説明

大型土のう袋詰め機

【課題】作業上の労力負担と危険を少なくし、スピーディーに大型土のう製作を行えて作業人数を少なくする。
【解決手段】上開口5と下開口9を有するホッパー4に、車輪11付き支持部12を配設したホッパー車2と、ホッパー車を乗せ、ホッパーの下開口から土砂を落下させて大型土のう袋に詰める袋詰め箇所22を隣接して設けた袋詰め用枠体23の上に、ホッパー車がいずれの袋詰め箇所上へも移動できるようにレール24を敷設し、更にホッパー車を各袋詰め箇所上の所定位置で停止させるストッパー33、34を備えた土のう袋詰め台3とから構成する。そして、袋詰め時に大型土のう袋の内袋口部を外部から嵌める吐出用筒部8の外面に、内袋を止める内袋止め具20を設置し、又土のう袋詰め台の各袋詰め箇所の上部構成部材に、大型土のう袋の外袋を止める外袋止め具32等を設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木工事等に使用するため、大型土のう袋に土砂を詰めて大型土のうを製作する大型土のう袋詰め機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、災害現場の復旧や河川工事等をする場合、1.7〜1.8t(1立方メートル)用、2t用等の内外袋を重ねた大型土のう袋に土砂を詰めて大型土のうを製作し、使用している。なお、一般的に使用する土のう袋は小型であり、シャベルを用いて土砂を20kg程詰めて使用する。このような土のう袋はいずれも可撓性を有するので、そのままでは自立できず、土砂を詰めるのに不都合である。そこで、小型土のうに土砂を詰める際には、袋保持用具を用い、その保持用具を袋の内側に入れ、或いは外側に配置して袋を保持させている。すると、袋を筒状に立てて、その口を大きく開けることができるので、シャベルを用いて土砂を入れ易くなり、作業性が向上する。
【特許文献1】特開平11−227729
【特許文献2】特開2004−143787
【特許文献3】特開2006−348699
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、大型土のうを製作する場合は、袋の中に多量の土砂を詰め込む必要がある。そのため、通常はバックホー、パワーショベル等の機械を用い、バケットで土砂をすくって大型土のう袋に投入する。その際、多量の土砂を投入し易くするため、筒状の保持用具上に大型の漏斗状投入部を一体的に結合して用いている。そして、袋詰め時には、先ずバックホー等のフックに漏斗状投入部付き筒状保持用具を吊り下げ、その筒状保持用具の外側に内袋を嵌め、更に漏斗状投入部付き筒状保持用具に内外袋を引っ掛けて大型土のう袋を吊り下げて取り付ける。次に、その漏斗状投入部付き筒状保持用具等を地面上に置いて立て、土砂を投入して袋詰めする。又、その袋詰め後に漏斗状投入部付き筒状保持用具を吊り上げ、大型土のう袋を取り外す等の作業を行う。このため、通常は4人1組になって大型土のうの製作を行っている。なお、漏斗状投入部付き筒状保持用具を2個並べて一体にしたものも用いられているが、土砂の投入以外は2人の作業員によって全て手作業で行っている。
【0004】
しかしながら、単独構成の漏斗状投入部付き筒状保持用具を用いても、袋詰めする度に、上述した一連の作業をしなければならず、複数回の吊り下げ作業が必要となるので、それだけ時間がかかり、労力的な負担も大きく危険を伴う。しかも、投入作業をし易くするため、漏斗状投入部の土砂投入用上開口を大きくすると、漏斗状投入部付き筒状保持用具の全体が大きく重くなって取り扱い難くなり、地面に置いた時不安定になって倒れ易くなる。それ故、土砂投入用上開口をあまり大きくできないため、大型のバックホー等を用いると、バケットから投入した土砂の一部が上開口に投入されずに、周辺に落下し易くなる。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、作業上の労力負担と危険を少なくし、スピーディーに大型土のう製作を行えて、作業人数も少なくて済む大型土のう袋詰め機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明による大型土のう袋詰め機は、土砂投入用上開口と土砂吐出用下開口を有するホッパーに、車輪付き支持部を複数箇所配設したホッパー車と、そのホッパー車を乗せ、ホッパーの下開口から土砂を落下させて大型土のう袋に詰め、大型土のうを製作して収容する土のう収容空間を有する袋詰め箇所を隣接して設けた袋詰め用枠体の上に、ホッパー車の車輪が乗るレールを敷設して、そのレールをホッパー車がいずれの袋詰め箇所上へも移動できるように配置し、更にその袋詰め用枠体或いはレールにホッパー車を各袋詰め箇所上の所定位置で夫々停止させるストッパーを備えた土のう袋詰め台とから構成する。
【0007】
そして、上記ホッパーの最下部を構成し、袋詰め時に大型土のう袋の内袋の口部を外側から嵌める吐出用筒部の外面に、その内袋を止める内袋止め具を設置し、又土のう袋詰め台の各袋詰め箇所の上部を構成する部材に、大型土のう袋の外袋を止める外袋止め具を夫々設置する。
【0008】
又、土のう袋詰め台の各袋詰め箇所に土のうの取出口を夫々設け、その各土のう取出口の両側に土のう収容空間を形成する壁として、土のうはみ出し防止板を夫々配設すると好ましくなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の大型土のう袋詰め機は、土砂投入用上開口と土砂吐出用下開口を有するホッパーに、複数個の車輪付き支持部を固着したホッパー車を用い、そのホッパー車を土のう袋詰め台の最上部にあるレール上に乗せて使用することにより、その土のう袋詰め台を平らな場所に据え付けて置くと、ホッパー車の載置状態が安定し、そのホッパー車をレールによっていずれの袋詰め箇所へも簡単に移動できる。それ故、袋詰めの度に、従来のように漏斗状投入部付き筒状保持用具等を吊り上げる等の労力負担が大きく、危険な作業を必要としない。しかも、土のう袋詰め台又はレールにストッパーを備えておくことにより、ホッパー車を各袋詰め箇所上の所定位置で夫々停止させて強固に固定できる。それ故、土砂投入用上開口を大きくすることが可能となり、大型のバックホー等を用いて、一度に多量の土砂を投入に易く、周辺に土砂等が落下せずに安全である。
【0010】
そして、袋詰め時には、先ず土のう袋詰め台に設けた隣接する次に袋詰めを実施する箇所の土のう収容空間に、大型土のう袋を持ち込み、その袋詰め箇所の上部を構成する部材に設置されている止め具を用いて大型土のう袋の外袋を止める。次に、隣のまだ袋詰めをしていない或いは既に袋詰めが終了している袋詰め箇所上からホッパー車を移動してきて、その袋詰め箇所上の所定位置に停止させて固定し、ホッパーの最下部にある吐出用筒部の外面に、大型土のう袋の内袋の口部を外側から嵌め、その内袋をそこに設置されている止め具を用いて止める。すると、袋詰めの準備が完了するので、バックホー等のバケットで土砂をすくって上開口から投入し、ホッパーの下開口から土砂を落下させ、所定量の土砂を大型土のう袋に充填できる。そこで、ホッパーの吐出用筒部から内袋を外し、ホッパー車を次に大型土のうを製作する隣の袋詰め箇所に移動した後、内袋の口部を閉じて大型土のうを製作する。この大型土のうは外袋の吊り部をバックホー等のフックに掛けて吊り上げながら、袋詰め箇所より外部に取り出す。このようにして、袋詰めを行うと、バックホー等の操作以外に必要な作業者の労力負担と危険が少なく、スピーディーに大型土のうの製作を行えて、作業人数を少なくできる。
【0011】
又、土のう袋詰め台の各袋詰め箇所に土のう取出口を夫々設け、その各土のう取出口の両側に土のう収容空間を形成する壁として、土のうはみ出し防止板を夫々配設することにより、袋詰め時に両土のうはみ出し防止板によって土砂が規制されながら袋詰めされる。それ故、製作した大型土のうの取り出し方向と直角方向の膨らみによる引っ掛かりをなくして、土のう袋詰め台から大型土のうを円滑に取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付の図1〜7を参照して、本発明の実施の最良形態を説明する。
図1は本発明を適用した大型土のう袋詰め機の正面図、図2はその平面図、及び図3はその左側面図である。この大型土のう袋詰め機1は、ホッパー車2とそのホッパー車2が乗る土のう袋詰め台3とからなる。そして、ホッパー車2は本体たるホッパー4を、土砂投入用上開口5と土砂吐出用下開口6を有する角形漏斗状の投入部7と、その下側に一体に結合し、土砂吐出用下開口6と内部穴を連通させ、穴径を等しくした角形状の吐出用筒部8とから構成する。すると、当然漏斗状投入部7の土砂吐出用下開口6と吐出用筒部8の土砂吐出用下開口9の大きさが同一になる。なお、吐出用筒部8は袋詰め時に大型土のう袋の内袋の口部を外側から嵌める箇所になる。
【0013】
このようなホッパー4を構成する投入部7の前後に配設した相対する逆台形状の壁板10(10a、10b)の下部寄り外面に、車輪11付き支持部12を複数箇所、例えばその各隅部付近に1箇所ずつ突設して合計4箇所配置する。その際、車輪11を支える支持部12として、矩形状水平板13の上面中央に三角形状垂直板14を植設し、その水平板13の先端部下面に、車輪11の軸を支える一対の三角形状板15を垂下して設けた組立体を用いる。
【0014】
又、投入部7は土砂投入用上開口5の4辺を縁取り16し、更にその各前後壁板10の上部寄り外面に、ホッパー車2の移動時に用いる移動用取っ手17として、L字状に屈曲した棒状体を用い、その屈曲箇所の一側にある直線部を垂直に配置し、他側にある直線部を水平に配置して、その両端を固着し夫々突設する。なお、投入部7の土砂投入用上開口5を形成する4縁を水平にし、その前後縁の各中央付近にホッパー車2の吊り上げ時に用いる吊り具18を夫々固着する。
【0015】
そして、ホッパー4の最下部を構成する吐出用筒部8には、その左壁板19と右壁板の外面の左右端部中央に、大型土のう袋の内袋の口部を挟んで止める止め具20を夫々配設する。このようにして、ホッパー車2を完成すると、そのホッパー車2の前後左右を対称にでき、全体をほぼ鋼鉄製にすることにより、強度を大きくすることができる。なお、内袋止め具20に関しては後に詳述する。
【0016】
このようなホッパー車2が乗る土のう袋詰め台3は、ホッパー4の下開口9から土砂を落下させて大型土のう袋1に袋詰めし、大型土のうを製作して収容する土のう収容空間21を有する袋詰め箇所22を、例えば2箇所左右に並べ、隣接して設けた袋詰め用枠体23の上に、ホッパー車20の車輪11が乗るレール24を2本平行に敷設し、その2本のレール24(24a、24b)をホッパー車2が左右にあるいずれの袋詰め箇所22(22a、22b)上へも移動できるように配置して構成する。その際、袋詰め用枠体23の骨組を形成するため、太さ、長さ、形状等の異なる種々の部材を用い、それ等を水平、垂直、斜め方向等に配置して組み立てて結合する。すると、長方形状に組み付けて、底枠25、前後枠26(26a、26b)、仕切枠27を夫々形成しながら、それ等を一体に結合することにより、袋詰め用枠体23の骨組を形成し、その仕切枠27の左右に直方体状の土のう収容空間21を有する袋詰め箇所22(22a、22b)を夫々設けることができる。しかも、その袋詰め用枠体23を構成する骨組の左右面と上面が開放状態になる。なお、底枠25は水平に配置するのに対し、前後枠26と仕切枠27はいずれも垂直に配置する。そして、仕切枠27の上部を構成する部材28をホッパー車2の移動の妨げとならないように一段と下げて水平に支持する。
【0017】
そして、前後枠26の両頂をレール敷設箇所にし、そこにレール24として断面U字状の長尺部材を夫々固着する。すると、平行に配設した両レール24の各上溝内にホッパー車2の対応する車輪11を夫々嵌めることができる。又、前後枠26の両内面に土のう収容空間21を形成する前後壁として、長方形状板29を夫々固着する。すると、袋詰め用枠体23の左右にある開口30(30a、30b)を袋詰め箇所22から大型土のうを取り出す土のう取出口にし、その各土のう取出口30の両側に夫々配設した前後壁板29(29a、29b)を土のうはみ出し防止板として利用できる。
【0018】
又、仕切枠27を構成する上部部材28の左右面の両端部に、大型土のう袋の外袋の口部に分散して配設されている4個の小さなループひもの2個分を引っ掛けて止めるため、外袋止め具たる引掛用の固定止め棒31を少し離して2本ずつ組にして固着し、上方に夫々少し突出させる。又、左右の土のう取出口30を形成する前後枠26の各垂直部材の上端部に、大型土のう袋の外袋の口部に配設した残りの2個の小さなループひもを引っ掛けるため、外袋止め具としてクランク状に屈曲した引掛用の可動止め棒32を用い、その下端部を円筒に嵌めて固着し、その上端部を回動自在にして、仕切枠27の上部構成部材28の上面位置より少し上方に突出する。すると、大型土のう袋の大きさに応じて固定止め棒31を選択し、可動止め棒32の止め位置を決定してループひもを引っ掛けることができる。
【0019】
又、各レール24の両端部に固定ストッパー33を夫々固着して、ホッパー車2を各袋詰め箇所22上の所定位置、即ち各袋詰め箇所22の最上中央部にホッパー4の吐出用筒部8がくるよう端部側の2車輪11を固定する。その際、固定ストッパー33として、例えばU字状に屈曲した棒状体を用い、レール24の上溝をまたぐアーチ状に配置し両端を固着する。しかし、ホッパー車2の他側に設置した2車輪11は、各レール24の中央側にくるため、その各車輪11を可動ストッパー34を用いて夫々固定する。その際、各可動ストッパー34として、例えば図4に示すような二等辺三角形状で、厚みをレール24の溝幅より若干狭くした山形板を用い、その可動ストッパー34に鎖35の一端を結合し、鎖35の他端を各レール24の中央直下にある袋詰め用枠体23の上部構成部材に夫々固着する。すると、各可動ストッパー34をレール24の溝内に嵌め、一定範囲を自在に移動させ、適切な位置で車輪11を夫々固定することができる。又、レール24から可動ストッパー34を自在に取り外しできる。このようにして、土のう袋詰め台3を完成する。すると、土のう袋詰め台3の前後左右を対称にし、その全体をほぼ鋼鉄製にすることにより、強度を大きくできる。
【0020】
このような大型土のう袋詰め機1を使用する場合、土のう袋詰め台3を袋詰めする土砂近くの平らな場所に据え付ける。そして、バックホー等によりホッパー車2を吊り上げ、その土のう袋詰め台3の最上部に敷設したレール24に乗せる。すると、ホッパー車2の載置状態が安定し、そのホッパー車2をレール24によって左右に配設したいずれの袋詰め箇所2へも簡単に移動できる。それ故、袋詰めの度に、従来のように漏斗状投入部付き筒状保持用具を吊り上げる等の労力負担が大きく、危険な作業を必要としない。
【0021】
しかも、土のう袋詰め台3に固定ストッパー33と可動ストッパー34を備えておくことにより、ホッパー車2を各袋詰め箇所22上の所定位置で夫々停止させて強固に固定できる。それ故、土砂投入用上開口5を大きくすることが可能となり、大型のバックホー等を用いて、一度に多量の土砂を投入に易く、周辺に土砂が落下せずに安全である。
【0022】
袋詰め時には、図5に示すように先ず土のう袋詰め台3に設けた左右にある次に袋詰めを実施する箇所22、例えば左側の袋詰め箇所22aの土のう収容空間21に、大型土のう袋36を左開口(土のう取出口)30aから持ち込む。そして、その外袋37の口部に分散して4箇所配設されている各掛けひも38(3a、…3d)を袋詰め箇所22aの上部構成部材28等に設置されている対応する止め棒31、32に夫々引っ掛けて止める。すると、大型土のう袋36を袋詰め箇所22aの底枠25や地面上等に広げて置き、その外袋37の口部を大きく開けることができる。なお、39は大型土のう袋36の内袋である。
【0023】
次に、隣のまだ袋詰めをしていない、或いは既に袋詰めが完了している右側の袋詰め箇所22b上からホッパー車2を左側の袋詰め箇所22a上に移動させる。そして、そのホッパー車2を、図6に示すように左側の袋詰め箇所22a上の所定位置に停止させ、ストッパー33、34にて固定した後、ホッパー4の最下部にある吐出用筒部8の外面に、大型土のう袋36を構成する内袋39の口部を外側から嵌め、そこに分散して4箇所設置されている各止め具20を用いて内袋39の対応箇所を夫々止める。その際、止め具20として、図7に示すように下方の一隅部を切り欠いた大略長方形状の支持板40と、先端側部41をU字状に屈曲させた押さえ棒42とを組み合わせて用いる。そして、吐出用筒部8を構成する左右壁板19等の各外面の所定箇所に、その支持板40を左又は右方向に向け、板面に垂直に突出させて固着し、その支持板40に設けた軸受け穴内に押さえ屈曲棒42の基部43を嵌め、その押さえ屈曲棒42を支持板40で回動可能に支持する。すると、内袋39の任意の箇所を支持板40の先端面と押さえ屈曲棒42の下動させた先端側部41とで挟持して止めることができる。なお、44は止めピン、45はワッシャーである。
【0024】
このようにして袋詰めの準備をした後、バックホー等のバケットで土砂をすくってホッパー4の上開口5へ投入する。すると、ホッパー4の下開口9から土砂を落下させて袋詰めでき、所定量の土砂を大型土のう袋36に充填できる。その際、左側の袋詰め箇所22aの左方に開く土のう取出口30aの両側に、土のう収容空間21を形成する前後壁として、土のうはみ出し防止板29を夫々配設しているので、土砂がそれ等の両防止板29に規制されながら袋詰めされて行く。なお、作業者が大型土のう袋詰め機1から離れた後に、ホッパー2内に土砂を投入する。
【0025】
土砂充填後、押さえ屈曲棒42の先端側部41を上動させて、ホッパー4の吐出用筒部8から内袋39を外し、ホッパー車2を次に大型土のうを製作する右側の袋詰め箇所22bに移動する。そして、移動後に内袋39の口部をひもで縛って閉じる。なお、右側の袋詰め箇所22bにはホッパー車2を移動する前に、当然そこに他の大型土のう袋36の外袋37を止めて、その口部を大きく開けて準備しておく。
【0026】
この大型土のうはバックホー等のフックに外袋37の上部に2箇所設けられている大きな吊りひも46を十文字状に交差させて引っ掛け、少し吊り上げながら左方に移動させ、取出口30aを通過させて外部に取り出す。その際、大型土のうは両側に配設されている土のうはみ出し防止板29によって土砂が規制されながら袋詰めされているので、大型土のうの取り出し方向と直角方向の膨らみによる引っ掛かりがなく、土のう袋詰め台3から円滑に取り出すことができる。このようにして、左右の袋詰め箇所22で交互に袋詰めを行うと、袋詰めに必要な吊り上げは、袋詰め終了毎に1度吊り上げて取り出すだけでよくなり、バックホー等の操作者以外の袋詰め作業を行うのに必要な作業者の労力負担と危険が少なく、タイムロスも少なくなって、安全にスピーディーに大型土のうの製作を行える。なお、通常はバックホー等の操作者1名とそれ以外の作業者1名の2名が組んで袋詰めをする。
【0027】
なお、上記土のう袋詰め台3には、ホッパー4の土砂投入用上開口5の口径寸法が、例えば1200×1500mm(1.7〜1.8t詰め大型土のう袋用)と、1600×1700mm(2t詰め大型土のう袋用)の2種類のホッパー車2を、適宜選択して乗せることができ、大型(0.7立方メートルクラス)のバックホーによる作業にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を適用した大型土のう袋詰め機1の正面図である。
【図2】同大型土のう袋詰め機の平面図である。
【図3】同大型土のう袋詰め機の左側面図である。
【図4】同大型土のう袋詰め機の可動ストッパーによる車輪停止状態を示す要部の正面図である。
【0029】
【図5】同大型土のう袋詰め機の左側袋詰め箇所内に、大型土のう袋を収容して外袋の口部を広げて止めた状態を示す平面図である。
【図6】同大型土のう袋詰め機に備えたホッパーの吐出用筒部に、大型土のう袋の内袋の口部を嵌めて止め固定した状態を示す左側面図である。
【図7】同ホッパーの吐出用筒部の外面に設けた内袋止め具により、大型土のう袋の内袋の口部を挟持した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
1…大型土のう袋詰め機 2…ホッパー車 3…土のう袋詰め台 4…ホッパー 5…土砂投入用上開口 8…吐出用筒部 9…土砂吐出用下開口 10…前後壁板 11…車輪 12…支持部 17…移動用取っ手 20…内袋止め具 21…土のう収容空間 22…袋詰め箇所 23…袋詰め用枠体 24…レール 25…底枠 26…前後枠 27…仕切枠 28…仕切枠の上部構成部材 29…土のうはみ出し防止板(前後壁板) 30…土のう取出口 31…固定止め棒(外袋止め具) 32…可動止め棒(外袋止め具) 33…固定ストッパー 34…可動ストッパー 36…大型土のう袋 37…外袋 38…掛けひも 39…内袋 40…支持板 42…押さえ屈曲棒 46…吊りひも

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土砂投入用上開口と土砂吐出用下開口を有するホッパーに、車輪付き支持部を複数箇所配設したホッパー車と、そのホッパー車を乗せ、ホッパーの下開口から土砂を落下させて大型土のう袋に詰め、大型土のうを製作して収容する土のう収容空間を有する袋詰め箇所を隣接して設けた袋詰め用枠体の上に、ホッパー車の車輪が乗るレールを敷設して、そのレールをホッパー車がいずれの袋詰め箇所上へも移動できるように配置し、更にその袋詰め用枠体或いはレールにホッパー車を各袋詰め箇所上の所定位置で夫々停止させるストッパーを備えた土のう袋詰め台とからなる大型土のう袋詰め機であって、上記ホッパーの最下部を構成し、袋詰め時に大型土のう袋の内袋の口部を外側から嵌める吐出用筒部の外面に、その内袋を止める内袋止め具を設置し、又土のう袋詰め台の各袋詰め箇所の上部を構成する部材に、大型土のう袋の外袋を止める外袋止め具を夫々設置することを特徴とする大型土のう袋詰め機。
【請求項2】
土のう袋詰め台の各袋詰め箇所に土のう取出口を夫々設け、その各土のう取出口の両側に、土のう収容空間を形成する壁として、土のうはみ出し防止板を夫々配設することを特徴とする請求項1記載の大型土のう袋詰め機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−184756(P2008−184756A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17208(P2007−17208)
【出願日】平成19年1月27日(2007.1.27)
【出願人】(507029867)株式会社ササキ (1)
【Fターム(参考)】