説明

大小模造亀製作の方法

【課題】孵化したばかりの小亀から中型、大型の模造亀の装飾品が望まれている。タイマイ、赤海亀、その他の海亀は大きさや形状の違いがあり、同じ型や色付けでは加工できなかった。
【解決手段】頭を持ち上げている形状の模造亀を作るためには、吸引成形器具内部の頭部2を傷つけず離脱するには、使用済みのパンティストッキングの一部を使って成形後、端を引張ることにより力が分散して変形することなく、取り出すことができる。省力化するため焼印を造り、甲羅や目の周辺を焼入れにより描くと均一に製作することができる。大型模造亀の製作には骨組を先行して造り、腹部に接着すれば歪や変形の無いものが造れ仕上がりは写真を印刷したものを切り貼りしてクリアーな樹脂を上塗りすると本物以上の色つやがでる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は大小亀の模造品造りの一部を改良したものであり、より本物に似た形態を有する製作の方法である。
【背景技術】
【0002】
従来「亀は万年」と言われ、長寿のシンボルであり、浦島太郎の物語にも登場する親しみのある生物である。
【0003】
近年地球環境の悪化により住みずらく、また、装飾品として乱獲され生存率が著しく低下している。装飾品として見た目に美しい代替品があれば乱獲されず、保護につながるが、そのような模造品は少ない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
安価で均一性があり、見た目にも美しく、耐久性があり、付加価値の高いものを造る必要がある。従来は丸い形をした石を組み合わせ色付けしたもの、ちぎり絵、縫い物、焼物等があるものの、装飾品として鑑賞できるような模造亀の工業生産的なものは無かった。
【0005】
本物の亀に匹敵するような模造品が出来れば問題は解決するため工夫した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ダルマなどの製作に使われている合わせ型吸引成形器の要領で、亀の形状を有した吸引成形器(図3、図4)で紙を粉砕したネタを吸引成形する。
【0007】
小さな構造亀を製作するためには、頭1を持ち上げている形状(図1)が美しいため、吸引成形器の構造に於いて頭部分2が下部に入り込んでいる構造(図2、図3、図4)とする。
【0008】
この構造にした場合、穴状になった頭部分2には入念にネタを押し込み成形するため、ステンレス網目にネタが入り込んで抵抗があり、離脱しにくい。伸縮性があり網目の小さな布、たとえばパンティストッキングを敷きこむと滑りが良くなり、取り出すとき布の端を引っ張ることにより、頭部2全体に引き出す力が分散して穴の中に入った状態の頭部2を損傷な無く、いとも簡単に取り出すことが出来る。そのため、図5のように、たるみのある状態で枠に挟み込み、その枠内で成形する。
【0009】
大きな模造亀を製作するとき、腹部3を先に造り歪まないように重しを工夫して乾燥後、規格の骨組4を接着する。骨組4はダンボール等の強度のあるものを一定の大きさや巾に切り、枠組みして先行製作しておけば効率的である。骨組と甲羅部分を接着するための材料として、水性系コーキング材を塗る。規格どおりの大きさにダンボールで作った骨組4でも、腹部3と甲羅部分共に吸引成形器の裏側になり厚みが多少不揃いのため、隙間に対応できるコーキングタイプの接着剤が望ましい。
【0010】
水性タイプのものは、甲羅部分が吸引成形されたばかりでまだ湿っている状態のため、接着し易いという理由からである。腹部3の縁廻りには少し柔らかく、後に下地塗装処理を施すとき支障の無いタイプの接着剤10を選ぶ。吸引成形した甲羅部分を被せ、洗濯場バサミ等で仮挟みする。こうすれば一番目につく甲羅部分が乾燥中に歪や変形することなく、製品乾燥後も強度が保つ事が出来る。
【0011】
大型のベッ甲亀、赤海亀、青海亀等は写真印刷された甲羅模様を切り貼りしてクリアーな塗装処理を施すことにより、本物に近いものができる。
【0012】
小型の模造亀の甲羅部分12は印刷物に費用がかかり、労力も多く必要となりコスト面から写真印刷の貼り付けは省き、焼印を押すように工夫した。
【0013】
加熱した焼印を前後、左右丸みの形状どおり均一に焼印を押し当てる。胡粉を膠で練り込んだ下地材又はシリコーン系ベース下地材等は熱にうまく反応して、綺麗な溝模様を付けることができる。残った箇所は電気ゴテで補修すればよく、丸くて複雑な形状の模造亀製作に有効な方法である。
【発明の効果】
【0014】

小型模造亀は首部の千切れや変形することなく製作でき、効率よく製作出来るようになった。大型模造亀は甲羅部分のゆがみや変形が無く、十分な強度を有する物が製作できるようになった。また、小型模造亀の甲羅製作においては、均一で凹凸のある溝付き紋様を製作でき、実物に近い亀を製作できるようになった。


【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
腹部も含め一体成形することも可能であるが、首部が持ち上がっていると型より離脱させるとき損傷し易い。首を下げた状態では勢いが感じられない。小型模造亀の製作には腹部13及び頭部の成形にはパンティストッキング等伸縮性のある網目のものを敷き込み、頭部や首廻りを良く突き込んで強固なものを造る。吸引成形の後、パンティストッキングの端を引っ張り型より離脱して乾燥する。

大形模造亀のように背部と腹部共乾燥したものを接着さす場合、刃物で切り合わせても隙間が出来たり、合体さすには技術を要する。腹部を先行成形して乾燥しておく。腹部3を先に造り歪まないように重しを工夫して乾燥後、規格の骨組4を接着する。骨組4はダンボール等の強度のあるものを一定の大きさや巾に切り、枠組みして先行製作しておけば効率的である。骨組と甲羅部分を接着するための材料として、水性系コーキング材を塗る。規格どおりの大きさにダンボールで作った骨組4でも、腹部3と甲羅部分共に吸引成形器の裏側になり厚みが多少不揃いのため、隙間に対応できるコーキングタイプの接着剤を使用する。

小型の模造亀の甲羅部分12は印刷物に費用がかかり、労力も多く必要となりコスト面から写真印刷の貼り付けは省き、焼印を押すようした。加熱した焼印を前後、左右丸みの形状どおり均一に焼印を押し当てる。胡粉を膠で練り込んだ下地材又はシリコーン系ベース下地材等は熱にうまく反応して、綺麗な溝模様を付けることができる。残った箇所は電気ゴテで補修すればよく、丸くて複雑な形状の模造亀製作に有効な方法である。

模造品を本物に似せるには、目の廻りの凹凸が必要であり、首筋のシワもより本物に近ずく形状である。目の周辺は焼印を造り焼入れし、首筋のシワは小さな電気ゴテで溝を付け色付けすると亀の剥製と同様となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】小型模造亀の側面図
【図2】亀の形状を有した吸引成形器
【図3】B−B‘断面図(甲羅側に頭部を付けた吸引成型器)
【図4】B−B‘断面図(腹部側に頭部を付けた吸引成型器)
【図5】パンティストッキングの一部を枠に挟み込んだもの
【図6】大型模造亀の骨組の斜視図
【図7】A−A‘より上部の甲羅紋様の焼印の断面図
【図8】A−A‘より上部の甲羅紋様の焼印の内面図
【符号の説明】
【0017】
1 小さな模造亀の頭部
2 吸引成形器内の頭部
3 大型模造亀の腹部
4 大型模造亀の骨組
5 大型模造亀の手
6 大型模造亀の足
7 大型模造亀の頭部
8 伸縮性のある網目状の布
9 伸縮性のある網目状の布を固定する枠
10 接着剤
11 真空ポンプへ吸引
12 甲羅
13 腹部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
小亀の模造品製作において、吸引成型器により頭部1を持ち上げている形状(図1)を造る場合、吸引成形後、型より離脱させるとき、首の部分が千切れたり変形することなく取り外しできるように、伸縮性があり編み目状の布を切り取り、敷き込んでおく製造方法。
【請求項2】
大型の模造亀(図6)の製作において、腹部3を先に成形して乾燥後、腹部3に規格の骨組4を接着し、骨組4の上部及び腹部3の縁廻りに接着剤10を塗り、吸引成形したばかりの甲羅部分を被せ、洗濯バサミ等で仮挟みする製作方法。
【請求項3】
小型の模造亀の製作に於いて、成形器の亀型より少し大きい焼印(図7、図8)を造り、加熱して下地処理を施した模造亀の甲羅に押しつけ、溝付き紋様(図8)を焼き付ける製作方法。






















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−207596(P2009−207596A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51927(P2008−51927)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(507171096)
【Fターム(参考)】