説明

外科用撮像装置

【課題】手術部位の画像データをユーザに表示する外科用撮像装置の提供。
【解決手段】外科用システム100は外科用付属装置120に取り外し可能に結合された電気機械的ドライバ装置110を含む。電気機械的ドライバ装置110は遠隔電力コンソール105を含み、ハウジング115のフロントパネル125に表示装置130及び表示器135a,135bが取り付けられる。電気機械的ドライバ装置はRPC105に取り付けたビデオ表示装置145を含む場合もある。ビデオ表示装置は、外科用装置190に取り付けられた撮像装置195からの画像信号を受信可能である。電気機械的ドライバ装置110は、受信器又は送受信器155と撮像装置195からの受信信号をビデオ表示器145に表示するため動作可能な回路160を有する受信システム150を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願についての記載]
本出願は、2001年4月20日出願の米国特許出願第60/285,193号、2001年6月22日出願の米国特許出願第60/300,107号、2001年12月31日出願の米国特許出願第60/344,648号、及び2002年1月30日出願の米国特許出願第60/352,726号に関する。これら文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本出願は、1999年6月2日に出願され、米国特許第6,443,973号として発行された米国暫定特許第09/324,452号、2000年11月28日出願の米国特許第09/723,715号、1999年6月2日に出願され、米国特許第6,315,184号として発行された米国特許出願第09/324,451号、1999年7月12日に出願され、米国特許第6,264,087号として発行された米国特許出願第09/351,534号、2000年2月22日に出願され米国特許第6,517,565号として発行された米国特許出願第09/510,923号、2000年2月22日に出願された米国特許第09/510,927号、2000年2月22日に出願された米国特許第6,491,201号として発行された米国特許第09/510,932号、2001年4月17日出願の米国特許出願第09/836,781号、2001年7月22日出願の米国特許出願第09/887,789号、2002年4月22日出願の米国特許出願第10/127,310号、及び2003年1月30日出願の米国特許出願第10/355,906号にも関し、これはそれぞれ参照により全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【0003】
本発明は外科用撮像装置に関する。より詳しくは、手術部位の画像データを提供するように構成された外科用撮像装置に関する。
【背景技術】
【0004】
外科手術的処置中に、外科手術的処置が正確に実行されていることを保証するように、外科医が手術部位を見えることができることが通常は重要である。しかし、外科医が手術部位を見ることができない多くのタイプの外科手術的処置がある。例えば、非常に小さい切開部を通して外科医が手術部位にアクセスする腹腔鏡又は内視鏡外科手術では、外科医が手術部位を見ることができない。
【0005】
このタイプの外科手術的処置を実行する1つの方法は、使用中に外科用装置の構成要素の位置を示す機構を含む外科用装置を使用することである。例えば、このような外科手術的処置用の手術装置は、外科用装置の構成要素の位置の表示を提供する遠隔状態表示装置を含むことがある。外科用装置の構成要素の位置を知ることにより、外科医は、外科手術的処置中に外科用装置が正確に操作されているか判断することができる。遠隔状態表示装置は、電磁センサに結合されたLCD表示装置を介して、この情報をユーザに提供することができる。例えば、外科用器具は、アンビル部とステープル、刃及びレザバ(SBR)部分とを含むことがある。外科用器具は、軸部を介して電気機械的ドライバ装置に取り外し可能に結合することができる。外科医は付属装置の軸部及びSBR部分を体腔内に前進させる。アンビル部の基部及びSBRハウジングの外縁は、取っ手のLCD表示装置に結合された電磁センサを含んでよく、これによって外科医は外科手術的処置中にアンビル及びSBRの位置を知ることができる。
【0006】
このタイプの外科手術的処置を実行する別の方法は、ビデオカメラなどを使用することである。例えば、様々なタイプのカメラは、患者の切開部を通して手術部位に挿入するように構成することができる。このようなカメラは、外科手術的処置中に手術部位のビデオデータを提供し、それによって外科医は実時間で起こっている外科手術的処置を見ることができる。しかし、切開部のサイズが小さいので、これらのカメラの1つを切開部に通して手術部位に挿入すると、操作が困難になることがある。また、これらのカメラは手術部位の1つの視像しか提供しない。外科医が、例えば異なる角度から手術部位を調べるために、手術部位の視像を変更する必要がある場合、外科医は通常、第1の切開部からカメラを取り出し、患者に別の切開部を作成して、カメラを第2の切開部に再挿入する必要がある。
【0007】
例えば、外科医は腹腔内、胸腔内及び他の同様の外科手術的処置に様々な手術器具を使用する。通常、外科医は、これらの処置を最小限に侵襲性の外科技術を使用して実行したいと考えている。例えば内視鏡処置では、例えば患者の腹部などを小さく切開し、外科医が手術を実行しようと意図している体腔を見るためにその中に内視鏡を挿入する。これらのタイプの外科府術的処置は通常、内視鏡を使用する必要があり、これによって外科医は体腔の視像を獲得し、手術中に使用される外科用装置を操作することができる。外科医は何回も同じ切開部を通して内視鏡及び外科医用装置の両方を挿入するか、装置ごとに別個の切開部を使用することができる。内視鏡を使用する大部分の外科手術的処置では、手術チームの一員が、体腔の適切な視像及び外科用装置の操作を維持するために内視鏡の位置決めを継続的に監視することがある。
【0008】
従来の外科用撮像システムによって経験される別の問題は、十分に安定した画像を提供しないことである。例えば、参照により全体が本明細書に明示的に組み込まれる特許文献1によると、従来の外科用撮像システムでは、カメラの動作が通常、最終的に表示され、外科医などのユーザが見る画像の望ましくない変化を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,097,423号明細書
【特許文献2】米国特許出願第09/723,715号明細書
【特許文献3】米国特許第09/836,781号明細書
【特許文献4】米国特許出願第09/887,789号明細書
【特許文献5】米国特許第6,443,973号明細書
【特許文献6】米国特許出願第60/285,113号明細書
【特許文献7】米国特許出願第60/289,370号明細書
【特許文献8】米国特許出願第10/098,217号明細書
【特許文献9】米国特許第5,604,531号明細書
【特許文献10】米国特許出願第09/836,781号明細書
【特許文献11】米国特許出願第10/127,310号明細書
【非特許文献1】Allenその他の”Implementing a Gray-Code Bit-Plane Matching ImageStabilization Algorithm on a Xilinx FPGA”
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献2】Samsung Electronics Co.の1997年の「Digital Image Stabilization」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、ユーザに表示するために手術部位の画像データを提供するように構成された改良型の外科用撮像装置が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の1つの例示的な実施形態によると、外科用装置の外面に取り外し可能に結合するように構成されたハウジング、及び画像データを生成するように構成された画像キャプチャー装置を含む外科用撮像ユニットが提供され、撮像ユニットは、ハウジング内に配置され、画像キャプチャー装置に電気的に結合する回路機構も含み、ここで回路機構は、画像データを少なくとも1つの遠隔装置に通信するように構成されている。
【0013】
本発明の別の例示的な実施形態によると、外科用装置と、外科用装置の外面に取り外し可能に結合するように構成されたハウジング及び画像データを生成するように構成された画像キャプチャー装置を有する撮像ユニットとを含む外科用付属装置が提供され、撮像ユニットはさらに、ハウジング内に配置され、画像キャプチャー装置に電気的に結合する回路機構を含んでよく、ここで回路機構は、画像データを少なくとも1つの遠隔装置に通信するように構成されている。
【0014】
本発明の別の例示的な実施形態によると、電気機械的ドライバ装置と、電気機械的ドライバ装置に取り外し可能に結合する外科用装置と、外科用装置の外面に結合するように構成されたハウジング及び画像データを生成するように構成された画像キャプチャー装置を有する外科用システムとを含む外科用付属装置が提供され、撮像ユニットはさらに、ハウジング内に配置され、画像キャプチャー装置に電気的に結合する回路機構を含んでよく、ここで回路機構は、画像データを少なくとも1つの遠隔装置に通信するように構成されている。
【0015】
本発明の別の例示的な実施形態によると、外科用撮像装置が提供され、外科用撮像装置は、手術部位に挿入されるように構成され、外科用撮像装置は複数のプロングを含む。各プロングは、自身上に装着された画像センサを有する。画像センサは、手術部位に対応する様々な画像データを提供し、従って外科医は幾つかの異なる角度から手術部位を見ることができる。
【0016】
プロングは、プロングが相互にほぼ平行である第1の位置と、プロングが相互に対してほぼ平行でない第2の位置との間で動作可能でよい。例えば第1の位置などのほぼ平行な構成では、プロングは切開部を通して手術部位に挿入されるように構成されている。切開部を通して手術部位に挿入されると、プロングは、ユーザが脚部によってプロングに接続された制御レバーを回転することにより、相互から半径方向に分離することができる。
【0017】
また、プロングは、プロングが個々の脚部に対してほぼ直角である延長位置と、プロングが個々の脚部に対してほぼ直角でない後退位置との間で屈曲可能でよい。プロングは、手術部位に形成された空隙の形状に準じて、このような空隙を形成するように構成されたアクチュエータを作動させることによって屈曲するように構成すると有利である。
【0018】
外科用撮像装置は、有線フォーマット、無線フォーマット、又はその両方で動作するように構成することができる。有線フォーマットでは、装置は画像センサと電気的に連絡したスロットを有する本体部分と、画像データを表示するように構成されたビデオ表示装置と、画像データを画像センサからビデオ表示装置へと伝送するように構成された制御ケーブルとを含んでよい。有線フォーマットでは、装置は電力を装置に供給するために制御ケーブルに結合可能な電源も含んでよい。有線フォーマットでは、装置は、第1のアンテナを有する本体部分、及び第2のアンテナを有する遠隔制御装置を含んでよく、遠隔制御装置は、第2のアンテナを介した無線制御信号を第1のアンテナを介して装置に提供するように構成されている。また、有線フォーマットでは、装置はアンテナを有するビデオ表示装置を含んでよく、装置は画像センサからの画像データに対応する無線信号を第1のアンテナを介して生成するように構成され、ビデオ表示装置は無線信号を受信して、画像データに対応する表示を提供するように構成されている。無線フォーマットでは、装置は電力を装置に提供する局所電源も含んでよい。
【0019】
本発明の別の例示的な実施形態によると、対象を照明する少なくとも1つの光源を含む外科用撮像装置が提供される。外科用撮像装置は少なくとも2つの画像センサも含み、各画像センサは、画像フレームの形態で対象に対応する画像データを生成するように構成されている。外科用撮像装置はさらに、画像フレームに対応する画像データを各画像センサから受信し、複合画像を生成するように画像データを処理するように構成されたビデオ処理装置を含む。ビデオ処理装置は、各画像センサから受信した画像データを正規化、安定化かつ/又は配向するように構成してよい。また、ビデオ処理装置は、複合画像を生成するように各画像センサから受信した画像データをステッチするように構成してよい。ビデオ処理装置は、各画像センサから受信した画像データを、1つの画像センサから受信して別の画像センサから受信した画像データの一部とオーバーラップする画像データの部分を処理することによってステッチすることが好ましい。
【0020】
本発明の別の例示的な実施形態によると、手術部位に挿入する外科用装置が提供される。例えば円形ステープラなどの外科用装置は、画像を受信するように構成された画像センサを含むDLU部分などの第1の部分を含む。外科用装置は、第1の部分に対して動作可能であるアンビル部などの第2の部分を含む。第2の部分は、画像を画像センサに伝達する機構、例えば自身を通って延在するボアを含む。この機構によって、手術部位から外科用装置を取り出さずに画像センサが画像を受信することができる。外科用装置は、画像センサと連絡し、画像に対応する画像データを表示ユニットに提供するように区政されたビデオ処理装置も含んでよい。1つの実施形態では、画像センサ及び機構が、例えば画像と機構とをそれぞれ第1の及び第2の部分内で中心に、例えば「軸上に」配置することによって、自動的に位置合わせされ、画像センサ及び機構は、位置合わせ機構を介して回転状態で位置合わせされる。別の実施形態では、画像及び機構が、それぞれ第1の及び第2の部分内で中心以外に、例えば「軸外し」で配置され、画像センサ及び機構は、位置合わせ機構を介して回転状態で位置合わせされる。
【0021】
より特定すれば、本願発明は以下の項目に関し得る。
(項目1)
対象体を照明する少なくとも1つの光源と、
各々が、画像フレームの形態で上記対象体に対応する画像データを生成するように構成されている少なくとも2つの画像センサと、
各画像センサから上記画像フレームに対応する上記画像データを受信し、複合画像を生成するために該画像データを処理するように構成されているビデオ処理装置を備えていることを特徴とする外科用撮像装置。
(項目2)
上記外科用撮像装置が、患者の体内に挿入されるように構成されていることを特徴とする、項目1に記載の装置。
(項目3)
上記外科用撮像装置が、患者の腹腔内に挿入されるように構成されていることを特徴とする、項目1に記載の装置。
(項目4)
複合画像が患者の腹腔全体に対応することを特徴とする、項目1に記載の装置。
(項目5)
上記ビデオ処理装置が、各画像センサから受信した画像データを正規化するように構成されていることを特徴とする、項目1に記載の装置。
(項目6)
上記ビデオ処理装置が、各画像センサから受信した上記画像データを配向するように構成されていることを特徴とする、項目1に記載の装置。
(項目7)
上記ビデオ処理装置が、上記複合画像を生成するように各画像センサから受信した上記画像データをステッチするように構成されていることを特徴とする、項目1に記載の装置。
(項目8)
上記ビデオ処理装置が、他の画像センサから受信された画像データの一部とオーバーラップさせる一の画像センサから受信された画像データの一部を処理するステップをさらに備えていることを特徴とする、項目2に記載の装置。
(項目9)
上記ビデオ処理装置が、上記複合画像の配向データ点を確立するか、又は調節するように構成されていることを特徴とする、項目1に記載の装置。
(項目10)
上記ビデオ処理装置が、1つ以上の上記画像センサを動作させる制御装置によって上記複合画像のデータポイントの方向を確立するか、又は調節することを特徴とする、項目9に記載の装置。
(項目11)
上記ビデオ処理装置が、上記複合画像の部分に対応する該当領域を選択的に生成するように構成されていることを特徴とする、項目1に記載の装置。
(項目12)
上記ビデオ処理装置が、制御装置から受信した信号に従って上記複合画像の部分に対応する上記該当領域を選択的に生成することを特徴とする、項目11に記載の装置。
(項目13)
上記ビデオ制御装置が、上記該当領域を自動的に調節するように構成されていることを特徴とする、項目11に記載の装置。
(項目14)
上記ビデオ処理装置が、外科用器具を移動させるに従って該外科用器具を連続的に表示するように、上記該当領域を自動的に調節することを特徴とする、項目13に記載の装置。
(項目15)
上記ビデオ処理装置が、上記複合画像の一部を拡大又は縮小するために、ユーザの入力装置から受信した信号に対応する該当領域を選択的に生成するように構成されていることを特徴とする、項目1に記載の装置。
(項目16)
上記表示装置で表示するために表示画像を生成するように構成されている上記ビデオ処理装置に結合された表示装置をさらに備えていることを特徴とする、項目1に記載の装置。
(項目17)
上記表示装置が無線パーソナル表示装置であることを特徴とする、項目16に記載の装置。
(項目18)
上記表示装置がオーバヘッド表示装置であることを特徴とする、項目16に記載の装置。
(項目19)
上記複合画像が16:9のアスペクト比を有することを特徴とする、項目1に記載の装置。
(項目20)
上記複合画像が4:3のアスペクト比を有することを特徴とする、項目1に記載の装置。
(項目21)
手術部位内の対象体を照明するステップと、
少なくとも2つの画像センサを介して、上記対象体に対応する少なくとも2組の画像データを生成するステップと、
複合画像を生成するように、上記少なくとも2組の画像データを処理するステップとを備えていることを特徴とする画像生成方法。
(項目22)
患者の体内の画像を生成するステップをさらに備えていることを特徴とする、項目21に記載の方法。
(項目23)
上記外科用撮像装置を患者の腹腔に挿入するステップをさらに備えていることを特徴とする、項目21に記載の方法。
(項目24)
上記処理するステップが、患者の腹腔全体の上記複合画像を生成することを備えていることを特徴とする、項目23に記載の方法。
(項目25)
各画像センサから受信した上記画像データを正規化するステップをさらに備えていることを特徴とする、項目21に記載の方法。
(項目26)
各画像センサから受信した上記画像データを配向するステップをさらに備えていることを特徴とする、項目21に記載の方法。
(項目27)
上記複合画像を生成するために、各画像センサから受信した上記画像データをステッチするステップをさらに備えていることを特徴とする、項目21に記載の方法。
(項目28)
上記ステッチするステップが、他の画像センサから受信された画像データの一部とオーバーラップさせる一の画像センサから受信された画像データの一部を処理するステップをさらに備えていることを特徴とする、項目27に記載の方法。
(項目29)
さらに、上記複合画像の配向データ点を確立するか、又は調節するステップを含むことを特徴とする、項目21に記載の方法。
(項目30)
上記複合画像の配向データ点を確立するか、又は調節する上記ステップが、1つ以上の上記画像センサを動作させる制御装置によって実行されることを特徴とする、項目29に記載の方法。
(項目31)
上記複合画像の一部に対応する該当領域を選択的に生成するステップをさらに備えていることを特徴とする、項目21に記載の方法。
(項目32)
上記複合画像の一部に対応する上記該当領域を選択的に生成する上記ステップが、制御装置から受信した信号を処理するステップを含むことを特徴とする、項目31に記載の方法。
(項目33)
上記該当領域を自動的に調節するステップをさらに備えていることを特徴とする、項目31に記載の方法。
(項目34)
上記該当領域を自動的に調節する上記ステップが、外科用器具が移動するに従って上記外科用器具を連続的に表示するステップを含むことを特徴とする、項目33に記載の方法。
(項目35)
該当領域を選択的に生成する上記ステップが、上記複合画像の一部を拡大又は縮小するために、ユーザの入力装置から受信された信号を処理するステップを含むことを特徴とする、項目31に記載の方法。
(項目36)
表示画像を生成するステップと、
上記表示装置に上記表示画像を表示するステップと
をさらに備えていることを特徴とする、項目21に記載の方法。
(項目37)
上記表示するステップが、無線パーソナル表示モニタに上記表示画像を表示するステップを含むことを特徴とする、項目36に記載の方法。
(項目38)
上記表示するステップが、オーバヘッド表示モニタに上記表示画像を表示するステップを含むことを特徴とする、項目36に記載の方法。
(項目39)
上記処理するステップが、16:9のアスペクト比を有するように上記複合画像を生成するステップを含むことを特徴とする、項目21に記載の方法。
(項目40)
上記処理するステップが、4:3のアスペクト比を有するように上記複合画像を生成するステップを含むことを特徴とする、項目21に記載の方法。
(項目41)
手術部位に挿入するための外科用装置であって、
画像を受信するように構成された画像センサを含む第1の部分と、
上記第1の部分に相対的に移動可能であり、上記画像を上記画像センサに伝送する機構を含む第2の部分とを備え、
上記装置が、上記外科用装置を上記手術部位から取り出さずに、上記画像を上記画像センサによって受信可能とすることを特徴とする外科用装置。
(項目42)
上記外科用装置が円形ステープラであることを特徴とする、項目41に記載の外科用装置。
(項目43)
上記第1の部分がDLU部分であることを特徴とする、項目42に記載の外科用装置。
(項目44)
上記DLU部分がハウジングを含むことを特徴とする、項目43に記載の外科用装置。
(項目45)
上記ハウジングがレンズ及び上記画像センサを収容することを特徴とする、項目44に記載の外科用装置。
(項目46)
上記画像センサがカメラであることを特徴とする、項目41に記載の外科用装置。
(項目47)
上記第2の部分がアンビル部であることを特徴とする、項目42に記載の外科用装置。
(項目48)
上記機構が上記アンビル部を通って延在するボアであることを特徴とする、項目47に記載の外科用装置。
(項目49)
上記ボアがレンズを含むことを特徴とする、項目48に記載の外科用装置。
(項目50)
上記画像センサと通信するビデオ処理装置をさらに備え、上記画像センサが、上記画像に対応する画像データを表示ユニットに付与するように構成されていることを特徴とする、項目46に記載の外科用装置。
(項目51)
上記画像センサ及び上記機構が自動的に位置合わせされることを特徴とする、項目41に記載の外科用装置。
(項目52)
上記第2の部分に取り付けられた場合における、上記第1の部分の相対的な回転位置に関係なく、上記画像センサ及び上記機構が、上記第1の部分が上記第2の部 分に取り付けられた場合に位置合わせされるように、上記画像センサが上記第1の部分内の中央に配置され、且つ、上記機構が上記第2の部分内の中心に配置されている従ってことを特徴とする、項目51に記載の外科用装置。
(項目53)
上記第1の部分及び上記第2の部分が、上記画像センサ及び上記機構を位置合わせするための位置合わせ機構を含むことを特徴とする、項目41に記載の外科用装置。
(項目54)
上記画像センサ及び上記機構が、上記位置合わせ機構が上記画像センサ及び上記機構を互いに相対的に位置合わせした場合に位置合わせされるように、上記画像セ ンサが上記第1の部分内の中心以外に配置され、且つ、上記機構が上記第2の部分内の中心以外に配置されている従ってことを特徴とする、項目53に記載の外科用装置。
(項目55)
手術部位に対応する画像データを生成するように構成された画像センサと、
上記画像センサから上記画像データを受信し、上記画像データを処理するように構成されたビデオ処理装置と、
上記ビデオ処理装置に結合された表示装置とを備え、
上記ビデオ処理装置が、上記表示装置に表示するために第1の方向に配向された表示画像を生成するように構成されており、
上記ビデオ処理装置が、上記画像センサの向きが変化された場合であっても、上記第1の方向と同一方向に、さらなる画像を表示するように構成されていることを特徴とする外科用撮像装置。
(項目56)
上記ビデオ処理装置が、上記表示画像を安定させるように構成されていることを特徴とする、項目55に記載の外科用装置。
(項目57)
上記ビデオ処理装置が、カレント画像フレームを基準画像フレームと比較することによって、上記表示画像を安定させるように構成されていることを特徴とする、項目56に記載の外科用装置。
(項目58)
上記ビデオ処理装置が、上記カレント画像フレーム及び上記基準画像フレームを領域に分割し、上記画像フレームの対応する領域と上記基準画像フレームの対応する領域とを比較するように構成されていることを特徴とする、項目57に記載の外科用装置。
(項目59)
上記ビデオ処理装置が、上記カレント画像フレーム及び上記基準画像フレームの上記領域に対応するモーションベクトルを評価するように構成されていることを特徴とする、項目58に記載の外科用装置。
(項目60)
上記ビデオ処理装置が、グローバルモーションベクトルを決定し、上記グローバルモーションベクトルが所定の値を超えた場合に、上記グローバルモーションベクトルを上記カレント画像フレームに適用するように構成されていることを特徴とする、項目59に記載の外科用装置。
(項目61)
画像センサを利用して、手術部位に対応する第1の画像データを生成するステップと、
表示画像を生成するために上記第1の画像データを処理するステップと、
表示装置に上記表示画像を表示するステップと、
上記画像センサの向きを変更するステップと、
上記画像センサを利用して、上記手術部位に対応する第2の画像データを生成するステップと、
上記センサの上記向きが変化された場合であっても、第1の方向に上記第2の画像データを表示するために上記第2の画像データを処理するステップと、
を備えていることを特徴とする、外科用撮像装置を使用して表示画像を提供する方法。
(項目62)
上記第2の処理ステップが、上記表示画像を安定させることを特徴とする、項目61に記載の方法。
(項目63)
上記安定化ステップが、カレント画像フレームを基準画像フレームと比較するステップを含むことを特徴とする、項目62に記載の方法。
(項目64)
上記比較ステップが、
上記カレント画像フレーム及び上記基準画像フレームを領域に分割するステップと、
上記カレント画像フレームの対応する領域と上記基準画像フレームの対応する領域とを比較するステップと、
を含むことを特徴とする、項目63に記載の方法。
(項目65)
上記安定化ステップが、上記カレント画像フレーム及び上記基準画像フレームの上記領域に対応するモーションベクトルを評価するステップを含むことを特徴とする、項目64に記載の方法。
(項目66)
上記安定化ステップが、
グローバルモーションベクトルを決定するステップと、
上記グローバルモーションベクトルが所定の値を超えた場合に、上記グローバルモーションベクトルを上記カレント画像フレームに適用するステップと
を含むことを特徴とする、項目65に記載の外科用装置。
(項目67)
電気機械的ドライバ装置と、
上記電気機械的ドライバ装置によって操作される少なくとも1つの光源と、
画像データを生成するように構成された画像センサと、
を備えており、
上記画像センサが、上記少なくとも1つの光源から離間して別々に配置されるものであることを特徴とする外科用システム。
(項目68)
上記少なくとも1つの光源が外科用付属装置内に一体で配置されることを特徴とする、項目67に記載の外科用システム。
(項目69)
上記外科用付属装置が、可撓性軸部を介して上記電気機械的ドライバ装置に取り付けられるか、又は上記電気機械的ドライバ装置に取り付け可能であることを特徴とする、項目68に記載の外科用システム。
(項目70)
上記外科用付属装置が、上記電気機械的ドライバ装置の上記可撓性軸部に取り外し可能に結合されることを特徴とする、項目69に記載の外科用システム。
(項目71)
上記少なくとも1つの光源が、外科用付属装置に永久的に取り付けられていることを特徴とする、項目67に記載の外科用システム。
(項目72)
上記外科用付属装置が、可撓性軸部を介して上記電気機械的ドライバ装置に取り付けられるか、又は上記電気機械的ドライバ装置に取り付け可能であることを特徴とする、項目71に記載の外科用システム。
(項目73)
上記外科用付属装置が、上記電気機械的ドライバ装置の上記可撓性軸部に取り外し可能に結合されることを特徴とする、項目72に記載の外科用システム。
(項目74)
上記少なくとも1つの光源が外科用付属装置に一時的に取り付けられることを特徴とする、項目67に記載の外科用システム。
(項目75)
上記外科用付属装置が、可撓性軸部を介して上記電気機械的ドライバ装置に取り付けられるか、又は上記電気機械的ドライバ装置に取り付け可能であることを特徴とする、項目74に記載の外科用システム。
(項目76)
上記外科用付属装置が、上記電気機械的ドライバ装置の上記可撓性軸部に取り外し可能に結合されることを特徴とする、項目75に記載の外科用システム。
(項目77)
上記画像センサが、第2の外科用付属装置内に配置されることを特徴とする、項目67に記載の外科用システム。
(項目78)
上記第2の外科用付属装置が、可撓性軸部を介して上記電気機械的ドライバ装置に取り付けられるか、又は上記電気機械的ドライバ装置に取り付け可能であることを特徴とする、項目77に記載の外科用システム。
(項目79)
上記第2の外科用付属装置が上記電気機械的ドライバ装置の上記可撓軸部から分離可能であることを特徴とする、項目78に記載の外科用システム。
(項目80)
上記少なくとも1つの光源が、患者の手術部位に挿入されるように構成されていることを特徴とする、項目67に記載の外科用システム。
(項目81)
上記少なくとも1つの光源が、上記外科用付属装置を上記可撓性軸部から分離された場合に、上記患者の上記手術部位内に残留するように構成されていることを特徴とする、項目80に記載の外科用システム。
(項目82)
上記少なくとも1つの光源に電力を供給するように構成された電源をさらに備えることを特徴とする、項目67に記載の外科用システム。
(項目83)
上記画像センサに電力を供給するように構成された電源をさらに備えることを特徴とする、項目67に記載の外科用システム。
(項目84)
集束レンズを有する光学システムをさらに備えることを特徴とする、項目67に記載の外科用システム。
(項目85)
撮像センサが感光装置であることを特徴とする、項目67に記載の外科用システム。
(項目86)
上記感光装置が電荷結合素子であることを特徴とする、項目85に記載の外科用システム。
(項目87)
電気機械的ドライバ装置を提供するステップと、
上記電気機械的ドライバ装置によって少なくとも1つの光源を動作させるステップと、
上記少なくとも1つの光源によって照明を提供するステップと、
画像センサによって画像データを生成するステップと、
を備えており、
上記画像センサが上記少なくとも1つの光源から離間して別々に配置されるものであることを特徴とする、外科用システムを使用する方法。
(項目88)
上記少なくとも1つの光源を外科用付属装置内に一体に配置するステップをさらに含むことを特徴とする、項目87に記載の方法。
(項目89)
上記外科用付属装置を上記電気機械的ドライバ装置に可撓性軸部を介して取り付けるステップをさらに含むことを特徴とする、項目88に記載の方法。
(項目90)
上記外科用付属装置を上記電気機械的ドライバ装置の上記可撓性軸部に取り外し可能に結合するステップをさらに含むことを特徴とする、項目89に記載の方法。
(項目91)
上記少なくとも1つの光源を外科用付属装置に永久的に取り付けるステップをさらに含むことを特徴とする、項目87に記載の方法。
(項目92)
上記外科用付属装置を上記電気機械的ドライバ装置に可撓性軸部を介して取り付けるステップをさらに含むことを特徴とする、項目91に記載の方法。
(項目93)
上記外科用付属装置を上記電気機械的ドライバ装置の上記可撓性軸部に取り外し可能に結合するステップをさらに含むことを特徴とする、項目92に記載の方法。
(項目94)
上記少なくとも1つの光源を外科用付属装置に一時的に取り付けるステップをさらに含むことを特徴とする、項目87に記載の方法。
(項目95)
上記外科用付属装置を上記電気機械的ドライバ装置に可撓性軸部を介して取り付けるステップをさらに含むことを特徴とする、項目94に記載の方法。
(項目96)
上記外科用付属装置を上記電気機械的ドライバ装置の上記可撓性軸部に取り外し可能に結合するステップをさらに含むことを特徴とする、項目95に記載の方法。
(項目97)
上記画像センサを第2の外科用付属装置内に配置するステップをさらに含むことを特徴とする、項目87に記載の方法。
(項目98)
上記第2の外科用付属装置を上記電気機械的ドライバ装置に上記可撓性軸部を介して取り付けるステップをさらに含むことを特徴とする、項目97に記載の方法。
(項目99)
上記第2の外科用付属装置を上記電気機械的ドライバ装置の上記可撓性軸部から取り外すステップをさらに含むことを特徴とする、項目98に記載の方法。
(項目100)
上記少なくとも1つの光源を患者の手術部位に挿入するステップをさらに含むことを特徴とする、項目99に記載の方法。
(項目101)
上記外科用付属装置を上記可撓性軸部から取り外した際に、上記少なくとも1つの光源が上記患者の上記手術部位内に残留するステップをさらに含むことを特徴とする、項目100に記載の方法。
(項目102)
上記少なくとも1つの光源に電力を供給するステップをさらに含むことを特徴とする、項目87に記載の方法。
(項目103)
上記画像センサに電力を提供するステップをさらに含むことを特徴とする、項目87に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の1つの実施例における例示的な外科用システムを示す。
【図2−1】本発明の1つの実施例における外科用円形ステープラを示す。
【図2−2】本発明の1つの実施例における外科用リニアステープラを示す。
【図3−1】本発明の1つの実施例において、外科用装置に結合するように構成された第1の例示的な撮像装置を示す。
【図3−2】外科用装置を撮像装置に結合した状態における、図3aの撮像装置を示す。
【図4−1】本発明の1つの実施例における典型的な画像キャプチャー装置を示す。
【図4−2】図4(a)で示した画像キャプチャー装置の側面図である。
【図5】本発明の1つの実施例における典型的な回路機構を示す。
【図6】本発明の1つの実施例において、撮像装置に電力を提供する典型的な電源機構を示す。
【図7−1】本発明の1つの実施例において、他の典型的な撮像ポッド形態の撮像装置を示す。
【図7−2】さらに詳細に表わした図7(a)に示す撮像装置の側面図である。
【図7−3】撮像ポッドが外科用装置に結合された外科用付属装置を示す。
【図8−1】本発明の1つの実施例における他の典型的な撮像ポッドを示す。
【図8−2】図8(a)に示した撮像ポッドを受容するように構成された外科用装置の典型的なレセプタクルを示す図である。
【図9】本発明の1つの実施例における他の典型的な外科用付属装置を示す。
【図10】本発明の1つの実施例における外科用撮像装置の斜視図である。
【図11】図10に表わす外科用撮像装置の本体部分の断面B−Bにおける断面図である。
【図12】本発明の1つの実施例におけるカメラを備えたプロングを示す。
【図13】図12で示したプロングの断面A−Aにおける断面図である。
【図14】本発明の1つの実施例における制御ケーブルを示す。
【図15】本発明の1つの実施例における、第1の位置にある外科用撮像装置の脚部及びプロングを示す。
【図16】図15で示したプロングの断面C−Cにおける断面図である。
【図17】図10で示した外科用撮像装置の底面図である。
【図18】本発明の1つの実施例における、後退位置にある図10の外科用撮像装置を示す。
【図19】本発明の1つの実施例における、ビデオ表示装置に表示するために画像データを無線送信する無線機構を示す。
【図20−1】本発明の1つの例示的な実施例における、典型的な外科手術的処置を実行する外科用撮像装置の動作を示す。
【図20−2】本発明の1つの例示的な実施例における、典型的な外科手術的処置を実行する外科用撮像装置の動作を示す。
【図20−3】本発明の1つの例示的な実施例における、典型的な外科手術的処置を実行する外科用撮像装置の動作を示す。
【図21】本発明の1つの例示的な実施例により本体部分に設けられた撮像センサを有する外科用撮像装置を示す図である。
【図22】本発明の他の実施例における例示的な外科用画像キャプチャー装置を示す。
【図23】複数の画像フレームを示す概略図である。
【図24】本発明の1つの例示的な実施例における、外科手術用装置の動作中に実行されるステップを備えたビデオ処理プログラムのフローチャートである。
【図25−1】本発明の1つの例示的な実施例における基準画像フレームを示す。
【図25−2】本発明の1つの例示的な実施例におけるカレント画像フレームを示す。
【図25−3】本発明の1つの例示的な実施例における、処理装置によって利用可能なフレーム安定化処置を示すフローチャートである。
【図26−1】本発明の1つの例示的な実施例における、第2の画像フレームとオーバーラップする第1の画像フレームを示す。
【図26−2】本発明の1つの例示的な実施例における、処理装置によって利用可能なフレームをステッチする処置を示すフローチャートである。
【図27−1】本発明の1つの例示的な実施例における、「軸外し」画像システムを有する円形切断/ステープル固定装置の様々な部分を示す側面断面図である。
【図27−2】本発明の1つの例示的な実施例における、「軸外し」画像システムを有する円形切断/ステープル固定装置の様々な部分を示す側面断面図である。
【図27−3】本発明の1つの例示的な実施例における、「軸外し」画像システムを有する円形切断/ステープル固定装置の様々な部分を示す側面断面図である。
【図27−4】本発明の1つの例示的な実施例における、「軸外し」画像システムを有する円形切断/ステープル固定装置の様々な部分を示す側面断面図である。
【図27−5】本発明の1つの例示的な実施例における、「軸外し」画像システムを有する円形切断/ステープル固定装置の様々な部分を示す側面断面図である。
【図28−1】本発明の他の例示的な実施例における、「軸外し」画像システムを有する円形切断/ステープル固定装置の様々な部分を示す側面断面図である。
【図28−2】本発明の他の例示的な実施例における、「軸外し」画像システムを有する円形切断/ステープル固定装置の様々な部分を示す側面断面図である。
【図28−3】本発明の他の例示的な実施例における、「軸外し」画像システムを有する円形切断/ステープル固定装置の様々な部分を示す側面断面図である。
【図29−1】本発明の1つの例示的な実施例における外科用システムの斜視図である。
【図29−2】本発明の1つの例示的な実施例における画像キャプチャー装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、外科用システム100を表わしている。外科用システム100は、外科用付属装置120に取り外し可能に結合された電気機械的ドライバ装置110を含む。このような電気機械的ドライバ装置は、例えば”Electro-MechanicalSurgical Device”と題され、2000年11月28日に出願された特許文献2、”Electro-Mechanical Surgical Device”と題され、2001年4月17日に出願された特許文献3、及び”Electro-MechanicalSurgical Device”と題され、2001年6月22日に出願された特許文献4に記載されている。これら文献の各々は参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。電気機械的ドライバ装置110は、例えば遠隔電力コンソール(RPC:remotepower console)を含んでいる場合がある。この遠隔電力コンソールは、フロントパネル125を有するハウジング115を含む。表示装置130及び表示器135a、135bが、フロントパネル125に取り付けられている。フロントパネル125には、接続スロット140も設けられている。電気機械的ドライバ装置110は、RPC105に取り付けられたビデオ表示装置145(例えば、テレビモニタ、コンピュータモニタ、CRT又は他の表示装置)も含んでいる場合もある。例えば、ビデオ表示装置145は、撮像装置195からの画像信号(例えばビデオ信号)を受信することができる。電気機械的ドライバ装置110は、受信器又は送受信器155と、撮像装置195から受信した信号をビデオ表示装置145に表示するのに適切な形態に変換するように動作可能な回路160とを有する受信システム150も含んでいる。受信システム150は、撮像装置195から受信した処理が完了した画像データをバッファし及び/又は記憶するためにメモリ装置165も含んでいる場合がある。
【0024】
可撓性軸部170がハウジング115から延在し、第1の連結部175を介して前記ハウジングに取り外し可能に固定することができる。可撓性軸部170の遠位端180は、外科用付属装置120を可撓性軸部170の遠位端180に取り外し可能に固定するように適合された第2の連結部185を含んでいる場合がある。
【0025】
回転可能な軸部、ステアリングケーブル、1つ以上のデータ送信ケーブル及び電力分配リード線は、可撓性軸部170の内部通路内に配置されており、該可撓性軸部の全長に沿って延在し、可撓性軸部170の遠位端180にある第2の連結部185で終端する。電気機械的ドライバ装置110はモータシステム(図示せず)を含んでいる場合がある。このモータシステムは駆動軸を回転させて、張力を働かせるか、又はそうでなければステアリングケーブルを駆動し、これにより可撓性軸部170の遠位端180を操縦するように構成された1つ以上のモータを含んでいる。
【0026】
様々なタイプの外科用装置190が、可撓性軸部170の遠位端180に取り付けられ得る。この外科用装置として、図2(a)で概略的に示す円形の外科用ステープラ付属装置(CSS)250が挙げられる。図2(a)を参照すると、CSS250は、CSS250を取り外し可能に結合した可撓性軸部170の第2の連結部185と協働するようにサイズ及び構成において適合された連結部255を含んでいる。CSS250は、アンビルステム270の遠位端に取り付けられたアンビル265を有するアンビル部260を含んでいる。アンビルステム270は、CSS250の本体部分275内部に回転可能に固定されたアンビル駆動軸(図示せず)を動作させることによって伸縮する。CSS250は、本体部分275内にステープルドライバ/カッタ機構(図示せず)をさらに含んでいる。動作時には、アンビル265及びステープルドライバ/カッタの伸縮は、電気機械的ドライバ装置110内のモータの動作によって実行され得る。アンビル265及びステープルドライバ/カッタの動作及び制御は、遠隔制御ユニット(図示せず)の使用によって実行することができる。アンビル265及びステープルドライバ/カッタの位置(position)及び配置(location)は、電気機械的ドライバ装置110に送信される信号によって示され、表示装置130及び表示器135a、135bにユーザのために表示される。CSS250は、第2の連結部185に電気的かつ通信可能な状態で結合するように適合されたデータコネクタ(図示せず)をさらに含んでいる。
【0027】
図2(b)は、他の例示的な外科用装置190として外科用リニアステープラ205を表わしている。この外科用リニアステープラは特許文献5に詳細に記載されている。特許文献5は、参照により全体が本明細書に明示的に組み込まれている。外科用リニアステープラ205は、下顎部210、上顎部215及び連結部220を備える分割顎システムを含んでいる。連結部220は、2つの六角状のソケット225a、225bを含んでいる。これらソケットには、可撓性軸部170の第2の連結部185が取り外し可能に受容されている。2つの対向する磁気センサ230、235が、上顎部215及び下顎部210の遠位先端に位置している。これら磁気センサそれぞれが、可撓性軸部170を介して電気機械式ドライバ装置110に接続する回路構成部材(図示せず)に結合している。下顎部210及び上顎部215が重なり合った場合には、回路が閉じて、電気機械式ドライバ装置110の表示器135a、135bが、下顎部210のステープル固定機構(図示せず)を安全に動作可能である(fire)ことを示す信号を発する。外科用リニアステープラ205は、組織の上でジョー210、215を閉じ、且つ、閉じるためにステープルを組織に押し込むように構成されたドライバ及び軸部の構成要素(shaftand driver component)も含んでいる場合もある。例えば、磁気センサ230、235及び外科用リニアステープラ付属装置205に形成された回路は、組織部を十分に締め付けた場合にユーザに表示することができる。
【0028】
外科用リニアステープラ205は、電極(図示せず)も含んでいる場合がある。電極は、接点240を通してRFエネルギを受け取り、組織を凝固及び/又は接合させることができる。外科用リニアステープラ付属装置205は、それぞれ参照により全体が本明細書に明示的に組み込まれた”ASurgical Linear Clamping, Stapling and Cutting Device”と題され、2001年4月20日に出願された特許文献6及び”BipolarSurgical Device”と題され、2001年5月8日に出願された特許文献7に記載されたように、様々な電極及び/又はステープル固定構成を組み込んでよい。
【0029】
図2(a)、図2(b)はそれぞれ外科用円形ステープラ及び外科用リニアステープラのみを示しているが、外科用装置190は他の配置構成を含んでいる場合があることに留意すべきである。例えば、外科用装置190は、参照により本明細書に明示的に組み込まれた2002年3月14日出願の特許文献8に記載されたように套管針装置を含んでよい。
【0030】
図3(a)は、外科用装置190、例えばリニアステープラ又は外科用円形ステープラに結合するように構成された第1の例示的な撮像装置300を表わしている。撮像装置300はボア310を有するハウジング305、画像キャプチャー装置315(例えばカメラ)、画像キャプチャー装置315に電気的に結合する回路機構320、及び電力を撮像装置300に供給する電源機構330を含む。
【0031】
撮像装置300は、外科用装置190をボア310内で滑動自在に受容するように適切に構成されている。そのために、外科用装置190は、図3(b)で示すように第1の方向325でボア310に挿入され得る。一旦挿入されると、結合機構(図示せず)は、外科用装置190をボア310内の所定位置に保持することができる。
【0032】
結合機構は、クランプ、ナット、ボルト、留め金、ストラップ、摩擦嵌合機構、スナップ嵌合機構など、外科用装置190をボア310内の所定の位置に取り外し可能に保持するに適切な任意の機構を含んでいる場合があることに留意すべきである。従って、撮像装置300は、外科用装置190の外面に取り外し可能に結合されるか、又は取り付けられている場合がある。このように構成されている場合には、撮像装置300を外科用装置190と共に使用された後に、撮像装置300を外科用装置190から取り外し、別の外科用装置で再使用することができる。このことは、例えば外科用装置が使い捨てである場合に特に有利であり、撮像装置300を数回再使用することが望ましい。言うまでもなく、代替的な実施例では、外科用装置190を撮像装置300に永久的に結合している場合がある。
【0033】
図3(a)、図3(b)は円筒形状のボア310を示しているが、ボア310は、その形状が円筒状であってもなくても、他の外科用装置に互換性を有して取付可能なように適合した形状及び構成とされていることは言うまでもない。
【0034】
図4(a)は、図3(a)、図3(b)で示した画像キャプチャー装置315のさらなる詳細を表わす前面図である。図4(a)に表わすように、画像キャプチャー装置315はレンズ405、撮像すべき対象を照明する光源410(例えば光ファイバ光源、電球、LEDなど)、レンズ405を介して画像をキャプチャーするように位置決めされた画像センサ440(例えばCCD又はCMOSタイプ画像センサのような感光装置)を含む。一の実施形態では、画像キャプチャー装置315は、レンズ405からの破片をクリーニングするクリーニング機構415をさらに含んでいる場合がある。レンズ405、光源410、画像センサ440及びクリーニング機構415はそれぞれ、データバス430と通信可能に結合されている。
【0035】
使用時において、画像センサ440は、例えば外科用装置190の遠位端からレンズ405を介して見たままの画像を受容する。画像キャプチャー装置315は、画像に従って画像データを生成し、データバス430を介して回路機構320に画像データを通信する。
【0036】
図示の例示的な実施形態では、画像センサ440がレンズ405の後方に位置決めされる。しかし、レンズ405からの光が例えば光ファイバ接続部を介して画像センサ440に伝送された状態で、画像センサ440は、レンズ405から離間された所定位置に配置されている場合がある。一の例示的な実施形態では、画像センサ440はハウジング305内に位置決めされている。他の例示的な実施形態では、画像センサ440は可撓性軸部170、該可撓性軸部170に対する連結部、及び/又は電気機械的ドライバ装置110内に位置決めされている。いかなる場合であっても、画像データは、無線接続又は有線接続を介して電気機械的ドライバ装置に伝送される。
【0037】
次に図4(b)は、図4(a)で示した画像キャプチャー装置315の側面図を表わす。クリーニング機構415は、例えばレンズ405全体に空気/水の混合物を分散させる中空ステム420を含んでいる場合がある。このために、中空ステム420の近位端(図示せず)は遠方の供給源(図示せず)、例えば電気機械的ドライバ装置110から空気/水の混合物を受容することができる。空気/水の混合物は中空ステムを通って推進され、中空ステム420の遠位端425から出る。このようにして、空気/水の混合物はレンズ405全体に分散し、使用中にレンズ405から飛散物をクリーニングするのに役立つ。
【0038】
データバス430を介して画像データを回路機構320に通信することに加えて、画像補族機構315はデータバス430を介して回路機構320から制御データを受信する。制御データは、例えばレンズ405のズームを制御する、光源410によって生成される照明を制御する、及び/又はクリーニング機構415の中空ステム420を通って推進される空気/水の混合物の流量を制御することができる。
【0039】
画像キャプチャー装置315は1つ以上のレンズ405、1つ以上の画像センサ440及び/又は1つ以上の光源410を含んでいる場合があることに留意すべきである。複数のレンズ405及び/又は画像センサ440によって、ユーザは異なるレンズ405間で切り換えて、異なる視野で複数の視像を獲得することを可能になる。例えば、ユーザは外科手術的処置の各ステップを通じて異なる画像を見ることができる。さらに、複数のレンズがパノラマ視像又は広角視像を可能にすることができる。
【0040】
図5は、図3(a)、図3(b)で示した回路機構320のさらなる詳細を表わす。回路機構320は、画像キャプチャー装置315から画像データを受信し、画像データを電気機械的ドライバ装置110などの遠隔供給源に通信するように適合した回路を含む。回路は、例えば撮像装置300のハウジング305内に配置された硬質の回路基板又はフレキシブル回路基板上に物理的に配置することができる。回路機構320は、処理機構505、メモリ装置510、ユーザ入力機構525、及び送信機構515を含み、これらのそれぞれが、データバス520を介して通信可能に結合される。画像キャプチャー装置315のデータバス430も、データバス520と通信可能に結合する。このようにして、画像データは画像キャプチャー装置315から受信され、データバス520を介して処理機構505及び/又はメモリ装置510に通信され得る。
【0041】
メモリ装置510は、RAM、FLASH、EPROM、EEPROMのような画像データを記憶可能な読み込み/書き込み可能なメモリ装置を含んでいる。例えば、画像キャプチャー装置315から受信された画像データは、メモリ装置510に直接的に記憶され、その後に処理機構505によって処理され得る。このようにして、メモリ装置510は、画像キャプチャー装置315から画像データを受信し、次に画像データを処理機構505に通信する。あるいは、画像データは、処理するために処理機構505に直接的に送信される場合もある。このようにして、処理機構505は、データバス520を介して直接的に画像キャプチャー装置315から画像データを受信可能である。また、メモリ装置510は、処理機構505から処理済み画像データを受信し記憶して、その後に付加的な処理をし、及び/又は送信機構515を介して遠隔装置に直接送信することができる。あるいは、画像データは、画像キャプチャー装置315から電気機械的ドライバ装置110に直接的に送信され得る。
【0042】
ユーザ入力機構525は、ユーザからの指令を受信するように構成されている。指令は、例えばレンズ405をズームする、異なる視像間で切り換える、連続(例えばビデオ)又は静止画像を受信する、光源410によって生成された照明を制御する、クリーニング機構415の中空ステム420を通って推進された空気/水の混合物の流量を制御する、パノラマ視像を切り換えるなどの指令を含んでよい。
【0043】
そのために、ユーザ入力機構520は、例えば遠隔制御ユニットから指令を無線で受信する無線受信器を含んでよい。あるいは、ユーザ入力機構520は、例えば可撓性軸部170の内部又は可撓性軸部170の外部に配置された線を介して電気機械的ドライバ装置110に通信可能に結合される電気接点を含んでよい。このようにして、ユーザ入力機構520は電気機械的ドライバ装置110の遠隔電力コンソール105を介して指令を受信することができる。
【0044】
ユーザ入力機構520は、ユーザから受信した指令に従ってユーザ入力データを生成し、データバス520を介してユーザ入力データを処理機構505に通信する。処理機構505は、画像キャプチャー装置315を制御し、ユーザ入力機構520から受信したユーザ入力データに従って画像データを処理するように構成されている。
【0045】
処理機構505は、画像キャプチャー装置315を制御するために、ユーザ入力機構520から受信したユーザ入力データに従って画像キャプチャー装置315の様々な機能を制御する制御データを生成することができる。そのために、処理機構505はデータバス430、520を介して画像キャプチャー装置315へと制御データを通信する。制御データは、例えばレンズ405のズームを制御する、光源410によって生成された照明を制御する、かつ/又はクリーニング機構415の中空ステム420を通って推進された空気/水の混合物の流量を制御することができる。
【0046】
処理機構505は、ユーザ入力機構520から受信した入力データに従って画像データの処理も実行する。このようにして、処理機構505は画像データを処理する、連続又は静止画像を通信する、デジタルズームを実行するなどができる。このようにして、外科用付属装置120を挿入して、例えば患者の結腸区域を探る場合、撮像装置300は外科医にビデオ画像を提供することができる。動く画像も静止画像も、撮像装置300を介して外科医に提供することができる。例えば、外科医が結腸を探って癌性組織を突き止める間、撮像装置300は結腸の連続画像を供給することができる。外科医が制し画像として見た方がよいと考える画像に遭遇した場合、外科医は対応する制御機構を起動することによって、動く画像を即座にフリーズすることができる。従って、所望に応じて、つまり回転、ズーム及び/又は拡大してフリーズフレーム画像を操作することができる。動く画像は、その後の視覚的分析のために所望に応じて記憶し、操作することもできる。
【0047】
送信機構515は、データバス520を介して処理機構505から処理済み画像データを受信し、処理済み画像データを遠隔装置(図示せず)に通信する。そのために、送信機構515は、処理済み画像データを、遠隔装置が無線で受信するRF送信に変換するように動作可能である無線送信器を含んでよい。あるいは、送信機構515は、例えば可撓性軸部170の内部又は外部に配置された線を介して電気機械的ドライバ装置110に通信可能に結合される電気接点を含んでよい。このようにして、送信機構515は処理済み画像データを電気機械的ドライバ装置110のビデオ表示装置145に通信することができる。
【0048】
次に図6を参照すると、図3(a)、図3(b)で示した例示的な電源機構325のさらなる詳細が見られる。電源機構325は、撮像装置300に電力を提供するバッテリ電力ユニット605を含む。バッテリ電力ユニット605は、例えばニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウム電池などを含んでよい。バッテリ電力ユニット605に加えて、又はその代わりに、電源機構325は外部電源(図示せず)、例えば電気機械的ドライバ装置110から電力を受容する電力接点610を含んでよい。このようにして、電気機械的ドライバ装置110は、可撓性軸部170の内部又は外部に配置した線を介して電力を電源機構325に送信することができる。
【0049】
バッテリ電力ユニット605は、例えば電力接点610が外部電源、例えば電気機械的ドライバ装置110から電力を受け取らない場合に、撮像装置300に電力を提供するように構成することができる。このようにして、バッテリ電力ユニット605は外部電源からの電力送信が中断かつ/又は除去された場合に撮像装置300が電力を受容することを保証する「バッテリバックアップ」として機能することができる。
【0050】
次に図7(a)を参照すると、撮像ポッド700の形態で別の例示的な撮像装置が見られる。撮像ポッド700は、取り付け機構710を有するハウジング705、及びハウジング内に配置された画像キャプチャー装置715を含む。画像キャプチャー装置715は1つ以上の光源730、及び集束レンズ735がある光学システム720を含む。取り付け機構710は、撮像ポッド700を外科用装置190の対応するレセプタクルに取り外し可能に結合するように構成された例えばピン、ばね式支承部、隆起部などを含んでよい。ハウジング705は、例えば透明プラスチック材料で形成することができるが、ハウジングは他の材料で形成してもよい。
【0051】
次に図7(b)を参照すると、図7(a)で示した撮像ポッド700のさらなる詳細が見られる。図7(b)で見られるように、画像キャプチャー装置715はさらに撮像センサ、例えば電荷結合素子(CCD)725などの感光装置を含む。撮像ポッドが撮像すべき対象に向かって配向されると、集束レンズ735が反射光をCCD725に集束する。無線送信器(又は例えば送受信器)740がハウジング705内に配置され、CCD725に通信可能に結合される。このような無線送信器の実施例が、参照により全体が本明細書に明示的に組み込まれる特許文献9に記載されている。また、小型バッテリなどの電源745がハウジング705内に配置され、CCD725、光源730及び無線送信器740に電力を提供するように動作可能である。使用時には、CCD725がキャプチャーした画像は、無線送信器740を介して電気機械的ドライバ装置110などの遠隔装置の対応する受信器(又は送受信器)に無線で送信することができる。
【0052】
この実施形態はCCDを画像センサとして使用するものとして説明されているが、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)型画像センサなど、他の適切な画像センサを使用してもよい。CMOSセンサは、CCD画像センサより光に対する感度が高いので、これより少ない電力しか必要としないでよい。CMOS画像センサは、例えば光ダイオード及び/又はフォトトランジスタを含み、撮像すべき対象からの反射光を検出することができる。CMOS画像センサは、画像データをアナログ信号として、あるいはアナログデジタル変換器で処理した後にデジタル信号として送信することができる。
【0053】
次に図7(c)を参照すると、外科用装置190に結合された撮像ポッド700を含む外科用付属装置750が見られる。撮像ポッド700は、外科医用装置190のレセプタクル755内で取り外し可能に受容する。従って、外科用装置190を使い捨てユニットとして設計した場合、撮像ポッド700を外科用装置190から外し、別の外科用装置とともに再使用することができる。あるいは、撮像ポッド700は外科用装置190に永久的に固定するか、それと一体であってもよい。これに関して、永久的に結合した撮像ポッド700は、外科用装置190と一緒に廃棄されることになる。
【0054】
次に図8(a)を参照すると、別の例示的な撮像ポッド800が見られる。撮像ポッド800は、図7(a)、図7(b)、図7(c)に関連して説明した撮像ポッド700に類似しているが、撮像ポッド800は画像データを電気機械的ドライバ装置110などの遠隔装置に送信するための有線接続部を含む。図8で示すように、撮像ポッド800は、外科用装置190のレセプタクル755のソケット内で受容するようなサイズにされた接点ピン805を含み、それによって差し込み式接続を提供する。撮像ポッド800を外科用装置190に挿入すると、接点ピン805が回路760に接続部を提供し、これは撮像ポッド800の適切な構成要素に電力を供給して、CCD725からの信号を例えば外科用装置190及び可撓性軸部170を通して電気機械的ドライバ装置110などの遠隔装置の対応する受信器に送信する。
【0055】
次に図8(b)を参照すると、撮像ポッド180を受容するように構成された外科用装置190の例示的なレセプタクル755が見られる。図8(b)で示すように、レセプタクル755は、撮像ポッド800の接点ピン805を受容するようなサイズにされたソケット810を含む。ソケット810は接点ピン805を外科用装置190の電気リード線(図示せず)に電気的に結合する。電気リード線は、例えば電気機械的ドライバ装置110の可撓性軸部170内などに配置された線を介して遠隔装置(例えば電気機械的ドライバ装置110)に電気的に接続される。
【0056】
撮像ポッド800は、電力用のバッテリを含み、CCDからの信号の有線送信を使用するか、あるいは有線接続部を介して電力を受け取り、CCDからの信号の無線送信を使用することができることを認識されたい。
【0057】
次に図9を参照すると、別の例示的な外科用付属装置900が見られる。この実施形態では、撮像装置905は、外科用装置190の外面に結合されるか、それに装着されるように構成されている。言うまでもなく、撮像装置905は、上記の参照によって組み込まれた米国特許出願に記載されたような他の外科用装置に装着するように構成することもできる。
【0058】
この例示的な実施形態によると、外科用装置190は外科用円形ステープラである。撮像装置905は外科用装置190の本体910に装着される。外科用装置190は連結部915、アンビル部920及び本体910を含む。アンビル部920はアンビル925及びアンビルステム930を含む。画像データを遠隔装置、例えば電気機械的ドライバ装置110(図示せず)に通信するために可撓線アセンブリ940を設ける。
【0059】
撮像装置905は、本体910上に滑動状態で嵌り、本体に永久的又は取り外し可能に装着することができる。図9で示す例示的な実施形態では、撮像装置905は弾性の、例えばプラスチック又は弾性材料のストラップ935を介して本体910に取り外し可能に装着される。ストラップ935は取り外すことができ、例えばこれによって撮像装置905を別の外科用装置又は付属装置で再使用可能にすることができる。あるいは、撮像装置905は、カメラのフラッシュユニットで使用するタイプと類似したシュー(図示せず)を介して外科用装置190に装着してよい。
【0060】
ビデオユニット100は、無線接続部、又は可撓線アセンブリ940を介した有線接続部を介して例えば処理装置に結合することができる。可撓線アセンブリ940は電力、制御及びデータ線を含むことができる。可撓線アセンブリ940は、例えば特許文献10で説明されたような遠隔電力コンソールの処理装置などに結合することができる。言うまでもなく、可撓線アセンブリ940の代わりに、撮像装置905と例えば処理装置との間の有線接続は、電気機械的ドライバ装置110の可撓性軸部170の内部又は外部に配置された個々の線を介して実行することができる。
【0061】
撮像装置905からの画像データを例えば処理装置に通信する可撓線アセンブリ940の線及び/又は電気機械的ドライバ装置110の可撓性軸部170の内部又は外部に配置された線は、光ファイバ接続で置換してよいことを認識されたい。
【0062】
撮像装置905は、上述した撮像装置300及び700と同様の形体を含んでよい。例えば、撮像装置905は画像キャプチャー装置(例えばカメラ)、画像キャプチャー装置に電気的に結合した回路機構、及び撮像装置905に電力を供給する電源機構を含んでよい。
【0063】
撮像装置905の画像キャプチャー装置はレンズ、撮像すべき対象を照明する光源(例えば光ファイバ光源、電球、LEDなど)、レンズを介して画像をキャプチャーするように位置決めされた画像センサ(例えばCCD又はCMOS型画像センサ)を含んでよい。1つの実施形態では、撮像装置905の画像キャプチャー装置はさらに、レンズからの破片をクリーニングするクリーニング機構を含んでよい。レンズ、光源、画像センサ、及びクリーニング機構はそれぞれ、データバスに通信可能に結合される場合もある。
【0064】
図10は、本発明の別の例示的な実施形態による外科用撮像装置100の斜視図を示す。外科用撮像装置1100は、脚部1106aから1106d及び後退アクチュエータ1102を囲む本体部分104を含む。脚部1106aから1106dはそれぞれレバー1112aから1112dに接続される。プロング1108aから1108dはそれぞれ脚部1106aから1106dから延在する。各プロング1108aから1108dそれぞれの遠位先端に、又はその付近にはそれぞれカメラ1114aから1114dが配置される。
【0065】
本発明の1つの実施形態によると、脚部1106aから116dは個々のプロング1108aから1108dとともに動作可能である。例えば、脚部1106aから1106dは本体部分1104(以下でさらに詳細に説明)の円筒形開口内で動作可能でよく、従って脚部1106aから1106dが本体部分1104の中心軸1104aの周囲で半径方向に動作する。また、脚部1106aから1106dは、本体部分1104内で回転自在に動作可能、例えば自身の中心軸の周囲で回転可能でよく、従ってプロング1108aから1108dをそれぞれ脚部1106aから1106dの中心軸の周囲で旋回させることができる。脚部1106aから1106dは、以下でさらに説明するように、レバー112aから112dそれぞれを動作させることによってこれらの方法の両方で動作可能であってよい。制御レバー1112aから1112dが開口1111を通って延在する。特に、本体部分1104内の脚部1106aから1106dの動作については、図15、図16及び図17に関して以下でさらに詳細に説明する。
【0066】
また、プロング1108aから1108dは個々の脚部1106aから1106dに対して動作可能でよい。例えば、プロング1108aから1108dは、各プロング1108aから1108dがほぼ同じ面に位置決めされ、例えば個々の脚部1106aから1106dに対してほぼ直角である延長位置と、各プロング1108aから1108dがほぼ同じ面に位置決めされていない、例えば個々の脚部1106aから1106dに対してほぼ直角でない後退位置との間で動作可能であってよい。延長位置と後退位置間のプロング1108aから1108dの動作については、図18に関して以下でさらに説明する。
【0067】
本体部分1104はメモリ装置1161も含んでよい。本発明の1つの実施形態では、メモリ装置1161は外科用撮像装置1100に対応するデータを記憶する。メモリ装置1161に記憶されているデータはモデル/シリアル番号識別情報1161a、使用データ1161b、画像データ1161c及び処理データ1161dを含んでよい。モデル/シリアル番号識別情報1161aは外科用撮像装置1100を一意に特定する。使用データ1161bは、例えば外科用撮像装置1100が使用されてきた時間数、及び外科用撮像装置1100を使用して見てきた処置のタイプに関する情報などを含んでよい。画像データ1161cは、体腔の視覚的像を描くビデオクリップ、静止フレームなどを含んでよい。本発明の1つの実施形態では、ユーザは外科手術的処置中に撮像装置1100を使用しながら画像データ1161cにラベルし、分類することができる。また、使用データ1161b及び画像データ1161cは、外科医が後日、記憶されているデータを検討できるように、フロッピディスク、CD、ハードドライブディスクなどのような記憶装置に永久的に記憶するために伝達することができる。
【0068】
本体部分1104は処理装置1161dも含んでよい。本発明の1つの実施形態では、処理装置1161dは画像データ1161cなどのデータを処理するように構成され、例えば外科用撮像装置1100の動作を制御するか、画像データ1161cなどのデータの処理を制御するオペレーティングプログラムなどを含んでよい。例えば、処理装置1161dは、レンズの動作、光強度の調節、ズームの倍率、色、輝度及び焦点などの外科用撮像装置1100の様々な機能を制御又は動作させるオペレーティングプログラムを含んでよい。
【0069】
外科用撮像装置1100の本体部分1104は、図14に関して医科でさらに説明するように制御ケーブル1200を受けるように構成されたスロット1105も含んでよい。通常、制御ケーブル1200はカメラ1114aから1114dとビデオ表示装置1205及び/又は電源1210の間でデータ及び/又は電力を搬送する。
【0070】
図11は、図10で示した本体部分1104を線B−Bに沿って切り取った断面図を示す。前述したように、この実施形態では脚部1106aから1106dが制御レバー1112aから1112dそれぞれに接続する。制御レバー1112aから1112dは開口1111を通って延在し、本体部分1104の中心軸1104aに対して半径方向に動作可能でよい。脚部1106aから1106dは本体部分1104を通って軸方向に延在し、円筒形開口1107から出る。開口1111は、以下でさらに説明するように脚部1106aから1106dが本体部分1107の円筒形開口1107の様々な位置の間で動作できるために、制御レバー1112aから1112dに十分な動作を提供するように構成されている。
【0071】
上述したように、プロング1108aから1108dの遠位先端に、又はその付近にはカメラ1114aから1114dがそれぞれ配置される。図12及び図13は、本発明の1つの実施形態によりカメラ1114を有するプロング1108を示す。図12には、レンズ1116及び撮像センサ1118を含むカメラ1114が図示されている。1つ以上の光源1115が、カメラ1114の隣に装着され、撮像センサ1118が像を感知できるように光を提供することができる。プロング1108は、電力を撮像センサ1118及び光源1155に送信する、かつ/又は画像データ信号を撮像センサ1118との間で送信する制御及び電力リード線を有する制御線1122も含んでよい。光源1115は、例えば発光ダイオードなどを含んでよい。
【0072】
図13は、図12で示したプロング1108を線A−Aに沿って切り取った断面図である。図13は、1対のレンズ1116、レンズ1116を保護するレンズカバー1120、及び撮像センサ1118を含むカメラ1114を示す。撮像センサ1118は、例えば電荷結合素子(以降、「CCD」と呼ぶ)でよい。撮像センサ1118はレンズ1116から画像を受け取り、制御線1122を通して送信するために画像を電気信号などの画像データに変換する。カメラ1114は、撮像センサ1118によってキャプチャーされた画像をビデオ表示装置に送信するための電気信号に変換する内部回路も含んでよい。
【0073】
本発明の1つの実施形態は、撮像センサ1118としてCCDを使用しているが、他の適切な撮像センサも使用してよい。本発明の別の例示的な実施形態では、撮像センサ1118は、相補型金属酸化膜半導体(以降、「CMOS」と呼ぶ)プロセスを使用する集積回路である。CMOS型画像センサは、光検出要素として光ダイオード又はフォトトランジスタを含んでよい。さらに、CMOS画像センサは、アナログ信号を送信するか、信号送信のためにアナログデジタル変換器を使用してよい。CMOSセンサは、CCDより感光性が高いせいで動作中に必要とする電力が少なくなるCCDの代替物を提供することができる。参照により全体が本明細書に明示的に組み込まれる2002年4月27日出願の特許文献11は、例示的な実施形態に関して使用できる他の可能な撮像装置及び機構について説明している。
【0074】
図14は、本発明の1つの実施形態による制御ケーブル1200を示す。制御ケーブル1200は連結部1211、リード線1215及び連結部1212を含む。制御ケーブル1200は、本体部分1104上に配置されたスロット1105へと連結部1211を介して取り付けられるように構成されている。リード線1215は各カメラ1114aから1114dの撮像センサ1118との間で信号を送信する。また、リード線1215はカメラ1114aから1114dの様々な構成要素に通電するための電力を送信することができる。連結部1212は、見るために画像データを受信して、処理するテレビモニタ、コンピュータモニタ、CRT又は同様の見る装置などのビデオ表示装置1205に取り付けられる、かつ/又は電源1205に取り付けられるように構成されている。
【0075】
上述したように本発明の1つの実施形態では、脚部1106aから1106dが個々のプロング1108aから1108dとともに様々な位置の間で動作可能である。例えば、脚部1106aから1106dは個々のプロング1108aから1108dとともに、プロング1108aから1108dが相互に平行である第1の位置と、プロング1108aから1108dの遠位端が相互に平行でない第2の位置との間で動作可能でよい。図15は、第1の位置にある脚部1106aから1106dを個々のプロング1108aから1108dとともに示す。この第1の位置で、脚部1106aから1106dは、プロング1108aから1108dの遠位端、例えばそれぞれカメラ1114aから1114dを有するプロング1108aから1108dの端部が相互に隣接して位置決めされるように、本体部分1104内で回転する。本発明の1つの実施形態では、プロング1108aから1108dは、相互に嵌って、プロング1108aから1108dの遠位端の断面積を減少させるように構成されている。例えば、図16は、図15で示したプロング1108aから1108dの線C−Cに沿って切り取った断面図を示し、プロング1108aから1108dの遠位端はそれぞれ、相互に平行になった場合にプロング1108aから1108dの断面積を最小限に抑えるように、相互に対して相補的な断面形状を有する。この平行位置は、以下でさらに詳細に説明するように、プロング1108aから1108dを患者の切開部に出し入れして操作するために適切である。
【0076】
以上で詳細に説明した図10は、第2の位置にある脚部1106aから1106dを個々のプロング1108aから1108dとともに示す。この第2の位置で、脚部1106aから1106dは、相互に平行でないようにプロング1108aから1108dがほぼ同じ面、例えば本体部分1104の中心軸1104aにほぼ直角である面の中で動作するように、本体部分1104内で回転する。例えば、図10は、プロング1108aから1108dが相互に対して半径方向に分離され、本体部分1104の中心軸1104aに対して相互から約90°離れて位置決めされるように、本体部分1104内で回転する脚部1106aから1106dを個々のプロング1108aから1108dとともに示す。
【0077】
第2の位置にある脚部1106aから1106d及びプロング1108aから1108dの別の図が、図17で図示されている。図17は、図10で示した外科用撮像装置1100の底面図である。図17で示した実施形態では、矢印Fは脚部1106b、1106c及び1106dが本体部分1104の円筒形開口1107内で動作できる方向を示す。また、矢印Gは、個々の脚部1106aから1106dが個々の中心軸の中心で回転した場合にプロング1108aから1108dが動作できる方向を示す。
【0078】
前述したように、図17で示したような脚部1106aから1106d及びそのプロング1108aから1108dの動作に加えて、プロング1108aから1108dは延長位置と後退位置との間でも動作可能である。上述した図10は、各プロング1108aから1108dがほぼ同じ面、例えばそれぞれが個々の脚部1106aから1106dに対してほぼ直角である面にある延長位置でプロング1108aから1108dを示す。他方で、図18は後退位置にある外科用撮像装置1100を示す。前述したように、図示の実施形態では、外科用撮像装置1100のプロング1108aから1108dは、後退位置では個々の脚部1106aから1106dに対してほぼ直角ではない。外科用撮像装置1100のプロング1108aから1108dは、後退位置では個々の脚部1106aから1106dに対して、各プロング1108aから1108dのカメラ1114aから1114dが空間の領域に向くように動作する。本発明の1つの実施形態では、外科用撮像装置1100のプロング1108aから1108dは、各プロング1108aから1108bに装着された撮像センサ1118が空間の同じ領域、例えば図18で示す空間領域1201に向くように個々の脚部1106aから1106dに対して動作する。空間領域1201は、外科手術的処置中に外科用器具が使用される空間領域でよい。従ってこの実施形態では、各プロング1108aから1108bの撮像センサ1118が後退位置で、外科手術的処置中に異なる角度から手術部位の視像を提供する。あるいは、外科用撮像装置1100のプロング1108aから1108dは、各プロング1108aから1108bの撮像センサ1118が異なる空間領域に向くように動作してよい。
【0079】
1つの実施形態では、外科用撮像装置1100が、後退アクチュエータ1105の起動によって延長位置から後退位置へと動作する。後退アクチュエータ1105は本体部分1104に対して軸方向に動作し、従って後退中に後退アクチュエータ1102の底部分1110は矢印Rで示す方向で本体部分1104から離れる。プロング1108aから1108dは可撓性材料で作成し、力が加えられた場合にプロング1108aから1108dが屈曲できるようにすることが好ましい。例えば、後退アクチュエータ1102の底部分が体腔に入ったら、対空の壁によってプロング1108aから1108dに力を加えることができる。その結果、プロング1108aから1108dが屈曲し、図18で示すように湾曲形状を形成することができる。1つの実施形態では、各プロング1108aから1108dの湾曲形状は、プロング1108aから1108dが配置された体腔の壁に一致する。このようにして、各プロング1108aから1108dの先端に位置決めされた撮像センサ1118は、ユーザに体腔区域に複数の視像を提供することができる。また、ユーザは、様々な角度から体腔を見るために各プロング1108aから1108dを回転することができる。
【0080】
前述したように、画像データは、一方端が本体部分1104のスロット1105に挿入され、他方端がビデオ表示装置1205に挿入された制御ケーブル1200を介して送信することができる。あるいは、画像データはビデオ表示装置で表示するために無線で送信することができる。例えば、外科用撮像装置1100はビデオ表示装置で表示するために画像データを無線送信する無線機構を含んでよい。図19は、ビデオ表示装置で表示するために画像データを無線送信するために無線機構を使用する本発明の1つの実施形態を示す。特に、図19で示すように外科用撮像装置1100は、画像データ及び/又は制御信号を送信するように構成されたアンテナ1145aを含んでよい。外科用撮像装置1100のアンテナ1145aは、遠隔制御ユニット1147のアンテナ1145bから制御信号1148を受信することができる。これらの制御信号は、例えば撮像センサ1118を制御する信号、光源1115によって提供される光の強度、又は外科用撮像装置1100の動作を制御する任意の他の信号を含んでよい。また、外科用撮像装置1100は、外科用撮像装置1100のアンテナ1145aを介してビデオ信号1158をビデオ表示装置1150のアンテナ1150aに送信することができる。
【0081】
別の実施形態では、カメラ1114aから1114dは、無線信号1158をビデオ表示装置1150へと直接送信できるようにする無線回路を含んでよい。外科用撮像装置1100の無線実施形態は、制御ケーブル1200及び電源1210を省略可能にするので、外科用撮像装置1100は図19で示すように、局所電源、例えばバッテリ1109を含んでよい。局所電源1109は、撮像センサ1118、光源1115、カメラ1114aから1114dの任意の追加的内部回路などに電力を供給することができる。本発明のこの無線実施形態では、外科用撮像装置1100は、制御ケーブル1200を受容するように構成された本体部分1104(図10で図示)のスロット1105も省略することができる。
【0082】
さらに別の実施形態では、外科用撮像装置1100は、有線又は無線フォーマットで交互に機能するように装備することができる。この実施形態では、スロット1105は、撮像装置1100を無線で動作させる場合にユーザがスロット1105を覆えるようにするカバーを有してよい。ユーザが外科用撮像装置1100を有線フォーマットで動作したいと考える場合は、ユーザがカバーを外し、制御ケーブル1200をスロット1105内に取り付けることができる。この実施形態では、撮像装置1100の動作プログラムは、制御ケーブル1200が取り付けられているか、取り付けられていない場合にそれを検出し、それに従って外科用撮像装置1100を有線フォーマット又は無線フォーマットで動作させるように構成することが有利である。
【0083】
本発明の別の例示的な実施形態では、1つ以上の撮像センサ、例えば撮像センサ1118を本体部分、例えば本体部分1104又は遠隔装置内に設けることができる。図21は、本体部分1104に設けた撮像センサ1118を有する1つの例示的な実施形態を示す。この実施形態では、プロング1108aから1108dが、体腔の像を遠隔キャプチャーするために体腔内で反射した光を撮像センサ1118aから1118dへと案内する光ガイド315aから315dなどの光ガイド及び/又はレンズシステム314aから314dを含む。例えば、これに関して光ファイバを使用することができる。
【0084】
本発明の外科用撮像装置1100は、様々なタイプの外科手術的処置に使用することができる。図20(a)から図20(c)は、例示的なタイプの外科手術的処置、例えば腹部手術を実行するための外科用撮像装置1100の動作を示す。これは本発明の外科用撮像装置1100で実行できる多くのタイプの外科手術的処置の1つにすぎないことを認識されたい。この例示的な処置によると、図20(a)では、腹壁AWに腹膜脂肪層PFLまで切開部1199を作成する。切開部1199を通してプロング1108aから1108dを挿入する。プロング1108aから1108dの挿入を容易にし、必要な切開部のサイズを最小限に抑えるために、プロング1108aから1108dは、ユーザによって第1の位置、例えばプロング1108aから1108dが相互に平行である図15で示した第1の位置に位置決めすることができる。プロング1108aから1108dが挿入されると、これが腹膜Pを腹膜脂肪層PFLから分離する。
【0085】
プロング1108aから1108d及び底部分1110を切開部に挿入した後、ユーザは制御レバー1112aから1112dを使用してプロング1108aから1108dを分離することができる。図20(b)は、プロング1108aから1108d及び底部分1110を切開部に挿入し、プロング1108aから1108dを分離した後の外科用撮像装置1100を示す。図20(b)で示すように、プロング1108aから1108dが第2の位置、例えばプロング1108aから1108dが本体部分1104の中心軸1104aに対して相互に約90°離れた図10及び図17で示した第2の位置になるまで、プロング1108aから1108dを分離することができる。
【0086】
プロング1108aから1108dを分離した後、ユーザは後退アクチュエータ1102に下方向の圧力を加えることができる。ユーザが切開部を通して後退アクチュエータ1102を延長させると、後退アクチュエータ1102の底部分1110が腹膜Pを押下し、従って腹膜Pが腹膜脂肪層PFLから外されるが、腹膜Pには穴を開けない。このようにして、腹壁AWと腹膜Pの間に空隙Cが形成され、外科医に外科手術的処置を実行する空間を与える。図20(c)は、腹壁AWと腹膜Pの間に空隙Cを形成するように、後退アクチュエータ1102の底部分1110が腹膜Pを押下した後の外科用撮像装置1100を示す。図20(c)は、後退アクチュエータ1102を延長中に、腹壁AWと腹膜Pの間に空隙Cが形成されると、プロング1108aから1108dが腹膜脂肪層PFLの湾曲と一致して屈曲することも示す。プロング1108aから1108dが図20(c)で示すような後退位置に配置されると、外科医は空隙Cの画像データを生成するように、電源1210を介して光源1115及び撮像センサ1118に電力を提供することができる。この後退位置で、各プロング1108aから1108dの画像センサ1118は、空隙Cの多方向視像を提供し、外科医が空隙C内で実行している外科手術的処置を様々な角度から見られるようにする。追加の視像が必要である場合、外科医は所望の視像が獲得されるまで制御レバー1112aから1112dを操作することができる。
【0087】
従って、本発明の様々な実施形態による外科用撮像装置は、体腔内の手術部位の様々な視像を獲得する困難さを低減させることができる。手術部位の視野を変更したり、異なる角度から手術部位を検査したりするために、外科医が第1の切開部からカメラを取り出し、患者に別の切開部を作成して、カメラを第2の切開部に再挿入する必要がある従来の外科手術用カメラとは異なり、本発明の外科用撮像装置は、装置を取り出さずに複数の視像を見られるようにする。代わりに、外科医は単純に手術部位内の異なる位置に配置した様々な画像センサからの画像データを見ることにより、異なる角度から手術部位を見ることができる。さらに、これらの視像が不十分である場合、外科医は装置を取り出すか、追加の外科的切開部を作成する必要なく、制御レバー1112aから1112dを介して所望通りにプロング1108aから1108dを動作させ、新しい視像を獲得することができる。さらに、本発明の様々な実施形態による外科用撮像装置は、手術部位に空隙を形成し、外科手術的処置を実行するための空間を提供することを可能にする1つの装置を提供する。また、本発明の様々な実施形態による外科用撮像装置は、追加の光源を挿入するために追加の切開部を作成する必要なく、手術部位内で光を提供し、それによって画像センサが有用な画像データを提供できるようにする1つ以上の光源を提供する。
【0088】
図22は、本発明の1つの実施形態による例示的な外科用画像キャプチャー装置1500を示す略図である。図22で示すように、画像キャプチャー装置1500は、光源1510a、1510b、1510c及び1510dのような少なくとも1つの光源1510を含む。任意の数の光源1510を使用してよいことを認識されたい。光源1510は、撮像すべき対象を照明するように構成されている。以上でさらに十分に述べたように、光源1510は、例えば光ファイバ光源、電球、LEDなどでよい。図22は、患者の腹腔(空隙1501として概略的に図示)又は任意の他の空隙を照明するために使用することができるような4つの光源1510を有する1つの可能な機構を示す。例示のためのみに、以下で説明する機構は、患者の体腔1501内で使用する外科用画像キャプチャー装置1500を指す。光源1510は、腹腔及び腹腔1501内の任意の外傷が全角度から十分に照明されていることを保証するように、腹腔1501を様々な角度から照明するよう、腹腔1501内で位置決めすることが好ましい。
【0089】
画像キャプチャー装置1500は少なくとも2つの画像センサ1540も含む。図示の実施形態では、画像キャプチャー装置1500は6つの画像センサ1540を含み、ここでは画像センサ1540a、1540b、1540c、1540d、1540e及び1540fとして図示されている。任意の数の画像センサ1540を使用してよいことを認識されたい。画像センサ1540はそれぞれ、例えばレンズなどを介して画像をキャプチャーするように構成されている。以上でさらに十分に述べたように、画像センサ1540は、例えばCCD又はCMOS型画像センサなどの感光装置でよい。画像センサ1540は、集合的に腹腔1501全体に対応する画像をキャプチャーするように、腹腔1501内で位置決めすることが好ましい。しかし、画像センサ1540は集合的に腹腔1501全体に対応する画像をキャプチャーするように、腹腔1501内で位置決めすることが好ましいが、他の実施形態では、画像センサ1540は、集合的に腹腔1501の全体には足りない部分に対応する画像をキャプチャーするように、腹腔1501内に位置決めされることを認識されたい。また、画像センサ1540は、光源1510によって十分に照明された画像をキャプチャーするように、これも腹腔1501内に位置決めされた光源1510に対して腹腔1501内で位置決めすることが好ましい。
【0090】
個々の各画像センサ1540によってキャプチャーされた画像を、本明細書では画像フレームと呼ぶ。図23は、複数の画像フレーム5400を示す略図である。図23で示すように、各画像フレーム5400は、画像センサ1540によってキャプチャーされた画像に対応する。例えば、画像フレーム5401は、画像センサ1540aによってキャプチャーされた画像に対応する。同様に、画像フレーム5402、5403、5404、5404及び5406は、画像センサ1540b、1540c、1540d、1540e及び1540fによってキャプチャーされる画像に対応する。
【0091】
画像センサ1540は、各画像センサ1540によってキャプチャーされる画像フレームが重複して複合画像を形成するように、腹腔1501内に位置決めされる。図23は、画像センサ1540aから1540fそれぞれによってキャプチャーされた画像フレーム5401から5406が重複して複合像5407を形成することを示す。複合像5407は、各画像フレーム5401から5406の選択された部分を含んでよい。上述したように、複合像5407は、腹腔1501全体の画像に対応することが好ましい。しかし、他の実施形態では複合像5407は、腹腔1501の一部の画像に対応する。1つの実施形態では、複合像5407は16:9のアスペクト比を有する。別の実施形態では、複合像5407は4:3のアスペクト比を有する。複合像5407は任意の予想可能なアスペクト比を有してよいことを認識されたい。図23は腹腔1501の複合視像5407を前面図で示し、図22も複合視像5407を示すが、上面図であることが分かる。従って、図22は、複合視像5407を生成するために複数の画像センサ1540を使用できる1つの方法を示す。
【0092】
図24は、ビデオ処理プログラムのフローチャートを示し、そのステップは、本発明の1つの例示的な実施形態による外科用装置の動作中に実行される。本発明の1つの例示的な実施形態によると、ビデオ処理ルーチンは、例えば図10で示す処理装置1161d内に記憶し、それによって実行することができる。しかし、図24で示すステップの幾つか又は全部を実行するために、他の制御装置、電子装置などを構成してよいことを理解されたい。
【0093】
ステップ2302では、図22で示す画像センサ1540aから1540fなどの少なくとも2つの画像センサが、画像フレームの形態で画像データを提供する。ステップ2302では、画像フレーム1540aから1540fそれぞれからの画像フレーム5401から5406などの各画像センサからの画像フレームが、入力としてビデオ処理装置に提供される。例示的な目的のみで、図24のフローチャートを、以下では図10で示した処理装置1161で実行するものとして説明するが、本発明では、以下で説明するステップを実行するように構成された任意のビデオ処理装置を使用してよいことを認識されたい。
【0094】
ステップ2304では、処理装置1161dがフレーム正規化手順を実行する。特に、処理装置1161dは、相互に対して同じサイズになるように必要に応じて画像フレームを調節することにより、各画像センサ、例えば1540aから1540fから受信した画像フレーム、例えば画像フレーム5401から5406を正規化する。また、ステップ2304では、処理装置1161dはフレーム配向手順を実行する。特に、処理装置1161dは、相互に対して同様に配向されるように画像フレームを必要に応じて回転することにより、各画像センサ、例えば1540aから1540fそれぞれから受信した画像フレーム、例えば画像フレーム5401から5406を配向する。
【0095】
ステップ2306では、処理装置1161dはフレームをステッチする手順を実行する。特に、処理装置1161は各画像センサ、例えば1540aから1540fそれぞれから受信し、正規化して配向した画像フレーム、例えば画像フレーム5401から5406をステッチして合成する。1つの実施形態によると、処理装置1161dは、相互に共通する画像フレーム5401から5406の部分、例えばピクセル、例えば相互に対して重複する画像フレーム5401から5406の部分を識別することにより、ステップ2306のフレームをステッチする手順を実行する。処理装置1161dが使用できるフレームをステッチする手順の一例を、図26(c)で示すフローチャートに関して以下でさらに詳細に述べる。
【0096】
ステップ2306のフレームをステッチする手順を実行した後、処理装置1161dは次にステップ2308で図23で示すような複合画像5407のような十分な仮想視野を生成する。さらに、処理装置1161dはステップ2308で、画像安定化手順を実行するように構成することができる。画像安定化手順は、画像センサ1114aから1114dの動作、例えば第1の方向での回転が、対応する変化、例えば表示されてユーザに見られる視像の第2の方向での回転につながらないように、ユーザに対して表示される画像を安定化するために実行すると有利である。処理装置1161dによって使用可能な安定化手順の一例を、図25(c)で示すフローチャートに関して以下でさらに詳細に述べる。
【0097】
ステップ2310では、処理装置1161dが受信し、処理装置1161dが複合画像5407の方向データポイントを確立するか、調節するために使用する制御信号、例えば制御信号1148を生成するために、図19で示した遠隔制御ユニット1147のようなユーザ入力装置を使用することができる。例えば、オペレータは1つ以上の画像センサ1540を動作させることによって複合画像5407の方向を確立するか、調節するように、例えばジョイスティック又は他の制御装置を使用することができる。ステップ2310で複合画像5407の方向データポイントを確立するか、調節するためにユーザ入力装置、例えば遠隔制御ユニット1147を使用する場合、処理装置1161dは、ステップ2310で確立又は調節された方向データポイントに従って新しい複合画像5407のような十分な仮想視野を再び生成するように、ステップ2308を再度実行することができる。これによって処理装置1161dは、ステップ2308を介して例えば画像センサの動作又は再配向に関係なく、複合画像5407が適切に配向されたままであることを保証する。
【0098】
これで、処理装置1161dはステップ2312で十分な仮想視野の部分、例えば複合画像5407の部分に対応する該当領域を選択的に生成することができる。ステップ2316では、処理装置1161dが受信し、処理装置1161dが複合画像5407の部分を選択するために使用する制御信号、例えば制御信号1148を生成するために、遠隔制御ユニット1147のようなユーザ入力装置を使用することができる。例えば、オペレータは、複合画像5407の所望の部分、例えば1つ以上の画像センサ1540の画像フレームを選択的に表示するように、例えばジョイスティック又は他の制御装置を使用することができる。1つの実施形態では、処理装置1161dは任意選択の自動追跡形体も有する。この実施形態によると、処理装置1161dは、ステップ2316でユーザによって選択された該当領域を自動的に調節するように構成されている。このようにして、ステップ2316でユーザが元々選択した該当領域を、例えば外科用器具が腹腔1501内で動作するにつれて、外科用器具を表示し続けるように調節することができる。
【0099】
さらに別の実施形態では、複合画像5407の部分を拡大又は縮小するために、遠隔制御ユニット1147のようなユーザ入力装置を使用することができる。例えば、オペレータは、プロセッサ1161dが受信し、複合画像5407の所望の部分を選択的に拡大又は縮小するために処理装置1161dが使用する制御信号、例えば制御信号1148を生成するために、例えばジョイスティック又は他の制御装置を使用することができる。この実施形態によると、処理装置1161dはステップ2314で、オペレータによって提供された信号に従ってユーザが選択した該当領域を自動的に調節するように構成されている。
【0100】
ステップ2318では、処理装置1161dは、例えばオペレータが見るために表示を生成する。言うまでもなく、ステップ2318で表示される画像は、例えばステップ2308で生成した腹腔全体の複合画像5407、ステップ2312で生成したような腹腔の選択部分に対応する複合画像5407の該当領域、ズームした画像などでよい。ステップ2318では、画像を任意の適切な表示装置に、例えばステップ2320では図19で示した無線ビデオ表示装置1150などの無線パーソナル表示モニタに、ステップ2332では図1で示した有線ビデオ表示装置145などのオーバヘッド表示モニタなどに表示することができる。
【0101】
前述したように、図25(c)は本発明の1つの例示的な実施形態により処理装置1161dによって使用し得るフレーム安定化手順を示すフローチャートである。ステップ2502で、処理装置1161dはフレーム安定化プロセスを開始する。ステップ2504で、処理装置1161dは画像センサ、例えば画像センサ540aから画像フレーム、例えば画像フレーム5401を取得し、画像フレーム5401を基準画像フレーム2550として記憶する。例えば図25(a)は、本発明の1つの例示的な実施形態による基準画像フレーム2550を示す。
【0102】
図25(c)に戻ると、処理装置1161dはステップ2506で基準画像フレーム2550を複数の画像領域に分割する。例えば、図25(a)は9つの基準画像領域に分割された基準画像フレーム2550を示し、これは基準画像領域R1からR9と呼ばれる。図25(a)は9つの基準画像領域に分割された基準画像フレーム2550を示しているが、他の実施形態では、基準画像フレーム2550は任意の数の基準画像領域に分割してよいことを理解されたい。
【0103】
ステップ2508で処理装置1161dはカレント画像フレーム、例えば画像センサ、例えば画像センサ540aからの画像フレーム5401を取得する。例えば、図25(b)は本発明の1つの例示的な実施形態によるカレント画像フレーム2560を示す。また、ステップ2508で処理装置1161dはカレント画像フレーム2560を複数の現在画像領域に分割する。処理装置1161dはカレント画像フレーム2560を複数の現在画像領域に分割し、これはステップ2506で基準画像フレーム2550を分割した結果の基準画像領域に対して、全体的に同様に配置される。例えば図25(b)は9つの現在画像領域に分割されたカレント画像フレーム2560を示し、これは画像領域R1’からR9’と呼ばれる。
【0104】
ステップ2510で処理装置1161dはカレント画像フレーム2560の領域ごとに、基準画像フレーム2550の各領域に対する相関測定を評価する。ステップ2512で処理装置1161dは、カレント画像フレーム2560の各現在画像領域のモーションベクトルを評価する。処理装置1161dは、カレント画像フレーム2560の現在画像領域ごとに、最近接一致、例えばカレント画像フレーム2560の現在画像領域に対する最小数の相関係数を有する基準画像フレーム2550の基準画像領域を選択することにより、この評価を実行する。
【0105】
ステップ2514で処理装置1161dは、グローバルモーションベクトルが、カレント画像フレーム2560の現在画像領域ごとにステップ2512で求めた個々のモーションベクトルに基づくように、カレント画像フレーム2560全体に対応するグローバルモーションベクトルを評価する。処理装置1161dは、グローバルモーションベクトルが、カレント画像フレーム2560の現在画像領域ごとにステップ2512で求めた個々のモーションベクトルに基づくように、カレント画像フレーム2560全体に対応するグローバルモーションベクトルを評価することが好ましい。
【0106】
ステップ2516で処理装置1161dは、ステップ2514で求めたグローバルモーションベクトルが所定の安定化値を超えているか判断する。処理装置1161dがステップ2516でグローバルモーションベクトルが所定の安定化値を超えていないと判断した場合、処理装置1161dはステップ2518へと進む。ステップ2518で処理装置1161dはステップ2514で求めたグローバルモーションベクトルをカレント画像フレーム2560の各ピクセルに適用する。また、ステップ2518で処理装置1161dは、グローバルモーションベクトルを適用したカレント画像フレームのピクセルから出力フレームを生成する。出力フレームは、例えばユーザに表示される画像である。処理装置1161dは、新しいカレント画像フレーム2560を取得してその後のステップ2510、2512などを繰り返すようにステップ2508へと戻る。
【0107】
処理装置1161dがステップ2516でグローバルモーションベクトルが所定の安定化値を超えていると判断した場合、処理装置1161dはステップ2520へと進む。ステップ2520で処理装置1161dは例えばユーザにエラーメッセージを提供することにより、安定化エラーを通信する。また、ステップ2520で処理装置1161dは新しい基準画像フレーム2550をキャプチャーする機会をユーザに提供する。
【0108】
ステップ2522で処理装置1161dは、ユーザがステップ2520で新しい基準画像フレーム2550をキャプチャーするように選択したか判断する。処理装置1161dがステップ2522でユーザが新しい基準画像フレーム2550をキャプチャーすることを選択しなかったと判断した場合、処理装置1161dは新しいカレント画像フレーム2560を取得してその後のステップ2510、2512などを繰り返すようにステップ2508へと戻る。処理装置1161dがステップ2522でユーザが新しい基準画像フレーム2550をキャプチャーすることを選択したと判断した場合、処理装置1161dは新しい基準画像フレーム2560を取得してその後のステップ2506、2508などを繰り返すようにステップ2504へと戻る。
【0109】
フレーム安定化手順を実行する追加の方法を、処理装置1161dが使用してよい。例えば、本発明の1つの例示的な実施形態によると、処理装置1161dは参照により全体が本明細書に明示的に組み込まれるAllenその他の非特許文献1に記載された画像安定化処理を実行するように構成されている。本発明の別の例示的な実施形態によると、処理装置1161dはこれも参照により全体が本明細書に明示的に組み込まれるSamsungElectronics Co.の1997年の非特許文献2に記載された画像安定化手順を実行するように構成されている。
【0110】
前述したように、図26(c)は本発明の1つの例示的な実施形態により、処理装置1161dが使用し得るフレームをステッチする手順を示すフローチャートである。ステップ2602で処理装置1161dはフレームをステッチするプロセスを開始する。ステップ2604で処理装置1161dは、重複する視野を有する各画像センサ、例えばカメラから画像フレームを取得する。例えば、処理装置1161dは第1のカメラから第1の画像フレームを、第2のカメラから第2の画像フレームを取得することができる。図26(a−b)は本発明の1つの例示的な実施形態により第2の画像フレーム2660と重複する第1の画像フレーム2650を示す。
【0111】
図26(c)に戻ると、ステップ2606で処理装置1161dは第1の画像フレーム2650と第2の画像フレーム2660の重複部分を複数の重複画像領域に分割する。例えば、図26(a−b)は、第1の画像フレーム2650及び第2の画像フレーム2660の重複部分で第1の画像フレーム2650が第1の重複画像領域R1からR3と呼ばれる3つの重複画像領域に分割され、第2の画像フレーム2660が第2の重複画像領域R1’からR3’と呼ばれる3つの重複画像領域に分割されることを示す。図26(a−b)は3つの重複画像領域に分割される第1の画像フレーム2650及び第2の画像フレーム2660それぞれの重複部分を示すが、他の実施形態では第1の画像フレーム2650及び第2の画像フレーム2660それぞれの重複部分を、任意の数の重複画像領域に分割することができる。
【0112】
ステップ2610で処理装置1161dは、第1の画像フレーム2650の重複画像領域ごとに第2の画像フレーム2660の各重複画像領域に対する相関測定を評価する。ステップ2612で処理装置1161dは、第1の画像フレーム2660の各重複画像領域の位置合わせベクトルを評価する。処理装置1161dは、第1の画像フレーム2560の重複画像領域ごとに、最近接一致、例えば第1の画像フレーム2650の重複画像領域に対する最小数の相関係数を有する第2の画像フレーム2550の重複画像領域を選択することにより、この評価を実行することが好ましい。
【0113】
ステップ2614で処理装置1161dは、第2の画像フレーム2660全体に対応するグローバル位置合わせベクトルを評価する。処理装置1161dは、グローバルモーションベクトルが、第2の画像フレーム2660の第2の画像領域ごとにステップ2612で求めた個々の位置合わせベクトルに基づくように、第2の画像フレーム2660全体に対応するグローバル位置合わせベクトルを評価することが好ましい。
【0114】
ステップ2616で処理装置1161dは、ステップ2614で求めたグローバル位置合わせベクトルが所定のステッチ値を超えているか判断する。処理装置1161dがステップ2616でグローバル位置合わせベクトルが所定のステッチ値を超えていないと判断した場合、処理装置1161dはステップ2618へと進む。ステップ2618で処理装置1161dはステップ2614で求めたグローバル位置合わせベクトルを第1の又は第2の画像フレーム2650、2660の各ピクセルに適用する。また、ステップ2618で処理装置1161dは、グローバル位置合わせベクトルを適用した第1の又は第2の画像フレーム2560、2660いずれかのピクセルから複合出力フレームを生成する。複合出力フレームは、第2の画像フレーム2660に位置合わせされた第1の画像フレーム2560を含む。複合出力フレームはユーザに表示することができる。次に処理装置1161dは、重複視野を有する各カメラから画像フレームを取得してその後のステップ2510、2512などを繰り返すようにステップ2604へと戻る。
【0115】
処理装置1161dがステップ2616でグローバル位置合わせベクトルが所定のステッチ値を超えていると判断した場合、処理装置1161dはステップ2620へと進む。ステップ2620で処理装置1161dは例えばユーザにエラーメッセージを提供することにより、ステッチエラーを通信する。また、ステップ2620で処理装置1161dは新しい第1の及び第2の画像フレーム2650、2660をキャプチャーする機会をユーザに提供する。
【0116】
ステップ2622で処理装置1161dは、ユーザがステップ2620で新しい第1の及び第2の画像フレーム2650、2660をキャプチャーするように選択したか判断する。処理装置1161dがステップ2622でユーザが新しい第1の及び第2の画像フレーム2650、2660をキャプチャーすることを選択しなかったと判断した場合、処理装置1161dは重複する視野を有する各カメラから画像フレームを取得してその後のステップ2606、2608などを繰り返すようにステップ2604へと戻る。処理装置1161dがステップ2622でユーザが新しい第1の及び第2の画像フレーム2650、2660をキャプチャーすることを選択したと判断した場合、処理装置1161dは重複する視野を有する各カメラから画像フレームを取得してその後のステップ2606、2608などを繰り返すようにステップ2604へと戻る。
【0117】
以上でさらに詳細に述べたように、通常は外科手術中に、外科手術的処置が適正に実行されていることを保証するために外科医が手術部位を、及び手術部位内で使用する器具を見ることができることが重要である。本発明は、外科用ステープラなどのような外科用器具に関連する目標を達成する様々な実施形態も想定する。図27(a)から図27(e)は、本発明の1つの例示的な実施形態により軸外し画像システムを有する円形切断/ステープル固定装置2800の様々な部分を示す一連の側断面図である。他方で図28(a)から図28(e)は、本発明の別の例示的な実施形態により軸外し画像システムを有する円形切断/ステープル固定装置2900の様々な部分を示す一連の側断面図である。
【0118】
図27(a)を参照すると、外科用装置2800、例えば吻合外科手術的処置で使用できるような円形切断/ステープル固定装置のDLU部分2802を示す側断面図が図示されている。DLU部分2802は、例えば電気機械的ドライバ装置110によって駆動された第1の回転式駆動軸を操作することによってDLU部分2802に対して中心軸2806に沿って軸方向に動作可能であり、図13で示した可撓性軸部170内に収容された套管針2804を含む。図27(a)は、DLU部分2802内の後退位置にある套管針2804を示す。
【0119】
DLU部分2802は第1の画像センサ部分2808も含む。第1の画像センサ部分2808は、第2の軸2810に沿ってDLU部分2802内に位置決めされる。第2の軸2810は中心軸2806とは異なり、例えば軸外しである。第1の画像センサ部分2808は遠位端に開口を有するハウジング2812を含む。ハウジング2812内には画像キャプチャー装置2814が位置決めされる。本発明の1つの実施形態によると、画像キャプチャー装置2814はハウジング2812の開口の背後に位置決めされた第1のレンズ2816及び画像センサ2818、例えばカメラを含んでよい。第1の画像センサ部分2808は、DLU部分2802の締め付け表面2820に対して軸方向に窪むように、DLU部分2802内に位置決めされることが有利である。画像キャプチャー装置2814は、画像に従って画像データを生成し、画像データを処理装置、例えば図3(b)で示した回路機構320へとデータ送信ケーブル、例えば図4(b)で示したデータバス430を介して通信するように構成することができる。
【0120】
図27(a)は、第1のレンズ2816の真後ろに位置決めされている画像センサ2818を示しているが、他の実施形態では、第1のレンズ2816からの光が例えば光ファイバ接続部を介して画像センサ2818へと送信される状態で、画像センサ2818を第1のレンズ2816から離れた位置に配置構成してよいことを認識されたい。1つの例示的な実施形態では、画像センサ2818がDLU部分2802内に位置決めされる。別の例示的な実施形態では、画像センサ2818は軸部、例えば図1で示した可撓性軸部170の中、その連結部、例えば図1で示した第1の連結部175及び/又は第2の連結部185の中、及び/又はドライバ装置、例えば図1で示した電気機械的ドライバ装置110の中に位置決めされる。いずれの場合も、画像データは、無線又は有線接続を介してドライバ装置へ、例えば図1で示した電気機械的ドライバ装置へと送信することができる。外科用装置2800はクリーニングシステム2827も含んでよい。クリーニングシステム2827は、画像センサ2818及び/又は第1のレンズ2816をクリーニングするように構成することができる。
【0121】
図27(b)は外科用装置2800のDLU部分2802を示す側断面図である。図27(b)では、套管針2804が、DLU部分2802内の延長位置になるように、中心軸2806に沿って遠位方向へと軸方向に前進する。
【0122】
図27(c)は、外科用装置2800のDLU部分2802に装着されたアンビル部2830を示す側断面図である。特に、アンビル部2830は、套管針2804に対して軸方向に固定され、套管針2804が後退位置と延長位置との間で動作すると、DLU部分2802に対して中心軸2806に沿って軸方向に動作可能であるように、DLU部分2802上に套管針受けスリーブ2832を介して装着される。図27(c)は、DLU部分2802に対して延長位置にある套管針2804及びアンビル部2832を示す。
【0123】
アンビル部2830は第2の画像センサ部分2834も含む。第2の画像センサ部分2834は、第三軸2836に沿ってアンビル部2830内に位置決めされる。第三軸2836は中心軸2806とは異なり、例えば軸外しである。好ましい実施形態では、DLU部分2802及びアンビル部2830は、例えばキー及び/又はキー溝、スロットなどに対応するような位置合わせ機構2838を有するように構成され、従ってアンビル部2830がDLU部分2802の套管針2804に套管針受けスリーブ2832を介して装着されると、第三軸2836が第2の軸2810に位置合わせされる。
【0124】
第2の画像センサ部分2834は管2840を含む。管2840内に第2のレンズ2842が位置決めされる。本発明の1つの実施形態によると、管2840は近位方向に延在する鋭利な端部2842aを有する。図27(a)で示したクリーニングシステム2827は、第2のレンズ2842をクリーニングするように構成してもよい。管2840は、DLU部分2802の第1の画像センサ部分2808のハウジング2812の外径に対応する、例えばそれよりわずかに大きい内径を有することが有利である。管2840は、例えばアンビルの開口2846を通して、第2のレンズ2842を通して、及び管2840の鋭利な近位端2842aを通して管2840の遠位端から光を搬送可能にするように、アンビル部2830を通って延在する。
【0125】
図27(d)は、DLU部分2802に対して後退位置にある套管針2804及びアンビル部2830を示す側断面図である。図27(e)は、図27(d)で示したようにDLU部分2802に対して後退位置にある套管針2804及びアンビル部2832を示すが、さらに詳細な側断面図である。図27(e)で示すように、アンビル部2830はDLU部分2802に対して、例えばそれに隣接するように後退する。この位置で、アンビル部2830の管2840はハウジング2812を囲み、第1の画像センサ部分2808の第1のレンズ2816は第2の画像センサ部分2834の第2のレンズ2842と位置合わせされる。
【0126】
使用時には、DLU部分を患者の体内、例えば消化管内に挿入できるように、套管針2804を最初に図27(a)で示す位置まで後退させる。次に套管針2804を図27(b)で示した位置へと延長し、套管針2804を使用して、消化管の閉鎖区間を穿孔する。アンビル部2830を、消化管の第2の隣接区域内に位置決めし、アンビル部2830を套管針2804に装着するように、套管針2804をアンビル部2830の套管針受けスリーブ2832内に挿入する。位置合わせ機構38によって、DLU部分2802がアンビル部2830に対して回転状態で位置合わせされることが保証される。次に、アンビル部2830がDLU部分2802の締め付け表面2820にほぼ隣接するまで、套管針2804を後退させる。この位置で、消化管の組織をアンビル部2830とDLU部分2802の締め付け表面2820との間で締め付ける。套管針2804をDLU部分2802に対して後退させている間に、管2842の鋭利な端部2842aが、アンビル部2830とDLU部分2802の締め付け表面2820との間で締め付けられた消化管の組織を穿孔する。自動又は手動でクリーニングシステム2827を使用して、管2842の鋭利な端部2842aで組織の区間を穿孔した結果である血液又は他の体液又は組織を画像センサ2816、第1のレンズ2818及び第2のレンズ2842からクリーニングすることができる。
【0127】
DLU部分2802に対して套管針2804をさらに後退させると、アンビル部2830の管2840が第1の画像センサ部分2808のハウジング2812上で滑動し、従って第1の画像センサ部分2808の第1のレンズ2816が第2の画像センサ部分2834の第2のレンズ2842と位置合わせされる。このようにして、光、例えば画像が管2840の遠位端から例えばアンビルの開口2846を通り、第2のレンズ2842を通って管2840の鋭利な近位端2842aに向かい、第1のレンズ2816を通って画像センサ2818へと搬送される。画像キャプチャー装置2814の画像センサ2818は、これで画像に対応する画像データを生成し、さらに処理するために画像データを処理装置に、例えば図3(b)で示した回路機構320へとデータ送信ケーブル、例えば図4(b)で示したデータバス430を介して通信することができる。
【0128】
図27(a)から図27(e)で示す外科用装置は、最初に手術部位から外科用装置2800を取り出すことなく、ユーザが手術部位を見られるようにする機構を提供する。例えば本発明の上述した実施形態によると、外科医は、外科用装置2800のアンビル部2830とDLU部分2802の間で組織の区間を締め付けて、ステープル固定することによって、吻合処置を実行することができる。外科医は、次に画像センサ2818を通して組織のステープル固定区間の完全性を見ることができ、画像センサは、手術部位から外科用装置2800を取り出す必要なく管2840を通して手術部位の画像を提供するように構成されている。例えばステープル線のような手術部位の全体的視像を獲得するために、例えばアンビル部2830の幾何学的形状に応じて、DLU部分2802を手術部位内で回転することができる。図27(a)から図27(e)で示した外科用装置2800は、外科用装置2800の構成要素の多くが、このような光学/撮像システムのない外科用装置に使用可能な構成要素と類似するか、それに共通し、それによってこのような外科用装置間の部品の互換性を促進するという利点も提供する。
【0129】
前述したように、図28(a)から図28(e)は、本発明の別の例示的な実施形態により「軸上」画像システムを有する円形切断/ステープル固定装置2900の様々な部分を示す一連の側断面図である。図28(a)を参照すると、例えば吻合外科手術的処置で使用できるような円形切断/ステープル固定装置など、外科用装置2900のDLU部分2902を示す側断面図が図示されている。DLU部分2902は、套管針ヘッド2905が装着された套管針延長部2904を含む。套管針ヘッド2905は、套管針延長部2904に取り外し可能に装着することが好ましい。套管針延長部2904、従ってそれに装着される套管針ヘッド2905は、例えば電気機械的ドライバ装置110によって駆動され、図13で示した可撓性軸部170内に収容された第1の回転式駆動軸を動作させることにより、中心軸2906に沿ってDLU部分2902に対して軸方向に動作可能である。図28(a)はDLU部分2902内の後退位置にある套管針延長部2904及び套管針ヘッド2905を示す。
【0130】
套管針延長部2904は少なくとも部分的に中空であり、その遠位端に開口を有する。また、套管針ヘッド2905は自身内に軸方向に延在するボアを有する。この少なくとも部分的に中空の内部のおかげで、套管針延長部2904は自身内に第1の画像センサ部分2908を含むことができる。第1の画像センサ部分2908は、第2の軸2910に沿って套管針延長部2904内に位置決めされる。第2の軸2910は中心軸2906と一致する、例えばそれと同軸である、例えば「軸上」であることが好ましい。第1の画像センサ部分2908は画像キャプチャー装置2914を含む。本発明の1つの実施形態によると、画像キャプチャー装置2914は第1のレンズ2916及び画像センサ2918、例えばカメラを含んでよい。画像キャプチャー装置2914は、画像に従って画像データを生成し、画像データを処理装置に、例えば図3(b)で示した回路機構320にデータ送信ケーブル、例えば図4(b)で示すデータバス430を介して通信するように構成されている。
【0131】
図28(a)は第1のレンズ2916の真後ろに位置決めされている画像センサ2918を示すが、他の実施形態では、第1のレンズ2916からの光が例えば光ファイバ接続部を介して画像センサ2918に送信する状態で、画像センサ2918を第1のレンズ2916から離れた位置に配置構成してよいことを認識されたい。1つの例示的な実施形態では、画像センサ2918は套管針延長部2904内に位置決めされる。別の例示的な実施形態では、画像センサ2918は軸部、例えば図1で示した可撓性軸部170の中、その連結部、例えば図1で示した第1の連結部175及び/又は第2の連結部185の中、及び/又はドライバ装置、例えば図1で示した電気機械的ドライバ装置110の中に位置決めされる。いずれの場合も、画像データは、無線又は有線接続を介してドライバ装置へ、例えば図1で示した電気機械的ドライバ装置110へと送信することができる。
【0132】
図28(b)は外科用装置2900のDLU部分2902を示す側断面図である。図28(c)では、套管針ヘッド2905が装着された套管針延長部2904が、DLU部分2902に対して延長位置になるように、中心軸2906に沿って遠位方向へと軸方向に前進する。
【0133】
図28(d)は、外科用装置2900のDLU部分2902に装着されたアンビル部2930を示す側断面図である。特に、アンビル部2930は、套管針2904に対して軸方向に固定され、套管針2904が後退位置と延長位置との間で動作すると、DLU部分2902に対して中心軸2906に沿って軸方向に動作可能であるように、套管針2904上に套管針受けスリーブ2932を介して装着される。図28(d)は、DLU部分2902に対して延長位置にある套管針2904及びアンビル部2932を示す。
【0134】
アンビル部2930は第2の画像センサ部分2934も含む。第2の画像センサ部分2934は、アンビル部2930によって画定され、中心に配置されて軸方向に延在するボア2940内に位置決めされる。ボア2940は第三軸2936を画定し、これは中心軸2906と一致し、例えばこれと同軸であり、例えば「軸上」である。
【0135】
第2の画像センサ部分2934はボア2940内に第2のレンズ2942を含む。管2940は、DLU部分2902の套管針延長部2904の外径に対応する、例えばそれよりわずかに大きい内径を有することが有利である。管2940の内径及びDLU部分2902の套管針延長部2904の外径は、アンビル部2930を套管針延長部2904に装着し、それに対して所定の位置にて軸方向に固定できるようにする対応の係合機構2938を有することが有利である。ボア2940は、ボア2940の遠位端から第2のレンズ2942を通して、及び管2940の近位端を通して光を搬送可能にするように、アンビル部2930を通って延在する。
【0136】
図28(e)は、DLU部分2902に対して後退位置にある套管針延長部2904及びアンビル部2930を示す側断面図である。図28(e)で示すように、アンビル部2930はDLU部分2902に対して、例えばそれに隣接するように後退する。
【0137】
使用時には、DLU部分2902を患者の体内、例えば消化管内に挿入できるように、套管針ヘッド2905を自身上に装着した状態で、套管針2904を最初に図28(a)で示す位置まで後退させる。次に套管針延長部2904及び套管針ヘッド2950を図28(b)で示した位置へと延長し、套管針ヘッド2905を使用して、消化管の閉鎖区間を穿孔する。次に、套管針ヘッド2905を套管針延長部2904の遠位端から取り出す。アンビル部2930を、消化管の第2の隣接区域内に位置決めし、套管針延長部と套管針受けスリーブ2932の係合機構2938が係合するまで、套管針延長部2904をアンビル部2930の套管針受けスリーブ2932に挿入する。このようにして、アンビル部2930を套管針延長部2904に装着する。次に、アンビル部2930がDLU部分2902の締め付け表面2920にほぼ隣接するまで、套管針延長部2904を後退させる。この位置で、消化管の組織をアンビル部2930とDLU部分2902の締め付け表面2920との間で締め付ける。套管針延長部2904をDLU部分2902に対して後退させている間に、アンビル2930の套管針受けスリーブ2934を、DLU部分2902の套管針ヘッド2905によって以前に作成した組織の開口を通して引っ張る。
【0138】
DLU部分2902に対して套管針延長部2904をさらに後退させると、第1の画像センサ部分2908の第1のレンズ2916が第2の画像センサ部分2934の第2のレンズ2942にさらに近づく。このようにして、光、例えば画像がアンビル部2930のボア2940の遠位端から第2のレンズ2942を通り、第1のレンズ2916を通って画像センサ2918へと搬送される。画像キャプチャー装置2914の画像センサ2918は、これで画像に対応する画像データを生成し、さらに処理するために画像データを処理装置に、例えば図3(b)で示した回路機構320へとデータ送信ケーブル、例えば図4(b)で示したデータバス430を介して通信することができる。
【0139】
前述したように、図28(a)から図28(e)で示す外科用装置2900は、最初に手術部位から外科用装置2900を取り出すことなく、ユーザが手術部位を見られるようにする機構を提供する。例えば本発明の上述した実施形態によると、外科医は、外科用装置2900のアンビル部2930とDLU部分2902の間で組織の区間を締め付けて、ステープル固定することによって、吻合処置を実行することができる。外科医は、次に画像センサ2918を通して組織のステープル固定区間の完全性を見ることができ、画像センサは、手術部位から外科用装置2900を取り出す必要なくボア2940を通して手術部位の画像を提供するように構成されている。図28(a)から図28(e)で示した外科用装置2900は、DLU部分2802を手術部位内で回転する必要なく、ユーザが手術部位、例えばステープル線の全体視像を獲得可能にすることができる。
【0140】
また、以上で述べた外科用装置2900は、アンビル部2930をDLU部分2902と回転状態で位置合わせするステップを省略するという利点を有する。というのは、中心に配置された「軸上」機構のおかげで、套管針延長部2904の画像センサ2918がアンビル部2930のボア2940と自動的に位置合わせされるからである。さらに、上述した外科用装置2900は、図27(c)で示す管2940の鋭利な端部2942aなどの鋭利な部品の必要性をなくすという利点を有する。というのは、DLU部分2902に対して套管針延長部2904が後退する間にアンビル2930の套管針受けスリーブ2934が、DLU部分2902の套管針ヘッド2905によって以前に作成された組織の開口を通して引っ張られるからである。鋭利な部品をなくすと、手術中に組織の区間を意図せずに穿孔してしまう可能性が低下するからである。また、鋭利な部品で組織の区間を穿孔する必要性がないと、血液又は他の体液又は組織が、画像センサ2918の受容する画像を不明瞭にする可能性を低下させることができる。その結果、鋭利な部品で組織の区間を穿孔した結果生じる血液又は他の体液又は組織を画像センサ及び/又はレンズからクリーニングするためのクリーニングシステムの必要性もなくすことができる。というのは、アンビル部2930のレンズ2942は、DLU部分2902に装着する前にユーザが手作業でクリーニングできるからである。
【0141】
以上では円形ステープラの様々な実施形態を説明したが、本発明は、手術部位で使用するように構成された任意のタイプの外科用装置で使用してよいことを認識されたい。例えば、本発明は、画像センサを含むDLU部分などの第1の部分、及び第1の部分に対して動作可能であり、画像などの光を画像センサに搬送する機構を含むアンビル部などの第2の部分を有する任意のタイプの外科用装置で使用することができる。外科用装置の機構は、手術部位から外科用装置を取り出すことなく、画像を画像センサで受け取れるようにできることが有利である。
【0142】
本発明の様々な実施形態では、撮像センサと光源とを別個に配置できるので有利である。例えば、撮像センサと光源は、撮像センサが適正に動作できるように十分な光を確実に提供するために、様々な時に一緒に配置することが望ましいが、他の実施形態では、光源を様々な外科手術用構成要素又は付属装置に統合することが有利なことがある。このようにして、撮像センサを動作可能にするために十分な光を提供する以外に、様々な目的で光源を使用することができる。
【0143】
次に図29(a)を参照すると、図1で図示した外科用システム100と同様であり、これ以上検討しない構成要素を含む外科用システム3100が図示されている。外科用システム3100は、可撓性軸部3170を介して外科用付属装置3120に取り外し可能に結合された電気機械的ドライバ装置3110を含む。外科用付属装置3120は、任意のタイプの外科手術を実行するように構成された任意のタイプの外科手術用構成要素を含むことができる。例示的な目的のみで、外科用付属装置3120について、大動脈締め付け付属装置として以下でさらに説明する。他の実施形態では、外科用付属装置3120は光源のハウジングにすぎず、任意の他の外科的機能を実行しないことがあることを認識されたい。
【0144】
外科用付属装置3120は、本発明のこの実施形態によると1つ以上の光源3150を含む。光源3150は、照明を提供することが可能な任意の装置、例えば発光ダイオード、燐蛍光源、光ファイバなどでよい。1つの実施形態では、光源3150は外科用付属装置3120内に一体で配置してよい。あるいは、光源3120は外科用付属装置3120に永久的に取り付けるか、一時的に取り付けることができる。外科用付属装置3120は、小型バッテリなどの電源3745も有してよい。電源3745は、1つ以上の光源3120に電力を提供するように動作可能でよい。
【0145】
また、外科用システム3100は画像キャプチャー装置3715を含むことができる。画像キャプチャー装置3715は、可撓性軸部3170に取り付け可能であるように構成された装置、又は装置の部品でよい。このようにして、画像キャプチャー装置3715は、図29(b)で示す第2の外科用付属装置3700のような第2の外科用付属装置を構成することができ、電気機械的ドライバ装置3110で操作かつ/又は制御することができる。あるいは、画像キャプチャー装置3715は、可撓性軸部3170に取り付け可能であるようには構成されず、電気機械的ドライバ装置3110から独立して動作可能であり、機能する装置、又は装置の部品でよい。例えば、画像キャプチャー装置3715は画像ポッド、例えば図4(a)などで示した画像ポッド、又は外科用撮像装置、例えば図10などで示した外科用撮像装置でよい。あるいは、画像キャプチャー装置3715は任意の他の可能な機構を有してよい。
【0146】
図29(b)は画像キャプチャー装置3715の1つの例示的な実施形態を示す。画像キャプチャー装置3715は、集束レンズ3735がある光学システム3720を含んでよい。また、画像キャプチャー装置3715はさらに撮像センサ、例えばCCD3725のような感光装置を含んでよい。画像キャプチャー装置3715を撮像すべき対象に向けると、集束レンズ3735が反射光をCCD3725に集束する。無線送信器(又は例えば送受信器)3740を、画像キャプチャー装置3715内に配置し、CCD3725に通信可能に結合されることができる。このような無線送信器の実施例が、参照により全体が本明細書に明示的に組み込まれる特許文献9に記載されている。また、小型バッテリなどの電源3745aを画像キャプチャー装置3715内に配置し、CCD3725及び無線送信器3740へと電源を提供するように動作可能である。使用時には、CCD3725によってキャプチャーされた画像が、無線送信器3740を介して電気機械的ドライバ装置110などの遠隔装置の対応する受信器(又は送受信器)へと無線送信することができる。
【0147】
この実施形態は、画像センサとしてCCDを使用するものとして説明しているが、CMOS型画像センサなどの他の適切な画像センサを使用してもよい。CMOSセンサは、CCD画像センサより感光性が高いので、それより少量の電力しか必要としないことがある。CMOS画像センサは、撮像すべき対象からの反射光を検出するために、例えば光ダイオード及び/又はフォトトランジスタを含んでよい。CMOS画像センサは、画像データをアナログ信号として、あるいはアナログデジタル変換器によって処理した後にデジタル信号として送信することができる。
【0148】
使用時には、外科用付属装置3120を手術部位に挿入することができる。外科用付属装置3120は、手術部位に配置されると、その構成目的となるタイプの外科手術を実行するために使用することができる。上述した例示的な実施形態では、例えば外科用付属装置3120が大動脈締め付け付属装置である場合、大動脈を締め付け表面の間で位置決めするように、外科用付属装置3120を手術部位に挿入することができる。これで、例えば電気機械的ドライバ装置3110の制御下などで外科用付属装置3120を操作し、大動脈を締め付けることができる。1つの実施形態では、手術部位内に照明を提供するように、次に光源3150を起動する。言うまでもなく、光源3150は外科用付属装置3120を手術部位に挿入する前に起動してもよいことを認識されたい。
【0149】
1つの実施形態では、外科用付属装置3120を手術部位内で使用し、光源3150を起動したら、外科用付属装置3120を可撓性軸部3170から切り離すことができる。次に、可撓性軸部3170を手術部位から取り出す一方、光源3150が手術部位内に照明を提供するように、外科用付属装置3170を手術部位内に残してよい。その後、画像キャプチャー装置3715は、手術部位に対応する画像データを取得するように、手術部位内に位置決めすることができる。以上でさらに詳細に述べたように、1つの実施形態では、画像キャプチャー装置3715を可撓性軸部3170に取り付けて、電気機械的ドライバ装置3110で動作させ、制御するが、他の実施形態では、画像キャプチャー装置3715を電気機械的ドライバ装置3110から独立して動作させる。
【0150】
光源3120は、画像キャプチャー装置3715が手術部位に対応する十分亜画像データを取得できるように、手術部位に十分な光を提供することが有利である。例えば、光源3120は、画像データに対応する画像を見ているユーザが、外科用付属装置3120を適切に使用しているか否かを判断できるように、十分な光を提供するように動作可能でよい。上述した実施形態では、光源3120は、画像データに対応する画像を見ているユーザが、大動脈クランプによって大動脈が十分に締め付けられているか否かを判断できるように、十分な光を提供するように動作可能でよい。追加的又は代替的に、光源3150は患者の手術部位に残留し、オペレータが実行する必要がある任意の他の機能、例えば異なる外科用器具の挿入、オペレータによる手術部位の物理的検査などのために、種々部位に照明を提供し続けるように使用することができる。
【0151】
図29(a)及び図29(b)は、別個に配置された撮像センサ及び光源を含む外科用システムの1つの例示的な実施形態を示すが、本発明は、撮像センサ及び光源を別個に配置するか、配置可能でよい様々な他の構成も含んでよいことを認識されたい。
【0152】
本明細書では、本発明の幾つかの実施形態を特に図示かつ/又は説明している。しかし、本発明の精神及び意図された範囲から逸脱することなく、本発明の改造及び変形が以上の教示によって網羅されることが認識される。
【符号の説明】
【0153】
100 外科用システム
105 RPC
110 電気機械的ドライバ装置
115 ハウジング
120 外科用付属装置
125 フロントパネル
130 表示装置
135 表示器
140 接続スロット
145 ビデオ表示装置
150 受信システム
155 送受信器
160 回路
165 メモリ装置
170 可撓性軸部
175 第1の連結部
180 遠位端
185 第2の連結部
190 外科用装置
195 撮像装置
205 外科用リニアステープラ
210 下顎部
215 上顎部
220 連結部
225 六角形ソケット
230 磁気センサ
235 磁気センサ
240 接点
250 外科用円形ステープラ付属装置
255 連結部
260 アンビル部
265 アンビル
270 アンビルステム
275 本体部分
300 第1の撮像装置
305 ハウジング
310 ボア
314 レンズシステム
315 画像キャプチャー装置
320 回路機構
325 第1の方向
330 電源機構
405 レンズ
410 光源
415 クリーニング機構
420 中空ステム
430 データバス
440 画像センサ
505 処理機構
510 メモリ装置
515 送信機構
520 データバス
525 ユーザ入力機構
605 バッテリ電力ユニット
510 電力接点
700 撮像ポッド
705 ハウジング
710 取り付け機構
715 画像キャプチャー装置
725 CCD
730 光源
740 無線送信器
745 電源
750 外科用付属装置
755 レセプタクル
800 撮像ポッド
805 接点ピン
810 ソケット
900 外科用付属装置
905 撮像装置
910 本体
915 連結部
920 アンビル部
925 アンビル
930 アンビルステム
935 ストラップ
940 可撓線アセンブリ
1100 外科用撮像装置
1102 後退アクチュエータ
1104 本体部分
1105 スロット
1106 脚部
1107 開口
1108 プロング
1109 バッテリ
1110 底部分
1111 開口
1112 レバー
1114 カメラ
1115 光源
1116 レンズ
1118 撮像センサ
1120 レンズカバー
1122 制御線
1145 アンテナ
1147 遠隔制御ユニット
1148 制御信号
1150 ビデオ表示装置
1155 光源
1158 ビデオ信号
1161 メモリ装置
1161d 処理装置
1199 切開部
1200 制御ケーブル
1201 空間
1205 ビデオ表示装置
1210 電源
1211 連結部
1212 連結部
1215 リード線
1500 画像キャプチャー装置
1501 空隙
1510 光源
1540 画像センサ
2550 画像フレーム
2560 画像フレーム
2650 画像フレーム
2660 画像フレーム
2800 円形切断/ステープル固定装置
2802 DLU部分
2804 套管針
2806 中心軸
2808 第1の画像センサ部分
2810 第2の軸
2812 ハウジング
2814 画像キャプチャー装置
2816 第1のレンズ
2818 第2のレンズ
2820 締め付け表面
2827 クリーニングシステム
2830 アンビル部
2832 套管針受けスリーブ
2834 第2の画像センサ部分
2836 第三軸
2838 位置合わせ機構
2840 管
2842 第2のレンズ
2846 開口
2900 円形切断/ステープル固定装置
2902 DLU部分
2904 套管針延長部
2905 套管針ヘッド
2906 中心軸
2908 第1の画像センサ部分
2910 第2の軸
2914 画像キャプチャー装置
2916 第1のレンズ
2918 画像センサ
2930 アンビル部
2932 套管針受けスリーブ
2934 第2の画像センサ部分
2936 第三軸
2938 係合機構
2940 ボア
2942 第2のレンズ
3100 外科用システム
3110 電気機械的ドライバ装置
3120 外科用付属装置
3150 光源
3170 可撓性軸部
3700 第2の外科用付属装置
3715 画像キャプチャー装置
3725 CCD
3735 集束レンズ
3740 無線送信器
3745 電源
5400 画像フレーム
5401 画像フレーム
5402 画像フレーム
5403 画像フレーム
5404 画像フレーム
5405 画像フレーム
5406 画像フレーム
5407 画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図1に示される外科用システム。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20−1】
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【図20−2】
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【図20−3】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25−1】
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【図25−2】
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【図25−3】
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【図26−1】
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【図26−2】
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【図27−1】
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【図27−2】
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【図27−3】
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【図27−4】
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【図27−5】
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【図28−1】
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【図28−2】
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【図28−3】
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【図29−1】
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【図29−2】
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【公開番号】特開2011−172947(P2011−172947A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−82317(P2011−82317)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【分割の表示】特願2007−520507(P2007−520507)の分割
【原出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)