多重らせん構造を有するステント装置
【課題】制御された短縮特性、供給構造形及び展開構造形における優れた可撓性、並びに/又は他の望ましい特性も有するステントを提供する。
【解決手段】ステントの周りを回る一連のらせん状に配向された延伸要素(22a、22b、22c)を採用した改良ステント構造形(20)が開示される。延伸要素の各々は、二つの別個のピッチ角度(30、36)を採用する階段状パターンを含む。延伸要素は、互いに協働して一連の仮想半径方向延伸可能リング(40)を形成するように配向され、前記一連の仮想半径方向延伸可能リング(40)は、ステントの適切な機能のための適切な外向きの力を提供するが、それらは、ステントから全体として分離されたなら連続的且つ密接に結び付いたリングを形成しないように、共に接続されていない。このように、先行技術に記載されたステントに対する多数の機能的利点を有する独特のステント構造形が提供される。
【解決手段】ステントの周りを回る一連のらせん状に配向された延伸要素(22a、22b、22c)を採用した改良ステント構造形(20)が開示される。延伸要素の各々は、二つの別個のピッチ角度(30、36)を採用する階段状パターンを含む。延伸要素は、互いに協働して一連の仮想半径方向延伸可能リング(40)を形成するように配向され、前記一連の仮想半径方向延伸可能リング(40)は、ステントの適切な機能のための適切な外向きの力を提供するが、それらは、ステントから全体として分離されたなら連続的且つ密接に結び付いたリングを形成しないように、共に接続されていない。このように、先行技術に記載されたステントに対する多数の機能的利点を有する独特のステント構造形が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置に関するものであり、またより詳しくは身体の管腔内に挿入されるように設計された医療装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医学の近年の発展は最小侵襲性外科手術を重要視してきた。医療用機器が、小さな、時に経皮的な切開部を通して、及び内視鏡、レントゲン写真、超音波、毛細血管顕微鏡、又は他の可視化技法を使用して遠隔的に実施される完全な手術を通して患者の身体に遠隔的に挿入されることは今日も一般的である。
【0003】
これらの遠隔技法は、様々な血管手術に今日普通に利用されており、前記様々な血管手術は、冠動脈疾患若しくは他の血管の閉塞の治療(例えばバルーン血管形成及び/又はステンティング)、又は大動脈若しくは動脈瘤の修復、又は様々な血管のシャントの形成、又は心臓欠陥の修復、又は身体の他の管路の問題の修正等を含んでいる。最小侵襲性インターベンション(intervention)の分野における大きな進歩にもかかわらず、更なる向上が、可能であると信じられていて、この技法の潜在能力を完全に利用するためにおそらく必要である。
【0004】
特に、血管を通る流れを維持するため、又は体液が動脈瘤で詰まること若しくは血管壁の裂け目又は他の開口を通って漏れることを防ぐために、延伸可能ステント装置が血管に配置されることは今日普通である。これらの手法のためのステントは、血管内に配置されて(例えば膨張式風船の使用によって)拡大される塑性的に変形可能な材料から形作られるか、または弾性的若しくはばね性材料から形作られ、前記弾性的若しくはばね性材料は、目の詰んだステントから拘束機構が取り除かれると、ステントが自己延伸することができる材料である。いずれにしても、体液がステントの隙間を通り抜けることを防ぐために、及び/又はステント構造を通る細胞の内部成長を防ぐために、ステントは、その内面若しくは外面の一方若しくは両方にカバーを含む。
【0005】
多種多様のステントの模様図形が、様々な有益な特性を提供するために提案されてきた。多くのステントはワイヤ材料から作られており、前記ワイヤ材料は巻回されて時には溶接されるかそうでなければ所望のパターンに接合されたものである。代わりに、ステントは、連続的なシート又は管から形作られることが可能であり、前記連続的なシート又は管は、切り抜かれて所望のステントパターンに形成される。典型的に、これら製造技法の両方は、カップルの基本形になるステント構造形を生み出す。
【0006】
ステントの第一の一般的な構造形は、基本的にらせん状構造形を有することであり、それにより単一のステント要素が、縦軸線を中心にしてステントの一方の端から他方の端までらせん状に延びるものとして形成可能である。通常はらせん状ステント要素は、その長さに沿う波状(例えば“ジグザグ”)又は他の延伸可能パターンを含む。この構造形は、ワイヤで形成されたステントに対して特に普及しており、何故なら前記構造形によりステントが単一の長いワイヤから形成されることが可能になるためである。
【0007】
ステントの第二の一般的な構造形は、ステントの縦軸線に基本的に垂直に配向された一連の別個の“リング”要素をステントが具備することである。別個のリング要素は、通常は、該リングの間に延びる一連の一つ以上の“コネクタ”又は“ブリッジ”によって共に結び付けられる。やはり、リング要素は、ステントの圧縮及び/又は延伸を可能にするために、波状、菱形、蛇行、正弦波、又は同様の延伸可能パターンの形で通常は形成される。ブリッジ要素の形状と配置を変えることによって、ステントの可撓性とステントの延伸特性とが、所望の配置と作動規格に対処すべく調整可能であることが明らかにされてきた。リング及びブリッジ構造形の多くの複雑さと、面倒な成形及び溶接工程を回避する要望とに起因して、この構造形は、所望のパターンに切り抜かれる連続的な管又はシート材料から形成されるステントに最も普通に採用されている。ステントのこの第二のタイプの変形形態は、ジェイ アンド ジェイ/コーディス クラウン ステント(J & J/Cordis Crown Stent)及びメディノル NIR ステント(Medinol NIR stent)によって代表される、いわゆる“閉じたセル”構造形である。
【0008】
既存のステント構造形の多くが、意図されたそれらの目的を完全によく果たしている一方で、更なる改良が可能であると信じられている。例えば、上述の一般的な形体のステント構造形の両方について、その小さな供給直径とその拡大された展開直径との間でステントの短縮の程度を制御することがしばしば困難である。通常は配置の容易さと細胞損傷を最小に抑える要望とのために、装置が血管内で拡大される間の装置の長さの変化が最小であることが優先される。他の共通の問題は、多くの既存のステント構造形はそれらの全体的な可撓性に制限を受けていて、ステントの配置と延伸とが、曲りくねった非常に小さい血管では困難にされることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これまでの延伸可能ステント装置の全ての利点を提供する一方で、制御された短縮特性、供給構造形及び展開構造形における優れた可撓性、並びに/又は他の望ましい特性も有するステントを創り出すことが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、様々な移植手術で使用される改良されたステントを含む。本発明のステントは、ステントの縦軸線に基本的に垂直に配向された一連の半径方向延伸ゾーンを具備する。これら半径方向延伸ゾーンの各々は、画定された半径方向延伸ゾーン内で互いに接合又はそうでなければ接続されていない少なくとも二つの延伸要素を具備する。延伸要素の間の接続は、ステントの全体的な連続性を提供するために半径方向延伸ゾーンの外側で提供されることが可能である。
【0011】
本発明は、ステントの縦軸線の周りに配置された複数の波状延伸要素を有するステントとしてさらに規定することが可能である。延伸要素の各々は、縦軸線の周りに階段状かつらせん状様式で配向された第一ピッチ角度と、縦軸線に基本的に垂直な第二ピッチ角度とを含む。それらの第二ピッチ角度が半径方向延伸ゾーン内で互いに整列されるように、延伸要素を互いに対して配向することによって、延伸要素は仮想半径方向延伸可能リングを形成する。しかしながら、従来の別個のリングステント装置とは異なって、本発明のステントの延伸要素は、半径方向延伸ゾーン内では互いに接続されない。このように、半径方向延伸要素は、互いから単独で半径方向に延伸できない。
【0012】
本発明のステントは、従来のステント構造形に対して多くの改良された作動特性を提供する。これらは、コンパクト化構造形と展開構造形の両方における良好な縦方向の柔軟性と、改良された延伸特性と、展開中の制御された長さの変化とを含む。
【0013】
本発明のこれらの及び他の利点は、次の記載の説明から理解されるであろう。
【0014】
本発明の動作は、添付図面を参照して検討したとき次の記載から明らかになるに違いない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のステントの一実施例の供給(延伸前)構造形における半横向きの斜視図である。
【図2】ステントのステントパターンの可視化の際の明瞭さのために心棒の上に示された図1のステントの半横向きの斜視図である。
【図3】図1の延伸前のステントのステントパターンの平面的な図である。
【図4】図1のステントの拡大側面図である。
【図5】図4の平面48A及び48Bに沿って切断された本発明のステントの単一の仮想半径方向延伸可能リングの横断面の半横向きの等角投影図である。
【図6】図5の仮想半径方向延伸可能リングの半横向きの分解等角投影図である。
【図7】図1のステントの側面図である。
【図8】図1のステントの完全に延伸した状態の側面図である。
【図9】図8の完全に延伸したステントのステントパターンの平面的な図である。
【図10】ステントの外面にカバーを含んでいる本発明のステントの半横向きの等角投影図である。
【図11】ステントにコーティングを含んでいる本発明のステントの半横向きの等角投影図である。
【図12】長さに沿う単一らせん状要素を採用している本発明のステントパターンの他の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図13】長さに沿う二重らせん状要素を採用している本発明のステントパターンの他の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図14】長さに沿う四重らせん状要素を採用している本発明のステントパターンの他の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図15】長さに沿う五重らせん状要素を採用している本発明のステントパターンの他の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図16】長さに沿う三重らせん状要素と変更されたブリッジ部材とを採用している本発明のステントパターンの更に別の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図17】長さに沿う三重らせん状要素と更に変更されたブリッジ部材とを採用している本発明のステントパターンの更に別の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図18】長さに沿う三重らせん状要素と更に変更されたブリッジ部材とを採用している本発明のステントパターンの更に別の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図19】長さに沿う三重らせん状要素と更に変更されたブリッジ部材とを採用している本発明のステントパターンの更に別の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図20】長さに沿う三重らせん状要素と、交互の半径方向延伸ゾーンを効果的に形成するブリッジ部材とを採用している本発明のステントパターンの更に別の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、冠動脈疾患若しくは他の血管の閉塞の治療(例えばバルーン血管形成及び/又はステンティング)、又は大動脈若しくは動脈瘤の修復、又は様々な血管のシャントの形成、又は心臓欠陥の修復、又は身体の他の管路の問題の修正等のような、様々な介入的手法において今日普通に使用される改良されたステント装置である。用語の“ステント”が本明細書で使用されるとき、それは、血管又は身体内の他の通路又は開口内に挿入されて、次に被移植体の血管腔を構造的に支持することを助けるために所定の場所で展開されて、血管、通路、若しくは開口を通る開存性を維持し、及び/又は特にカバーと共に使用されたとき体液、細胞、若しくは他の物質が、ステントの側壁を通り抜けることを防ぐように適合させられた装置を指す。本発明により作られたステントは、風船若しくは同様の装置を使って所定の場所で延伸される塑性的に変形可能な材料か、又は配置の後に所定の場所で自己延伸する弾性的若しくはばね性材料から形作られる。同様に、本発明のステントは、永久的なインプラントであるか、又は長期にわたり侵食/吸収されるように、又は複合構造に結果としてなる様々なコーティングを含むように、及び/又は薬剤の溶出のための基体を具備するようにも構成される。
【0017】
図1〜8は、本発明のステント20の一実施例を示している。この実施例では、ステント20は、所望のステントパターンに切り抜かれた連続的な管材料から形成されている。ステントパターンは、以前のらせん状ワイヤパターンと接合リングパターンとの混成物である。パターンは、図3の二次元図で最良に見られ、一連のらせん状に配設された延伸要素22a、22b、22cを有するように形成されることが可能であり、前記一連のらせん状に配設された延伸要素22a、22b、22cの各々はステントの第一端24から第二端26まで延在している。延伸要素22aは、明瞭にするためにクロスハッチングされている。この実施例では、延伸要素の各々は波状パターンを具備しているが、周囲の延伸を可能にする任意のパターンが本発明の具体化された概念を用いて実現可能である。
【0018】
図2及び3の延伸要素22aだけに注目すると、延伸要素22aは、第一ピッチ角度30でステント20の縦軸線32の周りにらせん状に延在するセグメント28と、第二ピッチ角度36で縦軸線32にほぼ垂直に配置されたセグメント34とを有して、階段状の配向を呈している。
【0019】
図3に示されるように、延伸要素22a、22b、22cの各々の第二ピッチ角度を半径方向延伸ゾーン38において共に整列させることにより、その複数の延伸要素は、協働して仮想半径方向延伸可能リング40を形成する。しかしながら、円周的に連続で従って閉じた円筒状構造を形成する従来の接合リングステント構造形とは異なって、本発明の延伸要素は半径方向延伸ゾーン38内では互いに対して接合されない。このようにして、半径方向延伸ゾーン内で三つの延伸要素は互いに分離され(即ち非連続であり)、また延伸要素のいずれもが単独で半径方向に延伸できない(つまり、半径方向延伸ゾーン内のステントに加えられる中心半径方向延伸力は、該ゾーン内の個々の延伸要素の各々を必ず同時に延伸させ、また延伸要素の任意の一つをその隣接する要素から独立して延伸させることは実現不可能である)。同様に、半径方向延伸ゾーンは、閉じた円筒状構造を具備しない。この独特な特徴は、延伸構造形及び非延伸構造形の両方における高度な柔軟性を本発明に与える。
【0020】
接続ブリッジ42が、半径方向延伸ゾーン38の間に(及びあるいは重なって)配置された接続ゾーン44に設けられている。ブリッジ42は、一つ以上の湾曲部46a、46b、又はその中に蓄積される長さを提供する他の手段を含むように構築される。ブリッジの蓄積された長さによって、ステントは、延伸過程において半径方向に延伸するときに顕著に短縮しないことが可能になる。同様にブリッジは、ステントの曲げ弾性率を変えることはもとより管腔内での支持の程度を変えることにも使用可能である。
【0021】
半径方向延伸ゾーン内の延伸要素の構造及び機能は、図4から6の再検討によってさらに良く理解可能である。図4は、延伸要素22a、22b、22cを具備する本発明の半径方向延伸ゾーン38の拡大図を示している。半径方向延伸ゾーン38は、ステント20の隣接する仮想半径方向延伸可能リングと対称な仮想半径方向延伸可能リング40を規定する様態で接続ゾーン44の中点を通る二つの切断平面48a、48bを設定することによって規定される。換言すると、半径方向延伸ゾーンは、隣接する仮想半径方向延伸可能リング構造体に侵入しないように区画されたものである。このように、一対の切断平面は、管状ステントを形成する連続的仮想半径方向延伸可能リングを形成するために装置の全長に沿って周期的に適用されることが可能である。
【0022】
半径方向延伸ゾーン38がこの方法で形成される場合、ゾーン40は、仮想半径方向延伸可能リング40を形成するために、ステント20構造体の残りの部分から図5に示されるように取り除かれることが可能である。この仮想半径方向延伸可能リング40は血管壁などを開放した状態で保つための優れた半径方向力を提供する一方で、リングの延伸要素22a、22b、22cのどれもが実際には共に接続されていない。半径方向延伸ゾーン内の延伸要素22の中の相互接続性の欠如が、図6の分解図に示されている。
【0023】
半径方向延伸ゾーン内で別個の延伸要素を維持するいくつかの利点があると考えられる。第一に、これらの要素の分離は、仮想リング構造体内における延伸要素の単独運動を促進することによって、延伸及び非延伸構造形におけるステントの改良された柔軟性に貢献するものと考えられる。第二に、延伸要素の分離は、ステントの全長に沿うより一貫性があり且つ予想可能な延伸特性を提供することが考えられる。第三に、適切なブリッジ構造と組み合わせられたとき、この構造形は、ステントの短縮特性の正確な工学技術を提供する。
【0024】
図7及び8は、本発明のステント20が、ステントのその全長に沿う最小限の短縮で、図7のコンパクトにされた配向から図8の完全に拡大された配向へどのように延伸されるかを示している。図に示されるように、図7のコンパクトにされたステント20は、図8の延伸されたステント20の長さ52と基本的に同じ長さ50を有している。図8で延伸されているステント20の二次元的な図が図9に示されている。
【0025】
延伸の間をとおしてステントの一貫した全長を維持することは、ステントの配置及び展開をより正確するために医療スタッフにとって非常に望ましいことである。さらに、展開の際の細胞の刺激又は損傷を最小限に抑えるために、展開プロセスの間にステントが縦方向に移動しないことも望ましい。本発明の構造形は、展開の間のステントの長さの変化に関する技術的オプションの広い選択を提供する。ステント20が、展開の間の長さのわずかな変化を受けるか又は全く変化を受けないことを可能にすることに加えて、本発明の構造形を使って、延伸要素及びブリッジの形状を変更することによって、ステントは、延伸の間の制御された短縮から、さらに制御された延長までの任意のものを経験するように設計することが可能である。
【0026】
本発明のステント20は、金属(例えばステンレス鋼又はニチノール(nitinol))、プラスチック(例えばPTFE若しくは他のフッ素重合体)、吸収可能材料(例えば次のモノマーの成分、つまりグリコライド(グリコール酸)、ラクチド(d−ラクチド、l−ラクチド、d,l−ラクチド)、トリメチレンカーボナイト、p−ジオキサノン、カプロラクトン、ヒドロキシブチレート、ヒドロキシバレレートの一つ以上を有するポリマー若しくはコポリマー)、移植に適した他の任意の材料、又はこれらの若しくは他の材料のいずれかの組み合わせを含んだ多種多様な材料から形作られる。さらに、ステントは、薬品、放射物、放射線不透過マーカー若しくは被覆剤、又は生体内での視認性を高めるための他の薬剤のような追加的な治療の又は治療上の薬剤を備えることがある。
【0027】
本発明のステントを構築するために、ステントは、例えばレーザーの使用によって連続的管材料から所望のパターンに切り抜かれることが好適である。ステントは、機械加工、化学エッチング、又は他の適切な手段によって構築されてもよい。ステントは、平らな薄板材料から形作られてもよく、前記平らな薄板材料は、所望のパターンに切り抜かれ、次いで継ぎ目を有する管を形成するように共に接合される。最後に、好適ではないが、本発明のステントはワイヤ又はリボンから構築されることが可能であり、前記ワイヤ又はリボンは、所望の形状に成形され次に共に接合されて最終のパターンになる。
【0028】
本発明のステントは、1mm未満から10mmを超えるコンパクト化挿入直径、及び3mm未満から30mmを超える展開直径を含む種々の大きさと形で構築可能である。ステントの長さに沿ってテーパの付いた直径又は階段状の直径を有する本発明のステントを形作ることも望ましい。本発明のステントは、例えば二股に分けられたステント装置、又は側方分岐を持つステント装置のように、共に接合されてもよい。
【0029】
本発明のステントが、細胞、動脈瘤、血管壁の欠陥、及びその他同等のものを隔離するために使用される場合、図10に示されるようにカバー54をステント20に設けることが望ましい。適切なカバー材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸PTFE、弗素化エチレンプロピレン(FEP)のような他のフルオロポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、フルオロエラストマー、又は吸収可能材料を包含する。そのようなカバーは、ステントの内側、外側、若しくは両側で、装置の全長の全て若しくは一部に取り付けられる。さらに、シリコーン樹脂又は他のエラストマー材料の使用をとおして、ステントがカバー材料の中に埋め込まれることを可能にするカバーが形成されることがある。カバーは、図10に示されるようにステントの長さと同一の長さであるか、又はそれらはステントより長いかあるいは短い。さらに、複数のステントが単一のカバー材料内に備えられるか、又は複数のカバーが本発明のステントを使用して共に接合されることがある。さらに、一つ以上の開口が、例えば横の血管との連通に又は同様の用途に適応するために、カバーの長さに沿ってカバー材料に設けられることがある。カバーは、接着、摩擦嵌合、テープ若しくは他の粘着材料、熱若しくは他の結合技法等を含む任意の適切なやり方でステントに取り付けられる。本発明のステントが現在公知の任意の方法で又は本発明から逸脱することなしに今後創出される任意の方法でカバー材料と共に使用され得ることがこの記載から明らかになったはずである。
【0030】
カバー材料に換えて又は加えて、本発明のステントは、図11に示されるようにその表面に被覆56を含むことがある。適切な被覆材料は、フルオロエラストマー、セラミック、シリコーン樹脂、ポリエチレン、カーボン、金、ヘパリン、ヒドロゲル、又は滑らかな被覆を包含する。被覆材料は、下に置かれたステント材料を保護すること、薬品又は他の治療薬剤を放出するための基体を提供すること、ステント材料を周囲の細胞との相互作用から隔離すること、及びX線透視の視認性を改善することを含む多くの利益を提供できる。被覆は、例えば浸漬被覆、溶射被覆、電着、又は化学蒸着のような任意の材料適正化方法において付着されることが可能である。さらに、用途に応じて、被覆をステント表面の全て又は一部だけに形成することが可能である。やはり、被覆は、現在公知の又は今後創出される任意の形態で本発明のステントに付着されることが可能である。
【0031】
本発明から逸脱することなしに、異なるステント寸法及び/又は異なるステント性能特性を提供するためにステントのステントパターンを変更することが可能である。本発明の範囲内のステント構造形の多くの置換の一部が図12から20に示されている。これらの実施例の各々は、共通の縦軸線に沿って配列された繰り返す一連の半径方向延伸ゾーン38の共通する特徴を共有している。
【0032】
図12は、ステントの長さに沿う単一のらせん状延伸要素22を採用する本発明のステント20を示している。この実施例におけるブリッジ42の使用は、延伸要素をそれ自身に結合する。図に示されるように、この実施例は、半径方向延伸ゾーン38ごとに単一の延伸セル58を提供している。この実施例は、非常に小さい直径の用途のステント及び/又は縦方向に極めて高い柔軟性を必要とする用途のステントに特に適している。
【0033】
図13は、ステントの長さに沿う一対のらせん状延伸要素22a、22bを採用した本発明のステント20を示している。ブリッジ42は、延伸要素22aを延伸要素22bに接合している。この形で一対の延伸セル58a、58bが半径方向延伸ゾーン38ごとに提供される。
【0034】
図14は、ステントの全長に沿う四つの延伸要素22a、22b、22c、22dを有する大直径ステント20を示している。これは、半径方向延伸ゾーン38ごとに四つの延伸セル58a、58b、58c、58dの組を提供している。
【0035】
特に大きい直径の用途のために、図15は、ステントの長さに沿う五つの延伸要素22a、22b、22c、22d、22eを採用する本発明のステント20を示している。延伸要素22の数は、適切なステント性能特性を提供するのにふさわしい任意の数まで増加又は減少され得ることがこの記載から明らかなはずである。
【0036】
図16は、接続ゾーン34内の変更されたブリッジ42構造をもつ三つの延伸要素22a、22b、22cを採用する本発明のステント20を示している。この実施例では、ブリッジ42は、単一の点で延伸要素22に接合するのではなく、二つの分かれた接合点60a、60bで延伸要素に接合する。
【0037】
図17は、接続ゾーン34内のさらに変更されたブリッジ42構造をもつ三つの延伸要素22a、22b、22cを採用する本発明のステント20を示している。この実施例では、ブリッジ42は、先に記載された実施例におけるように、接続ゾーン34を通過する延伸要素に接続されていない。代わりに、本発明のブリッジ42は、仮想半径方向延伸可能リング40を形成する縦方向に隣接する延伸要素22の間を接続する。この実施例のステントパターンは、複数の半径方向延伸ゾーン38にわたって延在する特に大きい延伸セル58a、58b、58cを作り出している。
【0038】
図18は、三つの延伸要素22a、22b、22cとさらに変更されたブリッジ42構造とを採用する本発明のステント20を示している。図16に示された実施例に類似して、本実施例のブリッジ42は、分離した点60a、60bで延伸要素に接合しているが、互いにより離れた距離で配置されている。
【0039】
図19は、三つの延伸要素22a、22b、22cと、なおさらに変更されたブリッジ42構造とを採用する本発明のステント20を示している。この実施例におけるブリッジ42は、接続ゾーン34を通過する延伸要素22(例えば図中で指定される延伸要素22a)と、仮想半径方向延伸可能リング40を形成する延伸要素22(例えば図中で指定される延伸要素22c)との間を接合する。
【0040】
図20は、三つの延伸要素22a、22b、22cとブリッジ42構造の他の変更とを採用する本発明のステント20を示している。この実施例におけるブリッジ42は、接続ゾーン34を通過する延伸要素22の間を(例えば図中で指定される延伸要素22bと22cとの間を)直接に接合する。この様態で形成されて、ブリッジ42は、延伸要素22との交互の半径方向延伸ゾーンを効果的に形成する。
【0041】
本発明の特定の実施例が本明細書で図解されて説明されてきたが、本発明はそのような説明図及び記載に限定されるべきではない。変更及び修正が、添付の特許請求の範囲の範囲内で本発明の部分として組み入れられて具体されることが明らかである。
【符号の説明】
【0042】
20 ステント
22a 延伸要素
22b 延伸要素
22c 延伸要素
24 第一端
26 第二端
32 縦軸線
38 半径方向延伸ゾーン
42 ブリッジ
44 接続ゾーン
46a 湾曲部
46b 湾曲部
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置に関するものであり、またより詳しくは身体の管腔内に挿入されるように設計された医療装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医学の近年の発展は最小侵襲性外科手術を重要視してきた。医療用機器が、小さな、時に経皮的な切開部を通して、及び内視鏡、レントゲン写真、超音波、毛細血管顕微鏡、又は他の可視化技法を使用して遠隔的に実施される完全な手術を通して患者の身体に遠隔的に挿入されることは今日も一般的である。
【0003】
これらの遠隔技法は、様々な血管手術に今日普通に利用されており、前記様々な血管手術は、冠動脈疾患若しくは他の血管の閉塞の治療(例えばバルーン血管形成及び/又はステンティング)、又は大動脈若しくは動脈瘤の修復、又は様々な血管のシャントの形成、又は心臓欠陥の修復、又は身体の他の管路の問題の修正等を含んでいる。最小侵襲性インターベンション(intervention)の分野における大きな進歩にもかかわらず、更なる向上が、可能であると信じられていて、この技法の潜在能力を完全に利用するためにおそらく必要である。
【0004】
特に、血管を通る流れを維持するため、又は体液が動脈瘤で詰まること若しくは血管壁の裂け目又は他の開口を通って漏れることを防ぐために、延伸可能ステント装置が血管に配置されることは今日普通である。これらの手法のためのステントは、血管内に配置されて(例えば膨張式風船の使用によって)拡大される塑性的に変形可能な材料から形作られるか、または弾性的若しくはばね性材料から形作られ、前記弾性的若しくはばね性材料は、目の詰んだステントから拘束機構が取り除かれると、ステントが自己延伸することができる材料である。いずれにしても、体液がステントの隙間を通り抜けることを防ぐために、及び/又はステント構造を通る細胞の内部成長を防ぐために、ステントは、その内面若しくは外面の一方若しくは両方にカバーを含む。
【0005】
多種多様のステントの模様図形が、様々な有益な特性を提供するために提案されてきた。多くのステントはワイヤ材料から作られており、前記ワイヤ材料は巻回されて時には溶接されるかそうでなければ所望のパターンに接合されたものである。代わりに、ステントは、連続的なシート又は管から形作られることが可能であり、前記連続的なシート又は管は、切り抜かれて所望のステントパターンに形成される。典型的に、これら製造技法の両方は、カップルの基本形になるステント構造形を生み出す。
【0006】
ステントの第一の一般的な構造形は、基本的にらせん状構造形を有することであり、それにより単一のステント要素が、縦軸線を中心にしてステントの一方の端から他方の端までらせん状に延びるものとして形成可能である。通常はらせん状ステント要素は、その長さに沿う波状(例えば“ジグザグ”)又は他の延伸可能パターンを含む。この構造形は、ワイヤで形成されたステントに対して特に普及しており、何故なら前記構造形によりステントが単一の長いワイヤから形成されることが可能になるためである。
【0007】
ステントの第二の一般的な構造形は、ステントの縦軸線に基本的に垂直に配向された一連の別個の“リング”要素をステントが具備することである。別個のリング要素は、通常は、該リングの間に延びる一連の一つ以上の“コネクタ”又は“ブリッジ”によって共に結び付けられる。やはり、リング要素は、ステントの圧縮及び/又は延伸を可能にするために、波状、菱形、蛇行、正弦波、又は同様の延伸可能パターンの形で通常は形成される。ブリッジ要素の形状と配置を変えることによって、ステントの可撓性とステントの延伸特性とが、所望の配置と作動規格に対処すべく調整可能であることが明らかにされてきた。リング及びブリッジ構造形の多くの複雑さと、面倒な成形及び溶接工程を回避する要望とに起因して、この構造形は、所望のパターンに切り抜かれる連続的な管又はシート材料から形成されるステントに最も普通に採用されている。ステントのこの第二のタイプの変形形態は、ジェイ アンド ジェイ/コーディス クラウン ステント(J & J/Cordis Crown Stent)及びメディノル NIR ステント(Medinol NIR stent)によって代表される、いわゆる“閉じたセル”構造形である。
【0008】
既存のステント構造形の多くが、意図されたそれらの目的を完全によく果たしている一方で、更なる改良が可能であると信じられている。例えば、上述の一般的な形体のステント構造形の両方について、その小さな供給直径とその拡大された展開直径との間でステントの短縮の程度を制御することがしばしば困難である。通常は配置の容易さと細胞損傷を最小に抑える要望とのために、装置が血管内で拡大される間の装置の長さの変化が最小であることが優先される。他の共通の問題は、多くの既存のステント構造形はそれらの全体的な可撓性に制限を受けていて、ステントの配置と延伸とが、曲りくねった非常に小さい血管では困難にされることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これまでの延伸可能ステント装置の全ての利点を提供する一方で、制御された短縮特性、供給構造形及び展開構造形における優れた可撓性、並びに/又は他の望ましい特性も有するステントを創り出すことが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、様々な移植手術で使用される改良されたステントを含む。本発明のステントは、ステントの縦軸線に基本的に垂直に配向された一連の半径方向延伸ゾーンを具備する。これら半径方向延伸ゾーンの各々は、画定された半径方向延伸ゾーン内で互いに接合又はそうでなければ接続されていない少なくとも二つの延伸要素を具備する。延伸要素の間の接続は、ステントの全体的な連続性を提供するために半径方向延伸ゾーンの外側で提供されることが可能である。
【0011】
本発明は、ステントの縦軸線の周りに配置された複数の波状延伸要素を有するステントとしてさらに規定することが可能である。延伸要素の各々は、縦軸線の周りに階段状かつらせん状様式で配向された第一ピッチ角度と、縦軸線に基本的に垂直な第二ピッチ角度とを含む。それらの第二ピッチ角度が半径方向延伸ゾーン内で互いに整列されるように、延伸要素を互いに対して配向することによって、延伸要素は仮想半径方向延伸可能リングを形成する。しかしながら、従来の別個のリングステント装置とは異なって、本発明のステントの延伸要素は、半径方向延伸ゾーン内では互いに接続されない。このように、半径方向延伸要素は、互いから単独で半径方向に延伸できない。
【0012】
本発明のステントは、従来のステント構造形に対して多くの改良された作動特性を提供する。これらは、コンパクト化構造形と展開構造形の両方における良好な縦方向の柔軟性と、改良された延伸特性と、展開中の制御された長さの変化とを含む。
【0013】
本発明のこれらの及び他の利点は、次の記載の説明から理解されるであろう。
【0014】
本発明の動作は、添付図面を参照して検討したとき次の記載から明らかになるに違いない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のステントの一実施例の供給(延伸前)構造形における半横向きの斜視図である。
【図2】ステントのステントパターンの可視化の際の明瞭さのために心棒の上に示された図1のステントの半横向きの斜視図である。
【図3】図1の延伸前のステントのステントパターンの平面的な図である。
【図4】図1のステントの拡大側面図である。
【図5】図4の平面48A及び48Bに沿って切断された本発明のステントの単一の仮想半径方向延伸可能リングの横断面の半横向きの等角投影図である。
【図6】図5の仮想半径方向延伸可能リングの半横向きの分解等角投影図である。
【図7】図1のステントの側面図である。
【図8】図1のステントの完全に延伸した状態の側面図である。
【図9】図8の完全に延伸したステントのステントパターンの平面的な図である。
【図10】ステントの外面にカバーを含んでいる本発明のステントの半横向きの等角投影図である。
【図11】ステントにコーティングを含んでいる本発明のステントの半横向きの等角投影図である。
【図12】長さに沿う単一らせん状要素を採用している本発明のステントパターンの他の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図13】長さに沿う二重らせん状要素を採用している本発明のステントパターンの他の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図14】長さに沿う四重らせん状要素を採用している本発明のステントパターンの他の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図15】長さに沿う五重らせん状要素を採用している本発明のステントパターンの他の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図16】長さに沿う三重らせん状要素と変更されたブリッジ部材とを採用している本発明のステントパターンの更に別の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図17】長さに沿う三重らせん状要素と更に変更されたブリッジ部材とを採用している本発明のステントパターンの更に別の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図18】長さに沿う三重らせん状要素と更に変更されたブリッジ部材とを採用している本発明のステントパターンの更に別の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図19】長さに沿う三重らせん状要素と更に変更されたブリッジ部材とを採用している本発明のステントパターンの更に別の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【図20】長さに沿う三重らせん状要素と、交互の半径方向延伸ゾーンを効果的に形成するブリッジ部材とを採用している本発明のステントパターンの更に別の実施例の非延伸状態における平面的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、冠動脈疾患若しくは他の血管の閉塞の治療(例えばバルーン血管形成及び/又はステンティング)、又は大動脈若しくは動脈瘤の修復、又は様々な血管のシャントの形成、又は心臓欠陥の修復、又は身体の他の管路の問題の修正等のような、様々な介入的手法において今日普通に使用される改良されたステント装置である。用語の“ステント”が本明細書で使用されるとき、それは、血管又は身体内の他の通路又は開口内に挿入されて、次に被移植体の血管腔を構造的に支持することを助けるために所定の場所で展開されて、血管、通路、若しくは開口を通る開存性を維持し、及び/又は特にカバーと共に使用されたとき体液、細胞、若しくは他の物質が、ステントの側壁を通り抜けることを防ぐように適合させられた装置を指す。本発明により作られたステントは、風船若しくは同様の装置を使って所定の場所で延伸される塑性的に変形可能な材料か、又は配置の後に所定の場所で自己延伸する弾性的若しくはばね性材料から形作られる。同様に、本発明のステントは、永久的なインプラントであるか、又は長期にわたり侵食/吸収されるように、又は複合構造に結果としてなる様々なコーティングを含むように、及び/又は薬剤の溶出のための基体を具備するようにも構成される。
【0017】
図1〜8は、本発明のステント20の一実施例を示している。この実施例では、ステント20は、所望のステントパターンに切り抜かれた連続的な管材料から形成されている。ステントパターンは、以前のらせん状ワイヤパターンと接合リングパターンとの混成物である。パターンは、図3の二次元図で最良に見られ、一連のらせん状に配設された延伸要素22a、22b、22cを有するように形成されることが可能であり、前記一連のらせん状に配設された延伸要素22a、22b、22cの各々はステントの第一端24から第二端26まで延在している。延伸要素22aは、明瞭にするためにクロスハッチングされている。この実施例では、延伸要素の各々は波状パターンを具備しているが、周囲の延伸を可能にする任意のパターンが本発明の具体化された概念を用いて実現可能である。
【0018】
図2及び3の延伸要素22aだけに注目すると、延伸要素22aは、第一ピッチ角度30でステント20の縦軸線32の周りにらせん状に延在するセグメント28と、第二ピッチ角度36で縦軸線32にほぼ垂直に配置されたセグメント34とを有して、階段状の配向を呈している。
【0019】
図3に示されるように、延伸要素22a、22b、22cの各々の第二ピッチ角度を半径方向延伸ゾーン38において共に整列させることにより、その複数の延伸要素は、協働して仮想半径方向延伸可能リング40を形成する。しかしながら、円周的に連続で従って閉じた円筒状構造を形成する従来の接合リングステント構造形とは異なって、本発明の延伸要素は半径方向延伸ゾーン38内では互いに対して接合されない。このようにして、半径方向延伸ゾーン内で三つの延伸要素は互いに分離され(即ち非連続であり)、また延伸要素のいずれもが単独で半径方向に延伸できない(つまり、半径方向延伸ゾーン内のステントに加えられる中心半径方向延伸力は、該ゾーン内の個々の延伸要素の各々を必ず同時に延伸させ、また延伸要素の任意の一つをその隣接する要素から独立して延伸させることは実現不可能である)。同様に、半径方向延伸ゾーンは、閉じた円筒状構造を具備しない。この独特な特徴は、延伸構造形及び非延伸構造形の両方における高度な柔軟性を本発明に与える。
【0020】
接続ブリッジ42が、半径方向延伸ゾーン38の間に(及びあるいは重なって)配置された接続ゾーン44に設けられている。ブリッジ42は、一つ以上の湾曲部46a、46b、又はその中に蓄積される長さを提供する他の手段を含むように構築される。ブリッジの蓄積された長さによって、ステントは、延伸過程において半径方向に延伸するときに顕著に短縮しないことが可能になる。同様にブリッジは、ステントの曲げ弾性率を変えることはもとより管腔内での支持の程度を変えることにも使用可能である。
【0021】
半径方向延伸ゾーン内の延伸要素の構造及び機能は、図4から6の再検討によってさらに良く理解可能である。図4は、延伸要素22a、22b、22cを具備する本発明の半径方向延伸ゾーン38の拡大図を示している。半径方向延伸ゾーン38は、ステント20の隣接する仮想半径方向延伸可能リングと対称な仮想半径方向延伸可能リング40を規定する様態で接続ゾーン44の中点を通る二つの切断平面48a、48bを設定することによって規定される。換言すると、半径方向延伸ゾーンは、隣接する仮想半径方向延伸可能リング構造体に侵入しないように区画されたものである。このように、一対の切断平面は、管状ステントを形成する連続的仮想半径方向延伸可能リングを形成するために装置の全長に沿って周期的に適用されることが可能である。
【0022】
半径方向延伸ゾーン38がこの方法で形成される場合、ゾーン40は、仮想半径方向延伸可能リング40を形成するために、ステント20構造体の残りの部分から図5に示されるように取り除かれることが可能である。この仮想半径方向延伸可能リング40は血管壁などを開放した状態で保つための優れた半径方向力を提供する一方で、リングの延伸要素22a、22b、22cのどれもが実際には共に接続されていない。半径方向延伸ゾーン内の延伸要素22の中の相互接続性の欠如が、図6の分解図に示されている。
【0023】
半径方向延伸ゾーン内で別個の延伸要素を維持するいくつかの利点があると考えられる。第一に、これらの要素の分離は、仮想リング構造体内における延伸要素の単独運動を促進することによって、延伸及び非延伸構造形におけるステントの改良された柔軟性に貢献するものと考えられる。第二に、延伸要素の分離は、ステントの全長に沿うより一貫性があり且つ予想可能な延伸特性を提供することが考えられる。第三に、適切なブリッジ構造と組み合わせられたとき、この構造形は、ステントの短縮特性の正確な工学技術を提供する。
【0024】
図7及び8は、本発明のステント20が、ステントのその全長に沿う最小限の短縮で、図7のコンパクトにされた配向から図8の完全に拡大された配向へどのように延伸されるかを示している。図に示されるように、図7のコンパクトにされたステント20は、図8の延伸されたステント20の長さ52と基本的に同じ長さ50を有している。図8で延伸されているステント20の二次元的な図が図9に示されている。
【0025】
延伸の間をとおしてステントの一貫した全長を維持することは、ステントの配置及び展開をより正確するために医療スタッフにとって非常に望ましいことである。さらに、展開の際の細胞の刺激又は損傷を最小限に抑えるために、展開プロセスの間にステントが縦方向に移動しないことも望ましい。本発明の構造形は、展開の間のステントの長さの変化に関する技術的オプションの広い選択を提供する。ステント20が、展開の間の長さのわずかな変化を受けるか又は全く変化を受けないことを可能にすることに加えて、本発明の構造形を使って、延伸要素及びブリッジの形状を変更することによって、ステントは、延伸の間の制御された短縮から、さらに制御された延長までの任意のものを経験するように設計することが可能である。
【0026】
本発明のステント20は、金属(例えばステンレス鋼又はニチノール(nitinol))、プラスチック(例えばPTFE若しくは他のフッ素重合体)、吸収可能材料(例えば次のモノマーの成分、つまりグリコライド(グリコール酸)、ラクチド(d−ラクチド、l−ラクチド、d,l−ラクチド)、トリメチレンカーボナイト、p−ジオキサノン、カプロラクトン、ヒドロキシブチレート、ヒドロキシバレレートの一つ以上を有するポリマー若しくはコポリマー)、移植に適した他の任意の材料、又はこれらの若しくは他の材料のいずれかの組み合わせを含んだ多種多様な材料から形作られる。さらに、ステントは、薬品、放射物、放射線不透過マーカー若しくは被覆剤、又は生体内での視認性を高めるための他の薬剤のような追加的な治療の又は治療上の薬剤を備えることがある。
【0027】
本発明のステントを構築するために、ステントは、例えばレーザーの使用によって連続的管材料から所望のパターンに切り抜かれることが好適である。ステントは、機械加工、化学エッチング、又は他の適切な手段によって構築されてもよい。ステントは、平らな薄板材料から形作られてもよく、前記平らな薄板材料は、所望のパターンに切り抜かれ、次いで継ぎ目を有する管を形成するように共に接合される。最後に、好適ではないが、本発明のステントはワイヤ又はリボンから構築されることが可能であり、前記ワイヤ又はリボンは、所望の形状に成形され次に共に接合されて最終のパターンになる。
【0028】
本発明のステントは、1mm未満から10mmを超えるコンパクト化挿入直径、及び3mm未満から30mmを超える展開直径を含む種々の大きさと形で構築可能である。ステントの長さに沿ってテーパの付いた直径又は階段状の直径を有する本発明のステントを形作ることも望ましい。本発明のステントは、例えば二股に分けられたステント装置、又は側方分岐を持つステント装置のように、共に接合されてもよい。
【0029】
本発明のステントが、細胞、動脈瘤、血管壁の欠陥、及びその他同等のものを隔離するために使用される場合、図10に示されるようにカバー54をステント20に設けることが望ましい。適切なカバー材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸PTFE、弗素化エチレンプロピレン(FEP)のような他のフルオロポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、フルオロエラストマー、又は吸収可能材料を包含する。そのようなカバーは、ステントの内側、外側、若しくは両側で、装置の全長の全て若しくは一部に取り付けられる。さらに、シリコーン樹脂又は他のエラストマー材料の使用をとおして、ステントがカバー材料の中に埋め込まれることを可能にするカバーが形成されることがある。カバーは、図10に示されるようにステントの長さと同一の長さであるか、又はそれらはステントより長いかあるいは短い。さらに、複数のステントが単一のカバー材料内に備えられるか、又は複数のカバーが本発明のステントを使用して共に接合されることがある。さらに、一つ以上の開口が、例えば横の血管との連通に又は同様の用途に適応するために、カバーの長さに沿ってカバー材料に設けられることがある。カバーは、接着、摩擦嵌合、テープ若しくは他の粘着材料、熱若しくは他の結合技法等を含む任意の適切なやり方でステントに取り付けられる。本発明のステントが現在公知の任意の方法で又は本発明から逸脱することなしに今後創出される任意の方法でカバー材料と共に使用され得ることがこの記載から明らかになったはずである。
【0030】
カバー材料に換えて又は加えて、本発明のステントは、図11に示されるようにその表面に被覆56を含むことがある。適切な被覆材料は、フルオロエラストマー、セラミック、シリコーン樹脂、ポリエチレン、カーボン、金、ヘパリン、ヒドロゲル、又は滑らかな被覆を包含する。被覆材料は、下に置かれたステント材料を保護すること、薬品又は他の治療薬剤を放出するための基体を提供すること、ステント材料を周囲の細胞との相互作用から隔離すること、及びX線透視の視認性を改善することを含む多くの利益を提供できる。被覆は、例えば浸漬被覆、溶射被覆、電着、又は化学蒸着のような任意の材料適正化方法において付着されることが可能である。さらに、用途に応じて、被覆をステント表面の全て又は一部だけに形成することが可能である。やはり、被覆は、現在公知の又は今後創出される任意の形態で本発明のステントに付着されることが可能である。
【0031】
本発明から逸脱することなしに、異なるステント寸法及び/又は異なるステント性能特性を提供するためにステントのステントパターンを変更することが可能である。本発明の範囲内のステント構造形の多くの置換の一部が図12から20に示されている。これらの実施例の各々は、共通の縦軸線に沿って配列された繰り返す一連の半径方向延伸ゾーン38の共通する特徴を共有している。
【0032】
図12は、ステントの長さに沿う単一のらせん状延伸要素22を採用する本発明のステント20を示している。この実施例におけるブリッジ42の使用は、延伸要素をそれ自身に結合する。図に示されるように、この実施例は、半径方向延伸ゾーン38ごとに単一の延伸セル58を提供している。この実施例は、非常に小さい直径の用途のステント及び/又は縦方向に極めて高い柔軟性を必要とする用途のステントに特に適している。
【0033】
図13は、ステントの長さに沿う一対のらせん状延伸要素22a、22bを採用した本発明のステント20を示している。ブリッジ42は、延伸要素22aを延伸要素22bに接合している。この形で一対の延伸セル58a、58bが半径方向延伸ゾーン38ごとに提供される。
【0034】
図14は、ステントの全長に沿う四つの延伸要素22a、22b、22c、22dを有する大直径ステント20を示している。これは、半径方向延伸ゾーン38ごとに四つの延伸セル58a、58b、58c、58dの組を提供している。
【0035】
特に大きい直径の用途のために、図15は、ステントの長さに沿う五つの延伸要素22a、22b、22c、22d、22eを採用する本発明のステント20を示している。延伸要素22の数は、適切なステント性能特性を提供するのにふさわしい任意の数まで増加又は減少され得ることがこの記載から明らかなはずである。
【0036】
図16は、接続ゾーン34内の変更されたブリッジ42構造をもつ三つの延伸要素22a、22b、22cを採用する本発明のステント20を示している。この実施例では、ブリッジ42は、単一の点で延伸要素22に接合するのではなく、二つの分かれた接合点60a、60bで延伸要素に接合する。
【0037】
図17は、接続ゾーン34内のさらに変更されたブリッジ42構造をもつ三つの延伸要素22a、22b、22cを採用する本発明のステント20を示している。この実施例では、ブリッジ42は、先に記載された実施例におけるように、接続ゾーン34を通過する延伸要素に接続されていない。代わりに、本発明のブリッジ42は、仮想半径方向延伸可能リング40を形成する縦方向に隣接する延伸要素22の間を接続する。この実施例のステントパターンは、複数の半径方向延伸ゾーン38にわたって延在する特に大きい延伸セル58a、58b、58cを作り出している。
【0038】
図18は、三つの延伸要素22a、22b、22cとさらに変更されたブリッジ42構造とを採用する本発明のステント20を示している。図16に示された実施例に類似して、本実施例のブリッジ42は、分離した点60a、60bで延伸要素に接合しているが、互いにより離れた距離で配置されている。
【0039】
図19は、三つの延伸要素22a、22b、22cと、なおさらに変更されたブリッジ42構造とを採用する本発明のステント20を示している。この実施例におけるブリッジ42は、接続ゾーン34を通過する延伸要素22(例えば図中で指定される延伸要素22a)と、仮想半径方向延伸可能リング40を形成する延伸要素22(例えば図中で指定される延伸要素22c)との間を接合する。
【0040】
図20は、三つの延伸要素22a、22b、22cとブリッジ42構造の他の変更とを採用する本発明のステント20を示している。この実施例におけるブリッジ42は、接続ゾーン34を通過する延伸要素22の間を(例えば図中で指定される延伸要素22bと22cとの間を)直接に接合する。この様態で形成されて、ブリッジ42は、延伸要素22との交互の半径方向延伸ゾーンを効果的に形成する。
【0041】
本発明の特定の実施例が本明細書で図解されて説明されてきたが、本発明はそのような説明図及び記載に限定されるべきではない。変更及び修正が、添付の特許請求の範囲の範囲内で本発明の部分として組み入れられて具体されることが明らかである。
【符号の説明】
【0042】
20 ステント
22a 延伸要素
22b 延伸要素
22c 延伸要素
24 第一端
26 第二端
32 縦軸線
38 半径方向延伸ゾーン
42 ブリッジ
44 接続ゾーン
46a 湾曲部
46b 湾曲部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦軸線を有するステントであって、
縦軸線に基本的に垂直に配向された少なくとも一つの半径方向延伸ゾーンを具備し、
各半径方向延伸ゾーンが少なくとも二つの波状延伸要素を具備する、ステントにおいて、
各半径方向延伸ゾーンにおける波状延伸要素が、半径方向延伸ゾーン内で互いに接合されておらず、少なくとも二つの波状延伸要素の各々が複数の波形を具備しており、
さらに、該ステントが、少なくとも二つの隣接する半径方向延伸ゾーンの間に接続ゾーンを具備しており、前記接続ゾーンが、縦軸線に平行な蓄積された長さを含む少なくとも一つのブリッジ要素を具備する、ステント。
【請求項2】
各半径方向延伸ゾーン内の波状延伸要素が、少なくとも一つの隣接する波状延伸要素に接合される、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
波状延伸要素の各々が、ステントの第一端からステントの第二端まで、連続するらせん状経路を形成する、請求項1に記載のステント。
【請求項4】
らせん状経路が階段状である、請求項3に記載のステント。
【請求項5】
接続ゾーンが、隣接する半径方向延伸ゾーンの間に形成されて、少なくとも一つのブリッジ要素を具備する、請求項1に記載のステント。
【請求項6】
接続ゾーンが、接続ゾーン内で互いに接合する複数のブリッジ要素を接続ゾーンに含む、請求項5に記載のステント。
【請求項7】
ブリッジ要素が、交差する点で互いに接合する、請求項6に記載のステント。
【請求項8】
接続ゾーンが、接続ゾーンを横切る複数のブリッジ要素を接続ゾーン内に含む、請求項5に記載のステント。
【請求項9】
半径方向延伸ゾーンの各々が、非延伸状態において全体としてステントから分離されたとき、延伸ゾーン内の波状延伸要素の各々が互いから直ちに分離される、請求項1に記載のステント。
【請求項10】
半径方向延伸ゾーンの各々における波状延伸要素が、互いから単独で半径方向に延伸可能ではない、請求項1に記載のステント。
【請求項11】
各半径方向延伸ゾーンが少なくとも三つの波状延伸要素を含む、請求項1に記載のステント。
【請求項12】
縦軸線を有するステントであって、
縦軸線の周りに配列された複数の波状延伸要素を具備し、各々の波状延伸要素が、縦軸線の周りにらせん状に配向された第一ピッチ角度と、縦軸線に基本的に垂直に配向された第二ピッチ角度とを含むものである、ステントにおいて、
波状延伸要素の第二ピッチ角度が半径方向延伸ゾーン内で互いに整列されるように波状延伸要素が配向され、及び
波状延伸要素が半径方向延伸ゾーン内で互いに接続されておらず、及び
波状延伸要素の各々が複数の波形を具備しており、
さらに、該ステントが、少なくとも二つの隣接する半径方向延伸ゾーンの間に接続ゾーンを具備しており、前記接続ゾーンが、縦軸線に平行な蓄積された長さを含む少なくとも一つのブリッジ要素を具備する、ステント。
【請求項13】
各波状要素が隣接する波状延伸要素に接続される、請求項12に記載のステント。
【請求項14】
縦軸線に対して基本的に垂直に配向された一連の半径方向延伸ゾーンをステントが含み、
各半径方向延伸ゾーン内に少なくとも二つの別個の波状延伸要素がある、請求項12に記載のステント。
【請求項15】
各半径方向延伸ゾーン内に少なくとも三つの別個の波状延伸要素がある、請求項14に記載のステント。
【請求項16】
半径方向延伸ゾーンがステントから全体として分離されたとき、延伸ゾーン内の波状延伸要素の各々が互いにすぐに分離する、請求項12に記載のステント。
【請求項17】
半径方向延伸ゾーン内の波状延伸要素が、互いから単独で半径方向に延伸可能ではない、請求項12に記載のステント。
【請求項18】
縦軸線の周りを回る一連の少なくとも三つの画定されたらせん状の波状延伸要素と、
複数の半径方向延伸ゾーンであって、前記半径方向延伸ゾーン内で波状延伸要素が協働して半径方向延伸可能リングを形成する、複数の半径方向延伸ゾーンと、を具備するステントにおいて、
半径方向延伸ゾーン内の波状延伸要素が、互いから単独で半径方向に延伸可能ではなく、波状延伸要素の各々が複数の波形を具備しており、
さらに、該ステントが、少なくとも二つの隣接する半径方向延伸ゾーンの間に接続ゾーンを具備しており、前記接続ゾーンが、縦軸線に平行な蓄積された長さを含む少なくとも一つのブリッジ要素を具備する、ステント。
【請求項19】
ステントが、半径方向延伸ゾーンの少なくとも一つに隣接する少なくとも一つの接続ゾーンを含む、請求項18に記載のステントにおいて、
波状延伸要素が、接続ゾーン内で互いに接合される、請求項18に記載のステント。
【請求項20】
波状延伸要素が、半径方向延伸ゾーン内で互いに接合されない、請求項18に記載のステント。
【請求項21】
縦軸線の周りを回る一連の少なくとも三つの画定されたらせん状の波状延伸要素と、
複数の半径方向延伸ゾーンであって、前記半径方向延伸ゾーン内で波状延伸要素が協働して半径方向延伸可能リングを形成する、複数の半径方向延伸ゾーンと、を具備するステントにおいて、
半径方向延伸ゾーン内の波状延伸要素が相互接続されておらず、
さらに、該ステントが、少なくとも二つの隣接する半径方向延伸ゾーンの間に接続ゾーンを具備しており、前記接続ゾーンが、縦軸線に平行な蓄積された長さを含む少なくとも一つのブリッジ要素を具備する、ステント。
【請求項1】
縦軸線を有するステントであって、
縦軸線に基本的に垂直に配向された少なくとも一つの半径方向延伸ゾーンを具備し、
各半径方向延伸ゾーンが少なくとも二つの波状延伸要素を具備する、ステントにおいて、
各半径方向延伸ゾーンにおける波状延伸要素が、半径方向延伸ゾーン内で互いに接合されておらず、少なくとも二つの波状延伸要素の各々が複数の波形を具備しており、
さらに、該ステントが、少なくとも二つの隣接する半径方向延伸ゾーンの間に接続ゾーンを具備しており、前記接続ゾーンが、縦軸線に平行な蓄積された長さを含む少なくとも一つのブリッジ要素を具備する、ステント。
【請求項2】
各半径方向延伸ゾーン内の波状延伸要素が、少なくとも一つの隣接する波状延伸要素に接合される、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
波状延伸要素の各々が、ステントの第一端からステントの第二端まで、連続するらせん状経路を形成する、請求項1に記載のステント。
【請求項4】
らせん状経路が階段状である、請求項3に記載のステント。
【請求項5】
接続ゾーンが、隣接する半径方向延伸ゾーンの間に形成されて、少なくとも一つのブリッジ要素を具備する、請求項1に記載のステント。
【請求項6】
接続ゾーンが、接続ゾーン内で互いに接合する複数のブリッジ要素を接続ゾーンに含む、請求項5に記載のステント。
【請求項7】
ブリッジ要素が、交差する点で互いに接合する、請求項6に記載のステント。
【請求項8】
接続ゾーンが、接続ゾーンを横切る複数のブリッジ要素を接続ゾーン内に含む、請求項5に記載のステント。
【請求項9】
半径方向延伸ゾーンの各々が、非延伸状態において全体としてステントから分離されたとき、延伸ゾーン内の波状延伸要素の各々が互いから直ちに分離される、請求項1に記載のステント。
【請求項10】
半径方向延伸ゾーンの各々における波状延伸要素が、互いから単独で半径方向に延伸可能ではない、請求項1に記載のステント。
【請求項11】
各半径方向延伸ゾーンが少なくとも三つの波状延伸要素を含む、請求項1に記載のステント。
【請求項12】
縦軸線を有するステントであって、
縦軸線の周りに配列された複数の波状延伸要素を具備し、各々の波状延伸要素が、縦軸線の周りにらせん状に配向された第一ピッチ角度と、縦軸線に基本的に垂直に配向された第二ピッチ角度とを含むものである、ステントにおいて、
波状延伸要素の第二ピッチ角度が半径方向延伸ゾーン内で互いに整列されるように波状延伸要素が配向され、及び
波状延伸要素が半径方向延伸ゾーン内で互いに接続されておらず、及び
波状延伸要素の各々が複数の波形を具備しており、
さらに、該ステントが、少なくとも二つの隣接する半径方向延伸ゾーンの間に接続ゾーンを具備しており、前記接続ゾーンが、縦軸線に平行な蓄積された長さを含む少なくとも一つのブリッジ要素を具備する、ステント。
【請求項13】
各波状要素が隣接する波状延伸要素に接続される、請求項12に記載のステント。
【請求項14】
縦軸線に対して基本的に垂直に配向された一連の半径方向延伸ゾーンをステントが含み、
各半径方向延伸ゾーン内に少なくとも二つの別個の波状延伸要素がある、請求項12に記載のステント。
【請求項15】
各半径方向延伸ゾーン内に少なくとも三つの別個の波状延伸要素がある、請求項14に記載のステント。
【請求項16】
半径方向延伸ゾーンがステントから全体として分離されたとき、延伸ゾーン内の波状延伸要素の各々が互いにすぐに分離する、請求項12に記載のステント。
【請求項17】
半径方向延伸ゾーン内の波状延伸要素が、互いから単独で半径方向に延伸可能ではない、請求項12に記載のステント。
【請求項18】
縦軸線の周りを回る一連の少なくとも三つの画定されたらせん状の波状延伸要素と、
複数の半径方向延伸ゾーンであって、前記半径方向延伸ゾーン内で波状延伸要素が協働して半径方向延伸可能リングを形成する、複数の半径方向延伸ゾーンと、を具備するステントにおいて、
半径方向延伸ゾーン内の波状延伸要素が、互いから単独で半径方向に延伸可能ではなく、波状延伸要素の各々が複数の波形を具備しており、
さらに、該ステントが、少なくとも二つの隣接する半径方向延伸ゾーンの間に接続ゾーンを具備しており、前記接続ゾーンが、縦軸線に平行な蓄積された長さを含む少なくとも一つのブリッジ要素を具備する、ステント。
【請求項19】
ステントが、半径方向延伸ゾーンの少なくとも一つに隣接する少なくとも一つの接続ゾーンを含む、請求項18に記載のステントにおいて、
波状延伸要素が、接続ゾーン内で互いに接合される、請求項18に記載のステント。
【請求項20】
波状延伸要素が、半径方向延伸ゾーン内で互いに接合されない、請求項18に記載のステント。
【請求項21】
縦軸線の周りを回る一連の少なくとも三つの画定されたらせん状の波状延伸要素と、
複数の半径方向延伸ゾーンであって、前記半径方向延伸ゾーン内で波状延伸要素が協働して半径方向延伸可能リングを形成する、複数の半径方向延伸ゾーンと、を具備するステントにおいて、
半径方向延伸ゾーン内の波状延伸要素が相互接続されておらず、
さらに、該ステントが、少なくとも二つの隣接する半径方向延伸ゾーンの間に接続ゾーンを具備しており、前記接続ゾーンが、縦軸線に平行な蓄積された長さを含む少なくとも一つのブリッジ要素を具備する、ステント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−201244(P2010−201244A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142894(P2010−142894)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【分割の表示】特願2004−536088(P2004−536088)の分割
【原出願日】平成15年9月3日(2003.9.3)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【分割の表示】特願2004−536088(P2004−536088)の分割
【原出願日】平成15年9月3日(2003.9.3)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】
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