多軸式太陽軌跡追跡経緯儀
【課題】太陽の方位角、仰角及び軌跡を正確に観測及びシミュレートすることができる多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を提供する。
【解決手段】上縁に開口部21を有する箱体2と、仰角目盛りを有し、透明の半球カバーであり、箱体2の開口部21周縁を被覆する天幕カバー1と、中空であり、両側に箱体2と接続される枢着軸31が設けられる第1の位置決めリング3と、扇形の中空であり、第1の位置決めリング3の枢着軸31と垂直の両側に、第1の位置決めリング3と接続される枢着軸41が設けられ、周縁に凹溝42が設けられ、中心に中心軸43が設けられる第2の位置決めリング4と、一方の端部に中空柱体52が設けられ、他方の端部に第2の位置決めリング4の中心軸43に枢着される中実柱体54が設けられ、中空柱体52は、上縁に貫通孔51が設けられ、下縁に基準中心53が設けられる位置決め柱5とを含む。
【解決手段】上縁に開口部21を有する箱体2と、仰角目盛りを有し、透明の半球カバーであり、箱体2の開口部21周縁を被覆する天幕カバー1と、中空であり、両側に箱体2と接続される枢着軸31が設けられる第1の位置決めリング3と、扇形の中空であり、第1の位置決めリング3の枢着軸31と垂直の両側に、第1の位置決めリング3と接続される枢着軸41が設けられ、周縁に凹溝42が設けられ、中心に中心軸43が設けられる第2の位置決めリング4と、一方の端部に中空柱体52が設けられ、他方の端部に第2の位置決めリング4の中心軸43に枢着される中実柱体54が設けられ、中空柱体52は、上縁に貫通孔51が設けられ、下縁に基準中心53が設けられる位置決め柱5とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽軌跡追跡装置に関し、特に、太陽の位置を観測し、太陽の軌跡を記録するために用いられる、研究用又は教材用の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀に関する。
【背景技術】
【0002】
天文現象の四季の変化を知りたい場合、天体運行を長期に渡って観測する必要がある。また、地球は、地軸が黄道面に対して23.5度傾斜した状態で太陽の周囲を公転しているため、太陽の位置は、日々僅かに異なる。従って、太陽の軌跡の変化を観測する場合、所定の観測点において、所定の時刻に、太陽と地面との間の仰角及び方位角を科学的データとして記載する必要がある。また、南北緯度の違いにより、太陽の位置に如何なる差異が生じるかを明らかにしたい場合、緯度の異なる複数の観測点において観測を行うしか方法がない。
【0003】
従来より、教育関係者が授業をするとき、学習者に天体運行を理解させるために、太陽軌跡観測装置及び太陽軌跡シミュレーターが開発されている。例えば、図1に示す特許文献1の天体運行記録装置は、平台11、天幕カバー20、位置決めリング30、測定ポール40及び測定板60を含む。使用するとき、天幕カバー20上の測定板を太陽の方向に移動調整することにより、太陽光を測定板の貫通孔から測定ポール40に照射させる。これにより、天幕カバー20上に経緯度位置を記すことができ、観測時刻における太陽の方位角及び仰角のデータを取得することができる。
【0004】
上述の特許文献1の天体運行記録装置により、観測時刻の太陽の方位角及び仰角のデータを取得することができる。しかし、特許文献1の天体運行記録装置は、所定の観測点及び所定の時刻において、長期間観測を行う必要であり、研究者が関連研究を行うためにしか適用できない。従って、特許文献1の天体運行記録装置は、教育関係者が授業などで天体運行を、解説及び検証するために用いるには適用されない。また、天候によって実験の進度が影響を受けてしまう。また、操作するとき、太陽光が測定ポール40に照射されているか否かを目測で確認する必要があるため、初めて実験を行う者にとっては、操作が難しく、理想的ではない。
【0005】
また、教育関係者が使用している従来の太陽軌跡観測装置及び太陽軌跡シミュレーターは、観測点の経緯度のみ、或いは、観測点の経緯度及び観測時間のみを設定して太陽の方位角及び仰角のデータを取得するものであるため、これらのデータは、正確ではなく、観測点における太陽の位置を正確に取得することができない。
【0006】
本発明の発明者は、地球上の緯度の異なる地点、毎年の異なる季節及び毎日の異なる時刻における太陽の軌跡を研究した結果、太陽軌跡には、所定の変化法則があることを発見した。本発明の発明者は、この法則を利用し、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀に想到した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】台湾実用新案登録第150675号
【特許文献2】実開平9−224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の第1の目的は、観測緯度、観測時刻及び観測季節を設定することにより、太陽光の照射方位を正確に追跡することができ、太陽の方位角、仰角及び軌跡を正確に観測することができる多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を提供することにある。
本発明の第2の目的は、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀によって太陽の位置及び軌跡のシミュレーションを行うことにある。
本発明の第3の目的は、構造が簡単な多軸構造により、太陽の位置の観測及びシミュレーションを行うことができる多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、箱体、天幕カバー、第1の位置決めリング、第2の位置決めリング及び位置決め柱を含む。箱体の上縁には、第1の位置決めリング、第2の位置決めリング及び位置決め柱が収納される開口部が設けられる。天幕カバーは、仰角目盛りが設けられた透明の半球カバーである。
第1の位置決めリングは、中空であり、第2の位置決めリングが収納される。第1の位置決めリングの両側には、箱体と接続される枢着軸がそれぞれ設けられる。第2の位置決めリングは、扇形の中空であり、位置決め柱が収納される。
第2の位置決めリングの第1の位置決めリングの枢着軸と垂直の両側には、第1の位置決めリングと接続される枢着軸がそれぞれ設けられる。第2の位置決めリングの周縁には、凹溝が設けられる。また、第2の位置決めリングの中心には、中心軸が設けられる。位置決め柱は、一方の端部に中空柱体が設けられ、他方の端部に中実柱体が設けられる。また、中空柱体は、上縁に貫通孔が設けられ、下縁に基準中心が設けられる。
中実柱体は、第2の位置決めリングの中心軸に枢着される。本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を使用するとき、まず、観測点の緯度に基づき、第1の位置決めリングを所定の角度回転させる。次に、第2の位置決めリングを回転させて観測時刻を設定する。最後に、位置決め柱を調整して観測月(季節)を設定する。位置、時刻及び月(季節)を設定することにより、太陽光の照射方位を自動的に正確に追跡し、太陽の方位角及び仰角を正確に観測することができる。
【0010】
箱体には、天幕カバーが収納される環状溝が設けられる。また、箱体の天幕カバーが接続される内外周囲には、方位角目盛りが設けられる。
【0011】
箱体外部の第1の位置決めリングの枢着軸が接続される両側には、緯度目盛りが設けられる。
【0012】
天幕カバーの仰角目盛りは、天幕カバーの全体、天幕カバーの半分又は天幕カバーの一部に設けられる。
【0013】
第1の位置決めリングの枢着軸には、観測点の緯度に基づいて角度を調整するために用いられる調整指針が設けられる。これにより、多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、北半球及び南半球における太陽軌跡の観測及びシミュレーションを行うことができる。
【0014】
第1の位置決めリングには、第1の位置決めリングの角度が設定された後、第1の位置決めリングを固定するために用いられる位置決め部が設けられる。
第1の位置決めリングの外径周縁の第2の位置決めリングの枢着軸が接続される両側には、時刻目盛りが設けられる。
【0015】
第2の位置決めリングの枢着軸には、時刻を設定するために用いられる調整指針が設けられる。
第2の位置決めリングには、第2の位置決めリングの時刻が設定された後、第2の位置決めリングを固定するために用いられる位置決め部が設けられる。
第2の位置決めリングの凹溝周囲には、位置決め柱が月(季節)を設定するために用いられる月目盛りが設けられる。
【0016】
位置決め柱には、位置決め柱が季節を設定した後、位置決め柱を固定するために用いられる位置決め部が設けられる。
位置決め柱の貫通孔内又は基準中心面上には、レーザーペンを装着してもよい。
【0017】
レーザーペンは、貫通孔内側に嵌合又は螺合されるか、或いは、基準中心面上に装着される。
【0018】
箱体、第1の位置決めリング、第2の位置決めリング及び位置決め柱は、鉄板、アルミニウム合金、チタン合金などの軽量化された金属、或いは、硬度の高い強化プラスチックからなる。
天幕カバーは、硬度の高い強化プラスチック又はガラスからなる。
第1の位置決めリングの位置決め部、第2の位置決めリングの位置決め部及び位置決め柱の位置決め部は、螺合構造、係合構造又はストッパ構造でもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀によれば、第1の位置決めリングにより、観測点の緯度を設定し、第2の位置決めリングにより、観測時刻を設定し、位置決め柱により、観測月(季節)を設定する。これにより、太陽光の照射方位を正確に追跡することができ、天幕カバー上に経緯度上の位置を直接記し、太陽の正確な方位角及び仰角のデータを取得することができる。
【0020】
また、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀によれば、上述の第1の位置決めリング、第2の位置決めリング及び位置決め柱により、日周期変化に対する微調整及び年周期変化に対する微調整を行うことができる多軸構造であり、太陽軌跡のシミュレーション実験を行うことができる。即ち、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、如何なる観測点、時刻及び季節においても、太陽軌跡の観測及びシミュレーションに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】特許文献1の天体運行記録装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の第1の位置決めリングを回転させた状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の第2の位置決めリングを回転させた状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の位置決め柱を移動させた状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の使用状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す上面図である。
【図9】本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す斜視図である。
【図10】本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す分解斜視図である。
【図11】本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す斜視図である。
【図12】本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の目的、特徴および効果を、実施形態の図面に沿って詳細に説明する。
【0023】
図2及び図3を参照して説明する。
図2は、本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す分解斜視図である。図3は、本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す斜視図である。図2及び図3に示すように、本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、天幕カバー1、箱体2、第1の位置決めリング3、第2の位置決めリング4及び位置決め柱5を含む。
天幕カバー1は、仰角目盛りが設けられた透明の半球カバーである。箱体2の上縁には、第1の位置決めリング3、第2の位置決めリング4及び位置決め柱5が収納される開口部21が設けられる。第1の位置決めリング3は、中空であり、第2の位置決めリング4が収納される。第1の位置決めリング3の直径は、箱体2の開口部21より若干小さい。第1の位置決めリング3の両側には、枢着軸31がそれぞれ設けられる。第1の位置決めリング3の2つの枢着軸31は、箱体2と接続される。
【0024】
第2の位置決めリング4は、扇形の中空であり、位置決め柱5が収納される。第2の位置決めリング4の直径は、第1の位置決めリング3より若干小さく、第2の位置決めリング4の第1の位置決めリング3の枢着軸31と垂直の両側には、枢着軸41がそれぞれ設けられる。枢着軸41の端部は、第1の位置決めリング3と接続される。第2の位置決めリング4の周縁には、凹溝42が設けられる。また、第2の位置決めリング4の中心には、中心軸43が設けられる。
【0025】
位置決め柱5は、一方の端部に中空柱体52が設けられ、他方の端部に中実柱体54が設けられる。また、中空柱体52は、上縁に貫通孔51が設けられ、下縁に基準中心53が設けられる。中実柱体54は、第2の位置決めリング4の中心軸43に枢着される。
【0026】
天幕カバー1の仰角目盛りは、天幕カバー1の全体、天幕カバー1の半分又は天幕カバー1の一部に設けられる。また、箱体2の開口部21の周縁には、天幕カバー1が収納される環状溝が設けられる。また、箱体2の天幕カバー1が接続される内外周囲には、方位角目盛り23(図8を参照)が設けられる。第1の位置決めリング3の枢着軸31には、観測点の緯度に基づいて角度を調整するために用いられる調整指針24が設けられる。
【0027】
また、第2の位置決めリング4の枢着軸41には、時刻を設定するために用いられる調整指針33が設けられる。天幕カバー1は、硬度の高い強化プラスチック又はガラスからなる。箱体2、第1の位置決めリング3、第2の位置決めリング4及び位置決め柱5は、鉄板、アルミニウム合金、チタン合金などの軽量化された金属、或いは、硬度の高い強化プラスチックからなる。
【0028】
図3〜図7を参照して説明する。図3〜図7に示すように、本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の操作方法を以下に示す。
【0029】
本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を使用しないとき、図3に示すように、第1の位置決めリング3、第2の位置決めリング4及び位置決め柱5は、何れも箱体2の上面と平行状態であり、如何なる角度にも回転していない。
【0030】
本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を使用するときにおける各設定ステップを以下に示す。まず、観測点の位置(緯度)に基づき、第1の位置決めリング3を回転させる(図4を参照)。このとき、箱体2外部の第1の位置決めリング3の枢着軸31が接続される両側の位置に配置された緯度目盛り22に基づいて第1の位置決めリング3を回転させ、調整指針24を観測点の緯度に設定する。
【0031】
その後、第1の位置決めリング3の位置決め部(図示せず)を利用して第1の位置決めリング3を固定し、第1の位置決めリング3が回転するのを防止する。次に、観測時刻(時)に基づき、第2の位置決めリング4を回転させる(図5を参照)。このとき、第1の位置決めリング3の外径周縁で、第2の位置決めリング4の枢着軸41が接続される両側の位置に配置された時刻目盛り32(24時間)に基づいて第2の位置決めリング4を回転させ、調整指針33を観測時刻に設定する。その後、第2の位置決めリング4の位置決め部(図示せず)を利用して第2の位置決めリング4を固定し、第2の位置決めリング4が回転するのを防止する。
【0032】
最後に、観測月(季節)に基づき、位置決め柱5を回動して調整する(図6を参照)。このとき、位置決め柱5を回動させ、第2の位置決めリング4の凹溝42周囲に設けられた月(季節)目盛り44の観測月の位置に調整する。その後、位置決め柱5の位置決め部(図示せず)を利用して位置決め柱5を固定し、位置決め柱5が移動するのを防止する。本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の第1の位置決めリング3の位置決め部、第2の位置決めリング4の位置決め部及び位置決め柱5の位置決め部は、螺合構造、係合構造又はストッパ構造としてもよい。
【0033】
上述の設定ステップは、地球の公転軌道及び地球の自転法則に対応して行われるものである。太陽の位置は、地球の緯度に応じて異なるため、太陽軌跡は、24時間の「日周期変化」(即ち、太陽が東から昇り、西に沈む現象)と、365日の「年周期変化」(即ち、季節が変化する現象)と、明白でないため、無視してもよい地球の自転軸の「摂動及び章動」との三種類の天体現象に分類される。
設定ステップ中の観測時刻の設定は、「日周期変化」の現象に基づいて設定される。地球上から見える太陽が東から昇り、西に沈む現象は、地球の自転によるものであり、一般に、太陽が子午線を2度通過する間の時間が一日と定義される(所謂、太陽日)。その後、1つの太陽日が24時間に細分される。
【0034】
従って、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀では、観測時刻を設定する必要がある。また、設定ステップ中の観測月(季節)の設定は、「年周期変化」に基づいて設定される。地球は、自転以外に、太陽の周りを公転しており、1回の公転が一年と定義される。地球が太陽の周りを公転する軌道平面は、黄道面と称し、黄道面の平面法線の方向と、地球の自転軸との間には、所定の角度(約23.5度)を有する。
この所定の角度は、自転軸傾斜角と称し、この傾斜角度により、夏季には、日照量が増加し、冬季には、日照量が減少し、冬寒く、夏暑いという季節の変化が生ずる。従って、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀では、観測月(季節)を設定する必要がある。
【0035】
図7を参照して説明する。
図7に示すように、上述の緯度、時刻及び月(季節)の設定ステップ後、箱体2の方位角目盛り23を正確な方位に配置する(方位磁針を参照する)。次に、天幕カバー1を配置し、箱体2の方位角目盛り23及び天幕カバー1の仰角目盛りを利用し、太陽の方位角及び仰角のデータを読み取り、記録する。
このとき、太陽光は、位置決め柱5の貫通孔51に進入する。太陽光が中空柱体52を貫通し、基準中心53上に直接照射されているとき、位置決め柱5の貫通孔51内又は基準中心53面上に装着されたレーザーペン55(図2を参照)によって、天幕カバー1上に太陽の方位角及び仰角を記すことができる。レーザーペン55は、貫通孔51内側に嵌合又は螺合されるか、或いは、基準中心53面上に装着される。上述のステップを繰り返すことにより、各時刻における太陽の位置を天幕カバー1上に順番に記し、太陽軌跡のデータを取得することができる。
【0036】
また、本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀により、太陽軌跡をシミュレートすることができる。太陽軌跡をシミュレートする場合の設定ステップは、上述のステップと同一である。異なる点は、観測点の緯度、観測時刻、観測時の季節に基づく設定を行う必要がない点であり、太陽の位置をシミュレートしたい観測点、時刻及び季節を任意に設定することができる。
設定が完了した後、位置決め柱5の貫通孔51内又は基準中心53面上にレーザーペン55を装着し、天幕カバー1を配置し、方位角を校正した後、太陽の方位角及び仰角をシミュレートすることができる。レーザーペン55は、貫通孔51内側に嵌合又は螺合されるか、或いは、基準中心53面上に装着される。上述のステップを繰り返すことにより、各時刻における太陽の位置を天幕カバー1上に順番に記し、太陽軌跡のデータをシミュレートすることができる。
【0037】
図9を参照して説明する。図9は、本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す斜視図である。図9に示すように、本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、天幕カバー1、箱体2、第1の位置決めリング3及び第2の位置決めリング4を含む。天幕カバー1は、仰角目盛りが設けられた透明の半球カバーである。箱体2の上縁には、第1の位置決めリング3及び第2の位置決めリング4が収納される開口部21が設けられる。第1の位置決めリング3は、中空であり、第2の位置決めリング4が収納される。第1の位置決めリング3の直径は、箱体2の開口部21より若干小さい。第1の位置決めリング3の両側には、枢着軸31が設けられる。第1の位置決めリング3の2つの枢着軸31は、箱体2と接続される。
【0038】
第2の位置決めリング4は、中実(中が詰まった)であり、第2の位置決めリング4の直径は、第1の位置決めリング3より若干小さい。第2の位置決めリング4の第1の位置決めリング3の枢着軸31と垂直の両側には、枢着軸41がそれぞれ設けられる。枢着軸41の端部は、第1の位置決めリング3と接続される。第2の位置決めリング4の周縁には、貫通孔45が設けられる。貫通孔45は、第2の位置決めリング4の中心まで延伸する。また、第2の位置決めリング4の中心には、基準中心46が設けられる。本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の操作ステップを以下に示す。
【0039】
まず、観測点の緯度に基づき、第1の位置決めリング3を設定角度まで回転させる。次に、第2の位置決めリング4を回転させ、観測時刻を設定する。観測位置及び観測時刻の設定により、太陽光が第2の位置決めリング4の貫通孔45に進入する。太陽光が基準中心46上に直接照射されているとき、貫通孔45と基準中心46を結ぶ線が太陽の方位角及び仰角となり、この結果、太陽の方位角及び仰角を観測することができる。
【0040】
図10〜図11を参照して説明する。
図10〜図11は、本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す図である。
本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、天幕カバー1、箱体2、第1の位置決めリング3、第2の位置決めリング4、位置決め柱5及び位置決め部材6を含む。天幕カバー1は、仰角目盛りが設けられた透明の半球カバーである。箱体2の上縁には、第1の位置決めリング3、第2の位置決めリング4及び位置決め柱5が収納される開口部21が設けられる。
第1の位置決めリング3は、中空であり、第2の位置決めリング4が収納される。第1の位置決めリング3の直径は、箱体2の開口部21より若干小さい。第1の位置決めリング3の両側には、枢着軸31が設けられる。第1の位置決めリング3の2つの枢着軸31は、箱体2と接続される。位置決め部材6の内部には、磁石61が配置される。位置決め部材6は、単独の部材であり、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀と分離して使用される。
【0041】
第2の位置決めリング4は、扇形の中空であり、位置決め柱5が収納される。第2の位置決めリング4の直径は、第1の位置決めリング3より若干小さく、第2の位置決めリング4の第1の位置決めリング3の枢着軸31と垂直の両側には、枢着軸41がそれぞれ設けられる。枢着軸41の端部は、第1の位置決めリング3と接続される。第2の位置決めリング4の周縁には、凹溝42が設けられる。
また、第2の位置決めリング4の中心には、中心軸43が設けられる。位置決め柱5は、一方の端部に中空柱体52が設けられ、他方の端部に中実柱体54が設けられる。また、中空柱体52には、嵌合管56が設けられる。嵌合管56の前端には、磁石561が配置される。或いは、中空柱体52内に直接磁石561を配置してもよい。中実柱体54は、第2の位置決めリング4の中心軸43に枢着される。
【0042】
本実施形態による天幕カバー1及び位置決め部材6は、硬度の高い強化プラスチック又はガラスからなる。位置決め部材6の半径は、天幕カバー1の半径より小さい。また、位置決め柱5の長さは、天幕カバー1の半径より若干小さい。これにより、位置決め柱5の上端を天幕カバー1の内側表面に貼合させることができる。磁石61の形状は、球形、半球形、筒形、矩形などであり、磁石561の形状は、円柱体、直方体などである。
【0043】
本実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の操作方法を以下に示す。
まず、第1の位置決めリング3、第2の位置決めリング4及び位置決め柱5を組み合わせ、箱体2内に配置する。次に、天幕カバー1を箱体2上に配置する。次に、位置決め部材6を磁石561が配置された位置決め柱5の上端に位置合わせして天幕カバー1の表面に配置する。位置決め部材6の磁石61が中空柱体52の磁石561により吸着されることにより、位置決め部材6は、天幕カバー1から脱落しない上、位置決め柱5を連動させる。即ち、位置決め柱5の磁石561が位置決め部材6の磁石61の磁力によって吸着されるため、天幕カバー1表面上の位置決め部材6を動かすことにより、位置決め柱5を移動させることができる。
これにより、第1の位置決めリング3及び第2の位置決めリング4も連動し、シミュレートしたい経度、緯度及び時刻に基づき、位置決め部材6を正確な位置に移動させることができる。また、緯度目盛り22、方位角目盛り23、時刻目盛り32及び月目盛り44により、位置決め部材6を正確な位置に移動させたか否かを判定することができる。図12に示すように、位置決め部材6を移動させることにより、太陽の方位角及び仰角をシミュレートし、上述の動作を繰り返すことにより、他の時刻における太陽の位置を天幕カバー1の表面上に順番に表記して太陽軌跡をシミュレートすることができる。また、例えば、油性ペン又は水性ペンを用いて太陽軌跡を表記することにより、軌跡図を作成することができる。
【0044】
上述したことから分かるように、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、上述の目的を確実に達成することができる。
第1の位置決めリングを調整することにより、観測点の緯度を設定し、第2の位置決めリングを調整することにより、観測時刻を設定し、位置決め柱により、観測月(季節)を設定することにより、太陽光の照射方位を追跡することができ、天幕カバーの経緯線上に太陽の位置を記することができる。これにより、太陽の方位角及び仰角のデータを取得することができる。また、上述の第1の位置決めリング、第2の位置決めリング及び位置決め柱により、太陽光が存在しない状況において、太陽軌跡のシミュレーション実験を行うことができる。
【0045】
即ち、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀により、太陽軌跡の観測及びシミュレーションを行うことができる。また、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀により、如何なる観測点、時刻及び季節における太陽軌跡をシミュレーションすることができる。また、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、多軸構造であり、太陽軌跡を正確に知ることができる上、構造が簡単であり、教材として使用することができる。
即ち、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、実用性、産業上の利用性、新規性及び進歩性を有する。
【0046】
以上の説明は、本発明の好適な実施形態を示したものであり、本発明の特許請求の範囲に基づく同等効果の変更は、全て本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1 天幕カバー
2 箱体
21 開口部
22 緯度目盛り
23 方位角目盛り
24 調整指針
3 第1の位置決めリング
31 枢着軸
32 時刻目盛り
33 調整指針
4 第2の位置決めリング
41 枢着軸
42 凹溝
43 中心軸
44 月目盛り
45 貫通孔
46 基準中心
5 位置決め柱
51 貫通孔
52 中空柱体
53 基準中心
54 中実柱体
55 レーザーペン
56 嵌合管
561 磁石
6 位置決め部材
61 磁石
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽軌跡追跡装置に関し、特に、太陽の位置を観測し、太陽の軌跡を記録するために用いられる、研究用又は教材用の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀に関する。
【背景技術】
【0002】
天文現象の四季の変化を知りたい場合、天体運行を長期に渡って観測する必要がある。また、地球は、地軸が黄道面に対して23.5度傾斜した状態で太陽の周囲を公転しているため、太陽の位置は、日々僅かに異なる。従って、太陽の軌跡の変化を観測する場合、所定の観測点において、所定の時刻に、太陽と地面との間の仰角及び方位角を科学的データとして記載する必要がある。また、南北緯度の違いにより、太陽の位置に如何なる差異が生じるかを明らかにしたい場合、緯度の異なる複数の観測点において観測を行うしか方法がない。
【0003】
従来より、教育関係者が授業をするとき、学習者に天体運行を理解させるために、太陽軌跡観測装置及び太陽軌跡シミュレーターが開発されている。例えば、図1に示す特許文献1の天体運行記録装置は、平台11、天幕カバー20、位置決めリング30、測定ポール40及び測定板60を含む。使用するとき、天幕カバー20上の測定板を太陽の方向に移動調整することにより、太陽光を測定板の貫通孔から測定ポール40に照射させる。これにより、天幕カバー20上に経緯度位置を記すことができ、観測時刻における太陽の方位角及び仰角のデータを取得することができる。
【0004】
上述の特許文献1の天体運行記録装置により、観測時刻の太陽の方位角及び仰角のデータを取得することができる。しかし、特許文献1の天体運行記録装置は、所定の観測点及び所定の時刻において、長期間観測を行う必要であり、研究者が関連研究を行うためにしか適用できない。従って、特許文献1の天体運行記録装置は、教育関係者が授業などで天体運行を、解説及び検証するために用いるには適用されない。また、天候によって実験の進度が影響を受けてしまう。また、操作するとき、太陽光が測定ポール40に照射されているか否かを目測で確認する必要があるため、初めて実験を行う者にとっては、操作が難しく、理想的ではない。
【0005】
また、教育関係者が使用している従来の太陽軌跡観測装置及び太陽軌跡シミュレーターは、観測点の経緯度のみ、或いは、観測点の経緯度及び観測時間のみを設定して太陽の方位角及び仰角のデータを取得するものであるため、これらのデータは、正確ではなく、観測点における太陽の位置を正確に取得することができない。
【0006】
本発明の発明者は、地球上の緯度の異なる地点、毎年の異なる季節及び毎日の異なる時刻における太陽の軌跡を研究した結果、太陽軌跡には、所定の変化法則があることを発見した。本発明の発明者は、この法則を利用し、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀に想到した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】台湾実用新案登録第150675号
【特許文献2】実開平9−224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の第1の目的は、観測緯度、観測時刻及び観測季節を設定することにより、太陽光の照射方位を正確に追跡することができ、太陽の方位角、仰角及び軌跡を正確に観測することができる多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を提供することにある。
本発明の第2の目的は、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀によって太陽の位置及び軌跡のシミュレーションを行うことにある。
本発明の第3の目的は、構造が簡単な多軸構造により、太陽の位置の観測及びシミュレーションを行うことができる多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、箱体、天幕カバー、第1の位置決めリング、第2の位置決めリング及び位置決め柱を含む。箱体の上縁には、第1の位置決めリング、第2の位置決めリング及び位置決め柱が収納される開口部が設けられる。天幕カバーは、仰角目盛りが設けられた透明の半球カバーである。
第1の位置決めリングは、中空であり、第2の位置決めリングが収納される。第1の位置決めリングの両側には、箱体と接続される枢着軸がそれぞれ設けられる。第2の位置決めリングは、扇形の中空であり、位置決め柱が収納される。
第2の位置決めリングの第1の位置決めリングの枢着軸と垂直の両側には、第1の位置決めリングと接続される枢着軸がそれぞれ設けられる。第2の位置決めリングの周縁には、凹溝が設けられる。また、第2の位置決めリングの中心には、中心軸が設けられる。位置決め柱は、一方の端部に中空柱体が設けられ、他方の端部に中実柱体が設けられる。また、中空柱体は、上縁に貫通孔が設けられ、下縁に基準中心が設けられる。
中実柱体は、第2の位置決めリングの中心軸に枢着される。本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を使用するとき、まず、観測点の緯度に基づき、第1の位置決めリングを所定の角度回転させる。次に、第2の位置決めリングを回転させて観測時刻を設定する。最後に、位置決め柱を調整して観測月(季節)を設定する。位置、時刻及び月(季節)を設定することにより、太陽光の照射方位を自動的に正確に追跡し、太陽の方位角及び仰角を正確に観測することができる。
【0010】
箱体には、天幕カバーが収納される環状溝が設けられる。また、箱体の天幕カバーが接続される内外周囲には、方位角目盛りが設けられる。
【0011】
箱体外部の第1の位置決めリングの枢着軸が接続される両側には、緯度目盛りが設けられる。
【0012】
天幕カバーの仰角目盛りは、天幕カバーの全体、天幕カバーの半分又は天幕カバーの一部に設けられる。
【0013】
第1の位置決めリングの枢着軸には、観測点の緯度に基づいて角度を調整するために用いられる調整指針が設けられる。これにより、多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、北半球及び南半球における太陽軌跡の観測及びシミュレーションを行うことができる。
【0014】
第1の位置決めリングには、第1の位置決めリングの角度が設定された後、第1の位置決めリングを固定するために用いられる位置決め部が設けられる。
第1の位置決めリングの外径周縁の第2の位置決めリングの枢着軸が接続される両側には、時刻目盛りが設けられる。
【0015】
第2の位置決めリングの枢着軸には、時刻を設定するために用いられる調整指針が設けられる。
第2の位置決めリングには、第2の位置決めリングの時刻が設定された後、第2の位置決めリングを固定するために用いられる位置決め部が設けられる。
第2の位置決めリングの凹溝周囲には、位置決め柱が月(季節)を設定するために用いられる月目盛りが設けられる。
【0016】
位置決め柱には、位置決め柱が季節を設定した後、位置決め柱を固定するために用いられる位置決め部が設けられる。
位置決め柱の貫通孔内又は基準中心面上には、レーザーペンを装着してもよい。
【0017】
レーザーペンは、貫通孔内側に嵌合又は螺合されるか、或いは、基準中心面上に装着される。
【0018】
箱体、第1の位置決めリング、第2の位置決めリング及び位置決め柱は、鉄板、アルミニウム合金、チタン合金などの軽量化された金属、或いは、硬度の高い強化プラスチックからなる。
天幕カバーは、硬度の高い強化プラスチック又はガラスからなる。
第1の位置決めリングの位置決め部、第2の位置決めリングの位置決め部及び位置決め柱の位置決め部は、螺合構造、係合構造又はストッパ構造でもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀によれば、第1の位置決めリングにより、観測点の緯度を設定し、第2の位置決めリングにより、観測時刻を設定し、位置決め柱により、観測月(季節)を設定する。これにより、太陽光の照射方位を正確に追跡することができ、天幕カバー上に経緯度上の位置を直接記し、太陽の正確な方位角及び仰角のデータを取得することができる。
【0020】
また、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀によれば、上述の第1の位置決めリング、第2の位置決めリング及び位置決め柱により、日周期変化に対する微調整及び年周期変化に対する微調整を行うことができる多軸構造であり、太陽軌跡のシミュレーション実験を行うことができる。即ち、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、如何なる観測点、時刻及び季節においても、太陽軌跡の観測及びシミュレーションに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】特許文献1の天体運行記録装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の第1の位置決めリングを回転させた状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の第2の位置決めリングを回転させた状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の位置決め柱を移動させた状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の使用状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す上面図である。
【図9】本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す斜視図である。
【図10】本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す分解斜視図である。
【図11】本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す斜視図である。
【図12】本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の目的、特徴および効果を、実施形態の図面に沿って詳細に説明する。
【0023】
図2及び図3を参照して説明する。
図2は、本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す分解斜視図である。図3は、本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す斜視図である。図2及び図3に示すように、本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、天幕カバー1、箱体2、第1の位置決めリング3、第2の位置決めリング4及び位置決め柱5を含む。
天幕カバー1は、仰角目盛りが設けられた透明の半球カバーである。箱体2の上縁には、第1の位置決めリング3、第2の位置決めリング4及び位置決め柱5が収納される開口部21が設けられる。第1の位置決めリング3は、中空であり、第2の位置決めリング4が収納される。第1の位置決めリング3の直径は、箱体2の開口部21より若干小さい。第1の位置決めリング3の両側には、枢着軸31がそれぞれ設けられる。第1の位置決めリング3の2つの枢着軸31は、箱体2と接続される。
【0024】
第2の位置決めリング4は、扇形の中空であり、位置決め柱5が収納される。第2の位置決めリング4の直径は、第1の位置決めリング3より若干小さく、第2の位置決めリング4の第1の位置決めリング3の枢着軸31と垂直の両側には、枢着軸41がそれぞれ設けられる。枢着軸41の端部は、第1の位置決めリング3と接続される。第2の位置決めリング4の周縁には、凹溝42が設けられる。また、第2の位置決めリング4の中心には、中心軸43が設けられる。
【0025】
位置決め柱5は、一方の端部に中空柱体52が設けられ、他方の端部に中実柱体54が設けられる。また、中空柱体52は、上縁に貫通孔51が設けられ、下縁に基準中心53が設けられる。中実柱体54は、第2の位置決めリング4の中心軸43に枢着される。
【0026】
天幕カバー1の仰角目盛りは、天幕カバー1の全体、天幕カバー1の半分又は天幕カバー1の一部に設けられる。また、箱体2の開口部21の周縁には、天幕カバー1が収納される環状溝が設けられる。また、箱体2の天幕カバー1が接続される内外周囲には、方位角目盛り23(図8を参照)が設けられる。第1の位置決めリング3の枢着軸31には、観測点の緯度に基づいて角度を調整するために用いられる調整指針24が設けられる。
【0027】
また、第2の位置決めリング4の枢着軸41には、時刻を設定するために用いられる調整指針33が設けられる。天幕カバー1は、硬度の高い強化プラスチック又はガラスからなる。箱体2、第1の位置決めリング3、第2の位置決めリング4及び位置決め柱5は、鉄板、アルミニウム合金、チタン合金などの軽量化された金属、或いは、硬度の高い強化プラスチックからなる。
【0028】
図3〜図7を参照して説明する。図3〜図7に示すように、本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の操作方法を以下に示す。
【0029】
本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を使用しないとき、図3に示すように、第1の位置決めリング3、第2の位置決めリング4及び位置決め柱5は、何れも箱体2の上面と平行状態であり、如何なる角度にも回転していない。
【0030】
本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を使用するときにおける各設定ステップを以下に示す。まず、観測点の位置(緯度)に基づき、第1の位置決めリング3を回転させる(図4を参照)。このとき、箱体2外部の第1の位置決めリング3の枢着軸31が接続される両側の位置に配置された緯度目盛り22に基づいて第1の位置決めリング3を回転させ、調整指針24を観測点の緯度に設定する。
【0031】
その後、第1の位置決めリング3の位置決め部(図示せず)を利用して第1の位置決めリング3を固定し、第1の位置決めリング3が回転するのを防止する。次に、観測時刻(時)に基づき、第2の位置決めリング4を回転させる(図5を参照)。このとき、第1の位置決めリング3の外径周縁で、第2の位置決めリング4の枢着軸41が接続される両側の位置に配置された時刻目盛り32(24時間)に基づいて第2の位置決めリング4を回転させ、調整指針33を観測時刻に設定する。その後、第2の位置決めリング4の位置決め部(図示せず)を利用して第2の位置決めリング4を固定し、第2の位置決めリング4が回転するのを防止する。
【0032】
最後に、観測月(季節)に基づき、位置決め柱5を回動して調整する(図6を参照)。このとき、位置決め柱5を回動させ、第2の位置決めリング4の凹溝42周囲に設けられた月(季節)目盛り44の観測月の位置に調整する。その後、位置決め柱5の位置決め部(図示せず)を利用して位置決め柱5を固定し、位置決め柱5が移動するのを防止する。本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の第1の位置決めリング3の位置決め部、第2の位置決めリング4の位置決め部及び位置決め柱5の位置決め部は、螺合構造、係合構造又はストッパ構造としてもよい。
【0033】
上述の設定ステップは、地球の公転軌道及び地球の自転法則に対応して行われるものである。太陽の位置は、地球の緯度に応じて異なるため、太陽軌跡は、24時間の「日周期変化」(即ち、太陽が東から昇り、西に沈む現象)と、365日の「年周期変化」(即ち、季節が変化する現象)と、明白でないため、無視してもよい地球の自転軸の「摂動及び章動」との三種類の天体現象に分類される。
設定ステップ中の観測時刻の設定は、「日周期変化」の現象に基づいて設定される。地球上から見える太陽が東から昇り、西に沈む現象は、地球の自転によるものであり、一般に、太陽が子午線を2度通過する間の時間が一日と定義される(所謂、太陽日)。その後、1つの太陽日が24時間に細分される。
【0034】
従って、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀では、観測時刻を設定する必要がある。また、設定ステップ中の観測月(季節)の設定は、「年周期変化」に基づいて設定される。地球は、自転以外に、太陽の周りを公転しており、1回の公転が一年と定義される。地球が太陽の周りを公転する軌道平面は、黄道面と称し、黄道面の平面法線の方向と、地球の自転軸との間には、所定の角度(約23.5度)を有する。
この所定の角度は、自転軸傾斜角と称し、この傾斜角度により、夏季には、日照量が増加し、冬季には、日照量が減少し、冬寒く、夏暑いという季節の変化が生ずる。従って、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀では、観測月(季節)を設定する必要がある。
【0035】
図7を参照して説明する。
図7に示すように、上述の緯度、時刻及び月(季節)の設定ステップ後、箱体2の方位角目盛り23を正確な方位に配置する(方位磁針を参照する)。次に、天幕カバー1を配置し、箱体2の方位角目盛り23及び天幕カバー1の仰角目盛りを利用し、太陽の方位角及び仰角のデータを読み取り、記録する。
このとき、太陽光は、位置決め柱5の貫通孔51に進入する。太陽光が中空柱体52を貫通し、基準中心53上に直接照射されているとき、位置決め柱5の貫通孔51内又は基準中心53面上に装着されたレーザーペン55(図2を参照)によって、天幕カバー1上に太陽の方位角及び仰角を記すことができる。レーザーペン55は、貫通孔51内側に嵌合又は螺合されるか、或いは、基準中心53面上に装着される。上述のステップを繰り返すことにより、各時刻における太陽の位置を天幕カバー1上に順番に記し、太陽軌跡のデータを取得することができる。
【0036】
また、本発明の一実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀により、太陽軌跡をシミュレートすることができる。太陽軌跡をシミュレートする場合の設定ステップは、上述のステップと同一である。異なる点は、観測点の緯度、観測時刻、観測時の季節に基づく設定を行う必要がない点であり、太陽の位置をシミュレートしたい観測点、時刻及び季節を任意に設定することができる。
設定が完了した後、位置決め柱5の貫通孔51内又は基準中心53面上にレーザーペン55を装着し、天幕カバー1を配置し、方位角を校正した後、太陽の方位角及び仰角をシミュレートすることができる。レーザーペン55は、貫通孔51内側に嵌合又は螺合されるか、或いは、基準中心53面上に装着される。上述のステップを繰り返すことにより、各時刻における太陽の位置を天幕カバー1上に順番に記し、太陽軌跡のデータをシミュレートすることができる。
【0037】
図9を参照して説明する。図9は、本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す斜視図である。図9に示すように、本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、天幕カバー1、箱体2、第1の位置決めリング3及び第2の位置決めリング4を含む。天幕カバー1は、仰角目盛りが設けられた透明の半球カバーである。箱体2の上縁には、第1の位置決めリング3及び第2の位置決めリング4が収納される開口部21が設けられる。第1の位置決めリング3は、中空であり、第2の位置決めリング4が収納される。第1の位置決めリング3の直径は、箱体2の開口部21より若干小さい。第1の位置決めリング3の両側には、枢着軸31が設けられる。第1の位置決めリング3の2つの枢着軸31は、箱体2と接続される。
【0038】
第2の位置決めリング4は、中実(中が詰まった)であり、第2の位置決めリング4の直径は、第1の位置決めリング3より若干小さい。第2の位置決めリング4の第1の位置決めリング3の枢着軸31と垂直の両側には、枢着軸41がそれぞれ設けられる。枢着軸41の端部は、第1の位置決めリング3と接続される。第2の位置決めリング4の周縁には、貫通孔45が設けられる。貫通孔45は、第2の位置決めリング4の中心まで延伸する。また、第2の位置決めリング4の中心には、基準中心46が設けられる。本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の操作ステップを以下に示す。
【0039】
まず、観測点の緯度に基づき、第1の位置決めリング3を設定角度まで回転させる。次に、第2の位置決めリング4を回転させ、観測時刻を設定する。観測位置及び観測時刻の設定により、太陽光が第2の位置決めリング4の貫通孔45に進入する。太陽光が基準中心46上に直接照射されているとき、貫通孔45と基準中心46を結ぶ線が太陽の方位角及び仰角となり、この結果、太陽の方位角及び仰角を観測することができる。
【0040】
図10〜図11を参照して説明する。
図10〜図11は、本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀を示す図である。
本発明の他の実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、天幕カバー1、箱体2、第1の位置決めリング3、第2の位置決めリング4、位置決め柱5及び位置決め部材6を含む。天幕カバー1は、仰角目盛りが設けられた透明の半球カバーである。箱体2の上縁には、第1の位置決めリング3、第2の位置決めリング4及び位置決め柱5が収納される開口部21が設けられる。
第1の位置決めリング3は、中空であり、第2の位置決めリング4が収納される。第1の位置決めリング3の直径は、箱体2の開口部21より若干小さい。第1の位置決めリング3の両側には、枢着軸31が設けられる。第1の位置決めリング3の2つの枢着軸31は、箱体2と接続される。位置決め部材6の内部には、磁石61が配置される。位置決め部材6は、単独の部材であり、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀と分離して使用される。
【0041】
第2の位置決めリング4は、扇形の中空であり、位置決め柱5が収納される。第2の位置決めリング4の直径は、第1の位置決めリング3より若干小さく、第2の位置決めリング4の第1の位置決めリング3の枢着軸31と垂直の両側には、枢着軸41がそれぞれ設けられる。枢着軸41の端部は、第1の位置決めリング3と接続される。第2の位置決めリング4の周縁には、凹溝42が設けられる。
また、第2の位置決めリング4の中心には、中心軸43が設けられる。位置決め柱5は、一方の端部に中空柱体52が設けられ、他方の端部に中実柱体54が設けられる。また、中空柱体52には、嵌合管56が設けられる。嵌合管56の前端には、磁石561が配置される。或いは、中空柱体52内に直接磁石561を配置してもよい。中実柱体54は、第2の位置決めリング4の中心軸43に枢着される。
【0042】
本実施形態による天幕カバー1及び位置決め部材6は、硬度の高い強化プラスチック又はガラスからなる。位置決め部材6の半径は、天幕カバー1の半径より小さい。また、位置決め柱5の長さは、天幕カバー1の半径より若干小さい。これにより、位置決め柱5の上端を天幕カバー1の内側表面に貼合させることができる。磁石61の形状は、球形、半球形、筒形、矩形などであり、磁石561の形状は、円柱体、直方体などである。
【0043】
本実施形態による多軸式太陽軌跡追跡経緯儀の操作方法を以下に示す。
まず、第1の位置決めリング3、第2の位置決めリング4及び位置決め柱5を組み合わせ、箱体2内に配置する。次に、天幕カバー1を箱体2上に配置する。次に、位置決め部材6を磁石561が配置された位置決め柱5の上端に位置合わせして天幕カバー1の表面に配置する。位置決め部材6の磁石61が中空柱体52の磁石561により吸着されることにより、位置決め部材6は、天幕カバー1から脱落しない上、位置決め柱5を連動させる。即ち、位置決め柱5の磁石561が位置決め部材6の磁石61の磁力によって吸着されるため、天幕カバー1表面上の位置決め部材6を動かすことにより、位置決め柱5を移動させることができる。
これにより、第1の位置決めリング3及び第2の位置決めリング4も連動し、シミュレートしたい経度、緯度及び時刻に基づき、位置決め部材6を正確な位置に移動させることができる。また、緯度目盛り22、方位角目盛り23、時刻目盛り32及び月目盛り44により、位置決め部材6を正確な位置に移動させたか否かを判定することができる。図12に示すように、位置決め部材6を移動させることにより、太陽の方位角及び仰角をシミュレートし、上述の動作を繰り返すことにより、他の時刻における太陽の位置を天幕カバー1の表面上に順番に表記して太陽軌跡をシミュレートすることができる。また、例えば、油性ペン又は水性ペンを用いて太陽軌跡を表記することにより、軌跡図を作成することができる。
【0044】
上述したことから分かるように、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、上述の目的を確実に達成することができる。
第1の位置決めリングを調整することにより、観測点の緯度を設定し、第2の位置決めリングを調整することにより、観測時刻を設定し、位置決め柱により、観測月(季節)を設定することにより、太陽光の照射方位を追跡することができ、天幕カバーの経緯線上に太陽の位置を記することができる。これにより、太陽の方位角及び仰角のデータを取得することができる。また、上述の第1の位置決めリング、第2の位置決めリング及び位置決め柱により、太陽光が存在しない状況において、太陽軌跡のシミュレーション実験を行うことができる。
【0045】
即ち、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀により、太陽軌跡の観測及びシミュレーションを行うことができる。また、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀により、如何なる観測点、時刻及び季節における太陽軌跡をシミュレーションすることができる。また、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、多軸構造であり、太陽軌跡を正確に知ることができる上、構造が簡単であり、教材として使用することができる。
即ち、本発明の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀は、実用性、産業上の利用性、新規性及び進歩性を有する。
【0046】
以上の説明は、本発明の好適な実施形態を示したものであり、本発明の特許請求の範囲に基づく同等効果の変更は、全て本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1 天幕カバー
2 箱体
21 開口部
22 緯度目盛り
23 方位角目盛り
24 調整指針
3 第1の位置決めリング
31 枢着軸
32 時刻目盛り
33 調整指針
4 第2の位置決めリング
41 枢着軸
42 凹溝
43 中心軸
44 月目盛り
45 貫通孔
46 基準中心
5 位置決め柱
51 貫通孔
52 中空柱体
53 基準中心
54 中実柱体
55 レーザーペン
56 嵌合管
561 磁石
6 位置決め部材
61 磁石
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上縁に開口部が設けられる箱体と、
仰角目盛りが設けられた透明の半球カバーであり、底部辺縁が前記箱体上縁の開口部周縁を被覆する天幕カバーと、
中空であり、直径が前記箱体の開口部より若干小さく、両側に前記箱体と接続される枢着軸がそれぞれ設けられる第1の位置決めリングと、
扇形の中空であり、直径が前記第1の位置決めリングより若干小さく、前記第1の位置決めリングの枢着軸と垂直の両側には、前記第1の位置決めリングと接続される枢着軸がそれぞれ設けられ、周縁に凹溝が設けられ、中心に中心軸が設けられる第2の位置決めリングと、
一方の端部に中空柱体が設けられ、他方の端部に中実柱体が設けられ、前記中空柱体は、上縁に貫通孔が設けられ、下縁に基準中心が設けられ、前記中実柱体は、前記第2の位置決めリングの中心軸に枢着される位置決め柱とを備え、
前記箱体の開口部には、前記第1の位置決めリングが収納され、前記第1の位置決めリングの中空部分には、前記第2の位置決めリングが収納され、前記第2の位置決めリングの扇形の中空部分には、前記位置決め柱が収納されることを特徴とする多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項2】
上縁に開口部が設けられる箱体と、
仰角目盛りが設けられた透明の半球カバーであり、底部辺縁が前記箱体上縁の開口部周縁を被覆する天幕カバーと、
中空であり、直径が前記箱体の開口部より若干小さく、両側に前記箱体と接続される枢着軸がそれぞれ設けられる第1の位置決めリングと、
中実であり、直径が前記第1の位置決めリングより若干小さく、前記第1の位置決めリングの枢着軸と垂直の両側には、前記第1の位置決めリングと接続される枢着軸がそれぞれ設けられ、周縁に貫通孔が設けられ、前記貫通孔は、基準中心が設けられた中心まで延伸する第2の位置決めリングとを備え、
前記箱体の開口部には、前記第1の位置決めリングが収納され、前記第1の位置決めリングの中空部分には、前記第2の位置決めリングが収納されることを特徴とする多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項3】
上縁に開口部が設けられる箱体と、
仰角目盛りが設けられた透明の半球カバーであり、底部辺縁が前記箱体上縁の開口部周縁を被覆する天幕カバーと、
中空であり、直径が前記箱体の開口部より若干小さく、両側に前記箱体と接続される枢着軸がそれぞれ設けられる第1の位置決めリングと、
扇形の中空であり、直径が前記第1の位置決めリングより若干小さく、前記第1の位置決めリングの枢着軸と垂直の両側には、前記第1の位置決めリングと接続される枢着軸がそれぞれ設けられ、周縁に凹溝が設けられ、中心に中心軸が設けられる第2の位置決めリングと、
一方の端部に中空柱体が設けられ、他方の端部に中実柱体が設けられ、前記中空柱体内には、磁石が収納され、前記中実柱体は、前記第2の位置決めリングの中心軸に枢着される位置決め柱と、
内部に磁石が配置され、単独構造であり、前記天幕カバーの外表面に配置される位置決め部材とを備え、
前記箱体の開口部には、前記第1の位置決めリングが収納され、前記第1の位置決めリングの中空部分には、前記第2の位置決めリングが収納され、前記第2の位置決めリングの扇形の中空部分には、前記位置決め柱が収納され、前記位置決め部材の底部は、前記天幕カバーの外表面上に配置され、
前記位置決め部材を前記天幕カバーの表面上において移動させたとき、前記位置決め柱は、前記位置決め柱の磁石が前記位置決め部材の磁石に吸着されることによって連動し、これにより、前記第1の位置決めリング及び前記第2の位置決めリングが移動することを特徴とする多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項4】
前記箱体の開口部周縁には、前記天幕カバーが収容される環状溝が設けられ、前記箱体の前記天幕カバーが接続される内外周囲には、方位角目盛りが設けられることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項5】
前記箱体外部の前記第1の位置決めリングの枢着軸が接続される両側には、緯度目盛りが設けられることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項6】
前記第1の位置決めリングの枢着軸には、観測点の緯度に基づいて角度を調整するために用いられる調整指針が設けられることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項7】
前記第1の位置決めリングの外径周縁の前記第2の位置決めリングの枢着軸が接続される両側には、時刻目盛りが設けられることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項8】
前記第2の位置決めリングの枢着軸には、観測時刻を設定するために用いられる調整指針が設けられることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項9】
前記第2の位置決めリングの凹溝周囲には、前記位置決め柱が観測月を設定するために用いられる月目盛りが設けられることを特徴とする請求項1又は3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項10】
前記貫通孔内又は基準中心面上には、レーザーペンが装着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項11】
前記レーザーペンは、前記貫通孔内側に嵌合又は螺合されるか、或いは、前記基準中心面上に装着されることを特徴とする請求項10に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項12】
前記位置決め部材の半径は、前記天幕カバーの半径より小さいことを特徴とする請求項3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項13】
前記位置決め柱の長さは、前記天幕カバーの半径より若干小さいことを特徴とする請求項3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項14】
前記位置決め部材の磁石の形状は、球形、半球形、筒形、矩形などであることを特徴とする請求項3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項15】
前記中空柱体の磁石の形状は、円柱体、直方体などであることを特徴とする請求項3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項16】
前記中空柱体には、嵌合管が設けられ、前記嵌合管の前端には、磁石が配置されることを特徴とする請求項3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項1】
上縁に開口部が設けられる箱体と、
仰角目盛りが設けられた透明の半球カバーであり、底部辺縁が前記箱体上縁の開口部周縁を被覆する天幕カバーと、
中空であり、直径が前記箱体の開口部より若干小さく、両側に前記箱体と接続される枢着軸がそれぞれ設けられる第1の位置決めリングと、
扇形の中空であり、直径が前記第1の位置決めリングより若干小さく、前記第1の位置決めリングの枢着軸と垂直の両側には、前記第1の位置決めリングと接続される枢着軸がそれぞれ設けられ、周縁に凹溝が設けられ、中心に中心軸が設けられる第2の位置決めリングと、
一方の端部に中空柱体が設けられ、他方の端部に中実柱体が設けられ、前記中空柱体は、上縁に貫通孔が設けられ、下縁に基準中心が設けられ、前記中実柱体は、前記第2の位置決めリングの中心軸に枢着される位置決め柱とを備え、
前記箱体の開口部には、前記第1の位置決めリングが収納され、前記第1の位置決めリングの中空部分には、前記第2の位置決めリングが収納され、前記第2の位置決めリングの扇形の中空部分には、前記位置決め柱が収納されることを特徴とする多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項2】
上縁に開口部が設けられる箱体と、
仰角目盛りが設けられた透明の半球カバーであり、底部辺縁が前記箱体上縁の開口部周縁を被覆する天幕カバーと、
中空であり、直径が前記箱体の開口部より若干小さく、両側に前記箱体と接続される枢着軸がそれぞれ設けられる第1の位置決めリングと、
中実であり、直径が前記第1の位置決めリングより若干小さく、前記第1の位置決めリングの枢着軸と垂直の両側には、前記第1の位置決めリングと接続される枢着軸がそれぞれ設けられ、周縁に貫通孔が設けられ、前記貫通孔は、基準中心が設けられた中心まで延伸する第2の位置決めリングとを備え、
前記箱体の開口部には、前記第1の位置決めリングが収納され、前記第1の位置決めリングの中空部分には、前記第2の位置決めリングが収納されることを特徴とする多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項3】
上縁に開口部が設けられる箱体と、
仰角目盛りが設けられた透明の半球カバーであり、底部辺縁が前記箱体上縁の開口部周縁を被覆する天幕カバーと、
中空であり、直径が前記箱体の開口部より若干小さく、両側に前記箱体と接続される枢着軸がそれぞれ設けられる第1の位置決めリングと、
扇形の中空であり、直径が前記第1の位置決めリングより若干小さく、前記第1の位置決めリングの枢着軸と垂直の両側には、前記第1の位置決めリングと接続される枢着軸がそれぞれ設けられ、周縁に凹溝が設けられ、中心に中心軸が設けられる第2の位置決めリングと、
一方の端部に中空柱体が設けられ、他方の端部に中実柱体が設けられ、前記中空柱体内には、磁石が収納され、前記中実柱体は、前記第2の位置決めリングの中心軸に枢着される位置決め柱と、
内部に磁石が配置され、単独構造であり、前記天幕カバーの外表面に配置される位置決め部材とを備え、
前記箱体の開口部には、前記第1の位置決めリングが収納され、前記第1の位置決めリングの中空部分には、前記第2の位置決めリングが収納され、前記第2の位置決めリングの扇形の中空部分には、前記位置決め柱が収納され、前記位置決め部材の底部は、前記天幕カバーの外表面上に配置され、
前記位置決め部材を前記天幕カバーの表面上において移動させたとき、前記位置決め柱は、前記位置決め柱の磁石が前記位置決め部材の磁石に吸着されることによって連動し、これにより、前記第1の位置決めリング及び前記第2の位置決めリングが移動することを特徴とする多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項4】
前記箱体の開口部周縁には、前記天幕カバーが収容される環状溝が設けられ、前記箱体の前記天幕カバーが接続される内外周囲には、方位角目盛りが設けられることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項5】
前記箱体外部の前記第1の位置決めリングの枢着軸が接続される両側には、緯度目盛りが設けられることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項6】
前記第1の位置決めリングの枢着軸には、観測点の緯度に基づいて角度を調整するために用いられる調整指針が設けられることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項7】
前記第1の位置決めリングの外径周縁の前記第2の位置決めリングの枢着軸が接続される両側には、時刻目盛りが設けられることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項8】
前記第2の位置決めリングの枢着軸には、観測時刻を設定するために用いられる調整指針が設けられることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項9】
前記第2の位置決めリングの凹溝周囲には、前記位置決め柱が観測月を設定するために用いられる月目盛りが設けられることを特徴とする請求項1又は3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項10】
前記貫通孔内又は基準中心面上には、レーザーペンが装着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項11】
前記レーザーペンは、前記貫通孔内側に嵌合又は螺合されるか、或いは、前記基準中心面上に装着されることを特徴とする請求項10に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項12】
前記位置決め部材の半径は、前記天幕カバーの半径より小さいことを特徴とする請求項3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項13】
前記位置決め柱の長さは、前記天幕カバーの半径より若干小さいことを特徴とする請求項3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項14】
前記位置決め部材の磁石の形状は、球形、半球形、筒形、矩形などであることを特徴とする請求項3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項15】
前記中空柱体の磁石の形状は、円柱体、直方体などであることを特徴とする請求項3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【請求項16】
前記中空柱体には、嵌合管が設けられ、前記嵌合管の前端には、磁石が配置されることを特徴とする請求項3に記載の多軸式太陽軌跡追跡経緯儀。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−180125(P2011−180125A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2709(P2011−2709)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(511008849)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(511008849)
【Fターム(参考)】
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