説明

多孔質ガラス製フィルタ及びその製造方法

【課題】耐久性が高く、洗浄が容易であり、且つ圧損が低く、透過流速を大きくすることができる多孔質ガラス製フィルタ及びその製造方法、並びに複合フィルタを提供する。
【解決手段】本発明の多孔質ガラス製フィルタは、連通孔を有するガラス質発泡体からなる。また、被濾過物が流通する方向において互いに異なる平均気孔径を有する複数の多孔質層を備えるガラス質発泡体からなる多孔質ガラス製フィルタとすることもできる。更に、本発明の多孔質ガラス製フィルタの製造方法は、酸窒化ガラスからなる成形体を、過熱水蒸気と接触させて成形体を多孔質化し、ガラス質発泡体を形成することを特徴とする。また、成形体は、過熱水蒸気と所定量の酸素ガス(含有量は特に10〜30体積%であることが好ましい。)との混合気体と接触させることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質ガラス製フィルタ及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、耐久性が高く、洗浄が容易であり、且つ圧損が低く、透過流速を大きくすることができ、精密濾過膜等として有用な多孔質ガラス製フィルタ及びその製造方法に関する。また、本発明は、気孔率が異なる複数の多孔質層を備えるガラス質発泡体からなる多孔質ガラス製フィルタ、及び多孔質セラミック焼結体からなる支持フィルタの表面に、多孔質ガラス製フィルタが設けられた複合フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
多孔質セラミック製フィルタは、洗浄が容易であり、耐久性が高いため、精密濾過膜等として多くの用途で用いられている。しかし、高分子膜と比べて、圧損が大きく、透過流速が小さいという問題がある。また、膜厚を薄くし、気孔率を大きくすれば、圧損を低下させ、透過流速を大きくすることができるが、多孔質セラミック焼結体からなる通常のフィルタでは、気孔率を大きくすると、強度不足となり、その結果、流体に対するエロージョン特性が低下するという問題がある。
【0003】
多孔質セラミック製フィルタは多くの用途で用いられているが、問題点も多く、それらを解決するため、例えば、相異なる材料からなる複数のセラミックス層を備えている積層焼結体からなるセラミックスフィルタが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、特に一方向に且つ直線的に配列した細孔を有する多孔質セラミック成形体及びその製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
尚、フィルタとはまったく異なる電磁誘導発熱体の技術分野において、炭素材料からなる基体の表面に緻密質ガラス層を形成し、この緻密質ガラス層の表面に多孔質ガラス層を備える耐酸化複合材料が知られている(例えば、特許文献3参照。)。この多孔質ガラス層は、熱衝撃に抵抗して緻密質ガラス層の被覆状態を維持可能とするために設けられるものであり、特許文献3には、多孔質ガラス層が連通孔を有しているのか独泡であるのかについてもまったく言及されていない。
【0005】
【特許文献1】特開2004−298874号公報
【特許文献2】特開2006−327913号公報
【特許文献3】特開2006−1749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、耐久性が高く、洗浄が容易であり、且つ圧損が低く、透過流速を大きくすることができ、精密濾過膜等として有用な多孔質ガラス製フィルタ及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、気孔率が異なる複数の多孔質層を備えるガラス質発泡体からなる多孔質ガラス製フィルタ、及び多孔質セラミック焼結体からなる支持フィルタの表面に、多孔質ガラス製フィルタが設けられた複合フィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
多孔質セラミック製フィルタは、多くの用途で用いられているが、問題点も多く、それを解決するため多くの改良、開発がなされている。本発明者等も、セラミックフィルタの長所はそのままに、短所を改良するため、検討した結果、酸窒化ガラスを水蒸気と接触させることにより、酸窒化ガラスが酸化され、そのとき生成する気体が散逸することによってガラスが発泡して連通孔が形成されることを見出した。
本発明は、このような知見をセラミックフィルタの技術分野に応用することによりなされたものである。
【0008】
本発明は以下のとおりである。
1.連通孔を有するガラス質発泡体からなることを特徴とする多孔質ガラス製フィルタ。
2.上記ガラス質発泡体の平均気孔径が0.1〜50μmであり、且つ気孔率が30〜80%である上記1.に記載の多孔質ガラス製フィルタ。
3.上記ガラス質発泡体が、Y、La及びScのうちの少なくとも1種、並びにAl及びSiの各元素を含有するガラスからなる上記1.又は2.に記載の多孔質ガラス製フィルタ。
4.ガラス質発泡体からなる多孔質ガラス製フィルタであって、上記ガラス質発泡体が、被濾過物が流通する方向において互いに異なる平均気孔径を有する複数の多孔質層を備えることを特徴とする多孔質ガラス製フィルタ。
5.多孔質セラミック焼結体からなる支持フィルタと、該支持フィルタの表面に設けられた上記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の多孔質ガラス製フィルタとを備えることを特徴とする複合フィルタ。
6.多孔質セラミック焼結体からなる支持フィルタと、該支持フィルタの表面に設けられた上記4.に記載の多孔質ガラス製フィルタとを備えることを特徴とする複合フィルタ。
7.上記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の多孔質ガラス製フィルタの製造方法であって、酸窒化ガラスからなる成形体を、過熱水蒸気と接触させて多孔質化することを特徴とする多孔質ガラス製フィルタの製造方法。
8.上記成形体を、上記過熱水蒸気と酸素ガスとの混合気体と接触させ、該混合気体を100体積%とした場合に、該酸素ガスは50体積%以下である上記7.に記載の多孔質ガラス製フィルタの製造方法。
9.上記接触の温度が、該接触により上記酸窒化ガラスが酸化されて生成する酸化ガラスのガラス転移点を2.5%下回る温度から該ガラス転移点を2.5%上回る温度までの温度範囲である上記7.又は8.に記載の多孔質ガラス製フィルタの製造方法。
10.上記接触の温度が、該接触により上記酸窒化ガラスが酸化されて生成する酸化ガラスのガラス転移点未満であり、且つ該ガラス転移点を2.5%下回る温度以上である上記7.又は8.に記載の多孔質ガラス製フィルタの製造方法。
11.上記酸窒化ガラスが有する元素の各々の含有量の合計を100原子%とした場合に、N元素の含有量は0.1〜5原子%である上記7.乃至9.のうちのいずれか1項に記載の多孔質ガラス製フィルタの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の多孔質ガラス製フィルタは、セラミック焼結体ではなく、ガラス質発泡体からなり、気孔が球状であるため、濾過時、被濾過物が気孔壁に衝突したときの応力集中が少ない。その結果、耐久性が高く、洗浄が容易であり、且つ圧損が低く、透過流速を大きくすることができ、精密濾過膜等として有用なフィルタとすることができる。
また、ガラス質発泡体の平均気孔径が0.1〜50μmであり、且つ気孔率が30〜80%である場合は、より圧損が低く、透過流速が大きい多孔質ガラス製フィルタとすることができる。
更に、ガラス質発泡体が、Y、La及びScのうちの少なくとも1種、並びにAl及びSiの各元素を含有するガラスからなる場合は、十分な耐久性を有し、洗浄等が容易な多孔質ガラス製フィルタとすることができる。
被濾過物が流通する方向において互いに異なる気孔率を有する複数の多孔質層を備える他の本発明の多孔質ガラス製フィルタによれば、圧損が低く、透過流速が大きく、且つ十分な耐久性を有するフィルタとすることができる。
ガラス質発泡体からなるフィルタを備える本発明の複合フィルタ、及びガラス質発泡体が互いに異なる平均気孔径を有する複数の多孔質層を有するフィルタを備える本発明の他の複合フィルタによれば、圧損が低く、透過流速が大きく、且つ十分な耐久性を有するフィルタとすることができる。
本発明の多孔質ガラス製フィルタの製造方法によれば、酸窒化ガラスを過熱水蒸気と接触させることで容易にフィルタを製造することができ、簡易な装置により、簡便な操作で、優れた濾過性能を有する多孔質ガラス製フィルタを製造することができる。
また、成形体を、過熱水蒸気と酸素ガスとの混合気体と接触させ、混合気体を100体積%とした場合に、酸素ガスが50体積%以下である場合は、過熱水蒸気と酸素ガスとが酸窒化ガラスからなる成形体に浸透し易いため、多孔質化が容易であり、多孔質ガラス製フィルタを効率よく製造することができる。
更に、接触の温度が、接触により酸窒化ガラスが酸化されて生成する酸化ガラスのガラス転移点を2.5%下回る温度から2.5%上回る温度までの温度範囲である場合は、フィルタとして好適な平均気孔径及び気孔率を有する多孔質ガラス製フィルタを効率よく製造することができ、且つ接触温度により平均気孔径を容易に調整することができる。
また、接触の温度が、接触により酸窒化ガラスが酸化されて生成する酸化ガラスのガラス転移点未満であり、且つガラス転移点を2.5%下回る温度以上である場合は、接触温度がガラス転移点以上であるときに比べて、より気孔形状の揃った、且つ孔径分布の狭い、より均質な多孔質ガラス製フィルタを効率よく製造することができる。
更に、酸窒化ガラスが有する元素の各々の含有量の合計を100原子%とした場合に、N元素の含有量が0.1〜5原子%である場合は、フィルタとして好適な平均気孔径及び気孔率を有する多孔質ガラス製フィルタを効率よく製造することができ、且つN元素の含有量により気孔率を容易に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を詳しく説明する。
[1]多孔質ガラス製フィルタ
本発明の多孔質ガラス製フィルタは、ガラス質発泡体からなる。
また、他の本発明の多孔質ガラス製フィルタは、ガラス質発泡体からなり、被濾過物が流通する方向において気孔率が異なる複数の多孔質層を備える。
更に、本発明の複合フィルタ、及び他の本発明の複合フィルタは、多孔質セラミック焼結体からなる支持フィルタと、この支持フィルタの表面に設けられた本発明の多孔質ガラス製フィルタ、又は他の本発明の多孔質ガラス製フィルタとを備える。
【0011】
上記「ガラス質発泡体」は、ガラス粉末を焼成してなる焼結体からなる多孔体とは異なり、ガラス転移点近傍の温度でガラスを発泡させて形成したものである。従って、隣り合う粒子の一部が融着して形成された焼結体における不定形の気孔と違って、気孔が球形に近似した形状となり、被濾過物の気孔壁への衝突時等における応力集中が少なく、優れた耐久性を有するフィルタとすることができる。
【0012】
ガラス質発泡体の平均気孔径は特に限定されず、被濾過物に含有される固形分の粒径、及びフィルタの強度等により設定することが好ましい。この平均気孔径は0.1〜50μmとすることができ、1〜25μm、特に1〜10μmであることが好ましい。平均気孔径が0.1〜50μm、特に1〜25μmであれば、優れた濾過性能と耐久性とを併せて有する多孔質ガラス製フィルタとすることができる。また、気孔径の分布も特に限定されないが、平均気孔径の±50%の範囲内に全気孔の70%以上、特に80%以上が含まれることが好ましい。更に、ガラス質発泡体の気孔率も特に限定されず、圧損及び透過流速、並びにフィルタの耐久性等により設定することが好ましい。この気孔率は30〜80%とすることができ、35〜75%、特に40〜70%であることが好ましい。気孔率が30〜80%であれば、優れた濾過性能と耐久性とを併せて有する多孔質ガラス製フィルタとすることができる。
【0013】
ガラス質発泡体の気孔率は、SEM画像上等の画像上の気孔の面積を個別に計測し、気孔の面積の総和を画像全体の面積で除することにより算出することができる。また、個別に計測された気孔の面積に基づいて孔径分布を求めることができる。更に、平均気孔径は、気孔率の計測と同様にして個々の気孔の面積より平均面積を算出し、その平均面積と等しい面積をもつ円を仮定し、その円の直径を算出することにより求めることができる。このような画像処理は、例えば、Scion Image(Scion Corporation製)等の画像処理ソフトを用いて実施することができる。
【0014】
ガラス質発泡体を構成するガラスの種類は特に限定されない。このガラスとしては、Si並びにY、La及びSc等の希土類元素などを含有するガラスが挙げられる。このガラスにはAlが含有されていてもよい。また、Ca、Mg及びBa等のアルカリ土類金属元素が含有されていてもよい。更に、Na及びK等のアルカリ金属元素が含有されていてもよいが、このアルカリ金属元素は少量であることが好ましい。また、このガラスは、Bを含有するガラス、Pbを含有するガラス等であってもよい。このガラスとしては、例えば、Y、La及びScのうちの少なくとも1種、並びにAl及びSiの各元素を含有するガラスを用いることができる。
【0015】
多孔質ガラス製フィルタは、一面側から他面側に亘って均質な単層のフィルタであってもよく、被濾過物が流通する方向において互いに異なる平均気孔径を有する複数の多孔質層を備えるフィルタであってもよい。このように複数の多孔質層を備えるフィルタの層構成は特に限定されず、例えば、一面側から他面側に平均気孔径が順次変化している傾斜構造であってもよいし、中間部が相対的に平均気孔径が小さい密な層であり、両表面側が相対的に平均気孔径が大きい粗な層であってもよいし、中間部が相対的に平均気孔径が大きい粗な層であり、両表面側が相対的に平均気孔径が小さい密な層であってもよい。また、多孔質層の全層数も特に限定されないが、2〜5層、特に2〜3層とすることができる。
【0016】
本発明の多孔質ガラス製フィルタ、及び他の本発明の多孔質ガラス製フィルタは、このままでフィルタとして用いることができる。即ち、ガラス質発泡体のみで自立型のフィルタとして使用することができる。この場合、フィルタの厚さは特に限定されず、気孔率等にもよるが、100〜1000μm、特に200〜700μmとすることができる。更に、このフィルタは、酸窒化ガラスからなる成形体を多孔質化してなるものであるため、その形状は特に限定されず、シート状等の単純な形状はもとより、特定の複雑な形状のフィルタとすることもできる。
【0017】
[2]複合フィルタ
本発明の多孔質ガラス製フィルタ、及び他の本発明の多孔質ガラス製フィルタは、このままでフィルタとして用い得ることは上記のとおりであるが、これらの多孔質ガラス製フィルタは他のフィルタと組み合わされた複合フィルタとして使用することもできる。
この複合フィルタとするため組み合わされる他のフィルタは特に限定されないが、例えば、多孔質セラミック焼結体からなるフィルタが挙げられる。
即ち、本発明の複合フィルタ、及び他の本発明の複合フィルタは、多孔質セラミック焼結体からなる支持フィルタと、この支持フィルタの表面に設けられた本発明の多孔質ガラス製フィルタ、又は他の本発明の多孔質ガラス製フィルタとを備える。
【0018】
上記「多孔質セラミック焼結体」を構成するセラミックは特に限定されず、酸化物系セラミック、窒化物系セラミック、ガラスセラミック等を用いることができる。フィルタとするためには緻密化を抑制し、粒子間に空隙を有する多孔質体とする必要があるが、このような多孔質体では、被濾過物が流通するときに空隙壁に衝突することにより、粒子の脱落等を生じ、耐久性が低下する傾向がある。そこで、この多孔質セラミック焼結体の表面に、多孔質ガラス製フィルタを設けることにより、優れた濾過性能を有するとともに、十分な耐久性を備える複合フィルタとすることができる。
【0019】
本発明の複合フィルタ、及び他の本発明の複合フィルタでは、多孔質セラミック焼結体が支持フィルタとなって十分な強度を有するフィルタとすることができる。この支持フィルタの厚さは特に限定されないが、十分な強度を有するフィルタとするためには、5〜30mm、特に10〜20mmであることが好ましい。また、多孔質ガラス製フィルタの厚さも特に限定されないが、前記の自立型のときと比べて薄層であってもよく、その厚さは50〜500μm、特に50〜200μmとすることができる。
【0020】
更に、本発明の多孔質ガラス製フィルタ、及び他の本発明の多孔質ガラス製フィルタは、酸窒化ガラスからなる成形体を多孔質化してなるものであるが、複合フィルタにおいても、支持フィルタの表面に成形体を形成し、その後、多孔質化し、複合フィルタとすることができる。従って、支持フィルタの形状は特に限定されず、支持フィルタがシート状等の単純な形状及びより複雑な形状のいずれであっても、その表面に容易に多孔質ガラス製フィルタを形成することができ、単純な形状又はより複雑な形状の複合フィルタとすることができる。
【0021】
[3]多孔質ガラス製フィルタの製造方法
本発明の多孔質ガラス製フィルタの製造方法は、酸窒化ガラスからなる成形体を、過熱水蒸気と接触させ、多孔質化してガラス質発泡体を形成することを特徴とする。
【0022】
(1)酸窒化ガラス成形体の作製
上記「酸窒化ガラス」はN元素を有しておればよく、その組成は特に限定されない。この酸窒化ガラスとしては、N元素の他に、Si並びにY、La及びSc等の希土類元素などを含有するガラスが挙げられる。また、この酸窒化ガラスには、Al、Ca、Mg及びBa等のアルカリ土類金属元素、並びにNa及びK等のアルカリ金属元素が含有されていてもよいが、アルカリ金属元素は少量であることが好ましい。更に、この酸窒化ガラスは、Bを含有するガラス、Pbを含有するガラス等であってもよい。このガラスとしては、例えば、N元素、並びにY、La、Scのうちの少なくとも1種、及びAl、Siの各元素を含有するガラスを用いることができ、特に、希土類元素としてYを含有するガラスを用いることが好ましい。このYを含有するガラスは、水酸化物(気体)の平衡蒸気圧が低いため、高温の水蒸気雰囲気において揮発し難いため好ましい。
【0023】
酸窒化ガラスにおけるN元素の含有量は特に限定されないが、この酸窒化ガラスが有する元素の各々の含有量の合計を100原子%とした場合に、0.1〜5原子%とすることができ、0.5〜3原子%、特に0.5〜2原子%であることが好ましい。N元素の含有量が0.1〜5原子%、特に0.5〜3原子%であれば、フィルタとして機能する平均気孔径及び気孔率を有する多孔質ガラス製フィルタを容易に製造することができる。更に、この酸窒化ガラスにおけるN元素の含有量を変化させることにより、ガラス質発泡体の気孔率を容易に調整することもできる。
【0024】
酸窒化ガラスの作製方法は特に限定されないが、N元素を有するセラミックを含有するセラミック混合物を、溶融させ、その後、10〜100℃/分、特に15〜40℃/分の速度で冷却することにより作製することができる。セラミック混合物には、N元素を有するセラミックの他、酸窒化ガラスを構成することになる前記の各種の元素の化合物が含有され、この化合物としては、通常、各々の元素の酸化物が用いられる。例えば、N元素、及びY、La、Scのうちの少なくとも1種、並びにAl、Siの各元素を含有するガラスの場合、セラミック混合物は、N元素を有するセラミック、及びY、La及びScのうちの少なくとも1種、並びにAl、SiOを含有する。また、これらの酸化物の質量割合は、合計を100質量%とした場合に、Y、La及びScのうちの少なくとも1種の酸化物が20〜50質量%、Alが10〜30質量%、SiOが30〜60質量%であることが好ましく、N元素を有するセラミックはN元素の含有量が上記の範囲となる配合量とすることが好ましい。
【0025】
N元素を有するセラミックは特に限定されず、各種のセラミックを用いることができる。このN元素を有するセラミックとしては、AlN、Si、Mg等の窒化物、SiO、SiO等の酸窒化珪素、Al2n+13nNで表される金属酸窒化物及びサイアロン等が挙げられる。これらのN元素を有するセラミックは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。N元素を有するセラミックとしては、AlN及び/又はSiが用いられることが多い。
【0026】
上記「成形体」は、原料セラミック粉末を混合し、この混合粉末を成形型に投入し、その後、加熱し、次いで、冷却することにより作製することができる。より具体的には、原料セラミック粉末を水及び/又はエタノール等の水系媒体に分散させ、ボールミル等により湿式混合し、その後、乾燥させ、必要に応じて整粒して混合粉末とし、次いで、混合粉末をカーボン成形型等の成形型に投入し、所定の温度で加熱し、その後、急冷して作製することができる。
【0027】
湿式混合の温度は特に限定されず、室温(例えば、20〜35℃)でもよく、加熱してもよいが、通常、加熱する必要はない。また、乾燥は、常圧下でもよく、減圧下でもよいが、効率よく乾燥させるためには、減圧下(圧力は、例えば、1〜10kPa)に乾燥することが好ましい。乾燥温度も特に限定されないが、水系媒体の場合、50〜80℃であることが好ましい。乾燥に用いる装置も特に限定されないが、振動流動乾燥機等の効率のよい装置を使用することが好ましい。
【0028】
混合粉末の成形に用いる成形型も特に限定されないが、カーボン成形型が使用されることが多い。また、成形温度、圧力及び時間も特に限定されないが、粉末組成等により設定することが好ましい。例えば、Y、La及びScのうちの少なくとも1種、並びにAl、SiO及びN元素を有するセラミックを含有する混合粉末の場合、成形温度は1350〜1650℃、特に1400〜1600℃、成形時間は5〜15時間、特に7〜12時間とすることができる。
【0029】
成形雰囲気も特に限定されないが、窒素ガス雰囲気、及びアルゴン等の不活性ガス雰囲気などの不活性雰囲気であることが好ましい。また、アンモニアガスを用いることもできる。更に、窒素ガス及びアンモニアガス雰囲気で成形したときは、雰囲気のN元素が成形体に固溶し、成形体に含有されるN元素量が、混合粉末の組成から算出されるN元素量に比べて増加する。増加する割合は混合粉末の組成及び成形条件等により変化するが、例えば、窒素ガス雰囲気の場合、算出されるN元素量の1〜20%、特に5〜15%程度になる。成形体に含有されるN元素量は、ガラス質発泡体の平均気孔径及び気孔率、特に気孔率に影響を及ぼすため、雰囲気から固溶するN元素量の推定値に基づいて、成形体に含有される総N元素量が所定値となるように、混合粉末の組成及び成形条件等を設定することが好ましい。
【0030】
酸窒化ガラスはゾルゲル法を利用して作製することもできる。このゾルゲル法では、金属アルコキシドを原料としてアルコキシドの溶液を調製し、その後、加水分解させ、重合させて酸化物ゲルを作製し、次いで、この酸化物ゲルをアンモニアガス雰囲気下で加熱することにより窒化させて、酸窒化ガラスを作製することができる。また、この場合、成形体は、ガラス基板、セラミック焼結体フィルタ等の表面にゾルを塗布し、その後、塗膜をゲル化させ、次いで、アンモニアガス雰囲気下で加熱する等の方法により作製することができる。
【0031】
(2)成形体の発泡
上記(1)で作製した酸窒化ガラスからなる成形体を、過熱水蒸気と接触させて多孔質化し、ガラス質発泡体を形成することにより、多孔質ガラス製フィルタを製造することができる。
過熱水蒸気が成形体と接触し、内部に浸透することにより、酸窒化ガラスが酸化されてNOxガスが生成し、このNOxガスが成形体から脱離するときに成形体が発泡し、ガラス質発泡体が形成され、これを多孔質ガラス製フィルタとして用いることができる。成形体は過熱水蒸気のみと接触させてもよく、過熱水蒸気と所定量の酸素ガス及びアルゴンガス等との混合気体と接触させてもよいが、過熱水蒸気と酸素ガスとの混合気体と接触させることが好ましい。酸素ガスを含有する混合気体と接触させることにより、過熱水蒸気のみ又は過熱水蒸気とアルゴンガスとの混合気体のときと比べて成形体の内部にまでより速やかに浸透し、より短時間で多孔質ガラス製フィルタを効率よく製造することができる。
【0032】
酸素ガスとの混合気体を用いる場合、酸素ガスの含有量は特に限定されないが、過熱水蒸気と同量以下であることが好ましい。酸素ガスは、混合気体を100体積%としたときに、50体積%以下とすることができ、40体積%以下、特に10〜30体積%、更に15〜25体積%であることが好ましい。酸素ガスの含有量が50体積%以下、特に40体積%以下であれば、混合気体が成形体の内部にまでより速やかに浸透し、且つ酸窒化ガラスが十分に酸化され、発泡して、多孔質ガラス製フィルタを容易に製造することができる。
【0033】
上記「接触」の温度は、酸窒化ガラスの少なくとも一部が過熱水蒸気等により酸化されて生成する酸化ガラスのガラス転移点と大差のない温度範囲とすることが好ましい。この温度範囲は、接触により酸窒化ガラスが酸化されて生成する酸化ガラスのガラス転移点[Tg(℃)]を2.5%下回る温度[Tg×0.975(℃)]から該ガラス転移点を2.5%上回る温度[Tg×1.025(℃)]までの温度範囲とすることができる。また、Tgを2.0%下回る温度から2.0%上回る温度までの温度範囲、特にTgを1.5%下回る温度から1.5%上回る温度までの温度範囲、更にTgを1%下回る温度から1%上回る温度までの温度範囲とすることもできる。接触温度が酸化ガラスのガラス転移点を2.5%下回る温度から2.5%上回る温度までの温度範囲であれば、酸窒化ガラスが発泡に適した粘性状態となり、球形に近似の気孔が形成され、且つ孔径分布が狭く、より均質なガラス質発泡体とすることができる。
【0034】
接触温度は、酸化ガラスのTg未満であり、且つTgを2.5%下回る温度以上とすることができる。更に、Tg未満であり、且つTgを2.0%下回る温度以上、特にTg未満であり、且つTgを1.5%下回る温度以上、更にTg未満であり、且つTgを1%下回る温度以上の温度範囲とすることもできる。接触温度がTg未満であり、且つTgを2.5%下回る温度以上であれば、接触温度がTg以上であるときに比べて、より気孔形状の揃った、且つ孔径分布の狭い、より均質な多孔質ガラス製フィルタを効率よく製造することができる。
この接触温度は、被濾過物の性状、濾過の目的等によって設定することが好ましい。
【0035】
接触時間は、フィルタとして用いることができるガラス質発泡体が得られる限り、特に限定されない。この接触時間は、接触温度との相関で、フィルタとして好ましいガラス質発泡体が得られるように設定することが好ましい。例えば、接触温度が、上記のようにTgを基準として特定の範囲内である場合、100〜1500時間とすることができ、350〜650時間であることが好ましい。
【0036】
ガラス質発泡体の平均気孔径は、成形体と過熱水蒸気等との接触温度及び/又は接触時間を変化させることにより容易に調整することができる。即ち、接触温度を高くする及び/又は接触時間を長くすると、平均気孔径が大きくなり、温度を低く及び/又は時間を短くすると、平均気孔径が小さくなる。従って、成形体と過熱水蒸気等とを所定温度で所要時間接触させて、成形体の一面側から所定の厚さ範囲を多孔質化し、その後、接触温度及び/又は接触時間を変化させて更に所定厚さ範囲を多孔質化し、必要に応じてこの操作を繰り返すことにより、被濾過物が流通する方向において互いに異なる平均気孔径を有する複数の多孔質層を備えるガラス質発泡体からなる前記の他の本発明の多孔質ガラス製フィルタを容易に製造することができる。
【実施例】
【0037】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1
(1)酸窒化ガラス成形体の作製
原料セラミック粉末の合計量を100質量%とした場合に、Y粉末(第一希元素化学工業社製、商品名「NRN」)33.1質量%、Al粉末(住友化学工業社製、商品名「AKP−50」)19質量%、SiO粉末(ナカライテスク社製、試薬特級)46.1質量%、及びAlN粉末(ダウケミカルカンパニー社製、商品名「XUS 35560」)1.8質量%、をボールミルに投入し、更にエノノールを投入して24時間湿式混合した。その後、ボールミルから内容物を取り出し、振動流動乾燥機に収容し、減圧下、65℃で乾燥させた。次いで、乾燥粉末を150メッシュの篩を用いて整粒し、混合粉末を得た。その後、混合粉末をカーボン成形型に投入し、窒素雰囲気下、1500℃で10時間加熱し、次いで、平均で20℃/分の冷却速度で急冷し、厚さ10mmの緻密な酸窒化ガラス成形体を作製した。
【0038】
上記のようにして作製した酸窒化ガラス成形体の仕込み時における原料セラミック粉末の組成から算出されるN元素の含有量は1.0原子%であった。一方、実際に作製した酸窒化ガラスのN元素の含有量を、不活性ガス雰囲気下、溶解させ、熱伝導度法により測定したところ1.1原子%であった。0.1原子%増加(増加した割合は10%である。)しているのは、雰囲気から固溶したためであると考えられる。また、JIS R 3103−3 熱膨張法により測定したガラス転移点は910℃であった。
【0039】
(2)多孔質化
上記(1)で作製した酸窒化ガラス成形体から試片を切り出し、この試片を、処理炉内の長さ方向の中間部に配置されたアルミナ製の枠体上に静置した。処理炉は、石英ガラス製であり、一方側の端面に外面に気化用ヒータが配設された混合気体送出管を取り付け、他方側の端部の下面に過熱水蒸気が結露して生成した水と酸素ガスとが排出される結露水等排出管を取り付け、且つ本体部の外表面に加熱用ヒータを配設した。この処理炉を用いて、ポンプにより混合気体送出管内に水を供給し、この水が気化して生成した水蒸気に、酸素ガスを供給して混合気体とし、この混合気体を本体部内に送出し、加熱用ヒータにより雰囲気温度が910℃になるように加熱された本体部内で、過熱水蒸気と酸素ガスとの混合気体とし、100ミリリットル/分の流速で流通させた。この混合気体は、本体部の他方側の端部の下面に取り付けられた結露水等排出管から結露した水と酸素ガスの形態で排出された。この過程で、成形体と、過熱水蒸気及び酸素ガスの混合気体とが接触し、成形体が多孔質化された。
【0040】
(3)結果の評価
上記(2)で多孔質化され、酸窒化ガラスが酸化された酸化ガラスの組成は、Y粉末、Al粉末、SiO粉末を33:21:46(質量比)の組成比にて混合し、溶融固化させて作製した酸化ガラスと同一であり、上記と同様の方法により測定したガラス転移点は889℃であった。従って、接触温度(910℃)は酸化ガラスのガラス転移点を2.36%上回る温度となる。更に、ガラス質発泡体の断面を走査型電子顕微鏡により観察し、写真を撮影した。図1は倍率100倍で観察し、撮影した写真による説明図であり(図1の下部右側の11個の点を繋いだ全長さが300μmである。)、図2は、図1の視野の一部を倍率1000倍で観察し、撮影したより拡大された写真による説明図である(図2の下部右側の11個の点を繋いだ全長さが30μmである。)。また、図3は、Darcy則に従って、ガス流速(u)とΔP(圧損)/L(試片の厚さ)・μ(ガスの粘度)との相関をプロットしたグラフである。更に、図4は、前記の方法により測定した気孔径と孔径分布との相関を表すグラフである。尚、平均気孔径は15.5μmであり、気孔率は43%であった。
【0041】
図1、2によれば、気孔の多くが連通孔であることが観察され、フィルタとして有用なガラス質発泡体が形成されていることが分かる。また、図3によれば、ガス流速と圧損/試片の厚さ・ガスの粘度とは一次関数的な相関を有しており、ガラス質発泡体には連通孔が形成され、ガスが透過していることが裏付けられている。また、この直線の傾きの逆数として算出されるガス透過率は3.0×10−16(m)であった。
【0042】
実施例2
(1)実施例1の(1)と同様にして酸窒化ガラス成形体を作製した。
(2)処理炉内の雰囲気温度を880℃とした他は、実施例1の(2)と同様にして成形体を多孔質化した。
【0043】
(3)結果の評価
実施例1の(3)と同様にして、酸窒化ガラスが酸化された酸化ガラスの組成は、Y粉末、Al粉末、SiO粉末を33:21:46(質量比)の組成比にて混合し、溶融固化させて作製した酸化ガラスと同一であり、前記と同様の方法により測定したガラス転移点は889℃であった。従って、接触温度(880℃)は酸化ガラスのガラス転移点を1.01%下回る温度となる。更に、ガラス質発泡体の断面を走査型電子顕微鏡により観察し、写真を撮影した。図5は、実施例1と同様にして倍率100倍で観察し、撮影した写真による説明図であり(図5の下部右側の11個の点を繋いだ全長さが300μmである。)、図6は、図5の視野の一部を倍率1000倍で観察し、撮影したより拡大された写真による説明図である(図6の下部右側の11個の点を繋いだ全長さが30μmである。)。また、図7は、実施例1の場合と同様にして作成した気孔径と孔径分布との相関を表すグラフである。尚、平均気孔径は7.0μmであり、気孔率は65%であった。
【0044】
図5、6によれば、気孔の形状は実施例1のときと比べてより微細であり、且つ均質性も向上しており、連通孔を有するガラス質発泡体が形成されており、フィルタとして有用であると推察される。
【0045】
尚、本発明の多孔質ガラス製フィルタを構成する連通孔を有するガラス質発泡体は、上記のようなフィルタとしての用途のみでなく、濾過とは逆の使用方法、即ち、連通孔から気泡を放出させ、バブリングさせる用途、例えば、電子部品製造等の分野において各種部品等の洗浄などの用途に用いることもできる。ガラス質発泡体は耐久性が高いため、このバブリングの用途においても、長期に亘って均質な気泡を安定してバブリングさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】酸化ガラスのガラス転移点が889℃となる酸窒化ガラス(ガラス転移点は910℃)を、実施例1のように910℃の過熱水蒸気等と接触させてなるガラス質発泡体の断面の電子顕微鏡観察に基づく説明図である。
【図2】図1の電子顕微鏡観察の視野の一部を拡大した説明図である。
【図3】実施例1におけるガラス質発泡体を用いて測定したガス流速と圧損等との相関を表すグラフである。
【図4】実施例1におけるガラス質発泡体の気孔の孔径分布を表すグラフである。
【図5】酸化ガラスのガラス転移点が889℃となる酸窒化ガラス(ガラス転移点は910℃)を、実施例2のように880℃の過熱水蒸気等と接触させてなるガラス質発泡体の断面の電子顕微鏡観察に基づく説明図である。
【図6】図5の電子顕微鏡観察の視野の一部を拡大した説明図である。
【図7】実施例2におけるガラス質発泡体の気孔の気孔径分布を表すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連通孔を有するガラス質発泡体からなることを特徴とする多孔質ガラス製フィルタ。
【請求項2】
上記ガラス質発泡体の平均気孔径が0.1〜50μmであり、且つ気孔率が30〜80%である請求項1に記載の多孔質ガラス製フィルタ。
【請求項3】
上記ガラス質発泡体が、Y、La及びScのうちの少なくとも1種、並びにAl及びSiの各元素を含有するガラスからなる請求項1又は2に記載の多孔質ガラス製フィルタ。
【請求項4】
ガラス質発泡体からなる多孔質ガラス製フィルタであって、
上記ガラス質発泡体は、被濾過物が流通する方向において互いに異なる平均気孔径を有する複数の多孔質層を備えることを特徴とする多孔質ガラス製フィルタ。
【請求項5】
多孔質セラミック焼結体からなる支持フィルタと、該支持フィルタの表面に設けられた請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の多孔質ガラス製フィルタとを備えることを特徴とする複合フィルタ。
【請求項6】
多孔質セラミック焼結体からなる支持フィルタと、該支持フィルタの表面に設けられた請求項4に記載の多孔質ガラス製フィルタとを備えることを特徴とする複合フィルタ。
【請求項7】
請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の多孔質ガラス製フィルタの製造方法であって、
酸窒化ガラスからなる成形体を、過熱水蒸気と接触させて該成形体を多孔質化し、上記ガラス質発泡体を形成することを特徴とする多孔質ガラス製フィルタの製造方法。
【請求項8】
上記成形体を、上記過熱水蒸気と酸素ガスとの混合気体と接触させ、該混合気体を100体積%とした場合に、該酸素ガスは50体積%以下である請求項7に記載の多孔質ガラス製フィルタの製造方法。
【請求項9】
上記接触の温度が、該接触により上記酸窒化ガラスが酸化されて生成する酸化ガラスのガラス転移点を2.5%下回る温度から該ガラス転移点を2.5%上回る温度までの温度範囲である請求項7又は8に記載の多孔質ガラス製フィルタの製造方法。
【請求項10】
上記接触の温度が、該接触により上記酸窒化ガラスが酸化されて生成する酸化ガラスのガラス転移点未満であり、且つ該ガラス転移点を2.5%下回る温度以上である請求項7又は8に記載の多孔質ガラス製フィルタの製造方法。
【請求項11】
上記酸窒化ガラスが有する元素の各々の含有量の合計を100原子%とした場合に、N元素の含有量は0.1〜5原子%である請求項7乃至10のうちのいずれか1項に記載の多孔質ガラス製フィルタの製造方法。

【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−11895(P2009−11895A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174099(P2007−174099)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(000173522)財団法人ファインセラミックスセンター (147)
【Fターム(参考)】