多連カートリッジ、カートリッジ配列フレーム及び回収容器
12Nの力が加えられた際に、圧力がかかった空気の洩れを防止するために、本発明の多連カートリッジ(A)は連結片(5)により並んで複数多孔質膜カートリッジを設け、各カートリッジは先端部(13)および後端部に開口部(11a,11b)を有する筒状のバレルと、前記先端部の外部に嵌合する嵌合部(22)を有する筒状に形成され、前記先端部の開口縁(14)に当接し、かつ前記キャップと筒との間で挟持される多孔質膜(F)を挟持する挟持面(24)を有するキャップ(20)と、前記筒の開口縁とキャップとの間に挟持される前記多孔質膜とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の濾過などに使用する多孔質膜カートリッジを複数有する多連カートリッジ、多連カートリッジを配列するカートリッジ配列フレーム及び多連カートリッジからの廃液または抽出液を回収する回収容器に関する。
【背景技術】
【0002】
多孔質膜は、液体の濾過や、液体内の特定物質の吸着のために、実験室や工場などにおいて広く使用されている。そして、このような目的で多孔質膜を利用するときには、液体が通る通路の途中に多孔質膜を保持する必要がある。この保持方法は、一般には、液体が通る通路を有する2つの部材の間に多孔質膜を挟持して保持する方法が用いられる。
【0003】
このような多孔質膜は、一般に精密な実験や測定などに用いられることから、清浄なものが求められ、一度使用されたら、交換されるのが通常である。そのため、液体を通流できる状で、多孔質膜を保持したカートリッジにしておくのが清浄性の点や、使用上の便利さの点で都合がよい。このような多孔質膜カートリッジとしては、例えば特開2002−345465号公報(段落0010〜0020、図1)に記載された核酸精製ユニットなどが知られている。
【発明の開示】
【0004】
ところで、一般に核酸などの抽出及びその後の増幅工程、分析工程において使用する多孔質膜カートリッジは、8個×12列の96個のフォーマットで形成されている。そこで、多孔質膜カートリッジを96個のフォーマットに一体的に成形することも考えられるが、96個のフォーマットに一体的に成形するには、金型、設備、加工設備が大掛かりとなり、コストアップにつながる。一方、8個×12列の多孔質膜カートリッジが入るフレームに多孔質膜カートリッジを1個ずつ配列することは非常に手間がかかる。
そのため、多孔質膜カートリッジを1列に8個または12個並設した多連カートリッジとすることが考えられる。しかし、多連カートリッジの後端側から抽出液などを抽出する装置を密着させ、加圧エアーを通流させようとすると、加圧により多連カートリッジに撓みが発生し、加圧エアー漏れを起こす場合があることが判明した。
【0005】
そこで、本発明は、抽出液などを抽出する装置で加圧しても撓みが発生せず、加圧エアー漏れが起こらない多連カートリッジを提供することを目的とする。
また、抽出液などを抽出する装置で加圧しても多連カートリッジに撓みが発生せず、加圧エアー漏れが起こらないように多連カートリッジを保持する、多連カートリッジを配列するカートリッジ配列フレームを提供することを目的とする。
さらに、抽出液などを抽出する装置で加圧しても多連カートリッジに撓みが発生せず、
加圧エアー漏れが起こらないように多連カートリッジを保持して多連カートリッジからの抽出液などを回収する回収容器を提供することを目的とする。
【0006】
課題を解決するため、本発明の多連カートリッジは、次のように構成した。
すなわち、先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持する多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジであって、前記複数の多孔質膜カートリッジの後端部において、先端部へ向けて荷重される力が12Nの場合に、垂下方向への撓み量が1mm以下であることを特徴とする。
【0007】
このような多連カートリッジによれば、多孔質膜カートリッジが垂下方向に12Nの力を受けても多連カートリッジの垂下方向への撓み量を1mm以下に抑えることができる。
ここで、多孔質膜カートリッジの垂下方向に12Nの力をかけるのは、多連カートリッジを構成する多孔質膜カートリッジに処理すべき液体を通すとき、1.5KPaの加圧エアーを多孔質膜カートリッジに供給する必要があり、その際、この加圧エアーを漏れ(リーク)させないために多孔質膜カートリッジの垂下方向の後端部から先端部へ向けて12Nの力をかける必要があるからである。
【0008】
多孔質膜カートリッジは、先端部及び後端部に開口を有する筒状のバレルと、先端部に外嵌する嵌合部を有する筒状に形成され、先端部の開口縁部と当接してバレルとの間で多孔質膜を挟持する挟持面を有するキャップと、バレルの開口縁部とキャップとの間に挟持される前記多孔質膜と、から構成されたものであってもよい。
【0009】
また、多孔質膜カートリッジ同士の近接部分を筒状体の長さ方向に沿った連結片で連結したものであってもよい。
また、多孔質膜カートリッジ同士の近接部分をバレルまたはキャップの長さ方向に沿った連結片で連結したものであってもよい。
また、多孔質膜カートリッジ同士の接続部分を肉厚に形成したものであってもよい。
また、隣接する筒状体同士を一体に成形したものであってもよい。
また、隣接するバレル同士またはキャップ同士を一体に成形したものであってもよい。
【0010】
また、連結片の垂直方向の長さをL(mm)、厚さをt(mm)とするとL×tが5以上であることが好ましい。
さらに、連結片の垂直方向の長さをL(mm)、厚さをt(mm)とするとL×tが7以上であることがより好ましい。
【0011】
また、前記課題を解決するため、本発明のカートリッジ配列フレームは、次のように構成した。
すなわち、先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持する多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジを複数列に配列するカートリッジ配列フレームであって、一方の対の辺が前記多連カートリッジの水平方向の長さに対応した矩形の開口部を有する枠体と、前記開口部の他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの側部を保持する複数の第1保持部と、前記開口部の一方の対の辺又は/及び他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの筒状体を保持する第2保持部とを有することを特徴とする。
【0012】
このようなカートリッジ配列フレームによれば、多連カートリッジの端部以外の筒状体を保持する第2保持部を有するので、多孔質膜カートリッジが垂下方向に12Nの力を受けても多連カートリッジの垂下方向への撓みを抑えることができる。
【0013】
また、カートリッジ配列フレームは、次のような構成であってもよい。
すなわち、先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持するとともに前記多孔質膜カートリッジ同士の近接部分を前記筒状体の長さ方向に沿った連結片で連結した多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジを複数列に配列するカートリッジ配列フレームであって、一方の対の辺が前記多連カートリッジの水平方向の長さに対応した矩形の開口部を有する枠体と、前記開口部の他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの側部を保持する複数の第1保持部と、前記開口部の一方の対の辺又は/及び他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの連結片を保持する第3保持部とを有することを特徴とする。
【0014】
このようなカートリッジ配列フレームによれば、多連カートリッジの連結片を保持する第3保持部を有するので、多孔質膜カートリッジが垂下方向に12Nの力を受けても多連カートリッジの垂下方向への撓みを抑えることができる。
【0015】
また、前記課題を解決するため、本発明の回収容器は、次のように構成した。
すなわち、先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持する多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジを複数列に配列するカートリッジ配列フレームに配置されたマトリクス状の多連カートリッジから排出される抽出液または廃液を回収する回収容器であって、前記マトリクス状の多連カートリッジに対応した複数の開口部を有する容器体と、前記開口部の縁に形成された前記多連カートリッジの筒状体を保持する第4保持部とを有することを特徴とする。
【0016】
このような回収容器によれば、多孔質膜カートリッジの端部以外の筒状体を保持する第4保持部を有するので、多孔質膜カートリッジが垂下方向に12Nの力を受けても多連カートリッジの垂下方向への撓みを抑えることができる。
【0017】
本発明によれば、多孔質膜カートリッジが垂下方向に12Nの力を受けても多連カートリッジの垂下方向への撓みを抑えることができるので、加圧エアー漏れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施形態)
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態では、多連カートリッジの用途として核酸の抽出に用いる場合について説明するが、用途はこれに限定されるものではない。
【0019】
図1に示すように、第1の実施形態に係る多連カートリッジAは、連結片5により8個の多孔質膜カートリッジ1を並設して連結されている。連結片5は、板状のポリプロピレンなどの樹脂からなり、多連カートリッジAに12Nの力を後端部から先端部にかけても多連カートリッジAの垂下方向への撓みが1mm以下となるような強度を有する。なお、本実施形態においては、多連カートリッジA(バレル10及びキャップ20)の、液体が流入する側を後端側、液体が押し出される側を先端側と称する。また、連結片5の垂直方向の長さをL(mm)幅をt(mm)とするとL×tが5以上、好ましくは7以上であることが望ましい。図5に示すように多孔質膜カートリッジ1は、多孔質膜Fと、多孔質膜Fを保持するとともに、液体が通流する通路を形成するバレル10及びキャップ20とから構成されている。また、多連カートリッジAの両端の多孔質膜カートリッジ1には連結片5に対して水平方向に略135度離れた位置にリブ15が形成されている。リブ15は、多連カートリッジAを挿入するカートリッジ配列フレームの上面に当接する。
【0020】
バレル10は、円筒状の本体部12と、本体12の側面に他のバレル10(多孔質膜カートリッジ1)と本体部12に連なる円筒状の先端部13とからなり、先端部13には開口11a、本体部12の後端部に開口11bを有する。そのため、開口11bから開口11aへ液体が通流可能である。先端部13の外径は、本体部12の外径より一回り小さくなっている。また、バレル10の肉厚は0.5mm以上であることが好ましい。
【0021】
図5に示すように、キャップ20は、円筒状の嵌合部22と、嵌合部22の先端側に連なるノズル23とからなるノズル23の先端には、開口21aが形成され、嵌合部22の後端にも開口21bが形成され、キャップ20の後端から先端へ向けて液体が通流可能である。ノズル23の肉厚は0.5mm以上であることが好ましい。
嵌合部22の内径は、前記バレル10の先端部13の外径と嵌合可能な直径に形成されている。
そして、図6に示すように、キャップ20の嵌合部22内に多孔質膜Fを入れた状態でバレル10の先端部13をキャップ20の嵌合部22へ嵌入することで、多孔質膜Fをキャップ20とバレル10の間で挟持可能である。
【0022】
キャップ20は、図7に示すように、嵌合部22からノズル23につながる嵌合部22の底部26に、6本(図においては3本のみ図示)の放射状のリブ25が形成されている。また、底部26の外周縁には、リブ25の上面と同じ高さになるように底部26から一段高くなった挟持面24が、全周にわたって形成されている。
【0023】
挟持面24は、バレル10の開口11aの端縁にあたる開口縁部14(図5参照)との間で、多孔質膜Fを挟持する面である。
【0024】
リブ25は、挟持面24と同じ高さに形成されることで、キャップ20内の底部26に配置された多孔質膜Fを支持し、後端(開口21b)から先端(開口21a)への液体の流れによって、多孔質膜Fが伸びたり破れたりするのを防止している。また、リブ25は、放射状に形成されることで、液体を後端から先端へ流した際に、液体がノズル23へスムーズに流れ込むようになっている。
【0025】
なお、バレル10及びキャップ20は、例えばポリプロピレンからなるが、これに限られるものではない。超音波溶着によりバレル10とキャップ20を固着する場合は、超音波溶着が可能な熱可塑性の樹脂であればよい。また、接着剤により固着する場合は、接着剤で接着可能な材質であればよい。
【0026】
多孔質膜Fは、有機高分子からなる多孔質の膜であり、キャップ20の内径及びバレル10の先端部13の外径にほぼ一致した直径の円形に形成されている。多孔質膜Fの材質としては、核酸抽出の目的では、例えばアセチルセルロースの表面鹸化物が好適である。アセチルセルロースとしては、モノアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの何れでもよいが、特にトリアセチルセルロースが望ましい。
なお、一般的なフィルタとして、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の多孔質膜を用いることもできる。
【0027】
次に、図8を参照して、多連カートリッジAを配置するカートリッジ配列フレームBについて説明する。カートリッジ配列フレームBは、矩形の枠体である。このカートリッジ配列フレームBの一方の対の内側面には、多連カートリッジAの側面に嵌合する湾曲部31が形成されている。なお、カートリッジ配列フレームBは、図示しない保持機構により保持されている。
【0028】
図8、図9に示すように、多連カートリッジAをカートリッジ配列フレームBに嵌入すると、多連カートリッジAの嵌合部22の外周面がカートリッジ配列フレームBの湾曲部31に嵌合し、多連カートリッジAのリブ15がカートリッジ配列フレームBの上面に当接する。
【0029】
多連カートリッジAは、次のように使用される。
まず、核酸を含む試料溶液として、検体として採血された全血、血漿、血清、尿、便、
精液、唾液などの体液、あるいは植物(またはその一部)、動物(またはその一部)など、あるいはそれらの溶解物及びホモジネートなどの生物材料から調製された溶液を用意する。これらの溶液を、細胞膜を溶解して核酸を可溶化する試薬を含む水溶液で処理する。これにより細胞膜及び核膜が溶解されて、核酸が水溶液内に分散する。例えば、試料が全血の場合、塩酸グアニジン、Triton−X100、プロテアーゼK(SIGMA製)を添加した状態で、60℃で10分インキュベートすることによって赤血球の除去、各種タンパク質の除去、白血球の溶解及び核膜の溶解がなされる。
【0030】
このように核酸が分散した水溶液中に、水溶性有機溶媒、例えばエタノールを添加して試料溶液ができあがる。この試料溶液を多連カートリッジAのバレル10の本体部12の後端部から導入し、加圧エアーを多連カートリッジAに導入し、多連カートリッジAのバレル10の本体部12の後端部に12Nの力を掛ける装置を多連カートリッジAのバレル10の本体部12の後端部に密着させる。そして、この試料溶液を、バレル10の後端側の開口11bからノズル23の先端の開口21aへ向けて1.5KPaの加圧エアーを供給するとともに12Nの力を掛けつつ通流させる。こうすると、試料溶液中の核酸が多孔質膜Fに吸着される。この際、多連カートリッジAは12Nの力をかけても1mm以上撓むことがない。
【0031】
次に、核酸洗浄バッファ溶液を、多孔質膜カートリッジ1の後端側の開口11bからノズル23の開口21aに向けて1.5KPaの加圧エアーを供給するとともに12Nの力をかけながら通流させる。核酸洗浄バッファ溶液は、多孔質膜Fに吸着した核酸は脱着させないが、不純物は脱着させる組成を有するものであり、主剤と緩衝剤、及び必要に応じて界面活性剤を含む水溶液からなる。主剤としては、エタノール、Tris及びTriton−X100を含む溶液が好ましい。この操作により、多孔質膜Fから核酸以外の不純物が除去される。この際、前記と同様に、多連カートリッジAは12Nの力をかけても1mm以上撓むことがない。
【0032】
次に、精製蒸留水またはTEバッファ等を開口11bから開口21a(図5参照)に向けて1.5KPaの加圧エアーを供給するとともに12Nの力を掛けながら通流させて、核酸を多孔質膜Fから脱着させて流し出し、流れ出た核酸を含む溶液を回収する。この際、前記と同様に、多連カートリッジAは12Nの力をかけても1mm以上撓むことがない。
【0033】
第1の実施形態によれば、多連カートリッジAは、多連カートリッジAを構成する多孔質膜カートリッジに処理すべき液体を通すとき、加圧エアーを漏れさせないために12Nの力を多孔質膜カートリッジの後端側から先端側にかけても多連カートリッジAが垂下方向に1mm以上撓むことがないため、加圧エアー漏れを防止することができる。
【0034】
第1の実施形態では、多連カートリッジAを構成する多孔質膜カートリッジ1を連結片5により連結したが、図3に示すように多連カートリッジAaの多孔質膜カートリッジ1aのバレル10(図5参照)を当接させ当接部分を肉厚にしてもよい。また、図4に示すように多連カートリッジAbの多孔質膜カートリッジ1bのバレル10aを一体形成してもよい。
また、第1の実施形態では、多連カートリッジAを構成する多孔質膜カートリッジ1のバレル10を連結片5で連結したが、キャップ20を連結片5で連結してもよく、キャップ20を当接させ、当接部分を肉厚にしてもよく、また、キャップを一体形成してもよい。
また、第1の実施形態では、多連カートリッジAを8個の多孔質膜カートリッジ1で構成するとしたが、多連カートリッジAを複数の多孔質膜カートリッジ1で構成すればよく、例えば、12個の多孔質膜カートリッジ1で構成してもよい。
【0035】
(第2の実施形態)
次に、図面を参照して、第2の実施形態に係るカートリッジ配列フレームBaについて説明する。カートリッジ配列フレームBaは、矩形の枠体である。このカートリッジ配列フレームBaの一方の対の内側面には、多連カートリッジAcの側面に嵌合する第1保持部としての湾曲部31が形成され、このカートリッジ配列フレームBaの内側面には、略十字形の多連カートリッジAcの連結片5cを保持する第3保持部としての保持部33aが形成されている。この保持部33aは多連カートリッジAcの後端側から先端側に12Nの力をかけても多連カートリッジAcが垂下方向に過度に撓まないような強度を有している。
【0036】
図10、図11に示すように、多連カートリッジAcをカートリッジ配列フレームBaに嵌入する。ここで、嵌入する多連カートリッジAcは第1の実施形態の多連カートリッジAと構成は同一であるが、フレームに嵌入しない状態で、多連カートリッジAcの後端から先端に12Nの圧力を加えた場合に垂下方向に1mm以上撓んでもよい。多連カートリッジAcをカートリッジ配列フレームBaに嵌入した場合にカートリッジ配列フレームBaの保持部33aが多連カートリッジAcを支え、多連カートリッジAcに12Nの力が加わっても、多連カートリッジAcは撓まないからである。
【0037】
第2の実施形態に係る発明によれば、カートリッジ配列フレームBaは、多連カートリッジAcを構成する多孔質膜カートリッジ1に処理すべき液体を通すとき、加圧エアーを漏れさせず、12Nの力を多孔質膜カートリッジ1の後端側から先端側にかけても多連カートリッジAcが垂下方向に1mm以上撓むことがないため、加圧エアー漏れを防止することができる。
【0038】
第2の実施形態では、カートリッジ配列フレームBaの保持部33aは十字形としたが、図12に示すように、カートリッジ配列フレームBbの他方の対の辺に内設される保持部33bは多連カートリッジAcの連結片5c毎に配置されていてもよい。また、カートリッジ配列フレームBbの保持部33bは格子状であってもよい。また、カートリッジ配列フレームBbの保持部33bはカートリッジ配列フレームBbの一方または他方の対の辺のみに形成されていてもよい。また、図13に示すように、カートリッジ配列フレームBcの保持部(第2保持部)33cは、キャップ20の嵌合部22を嵌入するものであってもよい。さらに、カートリッジ配列フレームの保持部はバレル10などを嵌入するものであってもよい。
【0039】
(第3の実施形態)
次に、図面を参照して、第3の実施の形態に係る回収容器について説明する。図14、図15に示すように、回収容器Cは、略直方体であり、上面に1列8個の穴41が12列形成されている。この穴41の直径は、多連カートリッジAcの多孔質膜カートリッジ1のノズル23の直径より大きく、嵌合部22の直径より小さい構成となっている。また穴41の深さは、ノズル23の垂直方向の長さより長い構成となっている。ここで、回収容器Cの穴41の上部の周囲が、発明の開示に記載した第4保持部に該当する。また、回収容器Cには穴41に沿って溝43が形成されている。この溝43は加圧エアーを逃すためのものである。
【0040】
このような回収容器Cの穴41には、カートリッジ配列フレームBに嵌合された多連カートリッジAcのノズル23が挿入され、回収容器Cの穴41の上部の周囲が嵌合部22の先端と当接する。
【0041】
第3の実施形態に係る発明によれば、回収容器Cの穴41の上部の周囲が嵌合部22の先端と当接して多連カートリッジAcを支えるので、多連カートリッジAcを構成する多孔質膜カートリッジ1に処理すべき液体を通すとき、加圧エアーを漏れさせないために12Nの力を多孔質膜カートリッジの後端から先端にかけても多連カートリッジAcが垂下方向に撓むことがないため、加圧エアー漏れを防止することができる。
【0042】
なお、本発明は、第1の実施形態から第3の実施形態に記載の技術に限定されず、技術的思想の創作として同一である限り本発明の技術的範囲に含まれることはいうまでもない。
【0043】
次に実施例について説明する。
ここで使用する多連カートリッジは、多孔質膜カートリッジのピッチを9mm、多孔質膜カートリッジの垂直方向の長さを41mm、バレルの内径を8.5mm、バレル及びキャップの厚みを0.7mm、リブの厚みを1.2mm、キャップ、バレルの材質がポリプロピレンのものを使用した。また、連結片は板状体である。
また、多連カートリッジに対し、多連カートリッジの後端側の開口に垂下方向の12Nの力を加えて、1.5KPaの加圧エアーを多連カートリッジの後端の開口から導入して、多連カートリッジの撓み量、加圧エアーの漏れの有無について各実施例と各比較例について5回表1に記載の試験を行った。
【0044】
【表1】
【0045】
実施例9、実施例10は、図3に示すような多孔質膜カートリッジ同士の接触部分を肉厚にした多連カートリッジをそれぞれ使用した。また、×は加圧エアーの漏れがなかった多連カートリッジを示し、△は加圧エアーの漏れがあるものと加圧エアーの漏れがないものの両方があった多連カートリッジを示し、◆は加圧エアーの漏れがあった多連カートリッジを示している。また、Lは多連カートリッジの連結片の垂直方向の長さを示し、tは多連カートリッジの連結片の幅を示している。
【0046】
表1から分かるように、L×tが5以上の場合には加圧エアーの漏れが起こらず、L×tが3.5以下の場合には加圧エアーの漏れが起こることが分かる。
また、多連カートリッジの撓み量が1mm以下の場合には加圧エアーの漏れが起こらず、多連カートリッジの撓み量が1.5mm以上の場合には加圧エアーの漏れが起こることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によれば、多孔質膜が下方に12Nの力を受けても垂直方向における多連カートリッジの撓み量が防止可能なので、圧力がかかった空気の洩れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】(a)は、第1の実施形態に係る多連カートリッジの正面図、(b)は、第1の実施形態に係る多連カートリッジの上面図、(c)は、第1の実施形態に係る多連カートリッジの斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る多連カートリッジ一部分を示す斜視図である。
【図3】多連カートリッジの変形例を示す斜視図である。
【図4】多連カートリッジの変形例を示す斜視図である。
【図5】第1の実施形態に係る多孔質膜カートリッジの分解斜視図である。
【図6】第1の実施形態に係る多孔質膜カートリッジの断面図である。
【図7】第1実施形態に係るキャップの拡大断面斜視図である。
【図8】第1の実施形態に係る多連カートリッジをカートリッジ配列フレームに配置した状態を説明するための斜視図である。
【図9】第1の実施形態に係る多連カートリッジをカートリッジ配列フレームに配置した状態を説明するための斜視図である。
【図10】第2の実施形態に係るカートリッジ配列フレームの使用状態を示す斜視図である。
【図11】第2の実施形態に係るカートリッジ配列フレームの使用状態を示す斜視図である。
【図12】第2の実施形態に係るカートリッジ配列フレームの変形例を示す斜視図である。
【図13】第2の実施形態に係るカートリッジ配列フレームの変形例を示す斜視図である。
【図14】第3の実施形態に係る回収容器の一部断面図である。
【図15】第3の実施形態に係る回収容器の斜視図である。
【図16】第3の実施形態に係る回収容器の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の濾過などに使用する多孔質膜カートリッジを複数有する多連カートリッジ、多連カートリッジを配列するカートリッジ配列フレーム及び多連カートリッジからの廃液または抽出液を回収する回収容器に関する。
【背景技術】
【0002】
多孔質膜は、液体の濾過や、液体内の特定物質の吸着のために、実験室や工場などにおいて広く使用されている。そして、このような目的で多孔質膜を利用するときには、液体が通る通路の途中に多孔質膜を保持する必要がある。この保持方法は、一般には、液体が通る通路を有する2つの部材の間に多孔質膜を挟持して保持する方法が用いられる。
【0003】
このような多孔質膜は、一般に精密な実験や測定などに用いられることから、清浄なものが求められ、一度使用されたら、交換されるのが通常である。そのため、液体を通流できる状で、多孔質膜を保持したカートリッジにしておくのが清浄性の点や、使用上の便利さの点で都合がよい。このような多孔質膜カートリッジとしては、例えば特開2002−345465号公報(段落0010〜0020、図1)に記載された核酸精製ユニットなどが知られている。
【発明の開示】
【0004】
ところで、一般に核酸などの抽出及びその後の増幅工程、分析工程において使用する多孔質膜カートリッジは、8個×12列の96個のフォーマットで形成されている。そこで、多孔質膜カートリッジを96個のフォーマットに一体的に成形することも考えられるが、96個のフォーマットに一体的に成形するには、金型、設備、加工設備が大掛かりとなり、コストアップにつながる。一方、8個×12列の多孔質膜カートリッジが入るフレームに多孔質膜カートリッジを1個ずつ配列することは非常に手間がかかる。
そのため、多孔質膜カートリッジを1列に8個または12個並設した多連カートリッジとすることが考えられる。しかし、多連カートリッジの後端側から抽出液などを抽出する装置を密着させ、加圧エアーを通流させようとすると、加圧により多連カートリッジに撓みが発生し、加圧エアー漏れを起こす場合があることが判明した。
【0005】
そこで、本発明は、抽出液などを抽出する装置で加圧しても撓みが発生せず、加圧エアー漏れが起こらない多連カートリッジを提供することを目的とする。
また、抽出液などを抽出する装置で加圧しても多連カートリッジに撓みが発生せず、加圧エアー漏れが起こらないように多連カートリッジを保持する、多連カートリッジを配列するカートリッジ配列フレームを提供することを目的とする。
さらに、抽出液などを抽出する装置で加圧しても多連カートリッジに撓みが発生せず、
加圧エアー漏れが起こらないように多連カートリッジを保持して多連カートリッジからの抽出液などを回収する回収容器を提供することを目的とする。
【0006】
課題を解決するため、本発明の多連カートリッジは、次のように構成した。
すなわち、先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持する多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジであって、前記複数の多孔質膜カートリッジの後端部において、先端部へ向けて荷重される力が12Nの場合に、垂下方向への撓み量が1mm以下であることを特徴とする。
【0007】
このような多連カートリッジによれば、多孔質膜カートリッジが垂下方向に12Nの力を受けても多連カートリッジの垂下方向への撓み量を1mm以下に抑えることができる。
ここで、多孔質膜カートリッジの垂下方向に12Nの力をかけるのは、多連カートリッジを構成する多孔質膜カートリッジに処理すべき液体を通すとき、1.5KPaの加圧エアーを多孔質膜カートリッジに供給する必要があり、その際、この加圧エアーを漏れ(リーク)させないために多孔質膜カートリッジの垂下方向の後端部から先端部へ向けて12Nの力をかける必要があるからである。
【0008】
多孔質膜カートリッジは、先端部及び後端部に開口を有する筒状のバレルと、先端部に外嵌する嵌合部を有する筒状に形成され、先端部の開口縁部と当接してバレルとの間で多孔質膜を挟持する挟持面を有するキャップと、バレルの開口縁部とキャップとの間に挟持される前記多孔質膜と、から構成されたものであってもよい。
【0009】
また、多孔質膜カートリッジ同士の近接部分を筒状体の長さ方向に沿った連結片で連結したものであってもよい。
また、多孔質膜カートリッジ同士の近接部分をバレルまたはキャップの長さ方向に沿った連結片で連結したものであってもよい。
また、多孔質膜カートリッジ同士の接続部分を肉厚に形成したものであってもよい。
また、隣接する筒状体同士を一体に成形したものであってもよい。
また、隣接するバレル同士またはキャップ同士を一体に成形したものであってもよい。
【0010】
また、連結片の垂直方向の長さをL(mm)、厚さをt(mm)とするとL×tが5以上であることが好ましい。
さらに、連結片の垂直方向の長さをL(mm)、厚さをt(mm)とするとL×tが7以上であることがより好ましい。
【0011】
また、前記課題を解決するため、本発明のカートリッジ配列フレームは、次のように構成した。
すなわち、先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持する多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジを複数列に配列するカートリッジ配列フレームであって、一方の対の辺が前記多連カートリッジの水平方向の長さに対応した矩形の開口部を有する枠体と、前記開口部の他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの側部を保持する複数の第1保持部と、前記開口部の一方の対の辺又は/及び他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの筒状体を保持する第2保持部とを有することを特徴とする。
【0012】
このようなカートリッジ配列フレームによれば、多連カートリッジの端部以外の筒状体を保持する第2保持部を有するので、多孔質膜カートリッジが垂下方向に12Nの力を受けても多連カートリッジの垂下方向への撓みを抑えることができる。
【0013】
また、カートリッジ配列フレームは、次のような構成であってもよい。
すなわち、先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持するとともに前記多孔質膜カートリッジ同士の近接部分を前記筒状体の長さ方向に沿った連結片で連結した多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジを複数列に配列するカートリッジ配列フレームであって、一方の対の辺が前記多連カートリッジの水平方向の長さに対応した矩形の開口部を有する枠体と、前記開口部の他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの側部を保持する複数の第1保持部と、前記開口部の一方の対の辺又は/及び他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの連結片を保持する第3保持部とを有することを特徴とする。
【0014】
このようなカートリッジ配列フレームによれば、多連カートリッジの連結片を保持する第3保持部を有するので、多孔質膜カートリッジが垂下方向に12Nの力を受けても多連カートリッジの垂下方向への撓みを抑えることができる。
【0015】
また、前記課題を解決するため、本発明の回収容器は、次のように構成した。
すなわち、先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持する多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジを複数列に配列するカートリッジ配列フレームに配置されたマトリクス状の多連カートリッジから排出される抽出液または廃液を回収する回収容器であって、前記マトリクス状の多連カートリッジに対応した複数の開口部を有する容器体と、前記開口部の縁に形成された前記多連カートリッジの筒状体を保持する第4保持部とを有することを特徴とする。
【0016】
このような回収容器によれば、多孔質膜カートリッジの端部以外の筒状体を保持する第4保持部を有するので、多孔質膜カートリッジが垂下方向に12Nの力を受けても多連カートリッジの垂下方向への撓みを抑えることができる。
【0017】
本発明によれば、多孔質膜カートリッジが垂下方向に12Nの力を受けても多連カートリッジの垂下方向への撓みを抑えることができるので、加圧エアー漏れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施形態)
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態では、多連カートリッジの用途として核酸の抽出に用いる場合について説明するが、用途はこれに限定されるものではない。
【0019】
図1に示すように、第1の実施形態に係る多連カートリッジAは、連結片5により8個の多孔質膜カートリッジ1を並設して連結されている。連結片5は、板状のポリプロピレンなどの樹脂からなり、多連カートリッジAに12Nの力を後端部から先端部にかけても多連カートリッジAの垂下方向への撓みが1mm以下となるような強度を有する。なお、本実施形態においては、多連カートリッジA(バレル10及びキャップ20)の、液体が流入する側を後端側、液体が押し出される側を先端側と称する。また、連結片5の垂直方向の長さをL(mm)幅をt(mm)とするとL×tが5以上、好ましくは7以上であることが望ましい。図5に示すように多孔質膜カートリッジ1は、多孔質膜Fと、多孔質膜Fを保持するとともに、液体が通流する通路を形成するバレル10及びキャップ20とから構成されている。また、多連カートリッジAの両端の多孔質膜カートリッジ1には連結片5に対して水平方向に略135度離れた位置にリブ15が形成されている。リブ15は、多連カートリッジAを挿入するカートリッジ配列フレームの上面に当接する。
【0020】
バレル10は、円筒状の本体部12と、本体12の側面に他のバレル10(多孔質膜カートリッジ1)と本体部12に連なる円筒状の先端部13とからなり、先端部13には開口11a、本体部12の後端部に開口11bを有する。そのため、開口11bから開口11aへ液体が通流可能である。先端部13の外径は、本体部12の外径より一回り小さくなっている。また、バレル10の肉厚は0.5mm以上であることが好ましい。
【0021】
図5に示すように、キャップ20は、円筒状の嵌合部22と、嵌合部22の先端側に連なるノズル23とからなるノズル23の先端には、開口21aが形成され、嵌合部22の後端にも開口21bが形成され、キャップ20の後端から先端へ向けて液体が通流可能である。ノズル23の肉厚は0.5mm以上であることが好ましい。
嵌合部22の内径は、前記バレル10の先端部13の外径と嵌合可能な直径に形成されている。
そして、図6に示すように、キャップ20の嵌合部22内に多孔質膜Fを入れた状態でバレル10の先端部13をキャップ20の嵌合部22へ嵌入することで、多孔質膜Fをキャップ20とバレル10の間で挟持可能である。
【0022】
キャップ20は、図7に示すように、嵌合部22からノズル23につながる嵌合部22の底部26に、6本(図においては3本のみ図示)の放射状のリブ25が形成されている。また、底部26の外周縁には、リブ25の上面と同じ高さになるように底部26から一段高くなった挟持面24が、全周にわたって形成されている。
【0023】
挟持面24は、バレル10の開口11aの端縁にあたる開口縁部14(図5参照)との間で、多孔質膜Fを挟持する面である。
【0024】
リブ25は、挟持面24と同じ高さに形成されることで、キャップ20内の底部26に配置された多孔質膜Fを支持し、後端(開口21b)から先端(開口21a)への液体の流れによって、多孔質膜Fが伸びたり破れたりするのを防止している。また、リブ25は、放射状に形成されることで、液体を後端から先端へ流した際に、液体がノズル23へスムーズに流れ込むようになっている。
【0025】
なお、バレル10及びキャップ20は、例えばポリプロピレンからなるが、これに限られるものではない。超音波溶着によりバレル10とキャップ20を固着する場合は、超音波溶着が可能な熱可塑性の樹脂であればよい。また、接着剤により固着する場合は、接着剤で接着可能な材質であればよい。
【0026】
多孔質膜Fは、有機高分子からなる多孔質の膜であり、キャップ20の内径及びバレル10の先端部13の外径にほぼ一致した直径の円形に形成されている。多孔質膜Fの材質としては、核酸抽出の目的では、例えばアセチルセルロースの表面鹸化物が好適である。アセチルセルロースとしては、モノアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの何れでもよいが、特にトリアセチルセルロースが望ましい。
なお、一般的なフィルタとして、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の多孔質膜を用いることもできる。
【0027】
次に、図8を参照して、多連カートリッジAを配置するカートリッジ配列フレームBについて説明する。カートリッジ配列フレームBは、矩形の枠体である。このカートリッジ配列フレームBの一方の対の内側面には、多連カートリッジAの側面に嵌合する湾曲部31が形成されている。なお、カートリッジ配列フレームBは、図示しない保持機構により保持されている。
【0028】
図8、図9に示すように、多連カートリッジAをカートリッジ配列フレームBに嵌入すると、多連カートリッジAの嵌合部22の外周面がカートリッジ配列フレームBの湾曲部31に嵌合し、多連カートリッジAのリブ15がカートリッジ配列フレームBの上面に当接する。
【0029】
多連カートリッジAは、次のように使用される。
まず、核酸を含む試料溶液として、検体として採血された全血、血漿、血清、尿、便、
精液、唾液などの体液、あるいは植物(またはその一部)、動物(またはその一部)など、あるいはそれらの溶解物及びホモジネートなどの生物材料から調製された溶液を用意する。これらの溶液を、細胞膜を溶解して核酸を可溶化する試薬を含む水溶液で処理する。これにより細胞膜及び核膜が溶解されて、核酸が水溶液内に分散する。例えば、試料が全血の場合、塩酸グアニジン、Triton−X100、プロテアーゼK(SIGMA製)を添加した状態で、60℃で10分インキュベートすることによって赤血球の除去、各種タンパク質の除去、白血球の溶解及び核膜の溶解がなされる。
【0030】
このように核酸が分散した水溶液中に、水溶性有機溶媒、例えばエタノールを添加して試料溶液ができあがる。この試料溶液を多連カートリッジAのバレル10の本体部12の後端部から導入し、加圧エアーを多連カートリッジAに導入し、多連カートリッジAのバレル10の本体部12の後端部に12Nの力を掛ける装置を多連カートリッジAのバレル10の本体部12の後端部に密着させる。そして、この試料溶液を、バレル10の後端側の開口11bからノズル23の先端の開口21aへ向けて1.5KPaの加圧エアーを供給するとともに12Nの力を掛けつつ通流させる。こうすると、試料溶液中の核酸が多孔質膜Fに吸着される。この際、多連カートリッジAは12Nの力をかけても1mm以上撓むことがない。
【0031】
次に、核酸洗浄バッファ溶液を、多孔質膜カートリッジ1の後端側の開口11bからノズル23の開口21aに向けて1.5KPaの加圧エアーを供給するとともに12Nの力をかけながら通流させる。核酸洗浄バッファ溶液は、多孔質膜Fに吸着した核酸は脱着させないが、不純物は脱着させる組成を有するものであり、主剤と緩衝剤、及び必要に応じて界面活性剤を含む水溶液からなる。主剤としては、エタノール、Tris及びTriton−X100を含む溶液が好ましい。この操作により、多孔質膜Fから核酸以外の不純物が除去される。この際、前記と同様に、多連カートリッジAは12Nの力をかけても1mm以上撓むことがない。
【0032】
次に、精製蒸留水またはTEバッファ等を開口11bから開口21a(図5参照)に向けて1.5KPaの加圧エアーを供給するとともに12Nの力を掛けながら通流させて、核酸を多孔質膜Fから脱着させて流し出し、流れ出た核酸を含む溶液を回収する。この際、前記と同様に、多連カートリッジAは12Nの力をかけても1mm以上撓むことがない。
【0033】
第1の実施形態によれば、多連カートリッジAは、多連カートリッジAを構成する多孔質膜カートリッジに処理すべき液体を通すとき、加圧エアーを漏れさせないために12Nの力を多孔質膜カートリッジの後端側から先端側にかけても多連カートリッジAが垂下方向に1mm以上撓むことがないため、加圧エアー漏れを防止することができる。
【0034】
第1の実施形態では、多連カートリッジAを構成する多孔質膜カートリッジ1を連結片5により連結したが、図3に示すように多連カートリッジAaの多孔質膜カートリッジ1aのバレル10(図5参照)を当接させ当接部分を肉厚にしてもよい。また、図4に示すように多連カートリッジAbの多孔質膜カートリッジ1bのバレル10aを一体形成してもよい。
また、第1の実施形態では、多連カートリッジAを構成する多孔質膜カートリッジ1のバレル10を連結片5で連結したが、キャップ20を連結片5で連結してもよく、キャップ20を当接させ、当接部分を肉厚にしてもよく、また、キャップを一体形成してもよい。
また、第1の実施形態では、多連カートリッジAを8個の多孔質膜カートリッジ1で構成するとしたが、多連カートリッジAを複数の多孔質膜カートリッジ1で構成すればよく、例えば、12個の多孔質膜カートリッジ1で構成してもよい。
【0035】
(第2の実施形態)
次に、図面を参照して、第2の実施形態に係るカートリッジ配列フレームBaについて説明する。カートリッジ配列フレームBaは、矩形の枠体である。このカートリッジ配列フレームBaの一方の対の内側面には、多連カートリッジAcの側面に嵌合する第1保持部としての湾曲部31が形成され、このカートリッジ配列フレームBaの内側面には、略十字形の多連カートリッジAcの連結片5cを保持する第3保持部としての保持部33aが形成されている。この保持部33aは多連カートリッジAcの後端側から先端側に12Nの力をかけても多連カートリッジAcが垂下方向に過度に撓まないような強度を有している。
【0036】
図10、図11に示すように、多連カートリッジAcをカートリッジ配列フレームBaに嵌入する。ここで、嵌入する多連カートリッジAcは第1の実施形態の多連カートリッジAと構成は同一であるが、フレームに嵌入しない状態で、多連カートリッジAcの後端から先端に12Nの圧力を加えた場合に垂下方向に1mm以上撓んでもよい。多連カートリッジAcをカートリッジ配列フレームBaに嵌入した場合にカートリッジ配列フレームBaの保持部33aが多連カートリッジAcを支え、多連カートリッジAcに12Nの力が加わっても、多連カートリッジAcは撓まないからである。
【0037】
第2の実施形態に係る発明によれば、カートリッジ配列フレームBaは、多連カートリッジAcを構成する多孔質膜カートリッジ1に処理すべき液体を通すとき、加圧エアーを漏れさせず、12Nの力を多孔質膜カートリッジ1の後端側から先端側にかけても多連カートリッジAcが垂下方向に1mm以上撓むことがないため、加圧エアー漏れを防止することができる。
【0038】
第2の実施形態では、カートリッジ配列フレームBaの保持部33aは十字形としたが、図12に示すように、カートリッジ配列フレームBbの他方の対の辺に内設される保持部33bは多連カートリッジAcの連結片5c毎に配置されていてもよい。また、カートリッジ配列フレームBbの保持部33bは格子状であってもよい。また、カートリッジ配列フレームBbの保持部33bはカートリッジ配列フレームBbの一方または他方の対の辺のみに形成されていてもよい。また、図13に示すように、カートリッジ配列フレームBcの保持部(第2保持部)33cは、キャップ20の嵌合部22を嵌入するものであってもよい。さらに、カートリッジ配列フレームの保持部はバレル10などを嵌入するものであってもよい。
【0039】
(第3の実施形態)
次に、図面を参照して、第3の実施の形態に係る回収容器について説明する。図14、図15に示すように、回収容器Cは、略直方体であり、上面に1列8個の穴41が12列形成されている。この穴41の直径は、多連カートリッジAcの多孔質膜カートリッジ1のノズル23の直径より大きく、嵌合部22の直径より小さい構成となっている。また穴41の深さは、ノズル23の垂直方向の長さより長い構成となっている。ここで、回収容器Cの穴41の上部の周囲が、発明の開示に記載した第4保持部に該当する。また、回収容器Cには穴41に沿って溝43が形成されている。この溝43は加圧エアーを逃すためのものである。
【0040】
このような回収容器Cの穴41には、カートリッジ配列フレームBに嵌合された多連カートリッジAcのノズル23が挿入され、回収容器Cの穴41の上部の周囲が嵌合部22の先端と当接する。
【0041】
第3の実施形態に係る発明によれば、回収容器Cの穴41の上部の周囲が嵌合部22の先端と当接して多連カートリッジAcを支えるので、多連カートリッジAcを構成する多孔質膜カートリッジ1に処理すべき液体を通すとき、加圧エアーを漏れさせないために12Nの力を多孔質膜カートリッジの後端から先端にかけても多連カートリッジAcが垂下方向に撓むことがないため、加圧エアー漏れを防止することができる。
【0042】
なお、本発明は、第1の実施形態から第3の実施形態に記載の技術に限定されず、技術的思想の創作として同一である限り本発明の技術的範囲に含まれることはいうまでもない。
【0043】
次に実施例について説明する。
ここで使用する多連カートリッジは、多孔質膜カートリッジのピッチを9mm、多孔質膜カートリッジの垂直方向の長さを41mm、バレルの内径を8.5mm、バレル及びキャップの厚みを0.7mm、リブの厚みを1.2mm、キャップ、バレルの材質がポリプロピレンのものを使用した。また、連結片は板状体である。
また、多連カートリッジに対し、多連カートリッジの後端側の開口に垂下方向の12Nの力を加えて、1.5KPaの加圧エアーを多連カートリッジの後端の開口から導入して、多連カートリッジの撓み量、加圧エアーの漏れの有無について各実施例と各比較例について5回表1に記載の試験を行った。
【0044】
【表1】
【0045】
実施例9、実施例10は、図3に示すような多孔質膜カートリッジ同士の接触部分を肉厚にした多連カートリッジをそれぞれ使用した。また、×は加圧エアーの漏れがなかった多連カートリッジを示し、△は加圧エアーの漏れがあるものと加圧エアーの漏れがないものの両方があった多連カートリッジを示し、◆は加圧エアーの漏れがあった多連カートリッジを示している。また、Lは多連カートリッジの連結片の垂直方向の長さを示し、tは多連カートリッジの連結片の幅を示している。
【0046】
表1から分かるように、L×tが5以上の場合には加圧エアーの漏れが起こらず、L×tが3.5以下の場合には加圧エアーの漏れが起こることが分かる。
また、多連カートリッジの撓み量が1mm以下の場合には加圧エアーの漏れが起こらず、多連カートリッジの撓み量が1.5mm以上の場合には加圧エアーの漏れが起こることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によれば、多孔質膜が下方に12Nの力を受けても垂直方向における多連カートリッジの撓み量が防止可能なので、圧力がかかった空気の洩れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】(a)は、第1の実施形態に係る多連カートリッジの正面図、(b)は、第1の実施形態に係る多連カートリッジの上面図、(c)は、第1の実施形態に係る多連カートリッジの斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る多連カートリッジ一部分を示す斜視図である。
【図3】多連カートリッジの変形例を示す斜視図である。
【図4】多連カートリッジの変形例を示す斜視図である。
【図5】第1の実施形態に係る多孔質膜カートリッジの分解斜視図である。
【図6】第1の実施形態に係る多孔質膜カートリッジの断面図である。
【図7】第1実施形態に係るキャップの拡大断面斜視図である。
【図8】第1の実施形態に係る多連カートリッジをカートリッジ配列フレームに配置した状態を説明するための斜視図である。
【図9】第1の実施形態に係る多連カートリッジをカートリッジ配列フレームに配置した状態を説明するための斜視図である。
【図10】第2の実施形態に係るカートリッジ配列フレームの使用状態を示す斜視図である。
【図11】第2の実施形態に係るカートリッジ配列フレームの使用状態を示す斜視図である。
【図12】第2の実施形態に係るカートリッジ配列フレームの変形例を示す斜視図である。
【図13】第2の実施形態に係るカートリッジ配列フレームの変形例を示す斜視図である。
【図14】第3の実施形態に係る回収容器の一部断面図である。
【図15】第3の実施形態に係る回収容器の斜視図である。
【図16】第3の実施形態に係る回収容器の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持する多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジであって、
前記複数の多孔質膜カートリッジの後端部から先端部へ向けて荷重される力が12Nの場合に、垂下方向への撓み量が1mm以下であることを特徴とする多連カートリッジ。
【請求項2】
前記多孔質膜カートリッジは、
先端部及び後端部に開口を有する筒状のバレルと、
前記先端部に外嵌する嵌合部を有する筒状に形成され、前記先端部の開口縁部と当接して前記バレルとの間で多孔質膜を挟持する挟持面を有するキャップと、
前記バレルの開口縁部と前記キャップとの間に挟持される前記多孔質膜と、から構成されたことを特徴とする請求項1に記載の多連カートリッジ。
【請求項3】
前記多孔質膜カートリッジ同士の近接部分を前記筒状体の長さ方向に沿った連結片で連結したことを特徴とする請求項1に記載の多連カートリッジ。
【請求項4】
前記多孔質膜カートリッジ同士の近接部分を前記バレルまたは前記キャップの長さ方向に沿った連結片で連結したことを特徴とする請求項2に記載の多連カートリッジ。
【請求項5】
前記多孔質膜カートリッジ同士の接続部分を肉厚に形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多連カートリッジ。
【請求項6】
隣接する前記筒状体同士を一体に成形したことを特徴とする請求項1に記載の多連カートリッジ。
【請求項7】
隣接する前記バレル同士または前記キャップ同士を一体に成形したことを特徴とする請求項2に記載の多連カートリッジ。
【請求項8】
前記連結片の垂直方向の長さをL(mm)、厚さをt(mm)とするとL×tが5以上であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の多連カートリッジ。
【請求項9】
前記連結片の垂直方向の長さをL(mm)、厚さをt(mm)とするとL×tが7以上であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の多連カートリッジ。
【請求項10】
先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持する多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジを複数列に配列するカートリッジ配列フレームであって、
一方の対の辺が前記多連カートリッジの水平方向の長さに対応した矩形の開口部を有する枠体と、前記開口部の他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの側部を保持する複数の第1保持部と、前記開口部の一方の対の辺又は/及び他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの筒状体を保持する第2保持部とを有することを特徴とするカートリッジ配列フレーム。
【請求項11】
先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持するとともに前記多孔質膜カートリッジ同士の近接部分を前記筒状体の長さ方向に沿った連結片で連結した多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジを複数列に配列するカートリッジ配列フレームであって、
一方の対の辺が前記多連カートリッジの水平方向の長さに対応した矩形の開口部を有する枠体と、前記開口部の他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの側部を保持する複数の第1保持部と、前記開口部の一方の対の辺又は/及び他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの連結片を保持する第3保持部とを有することを特徴とするカートリッジ配列フレーム。
【請求項12】
先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持する多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジを複数列に配列するカートリッジ配列フレームに配置されたマトリクス状の多連カートリッジから排出される抽出液または廃液を回収する回収容器であって、
前記マトリクス状の多連カートリッジに対応した複数の開口部を有する容器体と、前記開口部の縁に形成された前記多連カートリッジの筒状体を保持する第4保持部とを有することを特徴とする回収容器。
【請求項1】
先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持する多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジであって、
前記複数の多孔質膜カートリッジの後端部から先端部へ向けて荷重される力が12Nの場合に、垂下方向への撓み量が1mm以下であることを特徴とする多連カートリッジ。
【請求項2】
前記多孔質膜カートリッジは、
先端部及び後端部に開口を有する筒状のバレルと、
前記先端部に外嵌する嵌合部を有する筒状に形成され、前記先端部の開口縁部と当接して前記バレルとの間で多孔質膜を挟持する挟持面を有するキャップと、
前記バレルの開口縁部と前記キャップとの間に挟持される前記多孔質膜と、から構成されたことを特徴とする請求項1に記載の多連カートリッジ。
【請求項3】
前記多孔質膜カートリッジ同士の近接部分を前記筒状体の長さ方向に沿った連結片で連結したことを特徴とする請求項1に記載の多連カートリッジ。
【請求項4】
前記多孔質膜カートリッジ同士の近接部分を前記バレルまたは前記キャップの長さ方向に沿った連結片で連結したことを特徴とする請求項2に記載の多連カートリッジ。
【請求項5】
前記多孔質膜カートリッジ同士の接続部分を肉厚に形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多連カートリッジ。
【請求項6】
隣接する前記筒状体同士を一体に成形したことを特徴とする請求項1に記載の多連カートリッジ。
【請求項7】
隣接する前記バレル同士または前記キャップ同士を一体に成形したことを特徴とする請求項2に記載の多連カートリッジ。
【請求項8】
前記連結片の垂直方向の長さをL(mm)、厚さをt(mm)とするとL×tが5以上であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の多連カートリッジ。
【請求項9】
前記連結片の垂直方向の長さをL(mm)、厚さをt(mm)とするとL×tが7以上であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の多連カートリッジ。
【請求項10】
先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持する多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジを複数列に配列するカートリッジ配列フレームであって、
一方の対の辺が前記多連カートリッジの水平方向の長さに対応した矩形の開口部を有する枠体と、前記開口部の他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの側部を保持する複数の第1保持部と、前記開口部の一方の対の辺又は/及び他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの筒状体を保持する第2保持部とを有することを特徴とするカートリッジ配列フレーム。
【請求項11】
先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持するとともに前記多孔質膜カートリッジ同士の近接部分を前記筒状体の長さ方向に沿った連結片で連結した多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジを複数列に配列するカートリッジ配列フレームであって、
一方の対の辺が前記多連カートリッジの水平方向の長さに対応した矩形の開口部を有する枠体と、前記開口部の他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの側部を保持する複数の第1保持部と、前記開口部の一方の対の辺又は/及び他方の対の辺に内設され、前記多連カートリッジの連結片を保持する第3保持部とを有することを特徴とするカートリッジ配列フレーム。
【請求項12】
先端部及び後端部に開口を有する筒状体の筒内に多孔質膜を保持する多孔質膜カートリッジを、1列に複数並設して一体に構成した多連カートリッジを複数列に配列するカートリッジ配列フレームに配置されたマトリクス状の多連カートリッジから排出される抽出液または廃液を回収する回収容器であって、
前記マトリクス状の多連カートリッジに対応した複数の開口部を有する容器体と、前記開口部の縁に形成された前記多連カートリッジの筒状体を保持する第4保持部とを有することを特徴とする回収容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2008−514386(P2008−514386A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507005(P2007−507005)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【国際出願番号】PCT/JP2005/009595
【国際公開番号】WO2006/038345
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【国際出願番号】PCT/JP2005/009595
【国際公開番号】WO2006/038345
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]