説明

多重入出力無線通信システムにおける制限されたフィードフォワードのビーム形成を行うための装置及びその方法

【課題】本発明は多重入出力(MIMO)無線通信システムを提供する。
【解決手段】基地局は、空間多重接続される端末各々のダウンリンクチャネル行列の情報を利用して端末各々のダウンリンクビーム形成ベクトルを繰り返し算出して、最適の端末別ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する第1算出器と、ダウンリンクビーム形成ベクトルの情報を送信するため、ダウンリンクビーム形成ベクトルの各々を量子化する量子化器と、制御チャネルを介して量子化されたダウンリンクビーム形成ベクトルの情報を端末にフィードフォワードする制御チャネル送信機と、量子化による誤差を考慮して、端末各々の最終ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する第2算出器と、最終ダウンリンクビーム形成ベクトルの各々に応じてビーム形成された各端末の送信信号を合算して多数のアンテナを介して送信するビーム形成送信機と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多重入出力(Multiple Input Multiple Output、以下、MIMOと略す)無線通信システムに関し、特に、MIMO無線通信システムにおけるビーム形成(Beamforming)を行うための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、高速及び高品質のデータ送信に対する要求が増大するにつれて、これを満足させるための技術の一つとして、多数の送受信アンテナを使用するMIMO技術が大きく注目されている。前記MIMO技術は、多数のアンテナによる多数のチャネルを利用して通信を行うことによって、単一アンテナを使用する場合よりチャネルの容量を大きく改善させうる技術である。例えば、送受信端が全て信M個の送信アンテナ及び受信アンテナを使用し、各アンテナ間のチャネルが独立的で、かつ帯域幅と全体送信電力が固定されている場合に、平均チャネル容量は、単一アンテナに比べてM倍増加するようになる。
【0003】
前記MIMO技術は、単一ユーザMIMO(SU MIMO:Single User MIMO)技術と多重ユーザMIMO(MU MIMO:Multiple User MIMO)技術とに分けられることができる。前記単一ユーザMIMO技術は、1対の送受信端が多数のアンテナによる多数のチャネルを全て占有して、一対一に通信を行うためのものであり、前記多重ユーザMIMO技術は、多数のアンテナによる多数のチャネルを分割して使用することによって、一対多数関係である送受信端間に通信を行うためのものである。前記多重ユーザMIMO技術のうち、MIMO放送チャネル(MIMO Broadcast Channel)を利用する技術が次世代無線通信システムとして注目されている。
【0004】
前記MIMO放送チャネルは、多数の送信アンテナを有する基地局と一つ以上の受信アンテナを有する多数の端末との間のダウンリンク通信を行うためのチャネルである。前記MIMO放送チャネルのための最も理想的な送信技法には、最大送信率を得ることができるDPC(Dirty Paper Coding)技法がある。しかしながら、前記DPC技法は、実際具現が非常に難しい。そのため、前記DPC技法の性能に近接し、実際具現が比較的容易な多様な技法が提案されたことがある。
【0005】
従来では、前記DPC技法の性能に近接する非線形的ビーム形成技法が提案されている。しかしながら、前記提案されたビーム形成技法は、依然として非常に大きな複雑度を有するため、実際システムに適用し難しいという問題がある。したがって、前記MIMO放送チャネルを利用した効果的なダウンリンク通信を行うために、低い複雑度を有する線形的ビーム形成技法の提案が求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、多重入出力(MIMO:Multiple Input Multiple Output)無線通信システムにおいて、低い複雑度を有する線形的ビーム形成装置及び方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、多重入出力無線通信システムにおいてビーム形成ベクトル選択情報を交換するための制御チャネルの容量が制限された状況に適したビーム形成装置及び方法を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、多重入出力無線通信システムにおいてビーム形成ベクトル選択情報を交換するために量子化されたビーム形成ベクトルを使用するビーム形成装置及び方法を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、多重入出力無線通信システムで量子化されたビーム形成ベクトルによる誤差を考慮したビーム形成装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成すべく、本発明の第1形態によると、多重入出力無線通信システムにおける基地局装置は、空間多重接続される端末の各々のダウンリンクチャネル行列の情報を利用して、前記端末の各々のダウンリンクビーム形成ベクトルを繰り返し的に算出することによって、最適の端末別ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する第1算出器と、前記ダウンリンクビーム形成ベクトルの情報を送信するために、前記ダウンリンクビーム形成ベクトルの各々を量子化する量子化器と、制御チャネルを介して量子化されたダウンリンクビーム形成ベクトルの情報を前記端末にフィードフォワードする制御チャネル送信機と、前記量子化による誤差を考慮して、前記端末の各々の最終ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する第2算出器と、前記最終ダウンリンクビーム形成ベクトルの各々に応じてビーム形成された各端末の送信信号を合算し、合算された送信信号を多数の送信アンテナを介して送信するビーム形成送信機と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、上記の目的を達成すべく、本発明の第2形態によると、多重入出力無線通信システムにおける端末装置は、基地局から受信された量子化されたダウンリンクビーム形成ベクトル情報を確認する確認器と、前記基地局と端末とのダウンリンクチャネル行列及び前記ダウンリンクビーム形成ベクトルを乗算することによって、前記ダウンリンク結合ベクトルを算出する算出器と、多数の受信アンテナを介して受信された信号に前記ダウンリンク結合ベクトルのエルミート行列を乗算するビーム結合受信機を備えることを特徴とする。
【0012】
また、上記の目的を達成すべく、本発明の第3形態によると、多重入出力無線通信システムにおける基地局の動作方法は、空間多重接続される端末の各々のダウンリンクチャネル行列の情報を利用して、前記端末の各々のダウンリンクビーム形成ベクトルを繰り返し的に算出することによって、最適の端末別ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する過程と、前記ダウンリンクビーム形成ベクトルの情報を送信するために、前記ダウンリンクビーム形成ベクトルの各々を量子化する過程と、制御チャネルを介して量子化されたダウンリンクビーム形成ベクトルの情報を前記端末にフィードフォワードする過程と、前記量子化による誤差を考慮して、前記端末の各々の最終ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する過程と、前記最終ダウンリンクビーム形成ベクトルの各々に応じてビーム形成された各端末の送信信号を合算し、合算された送信信号を多数の送信アンテナを介して送信する過程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、上記の目的を達成すべく、本発明の第4形態によると、多重入出力無線通信システムにおける端末の動作方法は、基地局から受信された量子化されたダウンリンクビーム形成ベクトル情報を確認する過程と、前記基地局と端末とのダウンリンクチャネル行列及び前記ダウンリンクビーム形成ベクトルを乗算することによって、前記ダウンリンク結合ベクトルを算出する過程と、多数の受信アンテナを介して受信された信号に前記ダウンリンク結合ベクトルのエルミート行列を乗算する過程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、多重入出力無線通信システムにおいて繰り返し技法により決定された最適ビーム形成ベクトルを量子化して、制限されたフィードフォワードチャネル(limited feedforward Channel)を介して端末に知らせ、基地局は、前記量子化による誤差を考慮してビーム形成ベクトルを再算出することによって、低い複雑度で理想的な送信技法に近い性能を表すビーム形成を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面に基づき詳細に説明する。そして、本発明を説明するにおいて、関連した公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明にすると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0016】
以下、本発明は、多重入出力(Multiple Input Multiple Output、以下、MIMOと略す)無線通信システムにおけるビーム形成技術について説明する。
【0017】
まず、本発明は、解決しようとする問題について具体的に説明する。
【0018】
本発明は、多数の送信アンテナを有する基地局と多数の受信アンテナを有する多数の端末とが空間多重接続通信を行う状況を考慮する。前記図1に示すように、前記基地局は、各端末への送信信号をすべての送信アンテナを介して送信し、各送信アンテナを介して送信される信号は、各端末への送信信号を合算した信号である。このとき、前記各端末への送信信号は、ビーム形成ベクトルmと乗算された後に合算される。そして、各端末の受信信号は、端末自身の結合ベクトル(combining vector)のエルミート(hermitian)行列wと乗算される。
【0019】
このとき、各端末で結合ベクトルのエルミート行列と乗算された受信信号は、下記の式1のように表すことができる。
【0020】
【数1】

【0021】
前記式1において、前記yは、端末kで結合ベクトルのエルミート行列と乗算された受信信号、前記wは、端末kの結合ベクトル、前記Hは、基地局と端末kとの間のダウンリンクチャネル行列、前記mは、端末kのビーム形成ベクトル、前記xは、端末kへの送信信号、前記Kは、空間多重接続される端末の数を意味する。
【0022】
前記基地局と端末との間のダウンリンクチャネル行列は、{端末の受信アンテナの数}×{基地局の送信アンテナの数}サイズの複素行列である。ここで、端末kの等価チャネル行列(equivalent Channel matrix)は、下記の式2のように表すことができる。
【0023】
【数2】

【0024】
前記式2において、
【0025】
【数3】

【0026】
は、端末kの等価チャネル行列、前記wは、端末kの結合ベクトル、前記Hは、基地局と端末kとの間のダウンリンクチャネル行列、前記Kは、空間多重接続される端末の数を意味する。
前記等価チャネル行列が前記式2のように表現されるとき、ビーム形成ベクトルが下記の式4のような特性を有することによって、端末の受信信号に該当結合ベクトルが乗算されるとき、他の端末の受信信号による干渉の影響がなくなる。
【0027】
【数4】

【0028】
前記式4において
【0029】
【数5】

【0030】
は、基地局と端末kとの間のダウンリンクチャネル行列、前記mは、端末kのビーム形成ベクトルを意味する。
【0031】
また、前記チャネル行列の特異値分解(SVD:Singular Value Decomposition)は、下記の式6のように表すことができる。
【0032】
【数6】

【0033】
前記式6において、
【0034】
【数7】

【0035】
は、端末kの等価チャネル行列、
【0036】
【数8】

【0037】
は、左特異行列(left singular matrix)、
【0038】
【数9】

【0039】
は、等価チャネル行列の特異値行列、
【0040】
【数10】

【0041】
は、「0」ではない特異値(non−zero singular values)と対応する右特異行列(right singular matrix)、前記
【0042】
【数11】

【0043】
は、「0」である特異値(zero singular value)と対応する右特異ベクトルを意味する。
【0044】
このとき、端末kのビーム形成ベクトルは、前記右特異ベクトル
【0045】
【数12】

【0046】
により一次結合(Span)される空間に存在する。結果的に、前記ビーム形成ベクトルは、前記右特異ベクトルと同様である。万一、端末が最大比結合(MRC:Maximum Ratio Combining)受信を行うときには、端末の結合ベクトルは、下記の式13のように決定される。
【0047】
【数13】

【0048】
前記式13において、前記wは、端末kの結合ベクトル、前記Hは、基地局と端末kとの間のダウンリンクチャネル行列、前記mは、端末kのビーム形成ベクトルを意味する。
【0049】
端末が前記式13のような結合ベクトルを使用する場合に、前記端末は、基地局とのチャネルを推定し、自身のビーム形成ベクトルを決定しなければならない。ここで、前記ビーム形成ベクトルの決定は、残りの端末のすべてのビーム形成ベクトルから影響を受ける。すなわち、各端末は、自身が使用する最適の結合ベクトルを算出するために、他の端末のチャネル状態情報を全て知っていなければならず、これは、前記最適の結合ベクトルの算出に大きな問題となる。したがって、本発明は、前記結合ベクトルを算出するために、他の端末のチャネル状態情報を全て知っていなければならないという問題を解決しようとする。
【0050】
本発明によるMIMO無線通信システムにおいて、端末は、ダウンリンクチャネルを推定し、推定されたチャネル状態情報、すなわち、チャネル行列情報を基地局にフィードバックする。以後、前記基地局は、各端末のチャネル行列を利用して、端末別最適のビーム形成ベクトルを算出する。このとき、前記端末別最適のビーム形成ベクトルの情報は、端末にフィードフォワードされなければならない。しかしながら、前記フィードフォワード可能な情報の量、すなわち、フィードフォワードのための制御チャネルの容量は制限されている。換言すると、端末の各々にフィードフォワードされる情報量の合計は、設定された量を超過してはならない。したがって、前記基地局は、制限された情報量を超過しないように、量子化されたビーム形成ベクトルをフィードフォワードする。
【0051】
このとき、量子化の方式は、コードブックを使用する場合とコードブックを使用しない場合とに区分される。万一、コードブックを使用する場合に、基地局は、コードブック内で各端末のビーム形成ベクトルと最も近接したビーム形成ベクトルを選択する。ここで、前記コードブックは、基地局と端末との間の予め約束されて相互間に知られたビーム形成ベクトルの集合であって、コードブック内のビーム形成ベクトルは、インデックスを使用して区分される。これに対し、コードブックを使用しない場合には、基地局は、制限された制御チャネルの容量に応じてビーム形成ベクトルを構成する元素のアナログ値を量子化することによって、デジタル値に変換する。
【0052】
以後、基地局は、量子化されたビーム形成ベクトルの情報をフィードフォワードし、前記各端末は、フィードフォワードされたインデックスに対応するビーム形成ベクトルを利用して、前記式13のように最大比結合に応じる結合ベクトルを決定する。
【0053】
このとき、量子化されたビーム形成ベクトル情報がフィードフォワードされることによって、端末により算出される結合ベクトルは、基地局のビーム形成ベクトルの算出時に考慮されていた端末の結合ベクトルと変わる。したがって、基地局は、ビーム形成ベクトルの量子化による結合ベクトルの変動を考慮して、ビーム形成ベクトルを再度算出する。
【0054】
前記ビーム形成ベクトル情報のフィードフォワードのために、基地局は、各端末に制御チャネル内の資源を割り当てる。このとき、基地局は、劣悪なチャネル品質を有する端末に相対的に多いビット数を割り当てる。量子化に使用可能なビット数が多いほど、端末は、量子化によるエラーが少ないビーム形成ベクトル情報を得ることができる。したがって、基地局は、チャネル品質が劣悪な端末に比較的正確なビーム形成ベクトル情報を提供して、高いビーム形成利得を得るようにする。これによって、チャネル品質に優れた端末は、比較的不正確なビーム形成ベクトルを得るようになる。しかしながら、前記端末は、チャネル品質に優れているから、低いビーム形成利得でも高い性能を表すことができる。
【0055】
前記量子化されたビーム形成ベクトルを使用する端末の受信信号は、下記の式14のように表すことができる。
【0056】
【数14】

【0057】
前記式14において、前記yは、端末kの結合ベクトルと乗算された受信信号、前記Q(m)は、量子化された端末kのビーム形成ベクトル、前記Hは、基地局と端末kとの間のダウンリンクチャネル行列、前記mは、端末kのビーム形成ベクトル、前記xは、端末kへの送信信号、前記Kは、空間多重接続される端末の数、前記nは、端末kの受信雑音を意味する。
【0058】
前記量子化されたビーム形成ベクトルを使用する端末の信号対干渉及び雑音比(SINR:Signal to Interference and Noise Ratio)は、下記の式15のとおりである。
【0059】
【数15】

【0060】
前記式15において、前記SINRは、端末kの信号対干渉及び雑音比、前記Q(m)は、量子化された端末kのビーム形成ベクトル、前記Hは、基地局と端末kとの間のダウンリンクチャネル行列、前記mは、端末kのビーム形成ベクトル、前記Kは、空間多重接続される端末の数、前記σは、雑音の分散を意味する。
【0061】
前記式15に表された信号対干渉及び雑音比を最大化するビーム形成ベクトルは、下記の式16のように決定される。
【0062】
【数16】

【0063】
前記式16において、
【0064】
【数17】

【0065】
は、信号対干渉及び雑音比を最大化するように量子化された端末kのビーム形成ベクトル、前記Cは、コードブック、前記cは、コードブックに含まれたi番目のビーム形成ベクトル、前記SINRは、端末kの信号対干渉及び雑音比、前記Hは、基地局と端末kとの間のダウンリンクチャネル行列、前記mは、端末kのビーム形成ベクトル、前記Kは、空間多重接続される端末の数、前記σは、雑音の分散を意味する。
【0066】
このとき、前記結合ベクトルが量子化されたビーム形成ベクトルを利用して算出されるため、受信信号に前記結合ベクトルのエルミートベクトルを乗算しても、端末間の干渉は依然として残る。前記残った干渉を除去するために、本発明による基地局は、前記式2の結合ベクトルを量子化されたビーム形成ベクトルを利用して算出された結合ベクトルに置換した後、前記式2の結果値を再度前記式4に代入してビーム形成ベクトルを更新する。これにより、基地局は、前記量子化による誤差を考慮した最終ビーム形成ベクトルを獲得する。前記量子化による誤差を考慮したビーム形成ベクトルを使用する場合に、信号対干渉及び雑音比は、下記の式18のように表すことができる。
【0067】
【数18】

【0068】
前記式18において、前記SINRは、端末kの信号対干渉及び雑音比、
【0069】
【数19】

【0070】
は、信号対干渉及び雑音比を最大化するように量子化された端末kのビーム形成ベクトル、前記Hは、基地局と端末kとの間のダウンリンクチャネル、
【0071】
【数20】

【0072】
は、端末kの最終ビーム形成ベクトル、前記σは、雑音の分散を意味する。
【0073】
上述したビーム形成ベクトルの算出及び結合ベクトルの算出過程は、ダウンリンク通信を仮定して記述されたものである。しかしながら、上述したビーム形成ベクトルの算出及び結合ベクトルの算出過程は、アップリンク通信のために同様に適用されうる。
【0074】
万一、基地局及び端末がTDD(Time Division Duplex)方式に従う場合に、ダウンリンク通信時に基地局により使用されるビーム形成ベクトルは、アップリンク通信時に基地局の結合ベクトルとして使用され、ダウンリンク通信時に各端末により使用される結合ベクトルは、アップリンク通信時に端末のビーム形成ベクトルとして使用される。すなわち、アップリンク通信のための追加的な演算なしに、基地局及び端末は、ダウンリンク通信のために算出されたベクトルをアップリンク通信時に使用する。
【0075】
これに対し、基地局及び端末がFDD(Frequency Division Duplex)方式に従う場合には、前記基地局は、アップリンクチャネル行列情報を利用して、ダウンリンク通信のためのビーム形成ベクトルを算出する方式と同じ方式によって、アップリンク通信のための結合ベクトルを算出する。そして、基地局がアップリンク通信のための基地局の結合ベクトルの情報を端末にフィードフォワードすることにより、各端末は、ダウンリンク通信のための結合ベクトルを算出する方式と同じ方式によって、アップリンク通信のための自身のビーム形成ベクトルを算出する。
【0076】
以下、本発明は、上述した方式に応じて送信ビーム形成及び受信結合を行う基地局と端末の動作手順及び構成を、図面を参照して詳細に説明する。
【0077】
図2は、本発明の第1の実施の形態による多重入出力無線通信システムにおける基地局の信号送信手順を示している。
【0078】
前記図2に示すように、前記基地局は、ステップ201においてビーム形成ベクトルの情報をフィードフォワードするための制限された容量の制御チャネル内の資源を端末に分割割り当てる。このとき、前記基地局は、優れたチャネル品質を有する端末に相対的に少ない量の資源が割り当てられるように、前記制御チャネル内の資源を分割割り当てる。換言すれば、基地局は、資源の量がチャネル品質に反比例するように、制御チャネルに資源を割り当てる。例えば、劣悪なチャネル品質を有する端末1と相対的に優れたチャネル品質を有する端末2とがある場合に、前記基地局は、前記端末1に前記端末2に比べて多い量の資源を割り当てる。すなわち、コードブックを使用する場合に、基地局は、劣悪なチャネル品質を有するユーザ端末に対して、比較的に大きなコードブックを使用することに決定する。
【0079】
以後、前記基地局は、ステップ203に進んで、空間多重接続される端末の各々のダウンリンクチャネル行列を特異値分解して初期結合ベクトルを設定する。ここで、前記チャネル行列は、各端末からフィードバックされた情報である。前記特異値分解は、下記の式21のような演算を意味し、前記初期結合ベクトルは、主左特異ベクトル(The Principal Left Singular Vector)である。ここで、前記主左特異ベクトルは、左特異行列の第一番目の列を意味する。
【0080】
【数21】

【0081】
前記式21において、前記Hは、基地局と端末kとの間のチャネル行列、前記Uは、左特異行列、前記Dは、チャネル行列の特異値行列、前記Vは、右特異行列を意味する。
【0082】
次に、前記基地局は、ステップ205に進んで、前記結合ベクトルを利用して、各端末の等価チャネル行列を算出する。前記等価チャネル行列は、前記式2のように、該当端末を除いた残りの端末の各々の結合ベクトルのエルミートベクトルとチャネル行列との積の転置(transpose)行列を全て乗算し、これに対する転置行列を計算することによって算出される。
【0083】
前記等価チャネル行列を算出した後、前記基地局は、ステップ207に進んで、各端末の等価チャネル行列に対する特異値分解により、各端末のビーム形成ベクトル及び結合ベクトルを更新する。前記特異値分解は、前記式6のように行われ、前記ビーム形成ベクトルは、「0」である特異値と対応する右特異ベクトル
【0084】
【数22】

【0085】
である。そして、前記結合ベクトルは、前記式13のように、チャネル行列とビーム形成ベクトルとを乗算することによって算出される。
【0086】
前記ビーム形成ベクトル及び前記結合ベクトルを更新した後、前記基地局は、ステップ209に進んで、前記ビーム形成ベクトルが最適化されたか否かを判断する。例えば、前記基地局は、下記の式23のように最適化如何を判断できる。
【0087】
【数23】

【0088】
前記式23において、前記m(i)は、i番目に更新されたビーム形成ベクトル、前記εは、最適化臨界値を意味する。
【0089】
すなわち、前記基地局は、最後に更新されたビーム形成ベクトルと、直前に更新されたビーム形成ベクトル間差の絶対値が所定臨界値より小さいと最適化されたと判断する。万一、前記ビーム形成ベクトルが最適化されていないと、前記基地局は、前記ステップ205及び前記ステップ207を繰り返し行う。このとき、一部端末のみのビーム形成ベクトルが最適化されていない場合に、前記基地局は、前記一部端末に対してのみ前記ステップ205及び前記ステップ207を繰り返し行う。
【0090】
反面、すべての端末のビーム形成ベクトルが最適化された場合には、前記基地局は、ステップ211に進んで、各端末の最適化されたビーム形成ベクトルを割り当てられた制御チャネルの資源量、すなわち、割り当てられたビット数に合うように量子化する。例えば、前記基地局は、各端末に割り当てられたビット数と対応するコードブックを確認し、確認されたコードブック内から前記式16のような条件を満たすビーム形成ベクトルを選択する。又は、前記基地局は、各端末に割り当てられたビット数に応じて前記ビーム形成ベクトルを構成する元素のアナログ値をデジタル値に変換する。
【0091】
前記ビーム形成ベクトルを量子化した後、前記基地局は、ステップ213に進んで、前記量子化されたビーム形成ベクトルを利用して、各端末の結合ベクトルを算出する。ここで、前記結合ベクトルは、前記式13のように算出される。
【0092】
前記結合ベクトルを算出した後、前記基地局は、ステップ215に進んで、前記結合ベクトルを利用して、各端末の等価チャネル行列を算出する。ここで、前記等価チャネル行列は、前記式2のように算出される。
【0093】
前記等価チャネル行列を算出した後、前記基地局は、ステップ217に進んで、前記等価チャネル行列に対する特異値分解により各端末の最終ビーム形成ベクトルを決定する。ここで、前記特異値分解は、前記式6のように行われ、前記ビーム形成ベクトルは、「0」である特異値と対応する右特異ベクトル
【0094】
【数24】

【0095】
である。
【0096】
前記最終ビーム形成ベクトルを決定した後、前記基地局は、ステップ219に進んで、各端末の量子化されたビーム形成ベクトル情報をフィードフォワードする。換言すると、前記基地局は、端末の結合ベクトルを算出するために、前記ステップ211で量子化されたビーム形成ベクトル情報をフィードフォワードする。
【0097】
以後、前記基地局は、ステップ221に進んで、各端末への送信信号と該当最終ビーム形成ベクトルとを乗算し、ビーム形成された各端末の送信信号を合算した後、合算された送信信号を多数のアンテナを介して送信する。
【0098】
図3は、本発明の第2の実施の形態による多重入出力無線通信システムにおける基地局の信号送信手順を示している。前記図3は、前記図2の手順に含まれた特異値分解による複雑度を減少させた他の実施の形態を示している。
【0099】
前記図3に示すように、前記基地局は、ステップ301でビーム形成ベクトルの情報をフィードフォワードするための制限された容量の制御チャネル内の資源を端末に分割割り当てる。このとき、前記基地局は、優れたチャネル品質を有する端末に相対的に少ない量の資源が割り当てられるように、前記制御チャネル内の資源を分割割り当てる。換言すれば、基地局は、資源の量がチャネル品質に反比例するように、制御チャネルに資源を割り当てる。例えば、劣悪なチャネル品質を有する端末1と相対的に優れたチャネル品質を有する端末2がある場合に、前記基地局は、前記端末1に前記端末2に比べて多い量の資源を割り当てる。すなわち、コードブックを使用する場合に、基地局は、劣悪なチャネル品質を有するユーザ端末に対して、比較的に大きなコードブックを使用することに決定する。
【0100】
以後、前記基地局は、ステップ303に進んで、空間多重接続される端末の各々のダウンリンクチャネル行列に対する特異値分解により、初期結合ベクトルを決定する。ここで、前記チャネル行列は、各端末からフィードバックされた情報である。前記特異値分解は、前記式21のような演算を意味し、前記初期結合ベクトルは、主左特異ベクトルである。
【0101】
次に、前記基地局は、ステップ305に進んで、前記結合ベクトルを利用して、有効チャネル行列を算出する。ここで、前記有効チャネル行列は、下記の式25のように算出される。
【0102】
【数25】

【0103】
前記式25において、前記Heffは、有効チャネル行列、前記w(i)は、i番目に更新された端末kの結合ベクトル、前記Hは、基地局と端末kとの間のチャネル行列を意味する。
【0104】
前記有効チャネル行列を算出した後、前記基地局は、ステップ307に進んで、前記有効チャネル行列を利用して、各端末のビーム形成ベクトル及び結合ベクトルを更新する。ここで、前記ビーム形成ベクトルは、下記の式26のように更新され、前記結合ベクトルは、前記式13のように更新される。
【0105】
【数26】

【0106】
前記式26において、前記m(i)は、i番目に更新された端末kのビーム形成ベクトル、前記Heffは、有効チャネル行列、前記Heffは、前記有効チャネル行列の疑似逆行列(Pseudo Inverse Matrix)、前記[Heffは、有効チャネル行列の疑似逆行列のk番目の列を意味する。
【0107】
前記ビーム形成ベクトル及び前記結合ベクトルを更新した後、前記基地局は、ステップ309に進んで、前記ビーム形成ベクトルが最適化されたか否かを確認する。例えば、前記基地局は、前記式23のように最適化如何を判断できる。すなわち、前記基地局は、最後に更新されたビーム形成ベクトルと直前に更新されたビーム形成ベクトルとの間の差の絶対値が所定臨界値より小さいと、最適化されたと判断する。万一、前記ビーム形成ベクトルが最適化されていない場合に、前記基地局は、前記ステップ305及び前記ステップ307を繰り返し行う。このとき、一部端末のみのビーム形成ベクトルが最適化されていない場合に、前記基地局は、前記一部端末に対してのみ前記ステップ305及び前記ステップ307を繰り返し行う。
【0108】
反面、すべての端末のビーム形成ベクトルが最適化された場合には、前記基地局は、ステップ311に進んで、各端末のビーム形成ベクトルを割り当てられた制御チャネルの資源量、すなわち、割り当てられたビット数に合うように量子化する。例えば、前記基地局は、各端末に割り当てられたビット数と対応するコードブックを確認し、確認されたコードブック内から前記式16のような条件を満たすビーム形成ベクトルを選択する。又は、前記基地局は、各端末に割り当てられたビット数に応じて前記ビーム形成ベクトルを構成する元素のアナログ値をデジタル値に変換する。
【0109】
前記ビーム形成ベクトルを量子化した後、前記基地局は、ステップ313に進んで、前記量子化されたビーム形成ベクトルを利用して、各端末の結合ベクトルを算出する。ここで、前記結合ベクトルは、前記式13のように算出される。
【0110】
前記結合ベクトルを算出した後、前記基地局は、ステップ315に進んで、前記結合ベクトルを利用して、有効チャネル行列を算出する。ここで、前記有効チャネル行列は、前記式25のように算出される。
【0111】
前記有効チャネル行列を算出した後、前記基地局は、ステップ317に進んで、前記有効チャネル行列を利用して、各端末の最終ビーム形成ベクトルを決定する。前記最終ビーム形成ベクトルは、前記式26のように決定される。
【0112】
前記最終ビーム形成ベクトルを決定した後、前記基地局は、ステップ319に進んで、各端末の量子化されたビーム形成ベクトルの情報をフィードフォワードする。換言すると、前記基地局は、端末の結合ベクトルを算出するために、前記ステップ311で量子化されたビーム形成ベクトルインデックスをフィードフォワードする。
【0113】
以後、前記基地局は、ステップ321に進んで、各端末への送信信号と該当最終ビーム形成ベクトルとを乗算し、ビーム形成された各端末の送信信号を合算した後、合算された送信信号を多数のアンテナを介して送信する。
【0114】
図4は、本発明の第3の実施の形態による多重入出力無線通信システムにおける基地局の信号送信手順を示している。前記図4は、前記図3の手順を結合ベクトルの算出なしに行うためのさらに他の実施の形態を示している。
【0115】
前記図4に示すように、前記基地局は、ステップ401でビーム形成ベクトルの情報をフィードフォワードするための制限された容量の制御チャネル内の資源を端末に分割割り当てる。このとき、前記基地局は、優れたチャネル品質を有する端末に相対的に少ない量の資源が割り当てられるように、前記制御チャネル内の資源を分割割り当てる。換言すれば、基地局は、資源の量がチャネル品質に反比例するように、制御チャネルに資源を割り当てる。例えば、劣悪なチャネル品質を有する端末1と相対的に優れたチャネル品質を有する端末2とがある場合に、前記基地局は、前記端末1に前記端末2に比べて多い量の資源を割り当てる。すなわち、コードブックを使用する場合に、基地局は、劣悪なチャネル品質を有するユーザ端末に対して、比較的に大きなコードブックを使用することに決定する。
【0116】
以後、前記基地局は、ステップ403に進んで、空間多重接続される端末の各々のダウンリンクチャネル行列を特異値分解して、初期ビーム形成ベクトルを決定する。ここで、前記チャネル行列は、各端末からフィードバックされた情報である。前記特異値分解は、前記式21のような演算を意味し、前記初期ビーム形成ベクトルは、主右特異ベクトルである。ここで、前記主右特異ベクトルは、右特異行列の最も大きな特異値に対応する右特異ベクトルの列である。
【0117】
次に、前記基地局は、ステップ405に進んで、前記ビーム形成ベクトルを利用して、有効チャネル行列を算出する。ここで、前記有効チャネル行列は、下記の式27のように算出される。
【0118】
【数27】

【0119】
前記式27において、前記Heffは、有効チャネル行列、前記m(i)は、i番目に更新された端末kのビーム形成ベクトル、前記Hは、基地局と端末kとの間のチャネル行列を意味する。
【0120】
前記有効チャネル行列を算出した後、前記基地局は、ステップ407に進んで、前記有効チャネル行列を利用して、各端末のビーム形成ベクトルを更新する。ここで、前記ビーム形成ベクトルは、前記式26のように更新される。
【0121】
前記ビーム形成ベクトルを更新した後、前記基地局は、ステップ409に進んで、前記ビーム形成ベクトルが最適化されたか否かを確認する。例えば、前記基地局は、前記式23のように最適化如何を判断できる。すなわち、前記基地局は、最後の更新されたビーム形成ベクトルと直前に更新されたビーム形成ベクトル間の差の絶対値が所定臨界値より小さいと、最適化されたと判断する。万一、前記ビーム形成ベクトルが最適化されていないと、前記基地局は、前記ステップ405及び前記ステップ407を繰り返し行う。このとき、一部端末のみのビーム形成ベクトルが最適化されていない場合に、前記基地局は、前記一部端末に対してのみ前記ステップ405及び前記ステップ407を繰り返し行う。
【0122】
反面、すべての端末のビーム形成ベクトルが最適化された場合には、前記基地局は、ステップ411に進んで、各端末のビーム形成ベクトルを割り当てられた制御チャネルの資源量、すなわち、割り当てられたビット数に合うように量子化する。例えば、前記基地局は、各端末に割り当てられたビット数と対応するコードブックを確認し、確認されたコードブック内から前記式16のような条件を満たすビーム形成ベクトルを選択する。又は前記基地局は、各端末に割り当てられたビット数に応じて前記ビーム形成ベクトルを構成する元素のアナログ値をデジタル値に変換する。
【0123】
前記ビーム形成ベクトルを量子化した後、前記基地局は、ステップ413に進んで、前記量子化されたビーム形成ベクトルを利用して、各端末の有効チャネル行列を算出する。ここで、前記有効チャネル行列は、前記式27のように算出される。
【0124】
前記有効チャネル行列を算出した後、前記基地局は、ステップ415に進んで、前記有効チャネル行列を利用して、各端末の最終ビーム形成ベクトルを決定する。前記最終ビーム形成ベクトルは、前記式26のように決定される。
【0125】
前記最終ビーム形成ベクトルを決定した後、前記基地局は、ステップ417に進んで、各端末の量子化されたビーム形成ベクトルの情報をフィードフォワードする。換言すると、前記基地局は、端末の結合ベクトルを算出するために、前記ステップ411で量子化されたビーム形成ベクトルの情報をフィードフォワードする。
【0126】
以後、前記基地局は、ステップ419に進んで、各端末への送信信号と該当最終ビーム形成ベクトルとを乗算し、ビーム形成された各端末の送信信号を合算した後、合算された送信信号を多数のアンテナを介して送信する。
【0127】
前記図2、図3、図4を参考にして説明した実施の形態において、前記基地局は、ダウンリンク通信のためのビーム形成ベクトルを算出する。しかしながら、上述した実施の形態は、アップリンク通信時に基地局の結合ベクトルを算出するために適用されうる。万一、前記基地局がTDD方式に従う場合に、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルは同一なので、前記基地局は、上述した実施の形態によって算出されたビーム形成ベクトルをアップリンク通信のための結合ベクトルとして使用する。これに対し、前記基地局がFDD方式に従う場合には、前記基地局は、前記ステップ303でダウンリンクチャネル行列の代わりにアップリンクチャネル行列を代入することによって、アップリンク通信のための結合ベクトルを算出できる。しかしながら、FDD方式に従う場合には、前記基地局は、端末のアップリンク通信のためのビーム形成ベクトルを算出するために、アップリンク通信のための結合ベクトルの情報をフィードフォワードする。
【0128】
上述したように、アップリンク通信のための結合ベクトルを算出した前記基地局は、多数の受信アンテナを介して受信される端末からの信号に前記アップリンク通信のための結合ベクトルとを各々乗算することによって、前記端末を各々の信号に分離する。
【0129】
図5は、本発明の実施の形態による多重入出力無線通信システムにおける端末の信号受信手順を示している。
【0130】
前記図5に示すように、前記端末は、ステップ501でダウンリンクチャネル状態を推定する。前記ダウンリンクチャネル状態、すなわち、ダウンリンクチャネル行列は、パイロット信号のように予め約束された信号を利用して推定され、{基地局送信アンテナの数}×{端末受信アンテナの数}サイズの行列である。
【0131】
前記ダウンリンクチャネル行列を推定した後、前記端末は、ステップ503に進んで、前記チャネル状態情報を基地局にフィードバックする。
【0132】
以後、前記端末は、ステップ505に進んで、ビーム形成ベクトル情報がフィードフォワードされるか否かを確認する。前記ビーム形成ベクトルインデックスの情報量、すなわち、ビットの数は、基地局のフィードフォワードチャネル割り当て結果によって変わる。このとき、前記ビーム形成ベクトル情報は、ビーム形成ベクトルを構成する元素の値であるか、又はコードブックに含まれたビーム形成ベクトルのインデックスである。
【0133】
前記ビーム形成ベクトル情報がフィードフォワードされると、前記端末は、ステップ507に進んで、前記ビーム形成ベクトルを確認し、結合ベクトルを算出する。例えば、コードブックを使用する場合に、前記端末は、受信されたインデックス情報を構成するビット数と対応するコードブックを確認し、確認されたコードブック内で前記インデックスと対応するビーム形成ベクトルを確認する。そして、前記端末は、前記式13のように前記結合ベクトルを算出する。
【0134】
前記結合ベクトルを算出した後、前記端末は、ステップ509に進んで、多数のアンテナを介して受信される信号に前記結合ベクトルのエルミート行列を乗算する。ここで、前記結合ベクトルのエルミート行列と乗算された信号は、復調及び復号化を介してユーザデータに変換される。
【0135】
前記図5を参考にして説明した実施の形態において、前記端末は、ダウンリンク通信のための結合ベクトルを算出する。しかしながら、上述した実施の形態は、アップリンク通信時に端末のビーム形成ベクトルを算出するために適用されうる。万一、前記端末がTDD方式に従う場合に、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルは同一なので、前記端末は、上述した実施の形態によって算出された結合ベクトルをアップリンク通信のためのビーム形成ベクトルとして使用する。反面、前記端末がFDD方式に従う場合には、前記端末は、基地局からフィードフォワードされるアップリンク通信のための結合ベクトル情報を確認し、前記アップリンク通信のための結合ベクトルを利用して、アップリンク通信のための自身のビーム形成ベクトルを算出する。
【0136】
上述したように、アップリンク通信のためのビーム形成ベクトルを算出した前記端末は、送信信号を前記アップリンク通信のためのビーム形成ベクトルと乗算し、ビーム形成された送信信号を多数の送信アンテナを介して送信する。
【0137】
図6は、本発明の実施の形態による多重入出力無線通信システムにおける基地局のブロック構成を示している。
【0138】
前記図6に示すように、前記基地局は、制御チャネル受信機602、制御チャネル割り当て器604、第1ビームベクトル算出器606、ビームベクトル量子化器608、第2ビームベクトル算出器610、制御チャネル送信機612、符号化器614、変調器616、信号分類器618及びビーム形成送信機620を備えて構成される。
【0139】
前記制御チャネル受信機602は、制御チャネルを介して端末から各端末のチャネル状態情報を受信する。前記チャネル状態情報、すなわち、チャネル行列情報は、{基地局送信アンテナの数}×{端末受信アンテナの数}サイズの行列である。
【0140】
前記制御チャネル割り当て器604は、ビーム形成ベクトル情報フィードフォワードのための制限された容量の制御チャネル内の資源を分割割り当てる。このとき、前記制御チャネル割り当て器604は、優れたチャネル品質を有する端末に相対的に少ない量の資源が割り当てられるように、端末に前記資源を分割割り当てる。例えば、劣悪なチャネル品質を有する端末1と相対的に優れたチャネル品質を有する端末2がある場合に、前記制御チャネル割り当て器604は、前記端末1に前記端末2に比べて多い量のフィードフォワードチャネル資源を割り当てる。
【0141】
前記第1ビームベクトル算出器606は、各端末のダウンリンクチャネル行列を利用して、送信信号ビーム形成に使用されるビーム形成ベクトルを算出する。換言すると、前記第1ビームベクトル算出器606は、空間多重接続される端末の各々のダウンリンクチャネル行列を利用して、前記端末の各々のビーム形成ベクトルを繰り返し的に算出することによって、最適の端末別ビーム形成ベクトルを算出する。このとき、前記最適のビーム形成ベクトルの算出方式は、本発明の実施の形態によって変わる。
【0142】
まず、本発明の第1の実施の形態による場合に、前記第1ビームベクトル算出器606は、前記空間多重接続される端末の各々のダウンリンクチャネル行列に対する特異値分解により得られる主左特異ベクトルを前記端末の各々の初期結合ベクトルとして設定する。そして、前記第1ビームベクトル算出器606は、前記初期結合ベクトルを利用して算出される等価チャネル行列に対する特異値分解を介した前記ビーム形成ベクトル及び前記結合ベクトルの算出を繰り返し行うことによって、前記端末別最適のビーム形成ベクトルを算出する。例えば、毎繰り返し過程においてk番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する場合に、前記第1ビームベクトル算出器606は、前記空間多重接続される端末のうち、前記k番目の端末を除いた残りの端末の各々の結合ベクトルのエルミート行列とダウンリンクチャネル行列との積の転置行列を端末インデックスに応じてすべて順次乗算し、転置行列の積の転置行列を算出することによって、前記k番目の端末の等価チャネル行列を算出する、そして、前記第1ビームベクトル算出器606は、前記k番目の端末の等価チャネル行列を特異値分解して得られる右特異ベクトルを前記k番目の端末のビーム形成ベクトルに更新し、前記k番目の端末のダウンリンクチャネル行列と前記ビーム形成ベクトルとの積を前記k番目の端末の結合ベクトルに更新する。そして、前記k番目の端末のビーム形成ベクトル及び結合ベクトルを更新した後、前記第1ビームベクトル算出器606は、前記k番目の端末のビーム形成ベクトルが最適化されたか否かを判断する。万一、ビーム形成ベクトルが最適化されていないと、前記第1ビームベクトル算出器606は、更新されたビーム形成ベクトル及び更新された結合ベクトルを利用して、上述した動作を繰り返す。
【0143】
次に、本発明の第2の実施の形態による場合に、前記第1ビームベクトル算出器606は、前記空間多重接続される端末の各々のチャネル行列に対する特異値分解により得られる主左特異ベクトルを前記端末の各々の初期結合ベクトルとして設定する。そして、前記第1ビームベクトル算出器606は、前記初期結合ベクトルを利用して算出される有効チャネル行列を利用した前記ビーム形成ベクトル及び前記結合ベクトルの算出を繰り返し行うことによって、前記最適の端末別ビーム形成ベクトルを算出する。例えば、毎繰り返し過程においてk番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する場合に、前記第1ビームベクトル算出器606は、前記空間多重接続される端末の各々の結合ベクトルのエルミート行列とチャネル行列との積の転置行列の端末インデックスに応じてすべて順次乗算し、転置行列の積の転置行列を算出することによって、前記有効チャネル行列を算出する。そして、前記第1ビームベクトル算出器606は、前記有効チャネル行列の疑似逆行列のk番目の列を前記有効チャネル行列の疑似逆行列のk番目の列の絶対値で分けたベクトルを前記k番目の端末のビーム形成ベクトルに更新し、前記k番目の端末のダウンリンクチャネル行列と前記ビーム形成ベクトルとの積を前記k番目の端末の結合ベクトルに更新する。前記k番目の端末のビーム形成ベクトル及び結合ベクトルを更新した前記第1ビームベクトル算出器606は、前記k番目の端末のビーム形成ベクトルが最適化されたか否かを判断する。万一、ビーム形成ベクトルが最適化されていないと、前記第1ビームベクトル算出器606は、更新されたビーム形成ベクトル及び更新された結合ベクトルを利用して、上述した動作を繰り返す。
【0144】
最後に、本発明の第3の実施の形態による場合に、前記第1ビームベクトル算出器606は、前記空間多重接続される端末の各々のチャネル行列に対する特異値分解により得られる主右特異ベクトルを前記端末の各々の初期ビーム形成ベクトルとして設定する。そして、前記第1ビームベクトル算出器606は、前記初期ビーム形成ベクトルを利用して算出される有効チャネル行列を利用した前記ビーム形成ベクトル及び前記結合ベクトルの算出を繰り返し行うことによって、前記最適の端末別ビーム形成ベクトルを算出する。例えば、毎繰り返し過程においてk番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する場合に、前記第1ビームベクトル算出器606は、前記空間多重接続される端末の各々のビーム形成ベクトルのエルミート行列、ダウンリンクチャネル行列のエルミート行列及びダウンリンクチャネル行列との積の転置行列の端末インデックスに応じてすべて順次乗算し、前記転置行列の積の転置行列を算出することによって、前記有効チャネル行列を算出する。そして、前記第1ビームベクトル算出器606は、前記有効チャネル行列の疑似逆行列のk番目の列を前記有効チャネル行列の疑似逆行列のk番目の列の絶対値で分けたベクトルを前記k番目の端末のビーム形成ベクトルに更新する。前記k番目の端末のビーム形成ベクトルを更新した前記第1ビームベクトル算出器606は、前記k番目の端末のビーム形成ベクトルが最適化されたか否かを判断する。万一、ビーム形成ベクトルが最適化されていないと、前記第1ビームベクトル算出器606は、更新されたビーム形成ベクトルを利用して、上述した動作を繰り返す。
【0145】
前記ビームベクトル量子化器608は、前記第1ビームベクトル算出器606から最適化されたビーム形成ベクトルを提供されて、前記最適化されたビーム形成ベクトルを量子化する。このとき、前記ビームベクトル量子化器608の量子化方式は、コードブックの使用有無によって変わる。
【0146】
まず、コードブックを使用する場合に、前記ビームベクトル量子化器608は、各端末に割り当てられたビット数と対応するコードブックを確認し、確認されたコードブック内で前記式16のような条件を満たすビーム形成ベクトルを選択する。すなわち、前記ビームベクトル量子化器608は、前記最適化されたビーム形成ベクトルが乗算されて送信された信号を受信した端末が、前記選択されたビーム形成ベクトルを利用し結合ベクトルを算出して受信信号に乗算されたとき、信号対干渉及び雑音比を最大にするビーム形成ベクトルを選択する。次に、コードブックを使用しない場合に、前記ビームベクトル量子化器608は、前記第1ビームベクトル算出器606により算出された最適化されたビーム形成ベクトルを構成する元素のアナログ値をデジタル値に変換する。ここで、各端末のビーム形成ベクトルに対する量子化ビットの数は、前記制御チャネル割り当て器604の制御チャネル割り当てにより決定される。そして、前記ビームベクトル量子化器608は、量子化されたビーム形成ベクトルの情報を前記第2ビームベクトル算出器610に提供する。
前記第2ビームベクトル算出器610は、前記量子化による誤差を考慮したビーム形成ベクトルを算出する。例えば、本発明の第1の実施の形態による場合。前記第2ビームベクトル算出器610は、前記量子化されたビーム形成ベクトルによって算出された結合ベクトルを利用して、各端末の等価チャネル行列を算出し、前記等価チャネル行列に対する特異値分解を介して最終ビーム形成ベクトルを算出する。又は、本発明の第2の実施の形態又は本発明の第3の実施の形態による場合に、ここで、本発明の他の実施の形態によって、前記第2ビームベクトル算出器610は、有効チャネル行列を算出し、前記有効チャネル行列を利用して、最終ビーム形成ベクトルを算出する。
【0147】
前記制御チャネル送信機612は、制御チャネルを介して各端末に量子化されたビーム形成ベクトルインデックス情報を送信する。前記符号化器614は、ユーザデータを符号化してチャネルコーディングされたビット列に変換する。前記変調器616は、前記符号化器614から提供されるビット列を復調して、複素シンボルに変換する。前記信号分類器618は、前記変調器616から提供される複素シンボルを端末別に分類する。前記ビーム形成送信機620は、前記信号分類器618から提供される端末別信号を該当ビーム形成ベクトルと乗算し、ビーム形成された各端末の送信信号を合算する。そして、前記ビーム形成送信機620は、合算された送信信号を多数の送信アンテナを介して送信する。
【0148】
前記図6に示す構成を参考にして説明した基地局の動作により、ダウンリンク通信のためのビーム形成ベクトルが算出される。
【0149】
万一、前記基地局がTDD方式に従う場合に、前記ダウンリンク通信のためのビーム形成ベクトルは、アップリンク通信のための結合ベクトルとして使用されることができる。この場合に、前記基地局は、ビーム結合受信機(図示せず)をさらに備え、前記ビーム結合受信機は、多数の受信アンテナを介して受信される前記端末からの信号に前記ダウンリンクビーム形成ベクトルの各々を乗算することによって、前記端末の各々の信号を分離する。
【0150】
反面、前記基地局がFDD方式に従う場合には、前記第1ビームベクトル算出器606、前記ビームベクトル量子化器608、前記第2ビームベクトル算出器610、前記制御チャネル送信機612は、アップリンク通信のための結合ベクトルの算出に使用される。詳細に説明すると、前記第1ビームベクトル算出器606は、前記空間多重接続される端末の各々のアップリンクチャネル行列の情報を利用して、前記端末の各々のダウンリンク通信のためのビーム形成ベクトルを算出する方式と同じ方式により、前記端末の各々のアップリンク通信のための結合ベクトルを算出する。そして、前記ビームベクトル量子化器608は、前記アップリンク通信のための結合ベクトルの各々を量子化し、前記第2ビームベクトル算出器610は、前記量子化による誤差を考慮して前記端末の各々の最終アップリンク通信のための結合ベクトルを算出する。このとき、端末のアップリンク通信のためのビーム形成ベクトルを算出するために、前記制御チャネル送信機612は、前記量子化されたアップリンク通信のための結合ベクトルの情報を前記端末にフィードフォワードする。また、前記基地局は、ビーム結合受信機(図示せず)をさらに備え、前記ビーム結合受信機は、多数の受信アンテナを介して受信される前記端末からの信号に前記アップリンク通信のための結合ベクトルの各々を乗算することによって、前記端末の各々の信号を分離する。
【0151】
図7は、本発明の実施の形態による多重入出力無線通信システムにおける端末のブロック構成を示している。
【0152】
前記図7に示すように、前記端末は、チャネル推定器702、制御チャネル送信機704、制御チャネル受信機706、制御情報確認器708、結合ベクトル算出器710、信号結合受信機712、復調器714及び復号器716を備えて構成される。
【0153】
前記チャネル推定器702は、ダウンリンクチャネル状態を推定する。前記ダウンリンクチャネル状態は、パイロット信号のように予め約束された信号を利用して推定され、{基地局送信アンテナの数}×{端末受信アンテナの数}サイズの行列で構成される。前記制御チャネル送信機704は、前記チャネル推定器702から提供されるチャネル状態情報を、制御チャネルを介して基地局にフィードバックする。
【0154】
前記制御チャネル受信機706は、制御チャネルを介して基地局からビーム形成ベクトルインデックス情報を受信する。ここで、前記ビーム形成ベクトルインデックス情報を構成するビットの数は、基地局の制御チャネル割り当て結果に応じて変わる。前記制御情報確認器708は、制御チャネルを介して受信された前記ビーム形成ベクトルの情報を確認する。例えば、コードブックを使用する場合に、前記制御情報確認器708は、受信されたインデックス情報を構成するビット数と対応するコードブックを確認し、確認されたコードブック内で前記インデックスと対応するビーム形成ベクトルを確認する。そして、前記結合ベクトル算出器710は、前記式13のように、自身のダウンリンクチャネル行列と前記制御情報確認器708により確認された前記ビーム形成ベクトルとを乗算することによって、前記自身の結合ベクトルを算出する。
【0155】
前記信号結合受信機712は、多数のアンテナを介して受信される信号に前記結合ベクトルのエルミート行列を乗算して出力する。前記復調器714は、前記信号結合受信機712から提供される信号を復調して、ビット列に変換する。前記復号器716は、前記復調器714から提供されるビット列を復号して、ユーザデータに変換する。
【0156】
前記図7に示す構成を参考にして説明した端末の動作により、ダウンリンク通信のための結合ベクトルが算出される。
【0157】
万一、前記端末がTDD方式に従う場合に、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルは同一なので、前記結合ベクトルは、アップリンク通信のためのビーム形成ベクトルとして使用されることができる。この場合に、前記端末は、ビーム形成送信機(図示せず)をさらに備え、前記結合ベクトルのエルミート行列を利用して送信信号をビーム形成した後、ビーム形成された送信信号を多数の送信アンテナを介して送信する。
【0158】
反面、前記端末がFDD方式に従う場合には、前記制御情報確認器706、前記結合ベクトル算出器708は、アップリンク通信のためのビーム形成ベクトルの算出に使用される。詳細に説明すると、前記制御チャネル受信機704は、制御チャネルを介して基地局から受信される量子化されたアップリンク通信のための結合ベクトル情報を確認する。そして、前記結合ベクトル算出器760は、前記基地局と端末とのアップリンクチャネル行列及び前記アップリンク通信のための結合ベクトルを乗算することによって、アップリンク通信のためのビーム形成ベクトルを算出する。また、前記端末は、ビーム形成送信機(図示せず)をさらに備え、前記アップリンク通信のためのビーム形成ベクトルベクトルのエルミート行列を利用して送信信号をビーム形成した後、ビーム形成された送信信号を多数の送信アンテナを介して送信する。
【0159】
図8Aおよび図8Bは、本発明によるビーム形成技法の性能を確認するために実施したシミュレーション実験結果を示している。
【0160】
前記図8Aは、最も理想的な技法であるDPC(Dirty Paper Coding)技法と本発明による技法の性能を比較している。前記図8Aは、受信アンテナの数に応じる全体送信率(Sum Rate)を示しており、横軸は、受信アンテナの数を、縦軸は、全体送信率を示す。また、前記図8Aにおいて、送信アンテナの数は5個、端末の数は5個と仮定している。前記図8Aを参照すると、現在最も理想的なDPC技法は、本発明の技法より高い全体送信率を表す。特に、前記DPC技法は、受信アンテナの数が少ないとき、大きな性能差を表す。すなわち、端末の受信アンテナの数が増加するほど、本発明の技法は、前記DPC技法に近接した性能を表していることを確認することができる。これは、前記DPC技法の非常に大きな複雑度と本発明による技法の線形的解法を考慮するとき、本発明による技法の性能が非常に優れていることが分かる。
【0161】
前記図8Bは、前記DPC技法、本発明による技法、単一ユーザ閉ループMIMO(SU CL MIMO:Single User Close Loop MIMO)、独立ストリームスケジューラ(Independent Stream Scheduler)技法を比較している。ここで、前記本発明による技法は、非量子化(Unquntized)の場合、6ビットコードブックの場合、3ビットコードブックの場合に細分化されている。前記図8Bは、送信アンテナの数、端末の数、受信アンテナの数に応じる全体送信率を示しており、横軸は、前記送信アンテナの数、前記端末の数、前記受信アンテナの数を、縦軸は、全体送信率を示す。ここで、前記送信アンテナの数、前記端末の数、前記受信アンテナの数は、全て互いに同一である。前記図8Bを参照すると、5個の送信アンテナ、5個の端末、5個の受信アンテナを使用する状況において、前記DPC技法と本発明による技法間の全体送信率差は、約1.6 bps/Hzである。前記差は、横軸の値が低くなるほど減少し、前記差の平均値は、約0.32 bps/Hzである。また、本発明による技法は、コードブックビット数が減少するほど低い性能を表す。しかしながら、最も低い性能を表す3ビットコードブックを使用する本発明の技法は、前記単一ユーザ閉ループMIMO技法及び独立ストリームスケジューラ技法に比べて高い性能を表す。
【0162】
上述した本発明の好ましい実施形態は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形、及び変更が可能であり、このような置換、変更などは、特許請求の範囲に属するものである。
【0163】
上述したように、多重入出力無線通信システムにおいて繰り返し技法により決定された最適ビーム形成ベクトルを量子化して、制限されたフィードフォワードチャネル(limited feedforward Channel)を介して端末に知らせ、基地局は、前記量子化による誤差を考慮してビーム形成ベクトルを再算出することによって、低い複雑度で理想的な送信技法に近い性能を表すビーム形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】本発明で考慮する多重入出力無線通信システムを概略的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による多重入出力無線通信システムにおける基地局の信号送信手順を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態による多重入出力無線通信システムにおける基地局の信号送信手順を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態による多重入出力無線通信システムにおける基地局の信号送信手順を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態による多重入出力無線通信システムにおける端末の信号受信手順を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態による多重入出力無線通信システムにおける基地局のブロック構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態による多重入出力無線通信システムにおける端末のブロック構成を示す図である。
【図8A】本発明によるビーム形成技法の性能を示す図である。
【図8B】本発明によるビーム形成技法の性能を示す図である。
【符号の説明】
【0165】
602 制御チャネル受信機
604 制御チャネル割り当て器
606 第1ビームベクトル算出器
608 ビームベクトル量子化器
610 第2ビームベクトル算出器
612 制御チャネル送信機
614 符号化器
616 変調器
618 信号分類器
620 ビーム形成送信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重入出力無線通信システムにおける基地局装置であって、
空間多重接続される端末の各々のダウンリンクチャネル行列の情報を利用して、前記端末の各々のダウンリンクビーム形成ベクトルを繰り返し的に算出することによって、最適の端末別ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する第1算出器と、
前記ダウンリンクビーム形成ベクトルの情報を送信するために、前記ダウンリンクビーム形成ベクトルの各々を量子化する量子化器と、
制御チャネルを介して量子化されたダウンリンクビーム形成ベクトルの情報を前記端末にフィードフォワードする制御チャネル送信機と、
前記量子化による誤差を考慮して、前記端末の各々の最終ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する第2算出器と、
前記最終ダウンリンクビーム形成ベクトルの各々に応じてビーム形成された各端末の送信信号を合算し、合算された送信信号を多数の送信アンテナを介して送信するビーム形成送信機と、を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1算出器は、前記空間多重接続される端末の各々のダウンリンクチャネル行列に対する特異値分解(singular value decomposition)により得られる主左特異ベクトル(the principal left singular vector)を前記端末の各々の初期ダウンリンク結合ベクトル(combining vector)として設定した後、
前記初期ダウンリンク結合ベクトルを利用して算出される等価チャネル行列に対する特異値分解による前記ダウンリンクビーム形成ベクトル及び前記ダウンリンク結合ベクトルの算出を繰り返し行うことによって、前記最適の端末別ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1算出器は、毎繰り返し過程においてk番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する場合に、前記空間多重接続される端末のうち、前記k番目の端末を除いた残りの端末の各々のダウンリンク結合ベクトルのエルミート(hermitian)行列及びダウンリンクチャネル行列の積の転置行列を端末インデックスに応じてすべて順次乗算し、転置行列の積の転置行列を算出することによって、前記k番目の端末の等価チャネル行列を算出し、
前記k番目の端末の等価チャネル行列を特異値分解して得られる右特異ベクトルを前記k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルに更新し、前記k番目の端末のダウンリンクチャネル行列と前記ダウンリンクビーム形成ベクトルとの積を前記k番目の端末のダウンリンク結合ベクトルに更新した後、
前記k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルが最適化されたか否かを判断し、
前記第2算出器は、前記量子化されたダウンリンクビーム形成ベクトルを利用して、前記端末の各々の最終ダウンリンク結合ベクトルを算出し、前記ダウンリンク結合ベクトルを利用して、前記端末の各々の等価チャネル行列を算出した後、前記端末の各々の等価チャネル行列に対する特異値分解により前記端末の各々の最終ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出することを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1算出器は、前記空間多重接続される端末の各々のチャネル行列に対する特異値分解により得られる主左特異ベクトルを前記端末の各々の初期ダウンリンク結合ベクトルとして設定した後、
前記初期ダウンリンク結合ベクトルを利用して算出される有効チャネル行列(effective Channel matrix)を利用した前記ダウンリンクビーム形成ベクトル及び前記ダウンリンク結合ベクトルの算出を繰り返し行うことによって、前記最適の端末別ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1算出器は、前記空間多重接続される端末の各々のダウンリンク結合ベクトルのエルミート行列及びダウンリンクチャネル行列の積の転置行列の端末インデックスに応じてすべて順次乗算し、転置行列の積の転置行列を算出することによって、前記有効チャネル行列を算出した後、
k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する場合に、前記有効チャネル行列の疑似逆行列のk番目の列を前記有効チャネル行列の疑似逆行列のk番目の列の絶対値で分けたベクトルを前記k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルに更新し、前記k番目の端末のダウンリンクチャネル行列と前記ダウンリンクビーム形成ベクトルとの積を前記k番目の端末のダウンリンク結合ベクトルに更新した後、
前記k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルが最適化されたか否かを判断し、
前記第2算出器は、前記量子化されたダウンリンクビーム形成ベクトルを利用して、前記端末の各々の最終ダウンリンク結合ベクトルを算出し、前記ダウンリンク結合ベクトルを利用して、前記有効チャネル行列を算出した後、前記有効チャネル行列を利用して、前記端末の各々の最終ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出することを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1算出器は、前記空間多重接続される端末の各々のチャネル行列に対する特異値分解により得られる主右特異ベクトルを前記端末の各々の初期ダウンリンクビーム形成ベクトルとして設定した後、
前記初期ダウンリンクビーム形成ベクトルを利用して算出される有効チャネル行列を利用した前記ダウンリンクビーム形成ベクトルの算出を繰り返し行うことによって、前記最適の端末別ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1算出器は、前記空間多重接続される端末の各々のダウンリンクビーム形成ベクトルのエルミート行列、ダウンリンクチャネル行列のエルミート行列及びダウンリンクチャネル行列との積の転置行列の端末インデックスに応じてすべて順次乗算し、転置行列の積の転置行列を算出することによって、前記有効チャネル行列を算出した後、
k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する場合に、前記有効チャネル行列の疑似逆行列のk番目の列を前記有効チャネル行列の疑似逆行列のk番目の列の絶対値で分けたベクトルを前記k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルに更新した後、
前記k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルが最適化されたか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
優れたチャネル品質を有する端末に相対的に少ない量の資源が割り当てられるように、前記制御チャネル内の資源を分配する割り当て器をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記量子化器は、k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルを量子化する場合に、前記k番目の端末に割り当てられた制御チャネル資源量と対応するコードブック(Codebook)を確認し、前記コードブック内から前記k番目の端末の受信信号の強度を最大化するビーム形成ベクトルを選択することによって、前記k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルを量子化することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
多数の受信アンテナを介して受信される前記端末からの信号に前記ダウンリンクビーム形成ベクトルの各々を乗算することによって、前記端末の各々の信号を分離するビーム結合受信機をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第1算出器は、前記空間多重接続される端末の各々のアップリンクチャネル行列の情報を利用して、前記端末の各々のダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する方式と同じ方式により前記端末の各々のアップリンク結合ベクトルを算出し、
前記量子化器は、前記アップリンク結合ベクトルの各々を量子化し、
前記制御チャネル送信機は、前記量子化されたアップリンク結合ベクトルの情報を前記端末にフィードフォワードし、
前記第2算出器は、前記量子化による誤差を考慮して、前記端末の各々の最終アップリンク結合ベクトルを算出することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
多数の受信アンテナを介して受信される前記端末からの信号に前記アップリンク結合ベクトルの各々を乗算することによって、前記端末の各々の信号を分離するビーム結合受信機をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
多重入出力無線通信システムにおける端末装置であって、
基地局から受信された量子化されたダウンリンクビーム形成ベクトル情報を確認する確認器と、
前記基地局と端末とのダウンリンクチャネル行列及び前記ダウンリンクビーム形成ベクトルを乗算することによって、前記ダウンリンク結合ベクトルを算出する算出器と、
多数の受信アンテナを介して受信された信号に前記ダウンリンク結合ベクトルのエルミート行列を乗算するビーム結合受信機を備えることを特徴とする装置。
【請求項14】
前記ダウンリンク結合ベクトルのエルミート行列を利用して送信信号をビーム形成した後、ビーム形成された送信信号を多数の送信アンテナを介して送信するビーム形成送信機をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記確認器は、基地局から受信された量子化されたアップリンク結合ベクトル情報を確認し、
前記算出器は、前記基地局と端末とのアップリンクチャネル行列及び前記アップリンク結合ベクトルを乗算することによって、アップリンクビーム形成ベクトルを算出することを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記アップリンクビーム形成ベクトルのエルミート行列を利用して送信信号をビーム形成した後、ビーム形成された送信信号を多数の送信アンテナを介して送信するビーム形成送信機をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
多重入出力無線通信システムにおける基地局の動作方法であって、
空間多重接続される端末の各々のダウンリンクチャネル行列の情報を利用して、前記端末の各々のダウンリンクビーム形成ベクトルを繰り返し的に算出することによって、最適の端末別ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する過程と、
前記ダウンリンクビーム形成ベクトルの情報を送信するために、前記ダウンリンクビーム形成ベクトルの各々を量子化する過程と、
制御チャネルを介して量子化されたダウンリンクビーム形成ベクトルの情報を前記端末にフィードフォワードする過程と、
前記量子化による誤差を考慮して、前記端末の各々の最終ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する過程と、
前記最終ダウンリンクビーム形成ベクトルの各々に応じてビーム形成された各端末の送信信号を合算し、合算された送信信号を多数の送信アンテナを介して送信する過程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記最適の端末別ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する過程は、
前記空間多重接続される端末の各々のダウンリンクチャネル行列に対する特異値分解により得られる主左特異ベクトルを前記端末の各々の初期ダウンリンク結合ベクトルとして設定する過程と、
前記初期ダウンリンク結合ベクトルを利用して算出される等価チャネル行列に対する特異値分解を介した前記ダウンリンクビーム形成ベクトル及び前記ダウンリンク結合ベクトルの算出を繰り返し行うことによって、前記最適の端末別ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する過程と、を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ダウンリンクビーム形成ベクトル及び前記ダウンリンク結合ベクトルの算出を繰り返し行う過程は、
毎繰り返し過程においてk番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する場合に、前記空間多重接続される端末のうち、前記k番目の端末を除いた残りの端末の各々のダウンリンク結合ベクトルのエルミート行列とダウンリンクチャネル行列との積の転置行列を端末インデックスに応じてすべて順次乗算し、転置行列の積の転置行列を算出することによって、前記k番目の端末の等価チャネル行列を算出する過程と、
前記k番目の端末の等価チャネル行列を特異値分解して得られる右特異ベクトルを前記k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルに更新する過程と、
前記k番目の端末のダウンリンクチャネル行列と前記ダウンリンクビーム形成ベクトルとの積を前記k番目の端末のダウンリンク結合ベクトルに更新する過程と、
前記k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルが最適化されたか否かを判断する過程と、を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記最終ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する過程は、
前記量子化されたダウンリンクビーム形成ベクトルを利用して、前記端末の各々の最終ダウンリンク結合ベクトルを算出する過程と、
前記ダウンリンク結合ベクトルを利用して、前記端末の各々の等価チャネル行列を算出した後、前記端末の各々の等価チャネル行列に対する特異値分解を介して前記端末の各々の最終ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する過程と、を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記最適の端末別ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する過程は、
前記空間多重接続される端末の各々のチャネル行列に対する特異値分解により得られる主左特異ベクトルを前記端末の各々の初期ダウンリンク結合ベクトルとして設定する過程と、
前記初期ダウンリンク結合ベクトルを利用して算出される有効チャネル行列を利用した前記ダウンリンクビーム形成ベクトル及び前記ダウンリンク結合ベクトルの算出を繰り返し行うことによって、前記最適の端末別ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する過程と、を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記ダウンリンクビーム形成ベクトル及び前記ダウンリンク結合ベクトルの算出を繰り返し行う過程は、
前記空間多重接続される端末の各々のダウンリンク結合ベクトルのエルミート行列とチャネル行列との積の転置行列の端末インデックスに応じてすべて順次乗算し、転置行列の積の転置行列を算出することによって、前記有効チャネル行列を算出する過程と、
k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する場合に、前記有効チャネル行列の疑似逆行列のk番目の列を前記有効チャネル行列の疑似逆行列のk番目の列の絶対値で分けたベクトルを前記k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルに更新する過程と、
前記k番目の端末のダウンリンクチャネル行列と前記ダウンリンクビーム形成ベクトルとの積を前記k番目の端末のダウンリンク結合ベクトルに更新する過程と、
前記k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルが最適化されたか否かを判断する過程と、を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記最終ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する過程は、
前記量子化されたダウンリンクビーム形成ベクトルを利用して、前記端末の各々の最終ダウンリンク結合ベクトルを算出する過程と、
前記ダウンリンク結合ベクトルを利用して、前記有効チャネル行列を算出した後、前記有効チャネル行列を利用して、前記端末の各々の最終ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する過程と、を含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記最適の端末別ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する過程は、
前記空間多重接続される端末の各々のチャネル行列に対する特異値分解により得られる主右特異ベクトルを前記端末の各々の初期ダウンリンクビーム形成ベクトルとして設定する過程と、
前記初期ダウンリンクビーム形成ベクトルを利用して算出される有効チャネル行列を利用した前記ダウンリンクビーム形成ベクトルの算出を繰り返し行うことによって、前記最適の端末別ダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する過程と、を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記ダウンリンクビーム形成ベクトルの算出を繰り返し行う過程は、
前記空間多重接続される端末の各々のダウンリンクビーム形成ベクトルのエルミート行列、ダウンリンクチャネル行列のエルミート行列及びダウンリンクチャネル行列との積の転置行列の端末インデックスに応じてすべて順次乗算し、転置行列の積の転置行列を算出することによって、前記有効チャネル行列を算出する過程と、
k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する場合に、前記有効チャネル行列の疑似逆行列のk番目の列を前記有効チャネル行列の疑似逆行列のk番目の列の絶対値で分けたベクトルを前記k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルに更新する過程と、
前記k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルが最適化されたか否かを判断する過程と、を含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
優れたチャネル品質を有する端末に相対的に少ない量の資源が割り当てられるように前記制御チャネル内の資源を分配する過程をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項27】
前記ダウンリンクビーム形成ベクトルの各々を量子化する過程は、
k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルを量子化する場合に、前記k番目の端末に割り当てられた制御チャネル資源量と対応するコードブックを確認する過程と、
前記コードブック内で前記k番目の端末の受信信号の強度を最大化するビーム形成ベクトルを選択することによって、前記k番目の端末のダウンリンクビーム形成ベクトルを量子化する過程と、を含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
多数の受信アンテナを介して受信される前記端末からの信号に前記ダウンリンクビーム形成ベクトルの各々を乗算することによって、前記端末の各々の信号を分離する過程をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記空間多重接続される端末の各々のアップリンクチャネル行列の情報を利用して、前記端末の各々のダウンリンクビーム形成ベクトルを算出する方式と同じ方式により、前記端末の各々のアップリンク結合ベクトルを算出する過程と、
前記アップリンク結合ベクトルの各々を量子化する過程と、
前記量子化されたアップリンク結合ベクトルの情報を前記端末にフィードフォワードする過程と、
前記量子化による誤差を考慮して前記端末の各々の最終アップリンク結合ベクトルを算出する過程と、をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項30】
多数の受信アンテナを介して受信される前記端末からの信号に前記アップリンク結合ベクトルの各々を乗算することによって、前記端末の各々の信号を分離する過程をさらに含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
多重入出力無線通信システムにおける端末の動作方法であって、
基地局から受信された量子化されたダウンリンクビーム形成ベクトル情報を確認する過程と、
前記基地局と端末とのダウンリンクチャネル行列及び前記ダウンリンクビーム形成ベクトルを乗算することによって、前記ダウンリンク結合ベクトルを算出する過程と、
多数の受信アンテナを介して受信された信号に前記ダウンリンク結合ベクトルのエルミート行列を乗算する過程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項32】
前記ダウンリンク結合ベクトルのエルミート行列を利用して送信信号をビーム形成した後、ビーム形成された送信信号を多数の送信アンテナを介して送信する過程をさらに含むことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
基地局から受信された量子化されたアップリンク結合ベクトル情報を確認する過程と、
前記基地局と端末とのアップリンクチャネル行列及び前記アップリンク結合ベクトルを乗算することによって、アップリンクビーム形成ベクトルを算出する過程をさらに含むことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記アップリンクビーム形成ベクトルのエルミート行列を利用して送信信号をビーム形成した後、ビーム形成された送信信号を多数の送信アンテナを介して送信する過程をさらに含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【公開番号】特開2008−301494(P2008−301494A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141720(P2008−141720)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【出願人】(507053954)ザ・ボード・オブ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・テキサス・システム (5)
【氏名又は名称原語表記】THE BOARD OF REGENTS OF THE UNIVERSITY OF TEXAS SYSTEM
【Fターム(参考)】