説明

外面電極型蛍光ランプおよびこれに使用するホルダー

【課題】構成部品の分別が容易な外面電極型蛍光ランプ、あるいは、接着剤の電極部分などへの流れ込みを防止する外面電極型蛍光ランプ用のホルダーを提供すること。
【解決手段】蛍光体層12を形成した発光領域Lを設け、放電媒体を封入した外囲器11と、この外囲器11の外に位置し外囲器11内に放電を発生させる電極13a、13bと、この電極13a、13b上から外囲器11の外面に第1粘着剤層15で張り付けた電極シート14と、この電極シート14上から外囲器11を被覆する熱収縮チューブ17とを具備し、第1粘着剤層15が剥離性を有する粘着剤で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電媒体を封入した外囲器の外に電極を配置した外面電極型蛍光ランプ、および、この外面電極型蛍光ランプに使用するホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
外面電極型蛍光ランプは、指向性が良好で高効率の光放射が得られるという利点があり、コピー機やスキャナーなどOA機器の読み取り用光源、あるいは、ディスプレイのバックライト用光源などに用いられている。
【0003】
ここで、従来の外面電極型蛍光ランプについて図9の断面図を参照して説明する。外面電極型蛍光ランプを構成する外囲器91は直管状に形成され、内部に放電媒体が封入されている。外囲器91は、断面が円形の管状側壁部分91aおよびこの側壁部分91aの両端を封止する端面部分(図示せず)などから構成されている。側壁部分91aの内面に蛍光体層92が設けられ、発光領域Lを形成している。発光領域Lは管軸Oを中心にたとえば180°以上の角度範囲に設けている。蛍光体層92を形成しない部分は、外部に光を放出するアパーチャ領域Aを形成している。
【0004】
側壁部分91aの外面に、一対の電極93a、93bが対向して配置されている。電極93a、93bは、電極シート94によって側壁部分91aの外面に固定されている。たとえば電極シート94の図示内側の面に形成した第1粘着剤層95に電極93a、93bを張り付け、電極93a、93bを張り付けた電極シート94を、電極93a、93bの外側から第1粘着剤層95によって側壁部分91aに張り付けている。また、電極93a、93bは、その図示内側の面に第2粘着剤層96が形成され、第2粘着剤層96によって側壁部分91aに張り付けられている。
【0005】
また、側壁部分91aの外周面は、電極シート94上から熱収縮チューブ97によって被覆されている。熱収縮チューブ97は、その内径を外囲器91の外径よりも少し大きめに形成し、熱収縮チューブ97の内側に外囲器91を配置し、その後、加熱して収縮させる。この熱収縮で、熱収縮チューブ97は、電極シート94上から側壁部分91aの外周面に密着し、電極シート94が外囲器91から剥がれないように固定する。
【0006】
上記した構成において、一対の電極93a、93b間に高電圧を加え、外囲器91内に放電を発生させる。この放電で、蛍光体層92から光が発生し、蛍光体層92が発生した光はアパーチャ領域Aから外部に放出される。
【0007】
次に、上記した従来の外面電極型蛍光ランプの概略の構造について図10を参照して説明する。図10(a)はアパーチャ領域A側から見た正面図、図10 (b)は、図10(a)の下方から見た下面図、図10(c)は、図10(a)の裏側から見た背面図である。図10は、図9と対応する部分に同じ符号を付し重複する説明を一部省略する。
【0008】
外囲器91を構成する側壁部分91aの外面に、一対の電極93a、93bが外囲器91の長さ方向に所定間隔で平行に配置されている。また、一対の電極93a、93b上に電極シート94が配置され、電極シート94上に熱収縮チューブ97が配置されている。
【0009】
電極93a、93bおよび電極シート94、熱収縮チューブ97は、それぞれ外囲器91のほぼ全長部分に形成されている。また、一対の電極93a、93bの端部に、各電極93a、93b間に高電圧を加える端子Ta、Tbが設けられている。端子Ta、Tbは外囲器91の長さ方向に延び、その先端は熱収縮チューブ97の外まで延びている。なお、側壁部分91aの両端は端面部分91bで封止されている。
【0010】
次に、外囲器91の側壁部分91aに電極シート94を張り付ける方法について図11を参照して説明する。図11は、図9および図10と対応する部分に同じ符号を付し重複する説明を一部省略する。
【0011】
電極シート94上に第1粘着剤層95が形成され、この第1粘着剤層95上に一対の電極93a、93bが所定間隔に、かつ平行に張り付けられる。その後、電極93a、93b上に第2粘着剤層96が形成される。その後、電極93a、93bを内側にして、外囲器91の側壁部分91aに、電極93a、93bおよび電極シート94を張り付ける。
【0012】
ここで、側壁部分91aに電極シート94を張り付けた状態を図12に示す。図12は、図9〜図11と対応する部分に同じ符号を付し重複する説明を省略する。
【0013】
上記した従来の外面電極型蛍光ランプは特許文献1などに開示されている。
【0014】
ところで、外面電極型蛍光ランプは、固定部材などに固定する場合、外面電極型蛍光ランプの端部、つまり外囲器91の端部にホルダーを取り付け、このホルダーを固定部材などに固定する方法で行われる。
【0015】
ここで、外面電極型蛍光ランプの端部に取り付けるホルダーについて図13を参照して説明する。図13(a)は外囲器91部分のたとえば左側端部を固定する第1ホルダーH1で、図13(b)は外囲器91部分のたとえば右側端部を固定する第2ホルダーH2である。第1ホルダーH1および第2ホルダーH2は、左右対称でも、あるいは左右非対称でもよいが、以下は、図13(a)(b)に示すように左右対称の場合で説明する。
【0016】
第1ホルダーH1および第2ホルダーH2は、直方体状の本体部分131および本体部分131から突出する壁部分132などから構成されている。本体部分131および壁部分132は弾力性のない材料で一体に形成されている。そして、本体部分131に外囲器の端部を挿入する空間133が設けられている。
【0017】
本体部分131には、空間133に挿入される外囲器の側面、つまり側壁部分91aの外周面に向って、外部から空間133に通じる第1開口134が設けられている。第1開口134は、本体部分131の一部を外囲器の長さ方向に切り欠いて形成している。
【0018】
なお、図示していないものの、本体部分131には、外囲器91の端面部分91b(図10)に向って、外部から空間133に通じる第2開口が設けられている。壁部分132にも、第1ホルダーH1および第2ホルダーH2を固定するための第3開口が設けられている。
【0019】
図13(c)は外面電極型蛍光ランプに設けた電極93a、93bの各端子Ta、Tbと外部回路とを接続するハーネスThで、ハーネスThは、外部回路と接続する接続部Tcおよび電極の端子に接続する端子部Tt、接続部Tcと端子部Ttを結ぶ導線部Tlなどから構成されている。端子部Ttが各端子Ta、Tbに接続され、導線部Tlがたとえば第1ホルダーH1の第1開口134を通して外部に引き出される。
【0020】
次に、第1ホルダーH1のより詳細な構造について図14を参照して説明する。第2ホルダーH2は第1ホルダーH1と左右対称のため、ここでの説明は省略する。また、図14は図13と対応する部分に同じ符号を付し重複する説明を一部省略する。
【0021】
図14(a)は概略の斜視図、図14(b)は図14(a)の矢印Y1方向からみた正面図、図14(c)は図14(a)の矢印Y2方向からみた上面図、図14(d)は図14(a)の矢印Y3方向からみた側面図である。
【0022】
本体部分131には、外囲器の端部を挿入する空間133が外囲器の長さ方向に設けられている。また、外囲器を構成する側壁部分の両端を封止する端面部分に向って、外部から空間133に通じる第2開口135、たとえば貫通孔が設けられている。壁部分132には、第1ホルダーH1や第2ホルダーH2を固定するための第3開口136、たとえばねじ孔が設けられている。
【0023】
次に、外囲器とホルダーの接着部分ついて図15を参照して説明する。
【0024】
図15(a)(b)に示すように、本体部分131に形成した空間133の内径は、外囲器91の外径よりも0.2〜0.6mm程度大きく形成され、空間133内面と側壁部分91aとの間に隙間Gが生じている。
【0025】
そして、図15(a)に示すように、第1開口134からポリアミド系接着剤(以下第1接着剤という)P、たとえばジェットメルト(住友スリーエム株式会社:商品型番−JA−7375)を注入し、外囲器91のたとえば側壁部分91aと本体部分131を仮固定する。その後、図15(b)に示すように、第2開口135からシリコン系接着剤(以下第2接着剤という)S(たとえば信越化学株式会社:商品型番−KE−3490)を空間133の底部から注入、充填し、たとえば外囲器91の端面部分91bと本体部分131を本固定する。
【0026】
第2接着剤は、接着力および耐熱性、絶縁性にすぐれ、高い強度で固定できる。しかし、安定するまでの時間が長く作業性が低下するという問題がある。そのため、上記したように、速乾性で無溶剤の第1接着剤で仮固定し、その後、第2接着剤を用いて本固定される。
【特許文献1】特許第3022283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
従来の外面電極型蛍光ランプは、外囲器の側壁部分に一対の電極を配置する場合、まず、電極シートの一方の面に第1粘着剤層を設けて、その第1粘着剤層に電極を張り付けている。次に、電極上に第2粘着剤層を設け、一対の電極を内側にして外囲器の側壁部分に電極シートを巻きつけ、電極シートを側壁部分に張り付けている。
【0028】
この場合、外面電極型蛍光ランプの構成部品、たとえば外囲器を構成するガラスおよび電極を形成する金属、電極シートを形成する樹脂(たとえばポリエチレンテレフタレート)などが第1粘着剤層や第2粘着剤層によって強固に張り付いている。そのため、外面電極型蛍光ランプを使用した後に、ガラスや金属、樹脂などの各構成部品を外囲器から分離し、あるいは各構成部品どうしを分別する作業が難しく、再利用が困難で、多くが産業廃棄物として処分される。
【0029】
また、外面電極型蛍光ランプにホルダーを取り付ける場合、外面電極型蛍光ランプの外囲器とホルダーを第1接着剤などで仮固定している。このとき、第1接着剤が電極部分や接続端子部分などに流れ込む場合がある。第1接着剤は電極部分などに接触すると、使用時の温度上昇で抵抗値が下がり、微小放電が発生し、外面電極型蛍光ランプが消灯するなどの不具合が発生する。
【0030】
このような第1接着剤の流れ込みを防止する方法として、たとえばホルダー空間内の外囲器との隙間を小さくし、第1接着剤が流れにくくする方法がある。しかし、外囲器の外径およびホルダーの空間内径には寸法公差があり、空間内の隙間を小さくするには限界がある。したがって、ホルダー部分の穴の内径は、通常、外囲器部分の外径よりも0.2〜0.6mm大きくなり、第1接着剤の流れ込みを防止できない。
【0031】
本発明は、上記した欠点を解決し、構成部品の分別が容易な外面電極型蛍光ランプ、あるいは、接着剤の電極部分などへの流れ込みを防止する外面電極型蛍光ランプ用のホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明の外面電極型蛍光ランプは、蛍光体層を形成した発光領域を設け、放電媒体を封入した外囲器と、この外囲器の外に位置し前記外囲器内に放電を発生させる電極と、この電極上から前記外囲器の外面に粘着剤で張り付けた電極シートと、この電極シート上から前記外囲器を被覆する熱収縮チューブとを具備し、前記粘着剤が剥離性を有することを特徴とする。
【0033】
また、本発明の外面電極型蛍光ランプは、蛍光体層を形成した発光領域を設け、放電媒体を封入した外囲器と、この外囲器の外に位置し前記外囲器内に放電を発生させる電極と、この電極上から前記外囲器の外面に粘着剤で張り付けた電極シートと、この電極シート上から前記外囲器を被覆する熱収縮チューブとを具備し、前記熱収縮チューブ部分にミシン目を入れたことを特徴とする。
【0034】
また、本発明は、外面電極型蛍光ランプの端部を挿入する空間が設けられた本体部分を具備するホルダーにおいて、前記外面電極型蛍光ランプは、蛍光体層を形成した発光領域を設け、かつ放電媒体を封入した外囲器と、この外囲器の外に位置し前記外囲器内部に放電を発生させる電極と、この電極と外部回路とを接続する接続用ハーネスとを有し、前記本体部分は、前記空間に挿入される前記外面電極型蛍光ランプの側面に向って、外部から前記空間に通じる第1開口を形成し、前記空間に挿入される前記外面電極型蛍光ランプの端面に向って、外部から前記空間に通じる第2開口を形成し、前記空間側の前記第1開口周辺に凸状部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、電極シートあるいは電極などを外囲器に張り付ける粘着剤層として、粘着力が弱く剥離性のある微粘着性の粘着剤を使用し、あるいは、熱収縮チューブ部分にミシン目を入れてある。したがって、電極シートや電極、熱収縮チューブなどの構成部品を外囲器から容易に分離でき、再使用など資源を有効に活用できる外面電極型蛍光ランプが実現される。
【0036】
また、外面電極型蛍光ランプとホルダーを固定する接着剤の注入口の近傍に凸状部を設けている。このため、接着剤の電極部分などへの流れ込みが凸状部で阻止され、消灯などの不具合が発生しない外面電極型蛍光ランプ用のホルダーが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明の実施形態について図1を参照して説明する。
【0038】
外面電極型蛍光ランプ(以下蛍光ランプという)は外囲器11などから構成されている。外囲器11は、たとえば断面が円形の管状側壁部分11aおよびこの側壁部分11aの両端を封止する端面部分(図示せず)などから構成されている。外囲器11はたとえばガラス製で、たとえば直管状に形成され、その内部に放電媒体、たとえばキセノンを主体とする希ガス、あるいは分子性ガスなどが封入されている。
【0039】
側壁部分11aの内面に蛍光体層12が設けられ、発光領域Lを形成している。発光領域Lは管軸Oを中心に、たとえば180°以上の角度範囲に設けている。蛍光体層12を設けない部分はアパーチャ領域Aを形成している。
【0040】
側壁部分11aの外面に、たとえばアルミニウム製の一対の電極13a、13bが対向して配置され、各電極13a、13bは透光性の樹脂製電極シート14によって固定されている。たとえば電極シート14の内側の面に形成した第1粘着剤層15に電極13a、13bを張り付け、電極13a、13bを張り付けた電極シート14を、電極13a、13bの上から側壁部分11aの外周面に張り付けている。また、電極13a、13bの内側の面に第2粘着剤層16を形成し、この第2粘着剤層16によって、電極13a、13bを側壁部分11aに張り付けている。
【0041】
なお、第1粘着剤層15および第2粘着剤層16には、電極シート14や電極13a、13bなどを外囲器11から容易に分離できるように、たとえば粘着力が弱く剥離性のある粘着剤が使用されている。
【0042】
また、側壁部分11aの外周面は、電極シート14上から熱収縮チューブ17によって被覆されている。たとえば熱収縮チューブ17の内径を側壁部分11aの外径よりも少し大きく形成し、熱収縮チューブ17の内側に外囲器11を配置し、その後、加熱して収縮させる。この熱収縮で、熱収縮チューブ17が外囲器11の外周面に密着し、外囲器11から電極シート14が剥がれないように固定する。
【0043】
また、熱収縮チューブ17には、一対の電極13a、13bで挟まれた発光領域L内で電極シート14と重なる部分に、外囲器11の長さ方向に延びる直線状の1本のミシン目Mが形成されている。
【0044】
上記の実施形態では、電極13a、13b面に第2粘着剤層16を形成している。しかし、電極シート14による側壁部分11aへの張り付けだけで、電極13a、13bを確実に固定できる場合は、第2粘着剤層16はなくてもよい。
【0045】
上記した構成において、一対の電極13a、13b間に高電圧を加え、外囲器11内に放電を発生させる。この放電で蛍光体層12から光が発生し、蛍光体層12が発生した光はアパーチャ領域Aから外部に放出される。
【0046】
次に、上記した蛍光ランプの概略の構造について図2を参照して説明する。図2(a)はアパーチャ領域A側から見た正面図、図2(b)は、図2(a)の下方から見た下面図、図2(c)は、図2(a)の裏側から見た背面図である。図2は、図1と対応する部分に同じ符号を付し重複する説明を一部省略する。
【0047】
図2(a)などに示すように、外囲器11の側壁部分11aの外面に、一対の電極13a、13bが外囲器11の長さ方向に、所定間隔で平行に配置されている。また、電極13a、13b上に電極シート14が配置され、さらに、電極シート14上に、熱収縮チューブ17が配置されている。
【0048】
電極13a、13bおよび電極シート14、熱収縮チューブ17は、外囲器11のほぼ全長部分に形成されている。また、一対の電極13a、13bの端部に、各電極13a、13間に高電圧を加える端子Ta、Tbが接続されている。端子Ta、Tbは外囲器11の長さ方向に延び、その先端は熱収縮チューブ17の外まで延びている。
【0049】
また、図2(c)に示すように、電極シート14と重なる熱収縮チューブ17部分に、外囲器11の長さ方向に1本のミシン目Mが形成されている。ミシン目Mは、たとえば隣接する小さな多数の貫通孔などで形成される。この場合、熱収縮チューブ17と電極シート14が重なる部分にミシン目Mを設けているため、ミシン目Mによって絶縁機能が損なわれるようなことはない。
【0050】
図2(c)は、1本のミシン目Mを形成している。しかし、ミシン目は2本以上の複数でもよく、たとえば3mm程度の間隔で平行な2本のミシン目を設ければ、熱収縮チューブ17の分離がより容易になる。
【0051】
次に、外囲器11の側壁部分11aに電極シート14を張り付ける方法について図3を参照して説明する。図3は、図1および図2と対応する部分に同じ符号を付し重複する説明を一部省略する。
【0052】
電極シート14上に第1粘着剤層15を形成し、この第1粘着剤層15上に一対の電極13a、13bを所定間隔に平行に張り付ける。次に、一対の電極13a、13b上に第2粘着剤層16を形成する。次に、一対の電極13a、13bを内側にして、外囲器11の側壁部分11aに電極シート14を張り付ける。
【0053】
なお、電極シート14には、たとえば厚さが約50μmのポリエチレンテレフタレートなどの樹脂が用いられる。また、電極13a、13bには、たとえば長さが330mmで、幅が8mmの波型アルミ箔が用いられる。
【0054】
次に、外囲器11の側壁部分11aに電極シート14を張り付けた状態を図4に示す。図4は、図1〜図3と対応する部分に同じ符号を付し重複する説明を一部省略する。
【0055】
次に、蛍光ランプを固定部材などに取り付けるホルダーについて図5を参照して説明する。蛍光ランプの左右両端に固定される2つのホルダーは、たとえば左右対称であるため、ここでは、その1つのホルダーについてのみ説明する。
【0056】
図5(a)はホルダーの概略の斜視図、図5(b)は図5(a)の矢印Y1方向からみた正面図、図5(c)は図5(a)の矢印Y2方向からみた上面図、図5(d)は図5(a)の矢印Y3方向からみた側面図である。
【0057】
図5(a)に示すように、ホルダーHは、直方体状の本体部分51、および本体部分51から突出する壁部分52などから構成されている。本体部分51および壁部分52は弾力性のない材料で一体に形成されている。本体部分51には、蛍光ランプを構成する外囲器部分の端部を挿入する空間53が、挿入される外囲器と平行にその長さ方向に設けられている。
【0058】
また、本体部分51には、空間53に挿入された外囲器の側面、つまり側壁部分の外周面と対向する位置に、外部から空間53に通じる第1開口54が設けられている。第1開口54は、たとえば本体部分51の一部を外囲器の長さ方向に矩形状に切り欠いて形成している。また、外囲器を構成する側壁部分の両端を封止する端面部分と対向する位置に、外部から空間53に通じる第2開口55、たとえば貫通口が設けられている。また、壁部分52に、ホルダーHを固定部材などに固定するための第3開口56、たとえばねじ孔が設けられている。
【0059】
そして、図5(d)に示すように、空間53側の第1開口54の周辺、たとえば第1開口54の上辺および下辺に沿って、挿入される外囲器の長さ方向に平行に2つの凸状部57a、57bが設けられている。なお、空間53の内径は、外囲器の外径よりもたとえば0.6〜1.0mm大きくし、凸状部57a、57bの高さはたとえば0.2〜0.4mmにしている。
【0060】
次に、ホルダーHと外囲器の固定方法について図6を参照して説明する。
【0061】
固定用治具60は基台61および基台61上に所定間隔に配置した支持台62a、62bなどから構成され、それぞれの支持台62a、62bに収納穴63a、63bが設けられている。
【0062】
そして、外囲器11の両端部を空間53部分に挿入した2つのホルダーHを、それぞれ2つの支持台62a、62bの収納穴63a、63bに収納し固定する。その後、支持台62a、62b間に延びる外囲器11部分を押圧具64a、64bによって矢印X方向に上から押さえつけ、ホルダーHの空間53および外囲器11の軸を高い精度で平行に設定する。その後、ホルダーHのたとえば第1開口54から矢印Y方向に第1接着剤Pを注入し、ホルダーHと外囲器11を仮固定する。
【0063】
なお、外囲器11に設けた電極13a、13bと外部回路を接続するハーネスThが第1開口54を通して外部に引き出されている。
【0064】
その後、ホルダーHを両端に固定した蛍光ランプを接着用治具60から取外し、ホルダーHのたとえば第2開口55から第2接着剤などを注入し、ホルダーHと蛍光ランプを本固定する。
【0065】
上記の第1接着剤Pの注人時、一方の電極側に位置する第1開口54の上辺、および、他方の電極側に位置する第1開口54の下辺に、それぞれ2つの凸状部57a、57b(図5)が設けられているため、電極の高圧側および低圧側への第1接着剤Pの流れ込みが防止される。なお、第2接着剤は、たとえば第1開口54および第2開口55から充填し、第2接着剤の充填度合は従来の蛍光ランプの場合と同じである。
【0066】
次に、蛍光ランプの両端にホルダーに固定した状態を図7に示す。図7は、図1〜図3に対応する部分に同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0067】
図7(a)は外囲器11の両端にホルダーHに固定した状態で、たとえば蛍光ランプを構成する外囲器11の一端に、電極13a、13bの端子Ta、Tbと外部回路とを接続するハーネスThが配置されている。
【0068】
ハーネスThは、図7(b)に示すように、外部回路と接続する接続部Tcおよび電極13a、13bの端子Ta、Tbに接続する端子部Tt、接続部Tcと端子部Ttを結ぶ導線部Tlなどから構成され、図7(a)に示すように、たとえば導線部TlがハーネスThの第1開口54部分から外部に引き出されている。
【0069】
次に、本発明のホルダーの他の実施形態について図8を参照して説明する。図8は、図5と対応する部分に同じ符号を付し重複する説明を一部省略する。
【0070】
この実施形態は、空間53側の第1開口54周辺において、電極13a、13bの一方、たとえば高圧側のみに第1接着剤の流れ込み防止部、たとえば凸状部57を設けている。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態を説明する断面図である。
【図2】本発明の蛍光ランプ部分を説明する概略の構造図である。
【図3】本発明に係る電極シートの外囲器への張り付け方法を説明する断面図である。
【図4】本発明に係る電極シートを外囲器に張り付けた状態を説明する断面図である。
【図5】本発明に係るホルダーの実施形態を説明する構造図である。
【図6】本発明に係るホルダーと外囲器の接合方法を説明する構造図である。
【図7】本発明のホルダーを外囲器に接合した状態を説明する構造図である。
【図8】本発明に係るホルダーの他の実施形態を説明する構造図である。
【図9】従来例を説明する断面図である。
【図10】従来の蛍光ランプを説明する概略の構造図である。
【図11】従来例における電極シートの外囲器への張り付け方法を説明する断面図である。
【図12】従来例における電極シートを外囲器に張り付けた状態を説明する断面図である。
【図13】従来のホルダーを説明する構造図である。
【図14】従来のホルダーをより詳細に説明するための構造図である。
【図15】従来のホルダーと外囲器の接合状態を説明する構造図である。
【符号の説明】
【0072】
11…外囲器
12…蛍光体層
13a、13b…電極
14…電極シート
15…第1粘着剤層
16…第1粘着剤層
17…熱収縮チューブ
L…発光領域
A…アパーチャー領域
M…ミシン目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光体層を形成した発光領域を設け、放電媒体を封入した外囲器と、この外囲器の外に位置し前記外囲器内に放電を発生させる電極と、この電極上から前記外囲器の外面に粘着剤で張り付けた電極シートと、この電極シート上から前記外囲器を被覆する熱収縮チューブとを具備し、前記粘着剤が剥離性を有することを特徴とする外面電極型蛍光ランプ。
【請求項2】
蛍光体層を形成した発光領域を設け、放電媒体を封入した外囲器と、この外囲器の外に位置し前記外囲器内に放電を発生させる電極と、この電極上から前記外囲器の外面に粘着剤で張り付けた電極シートと、この電極シート上から前記外囲器を被覆する熱収縮チューブとを具備し、前記熱収縮チューブ部分にミシン目を入れたことを特徴とする外面電極型蛍光ランプ。
【請求項3】
外面電極型蛍光ランプの端部を挿入する空間を設けた本体部分を具備するホルダーにおいて、前記外面電極型蛍光ランプは、蛍光体層を形成した発光領域を設け、放電媒体を封入した外囲器と、この外囲器の外に位置し前記外囲器内部に放電を発生させる電極と、この電極と外部回路とを接続する接続用ハーネスとを有し、前記本体部分は、前記空間に挿入される前記外面電極型蛍光ランプの側面に向って、外部から前記空間に通じる第1開口を形成し、かつ前記空間に挿入される前記外面電極型蛍光ランプの端面に向って、外部から前記空間に通じる第2開口を形成し、前記空間側の前記第1開口周辺に凸状部を設けたことを特徴とするホルダー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2006−92911(P2006−92911A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−277085(P2004−277085)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】