説明

外科手術用接合装置

【課題】腹腔鏡下手術(laparoscopic procedures)などの外科手術において組織を接合するための装置及び方法を提供する。
【解決手段】外科手術用接合装置100は、遠位端を有する近位部分、及び遠位部分を有するサポート102、104を備える。サポートは、その近位部分と遠位部分の間に通路を形成する。複数の自働閉鎖クリップが、通路中に摺動可能に配設され、プッシャが通路中を摺動可能に移動し、かつクリップを遠位方向に押すように構成される。装置は、クリップを部分的に押し出すことができ、その後、クリップの残りが装置から引き抜かれる。1実施形態では、サポートは、遠位端の尖った、管状の針を備える。針は、クリップが部分的に押し出される前に、接合される組織もしくは材料を貫通するために使用され、また接合される組織又は材料を、操作又は接近させるために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腹腔鏡下手術(laparoscopic procedures)などの外科手術において組織を接合するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
腹腔鏡下で組織を縫合することは、常に困難であった。過去15年位の間に、その問題を解決するために開発され販売された多くのデバイスがある。線型吻合器(linear stapler)は、それらのデバイスのうちで最も成功したものであるが、それには制限がある。吻合デバイスの制限のうちの1つは、ステープル(staple; 綴じ具)の配置が、所定の限られたまっすぐな列に限られていることである。他の縫い合わせタイプ又は針を通すタイプのデバイスも市販されているが受入は限られている。針の管理もそれらのデバイスを用いる場合の1つの問題である。限られたスペースにおける針の操作及び糸結びが困難であることもまた、問題を提示している。縫合の糸結び問題に対処する外科手術用ファスナ及びクリップが、例えば、Gardiner他による米国特許第6607541号、Ho他による米国特許第6514265号、Schaller他による米国特許第6613059号、及びSchaller他による米国特許第6641593号で開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6607541号
【特許文献2】米国特許第6514265号
【特許文献3】米国特許第6613059号
【特許文献4】米国特許第6641593号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外科手術用手技において、組織を接合するための装置及び方法を改善する必要性が残されている。本発明は、外科手術用接合装置及び方法における改善を含む。本発明の多くの利点の中で、それは組織を接合するために手術部位に外科手術用クリップを容易にデリバリするために使用可能であり、縫合する必要性をなくし、又は最小化できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によると、外科手術用接合装置は、近位部分、及び尖った遠位端を有する遠位部分を有し、近位部分と遠位部分の間に通路を形成する管状の針(tubular needle)と、その通路中に摺動可能にそれぞれが配設される複数の自働閉鎖クリップ(self-closing clips)と、通路中で摺動可能に移動しかつクリップを遠位方向に押すように構成された少なくとも一部分を有するプッシャとを備える。
【0006】
本発明の他の実施形態によると、外科手術用接合装置は、遠位端を有する遠位部分及び近位部分を有し、近位部分と遠位部分の間に通路を形成するサポートと、その通路中にそれぞれが摺動可能に配設された複数の自働閉鎖クリップと、通路中で摺動可能に移動しかつクリップを遠位方向に押すように構成された少なくとも一部分を有するプッシャと、通路に沿って、サポートの遠位端から、接合される材料をサポートの遠位部分上に集めることのできる十分な距離の間隔を空けた位置で、サポートの前記遠位部分から延びている停止部材とを備える。
【0007】
本発明の他の実施形態によると、外科手術用接合装置は、遠位端を有する遠位部分及び近位部分を有し、近位部分と遠位部分の間に通路を形成するサポートと、その通路中にそれぞれが摺動可能に配設された複数の自働閉鎖クリップと、通路中で摺動可能に移動しかつクリップを遠位方向に押すように構成された少なくとも一部分を有するプッシャと、通路に沿って、サポートの遠位端から、自働閉鎖クリップのうちの1つの長さ未満の距離を測定した位置で、サポートの遠位部分から延びている停止部材とを備える。
【0008】
本発明の他の実施形態によると、外科手術用接合装置は、遠位端を有する遠位部分及び近位部分を有し、近位部分と遠位部分の間に通路を形成するサポートと、その通路中にそれぞれが摺動可能に配設された複数の自働閉鎖クリップと、通路中で摺動可能に移動しかつクリップを遠位方向に押すように構成された少なくとも一部分を有し、サポートの遠位部分にクリップのうちの1つが存在するサポート中の第1の位置に、解放可能に固定された第1の状態を有し、かつサポートからクリップのうちの1つが部分的に押し出されたサポート中の第2の位置に、解放可能に固定された第2の状態を有するプッシャとを備える。
【0009】
本発明の他の実施形態によると、外科手術用接合装置は、遠位端を有する遠位部分及び近位部分を有し、その近位部分と遠位部分の間に通路を形成し、中に形成されたスロットを有する管状のクリップサポートと、通路中にそれぞれが摺動可能に配設される複数の自働閉鎖クリップと、管状のクリップサポートの少なくとも一部分を囲んでおり、また管状クリップサポート中のスロットと位置合わせされたスロットを有する管状のスリーブと、通路中で摺動可能に移動しかつクリップを遠位方向に押すように構成された少なくとも一部分を有し、スロットを通って延長されたプッシャとを備える。
【0010】
他の実施形態によると、組織を接合する方法は、自働閉鎖クリップサポートを、少なくともその一方が組織を含む、材料の第1及び第2の部分を介して貫通させること、クリップサポートから、自働閉鎖クリップの一部分を延長すること、及び前記材料からクリップサポートを引き抜くと同時に、自働閉鎖クリップをそこから解放させることを含む。
【0011】
他の実施形態によると、組織を接合する方法は、自働閉鎖クリップサポートを、少なくともその一方が組織を含む、材料の第1及び第2の部分を介して貫通させること、記憶設定された閉じた構成(memory set closed configuration)を有する自働閉鎖クリップの一部分をクリップサポートから延長し、延長された部分がその記憶設定された閉じた構成の方向に移動できるようにすること、材料からクリップサポートを引き抜き、また自働閉鎖クリップを完全にサポートから引き抜いて、その閉じた構成の方向に移動できるようにすることを含む。
【0012】
上記は、従来技術のいくつかの欠点及び本発明の利点に関する簡単な説明である。本発明の他の特徴、利点及び実施形態は、本発明の特有の形態を例示のためだけであるが詳細に述べた、以下の説明、添付の図面から当業者には明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】図1Aは本発明による組織接合デバイスの斜視図である。
【図1B】図1Bは図1Aのデバイスからから解放された外科手術用クリップを示す図である。
【図1C】図1Cは図1Aの線1C―1Cに沿った断面図である。
【図2A】図2Aは図1Aのデバイスの長手方向断面図である。
【図2B】図2Bは図2Aに示すデバイスの変形形態を示す図である。
【図3A】図3Aは図1Aのデバイスの例示的な使用を示しており、組織中に配置されたデバイスを示す図である。
【図3B】図3Bは図1Aのデバイスの例示的な使用を示しており、クリップが図3Aのデバイスから部分的に押し出されていること示す図である。
【図3C】図3Cは図1Aのデバイスの例示的な使用を示しており、デバイスを引き抜いてクリップをそこから引き抜くことを示す図である。
【図3D】図3Dは図1Aのデバイスの例示的な使用を示しており、完全に解放され閉じた構成にあるクリップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を述べる前に、本発明は、説明する特定の諸実施形態又は諸実施例に限定することを意図するものではなく、それらは、当然、変わり得ることを理解されたい。更に、図面を参照する場合、同様の番号は同様のエレメントを示す。
【0015】
本明細書に記載のデバイス、装置、及び方法は、一般に、患者の構造を外科手術的に接合するのに使用することができる。それらは、組織を接合し、組織と補綴(prosthetic)材料を接合し、又は組織と移植片材料を接合するために使用することができる。それらは、腹膜腔内の組織の接合を含む腹腔鏡下の手技など、内視鏡下の手技で使用することができる。このような手技の一例には、胃腸のバイパス手術がある。それは、非管状の又は管状の構造を接合するのに使用することができる。例えば、本明細書に記載のデバイス及び装置は、管状構造又は導管を吻合するのに使用することができる。管状構造は、血管、あるいは、これだけに限らないが、胆管、尿道、膀胱、腸(intestines)、食道、胃、及び腸(bowel)を含み得る非血管構造とすることができる。
【0016】
本明細書に記載の様々の実施形態では、外科手術用クリップは、クリップサポート又は担体を用いてデリバリされ、それは、特に、クリップを運ぶのに加えて、接合される組織もしくは材料を容易に接近させるために使用することができる。
【0017】
図1A及び図1Bを参照すると、本発明の原理による外科手術用接合装置の一実施形態が示され、また全体に参照番号100で指示される。外科手術用接合装置もしくはデバイス100は、全体に、外側ハウジングもしくはサポート102及びクリップサポートもしくは担体104を含む。クリップサポート104は、複数のクリップ、例えば、クリップ200を部分的に押し出し、次いで、そこから引き抜くための通路を形成する。外側ハウジングもしくはサポート102、及びクリップサポート104は、管状部材の形とすることができ、またクリップサポート104は、皮下注射針とすることもできる。
【0018】
クリップサポート104の多くの利点の中で、内視鏡のアクセスポートを介して挿入するようなサイズに、かつ/又は挿入するように構成することができる。クリップサポート104はまた、接合される組織もしくは材料を、貫通するようなサイズに、かつ/又は貫通するように構成することができるので有利である。その構成の多くの利点のうちの1つは、接合される組織もしくは材料を貫通するために、運ばれるクリップを用いる代わりに、クリップサポートを使用することができ、それにより、鋭い端部を有するクリップを導入すること、及びこのようなクリップを手術部位に残すことの必要性をなくすことが可能になる。
【0019】
クリップを解放するための作動子もしくはプッシャが提供される。本発明による作動子もしくはプッシャの一例は、図1A及び2Aに示され、また全体に参照番号110で指定される。図1A及び2Aを参照すると、作動子110は、スロット106及び108に沿って移動する。スロット106は、外側ハウジング102中に形成され、その近位端と遠位端の間で長手方向に延びている。スロット108(図2A)は、サポート104中に形成され、その近位端と遠位端の間で延設されてスロット106と位置合わせされる。作動子もしくは押出し装置110は、クリッププッシャを形成し、第1の部分112、第2の部分114、及び接続部分116を含む。第1の部分112は、スロット106に沿って摺動又は移動し、ボタンの形とすることができる。第2の部分114は、クリップサポート104の内側を移動し、またクリップ200を、装置100から外に押し出すためのプッシャロッドもしくは部材を形成する。
【0020】
即ち、第2の部分114は、クリップサポート104によって画定される通路もしくは管腔中に摺動可能に配設される。第2の部材114は、細長い部材であり、可撓性を有することができ、従って、クリップサポート104の湾曲した遠位端部分120の内側を容易に移動することができる。接続部分116は、部分112と114を相互に接合する。1つの作動子及び押出し装置構成が示されているが、他の構成を使用することもできる。一変形形態によると、作動子は、その遠位端がクリップを遠位的に押すように構成され、またその近位端がクリップサポート104及びハウジング102の近位端から近位的にかつ軸方向に延長された、クリップサポート通路もしくは管腔中に配設されるプッシャロッドを備えることができる。
【0021】
クリップサポート104は、手首の単一動作で材料もしくは組織中に挿入でき、次いで、手首の単一動作で引き抜くことが可能な形状とすることができる。例示の実施形態では、クリップサポート104は、図2Aのハウジング102の内側に示すように、まっすぐな部分118及び湾曲した遠位端部分120を有する。湾曲した部分は、前述したように、また図3A〜3Dに示すように、接合される材料を通す遠位端部分の操作を改良又は簡単化ことができる。クリップサポート104もしくは遠位端部分120はまた、傾斜させた又は尖った端部分122を有することができ、それは、内部方向を向いた表面を提示し、また図2Aに示した尖った先端を形成する。こうすると、クリップサポートが、接合される組織もしくは材料を貫通する能力を高めることができる。
【0022】
装置100は、クリップ位置を示す機構を備えることができる。その機構は、各クリップの押出しの度合いもしくは程度を制御するために使用することができる。一実施形態によると、円板形とすることができるストッパ124を、クリップサポート104の貫通度合いを制御するために、例えば、クリップサポート104の遠位部分に固定することができる。例示的な実施形態では、そのストッパは、クリップの通路に沿って、クリップサポートの遠位端から、自働閉鎖クリップのうちの1つの長さ未満の距離の間隔を空けた位置で、クリップサポートの遠位部分から延びている。好ましくは、その距離は、1つのクリップの長さの約2分の1であり、従って、用途に応じて、約0.318cm(1/8インチ)から約2.54cm(1インチ)の範囲である。例えば、腸組織を腸組織に接合するための腹腔鏡下の手技では、その距離は、約0.635cm(1/4インチ)(クリップ長さが約1.270cm(1/2インチ))となる。
【0023】
以下では、どのようにして、ストッパ位置が部分的にクリップを押し出す制御又は校正を可能にするかの説明を行う。具体的には、ストッパの前方のクリップサポートの少なくとも一部分が、接合される材料中に配置された後、作動子110を移動させて、クリップを、その遠位端がストッパに隣接する位置まで(図3B)部分的に押し出すことができる。例示的な実施形態ではクリップの約2分の1となる押し出されたクリップの先端部分は、閉じる位置へと移動し、フックを形成して接合される材料を把持する。クリップの遠位端がストッパに隣接した状態で、例示的な実施例では、クリップの約半分であるクリップの残りの部分は、次いで、デバイス100が取付け部位から除去されると、デバイス100から引き抜かれる。従って、ストッパ構成の多くの利点の1つは、クリップの押し出された遠位端とストッパの相対的な位置を、クリップの押出しの程度を示すために及び/又はクリップの位置を制御するために使用できることである。
【0024】
さらなる実施形態によると、装置100は、クリップ位置を示すための代替もしくは追加の機構を備えることができる。その機構は、各クリップの押出しの度合いもしくは程度の制御を容易にするために作動子110の位置を示す。プッシャは、最も遠位のクリップがサポート内に存在するサポート104中の第1の位置で解放可能に固定される第1の状態と、サポートから最も遠位のクリップが部分的に押し出されたサポート104中の第2の位置で解放可能に固定される第2の状態とを有することができる。このような機構の一例を図1A及び図1Cに示す。
【0025】
図1A及び図1Cを参照すると、クリップ位置を示すための代替もしくは追加の機構は、外側ハウジング102中に形成された複数の凹部もしくは窪み101と、作動子の第1の位置112に形成された穴111aと、穴111a中に存在するボタン及びバネの組合せ111bとを備える。ボタンは、球形状又は当技術分野で知られた他の適切な形状を有することができる。バネは、ボタンもしくはポストを押して各凹部101に固定的に係合させるが、十分な力が作動子110に加えられたとき、係合を解除することができる。凹部は、各クリップの押出しの度合いを所望に合わせて実施できるように配置される。例えば、全部が装填された初期状態において、最も遠位のクリップがクリップサポート104の遠位端に位置し、各クリップ200の約2分の1が押し出される場合、最も近位の凹部101及びその隣の凹部101は、クリップ200の長さの約2分の1に相当する距離の間隔を空けることができ、従って、作動子110が、最も近位の凹部101から次の凹部101に移動することにより、最も遠位のクリップの約2分の1がクリップサポート104から外に延長される。
【0026】
以下でより詳細に述べるように、部分的に延長されたクリップは、次いで、装置100から引き抜かれるので、部分的に押し出される次のクリップは、クリップサポート104の遠位端からクリップの長さの約2分の1だけ間隔を空けたままで留まることになる。その遠位端は、最初の部分的に押し出されたクリップが引き抜かれて装置100から完全に除去される前に、最初の部分的に押し出されたクリップの近位端が存在した場所の近くにある。従って、凹部101の相互間の残りの距離はクリップ全体の長さに相当し、1つの凹部101から次の凹部101への作動子の移動により、クリップを部分的に押し出し、クリップの長さの約2分の1をクリップサポート104から延長し露出することができる。
【0027】
例示のために、1つの戻止め機構が述べられているが、他の戻止め構成、ならびに他の押出し指標もしくは制御機構を使用することもできる。例えば、バネを装填したボタンを凹部101のそれぞれ中に存在させ、穴111aをそれと係合するために空にしておくこともできる。さらなる例によると、作動子110が位置合わせされたとき、クリップの押出しが所定の程度であることを示す標識を提供することができる。図1Aを参照すると、例示的な標識が示され、参照番号103で示される。作動子110の外側遠位縁部が、各マーキング103と位置合わせされ、クリップの押出しの程度を示すことができる。上記のクリップ位置指標は、単独で、又はその任意の組合せで使用することができる。例えば、ストッパ124は、図1A及び1Cに示す例示の戻り止め構成と組み合わせて使用することができる。
【0028】
更に、クリップサポート104が、1つの構成で示されているが、他のものも使用できる。例えば、クリップサポート104の遠位端部分は、まっすぐ又は湾曲した中心軸を有するコルク抜き形状を備えることができる。コルク抜き部分は、例えば、2分の1又は4分の3巻きを有することができる。図2Bに示すように、コルク抜き形状とまっすぐな中心軸が使用された場合、外側ハウジングもしくはシャフト102を単に回転し、従って、接合されている材料からコルク抜き形状の遠位部分が引き抜かれたとき、クリップサポート104からクリップを引き抜くことができる。図2Bを参照すると、クリップサポートのコルク抜き変形形態が、参照番号104’で指定されている。クリップサポート104’の遠位部分におけるコルク抜き構成、及びストッパ124を越えてわずかな距離を延長されている皮下注射針のまっすぐな部分以外は、図2Bに示すクリップサポート104’は、クリップサポート104と同じである。
【0029】
上記のように、クリップ200は、図2Aに示すようにクリップサポート104の内側に配設することができる。クリップは、連続的に一直線に並び、従って、再度装填するために内視鏡又はアクセスポートからデバイス又はクリップサポート104を引き抜く必要がなく、連続して押出しを行い、又は適用することができる。クリップサポート104中に収容され得るクリップの数は、クリップサイズとクリップサポートの長さの関数である。クリップサポートもしくは皮下注射針104は、クリップを開放姿勢に制限し、また組織を貫通する手段を提供する。動作においては、クリップサポート104がターゲット材料を貫通する。クリップサポート104は、接合される組織もしくは材料を容易に貫通するその能力を高めるために、上記のように、尖った又は鋭利な遠位端を有することができる。
【0030】
以下でより詳細に述べるように、各クリップは、作動子110により装置から部分的に押し出され、その後デバイス100が引き抜かれて、クリップを閉じることができる。組織を貫通するために、クリップサポートを使用することにより、クリップで組織を貫通する必要がなくなり、また1つ又は複数の鋭利な端部を有するクリップを使用する必要性をなくすことができる。従って、クリップ200は、2つの、先端の尖っていない又は丸みが付けられた端部を有することができる。例示の実施形態では、ボール形状の又は球体形状の両端が示されているが、尖っていない端部を提供する他の形状も同様に使用することができる。
【0031】
図1Bを参照すると、1つの適切なクリップ構成が示されている。例示的な実施形態では、外科手術用クリップ200は、ボール形状の近位/遠位端と、ループ形に記憶設定された形状もしくは構成を含む。クリップ200は、重複するループの閉じた構成で示されているが、重複しない又はその記憶設定された閉じた形状で示されるものとは異なる他の形状とすることもできる。クリップ200は、変形された構成から解放された後、その記憶設定された構成へと戻る自働閉鎖クリップである。
【0032】
自働閉鎖クリップ200は、ニチノールワイヤから作ることができ、擬弾性(超弾性)挙動を示す所望の記憶設定された構成を備えることができる。言い換えると、ワイヤがその変形された構成にあるとき、形状記憶合金の少なくとも一部分が、そのオーステナイト相からそのマルテンサイト相に変換される。応力が除去されると、材料は、マルテンサイトからオーステナイトへの変換を受け、その元の変形されない構成にスプリングバックする。形状記憶合金は、冷却心筋保護液が心臓組織の一時的な麻痺のために注入され停止した心臓状態で(例えば、8〜10°Cの低温)使用するのに適した変換温度を用いて選択することができる。
【0033】
ワイヤの横断面の直径及びワイヤの長さは、特定の用途に応じて変わることになる。ワイヤの直径は、例えば、0.010cm(0.004インチ)と0.064cm(0.025インチ)の間とすることができ、またワイヤのループ直径は、約0.051cm(0.020インチ)から約1.270cm(0.500インチ)の範囲とすることができる。ワイヤは、まず、マンドレルにワイヤを巻きつけ、約400〜500°Cで約5分から30分の間、ワイヤを熱処理することによってループ形状に形成することができる。ワイヤは、次いで、室温で空気焼入れされる。形状記憶合金は熱で活性化することも可能であり、あるいは当業者には周知のように、熱による活性化と擬弾性特性の組合せも使用できることを理解されたい。
【0034】
クリップサポート104は、外科手術グレードのステンレス鋼管の一部分から製作可能な皮下注射針から形成することができ、その一端部を傾斜させ鋭利にすることができる。傾斜し鋭利にされた皮下注射針は、業界では普通のものである。皮下注射針の一端部分は、上記のような湾曲を有する形状とすることができる。外側ハウジング102は、クリップサポート104のためのシャフト又はハンドルを形成し、機械加工された金属、射出成型されたプラスチック、又は押し出されたプラスチックとすることができる。ハウジング102はまた、単一の一体構造又は結合された部分の組合せとして形成することもできる。
【0035】
以下では、装置100の例示的な使用を説明するが、本発明の限定を意図するものではない。本実施例は、腹膜腔内における組織と組織の接合を示す。本デバイスは、上記のように、他の組織もしくは材料を接合するために使用できることを理解されたい。
【0036】
本実施例によると、装置100のクリップサポート104の遠位端部分が、腹腔鏡ポートを介して挿入され、その場合、クリップサポートもしくは皮下注射針104の遠位端が操作されて、ターゲット組織の第1の部分「A」を貫通又は突き刺し、次いで、同じ組織の他の部分「B」もしくは異なるターゲット組織を貫通又は突き刺すが、それらは、手技前に互いに間隔を空けておくことができる。部分A及びBを貫通することは、手首の1回のひねり、もしくは動作により達成することができる。当技術分野で知られているように、他のポート中に内視鏡カメラを配置することによって観察することができる。クリップサポートもしくは皮下注射針104は、組織の両方の部分を完全に貫通するように配置され、図3Aに示すように、ストッパは、第1の部分と接触する。その状態では、皮下注射針の鋭利な先端だけが、組織の第2の部分から突出して見えるべきである(図3A)。
【0037】
クリップサポート104は、両方の組織部分が挿通され操作されたとき、組織を接近させることが可能であり、あるいは容易に組織を接近させることができる。ストッパ124はまた、一方の組織部分を他方に押しつけるために使用できるので、容易に組織を操作しかつ/又は組織の接近を可能にするように配置することができる。従って、ストッパ124は、サポート(例えば、管状のサポートが使用されたときは、クリップサポート管腔)により確定されるクリップの通路に沿って、クリップサポート124の遠位端から、接合される材料をクリップサポート上に集めることが十分に可能な距離の間隔を空けた位置で、クリップサポート104の遠位部分から延長されるように配置することができる。その距離は、通常、用途に応じて、約0.318cm(1/8インチ)から約2.54cm(1インチ)の範囲となる。
【0038】
図3Bを参照すると、作動子110は、遠位的にもしくは前方に移動し、従って、皮下注射針における最も遠位のクリップの遠位端部分が、そこから延長され、その遠位端が、組織の2つの部分の間の継ぎ目をちょうど覆うことになる(図3B)。この実施例では、クリップの遠位端がストッパ124の隣にあり、クリップの約2分の1が押し出されていることを示す。装置100は、図1A及び1Cに関連して前述のように、代替的に、又は追加で、各クリップの位置(例えば、クリップの2分の1の押出しなど、部分的な押出し)を示すさらなる機構を含むことができる。
【0039】
次いで、皮下注射針は、図3Cに示すように、そのエントリとは反対の方向に組織から引き抜かれる。外科医はそれを手首のわずかなひねり、又は単一の動作で、あるいはわずかに逆に引っ張る動作で達成することができる。皮下注射針が引き抜かれると、摩擦で皮下注射針の内側に保持されたクリップの近位部分が引き抜かれて組織中に残る。皮下注射針からクリップが完全に引き抜かれた後、クリップは形状の記憶設定された閉じた構成(図3D)の方へと動き、組織を共に保持する。複数のクリップ200が装填された装置100のクリップサポート104が、次いで、他のクリップを展開するために、組織部分又は継ぎ目に沿ってクリップサポートを再配置するように操作することができる。それは、クリップサポート104の遠位端を内視鏡ポートから取り外すことなく行うことができる。手技が完了した後、クリップサポートもしくは皮下注射針を後退させる。前述の手技は、単一の針、即ち、皮下注射針104を必要とし、あるいは使用し、従って、針の管理問題を除外する又は最小化することができる。
【0040】
本明細書に記載の任意の一実施形態の任意の機能又は機能の組合せは、任意の他の機能と、あるいは1つ又は複数の他の実施形態の機能と組み合わせることができる。本明細書に開示のデバイス及び方法の変形形態及び変更形態は、当業者であれば容易に明らかとなろう。同様に、前述の詳細な説明及び添付の図は、明確化及び理解のために行われたものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。
【0041】
本発明の第1の態様は、外科手術用接合装置であって、近位部分、及び尖った遠位端を有する遠位部分を有し、近位部分と遠位部分の間に通路を形成する管状の針と、通路中に、それぞれが摺動可能に配設される複数の自働閉鎖クリップと、通路中で摺動可能に移動し、かつクリップを遠位方向に押すように構成される部分を有するプッシャとを有する。
【0042】
本発明の第2の態様は、第1の態様の装置において、各クリップが、第1の端部及び第2の端部を有しており、各クリップの第1及び第2の端部の少なくとも一方に丸みが付けられている。
【0043】
本発明の第3の態様は、第2の態様の装置において、各クリップの第1及び第2の端部の両者に丸みが付けられている。
【0044】
本発明の第4の態様は、第1の態様の装置において、通路に沿って、管状の針の遠位端から、自働閉鎖クリップのうちの1つの長さ未満の所定の距離の間隔を空けた位置で、管状の針の遠位部分から延びている停止部材を更に含む。
【0045】
本発明の第5の態様は、第4の態様の装置において、距離が、約0.318cm(1/8インチ)から約2.54cm(1インチ)の範囲である。
【0046】
本発明の第6の態様は、第1の態様の装置において、通路に沿って、管状の針の遠位端から、接合される材料を管状の針上に集めることのできる十分な距離の間隔を空けた位置で、管状の針の遠位部分から延びている停止部材を更に含む。
【0047】
本発明の第7の態様は、第6の態様の装置において、距離が、約0.318cm(1/8インチ)から約2.54cm(1インチ)の範囲である。
【0048】
本発明の第8の態様は、第1の態様の装置において、管状の針の遠位部分が湾曲している。
【0049】
本発明の第9の態様は、第1の態様の装置において、管状の針の遠位部分が螺旋部分を有する。
【0050】
本発明の第10の態様は、第1の態様の装置において、管状の針が皮下注射針を含む。
【0051】
本発明の第11の態様は、第10の態様の装置において、皮下注射針が、その中に形成されたスロットを有しており、スロットが、管状の針の遠位端の方向に延設され、またプッシャが、スロットを通って延長された部分を有する。
【0052】
本発明の第12の態様は、第1の態様の装置において、管状の針が、その中に形成されたスロットを有しており、スロットが、管状の針の遠位端の方向に延設され、またプッシャが、スロットを通って延長された部分を有する。
【0053】
本発明の第13の態様は、第1の態様の装置において、各クリップが、記憶設定された閉じた構成を有しており、クリップが、管状の針中に配設されたとき、管状の針は、閉じた構成からクリップを偏らせ、またクリップが管状の針から解放されたとき、クリップはその記憶設定された閉じた構成の方向に移動する。
【0054】
本発明の第14の態様は、第13の態様の装置において、クリップが、ループ形状の記憶設定された閉じた構成を有する。
【0055】
本発明の第15の態様は、第1の態様の装置において、クリップが、ループ形状の記憶設定された閉じた構成を有する。
【0056】
本発明の第16の態様は、外科手術用接合装置であって、遠位端を有する遠位部分及び近位部分を有し、近位部分と遠位部分の間に通路を形成するサポートと、通路中に、それぞれが摺動可能に配設される複数の自働閉鎖クリップと、通路中で摺動可能に移動し、かつクリップを遠位方向に押すように構成される部分を有するプッシャと、通路に沿って、サポートの遠位端から、接合される材料をサポートの遠位部分上に集めることのできる十分な距離の間隔を空けた位置で、サポートの遠位部分から延びている停止部材とを備える。
【0057】
本発明の第17の態様は、第16の態様の装置において、サポートが管状部材を備え、自働閉鎖クリップが、管状部材中に摺動可能に配設されると共に連続して配置される。
【0058】
本発明の第18の態様は、第16の態様の装置において、サポートの遠位部分が湾曲している。
【0059】
本発明の第19の態様は、第16の態様の装置において、サポートの遠位部分が螺旋部分を有する。
【0060】
本発明の第20の態様は、第16の態様の装置において、サポート部材が管状部材を備え、また遠位端が尖っている。
【0061】
本発明の第21の態様は、第20の態様の装置において、管状部材が皮下注射針を含む。
【0062】
本発明の第22の態様は、第21の態様の装置において、皮下注射針が、その中に形成されたスロットを有しており、スロットが、サポートの遠位端の方向に延設され、またプッシャが、スロットを通って延長された部分を有する。
【0063】
本発明の第23の態様は、第16の態様の装置において、サポートが、通路の少なくとも一部分を形成する管状部材を備え、各クリップが、記憶設定された閉じた構成を有しており、クリップが、管状部材中に配設されたとき、管状部材は、閉じた構成からクリップを偏らせ、またクリップが管状部材から解放されたとき、クリップはその記憶設定された閉じた構成の方向に移動する。
【0064】
本発明の第24の態様は、第16の態様の装置において、クリップが、ループ形状の記憶設定された閉じた構成を有する。
【0065】
本発明の第25の態様は、第24の態様の装置において、サポートが管状部材を備え、自働閉鎖クリップが、管状部材中に摺動可能に配設され、また連続して配置される。
【0066】
本発明の第26の態様は、第16の態様の装置において、各クリップが、第1の端部及び第2の端部を有しており、各クリップの端部の少なくとも一方に丸みが付けられている。
【0067】
本発明の第27の態様は、第26の態様の装置において、各クリップの端部には共に丸みが付けられている。
【0068】
本発明の第28の態様は、第16の態様の装置において、距離が、約0.318cm(1/8インチ)から約2.54cm(1インチ)の範囲である。
【0069】
本発明の第29の態様は、外科手術用接合装置であって、遠位端を有する遠位部分及び近位部分を有し、近位部分と遠位部分の間に通路を形成するサポートと、通路中に、それぞれが摺動可能に配設される複数の自働閉鎖クリップと、通路中で摺動可能に移動し、かつクリップを遠位方向に押すように構成される部分を有するプッシャと、通路に沿って、サポートの遠位端から、自働閉鎖クリップのうちの1つの長さ未満の所定の距離の間隔を空けた位置で、サポートの遠位部分から延びている停止部材とを備える。
【0070】
本発明の第30の態様は、第29の態様の装置において、サポートが管状部材を備え、また自働閉鎖クリップが、管状部材中で摺動可能に配設され、また連続して配置される。
【0071】
本発明の第31の態様は、第29の態様の装置において、サポートの遠位部分が湾曲している。
【0072】
本発明の第32の態様は、第29の態様の装置において、サポートの遠位部分が螺旋部分を有する。
【0073】
本発明の第33の態様は、第29の態様の装置において、サポートが管状部材を備え、また遠位端が尖っている。
【0074】
本発明の第34の態様は、第33の態様の装置において、管状部材が皮下注射針を含む。
【0075】
本発明の第35の態様は、第34の態様の装置において、皮下注射針が、その中に形成されたスロットを有しており、スロットが、サポートの遠位端の方向に延設され、またプッシャが、スロットを通って延長された部分を有する。
【0076】
本発明の第36の態様は、第29の態様の装置において、サポートが、通路の少なくとも一部分を形成する管状部材を備え、各クリップが、記憶設定された閉じた構成を有しており、クリップが、管状部材中に配設されたとき、管状部材は、閉じた構成からクリップを偏らせ、またクリップが管状部材から解放されたとき、クリップがその記憶設定された閉じた構成の方向に移動する。
【0077】
本発明の第37の態様は、第29の態様の装置において、クリップが、ループ形状の記憶設定された閉じた構成を有する。
【0078】
本発明の第38の態様は、第37の態様の装置において、サポートが管状部材を備え、自働閉鎖クリップが、管状部材中に摺動可能に配設され、また連続して配置される。
【0079】
本発明の第39の態様は、第29の態様の装置において、各クリップが、第1の端部及び第2の端部を有しており、各クリップの端部の少なくとも一方に丸みが付けられている。
【0080】
本発明の第40の態様は、第39の態様の装置において、各クリップの端部には共に丸みが付けられている。
【0081】
本発明の第41の態様は、第29の態様の装置において、距離が、約0.318cm(1/8インチ)から約2.54cm(1インチ)の範囲である。
【0082】
本発明の第42の態様は、外科手術用接合装置であって、遠位端を有する遠位部分及び近位部分を有し、近位部分と遠位部分の間に通路を形成するサポートと、通路中に、それぞれが摺動可能に配設される複数の自働閉鎖クリップと、通路中で摺動可能に移動し、かつクリップを遠位方向に押すように構成される部分を有するプッシャであって、サポートの遠位部分にクリップのうちの1つが存在するサポート中の第1の位置に、解放可能に固定された第1の状態を有し、かつサポートからクリップのうちの1つが部分的に押し出されたサポート中の第2の位置に、解放可能に固定された第2の状態を有するプッシャとを備える。
【0083】
本発明の第43の態様は、第42の態様の装置において、サポートが管状部材を備え、また自働閉鎖クリップが管状部材中に摺動可能に配設される。
【0084】
本発明の第44の態様は、第43の態様の装置において、クリップが連続して配置される。
【0085】
本発明の第45の態様は、第42の態様の装置において、サポートの遠位部分が湾曲している。
【0086】
本発明の第46の態様は、第42の態様の装置において、サポートの遠位部分が螺旋部分を有する。
【0087】
本発明の第47の態様は、第42の態様の装置において、サポートが管状部材を備え、また遠位端が尖っている。
【0088】
本発明の第48の態様は、第47の態様の装置において、管状部材が皮下注射針を含む。
【0089】
本発明の第49の態様は、第48の態様の装置において、皮下注射針が、その中に形成されたスロットを有しており、スロットが、サポートの遠位端の方向に延設され、またプッシャが、スロットを通って延長されている。
【0090】
本発明の第50の態様は、第49の態様の装置において、サポートの一部分を囲んでおり、またその中に形成されかつ皮下注射針中のスロットと位置合わせされたスロットを有する第2の管状部材を含み、プッシャが両方のスロットを通って延長される。
【0091】
本発明の第51の態様は、第50の態様の装置において、第2の管状部材が複数の凹部を有し、またプッシャが1つの凹部を有し、更に、プッシャの凹部中に配設されたバネ装填ボタンを含み、プッシャがバネ装填ボタンを第2の管状部材の凹部と位置合わせするように移動可能である。
【0092】
本発明の第52の態様は、第42の態様の装置において、各クリップが、記憶設定された閉じた構成を有しており、クリップが、管状部材中に配設されたとき、管状部材は、閉じた構成からクリップを偏らせ、またクリップが管状部材から解放されたとき、クリップはその記憶設定された閉じた構成の方向に移動する。
【0093】
本発明の第53の態様は、第42の態様の装置において、クリップが、ループ形状の記憶設定された閉じた構成を有する。
【0094】
本発明の第54の態様は、第53の態様の装置において、サポートが管状部材を備え、また自働閉鎖クリップが管状部材中に摺動可能に配設される。
【0095】
本発明の第55の態様は、第42の態様の装置において、各クリップが、第1の端部及び第2の端部を有しており、各クリップの端部の少なくとも一方に丸みが付けられている。
【0096】
本発明の第56の態様は、第55の態様の装置において、各クリップの端部には共に丸みが付けられている。
【0097】
本発明の第57の態様は、第42の態様の装置において、通路に沿って、サポートの遠位端から、自働閉鎖クリップのうちの1つの長さ未満の距離の間隔を空けた位置で、サポートの遠位部分から延びている停止部材を更に含む。
【0098】
本発明の第58の態様は、第57の態様の装置において、距離が、約0.318cm(1/8インチ)から約2.54cm(1インチ)の範囲である。
【0099】
本発明の第59の態様は、第42の態様の装置において、通路に沿って、サポートの遠位端から、接合される材料を管状の針上に集めることのできる十分な距離の間隔を空けた位置で、サポートの遠位部分から延びている停止部材を更に含む。
【0100】
本発明の第60の態様は、第59の態様の装置において、距離が、約0.318cm(1/8インチ)から約2.54cm(1インチ)の範囲である。
【0101】
本発明の第61の態様は、外科手術用接合装置であって、遠位端を有する遠位部分及び近位部分を有し、近位部分と遠位部分の間に通路を形成し、中に形成されたスロット有する管状のクリップサポートと、通路中に、それぞれが摺動可能に配設される複数の自働閉鎖クリップと、管状のクリップサポートの少なくとも一部分を囲んでおり、また管状のクリップサポート中のスロットと位置合わせされたスロットを有する管状のスリーブと、通路中で摺動可能に移動し、かつクリップを遠位方向に押すように構成され、スロットを通って延長されるプッシャとを備える。
【0102】
本発明の第62の態様は、第61の態様の装置において、通路に沿って、サポートの遠位端から、自働閉鎖クリップのうちの1つの長さ未満の距離の間隔を空けた位置で、サポートの遠位部分から延びている停止部材を更に含む。
【0103】
本発明の第63の態様は、第62の態様の装置において、距離が、約0.318cm(1/8インチ)から約2.54cm(1インチ)の範囲である。
【0104】
本発明の第64の態様は、第61の態様の装置において、通路に沿って、サポートの遠位端から、接合される材料を管状の針上に集めることのできる十分な距離の間隔を空けた位置で、サポートの遠位部分から延びている停止部材を更に含む。
【0105】
本発明の第65の態様は、第64の態様の装置において、距離が、約0.318cm(1/8インチ)から約2.54cm(1インチ)の範囲である。
【0106】
本発明の第66の態様は、第61の態様の装置において、プッシャが、サポートの遠位部分内にクリップのうちの1つが存在するサポート中の第1の位置に、解放可能に固定された第1の状態を有し、かつサポートからクリップのうちの1つが部分的に押し出されたサポート中の第2の位置に、解放可能に固定された第2の状態を有する。
【0107】
本発明の第67の態様は、第66の態様の装置において、管状のスリーブが複数の凹部を有し、またプッシャが1つの凹部を有し、更に、プッシャの凹部中に配設されたバネ装填ボタンを含み、プッシャがバネ装填ボタンを第2の管状部材の凹部と位置合わせするように移動可能である。
【0108】
本発明の第68の態様は、第61の態様の装置において、クリップが連続して一直線に並んでいる。
【0109】
本発明の第69の態様は、第61の態様の装置において、各クリップが、第1の端部及び第2の端部を有しており、各クリップの端部の少なくとも一方に丸みが付けられている。
【0110】
本発明の第70の態様は、第69の態様の装置において、各クリップの端部には共に丸みが付けられている。
【0111】
本発明の第71の態様は、第61から第70のいずれかの態様の装置において、クリップサポートが管状部材を備え、また遠位端が尖っている。
【0112】
本発明の第72の態様は、第71の態様の装置において、クリップサポートが皮下注射針を含む。
【0113】
本発明の第73の態様は、組織を接合する方法であって、自働閉鎖クリップサポートを、少なくとも一方が組織を含む、材料の第1の部分及び第2の部分を介して貫通させるステップと、クリップサポートから、自働閉鎖クリップの一部分を延長するステップと、材料からクリップサポートを引き抜くと同時に、自働閉鎖クリップをそこから解放させるステップと、を含む。
【0114】
本発明の第74の態様は、組織を接合する方法であって、自働閉鎖クリップサポートを、少なくとも一方が組織を含む、材料の第1の部分及び第2の部分を介して貫通させるステップと、記憶設定された閉じた構成を有する自働閉鎖クリップの一部分を、クリップサポートから延長し、延長された部分がその記憶設定された閉じた構成の方向に移動できるようにするステップと、材料からクリップサポートを引き抜き、また自働閉鎖クリップを完全にサポートから引き抜いて、その閉じた構成の方向に移動できるようにするステップとを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術用接合装置であって、
遠位端を有する遠位部分及び近位部分を有し、当該近位部分と当該遠位部分の間に内部通路を形成するサポートであって、当該通路は当該遠位部分に沿って周囲が閉じて当該遠位端で開かれている、サポートと、
前記通路中に、それぞれが摺動可能に配設される複数の自働閉鎖クリップと、
前記通路中で摺動可能に移動し、かつ前記クリップを遠位方向に押すように構成される部分を有するプッシャと、
前記サポートの前記遠位部分に接触し当該遠位部分から延びている停止部材と、を備え、
前記サポートは、前記通路の少なくとも一部を形成する管状部材を有し、
各クリップが、記憶設定された閉じた構成を有しており、
前記クリップが前記管状部材内に配設されるとき、当該管状部材は、前記閉じた構成から当該クリップを偏らせ、
前記クリップが前記管状部材から解放されるとき、当該クリップは、その記憶設定された閉じた構成の方向に移動し、
各クリップは、ボール形状の第1の端部及びボール形状の第2の端部を有する、装置。
【請求項2】
前記サポートが管状部材を備え、前記自働閉鎖クリップが、前記管状部材中に摺動可能に配設されると共に連続して配置される、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記サポートの遠位部分が湾曲している、請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記サポートの遠位部分が螺旋部分を有する、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記サポートが管状部材を備え、また前記遠位端が尖っている、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記管状部材が皮下注射針を含む、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記皮下注射針が、その中に形成されたスロットを有しており、前記スロットが、前記サポートの前記遠位端の方向に延設され、また前記プッシャが、前記スロットを通って延長された部分を有する、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記クリップが、ループ形状の記憶設定された閉じた構成を有する、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記サポートが管状部材を備え、前記自働閉鎖クリップが、前記管状部材中に摺動可能に配設され、また連続して配置される、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記サポートの前記遠位端と前記停止部材との距離が、約0.318cm(1/8インチ)から約2.54cm(1インチ)の範囲である、請求項に記載の装置。
【請求項11】
外科手術用接合装置であって、
遠位端を有する遠位部分及び近位部分を有し、当該近位部分と当該遠位部分の間に通路を形成するサポートと、
前記通路中に、それぞれが摺動可能に配設される複数の自働閉鎖クリップと、
前記通路中で摺動可能に移動し、かつ前記クリップを遠位方向に押すように構成される部分を有するプッシャであって、前記サポートの前記遠位部分に当該クリップのうちの1つが存在する当該サポート中の第1の位置に、解放可能に固定された第1の状態を有し、かつ当該サポートから当該クリップの当該1つが部分的に押し出された当該サポート中の第2の位置に、解放可能に固定された第2の状態を有するプッシャと、を備え、
前記サポートが管状部材を備え、また前記遠位端が尖っていて、
前記管状部材が皮下注射針を含み、
前記皮下注射針が、その中に形成されたスロットを有しており、当該スロットが、前記サポートの前記遠位端の方向に延設され、また前記プッシャが、当該スロットを通って延長され、
前記サポートの一部分を囲んでおり、またその中に形成されかつ前記皮下注射針中の前記スロットと位置合わせされたスロットを有する第2の管状部材を含み、前記プッシャが両方のスロットを通って延長され、
前記第2の管状部材が複数の凹部を有し、また前記プッシャが1つの凹部を有し、更に、前記プッシャの凹部中に配設されたバネ装填ボタンを含み、前記プッシャが前記バネ装填ボタンを前記第2の管状部材の凹部と位置合わせするように移動可能である、装置。
【請求項12】
外科手術用接合装置であって、
遠位端を有する遠位部分及び近位部分を有し、当該近位部分と当該遠位部分との間に通路を形成し、中に形成されたスロットを有する管状のクリップサポートと、
前記通路中に、それぞれが摺動可能に配設される複数の自働閉鎖クリップと、
前記管状のクリップサポートの少なくとも一部分を囲んでおり、また当該管状のクリップサポート中の前記スロットと位置合わせされたスロットを有する管状のスリーブと、
前記通路中で摺動可能に移動し、かつ前記クリップを遠位方向に押すように構成され、前記スロットを通って延長されるプッシャと、を備え、
前記プッシャが、前記サポートの前記遠位部分内に前記クリップのうちの1つが存在する前記サポート中の第1の位置に、解放可能に固定された第1の状態を有し、かつ前記サポートから前記クリップの前記1つが部分的に押し出された前記サポート中の第2の位置に、解放可能に固定された第2の状態を有し、
前記管状のスリーブが複数の凹部を有し、また前記プッシャが1つの凹部を有し、更に、前記プッシャの凹部中に配設されたバネ装填ボタンを含み、前記プッシャが前記バネ装填ボタンを前記管状のスリーブの凹部と位置合わせするように移動可能である、装置。
【請求項13】
サポートは、管状の針を有し、
前記停止部材は、前記針から放射状に延設する、請求項に記載の装置。
【請求項14】
前記停止部材は、前記管状の針に固定される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記停止部材は、ディスク形状を有する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記サポートは、管状の針を有し、
前記通路の少なくとも一部分は、前記管状の針の中にあり、
前記プッシャは、前記通路の前記少なくとも一部分の中で摺動可能に動いて、前記クリップを遠位方向に押すようにされた部分を有する、請求項に記載の装置。
【請求項17】
各クリップは、分離した別個の要素である、請求項に記載の装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【公開番号】特開2012−130714(P2012−130714A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−19840(P2012−19840)
【出願日】平成24年2月1日(2012.2.1)
【分割の表示】特願2006−543966(P2006−543966)の分割
【原出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(507020152)メドトロニック,インコーポレイテッド (20)
【Fターム(参考)】