説明

大きな気泡サイズをもつ本質的に連続気泡のポリプロピレン発泡体

【課題】穴あけが必要のない本質的に連続気泡であるPP発泡体を提供する。
【解決手段】少なくとも4mmの平均気泡サイズをもつ気泡を有するポリマーブレンド物を含む本質的に連続気泡のポリマー発泡体であって、発泡体は少なくとも40%の本質的連続気泡含量をもち、そしてポリマーブレンド物が:(a)高溶融張力のポリプロピレン;(b)(a)の融点から10℃以内の融点、(a)とは実質的に異なったメルトフローレートをもち、そして(a)と相溶性がある線状及び実質上線状のポリプロピレンから選択される第二のポリプロピレン;及び、所望により、(c)(a)と相溶性のないエチレンポリマーからなり、(a)が(a)と(b)の合計重量の60wt%−90wt%であることを特徴とする本質的に連続気泡のポリマー発泡体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大きな(少なくとも1.5mm)平均気泡サイズをもつ本質的に連続気泡のポリプロピレン系ポリマー発泡体、そのようなポリマー発泡体の製造方法及びそのようなポリマー発泡体の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大きな平均気泡サイズ(即ち、少なくとも1.5mmの平均気泡サイズ)をもつ発泡体は、ろ過や吸音材のような用途において望ましいものである。これらの同じ用途においては連続気泡発泡体に利点がある。しばしば、これらの用途ではさらにポリプロピレン(PP)発泡体に備わった熱安定性の恩恵を受け、熱流体のろ過又は暑い場所(例えば、エンジンルーム)での吸音を可能にする。
【0003】
PP発泡体は、その熱安定性、押し出しプロセスによって容易に製造できる製造容易性、及びリサイクル性のために望ましい。しかしながら、大きな平均気泡サイズをもちそして本質的に連続気泡をもつPP発泡体の製造は難しく挑戦的である。発泡体は、発泡体が発泡過程で膨張して連続気泡になったとき、“本質的に連続気泡”と称し、例えば、機械的穴あけ工程でその形になったものとは区別される。
【0004】
特許文献1は、少なくとも35wt%の高溶融張力(HMS)PPと65wt%以下のフリーラジカル重合したエチレンポリマーとの組み合わせから製造された大きな気泡サイズをもつポリオレフィン発泡体を開示している。しかしながら、特許文献1は独立気泡発泡体を製造しそれから連続発泡体性状を達成するために穴あけする方法を教示している。
【0005】
特許文献2は、1mmより大きい気泡サイズをもつ連続気泡のPP発泡体を含む連続気泡のポリオレフィン発泡体を開示しているが、しかし少なくとも10℃の融点差をもつポリオレフィンをブレンドする必要がある。
【0006】
特許文献2の技術で得られるものよりも大きな気泡サイズをもつPP発泡体を含むためには先行技術のPP発泡体を超えることが望ましい。穴あけが必要のない本質的に連続気泡であるPP発泡体を得ることが望ましい。もし、ポリマーブレンドで成形した発泡体が少なくとも10℃の融点差をもつポリマーを含む必要がないなら、それはさらに望ましいことである。少なくとも10℃ダイ温度窓を超えて本質的に連続気泡であるPP発泡体にブロー成形できるポリマー組成物はよりさらに望ましい。
【特許文献1】USP6,590,006 B2
【特許文献2】USP6,541,105
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、穴あけが必要のない本質的に連続気泡であるPP発泡体を得ることであり、ポリマーブレンドで成形した発泡体が10℃以上の融点差をもつポリマーを含む必要がなく、少なくとも10℃のダイ温度差があっても本質的に連続気泡であるPP発泡体に発泡できるポリマー組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述の望ましい性質の一つ以上に適合するPP発泡体及びその製造法を提供することによって先行技術のPP発泡体技術を上回る。
【0009】
第一の観点においては、本発明は、少なくとも4mmの平均気泡サイズをもつ気泡を有するポリマーブレンド物を本質的に含む本質的に連続気泡のポリマー発泡体であって、発泡体は本質的に少なくとも40%のASTM D2856−94に従った気泡含量をもち、そしてポリマーブレンド物が本質的に:(a)高溶融張力のポリプロピレン;(b)(a)の融点から10℃以内の融点、(a)とはかなり異なったメルトフローレート(ASTM D−1238、条件L)をもち、そして(a)と相溶性がある線状及び実質上線状のポリプロピレンから選択される第二のポリプロピレン;及び、所望により、(c)(a)と相溶性のないエチレンポリマーからなり、ポリマーブレンド物がポリマーブレンド物の重量基準で60wt%以下の(c)を含み;そして(a)が(a)と(b)の合計重量の少なくとも60wt%で90wt%以下であることを特徴とする本質的に連続気泡のポリマー発泡体である。
【0010】
第二の観点においては、本発明は、軟化したポリマーブレンド物に発泡剤を混合圧力において混合しそれから発泡性組成物を混合圧力よりも低い圧力に曝しそして発泡性組成物を膨張させて請求項1記載のポリマー発泡体とする発泡性組成物を発泡させることからなる方法であって、軟化したポリマーブレンド物が本質的に;(a)高溶融張力のポリプロピレン;(b)(a)の融点から10℃以内の融点、(a)とはかなり異なったメルトフローレート(ASTM D−1238、条件L)をもち、そして(a)と相溶性がある線状及び実質上線状のポリプロピレンから選択される第二のポリプロピレン;及び、所望により、(c)(a)と相溶性のないエチレンポリマーからなり、ポリマーブレンド物がポリマーブレンド物の重量基準で60wt%以下の(c)を含み;そして(a)が(a)と(b)の合計重量の少なくとも60wt%で90wt%以下であることを特徴とする請求項1記載のポリマー発泡体の製造方法である。
【0011】
第三の観点においては、本発明は、第一領域の音が発泡体を少なくとも部分的に通って第二領域に到達するように二つの領域の間に請求項1記載の発泡体を置く工程からなる請求項1記載のポリマー発泡体の使用方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の発泡体は、例えば、吸音材料及びフィルター材料として有用である。
【0013】
本発明の発泡体は、穴あけが必要のない本質的に連続気泡であるPP発泡体であり、特に吸音性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の発泡体及びその製造方法は、本質的には二つ、好ましくは三つの異なったポリマーを含むポリマーブレンド物から本質的になる。ここでは、“本質的になる”とは、記載されている組成物の合計重量基準で少なくとも90wt%又はそれ以上から構成されていることを意味する。例えば、ポリマーブレンド物から本質的になる発泡体とは、ポリマーブレンド物が、合計発泡体重量の少なくとも90wt%から構成されていることを意味する。同様に、二つ、好ましくは三つのポリマーが合計ポリマーブレンド物重量の少なくとも90wt%から構成されている。
【0015】
第一のポリマー(成分A)は高溶融張力ポリプロピレン(HMSPP)である。第二のポリマー(成分B)は、成分Aとは異なりそして成分Aの融点から10℃以内の融点をもつ線状及び実質上線状のPPから選択される第二のPPである。理論によって拘束されるわけではないが、HMSPPは発泡膨張過程でのその張力硬化特性によって発泡過程での安定性を与え、一方線状又は実質上線状のPPはポリマーブレンド物の張力硬化特性を緩やかにするために、この特定のブレンド物は高い連続気泡含量をもつ大きな気泡をもつ発泡体を形成することが望ましい。本発明のポリマーブレンド物中の成分Aと成分Bの濃度は成分AとBの両方からの特性の良好な寄与を最適に達成する;即ち成分Aは膨張の過程で気泡壁に安定性を与えて崩壊を防ぎ、一方成分Bは膨張性と気泡(孔)間に連続部を形成するために破壊できる壁中のサイトを与える。結果として、本発明のポリマーブレンド物は大きな気泡径と本質的に連続気泡構造をもつ発泡体を造り出すために十分に膨張できる。
【0016】
成分A及びB( 成分A及びBは集合して“PP成分”となる)のそれぞれは、ポリマーの重量で少なくとも50wt%の重合したプロピレン単位を含むポリマーである。望ましくは、PP成分の片方又は両方が、ポリマー成分の重量基準で、80wt%以上、好ましくは90wt%以上、より好ましくは100wt%(即ち、PPホモポリマー)の重合したプロピレンである。成分A、B又はAとBの両方はまた、エチレン、4から10の炭素原子を含む(C4−10
)1−オレフィン及び(C4−10 )ジエンから選択されるオレフィンとプロピレンとのランダム又はブロックコポリマー、又はプロピレンとエチレン及びC4−10
α−オレフィンから選択される二つのモノマーとのランダムターポリマーであることができる。望ましくは、成分A、B又はAとBの両方はアイソタクチックである。
【0017】
成分Aは高溶融張力ポリプロピレン(HMSPP)であり、即ち、成分Aは、高エネルギー電子ビームでの照射(ここでは参照として取り込まれている特許文献3を参照されたい)、アジド官能性シランでのカップリング(ここでは参照として取り込まれている特許文献4を参照されたい)を含む分岐方法によって、そして多官能性ビニルモノマーの存在下で過酸化水素と反応させることによって製造される分岐ポリマーである。HMSPPは、1より小さい、好ましくは0.9より小さいそして最も好ましくは0.4より小さい分岐指数をもつ。HMSPPは好ましくは少なくとも0.2の分岐指数をもつ。分岐指数はポリマー中の長鎖分岐の指標である(分岐指数を決定する方法としてはここでは参照として取り込まれている特許文献5の第3欄、65行から第4欄、30行を参照されたい)。
【0018】
成分Aは望ましくは、0.01g/10分以上、好ましくは0.05g/10分以上、より好ましくは0.1g/10分以上、よりさらに好ましくは0.5g/10分以上のメルトフローレート(MFR)をもつ。成分Aは望ましくは、100g/10分以下、好ましくは50g/10分以下、より好ましくは20g/10分以下、よりさらに好ましくは10g/10分以下のMFRをもつ。0.01g/10分以下のMFRをもつHMSPP(成分A)は粘凋で発泡しにくい傾向があり、一方100g/10分より大きいMFRをもつものはあまりに流れすぎて発泡しにくい傾向がある。MFRはASTM D1238(条件L:230℃、2.16kg荷重)で測定する。
【0019】
成分Bは成分Aと実質的に異なったMFRをもち、これは成分Bが成分AのMFRの半分以下又は成分AのMFRの2倍以上のMFRをもつことを意味する。もし、成分BのMFRが成分AのMFRと実質的に異ならない(即ち、そのMFRがHMSPP成分のMFRの0.5−2倍のMFRのときは、ポリマーブレンド物は単独気泡に膨張する傾向がある。そのMFRは成分Aと同様にして測定される。成分Aと同じ理由で、成分Bは0.01g/10分より大きくそして100g/10分より小さいMFRをもつことが好ましい。
【0020】
両方のPP成分は望ましくは7センチニュートン(cN)以上、好ましくは10cN以上、よりさらに好ましくは15cN以上そして最も好ましくは20cN以上の溶融張力をもつ。望ましくは、両方のPP成分は60cN以下、好ましくは40cN以下の溶融張力をもつ。7cNより小さい溶融張力をもつPP成分は、ポリマーブレンド物を不安定にして発泡体に成形しにくくし、一方、60cNを越える溶融張力をもつPP成分は、ポリマーブレンド物を発泡体に膨張させるのが難しくなる。溶融張力の測定は“チッソ法”に従って行う。チッソ法は、直径2.1mm、長さ40mmのキャピラリーから230℃で押し出したときの溶融ポリマー材料の糸(ストランド)にかかる張力(cN)を意味する。ポリマーの押し出しは、溶融張力試験機モデル2(東京精器製作所K.K)を使用して20mm/分の押し出し速度と3.14mm/分の巻き取り速度で行う。
【0021】
成分A及び成分Bはお互いに異なった溶融張力をもっていてもよいが、両方のPP成分共に望ましくは10cN以上、好ましくは20cN以上そして60cN以下、好ましくは55cN以下の溶融張力をもつ。10cNより小さい溶融張力をもつポリマーは発泡が不安定で、一方、60cNより大きい溶融張力をもつポリマーは成形が難しい。溶融張力とは、ゲットフェルトレオテン溶融張力装置(ゲットフェルト社製)を使用して、直径2.1mm、長さ4.9mmのキャピラリーダイから190℃で0.030mL/秒の速度で押し出し、そして一定の加速度で引っ張ったときの溶融ポリマー材料の糸にかかる張力を意味する。ポリマーの限界引っ張り張力、又は破壊時の張力がポリマーの溶融張力である。
【0022】
成分A及び成分Bはお互いに異なった溶融伸び値をもっていてもよいが、レオテン溶融張力装置で測定したとき、両方のPP成分共に望ましくは少なくとも50%、好ましくは150%以上、より好ましくは200%以上の溶融伸びをもつ。もし、PP成分が50%より小さい溶融伸び値をもつときは、発泡体に膨張しない。PP成分の好適な溶融伸び値には上限は知られていない。
【0023】
成分Aは望ましくは1.5以下、好ましくは1.2以下。そしてより好ましくは1.0以下のtanδ値をもつ。成分Aは一般的には0.5以上のtanδ値をもつ。1.5より大きいtanδ値をもつ。ポリマーは非常に粘凋で、加工工程で発泡体の崩壊を促進する傾向がある。tanδ値はg”/g’の比で、g”はポリマー溶融物の弾性ロスでありそしてg’は弾性蓄積である。ポリマーのtanδ値は、2.5mm厚で25mm直径のポリマーサンプルを190℃で機械分光計(例えば、レオメトリックモデルRMS−800;レオメトリック社製)を使用し、1ラジアン/秒の振動数で発振させて測定する。
【0024】
好適なHMSPPポリマーの例としては、プロファックスPF814(バッセルポリオレフィン社製、北米モンテル社の商標名)及びダプロイWD130HMS(デンマークのボレアリスA/S社製)がある。
【0025】
成分Bは、成分Aの融点から10℃以内の融点をもつ線状又は実質上線状のPPポリマーから選択する。“線状PP”は長鎖分岐がなく分岐指数1をもつ。“実質上線状のPP”は1,000炭素原子当たり3までの、好ましくは1までの長鎖分岐を含む。典型的には、実質上線状のPPは1,000炭素原子当たり0.01以上、より典型的には0.03以上の長鎖分岐を含む。実質上線状のPPは1より小さい分岐指数をもつ。本発明のポリマーブレンド物においては、成分Bは同じポリマーブレンド物中で成分Aより大きな分岐指数をもつ。
【0026】
成分Bは望ましくは成分Aと“相溶性”であり、好ましくは“完全に相溶性”である。ポリマーの相溶性は示差操作熱量計(DSC)で規定する。成分Aと成分Bのブレンドサンプルを23℃からサンプルが完全に溶融するまで加熱する。サンプル温度に対してサンプルの一定な温度上昇を10℃/分に維持するのに必要な熱流束をプロットする。ポリマーは、もしそれらが“完全に相溶性”或いは“実質上相溶性”であれば“相溶性”である。
もしポリマーサンプル中のポリマー成分が“完全に相溶性”であれば、プロット上に一つのピークが存在ずる。ポリマーはその対応するピーク面積の重なりが少なくとも50%であれば、“実質上相溶性”である。ポリマーは、もしそれらが“完全に相溶性なし”或いは“実質上相溶性なし”であれば“相溶性なし(混じり合わない)”である。ポリマーはそれぞれのポリマーに対応するピークがありそしてそのピークが重なり合わない(それらはベースライン補正される)ならば、“完全に相溶性なし”である。ポリマーはその対応するピーク面積の重なりが50%以下であれば、“実質上相溶性なし”である。
【0027】
好適な成分Bポリマーの例としては、プロファックス6823(バッセルポリオレフィン社製)及びPP5D45(アメリカのダウケミカル社製)がある。
【0028】
成分A及び成分Bは10℃以内の差の融点をもち、結果として、発泡工程で効率的にブレンドされる。
【0029】
ポリマーブレンド物中の成分Aと成分Bの組み合わせは、成分Aと成分Bの組み合わせ合計重量の60wt%以上で90wt%以下の成分Aを含む。その組み合わせは70wt%以上、さらには80wt%以上の成分Aを含むことができる。Wt%は、成分Aと成分Bの組み合わせ合計重量の相対割合である。60wt%より少ないHMSPPを含むポリマーブレンド物は不安定でそして発泡時に崩壊する傾向がある。90wt%より多い成分Aを含むポリマーブレンド物は単独気泡となる傾向がある(連続気泡含量が20%以下)。
【0030】
第三のポリマー成分(成分C)、エチレンポリマー成分、は望ましいがしかしポリマーブレンド物に必須ではない。成分Cはポリマーブレンド物から造られる発泡体の吸音特性を高める。理論によって拘束される訳ではないが、発泡体壁内に成分Cが存在すると、その壁をより容易に振動させることができそして、それによって、PP成分のみから造られた壁よりも音エネルギーをより容易に吸収する。成分Cは成分Aと“相溶性がない”、好ましくは“完全に相溶性がない”。相溶性はPP成分のところで記載したDSC法を使用して規定する。
【0031】
成分Cとして好適なポリマーはポリマーの重量で50wt%より多い、好ましくは80wt%より多い重合したエチレン単位を含む。成分Cとして好適なポリマーの例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチレン−エチルアクリレートコポリマー(EEA)、及びエチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)を包含する。成分Cは一つ以上の好適なポリマーを含む。好ましくは、成分CはLDPE、LLDPE及びHDPEからなる群から選択される。最も好ましくは、成分CはLDPEである。
【0032】
分岐エチレンポリマーは発泡体中の吸音効果を与えると共に成形過程で最適な発泡安定性を与えるために成分Cとして特に望ましい。分岐ポリマーは発泡を伴うポリマー膨張の過程で張力硬化を起こし、それがその発泡過程での気泡の安定性を高める。
【0033】
望ましくは、成分Cは0.1g/10分以上、好ましくは0.25g/10分以上、より好ましくは0.5g/10分以上そして100g/10分以下、好ましくは50g/10分以下、より好ましくは5g/10分以下のメルトインデックス、I2をもつ。I2はASTM D−1238に従って190℃、2.16kg荷重で測定する。0.1g/10分以下のI2をもつエチレンポリマーは非常に粘度が高く容易には発泡せず、一方100g/10分より大きいI2をもつエチレンポリマーは安定な気泡を形成するのに十分な粘度をもたない。
【0034】
成分Cはポリマーブレンド物中でポリマーブレンド物の合計重量基準で60wt%以下、好ましくは50wt%以下そしてより好ましくは40wt%以下の量で存在する。60wt%より多くの成分Cを含むポリマーブレンド物は加工過程で崩壊する不安定な気泡を形成する傾向がある。ポリマーブレンド物は成分Cを含まなくてもよく;それ故に、成分Cは所望によって使用する成分である。
【0035】
成分Cとして好適なポリマーの例としては、LDPE620i及びLDPE300R(共にダウケミカル社製)がある。
【0036】
第一の観点においては、本発明は、本質的に成分A、Bそして、所望により、Cのポリマーブレンド物からなるポリマー発泡体である。成分A、B及びCの相対割合は上述のポリマーブレンド物に対して記載されたとおりである。発泡体は4mm以上、好ましくは7mm以上の平均気泡サイズをもつ。発泡体は10mm以上の平均気泡サイズをもつこともできる。発泡体は一般的には20mmより小さい平均気泡サイズをもつが、本発明の気泡サイズには上限は知られていない。平均気泡サイズはASTM D3756に従って測定する。
【0037】
本発明の発泡体は本質的に連続気泡であり、発泡体形成プロセスの過程で気泡間を貫通している孔を意味する。そのように、本発明の発泡体は発泡後に気泡構造をつなげるのになんらの追加の加工(例えば、穴あけ)を必要としない。本発明の本質的な連続気泡は穴あけした発泡体とは区別される。穴あけした発泡体は、少なくとも一つの気泡表面を含む二つ以上(少なくとも三つの気泡壁)を通る連続気泡の直線配列をもつ。連続気泡は本質的に同一サイズである。一般的には、穴あけした発泡体は、発泡体表面を削ること無しで二つの向かい合う第一発泡体表面を通って伸びる開口部通路の直線的配列をもつ。
【0038】
これに対して、本質的な連続気泡は典型的には、二つ以上の気泡を通って伸びる連続開口部の直線的配列、特に本質的に同一サイズである開口部のそのような配列にはとらわれない。さらに、本質的な連続気泡は典型的には、発泡体表面を削ること無しで二つの向かい合う第一発泡体表面を通って伸びる開口部通路を形成する本質的に同一サイズの開口部の直線的配列の通路にはとらわれない。
【0039】
本発明の発泡体は、40%以上の、好ましくは60%以上の、より好ましくは80%以上の、よりさらに好ましくは90%以上の連続気泡含量に対応する本質的に連続な気泡構造をもつ。本発明の発泡体は100%以下の本質的に連続な気泡構造をもつ。連続気泡含量はASTM D2856−94、手順Aに従って測定する。穴あけのような追加の加工方法は本発明の発泡体の連続気泡特性を修飾し又は高めるために好適である。穴あけのような方法は特に発泡体表面の皮を通る連続気泡特性を高めるために望ましい。
【0040】
望ましくは、本発明の発泡体はリサイクル可能である。もし、発泡体が、同じ加工条件下で、再生加工ポリマーなしで製造された新しいポリマー発泡体と比較して新しいポリマー発泡体に目視的に検知可能な障害を起こさないで新しいポリマー発泡体中に再加工可能であるときに“リサイクル可能”という。理想的には、本発明の発泡体は、発泡体の性質に影響を与えずに、ポリマーブレンド物の重量基準で少なくとも20wt%を新しいポリマー発泡体中に充填できる十分なリサイクル性がある。
【0041】
本発明の発泡体は20−20,000ヘルツ(Hz)、好ましくは500−10,000Hz、より好ましくは2,000−5,000Hzの範囲での音の吸収に有用である。
【0042】
望ましくは、本発明の発泡体は、発泡体の皮がある無しに拘わらず、0.2以上、好ましくは0.35以上、より好ましくは0.4以上のノイズ吸収係数(NRC)をもつ。発泡体の皮とは削り取ることが可能な発泡体表面のポリマーフィルムのことである。NRCは250、500、1000、及び2000ヘルツでの音吸収係数の算術平均である。音吸収係数はASTM E−1050に従って、直径が29mm及び100mmで厚みが25mmのサンプルを使用して測定する。この係数を測定するのに好適な装置としては、デンマークのブルーエルカジャエル(Bruel and Kjaer)A/S社製のモデル4206アコースチックインピーダンスチューブ及びモデル3555信号解析器がある。
【0043】
本発明の多くの発泡体はまた130℃以上、好ましくは140℃以上、より好ましくは150℃以上の熱変形温度をもつ。熱変形温度とは、発泡体がその温度に1時間以上曝されたときに少なくとも5体積%縮むときの温度を意味する。高い熱変形温度をもつことは、比較的高い使用温度(例えば、自動車のエンジンルーム)を要求される用途において望ましい。高い供用温度の用途は、最適な熱安定性を得るために成分A及び成分BとしてPPホモポリマーをもつ発泡体が有利である。
【0044】
第二の観点においては、本発明は、発泡剤と流動性のポリマー組成物を発泡させてそしてそれから発泡性組成物を発泡体に膨張させることによって第一の観点のポリマー発泡体を製造する方法である。成分A、B、そして好ましくは(必須ではないが)成分Cを本質的に含むポリマーブレンド物を軟化させることによって流動性ポリマー組成物(即ち、軟化したポリマーブレンド物)を製造する。成分A、B、及びCの相対割合は、上述のポリマーブレンド物のところで記載したとおりである。流動性ポリマーに発泡剤を混合圧力で混合させることによって発泡性組成物を調製する。発泡性組成物を混合圧力よりも低い圧力に曝すと発泡性組成物は発泡体に膨張する。熟練した当業者にとっては、これはポリマー発泡体の製造法の一般的な方法であって如何なる多くの公知の方法でも採用可能であることは自明であろう。
【0045】
押し出しプロセスが最も望ましい。押し出しプロセスにおいては、ポリマー成分(成分A、BそしてときによりC)を、各ポリマーを軟化させるのに十分な温度で押出機に供給する。流動性ポリマー組成物を発泡させるために、ポリマー成分を混合する。ブレンドした組成物に混合圧力で発泡剤を添加して発泡性組成物を発泡させる。発泡性組成物をダイ温度、ダイ圧力でダイを通して、ダイ圧力よりも低い圧力ゾーンに押し出す。好ましくは、発泡性組成物のためのポリマーブレンド物からなるポリマー成分の全てを軟化させるのに必要な最低温度の30℃以内のダイ温度でダイを維持する。流動性組成物中でポリマー成分の全てを軟化させるのに必要な最低温度は、発泡性組成物中の最高融点成分の結晶化融点(Tm)か、又は最も高いガラス転移温度をもつ発泡性組成物中のポリマー成分のガラス転移温度(Tg)のいずれか高い方である。望ましくは、ダイ温度を165℃以下に保てば、発泡剤はポリマーの膨張の寄与なしで軟化したポリマーブレンド物を通って急速に浸透する傾向がある。
【0046】
本発明の利点の一つは、ポリマーブレンド物が、4mm以上の平均気泡サイズをもつ本質的に連続な気泡(連続気泡含量が20%より大きい)を造り出すことが、押し出しプロセスの過程で可能なダイ温度範囲である広いダイ温度窓を可能にする点である。一般に、ダイ温度窓は8℃以上であり、そして10℃以上、さらに15℃以上も可能である。
【0047】
流動性ポリマー組成物中に、押出機、混合機、又はブレンダーのような文献公知の手段によって発泡剤を混合する。如何なる従来からの発泡剤も本発明の発泡体を成形するのに適している。例えば、特許文献5は第4欄、66行から第5欄、20行(ここでは参照として取り込まれている)において、本発明の方法に適した発泡剤を記載している。特に好ましい発泡剤としては、n−ペンタン、イソ−ペンタン、n−ブタン、イソ−ブタン、プロパン、及びイソ−ブタン/n−ブタンブレンド物を含むそれらの組み合わせのような−50℃と+50℃の間の沸点をもつ脂肪族炭化水素を包含する。水及び二酸化炭素もまた望ましい発泡剤である。フッ素化炭化水素のようなハロゲン系発泡剤もまた好適な発泡剤である。発泡性組成物は如何なる発泡剤又はそれらの混合物も含むことができる。
【0048】
好適な押し出し方法としては特許文献6及び特許文献7(共にここでは参照として取り込まれている)に教示されているような蓄積押し出しプロセスも含む。畜積押し出しは、発泡を不可能にする条件下で発泡性ゲルを残留させる保持ゾーン(畜積器)を含む押し出し−畜積系を使用する。蓄積器は減圧ゾーンに開口している出口ダイをもっている。そのダイは間歇的に開きそしてそれから再び閉じるオリフィスをもっている。機械的ピストンが、オリフィスの開口部に生ずる発泡性組成物に圧力をかける。ピストンが圧力をかけるとき、組成物の一部はダイを通って組成物がポリマー発泡体に膨張する減圧ゾーンに押し出される。蓄積押し出しプロセスは連続的というよりは、間歇的なポリマー発泡体の押し出し方法である。それにもかかわらず、蓄積押出機からの発泡生成物は連続的な押し出しプロセスと極めて類似している。
【0049】
合体発泡プロセスもまた本発明の押し出しプロセスの好適な態様である。特許文献8及び特許文献9(共にここでは参照として取り込まれている)は合体発泡プロセスの記載を含んでいる。一般に、合体発泡プロセスの過程で、発泡性ポリマー組成物は、発泡性組成物が押し出しで発泡するとき、生ずる発泡性ポリマーのストランド(糸)がお互いに接触して部分的に合体するように向けられた多数のオリフィスを含むダイを通って押し出される。生じた発泡体は、発泡体の押し出し方向に伸びている発泡ストランドの組成物である。皮は典型的には合体発泡体中のそれぞれのストランドを規定する。
【0050】
ビーズ発泡体プロセスもまた本発明の好適な態様である。押し出しとバッチビーズ発泡プロセスが好適である。押し出しプロセスは発泡ストランドを押し出しそしてストランドをビーズ形態に顆粒化する必要がある。バッチプロセスは顆粒状の樹脂ペレット、液体媒体中の懸濁物のような不連続な樹脂粒子を形成する必要があり、そこではペレットは実質上不溶性(例えば、水媒体)であり;高められた圧力と温度下で発泡剤をペレットに含浸させ;そしてそれから高められた圧力よりも低い圧力のゾーンにペレットを排出しそしてペレットを発泡ビーズに膨張させる。特許文献10及び特許文献11(共にここでは参照として取り込まれている)は好適なバッチビーズ発泡プロセスを開示している。
【0051】
本発明の発泡体は特に吸音材料として有用である。発泡体を吸音材として使用する方法は、第一領域の音が発泡体を少なくとも部分的に通って第二領域に到達するように二つの領域の間に本発明の第一の観点の発泡体を置く工程をもつことを特徴とする。その領域は、例えば、建物の部屋、覆われたスペース(例えば、乗り物のエンジンスペース及び乗員のスペース)、又は建物内の二つの部屋の部分である。望ましくは、第二の領域に到達する前に吸音が望まれるときに、第一の領域の音源と第二の領域の間に発泡体を置く。
【0052】
本発明の発泡体はまた、ろ過用途のフィルターとしての使用にも適している。
【0053】
本発明の発泡体はポリマーブレンド物内に分散した一つ以上の在来の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、無機フィルター、伝導フィルター、顔料、抗酸化剤、酸除去剤、難燃剤、紫外線吸収剤、加工助剤、押し出し助剤、透過性改良剤、静電気防止剤、照射遮蔽材料及びその他の熱可塑性ポリマーを包含する。本発明の発泡材料は好ましくは少なくとも一つのカーボンブラック及び難燃添加剤のような照射遮蔽材料を含む。本発明の発泡体中における在来の添加剤の合計量は合計発泡体重量基準で10wt%以下である。
【0054】
以下の実施例は本発明の特定の態様をさらに詳述するために供される。
材料
プロファックスPF814樹脂はオランダのバッセルポリオレフィン社製の3g/10分のMFRをもつHMSPPである。
【0055】
PP1は0.5の部分メルトフローをもつPPホモポリマー樹脂である。(PP1は、例えば、オランダのバッセルポリオレフィン社製のプロファックスPF6823でもよい)。
【0056】
LDPE1は0.923g/ccの密度と1.0g/10分のI2をもつLDPE樹脂である。(例えば、アメリカのダウケミカル社製のLDP300R)。
【0057】
商標名プラスブラックPE3037はLDPE中に濃縮物重量として25wt%のカーボンブラックを含む濃縮組成物である。プラスブラックはキャボット社の商標名である。
【0058】
EPR1は0.8g/10分のMFRをもち、そしてモノマー単位の10wt%がエチレンであるエチレン/プロピレンコポリマーである。特に、EPR1はEPR1の重量基準で80wt%のPPを、そしてEPR1の重量基準で20wt%のプロピレン/エチレン(PE)ブロックコポリマー(PEコポリマー重量基準で、プロピレン単位50wt%とエチレン単位50wt%を含む)をもつコポリマーである。EPR1は0.8g/10分(230℃、2.16kg荷重)のMFRと0.9g/ccの密度をもつ。
【0059】
商標名イルガノックス1010はフェノール系抗酸化剤/安定剤である。イルガノックスはチバ特殊化学品社の商標名である。
【0060】
商標名イルガフォス126はリン系抗酸化剤/安定剤である。イルガフォスはチバ特殊化学品社の商標名である。
【0061】
GMSはモノステアリン酸グリセロール、発泡安定剤である。
【0062】
各実施例のサンプルの平均気泡サイズはASTM D3756に従って決定する。連続気泡含量はASTM D2856−94に従って決定する。サンプルの密度はASTM D3575,サフィックスW,方法Aで決定する。
【実施例1】
【0063】
実施例1は本発明のポリマー発泡体を例示する。実施例1のポリマーブレンド組成物は少なくとも17℃のダイ温度窓での押し出しによって本発明のポリマー発泡体の製造を可能にする。発泡体の物性を表1に示す。
【0064】
樹脂及び固体添加剤の供給ゾーン、溶融ゾーン、計測ゾーン、混合ゾーン及び冷却ゾーンを備えた2インチ(50.8mm)の単軸押出機を使用してサンプル1.1−1.4を製造する。計測ゾーンと混合ゾーンの間には発泡剤注入のための開口部がある。冷却ゾーンの後ろの押出機に50mm幅をもつ長方形の、隙間を調節可能なダイオリフィスを取り付ける。
【0065】
表1は、サンプル1.1−1.4のそれぞれのポリマー成分と濃度及びこれらのサンプルで得られた発泡体の物性を示す。成分A、B及びC(表1参照)のペレットを混合することによってペレット化したポリマー混合物を形成する。ペレット化したポリマー混合物重量の100部当たり0.4重量部のカーボンブラック濃度を達成するために十分なプラスブラックPE3037を添加する。ペレット化したポリマー混合物重量の100部当たりでそれぞれ0.66重量部のイルガノックス1010及び0.1重量部のイルガフォス126をペレット化したポリマー混合物に添加する。LDPE(0.92g/cc及び22g/10分のI2)中で25wt%濃度としてイルガノックスとイルガフォスを添加する。また、ペレット化したポリマー混合物重量基準で0.8重量部のGMSも添加する。
【0066】
ペレット化したポリマー混合物と添加剤を50kg/時間の速度で押出機に供給する。押出機ゾーンの温度を:供給ゾーンで160℃、溶融ゾーンで190℃、計測ゾーンで220℃そして混合ゾーンで220℃に維持する。冷却ゾーンとダイ温度を同一温度に保持する(各サンプル毎の温度は表1を参照されたい)。ペレット化したポリマー混合物の合計重量基準で8wt%の一定速度でイソブタンを押出機に注入しそして押出機内で発泡性ポリマー組成物を発泡させるために添加剤を注入する。
【0067】
発泡性ポリマー組成物を、ダイオリフィスを通して3500kPaのダイ圧力を使用して23℃で大気圧(101kPa)に押し出しそして組成物をポリマー発泡体に膨張させる。ダイスリット開口部は0.35mmである。得られた発泡体サンプルは3−4cmの厚みと13−14cmの幅をもっている。
【0068】
【表1】

【実施例2】
【0069】
実施例2は、成分Aとして50wt%のプロファックスPF814、成分Bとして10wt%のPP1、そして成分Cとして40wt%のLDPE1を使用して製造された本発明の二つの発泡体サンプル(2.1及び2.2)を示す。このサンプルはまたこの特定のポリマーブレンド割合が少なくとも6℃のダイ温度窓をもつことを示している。
サンプル2.1及び2.2を、表1に示されるポリマー組成とダイ温度を使用しそして1900kPaのダイ圧力を使用する以外はサンプル1.1−1.4と同様にして製造する。サンプル2.1及び2.2の物性もまた表1に示す。
【実施例3】
【0070】
実施例3は、成分BとしてPPホモポリマーの代わりにエチレン/プロピレンコポリマーからなる本発明の発泡体サンプル(3.1)を示す。
【0071】
サンプル3.1を、2100kPaのダイ圧力及び表1に示されるダイ温度を使用する以外はサンプル1.1−1.4と同様にして製造する。サンプル3.1の物性もまた表1に示す。
【特許文献3】USP4,916,198
【特許文献4】USP4,714,716
【特許文献5】USP5,527,573
【特許文献6】USP4,323,528
【特許文献7】USP5,817,705
【特許文献8】USP3,573,152
【特許文献9】USP4,824,720
【特許文献10】USP4,379,859
【特許文献11】USP4,464,484
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の発泡体は、吸音材料(例えば、車のエンジンルームの遮音材、建物の二つの部屋間の遮音材)及びフィルター材料として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも4mmの平均気泡サイズをもつ気泡を有するポリマーブレンド物を本質的に含む本質的に連続気泡のポリマー発泡体であって、発泡体は少なくとも40%のASTM D2856−94に従った本質的な連続気泡含量をもち、そしてポリマーブレンド物が本質的に:(a)高溶融張力のポリプロピレン;(b)(a)の融点から10℃以内の融点、(a)とは実質的に異なったメルトフローレート(ASTM D−1238、条件L)をもち、そして(a)と相溶性がある線状及び実質上線状のポリプロピレンから選択される第二のポリプロピレン;及び、所望により、(c)(a)と相溶性のないエチレンポリマーからなり、ポリマーブレンド物がポリマーブレンド物の重量基準で60wt%以下の(c)を含み;そして(a)が(a)と(b)の合計重量の少なくとも60wt%で90wt%以下であることを特徴とする本質的に連続気泡のポリマー発泡体。
【請求項2】
(a)がポリプロピレンホモポリマーである請求項1記載の発泡体。
【請求項3】
(b)がポリプロピレンホモポリマーである請求項1記載の発泡体。
【請求項4】
(a)がポリプロピレンホモポリマーである請求項3記載の発泡体。
【請求項5】
ポリマーブレンド物が成分(c)を含む請求項1記載の発泡体。
【請求項6】
(a)がポリプロピレンホモポリマーである請求項5記載の発泡体。
【請求項7】
(b)がポリプロピレンホモポリマーである請求項5記載の発泡体。
【請求項8】
(a)がポリプロピレンホモポリマーである請求項7記載の発泡体。
【請求項9】
(c)が低密度ポリエチレンである請求項5記載の発泡体。
【請求項10】
軟化したポリマーブレンド物に発泡剤を混合圧力において混合しそれから発泡性組成物を混合圧力よりも低い圧力に曝しそして発泡性組成物を膨張させて請求項1記載のポリマー発泡体とする発泡性組成物を発泡させることからなる方法であって、軟化したポリマーブレンド物が本質的に;(a)高溶融張力のポリプロピレン;(b)(a)の融点から10℃以内の融点、(a)とはかなり異なったメルトフローレート(ASTM D−1238、条件L)をもち、そして(a)と相溶性がある線状及び実質上線状のポリプロピレンから選択される第二のポリプロピレン;及び、所望により、(c)(a)と相溶性のないエチレンポリマーからなり、ポリマーブレンド物がポリマーブレンド物の重量基準で60wt%以下の(c)を含み;そして(a)が(a)と(b)の合計重量の少なくとも60wt%で90wt%以下であることを特徴とする請求項1記載のポリマー発泡体の製造方法。
【請求項11】
軟化したポリマーブレンド物と発泡剤から押出機内で発泡性ポリマー組成物を発泡させそれから押出機からダイを通して発泡性ポリマー組成物を押出機内より低い圧力の大気中に押し出すことからなる請求項10記載の方法。
【請求項12】
(a)がポリプロピレンホモポリマーである請求項10記載の方法。
【請求項13】
(b)がポリプロピレンホモポリマーである請求項10記載の方法。
【請求項14】
(a)がポリプロピレンホモポリマーである請求項13記載の方法。
【請求項15】
ポリマーブレンド物が(c)を含む請求項10記載の方法。
【請求項16】
(a)がポリプロピレンホモポリマーである請求項15記載の方法。
【請求項17】
(b)がポリプロピレンホモポリマーである請求項15記載の方法。
【請求項18】
(a)がポリプロピレンホモポリマーである請求項17記載の方法。
【請求項19】
(c)が低密度ポリエチレンである請求項15記載の方法。
【請求項20】
第一領域の音が発泡体を少なくとも部分的に通って第二領域に到達するように二つの領域の間に請求項1記載の発泡体を置く工程をもつことを特徴とする請求項1記載のポリマー発泡体の使用方法。

【公表番号】特表2008−518047(P2008−518047A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537910(P2007−537910)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/036002
【国際公開番号】WO2006/047060
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(502130582)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレーテッド (21)
【Fターム(参考)】