説明

多重特異性ペプチド

本発明は、(a)ポリペプチドの第1のレパートリを準備するステップであって、各々のポリペプチドが、分子足場と共有結合する能力のある2以上の反応性基、および2つの反応性基間に内在する2以上のアミノ酸からなる配列を含む少なくとも一つのループを含む、ステップと、(b)(a)に記載されるポリペプチドの第2のレパートリを準備するステップと、(c)第1のレパートリの1以上のメンバーの少なくとも一つのループを、第2のレパートリの1以上のメンバーの少なくとも一つのループと連結して、2つのループを含む少なくとも一つのポリペプチドを形成するステップ、および(d)複合ポリペプチド(1または複数)を、少なくとも3つのアミノ酸位置で分子足場にコンジュゲートするステップを含む、3以上のアミノ酸残基で分子足場と共有結合し、かつ2以上の別個の標的と結合する能力のあるポリペプチドを含む、多重特異性ペプチドリガンドを提供するための方法に関する。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3以上のアミノ酸残基で分子足場と共有結合し、かつ2以上の別個の標的と結合する能力のあるポリペプチドを含む、多重特異性ペプチドリガンドを提供するための方法であって、
(a)ポリペプチドの第1のレパートリを準備するステップであって、各々のポリペプチドが、分子足場と共有結合する能力のある2以上の反応性基、および2つの前記反応性基間に内在する2以上のアミノ酸からなる配列を含む少なくとも一つのループを含む、ステップと、
(b)(a)に記載されるポリペプチドの第2のレパートリを準備するステップと、
(c)前記第1のレパートリの1以上のメンバーの少なくとも一つのループを、前記第2のレパートリの1以上のメンバーの少なくとも一つのループと連結して、2つのループを含む少なくとも一つのポリペプチドを形成するステップと、
(d)前記複合ポリペプチド(1または複数)を、少なくとも3つのアミノ酸位置で分子足場にコンジュゲートするステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1および第2のレパートリを、第1および第2の標的との結合についてスクリーニングして、ステップ(c)で用いた前記1以上のメンバーを単離する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(i)前記第1または第2のレパートリの前記メンバーを分子足場にコンジュゲートし、前記第1または第2の標的に対する結合についてスクリーニングするステップ、または
(ii)前記第1または第2のレパートリの前記メンバーを、前記反応性基によって架橋するステップと、
前記第1または第2の標的に対する結合についてスクリーニングするステップと
により、前記第1および第2のレパートリが、結合についてスクリーニングされる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1および/または第2のレパートリの前記メンバーが、分子足場にコンジュゲートされて単一ループを形成する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のレパートリの前記メンバーが、分子足場にコンジュゲートされて2以上のループを形成し、かつ、その単一ループが、前記第2のレパートリの前記メンバーの少なくとも一つのループに連結されている、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(c)により、ペプチドリガンドの第3のレパートリの形成がもたらされる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1および第2のレパートリのうち一つが未処理である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
3以上のアミノ酸残基で分子足場と共有結合し、かつ2以上の別個の標的と結合する能力のあるポリペプチドを含む、多重特異性ペプチドリガンドを提供するための方法であって、
(a)ポリペプチドの第1のレパートリを準備するステップと、
(b)前記ポリペプチドを、少なくとも一つのループを形成する2以上のアミノ酸残基で前記ポリペプチドに結合する分子足場にコンジュゲートして、ポリペプチド抱合体の第1のレパートリを形成するステップと、
(c)前記第1のレパートリを第1の標的に対する結合についてスクリーニングし、前記第1の標的に結合する前記第1のレパートリのメンバーを選択するステップと、
(d)ポリペプチドの第2のレパートリを用いてステップ(a)〜(c)を反復するステップであって、第2の標的に結合するポリペプチド抱合体の第2のレパートリを得るステップと、
(e)前記第1および前記第2のレパートリのメンバーからループを単離し、それらを合わせて前記ポリペプチドが前記分子足場と少なくとも3つのアミノ酸で結合しているポリペプチド抱合体の第3のレパートリを形成し、前記第1と前記第2の標的の両方と結合する能力のある分子を選択するステップと
を含む、方法。
【請求項9】
1以上のレパートリのポリペプチド抱合体を、プロテアーゼで処理する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
1以上のレパートリの前記ポリペプチド抱合体が、還元剤およびプロテアーゼで処理される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ポリペプチドの1以上の前記レパートリが、核酸分子の1以上のライブラリによりコードされる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記レパートリの前記スクリーニングが、遺伝子ディスプレイ系を用いて行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記遺伝子ディスプレイ系が、ファージディスプレイである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記多重特異性ペプチドリガンドが、二重特異性である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第3のレパートリのメンバーによる前記第1および第2の標的との結合が、同時に起こり得る、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第3のレパートリのメンバーによる前記第1および第2の標的との結合が、同時に起こり得ない、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第3のレパートリのメンバーを、前記第1の標的に対してスクリーニングし、次に結合するものを前記第2の標的に対してスクリーニングする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の標的との結合についての前記第1のスクリーニングの後に、前記第3のレパートリを増幅し、次に前記第2の標的に対してスクリーニングする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
2以上の標的と結合することが可能である、少なくとも3つのアミノ酸位置で分子足場と共有結合したポリペプチドを含む多重特異性ペプチドリガンド。
【請求項20】
2以上の標的と同時に結合することが可能である、請求項19に記載の多重特異性リガンド
【請求項21】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法により得られる、請求項19または請求項20に記載の多重特異性ペプチドリガンド。
【請求項22】
1以上の官能基にコンジュゲートした、分子足場と共有結合したポリペプチドを含むペプチドリガンド。
【請求項23】
1以上の官能基にコンジュゲートした、請求項19〜21のいずれか一項に記載のペプチドリガンド。
【請求項24】
前記ポリペプチドのN末端、前記ポリペプチドのC末端、および前記分子足場から選択される1以上の位置で前記官能基が結合している、請求項22または請求項23に記載のペプチドリガンド。
【請求項25】
前記官能基が、インビボで前記ペプチドリガンドの半減期を延長する分子に結合するリガンドである、請求項22〜24のいずれか一項に記載のペプチドリガンド。
【請求項26】
インビボで前記ペプチドリガンドの半減期を延長する前記分子が、HSAまたは細胞マトリックスタンパク質である、請求項25に記載のペプチドリガンド。
【請求項27】
インビボで前記ペプチドリガンドの半減期を延長する分子に結合する前記リガンドが、HSAまたは細胞マトリックスタンパク質に特異的な抗体または抗体フラグメントである、請求項26に記載のペプチドリガンド。
【請求項28】
前記官能基が、分子足場と共有結合したポリペプチド、1000ダルトン未満の化学基、および抗体または抗体フラグメントからなる群から選択されるリガンドである、請求項22〜24のいずれか一項に記載のペプチドリガンド。
【請求項29】
前記官能基が、エフェクター基である、請求項22〜24のいずれか一項に記載のペプチドリガンド。
【請求項30】
前記エフェクター基が、抗体Fc領域である、請求項29に記載のペプチドリガンド。
【請求項31】
前記エフェクター基が、細胞透過性ペプチドである、請求項22〜24のいずれか一項に記載のペプチドリガンド。
【請求項32】
前記細胞透過性ペプチドが、ポリアルギニン、VP−22、アンテナペディア、HIV−tatおよびペネトラチンからなる群から選択される、請求項31に記載のペプチドリガンド。
【請求項33】
請求項22〜32のいずれか一項に記載のペプチドリガンドを調製するための方法であって、
(a)前記ポリペプチドを製造するステップと、
(b)それを前記分子足場にコンジュゲートするステップと、
(c)前記1以上の官能基を前記ポリペプチドの前記N末端またはC末端に結合するステップと
を含む、方法。
【請求項34】
前記官能基が、FMOCである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
請求項22〜32のいずれか一項に記載のペプチドリガンドを調製するための方法であって、
(a)前記ポリペプチドを製造するステップと、
(b)それを前記分子足場にコンジュゲートするステップと、
(c)前記1以上の官能基を前記分子足場に結合するステップと
を含む、方法。
【請求項36】
分子量が3000ダルトン未満である、請求項19〜32のいずれか一項に記載のペプチドリガンド。
【請求項37】
分子量が5000ダルトン未満である、請求項19〜32のいずれか一項に記載のペプチドリガンド。
【請求項38】
前記ポリペプチドと前記分子足場の任意の2つの隣接する結合点間に内在する前記ポリペプチドループの長さが、0〜9アミノ酸の間であり、前記結合点の最初と最後の間の前記ポリペプチド配列の長さが27アミノ酸より短い、請求項19〜32のいずれか一項に記載のペプチドリガンド。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A−7B】
image rotate

【図7C−7E】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2013−518807(P2013−518807A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548605(P2011−548605)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000689
【国際公開番号】WO2010/089115
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(597166578)メディカル リサーチ カウンシル (60)
【Fターム(参考)】