説明

外科用ステープラのためのアンビル位置検出器

【課題】外科用器具のあごすなわちアンビルが、外科用器具の残りの部分に対して正しく整列することを保証することのできるインジケータメカニズムを有する外科用器具を提供すること。
【解決手段】あご位置検出器を取り込んだ外科用器具であって、第1の長手方向の軸を有する支持部材と、該支持部材に可動的に取り付けられ、第2の長手方向の軸を有するあごと、該支持部材と関連し、該支持部材に対して該あごを動かすように動作可能な駆動メカニズムと、位置検出器であって、該位置検出器は駆動メカニズムおよびアンビルと関連し、それによって該位置検出器は、該第1の長手方向の軸が該第2の長手方向の軸と実質的に整列したとき、該外科用器具のオペレータに指示を提供する、位置検出器とを備えている、外科用器具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1.技術分野)
本開示は、外科用器具に対する使用のためのあご位置検出器に関する。さらに詳細には、本開示は、外科用ステープリング器具における使用のためのアンビル位置検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の背景)
様々な外科用器具が、組織を掴み、かつ操作するための外科的処置において使用されている。これらの器具は、比較的可動なあご構造を有するデバイス、例えばグラスパー、カッター、その他を含み得る。
【0003】
可動なあご構造を有する他のタイプの外科用器具は、外科用ステープラを含む。外科用ステープラは通常、ステープルを含むカートリッジ、およびステープルを含むカートリッジに対して可動に取り付けられたアンビル部材を取り込む。組織がアンビル部材とステープルを含むカートリッジとの間で捕捉され、ステープラが作動させられ、1つ以上の列のステープルを捕捉された組織の中を貫通して配置され、一部の場合においては、ステープルの列の間の組織を切る。組織を正しくステープルするためには、アンビルが、外科用ステープラの残りの部分に対して、特にアンビルが取り付けられている細長い部材に対して、所定の位置に動かされることがしばしば必要である。
【0004】
特定の例において、アンビル部材の長手方向の軸が細長い部材の長手方向の軸に対して実質的に平行となるように、外科用器具の細長い部材に対してアンビル部材を向けることが望ましい。これは、ステープルされる組織の周囲に閉じた状態にステープルを完全に折り曲げるために、アンビル部材と関連するステープルポケットが正しい位置にあるようにするために必要であり得る。内視鏡的に処置を実行するとき、アンビル部材の長手方向の軸が、細長い部材の長手方向の軸に対していつ正しく整列したかが分かるのはしばしば困難である。
【0005】
従って、外科用器具のあごすなわちアンビルが、外科用器具の残りの部分に対して正しく整列することを保証することのできるインジケータメカニズムを有する外科用器具を提供することが望ましい。正しい整列の触感の指示を提供するインジケータメカニズムを提供することがさらに望ましい。正しい整列の可聴の指示を提供するインジケータメカニズムを提供することがさらに望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
あご位置検出器を取り込む外科用器具が開示されている。外科用器具は、ハンドルおよびハンドルから遠位方向に延びる支持部材または細長い部材を含む。細長い部材は、第1の長手方向の軸を画定する。あごアセンブリは、細長い部材の遠位端に取り付けられ、ステープルカートリッジおよびステープルカートリッジに対して取り付けられた可動のあごすなわちアンビルを含む。アンビルは、第2の長手方向の軸を画定する。駆動メカニズムが、ステープルカートリッジから離された開いた位置とステープルカートリッジに実質的に近い閉じた位置との間でアンビルを動かすために提供される。位置検出器が駆動メカニズムおよびアンビルと関連し、それによって位置検出器は、第1の長手方向の軸が第2の長手方向の軸と実質的に整列したとき、外科用器具のオペレータに指示を提供する。駆動メカニズムは、細長い管状部材内で可動であるドライバを含む。
【0007】
位置検出器は、あごに形成されたノッチ、およびあごのノッチと係合可能な、ドライバ上の突起を含む。ノッチは、あごに形成された横のノッチであり、ドライバ上の突起は、ドライバに対して横に向けられたクロスピンである。一実施形態において、クロスピンのノッチとの係合は、第1の長手方向の軸が、第2の長手方向の軸と実質的に整列したという触感の指示をオペレータまたはユーザに提供する。代替の実施形態において、クロスピンのノッチとの係合は、第1の長手方向の軸が第2長手方向の軸と実質的に整列したという可聴の指示をオペレータまたはユーザに提供する。
【0008】
あご位置検出器を取り込む代替の外科用器具も、提供される。外科用器具は、第1の長手方向の軸を有する支持部材、および支持部材に可動的に取り付けられ、かつ第2の長手方向の軸を有するあごを含む。駆動メカニズムは、サポート部材の上を可動であり、かつ支持部材に対してあごを動かすように動作可能である。位置検出器は、あごおよび駆動メカニズムと関連し、それによって位置検出器は、第1の長手方向の軸が第2の長手方向の軸と実質的に整列したとき、外科用器具のオペレータに指示を提供する。
【0009】
一実施形態において、駆動メカニズムは、支持部材の上を可動であり、かつ支持部材に対してあごを動かすためにあごと係合可能である外側管状部材を含む。位置検出器は、あごに形成されたノッチ、および外側管状部材の突起を含む。一実施形態において、ノッチは、あごに形成された横のノッチであり、外側管状部材の突起は、内側に向けられた突起である。一実施形態において、突起のノッチとの係合は、ユーザまたはオペレータに触感の指示を提供する。代替の実施形態において、突起のノッチとの係合は、ユーザまたはオペレータに可聴の指示を提供する。
【0010】
ねじの切られた内側部材、およびねじの切られた外側部材を取り込むあご閉鎖メカニズムに対する使用のためのインジケータが開示されている。インジケータは、ねじの切られた内側部材が、ねじの切られた外側部材に対して所定の位置にあるとき、指示をユーザまたはオペレータに提供する。位置インジケータは、ねじの切られた内側部材に形成されたノッチ、およびねじの切られた外側部材に形成され、ノッチと係合可能な突起を含む。一実施形態において、突起のノッチとの係合は、ユーザまたはオペレータに触感の指示を提供し、一方、代替の実施形態においては、突起のノッチとの係合は、ユーザまたはオペレータに可聴の指示を提供する。
【0011】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
【0012】
(項目1a)
あご位置検出器を取り込んだ外科用器具であって、
第1の長手方向の軸を有する支持部材と、
該支持部材に可動的に取り付けられ、第2の長手方向の軸を有するあごと、
該支持部材と関連し、該支持部材に対して該あごを動かすように動作可能な駆動メカニズムと、
位置検出器であって、該位置検出器は駆動メカニズムおよびアンビルと関連し、それによって該位置検出器は、該第1の長手方向の軸が該第2の長手方向の軸と実質的に整列したとき、該外科用器具のオペレータに指示を提供する、位置検出器と
を備えている、外科用器具。
【0013】
(項目2a)
上記支持部材は細長い管状部材であり、上記駆動メカニズムは、該細長い管状部材内で可動であるドライバを含む、項目1aに記載の外科用器具。
【0014】
(項目3a)
上記位置検出器は、上記あごに形成されたノッチ、および該あごのノッチと係合可能な、ドライバ上の突起を含む、項目2aに記載の外科用器具。
【0015】
(項目4a)
上記ノッチは、上記あごに形成された横向きのノッチである、項目3aに記載の外科用器具。
【0016】
(項目5a)
上記ドライバの上記突起は、該ドライバに対して横に向けられたクロスピンである、項目3aに記載の外科用器具。
【0017】
(項目6a)
上記突起の上記ノッチとの係合は、上記ユーザまたはオペレータに触感の指示を提供する、項目3aに記載の外科用器具。
【0018】
(項目7a)
上記突起の上記ノッチとの係合は、上記ユーザまたはオペレータに可聴の指示を提供する、項目3aに記載の外科用器具。
【0019】
(項目8a)
あご閉鎖メカニズムに対する使用のためのインジケータであって、
ねじの切られた内側部材と、
ねじの切られた外側部材と、
該ねじの切られた内側部材、およびねじの切られた外側部材と関連する位置インジケータであって、該インジケータは、該ねじの切られた内側部材が該ねじの切られた外側部材に対して所定の位置にあるとき、ユーザまたはオペレータに指示を提供する、位置インジケータと
を備えている、インジケータ。
【0020】
(項目9a)
上記位置インジケータは、上記ねじの切られた内側部材に形成されたノッチ、および該ノッチと係合可能であり、上記ねじの切られた外側部材に形成された突起を含む、項目8aに記載のインジケータ。
【0021】
(項目10a)
上記突起の上記ノッチとの係合は、上記ユーザまたはオペレータに触感の指示を提供する、項目9aに記載のインジケータ。
【0022】
(項目11a)
上記突起の上記ノッチとの係合は、上記ユーザまたはオペレータに可聴の指示を提供する、項目9aに記載のインジケータ。
【0023】
(項目1b)
あご位置検出器を取り込んだ外科用器具であって、
第1の長手方向の軸を有する支持部材と、
該支持部材に可動的に取り付けられ、第2の長手方向の軸を有するあごと、
該支持部材と関連し、該支持部材に対して該あごを動かすように動作可能な駆動メカニズムと、
位置検出器であって、該位置検出器は駆動メカニズムおよびアンビルと関連し、それによって該位置検出器は、該第1の長手方向の軸が該第2の長手方向の軸と実質的に整列したとき、該外科用器具のオペレータに指示を提供する、位置検出器と
を備えている、外科用器具。
【0024】
(項目2b)
上記支持部材は細長い管状部材であり、上記駆動メカニズムは、該細長い管状部材内で可動であるドライバを含む、項目1bに記載の外科用器具。
【0025】
(項目3b)
上記位置検出器は、上記あごに形成されたノッチ、および該あごのノッチと係合可能な、ドライバ上の突起を含む、項目2bに記載の外科用器具。
【0026】
(項目4b)
上記ノッチは、上記あごに形成された横のノッチである、項目3bに記載の外科用器具。
【0027】
(項目5b)
上記ドライバの上記突起は、該ドライバに対して横に向けられたクロスピンである、項目3bに記載の外科用器具。
【0028】
(項目6b)
上記突起の上記ノッチとの係合は、上記ユーザまたはオペレータに触感の指示を提供する、項目3bに記載の外科用器具。
【0029】
(項目7b)
上記突起の上記ノッチとの係合は、上記ユーザまたはオペレータに可聴の指示を提供する、項目3bに記載の外科用器具。
【0030】
(項目8b)
あご位置検出器を取り込んだ外科用器具であって、
第1の長手方向の軸を有する支持部材と、
該支持部材に可動に取り付けられ、第2の長手方向の軸を有するあごと、
該支持部材の上を可動であり、該支持部材に対して該あごを動かすように動作可能な駆動メカニズムと、
位置検出器であって、該位置検出器は駆動メカニズムおよびアンビルと関連し、それによって該位置検出器は、該第1の長手方向の軸が該第2の長手方向の軸と実質的に整列したとき、該外科用器具のオペレータに指示を提供する、位置検出器と
を備えている、外科用器具。
【0031】
(項目9b)
上記駆動メカニズムは、上記支持部材の上を可動であり、かつ該支持部材に対して上記あごを動かすために該あごと係合可能である外側管状部材を含む、項目8bに記載の外科用器具。
【0032】
(項目10b)
上記位置検出器は、上記あごに形成されたノッチ、および該あごの該ノッチと係合可能な、上記外側管状部材における突起を含む、項目9bに記載の外科用器具。
【0033】
(項目11b)
上記ノッチは、上記あごに形成された横のノッチである、項目10bに記載の外科用器具。
【0034】
(項目12b)
上記外側管状部材における上記突起は、内側に向けられた突起である、項目10bに記載の外科用器具。
【0035】
(項目13b)
上記外側管状部材における上記突起の上記あごに形成された上記ノッチとの係合は、上記ユーザまたはオペレータに触感の指示を提供する、項目10bに記載の外科用器具。
【0036】
(項目14b)
上記外側管状部材における上記突起の上記あごに形成された上記ノッチとの係合は、上記ユーザまたはオペレータに可聴の指示を提供する、項目10bに記載の外科用器具。
【0037】
(項目15b)
あご閉鎖メカニズムに対する使用のためのインジケータであって、
ねじの切られた内側部材と、
ねじの切られた外側部材と、
該ねじの切られた内側部材、およびねじの切られた外側部材と関連する位置インジケータであって、該インジケータは、該ねじの切られた内側部材が該ねじの切られた外側部材に対して所定の位置にあるとき、ユーザまたはオペレータに指示を提供する、位置インジケータと
を備えている、インジケータ。
【0038】
(項目16b)
上記位置インジケータは、上記ねじの切られた内側部材に形成されたノッチ、および該ノッチと係合可能であり、上記ねじの切られた外側部材に形成された突起を含む、項目15bに記載のインジケータ。
【0039】
(項目17b)
上記突起の上記ノッチとの係合は、上記ユーザまたはオペレータに触感の指示を提供する、項目16bに記載のインジケータ。
【0040】
(項目18b)
上記突起の上記ノッチとの係合は、上記ユーザまたはオペレータに可聴の指示を提供する、項目16bに記載のインジケータ。
【0041】
(摘要)
アンビル位置検出器が、外科用ステープリング器具に対する使用のために提供される。アンビル位置検出器は、外科用器具の駆動またはあご閉鎖メカニズムに形成された突起、および外科用器具のあごすなわちアンビルに形成されたノッチのリセスを含む。突起のノッチとの係合は、アンビルまたはあごが、外科用器具の残り部分と正しく整列しているという触感および/または可聴の指示を外科用器具のオペレータに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、外科用ステープラに対する使用のためのアンビル位置検出器の一実施形態を取り込む外科用ステープラの斜視図である。
【図2】図2は、図1の外科用ステープラの遠位端の側面図である。
【図3】図3は、アンビル位置検出器の一部分を取り込む外科用ステープラの駆動バーの遠位端の斜視図である。
【図4】図4は、図1の外科用ステープラの遠位端の端面図である。
【図5】図5は、図1の外科用ステープラの遠位端の上面図である。
【図6】図6は、組織の周囲に配置された図1の外科用ステープラの遠位端の側面図である。
【図7】図7は、図1の外科用ステープラの遠位端の側面図であり、組織があご間に捕捉され、アンビル位置検出器が係合している。
【図8】図8は、アンビル位置検出器の代替の実施形態を取り込む外科用ステープラの斜視図である。
【図9】図9は、図8の外科用ステープラの遠位端の側面図である。
【図10】図10は、アンビル位置検出器の一部分を取り込む図8の外科用ステープラの駆動チューブの遠位端の断面図である。
【図11】図11は、図8の外科用ステープラの遠位端の端面図である。
【図12】図12は、図8の外科用ステープラの遠位端の上面図である。
【図13】図13は、組織の周囲に配置された図8の外科用ステープラの遠位端の側面図である。
【図14】図14は、図8の外科用ステープラの遠位端の側面図であり、組織があご間に捕捉され、アンビル位置検出器が係合している。
【図15】図15は、外科用ステープラのあご閉鎖メカニズムに対する使用のためのアンビル位置検出器の代替の実施形態を断面図である。
【図16】図16は、係合した位置における図15のアンビル位置検出器の断面図である。
【図17】図17は、アンビル位置検出器のコンポーネントの遠位端の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
外科用ステープラにおける使用のための、ここに開示されるアンビル位置検出器の様々な実施形態が、本明細書に図面を参照して開示される。
【0044】
(実施形態の詳細な記述)
外科用ステープラにおける使用のための、ここに開示されるアンビル位置検出器の実施形態が、図面を参照してここに詳細に記述され、図面においては、同様な数字は、いくつかの図の各々において、同一かまたは対応する要素を示す。当技術分野において普通であるように、用語「近位の」は、ユーザまたはオペレータ、すなわち外科医または内科医により近い部分またはコンポーネントを指し、一方、用語「遠位の」は、ユーザからさらに離れた部分またはコンポーネントを指す。
【0045】
図1を参照して、アンビル位置検出器12の一実施形態を取り込む外科用ステープラ10が例示されている。外科用ステープラ10は、ハンドル14、およびハンドル14から遠位方向に延びる細長い管状部材16を含む。あごアセンブリ18が、細長い管状部材16の遠位端20に提供されている。あごアセンブリ18は、ステープルカートリッジ22、およびステープルカートリッジ22に対する運動のために取り付けられたアンビル24を含む。ステープルカートリッジ22は、組織の中に打ち込まれアンビル24の中に入り、組織の周囲で折り曲げられるために提供された複数のステープル(図示されず)を含むタイプである。ステープルカートリッジ22は、細長い管状部材16に永久的に取り付けられ得るか、または除去可能であり得、従って新しいステープルカートリッジ22と取替え可能であり得る。アンビル24は、ステープルカートリッジ22から離れた開いた位置と、ステープルカートリッジ22に実質的に近い閉じた位置との間を可動である。
【0046】
外科用ステープラ10は、ハンドル14に可動的に取り付けられた第1のトリガ26および第2のトリガ28をさらに含む。第1のトリガ26は、アンビル24を、開いた位置と閉じた位置との間で動かすために提供される。アンビル24を開いた位置から閉じた位置へカムで動かすために、第1のトリガ26の作動は、細長い管状部材16に対して長手方向にドライバ30を動かすように動作する。第2のトリガ28の作動は、ステープルカートリッジ22からステープルを射出し、組織の中を通し、そしてアンビル24の中に入れ、組織の周囲で折り曲げるように動作する。
【0047】
ここで図2を参照して、上記のように、ステープルカートリッジ22は、細長い管状部材14に取り付けられる。細長い管状部材14は、第1の長手方向の軸A−Aを有している。詳細には、近位端32は、細長い管状部材14の遠位端20に取り付けられる。アンビル24の近位端32は、ピボット36において、ステープルカートリッジ22の近位端32に可動的に取り付けられている。開いた位置と閉じた位置との間でアンビル24を動かすために、クロスピン38がドライバ30に提供され、アンビル24の近位端34においてアングルエッジ40と係合可能である。クロスピン38が、アングルエッジ40を圧して駆動されるとき、アンビル24は、開いた位置から閉じた位置へ動かされる。
【0048】
ここで図3を参照して、クロスピン38は、ドライバ30の42の遠位端の中を貫通し横断的に取り付けられる。ドライバ30の遠位端42は、組織がアンビル24とステープルカートリッジ22との間で挟まれることを防ぐために提供された弧状の組織ストップ44をさらに含み得る。
【0049】
図2に戻って、上述されたように、外科用ステープラ10は、アンビル24が細長い管状部材14に対して正しい位置にあるとき、外科用ステープラ10のオペラータに指示を与えるために提供されたアンビル位置検出器12を含む。アンビル位置検出器12は、ドライバ30のクロスピン38と協働する、アンビル24において形成されたクロスノッチ46を含む。詳細には、アンビル24が、閉じた位置に向かって動かされるとき、クロスピン38は、クロスノッチ46に向かって動き、かつこれと係合する。クロスピン38が、クロスノッチ46と係合するとき、触感の指示、例えば2つの部分がぱちんと嵌る感じを外科用ステープラ10のオペレータに提供するような態様でそのようにする。さらに、クロスピン38のクロスノッチ46との係合は、クロスピン38がクロスノッチ46と係合し、かつアンビル24は、細長い管状部材14に対して正しく向いているという、可聴の指示も外科用ステープラ10のオペレータに提供し得る。
【0050】
ここで図4から図7までを参照して、最初に図4および図5に関して、最初の位置において、アンビル24は、ステープルカートリッジ22から離れた開いた位置にあり、クロスピン38を含むドライバ30は、アンビル24におけるクロスノッチ46に対して近位の位置にある。
【0051】
図6および図7に最もよく示されるように、使用に際して、あごアセンブリ18は、ステープルされる管状の組織セクションTの周囲に配置される。アンビル位置検出器12の論議は、外科用ステープラ10およびアンビル24に対して与えられているが、アンビル位置検出器12の動作は、組織と係合するあご構造、例えばグラスパー、カッター、その他を有する他の外科用器具にも等しく適用可能であることには留意されるべきである。一旦組織Tが、あごアセンブリ18内に、正しく配置されると、第1のトリガ26(図1)が、細長い管状部材14に対して遠位方向にドライバ30を動かすために作動させられる。ドライバ30が遠位方向に動くとき、クロスピン38は、アンビル24のアングルエッジ40と係合し、ステープルカートリッジ22に対して閉じた位置にアンビル24をカムで動かす。
【0052】
クロスノッチ46の位置は、アンビル24の長手方向の軸B−Bが、細長い管状部材14の長手方向の軸A−Aと平行であるような状況に対応するように構成されることに留意されるべきである。詳細には、クロスピン38は、長手方向の軸B−Bが、細長い管状部材14の長手方向の軸A−Aと平行となる点で、クロスノッチ46と係合する。クロスピン38がクロスノッチ46と係合するとき、クロスピン38は、クロスノッチ46とぱちんと係合し、アンビル24が細長い管状部材14に対して正しい向きにあるという触感および可聴両方の指示を、外科用ステープラ10のオペレータに与える。従って、クロスピン38は、クロスノッチ46との組み合わせで、アンビル位置検出器を形成し、外科用ステープラ10のオペレータが、アンビル24はステープルを折り曲げるために正しい位置にあることを確信することを可能にする。図示のように、ステープルカートリッジ22は、アンビル24とステープルカートリッジ22との間での組織Tの捕捉が原因で、特定の量の反りDを受け得る。これは、組織Tに適用され、アンビル24において折り曲げられるステープルの効力に影響を与えないことが発見された。従って、細長い管状部材14に対してステープルカートリッジ22を正確に向けることは、組織Tのステープリングにとって重要ではない。
【0053】
ここで図8を参照して、外科用ステープラ50と関連してアンビルの正しい位置を指示するための代替のメカニズムを取り込んだ代替の外科用ステープラ50が開示されている。外科用ステープラ50は一般に、ハンドル52から遠位方向に延びる内側部材54を有するハンドル52を含む。あごアセンブリ56は、内側部材54の遠位端58に取り付けられる。あごアセンブリ56は、アンビル60およびステープルカートリッジ62を含む。外側管状部材64は、内側部材54およびハンドル52に対して長手方向に動くように取り付けられる。外側管状部材64は、ステープルカートリッジ62から離された開いた位置からステープルカートリッジ62に実質的に近い閉じた位置へアンビル60をカムで動かすために提供される。第1のトリガ66は、ハンドル52に可動的に取り付けられ、内部部材54に対して長手方向に外側管状部材64を動かすように動作する。第2のトリガ68は、ステープルカートリッジ62からアンビル60の中にステープルを射出し、その間に捕捉された組織をステープルするために提供される。上述のように、外科用ステープラ50は、アンビル60が、外科用ステープラ50の残り部分に対して正しく向けられたとき、外科用ステープラ50のオペレータに指示を提供するための、代替のアンビル位置検出器70を取り込む。
【0054】
図9に最もよく示されるように、ステープルカートリッジ62の近位端72は、内側部材54の遠位端58に取り付けられている。アンビル60は、ステープルカートリッジ62に対して可動的に取り付けられる。アンビル60の近位端74は、ピボット76においてステープルカートリッジ62に旋回可能に取り付けられる。アンビル60を開いた位置と閉じた位置との間で動かすために、アンビル60は、アンビル60の近位端74においてアングルエッジ78を含む。外側管状部材64には、アングルエッジ78と係合してアンビル60を開いた位置から閉じた位置へ動かすように構成された遠位エッジまたはカムエッジ(camming edge)80が提供されている。上記のように、外科用ステープラ50は、アンビル60の正しい配置の指示をオペレータに与えるためのアンビル位置検出器70を含む。上述のアンビル24と同様に、アンビル60はクロスノッチ82を含む。
【0055】
ここで図10を参照して、上述のように、外側管状部材64は、内側部材54の上の運動のために空洞である。外側管状部材64は、遠位端84および内側に向けられた突起86を含み、突起86は、アンビル位置検出器70の一部分を形成し、かつアンビル60におけるクロスノッチ82と係合するように構成されている(図9)。
【0056】
図11および図12をここで参照して、最初の位置において、アンビル60は、ステープルカートリッジ62から離れた開いた位置にある(図11)。カミングエッジ80を含む外側管状部材64は、アンビル60のアングルエッジ78に対して近位の位置にある(図12)。図13に最もよく示されるように、アンビル60およびステープルカートリッジ62は最初に、管状の組織セクションTの周囲の配置されている。第1のトリガ66(図8)の作動は、外側管状部材64が遠位方向に動くようにし、カミングエッジ80をアングルエッジ78と係合させる。図14に最も良く示されるように、カミングエッジ80のアングルエッジ78との係合は、アンビル60をステープルカートリッジ62に対して開いた位置から閉じた位置へ動かす。上述の外科用ステープラ10に対するように、クロスノッチ82および内側に向く突起86を含むアンビル位置検出器70の係合は、アンビル60の長手方向の軸E−Eが、内側部材54の長手方向の軸C−Cと正しい向き、すなわちほぼ平行にあるという条件に対応するように構成される。外側管状部材64の内側に向く突起86がアンビル60のクロスノッチ82と係合するとき、ユーザは、アンビル60が、外科用ステープラ50の残り部分に対して正しく整列しているという、可聴および触感の指示が供給される。図示のように、上述されたように、特定の量の反りD2が、組織セクションTの周囲で正しくステープルを折り曲げるアンビル60の能力に影響を与えず、ステープルカートリッジ62において生じ得る。
【0057】
ここで図15および図16を参照して、アンビル位置インジケータ90のさらなる代替の実施形態が開示される。アンビル位置インジケータ90は、相互に係合するねじの切られた部材、例えばねじジャッキその他を取り込むアンビル閉鎖メカニズムに対する使用のために構成されている。内側部材92は、ねじ94を含み、空洞の外側部材96は、対応するねじ98を含む。内側部材92には、ねじ94において大きくされるかまたは深められたエリアとして形成されるノッチ100が提供される。同様に、外側部材96は、ノッチ100と係合するように構成された内側ねじ98の大きくされた突起を含む。前の実施形態に対するように、突起102のノッチ100との係合は、あごおよびハンドルが使用のために正しい向きにあるような状態に対応する。同じく、上に開示されたものと同様に、突起102のノッチ100との係合は、正しい整列が獲得されたという可聴および触感両方の指示をユーザに提供する。
【0058】
図17を最後に参照して、空洞の外側部材112の遠位端110が例示されている。上記の外側部材96に対するように、内側ねじ114は、大きくされた突起または大きくされた最も遠位のねじ116を含む。外側部材112の遠位端110は、遠位端110が曲がるか、またはばね付き部材として作用することを可能にし、大きくされた最も遠位のねじ116が内側部材の対応するノッチの中に落ち込むまで、大きくされた最も遠位のねじ116が対応する内側部材のねじと詰まって動かなくなることを防ぐL形状カットアウト118を含む。
【0059】
上述のアンビル位置インジケータメカニズムが、外科用器具と関連するあごが正しく整列したという可聴、および/または触感の指示をユーザへ与えるとして開示されたが、電気的手段を介して可聴または可視の信号をユーザに提供することも本発明で考えられた範囲内である。これは、開示されたノッチをアンビル材の残り部分から電気的に絶縁することによって、およびアンビル部材を閉じるため使用される駆動メカニズムの残り部分から開示された突起を電気的に絶縁することによって達成され得る。ノッチおよび突起は、接触を形成し得、接触は、係合されたとき、外科用器具と関連するメカニズムに電気的な信号を提供し、外科用器具は、突起とノッチが正しく係合されたという可視および/または可聴の指示をユーザに提供し得る。代替においては、単純な接触スイッチが、使用され得る。
【0060】
様々な修正が、本明細書に開示された実施形態に対してなされ得ることは理解される。例えば、ユーザに与えられる可聴および触感の信号の質を高めるために、係合するコンポーネントに使用される材料は、同じ材料であるか、または異なる材料であり得る。さらに、外科用器具が正しく機能しているという可聴および触感の指示をオペレータに与えるために、突起がノッチの中に入る係合は、他のあご閉鎖メカニズムにおいて提供され得る。さらに、開示された位置検出器は、他のあご構造、例えば組織グラスパー、組織カッター、クリップアプライヤー、その他において使用され得る。従って、上記は、限定するものとしてではなく、単に特定の実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付された特許請求の範囲および精神内で他の修正を想到する。
【符号の説明】
【0061】
10 外科用ステープラ
12 アンビル位置検出器
14 ハンドル
16 細長い管状部材
18 あごアセンブリ
22 ステープルカートリッジ
24 アンビル
26 第1のトリガ
28 第2のトリガ
30 ドライバ
38 クロスピン
46 クロスノッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2013−99611(P2013−99611A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−35532(P2013−35532)
【出願日】平成25年2月26日(2013.2.26)
【分割の表示】特願2008−113217(P2008−113217)の分割
【原出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(507362281)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (666)
【Fターム(参考)】