説明

多層基板回路および多層基板回路のアイソレーション調整方法

【課題】回路の小型化・集積化によって通信経路間の距離が近接した場合にも、高いアイソレーションを確保することができ、かつ、製造コストも抑制可能な構成の多層基板回路を提供する。
【解決手段】複数の通信経路が設けられた通信経路層と、通信経路層より下の層であり接地されている接地層と、を備える多層基板回路において、第1線路導体と第2線路導体とを更に設ける。第1線路導体は、通信経路層の隣り合った通信経路の間に設けられ、両端が各層を貫くビアを介して接地層に接続される。第2線路導体は、通信経路層と接地層との間の層に第1線路導体と並列に設けられ、両端が前記ビアを介して接地層に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MIMO通信をはじめとする複数の無線回路系が存在する筐体に実装される多層基板回路およびそのアイソレーション調整方法に関し、特に、簡単な構成で回路系間のアイソレーションを高める技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動通信システムにおいては、さまざまな通信モードの搭載、MIMO通信に代表されるような複数ストリーム送信による空間多重が当然となっており、今後さらなるストリーム数の増加が検討されている。しかし、携帯端末などの筐体内に、複数の通信モードを搭載することは各通信モードに対応した回路が必要となることを意味し、MIMOストリーム数を増やすことは各ストリームに対応した回路が必要になることを意味する。そのため、筐体の容積の大型化が予想されるが、特に携帯端末ではユーザの使いやすさの観点から容積が大型化することは望ましくない。そこで、大型化を避けるため、各要素部品の小型化・高集積化することが考えられる。しかし、高集積化により各回路の間隔が狭まることで、回路間で信号の回り込みが起こりやすくなる。そして、回り込んだ干渉信号は、電力増幅器等でのひずみの増加、誤り率の劣化、スループットの低下を招く。そこで、このような回路間の回り込みを抑え、各ストリーム間でのアイソレーションを確保する技術が特許文献1〜3で開示されている。特許文献1では、干渉が生じる可能性が高い組み合わせの回路を接地電極を挟んで対向する位置に配置することによりアイソレーションを確保する技術が開示されている。特許文献2では、送受信回路間にICチップを配置し、送受信間の距離をとることによりアイソレーションを確保する技術が開示されている。特許文献3では、多層基板において、導体とビアで形成したフェンスで当該回路を囲むことによりアイソレーションを確保する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−014659号公報
【特許文献2】特開2010−226120号公報
【特許文献3】特開2004−311655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術の場合、ある面積を有する接地電極を配置する必要があるため、小型化を進める上で不都合である。特許文献2の技術の場合、ICチップが小型化されなければ回路全体としての小型化に限界が生じ、ICチップが小型化されれば回路の間隔が狭まりアイソレーションが劣化してしまう。特許文献3の技術の場合、ビアの間隔が決められており、長いフェンスを設ける場合、多数のビアが必要となり製造コストの増大を招く。
【0005】
本発明の目的は、回路の小型化・集積化によって通信経路間の距離が近接した場合にも、高いアイソレーションを確保することができ、かつ、製造コストも抑制可能な構成の多層基板回路およびそのアイソレーション調整方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の多層基板回路は、複数の通信経路が設けられた通信経路層と、通信経路層より下の層であり接地されている接地層と、を備える多層基板回路であって、第1線路導体と第2線路導体とを更に備える。第1線路導体は、通信経路層の隣り合った通信経路の間に設けられ、両端が各層を貫くビアを介して接地層に接続される。第2線路導体は、通信経路層と接地層との間の層に第1線路導体と並列に設けられ、両端が前記ビアを介して接地層に接続される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の多層基板回路およびそのアイソレーション調整方法によれば、複数の通信経路が設けられた通信経路層と通信経路層より下の層であり接地されている接地層とからなる基本的な構成に、ビアを介して接地層に接続された線路導体を追加しただけのシンプルな構成で、通信経路間のアイソレーションを高めることができる。また、回路の小型化・集積化にほとんど影響を及ぼさず、製造コストも低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一般的な多層基板回路の構成例を示す図。
【図2】実施例1の多層基板回路の構成例を示す図。
【図3】図1の構成におけるアイソレーション特性の例を示す図。
【図4】図2の構成におけるアイソレーション特性の例を示す図。
【図5】第1線路導体と第2線路導体との距離を変化させたときのアイソレーション特性の変化の例を示す図。
【図6】第2線路導体の幅を広げたとぎのアイソレーション特性の例を示す図。
【図7】第2線路導体を基板と同じ大きさにしたときのアイソレーション特性の例を示す図。
【図8】第1線路導体のみを設けたときの多層基板回路の構成例を示す図。
【図9】第1線路導体のみを設けたときのアイソレーション特性の例を示す図。
【図10】第2線路導体のみを設けたときの多層基板回路の構成例を示す図。
【図11】第2線路導体のみを設けたときのアイソレーション特性の例を示す図。
【図12】実施例2の多層基板回路の構成例を示す図。
【図13】通信経路層110の上部が誘電体で囲まれている場合における、第1線路導体112のみを設けた場合のアイソレーション特性の例を示す図。
【図14】通信経路層110の上部が誘電体で囲まれている場合における、第1線路導体112と第2線路導体122を設けた場合のアイソレーション特性の例を示す図。
【図15】図12の構成におけるアイソレーション特性の例を示す図。
【図16】実施例3の多層基板回路の構成例を示す図。
【図17】実施例4の多層基板回路の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
図2に本発明の多層基板回路100の構成例を示す。多層基板回路100は、図1に示すような、それぞれ異なる信号が流れる複数の通信経路(図1、2では2つの通信経路111a、111b)が設けられた通信経路層110と通信経路層110より下の層であり接地されている接地層160とを基板上に少なくとも備え、各層間が誘電体で満たされた一般的な多層基板回路10に、図2に示すように第1線路導体112と第2線路導体122を加えることにより構成される。
【0011】
第1線路導体112は、通信経路層110の隣り合った通信経路111aと111bとの間に設けられ、両端が各層を貫くビア171a、171bを介して接地層160に接続される。なお、第1線路導体112は、図1に示すように、両通信経路が接近している部分に当該接近部分の全長以上にわたって設ければ足り、両通信線路の全長にわたって設ける必要はない。
【0012】
第2線路導体122は、通信経路層110と接地層160との間の層120に第1線路導体112と並列に設けられ、両端がビア171a、171bを介して接地層160に接続される。
【0013】
各線路導体112、122は、その両端でビア171a、171bに接続されているが、これには2つの理由がある。1つは、線路導体の中間で接続するとビアの位置から線路導体の端までがオープン線路として見えてしまうため、アイソレーション特性の劣化を招くことが挙げられる。もう1つは、ビアを増やすことでアイソレーション特性を改善できるが、その改善効果はわずかであり、かつ、コストも増えるため、両端のみで接続するのが適当であるということが挙げられる。
【0014】
また、接地層160は必ずしも最下層にある必要はなく、中間層にあっても第2線路導体122を通信経路層110と接地層160との間の層に設けることで、本発明の効果は得られる。
【0015】
図3に2つの線路導体を設けない多層基板回路10(図1)の場合の通信経路間のアイソレーション特性の例を、図4に本発明の多層基板回路100(図2)の場合の通信経路間のアイソレーション特性の例を、それぞれ示す。各多層基板回路の通信経路層110は各多層基板回路の最上層にあるものとする。なお、本実施例をはじめ、各実施例におけるアイソレーション特性は共通のパラメータ値を用いて求めたものである。具体的には、基板の大きさは、sw=1600μm、sd=2000μm、sh=100μm、基板の誘電率は11.9、各通信経路の幅w0は88μm、通信経路の接近部分の間隔b1は88μm、非接近部分の間隔b2は300μm、通信経路の接近部分の全長a1は850μm、両側の各非接近部分の長さa2は300μmである。また、第1線路導体112の幅w1は30μm、長さは1200μmであり、通信経路の接近部分の間に各通信経路と平行に、かつ、接近部分の全長以上にわたって設けられている。また、第2線路導体122の幅w2は30μmであり、第1線路導体112と第2線路導体122との距離d1は50μmであり、第2線路導体122と接地層160との距離は50μmである。アイソレーション特性は、通信経路111aのポートP1から入力された信号が、通信経路111bのポートP3あるいはP4に出力される割合として表したものである。図3、4においては、S13、S14がそれぞれP1から入力された信号がP3、P4に出力される割合である。また、S11はP1から入力された信号がP1に戻る割合(反射特性)、S12はP2に出力される割合(通過特性)である。図3、4から、2つの線路導体を設けない多層基板回路10の場合、例えば2GHzにおいてS13が約33dBであるのに対し、本発明の多層基板回路100の場合、2GHzにおいてS13が約44.5dBとれていることがわかる。
【0016】
本発明の多層基板回路100では、第1線路導体112と第2線路導体122との距離d1、第1線路導体112の線路幅w1、及び第2線路導体122の線路幅を適宜設定することによりアイソレーション特性を調整することができる。図5にd1を10μm〜50μmの範囲で変化させたときのアイソレーション特性の例を示す。図5からd1の距離が近いほどアイソレーション特性(S13、S14)が改善されることがわかる。ただし、近づけることで反射特性(S11)が劣化するため注意が必要である。また、図6に第1線路導体112の線路幅w1を図2の場合と同様の30μmとしつつ、第2線路導体122の線路幅w2を80μmに広げたときのアイソレーション特性の例を示す。このとき、2GHzにおいてS13が約45dBとれており、w2をw1と同じ幅にした図2の場合より0.5dB程度改善されていることがわかる。ただし、w2を広げることで反射特性(S11)が劣化するため注意が必要である。極端な例として、第2線路導体122を基板と同じ大きさにした場合、図7に示すように2GHzにおいてS13は約52dBとれるが、S11は約20dBに劣化する。なお、第2線路導体122の線路幅w2を広げるとともに、第1線路導体112の線路幅w1も広げることでアイソレーション特性を更に改善することができるが、その場合、隣り合った通信経路間の間隔も広くせざるを得ず、結局、回路の小型化・集積化という目的に反する。
【0017】
本発明では、図1の構成に加え、第1線路導体112と第2線路導体122の2つの線路導体を設けるが、これらいずれか一方のみを設けた場合のアイソレーション特性についても確認した。図8のように第1線路導体112のみを設けた場合のアイソレーション特性は図9のようになり、2GHzにおいてS13は約42dBとなる。また、図10のように第2線路導体122のみを設けた場合のアイソレーション特性は図11のようになり、2GHzにおいてS13は同じく約42dBとなる。これらの結果から、アイソレーション特性はいずれか一方のみを設けた場合でも、線路導体を設けない場合(図1、図3)より改善するが、本発明のように双方を設けた場合(図2、図4)には劣るということがわかる。
【0018】
以上のように、本発明の多層基板回路およびそのアイソレーション調整方法によれば、複数の通信経路が設けられた通信経路層と通信経路層より下の層であり接地されている接地層とからなる基本的な構成に、ビアを介して接地層に接続された線路導体を追加しただけのシンプルな構成で、通信経路間のアイソレーションを高めることができる。また、回路の小型化・集積化にほとんど影響を及ぼさず、製造コストも低く抑えることができる。
【実施例2】
【0019】
図12に本発明の多層基板回路101の構成例を示す。多層基板回路101は、多層基板回路101は、実施例1の多層基板回路100に、通信経路層110より上の層130に第1線路導体112と並列に第3線路導体132を加えた構成である。通常は最下層に接地層があるため、通信経路層より上の層には線路導体は必要ないとも思える。しかし、通信経路層の上部が誘電体で囲まれている場合には、上の層にも線路導体を設けることでアイソレーションを更に高めることができる。
【0020】
図13は、通信経路層110の上部が誘電体で囲まれている場合における、第1線路導体112のみを設けた場合のアイソレーション特性の例を、図14は第2線路導体122を加えた場合のアイソレーション特性の例を、図15は更に第3線路導体132を加えた場合(すなわち図12の構成の場合)のアイソレーション特性の例を、それぞれ示したものである。アイソレーション特性は、図12において第3線路導体132の幅w3が30μm、第1線路導体112と第3線路導体132との距離d2が50μmの時の値である。なお、層130の上部に誘電体が更に50μm積層されているものとする(図示略)。
【0021】
第1線路導体112のみを設けた場合、例えば2GHzにおいてS13は約27dBであるが、第2線路導体112を加えることでS13は約36.5dBに改善される。しかし、これに第3線路導体132を加えることでS13は約43dBと更に改善される。
【0022】
このように、通信経路層110の上部が誘電体で囲まれている場合には、通信経路層110より上の層130に第3線路導体132を加えることで、アイソレーションを更に高めることができる。
【0023】
なお、各線路導体間の距離(d1、d2)と各線路導体の線路幅(w1、w2、w3)を適宜設定することによりアイソレーション特性を調整することができることは実施例1と同様である。
【0024】
また、第3線路導体132が設けられた層より上の最上層が接地導体で覆われている場合にはストリップ線路の構造になるが、このような場合にも同様な効果を得られる。
【実施例3】
【0025】
図16に本発明の多層基板回路102の構成例を示す。多層基板回路102は、実施例1の多層基板回路100の拡張構成であり、多層基板回路100における通信経路層を、第2線路導体122が設けられた層の上の層に複数備える構成である。ここでは、図16に示すように通信経路層が2層の場合について説明するが、3層以上の場合も2層目と同様に積層することで構成可能である。多層基板回路102は、多層基板回路100の構成に加え、通信経路層110の上層に、それぞれ異なる信号が流れる複数の通信経路(図16では2つの通信経路141a、141b)と隣り合った通信経路の間に設けられ両端が各層を貫くビア171a、171bを介して接地層160に接続された第4線路導体142とを備える通信経路層140と、通信経路層110と通信経路層140との間の層150に第1線路導体112及び第4線路導体142と並列に設けられ両端がビア171a、171bを介して接地層160に接続された第5線路導体152と、を備える。
【0026】
このように構成することで、各通信経路のアイソレーション特性を、各線路導体間の距離と各線路導体の線路幅を適宜調整することにより調整することができる。
【実施例4】
【0027】
図17に本発明の多層基板回路103の構成例を示す。多層基板回路103は、実施例2の多層基板回路101の拡張構成であり、多層基板回路101における通信経路層を、第2線路導体122が設けられた層120と第3線路導体132が設けられた層130との間に複数備える構成である。ここでは、図17に示すように通信経路層が2層の場合について説明するが、3層以上の場合も2層目と同様に積層することで構成可能である。多層基板回路103は、多層基板回路101の構成に加え、通信経路層110と第3線路導体132が設けられた層130との間に、それぞれ異なる信号が流れる複数の通信経路(図17では2つの通信経路141a、141b)と隣り合った通信経路の間に設けられ両端が各層を貫くビア171a、171bを介して接地層160に接続された第4線路導体142とを備える通信経路層140と、通信経路層110と通信経路層140との間の層150に第1線路導体112及び第4線路導体142と並列に設けられ両端がビア171a、171bを介して接地層160に接続された第5線路導体152と、を備える。
【0028】
このように構成することで、各通信経路のアイソレーション特性を、各線路導体間の距離と各線路導体の線路幅を適宜調整することにより調整することができる。
【0029】
本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲で適宜応用が可能である。例えば、MIMO通信の複数ストリーム間のアイソレーション確保はもとより、送受信間のアイソレーション確保、(GSM、3G、LTE、LTE−Aなどの)異なるシステム間でのアイソレーション確保にも採用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の利用分野としては、体積の制限があり、小型化・高集積化が求められる通信機器、例えば、携帯電話、モバイルゲーム機、WiFi対応端末といったモバイルで使用される通信機器に組み込まれるRF回路素子を例示できる。
【符号の説明】
【0031】
10、100、101、102、103 多層基板回路
110、140 通信経路層
111a、111b、141a、141b 通信経路
120、130、150 層
112 第1線路導体
122 第2線路導体
132 第3線路導体
152 第4線路導体
160 接地層
171a、171b ビア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信経路が設けられた通信経路層と、当該通信経路層より下の層であり接地されている接地層と、を備える多層基板回路であって、
前記通信経路層の隣り合った通信経路の間に設けられ、両端が各層を貫くビアを介して前記接地層に接続された第1線路導体と、
前記通信経路層と前記接地層との間の層に前記第1線路導体と並列に設けられ、両端が前記ビアを介して前記接地層に接続された第2線路導体と、
を更に備える多層基板回路。
【請求項2】
請求項1に記載の多層基板回路であって、
前記第1線路導体が設けられた前記通信経路層は、多層基板回路の最上層に存在する
ことを特徴とする多層基板回路。
【請求項3】
請求項1に記載の多層基板回路であって、
前記第1線路導体が設けられた前記通信経路層は、前記第2線路導体が設けられた層の上層に2以上備えられ、
各通信経路層の間の層にそれぞれ前記第1線路導体と並列に設けられ、両端が前記ビアを介して前記接地層に接続された1以上の第4線路導体を更に備える
ことを特徴とする多層基板回路。
【請求項4】
請求項1に記載の多層基板回路であって、
前記通信経路層より上の層に前記第1線路導体と並列に設けられ、両端が前記ビアを介して前記接地層に接続された第3線路導体を更に備える
ことを特徴とする多層基板回路。
【請求項5】
請求項4に記載の多層基板回路であって、
前記第1線路導体が設けられた前記通信経路層は、前記第2線路導体が設けられた層と前記第3線路導体が設けられた層との間に2以上備えられ、
各通信経路層の間の層にそれぞれ前記第1線路導体と並列に設けられ、両端が前記ビアを介して前記接地層に接続された1以上の第4線路導体を更に備える
ことを特徴とする多層基板回路。
【請求項6】
複数の通信経路が設けられた通信経路層と、
前記通信経路層より下の層であり接地されている接地層と、
前記通信経路層の隣り合った通信経路の間に設けられ、両端が各層を貫くビアを介して前記接地層に接続された第1線路導体と、
前記通信経路層と前記接地層との間の層に前記第1線路導体と並列に設けられ、両端が前記ビアを介して前記接地層に接続された第2線路導体と、
を備える多層基板回路において、
前記隣り合った通信経路間のアイソレーションを、前記第1線路導体と前記第2線路導体との距離、前記第1線路導体の線路幅、及び前記第2線路導体の線路幅を適宜設定することにより調整する多層基板回路のアイソレーション調整方法。
【請求項7】
請求項6に記載の多層基板回路のアイソレーション調整方法であって、
前記第1線路導体が設けられた前記通信経路層が前記第2線路導体が設けられた上層に2以上備えられ、各通信経路層の間の層にそれぞれ前記第1線路導体と並列に設けられ両端が前記ビアを介して前記接地層に接続された1以上の第4線路導体を更に備える前記多層基板回路において、
各通信経路層の前記隣り合った通信経路間のアイソレーションを、更に、前記第1線路導体と前記第4線路導体との距離、及び前記第4線路導体の線路幅を適宜設定することにより調整する多層基板回路のアイソレーション調整方法。
【請求項8】
請求項6に記載の多層基板回路のアイソレーション調整方法であって、
前記通信経路層より上の層に前記第1線路導体と並列に設けられ両端が前記ビアを介して前記接地層に接続された第3線路導体を更に備える前記多層基板回路において、
前記隣り合った通信経路間のアイソレーションを、更に、前記第1線路導体と前記第3線路導体との距離、及び前記第3線路導体の線路幅を適宜設定することにより調整する多層基板回路のアイソレーション調整方法。
【請求項9】
請求項8に記載の多層基板回路のアイソレーション調整方法であって、
前記第1線路導体が設けられた前記通信経路層が前記第2線路導体が設けられた層と前記第3線路導体が設けられた層との間に2以上備えられ、各通信経路層の間の層にそれぞれ前記第1線路導体と並列に設けられ両端が前記ビアを介して前記接地層に接続された1以上の第4線路導体を更に備える前記多層基板回路において、
各通信経路層の前記隣り合った通信経路間のアイソレーションを、更に、前記第1線路導体と前記第4線路導体との距離、及び前記第4線路導体の線路幅を適宜設定することにより調整する多層基板回路のアイソレーション調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−227683(P2012−227683A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92755(P2011−92755)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)