該ツールアセンブリを通ってスライド可能に並進可能である駆動アセンブリと
を備えている、外科手術ステープル留め装置。
(項目11)
上記アンビルアセンブリに関連付けられている解放アセンブリをさらに備えている、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目12)
上記駆動アセンブリは、上記解放アセンブリを作動させて、それによって、上記アンビルアセンブリから上記アンカを解放し上記外科手術バットレスを自由にする、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目13)
上記アンビルプレートおよび上記カートリッジアセンブリの各々は、細長い長手方向スロットを規定する、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目14)
上記カートリッジアセンブリの上記組織接触表面に解放可能に固定されている別のバットレスをさらに備えている、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目15)
上記別のバットレスは、少なくとも1つの第3のアンカによって解放可能に固定されている、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目16)
上記アンビルアセンブリおよび上記カートリッジアセンブリの各々は、解放アセンブリを含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目17)
上記第1のアンカおよび上記第2のアンカは、各々1本の縫合糸である、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目18)
上記一対の遠位側面凹部および上記一対の近位側面凹部のうちの上記少なくとも1つは、上記拡大ヘッド部分の周りにリリーフ領域を含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープル留め装置。
【0039】
(摘要)
外科手術ステープル留め装置と共に用いるローディングユニットが提供され、ローディングユニットは、互いに対して可動であるカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリを有するツールアセンブリと、アンビルアセンブリおよび/またはカートリッジアセンブリの組織接触表面に解放可能に固定される外科手術バットレスであって、アンビルアセンブリに固定される外科手術バットレスは、少なくとも1つのアンカによって固定される、外科手術バットレスと、近位位置と遠位位置との間でツールアセンブリを通ってスライド可能に並進可能な駆動アセンブリとを含む。アンビルアセンブリは、複数の対の側面凹部を有し、それらのうちの少なくとも1つは、キーホール形状であるか、または拡大ヘッド部分を有する。
【0040】
本開示は、添付の図面を参照してさらに説明され、図面において、類似の参照数字は、いくつかの図において類似の部品を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本開示の実施形態に従う外科手術ステープル留め装置の斜視図である。
【図2】図2は、部品が分離されている状態での、図1の外科手術ステープル留め装置のローディングユニットの遠位端の上面斜視図である。
【図2A】図2Aは、ローディングユニットのアンビルアセンブリの遠位端の拡大斜視図であり、アンビルアセンブリの組織接触表面に動作可能に固定される外科手術アンビルバットレスを例示する。
【図2B】図2Bは、ローディングユニットのカートリッジアセンブリの拡大斜視図であり、カートリッジアセンブリの組織接触表面に固定される外科手術カートリッジバットレスを例示する。
【図3】図3は、開放構成で示される、本開示の実施形態に従う、縫合糸解放アセンブリを含むローディングユニットのアンビルアセンブリの遠位端の上面斜視図である。
【図4】図4は、図3のアンビルアセンブリの上面斜視図であり、分離されている状態における、アンビルアセンブリの縫合糸解放アセンブリの部品を例示する。
【図5】図5は、図3および図4のアンビルアセンブリの底面斜視図である。
【図6】図6は、図3〜図5のアンビルアセンブリの上面平面図であり、閉鎖構成におけるアンビルアセンブリの縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図7】図7は、アンビルアセンブリからリテイナが除去された状態における、図6のアンビルアセンブリの上面平面図である。
【図8】図8は、図3〜図7のアンビルアセンブリの上面平面図であり、開放構成におけるアンビルアセンブリの縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図9】図9は、アンビルアセンブリからリテイナが除去された状態における、図8のアンビルアセンブリの上面平面図である。
【図10】図10は、本開示の実施形態に従う、縫合糸解放アセンブリを含むDLUのカートリッジアセンブリの遠位端の上面斜視図である。
【図11】図11は、図10のカートリッジアセンブリの上面斜視図であり、分離された、カートリッジアセンブリの縫合糸解放アセンブリの部品を例示する。
【図12】図12は、図10および図11のアンビルアセンブリの遠位端の底面斜視図である。
【図13】図13は、図10〜図12のカートリッジアセンブリの上面平面図であり、閉鎖構成におけるカートリッジアセンブリの縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図14】図14は、図10〜図13のカートリッジアセンブリの上面平面図であり、開放構成におけるカートリッジアセンブリの縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図15】図15は、本開示の別の実施形態に従う、縫合糸解放アセンブリを含むローディングユニットの遠位端の斜視図である。
【図16】図16は、図15の指示された領域の詳細な拡大図である。
【図17】図17は、(アンビルカバーが除去された状態における)アンビルアセンブリの遠位端の上面斜視図であり、作動構成における、アンビルアセンブリの縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図18】図18は、図17のアンビルアセンブリの遠位端の上面斜視図であり、分離された、アンビルアセンブリの縫合糸解放アセンブリの部品を例示する。
【図19】図19は、図17および図18のアンビルアセンブリの上面平面図であり、非作動構成における、アンビルアセンブリの縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図20】図20は、図17〜図19のアンビルアセンブリの上面平面図であり、作動構成における、アンビルアセンブリの縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図21】図21は、図15のDLUのカートリッジアセンブリの遠位端の底面斜視図であり、カートリッジアセンブリから分離された縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図22】図22は、図21の縫合糸解放アセンブリの上面斜視図である。
【図23】図23は、部品が分離された状態における、図21および図22の縫合糸解放アセンブリの底面斜視図である。
【図24】図24は、図21〜図23の縫合糸解放アセンブリの上面平面図であり、非作動構成における、アンビルアセンブリの縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図25】図25は、図21〜図24の縫合糸解放アセンブリの上面平面図であり、作動構成における、アンビルアセンブリの縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図26】図26は、本開示のさらに別の実施形態に従う、縫合糸解放アセンブリを含むローディングユニットのアンビルアセンブリの遠位端の上面平面図である。
【図27】図27は、部品が分離された状態における、図26のアンビルアセンブリの遠位端の上面斜視図である。
【図28】図28は、図26および図27のアンビルアセンブリの遠位端の上面平面図であり、非作動構成における、アンビルアセンブリの縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図29】図29は、図26〜図28のアンビルアセンブリの遠位端の上面平面図であり、作動構成における、アンビルアセンブリの縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図30】図30は、本開示のなおも別の実施形態に従う、縫合糸解放アセンブリを含むローディングユニットのアンビルアセンブリの遠位端の上面平面図であり、非作動構成におけるアンビルアセンブリの縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図31】図31は、図30のアンビルアセンブリの遠位端の上面平面図であり、作動構成における、アンビルアセンブリの縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図32】図32は、本開示のさらなる実施形態に従う、縫合糸解放アセンブリを含むローディングユニットのカートリッジアセンブリの遠位端の上面斜視図である。
【図33】図33は、図32の縫合糸解放アセンブリの上面斜視図である。
【図34】図34は、図32および図33の縫合糸解放アセンブリの底面斜視図である。
【図35】図35は、部品が分離された状態における、図32〜図34の縫合糸解放アセンブリの底面斜視図である。
【図36】図36は、部品が分離された状態における、図32〜図35の縫合糸解放アセンブリの上面斜視図である。
【図37】図37は、図32〜図36の縫合糸解放アセンブリの上面平面図であり、非作動構成における縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図38】図38は、図32〜図37の縫合糸解放アセンブリの上面平面図であり、作動構成における縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図39】図39は、本開示の別の実施形態に従うアンビルアセンブリの、部品が分離された状態における背面斜視図である。
【図40】図40は、(アンビルカバーがアンビルアセンブリから除去された状態における)図39のアンビルアセンブリの遠位端の上面平面図であり、本開示の別の実施形態に従う縫合糸解放アセンブリを例示する。
【図41】図41は、図39のアンビルアセンブリのアンビルプレートの底面平面図である。
【図42】図42は、図41のアンビルプレートの上面平面図である。
【図43】図43は、図42の指示された領域の詳細な拡大図である。
【図44】図44は、図42の指示された領域の詳細な拡大図である。
【図45】図45は、図39のアンビルアセンブリのアンビルカバーの上面平面図である。
【図46】図46は、図45の指示された領域の詳細な拡大図である。
【図47】図47は、本開示の別の実施形態に従う凹部の上面平面図を示す。
【図48】図48は、本開示の別の実施形態に従う凹部の上面平面図を示す。
【図49】図49は、本開示のさらなる実施形態に従う凹部の上面平面図を示す。
【図50】図50は、本開示の別の実施形態に従う凹部の上面平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
(実施形態の詳細な説明)
本開示される外科手術ステープル留め装置およびローディングユニットの複数の実施形態は、図面を参照してここで詳細に説明され、図面において類似の参照数字は、いくつかの図の各々において同一かまたは対応する要素を示す。
【0043】
図面および以下の説明において、伝統的であるように、用語「近位」は、オペレータに最も近い、ステープル留め装置の端部をいい、一方、用語「遠位」は、オペレータから最も遠い、装置の端部をいう。
【0044】
図1は、全体的に10として示される、例えば外科手術ステープル留め装置などの外科手術装置を示す。簡潔さのために、本開示は、主として外科手術ステープル留め装置10のツールアセンブリに焦点を絞る。外科手術ステープル留め装置10の残りの構成要素および使用法の詳細な考察は、米国特許第6,241,139号に開示され、この特許の開示は、参照によって本明細書により本明細書に援用される。
【0045】
外科手術ステープル留め装置10は、内視鏡装置であり、ハンドルアセンブリ12と、ハンドルアセンブリ12から延びる細長い本体14とを含む。ローディングユニット16は、細長い本体14の遠位端に解放可能に固定される。さらに、本開示は、装置のジョーに受け取られる交換可能カートリッジを有する外科手術ステープル留め装置を企図する。
【0046】
ローディングユニット16は、複数の外科手術ファスナまたはステープル84(図2を参照されたい)を収容するカートリッジアセンブリ18と、カートリッジアセンブリ18に対して並列の関係で固定されるアンビルアセンブリ20とを有するツールアセンブリ17を含み、アンビルアセンブリ20およびカートリッジアセンブリ18は、ツールアセンブリ17を閉じるように互いの方に可動であり、またはツールアセンブリ17を開くように互いに離れるように可動である。本明細書に示されるように、ローディングユニット16は、長さが約30mm〜約60mmの寸法があるローディングユニットにステープルの6つの直線列を適用するように構成される。様々なパターンで配置されるステープルポケットを有し、ステープルの任意の数の列を適用するローディングユニットおよび/または例えば45mmなどの任意の他の長さを有するローディングユニットおよびエンドエフェクタもまた想定される。ハンドルアセンブリ12は、静止ハンドル部材22と、可動ハンドル部材24と、バレル部分26とを含む。
【0047】
回転可能部材28は、バレル部分26の前端に取り付けられ、ハンドルアセンブリ12に対する、細長い本体部分14および取り付けられたローディングユニット16の回転を容易にする。関節運動レバー30もまた、回転可能部材28に隣接してバレル部分26の前端に取り付けられ、ツールアセンブリ17の関節運動を容易にする。好ましくは、一対のノブ32が、バレル部分26に沿って可動に位置を決められる。ノブ32は、遠位に前進させられて、カートリッジアセンブリ18および/またはアンビルアセンブリ20を接近させるかまたは閉じ、近位に後退させられて、カートリッジアセンブリ18および/またはアンビルアセンブリ20を引き離すかまたは開く。
【0048】
ローディングユニット16は、望ましくは、細長い本体14に選択可能に連結可能である。ローディングユニット16は、細長い本体14の遠位端を解放可能に係合するように適合される近位端を有するハウジング部分36を含む。取り付けアセンブリ38は、「P」においてハウジング部分36の遠位端に旋回可能に固定され、ツールアセンブリ17の「P」におけるハウジング部分36の長手方向軸に垂直な軸の周りの旋回移動が、ツールアセンブリ17の関節運動を引き起こすように、ツールアセンブリ17の近位端を受け取るように構成される。
【0049】
概して図2を参照すると、ローディングユニット16は、取り付けアセンブリ40を含む。取り付けアセンブリ40は、上部取り付け部分40aと、下部取り付け部分40bとを含む。軸方向駆動アセンブリ50は、カートリッジアセンブリ18および/またはアンビルアセンブリ20に動作可能に関連付けられ、カートリッジアセンブリ18とアンビルアセンブリ20との間にスライド可能に配置される。図2を参照すると、軸方向駆動アセンブリ50は、遠位端54と、近位端56とを有する細長い駆動ビーム52を含む。駆動ビーム52は、単一のシートの材料または好ましくは複数の積み重ねシートの材料から組み立てられ得る。
【0050】
駆動アセンブリ50の駆動ビーム52の近位端56は、プッシャを受け取る一対の弾性係合フィンガを含む。プッシャは、ローディングユニット16の近位端が外科手術ステープル留め装置10の細長い本体14に係合されている場合、例えば駆動ロッドまたは制御ロッド(図示されていない)などの駆動部材を取り付けるように係合するための寸法と構成を有する。制御ロッドは、ハンドルアセンブリ12から駆動アセンブリ50の軸方向の動きを伝えるように機能する。
【0051】
駆動アセンブリ50の駆動ビーム52の遠位端54は、横に延びる上部分64aと、横に延びる下部分64bと、中央壁部分62とを有するヘッド60を含む。中央壁部分62の遠位縁は、ナイフブレードまたは類似のもの66を規定する。
【0052】
図2に見られるように、アンビルアセンブリ20は、複数のステープル変形ポケット/空洞(図示されていない)を有するアンビルプレート70と、アンビルプレート70の上部表面に固定されるカバープレート72とを含み、アンビルプレート70とカバープレート72との間に規定される空洞(図示されていない)を有する。アンビルプレート70とカバープレート72との間に規定される空洞は、空洞内にヘッド60の上部分64aを受け取るように寸法設定される。長手方向スロット70bは、アンビルプレート70を通って延びて、ヘッド60の中央壁部分62がアンビルプレート70を通過することを容易にする。さらに、カバープレート72は、カバープレート72がアンビルプレート70とともに組み立てられた場合、アンビルプレート70に形成される近位の対の凹部70dと整列する、カバープレート72に形成される一対の向かい合う凹部72aを規定する。
【0053】
引き続き図2を参照すると、アンビルプレート70は、アンビルプレート70の近位端の近くに形成され、各々が長手方向スロット70bの向かい合う側に配置される近位の対の凹部70dを規定する。アンビルプレート70は、アンビルプレート70の遠位の端の近くに形成され、各々が長手方向スロット70bの向かい合う側に配置される遠位対の凹部70eを規定する。一実施形態において、近位の対の凹部70dおよび遠位の対の凹部70eの各々の凹部のうちの少なくとも1つは、好ましくは非円形状で、くびれているか、またはアンカ「S」を摩擦で係合しかつ/または締め付けるように幅減少の寸法を有する。
【0054】
本明細書において用いられる場合、用語アンカは、縫合糸、糸、テザー、ストラップ、バンド、ひも、ワイヤ、ケーブル、ファスナ、タックまたは本明細書に開示される意図された目的に適した任意の他の材料を含むが、これらに限定されないことは理解される。特定の実施形態において、アンカは、下記に考察されるステープルライン補強材料の延長部である。アンカは、ステープルライン補強材料の全体の一部を構成し得るか、または、ステープルライン補強材料と同じかもしくは類似した材料から形成され、ステープルライン補強材料に取り付けられ得る。
【0055】
図2および図2Aに見られるように、アンビルアセンブリ20は、アンカ「S」によってアンビルプレート70の下部表面または組織接触表面に動作可能に固定される外科手術アンビルバットレス「B1」、綿撒糸または類似のものをさらに含み、アンビルポケット70aの少なくともいくらかおよび/または長手方向スロット70bの長さの少なくとも一部分の上に重なる。特に、アンカ「S」は、外科手術アンビルバットレス「B1」の近位部分および近位対の凹部70dの各々の周りに堅く締められ、アンカ「S」は、外科手術アンビルバットレス「B1」の遠位部分および遠位対の凹部70eの各々の周りに堅く締められる。
【0056】
外科手術アンビルバットレス「B1」は、外科手術アンビルバットレス「B1」がアンビルアセンブリ20に固定された場合、アンビルプレート70の近位対の凹部70dと整列され、側面縁に形成される近位対のノッチと、アンビルプレート70の遠位対の凹部70eに整列され、外科手術アンビルバットレス「B1」の側面縁に形成される遠位対のノッチと、長手方向スロット70bに整列される、バットレス「B1」の近位縁に形成される近位ノッチとを含む。外科手術アンビルバットレス「B1」は、その遠位端から延びるトング(tongue)またはタブをさらに含み、アセンブリ工程中のアンビルアセンブリ20への外科手術アンビルバットレス「B1」の取り付けを容易にする。外科手術アンビルバットレス「B1」をアンビルアセンブリ20に固定した後かつ梱包または出荷の前に、外科手術アンビルバットレス「B1」からトングが取り外されることが企図されている。
【0057】
図2〜図9に見られるように、アンビルアセンブリ20は、遠位対の凹部70eと動作可能に整列する位置においてアンビルプレート70とカバープレート72との間に配置される解放アセンブリ74をさらに含む。解放アセンブリ74はガイドプレート75を含み、ガイドプレート75はそこを通って形成される弓形のスロット75aを規定する。スロット75aは、そこを通ってツール(図示されていない)を受け取るように構成され、寸法設定される。スロット75aの機能および目的は、より詳細に以下に考察される。
【0058】
解放アセンブリ74は、アンビルプレート70に旋回可能に接続されたロックまたはアンカバー76(図4および図5に見られるように)および/または任意選択でカバープレート72(図2に示される)をさらに含む。アンカバー76は、本体部分76aに細長いチャネルまたはスロット76bを規定する本体部分76aと、本体部分76aの縁から延びるフィンガ76cとを含む。フィンガ76cは、複数の遠位対の凹部70eのうちの1つと動作可能に整列しており、複数の遠位対の凹部のうちのその1つは、比較的より大きな幅寸法を有する。
【0059】
縫合糸解放アセンブリ74は、アンビルプレート70に旋回可能に接続されたアンカバー作動部材77(図4および図5に見られるように)および/または任意選択でカバープレート72(図2に示される)をさらに含む。作動部材77は回転の中心軸を規定する偏心カム77aを含み、回転の中心軸の周りに作動部材は回転することを可能にされる。作動部材77は、偏心カム77aの回転の中心軸に実質的に平行である方向に偏心カム77aの表面から延び、偏心カム77aの回転の中心軸から半径方向にずれているナブまたはボス77bを含む。ボス77bは、アンカバー76の細長いスロット76bにスライド可能かつ回転可能に配置される。作動部材77は、ボス77bと実質的に反対の側から偏心カム77aから実質的に接線方向に延びる解放バー77cをさらに含む。解放バー77cは、ガイドプレート75の弓形スロット75aと整列している、解放バー77cに形成されるピン77dを規定する。動作時、偏心カム77aが回転すると、リリースバー77cのピン77dはガイドプレート75の弓形スロット75aの経路沿いに辿る。
【0060】
図6および図7に見られるように、縫合糸解放アセンブリ74は、係止構成または係留構成を含み、この場合、アンカバー76のフィンガ76cは、それと動作可能に整列される一対の遠位凹部70eのうちの1つの中に延びるかまたはその上に重なり、作動部材77の解放バー77cは、アンビルプレート70のナイフスロット70bを横切って延び、解放バー77cのピン77dは、ガイドプレート75の弓形スロット75aの第1の端部にまたはその近くに配置される。縫合糸解放アセンブリ74が、製造/アセンブリ工程の後、および外科手術ステープル留め装置10の完全な発射の前に、常時、ロック留め構成またはアンカ留め構成に縫合糸解放アセンブリ74を維持および/または保持する摩擦ばめ特徴またはスナップばめ特徴を含み得ることが企図されている。
【0061】
図8および図9に見られるように、縫合糸解放アセンブリ74は、開放構成または解放構成を含み、この場合、アンカバー76のフィンガ76cは、それと動作可能に整列される一対の遠位凹部70eのうちの1つの中に延びず、またはその上に重ならず、作動部材77の解放バー77cは、アンビルプレート70のナイフスロット70bを横切って延びず、解放バー77cのピン77dは、ガイドプレート75の弓形スロット75aの第2の端部にまたはその近くに配置される。
【0062】
縫合糸解放アセンブリ74は、外科手術の縫合糸またはテザーを用いて外科手術アンビルバットレス「B」をアンビルプレート70の組織接触表面に固定するために、外科手術ステープル留め装置10のアセンブリ工程中に製造業者によって用いられ、外科手術ステープル留め装置10の発射完了時にアンビルプレート70の組織接触表面から外科手術アンビルバットレス「B」を自動的に解放するかまたは自由にするために、外科手術ステープル留め装置10のエンドユーザによって用いられる。
【0063】
図6〜図9を参照すると、製造工程中、縫合糸解放アセンブリ74が開放構成または解放構成の状態で(図8および図9)、外科手術アンビルバットレス「B」は、アンビルプレート70の組織接触表面の上に置かれる。次いで、外科手術縫合糸「S1」の第1の端部は、一対の遠位凹部70eのうちの一方の中に挿入され、外科手術縫合糸「S1」の第2の端部は、外科手術アンビルバットレス「B1」を横切って延ばされ(図2を参照されたい)、一対の遠位凹部70eのもう一方の中に挿入される。外科手術縫合糸「S1」の第1の端部が遠位対の凹部70eのより狭い凹部を通過しないようなサイズで作られる、結び目、ストップまたは類似のもの(図示されていない)を含み得ることが企図されている。
【0064】
外科手術縫合糸「S1」の第2の端部が一対の遠位凹部70eに配置されている状態で、また外科手術縫合糸「S1」が外科手術アンビルバットレッス「B」を横切って緊張された(taught)状態で、ツール(図示されていない)は、ガイドプレート75の弓形のスロット75aを通って挿入され、解放バー77cのピン77dに備え付けられる開口部と係合される。図6および図7を参照すると、ツールは、ついで、ガイドプレート75の弓形スロット75aを通し、またはそれに沿って動くように操作され、それによって、解放バー77cを作動させるかまたは動かし、偏心カム77aを回転させる。偏心カム77aが回転させられると、ボス77bは、偏心カム77aの旋回軸の周りに回転させられ、アンカバー76の細長いスロット76bの壁に作用し、それによって、アンカバー76を旋回させる。アンカバー76が旋回させられると、アンカバー76のフィンガ76cは、遠位凹部70eのうちの1つの中に延ばされるかまたはその上に重なり、遠位凹部70e内に配置される外科手術縫合糸の第2の端部を締め付ける。一方では、解放バー77cは、アンビルプレート70のナイフスロット70bを横切って延びる位置に動かされている。縫合糸解放アセンブリ74は、上記に説明されたように、ここで係止構成または係留構成にある。フィンガ76cと協働可能遠位凹部70eは、76アンカバーが凹部70eから離れている場合、縫合糸「S1」が容易に凹部70eの中に入り、凹部から出ることを可能にするように、比較的広いことが望ましい。アンビルプレート70の反対の側面に配置されるもう一方の遠位凹部70eは、同じサイズであり得るか、または組み立てを容易にするために、縫合糸「S1」を堅く締め、縫合糸を適切な位置に保持するため十分に小さくあり得る。
【0065】
動作時において、外科手術ステープル留め装置10の発射中、外科手術アンビルバットレス「B1」がアンビルプレート70の下部表面に対して固定されている状態で、駆動アセンブリ50が前進させられると(すなわち、最近位位置から最遠位位置に動かされると)、ナイフブレード66は、近位縫合糸「S2」の中央部を切り込み、それによって、アンビルアセンブリ20から外科手術アンビルバットレス「B1」の近位端を自由にする。使用中、図9に見られるように、外科手術ステープル留め装置10の発射動作が完了に近づき、駆動アセンブリ50がアンビルプレート70のナイフスロット70bの遠位端に近づくと、駆動アセンブリ50は、解放バー77cと接触し、解放バー77c、次いで偏心カム77aをそれらの旋回軸の周りに回転するように押し進める。偏心カム77aが回転させられると、ボス77bが偏心カム77aの旋回軸の周りに回転させられ、アンカバー76の細長いスロット76bの壁に対して作用し、それによって、アンカバー76を旋回させる。アンカバー76が旋回させられると、アンカバー76のフィンガ76cは、比較的より広い遠位凹部70eから離れるように動かされ、遠位凹部70e内に配置される外科手術縫合糸「S」の第2の端部を解放させられる。外科手術縫合糸「S」の第2の端部が解放されているかまたは自由の状態で、外科手術アンビルバットレス「B1」の遠位端は、アンビルプレート70の組織接触表面から自由に分離する。
【0066】
図1および図2に見られるように、カートリッジアセンブリ18は、細長いサポートチャネル80aを規定するキャリア80を含む。キャリア80の細長いサポートチャネル80aは、そこにステープルカートリッジ82を受け取る。ステープルカートリッジ82およびキャリア80に沿って形成される対応するタブおよびスロットは、キャリア80内にステープルカートリッジ82を保持するように機能する。ステープルカートリッジ82に形成され、ステープルカートリッジ82から延びる一対のサポートストラットは、キャリア80の側壁に置かれるように位置を決められることにより、キャリア80のサポートチャネル80a内にステープルカートリッジ82をさらに安定させる。ステープルカートリッジ82は、そこに形成され、複数のファスナ84およびプッシャ86を受け取る保持スロット82aを含む。複数の間隔を空けて置かれる長手方向スロット82bは、ステープルカートリッジ82の中を通って延びて、作動スレッド90の直立カムウェッジ90aを収容する。作動スレッド90は、中央の直立ウェッジまたは壁90bを含む。中央壁90bは、そこに形成される遠位ノッチまたはショルダ90cを規定する(図2を参照されたい)。
【0067】
中央長手方向スロット82cは、ステープルカートリッジ82に形成され、ステープルカートリッジ82の長さに沿って延びて、ヘッド60の中央壁部分62がステープルカートリッジを通過することを容易にする。外科手術ステープラ10の動作中、作動スレッド90は、ステープルカートリッジ82の長手方向スロット82bを通って並進して、カムウェッジ90aを前進させてプッシャ92と順次接触させ、保持スロット82a内に垂直にプッシャ92を並進させ、スロット82aからアンビルアセンブリ20のアンビルプレート70のステープル形成空洞70aにファスナ84(例えば、ステープル)を押し進める。
【0068】
引き続き図1および図2を参照すると、ステープルカートリッジ82は、その近位端の近くに形成され、長手方向スロット82cの向かい合う側に1つが配置される近位対の凹部82eを規定する。ステープルカートリッジ82は、その遠位端の近くに形成され、長手方向スロット82cの向かい合う側に各々1つが配置される遠位対の凹部82fをさらに規定する。一実施形態において、凹部82eの近位対および凹部82fの遠位対の各々の凹部のうちの少なくとも1つは、好ましくは非円形状であり、くびれているか、またはさもなければ、アンカ「S」を摩擦で係合しかつ/または締め付けるように配置される。
【0069】
図1および図2Bに見られるように、カートリッジアセンブリ18は、アンカ「S3」および「S4」によってステープルカートリッジ82の上部表面または組織接触表面に動作可能に固定され、ステープルポケット82aの少なくとも一部および/または長手方向スロット82cの長さの少なくとも一部分の上に重なる外科手術カートリッジバットレス「B2」、綿撒糸または類似のものをさらに含む。特に、アンカ「S4」は、外科手術カートリッジバットレス「B2」の近位部分および近位対の凹部82eの各々の周りに堅く締められ、アンカ「S3」は、外科手術バットレス「B2」の遠位部分および遠位対の凹部82fの各々の周りに締め付けられる。
【0070】
一特定の実施形態において、各アンカ「S」の第1の端部は、近位対の凹部82eの1つの凹部を通過しないようなサイズで作られる結び目、ストップまたは類似のもの(図示されていない)を含み、各アンカ「S」の第2の端部は、少なくとも1度外科手術カートリッジバットレス「B2」を通り越して横断し、近位対の凹部82eのもう一方の凹部を通って戻る。例えば、各アンカ「S」の第2の端部は、ステープルカートリッジ82の組織接触表面に対してアンカ「S」の第2の端部を止め、外科手術カートリッジバットレス「B2」を固定するように近位対の凹部82eのもう一方の凹部において締め付けられ得るかまたは堅く締められ得る。同様に、アンカ「S3」は、外科手術カートリッジバットレス「B2」を横断し、遠位対の凹部82fと係合するように延びるために用いられる。
【0071】
さらなる実施形態において、解放アセンブリは、縫合糸「S」を切断するように配置される。ガイドプレート75上の弓形スロット75aは、それがアンカバー95を縫合糸「S」の方に駆動するように配置されるように反対の方向に延びる。縫合糸Sに面しているアンカバー76の表面は、鋭利な縁を含み、駆動アセンブリによって作動させられた場合、縫合糸を切断する。
【0072】
外科手術カートリッジバットレス「B2」は、外科手術カートリッジバットレス「B2」がステープルカートリッジ82に固定された場合、ステープルカートリッジ82の近位対の凹部82eと整列される、側面縁に形成される近位対のノッチと、ステープルカートリッジ82の遠位対の凹部82fに整列される、外科手術カートリッジバットレス「B2」の側面縁に形成される遠位対のノッチと、長手方向スロット82cに整列される、バットレス「B2」の近位縁に形成される近位ノッチとを含む。外科手術カートリッジバットレス「B2」は、その遠位端から延びるトングまたはタブをさらに含み、アセンブリ工程中、ステープルカートリッジ82への外科手術カートリッジバットレス「B2」の取り付けを容易にする。外科手術カートリッジバットレス「B2」の幅がその近位部分において減少させられ得ることが企図されている。外科手術カートリッジバットレス「B2」をステープルカートリッジ82に固定した後かつ梱包または出荷の前に、外科手術カートリッジバットレス「B2」からトングが取り外されることがさらに企図されている。
【0073】
図2および図10〜図14に見られるように、カートリッジアセンブリ18は、ステープルカートリッジ82の遠位端およびその近くに支持されるカートリッジ解放アセンブリ94をさらに含む。解放アセンブリ94は、ステープルカートリッジ82に旋回可能に接続されるロックまたはアンカバー95を含む。アンカバー95は本体部分95aを含み、本体部分95aはその縁から延びるフィンガ95bを有する。フィンガ95bは、遠位対の凹部82fのうちの1つ、好ましくは比較的より大きい幅寸法を有する遠位対の凹部のうちの1つと動作可能に整列している。
【0074】
解放アセンブリ94は、アンカバー95に旋回可能に接続されるアンカバー作動部材97をさらに含む(図11および図12に見られるように)。作動部材97は、作動部材97の近位縁に沿って位置を決められ、ステープルカートリッジ82の中央長手方向スロット82cを横切って延びる第1のカム表面97aと、アンカバー95のフィンガ95bに動作可能に関連付けられる遠位対の凹部82fのうちの1つに近接している作動部材97から、遠位かつ横に延びる第2の偏心カム表面97bとを含む。作動部材97の第1のカム表面97aは、実質的に弓形または凸状である。作動部材97は、アパーチャまたは開口部97cを規定し、アパーチャまたは開口部97cは、アンカバー95および作動部材97が互いに対して旋回するかまたは回転するようにアパーチャまたは開口部97cにアンカバー95のピン95cを受け取るための寸法と構成を有する。
【0075】
動作時、第1の方向への作動部材97のその旋回点の周りの回転は、結果として、第2のカム表面97bがステープルカートリッジ82の表面82gに対して押し付け(図13および図14を参照されたい)、従って、少なくとも部分的に、フィンガ95bに関連付けられた遠位対の凹部82fのうちの1つの上を、および/またはそれを横切ってフィンガ95bを動かす。
【0076】
図13に見られるように、縫合糸解放アセンブリ94は、ロック留め構成またはアンカ留め構成を含み、この場合、作動部材97の第1のカム表面97aは、ステープルカートリッジ82の中央長手方向スロット82cの中にかつそこを横切って延び、この場合、作動部材97の第2のカム表面97bはステープルカートリッジ82の表面82gに対して押し付けられ、従って、アンカバー95のフィンガ95bは、それと動作可能に整列している一対の遠位凹部82fのうちのそれぞれの1つの中に延びるかまたはその上に重なる。ファスナ解放アセンブリ94は、ロック構成またはアンカ留め構成に作動部材97を保つような態様で、作動部材97を係合する付勢部材またはデテントによって、ロック留め構成またはアンカ留め構成に維持され得る。そのようなロック構成またはアンカ留め構成において、縫合糸「S3」は、ステープルカートリッジ82の凹部82fの中に押し進められ得る。縫合糸解放アセンブリ94が、製造/アセンブリ工程の後、かつ外科手術ステープル留め装置10の発射完了の前に、常時、ロック留め構成またはアンカ留め構成に縫合糸解放アセンブリ94を維持および/または保持する摩擦ばめ特徴またはスナップばめ特徴を含み得ることが企図されている。
【0077】
図12および図14に見られるように、縫合糸解放アセンブリ94は、開放構成または解放構成を含み、この場合、アンカバー95のフィンガ95bは、それと動作可能に整列している一対の遠位凹部82fのうちのそれぞれの1つの中に延びず、またはその上に重ならず、作動部材97の第1のカム表面97aは、ステープルカートリッジ82の中央長手方向スロット82c中におよびそれを横切って延びず、作動部材97の第2のカム表面97bは、ステープルカートリッジ82の表面82gに対して押し付けられない。
【0078】
縫合糸解放アセンブリ94は、アンカ、外科手術縫合糸、またはテザー「S」を用いて外科手術カートリッジバットレス「B2」(図2を参照されたい)をステープルカートリッジ82の組織接触表面に固定するために、外科手術ステープル留め装置10のアセンブリ工程中に製造業者によって用いられ、外科手術ステープル留め装置10の発射完了時にステープルカートリッジ82の組織接触表面から外科手術カートリッジバットレス「B2」を自動的に解放するかまたは自由にするために、外科手術ステープル留め装置10のエンドユーザによって用いられる。
【0079】
図10〜図14を参照すると、製造工程中、縫合糸解放アセンブリ94が開放構成または解放構成の状態で、外科手術カートリッジバットレス「B2」は、ステープルカートリッジ82の組織接触表面の上に置かれる。次いで、外科手術縫合糸「S」の第1の端部は、一対の遠位凹部82fのうちの比較的より狭い方の中に挿入され、外科手術縫合糸「S」の第2の端部は、外科手術カートリッジバットレス「B2」を横切って延ばされ、一対の遠位凹部82fの比較的より広い方の中に挿入される。外科手術縫合糸「S」の第1の端部が遠位対の凹部82fのより狭い凹部を通過しないようなサイズで作られる、結び目、ストップまたは類似のもの(図示されていない)を含み得ることが企図されている。
【0080】
図11に見られるように、ステープルカートリッジ82は、そこに形成されるアクセス開口部83を含み、アクセス開口部83は、そこに縫合糸解放アセンブリ94を挿入しそして受け取り、アクセス部材97へのアクセスを提供するために用いられる。外科手術縫合糸「S」の第2の端部が一対の遠位凹部82fの比較的より広い方に配置されている状態、および外科手術縫合糸「S」が外科手術カートリッジバットレッス「B2」を横切って緊張された状態で、作動部材97は、旋回軸の周りに回転させられ、作動部材97の第1のカム表面97aにステープルカートリッジ82の長手方向スロット82cの中にそしてそれを横切って延ばさせ、作動部材97の第2のカム表面97bにステープルカートリッジ82の表面82g(図13および図14を参照されたい)に対して押し付けさせる。そのようにする際、アンカバー95は、アンカバー95のフィンガ95bがそれと動作可能に整列される一対の遠位凹部82fの1つの中に延びるかまたはその上に重なり、それによって、遠位凹部82fに配置される外科手術縫合糸の第2の端部を締め付ける量だけ旋回させられる。上記に説明されたように、縫合糸解放アセンブリ94は、ここで係止構成または係留構成にある。
【0081】
動作時において、外科手術ステープル留め装置10の発射中、外科手術カートリッジバットレス「B1」がステープルカートリッジ82の組織接触表面に対して固定されている状態で、駆動アセンブリ50が前進させられると(すなわち、最近位位置から最遠位位置に動かされると)、ナイフブレード66は、近位縫合糸「S4」の中央部を切り込み、それによって、ステープルカートリッジ82から外科手術カートリッジバットレス「B2」の近位端を自由にする。使用中、図14に見られるように、外科手術ステープル留め装置10の発射動作が完了に近づき、駆動アセンブリ50がステープルカートリッジ82の中央長手方向スロット82cの遠位端に近づくと、駆動アセンブリ50は、作動部材97の第1のカム表面97aと接触し、作動部材97が回転するように押し進める。作動部材97の第2のカム表面97bもまた、アンカバー95の旋回ピン95cの旋回軸の周りに回転する。偏心第2カム表面97bが第2カム表面97bの旋回軸の周りに回転させられると、旋回ピン95cとステープルカートリッジ82の表面82gとの間の距離は、減少させられ、それによって、旋回ピン95cの周りにアンカバー95を旋回させる。アンカバー95が旋回させられると、アンカバー95のフィンガ95cは、比較的より広い遠位凹部82fから離れるように動かされ、遠位凹部82f内に配置される外科手術縫合糸「S」の第2の端部を解放させられる。外科手術縫合糸「S」の第2の端部が解放されているかまたは自由の状態で、外科手術カートリッジバットレス「B2」の遠位端は、ステープルカートリッジ82の組織接触表面から自由に分離する。アンカバー95のフィンガ95bと動作可能に整列される遠位凹部82fは、アンカバー95の回転にも関わらず、縫合糸「S3」が遠位凹部82f内において堅く締められないように寸法設定される。
【0082】
駆動アセンブリ50が近位位置から遠位位置に前進させられると、駆動アセンブリ50のナイフブレード66は、外科手術アンビルバットレス「B1」および外科手術カートリッジバットレス「B2」の両方を長手方向に切り込むかまたは切断し、それによって、バットレス「B1、B2」を実質的に半分に分割する。さらに、駆動アセンブリ50が最近位位置から最遠位位置に前進させられると、作動スレッド90の直立カムウェッジ90aは、プッシャ92を作動させ、プッシャ92に保持スロット82a内に垂直に並進させ、スロット82aからファスナ84を押し進めさせる。ファスナ84(例えば、ステープル)がステープルカートリッジ82のスロット82aから押し進められると、ファスナ84の脚は、外科手術アンビルバットレス「B1」と外科手術カートリッジバットレス「B2」との間にある任意の組織(図示されていない)を通って、外科手術アンビルバットレス「B1」および外科手術カートリッジバットレス「B2」の両方を貫通しかつ通過し、アンビルアセンブリ20のアンビルプレート70のステープル形成空洞70aに対してか、またはその中に形成される。バットレス「B1、B2」は、好ましくは、バットレスを分割し組織から装置を除去することを容易にする目打ちを含む。
【0083】
本開示に従って、外科手術アンビルバットレス「B1」および/または外科手術カートリッジバットレス「B2」は、それぞれ、ローディングユニット16のアンビルアセンブリ20またはカートリッジアセンブリ18に事前装填される(すなわち、製造業者から)。ローディングユニットが発射させられた後、バットレス「B」付きかまたはバットレス「B」なしのさらなる未発射のローディングユニットが外科手術装置に装填され得る。特定の実施形態において、交換可能ローディングユニットは、キャリア80のサポートチャネルの中に挿入され得る取り外し可能カートリッジである。バットレスおよび解放アセンブリは取り外し可能カートリッジに事前装填され得、外科手術装置のユーザがアンビルアセンブリにバットレスを装填する手段が提供され得る。例えば、接着剤を有するバットレスが用いられ得る。アンビルアセンブリ20および/またはカートリッジアセンブリ18のための追加または交換のバットレス「B」は、必要に応じまたは所望により、アンビルアセンブリ20またはカートリッジアセンブリ18のいずれかに固定され得る。
【0084】
さらなる実施形態において、解放アセンブリは、縫合糸「S」を切断するように配置され得る。作動部材97上のカム表面97bは、縫合糸「S」の方にアンカバー95をカム作用するように配置され得る。縫合糸「S」に面するアンカバー97の表面は、鋭利な縁を含み得、駆動アセンブリによって作動させられた場合、縫合糸を切断し得る。
【0085】
ここで図15〜図25を見ると、外科手術ステープル留め装置10のための、本開示の別の実施形態に従うローディングユニットが全体的に116として示される。ローディングユニット116は、ローディングユニット16と実質的に類似しており、本明細書において、単に構造および動作における相違を識別するのに必要な程度まで詳細に考察される。
【0086】
図15〜図20に見られるように、ローディングユニット116のアンビルアセンブリ120は、アンビルプレート170とカバープレート172との間で遠位対の凹部170eと動作可能に整列される位置に配置される縫合糸解放アセンブリ174を含む。縫合糸解放アセンブリ174は、アンビルプレート170(図18に見られるように)に旋回可能に接続されるリンクアーム175、および/または任意選択でカバープレート172を含む。リンクアーム175は、本体部分175aを含み、本体部分175aは、リンクアーム175の第1の側面縁175bに形成されるポケットまたは凹部175cと、実質的にリンクアーム175の隣接する側面または近位縁に沿って規定されるカミング表面175dとを規定する。ポケット175cは、実質的に弓形、円形状の輪郭または丸くされた輪郭を有する。図18および図20に見られるように、リンクアーム175は、アンビルアセンブリ120にリンクアーム175を旋回可能に接続するために本体部分175aから延びる旋回ピン175eを含む。
【0087】
解放アセンブリ174は、リンクアーム175に旋回可能に接続され、アンビルプレート170とカバープレート172との間にスライド可能に配置されるプッシャバー177をさらに含む。プッシャバー177は、実質的に長方形の構成を有する本体部分177aと、本体部分177aの角から延び、実質的に円形状の構成または丸くされた構成を有するヘッド177bとを含む。プッシャバー177のヘッド177bは、リンクアーム175のポケット175cにおいて旋回可能接続および/または回転可能接続となるように構成されかつ寸法設定される。
【0088】
図19に見られるように、縫合糸解放アセンブリ174は、非作動構成を含み、この場合、プッシャバー177は、それと動作可能に整列している一対の遠位凹部170eのうちの1つの中に延びず、またはその上に重ならず、リンクアーム175の長手方向軸は、ローディングユニット116の長手方向軸と実質的に平行に向けられる。縫合糸解放アセンブリ174が、製造/アセンブリ工程の後、および外科手術ステープル留め装置の発射完了の前に、常時、ロック留め構成またはアンカ留め構成に縫合糸解放アセンブリ174を維持および/または保持する摩擦ばめ特徴またはスナップばめ特徴を含み得ることが企図されている。
【0089】
図20に見られるように、縫合糸解放アセンブリ174は、作動構成を含み、この場合、プッシャバー177は、それと動作可能に整列される一対の遠位凹部170eのうちの1つの中に延びるかまたはその上に重なり、リンクアーム175の長手方向軸は、ローディングユニット116の長手方向軸を実質的に横断する方向に向けられる。
【0090】
図15〜図20を参照すると、製造工程中、縫合糸解放アセンブリ174が非作動構成の状態で、外科手術アンビルバットレス(図示されていない)は、アンビルプレート170の組織接触表面の上に置かれる。次いで、外科手術縫合糸「S1」の第1の端部は、一対の遠位凹部170eのうちの一方の中に挿入され、外科手術縫合糸「S1」の第2の端部は、外科手術アンビルバットレス(図示されていない)を横切って延ばされ、一対の遠位凹部170eのもう一方の中に挿入される。一対の遠位凹部170eの各々がそこに配置される外科手術縫合糸「S1」を摩擦で把持するかまたは堅く締めるように開放端部のくびれスロットであることが企図されている。
【0091】
動作時において、外科手術ステープル留め装置の発射中、外科手術アンビルバットレス(図示されていない)がアンビルプレート170の下部表面に対して固定されている状態で、駆動アセンブリ150が前進させられると(すなわち、最近位位置から最遠位位置に動かされると)、ナイフブレード166は、近位縫合糸(図示されていない)の中央部を切り込み、それによって、アンビルアセンブリ120から外科手術アンビルバットレス(図示されていない)の近位端を自由にする。使用中、図20に見られるように、外科手術ステープル留め装置の発射動作が完了に近づき、駆動アセンブリ150がアンビルプレート170のナイフスロット170bの最遠位端に近づくと、駆動アセンブリ150は、リンクアーム175のカミング表面175dと接触し、従って、リンクアーム175が旋回ピンの周りを回転するかまたは旋回するように押し進め、次いでプッシャバー177がスロットの方向に並進するように押し進める。プッシャバー177が並進させられると、プッシャバー177は、縫合糸「S1」の第2の端部と接触し、それと整列される遠位端170eから縫合糸「S1」の第2の端部が出るように押し進める。外科手術縫合糸「S1」の第2の端部が遠位凹部170eから解放されるかまたは自由の状態で、外科手術アンビルバットレス「B1」の遠位端は、アンビルプレート170の組織接触表面から自由に分離する。
【0092】
図15、図16および図21〜図25に見られるように、ローディングユニット116のカートリッジアセンブリ118は、ステープルカートリッジ182の遠位端におよびその近くに支持されるカートリッジ解放アセンブリ194を含む。解放アセンブリ194は、リテイナ195を含み、リテイナ195は、長手方向スロット182cの遠位端の近くの位置でステープルカートリッジ182の遠位端に支持され、少なくとも部分的に長手方向スロット182cを横切って延びる。リテイナ195は、本体部分195aと、本体部分195aの表面から延びるボス195bとを含み、本体部分195aの表面に形成され、本体部分195aの側面を通って延びるチャネルまたは凹部195cを規定する。ステープルカートリッジ182に支持される場合、リテイナ195の凹部195cは、ステープルカートリッジ182の一対の遠位凹部182fのうちの1つと整列している。
【0093】
解放アセンブリ194は、リテイナ195のボス195bに旋回可能に接続されるヘッド部分196aを有するプッシャ部材196をさらに含む。プッシャ部材196は、ヘッド部分196aから延びる第1の脚部材196bと、一体丁番接続部196dを介して第1の脚部材196bの自由端部に接続される第2の脚部材196cとをさらに含む。プッシャ部材196は、一体丁番接続部196fを介して第2の脚部材196cの自由端部に接続されるピストン196eをさらに含む。ピストン196eは、リテイナ195の凹部195c内にスライド可能に配置され、並進可能である。特定の他の実施形態において、プッシャは、一方の端部においてカートリッジに旋回可能に接続される第1のリンクを有するリンケージアセンブリである。第1のリンクのもう一方の端部は、第2のリンクの第1の端部に旋回可能に接続される。第2のリンクの反対の第2の端部は、リテイナの凹部に制限される。
【0094】
図24に見られるように、解放アセンブリ194は、非作動構成を含み、この場合、ピストン196eは、一対の遠位凹部182fのうちのその1つの中に延びず、またはその上に重ならず、第1の脚部材196bおよび第2の脚部材196cは、互いに対して斜めに置かれ、ステープルカートリッジ182の長手方向スロット182cに沿って近位に突き出る。縫合糸解放アセンブリ194が、製造/アセンブリ工程の後、および外科手術ステープル留め装置の発射完了の前に、常時、ロック留め構成またはアンカ留め構成に縫合糸解放アセンブリ194を維持および/または保持する摩擦ばめ特徴またはスナップばめ特徴を含み得ることが企図されている。
【0095】
図25に見られるように、縫合糸解放アセンブリ194は、作動構成を含み、この場合、ピストン196eは、それと動作可能に整列される一対の遠位凹部182fのうちのその1つの中に延びるかまたはその上に重なり、第1の脚部材196bおよび第2の脚部材196cは、実質的に共通の軸に沿って延ばされる。
【0096】
図21〜図25を参照すると、製造工程中、縫合糸解放アセンブリ194が非作動構成の状態で、外科手術カートリッジバットレス(図示されていない)は、ステープルカートリッジ182の組織接触表面の上に置かれる。次いで、外科手術縫合糸「S3」の第1の端部は、一対の遠位凹部182fのうちの一方の中に挿入され、外科手術縫合糸「S3」の第2の端部は、外科手術カートリッジバットレスを横切って延ばされ、一対の遠位凹部182fのもう一方の中に挿入される。リテイナ195に隣接する少なくとも凹部182fがそこに配置される外科手術縫合糸「S3」を摩擦で把持するかまたは堅く締めるように開放端部のくびれスロットであることが企図されている。
【0097】
動作時において、外科手術ステープル留め装置10の発射中、外科手術カートリッジバットレス(図示されていない)がステープルカートリッジ182の組織接触表面に対して固定されている状態で、駆動アセンブリ150が前進させられると(すなわち、最近位位置から最遠位位置に動かされると)、ナイフブレード166は、近位縫合糸(図示されていない)の中央部を切り込み、それによって、ステープルカートリッジ182から外科手術カートリッジバットレスの近位端を自由にする。使用中、図25に見られるように、外科手術ステープル留め装置10の発射動作が完了に近づき、駆動アセンブリ150がステープルカートリッジ182の中央長手方向スロット182cの遠位端に近づくと、駆動アセンブリ150は、第1の脚部材196bと第2の脚部材196cとの間の一体丁番接続部196dと接触する。駆動アセンブリ150がさらに遠位に前進させられると、駆動アセンブリ150は、一体丁番接続部196dを押し付け、第1の脚部材196bおよび第2の脚部材196cに延びるようにする。第1の脚部材196bおよび第2の脚部材196cが延びると、ピストン196eは、リテイナ195の凹部195cを通って並進させられる。ピストン196eがリテイナ195の凹部195cを通って並進させられると、ピストン196eは、縫合糸「S3」の第2の端部を係合し、それと整列される遠位凹部182fから縫合糸「S3」が出るように押し進めて、遠位凹部182fから縫合糸「S3」の第2の端部を解放する。外科手術縫合糸「S3」の第2の端部が遠位凹部182fから解放されるかまたは自由の状態で、外科手術カートリッジバットレス「B」の遠位端は、ステープルカートリッジ182の組織接触表面から自由に分離する。
【0098】
ここで図26〜図29を見ると、外科手術ステープル留め装置10のための、本開示の別の実施形態に従うローディングユニットが全体的に216として示される。ローディングユニット216は、ローディングユニット16または116と実質的に類似しており、本明細書において、単に構造および動作における相違を識別するのに必要な程度まで詳細に考察される。
【0099】
図26〜図29に見られるように、ローディングユニット216のアンビルアセンブリ220は、アンビルプレート270とカバープレート272との間で遠位対の凹部270eと動作可能に整列される位置に配置される解放アセンブリ274を含む。解放アセンブリ274は、アンビルプレート270および/またはカバープレート272に旋回可能に接続されるカム275を含む。カム275は、本体部分275aを含み、本体部分275aは、卵形輪郭を有し、遠位対の凹部270eのうちの1つに動作可能に関連付けられているカム表面275bを規定する。カム275は、本体部分275aの横縁からある角度で突き出るフィンガまたはステム275cをさらに含む。
【0100】
解放アセンブリ274は、アンビルプレート270とカバープレート272との間にスライド可能に配置されるプッシャ277をさらに含む。図27〜図29に見られるように、プッシャ277は、アンビルプレート270aの長手方向スロット270b内にスライド可能に配置され得る。プッシャ277は、実質的に遠位方向に延びるカムアーム277aを含む。カムアーム277aは、カム275から延びるフィンガ275cを係合しかつ/またはフィンガ275cに作用するように構成され寸法設定される。
【0101】
図28に見られるように、縫合糸解放アセンブリ274は、非作動構成を含み、この場合、カム275の本体部分275aは、それと動作可能に整列される一対の遠位凹部270eのうちの1つの中に延びず、またはその上に重ならず、プッシャ277は、後退位置または非前進位置にある。図28に見られるように、プッシャ277のカムアーム277aは、フィンガ275cに隣接し、必ずしもそうとは限らないが、カム275のフィンガ275cと接触し得る。
【0102】
図29に見られるように、縫合糸解放アセンブリ274は、作動構成を含み、この場合、カム275の本体部分275aは、それと動作可能に整列される一対の遠位凹部270eのうちの1つの中に延びるかまたはその上に重なり、プッシャ277は、前進位置にある。図29に見られるように、プッシャ277が前進位置にある場合、プッシャ277のカムアーム277aは、カム275のフィンガ275cを係合して、カム275の本体部分275aを回転させる。
【0103】
動作時において、外科手術ステープル留め装置の発射中、外科手術アンビルバットレス(図示されていない)がアンビルプレート270の下部表面に対して固定されている状態で、駆動アセンブリ250がアンビルプレート270のナイフスロット270bの最遠位端に近づくと、駆動アセンブリ250は、プッシャ277と接触し、従ってプッシャ277を遠位に駆動する。プッシャ277が遠位に駆動されると、図28および図29に見られるように、プッシャ277のカムアーム277aは、カム275のフィンガ275cを係合して、カム275を回転させるかまたは旋回させる。カム275が回転させられると、カム275のカム表面275bは、縫合糸「S1」の第2の端部と接触し、それと整列される遠位端凹部270eから縫合糸「S1」の第2の端部が出るように押し進めて、遠位凹部270eから縫合糸「S1」の第2の端部を解放する。外科手術縫合糸「S1」の第2の端部が遠位凹部270eから解放されるかまたは自由の状態で、外科手術アンビルバットレスの遠位端は、アンビルプレート270の組織接触表面から自由に分離する。
【0104】
ここで図30〜図31を見ると、外科手術ステープル留め装置10のための、本開示の別の実施形態に従うローディングユニットが全体的に316として示される。ローディングユニット316は、ローディングユニット16、116または216と実質的に類似しており、本明細書において、単に構造および動作における相違を識別するのに必要な程度まで詳細に考察される。
【0105】
図30〜図31に見られるように、ローディングユニット316のアンビルアセンブリ320は、アンビルプレート370とカバープレートとの間で遠位対の凹部370eと動作可能に整列される位置に配置される解放アセンブリ374を含む。解放アセンブリ374は、アンビルプレート370a長手方向スロット370b内にスライド可能に配置される本体部分374aを含む。解放アセンブリ374は、本体部分374aの遠位表面に接続されるかまたはそこから延びるヘッド部分374bをさらに含む。ヘッド部分374bは、その側面縁に沿ってカム表面374cを規定し、カム表面374cは、アンビルプレート370aに形成される遠位対の凹部370eのうちの1つと動作可能に関連付けられるように構成されかつ寸法設定される。カム表面374cは、弓形、湾曲または正弦曲線の輪郭を有し得る。
【0106】
図30に見られるように、縫合糸解放アセンブリ374は、非作動構成を含み、この場合、本体部分374aは後退させられ、カム表面374cは、それと動作可能に整列される一対の遠位凹部370eのうちのその1つの中に延びず、またはそれを横切るように延びない。
【0107】
図31に見られるように、縫合糸解放アセンブリ374は、作動構成を含み、この場合、本体部分374aは、遠位に前進させられ、カム表面374cは、それと動作可能に整列される一対の遠位凹部370eのうちの1つの中に延びるかまたはその上に重なる。
【0108】
動作時において、外科手術ステープル留め装置の発射中、外科手術アンビルバットレス(図示されていない)がアンビルプレート370の下部表面に対して固定されている状態で、図30および図31に見られるように、駆動アセンブリ350がアンビルプレート370のナイフスロット370bの最遠位端に近づくと、駆動アセンブリ350は、解放アセンブリ374の本体部分374aと接触し、従ってヘッド部分374bを遠位に駆動する。ヘッド部分374bが遠位に駆動されると、カム表面374cは、縫合糸「S1」の第2の端部と接触し、それと整列される遠位端凹部370eから縫合糸「S1」の第2の端部が出るように押し進めて、遠位凹部370eから縫合糸「S1」の第2の端部を解放する。外科手術縫合糸「S10」の第2の端部が遠位凹部370eから解放されるかまたは自由の状態で、外科手術アンビルバットレスの遠位端は、アンビルプレート370の組織接触表面から自由に分離する。
【0109】
さらなる実施形態において、駆動ヘッド部分は、カム表面374cの代わりに鋭利な縁を含み得る。駆動ヘッド部分が遠位に動くと、縫合糸「S1」は、駆動ヘッド部分の鋭利な縁と遠位凹部370eの側面との間に捉えられ、縫合糸「S1」を切断する。
【0110】
ここで図32〜図38を見ると、外科手術ステープル留め装置10のための、本開示の別の実施形態に従うローディングユニットが全体的に416として示される。ローディングユニット416は、ローディングユニット16、116、216または316と実質的に類似しており、本明細書において、単に構造および動作における相違を識別するのに必要な程度まで詳細に考察される。
【0111】
図32〜図38に見られるように、ローディングユニット416のカートリッジアセンブリ418は、ステープルカートリッジ482の遠位端におよびその近くに支持されるカートリッジ解放アセンブリ494を含む。解放アセンブリ494は、リテイナ495を含み、リテイナ495は、長手方向スロット482cの遠位端の近くの位置でステープルカートリッジ482の遠位端に支持され、少なくとも部分的に長手方向スロット482cを横切って延びる。リテイナ495は、本体部分495aと、本体部分495aの表面から延びるボス495bとを含み、本体部分495aの表面に形成され本体部分495aの側面を通って延びるチャネルまたは凹部495cを規定する。リテイナ495の本体部分495aは、本体部分495aの向かい合う側面に形成されるスロット495dを規定し、スロット495dは、そこに縫合糸を受け取るように構成される。ステープルカートリッジ482に支持される場合、リテイナ495の凹部495cはステープルカートリッジ482の一対の遠位凹部482fのうちの1つと整列され、リテイナ495のスロット495dはステープルカートリッジ482の一対の遠位凹部482fと整列される(図32を参照されたい)。
【0112】
解放アセンブリ494は、リテイナ495のボス495bに旋回可能に接続されるヘッド部分496aを有するカム部材496をさらに含む。カム部材496は、ヘッド部分496aから延びる本体部分496bをさらに含む。本体部分496bは、第1のカム表面496cと、第2のカム表面496dとを規定し、それらのカム表面の各々は、カム部材496の回転軸に実質的に接して延びている。
【0113】
解放アセンブリ494は、リテイナ495のチャネル495c内にスライド可能に配置されるスレッド497をさらに含む。スレッド497は、本体部分497aを含み、本体部分は、カム部材496の第2のカム表面496dを動作可能に係合するように向けられるカム表面497bと、リテイナ495の凹部495cと整列されるステープルカートリッジ482の一対の遠位凹部482fのうちの1つと整列される側壁497cとを規定する。
【0114】
図37に見られるように、解放アセンブリ494は、非作動構成を含み、この場合、カム部材496の第1のカム表面496cはステープルカートリッジ482の長手方向スロット482cを横切って延び、スレッド497の側壁497cはそれと整列されるステープルカートリッジ482の一対の遠位凹部482fのうちの1つの中にまたはその上に延びず、カム部材496の第2のカム表面496dはスレッド497のカム表面497bと実質的に同一平面である。
【0115】
図38に見られるように、解放アセンブリ494は、作動構成を含み、この場合、カム部材496の第1のカム表面496cは実質的にステープルカートリッジ482の長手方向スロット482cを横切って延びず、スレッド497の側壁497cはそれと整列しているステープルカートリッジ482の一対の遠位凹部482fのうちの1つの中にまたはその上に延び、カム部材496の第2のカム表面496dはスレッド497のカム表面497bから間隔を空けて離れて置かれる。
【0116】
図32〜図38を参照すると、製造工程中、縫合糸解放アセンブリ494が非作動構成の状態で、外科手術カートリッジバットレス(図示されていない)は、ステープルカートリッジ482の組織接触表面の上に置かれる。次いで、外科手術縫合糸「S3」の第1の端部は、一対の遠位凹部482fのうちの一方の中に挿入され、外科手術縫合糸「S3」の第2の端部は、外科手術カートリッジバットレスを横切って延ばされ、一対の遠位凹部482fのもう一方の中に挿入される。側壁497cに隣接する少なくとも遠位凹部482fがそこに配置される外科手術縫合糸「S3」を摩擦で把持するかまたは堅く締めるように開放端部のくびれスロットであることが企図されている。
【0117】
動作時において、外科手術ステープル留め装置の発射中、外科手術カートリッジバットレス(図示されていない)がステープルカートリッジ482の組織接触表面に対して固定されている状態で、図38に見られるように、駆動アセンブリ450がステープルカートリッジ482の中央長手方向スロット482cの遠位端に近づくと、駆動アセンブリ450は、ステープルカートリッジ482の長手方向スロット482cを横切って延びるカム部材496の第2のカム表面496cと接触する。
【0118】
駆動アセンブリ450がさらに遠位に前進させられると、駆動アセンブリ450は、カム部材496の第1のカム表面496cを押し付け、カム部材496に回転させる。カム部材496が回転させられると、カム部材496の第2のカム表面496dはスレッド497のカム表面497bに接触しそれに対して押し付け、従ってスレッド497にリテイナ495の凹部495cにおいて並進させる。スレッド497が凹部495cを通って並進させられると、スレッド497の側壁497cは縫合糸「S3」の第2の端部を係合し、それと整列される遠位凹部482fから縫合糸「S3」が出るように押し進め、縫合糸「S3」の第2の端部を遠位凹部482fから解放する。外科手術縫合糸「S3」の第2の端部が遠位凹部482fから解放されるかまたは自由の状態で、外科手術カートリッジバットレスの遠位端は、ステープルカートリッジ482の組織接触表面から自由に分離する。
【0119】
ここで図39〜図44を見ると、別の実施形態に従う外科手術ステープル留め装置は、ハウジングと、ハウジングによって支持されるハンドルと、ハウジングから遠位に延びる細長い本体と、細長い本体の遠位端にツールアセンブリとを有する。ツールアセンブリは、複数の外科手術ファスナを有するカートリッジを含むカートリッジアセンブリと、カートリッジアセンブリと並列の関係にあるアンビルアセンブリとを有する。カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも一方は、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの他方に対して可動である。カートリッジアセンブリは組織接触表面を有し、アンビルアセンブリは組織接触表面を有する。アンビルアセンブリ520は、アンビルアセンブリ120と実質的に類似しており、本明細書において、単に構造および動作における相違を識別するのに必要な程度まで詳細に考察される。アンビルアセンブリ520はアンビルプレート570を有し、アンビルプレート570は、第1のアンカを受け取る一対の向かい合う遠位側面スロットと、第2のアンカを受け取る一対の向かい合う近位側面スロットとを規定する。バットレスは、アンビルアセンブリの組織接触表面に解放可能に固定される。駆動アセンブリは、近位位置から遠位位置にツールアセンブリを通ってスライド可能に並進可能である。ツールアセンブリは交換可能ローディングユニット116の一部を形成し得るか(図15〜図25を参照されたい)、または装置は交換可能ステープルカートリッジを含み得る。
【0120】
図39および図40に見られるように、アンビルアセンブリ520は、アンビルプレート570とカバープレート572との間でアンビルプレート570の遠位対の凹部570eと動作可能に整列される位置に配置される解放アセンブリ574を含む。解放アセンブリ574は、アンビルプレート570に旋回可能に接続されるリンクアーム575を含む。リンクアーム575は、本体部分575aを含み、本体部分575aは、その第1の側面縁575bに形成されるポケットまたは凹部575cと、実質的に本体部分575aの隣接する側面または近位縁に沿って規定されるカミング表面575dとを規定する。ポケット575cは、実質的に円形状の輪郭を有し、本体部分575aの側壁に規定される弓形リリーフ575eを規定する。
【0121】
解放アセンブリ574は、リンクアーム575に旋回可能に接続され、アンビルプレート570とカバープレート572との間にスライド可能に配置されるプッシャバー577をさらに含む。プッシャバー577は、実質的に長方形の構成を有する本体部分577aと、本体部分577aの角から延び、実質的に円形状または丸くされた構成を有するヘッド577bとを含む。プッシャバー577の本体部分577aは、アンビルプレート570の表面570fに対して重なり合うように構成される弓形の遠位表面または壁577cを規定する。プッシャバー577のヘッド577bは、リンクアーム575のポケット575c内に旋回可能および/または回転可能に接続するように構成されかつ寸法設定される。プッシャバー577のヘッド577bは、その側面縁からリンクアーム575のポケット575cの弓形リリーフ575eの中に突き出るストップ部材577dを含む。リンクアーム575に対するプッシャバー577の回転の相対距離は、弓形リリーフ575eの相対長さおよびストップ部材577dの相対幅によって決定される。
【0122】
ここで図41〜図46を見ると、本実施形態に従って、アンビルアセンブリ520は、アンビルプレート570の近位端の近くに形成され、各々1つが長手方向スロット570bの向かい合う側に配置される近位対の凹部570dを規定する。アンビルプレート570は、アンビルプレート570の遠位端の近くに形成され、各々1つが長手方向スロット570bの向かい合う側に配置される遠位対の凹部570eを規定する。一実施形態において、近位対の凹部570dおよび遠位対の凹部570eのうちの少なくとも1つは、キーホール形状のスロット/凹部の形式である。
【0123】
特に、図44に見られるように、近位対の凹部570dのうちの少なくとも1つは、均一幅の中央部分570dと、中央部分570dの一端部に配置され、アンビルプレート570の側面縁569を越えて外に開いている、拡張または拡幅の口部分570dと、中央部分570dの反対の端部に配置される拡大ヘッド部分570dとを規定する。凹部570dの中央部分570dは第1の幅W1を規定し、拡大ヘッド部分570dは第1の幅W1よりも大きい第2の幅W2を規定する。拡大ヘッド部分570dは、凹部の中央部分と連絡する、円形形状、または細長い形状、または長方形形状を有し得る。近位対の凹部570dのうちの1つまたは両方は、凹部(単数または複数)が側面縁と直角になるようにアンビルプレートの側面縁から延び得るか、または近位対の凹部570dのうちの1つまたは両方は、凹部(単数または複数)が側面縁に対して斜めに置かれるようにアンビルプレートの側面縁569から延び得る。拡大ヘッド部分570dの周りの領域は、リリーフ領域571である。
【0124】
図43に見られるように、遠位対の凹部570eのうちの少なくとも1つは、均一幅の中央部分570eと、中央部分570eの一端部に配置され、アンビルプレート570の側面縁569を越えて外に開いている、拡張または拡幅の口部分570eと、中央部分570eの反対の端部に配置される拡大ヘッド部分570eとを規定する。凹部570eの中央部分570eは第1の幅W1を規定し、拡大ヘッド部分570eは第1の幅W1よりも大きい第2の幅W2を規定する。拡大ヘッド部分570eは、凹部の中央部分と連絡する、円形形状、または細長い形状、または長方形形状を有し得る。近位対の凹部570eのうちの1つまたは両方は、凹部(単数または複数)が側面縁と直角になるようにアンビルプレートの側面縁569から延び得るか、または近位対の凹部570eのうちの1つまたは両方は、凹部(単数または複数)が側面縁に対して斜めに置かれるようにアンビルプレートの側面縁569から延び得る。拡大ヘッド部分570eの周りの領域は、リリーフ領域571である。
【0125】
この方法で、縫合糸は、近位対の凹部570dおよび遠位対の凹部570eの拡大ヘッド部分に置かれ、それらの幅減少部分は、縫合糸に対して外部の力が加えられることなしに縫合糸がスライディング/ウォーキングして凹部から出ることを阻止する。実施例として、幅W1が約0.009〜0.011インチであり、幅W2が約0.014〜0.016インチであり、縫合糸が約0.0165〜0.0185の直径を有することが想定される。選択される縫合糸または他のアンカのサイズに従って、他のサイズが企図されている。
【0126】
ここで図45および図46を見ると、アンビルアセンブリ520は、カバープレート572の遠位端の近くに形成されアンビルプレート570の遠位対の凹部570eと動作可能に整列され配置される遠位対の凹部572bを規定する。一実施形態において、カバープレート572の遠位対の凹部572bの各々の凹部のうちの少なくとも1つは、キーホール形状のスロット/凹部の形式である。他の実施形態において、カバープレート572の近位対の凹部のうちの少なくとも1つは、キーホール形状を有する。
【0127】
図46に見られるように、遠位対の凹部572bのうちの少なくとも1つは、均一幅の中央部分572bと、中央部分572bの一端部に配置されカバープレート572の側面縁を越えて外に開いている拡張または拡幅の口部分572bと、中央部分572bの反対の端部に配置される拡大ヘッド部分572bとを規定する。凹部572bの中央部分572bは第1の幅W1を規定し、拡大ヘッド部分572bは第1の幅W1よりも大きい第2の幅W2を規定する。拡大ヘッド部分572bの周りの領域は、凹部の周りのアンビルカバーの表面が段にされるようなリリーフ領域である。アンカまたは縫合糸が堅く締められた場合、堅く締められたスロットの縁はアンカまたは縫合糸を部分的に切断し、アンカまたは縫合糸にバーブ(barb)を形成する。これらのバーブは、アンカまたは縫合糸がスリップして凹部から出るのを防ぐことを助ける。さらなる実施形態において、アンビルアセンブリの近位端における一対の凹部のうちの1つまたは両方は、均一幅の中央部分と、カバープレート572の側面縁573において開いている拡幅の口部分と、拡大ヘッド部分とを含む。リリーフ領域575が、アンビルカバーの表面が段にされるように拡大ヘッド部分の周りに形成され得る。
【0128】
キーホール形状のスロットまたは凹部570d、570e、572bは、アンカの挿入および/または解放を容易にし、アンカは、上記に説明されたように、アンビルプレート70の凹部70d、70eおよびカバープレート72の凹部72bと比較して、そのスロットまたは凹部から縫合糸「S」(図示されてない)を含み得る。
【0129】
キーホール形状のスロットまたは凹部が本明細書に開示される任意のアンビルアセンブリおよび/またはカートリッジアセンブリに規定される任意の側面スロットの適切な位置に備え付けられ得ることがさらに企図されている。
【0130】
駆動アセンブリは、作動させられた場合、カートリッジアセンブリおよびアンビルプレートの長手方向スロットを通って近位位置から遠位位置にツールアセンブリを通って並進する。駆動アセンブリは解放アセンブリを作動させ、解放アセンブリはアンビルプレートの凹部の各々からアンカ/縫合糸を押し出す。一旦解放アセンブリが凹部の各々からアンカ/縫合糸を押し出すと、バットレスはアンビルアセンブリから自由になる。駆動アセンブリはまた、カートリッジアセンブリからバットレスおよび留められるべき組織を通してステープルなどの外科手術ファスナを発射し得る。バットレスは留められた組織と共にとどまり、一方、外科手術ステープル留め装置は外科手術部位から除去され得る。
【0131】
本開示のさらなる実施形態に従って、バットレス「B」がアンビルアセンブリおよび/またはカートリッジアセンブリの遠位および/または近位の凹部の中に挿入および/または受け取るためにバットレス「B」から延びる一体化したウィングまたはタブと共に提供されるかまたは形成され得ることが企図されている。縫合糸「S」がバットレス「B」に付着されるか、埋め込まれるかまたはさもなければ接続され得ることがさらに企図されている。
【0132】
本明細書に開示される外科手術ステープル留めデバイスと共に用いる例示的バットレス「B」は、同一出願人に譲渡された米国特許第5,542,594号、第5,908,427号、第5,964,774号、および第6,045,560号、ならびに2009年10月15日に出願され、同一出願人に譲渡された米国出願第12/579,605号(現在米国特許公開第2010/0092710号)、2005年9月30日に出願され、同一出願人に譲渡された米国出願第11/241,267号(現在米国特許公開第2006/0085034号)、ならびに2005年10月12出願された米国出願第11/248,846号(米国特許公開第2006/0135992号、現在米国特許第7,823,592号)に示されかつ説明され、これらの各々の内容全体が参照によって本明細書に援用される。
【0133】
外科手術バットレス「B」は、適切な生体適合性および生体吸収性材料から製作され得る。外科手術バットレス「B」は、流体を保持しない非吸収性材料から製作され得る。外科手術バットレス「B」は、GLYCOMER 631(ブロックコポリマー)から作られる「BIOSYN」、グリコリド、ジオキサノンおよび炭酸トリメチレンから成るシンセティックポリエステルから製作され得る。
【0134】
結果として生じるコポリマーの1ブロックは、p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)および炭酸トリメチレン(1,3−ジオキサン−2−オン)由来のランダムに化合した単位量を含む。コポリマーの第2のブロックは、グリコリドおよびp−ジオキサノン由来のランダムに化合した単位量を含む。結果として生じるポリエステルは、約60%グリコリド、約14%ジオキサノン、および約26%炭酸トリメチレンを有するABA取りブロックターポリマーである。
【0135】
本明細書に開示される実施形態に対して様々な改変がなされ得ることは理解される。例えば、ステープル留め装置は、ステープルを適用する必要はなく、むしろ当技術分野において公知であるように2部ファスナを適用し得る。さらに、ステープルまたはファスナの直線列の長さは、特定の外科手術処置の要件を満たすために改変され得る。従って作動シャフトの単一の動作の長さおよび/または使い捨てローディングユニット内のステープルおよび/またはファスナの直線列の長さは、それに応じて変更され得る。従って、上記の説明は限定することとして解釈されるべきではなく、単に好ましい実施形態の例証として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付された特許請求の範囲の範囲および精神内において他の改変を想定する。
【符号の説明】
【0136】
10 外科手術ステープル留め装置
12 ハンドルアセンブリ
14 細長い本体
16 ローディングユニット
17 ツールアセンブリ
18 カートリッジアセンブリ
20 アンビルアセンブリ
28 回転可能部材
50 駆動アセンブリ
70 アンビルプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
該ハウジングによって支持されているハンドルと、
該ハウジングから遠位に延びている細長い本体と、
該細長い本体の遠位端におけるツールアセンブリであって、該ツールアセンブリは、カートリッジを含むカートリッジアセンブリであって、該カートリッジは、該カートリッジの中に複数の外科手術ファスナを有する、カートリッジアセンブリと、該カートリッジアセンブリと並列の関係にあるアンビルアセンブリとを有し、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの少なくとも一方は、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの他方に対して可動であり、該カートリッジアセンブリは組織接触表面を有し、該アンビルアセンブリは組織接触表面を有し、該アンビルアセンブリは、
アンビルプレートであって、該アンビルプレートは、第1のアンカを受け取るための一対の向かい合う遠位側面凹部と、第2のアンカを受け取るための一対の向かい合う近位側面凹部とを規定し、該一対の遠位側面凹部および該一対の近位側面凹部のうちの少なくとも1つは、キーホール形状である、アンビルプレートを含む、ツールアセンブリと、
該第1のアンカおよび該第2のアンカによって該アンビルアセンブリの組織接触表面に解放可能に固定されている、バットレスと、
近位位置から遠位位置に該ツールアセンブリを通ってスライド可能に並進可能である駆動アセンブリと
を備えている、外科手術ステープル留め装置。
【請求項2】
前記アンビルアセンブリに関連付けられる解放アセンブリをさらに備えている、請求項1に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項3】
前記駆動アセンブリは、前記解放アセンブリを作動させて、それによって、前記第1のアンカおよび前記第2のアンカのうちの少なくとも1つを前記アンビルアセンブリから解放する、請求項2に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項4】
前記アンビルプレートおよび前記カートリッジアセンブリの各々は、細長い長手方向スロットを規定する、請求項1に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項5】
前記カートリッジアセンブリの組織接触表面に解放可能に固定されている別のバットレスをさらに備えている、請求項1に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項6】
前記別のバットレスは、少なくとも1つの第3のアンカによって解放可能に固定されている、請求項5に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項7】
前記アンビルアセンブリおよび前記カートリッジアセンブリの各々は、解放アセンブリを含む、請求項6に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項8】
前記第1のアンカおよび前記第2のアンカは、各々1本の縫合糸である、請求項1に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項9】
前記ツールアセンブリは、交換可能ローディングユニットの一部を形成している、請求項1に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項10】
ハウジングと、
該ハウジングによって支持されているハンドルと、
該ハウジングから遠位に延びている細長い本体と、
該細長い本体の遠位端におけるツールアセンブリであって、該ツールアセンブリは、カートリッジを含むカートリッジアセンブリであって、該カートリッジは、該カートリッジの中に複数の外科手術ファスナを有する、カートリッジアセンブリと、該カートリッジアセンブリと並列の関係にあるアンビルアセンブリとを有し、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの少なくとも一方は、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの他方に対して可動であり、該アンビルアセンブリは組織接触表面を有し、該カートリッジアセンブリは組織接触表面を有し、該アンビルアセンブリは、
アンビルプレートであって、該アンビルプレートは、第1のアンカを受け取る一対の向かい合う遠位側面凹部と、第2のアンカを受け取る一対の向かい合う近位側面凹部とを規定し、該一対の遠位側面凹部および該一対の近位側面凹部のうちの少なくとも1つは、中央部分と、該アンビルプレートの側面縁において開いている拡幅口部分と、拡大ヘッド部分とを有する、アンビルプレートを含む、ツールアセンブリと、
該第1のアンカおよび該第2のアンカによって該アンビルアセンブリの組織接触表面のうちの少なくとも1つに解放可能に固定されている、外科手術バットレスと、
近位位置から遠位位置に該ツールアセンブリを通ってスライド可能に並進可能である駆動アセンブリと
を備えている、外科手術ステープル留め装置。
【請求項11】
前記アンビルアセンブリに関連付けられている解放アセンブリをさらに備えている、請求項10に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項12】
前記駆動アセンブリは、前記解放アセンブリを作動させて、それによって、前記アンビルアセンブリから前記アンカを解放し前記外科手術バットレスを自由にする、請求項11に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項13】
前記アンビルプレートおよび前記カートリッジアセンブリの各々は、細長い長手方向スロットを規定する、請求項10に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項14】
前記カートリッジアセンブリの前記組織接触表面に解放可能に固定されている別のバットレスをさらに備えている、請求項10に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項15】
前記別のバットレスは、少なくとも1つの第3のアンカによって解放可能に固定されている、請求項14に記載の外科手術ステープル留め装置。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【公開番号】特開2012−232121(P2012−232121A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−98903(P2012−98903)
【出願日】平成24年4月24日(2012.4.24)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】