説明

外部信号出力端子

【課題】外部信号入力端子において、入力端子部と出力端子部との間の接続のための回路基板を省略し、小型化を可能とすることである。
【解決手段】外部信号入力端子10は、外部信号を受ける複数の数の入力信号ケーブルの一端側コネクタのそれぞれと結合可能で着脱自在に設けられる複数の入力信号端子を有する入力端子部14と、複数の出力信号線の他端側コネクタのそれぞれと結合可能で着脱自在に設けられる複数の出力信号端子を有する出力端子部16と、入力端子部14の各入力信号端子と、出力端子部16の各出力信号端子とを電気的導通部材を用いて予め定めた接続方法で接続する接続部18と、入力端子部14と、出力端子部16と、接続部18とを一体化して接続するハウジング12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外部信号出力端子に係り、特に、外部信号を受ける入力信号ケーブルと、所定の装置側の出力信号線とを接続する外部信号出力端子に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、受信機とビデオ機器等とを接続するために接続ケーブルが用いられるが、場合によっては、受信機側の信号ケーブルの仕様と、ビデオ機器側の信号線の仕様とが異なることがある。このようなときに、信号ケーブルと信号線とを接続するための接続端子装置が用いられる。この接続端子装置は、信号ケーブルのコネクタに着脱自在な入力側端子部を一端側に有し、信号線のコネクタに着脱自在な出力側端子部を他端側に有する接続コネクタ装置の一種であり、受信機からの外部信号をビデオ機器等に入力するものであるので、外部信号入力端子装置、あるいは単に外部信号入力端子と呼ぶことができる。
【0003】
特許文献1には、インピーダンス整合器として、コンピュータのディジタル通信用同軸ケーブルに接続されたコネクタを着脱自在に結合する同軸コネクタと、ツイストペア線に接続されたモジュラプラグを着脱自在に結合するモジュラジャックとをインピーダンス整合させてケースに設ける構成が開示されている。ここでは、補助板に同軸コネクタを取り付け、回路基板にインピーダンス整合回路の構成部品とモジュラジャックとを実装した後、補助基板と回路基板とをケースのボディに納装し、同軸コネクタのリードを回路基板に半田付けし、最後にケースのカバーをボディに固着して組み立てることが述べられている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−3415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示されるように、外部信号を受ける信号ケーブルのコネクタと、信号線のコネクタとを接続するためには、回路基板が用いられ、この回路基板を含んで接続端子装置である外部信号入力端子が構成される。したがって、従来技術の外部信号端子においては、回路基板に接続する半田付け等の作業工程を有し、回路基板を含むことから大型化する。
【0006】
本発明の目的は、小型化を可能とする外部信号入力端子を提供することである。また、他の目的は、回路基板を省略できる外部信号入力端子を提供することである。以下の手段は、上記目的の少なくとも1つに貢献する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る外部信号入力端子は、外部信号を受ける複数の数の入力信号ケーブルの一端側コネクタのそれぞれと結合可能で着脱自在に設けられる複数の入力信号端子を有する入力端子部と、複数の出力信号線の他端側コネクタのそれぞれと結合可能で着脱自在に設けられる複数の出力信号端子を有する出力端子部と、入力端子部の各入力信号端子と、出力端子部の各出力信号端子とを電気的導通部材を用いて予め定めた接続方法で接続する接続部と、入力端子部と、出力端子部と、接続部とを一体化して接続するハウジングと、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る外部信号入力端子において、複数の入力信号ケーブルは、ビデオ信号用ケーブルと、左右のステレオ音声信号ケーブルと、を含むことが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る外部信号入力端子において、複数の出力信号線は、モノラル音声信号線を含み、接続部は、左右のステレオ音声信号ケーブルの各入力信号端子と、1本のモノラル音声信号線の出力信号端子とを、予め定めた接続方法で電気的に接続し、ステレオ音声信号とモノラル信号との間の切換を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
上記構成により、外部信号入力端子は、外部信号を受ける入力信号ケーブルの一端側コネクタと結合可能で着脱自在に設けられる入力信号端子を有する入力端子部と、出力信号線の他端側コネクタと結合可能で着脱自在に設けられる出力信号端子を有する出力端子部と、入力端子部の各入力信号端子と、出力端子部の各出力信号端子とを電気的導通部材を用いて予め定めた接続方法で接続する接続部と、入力端子部と、出力端子部と、接続部とを一体化して接続するハウジングと、を備える。このように、入力端子部と、出力端子部と、接続部とを一体化するので、小型化が可能となる。また、入力端子部の各入力信号端子と、出力端子部の各出力信号端子とを電気的導通部材を用いて予め定めた接続方法で接続するので、回路基板を省略できる。
【0011】
また、外部信号入力端子において、複数の入力信号ケーブルは、ビデオ信号用ケーブルと、左右のステレオ音声信号ケーブルと、を含むので、外部信号を受けるビデオ信号ケーブルと、所定の装置に接続される出力信号線とを小型化された外部信号接続端子で接続することができる。
【0012】
また、外部信号入力端子において、複数の出力信号線は、モノラル音声信号線を含み、接続部は、左右のステレオ音声信号ケーブルの各入力信号端子と、1本のモノラル音声信号線の出力信号端子とを、予め定めた接続方法で電気的に接続し、ステレオ音声信号とモノラル信号との間の切換を行う。これにより、回路基板を省略して、ステレオ音声信号とモノラル信号との間の切換を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、外部信号を受ける入力信号ケーブルを、ビデオ信号用ケーブルと、左右のステレオ音声信号ケーブルの合計3本のものとして説明するが、これは説明のための一例である。これ以外の本数であってもよく、あるいはこれらと異なる内容の信号ケーブル、例えばデータ信号ケーブル等であってもよい。
【0014】
図1は、外部信号入力端子10の斜視図で、(a)は正面側からの斜視図、(b)は背面側からの斜視図である。図2は、外部信号入力端子10の三面図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。図3は、外部信号入力端子10の断面図である。
【0015】
外部信号入力端子10は、ハウジング12と、ハウジング12の正面側に設けられる3本の入力端子部14と、ハウジング12の背面側に1つの出力端子部16と、ハウジング12の内部に入力端子部14と出力端子部16とを接続する接続部18を含んで構成される。
【0016】
ハウジング12は、外部信号入力端子10の外形を形作り、内部に接続部18を配置しながら入力端子部14と出力端子部16とを保持する機能を有する筐体部材である。かかるハウジング12は、適当なプラスチック材料を用い、入力端子部14、出力端子部16、接続部18を含んでこれらを一体で成形して得ることができる。この一体化成形法は、異色成形法、あるいはインサートモールド法等の技術を用いることができる。プラスチック材料としては、適当な強度を有し、十分な絶縁性を有するものを用いることが好ましい。例えば、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂等を用いることができる。
【0017】
入力端子部14は、ここに外部信号を受ける入力信号ケーブルの一端側コネクタが結合可能で着脱自在に接続される接続端子部である。入力端子部14は、内部に入力信号端子を有し、これが入力信号ケーブルの一端側コネクタの信号端子と接触して、相互に電気的に接続される。図1の例では、図示されていない3本の入力信号ケーブルのそれぞれの一端側コネクタが挿入できるように、3つの入力端子部14が示されている。図示されていない3本の入力信号ケーブルは、ここでは、例えば受信機からのビデオ信号用ケーブルと、左右のステレオ音声信号ケーブルである。
【0018】
このように、ここで入力信号とは、外部信号入力端子10から見て入力信号であって、受信機から見れば出力信号のことである。入力信号ケーブルの名称も、外部信号入力端子10から見ての名称であって、これを受信機から見れば、出力信号ケーブルのことになる。
【0019】
出力端子部16は、図示されていない装置、例えばビデオ機器に接続される出力信号線の他端側コネクタが結合可能で着脱自在に接続される接続端子部である。出力端子部16は、出力信号端子を有し、これが出力信号ケーブルの他端側コネクタの信号端子と接触して、相互に電気的に接続される。図1の例では、図示されていない出力信号ケーブルの信号線を7本として、それぞれの信号線に対応するコネクタ端子に対応して、7本の出力信号端子を有する1つの出力端子部16が示されている。図示されていない出力信号線の7本の信号線は、ここでは、モノラル音声信号線、3本のカラー映像信号線、3本の制御信号線である。
【0020】
このように、ここで出力信号とは、外部信号入力端子10から見て出力信号であって、ビデオ機器から見れば入力信号のことである。出力信号線の名称も、外部信号入力端子10から見ての名称であって、これをビデオ機器から見れば、入力信号線のことになる。
【0021】
接続部18は、入力端子部14の各入力信号端子と、出力端子部の各出力信号端子とを接続する電気的導通部材である。電気的導通部材は、各入力信号端子と各出力信号端子との間を定めた接続方法で接続するために、互いに絶縁されて配置された複数の部材である。かかる電気的導通部材としては、適当な金属線あるいは金属板を用いることができる。また、場合によっては、抵抗素子を電気的導通部材として用いることができる。
【0022】
例えば、左右のステレオ音声信号ケーブルの各入力信号端子と、1本のモノラル音声信号線の出力信号端子とを、予め定めた接続方法で電気的に接続し、ステレオ音声信号とモノラル信号との間の切換を行うには、電気的導通部材として抵抗素子を用いる。すなわち、左のステレオ音声信号ケーブルの入力信号端子と、モノラル音声信号線の出力信号端子とを抵抗素子で接続すると共に、右のステレオ音声信号ケーブルの入力信号端子と、モノラル音声信号線の出力信号端子とを別の抵抗素子で接続する。これによって、左のステレオ音声信号ケーブルの信号と、右のステレオ音声信号ケーブルの信号との間で信号の逆流が生じることを抑制して、1つのモノラル信号として出力することができる。
【0023】
このように、接続部18は、複数の入力信号端子におけるそれぞれの入力信号と、複数の出力信号端子におけるそれぞれの出力信号とを、予め定めた接続法によって、信号の切換等を行う機能を有するものとできる。図1から図3の例では、このような信号切換を行うことができる接続部18をハウジング12の内部に設けるものとしたが、接続部18を単純に、入力信号端子と出力信号端子の間の1対1の接続を行うのみとすることもできる。この場合には、信号間の切換機能は、外部信号入力端子10の外側、例えば出力信号線側に設けるものとすることができる。
【0024】
このように、ハウジング12によって、入力端子部14と、出力端子部16と、接続部18とを一体化して接続することで、外部信号入力端子10を小型にすることができる。また、従来技術で用いられる回路基板を省略でき、これによって従来技術では必要であった半田付け工程等を省略することができる。
【0025】
図4と図5は、図1から図3で説明した外部信号入力端子10を用いたVTRジャックアセンブリ20を示す図である。図4はVTRジャックアセンブリ20の斜視図、図5はその断面図である。ここでは、図示されていない受信機から外部信号を受ける3本の入力信号ケーブル6と、図示されていないビデオ機器に接続される外部信号線8が示されている。
【0026】
図4では、VTRジャックアセンブリ20の筐体22の背面側からの斜視図が示され、したがって、図1から図3で説明した外部信号入力端子10は、出力端子部16のみが図示されている。図5では、VTRジャックアセンブリ20の筐体22に外部信号入力端子10が保持されている様子が示されている。
【0027】
ここで、従来技術との比較をするために、図6には、従来技術によるVTRジャックアセンブリ30の断面図が示されている。なお、図1から図5と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。従来型VTRジャックアセンブリ30は、図5と外形が同じ筐体32を有している。この筐体32には、入力端子部14を含む入力ジャック部34が保持される。また出力端子部16を一方端のコネクタ60に有する出力ケーブル62の他端部から導かれる信号線64は、出力コネクタ40に接続され、この出力コネクタ40も筐体32に支持される。そして、入力ジャック部34と出力コネクタ40とは、回路基板50に、接続ピン36,42を用いて電気的に接続される。
【0028】
回路基板50には予め定められた配線パターンが設けられ、これによって、入力ジャック部34の各信号端子と、出力コネクタ40の各信号端子とはそれぞれ対応付けられて接続される。この回路基板50も筐体32内に収納される。ただし、この筐体32は、VTRジャックアセンブリ30の筐体32である。
【0029】
このように、従来型VTRジャックアセンブリ30においては、入力ジャック部34と出力コネクタ40との間の接続のために回路基板50を有し、半田付け工程等が必要となる。これに対し、図5のVTRジャックアセンブリ20においては、回路基板を要せず、半田付け工程も必要ない。また、図6の例では、図5と同じ外形の筐体32を用いるものとしたが、図5、図6を比較すれば分かるように、図5の筐体22は、回路基板、接続ピンの配置空間を要しない分、まだまだ小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る実施の形態の外部信号入力端子の斜視図である。
【図2】本発明に係る実施の形態の外部信号入力端子の三面図である。
【図3】本発明に係る実施の形態の外部信号入力端子の断面図である。
【図4】本発明に係る実施の形態の外部信号入力端子を用いたVTRジャックアセンブリの斜視図である。
【図5】図4の断面図である。
【図6】従来型VTRジャックアセンブリの断面図である。
【符号の説明】
【0031】
6 入力信号ケーブル、8 外部信号線、10 外部信号入力端子、12 ハウジング、14 入力端子部、16 出力端子部、18 接続部、20,30 VTRジャックアセンブリ、22,32 筐体、34 入力ジャック部、36,42 接続ピン、40 出力コネクタ、50 回路基板、60 コネクタ、62 出力ケーブル、64 信号線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部信号を受ける複数の数の入力信号ケーブルの一端側コネクタのそれぞれと結合可能で着脱自在に設けられる複数の入力信号端子を有する入力端子部と、
複数の出力信号線の他端側コネクタのそれぞれと結合可能で着脱自在に設けられる複数の出力信号端子を有する出力端子部と、
入力端子部の各入力信号端子と、出力端子部の各出力信号端子とを電気的導通部材を用いて予め定めた接続方法で接続する接続部と、
入力端子部と、出力端子部と、接続部とを一体化して接続するハウジングと、
を備えることを特徴とする外部信号入力端子。
【請求項2】
請求項1に記載の外部信号入力端子において、
複数の入力信号ケーブルは、
ビデオ信号用ケーブルと、
左右のステレオ音声信号ケーブルと、
を含むことを特徴とする外部信号入力端子。
【請求項3】
請求項2に記載の外部信号入力端子において、
複数の出力信号線は、モノラル音声信号線を含み、
接続部は、左右のステレオ音声信号ケーブルの各入力信号端子と、1本のモノラル音声信号線の出力信号端子とを、予め定めた接続方法で電気的に接続し、ステレオ音声信号とモノラル信号との間の切換を行うことを特徴とする外部信号出力端子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−117296(P2009−117296A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292133(P2007−292133)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000185617)小島プレス工業株式会社 (515)