外科手術用のツールを誘導する画像を用いないロボット化された装置と方法
外科手術作業のできばえを改善するための外科手術用ツールをガイドする画像を用いないロボット化された装置が提供される。上記装置の使用方法は、ロボットアームにより解剖学上の目印を採集するステップと、目印データと幾何学上の計画パラメータを組み合わせて位置データを生成するステップと、ロボットアームに取り付けられたガイドツールを自動的に位置決めするステップとを含む。例えば、膝全置換手術においてこの装置は移植組織の取り付けの正確性を改善する。足固定装置に関する特定の実施例も開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット補助による外科手術システム及び方法の分野に関する。特に、本発明は、様々な外科手術的な応用における振動鋸刃もしくはドリルの機械的誘導に適用される。例えば、膝全置換手術において、本発明は、移植組織の取り付け精度及びその寿命を改善することによって信頼できる誘導システムを提供する。
【発明の背景】
【0002】
多様な専門分野(整形外科、神経外科、口腔外科、その他)における多くの外科手術の手順・処置は、正確な骨の切断と穴開けを必要とする。正確な骨の切断と穴開けを必要とする場合は、例えば、脊柱手術(ペディキュラースクリュープレイスメント(pedicular screw placement))または神経外科における膝回りの外科手術(膝関節形成、脛骨もしくは大腿骨の骨きり術及び、靱帯修復)の場合である。
【0003】
これらの手順・処置は、直接外科医もしくは基本的な機械的ガイドのどちらかにより位置決めと維持がなされる電動器具(外科用ドリル、振動鋸など)を使用して従来から実行されてきた。
【0004】
しかし、既存の技術が良好でかつ予知できる結果を保証しないことを示す多くの研究文献がある。それらは、切断及び穴開けをより正確に行うことがより良い手術後の結果につながることを示唆している。
【0005】
外科医の手術計画に完全に適合する外科手術の動きに関する改良されたシステム及び方法を提供することが望ましい。このような外科手術の動きの極めて大きな問題は、患者の体に対する切断もしくは穴開けの完全な位置決めとともに、切断もしくは穴開けの相対的な位置決めを行う必要があることである。
【0006】
人工膝関節置換術(Total knee replacement: TKR)は、正確な切断を必要とする外科手術の手順・処置の一例である。TKRでは、外科医が体の中心から見て遠い方の大腿骨と体の中心から見て近い方の脛骨を切除し、膝の機能性を正しく元に戻すためにそれらを補綴部品と取り替える。論題(これら)の部品(theses component)は、骨の物理的な軸に対して適切に配置(アライメント)されていなければならない。もしそうでなければ、膝の運動性が乏しくなるかまたは部品がゆるむこととなる。3本の軸(内反/外反、屈曲/伸展、内部/外部)に沿った方向及び、3本の軸(中央/側面、近い方/遠い方、前/後ろ)に沿った並進において、不整合(ミスアライメント)は、多くの異なる方法で起こり得る。現在、従来のTKRは、切断ブロック及び整列ロッドの複雑なジグシステムを用いている。外科医が、整列ロッドを予定された軸に沿った状態で切断ブロックを正しく配置することは難しい。
【0007】
論題(これら)の技術が満足するものではないという証拠が文献に存在する。 “人工膝関節全置換手術におけるナビゲーション:従来技術と比較したCTに基づく移植(Navigation in total-knee arthroplasty : CT-based implantation compared with the conventional technique.)”、Perlick L、その他、Acta Orthop Scand 2004、第4巻、pp 464-470、“人工膝関節全置換手術後の大きな犠牲をはらう673例のPFC部品配置に関する外科医の経験の結果(The effect of surgeon experience on component positioning in 673 PFC posterior cruciate-sacrificing total knee arthroplasties)”、Mahaluxmivala J、その他、J. Arthroplasty 2001、第5巻、pp 635-640、などの研究によれば、このような手術のほとんど3分の1は、調整の限度(理想的な手術後の足の軸からの3度内反側から3度外反側の間)を越えている。Perlick L.、その他による“人工膝関節全置換手術中の足のアライメント再構築における、画像に基づいたナビゲーションシステムの有用性(Usability of an image based navigation system in reconstruction of leg alignment in total knee arthroplasty)”、Biomed Tech、ベルリン、2003、第12巻、pp 339-343において、50例の膝に関する研究では、そのうち70パーセントだけが調整限度内であったことを発見した。従来の方法は、足の軸と移植組織の間で正しい調整を達成する際に外科医を補助するが、その結果は外科医の経験に大きく依存している。
【0008】
TKRの間、外科医を補助するためのいくつかの異なる方法が提案されてきた。ナビゲーションシステムは、追跡装置の空間位置の位置を見つける追跡システムに基づいている。追跡装置は、大腿骨、脛骨、切断ブロック及び、指示ツールのような機械的な装置に固定されている。外科医は、骨に対してツールの相対位置を視覚的に追うことができる。最初に、外科医は解剖学上の目印及び表面を追跡ポインターに登録して、運動学的な手順・処置によって股関節の中心を定義する。その後、ナビゲーションシステムは、異なる切断に対する骨の物理的な軸及び最適位置を計算することが可能である。外科医はピンをしっかりはめんだ後にナビゲーションシステムにより提供される視覚補助を用いて、切断ブロックを骨に取り付ける。このようなシステムの欠点は、それらの複雑さであり、長い作業時間が必要であり、実際の外科手術の動きの実現のための補助が足りないことである。外科医が固定ピンを埋め込むために、ナビゲーションシステムスクリーンから目を離すまさしくその瞬間に、切断ブロックの位置決め精度を大きく損なうこともあり得る。したがって、これらのナビゲーションシステムを使った方法は、依然として主に外科医の技術の依存している。
【0009】
自動化された(ロボティック)システムは、また、膝置換手術の間の骨切除を改善するために提案された。T. C. Kienzleは、“膝全置換(Total Knee Replacement)”IEEE Engineering in Medicine and Biology、第14巻、3号、1995-05-01において、調整されたロボットを使用するコンピューター補助の外科手術システムについて記述している。このシステムは、足のCTスキャンから得られた患者の骨の3次元モデルを表示するワークステーションと、補綴部品の配置を教示する修正された産業用ロボットを使用する。骨に取り付けられる基準マーカーの位置は、ロボット搭載フランジに取り付けられているプローブにより計測される。基準マーカーは、患者(ロボット参照フレーム)の位置に対する外科手術前の画像データ(CTスキャンフレーム)を登録することに役立つ。補綴部品の最適配置を計算した後に、ロボットは切断ブロックのための穴が配置されるところにドリルガイドを配置する。このシステムの主な欠点は、足のCTスキャンを行う前に、外科医が患者の大腿骨及び脛骨に侵襲ピン(invasive pin)を埋め込む外科手術準備手順・処置を行わなければならないことである。
【0010】
他の自動化された装置が、米国特許第5,403,319号に開示されている。この装置は、骨を固定する装置、産業用ロボット及びロボットが搭載されるフランジに取り付けられたテンプレートから成る。このテンプレートは、膝の補綴物の大腿骨部品の外面に対応する機能性のある内面を有する。第1の段階で、外科医はテンプレートを補綴物の所望の位置に置き、ロボットはその位置を登録する。第2の段階で、このシステムは各切断作業のための座標データを生成するために登録した位置を幾何学データベースと組み合わせる。その後、ロボットはツールガイドを位置決めして、各特定の作業のために完全調整(整列)させる。実際の外科手術作業は、ツールガイドによって外科医により実行される。このシステムの主な欠点の1つは、その精度が「外科医が、視覚的に補綴物を空間上の最適位置に決定する能力がある」というありそうもない仮説に依存するということである。実際的には、手術後の良い結果を得るのに十分な精度で補綴物テンプレートをフリーハンドで所定の位置に置くことは、熟練度した外科医にとってさえほとんど不可能である。著者は、切断ガイドマークの様ないくつかの初歩的な調整手段、例えば、切断ガイドマーク、アライメントタブ及びリファレンスロッドなどについて記述しており、それらが骨に対する補綴物の位置及び方向を評価するために使用できるかもしれないことを記述している。これらの手段は、従来の計測より正確性で劣る。したがって、このシステムは、確かに従来のジグシステムより正確ではない。他の主な欠点は、このシステムが移植組織部品のタイプ及びサイズ各々に対して1つの補綴テンプレートを必要とすることである。商業化されている補綴物には約100の異なるモデルがあり、かつ、各々のモデルに対し約5〜7サイズがあるので、このシステムによる方法は手術室の制約に適していないようである。
【0011】
人工膝関節置換術に対して、他の自動化されたシステムが提案されており、その多くが、患者の手術前の画像データを使用している。ROBODOC(登録商標)及びCASPAR(登録商標)の外科手術システムは、能動ロボットであり、自動的に骨を切断機かけ、外科手術の動きを自律的に実現している。Acrobot(登録商標)外科手術システムは、骨を切断機にかけている間に手術の補助を行う準能動ロボットである。これら全てのシステムは画像に基づいている。
【0012】
他の自動化されたシステムはナビゲーションシステムと組み合わせて提案される。例えばこれらのシステムは、PRAXIM社のPraxiteles(登録商標)装置、Precision Implan社のGalileo(登録商標)システム及びMedacta International (登録商標)社のGP system(登録商標)である。全てのこれらのシステムでは、大きな切り込みを必要として、骨に搭載され、ナビゲーションシステムなしでは動作しない。
【0013】
他の膝周りの外科手術、例えば脛骨骨きり術及び靱帯修復は、TKRと同じ問題を共有している。この問題とは正確な切断または穴開けが、膝の機能性を元に戻すために必要とされていることである。例えば脛骨骨きり術において、ボーンウェッジ(bone wedge)は、骨の軸を変えるために脛骨から除去される。角度の訂正は、手術前のX線写真により決定される。TKRでは、従来の方法は、非常に基本的な機械的なガイドから成っていた。正確な骨の切断には補助の必要性がある。
【発明の開示】
【0014】
本発明は、ロボットアームに取り付けられるガイドを正確に配置することによって、外科手術用のツール誘導に関する画像を用いないシステムと方法を提供する。このガイドは一般的に、膝置換手術における切断ガイドであり、振動鋸のガイドに使用される。
【0015】
外科手術用のツールの誘導を行う画像を用いないシステムを使用する方法は、ロボットアームで解剖学上の目印を採集することと、位置データを生成するために目印データを幾何学計画パラメータと組み合わせることと、ロボットアームに取付けられたツールガイドを自動的に配置することから成る。
【0016】
1つの好適な実施例において、上記装置は、切断または穴開けガイドの最適な位置決めのために使用されるロボット化された外科手術用装置である。
【0017】
このロボット化された装置は、特殊な固定装置によって、動かないように手術台に取り付けられる。
【0018】
好ましくは、ロボットアームは、少なくとも6自由度を有し、切断及び/もしくは穴開けのガイド及び/もしくは指示ツールを支持することができる。同じ器具・部品・要素を、指示及びガイドの両方に使うことができる。
【0019】
このロボット化された装置は、切断もしくは穴開けが実行されなければならない場所にガイドを正確に配置する。骨の切断もしくは穴開けは、振動鋸もしくは外科手術用ドリルを使う外科医によって、このガイドを通して行われる。
【0020】
1つの好適な実施例において、ロボットアームは力センサを有し、協調・協同(働)モードで動作することができる。協調・協同(働)モードでは、ユーザはロボットの最終部を把持して手動で動かすことができる。
【0021】
他の好適な実施例において、協調・協同(働)モードにおけるガイドの動きは、切断ガイドに対する平面もしくは穴開けガイドに対する軸のどちらかに制限され得る。
【0022】
他の好適な実施例において、上記で簡単に触れたようなシステムはディスプレイモニタを含み、上記ディスプレイモニタには、ユーザから計画パラメータを受け取るためのユーザコミュニケーションインタフェースを備えている。
【0023】
解剖学上の目印データと計画パラメータは、ガイドの最適な位置を定義するために組み合わされる。例えば、TKRにおいて、大腿骨の構成部分の内部回転は、移植組織の位置決めの計画パラメータである。ユーザコミュニケーションインタフェースは、例えば、キーボード、タッチスクリーン及び/もしくはマウスであってもよい。
【0024】
他の実施例では、上記装置は外科手術用のナビゲーションシステムとのインタフェースをも含む。外科手術用のナビゲーションシステムは、外科手術前の骨(CTスキャン、X線写真、など)の画像に基づいて、もしくは手術中のデータに基づいて動作することが可能である。その外科手術用のナビゲーションシステムにより提供されるデータは、ガイドの位置データを生成するために用いられる。この場合、ナビゲーションシステムの使用は、ロボットが解剖学上の目印を集めるステップを補う。データは、あらかじめ定義されたプロトコルに基づいて通信インタフェースを通してナビゲーションシステムから提供される。本発明のロボット化された装置自体は、外科手術用のナビゲーションシステムによって実現する外科手術の計画を正確に行うための周辺機器である。
【0025】
好ましくは、上記のガイドツールは、有効な誘導を維持しつつ振動鋸に対する接触と摩擦を減らすための制限された表面を含んでいる。
【0026】
他の好適な実施例において、ロボット化された装置は、2つの高さで足を固定することを確実にすることができる足固定装置を含む。すなわちロボットかされた装置は、この足固定装置は、歯を有するラックにより足首の高さで足を固定するか、大腿骨もしくは脛骨の骨端にネジ止めされた2本のピンにより膝の高さで足を固定する。
【0027】
足の固定を行うこれらの手段は、解剖学上の目印の採集及び骨の切断もしくは穴開けの手順・処置を行うステップの間、足の固定を確実にする。
【0028】
本発明の他の効果、目的及び特徴は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0029】
本発明の本質、目的及び機能をより良く理解するために、添付図面に基づいて以下の詳細な記述を参照するべきである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1を参照すると、本発明の好適な実施例はロボット化された装置100を有し、以下の構成要素を含むことが分かる。ロボット化された装置100は、可動ベース110、ロボットアーム120、可動ベース内にある制御装置130を含む。上記制御装置130は、ロボットアーム120を制御して、制御装置130により外科医は、タッチスクリーン、マウス、ジョイスティック、キーボード等の上記インタフェース150の使用によりデータを入力できる。さらに、ロボット化された装置100は、ディスプレイモニタ140、ロボットアーム取り付けフランジに取付けられたツール190、力センサ180及びロボット化された装置100を手術台(図示せず)に取り付ける特定の固定装置170をも含む。
【0031】
可動ベース110は、可動ベース110が有する車輪及びハンドルによりロボット化された装置100の簡単な取り扱いを確実にする。好ましくは、可動ベース110は固定パッドまたはその等価物を備えている。
【0032】
ロボットアーム120は6関節アームである。各関節はその角度の値を計るエンコーダを備えている。これらのデータは既知の6関節の幾何図形的配置と組み合わされ、ロボットアーム取り付けフランジの位置を計算したり、ロボットアームに取り付けられたツールの位置を計算したりできる。上記ツールは、指示ツール、ガイドツールもしくは指示及びガイドツールのどちらかである。
【0033】
図2Aは指示ツール190を示している。指示ツール190は、ベースプレート200、ハンドル210及び指示球220から成る。
【0034】
図2Bは切断ガイドを示している。切断ガイドは、ベースプレート230、ハンドル240及び鋸刃をガイドするスリット250から成る。
【0035】
図2Cは指示及びガイドツールを示している。指示及びガイドツールは、ベースプレート260、ハンドル270、鋸刃をガイドするスリット290及び指示球290から成る。
【0036】
図2A から2Cまでに示されている上記ツールは、指示及び/またはガイドツールの3つの例を示しており、上記ツールは図1に示された装置で利用できる。
【0037】
好ましくは、ロボットアーム120は、特定のベース固定装置によって動かないように手術台に取り付けられる。
【0038】
図3に示されるように、ベース固定装置は手術台レール310及びU字状棒材320に適合する2組のクランプ300を含む。ユーザはまず一方のクランプ300を手術台レール310上に設け、他方のクランプを可動ベースのレール330上に設ける。クランプが適当なところにあるとき、ユーザはクランプの円筒穴にU字状棒材を挿入して、クランプを所定の位置に固定(ロック)し、ノブを使ってU字状棒材をクランプ内に固定(ロック)する。
【0039】
本発明の好適な実施例において、上記システムは、処置の間、足が動かないことを確実にする足固定装置(図4A、4B、4C及び4Dを参照のこと)を含む。この足固定装置は2つの高さで足を固定することができる。一つは足首の高さであり、歯があるラック(図4D)により足を固定し、もう一つは膝の高さであり、大腿骨もしくは脛骨の骨端(図4C)にネジ止めされた2本のピンにより膝の高さで足を固定する。
【0040】
図4Bは足固定装置のメインプレート400を示す。メインプレート400は、2つのクランプ300により手術台に固定されている。膝固定部410及び足首固定部420は、メインプレート400に沿って摺動することができて、ネジによって所定の位置に固定できる。
【0041】
図4Cは患者の膝の高さで足を固定する手段の正面図である。サポート棒440上に膝を乗せる。骨は膝置換術において曝されるので、2本のピン430は大腿骨の骨端と、脛骨の骨端のどちらかにネジ止め(螺合)される。サポート棒440の位置は、垂直に調整されることができて、2つのノブにより固定することが可能である。方向は、主軸450まわりに回転することにより0度から90度まで調整可能であり、1つのノブで固定することが可能である。システム全体はプレートに沿って摺動することができる。
【0042】
図4Dは患者の足首の高さで足を固定する手段を示している。足をブーツ460に固定するために患者の足及び足首は、外科手術用テープもしくは他の無菌の手段により動かないように固定される。ブーツ460は運搬台470に留めることができ、この運搬台470はメインプレート400に沿って摺動し、所定の位置にノブにより固定することができる。
【0043】
足固定装置(足首部分及び膝部分)の両方の部分が独立しているが、処置手順・処置の間、組合わされて下肢の固定を保証するために使われる。
【0044】
本発明の好適な実施例において、制御装置130はロボットアーム120を協調・協同(働)モードに設定することができる。協調・協同(働)モードでは、ユーザがロボットアーム120の最終的な部分を把持して、手動でロボットアーム120を動かすことが可能である。図5を参照すると、本発明のシステムは、ロボットアーム取り付けフランジ125に取付けられた力センサ180を含んでいる。力センサ180は指示ツール190のようなツールを支持することができる。ユーザがツールを把持して、ある方向にそれを移動しようとするとき、制御装置130は、力センサ180によって計測される作用力を感知して、それらをロボットアーム120の位置と組み合わせてユーザが望む動きを生成する。
【0045】
ロボット化された装置が手術台に一旦固定されると、手順・処置の最初のステップは患者の解剖学上の目印を集めることである。これらの解剖学上の目印は、外科医によって知られている。例えば、TKRの手順・処置では、脛骨上では(については)、脛骨の結節の内部、脊柱の中央及び脛骨の平坦部が集められ、大腿骨上では(については)ノッチ(notch)の中間点、関節丘の体の中心から見て遠い方と関節球の後端及び前方の外皮が集められる。図6は、患者の位置と、TKRの手順・処置における目印採集ステップを初めるときのロボット化された装置100の位置を示している。
【0046】
目印採集ステップの間、制御装置130がロボットアーム120を協調・協同(働)モードに設定して、ディスプレイモニタ140を介して、採集すべき目印を示す。外科医は要求されている解剖学上の目印と接するまで指示ツール190を動かして、点座標の取得をユーザインタフェース150を使用して確認する。そして制御装置130は点座標と解剖学上の重要性を記憶する。
【0047】
目印採集ステップの後、外科医はユーザインタフェース150を用いて計画パラメータを入力する。例えば、TKRの手順・処置では、外科医は補綴部品のモデル及びサイズを選んで、大腿骨及び脛骨の物理的な軸に対して、補綴部品の位置及び方向を決める。典型的な幾何学パラメータは、脛骨に関する内反/外反の角度、後端部の傾斜、脛骨の切除の厚さであり、大腿骨に関する内反/外反の角度、屈曲/伸展の角度、外部の回転及び大腿骨の切除の厚さである。
【0048】
本発明の他の実施例において、制御装置130はデータ演算処理インタフェースを含む。このデータ演算処理インタフェースは、このシステムが、ナビゲーションシステムのような、他のコンピューター補助外科手術システムに接続することを可能にする。ナビゲーションシステムは、手術前の骨の画像(CTスキャン、X線、蛍光透視法、その他)または手術中のデータとともに動作する。後者の場合、骨のデジタル化に基づいた3次元再構築アルゴリズムを使用する。ナビゲーションシステムにより得られたデータは、目印採集ステップのデータと置き換わるかまたは組み合わされる。ガイドツールの位置は、ナビゲーションシステムによって得られ、所定の通信プロトコルに従ってロボット化された装置に送られてもよい。
【0049】
要求されたガイド位置が一旦得られると、ユーザはガイドツールをロボットアームに取り付ける。好ましくは、指示及びガイドツールが使用され、その結果、ユーザは目印採集ステップと切断もしくは穴開けステップの間にツールを変える必要はない。
【0050】
ロボット化された装置100は、外科医の計画に応じて、患者の組織に対して正確にガイドを整列させる。ガイドツールが鋸刃のための切断ガイドである場合、ロボットアーム120は選択された切断面にガイドツールを維持する。ガイドツールが穴開けガイドである場合、ロボットアーム120は選択された穴開け軸に沿ってガイドツールを保持する。
【0051】
本発明の好適な実施例において、ガイドの動きを平面内に制限するために、平面協調・協同(働)モードは、ユーザによって作動される。同様に、軸協調・協同(働)モードは、軸に沿ったガイドの動きを制限する。制御装置130が平面もしくは軸に対してロボットアームの動きを制限するとき、ユーザは、ユーザ(彼/彼女)が最適位置であると見積もるところへガイドツールを動かす。一旦この最適位置に届くと、制御装置130は所定の位置にガイドツールを保持するロボットアーム120を止める。骨の切断もしくは穴開けのような外科手術作業は、ガイドを介して従来の器具(振動鋸もしくは外科手術用ドリル)を使用する外科医によって実行される。
【0052】
TKRの手順・処置において、同じガイドツールは、脛骨の切断及び大腿骨の5カ所の切断のために使用される。脛骨骨きり術の手順・処置では、同じガイドツールが、両方の脛骨切断のために使用される。
【0053】
図7を参照すると、制御装置130は、制御ソフトウェア132を実行させており、データを制御装置130とロボット化された装置の要素との間で交換している。ソフトウェアは、ユーザインタフェース150及びディスプレイモニタ140を介してユーザと通信する。ソフトウェアは、上記したようにデータ処理インタフェースを通して、他のコンピューター補助外科手術システムと通信する。ソフトウェアは、ユーザによってかけられた作用力をロボットアームに取り付けられたツールの位置で定期的に計るために力センサ180と通信する。ソフトウェアは、ロボットアーム120の位置を制御するためにロボットアーム120と通信する。
【0054】
制御ソフトウェア132は、5つの独立モジュール134−138までから成る。好ましくは、これらのモジュールは、同時にリアルタイム環境下において動作して、制御ソフトウェアの多様な作業に対する良好な管理を保証にするために共有メモリを使用する。これらのモジュールは異なる優先度を有する。そして、安全モジュール134が最も高い優先度を有する。
【0055】
安全モジュール134はシステム状況を監視して、危険な状態が検出されると(非常停止、ソフトウェアの機能不全、障害物との衝突、その他)、ロボットアーム120を停止する。
【0056】
インタフェースモジュール135は、ユーザインタフェース150及びディスプレイスクリーン140を介して外科医と制御ソフトウェアの間の通信を管理する。ディスプレイスクリーン140は、手順・処置の異なったステップを通してユーザを誘導するグラフィカルインタフェースを表示する。ユーザインタフェース150は、手順・処置(目印採集を確認すること、計画パラメータを定義すること、必要な場合ロボットアームを停止すること、その他)の間、ユーザが常時制御することを可能にする。
【0057】
力モジュール136は力センサ180によって計測される力及びトルクを監視する。力モジュールは障害物との衝突を検出して、安全モジュールに警告することが可能である。
【0058】
制御モジュール137はロボットアーム120との通信を管理する。制御モジュール137は各関節のデータエンコーダ値を受信して位置命令を送る。
【0059】
計算モジュール138は手順・処置に必要な全ての計算を行う。例えば、TKRの手順・処置では、計算モジュール138は、解剖学上の目印データと統計的なデータを組み合わせて骨の物理的な軸を再構築する。計算モジュール138はまた、運動学または逆運動学を使用してロボットアーム120の軌道を定義する。
【0060】
本発明は上記された内容に制限されない。多様な変形が本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなされる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明のシステムの概要を示す図であり、可動ベース、力センサを備えツールが取り付けられたロボットアーム及びディスプレイモニタを示している。
【図2A】指示ツールの斜視図である。
【図2B】ガイドツールの斜視図である。
【図2C】指示及びガイドツールの斜視図である。
【図3】手術台に可動ベースを動かないように固定するための固定装置の斜視図である。
【図4A】足が動かないように手術台に保持する足固定装置の斜視図である。
【図4B】図4Aに示されている足固定装置プレートの斜視図である。
【図4C】図4Aに示されている足固定装置の膝部分の斜視図である。
【図4D】図4Aに示されている足固定装置の足首部分の斜視図である。
【図5】指示ツール、力センサ、ロボットアーム取り付けフランジの分解図である。
【図6】手術台に載った患者を含む本発明のシステムの概要を示す。
【図7】制御ソフトウェアの種々のモジュールを示しているブロック図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット補助による外科手術システム及び方法の分野に関する。特に、本発明は、様々な外科手術的な応用における振動鋸刃もしくはドリルの機械的誘導に適用される。例えば、膝全置換手術において、本発明は、移植組織の取り付け精度及びその寿命を改善することによって信頼できる誘導システムを提供する。
【発明の背景】
【0002】
多様な専門分野(整形外科、神経外科、口腔外科、その他)における多くの外科手術の手順・処置は、正確な骨の切断と穴開けを必要とする。正確な骨の切断と穴開けを必要とする場合は、例えば、脊柱手術(ペディキュラースクリュープレイスメント(pedicular screw placement))または神経外科における膝回りの外科手術(膝関節形成、脛骨もしくは大腿骨の骨きり術及び、靱帯修復)の場合である。
【0003】
これらの手順・処置は、直接外科医もしくは基本的な機械的ガイドのどちらかにより位置決めと維持がなされる電動器具(外科用ドリル、振動鋸など)を使用して従来から実行されてきた。
【0004】
しかし、既存の技術が良好でかつ予知できる結果を保証しないことを示す多くの研究文献がある。それらは、切断及び穴開けをより正確に行うことがより良い手術後の結果につながることを示唆している。
【0005】
外科医の手術計画に完全に適合する外科手術の動きに関する改良されたシステム及び方法を提供することが望ましい。このような外科手術の動きの極めて大きな問題は、患者の体に対する切断もしくは穴開けの完全な位置決めとともに、切断もしくは穴開けの相対的な位置決めを行う必要があることである。
【0006】
人工膝関節置換術(Total knee replacement: TKR)は、正確な切断を必要とする外科手術の手順・処置の一例である。TKRでは、外科医が体の中心から見て遠い方の大腿骨と体の中心から見て近い方の脛骨を切除し、膝の機能性を正しく元に戻すためにそれらを補綴部品と取り替える。論題(これら)の部品(theses component)は、骨の物理的な軸に対して適切に配置(アライメント)されていなければならない。もしそうでなければ、膝の運動性が乏しくなるかまたは部品がゆるむこととなる。3本の軸(内反/外反、屈曲/伸展、内部/外部)に沿った方向及び、3本の軸(中央/側面、近い方/遠い方、前/後ろ)に沿った並進において、不整合(ミスアライメント)は、多くの異なる方法で起こり得る。現在、従来のTKRは、切断ブロック及び整列ロッドの複雑なジグシステムを用いている。外科医が、整列ロッドを予定された軸に沿った状態で切断ブロックを正しく配置することは難しい。
【0007】
論題(これら)の技術が満足するものではないという証拠が文献に存在する。 “人工膝関節全置換手術におけるナビゲーション:従来技術と比較したCTに基づく移植(Navigation in total-knee arthroplasty : CT-based implantation compared with the conventional technique.)”、Perlick L、その他、Acta Orthop Scand 2004、第4巻、pp 464-470、“人工膝関節全置換手術後の大きな犠牲をはらう673例のPFC部品配置に関する外科医の経験の結果(The effect of surgeon experience on component positioning in 673 PFC posterior cruciate-sacrificing total knee arthroplasties)”、Mahaluxmivala J、その他、J. Arthroplasty 2001、第5巻、pp 635-640、などの研究によれば、このような手術のほとんど3分の1は、調整の限度(理想的な手術後の足の軸からの3度内反側から3度外反側の間)を越えている。Perlick L.、その他による“人工膝関節全置換手術中の足のアライメント再構築における、画像に基づいたナビゲーションシステムの有用性(Usability of an image based navigation system in reconstruction of leg alignment in total knee arthroplasty)”、Biomed Tech、ベルリン、2003、第12巻、pp 339-343において、50例の膝に関する研究では、そのうち70パーセントだけが調整限度内であったことを発見した。従来の方法は、足の軸と移植組織の間で正しい調整を達成する際に外科医を補助するが、その結果は外科医の経験に大きく依存している。
【0008】
TKRの間、外科医を補助するためのいくつかの異なる方法が提案されてきた。ナビゲーションシステムは、追跡装置の空間位置の位置を見つける追跡システムに基づいている。追跡装置は、大腿骨、脛骨、切断ブロック及び、指示ツールのような機械的な装置に固定されている。外科医は、骨に対してツールの相対位置を視覚的に追うことができる。最初に、外科医は解剖学上の目印及び表面を追跡ポインターに登録して、運動学的な手順・処置によって股関節の中心を定義する。その後、ナビゲーションシステムは、異なる切断に対する骨の物理的な軸及び最適位置を計算することが可能である。外科医はピンをしっかりはめんだ後にナビゲーションシステムにより提供される視覚補助を用いて、切断ブロックを骨に取り付ける。このようなシステムの欠点は、それらの複雑さであり、長い作業時間が必要であり、実際の外科手術の動きの実現のための補助が足りないことである。外科医が固定ピンを埋め込むために、ナビゲーションシステムスクリーンから目を離すまさしくその瞬間に、切断ブロックの位置決め精度を大きく損なうこともあり得る。したがって、これらのナビゲーションシステムを使った方法は、依然として主に外科医の技術の依存している。
【0009】
自動化された(ロボティック)システムは、また、膝置換手術の間の骨切除を改善するために提案された。T. C. Kienzleは、“膝全置換(Total Knee Replacement)”IEEE Engineering in Medicine and Biology、第14巻、3号、1995-05-01において、調整されたロボットを使用するコンピューター補助の外科手術システムについて記述している。このシステムは、足のCTスキャンから得られた患者の骨の3次元モデルを表示するワークステーションと、補綴部品の配置を教示する修正された産業用ロボットを使用する。骨に取り付けられる基準マーカーの位置は、ロボット搭載フランジに取り付けられているプローブにより計測される。基準マーカーは、患者(ロボット参照フレーム)の位置に対する外科手術前の画像データ(CTスキャンフレーム)を登録することに役立つ。補綴部品の最適配置を計算した後に、ロボットは切断ブロックのための穴が配置されるところにドリルガイドを配置する。このシステムの主な欠点は、足のCTスキャンを行う前に、外科医が患者の大腿骨及び脛骨に侵襲ピン(invasive pin)を埋め込む外科手術準備手順・処置を行わなければならないことである。
【0010】
他の自動化された装置が、米国特許第5,403,319号に開示されている。この装置は、骨を固定する装置、産業用ロボット及びロボットが搭載されるフランジに取り付けられたテンプレートから成る。このテンプレートは、膝の補綴物の大腿骨部品の外面に対応する機能性のある内面を有する。第1の段階で、外科医はテンプレートを補綴物の所望の位置に置き、ロボットはその位置を登録する。第2の段階で、このシステムは各切断作業のための座標データを生成するために登録した位置を幾何学データベースと組み合わせる。その後、ロボットはツールガイドを位置決めして、各特定の作業のために完全調整(整列)させる。実際の外科手術作業は、ツールガイドによって外科医により実行される。このシステムの主な欠点の1つは、その精度が「外科医が、視覚的に補綴物を空間上の最適位置に決定する能力がある」というありそうもない仮説に依存するということである。実際的には、手術後の良い結果を得るのに十分な精度で補綴物テンプレートをフリーハンドで所定の位置に置くことは、熟練度した外科医にとってさえほとんど不可能である。著者は、切断ガイドマークの様ないくつかの初歩的な調整手段、例えば、切断ガイドマーク、アライメントタブ及びリファレンスロッドなどについて記述しており、それらが骨に対する補綴物の位置及び方向を評価するために使用できるかもしれないことを記述している。これらの手段は、従来の計測より正確性で劣る。したがって、このシステムは、確かに従来のジグシステムより正確ではない。他の主な欠点は、このシステムが移植組織部品のタイプ及びサイズ各々に対して1つの補綴テンプレートを必要とすることである。商業化されている補綴物には約100の異なるモデルがあり、かつ、各々のモデルに対し約5〜7サイズがあるので、このシステムによる方法は手術室の制約に適していないようである。
【0011】
人工膝関節置換術に対して、他の自動化されたシステムが提案されており、その多くが、患者の手術前の画像データを使用している。ROBODOC(登録商標)及びCASPAR(登録商標)の外科手術システムは、能動ロボットであり、自動的に骨を切断機かけ、外科手術の動きを自律的に実現している。Acrobot(登録商標)外科手術システムは、骨を切断機にかけている間に手術の補助を行う準能動ロボットである。これら全てのシステムは画像に基づいている。
【0012】
他の自動化されたシステムはナビゲーションシステムと組み合わせて提案される。例えばこれらのシステムは、PRAXIM社のPraxiteles(登録商標)装置、Precision Implan社のGalileo(登録商標)システム及びMedacta International (登録商標)社のGP system(登録商標)である。全てのこれらのシステムでは、大きな切り込みを必要として、骨に搭載され、ナビゲーションシステムなしでは動作しない。
【0013】
他の膝周りの外科手術、例えば脛骨骨きり術及び靱帯修復は、TKRと同じ問題を共有している。この問題とは正確な切断または穴開けが、膝の機能性を元に戻すために必要とされていることである。例えば脛骨骨きり術において、ボーンウェッジ(bone wedge)は、骨の軸を変えるために脛骨から除去される。角度の訂正は、手術前のX線写真により決定される。TKRでは、従来の方法は、非常に基本的な機械的なガイドから成っていた。正確な骨の切断には補助の必要性がある。
【発明の開示】
【0014】
本発明は、ロボットアームに取り付けられるガイドを正確に配置することによって、外科手術用のツール誘導に関する画像を用いないシステムと方法を提供する。このガイドは一般的に、膝置換手術における切断ガイドであり、振動鋸のガイドに使用される。
【0015】
外科手術用のツールの誘導を行う画像を用いないシステムを使用する方法は、ロボットアームで解剖学上の目印を採集することと、位置データを生成するために目印データを幾何学計画パラメータと組み合わせることと、ロボットアームに取付けられたツールガイドを自動的に配置することから成る。
【0016】
1つの好適な実施例において、上記装置は、切断または穴開けガイドの最適な位置決めのために使用されるロボット化された外科手術用装置である。
【0017】
このロボット化された装置は、特殊な固定装置によって、動かないように手術台に取り付けられる。
【0018】
好ましくは、ロボットアームは、少なくとも6自由度を有し、切断及び/もしくは穴開けのガイド及び/もしくは指示ツールを支持することができる。同じ器具・部品・要素を、指示及びガイドの両方に使うことができる。
【0019】
このロボット化された装置は、切断もしくは穴開けが実行されなければならない場所にガイドを正確に配置する。骨の切断もしくは穴開けは、振動鋸もしくは外科手術用ドリルを使う外科医によって、このガイドを通して行われる。
【0020】
1つの好適な実施例において、ロボットアームは力センサを有し、協調・協同(働)モードで動作することができる。協調・協同(働)モードでは、ユーザはロボットの最終部を把持して手動で動かすことができる。
【0021】
他の好適な実施例において、協調・協同(働)モードにおけるガイドの動きは、切断ガイドに対する平面もしくは穴開けガイドに対する軸のどちらかに制限され得る。
【0022】
他の好適な実施例において、上記で簡単に触れたようなシステムはディスプレイモニタを含み、上記ディスプレイモニタには、ユーザから計画パラメータを受け取るためのユーザコミュニケーションインタフェースを備えている。
【0023】
解剖学上の目印データと計画パラメータは、ガイドの最適な位置を定義するために組み合わされる。例えば、TKRにおいて、大腿骨の構成部分の内部回転は、移植組織の位置決めの計画パラメータである。ユーザコミュニケーションインタフェースは、例えば、キーボード、タッチスクリーン及び/もしくはマウスであってもよい。
【0024】
他の実施例では、上記装置は外科手術用のナビゲーションシステムとのインタフェースをも含む。外科手術用のナビゲーションシステムは、外科手術前の骨(CTスキャン、X線写真、など)の画像に基づいて、もしくは手術中のデータに基づいて動作することが可能である。その外科手術用のナビゲーションシステムにより提供されるデータは、ガイドの位置データを生成するために用いられる。この場合、ナビゲーションシステムの使用は、ロボットが解剖学上の目印を集めるステップを補う。データは、あらかじめ定義されたプロトコルに基づいて通信インタフェースを通してナビゲーションシステムから提供される。本発明のロボット化された装置自体は、外科手術用のナビゲーションシステムによって実現する外科手術の計画を正確に行うための周辺機器である。
【0025】
好ましくは、上記のガイドツールは、有効な誘導を維持しつつ振動鋸に対する接触と摩擦を減らすための制限された表面を含んでいる。
【0026】
他の好適な実施例において、ロボット化された装置は、2つの高さで足を固定することを確実にすることができる足固定装置を含む。すなわちロボットかされた装置は、この足固定装置は、歯を有するラックにより足首の高さで足を固定するか、大腿骨もしくは脛骨の骨端にネジ止めされた2本のピンにより膝の高さで足を固定する。
【0027】
足の固定を行うこれらの手段は、解剖学上の目印の採集及び骨の切断もしくは穴開けの手順・処置を行うステップの間、足の固定を確実にする。
【0028】
本発明の他の効果、目的及び特徴は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0029】
本発明の本質、目的及び機能をより良く理解するために、添付図面に基づいて以下の詳細な記述を参照するべきである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1を参照すると、本発明の好適な実施例はロボット化された装置100を有し、以下の構成要素を含むことが分かる。ロボット化された装置100は、可動ベース110、ロボットアーム120、可動ベース内にある制御装置130を含む。上記制御装置130は、ロボットアーム120を制御して、制御装置130により外科医は、タッチスクリーン、マウス、ジョイスティック、キーボード等の上記インタフェース150の使用によりデータを入力できる。さらに、ロボット化された装置100は、ディスプレイモニタ140、ロボットアーム取り付けフランジに取付けられたツール190、力センサ180及びロボット化された装置100を手術台(図示せず)に取り付ける特定の固定装置170をも含む。
【0031】
可動ベース110は、可動ベース110が有する車輪及びハンドルによりロボット化された装置100の簡単な取り扱いを確実にする。好ましくは、可動ベース110は固定パッドまたはその等価物を備えている。
【0032】
ロボットアーム120は6関節アームである。各関節はその角度の値を計るエンコーダを備えている。これらのデータは既知の6関節の幾何図形的配置と組み合わされ、ロボットアーム取り付けフランジの位置を計算したり、ロボットアームに取り付けられたツールの位置を計算したりできる。上記ツールは、指示ツール、ガイドツールもしくは指示及びガイドツールのどちらかである。
【0033】
図2Aは指示ツール190を示している。指示ツール190は、ベースプレート200、ハンドル210及び指示球220から成る。
【0034】
図2Bは切断ガイドを示している。切断ガイドは、ベースプレート230、ハンドル240及び鋸刃をガイドするスリット250から成る。
【0035】
図2Cは指示及びガイドツールを示している。指示及びガイドツールは、ベースプレート260、ハンドル270、鋸刃をガイドするスリット290及び指示球290から成る。
【0036】
図2A から2Cまでに示されている上記ツールは、指示及び/またはガイドツールの3つの例を示しており、上記ツールは図1に示された装置で利用できる。
【0037】
好ましくは、ロボットアーム120は、特定のベース固定装置によって動かないように手術台に取り付けられる。
【0038】
図3に示されるように、ベース固定装置は手術台レール310及びU字状棒材320に適合する2組のクランプ300を含む。ユーザはまず一方のクランプ300を手術台レール310上に設け、他方のクランプを可動ベースのレール330上に設ける。クランプが適当なところにあるとき、ユーザはクランプの円筒穴にU字状棒材を挿入して、クランプを所定の位置に固定(ロック)し、ノブを使ってU字状棒材をクランプ内に固定(ロック)する。
【0039】
本発明の好適な実施例において、上記システムは、処置の間、足が動かないことを確実にする足固定装置(図4A、4B、4C及び4Dを参照のこと)を含む。この足固定装置は2つの高さで足を固定することができる。一つは足首の高さであり、歯があるラック(図4D)により足を固定し、もう一つは膝の高さであり、大腿骨もしくは脛骨の骨端(図4C)にネジ止めされた2本のピンにより膝の高さで足を固定する。
【0040】
図4Bは足固定装置のメインプレート400を示す。メインプレート400は、2つのクランプ300により手術台に固定されている。膝固定部410及び足首固定部420は、メインプレート400に沿って摺動することができて、ネジによって所定の位置に固定できる。
【0041】
図4Cは患者の膝の高さで足を固定する手段の正面図である。サポート棒440上に膝を乗せる。骨は膝置換術において曝されるので、2本のピン430は大腿骨の骨端と、脛骨の骨端のどちらかにネジ止め(螺合)される。サポート棒440の位置は、垂直に調整されることができて、2つのノブにより固定することが可能である。方向は、主軸450まわりに回転することにより0度から90度まで調整可能であり、1つのノブで固定することが可能である。システム全体はプレートに沿って摺動することができる。
【0042】
図4Dは患者の足首の高さで足を固定する手段を示している。足をブーツ460に固定するために患者の足及び足首は、外科手術用テープもしくは他の無菌の手段により動かないように固定される。ブーツ460は運搬台470に留めることができ、この運搬台470はメインプレート400に沿って摺動し、所定の位置にノブにより固定することができる。
【0043】
足固定装置(足首部分及び膝部分)の両方の部分が独立しているが、処置手順・処置の間、組合わされて下肢の固定を保証するために使われる。
【0044】
本発明の好適な実施例において、制御装置130はロボットアーム120を協調・協同(働)モードに設定することができる。協調・協同(働)モードでは、ユーザがロボットアーム120の最終的な部分を把持して、手動でロボットアーム120を動かすことが可能である。図5を参照すると、本発明のシステムは、ロボットアーム取り付けフランジ125に取付けられた力センサ180を含んでいる。力センサ180は指示ツール190のようなツールを支持することができる。ユーザがツールを把持して、ある方向にそれを移動しようとするとき、制御装置130は、力センサ180によって計測される作用力を感知して、それらをロボットアーム120の位置と組み合わせてユーザが望む動きを生成する。
【0045】
ロボット化された装置が手術台に一旦固定されると、手順・処置の最初のステップは患者の解剖学上の目印を集めることである。これらの解剖学上の目印は、外科医によって知られている。例えば、TKRの手順・処置では、脛骨上では(については)、脛骨の結節の内部、脊柱の中央及び脛骨の平坦部が集められ、大腿骨上では(については)ノッチ(notch)の中間点、関節丘の体の中心から見て遠い方と関節球の後端及び前方の外皮が集められる。図6は、患者の位置と、TKRの手順・処置における目印採集ステップを初めるときのロボット化された装置100の位置を示している。
【0046】
目印採集ステップの間、制御装置130がロボットアーム120を協調・協同(働)モードに設定して、ディスプレイモニタ140を介して、採集すべき目印を示す。外科医は要求されている解剖学上の目印と接するまで指示ツール190を動かして、点座標の取得をユーザインタフェース150を使用して確認する。そして制御装置130は点座標と解剖学上の重要性を記憶する。
【0047】
目印採集ステップの後、外科医はユーザインタフェース150を用いて計画パラメータを入力する。例えば、TKRの手順・処置では、外科医は補綴部品のモデル及びサイズを選んで、大腿骨及び脛骨の物理的な軸に対して、補綴部品の位置及び方向を決める。典型的な幾何学パラメータは、脛骨に関する内反/外反の角度、後端部の傾斜、脛骨の切除の厚さであり、大腿骨に関する内反/外反の角度、屈曲/伸展の角度、外部の回転及び大腿骨の切除の厚さである。
【0048】
本発明の他の実施例において、制御装置130はデータ演算処理インタフェースを含む。このデータ演算処理インタフェースは、このシステムが、ナビゲーションシステムのような、他のコンピューター補助外科手術システムに接続することを可能にする。ナビゲーションシステムは、手術前の骨の画像(CTスキャン、X線、蛍光透視法、その他)または手術中のデータとともに動作する。後者の場合、骨のデジタル化に基づいた3次元再構築アルゴリズムを使用する。ナビゲーションシステムにより得られたデータは、目印採集ステップのデータと置き換わるかまたは組み合わされる。ガイドツールの位置は、ナビゲーションシステムによって得られ、所定の通信プロトコルに従ってロボット化された装置に送られてもよい。
【0049】
要求されたガイド位置が一旦得られると、ユーザはガイドツールをロボットアームに取り付ける。好ましくは、指示及びガイドツールが使用され、その結果、ユーザは目印採集ステップと切断もしくは穴開けステップの間にツールを変える必要はない。
【0050】
ロボット化された装置100は、外科医の計画に応じて、患者の組織に対して正確にガイドを整列させる。ガイドツールが鋸刃のための切断ガイドである場合、ロボットアーム120は選択された切断面にガイドツールを維持する。ガイドツールが穴開けガイドである場合、ロボットアーム120は選択された穴開け軸に沿ってガイドツールを保持する。
【0051】
本発明の好適な実施例において、ガイドの動きを平面内に制限するために、平面協調・協同(働)モードは、ユーザによって作動される。同様に、軸協調・協同(働)モードは、軸に沿ったガイドの動きを制限する。制御装置130が平面もしくは軸に対してロボットアームの動きを制限するとき、ユーザは、ユーザ(彼/彼女)が最適位置であると見積もるところへガイドツールを動かす。一旦この最適位置に届くと、制御装置130は所定の位置にガイドツールを保持するロボットアーム120を止める。骨の切断もしくは穴開けのような外科手術作業は、ガイドを介して従来の器具(振動鋸もしくは外科手術用ドリル)を使用する外科医によって実行される。
【0052】
TKRの手順・処置において、同じガイドツールは、脛骨の切断及び大腿骨の5カ所の切断のために使用される。脛骨骨きり術の手順・処置では、同じガイドツールが、両方の脛骨切断のために使用される。
【0053】
図7を参照すると、制御装置130は、制御ソフトウェア132を実行させており、データを制御装置130とロボット化された装置の要素との間で交換している。ソフトウェアは、ユーザインタフェース150及びディスプレイモニタ140を介してユーザと通信する。ソフトウェアは、上記したようにデータ処理インタフェースを通して、他のコンピューター補助外科手術システムと通信する。ソフトウェアは、ユーザによってかけられた作用力をロボットアームに取り付けられたツールの位置で定期的に計るために力センサ180と通信する。ソフトウェアは、ロボットアーム120の位置を制御するためにロボットアーム120と通信する。
【0054】
制御ソフトウェア132は、5つの独立モジュール134−138までから成る。好ましくは、これらのモジュールは、同時にリアルタイム環境下において動作して、制御ソフトウェアの多様な作業に対する良好な管理を保証にするために共有メモリを使用する。これらのモジュールは異なる優先度を有する。そして、安全モジュール134が最も高い優先度を有する。
【0055】
安全モジュール134はシステム状況を監視して、危険な状態が検出されると(非常停止、ソフトウェアの機能不全、障害物との衝突、その他)、ロボットアーム120を停止する。
【0056】
インタフェースモジュール135は、ユーザインタフェース150及びディスプレイスクリーン140を介して外科医と制御ソフトウェアの間の通信を管理する。ディスプレイスクリーン140は、手順・処置の異なったステップを通してユーザを誘導するグラフィカルインタフェースを表示する。ユーザインタフェース150は、手順・処置(目印採集を確認すること、計画パラメータを定義すること、必要な場合ロボットアームを停止すること、その他)の間、ユーザが常時制御することを可能にする。
【0057】
力モジュール136は力センサ180によって計測される力及びトルクを監視する。力モジュールは障害物との衝突を検出して、安全モジュールに警告することが可能である。
【0058】
制御モジュール137はロボットアーム120との通信を管理する。制御モジュール137は各関節のデータエンコーダ値を受信して位置命令を送る。
【0059】
計算モジュール138は手順・処置に必要な全ての計算を行う。例えば、TKRの手順・処置では、計算モジュール138は、解剖学上の目印データと統計的なデータを組み合わせて骨の物理的な軸を再構築する。計算モジュール138はまた、運動学または逆運動学を使用してロボットアーム120の軌道を定義する。
【0060】
本発明は上記された内容に制限されない。多様な変形が本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなされる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明のシステムの概要を示す図であり、可動ベース、力センサを備えツールが取り付けられたロボットアーム及びディスプレイモニタを示している。
【図2A】指示ツールの斜視図である。
【図2B】ガイドツールの斜視図である。
【図2C】指示及びガイドツールの斜視図である。
【図3】手術台に可動ベースを動かないように固定するための固定装置の斜視図である。
【図4A】足が動かないように手術台に保持する足固定装置の斜視図である。
【図4B】図4Aに示されている足固定装置プレートの斜視図である。
【図4C】図4Aに示されている足固定装置の膝部分の斜視図である。
【図4D】図4Aに示されている足固定装置の足首部分の斜視図である。
【図5】指示ツール、力センサ、ロボットアーム取り付けフランジの分解図である。
【図6】手術台に載った患者を含む本発明のシステムの概要を示す。
【図7】制御ソフトウェアの種々のモジュールを示しているブロック図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームを有し、外科手術用ツールをガイドする装置であって、
前記ロボットアームを使用して解剖学上の目印を採集する手段と、前記解剖学上の目印を処理する手段と、前記ロボットアームにより保持されたツールガイドを自動的に位置決めする手段とを含み、前記位置決めは前記処理の結果の関数であることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ロボットアームは、少なくとも6つの自由度を備え、切断及び/もしくは穴開けガイド並びに/または指示ツールを支持することができることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ロボットアームは、力センサを含み、かつ、協調・協同(働)モードで動作することが可能であり、前記協調・協同(働)モードではユーザが前記ロボットアームの最終的部分を把持して、手動でロボットアームを動かすことができることを特徴とする請求項1及び2のいずれか記載の装置。
【請求項4】
前記ロボットアームは、協調・協同(働)モードで動作することが可能であり、該協調・協同(働)モードでは前記ガイドの動きを平面または軸に沿った動きに制限することを特徴とする請求項3記載の装置。
【請求項5】
制御モニタ及びユーザから外科手術の計画パラメータを受信することができる通信インタフェースを更に含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、骨の手術前の画像データに基づき、例えば、スキャナもしくはX線写真画像データに基づき、または手術前の情報に基づき動作する外科手術用のナビゲーションシステムとのインタフェースを更に含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の装置。
【請求項7】
足首の高さと膝の高さの2つの高さで足を確実に固定することができる足固定装置を更に含み、該足固定装置は、歯付きのラックにより足首の高さで足を固定し、大腿骨と脛骨の骨端にねじ止めされたピンにより膝の高さで足を固定することを特徴とする請求項1から6のいずれか記載の装置。
【請求項8】
外科手術用ツールを誘導する方法であって、
ロボットアームを使用して解剖学上の目印を採集するステップと、
目印データと計画パラメータとを組み合わせて位置データを生成するステップと、
前記ロボットアームに取り付けられたツールガイドを自動的に位置決めするステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項1】
ロボットアームを有し、外科手術用ツールをガイドする装置であって、
前記ロボットアームを使用して解剖学上の目印を採集する手段と、前記解剖学上の目印を処理する手段と、前記ロボットアームにより保持されたツールガイドを自動的に位置決めする手段とを含み、前記位置決めは前記処理の結果の関数であることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ロボットアームは、少なくとも6つの自由度を備え、切断及び/もしくは穴開けガイド並びに/または指示ツールを支持することができることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ロボットアームは、力センサを含み、かつ、協調・協同(働)モードで動作することが可能であり、前記協調・協同(働)モードではユーザが前記ロボットアームの最終的部分を把持して、手動でロボットアームを動かすことができることを特徴とする請求項1及び2のいずれか記載の装置。
【請求項4】
前記ロボットアームは、協調・協同(働)モードで動作することが可能であり、該協調・協同(働)モードでは前記ガイドの動きを平面または軸に沿った動きに制限することを特徴とする請求項3記載の装置。
【請求項5】
制御モニタ及びユーザから外科手術の計画パラメータを受信することができる通信インタフェースを更に含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、骨の手術前の画像データに基づき、例えば、スキャナもしくはX線写真画像データに基づき、または手術前の情報に基づき動作する外科手術用のナビゲーションシステムとのインタフェースを更に含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の装置。
【請求項7】
足首の高さと膝の高さの2つの高さで足を確実に固定することができる足固定装置を更に含み、該足固定装置は、歯付きのラックにより足首の高さで足を固定し、大腿骨と脛骨の骨端にねじ止めされたピンにより膝の高さで足を固定することを特徴とする請求項1から6のいずれか記載の装置。
【請求項8】
外科手術用ツールを誘導する方法であって、
ロボットアームを使用して解剖学上の目印を採集するステップと、
目印データと計画パラメータとを組み合わせて位置データを生成するステップと、
前記ロボットアームに取り付けられたツールガイドを自動的に位置決めするステップと、を含むことを特徴とする方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2008−502396(P2008−502396A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515953(P2007−515953)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052751
【国際公開番号】WO2005/122916
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(504339572)ジマーゲーエムベーハー (9)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052751
【国際公開番号】WO2005/122916
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(504339572)ジマーゲーエムベーハー (9)
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