多目的の高機能性アルカリ溶液組成物及びその製造方法と非特異性免疫増強剤としての用途
【課題】生産及び長期保管が容易であり、抗菌、抗ウィルス作用を有する非特異免疫増強剤アルカリとしての溶液組成物とこの組成物の製造方法及び用途を提供する。
【解決手段】メタ珪酸ナトリウム(Na2SiO3(5H2O)100重量部に対し、硼砂(Na2B4O7(10H2O)、1〜15重量部、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3(5H2O)10−5〜10−4重量部、炭酸カリウム30〜150重量部、精製白糖(C12H22O11)30〜200重量部、水100〜200重量部を含み、必要に応じて塩化ナトリウム、チオ硫酸銀、モリブデン酸ナトリウムから選択された1種以上が添加できる。
【解決手段】メタ珪酸ナトリウム(Na2SiO3(5H2O)100重量部に対し、硼砂(Na2B4O7(10H2O)、1〜15重量部、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3(5H2O)10−5〜10−4重量部、炭酸カリウム30〜150重量部、精製白糖(C12H22O11)30〜200重量部、水100〜200重量部を含み、必要に応じて塩化ナトリウム、チオ硫酸銀、モリブデン酸ナトリウムから選択された1種以上が添加できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多目的の高機能性アルカリ溶液組成物及びその製造方法と非特異性免疫増強剤としての用途に関する。
また、本発明は、より詳しくはメタ珪酸ナトリウム(5水塩)を主成分とするアルカリ溶液組成物及びその製造方法とその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
アルカリ物質の機能性については、20世紀初めから研究が始まり、多くの研究によると、最近、体質がアルカリ性になる場合、カリウムとナトリウムのイオン化率が上昇して血液の浄化能力を高めて血液を澄ませ、疲労回復の速度を向上させ、老化を遅延させることが明らかにされた。
このようなアルカリ溶液組成物は、本発明者により発明された韓国特許第128,110号が公開された後、いろいろの分野の産業に適用されている。
上記特許の組成物は、珪酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、精製白糖及びチオ硫酸を水溶液中に含有させ、その重量比が、炭酸ナトリウム1を基準として珪酸ナトリウム10〜18、過酸化ナトリウム0.1〜0.5、炭酸ナトリウム5〜10、精製白糖10〜18、チオ硫酸0.1〜3.0から構成される。上記組成物は遠赤外線放射効率が高くて抗菌性及び脱臭性に優れて繊維製品の後処理用、飼料発酵用及び農業用に現在多く使用されている。
しかし、この技術は製造工程が複雑で長期保管が不便な問題点と、抗ウィルス剤及び汎用非特異性免疫増強剤としては使用できないという問題点がある。
【0003】
一方、最近、抗生剤の誤用、濫用による多くの副作用が明かされるにしたがって、抗生剤の使用量を減らすため、生体免疫を総合的に増強させることにより、ワクチン接種効果の増進をもたらすか、外部から侵入する疾病原因体に対する生体防御能亢進を誘導する非特異免疫増強剤(Nonspecific Immunostimulators:以下、“NIS”という)の開発が世界的に集中されており、日本国では食用キノコ(Lentinus edoddes)から抽出した成分が抗癌効果があるという研究結果が発表された。
また、バクテリアから由来したNISは1世紀以上研究されてきた。最近には、抗体形成及びサイトカイン(cytokine)誘導効果とともに免疫機能亢進に関する研究が活発に進行されている。例えば、Norcardia opaca由来の細胞壁成分は、マウスから由来した腹腔マクロファージ(macrophage)の活性化を誘発するものと発表され(Barot−Ciobaruなど、1987)、Klebsiella pneumoniaeから由来したRU411740、Propionibacterium avidumから由来したKP−40、Quillaja saponariaから由来したQH−Bなどもcytokinesの誘導及び免疫細胞の刺激性に関連して研究されている(Besslerなど、1997;Nimierなど、1999;Ronnbergなど、1997;Siwikiなど、1998;Tewariなど、1996)。最近にはimmunostimulatory motifsと呼ばれるbacterial DNAから由来したCPG motifが免疫細胞においてIL−6、IL−12、IL−18及びIFN−γの発現を効果的に誘導するものと報告されたことがある(Bohleなど、1999;Klinmanなど、1999;Krieg、1999)。
しかし、今まで人間はもちろん、動植物にも適用させ得る生産工程が簡単であり、長期保管が容易であり、低廉なNISが開発されたことはない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、本発明者らにより開発された上記特許をさらに改良したもので、生産及び長期保管が容易であり、抗菌、抗ウィルス作用を果たし、非特異免疫増強剤(NIS)として使用できるアルカリ溶液組成物を提供することを目的とする。
また、本発明のほかの目的は、この組成物の製造方法及び用途を提供することである。
また、本発明のほかの目的は、家畜の増体率を向上させ、作物の収穫量を増大させることである。
また、本発明のほかの目的は、農産物、魚類又は家畜の肉質の新鮮度を長期間維持させることである。
また、本発明のほかの目的は、抗癌効果を有する無毒性非特異免疫増強剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の組成物は、メタ珪酸ナトリウム(Na2SiO3(5H2O)100重量部に対し、硼砂(Na2B4O7(10H2O)1〜15重量部、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3(5H2O)10−5〜10−4重量部、炭酸カリウム30〜150重量部、精製白糖(C12H22O11)30〜200重量部、水100〜200重量部を含み、必要に応じて塩化ナトリウム、チオ硫酸銀、モリブデン酸ナトリウムから選択された1種以上が添加できる。上記組成物は、使用時、水に10〜10,000倍希釈して使用することが好ましい。
本発明の製造方法は、メタ珪酸ナトリウム、硼砂、チオ硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどナトリウム化合物と無水炭酸カリウムを60〜80℃の水に順次投入して2〜3時間撹拌しながら溶解させた後、精製白糖を投入し、2〜4時間撹拌することからなる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の組成物は、動植物に適用する場合、耐病性向上、増体率、又は収穫量増加収穫物の品質向上、早期収穫などの効果が得られ、悪性、難治性及びウィルス性疾病の場合はワクチンの効果を極大化させ、別の抗生剤を使用しなくても抗体形成及び免疫増強効果が卓越して優れた効果を収めることができる。
また、動物又は人間の体内で増殖される特定種類の腫瘍の除去又は増殖抑制に著しい効果があるので、その治療剤又は予防剤として効果的に使用できる。そのほかに、本発明の組成物を飼料に添加して家畜に給与すると、畜舎の悪臭がなくなり、害虫の発生が防止される。また、本発明の組成物は、食品の保管の際に、鮮度を長期間維持できるようにするので、鮮度維持剤として効果的に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用されるメタ珪酸ナトリウムは、5分子の結晶水を含有しており、
二酸化珪素(SiO2)の含量が27.5〜29.0%であり、酸化ナトリウム(Na2O)の含量が28.5〜30.0%で誤差範囲が2%未満であり、市販の液状の珪酸ナトリウに比べて非常に安定する。性状は、白色粉末又は粒状であり、精密計量が容易あり、長期保管及び運搬などが便利である。水に溶解したときは強アルカリ性を呈し、構成元素中の珪素は動植物の成長に必須的な元素である。
【0008】
本発明の組成物のうち、硼砂は10分子の結晶水を含有する比重1.715の物質で、構成元素中の硼素(B)は動植物に欠乏しやすい微量元素である。土壌において硼素成分が不足した場合には、着果が良くなく、障害果実が多く発生する。硼砂は防菌剤、防虫剤、止血又は収斂剤、釉薬原料などに主として使用されている。特に、硼砂は金属酸化物とともに溶解されるとき、これを溶かす特性がある。水に溶解されたときのpHは9.5程度であり、本発明の構成上、適切な使用量は、珪酸ナトリウム100重量部に対して1〜15重量部の範囲内で用途によって調節される。上記範囲を外れる場合には毒性が発現するおそれがある。
【0009】
本発明に使用されるチオ硫酸ナトリウムは、5分子の結晶水を有し、アルコールには溶けなく、水に溶ける特異な塩辛い味がある物質である。水に溶けたとき、pHは6.5〜8.0程度の中性であり、ハロゲン化銀又はそのほかの銀塩を溶かす性質を有する。塩素除去剤、重金属除去剤又は鉱石から銀を抽出する用途に使用されている。チオ硫酸ナトリウムの適切な使用量は、珪酸ナトリウム100重量部に対して10−5〜10−4重量部であるが、この範囲を外れる場合には、動物に適用するとき、組織中のCaを沈降させて動物を興奮させ下痢を誘発する。
【0010】
本発明の組成物のうち、炭酸カリウムは水によく溶け、水溶液はpH11.6程度の強アルカリ性である。カリウムは、ナトリウムとともに生体に必須的な元素で、新陳代謝及び血液循環促進に必要な元素である。また、生体内でカリウムとナトリウム成分が調和をなすと、高血圧と糖尿病を効果的に予防することができる。その適切な使用量は、メタ珪酸ナトリウム100重量部に対して30〜150重量部である。上記範囲を外れる場合、動植物に適用するとき、ナトリウム/カリウムの均衡が破れるおそれがある。
【0011】
本発明の組成物のうち、精製白糖は溶解されてイオン化された無機物質が再結合することを防止して組成物を安定化させるとともに、使用された無機物質の性質を有機物質と類似した有機型物質に変換させる役割と、最終組成物の吸着又は付着性能を向上させる役割を果たす。この効能が発揮される適切な使用量は、メタ珪酸ナトリウム100重量部に対して30〜200重量部である。
【0012】
本発明の組成物に選択的に添加できる物質のうち、塩化ナトリウムはナトリウム/カリウムの比を調節するためのナトリウムの供給源としての役割を果たす。
チオ硫酸銀は、植物で生成されるエチレン剤の抑制剤又は植物の分化促進剤として主に使用されており、チオ硫酸イオンが含有された水溶液において、S2O32−の濃度が低い場合には[Ag(S2O32−)2]3−、S2O32−の濃度が高い場合には[Ag2(S2O32−)6]10−の多価陰イオンを形成させる特性がある。
本発明でチオ硫酸銀は、チオ硫酸ナトリウムとともに使用されて多価陰イオンを形成させるとともに、細胞の分化を促進させる役割を果たす。モリブデン酸ナトリウムは、動植物に欠乏しやすい微量元素であるモリブデンを供給する役割を果たす。その使用量は、微量で、みんなメタ珪酸ナトリウム100重量部に対して10−1重量部以内である。
【0013】
上記のような本発明の組成物は、完全に溶解された後、無臭、無毒性の薄黄色を呈する液体で、比重は1.43〜1.50、粘度61.0〜239.0、pH13程度の非常に安定的な組成物であり、特異な点は塩酸(HCl)で中和させてもめったに凝固されるかpHの変化が起こることがないという点である。
本発明者らは、長期間にわたる実験結果、上記のような構成の本発明の組成物は家畜にやる場合、増体率が向上し、作物に与える場合、収穫量が増加し、特に動植物に適用する場合、NISとしての効能が卓越したことを明かした。
上記組成物を直接飼料又は水に添加して投与するか、飼料添加し発酵させて家畜にやることにより、卓越した免疫増強効果を得ることができる。その例として、養豚産業に莫大な損失をもたらす豚流行性下痢(porcine epidemic diarrhea;PED)又は豚コレラを効果的に予防することができ、高い死亡率により養鶏産業に莫大な損失をきたす家禽のチフス(fowl typhoid)にも予防及び治療の効果があるのが確認され、乳牛の場合においても品質等級を決定する指標の一つである牛乳中の体細胞数を減少させることができる。また、家畜の成長を促進させることができ、肉質を向上させることができるだけでなく、畜舎内の悪臭除去にも効果的である。
肥料又は水に添加して植物に適用する場合にも、発芽及び成長促進、耐病性向上、生産量増加、収穫物の品質向上などの優れた効果を収めることができる。
本発明の実施例を次に示す。
【0014】
(製造実施例1)
メタ珪酸ナトリウム(5水塩)300Kg、硼砂(10水塩)35Kg、チオ硫酸ナトリウム0.01Kg、塩化ナトリウム1Kg、炭酸カリウム150Kgを60〜80℃の精製水500Kgに順次投入しながら3時間撹拌して溶解させた後、精製白糖450Kgを投入し4時間にわたって連続的に撹拌してpH13程度のアルカリ性溶液(以下、この溶液を“BARODON−1”という)を得た。
【0015】
(製造実施例2)
製造実施例1によって得られた溶液“BARODON−1”1436Kgに、0.02Kgのチオ硫酸銀が水1L(リットル)に溶解された溶液を滴加して撹拌した後、約50℃の温度の反応器で4時間維持して、チオ硫酸銀の添加されたアルカリ性溶液(以下、この溶液を“BARODON−2”という)を得た。
【0016】
(製造実施例3)
100℃の精製水5Lにモリブデン酸ナトリウム(Na2MoO42H2O)0.3Kgを撹拌しながら投入して、無色、無臭の水溶液を収得し、この水溶液を“BARODON−1”に滴加して撹拌した後、約50℃の温度の反応器で4時間維持して、モリブデン酸ナトリウムの添加されたアルカリ性溶液(以下、この溶液を“BARODON−3”という)を得た。
【0017】
(製造実施例4)
製造実施例1と同様に実施するが、硼砂の使用量を6Kgに、炭酸カリウムを300Kgに変化させて得たアルカリ性溶液1557Kgに、0.02Kgのチオ硫酸銀が水1Lに溶解された溶液を滴加し撹拌した後、約50℃の温度の反応器に4時間維持して、チオ硫酸銀の添加されたアルカリ性溶液(以下、この溶液を“BARODON−4”という)を得た。
【0018】
(製造実施例5)
製造実施例4と同様に実施するが、精製白糖の使用量を150Kgに変化させて、相対的に粘性の低いアルカリ性溶液(以下、この溶液を“BARODON−5”という)を得た。
【実施例1】
【0019】
*稲栽培耕作実験
韓国京畿道寶蓋面泥田里と韓国京畿道安城市大徳面明党里に位置する水田で稲を対象として製造実施例で得られた各溶液の“BARODON−1”、“BARODON−2” 、“BARODON−3”、“BARODON−4”“BARODON−5”の免疫増進効果と生育促進効果をテストした。
テスト方法は、上記“BARODON−1”〜“BARODON−5”を10倍の水に希釈した後、これを500倍の水に希釈した液に、種籾を24時間浸漬してから苗板に入れ、田植の2日前、上記希釈液を幼い苗に通常の農薬散布のような方法で散布した。そして、稲の出穂の2週前にもう一度希釈液を散布した。
実験結果、本発明の組成物を処理しなかった対照群に比べて実験群は苗板で幼い苗が均等で丈夫に成長し、冷害の発生もなかったし、田植から3日後に活着が済んだ。
また、立枯病、稲熱病及び紋枯病(sheath blight)の発生が殆どなく、耐倒伏性が向上して、台風後にも倒伏が殆どなかった。対照群の場合は約25%程度が台風に倒伏された。
段歩(300坪)当たり稲生産量は下記表1に示す。
【0020】
【表1】
【実施例2】
【0021】
*稲栽培耕作実験
梨木耕作地に蓄糞及び有機質堆肥を施肥した後、“BARODON −3”
を水で10倍に希釈した後、さらに500倍に希釈液を噴霧した後、ロータリーを設置した。梨花が開花する約2週前である四月初旬“BARODON −2”を1回散布した。その結果、この溶液で処理しなかった対照群に比べて約4〜5日だけ早い4月18日開花し、収穫日は9月15日で、対照群に比べて約15日程度早かった。収穫された梨は、シンゴ梨で、外観、大きさ、糖度などに優れて最高等級の判定を受けた。
すなわち、外観において、シンゴ梨の問題点である黒い斑点が60%以上消
え、凸凹した梨の外形が丸くてきれいになり、中空梨は全然発生しなく、台風による落花率は約20%程度減少し、大きさは対照群に比べて約15%程度増加し、糖度は13.0〜15.0BXで対照群に比べて約12%程度増加した。貯蔵性も対照群に比べて著しく増加した。
【実施例3】
【0022】
*生育状態実験
“BARODON −3”を水で16倍に希釈した液を下記の表2のような希
釈倍率に希釈して試験作物の葉面に散布した結果、背(cm)は15.6%、葉幅(cm)は8.7%、群葉生体重(g/pot)は7〜47%の増加率を示した。
【0023】
【表2】
【0024】
(製造実施例6)
製造実施例2で得た“BARODON −2”を水で10倍に希釈させた後、この溶液を配合飼料1トン当たり500g スプレー噴射して高機能性飼料(以下、この資料を“BARODON −6”という)を製造した。
【0025】
(製造実施例7)
製造実施例2で得た“BARODON −2”を水で10倍に希釈させた
溶液10リットルと精製白糖3Kg、塩化ナトリウム1Kg、水75Lを配合
飼料1トンに添加し発酵器に入れ混合撹拌しながら24時間発酵させて高機能性飼料(以下、この資料を“BARODON −7”という)を製造した。
【実施例4】
【0026】
“BARODON”の動物に対する増体効果及び免疫増強効果を確認するため、下記のような実験を実施した。
(1)増体効果実験(豚)
健康な15週齢(104±4日)の3元交雑種(Yorkshire×Landrace×Durroc)である去勢肥肉豚30頭を試験動物として選抜した。試験群は3群に区分し、大きさが横4m×縦4.2mである三つの豚舎に10頭ずつ配置し、1週間適応させた後、試験を開始した。
対照群、Tx−1群、及びTx−2群にそれぞれ10頭ずつ割り当てた。Tx−1群は製造実施例6で得た“BARODON −6”を、Tx−2群は製造実施例7で得た“BARODON −7”を3%添加した飼料を、対照群は“BARODON”が添加されていない同一飼料をそれぞれ9週間給与した後、3試験群共に一般飼料を給与した。試験期間に水と飼料は自由に摂取できるようにし、各群当たり10頭ずつ6週間の増体量、飼料摂取量及び飼料効率を測定した結果、1日増体量は対照群が842.86gであるに対し、Tx−1群は890.48gで対照群に比べて5.65%増加し、Tx−2群は880.95gで対照群に比べて4.52%増加した。
飼料摂取量は、対照群の場合2.71Kg、Tx−1群は2.77Kg、Tx−2群は2.65Kgを摂取し、飼料効率(飼料摂取量/増体量)は、対照群が3.22であるに対し、Tx−1群は3.11で3.54%改善され、Tx−2群は3.01で6.98%改善された。
【0027】
(2)肉質官能検査
上記試験群の肉質を健康な成人男女に試食させた後、官能評価した結果は次の表3に示す。
【表3】
・ 数字は試食会参加後、設問に応答した人の数である。
【0028】
(3)豚の抹消血液の免疫細胞分布検査
対照群とTx−1群及びTx−2群の豚白血球表面特異単クロン抗体と蛍光細胞流出装置(flow cytometer、FACSCalibur、Becton Dickinson Immunocytometry System、 San Jose、 CA.、 U.S.A.)を用いて時期別に豚抹消血液内免疫細胞である主組織集合体(major histocompatibility complex;HMC)発現細胞とリンパ球亜集団分布率に対する変化を検査した。
【0029】
(3−1)抹消血液から白血球分離
豚の前大静脈から採血した血液をACD(acid citrate dextrose)−EDTA(ethlenediamine tetraacetic acid)の添加された試験管に混合してよく混ぜ合わせた後、Hypaque Ficoll (Histopaque, Sigma, St. Louis, Mo., U.S.A.)に重層し、1,500rpmで30分間遠心分離した後、白血球を採集した。これを燐酸緩衝整理食塩水(phosphate buffered saline;PBS、 pH 7.2)で3回洗浄した後、RPMI−1640 培地(GibcoBRL、 Grand Island、 NY、 U.S.A.)に浮遊させた後、トリファンブルー排除法(tryphan blue exclusion technique)により生存細胞数を測定して、最終濃度が1×107個/mlとなるように検査に用いた。
【0030】
(3−2)白血球亜集団検査用単クロン抗体
豚の成長時期別免疫学的特性を検査するため、白血球の細胞表面抗原(cell surface molecules)であるMHC class I、MHC class II、Po(porcine)CD2、PoCD4、PoCD8、surface IgM (sIgM)、Non T/Non B (γδTCR)及び顆粒球と単球(G+M)(granulocyte及びmonocyte(G + M))に対する特異な白血球表面単クロン抗体(monoclonal antibody;MAb)など総9種を使用した(表4)。
【表4】
*Mab;特に白血球分化と反応性の単クローン抗体
**Molecules;豚の白血球分化分子
***Cell type;分子を表すセル
【0031】
(3−3)蛍光細胞流出装置分析
白血球亜群別分布率の分析はDavisなど(1990)の方法に準じてf
low cytometry CellQuestプログラムで実施した。レーザービームを用いる蛍光細胞流出装置による検査のため、細胞は1種又は2種の蛍光色素(fluorescein isothiocyanate;FITC、phycoerythrin;PE)を用いて間接法で標識される。V−bottom 96−well microplateの1ウェル当たり単クロン抗体50μl(15μg/ml)と血液から分離した1×107/mlの白血球100μlを添加した後、4℃で30分間感作させた後、4℃の第1洗浄バッファ(first washing buffer [PBS 450 ml、ACD 50 ml、20% NaN3 5 ml、gamma globulin free horse serum (GibcoBRL) 10 ml、250 mM EDTA 20 ml、0.5 % phenol red 1 ml])で3回遠心(1,700rpm、3分)、洗浄した後、上澄液を捨て、下部に集まった白血球のペレットをプレートミキサ又はボルテックスミキサ(Scientific Industries, Bohemia, NY., U.S.A.)で浮遊させた。
単一染色試験においては、2次抗体としてFITC−conjugated goat anti−mouse IgG+IgM antibody (Caltag Lab, U.S.A.)を200倍希釈した後、浮遊された白血球が入っている各ウェル(well)に100μlずつ添加した。これをさらに4℃で30分間感作させた後、第1洗浄バッファ成分からウマ血清(horse serum)のみを除去した4℃の第2洗浄バッファで3回遠心洗浄し、次いで2%PBS−formalin (38% formalin 20 ml, PBS 980 ml)溶液をウェル当たり200μlとなるように加えて固定させた。
二重染色試験においては、PoCD4 (FITC)と PoCD8 (PE), PoCD4 (FITC)と MHC class II (PE), PoCD8(FITC)と MHC class II (PE)をそれぞれ一対にして染色した。すなわち、白血球を二つの単クロン抗体と混ぜ合わせた後、単一染色に準じて1次感作させ、4℃の第1洗浄バッファで3回洗浄した。この後、それぞれの単クロン抗体のアイソタイプに特異性がある塩素由来抗体を、FITC共役である場合はウェル当たり1.0μg、PE共役である場合はウェル当たり0.1μgの濃度に希釈して入れ、4℃で30分間反応させた。次の洗浄と固定過程は単一染色と同じ方法で行った。
染色の済んだ細胞は、検査時まで4℃の冷暗所に保管した。染色の済んだ材料はフローサイトメトリーにより総2,000個以上の細胞を検査して陽性細胞数を測定し、測定と資料分析はFACScalibur及び CellQuest program (Becton Dickinson)で行った。
検査結果、Tx−1群及びTx−2群のCD4+Tリンパ球の比率が投与後3週経過から増加し始め投与後8週頃に対照群に比べて有意に高い結果を示した(p<0.05)。特に、Tx−1群の場合、図1に示すように、投与後8週から13週にわたって高い水準を維持した(p<0.05)。
【0032】
CD8+Tリンパ球の場合、投与後3週頃にTx−2群で高い比率を示した
が(p<0.01)、投与後8週頃からは有意な違いを示さなかった。マクロファージ(macrophage)が大部分であるMHC class 2発現細胞の場合、Tx−1群では投与後11週に有意に高い結果を示し(p<0.05)、Tx−2群では投与後8週に有意に高い比率を示した(図2)。
また、Non T/Non B(Nリンパ球)の比率も対照群に比べTx−2群で投与3週経過から高い比率を示して(p<0.01)非特異免疫の防御反応と特異免疫防御反応共に亢進される可能性を示し、投与後11週から13週まで多少高い水準に維持された(p<0.01)(図3)。
“BARODON”投与群では、Tx−2群でのMHC−class 2発現細胞の増加比率がTx−1群に比べ3週ないし8週まで著しく(p<0.05)(図2)、CD4、CD8発現細胞の比率も投与3週頃にTx−2群が多少高く(p<0.1)(図1、図4)、Tx−1群とTx−2群間のNon T/Non Bリンパ球の比率は投与13週頃に有意な違いを示した(p<0.1)(図3)。
【0033】
(4)血液及びリンパ節リンパ球活性力試験
血液及びリンパ節リンパ球活性力を測定するため、Con A、PHA、PW
M及びLPSを用いて刺激させた後、放射性同位元素(radioisotope)[3H]−チミジン(thymidine)を添加した後、増殖性を確認した。血液から分離したリンパ球を対象としてPWMで刺激した場合、“BARODON”添加飼料投与後8週経過時、Tx−2群で対照群に比べて有意に高い刺激指数(stimulation index;SI)を示し(p<0.05)、11週経過後にはTx−1群とTx−2群共にCon Aを始めとするPHA、PWM、LPSの刺激によるリンパ球増殖性が対照群に比べて有意に高いSIを示した(p<0.01)。
腸間膜リンパ節リンパ球を用いるリンパ球の増殖性分析においては、投与後8週からPHA(P<0.05)とPWM(p<0.01)の刺激のとき、対照群に比べて有意に高いSIを示し、11週経過ではTx−1群はCon AとPHAによるリンパ球増殖が対照群に比べて高い有意な違い(p<0.01)が認められ、Tx−2群の場合、Con A、PHA及びPWMの刺激時、対照群に比べて有意に高い(p<0.05)SI値を示した(図5及び図6)。
【0034】
(5)免疫組織化学法によるリンパ節及び脾臓のCD4+CD8+Tリンパ球亜集団分布調査
ABC法で免疫染色し画像分析器(image analyzer (Oym
pus, U.S.A.))で腸間膜リンパ節と脾臓での CD4+、 CD8+、及び CD4+CD8+ dpp Tリンパ球の数を確認した結果、脾臓では、CD4+はTx−2群でだけ、CD8+、及び CD4+CD8+ dpp Tリンパ球はTx−1群、Tx−2群で共に有意に増加し(p<0.001)(表5)、腸間膜リンパ節では、Tx−1群、Tx−2群共にCD4+、 CD8+、及び CD4+CD8+ dpp Tリンパ球の数が有意に増加したことを確認することができた(p<0.01)(表6)。特に、Tx−2群がTx−1群に比べて有意に高い分布を示した(p<0.01)。
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
(6)豚コレラワクチン接種による抗体形成能後進効果試験
豚コレラワクチンの接種後、“BARODON”含有飼料を給与した群(T
x−1、Tx−2)と対照群間の豚コレラ抗体形成能をIFA testで試験した結果、“BARODON”投与3週経過後から試験群が対照群に比べて段々増加し始め、投与後11週頃に試験群が対照群に比べて高い抗体価を示し、特にTx−1群での有意に高い抗体価を示した(p<0.01)(図7)。
【0038】
(7)家禽のチフスにかかった鶏群に対する非抗生剤投与効果の試験
家禽チフスに感染された家禽チフスの鶏群10,000羽に、製造実施例7で得た“BARODON −7”を飼料に5重量%混合した飼料を10週間給与させた結果は下記の表7に示す。この期間中に抗生剤は一切投与しなかった。試験群は試験開始15週まで平均0.3%程度の廃死率を維持したが、対照群10,000羽は試験開始4週後に殆どが廃死した。
【0039】
【表7】
@各鶏群共に10,000羽の規模
【0040】
(8)乳房炎乳牛の体細胞減少効果試験
準臨床型乳房炎乳牛に対する体細胞減少効果を確認するため、製造実施例7で得た“BARODON −7”を5重量%混合した飼料を2ヶ月間給与した結果は下記の表8に示す。下記表の“液剤”は、“BARODON −2”の100倍希釈液で消毒したタオルで乳牛の乳房を洗浄処理したものを意味し、“水に希釈”とは乳牛が飲む水に“BARODON −2”の200倍希釈させて飲ませるようにしたものを意味する。“q”は乳房の数を示す。
【0041】
【表8】
【0042】
また、乳房炎の主原因菌に対する減少効果は下記の表9に示す。
【表9】
【実施例5】
【0043】
製造実施例5で製造された“BARODON −5”の人体の免疫増進に及
ぶ効果を確認するため、“BARODON −5”の原液を水に100倍希釈した溶液を紙にスプレー噴射してから乾燥させた後、印刷した子供用教科書を日本、大阪市に位置する日本遠赤外線応用研究会に依頼してQRS波動測定を行った結果を下記の表10に示す。QRS波動数値は10,00〜20,00である場合、人体に及ぶ効果が最上である。
【0044】
【表10】
【実施例6】
【0045】
*毒性試験
“BARODON”の毒性を試験するため、“BARODON −4”を1
0倍希釈した液を韓国化学研究所安定性研究センターに依頼し、ラットを用いる急性毒性試験(試験番号:S−700)を実施した。試験方法は、国立保健安全研究院第94−3号の“医薬品などの毒性試験基準(1994年4月14日)”と保健社会部告示第87−80号の“医薬品安全性試験管理基準(KGLP、1987年10月29日)”に準じて実施した。
試験結果、雌雄の動物において、試験物質の投与に起因する死亡動物、一般症状、体重変化及び剖検所見は観察されなく、試験物質のLD50値は雌雄共に5,000mg/kgを上回ると報告された。
このような結果は、本発明の組成物を人体に適用する場合にも毒性を表さないことを意味する。
【実施例7】
【0046】
*突然変異誘発性試験
“BARODON”の突然変異誘発性を試験するため、“BARODON −4”を10倍希釈した液を韓国化学研究所安定性研究センターに依頼し、サルモネラ菌(Salmonella typhimurium)のヒスチジン要求性TA100とTA1535(塩基対置換型)及びTA98とTA1537(frame shift型)を用いる復帰突然変異試験(試験番号:S−694)を実施した。
試験方法は、国立保健安全研究院第94−3号の“医薬品などの毒性試験基
準(1994年4月14日)”と保健社会部告示第87−80号の“医薬品安全性試験管理基準(KGLP、1987年10月29日)”に準じて実施した。
試験結果、4個の試験菌株から共に陰性の結果が得られ、よって試験物質は試験菌株に対してHis−⇒His+の復帰突然変異を誘発しないものと報告された。このような結果は、本発明の組成物を人体に適用する場合にも安全であることを意味する。
【実施例8】
【0047】
*受精卵の細胞増殖誘発効果試験
牛卵巣から回収した未成熟卵巣を24時間体外成熟させ、20時間体外受精
させた後、製造実施例4により製造された“BARODON −4”を10倍希釈した液をさらに500倍、200倍、100倍及び50倍に希釈した培養液に入れ、対照区と一緒に9日間培養した。また、屠畜場で回収した牛受卵管と卵巣から卵管上皮細胞(BOEC)、顆粒膜細胞(GC)を採取し上記培養液で3世代まで体外培養した。細胞数は血球計算板(hemocytometer)で測定した。
培養結果、体外受精卵の卵割率は、それぞれ(60.0%)、62.4%(500倍希釈液)、66.3%(200倍希釈液)、73.7%(100倍希釈液)及び74.0%(50倍希釈)であり、胚盤胞胚の発生率はそれぞれ13.3%(対照区)、20.0%(500倍希釈液)、21.3%(200倍希釈液)、18.4%(100倍希釈液)及び11.0%(50倍希釈液)であった。卵状上皮細胞の数は2.0×105(対照区)、2.4×105(500倍希釈液)、2.5×105(200倍希釈液)、2.6×105(100倍希釈液)及び2.5×105(50倍希釈液)であり、顆粒膜細胞の数はそれぞれ3.2×105(対照区)、3.9×105(500培希釈液)、3.7×105(200倍希釈液)、2.7×105(100倍希釈液)及び2.8×105(50倍希釈液)であった。
以上の結果から、卵状上皮細胞、顆粒膜細胞培養と受精卵の培養において、本発明の組成物は細胞増殖と受精卵の胚盤胞胚の増殖及び発達に影響を及ぼし、そのうち、500倍と200倍に希釈したとき、受精卵に対する胚盤胞胚の増殖率が50.4〜60.2%に大きく増加したことがわかった。
【実施例9】
【0048】
*抗癌効果試験
“BARODON −4”を600〜900倍に希釈して4種の腫瘍(癌)
細胞に対する抗癌効果を試験した。
米国、メリーランド、ロックビルにあるAmerican Type Culture Collectionから人体白血病の白血球(Jurkat)、人間肺の癌細胞(NCl−H69)、人体甲状腺癌細胞(SW579)及び人間の骨髄肉腫(osteogenic sarcoma(U−2 OS))を求めた。“BARODON−4”をそれぞれ1/600、1/700、1/800及び1/900の比率で希釈し、この腫瘍細胞を培養し、この細胞が副培養(subculture)される都度、細胞を検査し、その増加率を計算した。各経過の生細胞を計算するにはトリファンブルー(tryphan blue)染色方法が使用された。
本格的な実験に先立ち、一般細胞を上記希釈液に培養した結果は下記の表11に示す。これから、上記希釈液は繊維芽細胞(fibroblast)の生長率を抑制することも成長に影響を及ぼすこともなく、ハムスターの腎臓細胞の増殖も防がなかったことがわかる。
【0049】
【表11】
*0.4%トリファンブルー染料で試験して顕微鏡で測定した。
【0050】
上記4種の癌細胞を上記希釈液に培養した結果を下記の表12に示す。
これから、本発明の組成物は人体腫瘍細胞を除去しながらも正常細胞を害しないことがわかる。
したがって、本発明の組成物は人体腫瘍の数種類を治療するに有用に使用でき、その効果は腫瘍の種類によって違う。
【0051】
【表12】
*0.4%トリファンブルー染料で試験して顕微鏡で測定した。
【実施例10】
【0052】
*新鮮度維持効果試験
新鮮度の良好な生魚(鱈)をドライアイスで急速凍結させた後、実験室に運搬
し、“BARODON −2”0.05、0.1、0.2及び0.5%濃度の溶液に10分間浸漬し、0℃で7日間貯蔵した各魚類の新鮮度を調査した。
魚類の鮮度指標として、蛋白質の変成を示す筋肉のCa−ATPase活性を測定する方法を使用した。結果は、0.5%溶液に浸漬した群の鮮度維持効果が最も優秀であり、5日間最初の鮮度がそのまま維持された(図8)。
【実施例11】
【0053】
*“BARODON”の水活性化効果試験
製造実施例5で得た“BARODON −5”を水に1:2800及び1:
5600の比率で希釈した希釈液に対するH2Oの17O−NMR測定試験を実施した。使用装置は日本ウォーターサイエンス研究会で所蔵しているJNM−EX270であり、測定温度は20℃であった。対照区である水道水の17O吸収波長帯は149.6Hz(半値幅)であったが(図9)、1/2800希釈液では53.6Hzであり(図10)、1/5600希釈液では54.7Hzであった(図11)。
上記結果は、水道水は水分子間の結合単位が大きいか小さい種々の集合体である非晶質状であり、本発明の組成物が添加された希釈液は、水分子が結合単位において最小の結合数で一定に結合された結晶状に近い形態であることを示すものである。水分子の結合数が小さいとは流動性と生体浸透性に優れ、活性化されたことを意味する。活性化された水は、人間と動植物の生育に効果的に適用できるので、本発明の組成物は飲用水添加剤、廃水処理剤として有用に使用できる。
【実施例12】
【0054】
*pH測定及び中和滴定時の挙動試験
製造実施例4で得た“BARODON −4”の原液のpHを測定した結果、
13.20の強アルカリ性であった。これを0.1N塩酸で中和滴定を行った結果、接触部分で凝固が進行し、相当量の塩酸を添加しても溶液のpHの変化がなかった。これは、本発明の組成物が十分にイオン化されて反応性が高いことを意味するものである。
上記原液を1,000倍希釈して0.1N HClで中和滴定を行いながら顕微鏡で観察した結果、凝固物と気泡の発生が観察されなかった。しかし、この場合はpHが調節された。
上記結果は、適正量を使用する場合、人間又は家畜が摂取した後、胃内で塩酸と反応して沈澱物が生成しないことと、塩酸と反応して気泡を発生させないので、過量摂取するときにもガスの発生による問題発生のおそれがないことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】試験群及び対照群豚のCD4+Tリンパ球の比率変化を示すグラフである。
【図2】試験群及び対照群豚のMHC class 2発現細胞の比率変化を示すグラフである。
【図3】試験群及び対照群豚のNon T/Non B(Nリンパ球)の比率変化を示すグラフである。
【図4】試験群及び対照群豚のCD8+Tリンパ球の比率変化を示すグラフである。
【図5】試験群及び対照群豚の血液から分離したリンパ球のCon A、PHA、PWM、LPSの刺激によるリンパ球の増殖性を示すグラフである。
【図6】試験群及び対照群豚の腸間膜リンパ節リンパ球のCon A、PHA、PWM、LPSの刺激によるリンパ球増殖性を示すグラフである。
【図7】試験群及び対照群豚の豚コレラ抗体形成能を示すグラフである。
【図8】試験群及び対照群鱈のCa−ATPase活性変化を示すグラフである。
【図9】水道水の17O吸収波長帯を示すNMR測定結果を示すグラフである。
【図10】本発明の組成物が添加された水の17O吸収波長帯を示すNMR測定結果を示すグラフである。
【図11】本発明の組成物が添加された水の17O吸収波長帯を示すほかのNMR測定結果を示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、多目的の高機能性アルカリ溶液組成物及びその製造方法と非特異性免疫増強剤としての用途に関する。
また、本発明は、より詳しくはメタ珪酸ナトリウム(5水塩)を主成分とするアルカリ溶液組成物及びその製造方法とその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
アルカリ物質の機能性については、20世紀初めから研究が始まり、多くの研究によると、最近、体質がアルカリ性になる場合、カリウムとナトリウムのイオン化率が上昇して血液の浄化能力を高めて血液を澄ませ、疲労回復の速度を向上させ、老化を遅延させることが明らかにされた。
このようなアルカリ溶液組成物は、本発明者により発明された韓国特許第128,110号が公開された後、いろいろの分野の産業に適用されている。
上記特許の組成物は、珪酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、精製白糖及びチオ硫酸を水溶液中に含有させ、その重量比が、炭酸ナトリウム1を基準として珪酸ナトリウム10〜18、過酸化ナトリウム0.1〜0.5、炭酸ナトリウム5〜10、精製白糖10〜18、チオ硫酸0.1〜3.0から構成される。上記組成物は遠赤外線放射効率が高くて抗菌性及び脱臭性に優れて繊維製品の後処理用、飼料発酵用及び農業用に現在多く使用されている。
しかし、この技術は製造工程が複雑で長期保管が不便な問題点と、抗ウィルス剤及び汎用非特異性免疫増強剤としては使用できないという問題点がある。
【0003】
一方、最近、抗生剤の誤用、濫用による多くの副作用が明かされるにしたがって、抗生剤の使用量を減らすため、生体免疫を総合的に増強させることにより、ワクチン接種効果の増進をもたらすか、外部から侵入する疾病原因体に対する生体防御能亢進を誘導する非特異免疫増強剤(Nonspecific Immunostimulators:以下、“NIS”という)の開発が世界的に集中されており、日本国では食用キノコ(Lentinus edoddes)から抽出した成分が抗癌効果があるという研究結果が発表された。
また、バクテリアから由来したNISは1世紀以上研究されてきた。最近には、抗体形成及びサイトカイン(cytokine)誘導効果とともに免疫機能亢進に関する研究が活発に進行されている。例えば、Norcardia opaca由来の細胞壁成分は、マウスから由来した腹腔マクロファージ(macrophage)の活性化を誘発するものと発表され(Barot−Ciobaruなど、1987)、Klebsiella pneumoniaeから由来したRU411740、Propionibacterium avidumから由来したKP−40、Quillaja saponariaから由来したQH−Bなどもcytokinesの誘導及び免疫細胞の刺激性に関連して研究されている(Besslerなど、1997;Nimierなど、1999;Ronnbergなど、1997;Siwikiなど、1998;Tewariなど、1996)。最近にはimmunostimulatory motifsと呼ばれるbacterial DNAから由来したCPG motifが免疫細胞においてIL−6、IL−12、IL−18及びIFN−γの発現を効果的に誘導するものと報告されたことがある(Bohleなど、1999;Klinmanなど、1999;Krieg、1999)。
しかし、今まで人間はもちろん、動植物にも適用させ得る生産工程が簡単であり、長期保管が容易であり、低廉なNISが開発されたことはない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、本発明者らにより開発された上記特許をさらに改良したもので、生産及び長期保管が容易であり、抗菌、抗ウィルス作用を果たし、非特異免疫増強剤(NIS)として使用できるアルカリ溶液組成物を提供することを目的とする。
また、本発明のほかの目的は、この組成物の製造方法及び用途を提供することである。
また、本発明のほかの目的は、家畜の増体率を向上させ、作物の収穫量を増大させることである。
また、本発明のほかの目的は、農産物、魚類又は家畜の肉質の新鮮度を長期間維持させることである。
また、本発明のほかの目的は、抗癌効果を有する無毒性非特異免疫増強剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の組成物は、メタ珪酸ナトリウム(Na2SiO3(5H2O)100重量部に対し、硼砂(Na2B4O7(10H2O)1〜15重量部、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3(5H2O)10−5〜10−4重量部、炭酸カリウム30〜150重量部、精製白糖(C12H22O11)30〜200重量部、水100〜200重量部を含み、必要に応じて塩化ナトリウム、チオ硫酸銀、モリブデン酸ナトリウムから選択された1種以上が添加できる。上記組成物は、使用時、水に10〜10,000倍希釈して使用することが好ましい。
本発明の製造方法は、メタ珪酸ナトリウム、硼砂、チオ硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどナトリウム化合物と無水炭酸カリウムを60〜80℃の水に順次投入して2〜3時間撹拌しながら溶解させた後、精製白糖を投入し、2〜4時間撹拌することからなる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の組成物は、動植物に適用する場合、耐病性向上、増体率、又は収穫量増加収穫物の品質向上、早期収穫などの効果が得られ、悪性、難治性及びウィルス性疾病の場合はワクチンの効果を極大化させ、別の抗生剤を使用しなくても抗体形成及び免疫増強効果が卓越して優れた効果を収めることができる。
また、動物又は人間の体内で増殖される特定種類の腫瘍の除去又は増殖抑制に著しい効果があるので、その治療剤又は予防剤として効果的に使用できる。そのほかに、本発明の組成物を飼料に添加して家畜に給与すると、畜舎の悪臭がなくなり、害虫の発生が防止される。また、本発明の組成物は、食品の保管の際に、鮮度を長期間維持できるようにするので、鮮度維持剤として効果的に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用されるメタ珪酸ナトリウムは、5分子の結晶水を含有しており、
二酸化珪素(SiO2)の含量が27.5〜29.0%であり、酸化ナトリウム(Na2O)の含量が28.5〜30.0%で誤差範囲が2%未満であり、市販の液状の珪酸ナトリウに比べて非常に安定する。性状は、白色粉末又は粒状であり、精密計量が容易あり、長期保管及び運搬などが便利である。水に溶解したときは強アルカリ性を呈し、構成元素中の珪素は動植物の成長に必須的な元素である。
【0008】
本発明の組成物のうち、硼砂は10分子の結晶水を含有する比重1.715の物質で、構成元素中の硼素(B)は動植物に欠乏しやすい微量元素である。土壌において硼素成分が不足した場合には、着果が良くなく、障害果実が多く発生する。硼砂は防菌剤、防虫剤、止血又は収斂剤、釉薬原料などに主として使用されている。特に、硼砂は金属酸化物とともに溶解されるとき、これを溶かす特性がある。水に溶解されたときのpHは9.5程度であり、本発明の構成上、適切な使用量は、珪酸ナトリウム100重量部に対して1〜15重量部の範囲内で用途によって調節される。上記範囲を外れる場合には毒性が発現するおそれがある。
【0009】
本発明に使用されるチオ硫酸ナトリウムは、5分子の結晶水を有し、アルコールには溶けなく、水に溶ける特異な塩辛い味がある物質である。水に溶けたとき、pHは6.5〜8.0程度の中性であり、ハロゲン化銀又はそのほかの銀塩を溶かす性質を有する。塩素除去剤、重金属除去剤又は鉱石から銀を抽出する用途に使用されている。チオ硫酸ナトリウムの適切な使用量は、珪酸ナトリウム100重量部に対して10−5〜10−4重量部であるが、この範囲を外れる場合には、動物に適用するとき、組織中のCaを沈降させて動物を興奮させ下痢を誘発する。
【0010】
本発明の組成物のうち、炭酸カリウムは水によく溶け、水溶液はpH11.6程度の強アルカリ性である。カリウムは、ナトリウムとともに生体に必須的な元素で、新陳代謝及び血液循環促進に必要な元素である。また、生体内でカリウムとナトリウム成分が調和をなすと、高血圧と糖尿病を効果的に予防することができる。その適切な使用量は、メタ珪酸ナトリウム100重量部に対して30〜150重量部である。上記範囲を外れる場合、動植物に適用するとき、ナトリウム/カリウムの均衡が破れるおそれがある。
【0011】
本発明の組成物のうち、精製白糖は溶解されてイオン化された無機物質が再結合することを防止して組成物を安定化させるとともに、使用された無機物質の性質を有機物質と類似した有機型物質に変換させる役割と、最終組成物の吸着又は付着性能を向上させる役割を果たす。この効能が発揮される適切な使用量は、メタ珪酸ナトリウム100重量部に対して30〜200重量部である。
【0012】
本発明の組成物に選択的に添加できる物質のうち、塩化ナトリウムはナトリウム/カリウムの比を調節するためのナトリウムの供給源としての役割を果たす。
チオ硫酸銀は、植物で生成されるエチレン剤の抑制剤又は植物の分化促進剤として主に使用されており、チオ硫酸イオンが含有された水溶液において、S2O32−の濃度が低い場合には[Ag(S2O32−)2]3−、S2O32−の濃度が高い場合には[Ag2(S2O32−)6]10−の多価陰イオンを形成させる特性がある。
本発明でチオ硫酸銀は、チオ硫酸ナトリウムとともに使用されて多価陰イオンを形成させるとともに、細胞の分化を促進させる役割を果たす。モリブデン酸ナトリウムは、動植物に欠乏しやすい微量元素であるモリブデンを供給する役割を果たす。その使用量は、微量で、みんなメタ珪酸ナトリウム100重量部に対して10−1重量部以内である。
【0013】
上記のような本発明の組成物は、完全に溶解された後、無臭、無毒性の薄黄色を呈する液体で、比重は1.43〜1.50、粘度61.0〜239.0、pH13程度の非常に安定的な組成物であり、特異な点は塩酸(HCl)で中和させてもめったに凝固されるかpHの変化が起こることがないという点である。
本発明者らは、長期間にわたる実験結果、上記のような構成の本発明の組成物は家畜にやる場合、増体率が向上し、作物に与える場合、収穫量が増加し、特に動植物に適用する場合、NISとしての効能が卓越したことを明かした。
上記組成物を直接飼料又は水に添加して投与するか、飼料添加し発酵させて家畜にやることにより、卓越した免疫増強効果を得ることができる。その例として、養豚産業に莫大な損失をもたらす豚流行性下痢(porcine epidemic diarrhea;PED)又は豚コレラを効果的に予防することができ、高い死亡率により養鶏産業に莫大な損失をきたす家禽のチフス(fowl typhoid)にも予防及び治療の効果があるのが確認され、乳牛の場合においても品質等級を決定する指標の一つである牛乳中の体細胞数を減少させることができる。また、家畜の成長を促進させることができ、肉質を向上させることができるだけでなく、畜舎内の悪臭除去にも効果的である。
肥料又は水に添加して植物に適用する場合にも、発芽及び成長促進、耐病性向上、生産量増加、収穫物の品質向上などの優れた効果を収めることができる。
本発明の実施例を次に示す。
【0014】
(製造実施例1)
メタ珪酸ナトリウム(5水塩)300Kg、硼砂(10水塩)35Kg、チオ硫酸ナトリウム0.01Kg、塩化ナトリウム1Kg、炭酸カリウム150Kgを60〜80℃の精製水500Kgに順次投入しながら3時間撹拌して溶解させた後、精製白糖450Kgを投入し4時間にわたって連続的に撹拌してpH13程度のアルカリ性溶液(以下、この溶液を“BARODON−1”という)を得た。
【0015】
(製造実施例2)
製造実施例1によって得られた溶液“BARODON−1”1436Kgに、0.02Kgのチオ硫酸銀が水1L(リットル)に溶解された溶液を滴加して撹拌した後、約50℃の温度の反応器で4時間維持して、チオ硫酸銀の添加されたアルカリ性溶液(以下、この溶液を“BARODON−2”という)を得た。
【0016】
(製造実施例3)
100℃の精製水5Lにモリブデン酸ナトリウム(Na2MoO42H2O)0.3Kgを撹拌しながら投入して、無色、無臭の水溶液を収得し、この水溶液を“BARODON−1”に滴加して撹拌した後、約50℃の温度の反応器で4時間維持して、モリブデン酸ナトリウムの添加されたアルカリ性溶液(以下、この溶液を“BARODON−3”という)を得た。
【0017】
(製造実施例4)
製造実施例1と同様に実施するが、硼砂の使用量を6Kgに、炭酸カリウムを300Kgに変化させて得たアルカリ性溶液1557Kgに、0.02Kgのチオ硫酸銀が水1Lに溶解された溶液を滴加し撹拌した後、約50℃の温度の反応器に4時間維持して、チオ硫酸銀の添加されたアルカリ性溶液(以下、この溶液を“BARODON−4”という)を得た。
【0018】
(製造実施例5)
製造実施例4と同様に実施するが、精製白糖の使用量を150Kgに変化させて、相対的に粘性の低いアルカリ性溶液(以下、この溶液を“BARODON−5”という)を得た。
【実施例1】
【0019】
*稲栽培耕作実験
韓国京畿道寶蓋面泥田里と韓国京畿道安城市大徳面明党里に位置する水田で稲を対象として製造実施例で得られた各溶液の“BARODON−1”、“BARODON−2” 、“BARODON−3”、“BARODON−4”“BARODON−5”の免疫増進効果と生育促進効果をテストした。
テスト方法は、上記“BARODON−1”〜“BARODON−5”を10倍の水に希釈した後、これを500倍の水に希釈した液に、種籾を24時間浸漬してから苗板に入れ、田植の2日前、上記希釈液を幼い苗に通常の農薬散布のような方法で散布した。そして、稲の出穂の2週前にもう一度希釈液を散布した。
実験結果、本発明の組成物を処理しなかった対照群に比べて実験群は苗板で幼い苗が均等で丈夫に成長し、冷害の発生もなかったし、田植から3日後に活着が済んだ。
また、立枯病、稲熱病及び紋枯病(sheath blight)の発生が殆どなく、耐倒伏性が向上して、台風後にも倒伏が殆どなかった。対照群の場合は約25%程度が台風に倒伏された。
段歩(300坪)当たり稲生産量は下記表1に示す。
【0020】
【表1】
【実施例2】
【0021】
*稲栽培耕作実験
梨木耕作地に蓄糞及び有機質堆肥を施肥した後、“BARODON −3”
を水で10倍に希釈した後、さらに500倍に希釈液を噴霧した後、ロータリーを設置した。梨花が開花する約2週前である四月初旬“BARODON −2”を1回散布した。その結果、この溶液で処理しなかった対照群に比べて約4〜5日だけ早い4月18日開花し、収穫日は9月15日で、対照群に比べて約15日程度早かった。収穫された梨は、シンゴ梨で、外観、大きさ、糖度などに優れて最高等級の判定を受けた。
すなわち、外観において、シンゴ梨の問題点である黒い斑点が60%以上消
え、凸凹した梨の外形が丸くてきれいになり、中空梨は全然発生しなく、台風による落花率は約20%程度減少し、大きさは対照群に比べて約15%程度増加し、糖度は13.0〜15.0BXで対照群に比べて約12%程度増加した。貯蔵性も対照群に比べて著しく増加した。
【実施例3】
【0022】
*生育状態実験
“BARODON −3”を水で16倍に希釈した液を下記の表2のような希
釈倍率に希釈して試験作物の葉面に散布した結果、背(cm)は15.6%、葉幅(cm)は8.7%、群葉生体重(g/pot)は7〜47%の増加率を示した。
【0023】
【表2】
【0024】
(製造実施例6)
製造実施例2で得た“BARODON −2”を水で10倍に希釈させた後、この溶液を配合飼料1トン当たり500g スプレー噴射して高機能性飼料(以下、この資料を“BARODON −6”という)を製造した。
【0025】
(製造実施例7)
製造実施例2で得た“BARODON −2”を水で10倍に希釈させた
溶液10リットルと精製白糖3Kg、塩化ナトリウム1Kg、水75Lを配合
飼料1トンに添加し発酵器に入れ混合撹拌しながら24時間発酵させて高機能性飼料(以下、この資料を“BARODON −7”という)を製造した。
【実施例4】
【0026】
“BARODON”の動物に対する増体効果及び免疫増強効果を確認するため、下記のような実験を実施した。
(1)増体効果実験(豚)
健康な15週齢(104±4日)の3元交雑種(Yorkshire×Landrace×Durroc)である去勢肥肉豚30頭を試験動物として選抜した。試験群は3群に区分し、大きさが横4m×縦4.2mである三つの豚舎に10頭ずつ配置し、1週間適応させた後、試験を開始した。
対照群、Tx−1群、及びTx−2群にそれぞれ10頭ずつ割り当てた。Tx−1群は製造実施例6で得た“BARODON −6”を、Tx−2群は製造実施例7で得た“BARODON −7”を3%添加した飼料を、対照群は“BARODON”が添加されていない同一飼料をそれぞれ9週間給与した後、3試験群共に一般飼料を給与した。試験期間に水と飼料は自由に摂取できるようにし、各群当たり10頭ずつ6週間の増体量、飼料摂取量及び飼料効率を測定した結果、1日増体量は対照群が842.86gであるに対し、Tx−1群は890.48gで対照群に比べて5.65%増加し、Tx−2群は880.95gで対照群に比べて4.52%増加した。
飼料摂取量は、対照群の場合2.71Kg、Tx−1群は2.77Kg、Tx−2群は2.65Kgを摂取し、飼料効率(飼料摂取量/増体量)は、対照群が3.22であるに対し、Tx−1群は3.11で3.54%改善され、Tx−2群は3.01で6.98%改善された。
【0027】
(2)肉質官能検査
上記試験群の肉質を健康な成人男女に試食させた後、官能評価した結果は次の表3に示す。
【表3】
・ 数字は試食会参加後、設問に応答した人の数である。
【0028】
(3)豚の抹消血液の免疫細胞分布検査
対照群とTx−1群及びTx−2群の豚白血球表面特異単クロン抗体と蛍光細胞流出装置(flow cytometer、FACSCalibur、Becton Dickinson Immunocytometry System、 San Jose、 CA.、 U.S.A.)を用いて時期別に豚抹消血液内免疫細胞である主組織集合体(major histocompatibility complex;HMC)発現細胞とリンパ球亜集団分布率に対する変化を検査した。
【0029】
(3−1)抹消血液から白血球分離
豚の前大静脈から採血した血液をACD(acid citrate dextrose)−EDTA(ethlenediamine tetraacetic acid)の添加された試験管に混合してよく混ぜ合わせた後、Hypaque Ficoll (Histopaque, Sigma, St. Louis, Mo., U.S.A.)に重層し、1,500rpmで30分間遠心分離した後、白血球を採集した。これを燐酸緩衝整理食塩水(phosphate buffered saline;PBS、 pH 7.2)で3回洗浄した後、RPMI−1640 培地(GibcoBRL、 Grand Island、 NY、 U.S.A.)に浮遊させた後、トリファンブルー排除法(tryphan blue exclusion technique)により生存細胞数を測定して、最終濃度が1×107個/mlとなるように検査に用いた。
【0030】
(3−2)白血球亜集団検査用単クロン抗体
豚の成長時期別免疫学的特性を検査するため、白血球の細胞表面抗原(cell surface molecules)であるMHC class I、MHC class II、Po(porcine)CD2、PoCD4、PoCD8、surface IgM (sIgM)、Non T/Non B (γδTCR)及び顆粒球と単球(G+M)(granulocyte及びmonocyte(G + M))に対する特異な白血球表面単クロン抗体(monoclonal antibody;MAb)など総9種を使用した(表4)。
【表4】
*Mab;特に白血球分化と反応性の単クローン抗体
**Molecules;豚の白血球分化分子
***Cell type;分子を表すセル
【0031】
(3−3)蛍光細胞流出装置分析
白血球亜群別分布率の分析はDavisなど(1990)の方法に準じてf
low cytometry CellQuestプログラムで実施した。レーザービームを用いる蛍光細胞流出装置による検査のため、細胞は1種又は2種の蛍光色素(fluorescein isothiocyanate;FITC、phycoerythrin;PE)を用いて間接法で標識される。V−bottom 96−well microplateの1ウェル当たり単クロン抗体50μl(15μg/ml)と血液から分離した1×107/mlの白血球100μlを添加した後、4℃で30分間感作させた後、4℃の第1洗浄バッファ(first washing buffer [PBS 450 ml、ACD 50 ml、20% NaN3 5 ml、gamma globulin free horse serum (GibcoBRL) 10 ml、250 mM EDTA 20 ml、0.5 % phenol red 1 ml])で3回遠心(1,700rpm、3分)、洗浄した後、上澄液を捨て、下部に集まった白血球のペレットをプレートミキサ又はボルテックスミキサ(Scientific Industries, Bohemia, NY., U.S.A.)で浮遊させた。
単一染色試験においては、2次抗体としてFITC−conjugated goat anti−mouse IgG+IgM antibody (Caltag Lab, U.S.A.)を200倍希釈した後、浮遊された白血球が入っている各ウェル(well)に100μlずつ添加した。これをさらに4℃で30分間感作させた後、第1洗浄バッファ成分からウマ血清(horse serum)のみを除去した4℃の第2洗浄バッファで3回遠心洗浄し、次いで2%PBS−formalin (38% formalin 20 ml, PBS 980 ml)溶液をウェル当たり200μlとなるように加えて固定させた。
二重染色試験においては、PoCD4 (FITC)と PoCD8 (PE), PoCD4 (FITC)と MHC class II (PE), PoCD8(FITC)と MHC class II (PE)をそれぞれ一対にして染色した。すなわち、白血球を二つの単クロン抗体と混ぜ合わせた後、単一染色に準じて1次感作させ、4℃の第1洗浄バッファで3回洗浄した。この後、それぞれの単クロン抗体のアイソタイプに特異性がある塩素由来抗体を、FITC共役である場合はウェル当たり1.0μg、PE共役である場合はウェル当たり0.1μgの濃度に希釈して入れ、4℃で30分間反応させた。次の洗浄と固定過程は単一染色と同じ方法で行った。
染色の済んだ細胞は、検査時まで4℃の冷暗所に保管した。染色の済んだ材料はフローサイトメトリーにより総2,000個以上の細胞を検査して陽性細胞数を測定し、測定と資料分析はFACScalibur及び CellQuest program (Becton Dickinson)で行った。
検査結果、Tx−1群及びTx−2群のCD4+Tリンパ球の比率が投与後3週経過から増加し始め投与後8週頃に対照群に比べて有意に高い結果を示した(p<0.05)。特に、Tx−1群の場合、図1に示すように、投与後8週から13週にわたって高い水準を維持した(p<0.05)。
【0032】
CD8+Tリンパ球の場合、投与後3週頃にTx−2群で高い比率を示した
が(p<0.01)、投与後8週頃からは有意な違いを示さなかった。マクロファージ(macrophage)が大部分であるMHC class 2発現細胞の場合、Tx−1群では投与後11週に有意に高い結果を示し(p<0.05)、Tx−2群では投与後8週に有意に高い比率を示した(図2)。
また、Non T/Non B(Nリンパ球)の比率も対照群に比べTx−2群で投与3週経過から高い比率を示して(p<0.01)非特異免疫の防御反応と特異免疫防御反応共に亢進される可能性を示し、投与後11週から13週まで多少高い水準に維持された(p<0.01)(図3)。
“BARODON”投与群では、Tx−2群でのMHC−class 2発現細胞の増加比率がTx−1群に比べ3週ないし8週まで著しく(p<0.05)(図2)、CD4、CD8発現細胞の比率も投与3週頃にTx−2群が多少高く(p<0.1)(図1、図4)、Tx−1群とTx−2群間のNon T/Non Bリンパ球の比率は投与13週頃に有意な違いを示した(p<0.1)(図3)。
【0033】
(4)血液及びリンパ節リンパ球活性力試験
血液及びリンパ節リンパ球活性力を測定するため、Con A、PHA、PW
M及びLPSを用いて刺激させた後、放射性同位元素(radioisotope)[3H]−チミジン(thymidine)を添加した後、増殖性を確認した。血液から分離したリンパ球を対象としてPWMで刺激した場合、“BARODON”添加飼料投与後8週経過時、Tx−2群で対照群に比べて有意に高い刺激指数(stimulation index;SI)を示し(p<0.05)、11週経過後にはTx−1群とTx−2群共にCon Aを始めとするPHA、PWM、LPSの刺激によるリンパ球増殖性が対照群に比べて有意に高いSIを示した(p<0.01)。
腸間膜リンパ節リンパ球を用いるリンパ球の増殖性分析においては、投与後8週からPHA(P<0.05)とPWM(p<0.01)の刺激のとき、対照群に比べて有意に高いSIを示し、11週経過ではTx−1群はCon AとPHAによるリンパ球増殖が対照群に比べて高い有意な違い(p<0.01)が認められ、Tx−2群の場合、Con A、PHA及びPWMの刺激時、対照群に比べて有意に高い(p<0.05)SI値を示した(図5及び図6)。
【0034】
(5)免疫組織化学法によるリンパ節及び脾臓のCD4+CD8+Tリンパ球亜集団分布調査
ABC法で免疫染色し画像分析器(image analyzer (Oym
pus, U.S.A.))で腸間膜リンパ節と脾臓での CD4+、 CD8+、及び CD4+CD8+ dpp Tリンパ球の数を確認した結果、脾臓では、CD4+はTx−2群でだけ、CD8+、及び CD4+CD8+ dpp Tリンパ球はTx−1群、Tx−2群で共に有意に増加し(p<0.001)(表5)、腸間膜リンパ節では、Tx−1群、Tx−2群共にCD4+、 CD8+、及び CD4+CD8+ dpp Tリンパ球の数が有意に増加したことを確認することができた(p<0.01)(表6)。特に、Tx−2群がTx−1群に比べて有意に高い分布を示した(p<0.01)。
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
(6)豚コレラワクチン接種による抗体形成能後進効果試験
豚コレラワクチンの接種後、“BARODON”含有飼料を給与した群(T
x−1、Tx−2)と対照群間の豚コレラ抗体形成能をIFA testで試験した結果、“BARODON”投与3週経過後から試験群が対照群に比べて段々増加し始め、投与後11週頃に試験群が対照群に比べて高い抗体価を示し、特にTx−1群での有意に高い抗体価を示した(p<0.01)(図7)。
【0038】
(7)家禽のチフスにかかった鶏群に対する非抗生剤投与効果の試験
家禽チフスに感染された家禽チフスの鶏群10,000羽に、製造実施例7で得た“BARODON −7”を飼料に5重量%混合した飼料を10週間給与させた結果は下記の表7に示す。この期間中に抗生剤は一切投与しなかった。試験群は試験開始15週まで平均0.3%程度の廃死率を維持したが、対照群10,000羽は試験開始4週後に殆どが廃死した。
【0039】
【表7】
@各鶏群共に10,000羽の規模
【0040】
(8)乳房炎乳牛の体細胞減少効果試験
準臨床型乳房炎乳牛に対する体細胞減少効果を確認するため、製造実施例7で得た“BARODON −7”を5重量%混合した飼料を2ヶ月間給与した結果は下記の表8に示す。下記表の“液剤”は、“BARODON −2”の100倍希釈液で消毒したタオルで乳牛の乳房を洗浄処理したものを意味し、“水に希釈”とは乳牛が飲む水に“BARODON −2”の200倍希釈させて飲ませるようにしたものを意味する。“q”は乳房の数を示す。
【0041】
【表8】
【0042】
また、乳房炎の主原因菌に対する減少効果は下記の表9に示す。
【表9】
【実施例5】
【0043】
製造実施例5で製造された“BARODON −5”の人体の免疫増進に及
ぶ効果を確認するため、“BARODON −5”の原液を水に100倍希釈した溶液を紙にスプレー噴射してから乾燥させた後、印刷した子供用教科書を日本、大阪市に位置する日本遠赤外線応用研究会に依頼してQRS波動測定を行った結果を下記の表10に示す。QRS波動数値は10,00〜20,00である場合、人体に及ぶ効果が最上である。
【0044】
【表10】
【実施例6】
【0045】
*毒性試験
“BARODON”の毒性を試験するため、“BARODON −4”を1
0倍希釈した液を韓国化学研究所安定性研究センターに依頼し、ラットを用いる急性毒性試験(試験番号:S−700)を実施した。試験方法は、国立保健安全研究院第94−3号の“医薬品などの毒性試験基準(1994年4月14日)”と保健社会部告示第87−80号の“医薬品安全性試験管理基準(KGLP、1987年10月29日)”に準じて実施した。
試験結果、雌雄の動物において、試験物質の投与に起因する死亡動物、一般症状、体重変化及び剖検所見は観察されなく、試験物質のLD50値は雌雄共に5,000mg/kgを上回ると報告された。
このような結果は、本発明の組成物を人体に適用する場合にも毒性を表さないことを意味する。
【実施例7】
【0046】
*突然変異誘発性試験
“BARODON”の突然変異誘発性を試験するため、“BARODON −4”を10倍希釈した液を韓国化学研究所安定性研究センターに依頼し、サルモネラ菌(Salmonella typhimurium)のヒスチジン要求性TA100とTA1535(塩基対置換型)及びTA98とTA1537(frame shift型)を用いる復帰突然変異試験(試験番号:S−694)を実施した。
試験方法は、国立保健安全研究院第94−3号の“医薬品などの毒性試験基
準(1994年4月14日)”と保健社会部告示第87−80号の“医薬品安全性試験管理基準(KGLP、1987年10月29日)”に準じて実施した。
試験結果、4個の試験菌株から共に陰性の結果が得られ、よって試験物質は試験菌株に対してHis−⇒His+の復帰突然変異を誘発しないものと報告された。このような結果は、本発明の組成物を人体に適用する場合にも安全であることを意味する。
【実施例8】
【0047】
*受精卵の細胞増殖誘発効果試験
牛卵巣から回収した未成熟卵巣を24時間体外成熟させ、20時間体外受精
させた後、製造実施例4により製造された“BARODON −4”を10倍希釈した液をさらに500倍、200倍、100倍及び50倍に希釈した培養液に入れ、対照区と一緒に9日間培養した。また、屠畜場で回収した牛受卵管と卵巣から卵管上皮細胞(BOEC)、顆粒膜細胞(GC)を採取し上記培養液で3世代まで体外培養した。細胞数は血球計算板(hemocytometer)で測定した。
培養結果、体外受精卵の卵割率は、それぞれ(60.0%)、62.4%(500倍希釈液)、66.3%(200倍希釈液)、73.7%(100倍希釈液)及び74.0%(50倍希釈)であり、胚盤胞胚の発生率はそれぞれ13.3%(対照区)、20.0%(500倍希釈液)、21.3%(200倍希釈液)、18.4%(100倍希釈液)及び11.0%(50倍希釈液)であった。卵状上皮細胞の数は2.0×105(対照区)、2.4×105(500倍希釈液)、2.5×105(200倍希釈液)、2.6×105(100倍希釈液)及び2.5×105(50倍希釈液)であり、顆粒膜細胞の数はそれぞれ3.2×105(対照区)、3.9×105(500培希釈液)、3.7×105(200倍希釈液)、2.7×105(100倍希釈液)及び2.8×105(50倍希釈液)であった。
以上の結果から、卵状上皮細胞、顆粒膜細胞培養と受精卵の培養において、本発明の組成物は細胞増殖と受精卵の胚盤胞胚の増殖及び発達に影響を及ぼし、そのうち、500倍と200倍に希釈したとき、受精卵に対する胚盤胞胚の増殖率が50.4〜60.2%に大きく増加したことがわかった。
【実施例9】
【0048】
*抗癌効果試験
“BARODON −4”を600〜900倍に希釈して4種の腫瘍(癌)
細胞に対する抗癌効果を試験した。
米国、メリーランド、ロックビルにあるAmerican Type Culture Collectionから人体白血病の白血球(Jurkat)、人間肺の癌細胞(NCl−H69)、人体甲状腺癌細胞(SW579)及び人間の骨髄肉腫(osteogenic sarcoma(U−2 OS))を求めた。“BARODON−4”をそれぞれ1/600、1/700、1/800及び1/900の比率で希釈し、この腫瘍細胞を培養し、この細胞が副培養(subculture)される都度、細胞を検査し、その増加率を計算した。各経過の生細胞を計算するにはトリファンブルー(tryphan blue)染色方法が使用された。
本格的な実験に先立ち、一般細胞を上記希釈液に培養した結果は下記の表11に示す。これから、上記希釈液は繊維芽細胞(fibroblast)の生長率を抑制することも成長に影響を及ぼすこともなく、ハムスターの腎臓細胞の増殖も防がなかったことがわかる。
【0049】
【表11】
*0.4%トリファンブルー染料で試験して顕微鏡で測定した。
【0050】
上記4種の癌細胞を上記希釈液に培養した結果を下記の表12に示す。
これから、本発明の組成物は人体腫瘍細胞を除去しながらも正常細胞を害しないことがわかる。
したがって、本発明の組成物は人体腫瘍の数種類を治療するに有用に使用でき、その効果は腫瘍の種類によって違う。
【0051】
【表12】
*0.4%トリファンブルー染料で試験して顕微鏡で測定した。
【実施例10】
【0052】
*新鮮度維持効果試験
新鮮度の良好な生魚(鱈)をドライアイスで急速凍結させた後、実験室に運搬
し、“BARODON −2”0.05、0.1、0.2及び0.5%濃度の溶液に10分間浸漬し、0℃で7日間貯蔵した各魚類の新鮮度を調査した。
魚類の鮮度指標として、蛋白質の変成を示す筋肉のCa−ATPase活性を測定する方法を使用した。結果は、0.5%溶液に浸漬した群の鮮度維持効果が最も優秀であり、5日間最初の鮮度がそのまま維持された(図8)。
【実施例11】
【0053】
*“BARODON”の水活性化効果試験
製造実施例5で得た“BARODON −5”を水に1:2800及び1:
5600の比率で希釈した希釈液に対するH2Oの17O−NMR測定試験を実施した。使用装置は日本ウォーターサイエンス研究会で所蔵しているJNM−EX270であり、測定温度は20℃であった。対照区である水道水の17O吸収波長帯は149.6Hz(半値幅)であったが(図9)、1/2800希釈液では53.6Hzであり(図10)、1/5600希釈液では54.7Hzであった(図11)。
上記結果は、水道水は水分子間の結合単位が大きいか小さい種々の集合体である非晶質状であり、本発明の組成物が添加された希釈液は、水分子が結合単位において最小の結合数で一定に結合された結晶状に近い形態であることを示すものである。水分子の結合数が小さいとは流動性と生体浸透性に優れ、活性化されたことを意味する。活性化された水は、人間と動植物の生育に効果的に適用できるので、本発明の組成物は飲用水添加剤、廃水処理剤として有用に使用できる。
【実施例12】
【0054】
*pH測定及び中和滴定時の挙動試験
製造実施例4で得た“BARODON −4”の原液のpHを測定した結果、
13.20の強アルカリ性であった。これを0.1N塩酸で中和滴定を行った結果、接触部分で凝固が進行し、相当量の塩酸を添加しても溶液のpHの変化がなかった。これは、本発明の組成物が十分にイオン化されて反応性が高いことを意味するものである。
上記原液を1,000倍希釈して0.1N HClで中和滴定を行いながら顕微鏡で観察した結果、凝固物と気泡の発生が観察されなかった。しかし、この場合はpHが調節された。
上記結果は、適正量を使用する場合、人間又は家畜が摂取した後、胃内で塩酸と反応して沈澱物が生成しないことと、塩酸と反応して気泡を発生させないので、過量摂取するときにもガスの発生による問題発生のおそれがないことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】試験群及び対照群豚のCD4+Tリンパ球の比率変化を示すグラフである。
【図2】試験群及び対照群豚のMHC class 2発現細胞の比率変化を示すグラフである。
【図3】試験群及び対照群豚のNon T/Non B(Nリンパ球)の比率変化を示すグラフである。
【図4】試験群及び対照群豚のCD8+Tリンパ球の比率変化を示すグラフである。
【図5】試験群及び対照群豚の血液から分離したリンパ球のCon A、PHA、PWM、LPSの刺激によるリンパ球の増殖性を示すグラフである。
【図6】試験群及び対照群豚の腸間膜リンパ節リンパ球のCon A、PHA、PWM、LPSの刺激によるリンパ球増殖性を示すグラフである。
【図7】試験群及び対照群豚の豚コレラ抗体形成能を示すグラフである。
【図8】試験群及び対照群鱈のCa−ATPase活性変化を示すグラフである。
【図9】水道水の17O吸収波長帯を示すNMR測定結果を示すグラフである。
【図10】本発明の組成物が添加された水の17O吸収波長帯を示すNMR測定結果を示すグラフである。
【図11】本発明の組成物が添加された水の17O吸収波長帯を示すほかのNMR測定結果を示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタ珪酸ナトリウム(Na2SiO3・5H2O)100重量部に対し、硼砂
(Na2B4O7・10H2O)1〜15重量部、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3・5H2O)10−5〜10−4重量部、炭酸カリウム30〜150重量部、精製白糖(C12H22O11)30〜200重量部、水100〜200重量部、及び塩化ナトリウム、チオ硫酸銀又はモリブデン酸ナトリウムから選択された1種以
上を10−1重量部以内で含有することを特徴とする腫瘍治療用アルカリ溶液組成物。
【請求項2】
請求項1記載の組成物を有効成分とする腫瘍治療剤。
【請求項1】
メタ珪酸ナトリウム(Na2SiO3・5H2O)100重量部に対し、硼砂
(Na2B4O7・10H2O)1〜15重量部、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3・5H2O)10−5〜10−4重量部、炭酸カリウム30〜150重量部、精製白糖(C12H22O11)30〜200重量部、水100〜200重量部、及び塩化ナトリウム、チオ硫酸銀又はモリブデン酸ナトリウムから選択された1種以
上を10−1重量部以内で含有することを特徴とする腫瘍治療用アルカリ溶液組成物。
【請求項2】
請求項1記載の組成物を有効成分とする腫瘍治療剤。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−1714(P2008−1714A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213231(P2007−213231)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【分割の表示】特願2002−544081(P2002−544081)の分割
【原出願日】平成13年1月3日(2001.1.3)
【出願人】(503181037)バロドン−エスエフ コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【分割の表示】特願2002−544081(P2002−544081)の分割
【原出願日】平成13年1月3日(2001.1.3)
【出願人】(503181037)バロドン−エスエフ コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
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