説明

多層一体型バックライト照明アセンブリ

【課題】本発明は、LCDディスプレイのための多層一体型バックライト照明アセンブリを提供する。
【解決手段】多層一体型バックライト照明アセンブリは、アセンブリに構造的かつ機能的な支持を提供するための基体と、基体上に設けられた下部反射体と、点光源を提供するための、下部反射体の開口部内に設けられた複数の固体光源とを含む。本発明はさらに、点光源を均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の1次ライトフィルムと、点光源を均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の2次ライトフィルムと、1次ライトフィルムおよび2次ライトフィルムを一緒に結合するための結合手段とを提供する。さらに、本発明は、均一な光の面を拡散させるための上部拡散体を提供し、複数のライトフィルムは、0.1〜1.0mmの厚みと50〜1200ミリニュートンの曲げ剛性とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ用バックライト装置の技術分野、およびかかる装置を用いた液晶ディスプレイに関する。詳細には、本発明は、固体光源を備える液晶ディスプレイ(LCD)バックライトに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイは、陰極線管(CRT)モニタに代わる小型で軽量なものを提供するが、多くの用途では、LCDディスプレイの画質は、特にこれらのデバイスの相対的サイズが増大した場合にまだ満足のいくものではない。ラップトップコンピュータまたはより大きなディスプレイに使用されるような、より大きなLCDパネルは透過型であり、したがってバックライトを必要とする。LCDパネルの背後に配置されるこの種の光供給面は、光を外方にかつLCDの方へ向ける。
【0003】
背面照明の従来の手法は、導光板と、1以上のタイプの輝度向上フィルム(enhancement films)と、偏光フィルムと、反射面と、その他の光調整要素とを備える冷陰極蛍光(CCFL)光源の様々な配置を使用する。従来のフラットパネルバックライトの、側面取付け式CCFLを使用する解決法は、ディスプレイサイズが増大するにつれ、次第に望ましくないものとなり、特にディスプレイ面積が増大するにつれ、製造時にまたは熱のためにそりやすくなりうる。より小型のデバイスのために従来から用いられている導光バックライト技術は、例えばデジタルTVに必要とされるようにディスプレイサイズが増大すると、低い明度レベルまたは輝度レベルによって、および不十分な均一性に関連する問題によって、ますます妨げられる。既存のLCDディスプレイおよびその他のディスプレイ用並びに照明用途のバックライト装置は、並列に並べられたCCFLの配置を使用していることが多く、比較的非効率となりうる。これらのディスプレイの解決法はまた、CCFLおよびそれの支持フィルムとLCパネルの背面とを収容する必要性のために、比較的厚くなりうる。CCFL光源自体には、これらのデバイスが若干の水銀を含有しているので、廃棄に関する環境問題がある。従来のCCFLベースのバックライトに付随する均一性および明度の問題を補償するために、いくつかの支持フィルムが、通常はバックライトとディスプレイの間に置かれるか、あるいは、ディスプレイに続いて、比較的高コストの反射性偏光フィルムなどが配置される。周知のように、CCFLのスペクトル特性は、他のタイプの光源と比べた場合に相対的に劣る。
【0004】
背面照明用途に使用されるCCFLに対する本質的な難点および限界に直面しているので、研究者には、別の背面照明手法を追及する動機となっている。発光ダイオード(LED)を利用したいくつかの解決法が提案されている。LEDの明るさ、色出力、および全体的な性能の近年の進歩は、コストの継続的な節減を伴って、LED、レーザ、および固体光源を概して特に魅力的なものにする。しかし、LEDおよびレーザは点光源として機能するため、この光を方向変換しかつ広げて、背面照明に必要とされる均一な光の面をもたらすとともに、必要な色均一性をもたらすための適切な解決法が必要である。
【0005】
LEDを用いたバックライト照明を提供するための1つの手法が、M.Zeiler、J.Huttner、L.Plotz、およびH.Ottの「Late−News Paper: LED背面照明の問題解決のための最適化パラメータ(Optimization Parameters for LED Backlighting Solutions)」という名称の論文、SID 2006 Digest 1524〜1527頁に記載されているようなアレイ配列を用いることである。この種の解決法を用いて、赤色(R)LED、緑色(G)LED、および青色(B)LEDを用いたLEDクラスタのアレイが、LCDディスプレイ用バックライトとして配置される。2タイプのクラスタ、すなわちRGGBおよびRGBが記載されている。しかし、いくつかのタイプの計器盤や超高性能モニタおよびTVなどの特殊な用途を除いて、アレイ配置は、色および明度の均一性が劣る、パーツ点数が多い、高熱、および寸法要件の問題により、有望とは思われない。
【0006】
光のラインを形成するために、点光源からの光を広げるための導光体が使用されている。例えば、カワイらの「導光体、導光体を備える照明デバイス、並びに照明デバイスを備える画像読取デバイスおよび情報処理装置(Light Guide, Illuminating Device Having the Light Guide, and Image Reading Device and Information Processing Apparatus Having the Illuminating Device)」という名称の米国特許第5,499,112号は、その長さに沿って分布した取出し構造を有する単一の導光体を用いて、1以上のLEDからの光を方向変換して走査装置内でラインにすることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,499,112号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】M.Zeiler、J.Huttner、L.Plotz、およびH.Ottの「Late−News Paper: LED背面照明の問題解決のための最適化パラメータ(Optimization Parameters for LED Backlighting Solutions)」という名称の論文、SID 2006 Digest 1524〜1527頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
LED背面照明を提供するという目標に向かう多くの研究がある。しかし、いくつかの解決法が提案されているものの、特に標準的なラップトップ寸法またはそれより大きなディスプレイパネルの背面照明に関する問題に直面した場合、それぞれのタイプの解決法に固有の重要な欠点がある。
これらの欠点に加えて、従来の解決法では概して、LCディスプレイが広範に商用化されかつ受け入れられるのに必要な高品質のカラー画像に関する重要な課題に対処できない。色域が、ディスプレイの設計者にとって特に関心のある1つの重要な検討事項である。従来型のCCFLは、NTSC色域の最大で約70%を与えるので、多くの用途に受け入れられるある程度の色品質を提供する。これは、ラップトップおよびコンピュータモニタの用途には受け入れられうるが、フルカラーTVディスプレイに必要とされるものには及ばない。
CCFL光源とは対照的に、LEDおよびその他の固体光源は、それらの比較的高いスペクトル純度のおかげで、本質的にNTSC色域の100%以上を提供することができる。この拡大した色域を提供するためには、3つ以上の異なる色のLEDまたはその他の固体光源が必要である。LEDおよびその他の固体光源を用いたときに、そのような拡大された色域に対応するためには、背面照明装置からの高水準の色混合が求められる。画像ディスプレイ技術分野の当業者には周知であるように、固体光源、例えば赤色(R)LED、緑色(G)LED、および青色(B)LEDを用いた場合、良好な水準の色均一性を達成することは特に困難である。上述したような、大きな面積の導光体を用いる従来の背面照明の解決法は、それに対応して、劣った色混合をもたらすことになる。より大スケールのディスプレイの背面照明に関する他の課題としては、低コストアセンブリ、光効率、均一性およびコンパクトなサイズの必要性が挙げられる。従来のLED背面照明の解決法は、これらの追加要件を満たすために必要とされるものには及ばない。さらに、厚いかさばる導光板または厚いライトバーの必要性をなくすことが特に有用となり、これは、均一性および明度が十分改善された場合に可能となりうる。
【0010】
したがって、安価に製造することができ、最小の厚みを有し、かつ優れた均一性、高い明度および高水準の効率を有する色混合を提供するLEDバックライトの解決法が必要であることが理解されうる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態では、本発明は、LCDディスプレイのための多層一体型バックライト照明アセンブリを提供するものであり、当該多層一体型バックライト照明アセンブリは、アセンブリに構造的かつ機能的な支持を提供するための基体と;基体上に設けられた下部反射体と;点光源を提供するための、下部反射体の開口部内に設けられた複数の固体光源と;点光源を均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の1次ライトフィルムと;点光源を均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の2次ライトフィルムと;1次ライトフィルムおよび2次ライトフィルムを一緒に結合するための結合手段と;均一な光の面を拡散させるための上部拡散体と;を含み、複数のライトフィルムは、0.1〜1.0mmの厚みと50〜1200ミリニュートンの曲げ剛性とを有する。
【0012】
別の実施形態では、本発明は、LCDディスプレイのための多層一体型バックライト照明アセンブリを提供するものであり、当該多層一体型バックライト照明アセンブリは、アセンブリに構造的かつ機能的な支持を提供するための基体と;基体上に設けられた下部反射体と;点光源を提供するための、下部反射体の開口部内に設けられた複数の固体光源と;点光源を均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の1次ライトフィルムと;点光源を均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の2次ライトフィルムと;フィルムを一緒に接着するために1次ライトフィルムと2次ライトフィルムの間に設けられた、ビーズを有するポリマー層と;均一な光の面を拡散させるための上部拡散体と;を含み、複数のライトフィルムは、0.1〜1.0mmの厚みと50〜1200ミリニュートンの曲げ剛性とを有する。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、LCDディスプレイのための多層一体型バックライト照明アセンブリを提供するものであり、当該多層一体型バックライト照明アセンブリは、アセンブリに構造的かつ機能的な支持を提供するための基体と;基体上に設けられた下部反射体と;赤色、緑色または青色の点光源を提供するための、下部反射体の開口部内に設けられた複数の多色固体光源と;赤色、緑色または青色の点光源のいずれかを均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の1次ライトフィルムと;赤色、緑色または青色の点光源のいずれかを均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の2次ライトフィルムと;赤色、緑色または青色の点光源のいずれかを均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の3次ライトフィルムと;フィルムを一緒に接着するために1次ライトフィルムと2次ライトフィルムと3次ライトフィルムとの間に設けられた接着パッドと;多色固体光源から、改善された色均一性をもたらすための、光方向変換領域内に設けられた複数の色混合区域と;均一な光の面を拡散させるための上部拡散体と;を含み、複数のライトフィルムは、0.1〜1.0mmの厚みと50〜1200ミリニュートンの曲げ剛性とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリを示す。
【図2】図2は本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図3】図3は本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図4A】図4Aは本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図4B】図4Bは本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図5】図5は本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図6A】図6Aは本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図6B】図6Bは本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図7】図7は本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図8】図8は本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図9】図9は本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図10A】図10Aは本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図10B】図10Bは本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図11】図11は本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図12】図12は本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図13】図13は本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図14A】図14Aは本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図14B】図14Bは本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図15A】図15Aは本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図15B】図15Bは本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図16A】図16Aは本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図16B】図16Bは本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図17】図17は本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【図18】図18は本発明の多層一体型バックライト照明アセンブリの別の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、いくつかの実施形態では固体光源の利点を利用するのに必要な高水準の色混合および光均一性をもたらし、他の実施形態では白色光照明のために設計される、一体型バックライト照明アセンブリを提供する。さらに、本発明は、光をディスプレイの画面全体に広げるために使用される導光板の厚みを大幅に低減する。本発明の特徴は、均一な照明をもたらすように広がり領域を有する多層ライトフィルムを利用するバックライトを提供することである。本明細書で使用されているように、「多層ライトフィルム」および「多層一体化バックライト照明アセンブリ」という用語は同義的に使用される。本発明の利点は、ディスプレイに背面照明する領域を与えるために、固体光源を使用していることである。本発明の装置は、拡張性があり、特により大きなサイズのLCパネルに適合することができる。例えば、本発明は、ディスプレイ用途、特に、例えばLCD TV、医学的診断ディスプレイ、画像ディスプレイ、軍用ディスプレイなどに使用されるようなLCディスプレイパネルに特に適したバックライト装置を提供する。さらに、本発明のバックライト装置は、固体照明が有利となる他の照明用途に使用されうる。
【0016】
(固体照明)
固体照明(SSL)は、電気フィラメントやガスではなく、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、またはポリマー発光ダイオードを照明光源として利用する照明のタイプを意味する。「固体」という用語は、LEDにおける光が、従来の白熱電球および蛍光ランプの場合のように真空管もしくはガス管からではなく固体物体(例えば半導体のブロック)から放出されることを意味する。しかし、SSLは、従来の照明とは異なり、実質的に熱または寄生エネルギー(parasitic energy)散逸のない可視光を作り出す。さらに、その固体の性質は、衝撃、振動および摩耗に対するより大きな耐性を提供し、それによってその寿命を著しく延ばす。
【0017】
(固体照明の利点)
エネルギー効率:LEDは、光源として、従来の光源の50%未満(一般的な家庭用電球は約9%の効率である)と比べて90%を超える変換効率を達成する可能性がある。LEDは、電気を光に直接変換することができるので、供給されたエネルギーから熱よりも多くの光を生成することを約束する。このことは、将来の世界的な規模でのエネルギー節約のために大きな意味合いをもつ。既に、白色LEDは、白熱光源よりも高効率(ルーメンス/ワット−lm/Wで測定される)である。今日、カラーが必要とされる用途、例えば交通信号や企業の看板では、SSLは、生成された光がすべて使用され無駄にされないので、エネルギー消費の大幅な削減を示している。
【0018】
長寿命:照明産業に革命をもたらしているLEDの第2の利点は、極めて長い寿命が達成されうることである。この説明には2つの部分がある。第1の部分は、「耐用寿命」と呼ばれ、用途固有のものである。共通の理解では、ランプは一定の時間持ち、その後機能しなくなるということである。ランプの寿命に渡り、光出力が低下し、最終的にランプはその寿命の「終わり」となる。LEDも同様に光出力が経時的にゆっくりと低下するが、LEDは実のところ、実用の期間においてその寿命に対する「終わり」に達することはない。ある用途では、耐用寿命は、光レベルが重要でない場合に100,000時間を超えることができる。他の用途では、耐用寿命は、50,000時間であることができ、一般的な蛍光灯より約4倍優れており、家庭用白熱ランプより20倍優れている。また、LEDの寿命に実際的な終わりはない。これは、装飾的な建築用途および企業イメージプログラムに重要な意味をもつ。切れた電球は、美学的に不利な影響を有する可能性があるが、LEDベースのシステムの耐用寿命を過ぎて起こるであろう除々に暗くなることが、劇的な悪影響を有することはなく、即座にメンテナンスを行う必要はないであろう。
【0019】
堅牢性:壊れるガラスおよびフィラメントが存在しない。LED照明システムは、本質的に振動問題に耐性があり、ほとんどの極限環境に従来の照明よりも容易に耐えるように設計することができる。
【0020】
低温性能:低温に耐性のある入手可能なランプ(メタルハライド、HPS)があるが、他のランプ、特に蛍光灯は寒冷気候でうまく機能しない。LEDは実際に、室温よりも寒い環境でより効率的に動作する。
【0021】
デジタル制御:世界がデジタル化するにつれて、照明がその世界に統合されることがますます重要となる。SSLは既に、他のシステムとのインタフェースとされうるかまたは最大性能を達成するように正確に制御されうるデジタルシステムである。
【0022】
色の彩度およびスペクトル:ほとんどの色を生成するためにRGBアレイをプログラムすることが可能であり、光はフィルタがかけられていないかまたは吸収されていないため、その結果として色の彩度がさらに濃くなる。このことは、光源内に存在する青色と緑色のすべてにフィルタをかけて除くことによらず、直接的に生成される赤色などの個々のLED色にも適用される。さらに、RGB光源は白色光LED光源と共に使用されてもよい。
【0023】
光学制御:LEDのサイズは非常に小さく、LEDが生成する光線は、非常に細いビームで放射される。これは、光学系が光を極めて高い効率で制御するように設計されうることを意味し、それによって特定の機能を果たすのに必要な光を少なくし、そのことは、言い換えると光学系のエネルギー効率を増大させる。
【0024】
低電圧動作:現在のSSLシステムは、一般に低電圧の直流電源で動作するので、それを設置し、動作させるのを非常に安全なものにする。
【0025】
(光方向変換構造 light redirecting features)
ライトフィルムは、フィルムから出射する光の配光がフィルムのビュー側の法線により近い方向になるように入射光配光を屈折させるための、分離した個々の明確な形状の光方向変換構造のパターンを有する。これらの個々の光方向変換構造は、好ましくはTIR面間(ビュー側と下側または非ビュー側との間)に形成することができ、かつ入射光を出射面の法線方向へ屈折させるための1以上の傾斜面を含むことができる。これらの傾斜面は、例えば、光を所望の視野角以内に方向変換する、平面と曲面の組合せを含むことができる。また、表面の曲率、すなわち個々の光学素子の曲面面積と平面面積の比、並びに曲面および平面の周辺形状は、フィルムと共に使用されるディスプレイデバイスの視野角をカスタマイズするために、フィルムの光出力分布を調整するように変化することができる。さらに、表面の曲率、すなわち個々の光学素子の曲面面積と平面面積の比は、バックライトまたはディスプレイのビュー側の上方に向けられる光の均一性を最適化するように変化することができる。また、個々の光方向変換構造のサイズおよび数、並びに個々の光方向変換構造の表面の曲率は、出力分布をフィルムの法線方向周りの特定の角度範囲内に維持しながら、より滑らかでより拡散した光出力分布を生成するために、多少の拡散出力を生成するかまたは光源からの入力光分布をランダム化するように選択することができる。
【0026】
ライトフィルムの光方向変換領域内に方向変換構造を形成する個々の光学素子は、液晶ディスプレイの画素間隔との干渉をなくするようにランダム化されうる。このランダム化は、光学素子のサイズ、形状、位置、深さ、方向、角度または密度を含むことができる。これにより、モアレおよび類似の効果を無くすための拡散体層が必要でなくなる。また、個々の方向変換構造のうちの少なくともいくつかは、フィルムにわたって集団で;いずれかの単一の方向変換構造についての機械加工公差(machining tolerances)を超える平均特性値を得て、そして液晶ディスプレイの画素間隔とのモアレおよび干渉効果をなくするようにフィルムにわたって変化する、各集団についての平均のサイズまたは形状特性を集合的に生じさせるが、各集団における光学素子のうちの少なくともいくつかは異なるサイズまたは形状特性を有する;ように配置することができる。さらに、個々の方向変換構造うちの少なくともいくつかは、2つの異なる軸に沿って光を再配光する/方向変換するようにフィルムの能力をカスタマイズするために、互いに異なる角度に向けられうる。
【0027】
さらに、方向変換構造の密度は、光源からのそれらの距離の関数として変化することもできる。一般に、構造は光源に近いほど少なくなり、構造は光源から遠いほど多くなる。構造の相対的サイズもまた、光源からの距離の関数として変化することができる。典型的には、構造は光源に近づくほど小さくなり、構造は光源から離れるほど大きくなる。これは、バックライトまたはディスプレイのより均一な照明を提供するのを助けるためになされる。
【0028】
個々の光学素子の光方向変換面がフィルムの光出射面と作る角度もまた、液晶ディスプレイの表示領域にわたって変化することができ、フィルムの光方向変換機能を、光源の表面にわたって不均一である光入力分布に仕立てることができる。光方向変換領域の個々の光学素子は、サイズ、形状、位置および/または方向が異なることができる。光方向変換フィルムの個々の光学素子は、光源によって放射された光の分布の変動の原因となるように異なることができる。光方向変換構造の光学素子の特性およびパターンもまた、様々な配光を放射する様々な種類の光源用の光方向変換フィルムを最適化するためにカスタマイズすることができ、例えば、シングルバルブラップトップ用のあるパターン、ダブルバルブフラットパネルディスプレイ用の別のパターンなどがある。
【0029】
さらに、光方向変換フィルムシステムが提供され、このシステムでは、バックライトからの入射光のより多くを所望の視野角内に向きを変えるかまたは方向変換するように、光方向変換フィルムの個々の方向変換構造の方向、サイズ、位置および/または形状が、バックライトまたはその他の光源の光出力分布に合わせられる。また、バックライトは、1つの軸に沿って光を平行にする個々の方向変換構造の変形を含むことができ、光方向変換フィルムは、その軸に対して垂直な別の軸に沿って光を平行にする個々の光学素子を含むことができる。
【0030】
さらに、内側構造の壁は、光方向変換を助けるような粗さパラメータを有することができる。典型的には、方向変換された光の、より均一な照明を提供するために方向変換構造の光学的平滑面に対してマイクロ粗さが望ましい。本発明の一実施形態では、平均粗さは、0.2〜10ミクロンであり、好ましくは0.5〜5ミクロンである。別の実施形態では、光学的構造は円錐形であり、テーパの寸法が小さくなるほど、光学フィルムまたは光学板のビュー側または光出射側に近接する。円錐のテーパ状方向変換構造の側壁は、光学フィルムのTIR裏面側から少なくとも1つの角度を構成することができる。方向変換構造は、鋭角の頂角を形成することができ、望ましくは光学的構造上に鈍角のもしくは平坦な頂部を有することができる。最も有用な夾角(included angle)は、20〜120度とすることができる。好ましい一実施形態では、夾角は75〜105度である。構造が平らな上部を有する場合、各側壁との夾角は、上述の範囲の約2分の1とすることができる。角度の範囲は、集合体におけるバルクまたは主たる光学的構造についてである。言い換えれば、光学的構造の平坦な頂部および/または側面が、プリズム、レンズまたはそれに関連する粗さなどの2次的な光学的構造を有する場合、上記に挙げた範囲外の夾角範囲を挙げることも可能でありうる。
【0031】
(光取出し構造)
光方向変換構造には多くの実施形態がある。光方向変換構造の基本的な機能は、さもなければTIRによって導かれている光を方向変換し、それによって光が線形光チャネルまたは導光板(LGP)から放射されるようにすることである。これは、下記をはじめとする多くの方法で行うことができる。
(i)穴または成形凹部が、フィルムの非ビュー側表面に形成、成形、プレス成形および/またはドリル穴あけされうる。方向変換構造は、深さを10〜500ミクロンとすることができ、フィルムの厚みに幾分依存する。かかる構造の使用は、方向変換フィルムの上面上の別の取出し補助と共に使用されうるが、光方向変換構造は、ビュー側表面構造または光学フィルムと組み合わせて機能するように設計されうることに留意されるべきである。光がビュー側表面の方へ方向変換されていると、拡散体(diffuser)などの他の光学フィルム(体積および/または表面、非対称の、ホログラフィック、散乱粒子、空気ボイドなど)が使用されうる。この特許内の実施形態は、拡散、光コリメーション、輝度上昇、光の広がり、光の曲がり、前方散乱、後方散乱、側方散乱偏光、偏光の再利用、光変調、光フィルタリング、補剛(stiffening)、寸法安定性、および層分離からなる群から選択された機能を提供する少なくとも1つのフィルムと組み合わせて使用することもできる。
(ii)ライトフィルムの発光部分の処理は、ライトフィルムからの光の取出しを助けるために行われうる。表面処理の種類としては、線形光チャネルの縁部またはLGPのビュー面に沿って、すなわちディスプレイに面する表面に沿って光取出し構造を形成することなどがある。例えば、1つの手法が、長さ方向に沿ってプリズム構造のアレイを形成することである。使用される微細構造は、プリズム、ピラミッド、半球、またはTIRを妨げるための他の明確な幾何形状のアレイとすることができる。これらは、反転されるか、個々の要素として形成されるか、または列に整列された上部もしくは下部放出構造を含むことができる。微細構造は、光源からの距離に応じて、様々な形状およびサイズで成形されうるかまたはその他の方法で形成されうる。
(iii)光取出しフィルム構成要素の適用。ライトフィルムの発光部上で使用されうる1つの考えられる光取出し構造が、参照により本明細書に組み込まれる、Leeらの「光集中器の線形配置を用いた輝度上昇フィルム(Brightness Enhancement Film Using A Linear Arrangement Of Light Concentrators)」という名称の米国特許出願公開第20050270798号に記載されている。任意選択で、ライトフィルムの一部の光放射面は、その上に光取出し構造を形成するように構造化されうる。ライトフィルムの一部は、光方向変換微細構造を形成するように、ローラなどを使用して成形されうるかまたはその他の方法で処理されうる。
(iv)印刷ドット。ライトフィルムのベース部に沿ってその光放射面の反対側に印刷された反射ドットのパターンが、光をビュー側の方へ向けて上方に方向変換するように使用されうる。印刷ドットは、より均一な光出力を提供するのに役立つように、異なる密度およびサイズにすることができる。
【0032】
こうした上記(i)〜(iv)に挙げた種類の処理の組合せも使用されうる。光取出し構造は、個別の要素とすることができる。ライトフィルムの長さに沿って均一な光放射を提供するために、光取出し領域のサイズおよび密度は、固体光源からの距離の関数として変化することができる。例えば、ライトフィルムの構造付き部分の各端部にLED光源がある場合、光方向変換構造は、端部の方よりも中心付近で、より高密度で分布されうる。あるいは、光取出し要素の分布密度は、一方向に実質的に連続的であることもできる。光方向変換構造は、表示面またはその他の光出力面に面しているライトフィルムの面に成形されうるか、あるいはその面にエンボス加工、加圧、接着または積層されうる。
【0033】
本発明に有用ないくつかの実施形態では、光取出し構造は、局所領域に使用することができ、およびホットスポットを拡散させるように使用することもできる。光源が側面放射光源であろうと上面放射光源であろうと、出力面は、幾分半球形であり、光を様々な角度で出射することができる。その目的は、照明のホットスポットまたは全体的に明るい領域を除去するかまたは最小限に抑えることである。光取出し構造または光広がり構造(light spreading feature)は、若干の光を観察者の方へ出射できるようにするとともに、光の他の部分を受け取り、その光を明るいスポットを少なくするような角度で出射する。これを実現する手段は、光の向きを変えるのに役立つ光学的構造を含むことができる。この構造は、実質的に光源を覆うことができ、光拡散の第2の手段と組み合わせることもできる。どちらの手段もパターン状とすることができ、ホットスポットのパターンと相対拡散量とがホットスポットの光強度に基づいて階調を形成することができる。
【0034】
(フィルムの材料)
一般に、欠陥がなく、かつ経年劣化および/または環境暴露に基づいて実質的に変色しない透明性の高い材料を有することが望ましい。広範な条件にわたって、フィルムの物理的、化学的、または光学的変化を最小限に抑えるために、添加物が含まれうる。フィルムは、85%を上回る、好ましくは90%を上回るフィルムのパーセント透過率を有するべきである。フィルムの別の望ましい特質は、様々なディスプレイ用途に対する指定の温度および湿度範囲わたって優れた寸法安定性を提供することである。有用な材料には、ポリカーボネート、PMMA、衝撃変性PMMA、光硬化型もしくは化学硬化型アクリレート、ポリエステル、環状オレフィン、ポリエステルカーボネート、ポリスルフォン、およびそれらのコポリマー誘導体が挙げられうるが、これらに限定されるものではない。これらまたはその他の材料のうちのいくつかから製作されるフィルムは、配向なしにキャストされてもよく、あるいは寸法安定性を改善するために少なくとも一方向に配向されてもよい。キャストポリマーはまた、所望の特性を有するかまたはキャストフィルム上での特性を高めるのに役立つことができる別個のフィルム上に被覆(押出し)されうるか、またはその他の方法で配置されうる。
【0035】
(色ずれの監視)
LEDおよびその他のタイプの固体光源に関する1つの周知の問題は、若干の色ずれ(color shifts)をもたらしうるスペクトルの安定性および精度に関する。オプションの色センサが、ライトフィルム取出し領域のうちの1つまたは複数の構成要素として設けられてもよい。色センサは、経年劣化、熱、またはLED間もしくはその他のタイプの光源間の製造差異に起因しうるような色ずれを補償する制御ループに使用されうる。任意選択で、特定のライトパイプに最も近い画素についての画像データが、検出された色ずれを補償するように調整されうる。
【0036】
(システムの検討)
現在利用可能な多くのデバイスのうちのいずれかを使用すると、本発明のライトフィルムは、2000〜6000nitsまたはそれを上回る高水準の照明を提供することができる。高いエネルギーレベルでは、熱の蓄積が、一部の用途においてLEDで問題となりうる。バックライト装置は、1以上のヒートシンク、冷却ファン、または動作中に過剰な熱を消散させるのに役立つ他の機構を設けることができる。本発明の装置および方法を用いる場合、有利には、熱消散構成部品が、LCDパネルから離れた、ディスプレイデバイスの周縁部に沿って配置されうる。
【0037】
次に図面を参照すると、図1は、「1次」フィルム層13並びに「2次」フィルム層14を照明する固体光源11を備える多層ライトフィルム10を示す。光源は、下部フィルム層13を貫通し、かつ上部フィルム層14の中に部分的に入っている。別の実施形態では、光源は両方のフィルムを貫通することができる。接着パッド18は、フィルム間に空気層16を作り出すことによってスタンドオフ効果を与えるのに役立つように使用されうる。LEDは熱を発生しやすいので、望ましくは各光源に結合するヒートシンク19を有することができる。光取出し構造15は、一方のフィルムと他方のフィルムとでずらされうる。一実施形態における光方向変換構造は、フィルム13および14の上部TIR面と下部TIR面の間にある構造を形成することによって空気ポケット17をもたらす。多層ライトフィルム10は、多層ライトフィルム10の底部に位置する反射体12も備える。フィルムは、2つのフィルム間に空気層16を設けるかまたは捕捉するように、互いに重ねて置くことができる。接着剤の層18は、積み重ねられたフィルムの全厚みである十分に大きな光入力面を用いて光結合効率を高めることにより、および各導光フィルムの厚みを薄くして光取出し効率を高めることにより、光学効率を改善し、したがって、より多くの光が導光フィルム上の光方向変換構造に到達することができる。さらに、光の空間的均一性の向上は、各フィルムにおける光方向変換領域を低減させることによって達成される。また、製造実現可能性の向上は、製造プロセスにおいてフィルムの可撓性を維持するために各フィルムの厚みを薄くすることによって達成される。
【0038】
本開示内でのこのおよびその他の実施形態では、少なくとも2つの導光フィルムが一緒に積層され、各フィルムは、各導光フィルム上に光方向変換構造を有する。導光フィルム間の空隙が導光フィルムの表面での全内部反射(TIR)を高め、したがって、光が導光フィルムの表面上の光方向変換構造に到達する前に、光が導光フィルムの表面間で反射し、導光フィルムに沿って進むことができる。導光フィルム間の間隔は、特に光入力面上で、空隙に捕捉される光を最小限に抑えるために、最小限にされる。さらに、スタック内の異なる導光フィルム上の光方向変換構造は、空間的に均一な光出力をもたらすように、表示領域上の様々な領域に位置することができる。言い換えれば、積層された導光フィルム上の光方向変換構造同士で重ならない。また、空間的に均一な光出力をもたらすように、積層された導光フィルム上の光方向変換構造同士で重なることができる。
【0039】
この実施形態では導光フィルムを一緒に結合するために接着剤が利用されるが、本発明はそれに限定されないことに留意されたい。例えば、フィルムを結合するための他の結合手段としては、超音波タッキング(tacking)もしくは溶接、レーザーアシスト(laser assisted)スポット溶接もしくはタッキング(IR(赤外線)吸収ダイでさらに増強されうる)、縁部の火炎処理、溶剤溶接(縁部へのスポットタック(spot tack)または適用による)、縁部上でホットグルー(hot glue)を用いるスポットタッキング(「製本」)、エッジもしくはスポット圧着または圧縮、ピン、柱と穴、2つの引張り部材間のねじ、などがある。光入力面に近接する領域は接着に好都合である、というのは、これにより、光入力面上のフィルム間の空隙に伝わる光を最小限に抑えるために、入力面においてフィルム間に最小の空隙を確実なものにできるからである。LEDは、導光フィルム上の穴を通過することができる。スタックの最上部のフィルムの場合、穴は、スルーホール、ケーブ(cave)または最上部の上にカバーを有するポケットとすることができる。ヒートシンクは、熱をLEDから引き離すのを助けかつ長寿命をもたらすのに有用である。
【0040】
好ましくは、フィルム13、14は、50〜1200ミリニュートンの曲げ剛性を有する。150〜400ミリニュートンがより好ましい。50ミリニュートン未満の剛性では、取り扱いおよびディスプレイ内に取り付けるのは困難である。1200ミリニュートンを超える剛性では、ロールツーロール製造プロセスに必要とされるローラの周囲に曲げるのは困難である。フィルムまたはバーの曲げ剛性は、Lorentzen and Wettreの剛性試験機、モデル16Dを使用して測定される。この機器からの出力は、長さ20mmおよび幅38.1mmの試料の片持ち自由端を無負荷位置から15度の角度に曲げるのに必要な力(ミリニュートン単位)である。
【0041】
好ましくは、各フィルム13、14について、厚みは0.1mm〜1.0mmである。厚みは、0.1mm〜0.8mmであることがより好ましい。したがって、フィルム13、14を備える多層ライトフィルム10の厚みは、0.2mm〜2.0mmの厚みを有する。より好ましくは、フィルム13、14を備える多層ライトフィルム10の厚みは、0.2mm〜1.6mmの厚みを有する。フィルムの厚みは、所望の光源の放射面に関係する。フィルムの厚みを少なくとも光源の放射面の厚みに合わせることが望ましく、好ましくは、フィルムの厚みは光源の放射面の約2倍の厚みである。さらに、本発明の導光フィルムは、幅対高さの比が10/1〜1000/1である。
【0042】
図2は、フィルム13、14の全長にわたってより均一な空隙16にするために設けられた複数の接着パッド18を有する、本発明の多層一体型フィルム10の別の実施形態を示す。かかる実施形態は、光均一性を改善するための最適なデザインを提供する。接着剤はパターン形成されうることに留意されたい。他の実施形態では、接着パッド18は、接着性がほとんどないかまたは全くないポリマー層であり、スタンドオフとして働くことができる。
【0043】
図3は、多層ライトフィルム10の少なくとも1つのフィルムに適用されたビーズ20を有するポリマー層16を備える、本発明の多層一体型フィルム10の別の実施形態を示す。かかる層は、フィルム間の空隙にわたる制御をもたらし、ビーズまたは粒子20のサイズに基づいて調整されうる。最良の光学性能を提供するためには、フィルム13および14の屈折率と実質的に類似する屈折率を有するビーズ20およびポリマー層16を設けることが望ましい。ビーズの濃度もまた、散乱を最小限に抑えるように調整されうる。本発明の別の実施形態では、ビーズは、散乱および拡散をもたらすことができる。
【0044】
図4Aおよび4Bは、フィルム13、14の光方向変換領域の各端部に固体光源11、21を備える多層ライトフィルムの断面を示す。図4Aは、一方の端部に両方のフィルム13および14を通るLED11(白色光)を有し、白色光がフィルムの一方の端部から入るのを阻止するように、光学的遮光手段22を有することができる。別の実施形態では、LEDは、下部フィルム13を通過し、かつフィルム14の厚み面内でLEDの発光面を有するだけであることができる。かかる実施形態では、光学的遮光22は必要ない。多層ライトフィルムの他の端部には、RGB光源21が存在し、光をフィルムの一つに供給することができる。3つ以上のフィルムを有する実施形態では、RGB光源21は、白色光が照明されるフィルムの上部もしくは下部またはその間とすることができる。多層ライトフィルムは、光源の輝度と色の両方を修正または調節するために、3色センサ(trichromatic sensor)をさらに含むことができることに留意されたい。示されていないが、RGBの2つの層が白色LED照明フィルムの各面上にある3層フィルムもまた設けることができる。かかる実施形態では、光源によってさらに高められる動的カラー(dynamic color)および動的調光(dynamic dimming)を有するディスプレイを提供することが可能となりうる。
【0045】
例えば、白色LEDおよび固体RGB光源の独立制御が可能である。下部フィルムの光方向変換領域は、所望であれば白色を実現する色混合区域を有する。白色LEDは、動的調光を有し、光強度を変調するために点灯/消灯されうる。カラーLEDは、1つまたは複数の色に対して制御されうる。この実施形態は、上部の白色光源と下部のカラー光源とを示しているが、この構成は逆にされてもよく、あるいは、各端部に、1つまたは複数のフィルム層の中に放射することができる少なくとも2つのRBG光源があってもよいことに留意されたい。別の実施形態では、ライトLEDは、少なくとも2つの層の一方の端部から発射することができ、RGB LEDは、少なくとも1つまたは複数の層の中へ発射することができる。利点は、すべての色について、改善されたコントラストを有する拡大された色域を提供することである。動的調光と組み合わせたこれらの能力は、ディスプレイの様々な領域に対して光制御を行うのに役立つ。そのようなディスプレイは、独特の照明効果をもたらすようにアクティブマトリックスまたはパッシブマトリックスとすることができ、あるいは一般的な照明用途も有しうる。動的カラー制御および動的調光は、それぞれの個々の光源に適用することができるか、または一緒にグループ化されかつ単一のドライバによって制御される1つまたは複数の光源が存在することができる。
【0046】
図4Bは、光方向変換領域の各端部に設けられた白色LED光源11を備える多層ライトフィルムである。多層ライトフィルムは、一方の端部または両端部から照明されうる。この実施形態は、複数の光方向変換領域を有するディスプレイに、それらが縁部に対して位置する場所に応じて有用である。一方の端部から照明される場合、光源は、フレームまたはエッジベゼルの下に隠すことができる。
【0047】
図5は、上部光方向変換領域または下部光方向変換領域が互いにずらされている光方向変換領域を有する多層ライトフィルムの実施形態である。かかる実施形態は、より均一な発光面を提供するのに有用である。クロストークを防止するために、下部層内の光方向変換領域間にチャネルまたは空間がある場合、光方向変換領域を有する上部フィルムは、下部フィルムの光方向変換領域間の空隙を覆うまたは隠すようにずらすことができ、下部フィルムは、光を上部フィルムの光方向変換領域間の隙間またはボイドを通って出射することになる照明プロファイルを有する。破線領域で示されているような下部フィルム13と、光方向変換領域を、その領域とチャネル24を有する上部フィルム14との間の光漏れを最小限に抑えるために分離するチャネル23(スルーホールまたは部分溝)とが、多層ライトフィルムを形成する。チャネル23は、チャネル24からずらされる。このように、光均一性を改善するために、下部フィルムのチャネル23の上に少なくとも1つの光方向変換フィルムの層がある。全体としては、ライトフィルムの上方に配置される拡散体層に光が入射する前に均一性が改善される。その場合、より高輝度の拡散体が、他のフィルムまたはディスプレイのLCDの中へのより多くの光を許容するように使用されうる。
【0048】
図6Aはずれたまたは互い違いの配置の多層ライトフィルムの端面図であり、図6Bは斜視図である。図6Aでは、ライトフィルム13および14は、それらの当該層内にのみ光源11を有する。チャネル23または部分溝24が、それぞれフィルム13、14内に設けられる。この実施形態では、上部フィルムの光源11およびフィルムが、チャネル23を隠し、かつ、より均一な照明を提供するのに役立つようにずらされる。図6Bは斜視図であるが、上部フィルム14と下部フィルム13の両方の中にLED11を有する。この場合もやはり、上部および下部フィルム13、14がずらされている。この実施形態では、上部チャネルは貫通したチャネルで示されているが、別の実施形態は、フィルムを部分的にしか通らない溝またはチャネルを有する。
【0049】
図7は、ワイドスクリーンディスプレイ用途のための、より幅広い領域全体に光を広げるのに役立つ2層フィルムを設けた複数のモジュール式多層光方向変換フィルム25で製作されたタイル状ディスプレイ26の上面図である。モジュール式の手法は、小さいモジュールを製造し、次いでそれらを一緒にタイル状に並べて、より大型のディスプレイを形成する効率的な手段を提供する。このように、モジュール式フィルム25は一緒にタイル状に並べることができ、一緒にタイル状に並べられるモジュールの数に応じて様々なサイズのディスプレイを形成することができる。
【0050】
図8は、個々の層13、30および14をそれぞれ赤色、緑色および青色で照明する固体RGB光源21を備える多層ライトフィルム10の側面図である。RGB色のスタック順序は、上部、中間または下部の組み合わせであることができる。各フィルムは、光の特定の波長に対して最適化されうる光方向変換構造15の列を有する。サイズ、幾何形状、深さおよび密度は、光の均一性を最適化するために、所望されるように変化することができる。また、固定光源は、一緒にまたは別々に駆動されうる。この実施形態では、色混合が垂直面内で達成されること留意されたい。ヒートシンク19は、熱の蓄積を最小限に抑えかつより良い性能を保証するのに役立つように使用されうる。下部反射体12は、光をフィルムの中へかつ観察者の方へ方向変換するのに役立つ。光学フィルム32上の光学的構造31は、LED21からもたらされるブライトスポットを低減するために使用されうる。光学フィルムは、光をさらに散乱させるのに役立ちかつ全体的照度および全体的均一性を改善するように、ビュー側面上に第2の光学的構造も有することができる。光学的構造が固体光源を覆うように実質的に整列されているフィルム並びに光源が挿入される空洞を設けることが望ましい。光学パターンは、フィルム内の空洞または穴を超えて延びることができる。空洞は、穴を形成するようにフィルムを貫通して延びうることにも留意されたい。かかる実施形態では、一つの利点は、光源の性能に影響を及ぼしうる熱の蓄積を最小にする排熱手段を提供することである。フィルムは、好ましくは透明であり、他のライトフィルムと実質的に屈折率整合される。別の実施形態では、フィルム32は、拡散手段を含むことができる。拡散は、表面および/または体積であることができる。拡散は、粒子、ビーズまたはボイドで実現されうる。表面は、光の光学的操作をさらに助けるように、顔料またはビーズの層でコーティングされうる。また、示されていないが、フィルム32は2以上の層を含むことができる。例えば、フィルムは、共押出しまたはコインジェクション成形(co−injection molded)されて2以上の層にすることができる。各層は、異なる機能性(光学的および/または機械的)を有することができる。当技術分野で知られる他の手段もまた、この効果を達成するために使用されうる。
【0051】
図9は、所与のチャネル内でのRGB入力光またはLED21の混合を助けるように、少なくとも1つのフィルム内に色混合区域43およびクロストークチャネル14を備える多層ライトフィルム10の上面図である。光源はライトフィルムの2つの端部から入力されうること、および色混合区域43はずらされるかまたはその他の方法で互い違いにされうることにも留意されたい。かかる実施形態は、より良好な光の分布および光の均一性を可能にすることができる。図9はさらに、LED21が挿入される穴41を示し、1つの穴または空洞につき2以上のLED21を収容するような様式に設計されうる。LED21は、背中合わせまたは横並び構成で配置されうる。
【0052】
図10Aは、固体光源を収容するために使用されうる様々なポケット、溝またはスルーホール33の構造を有する多層ライトフィルム10の断面図である。所与の多層ライトフィルム内には、少なくとも1つのポケット形状または溝形状が存在することができる。所与の多層ライトフィルム内に2つ以上の構造が存在しうるが、この図は、これらの形状がすべて1つのフィルム内に使用されるであろうことを示唆するものではない。この図は単に、様々な形状が使用されうることを示すために描かれている。異なる形状は、光の均一性を制御するのに有用であるわずかに異なるフットプリントを有する。
【0053】
図10Bは、2つの異なる光空洞を有する多層ライトフィルム10である。一方は連続溝34であり、他方は空洞またはポケット33である。連続溝34は、バックライト35の製造および組立てにおいて有利さをもたらし、一方で、個々のポケットは別の光均一性プロファイルを提供するのに有利さを有する。
【0054】
図11は、下部フィルム13および上部フィルム14並びにLED11とそれに付随するヒートシンク19を備える多層ライトフィルム10である。ライトフィルムの縁部35は、光線36を上面またはビュー側面の方へ方向変換するのを助けるように、先細りにされるかまたはその他の方法で勾配が付けられている。勾配付き縁部を有する実施形態は、特にバックライトまたはディスプレイの縁部上に、より均一な照明を提供する。
【0055】
図12は、下部フィルム13および上部フィルム14並びにLED11とそれに付随するヒートシンク19を備える多層ライトフィルム10である。ライトフィルムの縁部35は、光線36を上面またはビュー側面の方へ方向変換するのを助けるように、先細りにされるかまたはその他の方法で勾配が付けられている。この場合、複数の縁部35が勾配付けされている。勾配付き縁部を有する実施形態は、特にバックライトまたはディスプレイの縁部上に、より均一な照明を提供する。
【0056】
図13は、下部フィルム13および上部フィルム14並びにLED11とそれに付随するヒートシンク19を備える多層ライトフィルム10である。ライトフィルムの縁部35は、光線36を上面またはビュー側面の方へ方向変換するのを助けるように、先細りにされるかまたはその他の方法で勾配が付けられている。光の方向変換をさらに助けるように、少なくとも1つのフィルム内に追加の小さい粒子または空洞99が存在することに留意されたい。粒子または空洞は、フィルム層13および14のどちらかまたは両方に存在することができる。別の実施形態では、粒子または空洞は、光を広げかつ明るいスポットを最小化するために光を散乱させるかまたはその他の方法で方向変換するのを助けるような様式で、光源の上方にパターン形成されうる。好ましい実施形態では、粒子99は、有機物であり、実質的に前方散乱である。本発明は、以下の機能、すなわち拡散、光コリメーション、輝度上昇、光の広がり、光の曲がり、前方散乱、後方散乱、側方散乱偏光、偏光の再利用、光変調、光フィルタリング、補剛、寸法安定性、層分離などの機能を提供する少なくとも1つのフィルムと組み合わせて使用されうることに留意されたい。
【0057】
図14Aは、下部フィルム13および上部フィルム14(他の実施形態は3つ以上の層を含むことができる)並びにLED11とそれに付随するヒートシンク19を備える多層ライトフィルム10である。ライトフィルムの縁部は、光線36を上面またはビュー側面の方へ方向変換するのを助けるように、先細りにされるかまたはその他の方法で勾配が付けられている。第2のパターン付き拡散領域51を有する拡散フィルム50は、ライトフィルム層14の出射面上に配置されうる。光源の上方に第2の拡散領域を有することの利点は、その領域が、光源の実質的に上方の明るい領域を最小限に抑えるように、その拡散特性に関して調整されうることである。拡散フィルム50は、体積拡散体または表面拡散体とすることができ、非対称な特性も有しうることにも留意されたい。拡散は、粒子、ビーズ、空気ボイド、または当技術分野で知られるその他の手段、あるいはそれらの組合せによって得ることができる。拡散領域51は、LEDとそれに関連する穴または空洞よりもわずかに幅広いフットプリントを有することができる。
【0058】
図14Bは、図14Aと類似しているが、光の穴または空洞の上方に配置されているビーズ、粒子または粗さパターンを有する別の実施形態である。そのようにして、追加された空気の層は、光の上方での光の拡散をさらに助けて均一な光プロファイルを発現するのを助けるために設けられる。
【0059】
図15Aは、ライトフィルムの上部に置かれた拡散体50を備える多層ライトフィルム10の別の実施形態である。拡散体50は、その発光面全体にわたってより均一な光を提供するのを助けるのに有用である。
【0060】
図15Bは、少なくとも一方の面上で、かつ光源の上方に形成された光学構造53を有する別の実施形態である。光学構造53は、より幅広いフットプリントにわたって光を方向付けることによって光源からの明るいスポットを最小限に抑えるように、光を減少させるのに有用である。そのような光学構造は、光を実質的にすべて前方向に、または主に他よりも一方向に多く広げることができる。光学構造53は、バックライトにわたって実質的に均一な光を提供するために、任意の形状または形状の組合せを含むことができる。構造の高さプロファイルは、均一でもよく、あるいは変化してもよく、密度は、明るいスポットに適合するように変化してもよい。小型レンズ、三角形、曲線、変化する傾斜などを含む様々な多次元形状が使用されうる。表面の粗化もまた使用されうる。光学的構造は、フィルム14の表面から突出することができ、あるいは内側へ突出することもできる。どちらの場合でも、ポリマー、有機材料、無機材料、空気などの材料の領域が存在する。
【0061】
図16Aは、ワイドスクリーンディスプレイ適用のための、より幅広い領域にわたって光を広げるのに役立つ層状フィルムを設けた複数のモジュール式多層光方向変換フィルム25で製作されたタイル状ディスプレイ26の上面図である。水平面と垂直面のどちらにも、LEDの上方、並びに光方向変換領域の上の領域とは異なる光強度プロファイルを有することができるモジュール間に領域61が存在することができる。図16Bは、より均一な照明を有する領域を提供する。方向変換領域は、光を制御された軸外送出(off−axis delivery)で出射面に供給するために、実質的に垂直な構造63または角度付きもしくはその他の勾配付き構造62とすることができる。このように、モジュール間の領域はより均一に照明されて、明るいスポットを低減することができる。モジュール式の手法は、小さいモジュールを製造し、次いでそれらを一緒にタイルのように並べて、より大型のディスプレイを形成する効率的な手段を提供する。このように、モジュール式フィルムは一緒にタイル状に並べることができ、一緒にタイル状に並べられるモジュールの数に応じて様々なサイズのディスプレイを形成することができる。モジュール間の領域に軸外光を供給する光方向変換構造を設計することにより、より好ましいバックライトが提供されうる。
【0062】
図17は、層66の中へ発光する白色光源65と、それぞれ層13、30および14の中へ発光するRGB光源21との実質的に別々の層を備える多層ライトフィルム10である。白色光源およびRGB光源は、任意の組合せで積み重ねることができる。この図は、同じ穴または空洞33を占める光源を示しているが、他の実施形態では、これらの光源を別々の穴または空洞33の中に設けることもできる。さらに、光源は、光を2以上の方向に放射するように構成されうることに留意されたい。一実施形態では、光源の発光面は、個々のライト層の厚みより薄くするべきである。光源高さの入力面高さに対する比を0.75/1〜0.1/1とすることができる。レンズまたはその他の光学構造が光入力面67上に設けられる場合、上記の比は、ずっと高い光入力効率を得るために変更することができる。光源は、すべてオン、すべてオフ、オンもしくはオフの多くの何らかの組合せを含むとともに、光源のいずれか1つまたはすべてに対して光源の強度を変化させるように変調されうる信号をもたらす様々な組合せで駆動されうる。ヒートシンク19は、光源から熱を逃がすのを助けるために光源に取り付けることができる。さらに、光源またはヒートシンクの中または周囲の気体または液体を循環させる手段が、バックライト内の熱を制御するために利用されうる。この実施形態は、導光もしくは導波フィルムまたは層として描かれているが、追加の実施形態は、1つまたは複数の導光板を有する1つまたは複数の導光層を使用できることに留意されたい。
【0063】
図18は、光入力面102を有する配光フィルム(層)101を備える、多層ライトフィルム内に単独でまたは組み合わせて利用されうる単一フィルム層の断面図である。光入力面は、より多くの光をフィルムの中で結合させてより高い光学効率を得るために、LED発光面103と同等以上の大きさにするべきである。ポケット106には、発光領域104を有する側面放射光源(LED)103がある。光源を駆動する電気接続を助けるために、また光源から熱を逃がすのを助け、ポケット106内部での蓄積を最小限に抑えるためにも、光源はPCB板105に取り付けられる。ポケットは、PCBおよびLEDの熱膨張を受け入れるのに十分な大きさである。さらに、LED103並びにポケット106の全部または一部の上方の配光フィルム101のビュー側に別のポケットまたは陥凹部107がある。フィルムの上部に陥凹部を設けることにより、遮光物または光反射体108は、配光フィルムに対して実質的に平坦な、平らまたは平面プロファイルを有する。したがって、配光フィルムのビュー側に配置されたあらゆるフィルムは、より均一な光学的光入射プロファイルを有し、液晶パネルにより均一な照明を提供する。反射体の材料は、個々の反射体または反射フィルムとすることができる。反射体108は、両面でまたは片面だけで反射することができる。これは、光源からの放射の明るいスポットを管理するのを助けることになる。反射体108は、どちらか一方または両方の面上あるいはそれらを組み合わせた面上で正反射性または拡散性とすることができる。別の実施形態では、反射体108はまた、より均一な照明を提供するために、反射体108の上方での光の配光に役立つように制御された光ポロシティー(light porosity)または光漏れを有することもできる。これを実現する1つの手段が、反射体内にピンホール状の非連続部を設けることである。これは、反射体をパターン形成し、非連続性パターンを印刷し、反射コーティングおよび/または支持体に穴を開ける種々の手段で行うことができる。層108は、反射体と呼ばれるが、拡散体フィルム(体積、ホログラフィック、表面、またはそれらの組合せ、並びに非対称)とすることもできる。層108は、光の広がりまたはコリメーションに役立つように、少なくとも一方の面上にレンズ状構造を有することもできる。追加の実施形態では、層108に使用される材料は、明るいスポットを抑制するが観察者側の方へ向けられた光の量および均一性を最大にするために、偏光手段(反射偏光子など)を含むことができる。
【0064】
図18はさらに、LEDポケット106の観察者面上に光方向変換構造109を有する。光方向変換構造109は、LED103の光放射面104と再配光フィルムの光入力面102との間の空間を覆う。光方向変換構造109は、例えば、プリズム構造アレイ、ピラミッド構造アレイ、負マイクロレンズアレイ、超高出力正マイクロレンズアレイ、または散乱面とすることができる。それらは、列または個別の構造であってよく、それらの密度、サイズまたは形状は、光方向変換構造に沿った所望のTIR角度でフィルムの中へ出射されない、光源の発光プロファイルに応じて変化することができる。光源が配置されるポケットまたは空洞は、光入射面102の向かい側のLEDポケット106の表面上に傾斜または角度110を有することもできる。これは、ポケット内部でのより良い熱管理を可能にするわずかに大きいポケットを提供するのに有用である。下部反射体111は、下部反射体111と液晶セルの間の他のすべての光学素子から反射した光を再利用するために、再配光フィルム全体を覆う。下部反射体111の穴112は、LED103を通すために設けられる。この穴は、PCBおよびLEDの熱膨張を受け入れるのに十分な大きさである。追加の反射性材料113は、下部反射体の穴112の領域で十分な光を再利用できるようにするために、LED103に隣接するPCB105上に積層または付着されうる。LEDポケット106の縁部114は、再配光フィルム101の鋭いエッジに対して応力緩和をもたらすように、勾配または丸みをつけることができる。傾斜角度は、光が依然として再配光フィルム101の表面上での内部全反射条件を満たすように、十分小さくすることができる。
【符号の説明】
【0065】
10 多層ライトフィルム
11 固体光源
12 反射体
13 1次フィルム層、下部フィルム
14 2次フィルム層、上部フィルム
15 光取出し構造
16 空気層、空隙
17 空気ポケット
18 接着パッド
19 ヒートシンク
20 ビーズ、粒子
21 固体光源
22 光学的遮光手段
23 チャネル
24 チャネル、部分溝
25 モジュール式多層光方向変換フィルム
26 タイル状ディスプレイ
30 層
31 光学的構造
32 光学フィルム
33 スルーホール、空洞、ポケット
34 連続溝
35 縁部
36 光線
41 穴
43 色混合区域
50 拡散フィルム、拡散体
51 拡散領域
53 光学構造
61 領域
62 角度付き構造
63 実質的に垂直な構造
65 白色光源
66 層
67 光入力面
99 粒子、空洞
101 配光フィルム、再配光フィルム
102 光入力面
103 LED
104 光放射面
105 PCB板
106 ポケット
107 ポケット、陥凹部
108 反射体
109 光方向変換構造
110 勾配、角度
111 下部反射体
112 穴
113 反射性材料
114 縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LCDディスプレイのための多層一体型バックライト照明アセンブリであって、
アセンブリに構造的かつ機能的な支持を提供するための基体と;
基体上に設けられた下部反射体と;
点光源を提供するための、下部反射体の開口部内に設けられた複数の固体光源と;
点光源を均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の1次ライトフィルムと;
点光源を均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の2次ライトフィルムと;
1次ライトフィルムおよび2次ライトフィルムを一緒に結合するための結合手段と;
均一な光の面を拡散させるための上部拡散体と;
を含み、
複数のライトフィルムが、0.1mm〜1.0mmの厚みと50〜1200ミリニュートンの曲げ剛性とを有する、多層一体型バックライト照明アセンブリ。
【請求項2】
複数の固体光源のためのヒートシンクをさらに含む、請求項1記載のバックライト照明アセンブリ。
【請求項3】
第2の点光源を提供するための、下部反射体の開口部内に設けられた複数の多色固体光源をさらに含む、請求項1記載のバックライト照明アセンブリ。
【請求項4】
点光源の輝度と色の両方を修正または調整するために、3色センサをさらに含む、請求項1記載のバックライト照明アセンブリ。
【請求項5】
光方向変換領域の端部が、点光源の広がりを助けるために面取りした縁部を有する、請求項1記載のバックライト照明アセンブリ。
【請求項6】
光方向変換領域間の光漏れを低減するために、光方向変換領域間に設けられた溝をさらに含む、請求項1記載のバックライト照明アセンブリ。
【請求項7】
1次ライトフィルムの溝が、2次ライトフィルムからずらされる、請求項6記載のバックライト照明アセンブリ。
【請求項8】
上部拡散体フィルム内にパターン付き拡散領域をさらに含む、請求項1記載のバックライト照明アセンブリ。
【請求項9】
LCDディスプレイのための多層一体型バックライト照明アセンブリであって、
アセンブリに構造的かつ機能的な支持を提供するための基体と;
基体上に設けられた下部反射体と;
点光源を提供するための、下部反射体の開口部内に設けられた複数の固体光源と;
点光源を均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の1次ライトフィルムと;
点光源を均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の2次ライトフィルムと;
フィルムを一緒に接着するために、1次ライトフィルムと2次ライトフィルムの間に設けられた、ビーズを有するポリマー層と;
均一な光の面を拡散させるための上部拡散体と;
を含み、
複数のライトフィルムが、0.1mm〜1.0mmの厚みと50〜1200ミリニュートンの曲げ剛性とを有する、多層一体型バックライト照明アセンブリ。
【請求項10】
LCDディスプレイのための多層一体型バックライト照明アセンブリであって、
アセンブリに構造的かつ機能的な支持を提供するための基体と;
基体上に設けられた下部反射体と;
赤色、緑色または青色の点光源を提供するための、下部反射体の開口部内に設けられた複数の多色固体光源と;
赤色、緑色または青色の点光源のいずれかを均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の1次ライトフィルムと;
赤色、緑色または青色の点光源のいずれかを均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の2次ライトフィルムと;
赤色、緑色または青色の点光源のいずれかを均一な光の面に方向変換しかつ広げるための、複数の固体光源間に設けられた光方向変換領域を有する複数の3次ライトフィルムと;
フィルムを一緒に接着するために、1次ライトフィルムと2次ライトフィルムと3次ライトフィルムとの間に設けられた接着パッドと;
多色固体光源から改善された色均一性をもたらすための、光方向変換領域内に設けられた複数の色混合区域と;
均一な光の面を拡散させるための上部拡散体と;
を含み、
複数のライトフィルムが、0.1mm〜1.0mmの厚みと50〜1200ミリニュートンの曲げ剛性とを有する、多層一体型バックライト照明アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−193955(P2009−193955A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−5344(P2009−5344)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(307010188)ローム アンド ハース デンマーク ファイナンス エーエス (51)
【Fターム(参考)】